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特開2024-151402注意喚起装置、および注意喚起システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151402
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】注意喚起装置、および注意喚起システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064661
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 亮
(72)【発明者】
【氏名】竹原 崇成
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181CC27
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】車両と外部の検出対象との健全なる通行を実現する注意喚起装置を提供する。
【解決手段】注意喚起装置(15)は、車両(100)の車載ネットワークを通じて、車両の車両情報の送受信を行う情報送受信部(151)と、センサにより取得した情報に基づいて車両(100)の外部に存在する検出対象を検出する判断部(152)と、車両(100)の外部に注意喚起を行なう警告部(153)と、を備え、判断部(152)が検出対象を検出したとき、警告部(153)は、検出された検出対象がとるべき行動を示す内容を注意喚起に含ませるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられ、前記車両の車載ネットワークを通じて、前記車両の車両情報の送受信を行う情報送受信部と、
前記車両に設けられ、センサにより取得した情報に基づいて、前記車両の外部に存在する検出対象を検出する判断部と、
前記車両に設けられ、前記車両の外部に注意喚起を行なう警告部と、
を備え、
前記判断部が前記検出対象を検出したとき、
前記警告部は、前記検出された検出対象がとるべき行動を示す内容を前記注意喚起に含ませる、ように構成されている、
ことを特徴とする注意喚起装置。
【請求項2】
前記判断部は、前記車両の速度と、前記検出対象の位置および速度情報と、に基づいて、前記検出対象が前記車両に衝突する可能性があると判断したとき、前記検出対象が取るべき行動を含む指令を前記警告部に送信し、
前記警告部は、前記判断部からの前記指令に基づいて、前記検出対象がとるべき行動を前記注意喚起に含ませる、ように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の注意喚起装置。
【請求項3】
優先度判定部を備え、
前記優先度判定部は、前記判断部が複数の前記検出対象を検出したとき、前記複数の検出対象に対して前記注意喚起を行う優先度を判定し、
前記判断部は、優先度判定部により前記優先度が他の検出対象の優先度よりも高いと判定された検出対象を、前記警告部に通知するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の注意喚起装置。
【請求項4】
前記優先度判定部は、前記検出された複数の前記検出対象のうち、前記車両により近い検出対象の前記優先度を、他の検出対象の優先度よりも高いと判定するように構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の注意喚起装置。
【請求項5】
データ保存部を備え、
前記データ保存部は、前記センサにより取得した情報と、あらかじめ設定した文字列と、あらかじめ作成された映像と、のうちの少なくとも一つを保存し、
前記警告部は、前記データ保存部により保存された、前記センサにより取得した情報と、あらかじめ設定した文字列と、あらかじめ作成された映像と、のうちの少なくとも一つを用いて、前記注意喚起を行なうように構成れている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の注意喚起装置。
【請求項6】
データ保存部を備え、
前記データ保存部は、前記センサにより取得した情報と、あらかじめ設定した文字列と、あらかじめ作成された映像と、のうちの少なくとも一つを保存し、
前記警告部は、前記データ保存部により保存された、前記センサにより取得した情報と、あらかじめ設定した文字列と、あらかじめ作成された映像と、のうちの少なくとも一つを用いて、前記注意喚起を行なうように構成れている、
ことを特徴とする請求項3に記載の注意喚起装置。
【請求項7】
データ保存部を備え、
前記データ保存部は、前記センサにより取得した情報と、あらかじめ設定した文字列と、あらかじめ作成された映像と、のうちの少なくとも一つを保存し、
前記警告部は、前記データ保存部により保存された、前記センサにより取得した情報と、あらかじめ設定した文字列と、あらかじめ作成された映像と、のうちの少なくとも一つを用いて、前記注意喚起を行なうように構成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の注意喚起装置。
【請求項8】
前記車両に設けられたカメラセンサを備え、
前記警告部は、前記カメラセンサからの情報を用いて、前記優先度判定部により優先度が高いと判定された検出対象の周辺の映像を前記車両に表示するとともに、前記優先度が高いと判定されて前記検出対象が取るべき行動を前記映像に表示する、ように構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の注意喚起装置。
【請求項9】
前記車両に設けられたカメラセンサを備え、
前記警告部は、前記カメラセンサからの情報を用いて、前記優先度判定部により優先度が高いと判定された検出対象の周辺の映像を前記車両に表示するとともに、前記優先度が高いと判定されて前記検出対象が取るべき行動を前記映像に表示する、ように構成されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の注意喚起装置。
【請求項10】
前記車両に設けられたカメラセンサを備え、
前記警告部は、前記カメラセンサからの情報を用いて、前記優先度判定部により優先度が高いと判定された検出対象の周辺の映像を前記車両に表示するとともに、前記優先度が高いと判定されて前記検出対象が取るべき行動を前記映像に表示する、ように構成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の注意喚起装置。
【請求項11】
請求項1又は2に記載の注意喚起装置は、通信部を備え、
前記通信部は、前記車両の外部に設けられている通信ネットワークを用いて、前記車両の外部に設けられた通信機能を有する設置物に情報を送信し、
前記警告部は、前記注意喚起を前記通信部と前記通信ネットワークを介して前記設置物に送信し、
前記設置物は、前記送信された前記注意喚起の少なくとも一部分を音声により、前記車両の外部に発生する、
ように構成されていることを特徴とする注意喚起システム。
【請求項12】
請求項3に記載の注意喚起装置は、通信部を備え、
前記通信部は、前記車両の外部に設けられている通信ネットワークを用いて、前記車両の外部に設けられた通信機能を有する設置物に情報を送信し、
前記警告部は、前記注意喚起を前記通信部と前記通信ネットワークを介して前記設置物に送信し、
前記設置物は、前記送信された前記注意喚起の少なくとも一部分を音声により、前記車両の外部に発生する、
ように構成されていることを特徴とする注意喚起システム。
【請求項13】
請求項4に記載の注意喚起装置は、通信部を備え、
前記通信部は、前記車両の外部に設けられている通信ネットワークを用いて、前記車両の外部に設けられた通信機能を有する設置物に情報を送信し、
前記警告部は、前記注意喚起を前記通信部と前記通信ネットワークを介して前記設置物に送信し、
前記設置物は、前記送信された前記注意喚起の少なくとも一部分を音声により、前記車両の外部に発生する、
ように構成されていることを特徴とする注意喚起システム。
【請求項14】
請求項5に記載の注意喚起装置は、通信部を備え、
前記通信部は、前記車両の外部に設けられている通信ネットワークを用いて、前記車両の外部に設けられた通信機能を有する設置物に情報を送信し、
前記警告部は、前記注意喚起を前記通信部と前記通信ネットワークを介して前記設置物に送信し、
前記設置物は、前記送信された前記注意喚起の少なくとも一部分を音声により、前記車両の外部に発生する、
ように構成されていることを特徴とする注意喚起システム。
【請求項15】
請求項8に記載の注意喚起装置は、通信部を備え、
前記通信部は、前記車両の外部に設けられている通信ネットワークを用いて、前記車両の外部に設けられた通信機能を有する設置物に情報を送信し、
前記警告部は、前記注意喚起を前記通信部と前記通信ネットワークを介して前記設置物に送信し、
前記設置物は、前記送信された前記注意喚起の少なくとも一部分を音声により、前記車両の外部に発生する、
ように構成されていることを特徴とする注意喚起システム。
【請求項16】
請求項9に記載の注意喚起装置は、通信部を備え、
前記通信部は、前記車両の外部に設けられている通信ネットワークを用いて、前記車両の外部に設けられた通信機能を有する設置物に情報を送信し、
前記警告部は、前記注意喚起を前記通信部と前記通信ネットワークを介して前記設置物に送信し、
前記設置物は、前記送信された前記注意喚起の少なくとも一部分を音声により、前記車両の外部に発生する、
ように構成されていることを特徴とする注意喚起システム。
【請求項17】
請求項10に記載の注意喚起装置は、通信部を備え、
前記通信部は、前記車両の外部に設けられている通信ネットワークを用いて、前記車両の外部に設けられた通信機能を有する設置物に情報を送信し、
前記警告部は、前記注意喚起を前記通信部と前記通信ネットワークを介して前記設置物に送信し、
前記設置物は、前記送信された前記注意喚起の少なくとも一部分を音声により、前記車両の外部に発生する、
ように構成されていることを特徴とする注意喚起システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、注意喚起装置、および注意喚起システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車などの車両を全自動で運転し、もしくは車両の運転の一部を自動で運転する、いわゆる自動運転装置あるいは自動運転システムの開発が急ピッチで進められている。自動運転装置もしくは自動運転システムは、車両の運転者の負担を軽減することができ、将来的にも極めて有用な技術である。
【0003】
一方で、このような自動運転装置もしくは自動運転システムにより車両が運転される場合、不慮の事態が発生することを防止し、常に健全なる車両の自動運転が実施されなければならない。このような観点から、たとえば、特許文献1には、車両の走行を自動運転と手動運転とで切り替えて制御する走行制御部と、自動運転の際に車両の外から視認されるように点灯可能な自動運転表示ランプと、走行制御部が車両の走行を自動運転で制御する自動運転中に、自動運転状態であることを示す自動運転表示ランプを点灯するように制御するランプ制御部と、を有し、ランプ制御部は、自動運転中に、走行制御状態の変化および走行環境の変化の少なくとも一方に応じて自動運転表示ランプの点灯状態を変化させるようにした自動運転可能な車両に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-51682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された従来の技術によれば、車両の自動運転中には、自動運転表示ランプが点灯するので、車両の外部に存在する、たとえば、歩行者、他の車両の 乗員などは、車両が自動運転中であることを認識できるので、相応の行動を取ることで、不慮の事態の発生を未然に防止することができる。
【0006】
しかしながら、自動運転表示ランプを用いて自動運転中であることを表示しても、外部の人、車両の乗員、などは、当該自動運転されている車両が正常に運転されているか否かの判断をすることができない。たとえば、自動運転車両の制御が故障しているにも関わらず自動運転中のランプが点灯していた場合、自動運転中なので、人、車両の乗員、などは、自動運転されている車両の手前で停止するものだと考える。
【0007】
また、ランプもしくは音声による警告だけでは、自動運転車両との接触を避ける側が咄嗟にどのように自動運転車両を避ければいいか、の判断が難しい場合が発生すると考えられる。さらに、自動運転表示ランプによる警告があっても、自動運転車両が走行している場所により回避行動の基準が異なり、咄嗟の回避判断が難しく、自動運転表示ランプにより状況に応じた回避行動をさせる効果は薄い、という課題があった。
【0008】
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、車両と外部の検出対象との健全なる通行を実現する注意喚起装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、本願は、前述のような課題を解決するための技術を開示するものであり、車両と外部の検出対象との健全なる通行を実現する注意喚起システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願に開示される注意喚起装置は、
車両に設けられ、前記車両の車載ネットワークを通じて、前記車両の車両情報の送受信を行う情報送受信部と、
前記車両に設けられ、センサにより取得した情報に基づいて、前記車両の外部に存在する検出対象を検出する判断部と、
前記車両に設けられ、前記車両の外部に注意喚起を行なう警告部と、
を備え、
前記判断部が前記検出対象を検出したとき、
前記警告部は、前記検出された検出対象がとるべき行動を示す内容を前記注意喚起に含ませる、ように構成されている、
ことを特徴とする。
【0011】
また、本願に開示される注意喚起システムは、
上記注意喚起装置が通信部を備え、
前記通信部は、前記車両の外部に設けられている通信ネットワークを用いて、前記車両の外部に設けられた通信機能を有する設置物に情報を送信し、
前記警告部は、前記注意喚起を前記通信部と前記通信ネットワークを介して前記設置物に送信し、
前記設置物は、前記送信された前記注意喚起の少なくとも一部分を音声により、前記車両の外部に発生する、
ように構成されている。
【発明の効果】
【0012】
本願に開示される注意喚起装置によれば、自動運転車両と外部の検出対象との健全なる通行を実現する注意喚起装置が得られる。
【0013】
また、本願に開示される注意喚起システムによれば、自動運転車両と外部の検出対象との健全なる通行を実現する注意喚起システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施の形態1による注意喚起装置を備えた車両の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1による注意喚起装置の構成を示す説明図である。
図3】実施の形態1による注意喚起装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】実施の形態1による注意喚起装置の動作を説明するフローチャートである。
図5】実施の形態2による注意喚起装置の構成を示す説明図である。
図6】実施の形態2による注意喚起装置における、表示部の標示例を示す模式図である。
図7】実施の形態2による注意喚起装置における、表示部の他の標示例を示す模式図である。
図8】実施の形態2による注意喚起装置の動作を説明するフローチャートである。
図9】実施の形態3による注意喚起システムの構成を示す概略構成図である。
図10】実施の形態3による注意喚起システムにおける、設置物の例を示す模式図である。
図11】実施の形態3による注意喚起システムにおける、設置物の別のを示す模式図である。
図12】実施の形態3による注意喚起システムにおける、車両の構成を示すブロック図である。
図13】実施の形態3による注意喚起システムにおける、車両の注意喚起装置の構成を示すブロック図である。
図14】実施の形態3による注意喚起システムにおける、車両の注意喚起装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願による注意喚起装置、および注意喚起システム、について、図を用いて説明する。なお、各図において、同一又は相当部分には同一符号を付してある。
【0016】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による注意喚起装置を備えた車両の構成を示すブロック図である。図1において、自動運転で走行する車両100は、電動機などの車両の動力機1と、動力機1の動力を制御する動力制御装置2と、ブレーキ装置3と、ブレーキ装置3を制御するブレーキ制御装置4と、電動パワーステアリング機構としての電動操舵装置5と、電動操舵装置5を制御する操舵制御装置6と、ライトにより車両100の進路変更などを車両100の外部に表示する方向指示器7と、方向指示器7の点灯などを制御するライト制御装置8と、車両100の周辺を監視する周辺監視処理装置9と、を備えている。
【0017】
また、車両100は、GPS(Global Positioning System)送受信機器などのロケータ10と、ナビゲーション装置11と、ナビゲーション装置11と連携して動作するヒューマンインターフェイス12と、ナビゲーション装置11と連携して動作するスピーカ13と、ナビゲーション装置11と連携して動作するディスプレイ14と、本願の実施の形態1による注意喚起装置15と、を備えている。
【0018】
車両100に設けられた前述の各装置、機器は、たとえば、CAN(Controller Area Network)、Ethernet、Flexrayなどの通信規格を用いて、車両100に設けられた車載ネットワーク20に接続されている。
【0019】
ロケータ10は、たとえば、図示していないGPSアンテナ、加速度センサ、方位センサ、などを有しており、GPSアンテナから取得した車両の位置情報、たとえば、緯度、経度、標高、を用いて、車両100の高精度な位置情報を取得する。
【0020】
ナビゲーション装置11は、ロケータ10から得た車両100の位置情報と、あらかじめヒューマンインターフェイス12により車両100の搭乗者が設定した目標地点と、地図情報と、に基づいて、車両100の現在位置から目標地点までの目標経路を設定する。ナビゲーション装置11は、設定された目標経路に関する情報をスピーカ13から発声し、もしくはディスプレイ14に表示し、又はそれらの双方を行ない、車両100の搭乗者に、設定された目標経路に関する情報を提示することができる。
【0021】
周辺監視装置30は、車両100の周辺を監視するカメラ、およびレーダなどにより構成されている。レーダには、ミリ波レーダ、レーザレーダ、超音波レーダ、などが用いられる。
【0022】
図2は、実施の形態1による注意喚起装置の構成を示す説明図である。図2において、注意喚起装置15は、情報送受信部151と、判断部152と、警告部153と、優先度判定部154と。を備えている。警告部153は、音声部1531と、警告灯部1532と、を備えている。
【0023】
情報送受信部151は、車両100に取り付けられた各機器と通信して各種の情報を取得する。取得する情報の内容は、車両100に取り付けられたセンサで検出した検出対象に関する情報、車両100の停車により回避できない検出対象との回避制御情報、操舵制御装置6で割り出された車両100の操舵情報、および車両100の進行方向情報、などである。
【0024】
判断部152は、情報送受信部151で取得した複数の検出対象が車両100の走行に影響を与えるか否かの確認を行う。ここで、車両100の走行に影響を与えるか否かとは、車両100がブレーキ制御装置4によるブレーキ制御を行う必要があるか否か、車両100が停車する前に検出対象と衝突もしくは接触する可能性があるか否か、自動運転を行っている車両100の走行を検出対象が阻害しているか否か、などを指している。
【0025】
優先度判定部154は、判断部152で判断した各項目に対して優先度付けを行い、その優先度付けの中で一番優先度を高いものを注意喚起装置15の警告部153に知らせる。優先度判定部154による優先度付けの順番は、[検出対象と衝突する>車両の走行に異常がある>検出対象と接触する可能性がある>車両の走行を阻害している>車両が右折もしくは左折するときに接触する可能性がある]の順番で優先付けする。同じ優先度の検知物が複数ある場合、車両100に一番近い検知物を対象とし警告を行う。
【0026】
警告部153は、優先度判定部154により最も優先度が高いと判定された検出対象に対して、後述するように、信号灯、スピーカなどを用いて、警告としての注意喚起を行なうものであり、車両100と検出対象との衝突の可能性を低下させるものである。信号灯の色は、たとえば、「赤」(衝突する)、「黄」(異常時)、「青」(通常時)、とする。スピーカによる音声での注意喚起の例としては、「車両が・・・方向に避けますので、・・・方向に避けてください」、「・・・方向に曲がりますので停止してお待ちください」、「・・・で止まっている・・・は直ちに移動してください」、「車両はフェンス側方向に避けます。」などの、検出対象が取るべき行動を含むものである。
【0027】
図3は、実施の形態1による注意喚起装置のハードウェア構成を示すブロック図である。注意喚起装置15の各機能は、注意喚起装置15が備えた処理回路により実現される。注意喚起装置15は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)、などの演算処理装置70(コンピュータ)と、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスク(HDD)などの記憶装置71と、通信装置1502と、を備えている。
【0028】
注意喚起装置15のハードディスクなどの記憶装置71には、各機能のためのプログラム、および高精度の地図データ、などが記憶されている。注意喚起装置15の各処理は、演算処理装置70が、記憶装置71に記憶されたソフトウェアプログラム(Software Program)を実行し、通信装置16を介して他のハードウェアと協働することにより実現される。
【0029】
つぎに、実施の形態1による注意喚起装置の動作について説明する。図4は、実施の形態1による注意喚起装置の動作を説明するフローチャートである。図4に示すフローチャートの処理は、周期的に実行される。
【0030】
図4において、ステップS01では、車両100は、ロケータ10などを用いて検出した検出対象の情報と、検出対象の総数と、を情報送受信部151から受信する。つぎに、ステップS02において、ステップS01で受信された検出対象が、車両100の走行を阻害する検出対象であるか否かを判定し、その判定の結果、検出対象が車両100の走行を阻害する検出対象である場合(Y)は、ステップS03に進み、優先度判定部154による複数の検出対象の優先度を確認する。
【0031】
ステップS03による判定の結果、最も優先度の高い検出対象を確認し、ステップS04に進み、車両100が当該検出対象と衝突するか否かを判定し、車両100が当該検出対象と衝突すると判定した場合(Y)は、ステップS05に進み、車両100が当該検出対象と衝突しないと判定した場合(N)は、ステップS07に進む。ステップS05に進むと、情報送受信部151を介して、ナビゲーション装置11から走行対象との衝突を回避する走行ルートを受信し、ステップS06に進む。
【0032】
ステップS06に進むと、衝突すると判定された検出対象に対して、警告部153により音声もしくは警告灯により警告としての注意喚起を行ない、処理を終了する。ここで、注意喚起は、検出対象がとるべき行動を示す内容を含むものである。
【0033】
一方、ステップS04からステップS07に進むと、車両100は、車両100の自動運転による走行が正常であるか否かを判定し、自動運転による走行が正常であると判定した場合(Y)は、ステップS08に進み、自動運転による走行が正常でないと判定した場合(N)は、ステップS10へ進む。
【0034】
ステップS08に進むと、車両100は、障害物としての検出対象が止まっているか否かを判定し、障害物としての検出対象が止まっていないと判定した場合(N)は、ステップS06へ進み、警告部153により検出対象に対して、警告部153により音声もしくは警告灯により警告としての注意喚起を行なう。
【0035】
一方、ステップS08による判定の結果、障害物としての検出対象が止まっていると判定した場合(Y)は、ステップS09へ進み、車両100が進むべき走行経路をナビゲーション装置11から取得するとともに、ステップS06により警告部153により検出対象に対して、警告部153により音声もしくは警告灯により警告としての前述の注意喚起を行ない、処理を終了する。
【0036】
前述のステップS02での判定の結果、ステップS01で受信された検出対象が、車両100の走行を阻害する検出対象でない場合(N)は、ステップS10に進む。ステップS10では、車両100は、自動運転走行が正常に行なえるか否かを判定し、自動運転走行が正常に行なえないと判定した場合(Y)は、ステップS06に進み、警告部153により検出対象に対して、音声もしくは警告灯により警告としての前述注意喚起を行ない、処理を終了する。一方、ステップS10にて、自動運転走行が正常に行なえると判定した場合(N)は、処理を終了する。
【0037】
また、前述のステップS07での判定の結果、自動運転による走行が正常でないと判定した場合(N)は、ステップS10に進み、上記ステップS10による処理を行なう。
【0038】
以上述べた本願による注意喚起装置によれば、検出した検出対象の情報に基づいて、車両周辺の検出対象に対して車両の行先、緊急時の避けてほしい方向などの注意喚起をすることができる。
【0039】
実施の形態2.
つぎに、実施の形態2による注意喚起装置について説明する。実施の形態2による注意喚起装置は、基本的な構成及び処理は実施の形態1による注意喚起装置と同様である。実施の形態2による注意喚起装置では、優先度判定部により最も高く評価された検知物に対して、信号灯とスピーカだけでなく車両の車体に警告情報表示するように構成されている。これにより、音声による情報を周知できるだけでなく、視覚によっても警告情報を取得できるようになる。前述の図1図3は、実施の形態2にも適用される。
【0040】
実施の形態2による注意喚起装置を搭載する車両の車体は、実施の形態1における車両の車体とは異なる構成となっている。実施の形態2による注意喚起装置を搭載した自動運転される車両の車体の少なくとも一部分が、文字、記号、などを表示するための、電光板、又は液晶、による表示手段として構成されており、その車体の表示手段に、文字、映像などを表示することで、人、車両、などに注意喚起意を周知させることができる。なお、車体の表示手段による注意喚起の周知方法は、上記のように電光板、液晶、もしくは、それら以外の手段を用いてもよい。
【0041】
図5は、実施の形態2による注意喚起装置の構成を示す説明図である。実施の形態2による注意喚起装置15は、データ保存部155を備えている。また、注意喚起装置15における警告部153は、車両の車体の外面部に固定された表示部1533を備えている。その他の構成は、実施の形態1による注意喚起装置と同様である。
【0042】
データ保存部155は、車両100のセンサから取得した車両100の周辺の映像を保存するとともに、車両100が、その周辺の人、車両の操作員に、注意喚起を周知するための映像を事前に保存しておくことができる。
【0043】
優先度判定部154と判断部152とにより、優先度の高い検出対象の存在が判断された場合における車両100の周辺の状況と、データ保存部155に保存されている映像と、が合致した場合、データ保存部155に保存されている注意喚起を周知するための映像を表示部1533に表示する。表示部1533は、優先度の最も高い検出対象に対する注意喚起の内容を、文字もしくは映像を用いて車両100の車体に表示し、車両100の周辺の人もしくは車両の操作員に警告としての注意喚起を行なう。
【0044】
なお、データ保存部155に保存された車両の周辺の映像は、車両100の一日の稼働時間の終了後に、自動的に破棄してもよいし、数時間単位で自動的に破棄するようにしてもよい。
【0045】
図6は、実施の形態2による注意喚起装置における、表示部の表示例を示す模式図である。図6では、車両100の前部を概略平面図で示しており、車両100の前部に表示部1533を備えている。表示部1533は、文字で「・・・側に避けてください」との注意喚起を表示しており、車両100の進行方向の前方の周辺に存在する人もしくは車両の操作員に対し、注意喚起を行なうようにしている。
【0046】
車両100の周辺の人もしくは車両の操作員は、車両100の表示部1533に表示された注意喚起の文字列を見ることで、自身が取るべき行動を瞬時に把握し、その行動を行なうことができる。したがって、車両100は、支障なく走行することができる。
【0047】
また、上記のように、表示部1533に車両100の周辺に存在する検出対象に対して、当該検出対象が取るべき行動を示す注意喚起の文字列を表示するとともに、車両100の天井部に設置した音声部1531により、上記文字列と同様の内容の音声による注意喚起を発するようにしてもよい。あるいは、音声部1531と表示部1533とのうちの一方のみを使用してもよい。
【0048】
表示部1533は、車両100の前部に代えて、側部、もしくは後部に設けられていてもよい。音声部1531の車両100への設置個所は、車両100の天井部に限られるものではない。
【0049】
図7は、実施の形態2による注意喚起装置における、表示部の他の標示例を示す模式図である。図7では、表示部1533に、「黄色」と「黒色」とを交互に表示させた図柄を表示させ、その図柄の中央部に「Caution」の文字列を表示した例を示している。これにより、車両100の周辺に、車両100の存在をより明確に認識させることができる。
【0050】
なお、「黄色」と「黒色」とを交互に表示させた図柄を表示した車体に、表示部1533を配置し、その表示部1533に、「Caution」などの文字列のみを表示させるようにしてもよい。
【0051】
さらに、車両100の車体の前部もしくは側部、又はそれらの双方に、表示部1533を配置し、当該表示部1533に文字、映像を表示するようにしてもよい。その表示部1533に表示する映像は、たとえば、車両100の周辺に存在する人、車両の操作員などの検出対象が、車両100を避けるための方向を示す周辺映像であってもよい。この周辺映像を表示部1533に表示するときは、「・・・方向に避けてください」、あるいは「・・・方向に移動するので、・・・方向へ移動してください」などの音声を音声部1531のスピーカから発声させるようにしてもよい
【0052】
つぎに、実施の形態2による注意喚起装置の動作を説明する。図8は、実施の形態2による注意喚起装置の動作を説明するフローチャートである。図8に示すフローチャートの処理は、周期的に実行される。
【0053】
図4において、ステップS21では、車両100は、ロケータ10などを用いて検出した検出対象の情報と、検出対象の総数と、を情報送受信部151から受信する。つぎに、ステップS22において、ステップS21で受信された検出対象が、車両100の走行を阻害する検出対象であるか否かを判定し、その判定の結果、検出対象が車両100の走行を阻害する検出対象である場合(Y)は、ステップS23に進み、優先度判定部154による複数の検出対象の優先度を確認する。
【0054】
ステップS23による判定の結果、最も優先度の高い検出対象を確認し、ステップS24に進み、車両100が当該検出対象と衝突するか否かを判定し、車両100が当該検出対象と衝突すると判定した場合(Y)は、ステップS25に進み、車両100が当該検出対象と衝突しないと判定した場合(N)は、ステップS27に進む。ステップS25に進むと、情報送受信部151を介して、ナビゲーション装置11から走行対象との衝突を回避する走行ルートを受信し、ステップS26に進む。
【0055】
ステップS26に進むと、衝突すると判定された検出対象に対して、警告部153により、音声部1531、警告灯部1532、表示部1533のうちの少なくとも一つにより、たとえば、前述の図6図7に示すように警告としての注意喚起を行ない、処理を終了する。
【0056】
一方、ステップS24からステップS27に進むと、車両100は、車両100の自動運転による走行が正常であるか否かを判定し、自動運転による走行が正常であると判定した場合(Y)は、ステップS28に進み、自動運転による走行が正常でないと判定した場合(N)は、ステップS210へ進む。
【0057】
ステップS28に進むと、車両100は、障害物としての検出対象が止まっているか否かを確認し、障害物としての検出対象が止まっていないと判定した場合(N)は、ステップS26へ進み、警告部153により検出対象に対して、音声部1531、警告灯部1532、表示部1533のうちの少なくとも一つにより、たとえば、前述の図6図7に示すように警告としての注意喚起を行なう。
【0058】
一方、ステップS28による判定の結果、障害物としての検出対象が止まっていると判定した場合(Y)は、ステップS29へ進み、車両100が進むべき走行経路をナビゲーション装置11から取得するとともに、ステップS26に進み、警告部153により検出対象に対して、音声部1531、警告灯部1532、表示部1533のうちの少なくとも一つにより、たとえば、前述の図6図7に示すように警告としての注意喚起を行ない、処理を終了する。
【0059】
前述のステップS22での判定の結果、ステップS21で受信された検出対象が、車両100の走行を阻害する検出対象でない場合(N)は、ステップS210に進む。ステップS210では、車両100は、自動運転走行が正常に行なえるか否かを判定し、自動運転走行が正常に行なえないと判定した場合(Y)は、ステップS06に進み、警告部153により検出対象に対して、音声部1531、警告灯部1532、表示部1533のうちの少なくとも一つにより、たとえば、前述の図6図7に示すように警告、注意喚起を行ない、処理を終了する。一方、ステップS210にて、自動運転走行が正常に行なえると判定した場合(N)は、処理を終了する。
【0060】
また、前述のステップS27での判定の結果、自動運転による走行が正常でないと判定した場合(N)は、ステップS210に進み、上記ステップS210以降の処理を行なう。
【0061】
以上述べた本願による実施の形態2による注意喚起装置によれば、検出した検出対象の情報に基づいて、車両周辺の検出対象に対して車両の行先、緊急時の避けてほしい方向などの注意喚起をすることができる。
【0062】
実施の形態3.
つぎに、実施の形態3による注意喚起システムについて説明する。図9は、実施の形態3による注意喚起システムの構成を示す概略構成図である。図9において、注意喚起システム200は、通信機能を有する複数の設置物201と、複数の基地局202と、車両100と、を備えている。通信機能を有する複数の設置物201と、車両100と、は複数の基地局202を介してネットワーク網203に接続されており、相互に通信可能に構成されている。
【0063】
ネットワーク網203は、たとえば、バックボーン(backbone)とも称され、いわゆる情報通信網の中核部分としてのコアネットワークである。あるいは、ネットワーク網203は、たとえば、インターネットもしくは無線LAN(Local Area Network)などの無線通信網、又は、インターネットと無線通信網と、の組合せからなる。
【0064】
通信機能を有する複数の設置物201は、たとえば、道路に設置されたバリケード、あるいはガードレールなどにより構成され、スピーカ手段を備えている。図10は、実施の形態3による注意喚起システムにおける、設置物の例を示す模式図である。図10において、設置物201は、道路に設置されているバリケードにより構成されており、その一部の部位に、通信手段2011と、スピーカ手段2012と、を備えている。
【0065】
図11は、実施の形態3による注意喚起システムにおける、設置物の別の例を示す模式図である。図11において、設置物201は、道路に設置されているガードレールにより構成されており、その一部の部位に、通信手段2011と、スピーカ手段2012と、を備えている。
【0066】
図10、又は図11に示される設置物201は、図9に示す車両100から送信された音声情報を通信手段2011により受信すると、スピーカ手段2012から音声を出力する。
【0067】
車両100は、無線通信により、複数の基地局202のうちの何れかの基地局202に接続される。複数の基地局202は、車両100が移動可能な範囲の道路を網羅できるように、複数の地点に分散して設けられている。それぞれの基地局202は、たとえば、第4世代移動通信システムである4G、第5世代移動通信システムである5G、などのセルラー方式の無線通信の規格を用いて、通信圏内に存在する車両100と無線通信を行う無線局である。ここで、セルラー方式とは、周知のように、エリアをあらかじめ定められた一定の区画(セル)に分割し、各セルに基地局を配置する無線通信方式を意味している。
【0068】
つぎに、実施の形態3による注意喚起システムに用いられる車両100の詳細について説明する。図12は、実施の形態3による注意喚起システムにおける、車両の構成を示すブロック図である。図12において、車両100は、通信装置16と、アンテナ17と、注意喚起装置15と、を備えている。車両100は、このほかに、前述の実施の形態1における図1に示す車両100と同一の構成物を備えているが、通信装置16、アンテナ17、および注意喚起装置15、以外の他の構成物は、実施の形態1における車両と同一であり、それらの説明は省略する。
【0069】
通信装置16は、アンテナ17を用いて、通信圏内に存在する基地局202と無線通信を行い、車両管理サーバ(図示せず)との間で情報の通信を行う。なお、通信装置16は、通信圏内に存在する他の車両との間で通信可能に構成されていてもよい。
【0070】
つぎに、実施の形態3による注意喚起システムにおける、車両の注意喚起装置15について説明する。図13は、実施の形態3による注意喚起システムにおける、車両の注意喚起装置の構成を示すブロック図である。図13において、通信部156は、ネットワーク網203に接続されており、ネットワーク網203、および基地局202を介して、通信機能を有する設置物201と通信を行うことができる。
【0071】
車両100が優先度の高い注意喚起としての警告を行う場合に使用する音声情報を、ネットワーク網203を通じて設置物201の通信手段2011へ送信することで、設置物201の付近を歩いている人、設置物201の付近に駐車している車両の操作員に対して、設置物201のスピーカ手段2012により注意喚起を行うことができる。これにより車両100の周辺の他の音が大きく、車両100の音声部1531による注意喚起の音が聞こえ難い場合でも, 設置物201のスピーカ手段2012により周知を行うことができる。
【0072】
注意喚起装置15における警告部153は、警告灯部1532と、音声部1531と、車体射影部1534と、を備えている。警告灯部1532と、音声部1531とは、実施の形態1および実施の形態2による注意喚起装置の警告灯部1532と音声部1531とに対応し、それらと同一の構成である。
【0073】
つぎに、実施の形態3による注意喚起システムにおける、車両の注意喚起装置の動作を説明する。図14は、実施の形態3による注意喚起システムにおける、車両の注意喚起装置の動作を説明するフローチャートである。図14に示すフローチャートの処理は、周期的に実行される。
【0074】
図14において、ステップS31では、車両100は、ロケータ10などを用いて検出した検出対象の情報と、検出対象の総数と、を情報送受信部151から受信する。つぎに、ステップS32において、ステップS31で受信された検出対象が、車両100の走行を阻害する検出対象であるか否かを判定し、その確認の結果、当該検出対象が車両100の走行を阻害する検出対象である場合(Y)は、ステップS33に進み、優先度判定部154による複数の検出対象の優先度を確認する。
【0075】
ステップS33で確認した結果、最も優先度の高い検出対象が車両の走行を阻害する検出対象である場合は、ステップS34に進み、車両100が当該検出対象と衝突するか否かを判定し、車両100が当該検出対象と衝突すると判定した場合(Y)は、ステップS35に進み、車両100が当該検出対象と衝突しないと判定した場合(N)は、ステップS38に進む。ステップS35に進むと、情報送受信部151を介して、ナビゲーション装置11から、上記走行対象との衝突を回避する走行ルートを受信し、ステップS36に進む。
【0076】
ステップS36に進むと、優先度に基づいた音声情報を通信機能を有する設置物201へ送信する。つぎに、ステップS37では、優先度に基づいた情報、たとえば、衝突すると判定された検出対象に対して警告としての前述の注意喚起を行ない、処理を終了する。ステップS37での警告としての注意喚起は、警告部153における音声部1531、警告灯部1532、車体射影部1534のうちの少なくとも一つにより、たとえば、前述の図6図7に示すように警告としての注意喚起を行なうとともに、設置物201に設けられたスピーカ手段2012を用いて行われる。
【0077】
前述のステップS32での判定の結果、ステップS31で受信された検出対象が、車両100の走行を阻害する検出対象でない場合(N)は、ステップS311に進む。ステップS311では、車両100は、自動運転走行が正常に行なえるか否かを判定し、自動運転走行が正常に行なえないと判定した場合(Y)は、ステップS36に進み、前述の優先度に基づいた音声情報を通信機能を有する設置物201へ送信する。
【0078】
つぎに、ステップS37では、優先度に基づいた情報、たとえば、衝突すると判定された検出対象に対して、警告としての注意喚起を行ない、処理を終了する。ステップS37での警告としての注意喚起は、警告部153における音声部1531、警告灯部1532、車体射影部1534のうちの少なくとも一つにより、たとえば、前述の図6図7に示すように警告としての注意喚起を行なうとともに、設置物201に設けられたスピーカ手段2012を用いて行われる。
【0079】
一方、ステップS34からステップS38に進むと、車両100は、車両100の自動運転による走行が正常であるか否かを判定し、自動運転による走行が正常であると判定した場合(Y)は、ステップS39に進み、自動運転による走行が正常でないと判定した場合(N)は、ステップS311へ進む。
【0080】
ステップS39に進むと、車両100は、障害物としての検出対象が止まっているか否かを確認し、障害物としての検出対象が止まっていないと判定した場合(N)は、ステップS36へ進み、優先度に基づいた音声情報を通信機能を有する設置物201へ送信する。
【0081】
つぎに、ステップS37では、優先度に基づいた情報、たとえば、衝突すると判定された検出対象に対して、警告としての注意喚起を行ない、処理を終了する。ステップS37での警告としての注意喚起は、警告部153における音声部1531、警告灯部1532、車体射影部1534のうちの少なくとも一つにより、たとえば、前述の図6図7に示すように警告、注意喚起を行なうとともに、設置物201に設けられたスピーカ手段2012を用いて行われる。
【0082】
一方、ステップS39による判定の結果、障害物としての検出対象が止まっていると判定した場合(Y)は、S310へ進み、車両100が進むべき走行経路をナビゲーション装置11から取得し、つぎに、ステップS36に進み、優先度に基づいた音声情報を通信機能を有する設置物201へ送信し、ステップS37に進む。ステップS37では、前述の注意喚起の動作を行なう。
【0083】
前述のステップS38での判定の結果、車両100の自動運転による走行が正常でないと判定され(N)、ステップS311へ進むと、自動運転走行が正常に行なえるか否かを判定し、自動運転走行が正常に行なえないと判定した場合(Y)は、ステップS36に進み、優先度に基づいた音声情報を通信機能を有する設置物201へ送信する。つぎに、ステップS37では、前述の注意喚起の動作を行ない、処理を終了する。ステップS311での判定の結果、自動運転走行が正常に行なえると判定された場合(N)は、処理を終了する。
【0084】
以上述べた本願による実施の形態3による注意喚起システムによれば、検出した検出対象の情報に基づいて、車両周辺の検出対象に対して車両の行先、緊急時の避けてほしい方向などの注意喚起をすることができる。
【0085】
本願の実施の形態による注意喚起装置、および注意喚起システムによれば、検出した情報に基づいて、車両周辺の人、車両などの検出対象に対して、車両の行先、緊急時の避けてほしい方向などの注意喚起をすることができる。そして、車両で検知出対象が走行経路上に存在するか、検知出対象と接触する可能性があるのかを、優先度に基づき判断する。この優先度には、衝突回避、走行経路からの移動、停止、事前連絡、などがある。また、優先度の高さは、[衝突回避>走行経路からの移動>停止>事前連絡]、とする。これにより車両周辺の人、車両の操作員、などに注意喚起を周知するだけでなく、車両と検出対象との間の健全な関係を高めることができる。
【0086】
本願は、様々な例示的な実施の形態が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、又は様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。たとえば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【0087】
つぎに、本願に開示した注意喚起装置、および注意喚起システムの態様を、以下に付記として記載する。
(付記1)
車両に設けられ、前記車両の車載ネットワークを通じて、前記車両の車両情報の送受信を行う情報送受信部と、
前記車両に設けられ、センサにより取得した情報に基づいて、前記車両の外部に存在する検出対象を検出する判断部と、
前記車両に設けられ、前記車両の外部に注意喚起を行なう警告部と、
を備え、
前記判断部が前記検出対象を検出したとき、
前記警告部は、前記検出された検出対象がとるべき行動を示す内容を前記注意喚起に含ませる、ように構成されている、
ことを特徴とする注意喚起装置。
(付記2)
前記判断部は、前記車両の速度と、前記検出対象の位置および速度情報と、に基づいて、前記検出対象が前記車両に衝突する可能性があると判断したとき、前記検出対象が取るべき行動を含む指令を前記警告部に送信し、
前記警告部は、前記判断部からの前記指令に基づいて、前記検出対象がとるべき行動を前記注意喚起に含ませる、ように構成されている、
ことを特徴とする付記1に記載の注意喚起装置。
(付記3)
優先度判定部を備え、
前記優先度判定部は、前記判断部が複数の前記検出対象を検出したとき、前記複数の検出対象に対して前記注意喚起を行う優先度を判定し、
前記判断部は、優先度判定部により前記優先度が他の検出対象の優先度よりも高いと判定された検出対象を、前記警告部に通知するように構成されている、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の注意喚起装置。
(付記4)
前記優先度判定部は、前記検出された複数の前記検出対象のうち、前記車両により近い検出対象の前記優先度を、他の検出対象の優先度よりも高いと判定するように構成されている、
ことを特徴とする付記3に記載の注意喚起装置。
(付記5)
データ保存部を備え、
前記データ保存部は、前記センサにより取得した情報と、あらかじめ設定した文字列と、あらかじめ作成された映像と、のうちの少なくとも一つを保存し、
前記警告部は、前記データ保存部により保存された、前記センサにより取得した情報と、あらかじめ設定した文字列と、あらかじめ作成された映像と、のうちの少なくとも一つを用いて、前記注意喚起を行なうように構成れている、
ことを特徴とする付記1から4のうちのいずれか一つに記載の注意喚起装置。
(付記6)
前記車両に設けられたカメラセンサを備え、
前記警告部は、前記カメラセンサからの情報を用いて、前記優先度判定部により優先度が高いと判定された検出対象の周辺の映像を前記車両に表示するとともに、前記優先度が高いと判定されて前記検出対象が取るべき行動を前記映像に表示する、ように構成されている、
ことを特徴とする付記1から5のうちの何れかに一つに記載の注意喚起装置。
(付記7)
付記1から6のうちの何れか一つに記載の注意喚起装置は、通信部を備え、
前記通信部は、前記車両の外部に設けられている通信ネットワークを用いて、前記車両の外部に設けられた通信機能を有する設置物に情報を送信し、
前記警告部は、前記注意喚起を前記通信部と前記通信ネットワークを介して前記設置物に送信し、
前記設置物は、前記送信された前記注意喚起の少なくとも一部分を音声により、前記車両の外部に発生する、
ように構成されていることを特徴とする注意喚起システム。
【符号の説明】
【0088】
100 車両、1 動力機、2 動力制御装置、3 ブレーキ装置、
4 ブレーキ制御装置、5 電動操舵装置、6 操舵制御装置、7 方向指示器、
8 ライト制御装置、9 周辺監視処理装置、10 ロケータ、
11 ナビゲーション装置、12 ヒューマンインターフェイス、
13 スピーカ、14 ディスプレイ、15 注意喚起装置、
151 情報送受信部、152 判断部、153 警告部、154 優先度判定部、
155 データ保存部、156 通信部、1531 音声部、1532 警告灯部、
1533 表示部、1534 車体射影部、16 通信装置、
17 アンテナ、200 注意喚起システム、201 設置物、202 基地局、
203 ネットワーク網、2011 通信手段、2012 スピーカ手段、
202 基地局
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14