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  • 特開-額縁付き鏡の壁取付構造 図1
  • 特開-額縁付き鏡の壁取付構造 図2
  • 特開-額縁付き鏡の壁取付構造 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151453
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】額縁付き鏡の壁取付構造
(51)【国際特許分類】
   E04F 13/08 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
E04F13/08 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064781
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100161230
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雅博
(72)【発明者】
【氏名】橋本 直美
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA42
2E110AA48
2E110AB04
2E110AB23
2E110BC03
2E110CA03
2E110DA12
2E110DB13
2E110DC02
2E110DC10
(57)【要約】
【課題】額縁付き鏡が壁から落下するのを防止しながら、額縁付き鏡を壁から容易に取り外すことが可能な額縁付き鏡の壁取付構造を提供する。
【解決手段】額縁付き鏡20は、額縁22の内側に鏡21が取り付けられたものである。額縁22は、鏡21よりも壁部11側に延出する延出部28を有する。壁部11に取り付けられ、延出部28により囲まれた内側に配置される被引掛部31と、額縁付き鏡20に設けられ、被引掛部31に上方から引っ掛けられる引掛部32とを備える。被引掛部31に引掛部32が引っ掛けられることで額縁付き鏡20が壁部11に取り付けられる。額縁付き鏡20には、被引掛部31に係合することにより額縁付き鏡20が上方に変位するのを規制する規制部材40が設けられている。規制部材40は、延出部28の内側と外側とを連通する挿込孔に挿し込まれた状態で設けられ、挿込孔に対して抜き挿し可能とされている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
額縁の内側に鏡が取り付けられた額縁付き鏡を備え、
前記額縁付き鏡が建物の壁部に取り付けられる額縁付き鏡の壁取付構造であって、
前記額縁は、前記鏡よりも前記壁部側に延出する延出部を有し、
前記壁部に取り付けられ、前記延出部により囲まれた内側に配置される被引掛部と、
前記額縁付き鏡に設けられ、前記被引掛部に上方から引っ掛けられる引掛部と、
を備え、
前記被引掛部に前記引掛部が引っ掛けられることにより前記額縁付き鏡が前記壁部に取り付けられ、
前記額縁付き鏡には、前記被引掛部に係合することにより前記額縁付き鏡が上方に変位するのを規制する規制部材が設けられ、
前記規制部材は、前記延出部の前記内側と外側とを連通する挿込孔に挿し込まれた状態で設けられ、かつ前記挿込孔に対して抜き挿し可能とされている、額縁付き鏡の壁取付構造。
【請求項2】
前記額縁は、一対の縦枠部と一対の横枠部とを有する矩形枠状に形成され、
前記縦枠部の前記延出部に前記挿込孔が形成され、
前記規制部材は、前記挿込孔に挿し込まれることにより前記被引掛部よりも下方から前記被引掛部に係合する、請求項1に記載の額縁付き鏡の壁取付構造。
【請求項3】
前記規制部材は、
前記挿込孔に挿し込まれ前記被引掛部に係合する係合部と、
前記係合部のうち前記延出部よりも前記外側の部分から上方に突出し、前記外側の部分とともに鉤状のフック部を形成する突出部と、
を有している、請求項2に記載の額縁付き鏡の壁取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、額縁付き鏡の壁取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の建物には、部屋の壁に額縁付きの鏡(以下、額縁付き鏡という)が取り付けられている場合がある(例えば、特許文献1参照)。額縁付き鏡は、額縁の内側に鏡が取り付けられたものであり、例えば壁に固定された引掛部材に引っ掛けられることにより取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-68419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、額縁付き鏡が引掛部材に引っ掛けられて取り付けられる上述の構成では、地震等で建物が揺れた際に、額縁付き鏡が引掛部材から外れて落下するおそれがある。その場合、鏡が割れる等して破損するおそれがある。
【0005】
また、額縁付き鏡の落下を防止するために、額縁付き鏡を壁に接着等することで固定することが考えられる。しかしながら、そうすると、鏡が破損等して鏡を交換する必要が生じた際に、額縁付き鏡を壁から取り外すのが困難となってしまう。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、額縁付き鏡が壁から落下するのを防止しながら、額縁付き鏡を壁から容易に取り外すことが可能な額縁付き鏡の壁取付構造を提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明の額縁付き鏡の取付構造は、額縁の内側に鏡が取り付けられた額縁付き鏡を備え、前記額縁付き鏡が建物の壁部に取り付けられる額縁付き鏡の壁取付構造であって、前記額縁は、前記鏡よりも前記壁部側に延出する延出部を有し、前記壁部に取り付けられ、前記延出部により囲まれた内側に配置される被引掛部と、前記額縁付き鏡に設けられ、前記被引掛部に上方から引っ掛けられる引掛部と、を備え、前記被引掛部に前記引掛部が引っ掛けられることにより前記額縁付き鏡が前記壁部に取り付けられ、前記額縁付き鏡には、前記被引掛部に係合することにより前記額縁付き鏡が上方に変位するのを規制する規制部材が設けられ、前記規制部材は、前記延出部の前記内側と外側とを連通する挿込孔に挿し込まれた状態で設けられ、かつ前記挿込孔に対して抜き挿し可能とされている。
【0008】
第1の発明によれば、額縁付き鏡の額縁が鏡よりも壁部側に延出する延出部を有している。壁部には被引掛部が取り付けられ、その被引掛部は延出部により囲まれた内側に配置されている。一方、額縁付き鏡には、被引掛部に上方から引っ掛けられる引掛部が設けられている。この場合、被引掛部に引掛部が引っ掛けられることにより、額縁付き鏡が壁部に取り付けられる。かかる構成では、被引掛部及び引掛部が額縁付き鏡により覆い隠された状態とされるため、意匠性が損なわれるのを抑制しながら、額縁付き鏡を壁部に取り付けることができる。
【0009】
また、額縁付き鏡には、被引掛部に係合することにより額縁付き鏡が上方に変位するのを規制する規制部材が設けられている。この場合、地震等で建物に揺れが生じた際に、額縁付き鏡の引掛部が被引掛部から上方に外れるのを防止することができる。そのため、額縁付き鏡が壁部から落下するのを防止することができる。
【0010】
また、規制部材は、額縁の延出部の内側と外側とを連通する挿込孔に挿し込まれた状態で設けられ、その挿込孔に対して抜き挿し可能とされている。この場合、額縁付き鏡を壁部から取り外す際には、規制部材を挿込孔から抜き取り、その後額縁付き鏡を上方に持ち上げて引掛部を被引掛部から外すことで取り外すことができる。よって、額縁付き鏡が壁部から落下するのを防止しながらも、額縁付き鏡を壁部から容易に取り外すことができる。
【0011】
第2の発明の額縁付き鏡の取付構造は、第1の発明において、前記額縁は、一対の縦枠部と一対の横枠部とを有する矩形枠状に形成され、前記縦枠部の前記延出部に前記挿込孔が形成され、前記規制部材は、前記挿込孔に挿し込まれることにより前記被引掛部よりも下方から前記被引掛部に係合する。
【0012】
第2の発明によれば、規制部材が額縁の縦枠部の延出部に形成された挿込孔に挿し込まれ、その挿し込みにより、規制部材が被引掛部よりも下方から被引掛部に係合するようになっている。例えば、被引掛部に規制部材が挿入される挿入部(例えば挿入孔部)を形成し、その挿入部に規制部材を挿入し係合させる構成も考えられるが、その場合、挿入部を加工形成する必要が生じる等、製造上の手間が発生する。その点、上記の構成によれば、そのような手間が生じることなく、上記第1の発明を実現することができる。
【0013】
第3の発明の額縁付き鏡の取付構造は、第2の発明において、前記規制部材は、前記挿込孔に挿し込まれ前記被引掛部に係合する係合部と、前記係合部のうち前記延出部よりも前記外側の部分から上方に突出し、前記外側の部分とともに鉤状のフック部を形成する突出部と、を有している。
【0014】
第3の発明によれば、規制部材が、挿込孔に挿し込まれ被引掛部に係合する係合部と、係合部のうち延出部よりも外側の部分から上方に突出し、上記外側の部分とともに鉤状のフック部を形成する突出部とを有している。この場合、フック部に小物を引っ掛けることができるため、規制部材の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)が間仕切壁に取り付けられた額縁付き鏡を示す正面図であり、(b)が(a)のA-A線断面図である。
図2図1(a)のB-B線断面図である。
図3】額縁付き鏡を壁部に取り付ける際の取付手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を具体化した一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図1は、(a)が間仕切壁に取り付けられた額縁付き鏡を示す正面図であり、(b)が(a)のA-A線断面図である。
【0017】
図1(a)及び(b)に示すように、住宅等の建物には、間仕切壁からなる壁部11が設けられている。この壁部11により、隣り合う屋内空間12,13が互いに仕切られている。これらの屋内空間12,13は、例えば居室となっている。屋内空間12,13は、寝室や洗面室、玄関等、居室以外の屋内空間であってもよい。
【0018】
壁部11は、対向する一対の壁面材15と、各壁面材15の間に設けられた下地フレーム16とを有している。壁面材15は、例えば石膏ボードにより形成され、その表面に仕上げ材としてクロス(図示略)が張り付けられている。下地フレーム16は、木製角材からなる複数の桟16a,16bにより矩形枠状に形成されている。下地フレーム16は、上下方向に延びる一対の縦桟16aと、それら各縦桟16aの間に架け渡された複数の横桟16bとを有している。この下地フレーム16に各壁面材15がビス等により固定されている。
【0019】
壁部11には、額縁付き鏡20が取り付けられている。額縁付き鏡20は、縦長の姿見鏡とされ、屋内空間12側に設けられている。以下、額縁付き鏡20の構成について図1に加え、図2に基づき説明する。なお、図2は、図1(a)のB-B線断面図である。また、図2では、壁部11について屋内空間12側の壁面のみ図示している。
【0020】
図1(a),(b)及び図2に示すように、額縁付き鏡20は、鏡21と、鏡21の周縁部に設けられた額縁22と、鏡21の裏面側に設けられた裏当て板23とを有している。鏡21は、縦長の矩形板状に形成されている。額縁22は、縦長の矩形枠状に形成され、上下方向に延びる一対の縦枠部22aと、左右方向(換言すると、額縁22の幅方向)に延びる一対の横枠部22bとを有している。額縁22の内側に鏡21が取り付けられている。
【0021】
額縁22は、壁部11側とは反対側に、額縁22の内側に向けて突出する突出部25を有している。突出部25は、額縁22の全周に亘って形成され、その突出部25により囲まれた内側に鏡21が配設されている。詳しくは、突出部25の先端部は壁部11側が凹んでおり、その凹んだ凹み部26に鏡21の周縁部が入り込んだ状態で鏡21が配設されている。そして、かかる鏡21の配設状態で、鏡21の裏面側には、上述したように裏当て板23が配置されている。裏当て板23は、合板により矩形板状に形成されている。裏当て板23は、その周縁側が突出部25に重ねられ、その状態で突出部25にビス等により固定されている。これにより、鏡21は、その周縁部が突出部25と裏当て板23との間に挟まれた状態で額縁22に取り付けられている。
【0022】
額縁22は、鏡21よりも壁部11側に延出する延出部28を有している。延出部28は、額縁22の全周に亘って形成されている、延出部28の壁部11側の端部は、壁部11に近接又は当接する位置にある。
【0023】
額縁付き鏡20の裏当て板23と壁部11との間には、額縁付き鏡20を壁部11に取り付けるための取付具30が設けられている。取付具30は、上下方向に複数(本実施形態では3つ)配置されている。各取付具30は、額縁22の延出部28により囲まれた内側に配置され、壁部11の下地フレーム16の横桟16bと同じ高さに位置している。
【0024】
各取付具30は、壁部11に取り付けられた被引掛部31と、額縁付き鏡20の裏当て板23に取り付けられた引掛部32とを有している。被引掛部31及び引掛部32はいずれも左右方向に延びる長尺状に形成されている。被引掛部31は、壁部11の横桟16bに壁面材15を介してビスにより取り付けられている。引掛部32は被引掛部31に上方から引っ掛けられ、それにより、額縁付き鏡20が壁部11に取り付けられている。なお、被引掛部31及び引掛部32は、例えば木製のとっこからなる。
【0025】
詳しくは、被引掛部31は、壁部11から離間した位置で上方に突出する突出部31aを有し、引掛部32は、裏当て板23から離間した位置で下方に突出する突出部32aを有している。突出部32aは突出部31aに壁部11側から係合しており、その係合により引掛部32が被引掛部31に引っ掛けられた状態とされている。
【0026】
額縁付き鏡20には、被引掛部31に下方から係合することにより額縁付き鏡20が上方に変位するのを規制する規制部材40が設けられている(図3(c)も参照)。額縁22の縦枠部22aには、その延出部28に規制部材40を挿し込み可能な挿込孔41(図3(a)~(c)参照)が設けられている。挿込孔41は、延出部28(縦枠部22a)を左右方向(換言すると、額縁22の幅方向)に貫通する貫通孔であり、延出部28により囲まれた内側と外側とを連通している。規制部材40は、この挿込孔41に挿し込まれた状態で設けられ、その挿込孔41に対して抜き挿し可能とされている。
【0027】
規制部材40は、木質材料によりL字状に形成されている。規制部材40は、挿込孔41に挿し込まれ被引掛部31に係合する係合部43と、係合部43のうち延出部28よりも外側の部分(以下、外側部分43aという)から上方に突出する突出部44とを有している。係合部43は、被引掛部31よりも下方に配置され、被引掛部31に対して下方から係合する。突出部44は、延出部28から離間した位置に配置され、突出部44と係合部43の外側部分43aとにより鉤状のフック部45が形成されている。フック部45には、ネックレスやマスク、鍵等の小物Kを引っ掛け可能となっている。なお、突出部44が特許請求の範囲に記載の「突出部」に相当する。
【0028】
続いて、壁部11に対して額縁付き鏡20を取り付ける際の取付手順について図3に基づき説明する。図3は、かかる取付手順を説明するための図である。
【0029】
まず、図3(a)に示すように、壁部11に被引掛部31を取り付けるとともに、額縁付き鏡20に引掛部32を取り付ける準備工程を行う。この工程では、各取付具30の被引掛部31を壁部11に取り付け、各取付具30の引掛部32を額縁付き鏡20にそれぞれ取り付ける。なお、引掛部32については、製造工場において額縁付き鏡20に取り付けるようにしてもよい。
【0030】
次に、図3(b)に示すように、額縁付き鏡20の引掛部32を壁部11の被引掛部31に上方から引っ掛けることにより、額縁付き鏡20を壁部11に取り付ける鏡取付工程を行う。この工程では、額縁付き鏡20の各引掛部32をそれぞれ壁部11側の被引掛部31に引っ掛ける。
【0031】
次に、図3(c)に示すように、規制部材40を挿込孔41に挿し込むことにより、規制部材40を被引掛部31に下方から係合させる規制部材挿込工程を行う。この工程では、規制部材40の係合部43を挿込孔41に挿し込むことで、係合部43を被引掛部31に下方から係合させる。これにより、額縁付き鏡20が上方に変位することが規制される。
【0032】
ここで、上述した鏡取付工程では、被引掛部31及び引掛部32が額縁付き鏡20により覆い隠されて見えない状態での作業となるため、引掛部32を被引掛部31に正しく引っ掛けることができたか、目視確認するのが困難となる。そのため、引掛部32を被引掛部31に正しく引っ掛けることができず、その結果、引掛部32の突出部32aが被引掛部31の突出部31aの上に載った状態となってしてしまう場合が想定される。この場合、額縁付き鏡20の取付位置が正規の取付位置に対して上側に位置することになる。
【0033】
その点、本実施形態の構成によれば、そのような場合、額縁付き鏡20に設けられた挿込孔41の位置も正規の位置に対して上側に位置することになるため、規制部材挿込工程の際、挿込孔41に規制部材40を挿し込むと、規制部材40の先端が被引掛部31に当たってそれ以上挿し込めなくなる。そのため、それによって、引掛部32が被引掛部31に正しく引っ掛けられていないことに気づくことが可能となる。これにより、引掛部32が正しく被引掛部31に引っ掛けられていないまま額縁付き鏡20が壁部11に取り付けられてしまうのを回避することが可能となる。
【0034】
以上、詳述した本実施形態の構成によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0035】
額縁付き鏡20には、壁部11に取り付けられた被引掛部31に係合することにより額縁付き鏡20が上方に変位するのを規制する規制部材40が設けられている。この場合、地震等で建物に揺れが生じた際に、額縁付き鏡20の引掛部32が被引掛部31から上方に外れるのを防止することができる。そのため、額縁付き鏡20が壁部11から落下するのを防止することができる。
【0036】
また、規制部材40は、額縁22の延出部28により囲まれた内側と外側とを連通する挿込孔41に挿し込まれた状態で設けられ、その挿込孔41に対して抜き挿し可能とされている。この場合、額縁付き鏡20を壁部11から取り外す際には、規制部材40を挿込孔41から抜き取り、その後額縁付き鏡20を上方に持ち上げて引掛部32を被引掛部31から外すことで取り外すことができる。よって、額縁付き鏡20が壁部11から落下するのを防止しながらも、額縁付き鏡20を壁部11から容易に取り外すことができる。
【0037】
規制部材40は、額縁22の縦枠部22aの延出部28に形成された挿込孔41に挿し込まれる。そして、その挿し込みにより、規制部材40は被引掛部31よりも下方から被引掛部31に係合するようになっている。例えば、被引掛部31に規制部材40が挿入される挿入部(例えば挿入孔部)を形成し、その挿入部に規制部材40を挿入し係合させる構成も考えられるが、その場合、挿入部を加工形成する必要が生じる等、製造上の手間が発生する。その点、上記の構成によれば、そのような手間が生じることなく、額縁付き鏡20の落下防止を図りつつ、額縁付き鏡20を壁部11に容易に取り付けできる上述の効果を得ることができる。
【0038】
規制部材40が、挿込孔41に挿し込まれ被引掛部31に係合する係合部43と、係合部43のうち延出部28よりも外側(つまり、額縁22の外側)の外側部分43aから上方に突出し、外側部分43aとともに鉤状のフック部45を形成する突出部44とを有している。この場合、フック部45に小物Kを引っ掛けることができるため、規制部材40の有効利用を図ることができる。
【0039】
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
【0040】
・上記実施形態では、被引掛部31及び引掛部32を長尺状に形成したが、これを変更して、短尺状に形成してもよい。この場合、短尺状の被引掛部を左右方向に離間させて複数配置するとともに、短尺状の引掛部を左右方向に離間させて複数配置すればよい。かかる構成においても、短尺状の被引掛部に規制部材40を係合させることで、額縁付き鏡20の上方への変位を規制することが可能となる。
【0041】
・規制部材40の構成は必ずしも上記実施形態のものに限定されない。例えば、上記実施形態では、規制部材40が係合部43と突出部44とを有する構成としたが、突出部44を不具備として係合部43のみ有する構成としてもよい。
【0042】
・上記実施形態では、額縁22の縦枠部22a(詳しくはその延出部28)に挿込孔41を設けたが、例えば下側の横枠部22bに挿込孔を設けてもよい。この場合、挿込孔を、横枠部22bの延出部28を上下に貫通させて設けることになる。そして、その挿込孔に規制部材を下方から挿し込み、被引掛部31に係合させることになる。この場合にも、額縁付き鏡20が上方に変位するのを規制することができる。
【符号の説明】
【0043】
11…壁部、20…額縁付き鏡、21…鏡、22…額縁、28…延出部、31…被引掛部、32…引掛部、40…規制部材、41…挿込孔、43…係合部、44…突出部、45…フック部。
図1
図2
図3