(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151356
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】健康管理装置、健康管理システム、健康管理方法および健康管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20241018BHJP
【FI】
G16H20/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064544
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】592262543
【氏名又は名称】日本メナード化粧品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 知大
(72)【発明者】
【氏名】服部 幸治
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 敏夫
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 靖司
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】利用者による入力の負担を軽減し、習慣的な健康管理情報を提供すること。
【解決手段】健康管理装置が提供される。健康管理装置は、利用者の身体情報であって、基本身体情報および付随身体情報を含む身体情報を取得する身体情報取得部と、予め定められた品目数の食品について、前記利用者の経時的な食品摂取情報を取得する食品摂取情報取得部と、取得された前記基本身体情報および取得された前記食品摂取情報を用いて、前記利用者の平均的な栄養摂取習慣を示す栄養摂取習慣情報を算出する算出部と、算出された前記栄養摂取習慣情報を出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康管理装置であって、
利用者の身体情報であって、基本身体情報および付随身体情報を含む身体情報を取得する身体情報取得部と、
予め定められた品目数の食品について、前記利用者の経時的な食品摂取情報を取得する食品摂取情報取得部と、
取得された前記基本身体情報および取得された前記食品摂取情報を用いて、前記利用者の平均的な栄養摂取習慣を示す栄養摂取習慣情報を算出する算出部と、
算出された前記栄養摂取習慣情報を出力する出力部と、
を備える、健康管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の健康管理装置において、
前記栄養摂取習慣情報は、取得された前記食品摂取情報を用いて算出される栄養素摂取量および取得された前記基本身体情報および算出された前記栄養素摂取量を用いて算出される充足率の少なくともいずれか一方を含む、健康管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の健康管理装置において、
前記算出部は、予め定められた補正係数を前記栄養素摂取量に適用して、前記栄養摂取習慣情報を算出する、健康管理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の健康管理装置において、さらに、
取得された前記付随身体情報を用いて健康情報を決定する決定部を備え、
前記出力部は、前記栄養摂取習慣情報に加えて決定された健康情報を出力する、健康管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の健康管理装置において、
前記栄養摂取習慣情報は、取得された前記食品摂取情報を用いて算出される栄養素摂取量および取得された前記基本身体情報および算出された栄養素摂取量を用いて算出される充足率の少なくともいずれか一方を含む、健康管理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の健康管理装置において、
前記算出部は、予め定められた補正係数を前記栄養素摂取量に適用して、前記栄養摂取習慣情報を算出する、健康管理装置。
【請求項7】
請求項1から3のいずれか一項に記載の健康管理装置において、さらに、
前記予め定められた品目数の食品の摂取頻度および1回あたりの摂取量の少なくともいずれか一方を連続的な値として入力するための入力装置を備え、
前記食品摂取情報取得部は、前記入力装置から入力された摂取頻度および1回あたりの摂取量の少なくともいずれか一方を前記食品摂取情報として取得する、健康管理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の健康管理装置において、
前記出力部は、前記栄養摂取習慣情報を表示する表示装置に対して前記栄養摂取習慣情報を出力する、健康管理装置。
【請求項9】
請求項4から6のいずれか一項に記載の健康管理装置において、さらに、
前記予め定められた品目数の食品の摂取頻度および1回あたりの摂取量の少なくともいずれか一方を連続的な値として入力するための入力部を備え、
前記食品摂取情報取得部は、前記入力部から入力された摂取頻度および1回あたりの摂取量の少なくともいずれか一方を前記食品摂取情報として取得する、健康管理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の健康管理装置において、
前記出力部は、前記栄養摂取習慣情報を表示する表示部に対して前記栄養摂取習慣情報を出力する、健康管理装置。
【請求項11】
健康管理システムであって、
請求項1から6のいずれか一項に記載の健康管理装置と、
端末装置であって、
予め定められた品目数の食品の摂取頻度および1回あたりの摂取量の少なくともいずれか一方を連続的な値として入力するための入力部と、
前記栄養摂取習慣情報を表示する表示部とを備える、端末装置と、を備え、
前記食品摂取情報取得部は、前記入力部から入力された摂取頻度および1回あたりの摂取量の少なくともいずれか一方を前記食品摂取情報として取得する、健康管理システム。
【請求項12】
健康管理方法であって、
利用者の身体情報であって、基本身体情報および付随身体情報を含む身体情報を取得し、
予め定められた品目数の食品について、前記利用者の経時的な食品摂取情報を取得し、
取得した前記基本身体情報および取得された前記食品摂取情報を用いて、前記利用者の平均的な栄養摂取習慣を示す栄養摂取習慣情報を算出し、
算出された前記栄養摂取習慣情報を出力する、ことを備える、健康管理方法。
【請求項13】
健康管理プログラムであって、
利用者の身体情報であって、基本身体情報および付随身体情報を含む身体情報を取得する機能と、
予め定められた品目数の食品について、前記利用者の経時的な食品摂取情報を取得する機能と、
取得した前記基本身体情報および取得された前記食品摂取情報を用いて、前記利用者の平均的な栄養摂取習慣を示す栄養摂取習慣情報を算出する機能と、
算出された前記栄養摂取習慣情報を出力する機能と、をコンピュータによって実現させる、健康管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、健康管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、栄養素の摂取量を算出する方法として、FFQ(Food Frequency Questionnaire)(非特許文献1)やDHQ(self-administered diet history questionnaire)が知られている(非特許文献1)。また、スマートフォン等により撮影された食事の撮影画像を解析することによって食事を管理する技術も知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Yuta Yokoyama等著、「Validity of Short and Long Self-Administered Food Frequency Questionnaires in Ranking Dietary Intake in Middle-Aged and Elderly Japanese in the Japan public Health Center-Based Prospective Study for the Next Generation (JPHC-XEXT) Protocol Area」 (J Epidemiol 2016;26(8)420-432)
【0005】
しかしながら、FFQやDHQは、質問数が多く、回答に約40~60分を要し、簡易版においても回答に約20~30分を要するため、個人利用者が日常の健康管理に用いる方法としては適していないという問題がある。また、食事の画像解析による食事管理技術においても、食事の度に食事を撮影しなければならず、個人利用者にとって負担が大きいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、利用者による入力の負担を軽減し、習慣的な健康管理情報を提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本開示は以下の種々の態様を採る。
【0008】
第1の態様は、健康管理装置を提供する。第1の態様に係る健康管理装置は、利用者の身体情報であって、基本身体情報および付随身体情報を含む身体情報を取得する身体情報取得部と、予め定められた品目数の食品について、前記利用者の経時的な食品摂取情報を取得する食品摂取情報取得部と、取得された前記基本身体情報および取得された前記食品摂取情報を用いて、前記利用者の平均的な栄養摂取習慣を示す栄養摂取習慣情報を算出する算出部と、算出された前記栄養摂取習慣情報を出力する出力部と、を備える。
【0009】
第1の態様に係る健康管理装置によれば、利用者による入力の負担を軽減し、習慣的な健康管理情報を提供することができる。
【0010】
第1の態様に係る健康管理装置において、前記栄養摂取習慣情報は、取得された前記食品摂取情報を用いて算出される栄養素摂取量および取得された前記身体情報および算出された栄養素摂取量を用いて算出される充足率の少なくともいずれか一方を含んでもよい。この場合には、具体的な栄養素摂取量を用いて栄養素摂取習慣情報を提供することができる。
【0011】
第1の態様に係る健康管理装置において、前記算出部は、予め定められた補正係数を前記栄養素摂取量に適用して、前記栄養摂取習慣情報を算出しても良い。この場合には、より適切な栄養摂取習慣情報を提供することができる。
【0012】
第1の態様に係る健康管理装置において、さらに、取得された前記付随身体情報を用いて健康情報を決定する決定部を備え、前記出力部は、前記栄養摂取習慣情報に加えて決定された健康情報を出力しても良い。この場合には、栄養摂取習慣情報に加えて、健康情報を提供することができる。
【0013】
第1の態様に係る健康管理装置において、さらに、予め定められた品目数の食品の摂取頻度および1回あたりの摂取量の少なくともいずれか一方を連続的な値として入力するための入力装置または入力部を備え、前記食品摂取情報取得部は、前記入力装置または入力部から入力された摂取頻度および1回あたりの摂取量の少なくともいずれか一方を前記食品摂取情報として取得しても良い。この場合には、利用者の習慣的な食品摂取情報をより適切に取得でき、また、予め定められた品目数について食品摂取情報の入力が求められるため、利用者による入力の負担がさらに軽減される。
【0014】
第1の態様に係る健康管理装置において、前記出力部は、前記栄養摂取習慣情報を表示する表示装置または表示部に対して前記栄養摂取習慣情報を出力しても良い。この場合には、栄養摂取習慣情報を利用者に表示することができる。
【0015】
第2の態様は、健康管理システムを提供する。第2の態様に係る健康管理システムは、第1の態様に係るいずれかの健康管理装置と、
端末装置であって、予め定められた品目数の食品の摂取頻度および1回あたりの摂取量の少なくともいずれか一方を連続的な値として入力するための入力部と、前記栄養摂取習慣情報を表示する表示部とを備える、端末装置と、を備え、前記食品摂取情報取得部は、前記入力部から入力された摂取頻度および1回あたりの摂取量の少なくともいずれか一方を前記食品摂取情報として取得する、ことを備える。
【0016】
第2の態様に係る健康管理システムによれば、第1の態様に係る健康管理装置と同様の利点を得ることができる。また、第2の態様に係る健康管理システムは、第1の態様に係る健康管理装置と同様にして種々の態様にて実現され得る。
【0017】
第3の態様は、健康管理方法を提供する。第3の態様に係る健康管理方法は、利用者の身体情報であって、基本身体情報および付随身体情報を含む身体情報を取得し、予め定められた品目数の食品について、前記利用者の経時的な食品摂取情報を取得し、取得された前記基本身体情報および取得された前記食品摂取情報を用いて、前記利用者の平均的な栄養摂取習慣を示す栄養摂取習慣情報を算出し、算出された前記栄養摂取習慣情報を出力する、ことを備える。
【0018】
第3の態様に係る健康管理方法によれば、第1の態様に係る健康管理装置と同様の利点を得ることができる。また、第3の態様に係る健康管理方法は、第1の態様に係る健康管理装置と同様にして種々の態様にて実現され得る。
【0019】
第4の態様は、健康管理プログラムを提供する。第4の態様に係る健康管理プログラムは、利用者の身体情報であって、基本身体情報および付随身体情報を含む身体情報を取得する機能と、予め定められた品目数の食品について、前記利用者の経時的な食品摂取情報を取得する機能と、取得された前記基本身体情報および取得された前記食品摂取情報を用いて、前記利用者の平均的な栄養摂取習慣を示す栄養摂取習慣情報を算出する機能と、算出された前記栄養摂取習慣情報を出力する機能と、をコンピュータによって実現させる。
【0020】
第4の態様に係る健康管理プログラムによれば、第1の態様に係る健康管理装置と同様の利点を得ることができる。また、第4の態様に係る健康管理プログラムは、第1の態様に係る健康管理装置と同様にして種々の態様にて実現され得る。第4の態様に係る健康管理プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体、たとえば、CD、DVD、ブルーレイディスク、半導体メモリに格納されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】第1の実施形態に係る健康管理装置および健康管理システムの一例を示す説明図。
【
図2】第1の実施形態に係る健康管理装置および健康管理システムを機能部によって示す説明図。
【
図3】第1の実施形態に係る健康管理装置を構成するサーバの機能的な内部構成を示すブロック図。
【
図5】健康管理装置および健康管理システムにより実行される健康管理プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【
図6】身体情報に含まれる基本身体情報および付随身体情報を取得する画面の一例を示す説明図。
【
図7】身体情報に含まれる付随身体情報を取得する画面の一例を示す説明図。
【
図8】身体情報に含まれる付随身体情報を取得する画面の一例を示す説明図。
【
図9】食品摂取情報に関する質問項目の一例を示す説明図。
【
図10】食品摂取情報を取得する画面の一例を示す説明図。
【
図11】栄養摂取習慣情報の算出手順の一例を示す説明図。
【
図12】食品栄養素量テーブルの一例を示す説明図。
【
図13】栄養素量補正係数テーブルの一例を示す説明図。
【
図14】栄養素量推奨量テーブルの一例を示す説明図。
【
図15】栄養摂取習慣情報テーブルの一例を示す説明図。
【
図16】栄養素充足率テーブルの一例を示す説明図。
【
図17】付随身体情報の質問項目に関する分類分けの一例を示す説明図。
【
図18】付随身体情報の質問項目に関する分類分けの一例を示す説明図。
【
図19】健康情報評価テーブルの一例を示す説明図。
【
図20】健康管理情報の表示態様の一例を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
これまで提案されているFFQやDHQによれば、食品の摂取状況についての質問の回答を栄養価計算プログラムで解析することによって、ユーザが摂取した様々な栄養素の摂取量を算出することができる。算出結果は、ユーザが栄養管理に利用することも可能であり、医師、管理栄養士などの専門家がユーザに対する食生活のアドバイスに利用することも可能である。また、スマートフォンの普及にともない、アプリケーションを通じて食事画像解析により栄養管理を行う技術も利用されている。一方で、FFQやDHQは、質問に回答するために毎回約40~60分という比較的長い時間を要する。簡易版においても、質問に対する回答に約20~30分程度の時間を要しており、いずれにしても回答する負担が大きく、ユーザによる栄養・健康管理のための日常的な利用には適していない。スマートフォン上で実行される食事画像解析による栄養管理においても、1食分の栄養素の算出が容易であるものの、栄養摂取習慣を把握するために毎食写真を撮影し、解析結果のずれを手動で修正する負担は非常に大きい。この結果、上市されているヘルスケアアプリケーションの継続率も1ヶ月で10%と低く、ユーザの負担を軽減して継続的な健康管理の機会を提供することは大きな課題である。この課題解決のために、本発明者等は、短時間かつ直感的に回答するシステムに着目し、ユーザによる入力の負担を軽減し、中長期的な栄養摂取習慣を用いることで頻繁な入力作業を回避させ、さらに栄養摂取習慣と年齢、体重、健康の悩みなどの身体情報に応じた健康情報を提案することで、ユーザの継続的な健康管理をサポートすることを鋭意検討した。以下、本開示に係る健康管理装置、健康管理システム、健康管理方法、並びに健康管理プログラムについて、図面を参照しつつ、実施形態に基づいて説明する。
【0023】
第1の実施形態:
図1は、第1の実施形態に係る健康管理装置および健康管理システムの一例を示す。健康管理システム100は、
図1に示すように、クライアント装置10、20とサーバ30として実現され得る。この場合、サーバ30は、健康管理装置として機能する。以下では、サーバ30を健康管理装置として説明する。クライアント装置は、タブレット端末またはスマートフォン(以下、単に「スマートフォン」という。)10、または、デスクトップ型コンピュータや図示しないノート型コンピュータといったコンピュータ20を含む。スマートフォン10とサーバ30はネットワークNTを介して接続され得る。スマートフォン10は無線接続によってネットワークNTを介して接続され得る。無線による接続は、例えば、WIFI(登録商標)やBLUETOOTH(登録商標)といった近距離無線通信規格に準拠する無線通信により実現される。コンピュータ20とサーバ30はネットワークNTを介して接続され得る。コンピュータ20は有線接続によってネットワークNTに接続されても良く、無線接続によってネットワークNTに接続さても良い。なお、本実施形態においては、健康管理システム100は、クライアント装置であるスマートフォン10およびコンピュータ20と健康管理装置であるサーバ30との組み合わせによって実現されている。これに対して、サーバ30を用いることなく、健康管理装置は、コンピュータ20によってスタンドアローンにて実現されても良く、スマートフォン10が要求される処理能力を満たす場合には、スマートフォン10によって実現されても良い。
【0024】
スマートフォン10は、表示部および入力部として機能するタッチパネルディスプレイ11、図示しない無線通信インタフェースを備えている。コンピュータ20は、表示装置21および入力装置22を備えている。表示装置21は有線にてコンピュータ20と接続されている。表示装置21はタッチパネル式のディスプレイであってもよく、非タッチパネル式のディスプレイであっても良い。入力装置22は有線または無線にてコンピュータ20と接続されている。入力装置22には、キーボード、マウス、タッチペンが含まれ得る。表示装置21および入力装置22は、コンピュータ20が備える図示しない入出力インタフェースを介してコンピュータ20に接続されている。スマートフォン10およびコンピュータ20は、図示しない、中央処理装置(CPU)およびメモリを備えており、CPUがメモリに格納されている各種アプリケーションプログラムを実行することによって、ユーザが求める種々の機能を実現する。本実施形態においては、スマートフォン10およびコンピュータ20は、少なくとも、入力部11/入力装置22を介して入力された入力情報をサーバ30に送信し、サーバ30から受信した受信情報を用いて出力情報を表示部11/表示装置21に出力表示する。
【0025】
図2は第1の実施形態に係る健康管理システム100を機能部によって示す説明図である。スマートフォン10およびコンピュータ20とサーバ30との組み合わせによって健康管理システム100が実現される場合、健康管理装置として機能するサーバ30によって、栄養摂取習慣情報算出部F1および健康情報決定部F2が実現される。スマートフォン10またはコンピュータ20によって健康管理装置が実現される場合、スマートフォン10またはコンピュータ20によって、栄養摂取習慣情報算出部F1および健康情報決定部F2が実現される。
【0026】
栄養摂取習慣情報算出部F1は、入力装置22/入力部11から入力された利用者の基本身体情報および食品摂取情報を用いて、利用者の平均的な栄養摂取習慣を示す栄養摂取習慣情報を算出する。より具体的には、栄養摂取習慣情報算出部F1は、基本身体情報および食品摂取情報を用いて食品項目毎の栄養素摂取量を算出し、算出した栄養素摂取量に予め定められた補正係数を適用して、栄養摂取習慣情報を算出する。栄養摂取習慣情報は、中長期的な期間における利用者の食品項目毎の栄養摂取の傾向、すなわち、習慣を摂取量として示す。基本身体情報は、利用者の年齢、性別、身長、体重、日常生活における活動量に関する情報である。すなわち、基本身体情報は、利用者の身体の基礎的な特性、状態を示す情報である。食品摂取情報は、利用者の食品の摂取習慣を示す情報である。本実施形態においては、日本食品標準成分表2020から抜粋された食品に関する摂取頻度および1回の摂取量を含んでいる。
【0027】
健康情報決定部F2は、入力装置22/入力部11から入力された利用者の付随身体情報および栄養摂取習慣情報を用いて、利用者の健康状態を示す健康情報を決定する。健康情報は、栄養素の項目並びに健康面の項目について、説明並びにアドバイスを含んでいる。健康情報は、栄養素充足率や健康評価が低い項目を優先して表示されることが望ましい。付随身体情報は、利用者が理想とする身体状態、利用者が気にしている肌や体の状態に関する情報である。すなわち、付随身体情報は、利用者が理想とする体調、主観的に感じている体調を示す情報である。
【0028】
図3は第1の実施形態に係る健康管理装置であるサーバ30の機能的な内部構成を示すブロック図である。スマートフォン10およびコンピュータ20によって健康管理装置が実現される場合には、スマートフォン10およびコンピュータ20は、
図3に示す内部構成、より具体的には、本実施形態において、健康管理装置として機能するサーバ30と同様の内部構成を備える。サーバ30は、中央処理装置(CPU)301、記憶装置302、入出力インタフェース303、および図示しないクロック発生器を備えている。CPU301、記憶装置302、入出力インタフェース303およびクロック発生器は内部バス304を介して双方向に通信可能に接続されている。記憶装置302は、健康管理を実行するための健康管理プログラムPr0を不揮発的且つ読み出し専用に格納する記憶装置、例えばHDD、SSD、ROMと、CPU301による読み書きが可能な記憶装置、例えばRAMとを含んでいる。健康管理プログラムPr0は、健康情報を決定するための健康情報決定プログラムPr1および栄養摂取習慣情報を算出するための栄養摂取習慣情報算出プログラムPr2を備えている。加えて、不揮発的且つ読み書き可能な記憶装置、例えばHDD、SSDには、利用者毎の各種情報を記録するテーブルT1が格納されている。テーブルT1には、利用者が既に入力した身体情報および食品摂取情報を含む個人テーブル、付随身体情報と予め定められている健康因子との対応情報、予め定められた補正係数等のテーブルが含まれる。利用者毎の個人テーブルは、例えば、
図4に示す情報を記録している。
図4中のユーザ情報回答におけるQ1A、Q6Bといった指標は後述する身体情報の入力項目に対応し、食品摂取回答におけるQ01A、Q02Bといった指標は後述する食品摂取情報の入力項目に対応する。CPU301、すなわち、サーバ30は、記憶装置302に格納されている健康情報決定プログラムPr1および栄養摂取習慣情報算出プログラムPr2を読み書き可能な記憶装置に展開して実行することによって、健康情報決定部F2および栄養摂取習慣情報算出部F1として機能する。なお、CPU301は、単体のCPUであっても良く、各プログラムを実行する複数のCPUであっても良く、あるいは、複数のプログラムを同時実行可能なマルチタスクタイプあるいはマルチスレッドタイプのCPUであっても良い。なお、健康情報決定部F2および栄養摂取習慣情報算出部F1は、論理回路としてハードウェア的に実現されても良い。
【0029】
入出力インタフェース303は、サーバ30と、他の各種装置とを接続するために用いられる物理的および論理的な無線または有線のインタフェースである。入出力インタフェース303によって、健康管理装置が備える身体情報取得部および食品摂取情報取得部並びに出力部の全部または少なくとも一部が実現され得る。入出力インタフェース303は、たとえば、USB端子、LAN端子、シリアルバス端子といった公知の端子または各無線プロトコルに準じた無線受信部として実現され得る。第1の実施形態において、入出力インタフェース303には、コンピュータ20およびスマートフォン10がそれぞれネットワークNTを介して接続されている。なお、コンピュータ20が健康管理装置として機能する場合には、表示装置21および入力装置22が外的に接続され、スマートフォン10が健康管理装置として機能する場合には、表示部11および入力部11が内的に接続される。表示装置21に代えて、または、表示装置21と共に、印刷媒体、例えば、紙に対して推定された印象を出力、すなわち、印刷する印刷装置が備えられても良い。
【0030】
健康管理システムにおける処理:
健康管理システムによって実行される健康管理処理について説明する。
図5は第1の実施形態に係る健康管理システム100によって実行される健康管理プログラムにおける各処理ステップを示すフローチャートである。より具体的には、健康管理装置であるサーバ30、すなわち、CPU301が、健康管理プログラムPr0、より具体的には、健康情報決定プログラムPr1および栄養摂取習慣情報算出プログラムPr2を実行することによって、また、スマートフォン10およびコンピュータ20が端末として機能することによって、健康管理システム100および健康管理方法が実現される。以下では、スマートフォン10を例にとって説明するが、コンピュータ20が用いられる場合も同様である。
【0031】
図5に示す処理は、例えば、端末であるスマートフォン10において汎用のブラウザアプリケーションプログラムが起動され、サーバ30によって提供される健康管理サービス提供サイトのURLにアクセスすることにより実行される。サーバ30はスマートフォン10からログイン要求を受信すると、入力画面を出力する(ステップS100)。スマートフォン10に最初に表示される入力画面は、会員コード等のユーザIDおよびパスワードを求める初期画面である。利用者が初めて本健康管理サービスを利用する場合には、新規登録画面が表示され、利用者に対してユーザIDおよびパスワードの登録が促される。ユーザIDおよびパスワードを受信したサーバ30は、テーブルT1に新たな個人テーブルを作成する。利用者がユーザIDを有している場合には、サーバ30は、利用者の認証後に、記憶装置302に格納されているテーブルT1から読み出された個人テーブルに格納されている既に入力された身体情報を含む入力画面を提供する。スマートフォン10は、サーバ30によって提供された入力画面を介して利用者から身体情報の入力を受け付ける(ステップS200)。既述のように、身体情報には、基本身体情報および付随身体情報が含まれている。スマートフォン10の表示部11には、基本身体情報の入力画面として、例えば、
図6に示す入力画面が表示される。入力画面においては、基本身体情報として、利用者の年齢、性別、身長、体重、日常生活における活動量の入力が求められる。スマートフォン10の表示部11には、付随身体情報の入力画面として、例えば、
図6~8に示す入力画面が表示される。入力画面においては、付随身体情報として、利用者が理想とする身体状態(Q1)、利用者が気にしている肌や体の状態(Q2~Q5)および体調に関する悩み(Q6)の入力が求められる。付随身体情報は複数の回答が許容されるので、本実施形態においては
図4に示すように、Q1~Q6に対してA~Cの補助符合が付される。表示部11はタッチパネル式の表示部であり、利用者は、入力画面における□で表示されている該当項目に指で触れることによってチェック、すなわち、選択動作を実行する。利用者は、数値については、表示部11に仮想的に表示されるキーボードを介して入力することができる。
【0032】
サーバ30は、スマートフォン10から入力された身体情報を取得する(ステップS102)。サーバ30は、取得した身体情報をテーブルT1における利用者の個人テーブルに格納する。
【0033】
スマートフォン10は、サーバ30によって提供された入力画面を介して利用者から経時的な食品摂取情報の入力を受け付ける(ステップS202)。食品摂取情報の入力画面は、例えば、身体情報の入力画面に続いて表示されても良く、身体情報の入力および取得の完了を受けてサーバ30から更に提供される入力画面として表示されても良い。サーバ30によって提供される食品摂取情報の入力は、例えば、
図9に示す19品目に対して行われる。食品摂取情報の入力項目を19品目に絞り込むことで、利用者が感じる煩わしさを低減すると共に、求められる食品摂取習慣の精度の実現を図っている。より具体的な入力画面は、
図10に例示されている。
【0034】
本実施形態において用いられる食品摂取情報の入力画面は、
図9に示す19品目の各品目について、食べる頻度と、1回の食事における摂取量の入力を利用者に求める。入力された食品摂取情報は、
図4の食品摂取回答に示すように、19品目のそれぞれに対して、頻度についてはA、摂取量についてはBの添え字が付される。一回の摂取量の目安として、料理名や画像サンプルが記載されていても良い。食品摂取情報の入力方法として、週単位、日単位といった頻度による入力を採用することにより事後的な入力が許容されるので、食品摂取毎のリアルタイムでの入力が不要となる。すなわち、本実施形態における食品摂取情報の入力は、例えば、1ヶ月を単位として入力が可能となり、毎日の入力は不要であり、利用者にとっては食品摂取情報の入力回数が低減されるという利点がある。また、頻度に基づく入力(値)は、経時的な要素を含んでいるので、リアルタイムでの入力(値)に比べて、習慣性を見積もる入力(値)としてより適当である。入力画面において、頻度および1回の量の少なくともいずれか一方は、連続的な数値として入力され得る。連続的な数値の入力とは、例えば、
図10における目盛り毎の離散的な選択/指定ではなく、目盛り間の選択/指定を許容する入力を意味する。連続的な数値の入力は、例えば、横軸上のいずれかポインタによって選択したり、横軸を移動するスライドバーを移動させることによって実現され得る。連続的な数値の入力は、利用者に対して直感的な入力を許容するので、より利用者の感性に即した入力結果を得ることができる。
【0035】
サーバ30は、スマートフォン10から入力された食品摂取情報を取得する(ステップS104)。サーバ30は、取得した食品摂取情報を用いて、栄養摂取習慣情報を算出する(ステップS106)。具体的には、
図10に示す食べる頻度yの横軸に対して、食べない-週1回を区間1、週1回-週3回を区間2、週3回-毎日1回を区間3、毎日1回-毎日2回を区間4、毎日2回-毎日3回以上を区間5として割り当て、変数xの取り得る範囲を、区間1および区間2について0-1とし、区間3に対して0-2とし、区間4および区間5に対して0-3とする。これにより、食べる頻度yを、区間1:y=x、区間2:y=1+2x、区間3:y=3+2x、区間4:y=(21+7x)/3、区間5:y=(42+7x)/3とすることによって、1回の量zと合わせて一日の摂取量Pを容易に求めることができる。1回の量zについては、
図10における横軸、すなわち、食べない-とても多い、に対して0から10を割り当て、z=x/5とすることによって得られる。なお、各区間の間の位置の選択/指定に対しては、幾何学距離的により近い、0-1、0-2、0-3のいずれかの整数値に近似させる近似処理が実行されても良い。
【0036】
以下、
図11を参照して説明する。
図11は栄養摂取習慣情報の算出手順の理解を助けるための説明図であり、例示的に牛肉および乳製品を例にとっている。サーバ30は、先ず、頻度yおよび1回の量zを用いて、各食品品目毎に一日の摂取量P=(y×z)/7を求める。次に、サーバ30は、
図12に示す、食品品目を構成する、エネルギー、水分、タンパク質等の栄養素の量である栄養素量を規定する食品栄養素量テーブルを用いて、各食品品目毎に、1日あたりの栄養素摂取量=一日の摂取量P×栄養素量を求める。食品栄養素量テーブルには、一日の摂取量P=1である場合の栄養素量が規定されている。食品栄養素量テーブルは、例えば、「日本食品標準成分表2020」から19品目に対応する項目を抽出し、統合することによって作成され、記憶装置302に、テーブルT1を構成する1つのテーブルとして予め格納されている。
【0037】
サーバ30は、19品目について1日あたりの栄養素摂取量、すなわち、補正前栄養素摂取量を求めると、各品目の各栄養素に対して補正係数を適用して、補正後の1日あたりの栄養素摂取量を算出する。補正係数は、同日に同一被験者60名を対象として、本実施形態に従い得られた上記1日あたりの栄養素摂取量と、FFQにより得られた1日あたりの栄養素摂取量とを用いて算出された。より具体的には、本実施形態およびFFQにより得られた栄養素摂取量のSpearman相関係数を目的変数とし、本実施形態における各食品品目の一日あたりの栄養素摂取量の補正係数を説明変数とし、遺伝的アルゴリズムを用いて、目的変数が最大となるように説明変数を算出し、
図13示す各栄養素毎の補正係数を取得した。
図13に示す一例としての補正係数は、記憶装置302のテーブルT1に補正係数として予め格納されている。なお、遺伝的アルゴリズムを用いたデータ処理手順は公知であるから説明を省略する。また、遺伝的アルゴリズムに代えて、他の最適化アルゴリズムが用いられても良い。
【0038】
サーバ30は、本実施形態における、19品目を用いて得られた補正後の1日あたりの栄養素摂取量に関する過小評価を修正するために、国民平均補正値を用いて補正後の一日あたりの栄養素摂取量を補正して、再補正後栄養素摂取量を得た。国民平均補正値は、被験者60名に対して本実施形態により得られた補正後栄養素摂取量の平均と統計調査により得られた栄養素摂取量の国民平均との差として予め求められている。国民平均補正値は、予め定められた補正係数に含まれ得る。本実施形態においては、統計調査結果として、「令和元年国民健康・栄養調査(栄養素等摂取量・総数・20歳以上)」を用いた。なお、再補正後栄養素摂取量には、当該統計調査結果と補正後栄養素摂取量に共通する24栄養素が含まれている。サーバ30はさらに、
図14に示す栄養素量推奨量テーブルから利用者の基本身体情報に対応する年齢・性別・身体活動量に対応する栄養素を栄養素量推奨量として、栄養素量推奨量に対する本実施形態において得られた再補正後栄養素摂取量の割合を栄養素充足率として算出する。栄養素量推奨量テーブルは、例えば、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を用いて作成され、記憶装置302のテーブルT1に予め格納されている。
図11に示す利用者の基本身体情報が、50歳、女性、身体活動量IIの場合、再補正後栄養素摂取量におけるエネルギーは3313.2、たんぱく質は140.7、食塩相当量9.7であり、栄養素量推奨量としてのエネルギーは1950、たんぱく質は84.0、食塩相当量6.5であるから、充足率=(再補正後栄養素摂取量/栄養素量推奨量)は、エネルギー170%、たんぱく質167%、食塩相当量150%となる。サーバ30は、算出した再補正後栄養素摂取量を栄養摂取習慣情報として
図15に例示する個人テーブルとして格納し、算出した充足率を
図16に例示する個人テーブルとして格納する。再補正後栄養素摂取量、充足率が算出された24栄養素以外の栄養素については、補正後栄養素摂取量を
図15に例示する個人テーブルとして格納することができる。これにより、再補正できない栄養素の摂取習慣についても有効活用することができる。
【0039】
サーバ30は、取得した身体情報を用いて健康情報を決定する(ステップS108)。より具体的には、サーバ30は、記憶装置302に格納されている、
図17および18に例示される付随身体情報と予め定められている健康因子との対応付けテーブルを用いて、健康情報を決定する。各健康因子、すなわち、
図17および18における各分類には、初期値として100が付与されている。サーバ30は、Q1およびQ6の質問事項のうち利用者によって選択、すなわち、チェックされている質問事項について、対応する分類から10を減算する。これによって、各分類によって構成される健康情報が決定される。決定された健康情報の一例は、
図19に示されている。なお、
図7に示すQ2~Q5の質問事項も同様にして用いられても良い。
【0040】
サーバ30は、算出された栄養摂取習慣情報および決定された健康情報をスマートフォン10に送信して(ステップS110)、今回の健康管理処理を完了する。スマートフォン10に送信される栄養摂取習慣情報は、例えば、
図15および
図16に示すフォーマットである。また、スマートフォン10に送信される健康情報は、例えば、
図19に示すフォーマットである。
図15、16および19に示すフォーマットの栄養摂取習慣情報および健康情報は、健康に関する専門家にとっては詳細な情報であるため、対象者に対する適確で有意義な助言に有用である。一方で、一般的な利用者にとっては活用が容易でないことがある。そこで、本実施形態においては、サーバ30は、
図20に示すフォーマットの健康管理情報を作成し、スマートフォン10に送信する。
図20に示す健康管理情報においては、栄養摂取習慣情報については各栄養素の役割や必要性が説明され、健康情報については各分類について回復、改善するための情報が記載されている。また、充足率の低い栄養素の表示優先順位が高く設定され、健康評価の低い分類の表示優先順位が高く設定されている。この結果、表示優先順位の高い栄養素および分類が上段に表示され、利用者は注意を払いやすくなり、また、健康管理情報を有効活用しやすくなる。
【0041】
以上述べたように、本実施形態に係る健康管理装置としてのサーバ30、健康管理システム100によれば、基本身体情報および付随身体情報を含む利用者の身体情報と、予め定められた品目数の食品について、利用者の経時的な食品摂取情報とを用いて、利用者の平均的な栄養摂取習慣を示す栄養摂取習慣情報を算出するので、利用者による入力の負担を軽減し、習慣的な健康管理情報を提供することができる。より具体的には、予め定められた品目数の食品についての食品摂取情報が用いられるので、利用者による入力時間を短縮することができる。本実施形態においては、予め定められた品目数として19品目が用いられているが、求められる精度に応じて、10品目以上30品目以下であっても良い。上述の被験者が本実施形態に従う入力画面を通じた食品摂取情報の入力に要した平均時間は8.9分であるのに対して、FFQを通じた食品摂取情報の入力に要した平均時間は39.6分であった。したがって、食品摂取情報の入力作業に要する時間を約78%低減することができた。また、経時的な食品摂取情報を用いるので、習慣的な健康管理情報を提供することができる。経時的な食品摂取情報は、例えば、食品の摂取頻度と1回の摂取量の入力により実現される。摂取頻度の入力は、食品摂取時におけるリアルタイムでの入力とは異なり、事後的な一度の入力を許容するので、利用者の入力の負担を軽減できる。また、食品摂取情報は、連続的な値として入力可能であるから、より直感的な食品摂取情報の入力が可能となる。
【0042】
本実施形態に係る健康管理装置としてのサーバ30、健康管理システム100によれば、予め定められた19品目の食品に関する摂取情報を用いることによる、算出された栄養素摂取量の精度を向上させるために、国民平均補正値を含む補正係数を用いるので、利用者の入力の負担を軽減しつつ、精度の良い栄養素摂取量を提供することができる。本実施形態においては、補正係数を求めるベンチマークとしてFFQを用いているが、DHQ、食事記録法、24時間リコール法といった調査法をベンチマークとして用いても良い。また、栄養摂取習慣情報として、栄養素摂取量を用いるので、栄養素毎の摂取量の過不足を数値によって提供することができる。栄養摂取習慣情報には、栄養素摂取量に加えて、あるいは、代えて、充足率が含まれても良く、この場合には、栄養素毎の摂取量の過不足を直感的に提供することができる。
【0043】
本実施形態に係る健康管理装置としてのサーバ30、健康管理システム100によれば、健康管理情報として、栄養摂取習慣情報に加えて、健康情報を提供することができる。したがって、利用者の体調の回復、改善をサポートすることができる。
【0044】
本実施形態に係る健康管理装置としてのサーバ30、健康管理システム100によれば、一般的な利用者にとって理解が容易なフォーマットを用いて、栄養摂取習慣情報および健康情報を含む健康管理情報を提供することができる。
【0045】
その他の実施形態:
(1)上記第1の実施形態では、サーバ30が専ら健康管理プログラムPr0を実行する健康管理装置として機能し、スマートフォン10およびコンピュータ20が入力装置および出力装置として機能し、またブラウザを介してサーバ30にアクセスする端末装置として機能する場合について説明した。これに対して、スマートフォン10に、専用のアプリケーションプログラムがインストールされ、Webベース、すなわち、ブラウザを介することなく、処理装置としてのサーバ30にアクセスする態様として実現されても良い。この場合、利用者は、サーバ30を意識することなく、スマートフォン10を用いて健康管理プログラムを利用することができる。
図5に示す処理フローと同様の処理が実行されるが、スマートフォン10における端末側の健康管理アプリケーションプログラムが起動されると、サーバ30を意識することなく、スマートフォン10上において上述の健康管理処理を進めることができる。
【0046】
(2)上記第1の実施形態では、サーバ30によって健康管理プログラムPr0が実行され、スマートフォン10およびコンピュータ20が端末装置として機能する健康管理システムについて説明した。これに対して、サーバ30を要することなく、コンピュータ20またはスマートフォン10が健康管理装置として機能しても良い。この場合には、別途、健康管理情報を所定のURL(Webサイト)にアップロードするオプションを設けることによって、利用者は、健康管理情報に対する専門家のアドバイスを受けることが可能となる。
【0047】
(3)上記第1の実施形態では、サーバ30によってスマートフォン10に対して、健康管理情報が提供されているが、健康管理情報に代えて、ローデータとしての栄養摂取習慣情報および健康情報が提供されても良い。例えば、健康管理に関する専門家が関与する場合には、ローデータを用いることでより詳細で正確なアドバイスを利用者に対して提供することができる。
【0048】
(4)上記第1の実施形態では、健康管理情報として、不足している栄養素および改善すべき健康情報を含む健康管理情報が用いられた。これに対して、主要栄養素の充足率や健康評価値に関するレーダチャートおよび健康評価値を含む健康情報が適用されても良い。また、健康管理情報には、主要栄養素に加えて、他の栄養素を含む充足率のテーブルが提供されても良い。さらに、健康管理情報には、不足する栄養素の働きに加えて、摂取するために適当な食品や、摂取のコツに関する記載が含まれていても良い。
【0049】
以上、種々の実施形態に基づき本開示について説明してきたが、上記した実施の形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定するものではない。本開示は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本開示にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0050】
10…スマートフォン、20…コンピュータ、30…サーバ、100…健康管理システム、301…中央演算処理装置(CPU)、302…記憶装置、11…表示部/入力部、21…表示装置、22…入力装置、F1…栄養摂取習慣情報算出部、F2…健康情報決定部。