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▶ シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151324
(43)【公開日】2024-10-24
(54)【発明の名称】リレー
(51)【国際特許分類】
   H01H 50/38 20060101AFI20241017BHJP
   H01H 50/02 20060101ALI20241017BHJP
   H01H 50/54 20060101ALI20241017BHJP
   H01H 9/44 20060101ALI20241017BHJP
【FI】
H01H50/38 H
H01H50/02 K
H01H50/54 E
H01H50/54 D
H01H9/44 A
H01H9/44 Z
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063288
(22)【出願日】2024-04-10
(31)【優先権主張番号】202310385591.8
(32)【優先日】2023-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518215954
【氏名又は名称】シァメン ホンファ エレクトリック パワー コントロールズ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Xiamen Hongfa Electric Power Controls Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.93 Yinong Road, Haicang District, Xiamen, Fujian 361027,China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】モン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ウェングアン ダイ
(72)【発明者】
【氏名】ソンシェン チェン
(72)【発明者】
【氏名】リジ ス
【テーマコード(参考)】
5G027
【Fターム(参考)】
5G027AA03
5G027BB03
5G027BB09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改善されたリレーを提供すること。
【解決手段】接触容器は絶縁カバーとヨーク板を含み、絶縁カバーはヨーク板の一側面に接続され、絶縁カバーとヨーク板は接触チャンバを形成し、絶縁カバーには第1の貫通孔が設けられ、第1の貫通孔は接触チャンバに連通され、固定接点引出端は第1の貫通孔に穿設され、固定部材は、接触チャンバ内に設けられ、ヨーク板に固定的に接続され、可動部材は、接触チャンバ内に移動可能に設けられ、可動部材は、一対の固定接点引出端に接触又は離間される可動接触子を有し、移動体は、固定部材に移動可能に接続され、第1の導磁体は、接触チャンバ内に設けられ、移動体に接続される。第1の導磁体は、可動接触子の固定接点引出端に向かう側に設けられる。第1の導磁体は、移動体を介して可動部材に対して移動可能であり、可動接触子に流れる電流値の大きさに応じて、第1の導磁体と可動部材との間の距離を調整する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触容器と、一対の固定接点引出端と、固定部材と、可動部材と、移動体と、第1の導磁体とを含むリレーであって、
前記接触容器は絶縁カバーとヨーク板を含み、前記絶縁カバーは前記ヨーク板の一側面に接続され、前記絶縁カバーと前記ヨーク板は接触チャンバを形成し、前記絶縁カバーには一対の第1の貫通孔が設けられ、各第1の貫通孔は前記接触チャンバに連通され、
一対の前記固定接点引出端は、一対の前記第1の貫通孔にそれぞれ穿設され、
前記固定部材は、前記接触チャンバ内に設けられ、前記ヨーク板に固定的に接続され、
前記可動部材は、前記接触チャンバ内に移動可能に設けられ、前記可動部材は、一対の前記固定接点引出端に接触又は離間される可動接触子を有し、
前記移動体は、前記固定部材に移動可能に接続され、
前記第1の導磁体は、前記接触チャンバ内に設けられ、前記移動体に接続され、前記可動接触子の前記固定接点引出端に向かう側に設けられ、
前記第1の導磁体は、前記移動体を介して前記可動部材に対して移動可能であり、前記可動接触子に流れる電流値の大きさに応じて、前記第1の導磁体と前記可動部材との間の距離を調整する
ことを特徴とするリレー。
【請求項2】
前記第1の導磁体と前記可動部材との間の距離は、前記第1の導磁体と前記可動部材との間の最大距離である
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項3】
前記第1の導磁体は、前記移動体を介して第1の位置と第2の位置との間を移動し、
前記第1の位置において、前記第1の導磁体と前記可動部材との間の距離は第1の間隔であり、前記第2の位置において、前記第1の導磁体と前記可動部材との間の距離は第2の間隔であり、前記第1の間隔は前記第2の間隔より大きい
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項4】
前記第2の位置において、前記第1の導磁体と前記可動部材との間の前記第2の間隔はゼロに等しい
ことを特徴とする請求項3に記載のリレー。
【請求項5】
前記第1の導磁体が前記第1の位置に位置し、前記可動接触子に流れる電流値が閾値電流以下であり、
前記可動接触子に流れる電流値が前記閾値電流より大きい場合、前記第1の導磁体は前記第1の位置から前記第2の位置に移動する
ことを特徴とする請求項3に記載のリレー。
【請求項6】
前記リレーは、さらに、第1の弾性体を含み、
前記第1の弾性体は、前記第1の導磁体が前記可動部材から遠ざかる方向に移動する傾向を有するように、前記移動体に弾性力を提供する
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項7】
前記固定部材は、前記ヨーク板に向かう第1の側と、前記第1の側とは反対側に設けられた第2の側とを有し、
前記第1の弾性体は、前記第2の側に設けられ、前記第1の導磁体および前記可動部材は、前記第1の側に設けられ、前記第1の導磁体は、前記第1の弾性体と前記可動部材との間に設けられ、
前記移動体の一端は前記第1の弾性体に接続され、他端は前記第1の導磁体に接続される
ことを特徴とする請求項6に記載のリレー。
【請求項8】
前記固定部材は、前記第1の側の表面および前記第2の側の表面を貫通する第1の穿孔を有し、
前記移動体は棒状であり、前記第1の穿孔に移動可能に穿設される
ことを特徴とする請求項7に記載のリレー。
【請求項9】
前記第1の弾性体は、前記第1の穿孔に対応する第2の穿孔を有し、
前記移動体は、前記第1の穿孔と前記第2の穿孔に穿設される
ことを特徴とする請求項8に記載のリレー。
【請求項10】
前記移動体は、ロッド本体と、前記ロッド本体の一端に設けられた押圧キャップとを備え、
前記押圧キャップは、前記第2の穿孔の前記第1の導磁体に背向する側の周縁を押圧する
ことを特徴とする請求項9に記載のリレー。
【請求項11】
前記第1の導磁体には、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔の位置に対応する第3の穿孔が設けられ、前記ロッド本体は、前記第2の穿孔、前記第1の穿孔および前記第3の穿孔に順次穿設され、
前記ロッド本体の外周には段差構造が設けられており、前記ロッド本体の前記可動部材に向かう一端は、前記第1の導磁体に固定的に接続されており、
前記段差構造は、前記第3の穿孔の前記第1の弾性体に向かう側の周縁に当接される
ことを特徴とする請求項10に記載のリレー。
【請求項12】
前記固定部材は、固定体と、2つの接続体とを含み、
前記固定体は、前記ヨーク板と平行に配置され、前記第1の側と前記第2の側とを有し、
2つの前記接続体の一端は、それぞれ前記固定体の対向する両端に接続され、2つの前記接続体の他端は、それぞれ前記ヨーク板の前記固定接点引出端に向かう一側面に接続される
ことを特徴とする請求項7に記載のリレー。
【請求項13】
前記固定体は、一対の前記固定接点引出端の間に設けられている
ことを特徴とする請求項12に記載のリレー。
【請求項14】
前記固定体は金属材料からなり、前記接続体は絶縁材料からなる
ことを特徴とする請求項12に記載のリレー。
【請求項15】
前記第1の導磁体および前記第1の弾性体は、いずれも一対の前記固定接点引出端の間に設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載のリレー。
【請求項16】
前記第1の弾性体は、リードまたはバネを含む
ことを特徴とする請求項6に記載のリレー。
【請求項17】
前記可動部材に対する前記第1の導磁体の移動方向は、前記可動接触子と前記固定接点引出端の接触/離間方向に沿っている
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項18】
前記移動体は、移動可能に前記可動部材の前記固定接点引出端に向かう側に設けられると共に、一対の前記固定接点引出端の間に位置する
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項19】
前記移動体および前記固定部材は、いずれも金属材料からなる
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項20】
前記固定部材と前記ヨーク板は、収容空間を形成し、
前記可動部材と前記第1の導磁体は、いずれも前記収容空間内に移動可能に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【請求項21】
前記可動部材は、第2の導磁体をさらに備え、
前記第2の導磁体は、前記可動接触子の前記第1の導磁体に背向する側に固定的に接続され、前記第2の導磁体は、前記第1の導磁体と導磁回路を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載のリレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、電子制御デバイスの技術分野に関し、特にリレーに関する。
【背景技術】
【0002】
リレーは、電子制御デバイスであり、制御システム(入力回路とも呼ばれる)と被制御システム(出力回路とも呼ばれる)を有し、通常は自動制御回路に応用される。リレーは、実際には小さな電流で大きな電流を制御する「自動スイッチ」である。そのため、回路では自動調整、安全保護、変換回路などの役割を果たしている。
【0003】
高圧直流リレーはリレーの一種であり、短絡電流によって発生する電動反発力により高圧直流リレーの接触子が弾ける問題を解決するために、関連技術において、通常は、耐短絡リング電磁構造が設けられる。耐短絡リングの上部導磁体の設置位置に応じて、追従型構造と固定型構造にさらに分けられる。具体的には、追従型構造とは、上部導磁体がリレーの可動アセンブリに配置されることを意味し、固定型構造とは、上部導磁体が可動アセンブリ以外の固定位置に配置されることを意味する。しかしながら、固定型耐短絡構造の耐短絡能力は大幅に強化されたが、耐短絡能力と遮断能力は負の相関を示しているため、遮断能力は低下する。一方、追従型耐短絡構造は可動鉄心の保持力の影響を受けるため、短絡電流が大きい場合には、鉄心が離脱して接点がオフされる可能性があり、可動鉄心の保持力を大きくするにはコイルを大きくする必要があり、これは小体積軽量化と矛盾する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の実施例は、耐短絡能力と限界遮断能力を両立するリレーを提供する。
【0005】
本発明の実施例によるリレーは、接触容器と、一対の固定接点引出端と、固定部材と、可動部材と、移動体と、第1の導磁体とを含み、
前記接触容器は絶縁カバーとヨーク板を含み、前記絶縁カバーは前記ヨーク板の一側面に接続され、前記絶縁カバーと前記ヨーク板は接触チャンバを形成し、前記絶縁カバーには一対の第1の貫通孔が設けられ、各第1の貫通孔は前記接触チャンバに連通され、
一対の前記固定接点引出端は、一対の前記第1の貫通孔にそれぞれ穿設され、
前記固定部材は、前記接触チャンバ内に設けられ、前記ヨーク板に固定的に接続され、
前記可動部材は、前記接触チャンバ内に移動可能に設けられ、前記可動部材は、一対の前記固定接点引出端に接触又は離間される可動接触子を有し、
前記移動体は、前記固定部材に移動可能に接続され、
前記第1の導磁体は、前記接触チャンバ内に設けられ、前記移動体に接続され、前記可動接触子の前記固定接点引出端に向かう側に設けられ、
前記第1の導磁体は、前記移動体を介して前記可動部材に対して移動可能であり、前記可動接触子に流れる電流値の大きさに応じて、前記第1の導磁体と前記可動部材との間の距離を調整する。
【0006】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の導磁体は、前記移動体を介して第1の位置と第2の位置との間を移動し、
前記第1の位置において、前記第1の導磁体と前記可動部材との間の距離は第1の間隔であり、前記第2の位置において、前記第1の導磁体と前記可動部材との間の距離は第2の間隔であり、前記第1の間隔は前記第2の間隔より大きい。
【0007】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第2の位置において、前記第1の導磁体と前記可動部材との間の前記第2の間隔はゼロに等しい。
【0008】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の導磁体が前記第1の位置に位置し、前記可動接触子に流れる電流値が閾値電流以下であり、
前記可動接触子に流れる電流値が前記閾値電流より大きい場合、前記第1の導磁体は前記第1の位置から前記第2の位置に移動する。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記リレーは、さらに、第1の弾性体を含み、
前記第1の弾性体は、前記第1の導磁体が前記可動部材から遠ざかる方向に移動する傾向を有するように、前記移動体に弾性力を提供する。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固定部材は、前記ヨーク板に向かう第1の側と、前記第1の側とは反対側に設けられた第2の側とを有し、
前記第1の弾性体は、前記第2の側に設けられ、前記第1の導磁体および前記可動部材は、前記第1の側に設けられ、前記第1の導磁体は、前記第1の弾性体と前記可動部材との間に設けられ、
前記移動体の一端は前記第1の弾性体に接続され、他端は前記第1の導磁体に接続される。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固定部材は、前記第1の側の表面および前記第2の側の表面を貫通する第1の穿孔を有し、
前記移動体は棒状であり、前記第1の穿孔に移動可能に穿設される。
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の弾性体は、前記第1の穿孔に対応する第2の穿孔を有し、
前記移動体は、前記第1の穿孔と前記第2の穿孔に穿設される。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記移動体は、ロッド本体と、前記ロッド本体の一端に設けられた押圧キャップとを備え、
前記押圧キャップは、前記第2の穿孔の前記第1の導磁体に背向する側の周縁を押圧する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の導磁体には、前記第1の穿孔および前記第2の穿孔の位置に対応する第3の穿孔が設けられ、前記ロッド本体は、前記第2の穿孔、前記第1の穿孔および前記第3の穿孔に順次穿設され、
前記ロッド本体の外周には段差構造が設けられており、前記ロッド本体の前記可動部材に向かう一端は、前記第1の導磁体に固定的に接続されており、
前記段差構造は、前記第3の穿孔の前記第1の弾性体に向かう側の周縁に当接される。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固定部材は、固定体と、2つの接続体とを含み、
前記固定体は、前記ヨーク板と平行に配置され、前記第1の側と前記第2の側とを有し、
2つの前記接続体の一端は、それぞれ前記固定体の対向する両端に接続され、2つの前記接続体の他端は、それぞれ前記ヨーク板の前記固定接点引出端に向かう一側面に接続される。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固定体は、一対の前記固定接点引出端の間に設けられている。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固定体は金属材料からなり、前記接続体は絶縁材料からなる。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の導磁体および前記第1の弾性体は、いずれも一対の前記固定接点引出端の間に設けられている。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記第1の弾性体は、リードまたはバネを含む。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記可動部材に対する前記第1の導磁体の移動方向は、前記可動接触子と前記固定接点引出端の接触/離間方向に沿っている。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記移動体は、前記可動部材の前記固定接点引出端に向かう側に移動可能に設けられると共に、一対の前記固定接点引出端の間に位置する。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記可動部および前記固定部材は、いずれも金属材料からなる。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記固定部材と前記ヨーク板は、収容空間を形成し、
前記可動部材と前記第1の導磁体は、いずれも前記収容空間内に移動可能に配置される。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態によれば、前記可動部材は、第2の導磁体をさらに備え、
前記第2の導磁体は、前記可動接触子の前記第1の導磁体に背向する側に固定的に接続され、前記第2の導磁体は、前記第1の導磁体と導磁回路を形成する。
【0024】
上記発明の一実施例は、少なくとも以下の利点または有益な効果を有する。
【0025】
本発明の実施例に係るリレーは、一方で、固定部材がヨーク板に接続され、固定部材がヨーク板に対して固定されているため、第1の導磁体と可動部材との間に発生する磁気吸引力がヨーク板に移され、これにより過度なコイル保持力が不要となり、リレーのコイル消費電力とリレーの体積が低下し、耐短絡能力が向上する。もう一方で、固定部材とヨーク板との接続は、固定部材と絶縁カバーとの接続に比べて操作が容易であり、固定部材の接続強度を向上させることができる。又一方で、固定部材は絶縁カバーではなくヨーク板に接続されているため、絶縁カバーに穴を開けて絶縁カバーの構造強度を破壊することを回避でき、絶縁カバーの耐爆発能力を高めるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の第1実施例に係るリレーの分解模式図を示す。
図2図2は、本発明の第1実施例に係るリレーの斜視模式図を示し、ハウジング、電磁石ユニット及び消弧ユニットが省略されている。
図3図3は、本発明の第1実施例に係るリレーの平面模式図を示し、ハウジング、電磁石ユニット及び消弧ユニットが省略されている。
図4図4は、図2の分解模式図を示す。
図5図5は、ヨーク板に固定して取り付けた固定部材の斜視模式図を示す。
図6図6は、図3のA-Aに沿った断面図を示し、第1の導磁体が第1の位置に位置する。
図7図7は、図3のB-Bに沿った断面図を示し、第1の導磁体が第1の位置に位置する。
図8図8は、図7のX1の部分拡大図を示す。
図9図9は、図3のA-Aに沿った断面図を示し、第1の導磁体が第2の位置に位置する。
図10図10は、図3のB-Bに沿った断面図を示し、第1の導磁体が第2の位置に位置する。
図11図11は、図10のX2の部分拡大図を示す。
図12図12は、本発明の一実施例に係る第1の導磁体、第1の弾性体および移動体の組み立て後の模式図を示す。
図13図13は、図12の分解図を示す。
図14図14は、本発明の別の実施例に係る第1の導磁体、第1の弾性体および移動体の組み立て後の模式図を示す。
図15図15は、図14の分解模式図を示す。
図16図16は、本発明の第2実施例に係るリレーの分解模式図を示し、ハウジング、電磁石ユニット及び消弧ユニットが省略されている。
図17図17は、本発明の第3実施例に係るリレーの分解模式図を示し、ハウジング、電磁石ユニット及び消弧ユニットが省略されている。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[符号の説明]
10、接触容器;101、接触チャンバ;102、第1の貫通孔;
11a、絶縁カバー;11、セラミックスカバー;12、フランジ部材;13、ヨーク鉄板;131、第2の貫通孔;
20、固定接点引出端;
30、収納スペース;
40、第1の導磁体;410、導磁片;420、第3の穿孔;
50、プッシュロッドアセンブリ;51、プッシュロッド;52、ベース;53、可動部材;54、可動接触子;55、第2の導磁体;56、第2の弾性体;57、スライド構造;571、リミット部;572、リミット孔;
60、固定部材;610、接続体;620、固定体;621、第1の側;622、第2の側;623、第1の穿孔;
70、第1の弾性体;710、弾性リード;711、第2の穿孔;720、バネ;730、押圧片;
80、移動体;810、押圧キャップ;820、ロッド本体;821、段差構造;
1100、ハウジング;1110、第1のケース;1120、第2のケース;1130、露出孔;
1200、電磁石ユニット;1210、コイルボビン;1220、コイル;1230、固定鉄心;1231;貫通孔;1240、可動鉄心;1250、リセット部材;
1300、消弧ユニット;1310、消弧磁石;1320、ヨーククランプ;
1400、シールユニット;1410、金属カバー;
P1、第1の位置;P2、第2の位置
【0028】
次に、図面を参照して、例示的な実施例についてより詳細に説明する。しかしながら、例示的な実施例は様々な形態で実施することができ、本明細書で説明する実施例に限定されると理解されるべきではない。逆に、これらの実施例は、本発明が包括的かつ完全であり、例示的な実施例の構想を当業者に全面的に伝達するように提供される。図中の同一の符号は同一又は類似の構造を表すので、詳細な説明は省略する。
【0029】
図1に示すように、本発明の実施例に係るリレーは、ハウジング1100、電磁石ユニット1200、消弧ユニット1300及びシールユニット1400を含む。シールユニット1400はハウジング1100内に配置されており、シールユニット1400の固定接点引出端の頂部は、ハウジング1100の露出孔1130を通じてハウジング1100の外面に露出している。電磁石ユニット1200および消弧ユニット1300は、いずれもハウジング1100内に配置される。
【0030】
なお、本発明の実施例における用語「含む」、「有する」及びそれらの任意の変形は、排他的ではない包含をカバーすることを意図していることが理解される。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、挙げられたステップ又はユニットに限定されず、任意選択で、挙がられないステップ又はユニットも含むか、又はオプションで、これらのプロセス、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はコンポーネントも含む。
【0031】
一例として、ハウジング1100は、第1のケース1110と第2のケース1120とを含み、第1のケース1110と第2のケース1120とは、係合して接続され、電磁石ユニット1200、消弧ユニット1300及びシールユニット1400を収容するためのチャンバを形成する。
【0032】
消弧ユニット1300は、シールユニット1400の固定接点引出端と可動接触子との間に発生するアークを消弧するために用いられる。
【0033】
一例として、消弧ユニット1300は2つの消弧磁石1310を含む。消弧磁石1310は永久磁石であってもよく、各消弧磁石1310は略直方体状であってもよい。2つの消弧磁石1310は、シールユニット1400の両側にそれぞれ設けられ、可動接触子の長手方向に沿って対向して設けられている。
【0034】
2つの対向して設けられた消弧磁石1310を設けることにより、固定接点引出端と可動接触子の周囲に磁場を形成することができる。そのため、固定接点引出端と可動接触子との間に発生するアークは、磁場の作用によって、互いに離れた方向に引き伸ばされ、消弧を実現する。
【0035】
消弧ユニット1300は、2つの消弧磁石1310の位置に対応して配置された2つのヨーククランプ1320をさらに含む。そして、2つのヨーククランプ1320は、シールユニット1400と2つの消弧磁石1310とを囲んでいる。ヨーククランプ1320が消弧磁石1310を囲む設計により、消弧磁石1310による磁場が外部に拡散し、消弧効果に影響を与えることを回避することができる。ヨーククランプ1320は軟磁性材料で作られている。軟磁性材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、及びその合金などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
図2図4に示すように、本発明の実施例に係るシールユニット1400は、接触容器10と、一対の固定接点引出端20と、プッシュロッドアセンブリ50と、第1の導磁体40と、移動体80と、固定部材60と、第1の弾性体70とを備える。
【0037】
接触容器10は、接点アセンブリを収容するために使用される固定部品であり、主にハウジングであり、チャンバを有するデバイスであることが理解され得る。また、接触容器10は、所定の組み立て方法で接続された複数の部品から構成されてもよい。
【0038】
接触容器10は、内部に接触チャンバ101を有する。接触容器10は、絶縁カバー11aとヨーク板13を含み、絶縁カバー11aは、ヨーク板13の一側面をカバーしており、絶縁カバー11aは、ヨーク板13と共に接触チャンバ101を形成する。
【0039】
絶縁カバー11aは、セラミックスカバー11とフランジ部材12を含む。セラミックスカバー11は、フランジ部材12を介してヨーク板13に接続されている。フランジ部材12は、鉄ニッケル合金などの環状構造の金属部品を形成することができ、その一端は、レーザ溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってセラミックスカバー11の開口縁に接続されている。フランジ部材12の他端は、同様にレーザー溶接、ろう付け、抵抗溶接、接着などによってヨーク板13に接続されてもよい。セラミックスカバー11とヨーク板13との間にはフランジ部材12が設けられており、セラミックスカバー11とヨーク板13との接続を容易にすることができる。
【0040】
また、接触容器10は、一対の第1の貫通孔102を有しており、第1の貫通孔102は接触チャンバ101に連通されている。第1の貫通孔102は、固定接点引出端20を貫通させるためのものである。本発明の実施例では、セラミックスカバー11に第1の貫通孔102が開けられている。
【0041】
一対の固定接点引出端20は、接触容器10のセラミックスカバー11に接続されており、各固定接点引出端20の少なくとも一部は接触チャンバ101内に位置している。 一対の固定接点引出端20は、一方が電流が流入する端子となり、他方が電流が流出する端子となる。
【0042】
一対の固定接点引出端20は、一対の第1の貫通孔102に一対一に対応して穿設され、例えば溶接によりセラミックスカバー11に接続される。
【0043】
固定接点引出端20の底部は固定接点として機能し、固定接点は固定接点引出端20の底部に一体に設けることも別体に設けることもできる。
【0044】
図4および図6に示すように、プッシュロッドアセンブリ50は、ロッドの軸方向に沿って移動可能に接触容器10に接続される。プッシュロッドアセンブリ50は、プッシュロッド51、ベース52、可動部材53、及び第2弾性体56を含むことができる。
ヨーク板13は、第2の貫通孔131を有しており、第2の貫通孔131は、ヨーク板13の厚さ方向に沿ってヨーク板13の対向する2つの側辺を貫通し、接触容器10の接触チャンバ101に連通される。プッシュロッド51は、第2の貫通孔131に軸方向に沿って移動可能に穿設される。プッシュロッド51の軸方向の一端にはベース52が設けられており、ベース52の少なくとも一部は接触チャンバ101内に位置している。
【0045】
可動部材53は、プッシュロッド51の軸方向に沿って移動可能にベース52に接続されている。可動部材53は、可動接触子54と第2の導磁体55とを含む。第2の導磁体55は、可動接触子54に固定的に接続されており、第2の導磁体55は、可動接触子54の第1の導磁体40に背向する側に位置し、第2の導磁体55は、第1の導磁体40と導磁回路を形成するために使用される。可動接触子54の両端は、一対の固定接点引出端20の底部に接触して接点の閉鎖を達成する。可動接触子54は、可動接触片と、可動接触片の長手方向の両端に設けられた可動接点とを備えている。可動接点は、可動接触片よりも突出していてもよいし、可動接触片と面一であってもよい。
【0046】
可動接点は、可動接触片の両端に一体的又は別体的に設けられてもよい。
【0047】
第2の弾性体56は、可動部材53およびベース52に接続されており、可動部材53に固定接点引出端20に向けて移動する弾性力を与える。
【0048】
プッシュロッドアセンブリ50は、ベース52と可動部材53に接続されたスライド構造57をさらに備え、可動部材53は、スライド構造57を介してベース52に対してスライド可能である。スライド構造57は、嵌合するリミット孔572およびリミット部571を含む。リミット部571は、リミット孔572内にスライド可能に延びている。
【0049】
本発明の実施例では、ベース52がスライド構造57を介して可動部材53に直接接続されているため、ベース52と可動部材53との間の組立がより簡単になる。さらに、可動部材53と第1の導磁体40との間に他の構成要素がないため、オーバトラベルプロセス中に、この他の構成要素と第1の導磁体40との間の移動干渉が回避される。
【0050】
リミット孔572は、貫通孔であってもよく、盲孔であってもよい。
【0051】
一例として、ベース52にはリミット孔572が設けられ、可動部材53にはリミット部571が設けられている。
【0052】
もちろん、他の実施例では、プッシュロッドアセンブリ50は、他の構造であってもよく、ここでは一々列挙しない。
【0053】
引き続き、図1図4および図6を参照すると、シールユニット1400は金属カバー1410も含む。金属カバー1410は、ヨーク板13の絶縁カバー11aに背向する側に接続され、金属カバー1410は、ヨーク板13の第2の貫通孔131をカバーする。金属カバー1410およびヨーク板13は、電磁石ユニット1200の固定鉄心1230および可動鉄心1240を収容するチャンバを形成する。
【0054】
電磁石ユニット1200は、コイルボビン1210と、コイル1220と、固定鉄心1230と、可動鉄心1240と、リセット部材1250とを含む。コイルボビン1210は中空筒状をなし、絶縁材料を用いて形成されている。金属カバー1410は、コイルボビン1210内に穿設される。コイル1220は、コイルボビン1210を取り囲む。固定鉄心1230は、金属カバー1410内に固定的に設けられ、固定鉄心1230の一部が第2の貫通孔131に入り込む。固定鉄心1230は貫通孔1231を有し、貫通孔1231は第2の貫通孔131の位置に対応して設けられ、プッシュロッド51に穿設されるものである。可動鉄心1240は、金属カバー1410内に移動可能に設けられ、固定鉄心1230と対向して設けられ、可動鉄心1240は、プッシュロッド51に接続され、コイル1220が通電されると、固定鉄心1230に吸引される。可動鉄心1240とプッシュロッド51は、螺着、カシメ、溶接、又はその他の方法で接続することができる。
【0055】
リセット部材1250は、金属カバー1410の内部に位置し、固定鉄心1230と可動鉄心1240との間に配置され、コイル1220の電源が遮断されたときに可動鉄心1240をリセットするために使用される。リセット部材1250は、バネであってもよく、プッシュロッド51の外部に外嵌されていてもよい。
【0056】
なお、コイル1220が通電されると、電磁石ユニット1200はプッシュロッド51を介してッシュロッドアセンブリ50を駆動して上方に移動することができる。可動部材53が固定接点引出端20に接触すると、可動部材53は固定接点引出端20によって止められるが、プッシュロッド51およびベース52はオーバトラベルが完了するまで上方に移動し続ける。
【0057】
図4図6に示すように、固定部材60は、接触チャンバ101内に配置され、ヨーク板13に固定的に接続されて接触容器10に対して固定的に設けられる。移動体80は、固定部材60に対して移動可能に接続されている。第1の導磁体40は、接触チャンバ101内に配置され、移動体80に接続される。第1の導磁体40は、可動接触子54の固定接点引出端20に向かう側に配置されている。第1の導磁体40は、移動体80を介して可動部材53に対して移動可能であり、可動部材53に流れる電流値の大きさに応じて、第1の導磁体40と可動部材53との間の距離を調整する。
【0058】
可動部材53に対する第1の導磁体40の移動方向は、可動部材53と固定接点引出端20の接触/離間方向に沿っている。
【0059】
可動接触子54の両端が一対の固定接点引出端20に接触すると、可動接触子54と共に移動する第2の導磁体55が第1の導磁体40に接近又は接触することにより、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間に可動接触子54を囲む導磁回路が形成される。短絡電流が可動接触子54を通過すると、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間には、接点の圧力方向に沿った磁気吸引力が発生し、この磁気吸引力は、可動接触子54と固定接点引出端20との間の短絡電流による電動反発力に抵抗し、可動接触子54と固定接点引出端20が弾けないことを確保する。
【0060】
なお、第1の導磁体40と第2の導磁体55はそれぞれ可動接触子54の両側に位置し、可動接触子54が通電されると、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力は直接の電磁吸引力であり、可動接触子54と固定接点引出端20との間の短絡電流による電動反発力に効果的に抵抗することができ、耐短絡能力を効果的に向上させる。
【0061】
以上より、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間には、接点の圧力方向に沿った磁気吸引力が発生し、この磁気吸引力は、可動接触子54と固定接点引出端20との間の短絡電流による電動反発力に抵抗し、可動接触子54と固定接点引出端20が弾けないことを確保する。
【0062】
可動接触子54に流れる電流値が一定である場合、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間に生じる磁気吸引力の大きさは、第1の導磁体40と可動部材53の第2の導磁体55との間隔に反比例し、間隔が小さいほど発生する磁気吸引力は大きくなる。
短絡電流によって発生する電動反発力に抵抗し、可動接触子54と固定接点引出端20が弾けるのを防止するためには、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の間隔をより小さく設計する必要があり、これにより、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力を大きくすることができる。
【0063】
タイムリーな遮断を容易に実現するためには、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の間隔をより大きく設計する必要があり、これにより、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力の大きさが低減され、磁気吸引力が大きすぎてタイムリーな遮断に影響を与えることを避ける。
【0064】
このことから、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間隔の値が一定であると、耐短絡能力と限界遮断能力を両立することができないことがわかる。
本発明の実施例では、第1の導磁体40は移動体80を介して可動部材53に対して移動可能であり、さらに可動接触子54に流れる電流値の大きさに応じて、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の距離を調整して、耐短絡能力と限界遮断能力を両立する。
【0065】
いくつかの実施例では、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の距離は異なる。例えば、第1の導磁体40と第2の導磁体55が互いに平行でない場合、異なる位置では、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の距離は異なる。この場合、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の距離とは、それらの間の最大距離を指す。
【0066】
本発明の実施例に係るリレーは、一方で、固定部材60がヨーク板13に接続され、固定部材60がヨーク板13に対して固定されているため、第1の導磁体40と可動部材53との間に発生する磁気吸引力がヨーク板13に移され、これにより過度なコイル保持力が不要となり、リレーのコイル消費電力とリレーの体積が低下し、耐短絡能力が向上する。もう一方で、固定部材60とヨーク板13との接続は、固定部材60と絶縁カバーとの接続に比べて操作が容易であり、固定部材60の接続強度を向上させることができる。又一方で、固定部材60は絶縁カバーではなくヨーク板13に接続されているため、絶縁カバーに穴を開けて絶縁カバーの構造強度を破壊することを回避でき、絶縁カバーの耐爆発能力を高めるのに有利である。
【0067】
図6図11に示すように、第1の導磁体40は、移動体80を介して第1の位置P1と第2の位置P2との間を移動する。第1の位置P1では、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の距離は第1の間隔H1であり、第2の位置P2では、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の距離は第2の間隔H2であり、第1の間隔H1は第2の間隔H2より大きい。第1の導磁体40を移動可能に構成することにより、電流値の大きさに応じて、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の間隔を調整することができ、さらに、第1の導磁体40と第2の導磁体55の間で発生する磁気吸引力の大きさを変化させることができ、耐短絡電流と限界遮断を両立させることができる。
【0068】
一例として、第2の位置P2では、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の第2の間隔H2はゼロに等しい。つまり、第2の位置P2では、第1の導磁体40と第2の導磁体55とが接触している。これにより、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力を最大化し、耐短絡能力を高める。
【0069】
もちろん、他の実施例では、第2の位置P2において、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の第2の間隔H2はゼロに等しくなくてもよい。つまり、第2の位置P2では、第1の導磁体40と第2の導磁体55とは接触しておらず、隙間が存在している。
【0070】
第1の弾性体70は、第1の導磁体40が可動部材53から遠ざかる方向に移動する傾向を有するように、移動体80に弾性力を供給する。本発明の実施例では、第1の弾性体70は、第1の導磁体40が第1の位置P1に向かって移動する傾向を有するように、移動体80に弾性力を提供する。
【0071】
本発明の実施形態において、リミット部571は第2の導磁体55に設けられてもよいが、これに限定されない。
【0072】
一例として、第2の導磁体55と可動接触子54とはカシメを介して固定的に接続されてもよいが、これに限定されない。
【0073】
第1の導磁体40と第2の導磁体55の両方が、鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの合金などの材料で作製されることが理解される。
【0074】
一実施形態において、第1の導磁体40は直線状またはU字状であってもよく、第2の導磁体55は直線状またはU字状であってもよいが、これに限定されない。
【0075】
以下、図6図11を参照して、本発明の実施例が耐短絡電流と限界遮断をどのように両立させるかを説明する。
【0076】
図6図8に示すように、リレーは正常な動作状態にあり、可動接触子54に流れる電流値は閾値電流以下、例えば2000A未満である。このときの電流値が小さいため、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力も小さく、このときの磁気吸引力は第1の弾性体70の弾性予圧力よりも小さい。これにより、第1の弾性体70の弾性力は、第1の導磁体4が受ける磁気吸引力を相殺し、第1の導磁体40を第1の位置P1に維持することができる。第1の導磁体40が第1の位置P1に位置するとき、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の距離は第1の間隔H1である。例えば、第1の間隔H1は1.5mmであってもよいが、これに限定されない。
【0077】
上記の閾値電流は、リレーの種類に応じて調整できることが理解できる。例えば、リレーの最大遮断電流が大きい場合、閾値電流もより大きく設定することができ、これにより、リレーの正常な動作状態で、第1の導磁体40が依然として第1の位置P1に留まり、第2の位置P2に移動しないことが保証される。
【0078】
図9図11に示すように、可動接触子54に流れる電流値が閾値電流より大きい場合、例えば電流が2000Aより大きい場合、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力は電流値の大きさに比例するため、電流値が大きいほど、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力は大きくなる。磁気吸引力が第1の弾性体70の弾性予圧力より大きい場合、第1の導磁体40は、磁気吸引力に吸引されて、第2の導磁体55に近づく方向に移動する(すなわち、第1の位置P1から第2の位置P2へ移動する)ことにより、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の間隔が小さくなる。そして、磁気距離の大きさは、磁気吸引力の大きさに反比例し、つまり、磁気距離が小さいほど、磁気吸引力は大きくなる。短絡電流(閾値電流よりもはるかに大きい)が流れると、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間には、第1の弾性体70を圧縮して第1の導磁体40を第2の位置P2まで移動させるより大きな磁気吸引力が発生し、このとき、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の距離は第2の間隔H2である。第2の間隔H2は、第1の間隔H1よりも小さく、間隔が小さくなるにつれて、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の磁気吸引力が大きくなる。したがって、第1の導磁体40は大きな磁気吸引力で第2の導磁体55を吸引することができ、この磁気吸引力は、短絡電流による電動反発力に抵抗し、可動接触子54が固定接点引出端20から弾けないことを確保し、耐短絡能力を実現する。
【0079】
このことから、本発明の実施例に係るリレーでは、第1の導磁体40が移動体80を介して接触容器10内に移動可能に配置されており、電流値の大きさに応じて第1の導磁体40と第2の導磁体55との間の間隔を調整でき、さらに、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間に発生する磁気吸引力の大きさを変化させることができ、短絡耐性を満たしながら過負荷遮断の要件を満たすことができる。
【0080】
なお、第1導磁体40が第1の位置P1から第2の位置P2に移動する際、第1の弾性体70は徐々に圧縮され、第1の弾性体70が移動体80に及ぼす逆方向の弾性力は徐々に大きくなる。可動接触子54に流れる電流値が閾値電流より大きいが短絡電流に達していない場合、徐々に大きくなる逆方向の弾性力により、第1の導磁体40は第1の位置P1と第2の位置P2との間の中間位置に維持される。可動接触子54に流れる電流値が短絡電流に達すると、第1の導磁体40と第2の導磁体55との間には、第1の弾性体70の逆方向の弾性力を克服するのに十分な磁気吸引力が発生し、さらに第1の導磁体40は第2の位置P2に移動し続けることができ、第1の導磁体40が第2の位置P2に移動するまで第1の弾性体70は圧縮され続ける。
【0081】
図4図7に示すように、固定部材60は、固定体620と、2つの接続体610とを含む。固定体620は板状の構造を有し、ヨーク板13と平行に配置される。2つの接続体610の一端は、それぞれ固定体620の対向する両端に接続され、2つの接続体610の他端は、それぞれヨーク板13の固定接点引出端20に向かう一側面に接続される。
【0082】
一実施形態において、固定体620は金属材料または絶縁材料で形成され、接続体610は金属材料または絶縁材料で形成される。
【0083】
好ましくは、固定体620は金属材料で形成され、接続体610は絶縁材料で形成され、第1の導磁体40とヨーク板13との間の絶縁性能を向上させることができる。
一実施形態において、固定体620と2つの接続体610は一体構造であるが、これに限定されない。
【0084】
固定部材60およびヨーク板13は収容空間30を形成し、可動部材53および第1の導磁体40は収容空間30内に移動可能に配置される。
【0085】
固定部材60の固定体620は、ヨーク板13に向かう第1の側621と、第1の側621とは反対側に設けられた第2の側622とを有する。第1の弾性体70は第2の側622に設けられ、第1の導磁体40および可動部材53は第1の側621に設けられ、第1の導磁体40は第1の弾性体70と可動部材53との間に設けられる。移動体80の一端は第1の弾性体70に接続され、他端は第1の導磁体40に接続されている。第1の導磁体40、第1の弾性体70および固定体620は、いずれも可動接触子54の固定接点引出端20に向かう側に配置されている。
【0086】
第1の導磁体40が第1の位置P1にあるとき、第1の導磁体40は固定体620の第1の側621の表面に当接する。第1の導磁体40が第2の位置P2にあるとき、第1の導磁体40は固定体620から離間する。
【0087】
移動体80の形状は種々の形態が可能であり、例えば円柱状であってもよく、移動体80の一端と第1の弾性体70とは、溶接、カシメ、ねじ止め、接着等により接続されることができ、移動体80の他端と第1の導磁体40とも、溶接、カシメ、ねじ止め、接着等により接続されることができる。変形例として、移動体80の形状は逆U型であってもよく、逆U型構造の頂部は第1の弾性体70に接続され、逆U型構造の2つの側部は、それぞれ第1の導磁体40の両側に接続される。
【0088】
移動体80の形状が円柱状である場合、固定部材60の固定体620は、第1の側621の表面および第2の側622の表面を貫通する第1の穿孔623を有する。移動体80は、第1の穿孔623に移動可能に穿設されている。第1の位置P1では、第1の導磁体40は固定体620の第1の側621の表面に当接し、移動体80の一端は第1の弾性体70に弾性予圧力を持たせるように第1の弾性体70に当接する。
【0089】
一方では、第1の導磁体40と第1の弾性体70がそれぞれ固定体620の対向する2つの側に設けられているため、第1の導磁体40と可動接触子54との間には、他の部品が存在しないことが理解される。これにより、可動接触子54に大電流が流れるときに、第1の導磁体40と可動接触子54との間の隙間を極力小さくすることができ、第1の導磁体40が可動接触子54に接触することさえあり、それによって、第1の弾性体40と可動接触子54との間の磁気吸引力が増大し、耐短絡能力が向上する。
【0090】
もう一方では、第1の弾性体70は、固定体620の第2の側622の表面に配置されており、第1の導磁体40に直接接触していないため、第1の導磁体40の磁極面には影響を与えない。また、移動体80が固定体620の第1の穿孔623に移動可能に挿通されており、且つ移動体80の一端が第1の弾性体70を押圧し、移動体80の他端が第1の導磁体40に接続されているため、構造がよりコンパクトになり、リレーの本来の構造を変えることなく、リレーの内部空間を占有しない。
また、構造がシンプルになり、組み立ても容易になる。
【0091】
また、第1の導磁体40は移動体80に直接作用し、移動体80は固定体620の第1の穿孔623に穿設されているため、第1の導磁体40の移動中に、第1の導磁体40と可動接触子54との間に発生する磁気吸引力は、移動体80と第1の弾性体70とで形成される支点のフォースアーム(force arm)に比べて大きくなく、したがって、発生する応力は小さい。
【0092】
本発明の実施例では、移動体80の数は2つであり、固定体620の第1の穿孔623の数は移動体80の数に対応し、第1の穿孔623の数は2つである。2つの移動体80は、2つの第1の穿孔623にそれぞれ移動可能に穿設されている。もちろん、他の実施例では、移動体80の数は1つ、3つ、または他の数であってもよい。第1の弾性体70は、第1の穿孔623に対応する第2の穿孔711を有する。移動体80は、第1の穿孔623および第2の穿孔711に穿設されている。
【0093】
移動体80は、ロッド本体820と、ロッド本体820の一端に設けられる押圧キャップ810とを備え、押圧キャップ810は、第2の穿孔711の第1の導磁体40に背向する側の周縁を押圧している。
【0094】
第1の導磁体40が磁気吸引力により第1の位置P1から第2の位置P2に移動する際、移動体80の押圧キャップ810が第1の弾性体70を押圧して第1の弾性体70を圧縮する。
【0095】
移動体80の一端は、第1の弾性体70に固定的に接続されてもよいし、移動可能に接続されてもよい。第1の導磁体40が第1の位置P1から第2の位置P2に移動するときに、移動体80が第1の弾性体70に力を加えて第1の弾性体70を圧縮すればよいことが理解される。
【0096】
図4に示すように、第1の導磁体40には、第1の穿孔623および第2の穿孔711の位置に対応する第3の穿孔420が設けられている。移動体80のロッド本体820の外周には、第1の導磁体40の第3の穿孔420の第1の弾性体70に向かう側の周縁に当接する段差構造821が設けられている。
【0097】
移動体80、第1の導磁体40、固定部材60および第1の弾性体70を組み立てる際、移動体80は、第1の弾性体70の第2の穿孔711、固定部材70の第1の穿孔623および第1の導磁体40の第3の穿孔420を順次通過する。ロッド本体820の段差構造821は、第3の穿孔420の周縁に当接する。ロッド820の可動部材53に向かう一端は、例えばカシメによって第1の導磁体40に固定的に接続される。押圧キャップ810は、第2の穿孔711の周囲を押圧する。
【0098】
図6に示すように、固定部材60の固定体620、第1の導磁体40および第1の弾性体70は、いずれも一対の固定接点引出端20の間に位置している。これにより、固定体620、第1の導磁体40および第1の弾性体70は、リレーの高さ方向の体積を占めることがなくなり、リレー全体の構造がよりコンパクトになり、体積小型化の実現に有利である。
【0099】
移動体80は、移動可能に可動部材53の固定接点引出端20に向かう側に配置されており、移動体80は、一対の固定接点引出端20の間に位置している。
【0100】
一実施形態において、移動体80は、接続強度を向上させるために金属材料で作製される。
【0101】
一実施形態において、第1の弾性体70は、リードまたはバネを含む。
【0102】
図12及び図13に示すように、第1の弾性体70は弾性リード710であってもよく、これにより、弾性リード710が占有する空間を減少させ、第1の導磁体40に移動空間を提供することができる。
【0103】
第2の弾性体56も、弾性リードであってもよく、これにより、第2の弾性体56が占める空間を減少させ、第1の導磁体40に移動空間を提供することができる。
【0104】
図14および図15に示すように、変形例として、第1の弾性体70は、バネ720であってもよい。バネ720の一端は固定体620に当接し、バネ720の他端は押圧片730に当接している。移動体80の一端は、押圧片730に接続されており、押圧片730によってバネ720の他端に押し付けられ、移動体80の他端は、固定体620の第1の穿孔623を通過して第1の導磁体40に接続されている。
【0105】
図16に示すように、第2実施形態のリレーは、第1実施形態のリレーとほぼ同様の基本構造を有している。したがって、第2実施形態のリレーの以下の説明では、第1実施形態で既に説明した構造については繰り返さない。なお、第1の実施形態で説明したリレーの構成と同一の構成には同一の参照符号を付している。したがって、本実施形態の以下の説明では、第1の実施形態のリレーとの相違点を中心に説明する。
【0106】
本発明の第2実施例に係るリレーでは、可動部材53は可動接触子54を備えているが、第2の導磁体55を備えていない。可動接触子54の両端が一対の固定接点引出端20に接触すると、可動接触子54に電流が流れ、可動接触子54の長手方向の外周に可動接触子54を取り囲む導磁回路が形成される。第1の導磁体40の存在により、導磁回路内の磁場の多くが第1の導磁体40に集まり、第1の導磁体40を磁化することにより、第1の導磁体40と電流が流れる可動接触子54との間には、接点の圧力方向に沿った磁気吸引力が発生し、この磁気吸引力は、可動接触子54と固定接点引出端20との間の短絡電流による電動反発力に抵抗し、可動接触子54と固定接点引出端20が弾けないことを確保する。
【0107】
本発明の実施例では、第1の導磁体40は移動体80を介して可動接触子54に対して移動可能であり、さらに可動接触子54に流れる電流値の大きさに応じて、第1の導磁体40と可動部材53の可動接触子54との間の距離を調整して、耐短絡能力と限界遮断能力を両立する。
【0108】
本実施例では、可動接触子54にリミット部571が設けられている。
【0109】
図17に示すように、第3実施形態のリレーは、第1実施形態のリレーとほぼ同様の基本構造を有している。したがって、第3実施形態のリレーの以下の説明では、第1実施形態で既に説明した構造については繰り返さない。なお、第1の実施形態で説明したリレーの構成と同一の構成には同一の参照符号を付している。したがって、本実施形態の以下の説明では、第1の実施形態のリレーとの相違点を中心に説明する。
【0110】
本発明の第3実施例に係るリレーでは、第1の導磁体40は、積層された複数の導磁片410を含む。一方で、導磁片410は、厚みが比較的薄く、薄い帯状な材料で作製できるため、材料コストが安く、操作が容易である。もう一方で、短絡電流の大きさに応じて導磁片410の枚数を柔軟に調整することができ、第1の導磁体40の厚みを増減させることができる。
【0111】
なお、本発明が提供する様々な実施例/実施形態は、矛盾を生じることなく互いに組み合わされることができ、ここでは説明を省略する。
【0112】
発明の実施例では、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「一つの」「一対の」は、説明の目的のためにのみ使用され、相対的な重要性を示す、又は暗示するために理解されない。用語「複数」は、特に限定されない限り、2つ以上を意味する。「取り付け」、「接する」、「接続」、「固定」などの用語は広義に理解されなければならない。例えば、「接続」は固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、一体的に接続してもよい。「接する」は、直接接続することも、中間媒体を介して間接的に接続することもできる。本発明の実施例における上記用語の具体的な意味は、当業者にとっては、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0113】
本発明の実施例の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に基づく方位又は位置関係であり、単に、本発明の実施例の説明及び説明の簡略化を容易にするためのものであって、指し示すデバイス又はユニットが特定の方位で構成及び動作するために特定の方向を有する必要があることを示す又は暗示するのではなく、発明の実施例に対する制限とは理解できない。
【0114】
本明細書の説明において、用語「1つの実施例」、「いくつかの実施例」、「特定の実施例」などの説明は、この実施例又は例に関連して説明された特定の特徴、構造、材料、又は特徴が発明の実施例の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上述の用語の概略的な表現は必ずしも同じ実施例又は例を指すものではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特徴は、任意の1つ又は複数の実施例又は例において適切な方法で結合することができる。
【0115】
以上は発明の実施例の好適な実施例にすぎず、発明の実施例を限定するためには使用されず、当業者にとっては、発明の実施例は種々の変更及び変更が可能である。発明の実施例の精神および原理内で行われるあらゆる修正、同等の置換、改良などは、発明の実施例の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17