(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151524
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】点検支援システム、点検支援方法、及び点検支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064938
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】高田 義教
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC29
5L050CC29
(57)【要約】
【課題】点検対象に対する点検処理の効率化を図ることが可能な点検支援システム、点検支援方法、及び点検支援プログラムを提供する。
【解決手段】点検支援システム1は、点検スケジュールに基づく点検対象に対する点検処理の点検結果を取得する取得処理部212と、取得処理部212により取得される前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に、前記点検スケジュールを変更する変更処理部213と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点検スケジュールに基づく点検対象に対する点検処理の点検結果を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に、前記点検スケジュールを変更する変更処理部と、
を備える点検支援システム。
【請求項2】
前記変更処理部は、前記点検対象に対する直近の前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があるか否かを判定する、
請求項1に記載の点検支援システム。
【請求項3】
前記変更処理部は、
前記点検対象が正常であることを示す前記点検結果が所定回数連続して得られた場合に、前記点検対象に対する点検処理の頻度を下げ、
前記点検対象が異常であることを示す前記点検結果が所定回数得られた場合に、前記点検対象に対する点検処理の頻度を上げる、
請求項2に記載の点検支援システム。
【請求項4】
前記点検処理の頻度は、互いに異なる複数のレベルを含み、
前記点検対象ごとに、所定のレベルの頻度が予め設定される、
請求項3に記載の点検支援システム。
【請求項5】
前記所定回数は、前記レベルに応じて設定される、
請求項4に記載の点検支援システム。
【請求項6】
前記所定回数は、前記点検対象の種別に応じて設定される、
請求項4に記載の点検支援システム。
【請求項7】
前記変更処理部は、前記点検対象の稼働期間が所定期間以上の場合又は前記点検対象の使用頻度が所定頻度以上の場合に、前記点検対象に対する点検作業の頻度を下げる処理を禁止する、
請求項3~6のいずれかに記載の点検支援システム。
【請求項8】
前記変更処理部は、前記点検対象の稼働期間が所定期間以上の場合又は前記点検対象の使用頻度が所定頻度以上の場合に、前記点検対象に対する点検作業の頻度を下げる条件を前記所定回数よりも多い回数に設定する、
請求項3~6のいずれかに記載の点検支援システム。
【請求項9】
前記変更処理部は、前記点検対象が特定機器である場合に、前記点検対象に対する点検作業の頻度を下げる処理を禁止する、
請求項3~6のいずれかに記載の点検支援システム。
【請求項10】
前記変更処理部は、前記点検対象が特定機器である場合に、前記点検対象に対する点検作業の頻度を下げる条件を前記所定回数よりも多い回数に設定する、
請求項3~6のいずれかに記載の点検支援システム。
【請求項11】
点検スケジュールに基づく点検対象に対する点検処理の点検結果を取得することと、
前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に、前記点検スケジュールを変更することと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する点検支援方法。
【請求項12】
点検スケジュールに基づく点検対象に対する点検処理の点検結果を取得することと、
前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に、前記点検スケジュールを変更することと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための点検支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設などに設置される設備などの点検対象に対する点検処理を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビルなどの施設では、点検員が各種の設備(機器)について予め登録された点検項目を定期的に点検して点検結果を記録する点検作業を行っている。従来、設備の点検作業を支援するシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、各設備には点検スケジュール(点検頻度、点検間隔など)が決められており、点検員は決められた点検スケジュールに従って各設備の点検作業を行う。このため、異常が生じ難い設備であっても、異常が生じ易い設備であっても、点検員は常に点検スケジュールに従って点検作業を行う必要があり、効率的とは言えない。
【0005】
本発明の目的は、点検対象に対する点検処理の効率化を図ることが可能な点検支援システム、点検支援方法、及び点検支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る点検支援システムは、取得処理部と変更処理部とを備える。前記取得処理部は、点検スケジュールに基づく点検対象に対する点検処理の点検結果を取得する。前記変更処理部は、前記取得処理部により取得される前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に、前記点検スケジュールを変更する。
【0007】
本発明の他の局面に係る点検支援方法は、点検スケジュールに基づく点検対象に対する点検処理の点検結果を取得することと、前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に、前記点検スケジュールを変更することと、を一又は複数のプロセッサーが実行する方法である。
【0008】
本発明の他の局面に係る点検支援プログラムは、点検スケジュールに基づく点検対象に対する点検処理の点検結果を取得することと、前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に、前記点検スケジュールを変更することと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、点検対象に対する点検処理の効率化を図ることが可能な点検支援システム、点検支援方法、及び点検支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る点検支援システムの全体構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る点検支援システムの具体的構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る点検支援システムで使用される設備情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る点検支援システムで使用される点検レベル情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る点検支援システムで使用される設備点検レベル情報の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態に係る点検支援システムで使用される点検履歴情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る点検員端末に表示される点検作業ページ(メニュー画面)の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る点検員端末に表示される点検作業ページ(点検作業画面)の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る点検処理の点検結果の具体例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る点検支援システムで使用される設備点検レベル情報の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る点検支援システムで実行される点検支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[点検支援システム1]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る点検支援システム1は、管理サーバー2と設備監視装置3と管理者端末4と点検員端末5とを含む。管理サーバー2、設備監視装置3、管理者端末4、及び点検員端末5は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。点検支援システム1は、複数の設備が設置される施設に導入される。前記施設は、商業ビルなどの商業施設、役所などの公共施設、ホテル、旅館等の宿泊施設、複合施設など種々の施設である。前記設備は、ボイラー、冷凍機、ポンプ、空調機器、送風機などの空調設備、高圧機器、発電機、電源機器などの電気設備、警報機、消火機などの消防設備など種々の機器であり、定期的な点検を要する機器である。本実施形態では、前記施設の一例として、商業ビルの施設B1を挙げる。
【0013】
施設B1に設置された設備の点検員(作業者)は、点検対象の設備(以下、点検対象設備ともいう。)の点検作業を行う。具体的には、点検員は、点検員端末5(スマートフォン、モバイル端末など)を所持して、複数の点検対象設備を巡回して点検し、点検結果(正常、異常、実測データなど)を点検員端末5に入力する。例えば、点検員は、管理サーバー2から提供されて点検員端末5に表示される操作画面(点検作業ページ(
図7及び
図8参照))において点検対象設備及び点検項目を確認し、当該点検対象設備の点検結果を入力する。点検員が複数人の場合、各点検員は、個別に点検員端末5を所持しながら自身に割り当てられた点検対象設備の点検作業を行う。点検支援システム1には、一又は複数の点検員端末5が含まれる。
【0014】
設備監視装置3は、施設B1内の監視対象の設備(以下、監視対象設備ともいう。)を監視する。具体的には、設備監視装置3は、例えばBACnet(Building Automation and Control Networking Protocol)(「BACnet」;登録商標)を利用して監視対象設備の監視を行う。設備監視装置3は、所謂ビル自動管理制御システムに含まれてもよい。
【0015】
管理サーバー2は、各種施設に対して設備管理サービスを提供し、設備管理サービスサイトを運営する。具体的には、管理サーバー2は、点検員による点検員端末5における操作を受け付けて施設B1の点検作業を管理及び支援する。また、管理サーバー2は、点検作業に関する各種情報を点検員に提示する。また、管理サーバー2は、施設B1に新たな設備が導入された場合に、管理者による管理者端末4における操作を受け付けて設備情報を登録するとともに、当該設備に対応する点検項目を設定する。管理サーバー2は、施設B1内に設置されてもよいし、施設B1外に設置されてもよい。また、管理サーバー2は、点検員による点検対象設備に対する点検作業の点検結果と、設備監視装置3による監視対象設備に対する監視結果とを含む点検結果レポートを作成する。
【0016】
本実施形態では、管理サーバー2単体が本発明に係る点検支援システムに相当するが、本発明に係る点検支援システムは、管理サーバー2、設備監視装置3、管理者端末4、及び点検員端末5のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。また、管理サーバー2、設備監視装置3、管理者端末4、及び点検員端末5の構成要素が協働して後述する点検支援処理(
図11参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本発明に係る点検支援システムとして捉えることが可能である。例えば、管理サーバー2、設備監視装置3、管理者端末4、及び点検員端末5が、本発明に係る点検支援システムを構成してもよい。また、管理サーバー2が設備監視装置3の機能を兼ね備えてよい。この場合は、管理サーバー2、管理者端末4、及び点検員端末5が、本発明に係る点検支援システムを構成してもよい。
【0017】
[設備監視装置3]
図2に示すように、設備監視装置3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信I/F34などを備えるサーバーである。なお、設備監視装置3は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよいし、クラウドサーバーで構成されてもよい。また、設備監視装置3で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。設備監視装置3は、BACnetを利用して施設B1内の監視対象設備の監視を行う。設備監視装置3の機能は、管理サーバー2に含まれてもよい。
【0018】
通信I/F34は、設備監視装置3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。また、通信I/F34は、監視対象設備との間でBACnetに従ったデータ通信を実行する。
【0019】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0020】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部32には、監視設備情報が含まれる。
【0021】
監視設備情報には、施設B1に設置された設備のうち監視対象の設備(監視対象設備)ごとに、名称(監視設備名称)、監視項目、単位、分類などの情報が含まれる。監視設備情報に登録される監視対象設備は、BACnetを利用可能な通信機能を備えており、前記監視項目に応じたデータ(正常、異常、計測値などの情報)を制御部31に定期的に送信する。監視設備情報に登録される各情報は、施設B1の管理者、前記設備管理サービスのサービス提供者などにより予め登録される。なお、監視対象設備は、本発明の点検対象の一例である。
【0022】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより設備監視装置3を制御する。
【0023】
具体的には、制御部31は、施設B1内の各監視対象設備から計測結果を取得して記憶部32に記憶する。また、制御部31は、前記計測結果に異常がある場合に、施設B1の管理者等に異常を通知する。また、制御部31は、前記計測結果を管理サーバー2に送信し、管理サーバー2は、監視対象設備の計測結果(点検結果)を管理してもよい。
【0024】
設備監視装置3は、BACnetを利用したビル自動管理制御システムなど、周知の技術を適用することができる。
【0025】
[管理サーバー2]
図2に示すように、管理サーバー2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備えるサーバーである。なお、管理サーバー2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよいし、クラウドサーバーで構成されてもよい。また、管理サーバー2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0026】
通信I/F24は、管理サーバー2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して設備監視装置3、管理者端末4、点検員端末5などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0027】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0028】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD、SSD、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。具体的には、記憶部22には、設備情報D1、点検レベル情報D2、設備点検レベル情報D3、点検履歴情報D4などのデータが含まれる。
【0029】
図3は、施設B1に対応する設備情報D1の一例を示す図である。設備情報D1には、施設B1に設置されている設備(点検対象設備)に関する情報が含まれる。具体的には、設備情報D1には、分類、設備、点検項目、入力単位などの情報が含まれる。各点検対象設備には、点検項目が予め設定されている。なお、
図3では省略しているが、設備情報D1には、さらに、点検対象設備ごとに、機器番号、メーカー型式、製造年、製造会社、施工会社、修理会社などの情報が含まれてもよい。設備情報D1には、例えば施設B1に設置されている全ての点検対象設備に関する情報が登録される。設備情報D1に登録される各情報は、施設B1の管理者、前記設備管理サービスのサービス提供者などにより予め登録される。なお、設備情報D1に、監視対象設備に関する情報が含まれてもよい。
【0030】
図4は、点検レベル情報D2の一例を示す図である。点検レベル情報D2には、点検レベル、頻度、レベルアップ条件、レベルダウン条件などの情報が含まれる。前記点検レベルは、点検頻度に応じたレベルを表す情報であり、例えば、点検レベル「5」は、点検作業を1箇月に1回のペースで実施する頻度を表し、点検レベル「4」は、点検作業を2週間に1回のペースで実施する頻度を表し、点検レベル「3」は、点検作業を1週間に1回のペースで実施する頻度を表し、点検レベル「2」は、点検作業を2日に1回のペースで実施する頻度を表し、点検レベル「1」は、点検作業を1日に1回のペースで実施する頻度を表している。このように、点検レベルが高いほど点検作業の頻度は低くなり、点検レベルが低いほど点検作業の頻度は高くなる。
【0031】
他の実施形態として、前記頻度に代えて、点検作業の間隔(点検間隔)が登録されてもよい。この場合、点検レベル「5」は、点検作業の間隔が「1箇月」を表し、点検レベル「4」は、点検作業の間隔が「2週間」を表し、点検レベル「3」は、点検作業の間隔が「1週間」を表し、点検レベル「2」は、点検作業の間隔が「2日」を表し、点検レベル「1」は、点検作業の間隔が「1日」を表している。このように、点検レベルが高いほど点検作業の間隔は長くなり、点検レベルが低いほど点検作業の間隔は短くなる。「点検頻度」及び「点検間隔」は、本発明の点検スケジュールの一例である。
【0032】
前記レベルアップ条件は、点検レベルが上がる条件を表す情報である。例えば、点検レベルが「1」に設定された特定の点検対象設備に対する点検作業において、直近5回の点検結果が連続して正常(「〇」)であった場合に、制御部21は、当該点検対象設備の点検レベルを「1」から「2」に上げる。点検レベルが「2」に変更されると、前記点検対象設備に対する点検作業は、次回以降、点検レベル「2」の頻度(2日に1回のペース)で実施される。また例えば、点検レベルが「4」に設定された特定の点検対象設備に対する点検作業において、直近10回の点検結果が連続して正常(「〇」)であった場合に、制御部21は、当該点検対象設備の点検レベルを「4」から「5」に上げる。点検レベルが「5」に変更されると、前記点検対象設備に対する点検作業は、次回以降、点検レベル「5」の頻度(1箇月に1回のペース)で実施される。このように、レベルアップ条件は、点検レベルが高いほど厳格になるように設定されてもよい。
【0033】
前記レベルダウン条件は、点検レベルが下がる条件を表す情報である。例えば、点検レベルが「5」に設定された特定の点検対象設備に対する点検作業において、点検結果が異常(「×」)であった場合に、制御部21は、当該点検対象設備の点検レベルを「5」から「4」に下げる。点検レベルが「4」に変更されると、前記点検対象設備に対する点検作業は、次回以降、点検レベル「4」の頻度(2週間に1回のペース)で実施される。また例えば、点検レベルが「2」に設定された特定の点検対象設備に対する点検作業において、点検結果が2回連続して異常(「×」)であった場合に、制御部21は、当該点検対象設備の点検レベルを「2」から「1」に下げる。点検レベルが「1」に変更されると、前記点検対象設備に対する点検作業は、次回以降、点検レベル「1」の頻度(1日に1回のペース)で実施される。このように、レベルダウン条件は、点検レベルが高いほど緩くなるように設定されてもよい。
【0034】
なお、
図4に示す点検レベル情報D2では、制御部21は、レベルアップ条件を満たすと、点検レベルを1段階上げる構成となっているが、他の実施形態として、制御部21は、点検レベルを2段階以上上げてもよい。同様に、制御部21は、レベルダウン条件を満たすと、点検レベルを1段階下げる構成となっているが、他実施形態として、制御部21は、点検レベルを2段階以上下げてもよい。また、レベルアップ条件を満たす場合に点検レベルを上げる段階と、レベルダウン条件を満たす場合に点検レベルを下げる段階とを異ならせてもよい。例えば、制御部21は、レベルアップ条件を満たす場合に点検レベルを1段階上げ、レベルダウン条件を満たす場合に点検レベルを2段階下げてもよい。
【0035】
図5は、設備点検レベル情報D3の一例である。設備点検レベル情報D3には、点検対象設備に対して設定された点検レベルに関する情報が含まれる。具体的には、設備点検レベル情報D3には、点検対象設備、点検レベルなどの情報が含まれる。各点検対象設備には、点検レベルが予め設定されている。例えば、施設B1に新たな設備(点検対象設備)が導入された場合に、制御部21は、管理者の登録操作に応じて当該点検対象設備に対して所定の点検レベルを設定して設備点検レベル情報D3に登録する。なお、制御部21は、点検対象設備の種別(前記分類など)に応じて自動的に点検レベルを設定してもよい。また、制御部21は、点検対象設備がレベルアップ条件又はレベルダウン条件を満たす場合に、設備点検レベル情報D3における当該点検対象設備に設定された点検レベルを変更(更新)する。
【0036】
図6は、点検履歴情報D4の一例である。点検履歴情報D4には、点検対象設備ごとの点検結果に関する情報が含まれる。具体的には、点検履歴情報D4には、点検対象設備、点検履歴などの情報が含まれる。点検履歴には、過去の所定期間の点検結果が蓄積されている。なお、点検履歴の蓄積期間は、点検対象設備に応じて異なるように設定されてもよい。例えば、制御部21は、点検対象設備に設定された点検レベルに応じて前記蓄積期間を設定してもよい。例えば、制御部21は、点検レベルが「1」に設定された点検対象設備の前記蓄積期間を「10日間」に設定し、点検レベルが「3」に設定された点検対象設備の前記蓄積期間を「2週間」に設定し、点検レベルが「4」に設定された点検対象設備の前記蓄積期間を「1箇月」に設定する。点検履歴情報D4の点検履歴は、例えば、レベルアップ条件及びレベルダウン条件の判定処理に利用される。
【0037】
また、記憶部22には、上述の各情報に加えて、さらに、各点検対象設備の設置場所に関する情報、点検対象設備の点検作業を行う複数の点検員に関する情報(点検員情報)、点検員に割り当てられた点検対象設備に関する情報(割当情報)、各点検員の作業状況に関する情報(作業状況情報)などが記憶されてもよい。
【0038】
また、他の実施形態として、設備情報D1、点検レベル情報D2、設備点検レベル情報D3、点検履歴情報D4の一部又は全部が、管理サーバー2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、管理サーバー2の制御部21は、前記他のサーバーから前記情報を取得して、後述の点検支援処理(
図11参照)などの各処理を実行してもよい。
【0039】
また、記憶部22には、管理者端末4及び点検員端末5に表示される各種のウェブページを生成するためのレイアウトデータ及び画像データなども記憶される。なお、本実施形態において、管理サーバー2の制御部21は、前記各種のウェブページを生成してそのウェブページの情報を管理者端末4及び点検員端末5に送信することにより、管理者端末4及び点検員端末5に前記各種のウェブページを表示させることが可能である。また、他の実施形態として、管理サーバー2の制御部21は、管理者端末4及び点検員端末5に前記各種のウェブページを表示するために必要なデータを送信することにより、管理者端末4の制御部41及び点検員端末5の制御部51に前記各種のウェブページの表示を実行させてもよい。
【0040】
さらに、記憶部22には、制御部21に後述の点検支援処理(
図11参照)を実行させるための点検支援プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記点検支援プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理サーバー2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。前記点検支援プログラムは、本発明の点検支援プログラムの一例である。
【0041】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理サーバー2を制御する。
【0042】
具体的には、制御部21は、
図2に示すように、点検処理部211、取得処理部212、変更処理部213などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記点検支援プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記点検支援プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0043】
点検処理部211は、点検対象設備の点検処理を実行する。具体的には、点検処理部211は、点検作業を担当する点検員ごとに点検対象設備を割り当てる割当処理を実行する。具体的には、点検処理部211は、点検員ごとに、異なる種別の複数の点検対象設備を割り当てる。例えば、点検処理部211は、点検員A1に10箇所の電気設備を割り当て、点検員A2に10箇所の空調設備を割り当てる。点検処理部211は、点検員ごとに割り当てた点検対象設備に関する情報を記憶部22に登録する。
【0044】
なお、点検処理部211は、各点検員の点検履歴、点検能力レベル、資格などに基づいて割当処理を実行してもよい。また、点検処理部211は、施設B1内の全ての点検対象設備の点検作業の作業時間が最短時間になるように、各点検員に点検対象設備を割り当ててもよい。
【0045】
点検処理部211は、割当処理を実行した後、点検員による点検作業に応じた点検処理を実行する。具体的には、点検員端末5において設備管理アプリケーションが実行されると、点検処理部211は、
図7及び
図8に示す点検作業ページを点検員端末5に表示させて、点検員の操作を受け付ける。
図7に示す点検作業ページ(メニュー画面)には、点検員(ここでは点検員A1)に割り当てられた点検対象設備の件数、点検員が点検結果として「異常」を入力した件数、点検員が管理者に点検依頼を要求した件数、点検員が点検に関する報告事項を入力した件数などの情報が表示される。点検員A1は、自身に割り当てられた点検対象設備の点検作業を開始する際に「点検」ボタンを押下する。点検員A1が「点検」ボタンを押下すると、点検処理部211は、
図8に示す点検作業ページ(点検作業画面)を点検員端末5に表示させる。
図8に示す点検作業画面には、点検対象設備の名称、場所、点検項目などの点検情報が表示される。点検員A1は、点検作業画面において、点検対象設備を点検項目に従って点検し、点検結果(正常「〇」、異常「×」、計測値など)を入力する。
【0046】
このように、点検処理部211は、設備情報D1(
図3参照)に登録された点検対象設備に対応する点検項目を点検員端末5に表示させて点検員による点検結果の入力操作を受け付ける。また、点検処理部211は、予め設定された点検レベルの点検スケジュール(点検頻度、点検間隔)(
図4及び
図5参照)に従って、点検対象設備に関する点検情報を表示させる。また、点検処理部211は、点検員に割り当てられた点検対象設備に関する点検情報を点検員端末5に順に表示させる。例えば、点検処理部211は、点検員A1の点検員端末5の点検作業ページに、10箇所の電気設備の点検情報を順に表示させる。また、点検処理部211は、点検員A1が、自身に割り当てられた点検対象設備の一覧から所望の点検対象設備を選択した場合に、選択された点検対象設備に関する点検情報を点検作業画面に表示させる。点検員A1が点検結果を入力して「確定」ボタンを押下すると、点検処理部211は、点検対象設備の一覧を表示させて、点検員A1から次の点検対象設備の選択操作を受け付け、選択された点検対象設備に関する点検情報を点検作業画面に表示させる。
【0047】
他の実施形態として、点検処理部211は、点検員の位置情報に基づいて点検対象設備の点検情報を点検作業画面に表示させてもよい。例えば、点検員A1が設備E1(「高圧受電盤」)が配置されている場所(電気室R2)の近くにいる場合、又は、電気室R2に向かって移動している場合に、点検処理部211は、次の点検対象設備として設備E1を特定し、設備E1に関する点検情報を点検作業ページに表示させる。
【0048】
他の実施形態として、点検処理部211は、予め設定された点検順序(点検ルート)に従って点検情報を点検作業ページに表示させてもよい。例えば、点検員A1に割り当てられた10箇所の電気設備について、点検順序が予め設定されている場合には、当該点検順序に従って各電気設備の点検情報を表示させる。この場合、点検処理部211は、点検順序に対応する移動経路(地図情報)を点検作業ページに表示させてもよい。
【0049】
点検処理部211は、各点検員の点検員端末5に点検作業ページをそれぞれ表示させて、点検処理を並行して実行する。
【0050】
また、点検処理部211は、各点検員の作業状況を取得する。具体的には、点検処理部211は、点検員ごとに、点検作業を完了した点検対象設備の情報、現在点検作業中の点検対象設備の情報、点検作業を完了していない点検対象設備の情報などの作業状況を取得する。点検処理部211は、取得した作業状況を記憶部22に登録する。また、点検処理部211は、点検作業が完了した点検対象設備について、点検結果を点検履歴情報D4(
図6参照)に登録する。
【0051】
このようにして、複数の点検員のそれぞれは、点検業務において、自身に割り当てられた点検対象設備の点検作業を並行して実施する。また、複数の点検員のそれぞれは、点検対象設備ごとに、予め設定された点検レベルの点検スケジュール(点検頻度、点検間隔)(
図4及び
図5参照)に従って、点検作業を実施する。そして、点検処理部211は、点検対象設備ごとに、点検スケジュールに従って点検結果を蓄積していく(
図6参照)。
【0052】
なお、点検処理部211は、設備監視装置3による監視対象設備に対する監視結果(点検結果)を点検履歴情報D4(
図6参照)に登録してもよい。すなわち、点検履歴情報D4には、施設B1に設置された全ての設備の点検履歴が登録されてもよい。
【0053】
取得処理部212は、点検スケジュールに基づく点検対象設備に対する点検処理の点検結果を取得する。具体的には、取得処理部212は、点検履歴情報D4(
図6参照)の点検履歴を取得する。例えば、取得処理部212は、点検員の点検作業により登録された点検結果を取得する。また、取得処理部212は、設備監視装置3により計測された計測結果(点検結果)を取得する。すなわち、前記点検処理には、点検員による点検作業と、設備監視装置3による監視処理とが含まれる。取得処理部212は、本発明の取得処理部の一例である。
【0054】
変更処理部213は、点検対象設備について所定の条件を満たす場合に、点検スケジュールを変更する処理を実行する。具体的には、変更処理部213は、取得処理部212により取得される点検対象設備の点検結果に基づいて点検対象設備に対して設定された点検スケジュールを変更する必要があるか否かを判定し、点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に当該点検スケジュールを変更する。
【0055】
例えば、変更処理部213は、点検対象設備に対する直近の点検結果(点検履歴)に基づいて点検対象設備に対して設定された点検スケジュールを変更する必要があるか否かを判定して、点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に当該点検スケジュールを変更する。具体的には、変更処理部213は、点検対象設備の直近の点検結果がレベルアップ条件を満たす場合に、当該点検対象設備に設定された点検レベルを上げ、点検対象設備の直近の点検結果がレベルダウン条件を満たす場合に、当該点検対象設備に設定された点検レベルを下げる。
【0056】
すなわち、変更処理部213は、点検対象設備が正常(「〇」)であることを示す点検結果が所定回数連続して得られた場合に、点検レベルを上げて当該点検対象設備に対する点検作業の頻度を下げる。一方、変更処理部213は、点検対象設備が異常(「×」)であることを示す点検結果が所定回数得られた場合に、点検レベルを下げて当該点検対象設備に対する点検作業の頻度を上げる。
【0057】
例えば、点検レベルが「1」に設定された特定の点検対象設備に対する点検作業において、直近5回の点検結果が連続して正常(「〇」)であった場合に、変更処理部213は、当該点検対象設備の点検レベルを「1」から「2」に上げる。点検レベルが「2」に変更されると、点検処理部211は、次回以降の前記点検対象設備に対する点検処理を、点検レベル「2」の頻度(2日に1回のペース)で実行する。また例えば、点検レベルが「4」に設定された特定の点検対象設備に対する点検作業において、直近10回の点検結果が連続して正常(「〇」)であった場合に、変更処理部213は、当該点検対象設備の点検レベルを「4」から「5」に上げる。点検レベルが「5」に変更されると、点検処理部211は、次回以降の前記点検対象設備に対する点検処理を、点検レベル「5」の頻度(1箇月に1回のペース)で実行する。
【0058】
また例えば、点検レベルが「5」に設定された特定の点検対象設備に対する点検作業において、点検結果が異常(「×」)であった場合に、変更処理部213は、当該点検対象設備の点検レベルを「5」から「4」に下げる。点検レベルが「4」に変更されると、点検処理部211は、次回以降の前記点検対象設備に対する点検処理を、点検レベル「4」の頻度(2週間に1回のペース)で実行する。また例えば、点検レベルが「2」に設定された特定の点検対象設備に対する点検作業において、点検結果が2回連続して異常(「×」)であった場合に、変更処理部213は、当該点検対象設備の点検レベルを「2」から「1」に下げる。点検レベルが「1」に変更されると、点検処理部211は、次回以降の前記点検対象設備に対する点検処理を、点検レベル「1」の頻度(1日に1回のペース)で実行する。
【0059】
変更処理部213は、点検レベルを変更した場合、設備点検レベル情報D3(
図5参照)に登録された点検レベルを変更(更新)する。
【0060】
図9及び
図10には、点検スケジュール(点検レベル)の変更処理の具体例を示している。例えば、点検レベルが「2」に設定された設備E3について、直近5回の点検結果が連続して正常(「〇」)であった場合に(
図9参照)、変更処理部213は、設備点検レベル情報D3において、設備E3の点検レベルを「2」から「3」に上げる(
図10参照)。また例えば、点検レベルが「2」に設定された設備E7について、点検結果が2回連続して異常(「×」)であった場合に(
図9参照)、変更処理部213は、設備点検レベル情報D3において、設備E7の点検レベルを「2」から「1」に下げる(
図10参照)。
【0061】
また、変更処理部213は、所定のタイミングで、点検対象設備について、設定された点検スケジュール(点検レベル)を変更する必要があるか否かを判定する判定処理を実行する。例えば、変更処理部213は、点検対象設備の点検結果を取得するごとに、当該点検対象設備に対する前記判定処理を実行する。
【0062】
以上のように、変更処理部213は、点検対象設備の点検結果を取得するごとに、当該点検対象設備の点検履歴を参照して、レベルアップ条件又はレベルアップ条件を満たすか否かを判定し、レベルアップ条件を満たす場合に点検レベルを上げ、レベルダウン条件を満たす場合に点検レベルを下げる処理を実行する。すなわち、変更処理部213は、点検履歴を参照して点検対象設備の稼働状態の安定度を判定し、所定の安定度以上になると点検頻度を下げ、所定の安定度未満になると点検頻度を上げる。
【0063】
なお、変更処理部213は、計測値に基づいて点検対象設備の安定度を判定してもよい。例えば、変更処理部213は、計測値の傾向を分析して計測値が許容範囲を超える場合に安定度が所定の安定度未満であると判定して点検頻度を上げる。すなわち、レベルアップ条件及びレベルダウン条件は、計測値の許容範囲を超えない回数及び許容範囲を超える回数により規定されてもよい。前記許容範囲は、点検対象設備の種別、点検レベルに応じて設定される。
【0064】
なお、点検対象設備が、設備監視装置3の監視対象の設備である場合、変更処理部213は、点検レベルを変更すると、変更後の点検レベルの情報(点検スケジュール情報)を設備監視装置3に出力する。設備監視装置3の制御部31は、前記点検スケジュールを取得すると、当該点検スケジュール(変更後の点検頻度)に応じて、監視対象設備から計測結果を取得する。また、制御部31は、計測結果(点検結果)を管理サーバー2に送信し、管理サーバー2の制御部21は、設備監視装置3から取得する計測結果を点検履歴情報D4(
図6参照)に登録する。変更処理部213は、本発明の変更処理部の一例である。
【0065】
制御部21は、上述の処理に加えて、各点検対象設備の点検結果を集計する処理を実行する。また、制御部21は、点検対象設備の点検結果を出力する。具体的には、制御部21は、点検員が点検対象設備の点検項目を点検した結果と、設備監視装置3が監視対象設備の点検項目を監視した監視結果とを取得して、前記点検結果を出力する。そして、制御部21は、点検結果を含む点検結果レポートを作成して出力する。例えば制御部21は、点検結果レポートをプリンターから印刷させてもよいし、ファイル形式にしたデータを施設B1の管理者端末4にメール送信してもよい。
【0066】
[管理者端末4]
図2に示すように、管理者端末4は、制御部41、記憶部42、操作表示部43、及び通信I/F44などを備える。管理者端末4は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0067】
通信I/F44は、管理者端末4を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0068】
操作表示部43は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0069】
記憶部42は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部42には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの通信プロトコルに従って管理サーバー2などの外部装置との間で通信処理を制御部41に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、管理サーバー2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0070】
制御部41は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部41は、前記ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理者端末4を制御する。
【0071】
具体的に、制御部41は、記憶部42に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部411として機能する。ブラウザ処理部411は、管理サーバー2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部43に表示させ、操作表示部43に対する操作を管理サーバー2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、管理者端末4は、制御部41によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバー2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部41に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0072】
例えば、管理者端末4では、点検支援システム1で提供される設備管理サービスの設備管理サービスサイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部41が、管理サーバー2から前記設備管理サービスサイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部43に前記設備管理サービスサイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、情報検索サイトにおける検索結果からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、管理者端末4に管理サーバー2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、管理者端末4の管理者が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部43に前記設備管理サービスサイトのウェブページが表示される。
【0073】
例えば、施設B1の管理者は、前記設備管理サービスを利用する際に、管理者端末4に表示された前記設備管理サービスサイトのログインページにログイン情報(ID、パスワード)を入力する。前記ログイン情報が認証されると、制御部41は、操作表示部43に各種ウェブページ(例えば設定ページ、点検結果ページ)を表示させる。例えば管理者は、設定ページにおいて、設備情報D1、点検レベル情報D2、設備点検レベル情報D3などを登録する。
【0074】
[点検員端末5]
図2に示すように、点検員端末5は、制御部51、記憶部52、操作表示部53、及び通信I/F54などを備える。点検員端末5は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0075】
通信I/F54は、点検員端末5を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0076】
操作表示部53は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0077】
記憶部52は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部52には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTPなどの通信プロトコルに従って管理サーバー2などの外部装置との間で通信処理を制御部51に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、管理サーバー2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0078】
制御部51は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部51は、前記ROM又は記憶部52に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより点検員端末5を制御する。
【0079】
具体的に、制御部51は、記憶部52に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部511として機能する。ブラウザ処理部511は、管理サーバー2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部53に表示させ、操作表示部53に対する操作を管理サーバー2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、点検員端末5は、制御部51によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバー2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部51に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0080】
例えば、点検員端末5では、点検支援システム1で提供される設備管理サービスの設備管理サービスサイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部51が、管理サーバー2から前記設備管理サービスサイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部53に前記設備管理サービスサイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、情報検索サイトにおける検索結果からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、点検員端末5に管理サーバー2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、点検員端末5の点検員が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部53に前記設備管理サービスサイトのウェブページが表示される。
【0081】
例えば、施設B1の点検員は、前記設備管理サービスを利用する際に、点検員端末5に表示された前記設備管理サービスサイトのログインページにログイン情報(ID、パスワード)を入力する。前記ログイン情報が認証されると、制御部51は、操作表示部53に各種ウェブページ(例えば点検作業ページ(
図7及び
図8参照))を表示させる。
【0082】
[点検支援処理]
以下、
図11を参照しつつ、点検支援システム1において実行される点検支援処理について説明する。具体的に、本実施形態では、管理サーバー2の制御部21によって前記点検支援処理が実行される。
【0083】
なお、本発明は、前記点検支援処理に含まれる一又は複数のステップを実行する点検支援方法(本発明の点検支援方法の一例)の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記点検支援処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記点検支援処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21が前記点検支援処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該点検支援処理における各ステップを分散して実行する点検支援方法も他の実施形態として考えられる。
【0084】
先ず、ステップS1において、制御部21は、所定の点検対象設備の点検結果を取得する。例えば、点検員A1が設備Xの点検作業を行って点検結果(「〇」又は「×」)を入力した場合に(
図8参照)、制御部21は、当該点検結果を取得する。制御部21は、設備Xの点検結果を取得すると、点検結果を点検履歴情報D4(
図6参照)に登録する。
【0085】
次にステップS2において、制御部21は、前記点検対象設備の点検履歴を取得する。ここでは、制御部21は、点検履歴情報D4(
図6参照)から設備Xの点検履歴を取得する。
【0086】
次にステップS3において、制御部21は、点検対象設備がレベルアップ条件を満たすか否かを判定する。具体的には、制御部21は、設備Xの点検結果(点検履歴)が、設備Xに設定された点検レベル(
図5参照)に対応するレベルアップ条件(
図4参照)を満たすか否かを判定する。制御部21は、点検対象設備がレベルアップ条件を満たすと判定すると(S3:Yes)、処理をステップS31に移行する。一方、制御部21は、点検対象設備がレベルアップ条件を満たさないと判定すると(S3:No)、処理をステップS4に移行する。
【0087】
ステップS31では、制御部21は、点検対象設備の点検レベルを上げる。例えば、制御部21は、設備Xの点検結果(点検履歴)が、設備Xの点検レベルに対応するレベルアップ条件を満たす場合に、設備Xの点検レベルを上げる。制御部21は、設備Xの点検レベルを変更すると、設備点検レベル情報D3(
図5参照)に登録された設備Xの点検レベルを変更(更新)する。制御部21は、ステップS31の後、処理をステップS5に移行させる。
【0088】
これに対して、ステップS4では、制御部21は、点検対象設備がレベルダウン条件を満たすか否かを判定する。具体的には、制御部21は、設備Xの点検結果(点検履歴)が、設備Xに設定された点検レベル(
図5参照)に対応するレベルダウン条件(
図4参照)を満たすか否かを判定する。制御部21は、点検対象設備がレベルダウン条件を満たすと判定すると(S4:Yes)、処理をステップS41に移行する。一方、制御部21は、点検対象設備がレベルダウン条件を満たさないと判定すると(S4:No)、処理をステップS5に移行する。
【0089】
ステップS41では、制御部21は、点検対象設備の点検レベルを下げる。例えば、制御部21は、設備Xの点検結果(点検履歴)が、設備Xの点検レベルに対応するレベルダウン条件を満たす場合に、設備Xの点検レベルを下げる。制御部21は、設備Xの点検レベルを変更すると、設備点検レベル情報D3(
図5参照)に登録された設備Xの点検レベルを変更(更新)する。制御部21は、ステップS41の後、処理をステップS5に移行させる。
【0090】
ステップS5において、制御部21は、他の点検対象設備の点検結果を取得したか否かを判定する。制御部21は、他の点検対象設備の点検結果を取得すると(S5:Yes)、処理をステップS2に移行させる。制御部21は、他の点検対象設備の点検結果を取得しない場合(S5:No)、前記点検支援処理を終了する。例えば、点検員A1が設備Xの点検作業を終えて次の設備Yの点検作業を行って点検結果(「〇」又は「×」)を入力すると、制御部21は、設備Yの点検結果を取得し(S5:Yes)、さらに設備Yの点検履歴を取得する(S2)。制御部21は、設備Yについて、レベルアップ条件又はレベルアップ条件を満たすか否かを判定し(S3、S4)、レベルアップ条件を満たす場合に点検レベルを上げ(S31)、レベルダウン条件を満たす場合に点検レベルを下げる処理を実行する(S41)。
【0091】
制御部21は、各点検対象設備の点検結果を取得するごとに、上述の処理を繰り返し実行して、点検レベルを更新する。そして、制御部21は、更新した点検レベル(点検スケジュール)に応じて点検処理を実行する。制御部21は、以上のようにして前記点検支援処理を実行する。
【0092】
以上説明したように、本実施形態に係る点検支援システム1は、点検スケジュールに基づく点検対象設備に対する点検処理の点検結果を取得し、取得される前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に、前記点検スケジュールを変更する。
【0093】
例えば、点検支援システム1は、点検対象設備に対する直近の点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があるか否かを判定する。
【0094】
また例えば、点検支援システム1は、点検対象設備が正常であることを示す点検結果が所定回数連続して得られた場合に、点検対象設備に対する点検処理の頻度を下げ、点検対象設備が異常であることを示す点検結果が所定回数得られた場合に、点検対象設備に対する点検処理の頻度を上げる。他の実施形態として、点検支援システム1は、点検対象設備が異常であることを示す点検結果が所定回数連続して得られた場合に、点検対象設備に対する点検処理の頻度を上げてもよい。
【0095】
上記構成によれば、点検結果に応じて点検スケジュール(点検頻度、点検間隔)が変更されるため、点検対象設備のの稼働状態の安定度に応じて最適な点検スケジュールを設定することができる。例えば、異常が生じ難く安定して稼働する設備については、点検頻度を低くすることができ、また異常が生じ易く不安定に稼働する設備については、点検頻度を高くすることができる。これにより、点検対象設備に対する点検処理の効率化を図ることが可能となる。
【0096】
なお、前記点検処理の頻度は、互いに異なる複数のレベル(点検レベル)を含み、点検対象設備ごとに、所定のレベルの頻度が予め設定されてもよい(
図4及び
図5参照)。
【0097】
また、前記所定回数は、前記レベルに応じて設定されてもよい。例えば、点検支援システム1は、点検レベルが「1」及び「2」のレベルアップ条件の所定回数を「5回」に設定し、点検レベルが「3」及び「4」のレベルアップ条件の所定回数を「10回」に設定する。このように、点検支援システム1は、レベルアップ条件を、点検レベルが高いほど厳格になるように設定してもよい。
【0098】
また例えば、点検支援システム1は、点検レベルが「3」、「4」及び「5」のレベルダウン条件の所定回数を「1回」に設定し、点検レベルが「2」のレベルダウン条件の所定回数を「2回」に設定する。このように、点検支援システム1は、レベルダウン条件を、点検レベルが低いほど厳格になるように設定してもよい。
【0099】
本発明の他の実施形態として、前記所定回数は、点検対象設備の種別に応じて設定されてもよい。例えば、点検支援システム1は、電気設備のレベルアップ条件の所定回数と、空調設備のレベルアップ条件の所定回数とを異ならせてもよい。同様に、点検支援システム1は、電気設備のレベルダウン条件の所定回数と、空調設備のレベルダウン条件の所定回数とを異ならせてもよい。
【0100】
ところで、設備の稼働期間が長期間になったり使用頻度が高くなったりすると異常が生じ易い状態になる。そこで、本発明の他の実施形態として、点検支援システム1は、点検対象設備の稼働期間又は使用頻度に応じて点検レベルの変更処理を制限してもよい。例えば、管理サーバー2の制御部21(変更処理部213)は、点検対象設備の稼働期間が所定期間以上の場合に、当該点検対象設備に対する点検作業の頻度を下げる処理(点検レベルを上げる処理)を禁止する。また、例えば、制御部21(変更処理部213)は、点検対象設備の使用頻度が所定頻度以上の場合に、当該点検対象設備に対する点検作業の頻度を下げる処理(点検レベルを上げる処理)を禁止する。
【0101】
また、制御部21(変更処理部213)は、点検対象設備の稼働期間が所定期間以上の場合又は点検対象設備の使用頻度が所定頻度以上の場合に、当該点検対象設備に対する点検作業の頻度を下げる条件を前記所定回数よりも多い回数に設定してもよい。例えば、点検レベルが「3」に設定されている点検対象設備について、稼働期間が所定期間以上の場合又は使用頻度が所定頻度以上になった場合に、制御部21(変更処理部213)は、レベルアップ条件に含まれる所定回数(
図4参照)を「10回」から「20回」に変更する。これにより、異常が生じ易くなった設備については、点検レベルを上がり難くする(点検頻度を下がり難くする)ことができる。
また本発明の他の実施形態として、制御部21(変更処理部213)は、点検対象設備の稼働期間又は使用頻度に応じて、レベルアップ条件及びレベルダウン条件に含まれる前記所定回数を設定してもよい。例えば、制御部21は、前記稼働期間が長くなる又は使用頻度が多くなるに従って、レベルアップ条件の前記所定回数を大きい値に更新し、レベルダウン条件の前記所定回数を小さい値に更新する。
【0102】
また本発明の他の実施形態として、点検支援システム1は、点検対象設備が特定機器である場合に、当該点検対象設備に対する点検作業の頻度を下げる処理を禁止してもよい。例えば、異常が生じた場合に様々な影響を与える可能性がある重要な設備については、レベルアップ条件を満たす場合であっても、制御部21(変更処理部213)は、点検作業の頻度を下げる処理(点検レベルを上げる処理)を禁止する。このように、制御部21(変更処理部213)は、点検対象設備の重要度に応じて、点検作業の頻度を下げる処理を禁止してもよい。また、制御部21(変更処理部213)は、点検対象設備の重要度(例えば、施設利用者に与える影響度合いなど)に応じて、レベルアップ条件及びレベルダウン条件に含まれる前記所定回数を設定してもよい。
【0103】
また本発明の他の実施形態として、点検支援システム1は、点検対象設備が特定機器である場合に、当該点検対象設備に対する点検作業の頻度を下げる条件を前記所定回数よりも多い回数に設定してもよい。例えば、制御部21(変更処理部213)は、重要な設備について、点検レベルが「3」に設定されている場合に、レベルアップ条件に含まれる所定回数(
図4参照)を「20回」に設定する。これにより、重要な設備については、点検レベルを上がり難くする(点検頻度を下がり難くする)ことができる。
【0104】
また本発明の他の実施形態として、点検支援システム1は、点検対象設備の設置環境に応じてレベルアップ条件及びレベルダウン条件を設定してもよい。例えば、点検対象設備が高温環境下に設定される場合、寒冷環境下に設置される場合、沿岸地域に設置される場合などに当該点検対象設備の寿命が短くなる可能性がある。そこで、点検支援システム1は、点検対象設備の設置環境に応じて、レベルアップ条件及びレベルダウン条件に含まれる前記所定回数を設定してもよい。
【0105】
本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、本発明の点検対象は、施設内の設備に限定されない。例えば、本発明の点検対象は、宿泊施設内の客室であってもよい。
【0106】
[発明の付記]
以下、実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0107】
<付記1>
点検スケジュールに基づく点検対象に対する点検処理の点検結果を取得する取得処理部と、
前記取得処理部により取得される前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があると判定した場合に、前記点検スケジュールを変更する変更処理部と、
を備える点検支援システム。
【0108】
<付記2>
前記変更処理部は、前記点検対象に対する直近の前記点検結果に基づいて、前記点検スケジュールを変更する必要があるか否かを判定する、
付記1に記載の点検支援システム。
【0109】
<付記3>
前記変更処理部は、
前記点検対象が正常であることを示す前記点検結果が所定回数連続して得られた場合に、前記点検対象に対する点検処理の頻度を下げ、
前記点検対象が異常であることを示す前記点検結果が所定回数得られた場合に、前記点検対象に対する点検処理の頻度を上げる、
付記1又は2に記載の点検支援システム。
【0110】
<付記4>
前記点検処理の頻度は、互いに異なる複数のレベルを含み、
前記点検対象ごとに、所定のレベルの頻度が予め設定される、
付記3に記載の点検支援システム。
【0111】
<付記5>
前記所定回数は、前記レベルに応じて設定される、
付記4に記載の点検支援システム。
【0112】
<付記6>
前記所定回数は、前記点検対象の種別に応じて設定される、
付記4又は5に記載の点検支援システム。
【0113】
<付記7>
前記変更処理部は、前記点検対象の稼働期間が所定期間以上の場合又は前記点検対象の使用頻度が所定頻度以上の場合に、前記点検対象に対する点検作業の頻度を下げる処理を禁止する、
付記3~6のいずれかに記載の点検支援システム。
【0114】
<付記8>
前記変更処理部は、前記点検対象の稼働期間が所定期間以上の場合又は前記点検対象の使用頻度が所定頻度以上の場合に、前記点検対象に対する点検作業の頻度を下げる条件を前記所定回数よりも多い回数に設定する、
付記3~7のいずれかに記載の点検支援システム。
【0115】
<付記9>
前記変更処理部は、前記点検対象が特定機器である場合に、前記点検対象に対する点検作業の頻度を下げる処理を禁止する、
付記3~8のいずれかに記載の点検支援システム。
【0116】
<付記10>
前記変更処理部は、前記点検対象が特定機器である場合に、前記点検対象に対する点検作業の頻度を下げる条件を前記所定回数よりも多い回数に設定する、
付記3~9のいずれかに記載の点検支援システム。
【符号の説明】
【0117】
1 :点検支援システム
2 :管理サーバー
3 :設備監視装置
4 :管理者端末
5 :点検員端末
211 :点検処理部
212 :取得処理部
213 :変更処理部
411 :ブラウザ処理部
511 :ブラウザ処理部
D1 :設備情報
D2 :点検レベル情報
D3 :設備点検レベル情報
D4 :点検履歴情報