(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151354
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】荷役物運搬機
(51)【国際特許分類】
B66C 23/02 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
B66C23/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064541
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101203
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100104499
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 達人
(72)【発明者】
【氏名】西川 純平
【テーマコード(参考)】
3F205
【Fターム(参考)】
3F205AA01
3F205AA14
3F205BA06
3F205CA05
3F205CA09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】荷役物を移動させる際の手動操作にかかる負荷を低減でき、作業性が良い荷役物運搬機を提供する。
【解決手段】本開示においては、荷役物を荷台に運搬するための荷役物運搬機であって、支柱と、上記支柱に、水平方向に回転自在に取り付けられ、剛直な部材から構成されたアームと、上記アームから吊り下げられ、上下方向に移動可能なワイヤロープと、上記ワイヤロープの先端に取り付けられ、上記荷役物を把持するハンドと、を有する荷役部、および、上記荷台を回転自在に支持する荷台支持部、を有する、荷役物運搬機を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役物を荷台に運搬するための荷役物運搬機であって、
支柱と、
前記支柱に、水平方向に回転自在に取り付けられ、剛直な部材から構成されたアームと、
前記アームから吊り下げられ、上下方向に移動可能なワイヤロープと、
前記ワイヤロープの先端に取り付けられ、前記荷役物を把持するハンドと、を有する荷役部、および、
前記荷台を回転自在に支持する荷台支持部、を有する、荷役物運搬機。
【請求項2】
前記荷役部および前記荷台支持部は、上面視において、
前記アームにおける前記ワイヤロープの吊り下げ位置の旋回軌道に、前記荷台支持部の少なくとも一部が重なるように配置して使用される、請求項1に記載の荷役物運搬機。
【請求項3】
前記荷役部と前記荷台支持部とは、固定されて一体となっている、請求項1または請求項2に記載の荷役物運搬機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、荷役物を運搬する荷役物運搬機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、工場や倉庫等において、荷役物を運搬する荷役物運搬機が使用される場合がある。例えば、エアシリンダや電動機などのアクチュエータを用いて、手動による荷役物搬送を補助する荷役物運搬機が提案されている。このような荷役物運搬機では、例えば、最もエネルギーを要する荷役物の昇降、ピッチ旋回およびロール旋回などの上下動作をアクチュエータで補助しつつ、同時に、水平方向の動作(すなわち、荷役物の左右方向、前後方向およびヨー旋回方向の3方向)を手動により操作可能としている。
【0003】
例えば、特許文献1には、天井空間に固定された一対の間隔を置いた平行なクレーン用走行レール上を走る2本のクレーンガーダにトロリーを介し前後に移動できると共に旋回可能な手動式旋回装置、該旋回装置から垂直に垂下する平行な一対のガイドに沿って上下動自在な電動昇降リフト装置を備え、該電動昇降リフト装置は該旋回装置に支持された電動昇降装置と、該電動昇降装置によりガイドに沿って昇降されるフォーク支持枠部と、フォーク支持枠部に支持された荷物を移載するフォークと、ガイド下端に固着された操作部とから成ることを特徴とするケース移載用簡易クレーンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1では、荷物を搬送するにあたり、走行レールを用いた左右方向および前後方向の移動と、旋回装置を用いた旋回方向の移動と、の水平方向における3方向の移動を手動で同時に行う必要がある。そのため、手動操作にかかる負荷が大きく、作業性が悪い。
【0006】
本開示は、上記事情に鑑みてなされた発明であり、荷役物を移動させる際の手動操作にかかる負荷を低減でき、作業性が良い荷役物運搬機を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、荷役物を荷台に運搬するための荷役物運搬機であって、支柱と、上記支柱に、水平方向に回転自在に取り付けられ、剛直な部材から構成されたアームと、上記アームから吊り下げられ、上下方向に移動可能なワイヤロープと、上記ワイヤロープの先端に取り付けられ、上記荷役物を把持するハンドと、を有する荷役部、および、上記荷台を回転自在に支持する荷台支持部、を有する、荷役物運搬機を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、荷役物を移動させる際の手動操作にかかる負荷を抑制でき、作業性が良い荷役物運搬機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の荷役物運搬機の一例を示す概略斜視図である。
【
図2】本開示の荷役物運搬機の一例を示す概略斜視図である。
【
図3】本開示の荷役物運搬機の一例を示す概略上面図である。
【
図4】本開示の荷役物運搬機の一例を示す概略上面図である。
【
図5】本開示におけるハンドを例示した概略側面である。
【
図6】従来の荷役物運搬機におけるアームを例示した概略側面図及び概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記に、図面等を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。ただし、本開示は多くの異なる態様で実施することが可能であり、下記に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の形態に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表わされる場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0011】
本明細書において、ある部材の上に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」、あるいは「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。また、本明細書において、ある部材の面に他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「面側に」または「面に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上、あるいは直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方、あるいは下方に、さらに別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含むものとする。
【0012】
以下、本開示の荷役物運搬機について説明する。
図1および
図2は、本開示の荷役物運搬機の一例を示す概略斜視図である。
図1および
図2に示すように、本開示の荷役物運搬機1は、荷役物Wを、搬送元Pから荷台Xに運搬するための荷役物運搬機である。
図1(a)は、搬送元Pに載置されている荷役物Wをハンド24で把持した様子を示している。また、
図1(b)は、昇降機構25により、ワイヤロープ23を介してハンド24を上昇させ、荷役物Wを上昇させている様子を示している。
図2(a)は、荷役物Wを、搬送元P上から荷台X上に移動させた様子を示している。また、
図2(b)は、荷役物Wを荷台Xに載置するために、昇降機構25により、ワイヤロープ23を介してハンド24を下降させている様子を示している。
【0013】
図1および
図2に示すように、荷役物運搬機1は、荷役部2および荷台支持部3を有する。荷役部2は、支柱21と、支柱21に水平方向に回転自在に取り付けられ、剛直な部材から構成されたアーム22と、アーム22から吊り下げられ、上下方向に移動可能なワイヤロープ23と、ワイヤロープ23の先端に取り付けられ、荷役物Wを把持するハンド24と、を有する。荷台支持部3は、荷台Xを回転自在に支持する。
【0014】
本開示の荷役物運搬機の作動機構を
図1、
図2、
図3および
図4を参照して説明する。
図3および
図4は、本開示の荷役物運搬機の一例を示す概略上面図である。なお、
図3および
図4は、荷台Xに既に4つの荷役物Wが積まれている状態を示しているが、
図1および
図2ではこれらの荷役物は省略している。
【0015】
まず、
図1(a)に示すように、搬送元Pに載置されている荷役物Wを、アーム22から吊り下げられたワイヤロープ23の先端に取り付けられたハンド24によって、把持する。次に、
図1(b)に示すように、昇降機構25によって、ワイヤロープ23を上昇させ(
図1(b)の矢印方向)、荷役物Wを搬送元Pから持ち上げる。この際の上面図を
図3(a)に示す。作業者は、これらのハンド24による荷役物Wの把持および荷役物Wの上昇のための昇降機能25の動作を、ハンド24の操作盤を操作することで行うことができる。
【0016】
次に、
図3(b)に示すように、搬送元P上から荷台X上までの水平方向の移動が行われる。
図2(a)に示すように、作業者は、ハンド24の持ち手を掴み、アーム22を水平方向に回転させ、荷台X上に荷役物Wを移動する。ここで、
図3(b)に示すように、荷台支持部3は、アーム22におけるワイヤロープの吊り下げ位置の旋回軌道Cに、荷台支持部3の少なくとも一部が重なるように配置されている。
【0017】
図2(a)および
図3(b)に示すように、荷役物Wの運搬中においては、荷役物Wは、ワイヤロープ23の先端に取り付けられたハンド24によって把持されているため、ワイヤロープ23を回転軸として手動で水平方向に回転可能である。そのため、荷台Xに載置するまでの間に、荷役物Wの向きを調整することができる。また、ハンド24およびワイヤロープ23を引っ張ることによって、載置位置の調整が可能となる。さらに、荷台Xは、荷台支持部3によって水平方向に回転自在に支持されている。従って、荷役物Wの位置決めを、荷台X上の所望の位置に、所望の角度で行うことができる。
【0018】
荷台Xに対する荷役物Wの位置決めができたら、昇降機能25によって、ワイヤロープ23を下降させ(
図2(b)の矢印方向)、ハンド24による荷役物Wの把持を解除することによって、荷役物Wを荷台X上に載置する。作業者は、これらのハンド24による荷役物Wの把持解除および荷役物Wの下降のための昇降機能25の動作を、ハンド24の操作盤を操作することで行うことができる。この際の上面図を
図4に示す。
【0019】
以上の荷役物の把持、上昇、移動、下降、把持解除の動作を繰り返すことで、荷役物の荷台への移載を連続して行うことができる。荷台は、所定の数の荷役物が載置された後、ハンドリフト、フォークリフト車等によって、所定の場所に移動させる。
【0020】
本開示によれば、アームの回転とハンドの回転の2方向の手動操作と、荷台の回転の1方向の操作を組み合わせることによって、荷役物を、荷台上の任意の位置に、任意の角度で、配置することができる
【0021】
上述したように、例えば、特許文献1に記載の荷役物運搬機では、荷役物を搬送するにあたり、走行レールを用いた左右方向および前後方向の移動と、旋回装置を用いた旋回方向の移動と、の水平方向における3方向の移動を、手動で同時に行う必要がある。そのため、手動操作にかかる負荷が大きく、作業性が悪い。
【0022】
一方、本開示の荷役物運搬機によれば、水平方向における移動のうち、同時に行う手動操作を、アームの回転とハンドの回転の2方向のみに限定している。従って、従来の荷役物運搬機よりも、手動操作にかかる負荷を抑制できる。
【0023】
図6は、従来の荷役物運搬機におけるアームを示す概略側面図及び概略斜視図である。
図6に示すように、従来の荷役物運搬機におけるアーム32は、支柱31に水平方向に回転可能に接続された第1アーム部32aと、第1アーム部32aの先端に水平方向に回転可能に接続された第2アーム部32b、とを有する。第2アーム部32bは、第1アーム部32aとの接続部Zを回転軸とし、第1アーム部32aは支柱31の軸を回転軸として、それぞれ水平方向に回転可能になっている。このようなアーム32は、それぞれのアーム部(第1アーム部および第2アーム部)が、別の回転軸を有しているために、アーム32全体として回転軸で生じる抵抗が大きくなる。さらに、手動でアームを回転させる際には、荷役物Wの重量に、アーム部2本分の重量が加わるため、手動操作にかかる負荷が大きい。
【0024】
このような従来のアームを用いた荷役物運搬機と比較しても、本開示の荷役物運搬機は、アームが1つの回転軸で水平方向に回転自在となっているため、手動操作にかかる負荷が低減され、作業性が良好となる。また、2本のアーム部から構成されるアームを用いた従来の荷役物運搬機よりも、省スペース化を図ることができる。
【0025】
以下、本開示における荷役物運搬機の各構成及び特性について、詳細に説明する。
【0026】
1.荷役部
図1に示すように、本開示の荷役物運搬機1は、荷役部2を有する。荷役部2は、支柱21と、支柱21に水平方向に回転自在に取り付けられ、剛直な部材から構成されたアーム22と、アーム22から吊り下げられ、上下方向に移動可能なワイヤロープ23と、ワイヤロープ23の先端に取り付けられ、荷役物Wを把持するハンド24と、を有する。
【0027】
(1)アーム
本開示におけるアームは、剛直な部材から構成されている。剛直な部材とは、関節部を有さない部材をいい、関節部とは、部材を構成する部品同士を接続し一方の部品を他方の部品に対して回転可能な部位をいう。例えば、
図6に示す従来のアーム32においては、接続部Zが関節部に相当する。本開示におけるアームは、剛直な部材から構成されている(すなわち、関節部を有さない)ことにより、1つの回転軸で水平方向に回転自在となっているため、手動操作にかかる負荷が低減され、作業性が良好となる。本開示におけるアームの回転軸の位置は、例えば、支柱の中心軸である。
【0028】
図1および
図2に示すように、アーム22は、水平方向に回転自在に支柱21に取り付けられている。アーム22は、一方向に延伸する柱状部材であることが好ましく、延伸方向が水平方向に平行となるように配置されていることが好ましい。また、
図1および
図2に示すように、アーム22は、一端が支柱に接続されており、他端の近傍におけるワイヤロープ吊り下げ位置から、ワイヤロープ23が吊り下げられている。
【0029】
(2)支柱
図1および
図2に示すように、本開示における荷役部2は、アーム22を支持する支柱21を有する。支柱は、上下方向に延伸する部材であれば、特に限定されない。また、後述する昇降機構25は支柱21に固定して配置されていることが好ましい。
【0030】
(3)ワイヤロープ
図1および
図2に示すように、本開示における荷役部2は、アーム22から吊り下げられ、上下方向に移動可能なワイヤロープ23を有する。ワイヤロープ23は、例えば、一端が昇降機構25に接続されており、他端がハンド24に接続されている。昇降機構25とハンド24とが、アーム上22を通るワイヤロープ23を介して接続されていることにより、荷役物の上下方向の運搬が容易となる。ワイヤロープ23は、例えば、アーム22の先端近傍から滑車を介して吊り下げられている。
【0031】
(4)ハンド
図1および
図2に示すように、本開示における荷役部2は、ワイヤロープ23の先端に取り付けられ、荷役物Wを把持するハンド24を有する。
【0032】
図5に、本開示におけるハンドを例示した概略側面図を示す。ハンド24は、荷役物Wを把持および解除をするための把持部24aを有することが好ましい。把持部の形状としては、荷役物の形状および把持の方法によって適宜変更される。例えば、荷役物が中空円筒状である場合、把持部の形状としては、例えば、荷役物の中空部に挿通可能な円柱状が挙げられる。把持部としては、例えば、拡径して荷役物を把持する部材が挙げられる。一方、荷役物の外周面を挟んで掴む部材を有していても良い。把持部には、例えば、エアシリンダ、エアバルーン等が使用される。
【0033】
また、ハンド24は、上記把持部24aの把持操作、解除操作、および、後述する昇降機構25の操作を行う操作盤24bを備えることが好ましい。このようなハンドであれば、荷役物の把持、ハンドの上昇および下降、荷役物の把持解除を全てハンドの操作で行うことができる。また、ハンド24には、作業者が手で掴んでハンドを移動させるための持ち手24cが取り付けられていることが好ましい。
【0034】
(5)昇降機構
図1および
図2に示すように、本開示の荷役物運搬機1は、ワイヤロープ23を上下方向に移動可能とする昇降機構25を有することが好ましい。
昇降機構としては、例えば、エア駆動式または電動駆動式のアクチュエータ等が挙げられる。中でも、エアシリンダが好ましい。また、昇降機構としては、手動によりハンドを昇降させる機構であってもよい。昇降機構25は、例えば、支柱21またはアーム22に固定して配置される。昇降機構25がアーム22に固定して配置される場合、昇降機構25の重量がアーム22にかかるため、アーム22の回転に要する力が大きくなる。従って、昇降機構25は支柱21に固定して配置されていることが好ましい。
【0035】
2.荷台支持部
図1および
図2に示すように、本開示の荷役物運搬機1は、荷台支持部3を有する。荷台支持部3は、荷台Xを回転自在に支持する。荷台支持部は、荷台を回転自在に支持可能なものであれば特に限定されず、例えば、円盤状のターンテーブルが挙げられる。
【0036】
3.その他
本開示の荷役物運搬機は、上述の荷役部および荷台支持部を有していればよく、作業者は、荷役部および荷台支持部の位置関係を調整して使用することが好ましい。
【0037】
図3(b)に示すように、荷役部2および荷台支持部3は、上面視において、アーム22におけるワイヤロープ23の吊り下げ位置の旋回軌道Cに、荷台支持部3の少なくとも一部が重なるように配置して使用されることが好ましい。さらには、上記旋回軌道Cに、荷台支持部3の中心が重なるように配置して使用されることがより好ましい。
【0038】
本開示における荷台支持部と荷役部とは、接続されて一体となっていてもよいし、接続されていなくても良い。
図1および
図2においては、荷台支持部3および荷役部2は、接続部材4を介して接続され、一体となっている。一体とすることにより、荷役部および荷台支持部が上述の位置関係となるように固定することができるため、作業性が向上する。
【0039】
4.荷役物
荷役物の形状は、特に限定されないが、例えば、中空円筒状、円柱状、四角柱状等が挙げられる。
【0040】
5.荷台
荷台は、一つまたは複数の荷役物を載置可能な部材であれば、特に限定されない。荷台としては、物流分野において用いられる公知のパレットが挙げられる。パレットは、例えば、ハンドリフトや、フォークリフト車のフォークを抜き差し自在に差し込むことが可能な挿通孔を有していてもよい。荷台は、その中心が、荷台支持部の中心と一致するように、荷台支持部上に載置されることが好ましい。
【0041】
本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
【0042】
このように、本開示においては、例えば、以下の発明が提供される。
【0043】
[1]
荷役物を荷台に運搬するための荷役物運搬機であって、
支柱と、
前記支柱に、水平方向に回転自在に取り付けられ、剛直な部材から構成されたアームと、
前記アームから吊り下げられ、上下方向に移動可能なワイヤロープと、
前記ワイヤロープの先端に取り付けられ、前記荷役物を把持するハンドと、を有する荷役部、および、
前記荷台を回転自在に支持する荷台支持部、を有する、荷役物運搬機。
【0044】
[2]
前記荷役部および前記荷台支持部は、上面視において、
前記アームにおける前記ワイヤロープの吊り下げ位置の旋回軌道に、前記荷台支持部の少なくとも一部が重なるように配置して使用される、[1]に記載の荷役物運搬機。
【0045】
[3]
前記荷役部と前記荷台支持部とは、固定されて一体となっている、[1]または[2]に記載の荷役物運搬機。
【符号の説明】
【0046】
1 … 荷役物運搬機
2 … 荷役部
3 … 荷台支持部
21… 支柱
22… アーム
23… ワイヤロープ
24… ハンド
25… 昇降機構
X … 荷台
W … 荷役物