(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151351
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 1/48 20110101AFI20241018BHJP
F24F 1/0041 20190101ALI20241018BHJP
【FI】
F24F1/48
F24F1/0041
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064536
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】名越 健二
(72)【発明者】
【氏名】中尾 周
(72)【発明者】
【氏名】大西 優生
(72)【発明者】
【氏名】植松 峻一
(72)【発明者】
【氏名】高安 真弘
(72)【発明者】
【氏名】島村 長幸
【テーマコード(参考)】
3L054
【Fターム(参考)】
3L054BA02
3L054BA05
3L054BA06
3L054BB03
(57)【要約】
【課題】省エネ性が向上した空気調和機を提供することを目的とする。
【解決手段】室内機と、室外機と、一端が室内機に接続され他端が室外機に接続された換気導管と、を備え、室外機は、熱交換器を有する室外機本体と換気装置とを備え、室外機には、前記換気導管を介して室内機から室外機へ送り込まれた風が熱交換器に導かれる風路が形成されていることを特徴とする。これにより、空調運転に要する負荷を減らすことができ、それ故に省エネ性が向上している。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機と、室外機と、一端が前記室内機に接続され他端が前記室外機に接続された換気導管とを備え、
前記室外機は、熱交換器を有する室外機本体と換気装置とを備え、
前記室外機には、前記換気導管を介して前記室内機から前記室外機へ送り込まれた風が前記熱交換器に導かれる風路が形成されていることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記風路は、前記室外機に送り込まれた風が前記室外機の背面側から前記室外機の外へと吹き出す吹出口を有することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記風路には、前記換気導管から排出された風が前記熱交換器に向かうように風向きを変更する変更部が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記熱交換器には冷媒が流れる流路が形成されており、
前記吹出口は、前記換気導管から排出された風が前記熱交換器における冷媒の出口に相当する部分に当たる場所に位置していることを特徴とする請求項2
に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記風路の少なくとも一部は、前記室外機本体の外かつ前記室外機本体の側面側に形成されており、
前記吹出口は、前記室外機本体の高さ方向の中心よりも下側に位置しており、
前記熱交換器には、冷媒が流れる流路が形成されており、
冷房時において前記冷媒が流れる流路の出口は、前記室外機本体の高さ方向の中心よりも下側に位置していることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記風路の少なくとも一部は、前記室外機本体の外かつ前記室外機本体の側面側に形成されており、
前記吹出口は、前記室外機本体の高さ方向の中心よりも上側に位置しており、
前記熱交換器には、冷媒が流れる流路が形成されており、
暖房時において前記冷媒が流れる流路の出口は、前記室外機本体の高さ方向の中心よりも上側に位置していることを特徴とする請求項4に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記換気装置は、前記室外機本体の上部に位置しており、
前記風路の少なくとも一部は、前記換気装置または前記室外機本体の少なくとも一方の内部を通過し、
前記換気導管から送り込まれた風は、前記風路を通過し前記熱交換器に向かって吹き出すことを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、特許文献1に記載するように、空気調和対象の室内に配置される室内機と、室外に配置される室外機とから構成される空気調和機が知られている。このような空気調和機は、室内機と室外機とが換気導管によって接続されており、室内の空気を室内機から換気導管を通じて室外機へ送り、そして室外機から屋外の大気中へ排出することで換気運転を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された空気調和機は、例えば、冬場に換気運転を実行する際に、快適な温度として空気調和された室内の暖かい空気の一部を室内から室外へ排出し、室内の温度を低下させてしまう。そのため、特許文献1に記載された空気調和機は、再度室内の温度を上げるための空調運転を行う必要があり、省エネ性が低下してしまうという課題がある。
【0005】
本開示は、上記の課題に鑑み、省エネ性が向上した空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る空気調和機は、
室内機と、室外機と、一端が室内機に接続され他端が室外機に接続された換気導管と、を備え、
室外機は、熱交換器を有する室外機本体と換気装置とを備え、
室外機には、前記換気導管を介して室内機から室外機へ送り込まれた風が熱交換器に導かれる風路が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一態様に係る空気調和機は、室内機から室外機へ送り込まれた風を熱交換器に導く風路が形成されているため、室内の空気調和に用いられたエネルギーを再利用できる。したがって、本開示の一態様に係る空気調和機は、空調運転に要する負荷を減らすことができ、それ故に省エネ性が向上している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る空気調和機の概略図
【
図10】トップカバーを取り除いた状態の換気装置の分解斜視図
【
図14A】第2の空間に設けられたダンパ装置の給気換気運転中の状態を示す斜視図
【
図14B】第2の空間に設けられたダンパ装置の排気換気運転中の状態を示す斜視図
【
図15A】ファンに設けられたダンパ装置の給気換気運転中の状態を示す上面図
【
図15B】ファンに設けられたダンパ装置の排気換気運転中の状態を示す上面図
【
図16】保護カバーを外した状態の室外機の一部分の斜視図
【
図17】保護カバー内を流れる排気風の流れを示す平面図
【
図19】実施の形態2に係る空気調和機の保護カバー及び換気装置の一部破断斜視図
【
図20】保護カバー内を流れる排気風の流れを示す側面図
【
図21】保護カバー内を流れる排気風の流れを示す上面図
【
図23A】変形例に係るファンに設けられたダンパ装置の給気換気運転中の状態を示す上面図
【
図23B】変形例に係るファンに設けられたダンパ装置の排気換気運転中の状態を示す上面図
【
図24】変形例に係る室外機内の排気風の流れを示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本開示の一実施の形態に係る空気調和機の概略図である。
【0010】
図1に示すように、本実施の形態に係る空気調和機10は、空調対象の室内Rinに配置される室内機20と、室外Routに配置される室外機30とを有する。
【0011】
室内機20には、室内空気A1と熱交換を行う室内熱交換器22と、室内空気A1を室内機20内に誘引するとともに、室内熱交換器22と熱交換した後の室内空気A1を室内Rinに吹き出すファン24とが設けられている。
【0012】
室外機30には、室外空気A2と熱交換を行う室外熱交換器32と、室外空気A2を室外機30内に誘引するとともに、室外熱交換器32と熱交換した後の室外空気A2を室外Routに吹き出すファン34とが設けられている。また、室外機30には、室内熱交換器22および室外熱交換器32と冷凍サイクルを実行する圧縮機36、膨張弁38、および四方弁40が設けられている。
【0013】
室内熱交換器22、室外熱交換器32、圧縮機36、膨張弁38、および四方弁40それぞれは、冷媒が流れる冷媒配管によって接続されている。冷房運転および除湿運転(弱冷房運転)の場合、空気調和機10は、冷媒が圧縮機36から四方弁40、室外熱交換器32、膨張弁38、室内熱交換器22を順に流れて圧縮機36に戻る冷凍サイクルを実行する。暖房運転の場合、空気調和機10は、冷媒が圧縮機36から四方弁40、室内熱交換器22、膨張弁38、室外熱交換器32を順に流れて圧縮機36に戻る冷凍サイクルを実行する。
【0014】
空気調和機10は、冷凍サイクルによる空調運転の他に、室外空気A3を室内Rinに供給する空調運転および室内空気A1を室外Routに排出する空調運転を実行する。そのために、空気調和機10は、換気装置50を有する。換気装置50は、室外機30に設けられている。室内機20と換気装置50とは、一端が前記室内機に接続され他端が室外機に接続された換気導管56によって接続されている。
【0015】
【0016】
図2に示すように、換気装置50は、その内部に室外空気A3、A4が通過する吸収材52を備える。
【0017】
吸収材52は、空気が通過可能な部材であって、通過する空気から水分を捕集するまたは通過する空気に水分を与える部材である。本実施の形態の場合、吸収材52は、円盤状であって、その中心を通過する回転中心線C1を中心にして回転する。吸収材52は、モータ54によって回転駆動される。
【0018】
吸収材52は、空気中の水分を収着する高分子収着材が好ましい。高分子収着材は、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム架橋体から構成される。
【0019】
換気装置50の内部には、吸収材52をそれぞれ通過し、室外空気A3、A4がそれぞれ流れる第1の流路P1と第2の流路P2とが設けられている。また、吸収材52がモータ54によって回転されると、第1および第2の流路P1、P2の一方に位置した吸収材52の部分が他方に移動する。さらに、換気装置50の内部には、両端が第1の流路P1の異なる部分に接続された第3の流路P3が設けられている。
【0020】
第1の流路P1は、室内機20内に向かう室外空気A3が流れる流路である。第1の流路P1を流れる室外空気A3は、換気導管56を介して、室内機20内に供給される。
【0021】
本実施の形態の場合、第1の流路P1は、吸収材52に対して上流側に複数の支流路P1a、P1bを含んでいる。なお、本明細書において、「上流」および「下流」は、空気の流れに対して使用される。
【0022】
複数の支流路P1a、P1bは、吸収材52に対して上流側で合流する。複数の支流路P1a、P1bそれぞれには、室外空気A3を加熱するヒータ58、60が設けられている。
【0023】
ヒータ58、60は、同一の加熱能力を備えるヒータであってもよいし、異なる加熱能力を備えるヒータであってもよい。また、ヒータ58、60は、電流が流れて温度が上昇すると電気抵抗が増加する、すなわち過剰な加熱温度の上昇を抑制することができるPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータが好ましい。
【0024】
第1の流路P1には、室内機20内に向かう室外空気A3の流れを発生させるファン62が設けられている。本実施の形態の場合、ファン62は、吸収材52に対して下流側に配置されている。ファン62が作動することにより、室外空気A3が、室外Routから第1の流路P1内に流入し、吸収材52を通過する。
【0025】
また、第1の流路P1には、第1の流路P1を流れる室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)または室外Routに振り分けるためのダンパ装置64が設けられている。本実施の形態の場合、ダンパ装置64は、ファン62に対して下流側に配置されている。ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられた室外空気A3は、換気導管56を介して室内機20内に入り、ファン24によって室内Rinに吹き出される。
【0026】
さらに、本実施の形態の場合、第1の流路P1には、ダンパ装置64と異なるダンパ装置66が設けられている。本実施の形態の場合、ダンパ装置66は、吸収材52とファン62との間に配置されている。詳細は後述するが、ダンパ装置66は、排気換気のために設けられ、第1の流路P1を選択的に開閉する。
【0027】
さらにまた、第1の流路P1には、第3の流路P3が接続されている。第3の流路P3は、詳細は後述するが、排気換気用の流路であって、ファン62とダンパ装置66との間の第1の流路P1の部分とダンパ装置64に対して下流側の第1の流路P1の部分とを連絡している。第3の流路P3には、ダンパ装置68が設けられている。詳細は後述するが、ダンパ装置68は、排気換気のために設けられ、第3の流路P3を選択的に開閉する。
【0028】
第2の流路P2は、室外空気A4が流れる流路である。第1の流路P1を流れる室外空気A3と異なり、第2の流路P2を流れる室外空気A4は、室内機20に向かうことはない。第2の流路P2を流れる室外空気A4は、吸収材52を通過した後、室外Routに流出する。
【0029】
第2の流路P2には、室外空気A4の流れを発生させるファン70が設けられている。本実施の形態の場合、ファン70は、吸収材52に対して下流側に配置されている。ファン70が作動することにより、室外空気A4が、室外Routから第2の流路P2内に流入し、吸収材52を通過し、そして室外Routに流出する。
【0030】
換気装置50は、吸収材52(モータ54)、ヒータ58、60、ファン62、ダンパ装置64、66、68、およびファン70を選択的に使用して換気運転、加湿運転、および除湿運転を選択的に実行する。なお、換気運転には、給気換気運転と排気換気運転が含まれる。
【0031】
【0032】
給気換気運転は、室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。
図3に示すように、給気換気運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。ヒータ58、60は、OFF状態であって、室外空気A3を加熱していない。ファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を室内機20に振り分ける。ダンパ装置66は、開いた状態であって、それにより、室外空気A3が吸収材52からファン62に向かって流れる。ダンパ装置68は、閉じた状態であって、それにより、室外空気A3は第3の流路P3を流れない。ファン70は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
【0033】
このような給気換気運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、ヒータ58、60に加熱されることなく吸収材52を通過する。吸収材52を通過した室外空気A3は、ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。ダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した室外空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような給気換気運転により、室外空気A3がそのまま室内Rinに供給され、室内Rinが給気換気される。
【0034】
【0035】
排気換気運転は、室内空気A1を室外Routに排出する空調運転である。
図4に示すように、排気換気運転中、モータ54は、OFF状態であって、吸収材52は回転していない。ヒータ58、60は、OFF状態である。ファン62はON状態であって、それにより、室内空気A1が、換気導管56および第3の流路P3を通過し、ファン62に向かって流れる。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室内空気A1を室外Routに振り分ける。ダンパ装置66は、閉じた状態であって、それにより、室内空気A1が吸収材52に向かって流れない。ダンパ装置68は、開いた状態であって、それにより、室内空気A1が、第3の流路P3を介してファン62に向かって流れる。ファン70は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
【0036】
このような排気換気運転によれば、ファン62がON状態のとき、室内空気A1が、換気導管56および第3の流路P3を介して、吸収材52とファン62との間の第1の流路P1の部分に流入する。このとき、ダンパ装置66が閉じた状態であるため、室内空気A1が吸収材52に向かって流れない。ファン62を通過した室内空気A1は、ダンパ装置64によって室外Routに振り分けられ、
図5は、加湿運転中の換気装置の概略図である。
【0037】
加湿運転は、室外空気A3を加湿し、その加湿された室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。
図5に示すように、加湿運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。ヒータ58、60は、ON状態であって、室外空気A3を加熱している。ファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を室内機20に振り分ける。ダンパ装置66は、開いた状態であって、それにより、室外空気A3が吸収材52からファン62に向かって流れる。ダンパ装置68は、閉じた状態であって、それにより、室外空気A3は第3の流路P3を流れない。ファン70は、ON状態であって、それにより第2の流路P2内を室外空気A4が流れている。
【0038】
このような加湿運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、ヒータ58、60に加熱されて吸収材52を通過する。このとき、加熱された室外空気A3は、加熱されていない場合に比べて、吸収材52からより多量の水分を奪うことができる。それにより、室外空気A3が多量の水分を担持する。吸収材52を通過して多量の水分を担持する室外空気A3は、ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。ダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した室外空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような加湿運転により、多量の水分を担持する室外空気A3が室内Rinに供給され、室内Rinが加湿される。
【0039】
加熱された室外空気A3に水分が奪われることにより、吸収材52の保水量が減少する、すなわち吸収材52が乾燥する。吸収材52が乾燥すると、第1の流路P1を流れる室外空気A3は吸収材52から水分を奪うことができない。その対処として、吸収材52は、第2の流路P2を流れる室外空気A4から水分を奪う。それにより、吸収材52の保水量がほぼ一定に維持され、加湿運転を継続することができる。
図6は、除湿運転中の換気装置の概略図である。 除湿運転は、室外空気A3を除湿し、その除湿された室外空気A3を室内Rin(すなわち室内機20)に供給する空調運転である。
図6に示すように、除湿運転では、吸着運転と再生運転とが交互に実行される。
【0040】
吸着運転は、室外空気A3に担持されている水分を吸収材52に吸着させ、それにより室外空気A3を除湿する運転である。
図6に示すように、吸着運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。ヒータ58、60は、OFF状態であって、室外空気A3を加熱していない。ファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を室内機20に振り分ける。ダンパ装置66は、開いた状態であって、それにより、室外空気A3が吸収材52からファン62に向かって流れる。ダンパ装置68は、閉じた状態であって、それにより、室外空気A3は第3の流路P3を流れない。ファン70は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
【0041】
このような吸着運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、ヒータ58、60に加熱されることなく吸収材52を通過する。このとき、室外空気A3に担持されている水分が吸収材52に吸着する。それにより、室外空気A3の水分の担持量が減少する、すなわち室外空気A3が乾燥される。吸収材52を通過して乾燥した室外空気A3は、ダンパ装置64によって室内機20に振り分けられる。ダンパ装置64を通過して換気導管56を介して室内機20に到達した室外空気A3は、ファン24によって室内Rinに吹き出される。このような吸着運転により、乾燥した室外空気A3が室内Rinに供給され、室内Rinが除湿される。
【0042】
吸着運転が続くと、吸収材52の保水量が増加し続け、その結果、室外空気A3に担持されている水分に対する吸収材52の吸着能力が低下する。その吸着能力を回復するために吸収材52を再生させる再生運転が実行される。
【0043】
再生運転中、モータ54は、吸収材52を回転し続ける。ヒータ58、60は、ON状態であって、室外空気A3を加熱している。ファン62はON状態で、それにより第1の流路P1内を室外空気A3が流れている。ダンパ装置64は、第1の流路P1内の室外空気A3を、室内機20ではなく、室外Routに振り分ける。ダンパ装置66は、開いた状態であって、それにより、室外空気A3が吸収材52からファン62に向かって流れる。ダンパ装置68は、閉じた状態であって、それにより、室外空気A3は第3の流路P3を流れない。ファン70は、OFF状態であって、それにより第2の流路P2内に室外空気A4の流れが発生していない。
【0044】
このような再生運転によれば、室外空気A3は、第1の流路P1に流入し、ヒータ58、60に加熱されて吸収材52を通過する。このとき、加熱された室外空気A3は、吸収材52から多量の水分を奪う。それにより、室外空気A3に多量の水分が担持される。それとともに、吸収材52の保水量が減少する、すなわち吸収材52が乾燥してその吸着能力が再生する。吸収材52を通過して多量の水分を担持する室外空気A3は、ダンパ装置64によって室外Routに振り分けられ、室外Routに排出される。これにより、除湿運転における再生運転中に、吸収材52の再生によって多量の水分を担持する室外空気A3が室内Rinに供給されることがない。 このような吸着運転と再生運転を交互に行うことにより、吸収材52の吸着能力が維持され、除湿運転を継続的に実行することができる。
【0045】
上述の冷凍サイクルによる空調運転(冷房運転、除湿運転(弱冷房運転)、暖房運転)と換気装置50による空調運転(換気運転(給気換気運転、排気換気運転)、加湿運転、除湿運転)は、別々に実行可能であり、また同時に実行することも可能である。例えば、冷凍サイクルによる除湿運転と換気装置50による除湿運転を同時に実行すれば、室温を一定に維持した状態で室内Rinを除湿することが可能である。
【0046】
空気調和機10が実行する空調運転は、ユーザによって選択される。例えば、
図1に示すリモートコントローラ72に対するユーザの選択操作により、その操作に対応する空調運転を空気調和機10は実行する。
【0047】
ここまでは、本実施の形態に係る空気調和機10の構成および動作について概略的に説明してきた。ここからは、本実施の形態に係る空気調和機10の構成の詳細について説明する。
【0048】
図7は、空気調和機の室外機の前方斜視図である。また、
図8は、空気調和機の室外機の後方斜視図である。さらに、
図9は、換気装置の前方斜視図である。さらにまた、
図10は、トップカバーを取り除いた状態の換気装置の分解斜視図である。加えて、
図11は、内部構造を示す換気装置の上面図である。そして、
図12は、換気装置の概略的な断面図である。なお、図面に示すX-Y-Z直交座標系は、実施の形態の理解を容易にするためのものであって、実施の形態を限定するものではない。X軸方向は室外機30の前後方向を示し、Y軸方向は左右方向を示し、Z軸方向は高さ方向を示している。また、
図11では、トップカバー、インナーカバー、およびヒータカバーが省略されている。そして、
図12は、
図3に示す給気換気運転、
図5に示す加湿運転、および
図6に示す除湿運転における吸着運転を実行している状態を示している。
【0049】
図7および
図8に示すように、本実施の形態の場合、換気装置50は、室外機30の上部を構成している。具体的には、換気装置50は、室外熱交換器32、ファン34、圧縮機36、膨張弁38、および四方弁40を格納する室外機30の本体の筺体100上に設けられている。
【0050】
図9~
図11に示すように、換気装置50は、室外機30の左右方向(Y軸方向)に長い略直方体形状であって、上方が開いた箱状の筺体102と、筺体102の上部に取り付けられて蓋をするトップカバー104とを備える。筺体102内に、吸収材52などの換気装置50の構成要素が格納されている。
【0051】
図10~
図12に示すように、本実施の形態の場合、吸収材52は、換気装置50の左右方向(Y軸方向)の中央に配置されている。吸収材52に対して長手方向の一方側(右側)に第1の流路P1に関連する構成要素が配置され、他方側(左側)に第2の流路P2に関連する構成要素が配置されている。
【0052】
また、
図12に示すように、換気装置50の筺体102内には、複数の空間S1~S4が実質的に形成されている。
【0053】
第1の空間S1は、第1の流路P1の一部であって、室外空気A3が最初に流入する空間である。また、第1の空間S1は、実質的に、筺体102内の右側および上側部分に形成されている。
【0054】
第2の空間S2は、第1の流路P1の一部であって、且つ、第1の空間S1内の室外空気A3が吸収材52を通過して流入する空間である。また、第2の空間S2は、実質的に、筺体102内の右側および下側部分に形成されている。
【0055】
第3の空間S3は、第2の流路P2の一部であって、室外空気A4が最初に流入する空間である。また、第3の空間S3は、実質的に、筺体102内の左側および下側部分に形成されている。
【0056】
第4の空間S4は、第2の流路P2の一部であって、且つ、第3の空間S3内の室外空気A4が吸収材52を通過して流入する空間である。また、第4の空間S4は、実質的に、筺体102内の左側および上側部分に形成されている。
【0057】
第1および第2の空間S1、S2内部の室外空気A3が第3および第4の空間S3、S4内に移動しないように、また、逆に第3および第4の空間S3、S4内の室外空気A4が第1および第2の空間S1、S2に移動しないように、第1および第2の空間S1、S2に対して第3および第4の空間S3、S4が独立している(すなわちこれらの間がシールされている)。
【0058】
まず、構成がシンプルな第2の流路P2に関連する換気装置50の構成要素について説明する。
【0059】
本実施の形態の場合、
図10および
図11に示すように、室外空気A4が流れる第2の流路P2に関連して、換気装置50の筺体102には、吸気口102a、吸気口102b、および排気口102cが設けられている。吸気口102aは、筺体102の前壁102dの左右方向(Y軸方向)の中央に形成されている。また、吸気口102bは、筺体102の後壁102eの左右方向の中央に形成されている。そして、排気口102cは、前壁102dの左側に形成されている。
【0060】
室外空気A4は、ファン70が作動すると、吸気口102aと吸気口102bとを介して、筺体102内の第3の空間S3に流入する。
【0061】
第3の空間S3内の室外空気A4は、下側端面52aを介して吸収材52内に流入し、上側端面52bを介して吸収材52から第4の空間S4に流出する。第4の空間S4は、第3の空間S3と第4の空間S4とを隔てる仕切り板106と、仕切り板106に覆い被さるインナーカバー108とによって画定されている。 吸収材52を通過して第4の空間S4に流入した室外空気A4は、ファン70に吸い込まれる。本実施の形態の場合、ファン70は、シロッコファンであって、ファン室F1に収容されて高さ方向(Z軸方向)に延在する回転中心線を中心にして回転する羽根車70aと、羽根車70aを回転させるモータ70bとを含んでいる。モータ70bは、羽根車70aの下方に配置されている。
【0062】
ファン70のファン室F1は、筺体102の底板102fと、ファン70の羽根車70aを囲むように底板102fから仕切り板106に向かって立設し、羽根車70aを通過した空気を排気口102cに向けるスクロール壁102gと、仕切り板106とによって画定されている。また、ファン室F1は、仕切り板106に形成された貫通穴106aを介して、第4の空間S4に連通している。すなわち、貫通穴106aがシロッコファンであるファン70の空気吸い込み口であって、排気口102cが空気吹き出し口である。
【0063】
第4の空間S4内の室外空気A4は、羽根車70aの回転により、仕切り板106の貫通穴(空気吸い込み口)106aを介して、ファン室F1に吸い込まれ、ファン室F1に連通する排気口(空気吹き出し口)102cを介して室外Routに排出される。
【0064】
ファン70のモータ70bは、ファン室F1の底面に形成された凹部、すなわち筺体102の底板102fに形成された凹部102h内に収容されている。その凹部102hは、モータカバー110によって蓋をされている。
【0065】
次に、第1の流路P1に関連する換気装置50の構成要素ついて説明する。
【0066】
本実施の形態の場合、
図10および
図11に示すように、室外空気A3が流れる第1の流路P1に関連して、換気装置50の筺体102には、吸気口102i、排気口102j、および換気導管56と接続する接続口102mが設けられている。すなわち、第1の流路P1は、吸気口102iから延在して排気口102jおよび接続口102mに向かって分岐している。吸気口102iは、筺体102の後壁102eの右側に形成されている。排気口102jは、筺体102の右側壁102kに設けられている。また、接続口102mが、排気口102jに対して後側に位置するように、右側壁102kに形成されている。
【0067】
室外空気A3は、ファン62が作動すると、吸気口102iを介して、第1の流路P1の一部である、筺体102内の第1の空間S1に流入する。第1の空間S1内に流入した室外空気A3は、ヒータ58、60を通過し、吸収材52の上側端面52bの上方に向かう。
【0068】
具体的には、ヒータ58、60は、ヒータベース部材112によって支持されている。ヒータベース部材112は、ヒータ58、60が載置されるヒータ載置部112aと、吸収材52を回転可能に収容する円筒状の吸収材収容部112bとを備える。
【0069】
ヒータ58、60は、
図11に示すように、ヒータベース部材112のヒータ載置部112a上に、「ハ」の字状に配置されている。ヒータ58、60それぞれを通過した室外空気A3(すなわち支流路P1a、P2bを流れた室外空気A3)は、ヒータベース部材112の吸収材収容部112bに収容された吸収材52の上側端面52b上で合流する。
【0070】
本実施の形態の場合、円盤状の吸収材52は、筒状の吸収材ホルダ114によって支持されている。吸収材ホルダ114は、高さ方向(Z軸方向)に延在する回転中心線C1を中心にして回転可能に、筺体102に支持されている。吸収材ホルダ114の外周面には、モータ54に取り付けられたピニオンギア116と係合する外歯114aが形成されている。このような吸収材ホルダ114を介して、モータ54は吸収材52を回転駆動する。
【0071】
本実施の形態の場合、ヒータ58、60と、吸収材52の上側端面52bの一部分は、
図10に示すヒータカバー118によって覆われている。これにより、ヒータ58、60を通過した室外空気A3全てが、ヒータカバー118に覆われた吸収材52の上側端面52bの部分を通過する。なお、室外空気A3は、
図13に示すように、ヒータベース部材112のヒータ載置部112aとヒータカバー118の隙間を通過し、その後、ヒータ58、60を通過する。
【0072】
ヒータ58、60によって加熱された室外空気A3は、
図13に示すように、吸収材52を上側端面52bから下側端面52aに向かって下方向に通過し、第1の流路P1の一部である第2の空間S2に入る。
【0073】
図13は、第2の空間を示す換気装置の一部分の上面図である。なお、
図13は、
図3に示す給気換気運転、
図5に示す加湿運転、および
図6に示す除湿運転における吸着運転の実行中での状態を示している。
【0074】
図13に示すように、筺体102の底板102fには、高さ方向(Z軸方向)に延在するガイド壁102nが設けられている。このガイド壁102nの頂部に、
図12に示すように、第1の空間S1と第2の空間S2とを隔てる仕切り板120が配置されている。すなわち、筺体102の底板102f、ガイド壁102n、および仕切り板120により、第2の空間S2が画定されている。なお、吸収材52の下方に位置するガイド壁102nの部分上には、吸収材52の下側端面52aとガイド壁102nとの間のシールするシール部材122が設けられている。このシール部材122により、第2の空間S2から第3の空間S3に向かうまたは逆方向の空気の移動が制限されている。
【0075】
第1の流路P1の一部である第2の空間S2は、換気導管56が接続される接続口102mに連通している。また、第2の空間S2には、ダンパ装置66、68が設けられている。
【0076】
ダンパ装置66、68は、第2の空間S2内に配置されて第2の空間S2を分断するダンパ66a、68aと、ダンパ66a、68aに設けられたシャフト66b、68bと、第2の空間S2の外部に配置され、シャフト66b、68bを回転させるモータ66c、68cとから構成されている。また、モータ66c、68cは、第2の空間S2の外部に設けられたモータボックス66d、68d内に収容されて保護されている。
【0077】
ダンパ装置66、68のダンパ66a、68aにより、第2の空間S2は、吸収材52側の領域S2a、中央の領域S2b、および接続口102m側の領域S2cに三分割される。領域S2cは、
図2~
図6に示す第3の流路P3の一部分に対応する。
【0078】
ダンパ装置66が開いた状態のとき、すなわち第2の空間S2をダンパ66aが分断していないとき、空気は領域S2a、S2b間を往来することができる。一方、ダンパ装置66が閉じた状態のとき、すなわち第2の空間S2を領域S2aと領域S2bとの間でダンパ66aが分断しているとき、その領域S2a、S2b間の空気の往来が制限される。
【0079】
ダンパ装置68が開いた状態のとき、すなわち第2の空間S2をダンパ68aが分断していないとき、空気は領域S2b、S2c間を往来することができる。一方、ダンパ装置68が閉じた状態のとき、すなわち第2の空間S2を領域S2bと領域S2cとの間でダンパ68aが分断しているとき、その領域S2b、S2c間の空気の往来が制限される。
【0080】
中央の領域S2bは、ファン62のファン室F2に連通している。具体的には、
図10および
図12に示すように、ファン62は、本実施の形態の場合、シロッコファンであって、ファン室F2に収容されて高さ方向(Z軸方向)に延在する回転中心線を中心にして回転する羽根車62aと、羽根車62aを回転させるモータ62bとを含んでいる。
【0081】
ファン62のファン室F2は、仕切り板120と、羽根車62aを囲むように仕切り板106から上方に向かって立設し、羽根車62aを通過した空気を接続口102mに向けるスクロール壁120aと、スクロール壁120aの頂部上に載置されて羽根車62aを覆うファンカバー124とによって画定されている。また、ファン室F2は、仕切り板120に形成された貫通穴120bを介して、第2の空間S2の中央の領域S2bに連通している。すなわち、貫通穴120bがシロッコファンであるファン62の空気吸い込み口であって、接続口102mが空気吹き出し口である。なお、モータ62bは、ファンカバー124上に載置され、モータ62bを覆うモータカバー126によって保護されている。
【0082】
ファン室F2には、室外空気A3または室内空気A1が進入する。具体的には、
図3に示す給気換気運転、
図5に示す加湿運転、または
図6に示す除湿運転を空気調和機10が実行しているときは、室外空気A3が進入する。
図4に示す排気換気運転を空気調和機10が実行しているときは、室内空気A1が進入する。
【0083】
図14Aは、給気換気運転、加湿運転、または除湿運転の実行中における第2の空間に設けられた複数のダンパ装置の状態を示すパース図である。また、
図14Bは、排気換気運転の実行中における第2の空間に設けられた複数のダンパ装置の状態を示すパース図である。なお、
図14Aおよび
図14Bは、斜め上前方から見たパース図である。
【0084】
図14Aに示すように、給気換気運転、加湿運転、または除湿運転の実行中、吸収材52の下側端面52aから流出した室外空気A3は、第2の空間S2の領域S2a内を流れ、開いた状態のダンパ装置66のダンパ66aを通過する。ダンパ66aを通過して領域S2b内に流入した室外空気A3は、ファン62の羽根車62aの回転により、領域S2bの上方に位置する貫通穴(空気吸い込み口)120bを介して、ファン室F2に吸い込まれる。このとき、ダンパ装置68のダンパ68aが閉じた状態であるため、領域S2b内の室外空気A3は、領域S2cに進入することはできない。
【0085】
図14Bに示すように、排気換気運転の実行中、ファン62の羽根車62aの回転により、換気導管56および接続口102mを介して、室内空気A1が第2の空間S2の領域S2cに流入する。領域S2c内に流入した室内空気A1は、開いた状態のダンパ装置68のダンパ68aを通過して領域S2b内に流入する。領域S2b内に流入した室内空気A1は、ファン62の羽根車62aの回転により、領域S2bの上方に位置する貫通穴(空気吸い込み口)120bを介して、ファン室F2に吸い込まれる。このとき、ダンパ装置66のダンパ66aが閉じた状態であるため、領域S2b内の室外空気A2は、領域S2aに進入することができない。
【0086】
ファン62のファン室F2内に吸い込まれた室外空気A3または室内空気A1は、ダンパ装置64によって接続口102m(すなわち室内機20)または排気口102j(すなわち室外Rout)に振り分けられる。具体的には、
図3に示す給気換気運転、
図5に示す加湿運転、または
図6に示す除湿運転における吸着運転を空気調和機10が実行しているときは、室外空気A3が接続口102mに振り分けられる。また、
図4に示す排気換気運転を空気調和機10が実行しているときは、室内空気A1が排気口102jに振り分けられる。そして、
図6に示す除湿運転における再生運転を空気調和機10が実行しているときは、室外空気A3が排気口102jに振り分けられる。
【0087】
図15Aは、給気換気運転、加湿運転、および除湿運転における吸着運転の実行中における、ファンに設けられたダンパ装置の状態を示す上面図である。また、
図15Bは、排気換気運転、および除湿運転における再生運転の実行中における、ファンに設けられたダンパ装置の状態を示す上面図である。
【0088】
図15Aおよび
図15Bに示すように、ダンパ装置64は、高さ方向(Z軸方向)に延在する回転中心線C2を中心にして回動するダンパ64aと、ダンパ64aを回動させるモータ64b(
図10参照)とを含んでいる。モータ64bは、
図11に示すように、ファンカバー124上に設けられている。
【0089】
図15Aおよび
図15Bに示すように、本実施の形態の場合、ファン62は、ファン室F2と接続口102mとを連絡する直線状のダクト部62dを含んでいる。本実施の形態の場合、ダクト部62dは、仕切り板120と、仕切り板120からファンカバー124に向かって高さ方向(Z軸方向)に延在するガイド壁120cと、ファンカバー124によって構成されている。なお、ダクト部62dの内部流路は、第1の流路P1に含まれる。このようなダクト部62d内で、ダンパ装置64のダンパ64aが回動する。
【0090】
ダクト部62dは、本実施の形態の場合、接続口102mに向かってファン62の羽根車62aの接線方向DTに直線状に延在している。なお、ここで言う接線方向は、羽根車62aの回転中心線を中心とする円の接線方向を言う。
【0091】
また、ダクト部62dの一部分であってスクロール壁120aの舌部120dから接続口102mに向かって延在するガイド壁120cには、排気口102jに連通する流出口120eが形成されている。
【0092】
図15Aに示すように、給気換気運転、加湿運転、および除湿運転における吸着運転の実行中、ダンパ装置64のダンパ64aが流出口120eを塞ぐ。これにより、ファン室F2内の室外空気A3が、接続口102mに向かってダクト部62d内を流れる。すなわち、舌部120dから接続口102mに延在するガイド壁120cの一部として、ダンパ64aが機能する。そのために、舌部120dとダンパ64aの回転中心線C2との間に、流出口120eが存在する。
【0093】
一方、
図15Bに示すように、排気換気運転中、および除湿運転における再生運転中、ダンパ装置64のダンパ64aが、ダクト部62dの延在方向(すなわち接線方向DT)に対して非直角に交差し、且つ、流出口120eに対向した状態で、ダクト部62dの内部流路を閉じる。これにより、ファン室F2内の室内空気A1(排気換気運転中)や室外空気A3(再生運転中)が、ダンパ64aに沿って流れて流出口120eを通過し、そして排気口102jに向かって流れる。
【0094】
また、排気換気運転中、すなわち、ダンパ装置68が開いた状態のとき、
図15Bに示すように、ダンパ装置64のダンパ64aがダクト部62dの内部流路を閉じてファン62の羽根車62aが回転することにより、換気導管56および第2の空間S2を介して、室内空気A1が、ファン62のファン室F2内に流入する(
図14B参照)。
【0095】
本実施の形態の場合、排気口102jから排出された室外空気A3または室内空気A1は、
図7および
図8に示す保護カバー128内に流入する。
図16は、保護カバー128を外した状態の室外機30の一部分の斜視図である。
【0096】
図16に示すように、また
図1および
図2に示すように、保護カバー128は、換気導管56を覆って保護するカバーである。保護カバー128は、室外機本体の筐体100または換気装置50の外、かつ室外機本体の筐体100または換気装置50の側面に設けられている。すなわち、
図1、
図2、
図16に示すように、保護カバー128は、換気導管56が換気装置50の筺体102の右側壁102kに形成された接続口102mに接続されているので、筺体102の右側壁102kと室外機30の本体の筺体100の右側壁100aに取り付けられる。その結果、換気装置50の排気口102jが、保護カバー128に覆われ、その内部空間に連通する。換気導管56は、換気装置50の接続口102mから下方に延在し、その後斜め上後方に室内機20に向かって延在している。保護カバー128は、換気導管56における接続口102mから下方向に延在する部分を覆って保護する。そのために、保護カバー128は、
図8に示すように、その下部に後方に向かって開き、換気導管56が通過する開口128aを備える。なお、本実施の形態の場合、開口128aは、切り欠き状である。また、本実施の形態の場合、保護カバー128は、冷媒配管が接続されるコネクタ130も覆って保護している。
【0097】
排気口102jを覆う保護カバー128は、排気口102jに由来して換気装置50の外部に漏れる騒音のレベルを低下させる「マフラー」として機能する。例えば、保護カバー128はファン62から発生して排気口102jを介して換気装置50から漏れる騒音を低減する。または例えば、保護カバー128は排気換気運転中や除湿運転における再生運転中に室内空気A1や室外空気A3が排気口102jを通過するときに発生する風切り音の騒音のレベルを低減する。
【0098】
また、本実施の形態の場合、排気口102jは、室外機30の上部(厳密には室外機30の本体の筺体100上に載置された換気装置50)に設けられている。その排気口102jを覆う保護カバー128の開口128aは、その下部に設けられている。そのため、排気口102jと開口128aが、室外機30において、高さ方向(Z軸方向)に可能な限り離れている。その結果、排気口102jに由来して換気装置50の外部に漏れる騒音のレベルがさらに低下する。
【0099】
図17は、保護カバー128内を流れる排気風A1の流れを示す側面図である。
【0100】
図18は、室外機30内の排気風A1の流れを示す背面図である。
図16、
図17、
図18を用いて排気換気運転中の空気の流れについて説明する。
【0101】
図16に示すように、換気装置50内に排出された排気風A1(室内空気A1)は、換気装置50の排気口102jから保護カバー128内に排出される。そして、
図17に示すように、排気風A1は、排気口102jから保護カバー128の内部を下方に進み、保護カバー128における室外機30の背面側に設けられた開口128aから室外機30外に排出される。さらに、
図18に示すように、排気風A1は、開口128aから排出された後、ファン34の回転により生じる吸引力により室外熱交換器32の上流側に吸い寄せられる。その後、排気風A1は、室外熱交換器32を通過し、室外熱交換器32を流れる冷媒と熱交換を行う。熱交換を行った排気風A1は、ファン34により、室外機30の前面側に吹き出される。
【0102】
以上のように、保護カバー128内には、排気口102jから出た排気風A1を開口128aへと通過させ、室外熱交換器32へ導く「風路」が形成されている。本実施形態では、排気風A1が室外機30から室外熱交換器32への移動する経路を風路とみなすことができるが、最小の構成要素として、保護カバー128内の空間のみをもって風路とみなしてもよい。
【0103】
これにより、例えば、冬場に排気換気運転を実施する場合には、室内の空気調和された暖かい風を、「風路」を介して、蒸発器として機能する室外熱交換器32に導く(当てる)ことができ、室外熱交換器32に流れる冷媒の蒸発を促進することができる。また、例えば、夏場に排気換気運転を実施する場合には、室内の空気調和された涼しい風を、「風路」を介して、凝縮器として機能する室外熱交換器32に導く(当てる)ことでき、室外熱交換器32に流れる冷媒の凝縮を促進することができる。
【0104】
また、
図17に示すように、保護カバー128には、保護カバー128内を流れる排気風A1の風向きを変更する仕切り板140(変更部ともいう)が設けられている。
図17、
図18に示すように、仕切り板140は、保護カバー128の前面から背面に向かって高さ方向(Z軸方向)が高くなるように傾きを有して設けられている。また、本実施形態において、仕切り板140は、保護カバー128内において横方向(Y軸方向)に隙間を埋めるように設けられている。これらの構成により、開口128aと仕切り板140は、開口128a内に吹出口150aを形成することができる。これにより、排気風A1を、高さ方向(Z軸方向)により高く、かつ、排気風A1の風向きを上向きに変更し吹出口150aから排出させることができる。これにより、開口128aから出た排気風A1を、仕切り板140を有していない場合よりも、広い範囲の室外熱交換器32の部分に導く(当てる)ことができる。これにより、暖房運転時には室外熱交換器32に流れる冷媒の蒸発を、冷房運転時には室外熱交換器32に流れる冷媒の凝縮をさらに促進することができる。
【0105】
なお、仕切り板140は、保護カバー128内において縦方向(X軸方向)に半分以下の隙間を有していてもよい。なお、仕切り板140は、保護カバー128内において横方向(Y軸方向)に半分以下の隙間を有していてもよい。このように、仕切り板140と保護カバー128内のX軸方向とY軸方向に隙間を有することにより、排気風A1の一部を、吹出口150aから排出でき、排気風A1の一部を、開口128aにおける吹出口150aより下の部分から排出することができる。従って、保護カバー128は、排気風A1を室外熱交換器32に導くことができ、かつ騒音を抑制するマフラーとしても十分に機能することができる。
【0106】
なお、仕切り板140における最も高い部分は、高さ方向(Z軸方向)において少なくとも開口128aの下端よりも高ければよい。また、好ましくは、仕切り板140における最も高い部分は、高さ方向(Z軸方向)において開口128aの中央よりも高い位置に設けられるのがよい。
【0107】
また、室外熱交換器32は、
図18に示すように、室外機本体の筐体100の高さ方向(Z軸方向)の中心よりも下側に冷媒が流れる流路の出口32aを備えてもよい。これにより、室外気温と温度差が小さな冷媒の流路の出口32aに排気風A1を導く(当てる)ことができ、室外熱交換器32に流れる冷媒の蒸発若しくは凝縮をより促進することができる。ここで、冷媒の流路の出口とは、暖房運転時における冷媒の蒸発域の出口若しくは冷房運転時における凝縮域の出口を含んでいる。また、室外熱交換器32は、室外機本体の筐体100の高さ方向(Z軸方向)の中心よりも下側に、暖房運転時における冷媒の蒸発域の出口または冷房運転時における凝縮域の出口の両方若しくは一方のみを備えてもよい。
【0108】
特に冷房運連時において、排気風A1は、空気の比重が重いため、保護カバー128内をスムーズに進行できる。また、本実施形態に係る空気調和機10は、冷媒が流れる流路の出口が室外機本体の筐体100の高さ方向(Z軸方向)の中心よりも下側に位置しているので、比較的温度差の小さな冷媒と排気風A1とで効率よく熱交換できる。
【0109】
なお、流路の出口32aは、室外機30の本体の筐体100のZ軸方向の中心よりも吹出口150a側(左側)に設けられているのが好ましい。
(実施の形態2)
本実施の形態は、保護カバー128について、変形した例を説明する。
【0110】
図19は、実施の形態2に係る空気調和機の保護カバー128及び換気装置50の一部破断斜視図である。
【0111】
図20は、保護カバー128内を流れる排気風A1の流れを示す平面図である。
【0112】
図19、
図20に示すように、換気装置50は、排気口102j付近に排気風A1を整流する整流部材142を備えており、保護カバー128は、高さ方向(Z軸方向)の上側に吹出口150bを形成している。
【0113】
整流部材142は、排気風A1を保護カバー128の前面側に導くようにRが形成されている。これにより、排気口から出た排気風A1は、整流部材142の側面に衝突し、90度風向きが変わる。このとき、排気風A1は、整流部材142がRを有しているので、衝突の衝撃が和らぎ徐々に前面側に風向きが変わる。このように、整流部材142は、排気風A1を保護カバー128の前面側の壁面に導くことができる。ここで、前述した通り、本実施形態にかかる空気調和機は、吹出口150bを保護カバー128の上側に形成しているため、排気口102jと吹出口150bの距離が近い構成となっている。このような場合、保護カバー128は、換気装置50からの騒音を抑制しにくい状態である。しかし、整流部材142を設けることにより、排気風A1を前面側の壁面に導くことで、偏流を緩和し、排気風A1が整流状態となるため、騒音を低減することができる。
【0114】
吹出口150bは、保護カバー128の背面側に形成されており、かつ、高さ方向(Z軸方向)において上端側に形成されている。これにより、排出風A1が排気口102jから吹出口150bへ保護カバー128内を通過する経路が短縮され、排出風A1が保護カバー内の空気との接触する時間が短くなる。そのため、冷媒と熱交換するまで排出風A1の温度を保ちやすくなる。また、吹出口150bは、高さ方向(Z軸方向)において室外機本体の筐体100と換気装置50とを跨ぐように形成されている。これにより、保護カバー128における前面側の壁面と衝突した排気風A1は、高さ方向(Z軸方向)にばらつきが生じたとしても、吹出口150bが広範囲に形成されているため、吹出口150bから排出されやすい。
【0115】
さらに、吹出口150bは、排気風A1の風向きを変更する複数の変更部143を備えている。変更部143は、X軸方向、Y軸方向を中心に回転させるように傾斜させて配置されている。このような複数の変更部143により、X軸方向、Y軸方向を中心に回転させるように傾斜を有する複数のスリットが形成される。これにより、吹出口150bを通過する排気風A1は、室外熱交換器32に向かうように風向きを変更し、効率よく室外熱交換器32に導く(当てる)ことができる。
【0116】
なお、吹出口150bは、高さ方向(Z軸方向)において、換気装置50よりも下側にのみ設けられていてもよい。これにより、排気風A1は、吹出口150bから排出された後にファン34の回転により生じる吸引力により室外熱交換器32に導き(当たり)やすくなる。
【0117】
図21は、保護カバー128内を流れる排気風A1の流れを示す保護カバー128及び換気装置50の上面断面図である。
【0118】
図22は、室外機30内を流れる排気風A1を説明するための室外機30の背面図である。
【0119】
図20、
図21、
図22を用いて排気換気運転中の空気の流れについて説明する。
図20、
図21に示すように排気口102jから出た排気風A1は、整流部材142により保護カバー128の前面側に誘導され、保護カバー128の前面側の壁面と衝突し、吹き出し口150bに向かうように流れを変える。このとき、衝突した排気風A1は、
図20に示すように、高さ方向にばらつきを有し、吹出口150bに進む。その後、排気風A1は、吹出口150bに設けられた変更部143によって風向きを変えられ、室外機30外に吹き出される。排気風A1は、
図22に示すように、吹出口150bから排出された後、ファン34の回転によって生じる吸引力により室外熱交換器32を通過し、室外熱交換器32内を流れる冷媒と熱交換を行う。室外熱交換器32で熱交換された排気風A1は、ファン34により、室外機30の前面側に吹き出される。
【0120】
また、室外熱交換器32は、
図22に示すように、室外機本体の筐体100の高さ方向(Z軸方向)の中心よりも上側に冷媒の流路の出口32aを備えてもよい。これにより、室外気温との温度差が小さな冷媒の流路の出口32aに排気風A1を当てることができ、室外熱交換器32に流れる冷媒の蒸発若しくは凝縮を促進することができる。ここで、冷媒の流路の出口32aとは、暖房運転時における冷媒の蒸発域の出口若しくは冷房運転時における凝縮域の出口を含んでいる。また、室外熱交換器32は、室外機本体の筐体100の高さ方向(z軸方向)の中心よりも上側に、暖房運転時における冷媒の蒸発域の出口または冷房運転時における凝縮域の出口の両方若しくは一方のみを備えてもよい。
【0121】
特に暖房運連時において、排気風A1は、空気の比重が軽いため、排気口102jから吹出口150bに向かってスムーズに進むことができる。これにより、本実施形態に係る空気調和機10は、冷媒が流れる流路の出口が室外機本体の筐体100の高さ方向(Z軸方向)の中心よりも上側に位置している場合、冷媒と排気風A1とで効率よく熱交換できる。
【0122】
なお、流路の出口32aは、室外機30の本体の筐体100のZ軸方向の中心よりも吹出口150b側(左側)に設けられているのが好ましい。
(実施の形態3)
本実施の形態は、換気装置50内に室外熱交換器32に排気風を導く風路が設けられた例について説明する。
【0123】
図23Aは、給気換気運転吸着運転の実行中における、ファンに設けられたダンパ装置の状態を示す上面図である。また、
図23Bは、排気換気運転実行中における、ファンに設けられたダンパ装置の状態を示す上面図である。
【0124】
図23Aおよび
図23Bに示すように、換気装置50における背面側の部分には、吹出口150cと流出口120eが形成されている。
【0125】
吹出口150cは、換気装置50と室外機本体の筐体100とを連通するようにXY平面上に形成されている。
【0126】
ダクト144は、換気装置50内において吹出口150cと流出口120eを接続するように設けられている。
【0127】
図23Aに示すように、給気換気運転の実行中、ダンパ装置64のダンパ64aが流出口120eを塞ぐ。これにより、ファン室F2内の室外空気A3が、接続口102mに向かってダクト部62d内を流れる。すなわち、ダンパ64aは、接続口102mに延在するガイド壁120cの一部として機能する。
【0128】
一方、
図23Bに示すように、排気換気運転の実行中、ダンパ装置64のダンパ64aが、ダクト部62dの延在方向(すなわち接線方向DT)に対して非直角に交差し、且つ、流出口120eに対向した状態で、ダクト部62dの内部流路を閉じる。
【0129】
図24は、排気換気運転時における室外機30内の排気風A1の流れを示す室外機30の背面図である。
図23B、
図24を用いて、排気換気運転時における排気風A1の流れを説明する。
図23Bに示すように、ファン室F2内の排気風A1は、ダンパ64aに沿って風の向きを変え、流出口120eからダクト144の内部に入る。そして、排気風A1は、ダクト144内を通過し、吹出口150cから排出される。その後、
図24に示すように、吹出口150cを出た排気風A1は、室外熱交換器32の上部に吹き出され、室外熱交換器32と熱交換を行う。このように、室外機30内には、流出口120eから出た排気風A1を150cへと通過させ、室外熱交換器32へ導く、「風路」が形成されている。本実施形態では、排気風A1が室外機30から室外熱交換器32への移動する経路を風路とみなすことができるが、最小の構成要素として、換気装置50若しくは室外機本体の筐体100内部に設けられた、排気風A1を室外熱交換器32に導く空間のみ(本実施形態におけるダクト144内の空間に相当)をもって風路とみなしてもよい。
【0130】
これにより、暖房運転時には室外熱交換器32に流れる冷媒の蒸発をさらに促進し、冷房運転時には室外熱交換器32に流れる冷媒の凝縮をさらに促進することができる。また、排気風A1は、風路が換気装置50内に形成されているため、室外の空気と接触を減らし、室外熱交換器32を流れる冷媒と熱交換できる。
【0131】
なお、ダクト144は、換気装置50と室外機本体の筐体100とに跨って設けられていてもよく、室外機本体の筐体100にのみ設けられていてもよい。
【0132】
また、室外熱交換器32は、
図22に示すように、室外機本体の筐体100の高さ方向(z軸方向)の中心よりも上側に冷媒の流路の出口32aを備えてもよい。これにより、室外気温と温度差が小さな冷媒の流路の出口32aに排気風A1を導く(当てる)ことができ、室外熱交換器32に流れる冷媒の蒸発若しくは凝縮をより促進することができる。ここで、冷媒の流路の出口とは、暖房運転時における冷媒の蒸発域の出口若しくは冷房運転時における凝縮域の出口を含んでいる。また、室外熱交換器32は、室外機本体30aの高さ方向(z軸方向)の中心よりも上側に、暖房運転時における冷媒の蒸発域の出口または冷房運転時における凝縮域の出口の両方若しくは一方のみを備えてもよい。
【0133】
なお、流路の出口32aは、室外機30の本体の筐体100のZ軸方向の中心において吹出口150b側に設けられているのが好ましい。
【0134】
以上、本開示の構成を、実施形態に基づいて説明したが、本開示は上記実施の形態に限られない。また、上記実施の形態に記載した材料、数値などは好適なものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。さらに、本開示の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、空気調和機の構成に適宜変更を加えることは可能である。
【0135】
以上のような本実施の形態によれば、室外空気を室外機から室内機に供給する空気調和機において、室外空気を室外に排出するときに室外機から発生する騒音のレベルを低下させることができる。
【0136】
本開示は、室内機と室外機とを有する空気調和機であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0137】
20 室内機
30 室外機
32a 流路の出口
50 換気装置
56 換気導管
100 筺体
102j 排気口
128 保護カバー
140 仕切り板
143 変更部
144 ダクト
150a 吹出口
150b 吹出口
150c 吹出口
【産業上の利用可能性】
【0138】
本開示の一態様に係る空気調和機及び空気調和機の制御方法は、一般家庭で使用される空気調和機をはじめとして様々な空気調和機に広く適用できる。