IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 倉敷繊維加工株式会社の特許一覧 ▶ 進和テック株式会社の特許一覧

特開2024-151389フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター
<>
  • 特開-フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター 図1
  • 特開-フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター 図2
  • 特開-フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター 図3
  • 特開-フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター 図4
  • 特開-フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター 図5
  • 特開-フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター 図6
  • 特開-フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター 図7
  • 特開-フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター 図8
  • 特開-フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151389
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】フィルター用編物及びその製造方法並びに空調用フィルター
(51)【国際特許分類】
   B01D 39/08 20060101AFI20241018BHJP
   D04B 21/14 20060101ALI20241018BHJP
   D04B 21/16 20060101ALI20241018BHJP
   B01D 46/10 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B01D39/08 Z
D04B21/14 Z
D04B21/16
B01D46/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064587
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000201881
【氏名又は名称】倉敷繊維加工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000193047
【氏名又は名称】進和テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187838
【弁理士】
【氏名又は名称】黒住 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100220892
【弁理士】
【氏名又は名称】舘 佳耶
(74)【代理人】
【識別番号】100205589
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 和将
(72)【発明者】
【氏名】国府 克次
(72)【発明者】
【氏名】森山 優一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 孝之
(72)【発明者】
【氏名】今野 貴博
【テーマコード(参考)】
4D019
4D058
4L002
【Fターム(参考)】
4D019AA01
4D019BA12
4D019BA13
4D019BB02
4D019CB06
4D019DA06
4D019DA08
4D058JA12
4D058JA24
4D058JB24
4D058JB39
4L002AA05
4L002AA06
4L002AA07
4L002AB02
4L002AB05
4L002AC00
4L002AC05
4L002CA01
4L002CA03
4L002CA04
4L002CB01
4L002DA01
4L002FA06
(57)【要約】
【課題】
繊維が脱落しにくく目開きが安定しているとともに、シンプルな工程で製造することができるフィルター用編物を提供する。
【解決手段】
空調用フィルター100として用いるためのフィルター用編物10を、第一層11と、第一層11から離隔して設けられた第二層12と、第一層11と第二層12とを連結する連結糸13aを有する連結層13とを備えたものとし、第一層11を、熱融着糸を編成した編地によって形成し、かつ前記熱融着糸同士が熱融着された状態としたのに対し、第二層12及び連結層13を、前記熱融着糸の熱融着に要する温度以下の温度では溶融しない糸で形成した。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調用フィルターとして用いるためのフィルター用編物であって、
第一層と、
第一層から離隔して設けられた第二層と、
第一層と第二層とを連結する連結糸を有する連結層と
を備え、
第一層が、熱融着糸を編成した編地によって形成されており、かつ前記熱融着糸同士が熱融着された状態となっているのに対し、
第二層及び連結層が、前記熱融着糸の熱融着に要する温度以下の温度では溶融しない糸で形成されている
ことを特徴とするフィルター用編物。
【請求項2】
第二層が、互いに独立してウェール方向に並走する複数の鎖編みによって形成され、
連結糸が、前記複数の鎖編みがそれぞれ独立して動くことができる状態で、第一層と第二層とを連結している
請求項1記載のフィルター用編物。
【請求項3】
連結糸が、
第一層における一のウェールと、
前記複数の鎖編みのうち、前記一のウェールからコース方向に所定量ずれた箇所の鎖編みと
を連結している請求項2記載のフィルター用編物。
【請求項4】
フィルター機能を発揮するためのフィルター用領域と、
フィルター用領域の縁部に沿って設けられ、二以上のフィルター用領域同士を縫い合わせるために用いられる縫製用領域と
を有しており、
フィルター用領域が、第一層、第二層及び連結層を備えたものとされ、
縫製用領域が、フィルター用領域の第一層と連続して形成された第一層と、第一層に連結糸をパイル状に絡めて形成されたパイル層とを備えたものとされた
請求項1記載のフィルター用編物。
【請求項5】
請求項1~4いずれか記載のフィルター用編物を用いた空調用フィルター。
【請求項6】
空調用フィルターとして用いるためのフィルター用編物の製造方法であって、
第一層と、
第一層から離隔して設けられた第二層と、
第一層と第二層とを連結する連結糸を有する連結層と
を備え、
第一層が、熱融着糸を編成した編地によって形成され、
第二層及び連結層が、前記熱融着糸の熱融着に要する温度以下の温度では溶融しない糸で形成された
立体編物を編成する編成工程と、
編成工程で編成された前記立体編物を熱処理することにより、第一層の前記熱融着糸同士を熱融着させる熱融着工程と
を含むことを特徴とするフィルター用編物の製造方法。
【請求項7】
熱融着工程において、前記立体編物に張力をかけた状態で熱処理を行うことにより、熱融着後のフィルター用編物の目開きを調節することができる請求項6記載のフィルター用編物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調用フィルターとして用いるためのフィルター用編物と、その製造方法とに関する。本発明はまた、このフィルター用編物を用いた空調用フィルターにも関する。
【背景技術】
【0002】
空間の換気等を行う空調システムにおいては、粉塵等を捕集するための空調用フィルターが用いられている。空調システムには、例えば、地下鉄構内やデパート店内等、混雑しがちな空間の換気を行うものも含まれるところ、混雑しがちな空間から回収された空気には、粉塵等が比較的多く含まれているため、このような空調システムでは空調用フィルターがすぐに目詰まりしがちであった。このため、空調用フィルターの交換を頻繁に行う必要があり、手間とコストを要していた。
【0003】
この点、特許文献1の図1には、空調用フィルター(エアフィルタろ材3)に捕集された粉塵(ダスト)を吸引除去することができる自動再生式エアフィルタ装置1が記載されている。同文献の自動再生式エアフィルタ装置1は、同図に記載のように、エアフィルタろ材3の前面に、上下移動可能な状態で水平に横架された再生フレーム9を備えており、当該再生フレーム9には、左右方向(水平方向)に移動可能な状態でダスト再生口11が支持されている。この装置では、再生フレーム9を適度なスピードで上下動させると共にダスト再生口11を左右方向に移動させつつ、ダスト再生口11からダストを吸引することによって、エアフィルタろ材3に捕集されたダストを吸引回収することができる。これにより、空調用フィルターの使用可能期間を長くする(交換頻度を下げる)ことができる。
【0004】
特許文献1の自動再生式エアフィルタ装置1においては、エアフィルタろ材3として、同文献の請求項2や段落0023等に記載のように、網目状の基布2に、繊維径15~40μm長さ15mm程度のポリエステル等の微細繊維を織り込んだもの(いわゆるカットパイル)を使用している。同文献の請求項5には、基布2に植えつけたパイル繊維が抜け落ちないようにアクリルなどのバインダ等で固定することが記載されている。バインダ等による固定には、基布2を伸びにくくして、エアフィルタろ材3の目開きを安定させる(すなわち、粉塵回収率や圧力損失等のフィルター品質を安定させる)という目的もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-291771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、エアフィルタろ材3におけるパイル部分(微細繊維における基布2に織り込まれていない部分)までもがバインダ等によって固定されてしまうと、エアフィルタろ材3の粉塵捕集力が低下するおそれがある。このため、特許文献1に記載のエアフィルタろ材3では、エアフィルタろ材3における基布2部分だけにバインダ等を塗布することが好ましいと考えられる。しかし、パイル部分に微細繊維を用いていることから、基布2部分だけにバインダ等を塗布しようとしても、毛細管現象によってバインダ等がパイル部分にまで浸透してしまい、うまくいかない。
【0007】
そこで、一旦微細繊維も含めてバインダ等で固定し、その後微細繊維に付着したバインダ等を除去することも考えられる。しかし、この場合には、余分な手間がかかるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために為されたものであり、繊維が脱落しにくく目開きが安定しているとともに、シンプルな工程で製造することができるフィルター用編物を提供するものである。また、このフィルター用編物の製造方法と、このフィルター用編物を用いた空調用フィルターを提供することも本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、
空調用フィルターとして用いるためのフィルター用編物であって、
第一層と、
第一層から離隔して設けられた第二層と、
第一層と第二層とを連結する連結糸を有する連結層と
を備え、
第一層が、熱融着糸を編成した編地によって形成されており、かつ前記熱融着糸同士が熱融着された状態となっているのに対し、
第二層及び連結層が、前記熱融着糸の熱融着に要する温度以下の温度では溶融しない糸で形成されている
ことを特徴とするフィルター用編物
を提供することによって解決される。
【0010】
このフィルター用編物は、
空調用フィルターとして用いるためのフィルター用編物の製造方法であって、
第一層と、
第一層から離隔して設けられた第二層と、
第一層と第二層とを連結する連結糸を有する連結層と
を備え、
第一層が、熱融着糸を編成した編地によって形成され、
第二層及び連結層が、前記熱融着糸の熱融着に要する温度以下の温度では溶融しない糸で形成された
立体編物を編成する編成工程と、
編成工程で編成された前記立体編物を熱処理することにより、第一層の前記熱融着糸同士を熱融着させる熱融着工程と
を含むことを特徴とするフィルター用編物の製造方法
によって製造することができる。
【0011】
ここで、「熱融着糸を編成した編地」には、熱融着糸だけで編成した編地と、熱融着糸と他の種類の糸とを組み合わせて編成した編地との両方が含まれるものとする。また、以下においては、編成工程で編成された立体編物であって、熱融着工程を経る前の立体編物を、「未融着立体編物」と表現することがある。
【0012】
本発明に係るフィルター用編物は、編物であるため、カットパイル等と比較して、繊維が脱落しにくい。加えて、第一層、第二層及び連結層を備えた立体編物であるため、カットパイル等と比較して形態保持性に優れている。したがって、このフィルター用編物を用いて製造した空調用フィルターでは、例えば粉塵吸引手段等によって粉塵を吸引回収した場合に、フィルター性能を良好に回復(フィルター再生)させやすく、フィルター交換の頻度を少なくすることができる。
【0013】
また、本発明に係るフィルター用編物では、第一層の熱融着糸が互いに熱融着された状態となっているため、第一層の編地が伸び縮みしにくく、目開きが安定している。このため、このフィルター用編物を用いて製造した空調用フィルターのフィルター品質(例えば、粉塵回収率や圧力損失等)を安定させることができる。さらに、第一層が熱融着糸を編成した編地によって形成されているのに対し、第二層及び連結層は前記熱融着糸の熱融着に要する温度以下の温度では溶融しない糸で形成されているため、未融着立体編物を熱融着工程で熱処理するだけで、第一層を形成する糸(熱融着糸)同士が熱融着された(固定された)状態としながらも、第二層と連結層を形成する糸の大部分を熱融着されていない(固定されていない)状態とすることができる。したがって、シンプルな工程で製造することができ、コストや手間を削減することができる。
【0014】
本発明に係るフィルター用編物は、空調システム等における空調用フィルターとして用いることができる。空調システムは、その具体的な種類を限定されない。空調システムとしては、例えば、空調用フィルターに捕集された粉塵を吸引回収するための粉塵吸引手段を備えたもの等が例示される。
【0015】
本発明に係るフィルター用編物においては、第二層が、互いに独立してウェール方向に並走する複数の鎖編みによって形成され、連結糸が、前記複数の鎖編みがそれぞれ独立して動くことができる状態で、第一層と第二層とを連結していることが好ましい。これにより、例えば、粉塵吸引手段を備えた空調システムにおける空調用フィルターとして本発明に係るフィルター用編物を用いる場合に、各鎖編みを動かすことによって空調用フィルターの内部を露出させやすくなり(後掲の図2図9も参照。)、空調用フィルター内部に捕集された粉塵を吸引回収しやすくなる。
【0016】
この場合においては、連結糸が、第一層における一のウェールと、前記複数の鎖編みのうち、前記一のウェールからコース方向に所定量ずれた箇所の鎖編みとを連結していることが好ましい。これにより、後掲の図4にも示すように、連結糸が第一層に対して傾斜した状態(すなわち、フィルター用編物を空調用フィルターとして用いた際に、空気が通過する方向に対して傾斜した状態)となり、連結糸による粉塵捕集力を高めることができる。また、例えばフィルター用編物をロール状に巻装する際等に、連結糸が同じ方向に倒れやすくすることができ、隣り合う鎖編み同士の間が割れてしまうことを防ぐことができる。
【0017】
本発明に係るフィルター用編物は、編成工程と熱融着工程とを経たものをそのまま空調用フィルターとして用いることもできる。ただし、要求される空調用フィルターの形状やスペック等によっては、複数のフィルター用編物を縫い合わせる必要が生じる可能性がある。この場合において、フィルター用編物全体が第一層、第二層及び連結層を備えた状態となっていると、フィルター用編物の縁部同士を重ねて縫製しようとしても、厚み方向に嵩張って縫製しにくいおそれがある。このため、前記フィルター用編物は、フィルター機能を発揮するためのフィルター用領域と、フィルター用領域の縁部に沿って設けられ、二以上のフィルター用領域同士を縫い合わせるために用いられる縫製用領域とを有するようにし、フィルター用領域を、第一層、第二層及び連結層を備えたものとし、縫製用領域を、フィルター用領域の第一層と連続して形成された第一層と、第一層に連結糸をパイル状に絡めて形成されたパイル層とを備えたものとすると好ましい。縫製用領域は、所謂パイル地で形成されているため、フィルター用領域に比べて厚み方向に嵩張りにくい。したがって、縫製用領域同士を重ねて縫製することで、二以上のフィルター用編物を縫い合わせやすくすることができる。
【0018】
本発明に係るフィルター用編物の製造方法においては、熱融着工程において、前記立体編物に張力をかけた状態で熱処理を行うことにより、熱融着後のフィルター用編物の目開きを調節することができるようにすることが好ましい。これにより、フィルター用編物の目開きを所望の大きさに調節することができる。また、張力をかけながら熱処理を行うことにより、フィルター用編物に皺が寄りにくい状態で熱融着を行うこともできる。さらに、例えば張力の大きさ等を調節することにより、1種類の未融着立体編物から、目開きの異なる複数種類のフィルター用編物を得ることも可能になる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によって、繊維が脱落しにくく目開きが安定しているとともに、シンプルな工程で製造することができるフィルター用編物を提供することが可能になる。また、このフィルター用編物の製造方法と、このフィルター用編物を用いた空調用フィルターを提供することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】空調システムにおける空調用フィルター周辺を模式的に示す斜視図である。
図2図1の空調用フィルターに捕集された粉塵を粉塵吸引手段によって吸引回収している様子を示す図である。
図3】フィルター用編物の一例を示す模式図である。
図4図3のフィルター用編物を図3におけるB-B平面で切断し、その一部を拡大して示した拡大断面図である。
図5図3のフィルター用編物の製造過程において、熱融着工程を行っている様子を模式的に表した図である。
図6】実施例1のフィルター用編物の編組織を示す図である。
図7】実施例1のフィルター用編物を第二層側から撮影した写真である。
図8】実施例1のフィルター用編物におけるフィルター用領域を、厚み方向に略垂直な方向から撮影した写真である。
図9】実施例1のフィルター用編物を第二層側から撮影した写真であって、フィルター用領域の鎖編みを動かした状態で撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
1.空調用フィルターの概要
図1は、空調システムにおける空調用フィルター100周辺を模式的に示す斜視図である。図2は、図1の空調用フィルター100に捕集された粉塵Dを粉塵吸引手段200が吸引回収している様子を示す図である。図2においては、空調用フィルター100における粉塵吸引手段200によって吸引されている部分を、空調用フィルター100の長手方向に略平行な面で切断した断面図で示している。
【0022】
空間の換気等を行うための空調システムにおいては、図1において矢印Fで示すように、空気の流れが空調用フィルター100を通過するようにして、当該空気に含まれる粉塵(ダスト)を空調用フィルター100で捕集することが行われる。このような空調システムのなかには、図1に示すように、空調用フィルター100に捕集された粉塵を吸引回収することができる粉塵吸引手段200を備えたものがある。図1の粉塵吸引手段200は、粉塵を吸引するための吸引口210と、吸引口210を支持するための吸引口支持手段220と、吸引口210から回収された粉塵を輸送するための粉塵輸送管230とを備えている。吸引口支持手段220は、左右方向に延在する棒状に形成されており、吸引口210を左右方向にスライド移動可能な状態で支持するとともに、吸引口210を支持した状態で上下方向に移動することができるようになっている。この粉塵吸引手段200は、図2に示すように、空調用フィルター100の表面に吸引口210を当接させて移動させながら、空調用フィルター100に捕集された粉塵Dを吸引回収することができる。吸引された粉塵Dは、粉塵輸送管230(図1)により輸送され廃棄される。これにより、空調用フィルター100の交換頻度を下げることができる。
【0023】
2.フィルター用編物
図3は、フィルター用編物10の一例を示す模式図である。図4は、図3のフィルター用編物10を図3におけるB-B平面で切断し、その一部を拡大して示した拡大断面図である。
【0024】
図1に示す空調用フィルター100は、図3に示すフィルター用編物10を用いて製造することができる。空調用フィルター100を編物で形成することにより、カットパイル等で形成する場合と比較して、繊維の脱落が起こりにくくすることができる。フィルター用編物10は、経編物と緯編物のいずれとすることもできるが、本実施形態においては経編物としている。
【0025】
図3のフィルター用編物10は、フィルター機能を発揮するためのフィルター用領域Aと、フィルター用領域Aの縁部に沿って設けられ、二以上のフィルター用領域A同士を縫い合わせるために用いられる縫製用領域Aと、フィルター用編物10の最縁部に設けられ、後述する熱融着工程を行う際にフィルター用編物10を保持するために用いられる保持用領域Aとを有している。
【0026】
図1に示す空調用フィルター100は、以下の要領で製造することができる。まず、図3に示すフィルター用編物10を、ウェール方向dにおいて適当な長さにカットし、複数のカット編物を得る。続いて、当該複数のカット編物を、図1に示すように縫製用領域Aで縫製して繋ぎ合わせることにより、略長方形状の空調用フィルター100が製造される。このようにして製造された空調用フィルター100においては、フィルター用編物10のコース方向dが上下方向(略長方形状の空調用フィルター100の長手方向)を向いており、ウェール方向dが左右方向(略長方形状の空調用フィルター100の幅方向)を向いている。この理由については、後で説明する。ただし、コース方向dとウェール方向dの向き(上下と左右)はこれに限定されず、空調システムにより適宜選択可能である。
【0027】
フィルター用編物10のうち、フィルター用領域Aは、図4に示すように、第一層11と、第一層11から離隔して設けられた第二層12と、第一層11と第二層12とを連結する連結糸13aを有する連結層13とを備えている。縫製用領域Aは、フィルター用領域Aの第一層11と連続して形成された第一層11と、第一層11に連結糸13aをパイル状(ループパイル状)に絡めて形成されたパイル層14とを備えている。保持用領域Aは、フィルター用領域A及び縫製用領域Aの第一層11と連続して形成された第一層11を備えている。
【0028】
フィルター用領域A、縫製用領域A及び保持用領域Aの第一層11は、熱融着糸を編成した編地(二次元的に広がる編組織)によって形成されており、かつ当該熱融着糸同士が熱融着された(固定された)状態となっている。これにより、フィルター用編物10を伸び縮みしにくくすることができ、フィルター用編物10の目開き(空調用フィルター100の目開き)を安定させることができる。第一層11の編組織は、特に限定されない。本実施形態における第一層11は、ウェール方向d図4においては、紙面に略垂直な方向。以下同じ。)に並走する複数の鎖編み11aと、隣接する鎖編み11aをコース方向dに貫く挿入糸11bとを備えた網目状の編地によって形成されている。
【0029】
これに対し、第二層12及び連結層13は、第一層11で用いられている熱融着糸の熱融着に要する温度以下の温度では溶融しない糸で形成されている。これにより、後述する熱融着工程を行って第一層11の熱融着糸同士を熱融着させる際に、第一層11、第二層12及び連結層13をまとめて熱処理したとしても、第二層12及び連結層13を形成する糸は熱融着しない(固定されない)ようにすることができる。これにより、第二層12や連結層13を柔らかいままの状態とすることができ、第二層12や連結層13の粉塵捕集力を高めることができる。
【0030】
フィルター用領域Aにおける第二層12は、図4に示すように、互いに独立してウェール方向dに並走する複数の鎖編み12aによって形成されている。そして、連結層13における連結糸13aは、第二層12における複数の鎖編み12aがそれぞれ独立して動くことができる状態で、第一層11と第二層12とを連結している。これにより、図2に示すように、フィルター用編物10を空調用フィルター100として用いた際に、鎖編み12aを動かす(鎖編み12aをコース方向dに引っ張って、隣接する鎖編み12aとの間隙を広げる)ことによって空調用フィルター100の内部を露出させることができ、空調用フィルター100の内部に捕集された粉塵Dを粉塵吸引手段200で吸引回収しやすくなる。
【0031】
空調システムにおいて、鎖編み12aを動かして空調用フィルター100内部を露出させるための手段は、粉塵吸引手段200とは別に設けることもできるが、図1に示す空調システムでは、粉塵吸引手段200の吸引口210を空調用フィルター100の表面に当接させて移動させることによって、鎖編み12aを動かすことができるようになっている。この時の吸引口210の移動方向は、限定されないが、本実施形態においては、図2に示すように、下向き(空調用フィルター100の長手方向)となっている。吸引口210が動く向きと、ウェール方向dとを略直交させることにより、空調用フィルター100内部を効率的に露出させることができるため、図1の空調用フィルター100では、既に述べたように、フィルター用編物10のウェール方向dが左右方向(空調用フィルター100の幅方向)を向くようにしているのである。
【0032】
連結層13における連結糸13aが、どのような態様で第一層11と第二層12とを連結するのかについては、鎖編み12aがそれぞれ独立して動く状態となっていれば、特に限定されない。本実施形態における連結糸13aは、第一層11における一のウェール(鎖編み11a)と、第二層12における一の鎖編み12aとを一対一で連結している。これにより、鎖編み12aと連結糸13aとが襞状(又は畝状)を為すようになる。これにより、フィルター用編物10内部をより露出させやすくすることができ、フィルター用編物10内部に捕集された粉塵D(図2)をより吸引回収しやすくすることができる。
【0033】
この場合において、連結糸13aは、第一層11における一のウェール(鎖編み11a)と、当該ウェールに形成された第二層12の鎖編み12aとを連結する(同一ウェール上の鎖編み11aと鎖編み12aとを連結する)こともできる。ただし、この場合には、鎖編み12aと連結糸13aによって形成される襞が、第一層11に対して略垂直に立った状態となる(すなわち、空調用フィルター100を通過する空気の方向と略平行になる)ため、連結糸13aによる粉塵捕集力を高めにくくなるおそれがある。
【0034】
この点、本実施形態においては、図4に示すように、連結糸13aが、第一層11における一のウェール(鎖編み11a)と、第二層12の鎖編み12aのうち、当該一のウェールからコース方向dに所定量ずれた箇所の鎖編み12aとを連結している。すなわち、鎖編み12aと連結糸13aによって形成された襞が、第一層11に対して傾斜した状態(すなわち、空調用フィルター100を空気が通過する方向に対して傾斜した状態)となっている。これにより、連結糸13aによる粉塵捕集力を高めることができる。また、例えば、製造時や製造後にフィルター用編物10をロール状に巻装する場合等に、鎖編み12aと連結糸13aによる襞が同一方向に倒れやすくすることができ、襞間が割れてしまうことを防ぐこともできる。第一層11の一のウェール(鎖編み11a)と、これに連結される第二層12の鎖編み12aとをどの程度ずらすかは、限定されないが、通常、1~5ウェール程度とされ、1~3ウェール程度であることが好ましい。
【0035】
2.1 第一層
第一層11は、既に述べたように、熱融着糸を含んで編成されている。第一層11は、熱融着糸だけで編成されたものとすることもできるし、熱融着糸と他の種類の糸とを組み合わせて編成されたものとすることもできる。本実施形態における第一層11は、複数本の熱融着糸のみで編成されている。
【0036】
第一層11の編成に用いられる熱融着糸は、その具体的な種類を特に限定されない。熱融着糸は、マルチフィラメント糸とすることもできるが、本実施形態においては、モノフィラメント糸を採用している。熱融着糸としては、その全体が熱融着樹脂で形成されたものを用いることもできるが、本実施形態においては、熱融着樹脂で形成された鞘部と、当該熱融着樹脂よりも高い融点を有する樹脂で形成された芯部とを有する芯鞘型の熱融着糸を用いている。これにより、第一層11の強度を高めることができる。
【0037】
熱融着糸の鞘部又は全体を形成する熱融着樹脂の融点は、低すぎると、意図しないタイミングで熱融着糸が熱融着してしまうおそれがあり、高すぎると、熱融着を行う際に熱融着糸以外の糸も軟化又は融解してしまい、意図しない箇所で熱融着が起こるおそれがある。このため、熱融着樹脂の融点は、70°C以上であることが好ましく、90°C以上であることがより好ましく、100°C以上であることがさらに好ましい。また、熱融着樹脂の融点は、200°C以下であることが好ましく、150°C以下であることがより好ましく、130°C以下であることがさらに好ましい。
【0038】
熱融着樹脂の種類は、特に限定されない。熱融着樹脂としては、例えば、ポリエステル(低融点ポリエステル)、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル等が例示される。熱融着樹脂は、1種類だけを用いることも、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0039】
熱融着糸を芯鞘型とする場合において、芯部の素材は、鞘部を形成する樹脂よりも融点が高いものであれば、その種類を特に限定されない。芯部の素材としては、例えば、ポリエステル(レギュラーポリエステル)、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル等が例示される。芯部を形成する樹脂は、1種類だけを用いることも、2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0040】
2.2 第二層
第二層12を形成する糸の素材は、第一層11の編成に用いられる熱融着糸よりも融点が高いものであれば、特に限定されない。第二層12を形成する糸の素材としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、レーヨン、綿、羊毛等が挙げられる。第二層12を形成する糸は、1種類の素材だけで形成されたものとすることもできるし、2以上の素材を組み合わせて形成されたものとすることもできる。
【0041】
第二層12を形成する糸としては、マルチフィラメント糸とモノフィラメント糸のいずれを採用することもできるが、本実施形態においてはマルチフィラメント糸を採用している。これにより、第二層12における鎖編み12aを、よりしなやかで動かしやすいものとすることができる。また、第二層12の粉塵捕集力を高めることもできる。
【0042】
2.3 連結層
連結層13を形成する連結糸13aの素材は、第一層11の編成に用いられる熱融着糸よりも融点が高いものであれば、特に限定されない。連結糸13aの素材としては、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、レーヨン、綿、羊毛等が挙げられる。連結糸13aは、1種類の素材だけで形成されたものとすることもできるし、2以上の素材を組み合わせて形成されたものとすることもできる。
【0043】
連結糸13aとしては、マルチフィラメント糸とモノフィラメント糸のいずれを採用することもできるが、本実施形態においてはマルチフィラメント糸を採用している。これにより、連結層13の粉塵捕集力を高めることができる。マルチフィラメント糸のフィラメント数は、40~100本程度であることが好ましく、60~80本程度であることがより好ましい。
【0044】
3.フィルター用編物の製造方法
本実施形態におけるフィルター用編物10の製造方法は、編成工程と、熱融着工程とを含んでいる。
【0045】
3.1 編成工程
編成工程は、第一層11と、第二層12と、連結層13とを備えた立体編物を編成する工程である。編成は、通常、編み機を用いて行われる。編み機としては、経編み機と緯編み機のいずれを用いることもできるが、本実施形態においては経編み機であるダブルラッセル機を用いている。本実施形態の編成工程では、フィルター用領域A図3)と、縫製用領域Aと、保持用領域Aとを連続的に編成している。編成工程において編成された立体編物(未融着立体編物)は、次の熱融着工程に供される。
【0046】
3.1 熱融着工程
図5は、図3のフィルター用編物10の製造過程において、熱融着工程を行っている様子を模式的に表した図である。熱融着工程は、編成工程で編成された未融着立体編物10aを熱処理することにより、第一層11の熱融着糸同士を熱融着させるための工程である。熱融着工程における熱処理温度は、熱融着糸の熱融着温度によっても異なるが、熱処理温度が低すぎると、熱融着が十分に起こらないおそれがあり、熱処理温度が高すぎると、第二層12を形成する糸や連結層13を形成する連結糸13aまでもが軟化又は溶融してしまい、意図しない箇所で融着が起こるおそれがある。このため、熱処理温度は、80~200°C程度とすることが好ましく、100~150°C程度とすることがより好ましい。熱処理時間も、熱融着糸の種類によって異なるが、通常20秒~2分程度とされる。熱融着工程は、バッチ工程とすることもできるが、連続工程(例えばロール・ツー・ロール工程)とすることが好ましい。
【0047】
本実施形態の熱融着工程においては、未融着立体編物10aに張力をかけた状態で熱処理を行っている。具体的には、図5に示すように、一対の保持手段Hに、未融着立体編物10aのコース方向d両縁部に形成された保持用領域Aを保持させることによって、未融着立体編物10aにコース方向dの張力をかけた状態で熱処理を行っている。これにより、熱融着後のフィルター用編物10の目開きを調節することができる。また、フィルター用編物10に皺が寄りにくい状態で熱融着を行うこともできる。保持手段Hは、その具体的な構成を特に限定されない。本実施形態においては、保持手段Hとして、保持用領域Aに多数のピンを刺し通すことによって保持用領域Aを保持するピンテンターを採用している。保持手段Hとしては、例えば、保持用領域Aを把持するもの等を採用することもできる。
【0048】
張力をかけた状態で熱融着工程を行う場合において、フィルター用編物10の拡張率(熱融着後のフィルター用編物10のコース方向dにおける自然幅/未融着立体編物10aのコース方向dにおける自然幅×100-100[%])は、特に限定されない。フィルター用編物10の拡張率は、3~30%程度が好ましく、5~20%程度がより好ましい。
【0049】
4. 用途
本発明に係るフィルター用編物10は、空調システムにおける空調用フィルター100として用いることができる。図1における空調用フィルター100は、略矩形状に形成されているが、空調用フィルター100の形態はこれに限定されない。空調用フィルター100は、空調システムの仕様に合わせて、例えば、ロール・ツー・ロールで供給される長尺の帯状等とすることもできる。
【0050】
本発明に係るフィルター用編物10を用いた空調用フィルター100は、これを用いる空調システムの種類を限定されない。空調用フィルター100は、例えば、比較的大規模な空調システムにおいて使用することができる。大規模な空調システムとしては、例えば、デパート、商業ビル、地下鉄、地下駐車場、病院、美術館、博物館、図書館、各種工場や研究所、水処理場、ゴミ処理場、発電所等で用いられる空調システム等が例示される。
【実施例0051】
以下、より具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳しく説明するが、本発明の実施態様は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0052】
[実施例1]
図6は、実施例1のフィルター用編物10の編組織を示す図である。図6(a)は、編み糸L1~L5それぞれの繰り返し単位を示している。図6(b)は、フィルター用編物10の編組織図を示している。図7は、実施例1のフィルター用編物10を第二層12側から撮影した写真である。図8は、実施例1のフィルター用編物におけるフィルター用領域Aを、厚み方向に略垂直な方向から撮影した写真である。図9は、実施例1のフィルター用編物10を第二層12側から撮影した写真であって、フィルター用領域Aの鎖編み12aを動かした(開いた)状態で撮影した写真である。
【0053】
実施例1のフィルター用編物10は、次のようにして製造した。まず、ダブルラッセル機を使用し、図6に示すように、耳部補強糸L1と、挿入糸L2と、連鎖糸L3と、連結糸L4と、連鎖糸L5とを編み合わせて、図7に示すように、フィルター用領域Aと、縫製用領域Aと、保持用領域Aとを有する立体編物(未融着立体編物)を編成した。耳部補強糸L1、挿入糸L2及び連鎖糸L3は、第一層11を形成する糸である。耳部補強糸L1は、フィルター用編物10の耳部を補強する糸である。挿入糸L2は、挿入糸11b(図4)を形成する糸である。連鎖糸L3は、鎖編み11a(図4)を形成する糸である。連結糸L4は、連結層13を形成する糸(すなわち、連結糸13a)である。連鎖糸L5は、第二層12における鎖編み12aを形成する糸である。
【0054】
フィルター用編物10のうち、フィルター用領域Aは、挿入糸L2、連鎖糸L3、連結糸L4及び連鎖糸L5によって編成した。縫製用領域Aは、挿入糸L2、連鎖糸L3及び連結糸L4によって編成した。保持用領域Aは、耳部補強糸L1、挿入糸L2及び連鎖糸L3によって編成した。
【0055】
耳部補強糸L1、挿入糸L2及び連鎖糸L3(図6)としては、芯鞘型の熱融着糸を使用した。芯部は融点約260°Cのポリエステル(レギュラーポリエステル)で形成されており、鞘部は融点約110°Cの低融点ポリエステルで形成されていた。連結糸L4及び連鎖糸L5としては、ポリエステルで形成されたマルチフィラメント糸(フィラメント数70本)を使用した。
【0056】
続いて、編成された未融着立体編物を、コンベヤ式の熱処理機によって熱処理し、第一層11の熱融着糸同士を熱融着させた。熱処理は、135°C~140°Cにおいて、30秒~1分程度行った。このとき、図5に示すように、未融着立体編物10aの両縁部に形成されている保持用領域Aを保持手段H(ピンテンター)によって保持し、コース方向dに張力をかけながら熱処理を行った。熱処理が完了すると、図7~9に示す実施例1のフィルター用編物10が完成した。
【0057】
実施例1のフィルター用編物10は、その第一層11を形成する熱融着糸が、互いに熱融着された状態となっている。このため、実施例1のフィルター用編物10を、ウェールd方向及びコース方向dのいずれの方向に引っ張ったとしても、ほとんど伸びることがなかった。したがって、フィルター用編物10を空調用フィルター100(図1)として用いた際に、空調用フィルター100の目開きを安定させることができる。
【0058】
また、実施例1のフィルター用編物10におけるフィルター用領域Aは、図7に示すように、第二層12が、互いに独立してウェールd方向に並走する複数の鎖編み12aによって形成されている。連結層13の連結糸13aは、図8に示すように(図3も参照。)、第一層11における一の鎖編み11aと、当該一の鎖編み11aからコース方向dに2ウェールだけずれた第二層の鎖編み12aとを一対一で連結している。これにより、第二層の鎖編み12aと連結糸13aとが、第一層11に対して傾いた状態で襞状を為しており、それぞれの鎖編み12aを互いに独立して動かすことができる。したがって、図9に示すように、鎖編み12aをコース方向dに引っ張って(又は押し広げて)動かすことによって、フィルター用編物10の内部(連結層13や第一層11)を露出させることができる。
【符号の説明】
【0059】
100 空調用フィルター
200 粉塵吸引手段
210 吸引口
220 吸引口支持手段
230 粉塵輸送管
10 フィルター用編物
10a 未融着立体編物
11 第一層
11a 鎖編み
11b 挿入糸
12 第二層
12a 鎖編み
13 連結層
13a 連結糸
14 パイル層
フィルター用領域
縫製用領域
保持用領域
D 粉塵
H 保持手段
コース方向
ウェール方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9