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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151441
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】水素配送システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20240101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064758
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 達
(72)【発明者】
【氏名】梅田 博之
(72)【発明者】
【氏名】太田 勇
(72)【発明者】
【氏名】大竹 正裕
(72)【発明者】
【氏名】水野 敬太
(72)【発明者】
【氏名】湯淺 惇
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】燃料電池装置からの排水を家庭内で有効利用しつつ、水素カートリッジの配送コストの上昇を抑制する。
【解決手段】燃料電池装置3と、燃料電池装置3から排出される水に複数種類のミネラル成分を調合して混ぜ合わせることでミネラルウォーターを生成する調合器5と、に対して通信可能に接続された中央管理サーバー10は、配送業者用情報端末18に、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21のうち少なくとも交換用の水素カートリッジ3aの、ユーザー宅2への配送を依頼する情報を送信する配送依頼情報送信手段と、他の配送物20,21に組み合わせるのに最適なミネラルウォーターを生成するために必要な複数種類のミネラル成分の調合レシピ情報を導き出す調合レシピ導出手段と、調合レシピ導出手段によって導き出された調合レシピ情報を調合器5に送信する調合レシピ情報送信手段と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池用の水素が充填された水素カートリッジが着脱自在に構成された燃料電池装置が設置されているユーザー宅に、交換用の水素カートリッジと、他の配送物と、を一緒に配送する水素配送システムであって、
前記燃料電池装置は、使用中の前記水素カートリッジの残量データを管理する残量管理部と、発電時に生成される水を貯留して排出する排水設備部と、を有しており、
前記ユーザー宅には、前記排水設備部から排出される水に、複数種類のミネラル成分を調合して混ぜ合わせることでミネラルウォーターを生成する調合器が設置されており、
前記他の配送物は、前記調合器によって生成された前記ミネラルウォーターと組み合わせられてユーザーによって消費又は利用されるものであり、
前記燃料電池装置及び前記調合器と通信可能に接続された中央管理サーバーと、
前記中央管理サーバーと通信可能に接続され、前記交換用の水素カートリッジと前記他の配送物を一緒に配送する配送業者が使用する配送業者用情報端末と、を備え、
前記中央管理サーバーは、
使用中の前記水素カートリッジの残量が少なくなった場合に、前記配送業者用情報端末に、前記交換用の水素カートリッジと前記他の配送物のうち少なくとも前記交換用の水素カートリッジの、ユーザー宅への配送を依頼する情報を送信する配送依頼情報送信手段と、
前記他の配送物に組み合わせるのに最適なミネラルウォーターを生成するために必要な複数種類のミネラル成分の調合レシピ情報を導き出す調合レシピ導出手段と、
前記調合レシピ導出手段によって導き出された前記調合レシピ情報を、前記調合器に送信する調合レシピ情報送信手段と、を有していることを特徴とする水素配送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の水素配送システムにおいて、
前記中央管理サーバーと通信可能に接続され、前記ユーザー宅に居住するユーザーが使用するユーザー用情報端末を備え、
前記中央管理サーバーは、
前記残量管理部から、使用中の前記水素カートリッジの交換を促すトリガー情報を取得するトリガー情報取得手段と、
前記トリガー情報を取得したことを契機にして、ユーザーに提案する前記他の配送物の候補を選定するのに必要な選定情報を外部から取得する選定情報取得手段と、
前記選定情報取得手段によって取得した前記選定情報に基づいて、ユーザーに提案する前記他の配送物の候補の選定を行う選定手段と、
前記選定手段によって選定された前記他の配送物の候補情報を前記ユーザー用情報端末に送信する候補情報送信手段と、
前記ユーザー用情報端末から、前記他の配送物の候補情報についてのユーザーの諾否に係る情報を取得する諾否情報取得手段と、有しており、
前記配送依頼情報送信手段は、
前記諾否情報取得手段によって、前記他の配送物の候補情報についてのユーザーの諾否に係る情報を取得し、
前記他の配送物の候補情報についてユーザーが承諾した場合に、前記配送業者用情報端末に、前記交換用の水素カートリッジと前記他の配送物の、ユーザー宅への配送を依頼する情報を送信し、
前記他の配送物の候補情報についてユーザーが承諾しない場合は、前記配送業者用情報端末に、前記交換用の水素カートリッジのみ、ユーザー宅への配送を依頼する情報を送信することを特徴とする水素配送システム。
【請求項3】
請求項2に記載の水素配送システムにおいて、
前記選定情報は、前記ユーザー宅に設置された設備の利用状況に係る情報であることを特徴とする水素配送システム。
【請求項4】
請求項2に記載の水素配送システムにおいて、
前記選定情報は、前記ユーザー宅に居住するユーザーに係る将来のイベント情報であることを特徴とする水素配送システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の水素配送システムにおいて、
前記他の配送物は、料理の材料であることを特徴とする水素配送システム。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の水素配送システムにおいて、
前記他の配送物は、生花・鉢花・観葉植物等の植物であることを特徴とする水素配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池と、燃料電池の発電に伴って生成された水を貯留する貯水タンクと、を有する燃料電池ユニットが開示されている。このような燃料電池ユニットでは、排水弁を閉じて水排出路を閉じることで、貯水タンクに水が貯留され、排水弁を開いて水排出路を開くことで、貯水タンクに貯留された水が外部へ排出される。
【0003】
また、特許文献2には、燃料電池本体に水素を供給するための水素カートリッジと、水素カートリッジが装着された燃料電池本体と、を備える燃料電池装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-009572号公報
【特許文献2】特開2005-129495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、燃料電池装置が普及してきており、住宅への燃料電池装置の導入も徐々に増えている。そこで、燃料電池装置からの排水を、家庭内で有効利用することが望まれている。
また、燃料電池装置のユーザーは、水素カートリッジを交換する際に、新しい水素カートリッジを入手する必要がある。ところが、例えば1本の水素カートリッジだけを配送するとなると、当然、配送に係る単価が高くなる。そして、その配送コストが水素カートリッジの料金に反映されてしまうと、水素カートリッジの料金に割高感を覚えるユーザーが増えてしまい、燃料電池装置の今後一層の普及を妨げる要因にもなりかねない。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、水素カートリッジの配送と、燃料電池装置からの排水を利用できる他の配送物の配送を一緒に行うことで、燃料電池装置からの排水を家庭内で有効利用しつつ、水素カートリッジの配送コストの上昇を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、例えば図1図5に示すように、燃料電池用の水素が充填された水素カートリッジが着脱自在に構成された燃料電池装置3が設置されているユーザー宅2に、交換用の水素カートリッジ3aと、他の配送物20,21と、を一緒に配送する水素配送システムであって、
前記燃料電池装置3は、使用中の前記水素カートリッジの残量データを管理する残量管理部3bと、発電時に生成される水を貯留して排出する排水設備部4と、を有しており、
前記ユーザー宅2には、前記排水設備部4から排出される水に、複数種類のミネラル成分を調合して混ぜ合わせることでミネラルウォーターを生成する調合器5が設置されており、
前記他の配送物20,21は、前記調合器5によって生成された前記ミネラルウォーターと組み合わせられてユーザーによって消費又は利用されるものであり、
前記燃料電池装置3及び前記調合器5と通信可能に接続された中央管理サーバー10と、
前記中央管理サーバー10と通信可能に接続され、前記交換用の水素カートリッジ3aと前記他の配送物20,21を一緒に配送する配送業者が使用する配送業者用情報端末18と、を備え、
前記中央管理サーバー10は、
使用中の前記水素カートリッジの残量が少なくなった場合に、前記配送業者用情報端末18に、前記交換用の水素カートリッジ3aと前記他の配送物20,21のうち少なくとも交換用の水素カートリッジ3aの、ユーザー宅2への配送を依頼する情報を送信する配送依頼情報送信手段と、
前記他の配送物20,21に組み合わせるのに最適なミネラルウォーターを生成するために必要な複数種類のミネラル成分の調合レシピ情報を導き出す調合レシピ導出手段と、
前記調合レシピ導出手段によって導き出された前記調合レシピ情報を、前記調合器5に送信する調合レシピ情報送信手段と、を有していることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、配送依頼情報送信手段によって、使用中の水素カートリッジの残量が少なくなった場合に、配送業者用情報端末18に、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21のうち少なくとも交換用の水素カートリッジ3aの、ユーザー宅2への配送を依頼する情報を送信するので、交換用の水素カートリッジ3aの配送と、他の配送物20,21の配送と、を一緒に行うことが可能となる。
そして、調合器5は、燃料電池装置3における排水設備部4から排出される水に、複数種類のミネラル成分を調合して混ぜ合わせることでミネラルウォーターを生成し、他の配送物20,21は、調合器5によって生成されたミネラルウォーターと組み合わせられてユーザーによって消費又は利用されるので、燃料電池装置3からの排水を、他の配送物20,21と組み合わせて家庭内で有効利用することができる。
これにより、燃料電池装置3からの排水を家庭内で有効利用しつつ、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を抑制することができ、結果的に、燃料電池装置3の今後一層の普及に貢献できる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、例えば図1図5に示すように、請求項1に記載の水素配送システムにおいて、
前記中央管理サーバー10と通信可能に接続され、前記ユーザー宅2に居住するユーザーUが使用するユーザー用情報端末15を備え、
前記中央管理サーバー10は、
前記残量管理部3bから、使用中の前記水素カートリッジの交換を促すトリガー情報を取得するトリガー情報取得手段と、
前記トリガー情報を取得したことを契機にして、ユーザーUに提案する前記他の配送物20,21の候補を選定するのに必要な選定情報を外部から取得する選定情報取得手段と、
前記選定情報取得手段によって取得した前記選定情報に基づいて、ユーザーUに提案する前記他の配送物20,21の候補の選定を行う選定手段と、
前記選定手段によって選定された前記他の配送物20,21の候補情報を前記ユーザー用情報端末15に送信する候補情報送信手段と、
前記ユーザー用情報端末15から、前記他の配送物20,21の候補情報についてのユーザーUの諾否に係る情報を取得する諾否情報取得手段と、有しており、
前記配送依頼情報送信手段は、
前記諾否情報取得手段によって、前記他の配送物20,21の候補情報についてのユーザーUの諾否に係る情報を取得し、
前記他の配送物20,21の候補情報についてユーザーUが承諾した場合に、前記配送業者用情報端末18に、前記交換用の水素カートリッジ3aと前記他の配送物20,21の、ユーザー宅2への配送を依頼する情報を送信し、
前記他の配送物20,21の候補情報についてユーザーUが承諾しない場合は、前記配送業者用情報端末18に、前記交換用の水素カートリッジ3aのみ、ユーザー宅2への配送を依頼する情報を送信することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、中央管理サーバー10は、使用中の水素カートリッジの交換を促すトリガー情報を取得したことを契機にして、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補を選定するのに必要な選定情報を外部から取得し、取得した選定情報に基づいて、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補の選定を行うので、厳選された他の配送物20,21の候補を選定することができ、無作為に選定される場合に比して、ユーザーUからの承諾を得やすくなる。これにより、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21とを一緒に配送する機会が増えるので、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を一層抑制することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項2に記載の水素配送システムにおいて、
前記選定情報は、前記ユーザー宅2に設置された設備(燃料電池装置3、HEMS12、全館空調システム13)の利用状況に係る情報であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、選定情報は、ユーザー宅2に設置された設備(燃料電池装置3、HEMS12、全館空調システム13)の利用状況に係る情報であるため、選定情報は、ユーザーUの生活に即したものとなる。すなわち、ユーザーUの生活に即した内容の選定情報に基づいて、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補の選定を行うことができるので、必然的にユーザーUからの承諾を得やすくなる。これにより、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21とを一緒に配送する機会が増えるので、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を一層抑制することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項2に記載の水素配送システムにおいて、
前記選定情報は、前記ユーザー宅2に居住するユーザーUに係る将来のイベント情報であることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、選定情報は、ユーザー宅2に居住するユーザーUに係る将来のイベント情報であるため、選定情報は、将来的にユーザーUが参加する予定のイベント情報に合わせたものとなる。すなわち、将来的にユーザーUが参加する予定のイベント情報に即した内容の選定情報に基づいて、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補の選定を行うことができるので、必然的にユーザーUからの承諾を得やすくなる。これにより、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21とを一緒に配送する機会が増えるので、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を一層抑制することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、例えば図1図3に示すように、請求項1から4のいずれか一項に記載の水素配送システムにおいて、
前記他の配送物20は、料理の材料20であることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、他の配送物20は、料理の材料20であるため、料理の材料20に応じて、調合器5によって生成されるミネラルウォーターのミネラル成分を調整し、料理の質を高めることができる。これにより、他の配送物20に対するユーザーUの満足度を向上させることができるので、結果的に、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20とを一緒に配送する機会が増えて、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を一層抑制することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、例えば図1図3に示すように、請求項1から4のいずれか一項に記載の水素配送システムにおいて、
前記他の配送物21は、生花・鉢花・観葉植物等の植物21であることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、他の配送物21は、生花・鉢花・観葉植物等の植物21であるため、植物21の種類に応じて、調合器5によって生成されるミネラルウォーターのミネラル成分を調整し、植物21の生育状態を良好にすることができる。これにより、他の配送物21に対するユーザーUの満足度を向上させることができるので、結果的に、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物21とを一緒に配送する機会が増えて、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を一層抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、水素カートリッジの配送と、燃料電池装置からの排水を利用できる他の配送物の配送を一緒に行うことで、燃料電池装置からの排水を家庭内で有効利用しつつ、水素カートリッジの配送コストの上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】燃料電池装置からの水を再利用するための排水利用システムの構成を示す概略図である。
図2】水素配送システムにおける構成の一部を示す概略図である。
図3】水素配送システムにおける構成の他の一部を示す概略図である。
図4】中央管理サーバーの構成を示す概略図である。
図5】トリガー情報の送信からミネラルウォーターが生成されるまでの流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0022】
図1において符号1は、排水利用システムを示す。この排水利用システム1は、住宅等の建物2に設置された燃料電池装置3からの排水を、建物2において利用するためのシステムである。排水利用システム1は、例えば図1に示すように、燃料電池装置3と、燃料電池装置3からの排水を貯留するタンク4と、タンク4に貯留されている水にミネラル成分を調合する調合器5と、を備えて構成されている。
なお、建物2は、ユーザーUが居住するユーザー宅である。
【0023】
燃料電池装置3は、燃料電池(例えば家庭用燃料電池)を用いたコジェネレーションシステムであり、燃料ガスの化学エネルギーを電気エネルギーに変換する(すなわち、発電する)。燃料電池装置3が発生した電力は、建物2に供給される。
具体的には、燃料電池装置3は、燃料ガスとして水素が充填された水素カートリッジ3aが着脱自在となるように構成されたものであり、水素カートリッジ3aから供給される燃料ガスを水素に改質し、燃料電池スタックによって水素から電気エネルギーを生成することができる。
燃料電池装置3で燃料ガスから電気エネルギーが生成される過程において、水(純水)が生じる。その水は、ドレン管を介して燃料電池装置3からタンク4へと移動する。
【0024】
燃料電池装置3は、電気エネルギーの生成に用いられる水素の残量を表示する残量ゲージ3bを備えている。水素の残量が減ってきた場合には、水素カートリッジ3aの交換を行うことで、水素の補給を行うことができる。
使用中の水素カートリッジ3aの残量データは、後述するHEMS12によって管理されており、ユーザーUは、HEMS12の表示モニター(図示省略)で、燃料電池装置3の残量データを確認することができる。すなわち、本実施形態において、燃料電池装置3における残量ゲージ3bは、HEMS12と協働して、使用中の水素カートリッジ3aの残量データを管理する残量管理部として機能している。ただし、これに限られるものではなく、燃料電池装置3は、残量ゲージ3bを用いて単独で残量管理部として機能してもよい。
【0025】
タンク4は、燃料電池装置3の発電によって生成された水(純水)を貯留する排水タンクであり、燃料電池装置3の筐体内もしくは建物2内に設置されている。タンク4は、給水管によって調合器5と繋がっており、タンク4内の水は、給水ポンプによって建物2内にある調合器5へと給水される。
すなわち、燃料電池装置3は、発電時に生成され得る水を貯留して排出する排水設備部を有していることとなる。排水設備部は、水の貯留量や、排出量を検出するための水量検出センサーを有している。
【0026】
調合器5は、タンク4から供給される水(原料水)に対して複数種類のミネラル成分を調合し、飲用水としてのミネラルウォーターを生成するためのものである。種類ごとに量を増減するように調整して調合することにより、味の異なるミネラルウォーターを生成できるようになっている。
【0027】
ミネラル成分は、種類ごとに専用カートリッジ5a,5b,5c,5dに充填されており、カートリッジの排出口を調合器5の結合部に差し込み、カートリッジ内から少量ずつ排出させて使用することができる。なお、複数種類のミネラル成分が予め混合した状態で充填された専用カートリッジが採用されてもよい。
【0028】
複数種類のミネラル成分(成分イオン)としては、例えばカルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、ケイ素等が挙げられるが、これに限られるものではない。
例えばカルシウムイオンは、適量であれば甘みを感じるが、多すぎると重たく感じる。
ナトリウムイオンは、多いと塩味を感じ、少ないと甘みを感じる。カリウムイオンは、多いと塩味を感じ、少ないと甘みを感じる。マグネシウムイオンは、少なければ甘みを感じるが、多すぎると苦み、渋みが強くなる。
なお、これら複数種類のミネラル成分は、専用カートリッジ5a,5b,5c,5dに対し、液又は粉の状態で充填、封入されている。好ましくは、液の状態で充填されているものとする。
【0029】
また、1リットルあたりの水に含まれるマグネシウム・カルシウムの合計量に応じて硬度が異なり、0~60mg未満だと軟水、60~120mg未満だと中硬水、120~180mg未満だと硬水、180mg以上だと超硬水とされている。
軟水は、癖がなく、料理の際には素材の味を損ないにくいとされている。特に和食には好適であり、出汁を取ったり、魚や野菜を煮たり、ご飯を炊く際などに用いられることが多い。日本国内はほぼ軟水であり、水道水も軟水となっている。
一方、西欧圏は硬水であることが多く、洋食には硬水が好適とされている。肉の煮込み料理やパスタ料理の際などに用いられることが多い。
【0030】
また、水に含まれるミネラル成分は、従来、植物の生育にも影響を与えることが知られている。複数種類のミネラル成分の配合を、植物の種類によって変えてもよい。
【0031】
調合器5は、後述する中央管理サーバー10から取得した調合レシピ情報に基づいて自動で、複数種類のミネラル成分を、タンク4から供給される原料水に対して混ぜ合わせることができる。これにより、硬度だけでなく、甘味や塩味を調節して様々な味のミネラルウォーターを生成できるようになっている。
なお、本実施形態においては、調合レシピ情報に基づいて自動でミネラル成分を原料水に混ぜ合わせることができるとしたが、調合器5が、ミネラル成分の量を手動で調節できる構成を備えていてもよい。
また、上記のように、調合器5は、中央管理サーバー10から調合レシピ情報を取得するため、通信モジュール等の通信部を備えていてもよいし、後述するホームゲートウェイ11と通信可能に接続されていてもよい。
【0032】
調合器5は、複数種類のミネラル成分が混ぜ合わされたミネラルウォーターを吐出する吐出口を備える。ミネラルウォーターは、例えばボトル6等の容器に貯留されて、飲用したり、料理に使用したりすることができる。
【0033】
なお、タンク4と調合器5とを繋ぐ給水管に分岐が設けられることにより、タンク4に貯留された水(純水)を建物2内の各所(キッチン、浴室、洗面所など)に供給することができる。ただし、この場合、建物2内の各所にある水栓から水が吐出されるまでの間に、水に対して必要量のカルキを含ませるようにするカルキ設備4aが設けられているものとする。
純水には、汚れの除去や水垢の抑制に効果があるため、例えばキッチン水栓7から純水が出ればワイングラス等の食器類のすすぎに好適である。また、例えばシャワー8から純水が出れば身体の汚れを取ったり、水垢が残らないようにしたりすることができる。
また、ここでは、タンク4と調合器5とを繋ぐ給水管に分岐を設けて、タンク4に貯留された水を建物2内の各所にある水栓から吐出できる構成について説明したが、これに限られるものではなく、建物2内の各所にある水栓とは独立して設けられた専用水栓9からタンク4に貯留された水を吐出できるようにしてもよい。その場合、当該専用水栓9の蛇口に、洗剤を充填できるようにしておき、燃料電池によって生成された水が、洗剤を含む水として蛇口から出てくるようにしてもよい。
また、建物2内の各所にある水栓として、蛇口から出てくる水を、例えば、水道水と、浄水(浄水器を通過した水道水)と、洗剤を含む純水(燃料電池によって生成された水に洗剤を添加したもの)と、の間で切り替えることができる水栓を設けてもよい。
【0034】
以上のように構成された排水利用システムは、燃料電池装置3が設置されているユーザー宅2に、交換用の水素カートリッジ3aと、他の配送物20(21)と、を一緒に配送する水素配送システムに含まれている。
本実施形態の水素配送システムは、図2図4に示すように、中央管理サーバー10を主体として構成されている。
【0035】
中央管理サーバー10は、本実施形態の水素配送システムを包括的に管理するものであり、PC、専用の装置・端末等で構成された中央管理装置である。中央管理サーバー10は、通信ネットワークを介して、水素配送システムを構成する各部と通信可能に接続されている。
このような中央管理サーバー10は、制御部10aと、記憶部10bと、通信部10cと、を備えている。各部10a~10cは、バス等で電気的に接続されている。
中央管理サーバー10の詳細については後述する。
【0036】
なお、本実施形態の通信ネットワークは、電話回線網、ISDN回線網、光ファイバー、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網、その他の専用線等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ(すなわち、インターネット)等を含んでいてもよい。また、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の様々な通信網が互いに通信可能に接続された集合的な通信網であってもよい。また、接続の形態について、有線、無線及び有線と無線の混在を問わない。
【0037】
ユーザー宅である建物2には、種々の設備が導入されている。燃料電池装置3もその一つであり、その他に、HEMS12、全館空調システム13が導入されている。これらの設備は、ホームゲートウェイ11を通じて、中央管理サーバー10と通信可能に接続されている。
【0038】
ホームゲートウェイ11は、プロバイダへの接続設定等を作成するルーター機能と、Wi-Fi接続可能になる無線LAN機能と、電話機やFAXを繋いで音声通話やFAXの送受信を行うVoIPゲートウェイ電話網とIPネットワークの間の中継を行う機能と、光回線の回線終端装置としての機能と、を併せ持つ装置を指す。
また、本実施形態においては、上記機能を併せ持つ、いわゆるルーター機能付きモデムをホームゲートウェイ11として使用するが、これに限られるものではなく、上記した機能を有するルーターやハブ等の各種機器をそれぞれ用いてホームゲートウェイ11を構築するようにしてもよい。
【0039】
HEMS12は、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS:Home Energy Management System)であり、建物2全体の電力、水道、ガス等のエネルギー需給を総合的に管理するエネルギー管理手段とされている。
HEMS12は、上記のような表示モニターを備えている。表示モニターは、小型かつボード型のコンピューターシステムであり、例えば建物2の内壁に設けられている。表示モニターは、演算処理装置、表示部、入力部等を始めとする、建物2内でのエネルギー管理に必要な機能を有しており、分電盤と通信可能に接続されている。また、分電盤は、買電用電力計(順潮流用電力計)および売電用電力計(逆潮流用電力計)等の電力メーターを介して系統電源に接続されているだけでなく、燃料電池装置3とも接続されている。そのため、系統電源や、燃料電池装置3、太陽電池アレイ等による自家発電電力、蓄電電力等を管理・制御できる。また、表示モニターは、分電盤を介して接続された宅内の各種電気機器等の制御も行うことができる。
したがって、水素カートリッジ3aの残量データ及び排水設備部の水量検出センサーを含む燃料電池装置3の利用状況は、HEMS12によって把握することができ、その情報は、ホームゲートウェイ11を通じて中央管理サーバー10に送信される。つまり、中央管理サーバー10と燃料電池装置3は、本実施形態においては間接的に通信可能な状態で接続されている。ただし、これに限られるものではなく、燃料電池装置3が通信モジュール等を備えて、中央管理サーバー10と直接的に通信可能な状態で接続されていてもよい。
なお、水道やガスの使用量は、表示モニターと、水道メーターやガスメーターとを通信可能に接続することで計測が可能となっている。また、キッチンでの水の使用量を計測する場合は、キッチンに向かう流路の途中に水量センサーを配置する。ガスも同様に、キッチンでのガスの使用量を計測する場合は、キッチンに向かう流路の途中にガス量センサーを配置する。
また、表示モニターに表示されるユーザー宅2内のエネルギー需給に係る情報は、ホームゲートウェイ11を通じて、ユーザーUが使用するユーザー用情報端末15で確認できるようにしてもよい。
【0040】
全館空調システム13は、建物2内における空調を管理するためのシステムであり、建物2に設置されている一台又は複数台の空調装置を制御して総合的に管理する空調管理手段とされている。
全館空調システム13は、ユーザーUが操作可能な操作用端末(図示省略)を備えており、表示装置、入力装置、記憶装置及びマイクロプロセッサー等を有するコンピューターである。より具体的には、操作用端末として、専用の情報端末の他、携帯電話機(例えば、スマートフォン、フューチャーフォン)、PDA(Personal Digital Assistant)、デスクトップ型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター(ノート型パーソナルコンピューター)、パームトップ型パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター等を利用することができる。
操作用端末は、ホームゲートウェイ11と通信可能に接続されている。操作用端末が専用の情報端末の場合は、ホームゲートウェイ11と直接的に接続されている。スマートフォン等である場合は、通信ネットワークを介してホームゲートウェイ11と接続されている。その場合、スマートフォン等の操作用端末には、全館空調システム13を利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、このアプリケーションプログラムが起動すると、操作用端末とホームゲートウェイ11とが通信ネットワークを介して通信して各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0041】
なお、操作用端末は、ユーザーUが使用するユーザー用情報端末15でもよい。換言すれば、ユーザーUが使用するユーザー用情報端末15は、操作用端末として例として挙げられた携帯電話機やPDA、各種パーソナルコンピューターのいずれかとされている。
【0042】
全館空調システム13は、建物2に設けられた各種の設備(ルームエアコン、非居室用エアコン、ダクト式エアコン、床暖房、ホームゲートウェイ11等)と、操作用端末と、通信ネットワークと、を含むシステム構成とされている。
これにより、操作用端末上で、建物2内に設けられた各種の空調設備の操作や管理を行うことができる。また、各種の空調設備における利用状況は、操作用端末によって把握することができ、その情報は、ホームゲートウェイ11を通じて中央管理サーバー10に送信される。つまり、中央管理サーバー10と操作用端末は、本実施形態においては間接的に通信可能な状態で接続されている。ただし、全館空調システム13は、上記のようにホームゲートウェイ11を含む構成となっているため、全館空調システム13自体は、中央管理サーバー10と直接的に通信可能な状態で接続されているとも言える。
【0043】
ユーザーUは、ユーザー宅2の建築からの経過年数、及びユーザー宅2に居住するユーザーUの経過年数経過後の年齢である将来年齢に応じた、ユーザーUの生活を支援するためのサービスを受けている。当該サービスは、例えば、ユーザー宅2を建築した建築会社又はその委託業者から提供されるものであり、ユーザーUは、ユーザーUの生活を支援するためのサービスに関する情報に基づいて、サービスの提案を受ける。
サービスに関する情報としては、例えば、ユーザー宅2のリフォームに関する情報、ユーザー宅2のメンテナンスに関する情報、住み替えに関する情報の他、ユーザーUが将来行うことを予定しているイベント情報が挙げられる。これらのサービスに関する情報は、情報端末における表示部に表示される。
情報端末は、表示装置、入力装置、記憶装置及びマイクロプロセッサー等を有するコンピューターである。より具体的には、操作用端末として、専用の情報端末の他、スマートフォン等の携帯電話機、PDA、各種パーソナルコンピューター等を利用することができる。本実施形態においては、情報端末として、ユーザーUが使用するユーザー用情報端末15が採用される。
【0044】
また、サービスに関する情報は、イベント情報管理サーバー14によって、情報端末であるユーザー用情報端末15に提供される。サービスに関する情報は、年表形式で表示されるようになっており、年表には、ユーザー宅2のリフォームに関する情報、ユーザー宅2のメンテナンスに関する情報、住み替えに関する情報が、年ごと、月ごとに順に並べられて表示される。また、年表には、ユーザーU(家族)に関する将来のイベント情報も、年ごと、月ごとに順に並べられて表示される。
ユーザーU(家族)に関する将来のイベント情報としては、例えば、年中行事や子供の行事、家族の誕生日など、様々なイベントや記念日等に係る情報が挙げられる。
イベント情報管理サーバー14は、将来のイベント情報に役立つ情報や、ユーザー宅2のリフォーム等に役立つ情報を、ユーザー用情報端末15に送信する。その情報を送信するタイミングは年表に基づいており、年表上でイベント等が近づいてくると、ユーザー用情報端末15に役立つ情報が送られてくる。そのため、ユーザーUは、人を介すことなく、ユーザーU及びユーザー宅2にとって適切な内容のサービスの情報の提案を、適切なタイミングで受けることができる。
【0045】
ユーザーU(ユーザー用情報端末15)へのサービスに関する情報の提供を行っているイベント情報管理サーバー14は、通信ネットワークを介して中央管理サーバー10と接続されている。そのため、中央管理サーバー10は、イベント情報管理サーバー14からユーザー用情報端末15に送られるサービスに関する情報(ユーザーUに関する将来のイベント情報)を把握することができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、調合器5も、ホームゲートウェイ11と通信可能に接続されている。そのため、中央管理サーバー10と調合器5も、ホームゲートウェイ11及び通信ネットワークを通じて通信可能に接続されている。
これにより、中央管理サーバー10から調合器5に対して、複数種類のミネラル成分の調合レシピに係る情報を送信されると、調合器5は、自動的に、調合レシピに基づいて複数種類のミネラル成分の調合を行う。そして、複数種類のミネラル成分を、タンク4から排出される水に混ぜ合わせ、これにより、ミネラルウォーターを生成できるようになっている。
【0047】
中央管理サーバー10は、上記のように、制御部10aと、記憶部10bと、通信部10cと、を備えており、燃料電池装置3において使用中の水素カートリッジの残量が少なくなった場合に、少なくとも交換用の水素カートリッジ3aの発注を行うものである。また、交換用の水素カートリッジ3aと一緒に他の配送物20,21の発注を行うことが可能となっている。
交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21の発注は、通信ネットワークを介して中央管理サーバー10と通信可能に接続され、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21を一緒に配送する配送業者Dが使用する配送業者用情報端末18に対して行われる。
【0048】
ここで、他の配送物20,21とは、例えば料理の材料20や、生花・鉢花・観葉植物等の植物21とされている。これらは、調合器5によって生成されたミネラルウォーターと組み合わせられてユーザーUによって消費又は利用されるものである。
すなわち、料理の材料20は、ミネラルウォーターと組み合わせられて料理となり、ユーザーUによって消費される。
また、植物21は、ミネラルウォーターと組み合わせられて、ユーザーUによってユーザー宅2にて飾られて観賞用として利用される。
【0049】
なお、他の配送物は、料理の材料20や植物21に限られるものではなく、調合器5によって生成されたミネラルウォーターと組み合わせられてユーザーUによって消費又は利用されるものであれば特に限定されない。例えば、調合器5によって生成されたミネラルウォーターと香料や炭酸ガス、砂糖等を組み合わせて飲料としてユーザーUによって消費されてもよいし、美容成分や美容オイルと組み合わせて美容品としてユーザーUによって消費又は利用されてもよい。アロマオイル等と組み合わせて芳香用品(リラクゼーション用品)としてユーザーUによって消費又は利用されてもよい。
【0050】
中央管理サーバー10における制御部10aは、CPU、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等により構成されている。
ROMは、CPUが実行する各種プログラム等を記憶している。
そして、制御部10aのCPUは、記憶部10bに記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、本システムにおける各手段の動作を集中制御するようになっている。
【0051】
中央管理サーバー10における記憶部10bは、不揮発性のメモリーやハードディスク等により構成されている。
記憶部10bには、制御部10aが実行する各種プログラムや、プログラムの実行に必要な各種データ等が記憶されている。
【0052】
各種プログラムには、例えば、トリガー情報取得プログラムと、選定情報取得プログラムと、選定プログラムと、候補情報送信プログラムと、諾否情報取得プログラムと、配送依頼情報送信プログラムと、調合レシピ導出プログラムと、調合レシピ情報送信プログラムと、が含まれている。
これらの各種プログラムは、制御部10aや記憶部10b、通信部10cとの協働により、本システムの一手段として機能することになる。
【0053】
各種データには、画面生成に必要とされる種々のデータや、その他、本システムの動作に必要なデータやパラメーターが適宜含まれているものとする。
なお、このような各種データには、ユーザーUの個人情報や取引情報等の情報と、配送業者Dに係る情報が含まれている。すなわち、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21の届け先と発注先の情報が含まれている。
また、このような各種データには、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補に係る情報が多数含まれている。当該候補に係る情報は、水素配送システムの管理者によって更新可能であり、新商品や季節商品、期間限定商品など、様々な商品展開が可能となっている。また、これら候補に係る情報は、後述する選定プログラムで選定しやすくするために様々な種類に分類されており、データベース化されてもよい。
また、このような各種データには、複数種類のミネラル成分の調合レシピ情報が多数含まれている。生成されるミネラルウォーターを、どのような味にするか、硬度をどの程度にするか、といった嗜好や、ミネラルウォーターと組み合わせられる他の配送物20,21に応じて分類されており、データベース化されてもよい。
【0054】
中央管理サーバー10における通信部10cは、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部10cは、通信ネットワークやホームゲートウェイ11を介して有線又は無線で接続された他の装置(燃料電池装置3、HEMS12、全館空調システム13、イベント情報管理サーバー14、ユーザー用情報端末15、配達業者用情報端末18等)との間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0055】
本実施形態における中央管理サーバー10は、以下のように動作する。
なお、図5は、トリガー情報の送信からミネラルウォーターが生成されるまでの流れを示すフローチャートである。
【0056】
中央管理サーバー10は、トリガー情報を取得しない場合は、基本的には水素配送に係る動作を行わないが、中央管理サーバー10の管理者側からの操作によって水素配送に係る動作ができるようになっている。
また、トリガー情報は、ユーザーU又はユーザー宅2側から送信されるものとなっており(ステップS1)、中央管理サーバー10は、通信ネットワークを通じて送信されたトリガー情報を、通信部10cを通じて受信する。
制御部10aは、記憶部10bに記憶されたトリガー情報取得プログラムを実行し、ユーザー宅2から送信されたトリガー情報を取得する(ステップS2)。本実施形態の水素配送システムは、このようにトリガー情報を取得すると、水素配送に係る動作が開始される設定となっている。
【0057】
なお、トリガー情報とは、本実施形態においては、ユーザー宅2の燃料電池装置3で使用中の水素カートリッジの交換を促す情報を指す。上記のように、燃料電池装置3の残量ゲージ3bは、HEMS12と協働して残量管理部として機能している。そのため、使用中の水素カートリッジの交換を促す情報は、HEMS12及びホームゲートウェイ11により、通信ネットワークを通じて中央管理サーバー10へと送信される。
ただし、水素配送システムにおける水素配送の動作を開始させるトリガー情報は、これに限られるものではない。すなわち、ユーザーU自身が、燃料電池装置3の残量ゲージ3bを見て確認し、ユーザー用情報端末15によって、使用中の水素カートリッジの交換を促す情報を中央管理サーバー10に対して送信してもよい。その場合、ユーザー用情報端末15には、水素配送システムの機能を利用するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、このアプリケーションプログラムが起動すると、ユーザー用情報端末15と中央管理サーバー10とが通信ネットワークを介して通信して各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0058】
トリガー情報には、ユーザーUの個人情報が紐付けられている。トリガー情報に含まれている個人情報は、ユーザーUを特定するための情報であり、ユーザーUの名前の他、ユーザーIDや連絡先等の情報が挙げられる。
また、中央管理サーバー10の記憶部10bには、ユーザーUの個人情報や取引情報等が記憶されている。そのため、トリガー情報を取得すると、制御部10aは、トリガー情報の個人情報と、記憶部10bに記憶されているユーザーUの個人情報とを照合し、水素カートリッジ3aの配送を必要としているユーザーUや水素カートリッジ3aの型番等を特定する。
つまり、トリガー情報取得プログラムは、トリガー情報をシステム内に取得することによって記憶部10bに記憶されている情報と照合し、どのユーザーUに、どの水素カートリッジ3aを配送すればよいかを把握することができる。このようなトリガー情報取得プログラムは、制御部10aや記憶部10b、通信部10cとの協働により、水素配送システムにおけるトリガー情報取得手段として機能する。
【0059】
どのユーザーUに、どの水素カートリッジ3aを配送すればよいかを把握すると、制御部10aは、選定情報取得プログラムを実行し、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補を選定するのに必要な選定情報を外部から取得する(ステップS3)。
【0060】
選定情報は、他の配送物20,21の候補を選定するのに必要な情報であり、本実施形態においては、ユーザー宅2に設置された設備の利用状況に係る情報か、ユーザー宅2に居住するユーザーUに係る将来のイベント情報を指す。つまり、HEMS12によって管理されているユーザー宅2のエネルギー需給に係る情報、全館空調システム13によって管理されているユーザー宅2の空調設備の利用状況に係る情報、イベント情報管理サーバー14によって管理されているユーザーU(家族)に関する将来のイベント情報が、選定情報とされている。
【0061】
制御部10aは、選定情報取得プログラムを実行することで、通信部10c及び通信ネットワークを通じて、ユーザー宅2のホームゲートウェイ11との間で情報のやり取りを行い、HEMS12及び全館空調システム13から選定情報を取得することができる。また、制御部10aは、選定情報取得プログラムを実行することで、通信部10c及び通信ネットワークを通じて、イベント情報管理サーバー14との間で情報のやり取りを行い、イベント情報管理サーバー14から選定情報を取得することができる。
つまり、選定情報取得プログラムは、トリガー情報を取得したことを契機にして、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補を選定するのに必要な選定情報を外部から取得することができる。このような選定情報取得プログラムは、制御部10aや記憶部10b、通信部10cとの協働により、水素配送システムにおける選定情報取得手段として機能する。
【0062】
外部から選定情報を取得すると、制御部10aは、選定プログラムを実行し、外部から取得した選定情報に基づいて、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補を選定する(ステップS4)。
【0063】
配送物20,21の候補の選定は、例えば、ユーザー宅2でのエネルギー需給に係る情報に基づいて行われる。
例えば、料理の材料20の候補を選定する場合は、ユーザー宅2のキッチンにおける水の使用量、ガスの使用量(電磁調理器の場合は電力の使用量)から、ユーザー宅2でよく食べられている料理の系統を把握することができる。すなわち、例えば、煮込み料理や揚げ物であれば必然的にガスの使用量は多くなるし、下拵えの多い料理やサラダや刺身などのような火を使わない料理であれば水の使用量が増える。また、電子レンジを多用して電気の使用量が多くなっている場合は冷凍品の使用率が高い、などといった情報を得ることができる。
すなわち、選定プログラムを実行すると、取得したHEMS12の情報から、ユーザー宅2でよく食べられている料理の系統を読み取り、ユーザー宅2に配送される料理の材料20の候補を選定することができる。
【0064】
また、配送物20,21の候補の選定は、例えば、ユーザー宅2での空調設備の利用状況に係る情報に基づいて行われる。
例えば、料理の材料20の候補を選定する場合は、空調設備をどのように利用しているかによって、ユーザーUが暑がっているか寒がっているかを把握でき、ユーザーUにとってどのような料理の系統が好ましいかが判断しやすくなる。冷房を多用しているような場合に好適な料理や、暖房を多用しているような場合に好適な料理は選定しやすい。
すなわち、選定プログラムを実行すると、取得した全館空調システム13の情報から、ユーザーUにとって好ましいと考えられる料理の系統を読み取り、ユーザー宅2に配送される料理の材料20の候補を選定することができる。
【0065】
また、配送物20,21の候補の選定は、例えば、ユーザーU(家族)に係る将来のイベント情報に基づいて行われる。
一年を通して、年中行事や子供の行事は多い。また、家族の人数が多ければ誕生日も多くなる。将来予定されているこれらのイベント情報には、季節の概念や日本や外国の風習・習わし・慣習といった要素が紐づいていることが多く、そのようなイベント情報の要素を考慮した料理は選定しやすい。
すなわち、選定プログラムを実行すると、取得した将来のイベント情報から、ユーザーUにとって好ましいと考えられる料理の系統を読み取り、ユーザー宅2に配送される料理の材料20の候補を選定することができる。
また、イベント情報の場合は、他の配送物の候補として、料理の材料20だけでなく、生花・鉢花・観葉植物等の植物21も挙げやすくなる。
【0066】
制御部10aは、選定プログラムを実行することで、記憶部10bに記憶されている他の配送物20,21の候補の中から、ユーザーUの元に配送するのに好適な他の配送物20,21の候補を選択することができる。候補の数は一つでもよいし、複数でもよい。
つまり、選定プログラムは、選定情報取得プログラムを実行して取得した選定情報に基づいて、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補の選定を行うことができる。このような選定プログラムは、制御部10aや記憶部10bとの協働により、水素配送システムにおける選定手段として機能する。
なお、他の配送物20,21の候補を選択する場合に用いられる選定情報は、本実施形態においては、HEMS12の情報、全館空調システム13の情報、イベント情報管理サーバー14の情報のいずれか一つとされているが、これら三つの情報を加味して一つの候補が選択されてもよい。各々一つ以上の情報をユーザーUに提案する候補として選択してもよい。
【0067】
また、図示はしないが、選定情報取得プログラムを実行して取得した選定情報に基づいて、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補の選定を行う場合に、人工知能(AI:Artificial Intelligence)の学習に基づく技術を用いてもよい。
すなわち、選定プログラムを実行して選定された候補の情報を入力とし、ユーザーUによって実際に選択された候補の情報を出力として機械学習させた学習済みモデル10dを用いて、制御部10aが、記憶部10bに記憶されている複数の候補の中から、ユーザーUにとって最適な候補を判断できるようにしてもよい。
【0068】
選定プログラムを実行して他の配送物20,21の候補情報が選定されると、制御部10aは、候補情報送信プログラムを実行し、他の配送物20,21の候補情報を、トリガー情報を送信したユーザーUが使用しているユーザー用情報端末15に送信する(ステップS5)。
つまり、制御部10aは、候補情報送信プログラムを実行することで、通信部10c及び通信ネットワークを通じて、ユーザー用情報端末15との間で情報のやり取りを行い、このユーザー用情報端末15に、他の配送物20,21の候補情報を送信することができる。このような候補情報送信プログラムは、制御部10aや記憶部10b、通信部10cとの協働により、水素配送システムにおける候補情報送信手段として機能する。
なお、他の配送物20,21の候補情報は一つでもよいし、複数でもよく、ユーザー用情報端末15に送信された候補情報は、履歴データとして記憶部10bに記憶される。
【0069】
ユーザーUは、ユーザー用情報端末15が受信した他の配送物20,21の候補情報を見て、他の配送物20,21を、交換用の水素カートリッジ3aと一緒に配送するか否かを決定し、その諾否情報を、ユーザー用情報端末15によって中央管理サーバー10に送信する(ステップS6)。なお、このような情報のやり取りは、上記のアプリケーションプログラムを利用して行われる。
他の配送物20,21の候補が複数である場合は、複数の候補の中から任意の候補を選択して諾否情報を送信する。
なお、諾否情報とは、交換用の水素カートリッジ3aの配送と他の配送物20,21の配送とを一緒に行うことについて承諾するか、承諾しないか、というユーザーUの意思が反映された情報を指す。
【0070】
制御部10aは、候補情報送信プログラムを実行した後に、記憶部10bに記憶された諾否情報取得プログラムを実行し、ユーザー用情報端末15から送信された諾否情報を取得する(ステップS7)。取得した諾否情報は、記憶部10bに記憶される。
つまり、制御部10aは、諾否情報取得プログラムを実行することで、システムを諾否情報の待機状態とし、通信部10c及び通信ネットワークを通じて、ユーザー用情報端末15から他の配送物20,21の候補情報についてのユーザーUの諾否に係る情報(諾否情報)を受信して取得することができる。このような諾否情報取得プログラムは、制御部10aや記憶部10b、通信部10cとの協働により、水素配送システムにおける諾否情報取得手段として機能する。
【0071】
ユーザー用情報端末15から他の配送物20,21の候補情報についてのユーザーUの諾否に係る情報(諾否情報)を取得すると、制御部10aは、配送依頼情報送信プログラムを実行して、配送業者Dが使用している配送業者用情報端末18に対し、少なくとも交換用の水素カートリッジ3aの、ユーザー宅2への配送を依頼する配送依頼情報を送信する(ステップS8,S9,S10)。
配送依頼情報は、ユーザーUが、他の配送物20,21の候補情報について承諾したか否かによって内容が異なる。
すなわち、ユーザーUが他の配送物20,21の候補情報について承諾しなかった場合は、配送業者用情報端末18に対し、交換用の水素カートリッジ3aのみの配送依頼の内容が含まれた配送依頼情報が送信されることとなる(ステップS9)。
一方、ユーザーUが他の配送物20,21の候補情報について承諾した場合は、配送業者用情報端末18に対し、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21の配送依頼の内容が含まれた配送依頼情報が送信されることとなる(ステップS10)。
【0072】
つまり、ユーザー用情報端末15から送信された諾否情報(他の配送物20,21の候補情報についてのユーザーUの諾否に係る情報)を取得すると、制御部10aは、配送依頼情報送信プログラムを実行することで、通信部10c及び通信ネットワークを通じて、諾否情報の内容が反映された配送依頼情報を、配送業者Dが使用している配送業者用情報端末18に送信することができる。このような配送依頼情報送信プログラムは、制御部10aや記憶部10b、通信部10cとの協働により、水素配送システムにおける配送依頼情報送信手段として機能する。
【0073】
配送業者用情報端末18によって配送依頼情報を受けた配送業者Dが、交換用の水素カートリッジ3aの配送を行う場合は、水素カートリッジ取扱業者17から交換用の水素カートリッジ3aを受け取り、ユーザー宅2へと配送を行う。また、配送依頼情報に、他の配送物20,21の配送依頼の内容が含まれている場合は、他の配送物20,21の販売業者16から他の配送物20,21を受け取り、ユーザー宅2へと配送を行う。
他の配送物20,21の販売業者16及び水素カートリッジ取扱業者17は、同一の事業者によって運営されていることが好ましく、同一の倉庫内で交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21とを同一の配送用トラックに積載できると、配送業者Dにとっても都合が良いし、ユーザーUにとっても配送コストを低減できて都合が良い。
販売業者16と水素カートリッジ取扱業者17のうち少なくとも一方は、複数種類のミネラル成分を入れた専用カートリッジ5a,5b,5c,5dの取り扱いも行っているものとする。これにより、ユーザーUから専用カートリッジ5a,5b,5c,5dの購入希望があったり、他の配送物20,21を依頼してくれたユーザーUへの特典として専用カートリッジ5a,5b,5c,5dをプレゼントしたりすることができる。
なお、配送業者Dが使用している配送業者用情報端末18は、例えば、携帯電話機やPDA、各種パーソナルコンピューターのいずれかとされている。
【0074】
配送業者Dが使用している配送業者用情報端末18への配送依頼情報の送信が完了すると、制御部10aは、調合レシピ導出プログラムを実行して、複数種類のミネラル成分を調合するのに必要な調合レシピを導き出す(ステップS11)。
つまり、ユーザーUが他の配送物20,21の配送を承諾した場合には、当該他の配送物20,21に組み合わせられるミネラルウォーターのミネラル成分を、当該他の配送物20,21にとって最適なものにしなければならない。そのため、上記のように、記憶部10bには、分類された多数の調合レシピが記憶されており、調合レシピ導出プログラムが実行されると、ユーザーUが承諾した他の配送物20,21にとって最適な調合レシピが記憶部10bから抽出されるようになっている。要するに、他の配送物20,21に組み合わせるのに最適なミネラルウォーターを生成するために必要な複数種類のミネラル成分の調合レシピ情報を導き出すことができる。このような調合レシピ導出プログラムは、制御部10aや記憶部10bとの協働により、水素配送システムにおける調合レシピ導出手段として機能する。
【0075】
最適な調合レシピ情報が導き出されると、制御部10aは、調合レシピ情報送信プログラムを実行して、その調合レシピ情報を、調合器5に送信する(ステップS12)。
つまり、調合レシピ導出プログラムを実行して最適な調合レシピ情報を取得すると、制御部10aは、調合レシピ情報送信プログラムを実行することで、通信部10c及び通信ネットワークを通じて、当該調合レシピ情報を、ホームゲートウェイ11に送信することができる。要するに、調合レシピ導出プログラムによって導き出された、他の配送物20,21にとって最適な調合レシピ情報を、調合器5に送信することができる。このような調合レシピ導出プログラムは、制御部10aや記憶部10b、通信部10cとの協働により、水素配送システムにおける調合レシピ情報送信手段として機能する。
なお、調合レシピ情報の送信タイミングは、配送依頼情報の送信が完了した後すぐでもよいが、配送業者Dによる交換用の水素カートリッジ3a及び他の配送物20,21の配送タイミングに合わせて送信するようにしてもよい。
【0076】
本実施形態における中央管理サーバー10は、ユーザーU又はユーザー宅2側から送信されるトリガー情報を取得すると、以上のようにして動作する。
なお、上記の中央管理サーバー10の動作フローにおいて、ステップS3及びステップS4は省略してもよい。その場合は、配送物20,21の候補の選定は、中央管理サーバー10の管理者によって行われるものとする。このように中央管理サーバー10の管理者によって候補の選定が行われる場合は、HEMS12や全館空調システム13、イベント情報管理サーバー14からの選定情報を受ける必要がない。そのため、中央管理サーバー10は、HEMS12や全館空調システム13、イベント情報管理サーバー14と通信可能に接続されなくてもよい。
【0077】
続いて、調合レシピ情報を受信した調合器5は、調合レシピ情報どおりに、自動で複数種類のミネラル成分の調合を行う(ステップS13)。
そして、調合器5は、自動で、調合レシピ情報どおりに調合された複数種類のミネラル成分を、タンク4から供給される原料水に対して混ぜ合わせてミネラルウォーターの生成を行う(ステップS14)。
【0078】
最適な調合レシピ情報に基づいて生成されたミネラルウォーターは、ボトル6等の容器に貯留されて、配送されてきた他の配送物20,21と組み合わせられて、ユーザーUによって消費又は利用される。
【0079】
他の配送物が、料理の材料20である場合は、ミネラルウォーターと組み合わせられて料理となり、ユーザーUによって消費される。
例えば、料理の材料20が、日本のある地域の料理であった場合は、複数種類のミネラル成分を、当該地域における天然水のミネラル成分に合わせて調合することで、その料理に合った水を使って料理できることになる。
【0080】
他の配送物が、生花・鉢花・観葉植物等の植物21である場合は、ミネラルウォーターと組み合わせられて、ユーザーUによってユーザー宅2にて飾られて観賞用として利用される。
例えば、植物21が、日本のある地域の植物であった場合は、複数種類のミネラル成分を、当該地域における天然水のミネラル成分に合わせて調合することで、その植物21に合った水を使って生育できることになる。
【0081】
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
すなわち、配送依頼情報送信手段によって、使用中の水素カートリッジの残量が少なくなった場合に、配送業者用情報端末18に、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21のうち少なくとも交換用の水素カートリッジ3aの、ユーザー宅2への配送を依頼する情報を送信するので、交換用の水素カートリッジ3aの配送と、他の配送物20,21の配送と、を一緒に行うことが可能となる。
そして、調合器5は、燃料電池装置3における排水設備部4から排出される水に、複数種類のミネラル成分を調合して混ぜ合わせることでミネラルウォーターを生成し、他の配送物20,21は、調合器5によって生成されたミネラルウォーターと組み合わせられてユーザーによって消費又は利用されるので、燃料電池装置3からの排水を、他の配送物20,21と組み合わせて家庭内で有効利用することができる。
これにより、燃料電池装置3からの排水を家庭内で有効利用しつつ、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を抑制することができ、結果的に、燃料電池装置3の今後一層の普及に貢献できる。
【0082】
また、中央管理サーバー10は、使用中の水素カートリッジの交換を促すトリガー情報を取得したことを契機にして、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補を選定するのに必要な選定情報を外部から取得し、取得した選定情報に基づいて、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補の選定を行うので、厳選された他の配送物20,21の候補を選定することができ、無作為に選定される場合に比して、ユーザーUからの承諾を得やすくなる。これにより、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21とを一緒に配送する機会が増えるので、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を一層抑制することができる。
【0083】
また、選定情報は、ユーザー宅2に設置された設備(燃料電池装置3、HEMS12、全館空調システム13)の利用状況に係る情報であるため、選定情報は、ユーザーUの生活に即したものとなる。すなわち、ユーザーUの生活に即した内容の選定情報に基づいて、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補の選定を行うことができるので、必然的にユーザーUからの承諾を得やすくなる。これにより、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21とを一緒に配送する機会が増えるので、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を一層抑制することができる。
【0084】
また、選定情報は、ユーザー宅2に居住するユーザーUに係る将来のイベント情報であるため、選定情報は、将来的にユーザーUが参加する予定のイベント情報に合わせたものとなる。すなわち、将来的にユーザーUが参加する予定のイベント情報に即した内容の選定情報に基づいて、ユーザーUに提案する他の配送物20,21の候補の選定を行うことができるので、必然的にユーザーUからの承諾を得やすくなる。これにより、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20,21とを一緒に配送する機会が増えるので、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を一層抑制することができる。
【0085】
また、他の配送物20は、料理の材料20であるため、料理の材料20に応じて、調合器5によって生成されるミネラルウォーターのミネラル成分を調整し、料理の質を高めることができる。これにより、他の配送物20に対するユーザーUの満足度を向上させることができるので、結果的に、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物20とを一緒に配送する機会が増えて、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を一層抑制することができる。
【0086】
また、他の配送物21は、生花・鉢花・観葉植物等の植物21であるため、植物21の種類に応じて、調合器5によって生成されるミネラルウォーターのミネラル成分を調整し、植物21の生育状態を良好にすることができる。これにより、他の配送物21に対するユーザーUの満足度を向上させることができるので、結果的に、交換用の水素カートリッジ3aと他の配送物21とを一緒に配送する機会が増えて、水素カートリッジ3aの配送コストの上昇を一層抑制することができる。
【0087】
また、近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。本実施形態の水素配送システムは、二酸化炭素の排出を抑える燃料電池装置の普及に貢献するものであるため、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0088】
1 排水利用システム
2 建物(ユーザー宅)
3 燃料電池装置
3a 水素カートリッジ
3b 残量ゲージ
4 タンク
5 調合器
5a 専用カートリッジ
5b 専用カートリッジ
5c 専用カートリッジ
5d 専用カートリッジ
6 ボトル
10 中央管理サーバー10
11 ホームゲートウェイ
12 HEMS
13 全館空調システム
14 イベント情報管理サーバー
15 ユーザー用情報端末
16 販売業者
17 水素カートリッジ取扱業者
18 配送業者用情報端末
20 料理の材料
21 植物
U ユーザー
D 配送業者
図1
図2
図3
図4
図5