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特開2024-151416巻替え装置、フィルム成形装置及び巻替え方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151416
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】巻替え装置、フィルム成形装置及び巻替え方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 23/195 20060101AFI20241018BHJP
   B65H 18/00 20060101ALI20241018BHJP
   B65H 35/04 20060101ALI20241018BHJP
   B65H 19/22 20060101ALI20241018BHJP
   B29C 55/02 20060101ALI20241018BHJP
   B29C 55/14 20060101ALI20241018BHJP
   B65H 35/06 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B65H23/195
B65H18/00
B65H35/04
B65H19/22
B29C55/02
B29C55/14
B65H35/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064694
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】森上 雄太
(72)【発明者】
【氏名】内海 真一
(72)【発明者】
【氏名】吾郷 和宏
【テーマコード(参考)】
3F055
3F064
3F105
4F210
【Fターム(参考)】
3F055AA05
3F055CA01
3F064AA03
3F064CB06
3F064CB07
3F064CB08
3F105AA04
3F105BA27
3F105CA11
3F105DA02
3F105DB11
3F105DC13
4F210AG01
4F210AJ08
4F210QA02
4F210QC06
4F210QL16
4F210QL20
(57)【要約】
【課題】フィルムの巻替えを容易にすることができる巻替え装置、フィルム成形装置及び巻替え方法を提供する。
【解決手段】一実施の形態に係る巻替え装置は、ロール110と、カッター150と、ロール120と、を備え、ロール110は、カッター150よりも、下方に配置され、フィルムFLを下方に押すことによって、フィルムFLをロール120に接近させ、フィルムFLが破断した場合に、カッター150は、フィルムFLをロール110とロール120との間で切断し、切断されたフィルムFLは、ロール110の下方に配置されたスクラップワインダ500のロール510に巻かれる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延びた第1ロールと、
フィルムを切断する前記第1方向に延びたカッターと、
前記第1方向に延びた第2ロールと、
を備え、
前記第1ロールは、前記カッターよりも、前記第1方向に直交する第2方向における一方側に配置され、
前記第2ロールは、前記カッターよりも、前記第2方向における他方側に配置され、
前記第1ロール、前記カッター及び前記第2ロールは、前記第1ロールの前記第2方向における前記一方側から供給された前記フィルムを、前記第1ロールの前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向における一方側、前記カッターの前記第3方向における前記一方側、及び、前記第2ロールの前記第3方向における他方側を通って、前記第2ロールよりも前記第2方向における前記他方側に排出するように配置され、
前記第1ロールは、前記フィルムを前記第3方向における前記一方側に押すことによって、前記フィルムを前記第2ロールに接近させ、
前記フィルムが前記第2ロールよりも前記第2方向における前記他方側で破断した場合に、
前記カッターは、前記フィルムを前記第1ロールと前記第2ロールとの間で切断し、
切断された前記フィルムは、前記第1ロールの前記第3方向における前記一方側に配置されたスクラップワインダのワインダロールに巻かれる、
巻替え装置。
【請求項2】
前記フィルムの破断を検知する検知部をさらに備え、
前記検知部は、前記フィルムに生じる張力の変化、前記フィルムに照射した光の反射光または透過光の変化、及び、前記フィルムの画像の少なくともいずれかから、前記フィルムの前記破断を検知する、
請求項1に記載の巻替え装置。
【請求項3】
前記フィルムが巻かれた前記ワインダロールを含む前記スクラップワインダから取り外しが可能である、
請求項1に記載の巻替え装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の巻替え装置と、
前記巻替え装置の前記第2方向における前記一方側に位置した第1延伸装置と、
前記巻替え装置の前記第2方向における前記他方側に位置した第2延伸装置と、
を備え、
前記第1延伸装置から供給された前記フィルムは、前記巻替え装置を通って、前記第2延伸装置に供給される、
フィルム成形装置。
【請求項5】
第1方向に延びた第1ロールと、
フィルムを切断する前記第1方向に延びたカッターと、
前記第1方向に延びた第2ロールと、
を備え、
前記第1ロールは、前記カッターよりも、前記第1方向に直交する第2方向における一方側に配置され、
前記第2ロールは、前記カッターよりも、前記第2方向における他方側に配置された巻替え装置を用いた巻替え方法であって、
前記巻替え装置から排出された前記フィルムの破断を検知部で検知するステップと、
前記第1ロールの前記第2方向における前記一方側から供給された前記フィルムを、前記第1ロールの前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向における一方側、前記カッターの前記第3方向における前記一方側、及び、前記第2ロールの前記第3方向における他方側を通って、前記第2ロールよりも前記第2方向における前記他方側に排出させるステップと、
前記第1ロールが前記フィルムを前記第3方向における前記一方側に押すことによって、前記フィルムを前記第2ロールに接近させるステップと、
前記フィルムが、前記第2ロールよりも前記第2方向における前記他方側で破断した場合に、前記カッターに、前記フィルムを前記第1ロールと前記第2ロールとの間で切断させるステップと、
前記フィルムを、前記第1ロールの前記第3方向における前記一方側に配置されたスクラップワインダのワインダロールに巻替えるステップと、
を備え、
前記切断するステップにおいて、切断された前記フィルムは、前記ワインダロールに巻かれる、
巻替え方法。
【請求項6】
前記フィルムが巻かれた前記ワインダロールを含む前記スクラップワインダから前記巻替え装置を取り外すステップをさらに備えた、
請求項5に記載の巻替え方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、巻替え装置、フィルム成形装置及び巻替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、縦延伸装置及び横延伸装置が開示されている。フィルムは、縦延伸装置で縦方向に延伸された後に、横延伸装置で横方向に延伸されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-150454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
横延伸装置でフィルムが破断した場合には、スクラップワインダの紙管に手動でフィルムの巻替えを行う。したがって、作業員が駆けつけて巻替えるまでに時間を要する。その間にフィルムが横延伸装置内で滞留すると清掃に手間及び時間を要することになる。
【0005】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態に係る巻替え装置は、第1方向に延びた第1ロールと、フィルムを切断する前記第1方向に延びたカッターと、前記第1方向に延びた第2ロールと、を備え、前記第1ロールは、前記カッターよりも、前記第1方向に直交する第2方向における一方側に配置され、前記第2ロールは、前記カッターよりも、前記第2方向における他方側に配置され、前記第1ロール、前記カッター及び前記第2ロールは、前記第1ロールの前記第2方向における前記一方側から供給された前記フィルムを、前記第1ロールの前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向における一方側、前記カッターの前記第3方向における前記一方側、及び、前記第2ロールの前記第3方向における他方側を通って、前記第2ロールよりも前記第2方向における前記他方側に排出するように配置され、前記第1ロールは、前記フィルムを前記第3方向における前記一方側に押すことによって、前記フィルムを前記第2ロールに接近させ、前記フィルムが前記第2ロールよりも前記第2方向における前記他方側で破断した場合に、前記カッターは、前記フィルムを前記第1ロールと前記第2ロールとの間で切断し、切断された前記フィルムは、前記第1ロールの前記第3方向における前記一方側に配置されたスクラップワインダのワインダロールに巻かれる。
【0007】
一実施の形態に係るフィルム成形装置は、上記記載の巻替え装置と、前記巻替え装置の前記第2方向における前記一方側に位置した第1延伸装置と、前記巻替え装置の前記第2方向における前記他方側に位置した第2延伸装置と、を備え、前記第1延伸装置から供給された前記フィルムは、前記巻替え装置を通って、前記第2延伸装置に供給される。
【0008】
一実施の形態に係る巻替え方法は、第1方向に延びた第1ロールと、フィルムを切断する前記第1方向に延びたカッターと、前記第1方向に延びた第2ロールと、を備え、前記第1ロールは、前記カッターよりも、前記第1方向に直交する第2方向における一方側に配置され、前記第2ロールは、前記カッターよりも、前記第2方向における他方側に配置された巻替え装置を用いた巻替え方法であって、前記巻替え装置から排出された前記フィルムの破断を検知部で検知するステップと、前記第1ロールの前記第2方向における前記一方側から供給された前記フィルムを、前記第1ロールの前記第1方向及び前記第2方向に直交する第3方向における一方側、前記カッターの前記第3方向における前記一方側、及び、前記第2ロールの前記第3方向における他方側を通って、前記第2ロールよりも前記第2方向における前記他方側に排出させるステップと、前記第1ロールが前記フィルムを前記第3方向における前記一方側に押すことによって、前記フィルムを前記第2ロールに接近させるステップと、前記フィルムが、前記第2ロールよりも前記第2方向における前記他方側で破断した場合に、前記カッターに、前記フィルムを前記第1ロールと前記第2ロールとの間で切断させるステップと、前記フィルムを、前記第1ロールの前記第3方向における前記一方側に配置されたスクラップワインダのワインダロールに巻替えるステップと、を備え、前記切断するステップにおいて、切断された前記フィルムは、前記ワインダロールに巻かれる。
【発明の効果】
【0009】
前記一実施の形態によれば、フィルムの巻替えを容易にすることができる巻替え装置、フィルム成形装置及び巻替え方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1に係るフィルム成形装置を例示した模式図である。
図2】実施形態1に係る自動巻替え装置にスクラップワインダを組み合わせた構成を例示した模式図である。
図3】実施形態1に係る自動巻替え装置とスクラップワインダとを分離させた構成を例示した模式図である。
図4】実施形態1に係る自動巻替え装置の構成を例示した模式図である。
図5】実施形態1に係る自動巻替え装置にフィルムを通した構成を例示した模式図である。
図6】実施形態1に係る自動巻替え装置にフィルムをセットした成形時の構成を例示した模式図である。
図7】実施形態1に係る自動巻替え装置において、フィルムの破断を検知した場合の構成を例示した模式図である。
図8】実施形態1に係る自動巻替え装置において、スクラップワインダの仮巻きの構成を例示した模式図である。
図9】実施形態1に係る自動巻替え装置において、フィルムの破断を検知する検知部を例示した模式図である。
図10】実施形態1に係る自動巻替え装置を用いたフィルムの巻替え方法を例示したフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0012】
(実施形態1)
実施形態1に係る自動巻替え装置及びフィルム成形装置を説明する。図1は、実施形態1に係るフィルム成形装置を例示した模式図である。図1に示すように、フィルム成形装置1は、自動巻替え装置100、縦延伸装置200及び横延伸装置300を備えている。自動巻替え装置100は、縦延伸装置200と横延伸装置300との間に配置されている。したがって、フィルム成形装置1において、縦延伸装置200、自動巻替え装置100及び横延伸装置300は、この順に一列に並んで配置されている。
【0013】
フィルム成形装置1は、縦延伸装置200によってフィルムFLを縦方向に延伸し、横延伸装置300によってフィルムFLを横方向に延伸する。図において、縦延伸装置200、自動巻替え装置100及び横延伸装置300が並ぶY軸方向がフィルムFLの縦方向に相当し、縦方向に直交するX軸方向がフィルムFLの横方向に相当する。フィルム成形装置1に供給されるフィルムFLは、押出機401から押し出された材料をキャストロール402によって平らに延伸されることにより供給されてもよい。フィルム成形装置1で延伸されたフィルムFLは、引き巻取機403に巻き取られてもよい。
【0014】
このように、フィルム成形装置1は、自動巻替え装置100と、自動巻替え装置100の-Y軸方向側に位置した縦延伸装置200と、自動巻替え装置100の+Y軸方向側に位置した横延伸装置300と、を備える。縦延伸装置200から供給されたフィルムFLは、自動巻替え装置100を通って、横延伸装置300に供給される。これにより、フィルム成形装置1は、延伸されたフィルムFLを成形する。
【0015】
次に、自動巻替え装置100を説明する。図2は、実施形態1に係る自動巻替え装置100にスクラップワインダ500を組み合わせた構成を例示した模式図である。図3は、実施形態1に係る自動巻替え装置100とスクラップワインダ500とを分離させた構成を例示した模式図である。図4は、実施形態1に係る自動巻替え装置100の構成を例示した模式図である。図4では、スクラップワインダ500について、ロール510のみ示している。スクラップワインダ500のロール510を、ワインダロールと呼ぶ場合もある。
【0016】
図2図4に示すように、自動巻替え装置100は、スクラップワインダ500と組み合わされて用いられてもよい。自動巻替え装置100は、フィルムFLが破断した場合に、スクラップワインダ500のロール510にフィルムFLを自動で巻替えを行うことができる。自動巻替え装置100を、単に、巻替え装置と呼ぶ場合がある。自動巻替え装置100は、ロール110、ロール120、ロール130、ロール140、及び、カッター150を備えている。
【0017】
ロール110~140は、例えば、円筒状である。ロール110~140は、それぞれ、中心軸を有している。ロール110~140は、それぞれ、各中心軸を回転軸として回転する。
【0018】
ここで、自動巻替え装置100を説明する上での便宜のために、XYZ直交座標軸系を導入する。ロール110~140の各中心軸が延びる方向をX軸方向とし、X軸方向に直交する2つの方向をY軸方向及びZ軸方向とする。例えば、+Z軸方向を上方とし、-Z軸方向を下方とする。また、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向を、それぞれ、第1方向、第2方向及び第3方向と呼ぶ場合がある。-X軸方向側、-Y軸方向側及び-Z軸方向側の少なくともいずれかを一方側と呼び、+X軸方向側、+Y軸方向側及び+Z軸方向側の少なくともいずれかを他方側と呼ぶ場合がある。逆に、-X軸方向側、-Y軸方向側及び-Z軸方向側の少なくともいずれかを他方側と呼び、+X軸方向側、+Y軸方向側及び+Z軸方向側の少なくともいずれかを一方側と呼んでもよい。なお、上方及び下方は、説明の便宜のための方向であり、自動巻替え装置100が実際に配置される方向を限定するものではない。
【0019】
ロール110~140は、X軸方向に延びている。ロール110~140は、それぞれ、X軸方向に延びた中心軸を有し、中心軸の周りで回転する。なお、ロール110~140は、フィルムFLをスムーズに移動させることができれば、必ずしも中心軸の周りで回転しなくてもよい。
【0020】
ロール130は、ロール110、ロール120、ロール140、カッター150及びロール510よりも-Y軸方向側に配置されている。ロール130は、ロール510よりも+Z軸方向側に配置されている。ロール130は、ロール120よりも+Z軸方向側に配置されてもよい。
【0021】
ロール110は、ロール130よりも+Y軸方向側に配置されている。ロール110は、ロール120、ロール140及びカッター150よりも-Y軸方向側に配置されている。ロール110は、ロール510よりも-Y軸方向側に配置されてもよい。ロール110は、Z軸方向に移動可能に配置されている。ロール110は、フィルムFLを装置に通した場合に、ロール130及びロール140よりも+Z軸方向側に配置されもよい。ロール110は、フィルムFLの成形時に、ロール130及びロール140よりも-Z軸方向側に配置されもよい。また、ロール110は、フィルムFLの成形時に、ロール120よりも-Z軸方向側に配置されもよい。なお、ロール110は、フィルムFLを通した時及び成形時に、ロール510よりも+Z軸方向側に配置されもよい。
【0022】
ロール120は、ロール110、ロール130及びカッター150よりも+Y軸方向側に配置されている。ロール120は、ロール140よりも-Y軸方向側に配置されている。ロール120は、Y軸方向及びZ軸方向の少なくとも何れかに移動可能でもよい。例えば、自動巻替え装置100からスクラップワインダ500を移動させる場合には、移動の邪魔にならないように、ロール120をロール510から離してもよい。ロール120は、ロール130及びロール140よりも-Z軸方向側に配置されもよい。ロール120は、ロール510よりも+Z軸方向側に配置されもよい。
【0023】
ロール140は、ロール110、ロール120、ロール130、カッター150及びロール510よりも+Y軸方向側に配置されている。ロール140は、ロール510よりも+Z軸方向側に配置されている。ロール140は、ロール120よりも+Z軸方向側に配置されてもよい。
【0024】
ロール510は、ロール130よりも+Y軸方向側に配置されている。ロール510は、ロール110よりも+Y軸方向側に配置されてもよい。ロール510は、ロール140よりも-Y軸方向側に配置されている。ロール510は、ロール120よりも-Y軸方向側に配置されてもよい。ロール510は、ロール130及びロール140よりも-Z軸方向側に配置されている。
【0025】
カッター150は、X軸方向に延びている。カッター150は、ロール130及びロール110よりも+Y軸方向側に配置されている。カッター150は、ロール120及びロール140よりも-Y軸方向側に配置されている。カッター150は、ロール510よりも+Y軸方向側に配置されてもよい。カッター150は、Z軸方向に移動可能に配置されている。カッター150の-Z軸方向側は、刃となっている。カッター150は、フィルムを切断する。カッター150は、例えば、ギロチンカッターでもよい。
【0026】
次に、自動巻替え装置100にフィルムFLを通した場合の構成を説明する。図5は、実施形態1に係る自動巻替え装置100にフィルムFLを通した構成を例示した模式図である。図5に示すように、ロール110、ロール120、ロール130、ロール140及びカッター150は、ロール130の-Y軸方向側から(すなわち、ロール110の-Y軸方向側から)供給されたフィルムFLを、ロール130の+Z軸方向側、ロール110の-Z軸方向側、カッター150の-Z軸方向側、ロール120の+Z軸方向側、及び、ロール140の+Z軸方向側を通って、ロール140よりも+Y軸方向側に(すなわち、ロール120よりも+Y軸方向側に)排出するように配置されている。
【0027】
次に、自動巻替え装置100にフィルムFLをセットした成形時の場合の構成を説明する。図6は、実施形態1に係る自動巻替え装置100にフィルムFLをセットした成形時の構成を例示した模式図である。図6に示すように、成形時には、ロール110は、-Z軸方向に降下し、ロール130及びロール140よりも、-Z軸方向側に配置され、フィルムFLを-Z軸方向側に押す。ロール110は、このように、フィルムFLを-Z軸方向に押すことによって、フィルムFLに張力を生じさせてもよい。ロール110は、フィルムFLを-Z軸方向に押すことによって、フィルムFLをロール120に接近させる。例えば、ロール110は、ロール120との間にフィルムFLを挟んでもよい。また、ロール110は、スクラップワインダ500のロール510との間に、フィルムFLを挟んでもよい。このような状態で、自動巻替え装置100は、縦延伸装置200から供給されたフィルムFLを、横延伸装置300へ排出する。このようにして、フィルム成形装置1は、フィルムFLをセットし、フィルムFLを成形させる。
【0028】
次に、フィルムFLが破断した場合の構成を説明する。図7は、実施形態1に係る自動巻替え装置100において、フィルムFLの破断を検知した場合の構成を例示した模式図である。図7に示すように、フィルムFLがロール140よりも+Y軸方向側で破断した場合(すなわち、ロール120よりも+Y軸方向側で破断した場合)、具体的には、フィルムFLが横延伸装置300で破断した場合に、カッター150は、フィルムFLをロール110とロール120との間で切断する。例えば、カッター150は、-Z軸方向に落下して、フィルムFLを切断する。ロール120は、カッター150がフィルムFLを切断する際に、フィルムFLを抑えてもよい。切断されたフィルムFLは、ロール110の-Z軸方向側に配置されたスクラップワインダ500のロール510に巻かれる。例えば、切断されたフィルムFLは、スクラップワインダ500のロール510に巻きつく。つまり、ロール110によって、フィルムFLに張力が生じているので、フィルムFLがロール110とロール120との間で切断されると、切断されたフィルムFLは、張力の作用でロール510に巻き付く。
【0029】
切断されたフィルムFLは、張力の作用でロール510に巻き付いてもよいし、スクラップワインダ500のロール510にあらかじめ準備された貼り付け用テープによってロール510に巻き付いてもよい。また、切断されたフィルムFLは、静電気を帯びてもよいし、その静電気により、ロール510に巻き付いてもよい。
【0030】
次に、スクラップワインダ500の仮巻きを説明する。図8は、実施形態1に係る自動巻替え装置100において、スクラップワインダ500の仮巻きの構成を例示した模式図である。図8に示すように、スクラップワインダ500のロール510は、カッター150で切断されたフィルムFLを巻き付け、そのまま、縦延伸装置200から供給されるフィルムFLを巻き続ける。この場合に、ロール110及びカッター150は、+Z軸方向に移動する。横延伸装置300内で破断したフィルムFLを横延伸装置300から排除して、新たに、フィルムFLを横延伸装置300に供給するまで、縦延伸装置200から供給されるフィルムFLをスクラップワインダ500のロール510に巻くことを仮巻きと呼ぶ。
【0031】
破断されたフィルムFLを横延伸装置300から排除して、新たに、フィルムFLを横延伸装置300に供給する場合には、図3に示したように、仮巻きのフィルムFLが巻かれたロール510を含むスクラップワインダ500を、自動巻替え装置100から取り外す。言い換えれば、自動巻替え装置100は、フィルムFLが巻かれたロール510を含むスクラップワインダ500から取り外しが可能である。そして、図5に示したように、自動巻替え装置100に新たにフィルムFLを通す。
【0032】
図9は、実施形態1に係る自動巻替え装置100において、フィルムFLの破断を検知する検知部160を例示した模式図である。図9に示すように、自動巻替え装置100は、フィルムFLの破断を検知する検知部160をさらに備えてもよい。検知部160は、ロール140よりも+Y軸方向側、具体的には、横延伸装置300に設置されてもよい。
【0033】
検知部160は、フィルムFLに生じる張力の変化を検知してもよい。例えば、横延伸装置300は、フィルムFLをX軸方向に延伸させるために、フィルムFLのX軸方向の両端を保持するクリップを有している。検知部160は、クリップに加わる張力をモニタすることにより、フィルムFLの破断を検知することができる。例えば、フィルムFLが破断した場合には、張力が減少するので、検知部160は、フィルムFLの破断を検知することができる。
【0034】
また、検知部160は、フィルムFLに照射した光の反射光または透過光の変化を検知してもよい。例えば、横延伸装置300は、フィルムFLに光を照射する照明と、光がフィルムFLで反射した反射光または光がフィルムFLを透過した透過光を検知する測定器を有してもよい。検知部160は、測定器が測定する反射光または透過光の光量をモニタすることにより、フィルムFLの破断を検知することができる。
【0035】
さらに、検知部160は、フィルムFLの画像を検知してもよい。例えば、横延伸装置300は、フィルムFLを撮影するカメラを有している。検知部160は、映像におけるフィルムFLの形状の変化をモニタすることにより、フィルムFLの破断を検知することができる。
【0036】
次に、自動巻替え装置100の動作として、自動巻替え装置100を用いたフィルムFLの巻替え方法を説明する。図10は、実施形態1に係る自動巻替え装置100を用いたフィルムFLの巻替え方法を例示したフローチャート図である。
【0037】
図10のステップS11及び図9に示すように、検知部160の検知を開始する。具体的には、自動巻替え装置100から排出されたフィルムFLの破断を検知部160で検知する。なお、ステップS11は、ステップS13の前であれば、ステップS12の後に行ってもよいし、ステップS12と同時に行ってもよい。
【0038】
次に、図10のステップS12及び図5に示すように、フィルムFLを自動巻替え装置100に通す。具体的には、ロール130の-Y軸方向側から供給されたフィルムFLを、ロール130の+Z軸方向側、ロール110の-Z軸方向側、カッター150の-Z軸方向側、ロール120の+Z軸方向側、及び、ロール140の+Z軸方向側を通って、ロール140よりも+Y軸方向側に排出させる。これにより、縦延伸装置200から供給されたフィルムFLを、自動巻替え装置100を通って、横延伸装置300に供給する。
【0039】
次に、図10のステップS13及び図6に示すように、フィルムFLを自動巻替え装置100にセットしてフィルムFLの成形を開始させる。具体的には、ロール110を、ロール130及びロール140よりも、-Z軸方向側に配置し、ロール110がフィルムFLを-Z軸方向側に押すことによって、フィルムFLをロール120に接近させる。フィルムFLを-Z軸方向側に押すことによって、フィルムFLに張力を生じさせてもよい。このような状態で、フィルムFLの成形を開始させる。
【0040】
次に、図10のステップS14に示すように、フィルムFLの成形を終了するか判断する。フィルムFLの成形を終了する場合(ステップS14のYES)には、フィルムFLの成形を終了する。一方、フィルムFLの成形を継続させる場合(ステップS14のNO)には、図10のステップS15に示すように、フィルムFLが破断したか判断する。
【0041】
検知部160がフィルムFLの破断を検知していない場合(ステップS15のNO)には、ステップS14及びステップS15を繰り返す。一方、検知部160がフィルムFLの破断を検知した場合(ステップS15のYES)には、図10のステップS16及び図7に示すように、カッター150は、フィルムFLをロール110とロール120との間で切断する。切断されたフィルムFLは、スクラップワインダ500のロール510に巻かれる。例えば、切断されたフィルムFLは、張力、貼り付け用テープ及び静電気等により、スクラップワインダ500のロール510に巻きつく。
【0042】
次に、図10のステップS17及び図8に示すように、フィルムFLを、ロール110の-Z軸方向側に配置されたスクラップワインダ500のロール510に巻替え、仮巻きする。
【0043】
次に、図10のステップS18及び図3に示すように、フィルムFLが巻かれたロール510を含むスクラップワインダ500から自動巻替え装置100を取り外す。例えば、横延伸装置300内で破断したフィルムFLを取り除き、新たに、フィルムFLの成形を行う場合には、スクラップワインダ500を自動巻替え装置100から取り外すこともできる。
【0044】
次に、図10のステップS19に示すように、フィルムの成形を終了するか判断する。フィルムFLの成形を終了する場合(ステップS19のYES)には、終了する。一方、フィルムFLの成形を継続させる場合(ステップS19のNO)には、図10のステップS12に示すように、フィルムFLに自動巻替え装置100を通す。そして、フィルムFLの成形を継続させる。
【0045】
次に、本実施形態の効果を説明する。本実施形態の自動巻替え装置100は、横延伸装置300において、フィルムFLの破断を検知した場合に、フィルムFLを切断し、切断されたフィルムFLを自動でスクラップワインダ500のロール510に巻き付ける。よって、フィルムFLの破断時に即時にスクラップワインダ500のロール510に巻替えることができ、横延伸装置300内で滞留するフィルムFLを低減させることができる。
【0046】
また、自動巻替え装置100は、スクラップワインダ500を組み込むことができるとともに、スクラップワインダ500を取り外すこともできる。よって、破断時にカッター150で切断したフィルムFLをスクラップワインダ500に即座に巻き付けることができるとともに、仮巻きしたスクラップワインダ500を取り外すことができる。
【0047】
検知部160は、フィルムFLに生じる張力の変化、フィルムFLに照射した光の反射光または透過光の変化、及び、フィルムFLの画像等、フィルムFLの特性に合わせた検知方法を用いることができ、高精度にフィルムFLの破断を検知することができる。
【0048】
なお、本開示は、上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述した説明では、+Z軸方向を上方とし、-Z軸方向を下方としたが、上下逆の構成としてもよい。例えば、ロール110、ロール120、ロール130及びロール140は、ロール130の-Y軸方向側から供給されたフィルムFLを、ロール130の上方側、ロール110の下方側、ロール120の上方側、及び、ロール140の上方側を通って、ロール140よりも+Y軸方向側に排出するように配置されるとしてもよいし、ロール130の下方側、ロール110の上方側、ロール120の下方側、及び、ロール140の下方側を通って、ロール140よりも+Y軸方向側に排出するように配置されてもよい。そして、この場合には、ロール110は、ロール130及びロール140よりも上方に配置され、フィルムFLを上方に押すことにより、フィルムFLに張力を生じさせてもよい。また、カッター150は、上方に移動してフィルムFLを切断してもよいし、下方に移動してフィルムFLを切断してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 フィルム成形装置
100 自動巻替え装置
110 ロール
120 ロール
130 ロール
140 ロール
150 カッター
160 検知部
200 縦延伸装置
300 横延伸装置
401 押出機
402 キャストロール
403 引き巻取機
500 スクラップワインダ
510 ロール
FL フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10