(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151471
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】プレキャストコンクリート部材の自立治具及びプレキャストコンクリート部材の自立方法
(51)【国際特許分類】
E04G 21/16 20060101AFI20241018BHJP
E04B 1/35 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
E04G21/16
E04B1/35 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064823
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】永田 正道
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174AA03
2E174BA03
2E174DA12
2E174DA32
(57)【要約】
【課題】仮置きされたプレキャストコンクリート部材の転倒を抑制することができるプレキャストコンクリート部材の自立治具を提供する。
【解決手段】プレキャストコンクリート部材の自立治具1は、設置面Sとプレキャストコンクリート部材5の下面5dとの間に挿入され、プレキャストコンクリート部材5が設置される設置部10と、設置部10に形成され、プレキャストコンクリート部材5の下面5dを上下方向に貫通する鉄筋Tに係合する係合部12と、プレキャストコンクリート部材5の側面52を支持する側面支持部20と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置面とプレキャストコンクリート部材の下面との間に挿入され、前記プレキャストコンクリート部材が設置される設置部と、
前記設置部に形成され、前記プレキャストコンクリート部材の下面を上下方向に貫通する鉄筋に係合する係合部と、
前記プレキャストコンクリート部材の側面を支持する側面支持部と、を備えるプレキャストコンクリート部材の自立治具。
【請求項2】
前記設置部と前記側面支持部とを連結する連結部を備える請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の自立治具。
【請求項3】
前記側面支持部は、
前記設置部から上方に延びる立設部と、
前記立設部から前記プレキャストコンクリート部材の側面に向かって延び、前記プレキャストコンクリート部材の側面に当接する当接部と、を有し、
前記当接部は、前記立設部から前記プレキャストコンクリート部材の側面に向かって出没可能である請求項1または2に記載のプレキャストコンクリート部材の自立治具。
【請求項4】
前記当接部は、
前記立設部に形成された取付孔に挿通されたボルトと、
前記ボルトの先端部に設けられ、前記プレキャストコンクリート部材の側面に当接する当接プレートと、
前記ボルトに締結されるナットと、有する請求項3に記載のプレキャストコンクリート部材の自立治具。
【請求項5】
請求項1または2に記載のプレキャストコンクリート部材の自立治具を複数用いて、プレキャストコンクリート部材を自立させるプレキャストコンクリート部材の自立方法であって、
複数の前記プレキャストコンクリート部材を用いて、前記設置部を設置面に設置して、
前記係合部を前記プレキャストコンクリート部材の下面を上下方向に貫通する鉄筋に係合して、
前記設置部上に前記プレキャストコンクリート部材を設置して、
前記側面支持部で、前記プレキャストコンクリート部材の側面を支持するプレキャストコンクリート部材の自立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストコンクリート部材の自立治具及びプレキャストコンクリート部材の自立方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレキャストコンクリート部材を用いた建物が知られている。建築現場で、プレキャストコンクリート柱を上下の柱や梁に連結する前に、立てた状態で仮置きする場合がある。床にアンカーボルトが設けられていれば、アンカーボルトにワイヤーを引っかけて、張設したワイヤーでプレキャストコンクリート柱を支持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、床にアンカーボルトが設けられていないような場合には、ワイヤーを張設することができず、プレキャストコンクリート柱を転倒しないように仮置きすることが難しいという問題点がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、仮置きされたプレキャストコンクリート部材の転倒を抑制することができるプレキャストコンクリート部材の自立治具及びプレキャストコンクリート部材の自立方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具は、設置面とプレキャストコンクリート部材の下面との間に挿入され、前記プレキャストコンクリート部材が設置される設置部と、前記設置部に形成され、前記プレキャストコンクリート部材の下面を上下方向に貫通する鉄筋に係合する係合部と、前記プレキャストコンクリート部材の側面を支持する側面支持部と、を備える。
【0007】
このように構成されたプレキャストコンクリート部材の自立治具では、係合部がプレキャストコンクリート部材の下面を上下方向に貫通する鉄筋に係合して、設置部にはプレキャストコンクリート部材の自重が作用している。よって、プレキャストコンクリート部材が傾斜しそうになった場合に、側面支持部にプレキャストコンクリート部材の側面から力が作用しても、プレキャストコンクリート部材の自立治具自体が動いたりすることなく、側面支持部がプレキャストコンクリート部材の側面を支持し続ける。したがって、仮置きされたプレキャストコンクリート部材の転倒を抑制することができる。
【0008】
また、第2の態様に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具は、前記設置部と前記側面支持部とを連結する連結部を備える。
【0009】
このように構成されたプレキャストコンクリート部材の自立治具では、側面支持部に対してプレキャストコンクリート部材の側面から力が作用しても、側面支持部は連結部で設置部と連結されているため、側面支持部が変形することを抑制することができる。
【0010】
また、第3の態様に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具は、前記側面支持部は、前記設置部から上方に延びる立設部と、前記立設部から前記プレキャストコンクリート部材の側面に向かって延び、前記プレキャストコンクリート部材の側面に当接する当接部と、を有し、前記当接部は、前記立設部から前記プレキャストコンクリート部材の側面に向かって出没可能である。
【0011】
このように構成されたプレキャストコンクリート部材の自立治具では、当接部は、立設部からプレキャストコンクリート部材の側面に向かって出没可能である。当接部の立設部からの突出量を調整して、当接部をプレキャストコンクリート部材の側面に当接させることができる。よって、立設部とプレキャストコンクリート部材の側面との距離に応じて、当接部の立設部からの突出量を容易に調整して、当接部でプレキャストコンクリート部材の側面を支持することができる。
【0012】
また、第4の態様に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具は、前記当接部は、前記立設部に形成された取付孔に挿通されたボルトと、前記ボルトの先端部に設けられ、前記プレキャストコンクリート部材の側面に当接する当接プレートと、前記ボルトに締結されるナットと、有する。
【0013】
このように構成されたプレキャストコンクリート部材の自立治具では、立設部とプレキャストコンクリート部材の側面との距離に応じて、ボルトの立設部からの突出量を容易に調整することができるとともに、所定の位置でナットを締結することで当接プレートを容易に位置決めすることができる。
【0014】
また、第5の態様に係るプレキャストコンクリート部材の自立方法は、上記のプレキャストコンクリート部材の自立治具を複数用いて、プレキャストコンクリート部材を自立させるプレキャストコンクリート部材の自立方法であって、複数の前記プレキャストコンクリート部材を用いて、前記設置部を設置面に設置して、前記係合部を前記プレキャストコンクリート部材の下面を上下方向に貫通する鉄筋に係合して、前記設置部上に前記プレキャストコンクリート部材を設置して、前記側面支持部で、前記プレキャストコンクリート部材の側面を支持する。
【0015】
このように構成されたプレキャストコンクリート部材の自立方法では、係合部がプレキャストコンクリート部材の下面を上下方向に貫通する鉄筋に係合して、設置部にはプレキャストコンクリート部材の自重が作用している。よって、プレキャストコンクリート部材が傾斜しそうになった場合に、側面支持部にプレキャストコンクリート部材の側面から力が作用しても、プレキャストコンクリート部材の自立治具自体が動いたりすることなく、側面支持部がプレキャストコンクリート部材の側面を支持し続ける。したがって、仮置きされたプレキャストコンクリート部材の転倒を抑制することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具及びプレキャストコンクリート部材の自立方法によれば、仮置きされたプレキャストコンクリート部材の転倒を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具が使用された状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具の側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具の設置部の上面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具が使用された状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具及びプレキャストコンクリート部材の自立方法について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具が使用された状態を示す斜視図である。
図1に示す本実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の自立治具(以下、「自立治具」と称する)1は、設置面Sにプレキャストコンクリート柱(プレキャストコンクリート部材)5を固定する前に、プレキャストコンクリート柱5を設置面Sに立てた状態で仮置きする場合等に用いる。自立治具1を用いて、プレキャストコンクリート柱5が転倒しないように支持する。
【0019】
自立治具1は、設置プレート(設置部)10と、側面支持部20と、連結部30と、を備える。自立治具1の構成を説明するにあたり、
図1に示す使用状態における方向に基づいて、自立治具1の各構成部材の方向を説明する場合がある。
図1では、プレキャストコンクリート柱5の4つの側面52のうち2つの側面52に自立治具1が設置されているが、設置箇所数は1以上であれば適宜設定可能である。
【0020】
図2は、自立治具1の側面図である。
図2では、後述する当接部25の図示を省略している。
図2に示すように、設置プレート10は、平板状に形成されている。設置プレート10の板面は、上下方向を向いている。
図1に示す使用状態において、設置プレート10は、プレキャストコンクリート柱5の下面5dと設置面Sとの間の隙間に挿入され、設置面S上に設置される。プレキャストコンクリート柱5は、設置プレート10上に設置される。
【0021】
図3は、自立治具1の設置プレート10の上面図である。
図3に示すように、設置プレート10は、プレキャストコンクリート柱5の下面5dと設置面Sとの間の隙間に挿入される挿入方向Xに沿う長尺状である。設置プレート10は、挿入方向Xに沿う対向する2辺11A,11Bを有している。2辺11A,11Bの挿入方向Xの先端側は、板厚方向から見て略半円状の接続部13Aで接続されている。辺11A,11Bの挿入方向Xの後端側は、板厚方向から見て直線状の接続部13Bで接続されている。
【0022】
一方の辺11Aから対向する辺11Bに向かって凹む係合部12が形成されている。係合部12は、設置プレート10を板厚方向に貫通している。係合部12は、辺11Aに形成された開口部12a側が広がる形状をしている。係合部12は、傾斜直線部12bと、曲線部12cと、端部直線部12dを有している
【0023】
傾斜直線部12bは、辺11Aから挿入方向Xに向かうにしたがって次第に辺11B側に向かって延びる直線状である。曲線部12cは、傾斜直線部12bにおける開口部12a側と反対側の端部に連続して形成されている。曲線部12cは、板厚方向から見て円弧状をしている。曲線部12cは、略半円である。端部直線部12dは、曲線部12cに連続して形成されている。端部直線部12dは、板厚方向から見て辺11Aと直交する方向に延びる直線状である。端部直線部12dは、接続部13Aに連続している。
【0024】
図4は、自立治具1が使用された状態を示す断面図である。
図4に示すように、係合部12には、設置面Sから上方に延びる鉄筋Tが係合されている。鉄筋Tは、設置面Sから上方に突出して、係合部12に係合されている。鉄筋Tの先端部は、プレキャストコンクリート柱5の下面5dから上方に凹む凹部51に収容されている。
【0025】
側面支持部20は、プレキャストコンクリート柱5の上下方向に沿う側面52を支持する。側面支持部20は、ボルト支持プレート(立設部)21は、当接部25と、を有している。
【0026】
ボルト支持プレート21は、設置プレート10から上方に延びている。ボルト支持プレート21は、平板状に形成されている。ボルト支持プレート21の板面は、挿入方向Xを向いている。ボルト支持プレート21には、板厚方向に貫通する取付孔21aが形成されている。
【0027】
当接部25は、ボルト支持プレート21からプレキャストコンクリート柱5の側面52に向かって延び、プレキャストコンクリート柱5の側面52に当接する。当接部25は、ボルト26と、当接プレート27と、ナット28と、を有する。当接部25は上下に離れて3箇所に設けられているが、当接部25の設置箇所数は適宜設定可能である。
【0028】
ボルト26は、ボルト支持プレート21の取付孔21aに挿通されている。ボルト26は、挿入方向Xに延びている。当接プレート27は、ボルト26の先端部に設けられている。挿入方向Xから見て、ボルト26は円形状をしている。ナット28は、ボルト26にボルト支持プレート21よりも挿入方向Xの後側で締結されている。当接プレート27がプレキャストコンクリート柱5の側面52に当接する位置で、ナット28がボルト26に締結されている。ナット28を緩めることによって、ボルト26は、取付孔21a内を挿入方向X及び挿入方向Xと反対方向に移動可能である。ボルト26は、ボルト支持プレート21からプレキャストコンクリート柱5の側面52に向かって出没可能である。
【0029】
連結部30は、設置プレート10とボルト支持プレート21とを連結している。連結部30は、連結プレート31と、リブプレート36と、水平プレート37と、を有している。
【0030】
連結プレート31は、設置プレート10とボルト支持プレート21とを連結している。連結プレート31は、水平プレート部31aと、鉛直プレート部31bと、傾斜プレート部31cと、を有している。水平プレート部31aは、板面を上下方向に向けた平板状である。水平プレート部31aは、ボルト支持プレート21から挿入方向Xと反対側に延びている。鉛直プレート部31bは、板面を挿入方向Xに向けた平板状である。鉛直プレート部31bは、設置プレート10から上方に延びている。傾斜プレート部31cは、水平プレート部31aと鉛直プレート部31bとを連結している。傾斜プレート部31cは、下方に向かうにしたがって次第に挿入方向Xと反対側に延びている。
【0031】
リブプレート36は、連結プレート31から上方に延びている。リブプレート36は、平板状をしている。リブプレート36の板面は、連結プレート31の板面と直交する方向を向いている。
【0032】
水平プレート37は、ボルト支持プレート21の上下方向の中間部と連結プレート31の上下方向の中間部とを連結している。水平プレート37は、平板状である。水平プレート37の板面は、上下方向を向いている。
【0033】
次に、プレキャストコンクリート部材の自立方法について説明する。
自立治具1をプレキャストコンクリート柱5に設置する際には、まずプレキャストコンクリート柱5を設置する設置面Sの所定位置に、複数の自立治具1の設置プレート10を予め置いておく。自立治具1の設置プレート10を設置面Sに設置する。なお、複数の自立治具1のうち少なくとも一対の自立治具1は、後工程で設置するプレキャストコンクリート柱5の対向する側面52の下方の位置に設置しておくことが好ましい。
【0034】
次に、クレーン等を用いてプレキャストコンクリート柱5を持ち上げて、所定位置の設置プレート10の上に設置する。この際に、設置面Sから上方に突出する鉄筋Tに自立治具1の係合部12を係合させるとともに、プレキャストコンクリート柱5の下面5dに形成された凹部51に鉄筋Tの上端部を収容する。
【0035】
次に、当接プレート27がプレキャストコンクリート柱5の側面52に当接する位置まで、ボルト26をボルト支持プレート21から進出させて、ナット28で締結する。設置プレート10の側面支持部20でプレキャストコンクリート部材5の側面52を支持する。
【0036】
このように構成された自立治具1及びプレキャストコンクリート部材の自立方法では、係合部12がプレキャストコンクリート柱5の下面5dを上下方向に貫通する鉄筋Tに係合して、設置プレート10にはプレキャストコンクリート柱5の自重が作用している。よって、プレキャストコンクリート柱5が傾斜しそうになった場合に、側面支持部20にプレキャストコンクリート柱5の側面52から力が作用しても、自立治具1自体が動いたりすることなく、側面支持部20がプレキャストコンクリート柱5の側面52を支持し続ける。したがって、仮置きされたプレキャストコンクリート柱5の転倒を抑制することができる。
【0037】
また、側面支持部20に対してプレキャストコンクリート柱5の側面52から力が作用しても、側面支持部20は連結部30で設置プレート10と連結されているため、側面支持部20が変形することを抑制することができる。
【0038】
また、当接部25は、ボルト支持プレート21からプレキャストコンクリート柱5の側面52に向かって出没可能である。当接部25のボルト支持プレート21からの突出量を調整して、当接部25をプレキャストコンクリート柱5の側面52に当接させることができる。よって、ボルト支持プレート21とプレキャストコンクリート柱5の側面52との距離に応じて、当接部25のボルト支持プレート21からの突出量を容易に調整して、当接部25でプレキャストコンクリート柱5の側面52を支持することができる。
【0039】
また、ボルト支持プレート21とプレキャストコンクリート柱5の側面52との距離に応じて、ボルトのボルト支持プレート21からの突出量を容易に調整することができるとともに、所定の位置でナット28を締結することで当接プレートを容易に位置決めすることができる。
【0040】
また、プレキャストコンクリート柱5の対向する側面52を両側から自立治具1の側面支持部20で支持することによって、プレキャストコンクリート柱5をより一層安定的に支持することができる。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。以下にいくつか変更を例示するが、これらはすべてではなく、それ以外の変更も可能である。また、これらの変更が2以上適宜組み合わされてもよい。
【0042】
本実施形態のプレキャストコンクリート柱5は、図示例に限定されない。例えば、プレキャストコンクリート柱5は、円柱状に形成されていてもよい。プレキャストコンクリート柱5の形状は、適宜設定可能である。
【0043】
なお、自立治具1の係合部12が係合する鉄筋Tは、設置面Sから上方に突出しているが、これに限られない。鉄筋は、プレキャストコンクリート柱5の下面5dを上下方向に貫通していればよい。鉄筋は、プレキャストコンクリート柱5の主筋であって、プレキャストコンクリート柱5の下面5dから下方に延びて、係合部12に係合して、鉄筋の先端部(下端部)が設置面Sの上面から下方に凹むように形成された凹部(不図示)に係合する構成であってもよい。
【0044】
上記に示す実施形態では、自立治具1を使用する対象として、プレキャストコンクリート柱5を例に挙げて説明したが、これに限られない。壁等のプレキャストコンクリート部材を仮置きする際にも自立治具1を使用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 自立治具(プレキャストコンクリート部材の自立治具)
5 プレキャストコンクリート柱(プレキャストコンクリート部材)
5d 下面
10 設置プレート(設置部)
12 係合部
20 側面支持部
21 ボルト支持プレート(立設部)
21a 取付孔
25 当接部
26 ボルト
27 当接プレート
28 ナット
30 連結部
52 側面
S 設置面
T 鉄筋