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  • 特開-リチウム塩水溶液の膜電解方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151485
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】リチウム塩水溶液の膜電解方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 61/44 20060101AFI20241018BHJP
   H01M 10/54 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B01D61/44 500
H01M10/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064855
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】391023415
【氏名又は名称】株式会社アサカ理研
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】井上 博人
【テーマコード(参考)】
4D006
5H031
【Fターム(参考)】
4D006GA17
4D006KA01
4D006KA72
4D006KB30
4D006KE12R
4D006MA03
4D006MA12
4D006MB06
4D006PA02
4D006PB03
4D006PB04
4D006PB05
4D006PB12
4D006PB27
4D006PC80
5H031RR02
(57)【要約】
【課題】高い効率を示す膜電解工程を含み、水酸化リチウムが電解膜中及び表面に発生し難い、リチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法を提供する。
【解決手段】リチウム塩水溶液の膜電解方法が、水酸化リチウムの濃度が10質量%以下の第1の水酸化リチウム水溶液、及び水からなる群から選択される少なくとも1つを、膜電解装置の陰極室に投入する陰極室投入工程、及び、陰極室中の水酸化リチウム濃度が所定濃度に達するまで膜電解を実施する膜電解工程を含む。この陰極室投入工程、及びこの膜電解工程は、好ましくは順次繰り返される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウム塩水溶液の膜電解方法であって、
水酸化リチウムの濃度が10質量%以下の第1の水酸化リチウム水溶液、及び水からなる群から選択される少なくとも1つを、膜電解装置の陰極室に投入する陰極室投入工程、及び
陰極室中の水酸化リチウム濃度が所定濃度に達するまで膜電解を実施する膜電解工程を含むことを特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項2】
請求項1に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法において、
前記陰極室投入工程、前記膜電解工程を順次繰り返すことを特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項3】
請求項1に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法において、
前記膜電解工程において得られた第2の水酸化リチウム水溶液の一部を水で希釈して前記第1の水酸化リチウム水溶液とすることを特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項4】
請求項1に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法において、
廃リチウムイオン電池を前処理して得られた活物質粉を鉱酸にて溶解して少なくともリチウムを含む該活物質の酸溶解液を得る酸溶解工程、
当該酸溶解液に水酸化リチウムを添加して該酸溶解液を中和して中和液を得る中和工程、及び
当該中和液から、該活物質粉に含まれる金属のうち、リチウムを除く少なくとも1種の金属を溶媒抽出により分離し、当該溶媒抽出の残液としてリチウム塩水溶液を得る溶媒抽出工程を更に含むことを特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項5】
請求項4に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法において、
前記膜電解工程で得られた第2の水酸化リチウム水溶液の一部を前記中和工程、及び前記溶媒抽出工程からなる群から選ばれる少なくとも1つで利用し、かつ前記膜電解工程で得られた鉱酸を前記酸溶解工程で利用することを特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法であって、
膜電解に用いる電力が再生可能エネルギーによって得られた電力を含むこと特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【請求項7】
請求項6に記載されたリチウム塩水溶液の膜電解方法であって、
前記再生可能エネルギーによって得られた電力が、太陽光発電によって得られた電力、及び風力発電によって得られた電力からなる群から選ばれる少なくとも1つを含むこと特徴とするリチウム塩水溶液の膜電解方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウム塩水溶液の膜電解方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リチウムイオン電池の普及に伴い、廃リチウムイオン電池からコバルト、ニッケル、マンガン、リチウム等の有価金属を回収し、当該リチウムイオン電池の材料として再利用する方法が検討されている。
【0003】
引用文献1には、廃リチウムイオン電池を前処理して得られた活物質粉を鉱酸にて溶解して少なくともリチウムを含む該活物質の酸溶解液を得る工程と、水酸化リチウムを添加した当該酸溶解液から、リチウムを除く少なくとも1種の金属を溶媒抽出により分離し、当該溶媒抽出の残液として第1のリチウム塩水溶液を得る工程と、イオン交換膜を用いて当該第1のリチウム塩水溶液を膜電解し、水酸化リチウム水溶液と、酸と、当該第1のリチウム塩水溶液よりも希薄な第2のリチウム塩水溶液を得る工程を備える廃リチウムイオン電池からのリチウムの回収システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7060899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
水酸化リチウム水溶液の膜電解において、膜電解装置の陰極室の陰極液中の水酸化リチウム濃度が大きくなるほど、水酸化物イオンが陽極室側へ移動しやすくなり、膜電解効率が低下する。さらに水酸化リチウムは電解膜中及び表面に析出しやすい。水酸化リチウムが析出した電解膜は損傷し、様々な悪影響が膜電解に発生する。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、高い効率を示す膜電解工程を含み、水酸化リチウムが電解膜中及び表面に発生し難い、リチウム塩水溶液の膜電解方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題に鑑み検討を重ね、水酸化リチウムの濃度が10質量%以下の第1の水酸化リチウム水溶液、及び水からなる群から選択される少なくとも1つを、膜電解装置の陰極室に投入する陰極室投入工程を含むリチウム塩水溶液の膜電解方法は、高い効率を示し、水酸化リチウムが電解膜中及び表面に発生し難いことを見出した。本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
【0008】
本発明は、水酸化リチウムの濃度が10質量%以下の第1の水酸化リチウム水溶液、及び水からなる群から選択される少なくとも1つを、膜電解装置の陰極室に投入する陰極室投入工程、及び、陰極室中の水酸化リチウム濃度が所定濃度に達するまで膜電解を実施する膜電解工程を含む、リチウム塩水溶液の膜電解方法に関する。
前記陰極室投入工程、及び前記膜電解工程は、好ましくは、順次繰り返される。
前記膜電解工程において得られた第2の水酸化リチウム水溶液の一部は、好ましくは水で希釈されて前記第1の水酸化リチウム水溶液とされる。
本発明は、好ましくは、廃リチウムイオン電池を前処理して得られた活物質粉を鉱酸にて溶解して少なくともリチウムを含む該活物質の酸溶解液を得る酸溶解工程、当該酸溶解液に水酸化リチウムを添加して該酸溶解液を中和して中和液を得る中和工程、及び、当該中和液から、該活物質粉に含まれる金属のうち、リチウムを除く少なくとも1種の金属を溶媒抽出により分離し、当該溶媒抽出の残液としてリチウム塩水溶液を得る溶媒抽出工程を更に含む。
前記膜電解工程で得られた第2の水酸化リチウム水溶液の一部は前記中和工程、及び前記溶媒抽出工程からなる群から選ばれる少なくとも1つで利用され、かつ前記膜電解工程で得られた鉱酸は前記酸溶解工程で利用される。
膜電解に用いる電力は、好ましくは、再生可能エネルギーによって得られた電力を含む。
前記再生可能エネルギーによって得られた電力は、好ましくは、太陽光発電によって得られた電力、及び風力発電によって得られた電力からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、高い効率を示す膜電解工程を含み、水酸化リチウムが電解膜中及び表面に発生し難い、リチウム塩水溶液の膜電解方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のリチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法を示す説明図。
図2】本発明のリチウム塩水溶液からリチウムを回収する方法に用いるイオン交換膜電解槽の構造の1実施態様を示す説明的断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明について更に詳細に説明する。
なお、数値範囲の「~」は、断りがなければ、以上から以下を表し、両端の数値をいずれも含む。また、数値範囲を示したときは、上限値および下限値を適宜組み合わせることができ、それにより得られた数値範囲も開示したものとする。
さらに図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
本発明のリチウム塩水溶液の膜電解方法は、リチウム塩が溶解している水溶液を出発物質としてよい。前記水溶液は特定の水溶液に限定されない。前記水溶液として、例えば海水、汽水、及び/又は塩湖由来の鹹水、鉱物が溶解している水溶液等が挙げられる。
さらに本発明のリチウム塩水溶液の膜電解方法は、図1に示すように、活物質粉1を出発物質としてよい。
【0013】
活物質粉1は、前記廃リチウムイオン電池が電池製品としての寿命が消尽した使用済みのリチウムイオン電池、又は、製造工程で不良品等として廃棄されたリチウムイオン電池である場合には、まず、塩水中で放電処理を行い、残留している電荷を全て放電させ、次いで、該廃リチウムイオン電池の筐体に開口部を形成した後、例えば、100~800℃の範囲の温度で加熱処理(焙焼)した後、ないし加熱処理せずにハンマーミル、ジョークラッシャー等の粉砕機で粉砕し、該廃リチウムイオン電池を構成する筐体、集電体等を篩分けにより除去(分級)することにより得ることができる。あるいは、前記放電処理後の前記廃リチウムイオン電池を前記粉砕機で粉砕し、前記筐体、集電体等を篩分けにより除去した後、前記範囲の温度で加熱処理することにより、ないし加熱処理せずに活物質粉1を得るようにしてもよい。
【0014】
前記廃リチウムイオン電池が、製造工程において製品化に用いられた残余の正極材料等である場合には、前記放電処理及び開口部の形成を行うことなく、前記範囲の温度で加熱処理した後、ないし加熱処理せずに前記粉砕機で粉砕し、集電体等を篩分けにより除去して活物質粉1を得るようにしてもよい。さらに前記廃リチウムイオン電池を前記粉砕機で粉砕し、集電体等を篩分けにより除去した後に前記範囲の温度で加熱処理して、ないし加熱処理せずに活物質粉1を得るようにしてもよい。
【0015】
本発明の膜電解方法は、好ましくは、STEP1で廃リチウムイオン電池を前処理して得られた活物質粉1を鉱酸に溶解して、少なくともリチウムを含む活物質粉1の酸溶解液を得る酸溶解工程を含む。前記鉱酸は、例えば、塩酸、硫酸、硝酸からなる群から選択される少なくとも1種を含み、好ましくは塩酸を含み、より好ましくは塩酸である。活物質粉1は、リチウムの他に、鉄、アルミニウム、マンガン、コバルト、ニッケル等の有価金属を含んでいる。
【0016】
本発明の膜電解方法は、好ましくは、STEP2で前記酸溶解液に水酸化リチウム(LiOH)を添加して前記酸溶解液を中和して中和液を得る中和工程を含む。さらに本発明の膜電解方法は、好ましくは、前記中和液から、該活物質粉に含まれる金属のうち、リチウムを除く少なくとも1種の金属を溶媒抽出により分離し、当該溶媒抽出の残液としてリチウム塩水溶液を得る溶媒抽出工程(STEP3)を含む。前記溶媒抽出では、前記有価金属のうち、リチウムを除く、マンガン、コバルト、ニッケルが各別に溶媒抽出され、あるいは鉄、アルミニウムが分離されそれぞれの金属塩水溶液2として除去され、第1のリチウム塩水溶液を得ることができる。前記第1のリチウム塩水溶液に含まれるリチウム塩は、STEP1の酸溶解で塩酸を用いた場合には塩化リチウムとなる。
【0017】
本発明のリチウム塩水溶液の膜電解方法は、水酸化リチウムの濃度が10質量%以下の第1の水酸化リチウム水溶液、及び水からなる群から選択される少なくとも1つを、膜電解装置の陰極室に投入する陰極室投入工程(STEP4-1)、及び、当該陰極室中の水酸化リチウム濃度が所定濃度に達するまで膜電解を実施する膜電解工程(STEP4-2)を含む。図1において、STEP4-1及びSTEP4-2がSTEP4として示されている。前記陰極室投入工程及び膜電解工程は、例えば、図2に示す電解槽11を用いて行うことができる。また、前記水は工業用水、純水、及び水道水からなる群から選択される少なくとも1つを含んでいてよい。
【0018】
電解槽11は、一方の内側面に陽極板12を備え、陽極板12と対向する内側面に陰極板13を備え、陽極板12は電源の陽極14に接続され、陰極板13は電源の陰極15に接続されている。また、電解槽11は、イオン交換膜16により、陽極板12を備える陽極室17と、陰極板13を備える陰極室18とに区画されている。
【0019】
電解槽11では、陽極室17に前記第1のリチウム塩水溶液として例えば塩化リチウムを供給して電解を行うと、塩化物イオンが陽極板12上で塩素ガス(Cl)を生成する一方、リチウムイオンはイオン交換膜16を介して陰極室18に移動する。
【0020】
陰極室18では水(HO)が水酸化物イオン(OH)と水素イオン(H)とに電離し、水素イオンが陰極板13上で水素ガス(H)を生成する一方、水酸化物イオンがリチウムと化合して第2の水酸化リチウム水溶液3を生成する。前記第2の水酸化リチウム水溶液3中の水酸化リチウム濃度が大きくなるほど、水酸化物イオンが陽極室17側へ移動しやすくなり、膜電解効率が低下する。さらに水酸化リチウムはイオン交換膜16中及び表面に析出しやすい。水酸化リチウムが析出する場合、イオン交換膜16は損傷し、様々な悪影響が前記膜電解工程に発生する。そこで、水酸化リチウムの濃度が10質量%以下の第1の水酸化リチウム水溶液、及び水からなる群から選択される少なくとも1つが、陰極室18の入り口と出口における水酸化リチウム濃度に差が生じないほど十分な流速で陰極室18に投入される。結果的に、陽極室17から移動してきたリチウムイオンが陰極室18側のイオン交換膜16の表面より迅速に拡散され、水酸化リチウムはイオン交換膜16中及び表面に析出しない。前記陰極室投入工程、及び前記膜電解工程は順次繰り返されてもよく、同時に実施されてもよい。前記陰極室投入工程、及び前記膜電解工程は、好ましくは順次繰り返される。
なお、一般的な食塩のイオン交換膜電解法では、膜電解の対象となる食塩水溶液が連続式で電解室に投入され、電解室の入り口における水酸化ナトリウム濃度は28質量%程度であるが、その出口における濃度は32~35質量%に上昇する。
【0021】
前記膜電解工程に付されるリチウム塩水溶液が硫酸イオンを含む場合、陽極室17で硫酸を得ることができる。前記膜電解工程に付されるリチウム塩水溶液が硝酸イオンを含む場合、陽極室17で硝酸を得ることができる。すなわち、前記膜電解工程で鉱酸4を得ることができ、当該鉱酸4をSTEP1の活物質粉1の溶解に用いてよい。
【0022】
前記膜電解工程で得られた第2の水酸化リチウム水溶液3は、STEP8で晶析により水酸化リチウム一水和物(LiOH・HO)として回収することもでき、STEP9で炭酸化することにより、炭酸リチウム(LiCO)として回収することもできる。前記炭酸化は、第2の水酸化リチウム水溶液3を、炭酸ガス(CO)と反応させることにより行うことができる。
【0023】
本実施形態では、前記膜電解工程で得られた第2の水酸化リチウム水溶液3の一部を水で希釈して前記第1の水酸化リチウム水溶液としてよい。さらに前記第2の水酸化リチウム水溶液3の一部を、STEP2で酸溶解液に添加する水酸化リチウム、及びSTEP3で溶媒抽出に用いるアルカリからなる群から選ばれる少なくとも1つとして使用してよい。
【0024】
前記第2の水酸化リチウム水溶液3をSTEP3で溶媒抽出に用いる場合、前記第2の水酸化リチウム水溶液3は抽出溶媒に添加される。STEP3で溶媒抽出に用いられる抽出溶媒は陽イオン交換抽出剤であるから、継続して使用すると液性が酸性側に偏り抽出率が低下するが、前記第2の水酸化リチウム水溶液3を添加することにより、抽出率の低下を抑制できる。
【0025】
前記第2の水酸化リチウム水溶液3をSTEP3で溶媒抽出に用いる場合、前記第2の水酸化リチウム水溶液3は、各別に行われるマンガン、コバルト、ニッケルの溶媒抽出の少なくとも1つの溶媒抽出に用いることができる。
【0026】
前記膜電解工程に用いる電力は、例えば、太陽光発電により得られた電力、及び風力発電により得られた電力からなる群から選ばれる少なくとも1つの再生可能エネルギーを含んでいてよい。
【実施例0027】
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
[実施例1]
図2に示される膜電解装置を用いて、陰極室18中の水酸化リチウム水溶液の水酸化リチウム濃度が2質量%から8質量%に変化するまで膜電解を実施した。電流効率は67%であった。
【0029】
[実施例2]
陰極室18中の水酸化リチウム水溶液の水酸化リチウム濃度が5質量%で一定になるようにした以外、実施例1と同様にして膜電解を実施した。電流効率は64%であった。
【0030】
[実施例3]
陰極室18中の水酸化リチウム水溶液の水酸化リチウム濃度が8質量%で一定になるようにした以外、実施例1と同様にして膜電解を実施した。電流効率は53%であった。
【符号の説明】
【0031】
1…活物質粉、 2…金属塩水溶液、 3…水酸化リチウム水溶液、 4…鉱酸、
11…膜電解槽、 16…イオン交換膜、 17…陽極室、 18…陰極室。
図1
図2