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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151545
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】ロータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/2733 20220101AFI20241018BHJP
【FI】
H02K1/2733
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064979
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000116574
【氏名又は名称】愛三工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石田 英智
【テーマコード(参考)】
5H622
【Fターム(参考)】
5H622AA03
5H622CA01
5H622CA05
5H622CA10
5H622CA13
5H622CA14
5H622DD04
(57)【要約】
【課題】ロータの性能を維持したまま磁石の量を削減することができる技術を提供する。
【解決手段】ロータは、上下方向に延びるシャフトと、シャフトの外周面を覆い、シャフトに沿って上下方向に延びるコアと、コアを覆う磁石と、を備えている。磁石は、コアの外周面を覆う円筒状の第1部分と、コアの上端面を覆う円板状の第2部分と、コアの下端面を覆う円板状の第3部分と、を備えていてもよい。磁石の第2部分は、シャフトに沿って上下方向に延びる中空部を備えていてもよい。磁石の第2部分をシャフトの軸方向に視た状態で、第2部分の外周面を内接円とする正多角形の複数の頂点のそれぞれを中心とする複数の円を想定し、正多角形の周方向において隣り合う円と円の円周同士が接する状態を想定する場合に、中空部は、複数の円により囲まれる領域内に設けられていてもよい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びるシャフトと、
前記シャフトの外周面を覆い、前記シャフトに沿って上下方向に延びるコアと、
前記コアを覆う磁石と、を備え、
前記磁石は、前記コアの外周面を覆う円筒状の第1部分と、前記コアの上端面を覆う円板状の第2部分と、前記コアの下端面を覆う円板状の第3部分と、を備え、
前記磁石の前記第2部分は、前記シャフトに沿って上下方向に延びる中空部を備え、
前記磁石の前記第2部分を前記シャフトの軸方向に視た状態で、前記第2部分の外周面を内接円とする正多角形の複数の頂点のそれぞれを中心とする複数の円を想定し、前記正多角形の周方向において隣り合う前記円と前記円の円周同士が接する状態を想定する場合に、前記中空部は、複数の前記円により囲まれる領域内に設けられている、ロータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータであって、
前記中空部は、前記シャフトに沿って前記コアの前記上端面まで設けられている、ロータ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロータであって、
前記中空部は、複数の前記円により囲まれる領域の全体に設けられている、ロータ。
【請求項4】
請求項3に記載のロータであって、
前記磁石の極数が4極である場合、前記磁石の前記第2部分を前記シャフトの軸方向に視た状態で、前記中空部は、複数の前記円により構成される4個の円弧状の辺と4個の頂点とを備える形状で構成される、ロータ。
【請求項5】
請求項3に記載のロータであって、
前記磁石の極数が8極である場合、前記磁石の前記第2部分を前記シャフトの軸方向に視た状態で、前記中空部は、複数の前記円により構成される8個の円弧状の辺と8個の頂点とを備える形状で構成される、ロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、モータに用いられるロータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にモータに用いられるロータが開示されている。特許文献1のロータは、上下方向に延びるシャフトと、シャフトの外周面を覆い、シャフトに沿って上下方向に延びるコアと、コアを覆う磁石とを備えている。磁石は、コアの外周面を覆う円筒状の第1部分と、コアの上端面を覆う円板状の第2部分と、コアの下端面を覆う円板状の第3部分とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-50805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のロータでは、磁石が不要な部分にまで磁石が配置されているのでコストアップにつながることがある。一方、磁石の量を削減する際に必要な部分の磁石まで削減してしまうとロータの性能が低下してしまうことがある。そこで本明細書は、ロータの性能を維持したまま磁石の量を削減することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本技術の第1の態様は、ロータが、上下方向に延びるシャフトと、前記シャフトの外周面を覆い、前記シャフトに沿って上下方向に延びるコアと、前記コアを覆う磁石と、を備えている。前記磁石は、前記コアの外周面を覆う円筒状の第1部分と、前記コアの上端面を覆う円板状の第2部分と、前記コアの下端面を覆う円板状の第3部分と、を備えていてもよい。前記磁石の前記第2部分は、前記シャフトに沿って上下方向に延びる中空部を備えていてもよい。前記磁石の前記第2部分を前記シャフトの軸方向に視た状態で、前記第2部分の外周面を内接円とする正多角形の複数の頂点のそれぞれを中心とする複数の円を想定し、前記正多角形の周方向において隣り合う前記円と前記円の円周同士が接する状態を想定する場合に、前記中空部は、複数の前記円により囲まれる領域内に設けられていてもよい。
【0006】
この構成によれば、磁石の第2部分に中空部を設けることによりロータにおける磁石の量を削減することができる。ロータのコアの上端面を覆う磁石の第2部分は、ロータの回転に対する影響が少ないので、この部分の磁石の量を削減したとしてもロータの性能を維持することができる。また、上記の複数の想定円により囲まれる領域は、ロータが回転するときに磁力をあまり発揮しない部分なので、この部分の磁石の量を削減したとしてもロータの性能を維持することができる。よって、ロータの性能を維持したまま磁石の量を削減することができる。
【0007】
第2の態様では、上記第1の態様において、前記中空部は、前記シャフトに沿って前記コアの前記上端面まで設けられていてもよい。
【0008】
この構成によれば、磁石の第2部分が中空部を介してシャフトから離間し、磁石の第2部分がシャフトに拘束されない。そのため、磁石が低温環境下で収縮したり高温環境下で膨張したとしても、磁石の第2部分の内部応力が大きくなることを抑制することができる。その結果、磁石が膨張/収縮したとしても、磁石が割れてしまうことを抑制することができる。
【0009】
第3の態様では、上記第1又は第2の態様において、前記中空部は、複数の前記円により囲まれる領域の全体に設けられていてもよい。この構成によれば、中空部を大きくすることができるので、磁石の量を更に削減することができる。
【0010】
第4の態様では、上記第3の態様において、前記磁石の極数が4極である場合、前記磁石の前記第2部分を前記シャフトの軸方向に視た状態で、前記中空部は、複数の前記円により構成される4個の円弧状の辺と4個の頂点とを備える形状で構成されていてもよい。この構成によれば、磁石の極数に対して適切な形状の中空部を設けることができる。
【0011】
第5の態様では、上記第3の態様において、前記磁石の極数が8極である場合、前記磁石の前記第2部分を前記シャフトの軸方向に視た状態で、前記中空部は、複数の前記円により構成される8個の円弧状の辺と8個の頂点とを備える形状で構成されていてもよい。この構成によれば、磁石の極数に対して適切な形状の中空部を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例のロータを備える燃料ポンプの断面図。
図2】実施例のロータの断面図。
図3図2の部分IIIの拡大図。
図4図2のIV-IV断面図。
図5】変形例のロータの図3に相当する図。
図6】変形例のロータの図4に相当する図。
図7】変形例のロータの図4に相当する図。
図8】変形例のロータの図4に相当する図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施例のロータ4について図面を参照して説明する。図1は、実施例のロータ4を備える燃料ポンプ100の断面図であり、図2は、実施例のロータ4の断面図である。図1に示すように、燃料ポンプ100は、モータ2を備えており、モータ2は、ロータ4とステータ6を備えている。モータ2は、例えば三相ブラシレスモータである。
【0014】
ロータ4について説明する。図2に示すように、ロータ4は、上下方向に延びるシャフト10と、シャフト10に沿って上下方向(シャフト10の軸方向)に延びるコア12と、コア12を覆う磁石14とを備えている。
【0015】
シャフト10は、上側軸受け19a及び下側軸受け19b(図1参照)により回転可能に支持されている。コア12は、シャフト10の外周面10aに固定されており、シャフト10の外周面10aを覆っている。シャフト10の上部(コア12に覆われていない部分)は、コア12よりも上側へ突出している。シャフト10の下部(コア12に覆われていない部分)は、コア12よりも下側へ突出している。コア12は、例えば、複数の金属板が上下方向(シャフト10の軸方向)に積層されることにより構成されている。
【0016】
磁石14は、コア12の外周面12aを覆う円筒状の第1部分21と、コア12の上端面12bを覆う円板状の第2部分22と、コア12の下端面12cを覆う円板状の第3部分23とを備えている。磁石14の第1部分21と第2部分22と第3部分23は、ボンド磁石により一体的に形成されている。ボンド磁石は、永久磁石の粉末をバインダーで固めて成形した磁石である。実施例の磁石14の極数は4極である。
【0017】
磁石14の第1部分21は、コア12の外周面12aに固定されており、コア12の外周面12aに沿って上下方向(シャフト10の軸方向)に延びている。磁石14の第2部分22は、コア12の上端面12bに固定されており、コア12の上端面12bに沿って上下方向(シャフト10の軸方向)と直交する方向に延びている。磁石14の第3部分23は、コア12の下端面12cに固定されており、コア12の下端面12cに沿って上下方向(シャフト10の軸方向)と直交する方向に延びている。
【0018】
磁石14の第2部分22は、図3に示すように、シャフト10に沿って上下方向(シャフト10の軸方向)に延びる中空部30を備えている。シャフト10の外周面10aの一部は、中空部30に露出している。中空部30は、第2部分22の上端面22bからコア12に向かって延びている。中空部30は、例えば、第2部分22の上下方向(シャフト10の軸方向)の厚みの半分以上にわたり設けられている。なお、磁石14の第2部分22だけでなく、磁石14の第3部分23にも中空部39が設けられていてもよい(図1参照)。
【0019】
次に、上下方向(シャフト10の軸方向)に直交する断面(図4参照)において中空部30が設けられている位置について説明する。図4では、シャフト10と磁石14の第2部分22とをドットハッチングで示す。図4に示すように、上下方向(シャフト10の軸方向)に磁石14の第2部分22を視た状態で、磁石14の第2部分22の外周面22aを内接円とする正多角形P(例えば、正四角形)を想定する。また、この正多角形Pの複数(例えば4個)の頂点T1-T4のそれぞれを中心とする複数(例えば4個)の円C1-C4を想定する。複数の円C1-C4は、正多角形Pの周方向に並んでいる。また、正多角形Pの周方向において隣り合う円と円(例えば、C1とC2、C2とC3、C3とC4、C4とC1)の円周同士が接する状態を想定する。複数の円C1-C4のそれぞれの半径は、同じ長さであり、正多角形Pの1辺の長さの半分の長さである。この場合に、中空部30は、複数の円C1-C4により囲まれる領域R内に設けられている。中空部30は、複数の円C1-C4よりも内側(シャフト10側)に設けられている。中空部30は、磁石14の第2部分22を上下方向(シャフト10の軸方向)に視た状態で、想定した領域R内において円形状に設けられている。変形例では、中空部30は、領域R内において四角形状や八角形状に構成されていてもよい。なお、想定した複数の円C1-C4のそれぞれの中心(即ち、正多角形Pの複数の頂点T1-T4)は、磁極中心と呼ばれることもある。
【0020】
次に、モータ2のステータ6について説明する。図1に示すように、ステータ6は、ロータ4の周囲に配置されており、ロータ4を囲んでいる。ステータ6は、ロータ4に沿って上下方向(シャフト10の軸方向)に延びている。ステータ6は、ロータ4に沿って上下方向(シャフト10の軸方向)に延びるコア62と、コア62を覆う絶縁部64と、コア62を囲むコイル66とを備えている。
【0021】
ステータ6のコア62は、ロータ4の磁石14の周囲に配置されており、磁石14を囲んでいる。コア62は、例えば、複数の金属板が上下方向(シャフト10の軸方向)に積層されることにより構成されている。
【0022】
絶縁部64は、コア62の外周面62aを覆う第1部分71と、コア62の上端面62bを覆う第2部分72と、コア62の下端面62cを覆う第3部分73とを備えている。また、絶縁部64は、コイル66を覆う第4部分74を備えている。絶縁部64の第2部分72と第3部分73は、絶縁性の樹脂により一体的に形成されている。絶縁部64の第1部分71と第4部分74は、絶縁性の樹脂により一体的に形成されている。第1部分71と第4部分74は、第2部分72及び第3部分73と別体で形成されている。第4部分74は、第2部分72と第3部分73も覆っている。
【0023】
絶縁部64の第1部分71は、コア62の外周面62aに密着しており、コア62の外周面62aに沿って上下方向(シャフト10の軸方向)に延びている。絶縁部64の第2部分72は、コア62の上端面62bに密着しており、コア62の上端面62bに沿って上下方向(シャフト10の軸方向)と直交する方向に延びている。絶縁部64の第3部分73は、コア62の下端面62cに密着しており、コア62の下端面62cに沿って上下方向(シャフト10の軸方向)と直交する方向に延びている。第2部分72及び第3部分73は、それぞれ、コイル66を収容する凹部76及び78を備えている。
【0024】
コイル66は、第2部分72の凹部76及び第3部分73の凹部78に配置されており、第2部分72及び第3部分73を介してコア62を囲んでいる。コイル66は、電線が巻き回されることにより構成されている。コイル66に電流が流れることによりモータ2のロータ4が回転する。なお、ロータ4が回転する原理については既に知られているので詳細な説明は省略する。
【0025】
次に、燃料ポンプ100について説明する。図1に示すように、燃料ポンプ100は、本体40と、本体40内に配置されているモータ2と、モータ2の下側で本体40内に配置されているインペラ42とを備えている。
【0026】
本体40は、燃料(例えば、ガソリン)を吸入するための吸入口44と、燃料を吐出するための吐出口46とを備えている。本体40の下端部に吸入口44が設けられており、本体40の上端部に吐出口46が設けられている。
【0027】
インペラ42は、ロータ4のシャフト10の下端部に固定されており、ロータ4が回転することにより回転する。インペラ42が回転することにより、本体40の吸入口44を通じて本体40内に燃料が吸入され、本体40内に吸入された燃料が吐出口46を通じて本体40外に吐出される。
【0028】
(効果)
以上、実施例のロータ4について説明した。以上の説明から明らかなように、ロータ4の磁石14の第2部分22は、シャフト10に沿って上下方向に延びる中空部30を備えている。このロータ4では、磁石14の第2部分22をシャフト10の軸方向に視た状態で、第2部分22の外周面22aを内接円とする正多角形Pの複数の頂点T1-T4のそれぞれを中心とする複数の円C1-C4を想定し、正多角形Pの周方向において隣り合う円と円の円周同士が接する状態を想定する場合に、中空部30は、複数の円C1-C4により囲まれる領域R内に設けられている。
【0029】
この構成によれば、磁石14の第2部分22に中空部30を設けることによりロータ4における磁石14の量を削減することができる。ロータ4のコア12の上端面12bを覆う磁石14の第2部分22は、ロータ4の回転に対する影響が少ないので、この部分の磁石14の量を削減したとしてもロータ4の性能を維持することができる。また、上記の複数の円C1-C4により囲まれる領域Rは、ロータ4が回転するときに磁力をあまり発揮しない部分なので、この部分の磁石14の量を削減したとしてもロータ4の性能を維持することができる。よって、ロータ4の性能を維持したまま磁石14の量を削減することができる。また、上記の構成によれば、磁石14の第2部分22における漏洩磁束を抑制することができる。
【0030】
(変形例)
(1)変形例では、図5に示すように、中空部30は、磁石14の第2部分22の上端面22bからコア12の上端面12bまで延びていてもよい。中空部30は、第2部分22の上下方向(シャフト10の軸方向)の全体に設けられている。中空部30は、第2部分22を上下方向(シャフト10の軸方向)に貫通している。そのため、コア12の上端面12bの一部が中空部30に露出している。また、磁石14の第2部分22が、中空部30を介してシャフト10の外周面10aから離間している。そのため、磁石14の第2部分22は、シャフト10に拘束されない。
【0031】
この構成によれば、磁石14の第2部分22がシャフト10に拘束されないので、磁石14が低温環境下で収縮したり高温環境下で膨張したとしても、磁石14の第2部分22の内部応力が大きくなることを抑制することができる。その結果、磁石14が膨張/収縮したとしても、磁石14が割れてしまうことを抑制することができる。また、中空部30をコア12の上端面12bまで延ばすことにより、磁石14の量を更に削減することができる。
【0032】
(2)変形例では、図6に示すように、複数の円C1-C4により囲まれる領域Rの全体に中空部30が設けられていてもよい。この場合、中空部30は、複数の円C1-C4により構成される4個の円弧状の辺S31-S34と、4個の頂点T31-T34とを備える形状で構成される。辺S31は頂点T31とT32を結び、辺S32は頂点T32とT33を結び、辺S33は頂点T33とT34を結び、辺S34は頂点T34とT31を結ぶ。中空部30は、4個の円弧状の辺S31-S34により囲まれる領域Rの全体に設けられている。4個の辺S31-S34は、それぞれ、4個の円C1-C4の円周の一部を構成する。この変形例の磁石14の極数は4極である。
【0033】
(3)ロータ4の磁石14の極数は特に限定されない。変形例では、磁石14の極数が8極であってもよい。また、上記の実施例では、想定する正多角形Pが正四角形であったが、正多角形Pは、正四角形以外の正多角形であってもよい。例えば、磁石14の極数が8極である場合、図7に示すように、正多角形Pは、正八角形であってもよい。この場合、上下方向(シャフト10の軸方向)に磁石14の第2部分22を視た状態で、正多角形Pの複数(例えば8個)の頂点T1-T8のそれぞれを中心とする複数(例えば8個)の円C1-C8を想定する。複数の円C1-C8は、正多角形Pの周方向に並んでいる。また、正多角形Pの周方向において隣り合う円と円(例えば、C1とC2、C2とC3、C3とC4、C4とC5、C5とC6、C6とC7、C7とC8、C8とC1)の円周同士が接する状態を想定する。複数の円C1-C8のそれぞれの半径は、同じ長さであり、正多角形Pの1辺の長さの半分の長さである。
【0034】
この場合に、中空部30は、複数の円C1-C8により囲まれる領域R内に設けられている。中空部30は、複数の円C1-C8よりも内側(シャフト10側)に設けられている。中空部30は、磁石14の第2部分22を上下方向(シャフト10の軸方向)に視た状態で、想定した領域R内において円形状に設けられている。変形例では、中空部30は、領域R内において四角形状や八角形状に構成されていてもよい。
【0035】
(4)他の変形例では、図8に示すように、複数の円C1-C8により囲まれる領域Rの全体に中空部30が設けられていてもよい。この場合、中空部30は、複数の円C1-C8により構成される8個の円弧状の辺S31-S38と、8個の頂点T31-T38とを備える形状で構成される。辺S31は頂点T31とT32を結び、辺S32は頂点T32とT33を結び、辺S33は頂点T33とT34を結び、辺S34は頂点T34とT35を結ぶ。また、辺S35は頂点T35とT36を結び、辺S36は頂点T36とT37を結び、辺S37は頂点T37とT38を結び、辺S38は頂点T38とT31を結ぶ。中空部30は、8個の円弧状の辺S31-S38により囲まれる領域Rの全体に設けられている。8個の辺S31-S38は、それぞれ、8個の円C1-C8の円周の一部を構成する。
【0036】
(5)上記のモータ2は、燃料ポンプ100以外の装置に用いられてもよい。
【0037】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0038】
2:モータ、4:ロータ、6:ステータ、10:シャフト、12:コア、14:磁石、21:第1部分、22:第2部分、23:第3部分、30:中空部、40:本体、42:インペラ、100:燃料ポンプ、C1-C8:円、P:正多角形、R:領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8