(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151438
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】発電船
(51)【国際特許分類】
B63B 35/00 20200101AFI20241018BHJP
B63B 1/32 20060101ALI20241018BHJP
B63B 39/04 20060101ALI20241018BHJP
F03B 13/26 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B63B35/00 T
B63B1/32 C
B63B39/04
F03B13/26
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064754
(22)【出願日】2023-04-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】505209924
【氏名又は名称】内田 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100091904
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 重雄
(72)【発明者】
【氏名】内田 正治
【テーマコード(参考)】
3H074
【Fターム(参考)】
3H074AA08
3H074AA12
3H074BB11
3H074CC11
(57)【要約】
【課題】船体の安定と、バラストハウジングの補強と、発電効率の向上とを発揮しうる発電船を提供する。
【解決手段】バラストハウジング2は、このバラストハウジング2内において水平方向に海流を通過させる流入口23と流出口24とを有する。発電装置3の主軸31の一端は平坦な船底11に取り付けられ、他端はバラストハウジング2の平坦な底部21に取り付けられる。主軸31は船底11及び底部21の強度を補強する。羽根33は、海流誘導壁34によって制御された海流を受けて海流の力により回転体32を回転させる。海流誘導壁34の一端は船底11に取り付けられ、他端はバラストハウジング2の底部21に取り付けられる。海流誘導壁34は、船底11及び底部21の強度を補強する。バラストハウジング2内に流入した海流により、船本体1の姿勢が安定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船本体とバラストハウジングと発電装置とを備えており、
前記船本体は平坦な船底を有しており、
前記バラストハウジングは、前記船底の下部に配置されており、
かつ、前記バラストハウジングは、このバラストハウジング内において水平方向に海流を通過させる流入口と流出口とを有しており、
さらに、前記バラストハウジングの底部は平坦とされており、
前記発電装置は、鉛直方向に配置された主軸と、この主軸に支持されて回転可能とされた回転体と、この回転体に取り付けられた羽根と、前記バラストハウジング内に流入した海流を制御する海流誘導壁とを有しており、
前記主軸の一端は前記船底に取り付けられており、前記主軸の他端は前記バラストハウジングの底部に取り付けられており、これによって、前記主軸が前記船底及び前記底部の強度を補強するようになっており、
前記羽根は、前記海流誘導壁によって制御された前記海流を受けて前記海流の力により前記回転体を回転させる構成となっており、
前記海流誘導壁の一端は、前記船底に取り付けられており、前記海流誘導壁の他端は、前記バラストハウジングの底部に取り付けられており、これによって、前記海流誘導壁が前記船底及び前記底部の強度を補強するようになっており、
さらに、前記バラストハウジングは、前記バラストハウジング内に流入した前記海流により、前記船本体の姿勢を安定させるようになっている
発電船。
【請求項2】
前記主軸は、互いに平行に配置された第1主軸と第2主軸とから構成されており、
前記回転体は、前記第1主軸に取り付けられた第1回転体と、前記第2主軸に取り付けられた第2回転体とから構成されており、
前記海流誘導壁は、前記流入口から流入した前記海流を前記第1回転体と前記第2回転体との間における海流流路に導入するようになっており、これによって、前記第1回転体と前記第2回転体とは、前記羽根を介して、前記海流によって、それぞれ反対方向に回転するようになっている
請求項1に記載の発電船。
【請求項3】
前記第1回転体と前記第2回転体とは、前記海流流路を挟んで左右対称となっている
請求項2に記載の発電船。
【請求項4】
前記船本体の船幅と、前記バラストハウジングの幅とは、等しくされており、これによって、前記船本体の側面と、前記バラストハウジングの側面とが、断面において直線状となっている
請求項1又は2に記載の発電船。
【請求項5】
前記発電装置は、発電機を有しており、
前記発電機は、前記船本体の内部において、前記海流が浸入しない位置に設置されており、
前記発電機は、前記主軸に接続されており、前記主軸の回転に伴って発電する構成となっている
請求項1又は2に記載の発電船。
【請求項6】
前記船底の形状と、前記バラストハウジングの底部の形状とは、同一とされている
請求項1又は2に記載の発電船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電船に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1では、キール内部にタービンを配置し、キールに流入する海水によりタービンを回転させて発電する発電船が提案されている。また、下記特許文献2では、船底に配置したタービンを用いて発電する発電システムが提案されている。
【0003】
一方、本発明者は、水中に設置されて、潮流を利用して発電できる潮汐発電装置を、下記特許文献3及び下記特許文献4のように提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-3641号公報
【特許文献2】特開2009-161032号公報
【特許文献3】特許第6543861号公報
【特許文献4】特許第6592216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、発電船における発電効率を改善する方法について種々研究を重ねた結果、特許文献3の基本的構造を発電船に適用することにより、種々の優れた効果を得ることができるという知見を得た。
【0006】
本発明は、前記した知見に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、船体の安定と、バラストハウジングの補強と、発電効率の向上とを図ることができる発電船を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の項目に記載の発明として表現することができる。
【0008】
(項目1)
船本体とバラストハウジングと発電装置とを備えており、
前記船本体は平坦な船底を有しており、
前記バラストハウジングは、前記船底の下部に配置されており、
かつ、前記バラストハウジングは、このバラストハウジング内において水平方向に海流を通過させる流入口と流出口とを有しており、
さらに、前記バラストハウジングの底部は平坦とされており、
前記発電装置は、鉛直方向に配置された主軸と、この主軸に支持されて回転可能とされた回転体と、この回転体に取り付けられた羽根と、前記バラストハウジング内に流入した海流を制御する海流誘導壁とを有しており、
前記主軸の一端は前記船底に取り付けられており、前記主軸の他端は前記バラストハウジングの底部に取り付けられており、これによって、前記主軸が前記船底及び前記底部の強度を補強するようになっており、
前記羽根は、前記海流誘導壁によって制御された前記海流を受けて前記海流の力により前記回転体を回転させる構成となっており、
前記海流誘導壁の一端は、前記船底に取り付けられており、前記海流誘導壁の他端は、前記バラストハウジングの底部に取り付けられており、これによって、前記海流誘導壁が前記船底及び前記底部の強度を補強するようになっており、
さらに、前記バラストハウジングは、前記バラストハウジング内に流入した前記海流により、前記船本体の姿勢を安定させるようになっている
発電船。
【0009】
(項目2)
前記主軸は、互いに平行に配置された第1主軸と第2主軸とから構成されており、
前記回転体は、前記第1主軸に取り付けられた第1回転体と、前記第2主軸に取り付けられた第2回転体とから構成されており、
前記海流誘導壁は、前記流入口から流入した前記海流を前記第1回転体と前記第2回転体との間における海流流路に導入するようになっており、これによって、前記第1回転体と前記第2回転体とは、前記羽根を介して、前記海流によって、それぞれ反対方向に回転するようになっている
項目1に記載の発電船。
【0010】
(項目3)
前記第1回転体と前記第2回転体とは、前記海流流路を挟んで左右対称となっている
項目2に記載の発電船。
【0011】
(項目4)
前記船本体の船幅と、前記バラストハウジングの幅とは、等しくされており、これによって、前記船本体の側面と、前記バラストハウジングの側面とが、断面において直線状となっている
項目1又は2に記載の発電船。
【0012】
(項目5)
前記発電装置は、発電機を有しており、
前記発電機は、前記船本体の内部において、前記海流が浸入しない位置に設置されており、
前記発電機は、前記主軸に接続されており、前記主軸の回転に伴って発電する構成となっている
項目1又は2に記載の発電船。
【0013】
(項目6)
前記船底の形状と、前記バラストハウジングの底部の形状とは、同一とされている
項目1又は2に記載の発電船。
【発明の効果】
【0014】
本発明の技術によれば、船体の安定と、バラストハウジングの補強と、発電効率の向上とを発揮しうる発電船を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る発電船の概略的な横断面図である。
【
図2】
図1のA-A線方向から見た状態での概略的な説明図である。
【
図3】本発明の変形例に係る発電船の要部断面を拡大して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態にかかる発電船を、添付の図面を参照しながら説明する。なお、添付の図面はいずれも概略的な説明図であって、寸法比や縮尺は正確ではない。
【0017】
(本実施形態の構成)
本実施形態の発電船は、船本体1とバラストハウジング2と発電装置3とを主要な構成として備えている。
【0018】
船本体1は平坦な船底11を有している。船本体1は、船底11に連続した側面12を有しており、海面100に浮くことができるようになっている。また、船本体1の上部には、蓄電池13及び水素タンク14が設置されている。蓄電池13は、後述の発電機36で得られた電気を貯めるものである。水素タンク14は、発電機36で得られた電力を用いて、図示しない電気分解装置により製造された水素を貯めるものである。船本体1としては、本実施形態では、自走せずに、適宜な動力付き船(図示せず)によって牽引されるものであることを想定しているが、動力を有して自走できる構成であってもよい。
【0019】
バラストハウジング2は、船底11の下部に配置されている。かつ、バラストハウジング2は、このバラストハウジング2内において水平方向に海流を通過させる流入口23と流出口24とを有している(
図2参照)。さらに、バラストハウジング2の底部21は平坦とされている。本実施形態のバラストハウジング2は、バラストハウジング2内に流入した海流により、船本体1の姿勢を安定させるようになっている。バラストハウジング2の内部であって、後述の第1回転体321と第2回転体322との間の位置は、海流が通過する海流流路25となっている。
【0020】
本実施形態の流入口23は、後述の海流誘導壁34によって、複数の流入口231~234に仕切られている(
図2参照)。同様に、本実施形態の流出口24は、後述の海流誘導壁34によって、複数の流出口241~244に仕切られている(
図2参照)。
【0021】
船本体1の船幅と、バラストハウジング2の幅とは、等しくされており、これによって、船本体1の側面12と、バラストハウジング2の側面22とが、断面において直線状となっている(
図1参照)。また、本実施形態では、船底11の形状と、バラストハウジング2の底部21の形状とは、同一とされている。
【0022】
発電装置3は、鉛直方向に配置された主軸31と、この主軸31に支持されて回転可能とされた回転体32と、この回転体32に取り付けられた羽根33と、バラストハウジング2内に流入した海流を制御する海流誘導壁34とを有している。さらに本実施形態の発電装置3は、発電機36を有している(
図1参照)。
【0023】
主軸31の一端(上端)は船底11に取り付けられている。主軸31の他端(下端)はバラストハウジング2の底部21に取り付けられている。これによって本実施形態では、主軸31が船底11及び底部21の強度を補強するようになっている。
【0024】
より具体的には、本実施形態の主軸31は、互いに平行に配置された第1主軸311と第2主軸312とから構成されている。第1主軸311と第2主軸312とは、それぞれ、船底11及び底部21に取り付けられた軸受部361及び362により回転可能なように支持されている(
図1参照)。
【0025】
回転体32は、第1主軸311に取り付けられた第1回転体321と、第2主軸312に取り付けられた第2回転体322とから構成されている。第1回転体321と第2回転体322とは、海流流路25を挟んで左右対称となっている。
【0026】
羽根33は、海流誘導壁34によって制御された海流を受けて海流の力により回転体32を回転させる構成となっている。羽根33は、第1回転体321に取り付けられた第1羽根331と、第2回転体322に取り付けられた第2羽根332とから構成されている。
【0027】
海流誘導壁34の一端(上端)は、船底11に取り付けられている。海流誘導壁34の他端(下端)は、バラストハウジング2の底部21に取り付けられている。これによって本実施形態では、海流誘導壁34が船底11及び底部21の強度を補強するようになっている。本実施形態の海流誘導壁34は、バラストハウジング2の流入口23から流入した海流を第1回転体321と第2回転体322との間における海流流路25に導入するようになっており、これによって、第1回転体321と第2回転体322とは、第1羽根331と第2羽根322とを介して、海流によって、それぞれ反対方向に回転するようになっている(
図2参照)。
【0028】
本実施形態の海流誘導壁34は、より具体的には、様々な形状を有する海流誘導壁341~348から構成されており(
図2参照)、これらによって、適切な方向に海流を制御することができるようになっている。
【0029】
発電機36は、船本体1の内部(すなわち船内)において、海流が浸入しない位置(例えば甲板15で覆われた位置)に設置されている(
図1参照)。発電機36は、第1主軸311及び第2主軸312にそれぞれ接続されており、これらの主軸311及び312の回転に伴って発電する構成となっている。
【0030】
(本実施形態の動作)
次に、前記の構成を有する発電船の動作について説明する。まず、本実施形態におけるバラストハウジング2の流入口23が海流の上流側に向くように、発電船の船本体1を設置する。一般的に、海における海流(例えば親潮や黒潮など)の向きはほぼ一定なので、困難なく船本体1を設置することができる。設置後は、適宜な係留手段(例えば錨など)により船本体1の位置を固定することができる。
【0031】
この状態においては、バラストハウジング2の流入口231~234から海流がバラストハウジング2の内部に流入する(
図2の矢印参照)。流入した海流は、海流誘導壁341~345により誘導されて、海流流路25に向けて流れ込む。すると海流は、第1羽根331及び第2羽根332を介して、第1回転体321及び第2回転体322を互いに逆方向に回転させる。その後海流は、再度海流誘導壁344~348により誘導されて、流出口241~244から外部に円滑に排出される。このような海流による働きは、前記した特許文献3と基本的に同様なので、これについてのこれ以上詳しい説明は省略する。
【0032】
第1回転体321及び第2回転体322が回転すると、発電機36により発電を行うことができる。得られた電力は、蓄電池13に電気として、あるいは水素タンク14に水素として貯めることができる。適宜に発電船に配線や配管を取り付けることにより、これらのエネルギーを回収することもできる。あるいは、発電船を母船や港に回収してエネルギーを回収することも可能である。
【0033】
本実施形態の発電船では、バラストハウジング2に海流を導入しつつ発電するので、バラストハウジング2内の海流によって、船本体1の、すなわち発電船全体の姿勢を安定させることができる。つまり、バラストハウジング2内の海流を、発電と姿勢安定という二つの用途に同時に有効活用することができるという利点がある。
【0034】
また、本実施形態の発電船では、主軸31及び海流誘導壁34によって、船本体1の船底11とバラストハウジング2の底部21の強度を補強することができる。これにより、バラストハウジング2の横断面積を広げて大量の海流を導入することが可能となり、発電効率を向上させることができる。しかも、主軸31及び海流誘導壁34によって船底11及び底部21の強度を補強しているため、他の補強手段を簡略化することが可能となり、発電船の製造コストを抑えることもできる。
【0035】
さらに、本実施形態の発電船では、第1回転体321と第2回転体322とが互いに逆方向に回転するので、発電船自体に回転トルクを与えるおそれがなく、発電船の姿勢を安定して保持することができる。本実施形態では、第1回転体321と第2回転体322とを左右対称としたので、互いの回転トルクを打ち消す効果を一層高めることができる。しかも、これらの回転体の回転によってジャイロ効果も期待でき、それにより姿勢安定効果をさらに改善できると考えられる。
【0036】
また、本実施形態では、船本体1の船幅と、バラストハウジング2の幅とを等しくして、船本体1の側面12と、バラストハウジング2の側面22とを、断面において直線状としたので、バラストハウジング2の横断面積を広く取って大量の海流を導入することができ、この点からも発電効率を向上させることができる。
【0037】
さらに、本実施形態では、船本体1の船底11の形状と、バラストハウジング2の底部21の形状とを同一としたので、発電船の設計コスト及び製造コストを低く抑えることができる。
【0038】
以上のように、本実施形態の発電船によれば、船体の安定と、バラストハウジング2の補強と、発電効率の向上とを発揮することが可能になる。
【0039】
(変形例)
次に、前記した実施形態の変形例にかかる発電船の構成を、
図3を参照しながら説明する。この変形例においては、前記した実施形態の発電船と基本的に共通する構成要素については、同一の符号を付することにより、記載の簡略化を図る。
【0040】
この変形例においては、船本体1の船底11に水圧補強部35を取り付け、この水圧補強部35に海流誘導壁34(図示の例では海流誘導壁341)を取り付ける。水圧補強部35としては、剛性の高い材質、例えば鋼板が用いられる。この変形例の発電船によれば、海流誘導壁34に強い力が加わったとしても、船底11の変形を低く抑えることができる。また、バラストハウジング2の底部21と海流誘導壁34との接合部に、同様の水圧補強部を取り付けて、底部21の強度を補強することもできる。
【0041】
なお、前記実施形態及び変形例の記載は単なる一例に過ぎず、本発明に必須の構成を示したものではない。各部の構成は、本発明の趣旨を達成できるものであれば、上記に限らない。
【0042】
例えば、前記した実施形態では、回転体及び羽根の構造を特許文献3の構造と基本的に同様としたが、これに代えて特許文献4の構造と同様とすることができる。この場合、特許文献4におけるタービンが前記した実施形態における回転体及び羽根に対応する。このようにすれば、タービン(回転体及び羽根)の超大型化、及び、これに伴う発電船の超大型化が容易になり、発電効率の一層の向上を図ることができる。
【0043】
また、甲板15上に風力発電装置や太陽光発電装置(いずれも図示せず)を設置することも可能である。これらにより得られたエネルギー(電気や水素)を蓄電池13や水素タンク14に貯めることもできる。
【0044】
さらに、バラストハウジング2の底部21の形状を、船本体1の船底11よりも大きくしてもよい。例えば、バラストハウジング2の底部21の横幅あるいは前後方向長さを船底11よりも大きくして、バラストハウジング2の側面22あるいは前後端面を船本体1よりも外側方向に張り出させる形状としてもよい。これにより、バラストハウジング2の容積を大きくすることができ、その結果、それに収容される回転体32や羽根33を大型化することができる。すると、発電効率を一層向上させることができる。
【符号の説明】
【0045】
1 船本体
11 船底
12 船本体の側面
13 蓄電池
14 水素タンク
15 甲板
2 バラストハウジング
21 底部
22 バラストハウジングの側面
23・231~234 流入口
24・241~244 流出口
25 海流流路
3 発電装置
31 主軸
311 第1主軸
312 第2主軸
32 回転体
321 第1回転体
322 第2回転体
33 羽根
331 第1羽根
332 第2羽根
34・341~348 海流誘導壁
35 水圧補強部
36 発電機
361・362 軸受部
100 海面
【手続補正書】
【提出日】2023-06-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船本体とバラストハウジングと発電装置とを備えており、
前記船本体は、前記船本体の幅方向全体にわたって形成された船室と、平坦な船底を有しており、
前記船室の側方に、前記船本体の喫水線が位置するようになっており、
前記バラストハウジングは、前記船底の下部に配置されており、
かつ、前記バラストハウジングは、このバラストハウジング内において水平方向に海流を通過させる流入口と流出口とを有しており、
さらに、前記バラストハウジングの底部は平坦とされており、
前記発電装置は、鉛直方向に配置された主軸と、この主軸に支持されて回転可能とされた回転体と、この回転体に取り付けられた羽根と、前記バラストハウジング内に流入した海流を制御する海流誘導壁とを有しており、
前記主軸の一端は前記船底に取り付けられており、前記主軸の他端は前記バラストハウジングの底部に取り付けられており、これによって、前記主軸が前記船底及び前記底部の強度を補強するようになっており、
前記羽根は、前記海流誘導壁によって制御された前記海流を受けて前記海流の力により前記回転体を回転させる構成となっており、
前記海流誘導壁の一端は、前記船底に取り付けられており、前記海流誘導壁の他端は、前記バラストハウジングの底部に取り付けられており、これによって、前記海流誘導壁が前記船底及び前記底部の強度を補強するようになっており、
さらに、前記バラストハウジングは、前記バラストハウジング内に流入した前記海流により、前記船本体の姿勢を安定させるようになっており、
前記主軸は、互いに平行に配置された第1主軸と第2主軸とから構成されており、
前記回転体は、前記第1主軸に取り付けられた第1回転体と、前記第2主軸に取り付けられた第2回転体とから構成されており、
前記海流誘導壁は、前記流入口から流入した前記海流を前記第1回転体と前記第2回転体との間における海流流路に導入するようになっており、これによって、前記第1回転体と前記第2回転体とは、前記羽根を介して、前記海流によって、それぞれ反対方向に回転するようになっており、
前記第1回転体と前記第2回転体とは、前記海流流路を挟んで左右対称となっており、
前記船本体の前記船室の幅と、前記バラストハウジングの幅とは、等しくされており、これによって、前記船本体の側面と、前記バラストハウジングの側面とが、断面において直線状となっており、
前記発電装置は、発電機を有しており、
前記発電機は、前記船本体の内部において、前記海流が浸入しない位置である前記船室内に設置されており、
前記発電機は、前記主軸に接続されており、前記主軸の回転に伴って発電する構成となっている
発電船。
【請求項2】
前記船室の上部を覆う甲板をさらに備えており、
前記甲板の上に、風力発電装置が設置されている
請求項1に記載の発電船。
【請求項3】
前記船底の形状と、前記バラストハウジングの底部の形状とは、同一とされている
請求項1又は2に記載の発電船。