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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151556
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】除去装置
(51)【国際特許分類】
   F23J 3/00 20060101AFI20241018BHJP
   B23K 26/36 20140101ALI20241018BHJP
   B08B 7/00 20060101ALI20241018BHJP
   B08B 9/08 20060101ALI20241018BHJP
   F28G 13/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
F23J3/00 Z
B23K26/36
B08B7/00
B08B9/08
F28G13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064999
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】染谷 竜太
(72)【発明者】
【氏名】柳生 里紗
(72)【発明者】
【氏名】幡野 浩
(72)【発明者】
【氏名】寺田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】井山 浩一
(72)【発明者】
【氏名】木村 賢一
【テーマコード(参考)】
3B116
3K261
4E168
【Fターム(参考)】
3B116AA32
3B116AA46
3B116AB51
3B116BC01
3B116BC03
3K261GA01
3K261GA17
4E168AD00
4E168DA42
4E168DA43
4E168EA18
(57)【要約】
【課題】プラント構成機器の内部において除去処理を効率的に実行可能な除去装置を提供する。
【解決手段】実施形態の除去装置は、反射板により反射されたレーザ光が除去対象物に照射されることによって、除去対象物が金属表面から除去されるように、プラント構成機器の内部にガイドレールが設置され、ガイド棒が嵌合溝に嵌合された反射板が、ガイドレールの延在方向に沿ってプラント構成機器の内部を移動する。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料の燃焼によって生ずる燃焼ガスを用いて発電を行う発電プラントを構成するプラント構成機器の内部において前記燃焼ガスに接触する金属表面に存在する除去対象物を除去するための除去装置であって、
前記除去対象物を除去する際にレーザ光をレーザ出射面から出射するレーザ装置と、
前記レーザ装置から出射された前記レーザ光を用いて前記除去対象物を除去する際に使用される除去補助装置と
を備え、
前記除去補助装置は、
前記レーザ装置が出射した前記レーザ光を反射する反射板と、
前記反射板を移動可能に支持するガイドレールと
を有し、
前記反射板は、ガイド棒が設置されており、
前記ガイドレールは、前記ガイド棒を嵌合する嵌合溝が形成されており、
前記反射板により反射された前記レーザ光が前記除去対象物に照射されることによって、前記除去対象物が前記金属表面から除去されるように、前記プラント構成機器の内部に前記ガイドレールが設置され、前記ガイド棒が前記嵌合溝に嵌合された前記反射板が、前記ガイドレールの延在方向に沿って前記プラント構成機器の内部を移動する、
除去装置。
【請求項2】
前記発電プラントにおける前記プラント構成機器は、排熱回収ボイラであって、前記排熱回収ボイラを構成する構成部品の少なくとも一つが前記金属表面を含む、
請求項1に記載の除去装置。
【請求項3】
前記構成部品は、前記排熱回収ボイラにおいて熱交換器を構成する部品である、
請求項2に記載の除去装置。
【請求項4】
前記ガイド棒は、
第1ガイド棒と、
前記ガイドレールの延在方向に沿って前記反射板が移動する移動方向において、前記第1ガイド棒よりも後方に位置する第2ガイド棒と
を少なくとも有し、
前記ガイドレールは、
主レール部と、
前記主レール部において前記反射板が移動する移動方向の前方側に位置する端部で分岐している、第1分岐レール部および第2分岐レール部と
を少なくとも有し、
前記主レール部は、前記反射板を移動させるときに前記第1ガイド棒および前記第2ガイド棒が前記嵌合溝に嵌合した状態で移動するように構成されており、
前記第1分岐レール部は、前記主レール部の移動後に、前記第1ガイド棒が前記嵌合溝に嵌合した状態で移動するように構成されており、
前記第2分岐レール部は、前記主レール部の移動後に、前記第2ガイド棒が前記嵌合溝に嵌合した状態で移動するように構成されている、
請求項1に記載の除去装置。
【請求項5】
前記ガイドレールは、前記プラント構成機器の内面に設置されている、
請求項1に記載の除去装置。
【請求項6】
前記ガイドレールは、前記プラント構成機器の内面のうち、第1の内面と、前記第1の内面に対向する第2の内面とのそれぞれに設置されており、
前記ガイド棒は、前記第1の内面に設置された前記ガイドレールの前記嵌合溝および前記第2の内面に設置された前記ガイドレールの前記嵌合溝
のそれぞれに嵌合する、
請求項1に記載の除去装置。
【請求項7】
前記反射板は、
第1反射板部と、
第2反射板部と、
第1反射板部と第2反射板部との間を回動可能に連結するヒンジ部と
を有する、
請求項1に記載の除去装置。
【請求項8】
前記構成部品は、管軸方向に延在する管状体であって、
前記除去補助装置は、
前記ガイドレールを管軸方向に搬送するように構成された搬送部
を有する、
請求項1に記載の除去装置。
【請求項9】
前記ガイドレールは、
前記主レール部から前記第1分岐レール部と前記第2分岐レール部とに分岐する分岐部分に、前記第1分岐レール部への移動、または、前記第2分岐レール部への移動を案内するための方向案内部
を有する、
請求項4に記載の除去装置。
【請求項10】
前記方向案内部の動作を制御するための方向案内部制御信号を出力する方向案内部制御装置
を有する、
請求項9に記載の除去装置。
【請求項11】
前記ガイドレールは、
複数のレールセグメントと
前記複数のレールセグメントの間を屈曲自在に連結するレールセグメント連結部と
を有する、
請求項1に記載の除去装置。
【請求項12】
前記ガイドレールが予め定めた形状になるように前記複数のレールセグメントの位置を調整するためのレールセグメント制御信号を出力するレールセグメント制御装置
を有する、
請求項11に記載の除去装置。
【請求項13】
前記反射板は、
前記反射板が前記レーザ光を反射する角度を変えるための反射角度変更部
を有する、
請求項1に記載の除去装置。
【請求項14】
前記除去対象物が除去された前記金属表面に塗料を塗布する塗布部
を有する、
請求項1に記載の除去装置。
【請求項15】
燃料の燃焼によって生ずる燃焼ガスを用いて発電を行う発電プラントを構成するプラント構成機器の内部において前記燃焼ガスに接触する金属表面に存在する除去対象物を除去するための除去装置であって、
前記除去対象物を除去する際にレーザ光をレーザ出射面から出射するレーザ装置と、
前記レーザ装置から出射された前記レーザ光を用いて前記除去対象物を除去する際に使用される除去補助装置と
を備え、
前記除去補助装置は、
前記レーザ装置が出射した前記レーザ光を反射する反射板と、
前記反射板を移動可能に支持するガイドレールと
を有し、
前記反射板は、ガイド棒が設置されており、
前記ガイド棒は前記ガイドレールと嵌合する嵌合部が形成されており、
前記反射板により反射された前記レーザ光が前記除去対象物に照射されることによって、前記除去対象物が前記金属表面から除去されるように、前記プラント構成機器の内部に前記ガイドレールが設置され、前記ガイドレールに篏合する前記ガイド棒に設置された前記反射板が、前記ガイドレールの延在方向に沿って前記プラント構成機器の内部を移動する、
除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除去装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属材料で形成された金属部材の金属表面は、金属材料と環境との間の相互作用によって、腐食を生じる場合がある。例えば、金属表面は、水膜、環境中の湿分、空気中の酸素等によって、酸化等の腐食反応が生じ、腐食生成物(錆等)が生成される場合がある。また、腐食を誘起する腐食成分が存在する場合には、腐食成分からなる付着物が付着することによって腐食が顕著に発生する。このため、金属部材において減肉等の不具合が生ずる場合がある。その結果、腐食の進行に伴って、金属部材においては、強度の低下が発生する可能性がある。
【0003】
例えば、熱交換器を構成する伝熱管等の金属部材において、腐食の進行に伴って腐食生成物や付着物に起因して熱伝導性能が低下する場合がある。
【0004】
上記のような不具合の発生を防止するために、腐食生成物や付着物を除去対象物として除去処理を行う必要がある。除去処理に関する技術として、様々な技術が提案されている。例えば、レーザ光を用いた除去処理等の技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許4012536号
【特許文献2】特許6893983号
【特許文献3】特許5574354号
【特許文献4】特開2002-022089号公報
【特許文献5】特開2020-026927号公報
【特許文献6】特開昭59-191584号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】小川一義、ほか3名、塩水腐食した熱間圧延鋼板の疲労強度低下要因の検討、P1211~P1216、1985年10月、公益社団法人 日本材料学会、材料、34巻、第385号
【非特許文献2】坂本達郎、ほか2名、塗装前の炭素鋼基材のさび性状と塗膜耐久性の関係に関する基礎検討、p307-310、2015年、公益社団法人 腐食防食学会、材料と環境、64巻
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術では、除去処理の対象が複雑な形状であるときには、除去処理を効率的に実行することが容易でない場合がある。
【0008】
例えば、レーザ光を用いた除去処理の場合、レーザ光は、コヒーレンスが高く、直線的に空間を伝播する。このため、レーザ装置においてレーザ光が出射するレーザ出射面S81に対して直接的に対面する金属表面に存在する除去対象物以外に、レーザ装置からレーザ光を直接的に照射することができない。その結果、レーザ光を用いた除去処理によって除去対象物を効率的に除去することは、困難である。除去対象物を内部に含む機器の開口よりもレーザ装置が大きい場合等においては、レーザ光を用いた除去処理によって除去対象物全体を効率的に除去することは困難であり、上記不具合が発生する。
【0009】
特に、燃料の燃焼によって生ずる燃焼ガスの熱を回収して蒸気を発生してタービンを回して発電を行う発電プラントを構成する熱交換器等のプラント構成機器の内部において、燃焼ガスに接触する金属表面に存在する除去対象物を除去する際には、上記不具合の発生が顕在化している。
【0010】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、プラント構成機器の内部において除去処理を効率的に実行可能な除去装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態の除去装置は、レーザ装置と除去補助装置とを備え、燃料の燃焼によって生ずる燃焼ガスを用いて発電を行う発電プラントを構成するプラント構成機器の内部において燃焼ガスに接触する金属表面に存在する除去対象物を除去するように構成されている。レーザ装置は、除去対象物を除去する際にレーザ光をレーザ出射面から出射する。除去補助装置は、反射板とガイドレールとを有し、レーザ装置から出射されたレーザ光を用いて除去対象物を除去する際に使用される。反射板は、レーザ装置が出射したレーザ光を反射する。ガイドレールは、反射板を移動可能に支持する。反射板は、ガイド棒が設置されており、ガイドレールは、ガイド棒を嵌合する嵌合溝が形成されている。実施形態の除去装置は、反射板により反射されたレーザ光が除去対象物に照射されることによって、除去対象物が金属表面から除去されるように、プラント構成機器の内部にガイドレールが設置され、ガイド棒が嵌合溝に嵌合された反射板が、ガイドレールの延在方向に沿ってプラント構成機器の内部を移動する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、プラント構成機器の内部において除去処理を効率的に実行可能な除去装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1実施形態において、発電プラント1を模式的に示す図である。
図2A図2Aは、第1実施形態において、熱交換器6の要部を模式的に示す図である。
図2B図2Bは、第1実施形態において、熱交換器6の要部を模式的に示す図である。
図3A図3Aは、第1実施形態の除去装置80を模式的に示す図である。
図3B図3Bは、第1実施形態において、反射板91を模式的に示す上面図である。
図3C図3Cは、第1実施形態において、反射板91を模式的に示す正面図である。
図3D図3Dは、第1実施形態において、ガイドレール92を模式的に示す図である。
図3E図3Eは、第1実施形態において、ガイドレール92を拡大して示す上面図である。
図3F図3Fは、第1実施形態において、ガイドレール92を拡大して示す断面図である。
図3G図3Gは、第1実施形態の除去装置80において、除去対象物20について除去処理を実行するときの状態を模式的に示す図である。
図4A図4Aは、第1実施形態において、除去処理を模式的に示す図である。
図4B図4Bは、第1実施形態において、除去処理を模式的に示す図である。
図4C図4Cは、第1実施形態において、除去処理を模式的に示す図である。
図5A図5Aは、第1実施形態の変形例1-1において、除去対象物20について除去処理を実行するときの状態を示す図である。
図5B図5Bは、第1実施形態の変形例1-1において、ガイドレール92を拡大して示す下面図である。
図5C図5Cは、第1実施形態の変形例1-1において、ガイドレール92を拡大して示す断面図である。
図6図6は、第1実施形態の変形例1-2において、除去対象物20について除去処理を実行するときの状態を示す図である。
図7図7は、第1実施形態の変形例1-3において、反射板91を模式的に示す図である。
図8A図8Aは、第2実施形態の除去装置80を模式的に示す図である。
図8B図8Bは、第2実施形態において、反射板91を模式的に示す上面図である。
図8C図8Cは、第2実施形態において、反射板91を模式的に示す正面図である。
図8D図8Dは、第2実施形態において、ガイドレール92を模式的に示す図である。
図9図9は、第3実施形態において、除去対象物について除去処理を実行するときの状態を示す図である。
図10A図10Aは、第4実施形態において、ガイドレール92を拡大して示す図である。
図10B図10Bは、第4実施形態の変形例において、ガイドレール92を拡大して示す図である。
図11A図11Aは、第5実施形態において、ガイドレール92を拡大して示す図である。
図11B図11Bは、第5実施形態の変形例において、ガイドレール92を拡大して示す図である。
図12A図12Aは、第6実施形態において、反射板91を模式的に示す上面図である。
図12B図12Bは、第6実施形態において、反射板91を模式的に示す正面図である。
図13図13は、第7実施形態の除去装置80を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1実施形態>
[A]発電プラントの構成
実施形態の除去装置80(図3A参照)に関して説明する前に、除去装置80の除去対象物を含む発電プラント1について例示する。
【0015】
図1は、第1実施形態において、発電プラント1を模式的に示す図である。
【0016】
本実施形態の発電プラント1は、図1に示すように、ガスタービン2と、第1発電機3と、排気ダクト4と、熱交換器6を含む排熱回収ボイラ5と、煙突8と、水循環ライン9と、蒸気タービン10と、第2発電機11と、復水器12とを備える。
【0017】
本実施形態の発電プラント1は、燃料(例えば、天然ガス、石油、石炭等の化石燃料)の燃焼によって生ずる燃焼ガスGを用いて発電を行う火力発電プラントである。具体的には、本実施形態の発電プラント1は、例えば、コンバインドサイクル発電方式の火力発電プラントであって、ガスタービン2を内燃機関として用いた内燃力発電が行われると共に、その排熱で汽力発電が行われる。なお、発電プラント1は、コンバインドサイクル発電方式以外の方式であってもよい。
【0018】
本実施形態の発電プラント1では、上記したように、ガスタービン2の回転力が第1発電機3に伝達されることによって、内燃力発電が行われる。
【0019】
ガスタービン2から排出された燃焼ガスGは、排気ダクト4を介して、排熱回収ボイラ5に送られる。排熱回収ボイラ5では、内部に設置された熱交換器6において、水Wと燃焼ガスGとの間の熱交換が行われる。これにより、排熱回収ボイラ5では、水Wが蒸発して蒸気Sとなる。
【0020】
排熱回収ボイラ5を通過した燃焼ガスGは、排気ダクト4を介して、煙突8に送られる。そして、燃焼ガスGが煙突8から大気中に排出される。
【0021】
熱交換器6において蒸発した蒸気Sは、水循環ライン9を介して、蒸気タービン10に導入される。これにより、蒸気タービン10の回転力が第2発電機11に伝達されることによって、発電が行われる。
【0022】
蒸気タービン10を通過した蒸気は、復水器12に送られ、復水器12で凝縮されて水W(凝縮水)に戻される。復水器12で凝縮された水Wは、水循環ライン9を介して、再び、排熱回収ボイラ5に戻される。
【0023】
[B]熱交換器6の構成
図2Aおよび図2Bは、第1実施形態において、熱交換器6(図1参照)の要部を模式的に示す図である。
【0024】
図2Aおよび図2Bに示すように、熱交換器6は、複数の伝熱管13を備える。図2Aでは、伝熱管13の管軸方向(長手方向)が、紙面に沿った状態を示しており、図2Bでは、伝熱管13の管軸方向が、紙面に直交した状態を示している。
【0025】
図2Aおよび図2Bでは図示していないが、伝熱管13は、水循環ライン9を流れる水W(図1参照)が、内部を通過する。このとき、伝熱管13の内部を流れる水Wと伝熱管13の周囲を流れる燃焼ガスGとの間において熱交換が実行される。その結果、伝熱管13の内部を流れる水Wが蒸発して蒸気Sとなる。
【0026】
図2Aおよび図2Bに示すように、伝熱管13の外周面には、熱交換の効率を高めるために、熱交換フィン14が設けられている。熱交換フィン14は、例えば、伝熱管13の外周面に沿って巻き回されて、螺旋状に延びている。この他に、複数枚の熱交換フィン14が伝熱管13の管軸方向に沿って並ぶように、伝熱管13の外周面に設置されていてもよい。一対の伝熱管13が並ぶ間の間隔15、および、一対の熱交換フィン14が並ぶ間の間隔16は、狭隘部である。
【0027】
伝熱管13および熱交換フィン14は、鉄を主成分として含む金属材料(例えば、炭素鋼)で形成されている。伝熱管13および熱交換フィン14は、上述したように、燃焼ガスGに接触する金属表面を含む。
【0028】
図2Aおよび図2Bでは図示していないが、金属表面は、長年の使用や、燃焼ガスGに含有する物質の付着等に起因して、腐食が生じる。その結果、金属表面に腐食生成物や付着物が付着した状態になり、熱伝導性能が低下する場合がある。
【0029】
[C]除去装置80の構成
上記のような腐食生成物や付着物を除去対象物20として除去処理を実行するための除去装置80について説明する。
【0030】
図3Aは、第1実施形態の除去装置80を模式的に示す図である。
【0031】
図3Aにおいて、横方向は、第1の水平方向xであり、縦方向は、第1の水平方向xに直交する第2の水平方向yであり、紙面に垂直な方向は、鉛直方向z(重力方向)である。図3Aでは、除去対象物20について除去処理を実行するときの除去装置80の状態を併せて示している。
【0032】
本実施形態の除去装置80は、図3Aに示すように、発電プラント1(図1参照)を構成するプラント構成機器70の内部において燃焼ガスに接触する金属表面に存在する除去対象物20を除去するために用いられる。
【0033】
ここでは、プラント構成機器70は、筐体700の内部に収容された構成部品71を含み、構成部品71の金属表面に存在する除去対象物20について、除去装置80を用いて除去する場合を示している。プラント構成機器70は、例えば、排熱回収ボイラ5(図1参照)である。プラント構成機器70の構成部品71は、排熱回収ボイラ5において熱交換器6を構成する伝熱管13(図1参照)であって、図3Aでは、伝熱管13である構成部品71の管軸が鉛直方向zに沿って設置される場合を例示している。
【0034】
本実施形態の除去装置80は、図3Aに示すように、レーザ装置81と除去補助装置90とを備える。除去装置80を構成する各部について説明する。
【0035】
[C-1]レーザ装置81
レーザ装置81は、図3Aに示すように、レーザ発振器811と導波デバイスL81とレーザ出射部812とを含み、レーザ光Lをレーザ出射面S81から出射するように構成されている。
【0036】
レーザ装置81において、レーザ発振器811は、レーザ光Lの光源である。導波デバイスL81は、例えば、光ファイバを含み、レーザ発振器811から出射されたレーザ光Lをレーザ出射部812へ導く。レーザ出射部812は、レーザ出射面S81を含み、レーザ発振器811から出射されたレーザ光Lが導波デバイスL81を介してレーザ出射面S81からレーザ装置81の外部へ出射するように構成されている。
【0037】
ここでは、レーザ装置81は、除去対象物20を蒸発させるエネルギーを有するレーザ光Lを出射する。レーザ光Lは、パルス波、連続波のどちらでもよい。
【0038】
[C-2]除去補助装置90
除去補助装置90は、図3Aに示すように、反射板91とガイドレール92とを有し、レーザ装置81から出射されたレーザ光Lを用いて前記除去対象物20を除去する際に使用される。
【0039】
[C-2-1]反射板91
除去補助装置90において、反射板91は、図3Aに示すように、レーザ装置81が出射したレーザ光Lを反射するように構成されている。
【0040】
図3Bおよび図3Cは、第1実施形態において、反射板91を模式的に示す図である。図3Bは、上面図であって、図3Cは、正面図である。
【0041】
図3Bおよび図3Cに示すように、本実施形態において、反射板91は、反射素子910と反射素子支持板911とガイド棒912とを備える。
【0042】
[C-2-1-1]反射素子910
反射素子910は、例えば、平面鏡であって、図3Bおよび図3Cに示すように、外形が、例えば、矩形形状である。
【0043】
[C-2-1-2]反射素子支持板911
反射素子支持板911は、図3Bおよび図3Cに示すように、例えば、矩形形状の板状体であって、板面に反射素子910が固定されている。
【0044】
[C-2-1-3]ガイド棒912
ガイド棒912は、図3Cに示すように、例えば、反射素子支持板911の下面に設置されている。本実施形態では、ガイド棒912として、ガイド棒912a(第1ガイド棒)とガイド棒912b(第2ガイド棒)とが設けられている。
【0045】
ガイド棒912aは、例えば、円柱形状の棒状体であって、反射素子支持板911の下面において一端側(図3Cでは右側)に設置されている。ガイド棒912bは、例えば、ガイド棒912aと同様に、円柱形状の棒状体であって、反射素子支持板911の下面において他端側(図3Cでは左側)に設置されている。
【0046】
[C-2-2]ガイドレール92
除去補助装置90において、ガイドレール92は、図3Aに示すように、反射板91を移動可能に支持するように構成されている。
【0047】
図3Dは、第1実施形態において、ガイドレール92を模式的に示す図である。図3Dでは、図3Aにおいて反射板91を除いた状態を示している。
【0048】
図3Dに示すように、ガイドレール92は、主レール部L92、分岐レール部L92a(第1分岐レール部)、および、分岐レール部L92b(第2分岐レール部)を有する。主レール部L92は、筐体700の外部に位置する一端部と、筐体700の内部に位置する他端部との間を直線状に延在している。分岐レール部L92aおよび分岐レール部L92bは、筐体700の内部において、主レール部L92の他端部B92aから分岐しており、曲線状に延在している。
【0049】
図3Eおよび図3Fは、第1実施形態において、ガイドレール92を拡大して示す図である。図3Eは、ガイドレール92の上面図であって、縦方向がガイドレール92の延在方向である。図3Fは、ガイドレール92の延在方向が直交する面の断面図であって、図3EのA-A部分を示している。
【0050】
図3Eおよび図3Fに示すように、ガイドレール92は、ガイド棒912を嵌合する嵌合溝T92が形成されている。嵌合溝T92は、例えば、断面が矩形状であって、ガイドレール92の延在方向に沿っている。
なお、ガイドレール92のレール形状をI型鋼のような凸形状とし、ガイド棒912がガイドレール92の上部の凸部を篏合して挟むまたは把持するような篏合部を有する形状としてもよい。
【0051】
図3Gは、第1実施形態の除去装置80において、除去対象物20について除去処理を実行するときの状態を模式的に示す図である。図3Gでは、第2水平方向yが直交する鉛直面(xz面)のうち、図3AのB-B部分を示している。図3Gでは、構成部品71の図示を省略している。
【0052】
図3Gに示すように、ガイドレール92は、プラント構成機器70を構成する筐体700の内面に設置されている。ここでは、ガイドレール92は、例えば、筐体700の内面のうち、床面Fに設置されている。ガイドレール92は、プラント構成機器70を構成する筐体700以外に、別途、設置した構造物(足場など)に設置してもよい。
【0053】
[D]除去処理方法
本実施形態の除去装置80を用いて除去対象物20を除去する除去処理を実行する除去処理方法に関して、各図を用いて説明する。
【0054】
ここでは、図3Aに示すように、レーザ装置81のレーザ出射面S81に対して直接的に対面する金属表面以外の金属表面に存在する除去対象物20を除去する場合について説明する。
【0055】
除去処理を実行する際には、図3Aに示したように、まず、プラント構成機器70の内部にガイドレール92を設置する。その後、ガイドレール92の嵌合溝T92にガイド棒912が嵌合された反射板91を、ガイドレール92の延在方向に沿って移動させる。反射板91およびガイドレール92は、プラント構成機器70の開口よりも小さいサイズであり、プラント構成機器70の開口から内部へ搬入される。
【0056】
ガイドレール92の設置および反射板91の移動は、例えば、除去処理を実行する作業者が、プラント構成機器70の内部の状態を確認し、反射板91により反射されたレーザ光Lが除去対象物20に照射されるように実行される。
【0057】
本実施形態では、ガイドレール92を構成する主レール部L92のうち、筐体700の外部に位置する一端部から、ガイド棒912aとガイド棒912bとを主レール部L92の嵌合溝T92に、順次、挿入する(図3C図3D参照)。
【0058】
その後、ガイド棒912aおよびガイド棒912bが主レール部L92の嵌合溝T92に嵌合された状態で、反射板91を主レール部L92の一端部から他端部へ移動させる。そして、主レール部L92の他端部にガイド棒912aが到達した後は、ガイド棒912aが分岐レール部L92aの嵌合溝T92に嵌合された状態で、ガイド棒912aを分岐レール部L92aの一端部から他端部へ移動させる。同様に、主レール部L92の他端部にガイド棒912bが到達した後は、ガイド棒912bが分岐レール部L92bの嵌合溝T92に嵌合された状態で、ガイド棒912bを分岐レール部L92bの一端部から他端部へ移動させる(図3A図3G参照)。これにより、反射板91により反射されたレーザ光Lが除去対象物20に照射される状態になる。
【0059】
つぎに、レーザ装置81からレーザ光Lを出射する(図3A参照)。反射板91は、レーザ装置81から出射され、プラント構成機器70の開口から内部に入ったレーザ光Lを反射し、レーザ光Lの進行方向を変える。これにより、反射板91で反射されたレーザ光Lが除去対象物20に入射し、除去対象物20が蒸発する。
【0060】
図4Aから図4Cは、第1実施形態において、除去処理を模式的に示す図である。
【0061】
図4Aから図4Cでは、除去対象物20が金属表面に存在する構成部品71(例えば、熱交換器6の伝熱管13等;図2A参照)の断面を示しており、除去対象物20を除去する除去処理の様子を図4Aから図4Cの順で示している。なお、図4Bおよび図4Cでは、図4Aに示す除去対象物20の図示を簡略化している。
【0062】
図4Aに示すように、構成部品71の金属表面には、除去対象物20が存在する。除去対象物20は、腐食生成物18および付着物19である。腐食生成物18は、燃焼ガスGによって構成部品71の材料(例えば、炭素鋼)が腐食することで生成された物質である。付着物19は、燃焼ガスGに含まれる成分が付着した物質であって、例えば、硫酸アンモニウムなどの物質を含む。
【0063】
図4Bに示すように、レーザ光Lを除去対象物20に照射する。本実施形態では、除去装置80において、レーザ装置81から出射されたレーザ光Lが、反射板91で反射された後に、除去対象物20に入射する。
【0064】
これにより、図4Cに示すように、本実施形態では、除去対象物20が分解生成物21に分解される。分解生成物21は、レーザによって蒸発した腐食生成物、腐食成分、衝撃で飛散した微量な錆等である。
【0065】
ここでは、除去対象物20において特徴的な吸収波長に対応する波長を有するレーザ光Lを用いて除去処理が実行することで、除去対象物20を選択的かつ効率的に除去可能である。つまり、光と物質の相互作用であるレーザアブレーション効果を用いて、除去処理が実行される。レーザアブレーション効果を十分に得るために、除去対象物20を構成する化合物の吸収特性、除去対象物20の密度、除去対象物20の厚み、レーザ光Lのレーザ発振波長、レーザ光Lのレーザパワー密度等の因子が考慮される。
【0066】
除去対象物20に一定以上のエネルギー密度を持つレーザ光Lを照射することで、除去対象物20がレーザ光Lの光エネルギーを吸収して瞬間的に加熱状態になる。その結果、除去対象物20がプラズマ化し、分解生成物21として昇華する。なお、プラズマ化された物質は、再結合により、再生成物が生ずる場合があるが、粒子サイズが小さいため、構成部品71の機能低下が生じにくく、目視可能な塵埃を発生させにくい。
【0067】
[E]まとめ
以上のように、本実施形態の除去装置80は、レーザ装置81と除去補助装置90とを備える。除去補助装置90は、レーザ装置81が出射したレーザ光Lを反射する反射板91と、反射板91を移動可能に支持するガイドレール92とを有する。反射板91は、ガイド棒912が設置されている。ガイドレール92は、ガイド棒912を嵌合する嵌合溝T92が形成されている。本実施形態では、反射板91により反射されたレーザ光Lが除去対象物20に照射されることによって、除去対象物20が金属表面から除去されるように、プラント構成機器70の内部にガイドレール92が設置されると共に、ガイド棒912が嵌合溝T92に嵌合された反射板91が、ガイドレール92の延在方向に沿ってプラント構成機器70の内部を移動する。このため、本実施形態では、プラント構成機器70の構成部品71においてレーザ出射面S81に直接的に対面する金属表面以外の金属表面に存在している除去対象物20に対しても、レーザ光Lを照射可能である。その結果、本実施形態では、レーザ光Lを用いた除去処理によって除去対象物20を効率的に除去可能である。
【0068】
特に、本実施形態では、ガイド棒912aとガイド棒912bとがガイド棒912として設けられている。ガイド棒912bは、ガイドレール92の延在方向に沿って反射板91が移動する移動方向Mにおいて、ガイド棒912aよりも後方に位置している。また、本実施形態では、ガイドレール92は、主レール部L92と、主レール部L92において反射板91が移動する移動方向Mの前方側に位置する端部で分岐している、分岐レール部L92aおよび分岐レール部L92bとを有する。主レール部L92は、反射板91を移動させるときにガイド棒912aおよびガイド棒912bが嵌合溝T92に嵌合した状態で移動するように構成されている。分岐レール部L92aは、ガイド棒912aが主レール部L92を移動した後に、ガイド棒912aが嵌合溝T92に嵌合した状態で移動するように構成されている。分岐レール部L92bは、ガイド棒912bが主レール部L92を移動した後に、ガイド棒912bが嵌合溝T92に嵌合した状態で移動するように構成されている。このため、本実施形態では、除去処理を実行する位置に、反射板91を的確に移動させることができる。その結果、本実施形態では、レーザ光Lを用いた除去処理によって除去対象物20を更に効率的に除去可能である。
【0069】
なお、本実施形態において、除去対象物20が除去された金属表面は、例えば、塗料が塗布されることによって塗布層で被覆される。この場合、除去対象物20が金属表面と塗布層との間に介在していないため、塗布層が金属表面から剥離することを抑制可能である。塗布は、金属表面について粗面化処理を施した後に実行してもよい。
【0070】
[F]変形例
上記実施形態の変形例について説明する。
【0071】
[F-1]変形例1-1
図5Aは、第1実施形態の変形例1-1において、除去対象物20について除去処理を実行するときの状態を示す図である。図5Aでは、図3Gと同様に、第2水平方向yが直交する鉛直面(xz面)を示している。
【0072】
図5Aに示すように、本変形例では、上記実施形態の場合(図3G参照)と異なり、ガイドレール92は、プラント構成機器70を構成する筐体700の内面のうち、天井面Rに設置されている。そして、ガイド棒912は、反射板91の上面に設置されている。本変形例では、反射板91が天井面Rのガイドレール92に吊るされて支持された状態で筐体700の内部を移動するように構成されている。
【0073】
図5Bおよび図5Cは、第1実施形態の変形例1-1において、ガイドレール92を拡大して示す図である。図5Bは、ガイドレール92の下面図であって、縦方向がガイドレール92の延在方向である。図5Cは、ガイドレール92の延在方向が直交する面の断面図であって、図5BのA-A部分を示している。
【0074】
図5Bおよび図5Cに示すように、本変形例では、ガイド棒912の上端には、例えば、円板体9120が設けられている。ここでは、円板体9120の外径がガイド棒912の外径よりも大きい。
【0075】
そして、図5Bおよび図5Cに示すように、本変形例では、ガイドレール92の嵌合溝T92は、第1嵌合溝部T921と第2嵌合溝部T922とを含み、第1嵌合溝部T921と第2嵌合溝部T922とが、鉛直方向zにおいて上方に向かって順次設けられている。第1嵌合溝部T921は、ガイド棒912の上端部分が移動する部分である。第2嵌合溝部T922は、円板体9120が移動する部分であって、第1嵌合溝部T921よりも幅が広くなっている。つまり、ガイドレール92において第1嵌合溝部T921を挟む内面は、ガイドレール92において第2嵌合溝部T922を挟む内面よりも、内側に位置している。これにより、本変形例では、反射板91とガイド棒912とがガイドレール92に吊るされた状態で、ガイドレール92に沿って移動することができる。
【0076】
したがって、本変形例においても、上記実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。
【0077】
[F-2]変形例1-2
図6は、第1実施形態の変形例1-2において、除去対象物20について除去処理を実行するときの状態を示す図である。図6では、図3Gと同様に、第2水平方向yが直交する鉛直面(xz面)を示している。
【0078】
図6に示すように、本変形例では、上記実施形態の場合(図3G参照)と異なり、ガイドレール92は、プラント構成機器70を構成する筐体700の内面のうち、床面F(第1の内面)と共に、床面Fに対向する天井面R(第2の内面)に設置されている。そして、ガイド棒912は、反射板91の下面と共に、反射板91の上面に設置されている。反射板91の下面に設置されたガイド棒912は、床面Fに設置されたガイドレール92の嵌合溝T92に嵌合している。そして、反射板91の上面に設置されたガイド棒912は、天井面Rに設置されたガイドレール92の嵌合溝T92に嵌合している。これにより、本変形例では、反射板91が床面Fのガイドレール92と天井面Rのガイドレール92との両者によって支持された状態で筐体700の内部を移動するように構成されている。
【0079】
したがって、本変形例においても、上記実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。特に、本実施形態では、反射板91が床面Fのガイドレール92と天井面Rのガイドレール92との両者によって支持された状態であるので、反射板91の転倒が生じにくい。
【0080】
[F-3]変形例1-3
図7は、第1実施形態の変形例1-3において、反射板91を模式的に示す図である。図7は、図3Bと同様に、上面図である。
【0081】
図7に示すように、本変形例では、上記実施形態の場合(図3B参照)と異なり、反射板91を構成する反射素子910は、例えば、凹面鏡であってもよい。この他に、反射素子910は、凸面鏡などの曲面鏡であっても構わない。
【0082】
<第2実施形態>
[A]構成
図8Aは、第2実施形態の除去装置80を模式的に示す図である。図8Aでは、図3Aと同様に、除去対象物20について除去処理を実行するときの除去装置80の状態を併せて示している。
【0083】
図8Aに示すように、本実施形態の除去装置80は、除去補助装置90を構成する反射板91およびガイドレール92の形態が、第1実施形態の場合(図3A参照)と異なる。この点、および、これに関する点を除き、本実施形態は、第1実施形態と同様である。このため、重複する構成については、適宜、説明を省略する。
【0084】
図8Bおよび図8Cは、第2実施形態において、反射板91を模式的に示す図である。図8Bは、図3Bと同様に、上面図であって、図8Cは、図3Cと同様に、正面図である。
【0085】
図8Bおよび図8Cに示すように、本実施形態において、反射板91は、第1実施形態の場合(図3B図3C参照)と同様に、反射素子910と反射素子支持板911とガイド棒912とを備える。しかし、本実施形態の反射板91においては、反射素子910として、反射素子910Aと反射素子910Bとが設けられ、反射素子支持板911として、反射素子支持板911Aと反射素子支持板911Bとが設けられ、ガイド棒912として、ガイド棒912aとガイド棒912bとガイド棒912cとが設けられている。更に、本実施形態の反射板91には、ヒンジ部913が設けられている。
【0086】
本実施形態の反射板91では、反射素子910Aが反射素子支持板911Aに設置されることで第1反射板部91Aが構成されていると共に、反射素子910Bが反射素子支持板911Bに設置されることで第2反射板部91Bが構成されている。そして、ヒンジ部913は、反射素子支持板911Aと反射素子支持板911Bとの境界部分に設置され、第1反射板部91Aと第2反射板部91Bとの間を回動可能に連結している。
【0087】
ガイド棒912aは、反射板91の下面において一端側(図8Cでは右側)に設置されている。ガイド棒912bは、反射板91の下面において中央部分に設置されている。ガイド棒912cは、反射板91の下面において他端側(図8Cでは左側)に設置されている。
【0088】
[C-2-2]ガイドレール92
図8Dは、第2実施形態において、ガイドレール92を模式的に示す図である。図8Dでは、図8Aにおいて反射板91を除いた状態を示している。
【0089】
図8Dに示すように、ガイドレール92は、主レール部L92と分岐レール部L92aと分岐レール部L92bとの他に、本変形例では、分岐レール部L92cを更に有する。分岐レール部L92cは、主レール部L92の他端部B92aよりも、一端側に位置する部分B92bから分岐しており、曲線状に延在している。
【0090】
[B]除去処理方法
本実施形態の除去装置80を用いて除去対象物20を除去する除去処理を実行する除去処理方法に関して、各図を用いて説明する。
【0091】
本実施形態において除去処理を実行する際も、第1実施形態の場合と同様に、ガイドレール92の嵌合溝T92にガイド棒912が嵌合された反射板91を、ガイドレール92の延在方向に沿って移動させる。
【0092】
本実施形態では、ガイドレール92を構成する主レール部L92のうち、筐体700の外部に位置する一端部から、ガイド棒912aとガイド棒912bとガイド棒912cとを主レール部L92の嵌合溝T92に、順次、挿入する(図8C図8D参照)。
【0093】
その後、ガイド棒912a、ガイド棒912b、および、ガイド棒912cが、主レール部L92の嵌合溝T92に嵌合された状態で、反射板91を主レール部L92の一端部から他端部へ移動させる。
【0094】
そして、主レール部L92の他端部B92aよりも、一端側に位置する部分B92bにガイド棒912aとガイド棒912bとが順次到達した後は、ガイド棒912aとガイド棒912bとを主レール部L92の他端部B92の側へ更に移動させる。このとき、ガイド棒912cについては、分岐レール部L92cを移動させる(図8A参照)。
【0095】
また、主レール部L92の他端部B92aにガイド棒912aが順次到達した後は、ガイド棒912aを主レール部L92の他端部B92の側へ更に移動させる。このとき、ガイド棒912cについては、分岐レール部L92cを移動させる(図8A参照)。主レール部L92の他端部にガイド棒912aが到達した後は、ガイド棒912aを分岐レール部L92aの一端部から他端部へ移動させる。同様に、主レール部L92の他端部にガイド棒912bが到達した後は、ガイド棒912bを分岐レール部L92bの一端部から他端部へ移動させる(図3A図3G参照)。
【0096】
これにより、反射板91により反射されたレーザ光Lが除去対象物20に照射される状態になる。
【0097】
つぎに、レーザ装置81からレーザ光Lを出射する(図8A参照)。反射板91は、レーザ装置81から出射され、プラント構成機器70の開口から内部に入ったレーザ光Lを反射し、レーザ光Lの進行方向を変える。これにより、反射板91で反射されたレーザ光Lが除去対象物20に入射し、除去対象物20が蒸発する。
【0098】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、反射板91により反射されたレーザ光Lが除去対象物20に照射されることによって、除去対象物20が金属表面から除去されるように、プラント構成機器70の内部にガイドレール92が設置されると共に、ガイド棒912が嵌合溝T92に嵌合された反射板91が、ガイドレール92の延在方向に沿ってプラント構成機器70の内部を移動する。このため、本実施形態においても、レーザ光Lを用いた除去処理によって除去対象物20を効率的に除去可能である。
【0099】
なお、図8Aでは、反射板91のうち一方の反射素子910Aがレーザ光Lを反射する場合について図示しているが、反射板91のうち反射素子910Aおよび反射素子910Bがレーザ光Lを順次反射するように、反射板91を設置してもよい。これにより、プラント構成機器70の内部で、レーザ光Lが伝播する方向を任意に変更可能であるため、除去処理をより効率的に実行可能である。
【0100】
<第3実施形態>
[A]構成
図9は、第3実施形態において、除去対象物について除去処理を実行するときの状態を示す図である。図9では、図3Gの場合と同様に、第2水平方向yが直交する鉛直面(xz面)を示しており、構成部品71の図示を省略している。
【0101】
図9に示すように、本実施形態の除去装置80は、第1実施形態の場合(図3A参照)と異なり、除去補助装置90が搬送部93を備える。この点、および、これに関する点を除き、本実施形態は、第1実施形態と同様である。このため、重複する構成については、適宜、説明を省略する。
【0102】
図9に示すように、搬送部93は、例えば、筐体70の外部に設けられており、鉛直方向zにおいて、ガイドレール92を移動するように構成されている。搬送部93は、例えば、送りネジ機構であって、送りネジシャフトをモータで回転させることによって、送りネジシャフトに接続されたガイドレール92を鉛直方向zの上方および下方に移動させる。搬送部93は、例えば、搬送ベルトを用いてガイドレール92を移動させるベルト搬送機構などであってもよい。
【0103】
ここでは、上述したように、構成部品71(図3A参照)は、管状体である伝熱管13(図2A参照)であって、管軸方向が、例えば、鉛直方向zに沿っている。このため、搬送部93は、ガイドレール92を管軸方向に搬送することで、管軸方向において反射板91を移動させる。
【0104】
[B]まとめ
以上のように、本実施形態では、搬送部93がガイドレール92を管軸方向に搬送することで、反射板91が管軸方向において所望な位置に移動可能である。したがって、本実施形態では、構成部品71の管軸方向において反射板91が所望な位置でレーザ光Lを反射させることが可能であるので、除去対象物20を効率的に除去可能である。
【0105】
なお、図示を省略しているが、搬送部93は、ガイドレール92と共に、レーザ装置81を搬送するように構成されていてもよい。
【0106】
<第4実施形態>
[A]構成
図10Aは、第4実施形態において、ガイドレール92を拡大して示す図である。図10Aは、図3Eと同様に、ガイドレール92の上面図であって、分岐レール部L92aおよび分岐レール部L92bが主レール部L92の他端部B92aから分岐する部分を模式的に示している。
【0107】
図10Aに示すように、本実施形態では、第1実施形態の場合(図3E参照)と異なり、ガイドレール92は、方向案内部98を備える。この点、および、これに関する点を除き、本実施形態は、第1実施形態と同様である。このため、重複する構成については、適宜、説明を省略する。
【0108】
方向案内部98は、方向案内片981と回転軸982とを含み、主レール部L92から分岐レール部L92aと分岐レール部L92bとに分岐する分岐部分において、分岐レール部L92aへの移動、または、分岐レール部L92bへの移動を案内するために設置されている。
【0109】
方向案内部98において、方向案内片981は、例えば、L字状の板状体である。回転軸982は、例えば、円柱形状の棒状体であって、方向案内片981が回転軸982を中心にして回転するように、方向案内片981をガイドレール92に連結させている。方向案内片981の回転は、例えば、作業者の手作業によって実行される。
【0110】
[B]除去処理方法
本実施形態の除去装置80を用いて除去対象物20を除去する除去処理を実行する除去処理方法に関して、各図を用いて説明する。
【0111】
本実施形態においても、第1実施形態の場合と同様に、ガイド棒912aとガイド棒912bとが主レール部L92の嵌合溝T92に、順次、挿入される(図3C図3D参照)。ガイド棒912aおよびガイド棒912bは、主レール部L92の嵌合溝T92に嵌合された状態で、反射板91を主レール部L92の一端部から他端部へ移動する。
【0112】
このとき、本実施形態では、主レール部L92の他端部B92aにガイド棒912aが到達する前に、ガイド棒912aが分岐レール部L92bへ向かわずに分岐レール部L92aへ向かう状態になるように、方向案内片981の向きが変えられる。このため、方向案内片981によって、ガイド棒912aが分岐レール部L92aにおいて移動する。
【0113】
そして、主レール部L92の他端部B92aをガイド棒912aが通過した後であって、主レール部L92の他端部B92aにガイド棒912bが到達する前では、ガイド棒912bが分岐レール部L92aへ向かわずに分岐レール部L92bへ向かう状態になるように、方向案内片981の向きが変えられる。このため、方向案内片981によって、ガイド棒912bが分岐レール部L92bにおいて移動する。
【0114】
その後、第1実施形態の場合と同様に、除去処理が実行される。
【0115】
[C]まとめ
以上のように、本実施形態では、ガイドレール92は、方向案内部98を有するため、反射板91が的確な位置に移動可能である。その結果、本実施形態では、レーザ光Lを用いた除去処理によって除去対象物20を効率的に除去可能である。
【0116】
[D]変形例
上記実施形態の変形例について説明する。
【0117】
図10Bは、第4実施形態の変形例において、ガイドレール92を拡大して示す図である。図10Bは、図10Aと同様に、ガイドレール92の上面図であって、分岐レール部L92aおよび分岐レール部L92bが主レール部L92の他端部B92aから分岐する部分を模式的に示している。
【0118】
図10Bに示すように、本変形例では、方向案内片駆動部983と方向案内部制御装置984とを含む。
【0119】
方向案内片駆動部983は、図示を省略しているが、例えば、モータ、および、モータと方向案内片981との間を連結するリンクを含み、モータの駆動力によって方向案内部98の向きを変えるように構成されている。
【0120】
方向案内部制御装置984は、図示を省略しているが、演算器(図示省略)とメモリ装置(図示省略)とを含み、メモリ装置が記憶しているプログラムを用いて演算器が演算処理を行うことによって、方向案内片駆動部983の動作を制御するように構成されている。
【0121】
ここでは、方向案内部制御装置984は、作業者によって入力された操作指令に基づいて、方向案内部98の動作を制御するための制御信号CTL984を出力する。これにより、上述したように、方向案内片981の状態が変わる。
【0122】
このため、本変形例においても、上記実施形態の場合と同様に、レーザ光Lを用いた除去処理によって除去対象物20を効率的に除去可能である。
【0123】
<第5実施形態>
[A]構成
図11Aは、第5実施形態において、ガイドレール92を拡大して示す図である。図11Aは、図3Eと同様に、ガイドレール92の上面図である。
【0124】
図11Aに示すように、本実施形態では、ガイドレール92の形態が、第1実施形態の場合(図3E参照)と異なる。この点、および、これに関する点を除き、本実施形態は、第1実施形態と同様である。このため、重複する構成については、適宜、説明を省略する。
【0125】
本実施形態のガイドレール92は、図11Aに示すように、レールセグメントL922とレールセグメント連結部J92とを有する。
【0126】
レールセグメントL922は、ガイドレール92を複数に分割することで構成されている。
【0127】
レールセグメント連結部J92は、複数のレールセグメントL922の間を屈曲自在に連結するために設けられている。
【0128】
レールセグメント連結部J92は、例えば、連結板J921と連結シャフトJ922とを含み、隣接して並ぶ一対のレールセグメントL922の間を連結するように構成されている。具体的には、隣接して並ぶ一対のレールセグメントL922のうち一方のレールセグメントL922の端部と連結板J921の一端とが、連結シャフトJ922で回転自在に連結されている。同様に、隣接して並ぶ一対のレールセグメントL922のうち他方のレールセグメントL922の端部と連結板J921の他端とが、別の連結シャフトJ922で回転自在に連結されている。
【0129】
レールセグメントL922の屈曲は、例えば、ガイドレール92が予め定めた形状になるように、作業者の手作業によって実行される。
【0130】
[B]まとめ
以上のように、本実施形態では、ガイドレール92は、複数のレールセグメントL922の間がレールセグメント連結部J92によって屈曲自在に連結されている。このため、本実施形態は、ガイドレール92を所望な形状に変更可能であるので、反射板91が的確な位置に移動可能である。その結果、本実施形態では、レーザ光Lを用いた除去処理によって除去対象物20を効率的に除去可能である。
【0131】
[C]変形例
上記実施形態の変形例について説明する。
【0132】
図11Bは、第5実施形態の変形例において、ガイドレール92を拡大して示す図である。図11Bは、図11Aと同様に、ガイドレール92の上面図である。
【0133】
図11Bに示すように、本変形例では、レールセグメント駆動部991とレールセグメント制御装置99とを含む。
【0134】
レールセグメント駆動部991は、図示を省略しているが、例えば、モータ、および、モータとレールセグメントL922との間を連結するリンクを含み、モータの駆動力によってレールセグメントL922の向きを変えるように構成されている。
【0135】
レールセグメント制御装置99は、図示を省略しているが、演算器(図示省略)とメモリ装置(図示省略)とを含み、メモリ装置が記憶しているプログラムを用いて演算器が演算処理を行うことによって、レールセグメント駆動部991の動作を制御するように構成されている。
【0136】
ここでは、レールセグメント制御装置99は、作業者によって入力された操作指令に基づいて、レールセグメントL922の動作を制御するための制御信号CTL99を出力する。これにより、ガイドレール92が予め定めた形状になるように複数のレールセグメントの位置が調整される。
【0137】
このため、本変形例においても、上記実施形態の場合と同様に、レーザ光Lを用いた除去処理によって除去対象物20を効率的に除去可能である。
【0138】
<第6実施形態>
[A]構成
図12Aおよび図12Bは、第6実施形態において、反射板91を模式的に示す図である。図12Aは、図3Bと同様に、上面図であって、図12Bは、図3Cと同様に、正面図である。
【0139】
図12Aおよび図12Bに示すように、本実施形態の反射板91は、第1実施形態の場合(図3B図3C参照)と異なり、反射角度変更部83を備える。この点、および、これに関する点を除き、本実施形態は、第1実施形態と同様である。このため、重複する事項については、適宜、説明を省略する。
【0140】
本実施形態の反射板91において、反射角度変更部83は、例えば、回転シャフト831と載置部832とを含み、反射板91がレーザ光Lを反射する角度を変えるように構成されている。
【0141】
具体的には、回転シャフト831は、例えば、円柱形状の棒状体であって、反射素子支持板911において反射素子910が設置された面とは反対側の面に設置されている。
【0142】
載置部832は、矩形形状のブロック体であって、回転シャフト831が設置された反射素子支持板911が載置される載置面を含み、反射素子支持板911が回転シャフト831を回転軸として回動するように載置面に回転シャフト831が連結されている。
【0143】
図示を省略しているが、例えば、モータの駆動によって回転シャフト831が回動することで、反射板91の反射面の向きが変わる。その他、圧電素子によって反射板91の反射面を変形させることなどの様々な手段によって、反射板91がレーザ光Lを反射する角度を変えるように構成されていてもよい。
【0144】
[B]まとめ
以上のように、本実施形態では、反射角度変更部83によって、反射板91のレーザ光Lを反射する角度が変わる。このため、除去対象物20の広い範囲にレーザ光Lが照射される。したがって、本実施形態では、除去対象物20の除去を効率的に実行可能である。
【0145】
<第7実施形態>
[A]除去装置80の構成
図13は、第7実施形態の除去装置80を模式的に示す図である。図13では、除去対象物20について除去処理を実行した後の除去装置80の状態を併せて示している。
【0146】
図13に示すように、本実施形態の除去装置80は、第1実施形態の場合(図3A参照)と異なり、塗布部86を備える。この点、および、これに関する点を除き、本実施形態は、第1実施形態と同様である。このため、重複する事項については、適宜、説明を省略する。
【0147】
本実施形態において除去対象物20が除去された後の金属表面は、除去装置80がレーザ光Lの照射が継続されることで(例えば、図3A参照)、構成部品71の表面が粗面化される。
【0148】
塗布部86は、塗装ノズルを含む塗装装置であって、上記のように金属表面について粗面化処理が施された後に、プラント構成機器70の内部に設置される。そして、塗布部86を用いて、粗面化処理が施された金属表面に塗料が塗布される。
【0149】
[B]まとめ
以上のように、本実施形態では、粗面化処理が施された金属表面に、塗布部86を用いて塗料が塗布される。この場合、除去対象物20が金属表面と塗布層との間に介在していないため、塗布層が金属表面から剥離することを抑制可能である。
【0150】
<その他>
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することができる。本発明は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0151】
1:発電プラント、2:ガスタービン、3:発電機、4:排気ダクト、5:排熱回収ボイラ、6:熱交換器、8:煙突、9:水循環ライン、10:蒸気タービン、11:発電機、12:復水器、13:伝熱管、14:熱交換フィン、15:間隔、16:間隔、18:腐食生成物、19:付着物、20:除去対象物、21:分解生成物、70:プラント構成機器、71:構成部品、80:除去装置、81:レーザ装置、83:反射角度変更部、86:塗布部、90:除去補助装置、91:反射板、91A:第1反射板部、91B:第2反射板部、92:ガイドレール、93:搬送部、98:方向案内部、99:レールセグメント制御装置、700:筐体、811:レーザ発振器、812:レーザ出射部、831:回転シャフト、832:載置部、910:反射素子、910A:反射素子、910B:反射素子、911:反射素子支持板、911A:反射素子支持板、911B:反射素子支持板、912:ガイド棒、912a:ガイド棒、912b:ガイド棒、912c:ガイド棒、913:ヒンジ部、981:方向案内片、982:回転軸、983:方向案内片駆動部、984:方向案内部制御装置、991:レールセグメント駆動部、F:床面、G:燃焼ガス、J92:レールセグメント連結部、J921:連結板、J922:連結シャフト、L:レーザ光、L81:導波デバイス、L92:主レール部、L922:レールセグメント、L92a:分岐レール部、L92b:分岐レール部、L92c:分岐レール部、M:移動方向、R:天井面、S:蒸気、S81:レーザ出射面、T92:嵌合溝、T921:第1嵌合溝部、T922:第2嵌合溝部、W:水
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13