(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151560
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】炊飯システム
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
A47J27/00 109B
A47J27/00 109P
A47J27/00 109F
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065004
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菊池 理人
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 紀子
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055BA40
4B055BA80
4B055CD41
4B055DB01
4B055GB50
(57)【要約】
【課題】炊飯器と通信可能な外部の機器から炊飯器の水質情報を設定可能であり、更新された最新の水質情報を使用可能な炊飯システムを提供する。
【解決手段】本発明の炊飯システム100は、炊飯器1と、当該炊飯器1と通信可能な情報端末6と、を備え、炊飯器1は、水を含む被炊飯物Sの炊飯において、水硬度に応じて炊飯を制御する炊飯制御手段61を有し、情報端末6は、サーバ5を介して炊飯器1と通信して水硬度を設定可能である構成としている。そのため外部の機器である情報端末6から炊飯器1に通信して、炊飯コース情報の水硬度を設定することができる。また情報端末6により最新の水硬度の情報を炊飯器1に送信することにより、炊飯制御手段61は最新の水硬度の情報を使用して炊飯制御することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器と、当該炊飯器と通信可能な情報端末と、を備え、
前記炊飯器は、水を含む被炊飯物の炊飯において、前記水の水質情報に応じて前記炊飯を制御する制御手段を有し、
前記情報端末は、前記炊飯器と通信して前記水質情報を設定可能であることを特徴とする炊飯システム。
【請求項2】
前記水質情報は、第1の水質情報と第2の水質情報を有し、
前記情報端末は、前記水質情報を表示する表示手段と、
前記水質情報を設定する操作手段と、を有し、
前記操作手段は、一回の操作により前記第1の水質情報が表示された画面と前記第2の水質情報が表示された画面を変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項3】
前記第1の水質情報が、地域の名称により水質情報を分類したものであることを特徴とする請求項2に記載の炊飯システム。
【請求項4】
前記第2の水質情報が、数値により水質情報を分類したものであることを特徴とする請求項2に記載の炊飯システム。
【請求項5】
前記情報端末は、前記炊飯器と通信し、
前記炊飯器において設定されている前記水質情報を取得できた場合には、設定されている前記水質情報を前記表示手段に表示し、
前記炊飯器において設定されている前記水質情報を取得できない場合には、前記表示手段に他の表示をすることを特徴とする請求項2~4の何れか1項に記載の炊飯器システム。
【請求項6】
前記炊飯器は、前記情報端末で炊飯設定情報を選択して設定することにより炊飯可能であり、
選択した前記炊飯設定情報の送信は、選択した前記水質情報の送信と別個に行うことができることを特徴とする請求項1に記載の炊飯システム。
【請求項7】
前記情報端末は、前記水質情報を更新する水質情報更新データを送受信可能であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の炊飯器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被炊飯物に含まれる水の特性としての水質の情報に基づいて炊飯可能な炊飯器を備えた炊飯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被炊飯物に含まれる水の水質情報に基づいて炊飯可能な炊飯器として、本願出願人は、水質情報が選択手段により選択されると当該選択された水質情報に基づいて炊飯制御が行われるものを提案し、すでに権利化している(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、炊飯器の記憶手段に水質情報が記憶され、この水質情報に基づいて被炊飯物の炊飯制御が行われていた。しかしながら、この炊飯器は外部の機器と通信することが想定されていないため、炊飯器本体以外で炊飯制御における水質情報の設定を行なうことができないという問題があった。また一般に水道水や井戸水などの水質検査が定期的に行われるため、水硬度などの水質情報は時々更新されるものであるが、特許文献1の炊飯器は外部の機器との通信ができず、炊飯器の記憶手段に記憶された水質情報は最新のものに更新されないため、実際の水質情報に基づいて被炊飯物の炊飯制御ができない虞があった。
【0005】
そこで本発明は上記事情に鑑み、炊飯器と通信可能な外部の機器から炊飯器の水質情報を設定可能であり、更新された最新の水質情報を使用可能な炊飯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の炊飯システムは、炊飯器と、当該炊飯器と通信可能な情報端末と、を備え、前記炊飯器は、水を含む被炊飯物の炊飯において、前記水の水質情報に応じて前記炊飯を制御する制御手段を有し、前記情報端末は、前記炊飯器と通信して前記水質情報を設定可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外部の機器である情報端末から炊飯器に送信して水質情報を設定することができる。また情報端末により最新の水質情報を炊飯器に送信することにより、最新の水質情報を使用して炊飯制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態における炊飯システムの概要を示す説明図である。
【
図4】同上、炊飯器の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】同上、トップ画面を表示しているLCDの上面図である。
【
図6】同上、水硬度選択画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図7】同上、水硬度数値入力画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図8】同上、地方区分選択画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図9】同上、都道府県選択画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図10】同上、ひたし炊き工程における減圧手段の真空ポンプの通電時間およびデューティー比と、水の硬度との関係を示した表である。
【
図12】同上、情報端末の電気的構成を示すブロック図である。
【
図13】同上、サーバの電気的構成を示すブロック図である。
【
図14】同上、炊飯器トップ画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図15】同上、アプリケーション設定画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図16】同上、アプリ用水硬度選択画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図17】同上、アプリ用水硬度数値選択画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図18】同上、アプリ用地方区分選択画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図19】同上、アプリ用都道府県選択画面を表示している表示手段の上面図である。
【
図20】同上、(A)炊飯情報受信画面を表示しているLCDの上面図、(B)トップ画面を表示しているLCDの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明における炊飯システムの好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら詳しく説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態における炊飯システム100の全体構成を概略的に示したものである。同図において、1は被炊飯物Sの炊飯調理が可能な炊飯器、2は無線端末となるアクセスポイントとしての無線LANルータであり、炊飯器1が無線LANルータ2に無線で接続される。無線LANルータ2は、ネットワーク3へのアクセス手段としての機能を有し、無線LANルータ2を経由して、炊飯器1との間で、相互に各種情報やデータのやり取りを行なう構成となっている。
【0011】
6は表示及び通信の機能を有する情報端末、7は無線端末となるアクセスポイントであり、ここでの情報端末6は、炊飯器1を使用する各ユーザが個別に保有しているスマートフォン6-1,6-2や、タブレット端末6-3により構成され、それぞれがアクセスポイント7に無線で接続される。アクセスポイント7は、ネットワーク3へのアクセス手段としての機能を有し、アクセスポイント7を経由して、情報端末6を構成するスマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3と、ネットワーク3に接続するクラウド4上のサーバ5との間で、相互に各種情報やデータのやり取りを行なう構成となっている。なお、無線LANルータ2とアクセスポイント7が同一のものであってもよい。
【0012】
本実施形態の炊飯システム100は、炊飯器1とn台の情報端末6とを、ネットワーク3を介して管理用のサーバ5に接続したシステムと言える(nは自然数)。サーバ5には、炊飯器1について、その炊飯器1で炊飯調理が可能な全ての炊飯コースの情報が記憶保持される。サーバ5に記憶する炊飯コースの情報は、ユーザが炊飯器1を利用してその炊飯コースのご飯を炊き上げるのに必要なあらゆる情報を含む。サーバ5については、後程詳しく説明する。
【0013】
図1では、炊飯器1に接続するサーバ5には、ネットワーク3を介して3台の情報端末、すなわちスマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3が接続される。炊飯器1を利用する家庭のユーザは、1人が1台ずつ情報端末6を保有するのが現状であるため、炊飯器1に対して、n人のユーザにそれぞれ割り当てられたn台の情報端末6が接続する関係(つまり、1対多の関係)となる。これによりそれぞれの情報端末6は、炊飯器1で調理が可能なメニューのレシピ情報を、ネットワーク3を介して受け取れる構成となっている。
【0014】
次に
図2および
図3を参照して炊飯器1の構成を説明すると、11は本体であり、上方から見て前面と後面、左側面と右側面が対向する略矩形状をなし、上面が開口されている。12は本体11の上面開口部を開閉自在に覆う蓋体であり、本体11と同様に、上方から見て前面と後面、左側面と右側面が対向する略矩形状をなし、上面が略平坦に構成されている。本体11は上面を開口した鍋収容部13を有し、蓋体12を開けたときに、被炊飯物Sである水や米を収容する容器としての有底状の鍋14が、その鍋収容部13に着脱自在に収容される構成となっている。鍋収容部13は、椀状で樹脂製の内枠15などを組み合わせて構成され、全体が有底筒状に形成される。
【0015】
鍋14は、熱伝導性の良いアルミニウムを主材17とし、フェライト系ステンレスなどの磁性金属板からなる発熱体18が、主材17の外面の側部下部から底部にかけて接合してある。また、鍋14の側面下部から底面に対向する内枠15の外面には、鍋14の発熱体18を電磁誘導加熱する加熱手段として、加熱コイル21を備えている。そして加熱コイル21に高周波電流を供給すると、加熱コイル21から発生する交番磁界によって鍋14の発熱体18が発熱し、炊飯時と保温時に鍋14内の被炊飯物を加熱する構成となっている。また内枠15の底部中央部には、鍋温度検出手段としての鍋センサ22が、鍋14の外面底部と弾発的に接触するように配設される。
【0016】
蓋体12の後部には本体11との連結部となるヒンジ23が設けられる。また蓋体12の前方上面には、蓋体操作体24が露出状態で配設されており、この蓋体操作体24を押すと、本体11と蓋体12との係合が解除され、本体11の上部後方に設けたヒンジバネ(図示せず)により、ヒンジ23のヒンジ軸23-1を回転中心として蓋体12が開く構成となっている。
【0017】
蓋体12の後方上面には、鍋14内の被炊飯物Sから発生する蒸気を炊飯器1の外部に排出する蒸気口25が配設される。また蓋体12の上面には、この蒸気口25や蓋体操作体24の他に、炊飯に関わる様々な情報を表示するための、画面表示部としてのLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)26や状態表示部としてのLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)表示部27などで構成される表示手段28と、タッチセンサで構成されてLCD26の上方に配設され、炊飯を開始させたり、時間や炊飯コ-スなどを選択させたりするための操作手段29と、がそれぞれ配設される。また、表示手段28や操作手段29の下面には、操作や表示に関わる制御を行なうための表示・操作制御手段56(
図3参照)を備えた制御PC(Printed Circuit:印刷回路)板31が配置される。
【0018】
LED表示部27は、実際の炊飯器1の状態を表示するもので、本実施形態では、予約設定がされていているときに「予約」のLED表示部が点灯し、保温状態になると「保温」の工程LED表示部が点灯し、炊飯中に鍋14の内部に圧力がかかり始めてから、被炊飯物Sが炊き上がるまでの鍋14の内部が加圧されているときに、「圧力」の工程LED表示部が点灯し、後述する送受信手段59により情報の送受信可能であるときに扇状のWi-Fiマークの工程LED表示部が点灯するように構成される。そのため、LCD26のバックライトを減光させた減光状態のときでも、ユーザがLED表示部27を確認することで炊飯器の現在の状態を一目で理解することができる。LCD26については、後程詳しく説明する。
【0019】
タッチセンサで構成された操作手段29は、例えば、導電性ポリマーによる透明電極部と制御PC板31に接続する接点部との間をパターン配線で繋いだ構成要素が、タッチキーとして複数配設されるものであり、LCD26に表示される複数のボタン表示部の何れかにタッチ操作を行なうことで、そのボタン表示部の上に配設され、当該ボタン表示部に対応したタッチキーがタッチ操作されて、このボタン表示部が選択される構成となっている。
【0020】
蓋体12の下側には、蓋体12の下部部材としての内蓋組立体33が配設される。内蓋組立体33は、鍋14の上方開口部と略同径の円盤状を有する金属材料からなり、鍋14の上方開口部を覆う内蓋34と、この内蓋34と鍋14との間をシールするために、内蓋34の外側全周に設けられる弾性部材としての蓋パッキン35と、鍋14の内圧力を調整する調圧部36とを備えている。環状に形成された蓋パッキン35は、
図3に示されるように蓋体12を閉じた蓋閉時に、鍋14の開口部である上面に当接して、この鍋14と内蓋34との間の隙間を塞ぎ、鍋14から発生する蒸気を密閉するものである。
【0021】
蓋体12の内部には、蓋体12の開閉を検知するために、ヒンジ23近傍に蓋開閉検知手段37が設けられる。ここで蓋開閉検知手段37は、光学式、機械式、磁石式など、どのような検知方式のものでもよく、蓋体12の開閉に応じた検知信号を出力できればよい。また蓋体12の内部には、内蓋34を加熱する蓋加熱手段としての蓋ヒータ41と、この蓋ヒータ41による内蓋34の温度管理を行なうためのサーミスタ式の蓋温度センサ42がそれぞれ設けられる。そして蓋体12の内部には、鍋14内で発生した蒸気を外部へ放出する通路として、蒸気口25と調圧部36とを連通する蒸気排出経路43が形成される。
【0022】
調圧部36には、鍋14の内部と蒸気口25との間の蒸気排出経路43を開閉する調圧弁44が設けられる。調圧弁44はボール状で、蓋体12の内部に設けたソレノイド45と連動し、鍋14内の蒸気を外部へ放出する場合には蒸気排出経路43を開放し、鍋14内を加圧または減圧状態にする場合には蒸気排出経路43を閉塞するように、ソレノイド45が調圧弁44を転動させる。そして加圧時には、加熱コイル21への高周波通電により鍋14内の被炊飯物Sが加熱され、被炊飯物Sが沸騰して蒸気が発生し、この蒸気が鍋14内に充満することにより鍋14の内圧が所定値に達すると、調圧弁44の自重に抗して蒸気排出経路43を開放することで、鍋14内の圧力を大気圧以上に維持する構成となっている。
【0023】
48は、蓋体12を本体11に閉じた状態で、鍋14の内部を通常の大気圧よりも低くするための減圧手段である。減圧手段48は、鍋14を鍋収容体3に収容し、蓋体12を閉じた後にソレノイド45を通電させて調圧弁44が蒸気排出経路43を塞いだ状態で、減圧手段48の動作源となる減圧ポンプ49を動作させることで、密閉した鍋14の内部圧力を低下させる。また鍋14内部の圧力が大気圧よりも一定値下がった場合には、減圧ポンプ49の動作を停止し、鍋14内部を減圧状態に保っている。さらに鍋14内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す場合には、減圧ポンプ49の動作を停止し、減圧ポンプ49と鍋14の内部との間を連通する図示しない経路を開放する。つまり減圧手段48は、鍋14内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す圧力戻し手段としての構成を兼用している。なお、ソレノイド45により調圧弁44を転動させて蒸気排出経路43を開放することで、鍋14内部を減圧状態から外気と同じ圧力に戻すように構成してもよく、この場合は調圧部36が圧力戻し手段としての機能を有する。
【0024】
その他、本体11の内部には、加熱制御手段51を含むユニット化された加熱基板組立52が配設される。加熱制御手段51は、表示・操作制御手段56と組み合わせて炊飯器1の各部を電気的に制御するために、制御用IC53や記憶手段58(
図4参照)などを備えたマイクロコンピュータ(マイコン)などを含んで構成され、ここでは鍋センサ22や蓋温度センサ42からの各温度検知信号と、操作手段29からの操作信号を受けた表示・操作制御手段56からの信号とを受けて、炊飯時および保温時に鍋14を加熱する加熱コイル21と、内蓋34を加熱する蓋ヒータ41とを各々制御すると共に、ソレノイド45と、減圧ポンプ49の動作を各々制御する。特に加熱制御手段51は、鍋センサ22の検知温度に基づいて主に加熱コイル21を制御して鍋14の底部を温度管理し、蓋温度センサ42の検知温度に基づいて主に蓋ヒータ41を制御して、被炊飯物に対向する内蓋34を温度管理するように構成される。
【0025】
次に、上記炊飯器1における主な制御系統について、
図4を参照しながら説明する。同図において、本体11に装備される加熱制御手段51は、マイクロコンピュータを構成する制御用IC53や、各種の情報やデータを記憶する読み出しおよび書き込みが可能なメモリなどの記憶手段54や、図示しない計時手段などを備え、鍋センサ22や蓋温度センサ42からの各温度検知信号と、蓋開閉検知手段37からの検知信号と、後述する表示・操作制御手段56からの制御信号とを受けて、炊飯時および保温時に鍋14を加熱する加熱コイル21と、内蓋34を加熱する蓋ヒータ41を各々制御すると共に、前述した調圧弁44を動かすソレノイド45や、減圧手段48の減圧ポンプ49の動作を各々制御するものである。
【0026】
加熱制御手段51は、記憶手段54から読み出したプログラムの制御シーケンス上の機能として、炊飯制御手段61および保温制御手段62を制御用IC53に備えている。炊飯制御手段61は、操作手段29からの炊飯開始の指示を受けて、鍋14に投入した米の吸水を促進させるひたし炊き工程と、被炊飯物の温度を短時間に沸騰まで上昇させる沸騰加熱工程と、被炊飯物の沸騰状態を継続させる沸騰継続工程と、ご飯を焦がさない程度の高温に維持するむらし工程の各工程を順に実行して、鍋14内部の被炊飯物Sに対して所望の圧力で炊飯加熱する炊飯制御を行なうものである。また保温制御手段62は、鍋14内部の被炊飯物Sとしてのご飯を所定の保温温度に保つように制御するものである。
【0027】
一方、表示・操作制御手段56は、マイクロコンピュータを構成する制御用IC57や記憶手段58、図示しない計時手段などを備え、操作手段29からの操作信号や、加熱制御手段51からの制御信号や、送受信手段59で受信した情報を受けて表示手段28の表示動作を制御し、加熱制御手段51に制御信号を送信し、サーバ5や情報端末6に情報を送信するものである。
【0028】
送受信手段59は、通信モジュールなどで構成されており、有線や無線のネットワーク3を介して、クラウド4上のサーバ5や、ユーザが保有する情報端末6との情報の送受信を可能にするものである。そのため送受信手段59は、情報を送受信可能な通信手段としての機能を有している。
【0029】
表示・操作制御手段56は、記憶手段58に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、表示制御手段63および条件設定手段64を制御用IC57に備えている。表示制御手段63は、操作手段29からの操作信号に基づき各種の制御信号を生成し、また表示手段28の表示動作を制御するものである。また条件設定手段64は、表示制御手段63と連携して、操作手段29で選択できる条件の選択および設定、例えば複数のお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定がある炊飯コースの中から所望の炊飯コースの選択および設定、を可能にするものである。
【0030】
本実施形態の炊飯器1では、それぞれのお米の設定、炊き方の設定、および、かたさの設定の炊飯設定や、水硬度の設定に応じた炊飯コースが記憶手段58に記憶されており、その記憶された炊飯コースのお米の設定、炊き方の設定、および、かたさの設定の炊飯設定や、特に水硬度の設定が表示手段28に選択可能に表示され、これらの設定を行なうことで、当該炊飯コースの選択および設定を行なっている。そして表示・操作制御手段56から加熱制御手段51にこの炊飯コースの設定が送信されると、加熱制御手段51の炊飯制御手段61は、この炊飯コースの炊飯設定ごとや、特に水硬度の設定ごとに加熱コイル21および蓋ヒータ41の加熱制御やソレノイド45および減圧ポンプ49の制御、すなわち炊飯制御を行なっており、そのため適切な炊飯を行なうことで、炊飯されたご飯の美味しさをより際立たせることができる。
【0031】
図5は表示手段28の上面図を示しており、それぞれの図面の上側を「上」、下側を「下」、左側を「左」、右側を「右」として説明する。また、それぞれの図面の手前側を「手前」、奥側を「奥」として説明する。
図5ではLCD26がトップ画面G1を表示している。ユーザが予め本体11に設けた電源プラグを家庭用のコンセントに差し込むと、炊飯器1の各部に必要な電力が投入される。このとき表示制御手段63は、所定時間経過後または所定の起動時表示画面の表示に、LCD26に表示される普段使いの初期画面として、
図4に示すようなトップ画面G1の配置をLCD26に表示させる。
【0032】
図5を参照してトップ画面G1の説明をすると、その上部には、4つのボタン表示体B1~B7を左右に並べて表示したメニューキー表示領域A1が形成されている。ここで「お米」のボタン表示体B1は、「お米」なるテキスト表示体D1、および「▼」というテキスト表示体D2を含む。また「炊き方」のボタン表示体B3は、「炊き方」なるテキスト表示体D3、および「▼」というテキスト表示体D4を含む。そして「かたさ調節」のボタン表示体B5は、「かたさ調節」なるテキスト表示体D5、および「▼」というテキスト表示体D6を含む。また「水硬度」のボタン表示体B7は、「水硬度」なるテキスト表示体D7、および「▼」というテキスト表示体D8を含む。
【0033】
また、メニューキー表示領域A1の下には、4つの設定表示体D11~D14を左右に並べて表示した炊飯情報表示領域A2が形成される。ここで「お米」の設定表示体D11は設定されたお米の情報が表示されており、「お米」のボタン表示体B1の後ろに配置され、
図4では「白米 銘柄おまかせ」が表示されている。また「炊き方」の設定表示体D12は設定された炊き方の情報が表示されており、「炊き方」のボタン表示体B3の後ろに配置され、
図4では「かまど名人」が表示されている。そして「かたさ調節」の設定表示体D13は設定されたかたさ調整の情報が表示されており、「かたさ調節」のボタン表示体B5の後ろに配置され、
図4では「おすすめ」が表示されている。また「水硬度」の設定表示体D14は設定された水硬度の情報が表示されており、「水硬度」のボタン表示体B7の後ろに配置され、
図4では「40~60」が表示されている。
【0034】
そして、炊飯情報表示領域A2の下には、時計用表示体D16に表示される数字が炊飯時間であることを連想させる「炊飯時間」なるテキスト表示体D15と、炊飯所要時間や、実際の炊飯完了までの時間である残時間や、予想される炊飯完了の時刻である炊上り時刻などを表示し、
図4では炊飯情報表示領域A2の設定から算出された炊飯所要時間である「約38分」が表示された時計用表示体D16と、「炊飯スタート」なるテキスト表示体D17を含むボタン表示体B17と、が左右に並べて表示される。
【0035】
またトップ画面G1の下部には、歯車の図を連想させるテキスト表示体D18を含む設定用ボタン表示体B18と、「保温」なるテキスト表示体D19を含むボタン表示体B19と、「予約」なるテキスト表示体D20を含むボタン表示体B20と、現在時刻を表示する時刻用表示体D21と、「切」なるテキスト表示体D22を含むボタン表示体B22と、が左右に並べて表示される。
【0036】
「切」のボタン表示体B22は、炊飯や保温をやめる際に操作されるもので、「切」のボタン表示体B22をタッチ操作すると、「切」のボタン表示体B22の上に配設された操作手段29からの操作信号を表示制御手段63が受け付けて加熱制御手段51に送信し、炊飯制御手段61が鍋14内の被炊飯物に対する加熱や予約炊飯を中止して切状態にする制御を行ない、表示制御手段63が、炊飯情報表示領域A2の表示を、最も直前に炊飯されたときの設定、すなわち記憶手段58に記憶されていた設定にしてトップ画面G1を表示するように表示手段28を制御する。
【0037】
「炊飯スタート」のボタン表示体B17は炊飯を開始する際に操作されるもので、「炊飯スタート」のボタン表示体B17をタッチ操作すると、条件設定手段64が、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定を今回の炊飯コースの設定として記憶手段58に記憶し、炊飯制御手段61が、記憶手段58に記憶した今回の炊飯コースの設定で、本体11内の被炊飯物に対する炊飯開始の制御をする構成となっている。
【0038】
「保温」のボタン表示体B19は、保温を行なう際に操作されるもので、「保温」のボタン表示体B19をタッチ操作すると、保温制御手段62が、本体11内の被炊飯物に対する保温再加熱を開始するように、加熱コイル21や蓋ヒータ41に適切な制御信号を送信する構成となっている。
【0039】
「お米」のボタン表示体B1は、被炊飯物としてのお米の種類や銘柄を選択するのに操作されるもので、「お米」のボタン表示体B1をタッチ操作すると、表示制御手段63が、お米選択画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御し、このお米選択画面でお米の種類や銘柄が選択されると、表示制御手段63が、トップ画面G1に戻って、選択されたお米の種類や銘柄をテキスト表示体D11に表示するように表示手段28を制御する。
【0040】
「炊き方」のボタン表示体B3は、被炊飯物の炊き方の種類を選択するのに操作されるもので、「炊き方」のボタン表示体B3をタッチ操作すると、表示制御手段63が炊き方選択画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御し、この炊き方選択画面で被炊飯物の炊き方が選択されると、表示制御手段63が、トップ画面G1に戻って、選択された被炊飯物の炊き方をテキスト表示体D12に表示するように表示手段28を制御する。
【0041】
「かたさ調節」のボタン表示体B5は、被炊飯物としてのご飯の食感の種類を選択するのに操作されるもので、「かたさ調節」のボタン表示体B5をタッチ操作すると、表示制御手段63が、かたさ選択画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御し、この炊き方選択画面でご飯の食感が選択されると、表示制御手段63が、トップ画面G1に戻って、選択されたご飯の食感をテキスト表示体D13に表示するように表示手段28を制御する。
【0042】
「水硬度」のボタン表示体B7は、被炊飯物としての水硬度を選択するのに操作されるもので、「水硬度」のボタン表示体B7をタッチ操作すると、表示制御手段63が、
図6に示されるような水硬度選択画面G2を表示するように表示手段28を制御する。
【0043】
設定用ボタン表示体B18は、炊飯器を設定するのに操作されるもので、設定用ボタン表示体B18をタッチ操作すると、表示制御手段63が、設定画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御する。
【0044】
「予約」のボタン表示体B20は、予約炊飯を行なう際に操作されるもので、「予約」のボタン表示体B20をタッチ操作すると、表示制御手段63が予約設定画面(図示せず)を表示するように表示手段28を制御し、この予約設定画面で予約の設定がされ、予約炊飯を開始させると、当該設定した予約時刻に本体11内の被炊飯物が炊き上がるように炊飯制御手段61により炊飯を開始し、また保温制御手段62による保温を開始するように制御する構成となっている。
【0045】
次に、上記構成の炊飯器1について、特に水硬度選択画面G2、水硬度数値入力画面G3および都道府県選択画面G4に関連する動作の特徴を詳細に説明する。本実施形態では、表示手段28が、水硬度選択画面G2、水硬度数値入力画面G3および都道府県選択画面G4で水硬度をカテゴリー別に表示し、硬度選択画面G2、水硬度数値入力画面G3および都道府県選択画面G4から操作手段29で水硬度を選択可能に操作する構成としている。
【0046】
図6は、トップ画面G1で「水硬度」のボタン表示部B7をタッチ操作したときに移行する水硬度選択画面G2を示している。同図を参照して水硬度選択画面G2を説明すると、その上部には、「水硬度 選択」なるテキスト表示体D31を含むタブ表示体B31と、「数値入力」なるテキスト表示体D32を含むタブ表示体B32と、を左右に並べて表示した水硬度画面表示領域A3が形成され、現在選択されているタブ表示体、例えば
図6の場合は「水硬度 選択」のタブ表示体B31の外周に選択表示部S1が表示されている。また水硬度画面表示領域A3の下には、「水硬度を選択してください」なるテキスト表示体D33が配置される。
【0047】
そしてテキスト表示体D33の下には、カーソル表示体C1~C5を一直線に並べて表示し、これらのカーソル表示体C1~C5の前に、テキスト表示体D35~D40を左右に並べて表示し、カーソル表示体C1~C5の後ろに、テキスト表示体D35~D40の数値が水硬度の数値であることを想起させる「mg/L」なるテキスト表示体D41を表示した水硬度選択表示領域A4が形成される。また現在選択されているカーソル表示体、例えば
図5の場合は「0~20」のカーソル表示体C1が点灯表示され、他のカーソル表示体C2,C3,C4,C5が消灯表示されている。ここで「0~20」のカーソル表示体C11の左端前方および右端前方に「0」なるテキスト表示体D35および「20」なるテキスト表示体D36が配置され、同様に「20~40」のカーソル表示体C12の左端前方および右端前方に「20」なるテキスト表示体D36および「40」なるテキスト表示体D37が配置され、「40~60」のカーソル表示体C13の左端前方および右端前方に「40」なるテキスト表示体D37および「60」なるテキスト表示体D38が配置され、「60~80」のカーソル表示体C14の左端前方および右端前方に「60」なるテキスト表示体D38および「80」なるテキスト表示体D39が配置され、「80~100」のカーソル表示体C15の左端前方および右端前方に「80」なるテキスト表示体D39および「100」なるテキスト表示体D40が配置されている。
【0048】
なお記憶手段58は、例えば「40~60」などの水硬度の範囲の設定と、例えば「20」などの、後述する水硬度の数値の設定と、をそれぞれ個別に記憶しており、トップ画面G1から水硬度選択画面G2に移行したとき、表示制御手段63は、記憶手段58に記憶されている水硬度の範囲のカーソル表示体C1~C5が点灯表示されるように表示手段28を制御する。例えば記憶手段58が、水硬度の範囲の設定「40~60」と、水硬度の数値の設定「20mg/L」と、を記憶しており、「水硬度」の設定表示体D14に「20mg/L」が表示されていたときにトップ画面G1から水硬度選択画面G2に移行すると、表示制御手段63は「40~60」のカーソル表示体C3が点灯表示されるように表示手段28を制御する。
【0049】
また、水硬度選択表示領域A4の下には、「<」なるテキスト表示体D43を含むボタン表示部B43と、「>」なるテキスト表示体D44を含むボタン表示部B44と、が左右に並べて配置される。そして、水硬度選択画面G2の下部には、「戻る」なるテキスト表示体D45を含むボタン表示部B45と、「決定」なるテキスト表示体D46を含むボタン表示部B46と、「各都道府県 平均」なるテキスト表示体D47を含むボタン表示部B47と、「取消」なるテキスト表示体D48を含むボタン表示部B48と、が左右に並べて配置される。
【0050】
「水硬度 選択」のタブ表示体B31および「数値入力」のタブ表示体B32は、水硬度選択画面G2または水硬度数値入力画面G3のどちらが現在LCD26に表示されているかを表示するものであり、「水硬度 選択」のタブ表示体B31が選択され、水硬度選択画面G2がLCD26に表示されているときは、表示制御手段63は、「水硬度 選択」のタブ表示体B31の背景が背景色と略同色で、「水硬度 選択」のテキスト表示部D31が白抜きで表示され、「水硬度 選択」のタブ表示体B31の外周に選択表示部S1が表示されて、「数値入力」のタブ表示体B32の色を薄くして表示する、いわゆるグレーアウト表示で表示されるように表示手段28を制御する。その一方で
図7に示されるように、「数値入力」のタブ表示体B32が選択されて水硬度数値入力画面G3がLCD26に表示されているときは、表示制御手段63は、「水硬度 選択」のタブ表示体B31がグレーアウト表示で表示され、「数値入力」のタブ表示体B32の背景が背景色と略同色で、「数値入力」のテキスト表示部D31が白抜きで表示され、「数値入力」のタブ表示体B32の外周に選択表示部S1が表示されるように表示手段28を制御する。
【0051】
カーソル表示体C1~C5は、被炊飯物としての水硬度の設定を表示するものであり、右のカーソル表示体に行くにつれて水硬度が高くなるように表示され、このカーソル表示体に表示された水硬度で炊飯コースが設定される。本実施形態の水硬度選択画面G2では、このカーソル表示体C1~C5の点灯表示を左右に移動させることにより水硬度の選択をしており、「<」のボタン表示部B43や「>」のボタン表示部B44でカーソル表示体C1~C5の点灯表示を移動させる。
【0052】
そして「決定」のボタン表示部B46は、水硬度の選択を決定するのに操作されるものであり、例えば上述した「20~40」のカーソル表示体C12を点灯表示させた状態で「決定」のボタン表示部B46をタッチ操作すると、表示制御手段63が、トップ画面G1に戻って、「水硬度」の設定表示体D14の表示を、「決定」のボタン表示部B46の操作時の水硬度選択画面G2の設定、例えば「20~40」の表示にするように表示手段28を制御する。
【0053】
「各都道府県 平均」のボタン表示部B47は、水硬度の選択で都道府県の平均の数値を選択するのに操作されるものであり、「各都道府県 平均」のボタン表示部B47をタッチ操作すると、表示制御手段63が地方区分選択画面G5を表示するように表示手段28を制御する。
【0054】
「戻る」のボタン表示部B47は、現在の画面、例えば水硬度選択画面G2における設定を破棄して、一つ前の画面、例えばトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「戻る」のボタン表示部B47をタッチ操作すると、表示制御手段63が、現在LCD26に表示された設定を破棄して、一つ前の画面、例えばトップ画面G1に戻って、当該一つ前の画面で表示されていた設定を表示するように表示手段28を制御する。
【0055】
「取消」のボタン表示部B48は、現在の画面、例えば水硬度選択画面G2における設定を破棄してトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「取消」のボタン表示部B48をタッチ操作すると、表示制御手段63が、現在LCD26に表示された設定を破棄して、トップ画面G1に戻って、最も直前のトップ画面G1で表示されていた設定を表示するように表示手段28を制御する。
【0056】
図7は、水硬度選択画面G2で「数値入力」のタブ表示体B32をタッチ操作したときに移行する水硬度数値入力画面G3を示している。同図を参照して水硬度数値入力画面G3を説明すると、その上部には水硬度画面表示領域A3が形成され、この水硬度画面表示領域A3の下には、「0~120まで 設定できます」なるテキスト表示体D58と、設定された水硬度を回転可能に表示させる表示部として、設定された10桁の数字を示すテキスト表示体D59を含むピッカー表示部B59と、設定された1桁の数字を示すテキスト表示体D60を含むピッカー表示部B60と、テキスト表示体D59、D60に表示される数字が、水硬度であることを想起させる「mg/L」なるテキスト表示体D61と、が左右に並べて表示されている。またピッカー表示部B59の上に、テキスト表示体D59に表示される10分桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D62を含む上キー表示部B62が配置され、ピッカー表示部B60の上に、テキスト表示体D60に表示される1分桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D63を含む上キー表示部B63が配置されると共に、ピッカー表示部B59の下に、テキスト表示体D59に表示される10分桁の数字の減少を想起させるアイコン表示体D64を含む下キー表示部B64が配置され、ピッカー表示部B60の下に、テキスト表示体D60に表示される1分桁の数字の減少を想起させるアイコン表示体D65を含む下キー表示部B65が配置される。これらの表示体D58~D65および表示部B59~B65が上述の様に配置されて表示され、水硬度数値入力表示領域A3が形成される。
【0057】
なお上述したように、記憶手段58は水硬度の範囲の設定と、水硬度の数値の設定と、をそれぞれ個別に記憶しており、水硬度選択画面G2から水硬度数値入力画面G3に移行したとき、記憶手段58は、移行する直前に水硬度選択画面G2に表示されていた水硬度の数値の範囲を記憶し、また表示制御手段63は、記憶手段58に記憶されている水硬度の数値がピッカー表示部B59,B60に表示されるように表示手段28を制御している。その一方で、水硬度数値入力画面G3から水硬度選択画面G2に移行したとき、記憶手段58は、移行する直前に水硬度数値入力画面G3に表示されていた水硬度の数値を記憶し、また表示制御手段63は、記憶手段58に記憶されている水硬度の数値の範囲のカーソル表示体C1~C5が点灯表示されるように表示手段28を制御する。そのため、水硬度選択画面G2や水硬度数値入力画面G3で水硬度の設定を行なっているときに、水硬度数値入力画面G3や水硬度選択画面G2に移行しても、次に水硬度選択画面G2や水硬度数値入力画面G3に移行したときに直前の水硬度の設定の情報を表示することができる。
【0058】
ピッカー表示部B59,B60は、被炊飯物としての水硬度の設定を表示するものであり、上キー表示部B62,B63や下キー表示部B64,B65をタッチ操作することでピッカー表示部B59,B60の表示を変更することにより、このピッカー表示部B59,B60に表示された水硬度で炊飯コースが設定される。例えば
図7の状態のときに下キー表示部B64を1回タッチ操作すると、表示制御手段63が、ピッカー表示部B59に表示されたテキスト表示体D59の数字「5」を1減少させてテキスト表示体D59の数字が「4」を表示するように表示手段28を制御する。そして、例えば上述したピッカー表示部B59,B90が「40」を表示した状態で「決定」のボタン表示部B46をタッチ操作すると、表示制御手段63が、トップ画面G1に戻って、「水硬度」の設定表示体D14の表示を、「決定」のボタン表示部B46の操作時の水硬度数値入力画面G3の設定、例えば「40mg/L」の表示にするように表示手段28を制御する。なお表示制御手段63は、これらのピッカー表示部B59,B60上で、タッチパネル8を指でタッチし、そこから指を滑らせて操作するスライド操作した場合に、そのピッカー表示部の数字がスライド操作した方向にスクロールして表示されるように表示手段28を制御してもよい。
【0059】
図8は、水硬度選択画面G2で「各都道府県 平均」のボタン表示部B47をタッチ操作したときに移行する地方区分選択画面G5を示している。同図を参照して地方区分選択画面G5の説明をすると、その上部には、「設定」なるテキスト表示体D71を含むタブ表示体B71と、「ガイド」なるテキスト表示体D72を含むタブ表示体B72と、を左右に並べて表示した設定・ガイド画面表示領域A5が形成されている。また設定・ガイド画面表示領域A5の下には、6つのボタン表示部B73~B78を前後左右に並べて表示した地方区分選択表示領域A6が形成されている。
【0060】
ここで「北海道 東北」のボタン表示部B73には、「北海道 東北」なるテキスト表示体D73を含んでおり、「関東 甲信」のボタン表示部B74には、「関東 甲信」なるテキスト表示体D74を含んでおり、「北陸 東海」のボタン表示部B75には、「北陸 東海」なるテキスト表示体D75を含んでおり、「近畿」のボタン表示部B76には、「近畿」なるテキスト表示体D76を含んでおり、「中国 四国」のボタン表示部B77には、「中国 四国」なるテキスト表示体D77を含んでおり、「九州 沖縄」のボタン表示部B78には、「九州 沖縄」なるテキスト表示体D78を含んでいる。
【0061】
また、地方区分選択画面G5の下部には、「戻る」のボタン表示部B45と、「取消」のボタン表示部B48と、が左右に並べて配置される。
【0062】
「設定」のタブ表示体B71および「ガイド」のタブ表示体B72は、設定画面またはガイド選択画面のどちらが現在LCD25に表示されているかを表示するものであり、地方区分選択画面G5はガイド選択画面からも選択可能であるため、表示制御手段63は、ガイド選択画面G9がLCD25に表示されているとして、「設定」のタブ表示体B71がグレーアウト表示で表示され、「ガイド」のタブ表示体B72が背景色と略同色に表示されるように表示手段28を制御する。
【0063】
地方区分選択表示領域A6内のボタン表示部B73~B78は、水硬度の選択で都道府県から選択しようとする際に、当該都道府県がある地方区分を選択するのに操作されるものであり、ボタン表示部B73~B78のいずれかをタッチ操作すると、表示制御手段63が、選択されたボタン表示部に対応した都道府県選択画面G6に移行するように表示手段28を制御する。
【0064】
図10は、地方区分選択画面G5で、例えば「北陸 東海」のボタン表示部B75をタッチ操作したときに移行する、第3のカテゴリーとしての都道府県選択画面G6を示している。同図を参照して都道府県選択画面G6を説明すると、その上部には、「各都道府県の水道水の平均硬度(mg/L)」なるテキスト表示体D81が配置される。またテキスト表示体D81の後ろには、8つのボタン表示部B82~B89を前後左右に並べて表示した都道府県選択表示領域A7が形成されている。また都道府県選択画面G6の後部には、「戻る」のボタン表示部B45と、「取消」のボタン表示部B48と、が左右に並べて配置される。
【0065】
都道府県選択画面G6内のボタン表示部B82~B89は、都道府県の水道水の平均硬度から水硬度を選択するのに操作されるものであり、本実施形態では、ボタン表示部B82~B89の数やボタン表示部B82~B89に含まれるテキスト表示体D82~D89の表示は、地方区分選択表示領域A6で選択された地方区分に対応したものが表示される。そのため都道府県選択画面G6は、ボタン表示部B73~B78に対応する6つの画面があり、例えば
図9に示されるように、「北陸 東海」のボタン表示部B75をタッチ操作したときに移行する都道府県選択画面G6では、表示制御手段63は、ボタン表示部B82~B89の数が8つ表示され、テキスト表示体D82~D89には、それぞれ「新潟 33.0」、「富山 29.5」、「石川 46.5」、「福井38.4」、「静岡 53.6」、「岐阜 38.6」、「愛知 24.1」、「三重 44.5」が表示されるように表示手段28を制御する。
【0066】
ここで、ボタン表示部B82~B89のいずれか、例えば「新潟 33.0」のボタン表示部B82をタッチ操作すると、記憶手段58に、選択された都道府県の水道水の平均硬度がある範囲、例えば新潟県は33.0mg/Lなので「20~40」を記憶し、そして表示制御手段63が、トップ画面G1に戻って、「水硬度」の設定表示体D14の表示を、選択された都道府県の水道水の平均硬度がある範囲のカーソル表示体C1~C5の表示、例えば新潟県は「20~40」の表示にするように表示手段28を制御する。そのためユーザは、炊飯に使用する水道水硬度の情報を知らなくても、使用する水道水の地域区分や都道府県を選択することで水硬度を選択することができ、利便性が向上する。
【0067】
次に
図10を参照しつつ、上記構成の炊飯器1について炊飯工程における作用を説明する。本実施形態では、被炊飯物Sの水硬度に対する炊き方の選択を適正かつ簡便にするために、水硬度を選択、設定し、ひたし炊き工程における減圧手段48の減圧ポンプ49の通電時間やデューティー比を変更することにより鍋14の内部圧力を調整し、水硬度ごとに適切な炊き方のパターンを設ける構成としている。
【0068】
具体的には、炊飯コースの設定後にトップ画面G1で「炊飯スタート」のボタン表示部B17をタッチ操作すると、条件設定手段64が、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定を今回の炊飯コースの設定として記憶手段58に記憶し、炊飯制御手段61が、記憶手段58に記憶した今回の炊飯コースの設定の加熱パターンに沿って、本体1内の鍋14内の被炊飯物に対するひたし炊き工程、沸騰加熱工程、沸騰継続工程、むらし工程の各炊飯動作を行なうが、本実施形態では、炊飯工程中のひたし炊き工程で主に減圧が行われている。
【0069】
ひたし炊き工程中では鍋14内の圧力が大気圧よりも低い減圧状態となるように、炊飯制御手段61が、ソレノイド45や減圧手段48の動作を各々制御する。具体的には、ひたし炊き工程が開始されると、炊飯制御手段61は、調圧弁44で蒸気排出経路43を閉塞するようにソレノイド45を制御する。そしてこの状態で、炊飯制御手段61は、減圧手段48の経路を開放すると共に、減圧ポンプ49を連続動作させ、密閉した鍋14の内部の空気を減圧ポンプ49で抜き取る真空引きを行なう。その後、炊飯制御手段61は、
図10(A)(B)に示される表の設定に基づき、鍋14内部の圧力が一定値以下になる減圧状態で維持されるように減圧手段48を制御する。こうして、ひたし炊き工程の全期間に亘って、鍋14内部を減圧状態に保っている。
【0070】
図10は、ひたし炊き工程における減圧手段48の減圧ポンプ49の通電時間およびデューティー比と、水硬度との関係を示した表である。被炊飯物の水硬度が高くなり、この水に含まれる不純物が多くなるほど、浸透圧の差異の関係により被炊飯物Sの米の吸水率が悪化し、またカルシウムやマグネシウムなどの粒が被炊飯物Sの米の微細な穴を塞いでしまうため、この米の内部まで水が浸透することを阻害し、芯まで糊化されないご飯になってしまう虞がある。そのため本実施形態の炊飯器1では、減圧ポンプ49の通電時間やデューティー比を変更することにより鍋14の内部圧力を調整し、被炊飯物Sの水硬度が高くなるほど減圧するように減圧ポンプ49を動作させ、被炊飯物の水硬度に応じて減圧する構成にし、水硬度が高くても炊飯されたご飯が芯まで糊化されるようにしている。
【0071】
具体的に説明すると、水硬度の設定を水硬度選択画面G2や都道府県選択画面G6で行なうなど、トップ画面G1の「水硬度」の設定表示体D14に、例えば
図4に示される「40~60」のように、水硬度の範囲が表示されていたときに炊飯開始した場合、炊飯制御手段61は、
図10(A)に示される表の設定に基づき、受け取った情報の水硬度の設定に対応した通電時間やデューティー比で減圧ポンプ49を動作させるように減圧手段48を制御し、例えば
図4に示されるように「水硬度」の設定表示体D14に「40~60」が表示されていた場合は、通電時間Tsの長さが「T
3」、減圧ポンプ49のデューティー比が「最大」で減圧ポンプ49を動作させるように減圧手段48を制御する。
【0072】
また水硬度の設定を水硬度数値入力画面G3で水硬度の設定を行なうなど、トップ画面G1の「水硬度」の設定表示体D14に、例えば「30mg/L」のように水硬度の数値が表示されていたときに炊飯開始した場合、炊飯制御手段61は、
図10(B)に示される表の設定に基づき、受け取った情報の水硬度の設定に対応した通電時間やデューティー比で減圧ポンプ49を動作させるように減圧手段48を制御し、例えば「水硬度」の設定表示体D14に「30mg/L」が表示されていた場合は、通電時間Tsの長さが「T
2」、減圧ポンプ49のデューティー比が「大」で減圧ポンプ49を動作させるように減圧手段48を制御する。ここで本実施形態では、
図10(B)の表において、水硬度の数値の増加に伴い、通電時間Tsが比例的に長くなるように設定されており、例えば水硬度の数値が10mg/Lのときは通電時間Tsの長さがT
1、水硬度の数値が30mg/Lのときは通電時間Tsの長さがT
2となるように設定されている。その後、所定の時間のひたし炊き工程が終了すると、次の沸騰加熱工程に移行し、炊飯制御手段61は、ソレノイド45および制御減圧手段48を制御して、鍋14内を減圧状態から外気と同じ圧力に戻す。
【0073】
また炊飯制御手段61は、鍋センサ22による鍋14の底部の温度検知に基づき加熱コイル21を通断電制御して鍋14を加熱する制御を行ない、米の吸水を促進させる。このとき維持される設定温度は40~60℃であることが好ましい。その後、所定のひたし炊き工程の時間が経過するとひたし工程が終了し、次の沸騰加熱工程に移行する。
【0074】
沸騰加熱工程に移行すると、被炊飯物Sの沸騰検知を行なうまでの加熱で、炊飯制御手段61は、加熱コイル21を連続通電する制御を行なうことにより、ひたし炊き工程よりも鍋14内の被炊飯物Sを強く加熱し、被炊飯物Sを短時間で沸騰の温度まで上昇させる。ここで炊飯制御手段61は、ひたし炊き工程から引き続いて鍋14の内部を大気圧よりも低い減圧状態に維持するために、減圧手段28の経路を閉塞するように制御している。そのため、ひたし炊き工程から沸騰加熱工程に移行した後も、鍋14への加熱やスローリークにより鍋14の内部は次第に圧力が上昇するものの、暫くの間は減圧ポンプ49を動作させることなく減圧状態を維持することができる。こうして、ひたし炊き工程の後の昇温工程でも鍋14内部の被炊飯物Sが減圧状態に保持されることで、昇温工程中は100℃以下の温度で水が沸騰する。そのため、米の糊化温度とされる60℃~100℃で被炊飯物Sを減圧状態で沸騰させることで、沸騰時の泡で米を舞わせて加熱ムラがなくなり、併せて被炊飯物Sを減圧状態にすることで米の芯まで短時間に吸水させることができる。
【0075】
次に、炊飯制御手段61は鍋センサ22からの温度検知信号を取り込んで、鍋14の底部の検知温度が所定温度となる100℃に達したら、鍋14内部の被炊飯物Sが減圧状態で沸騰したと判断して、減圧手段28の経路を閉塞させて減圧ポンプ49を動作させないまま、ソレノイド45を一時的に非通電状態にして調圧弁44を退避させる。これにより蒸気排出経路43は、鍋14の内外を密閉せずに連通させた開放状態となり、鍋14内部は直ちに外気と同じ常圧に戻る。その後、炊飯制御手段61がソレノイド45を短時間で通電状態に切替え、鍋14の内部を再び密閉した状態にすると、引き続き、鍋14内部で被炊飯物Sを強く加熱しているため鍋14内部で加圧される。このときの圧力Pは、1.2気圧以内であることが好ましい。
【0076】
こうして炊飯制御手段61は、沸騰加熱工程中に鍋14内部の被炊飯物Sが減圧状態で沸騰したと判断したら、鍋14内部を減圧状態から大気圧よりも高い加圧状態へ一気に切替えて、被炊飯物Sに圧力ショックを加えるために、ソレノイド45、ひいては調圧部36を構成する調圧弁44の動作を制御して、蒸気排出経路43を一時的に開放している。これにより、加圧状態における米の糊化最適温度である105℃(1.2気圧の場合)で被炊飯物Sを沸騰させることで、米の硬さと粘りのバランスを確保し、芯まで一気に米を糊化させることができる。
【0077】
その後、炊飯制御手段61は、鍋温度が所定温度以上、例えば90℃以上になったことを鍋センサ22からの温度検知信号により検出し、それに加えて蓋温度t2が所定温度以上、例えば90℃以上になったことを蓋温度センサ42からの温度検知信号により検出すると、被炊飯物の加圧状態での沸騰を検知する沸騰検知の制御を開始する。炊飯制御手段61が、引き続き、加熱コイル21を連続通電する制御を行なって鍋14内部で被炊飯物Sを強く加熱する一方で、鍋センサ22の検知温度や蓋温度センサ42の検知温度が所定の時間にどの程度上昇するのかという検知温度の傾きを算出する。具体的には、炊飯制御手段61が、鍋センサ22の検知温度から鍋14の底部の温度である鍋温度の上昇が、例えば120秒で3℃以下など所定の温度上昇率以下になったと算出したら、鍋温度の温度上昇率の変化による沸騰を検知したと判定する。また炊飯制御手段61が、蓋温度センサ42の検知温度から内蓋8の温度である蓋温度の上昇が、例えば60秒で1℃以下など所定の温度上昇率以下になったと算出したら、蓋温度の温度上昇率の変化による沸騰を検知したと判定する。
【0078】
このとき炊飯制御手段61は、沸騰加熱工程から引き続き、この被炊飯物Sが設定された圧力で鍋14内部を加圧するようにソレノイド45を制御しており、その加圧状態で被炊飯物Sの沸騰を継続させることができるようにしている。炊飯制御手段61が、鍋温度の温度上昇率の変化による沸騰を検知し、かつ、蓋温度の温度上昇率の変化による沸騰を検知した時点で、次の沸騰継続工程に移行する。
【0079】
沸騰継続工程に移行すると、炊飯制御手段61は、鍋センサ22の検知温度から鍋温度が、例えば98℃以上など所定の温度を維持するように加熱コイル21の通断電制御を行なうと共に、蓋温度センサ42からの検知温度から蓋温度が、例えば98℃以上など所定の温度を維持するように蓋ヒータ41を連続通電する制御を行ない、被炊飯物Sの沸騰状態を継続させる。また沸騰継続工程に移行したら、炊飯制御手段61は鍋14内を常圧と大気圧よりも高い圧力Pとの間に繰り返し変化させるために、ソレノイド45を周期的に通断電制御して、調圧弁44で蒸気排出経路43を周期的に開閉している。
【0080】
炊飯制御手段61は、沸騰継続工程で鍋14内部の水が無くなり、鍋センサ22の検知温度から鍋14の底部の温度の上昇が10秒で0.5℃以上など所定の温度上昇率以上になったと算出すると、鍋温度の温度上昇率の変化を検知したと判定する。また炊飯制御手段61は、鍋センサ22の検知温度が所定のドライアップ温度に達すると、鍋14内部の被炊飯物Sの炊き上がりを検知したと判定する。炊飯制御手段61が鍋温度の温度上昇率の変化または被炊飯物Sの炊き上がりを検知すると沸騰継続工程が終了し、次のむらし工程に移行する。
【0081】
むらし工程中は、炊飯制御手段61が蓋温度センサ42の検知温度により、蓋ヒータ41を通断電制御して温度管理を行ない、内蓋34への露付きを防止すると共に、鍋14内部のご飯が焦げない程度に高温が保持されるように、加熱コイル21を、通断電制御を設定された時間としてのむらし工程時間だけ継続して行ない、鍋14の底部の温度を管理する。このとき炊飯制御手段61は、沸騰継続工程から引き続き、圧力Pで鍋14内部を加圧するようにソレノイド45を制御するように構成される。むらし工程が終了したら、保温制御手段62による保温工程に移行する。
【0082】
以上、炊飯器1の主な構成を説明したが、これはあくまでも一例であり、例えば鍋14内の圧力を検知可能な圧力センサを備えた構成であってもよく、また例えば、減圧手段48が省略された構成であってもよい。
【0083】
図11は、情報端末6の中で代表的なスマートフォン6-1の外観構成を示したものである。同図において、スマートフォン6-1は、画面表示が可能な表示手段71や、押動式の操作ボタン72や、通信モジュール73などを主な構成要素とする。表示手段71の表面にはタッチパネル74が設けられており、操作ボタン72とタッチパネル74により、スマートフォン6-1からの操作を可能にする操作手段75が構成される。また端末通信手段となる通信モジュール73は、アクセスポイント7との間の無線通信を可能とする送受信部として、スマートフォン6-1の本体内部に搭載される。なお、スマートフォン6-1はその他に、マイクやスピーカーなどの通話手段や、カメラなどの撮影手段などを備えているが、ここでは図示を省略する。
【0084】
図12は、スマートフォン6-1の主な電気的構成を示している。同図において、77はマイクロコンピュータにより構成される端末制御手段であり、この端末制御手段77は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、各種の情報やデータを記憶する読み出しおよび書き込みが可能なメモリなどの記憶手段80や、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。端末制御手段77の入力ポートには、操作手段75と通信モジュール73がそれぞれ電気的に接続され、端末制御手段77の出力ポートには、表示手段71と通信モジュール73がそれぞれ電気的に接続される。
【0085】
端末制御手段77は、操作手段29からの操作信号を受けて、通信モジュール73から取り込んだ情報に基づき、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、表示手段71に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての記憶手段80に記録したアプリケーションなどのプログラムを起動させることで実現するが、特に本実施形態では、端末制御手段77を通信制御部78と表示制御部79として主に機能させるプログラムを備えている。
【0086】
通信制御部78は、主に通信モジュール73に関わる動作を制御するもので、必要に応じて通信モジュール73を動作させることにより、端末制御手段77からネットワーク3を介して、サーバ5に各種情報やデータを送り出したり、逆にサーバ5からネットワーク3を介して、端末制御手段77に各種情報やデータを取り込んだりする機能を有する。
【0087】
表示制御部79は、主に表示手段71の表示に関わる動作を制御するもので、表示手段71に様々な画面を切換えて表示させる機能を備えている。特に本実施形態では、サーバ5から、炊飯設定の履歴などの炊飯設定の情報や、特に水硬度の情報を通信モジュール73で受信すると、表示制御部79がその炊飯設定の情報、特に水硬度の情報を表示手段71で表示している画面に反映させる構成となっている。
【0088】
図13は、情報処理装置の一例となるサーバ5の主な電気的構成を示している。同図において、81はマイクロコンピュータにより構成されるサーバ制御手段であり、このサーバ制御手段81は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。サーバ制御手段77の入力ポートには、レシピ提供管理システム100の管理者からの操作を可能にする操作手段82と、ネットワーク3への接続を可能にする通信モジュール83がそれぞれ電気的に接続され、サーバ制御手段81の出力ポートには、通信モジュール83と、画面表示が可能な表示手段84がそれぞれ電気的に接続される。サーバ通信手段となる通信モジュール83は、ネットワーク3を介して炊飯器1や情報端末6との通信を可能にする送受信部として、サーバ5に搭載される。
【0089】
サーバ制御手段81は、記憶媒体としての前記メモリに記憶したプログラムを読み取ることにより、機器情報登録部86と、炊飯コース情報登録部87と、炊飯コース情報提供部88と、炊飯設定情報提供部89と、水硬度情報提供部90として主に機能する構成を有する。またサーバ制御手段81に内蔵するメモリには、こうしたプログラムとは別に、ユーザが保有する情報端末6とユーザが使用する炊飯器1とを関連付けた機器情報を記憶する機器情報記憶部92と、サーバ5に接続可能な炊飯器1に関する炊飯コース情報を記憶保存する全炊飯コース情報記憶部93と、炊飯器1から送信されてきた炊飯コースの設定における水硬度以外の設定としての炊飯設定を記憶する炊飯設定情報記憶部94と、炊飯器1から送信されてきた炊飯コースの設定における水硬度の設定や都道府県の水道水の平均硬度など、水硬度に関する情報を記憶する水硬度情報記憶部95と、がそれぞれ設けられる。なお、ここでいう炊飯コース情報とは、その炊飯コースに関連した情報を情報端末6の表示手段71に表示させるためのあらゆる表示用情報と、その炊飯コースで被炊飯物Sを炊飯できる炊飯器1に対して、被炊飯物Sの炊飯に必要な炊飯制御の条件などの炊飯用情報を含んでいる。
【0090】
機器情報登録部86は、ユーザが保有する情報端末6から、その情報端末6やユーザを特定する第1識別情報とユーザが使用する炊飯器1を特定する第2識別情報が入力されると、これらの第1識別情報と第2識別情報を関連付けて、その機器情報を機器情報記憶部92に記憶登録させるものである。具体的には、例えばネットワーク3を介してサーバ5にアクセスされた一台の情報端末6として、
図1に示すスマートフォン6-1を保有するユーザが炊飯器1を使用する場合、そのユーザやスマートフォン6-1を識別するのにスマートフォン6-1から入力された固有の第1識別情報に、炊飯器1を識別するのにスマートフォン6-1から入力された固有の第2識別情報を関連付けた機器情報が、スマートフォン6-1からサーバ5に送信されると、機器情報登録部86によりこの機器情報をサーバ5の機器情報記憶部92に記憶登録させる構成となっている。
【0091】
炊飯コース情報登録部87は、管理者による操作手段82からの操作入力により、全炊飯コース情報記憶部93には記憶登録されていない新たな炊飯コース情報を、全炊飯コース情報記憶部93に追加で記憶登録させたり、全炊飯コース情報記憶部93に記憶登録されている炊飯コースの情報を、一部変更して全炊飯コース情報記憶部93に上書き更新させたりするものである。具体的には、管理者が操作手段82を操作して、新たな炊飯コース情報を登録させようとする場合に、お米の設定や、炊き方の設定や、かたさの設定や、水硬度の設定などを含んだ炊飯コースの特徴を、炊飯器1のLCD26や情報端末6の表示手段71に表示させるための表示用情報と、炊飯が可能な炊飯器1で炊飯調理を行なうのに必要な炊飯制御の情報などを含んだ炊飯加熱用情報を入力すると、炊飯コース情報登録部87は、こうした炊飯コース情報を全炊飯コース情報記憶部93に記憶登録させる。
【0092】
炊飯コース情報提供部88は、ネットワーク3を介してサーバ5にアクセスが可能な炊飯器1に対して、全炊飯コース情報記憶部93に記憶する全ての炊飯コース情報の中から、一乃至複数の炊飯コース情報を抽出して送信するものである。そのため炊飯器1は、記憶手段58に記憶されていない炊飯コースでも、サーバ5の全炊飯コース情報記憶部93から抽出して記憶することができる。また本実施形態では、上述の例でユーザによるスマートフォン6-1の操作手段75からの操作により、選択された炊飯履歴の情報や、選択された、個別に登録された炊飯設定の情報がネットワーク3を介してサーバ5に送信されると、サーバ5の炊飯コース情報提供部88は、受信した炊飯履歴の情報や個別に登録された炊飯設定を全炊飯コース情報記憶部93に記憶する全ての炊飯コース情報と照らし合わせ、該当する炊飯コース情報を抽出して炊飯器1に送信するように構成される。
【0093】
炊飯設定情報提供部89は、ネットワーク3を介してサーバ5にアクセスが可能な炊飯器1から送信されてきた炊飯コースの設定における水硬度以外の設定としての炊飯設定を、炊飯設定情報記憶部94に記憶させるものであり、また情報端末6に送信するものである。また炊飯器1に現在の炊飯器1の状態の情報など炊飯器1に関する情報を受け取り、情報端末6に送信するものである。具体的には、例えば炊飯器1の炊飯が完了して保温工程に移行し、炊飯器1の記憶手段58に記憶された今回の炊飯コース情報が送受信手段59によりサーバ5に送信されると、炊飯設定情報提供部89は、送信されてきた炊飯コース情報における炊飯設定を、今回の炊飯コースにおける炊飯設定の履歴として炊飯設定情報記憶部94に記憶させる。その後、ユーザによるスマートフォン6-1の操作手段75からの操作により、機器情報登録部86により既に登録された炊飯器1に関する炊飯設定の履歴の表示要求がネットワーク3を介してサーバ5に送信されると、サーバ5の炊飯設定情報提供部89は、サーバ5の炊飯設定情報記憶部94に記憶される炊飯履歴の情報をスマートフォン6-1に送信する。これを受けたスマートフォン6-1の表示制御部79は、炊飯器1の炊飯設定の履歴を好適に表示手段71に表示させることが可能になる。
【0094】
水硬度情報提供部90は、管理者による操作手段82からの操作入力により、水硬度情報記憶部95に記憶登録されている都道府県の水道水の平均硬度などの水硬度の情報を最新のものに更新して記憶登録させたり、ネットワーク3を介してサーバ5にアクセスが可能な炊飯器1から送信されてきた炊飯コースの設定における水硬度の設定を水硬度情報記憶部95に記憶させるものであり、また情報端末6に送信するものである。そのため水硬度情報提供部90は、スマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3などのそれぞれの情報端末6に、都道府県の水道水の最新の平均硬度の情報や、炊飯器1から送信された水硬度の情報を送信可能な構成としている。このように構成することで、スマートフォン6-1,6-2やタブレット端末6-3において、それぞれの情報端末6で都道府県の水道水の最新の平均硬度の情報や、現在の炊飯器1の水硬度の設定の情報がそれぞれの表示手段71に表示される。
【0095】
次に、上記構成の炊飯システム100について、その作用を詳しく説明する。
【0096】
図14は、スマートフォン6-1の操作手段75からの操作によりアプリケーションを起動させたときに表示手段71に表示されるトップ画面(図示せず)で「炊飯器」を選択操作することで表示される炊飯器トップ画面G7を示している。
【0097】
ユーザがスマートフォン6-1の操作手段75を操作してアプリケーションを起動させると、通信制御部78は、通信モジュール73によりネットワーク3を介してサーバ5に機器情報を送信する。このとき送信する機器情報は、記憶手段80に記憶された個別に登録された炊飯設定が含まれていてもよい。サーバ5がこの機器情報を受け取ると、機器情報記憶部92に登録された機器情報と照合し、照合された機器に関する情報をスマートフォン6-1に送信するように通信モジュール83を制御する。このとき送信する情報は、炊飯設定情報記憶部94に記憶された炊飯器1の過去の炊飯設定や、水硬度情報記憶部95に記憶された個別に登録された炊飯設定が含まれていてもよい。またサーバ5の炊飯設定情報提供部89は、照合された機器である炊飯器1に、炊飯器1の状態情報の要求信号を送信する。炊飯器1の表示・操作制御手段56は、この状態情報の要求信号を受け取ると、「停止中」「予約中」「炊飯中」「保温中」など現在の炊飯器1の状態情報を、送受信手段59を用いてサーバ5に送信する。なお炊飯設定情報提供部89は、所定時間内に現在の炊飯器1の状態情報を受け取らなかった場合に、炊飯器1の状態が「オフライン」であると判定するように構成してもよい。そして炊飯設定情報提供部89が現在の炊飯器1の状態情報を受け取ると、照合された機器に関する情報と共に現在の炊飯器1の状態情報をスマートフォン6-1に送信するように通信モジュール83を制御する。
【0098】
スマートフォン6-1が照合された機器に関する情報や現在の炊飯器1の状態情報を受け取ると、アプリケーションが起動する。そしてアプリケーション起動後のトップ画面で、例えば「炊飯器」のボタン表示体(図示せず)を選択操作すると、スマートフォン6-1の表示制御部79が、炊飯器トップ画面G7に表示を切替えるように表示手段71を制御する。
【0099】
先ず
図14を参照して炊飯器トップ画面G7を説明すると、その上部には、一つ前の画面に戻ることを連想させる「<」なるテキスト表示体D101を含む戻るボタン表示体B101と、「炊飯器」なるテキスト表示体D102と、歯車の図を連想させるテキスト表示体D103および「設定」なるテキスト表示体D104を含む設定用ボタン表示部B103と、吹出しの図を連想させるテキスト表示体D105および「サポート」なるテキスト表示体D106を含むサポート用ボタン表示部B105と、が左右に並べて表示される。また戻るボタン表示体B101、「炊飯器」のテキスト表示体D102、設定用ボタン表示部B103およびサポート用ボタン表示部B105の下には、状態表示体D108の表示が炊飯器1の状態であることを連想させる、炊飯器の図のテキスト表示体107と、現在の炊飯器1の状態を表示する状態表示体D108と、が上下に並べて表示される。ここで表示制御部79は、サーバ5からの現在の炊飯器1の状態情報を状態表示体D108に反映させて、例えば「停止中」「予約中」「炊飯中」「保温中」「オフライン」などを表示するように表示手段71を制御している。そして炊飯器トップ画面G7の下部には、「コース紹介」なるテキスト表示体D109を含むボタン表示部B109と、「お気に入り 炊飯履歴」なるテキスト表示体D110を含むボタン表示部B110と、が左右に並べて表示される。
【0100】
戻るボタン表示体B101は、現在の画面、例えば炊飯履歴画面G2やお気に入り画面G3における設定を破棄して一つ前の画面に戻る際に操作されるもので、戻るボタン表示体B101をタッチ操作すると、表示制御部79が、現在、表示手段71に表示された設定を破棄して、一つ前の画面、例えば
図14の場合はトップ画面に戻るように表示手段71を制御する。
【0101】
設定用ボタン表示部B103は、通知や水硬度の設定をするのに操作されるもので、設定用ボタン表示部B103をタッチ操作すると、通信制御部78がサーバ5に水硬度情報の要求信号を送信し、サーバ5がこの水硬度情報の要求信号を受け取ると、水硬度情報提供部90が炊飯器1に、炊飯器1の水硬度情報の要求信号を送信する。炊飯器1の表示・操作制御手段56は、この水硬度情報の要求信号を受け取ると、記憶手段58に記憶された現在の水硬度の設定の情報を、送受信手段59を用いてサーバ5に送信する。そして水硬度情報提供部90が現在の水硬度の設定の情報を受け取ると、この現在の水硬度の設定の情報をスマートフォン6-1に送信するように通信モジュール83を制御する。その後、スマートフォン6-1が水硬度の設定の情報を受け取ると、表示制御部79が、アプリケーション設定画面G8に表示を切替えるように表示手段71を制御する。なお状態表示体D108に「オフライン」が表示されているときに設定用ボタン表示部B103をタッチ操作した場合、通信制御部78がサーバ5に水硬度情報の要求信号を送信せずに、表示制御部79はアプリケーション設定画面G8に表示を切替えて、後述する水硬度表示体D116の表示を「―――mg/L」にするように表示手段71を制御する構成にしてもよい。
【0102】
サポート用ボタン表示部B105は、例えば操作方法の説明の確認や製造先への質問事項、要望事項の送信など、サポートに関する操作を行なうのに操作されるもので、サポート用ボタン表示部B105をタッチ操作すると、表示制御部79が、サポート画面(図示せず)に表示を切替えるように表示手段71を制御する。
【0103】
「コース紹介」のボタン表示部B109は、炊飯器1で実施可能な炊飯設定情報を選択するのに操作されるもので、「コース紹介」のボタン表示部B109をタッチ操作すると、通信制御部78がサーバ5に炊飯設定情報の要求信号を送信し、サーバ5がこの炊飯設定情報の要求信号を受け取ると、炊飯設定情報提供部89は、炊飯器1で実施可能な炊飯コースの炊飯設定情報をスマートフォン6-1に送信するように通信モジュール83を制御する。その後、スマートフォン6-1が炊飯器1で実施可能な炊飯コースの炊飯設定情報を受け取ると、表示制御部79が、炊飯設定選択画面(図示せず)に表示を切替え、炊飯器1で実施可能な炊飯コースの炊飯設定情報が反映された炊飯設定情報を表示するように表示手段71を制御する。そして炊飯設定選択画面で炊飯設定情報が選択操作されると、スマートフォン6-1の通信制御部78が、選択された炊飯設定情報をサーバ5に送信するように通信モジュール73を制御し、その後、当該炊飯設定情報の炊飯コース情報が炊飯器1に送信される構成となっている。
【0104】
「お気に入り 炊飯履歴」のボタン表示部B110は、炊飯器1で過去に使用した炊飯設定情報や、当該過去に使用した炊飯設定情報のなかで個別に登録された炊飯設定情報を選択するのに操作されるもので、「お気に入り 炊飯履歴」のボタン表示部B110をタッチ操作すると、通信制御部78がサーバ5に炊飯設定情報の要求信号を送信し、サーバ5がこの炊飯設定情報の要求信号を受け取ると、炊飯設定情報提供部89は、炊飯器1で実施された炊飯コースの炊飯設定である炊飯履歴の情報をスマートフォン6-1に送信するように通信モジュール83を制御する。その後、スマートフォン6-1が炊飯履歴の情報を受け取ると、表示制御部79が、炊飯履歴選択画面(図示せず)やお気に入り選択画面(図示せず)に表示を切替え、炊飯履歴の情報が反映された炊飯設定情報や、お気に入りに個別に登録された炊飯設定情報を表示するように表示手段71を制御する。そして炊飯履歴選択画面やお気に入り選択画面で炊飯設定情報が選択操作されると、通信制御部78が、選択された炊飯設定情報をサーバ5に送信するように通信モジュール73を制御し、その後、当該炊飯設定情報の炊飯コース情報が炊飯器1に送信される構成となっている。
【0105】
図15は、炊飯器トップ画面G7で設定用ボタン表示部B103をタッチ操作したときに移行するアプリケーション設定画面G8を示している。同図を参照して水硬度選択画面G2を説明すると、その上部には、戻るボタン表示体B101と、「設定」なるテキスト表示体D112と、サポート用ボタン表示部B105と、が左右に並べて表示される。また戻るボタン表示体B101、「設定」のテキスト表示体D112およびサポート用ボタン表示部B105の下には、「通知設定」なるテキスト表示体D112と、次の画面に進むことを連想させる「>」なるテキスト表示体D114を含む進むボタン表示体B114とを左右に並べて表示した通知設定選択領域A11が形成される。そして通知設定選択領域A11の下には、「水硬度設定」なるテキスト表示体D115と、現在の炊飯器1の水硬度の設定を表示する水硬度表示体D116と、「>」なるテキスト表示体D117を含む進むボタン表示体B117とを左右に並べて表示した通知設定選択領域A12が形成される。
【0106】
通知設定選択領域A11の進むボタン表示体B114は、アプリケーションの通知に関する設定を行なうのに操作されるもので、進むボタン表示体B114をタッチ操作すると、表示制御部79が、アプリケーション通知設定画面(図示せず)に表示を切替えるように表示手段71を制御する。
【0107】
通知設定選択領域A12の進むボタン表示体B117は、炊飯器1の水硬度の設定を行なうのに操作されるもので、進むボタン表示体B117をタッチ操作すると、表示制御部79が、アプリ用水硬度選択画面G9に表示を切替えるように表示手段71を制御する。なお水硬度表示体D116の表示が「―――mg/L」であるときは、炊飯器1の状態が「オフライン」であるため、進むボタン表示体B117をタッチ操作しても、表示制御部79がアプリ用水硬度選択画面G9に表示を切替えない構成にしてもよい。
【0108】
図16は、アプリケーション設定画面G8でボタン表示体B117をタッチ操作したときに移行するアプリ用水硬度選択画面G9を示している。同図を参照してアプリ用水硬度選択画面G9を説明すると、その上部には、戻るボタン表示体B101と、「水硬度設定」なるテキスト表示体D121と、サポート用ボタン表示部B105と、が左右に並べて表示される。また戻るボタン表示体B101、「水硬度設定」のテキスト表示体D121およびサポート用ボタン表示部B105の下には、「数値入力」なるテキスト表示体D122を含むタブ表示体B122と、「都道府県」なるテキスト表示体D123を含むタブ表示体B123と、を左右に並べて表示したアプリ水硬度画面表示領域A13が形成される。そしてアプリ水硬度画面表示領域A13の下には、「水硬度について」なるテキスト表示体D125と、「i」なるテキスト表示体D126を含む水硬度説明ボタン表示体B126と、が左右に並べて表示される。
【0109】
また「水硬度について」のテキスト表示体D125および水硬度説明ボタン表示体B126の下には、水硬度表示体D116の数値が、現在の炊飯器1の水硬度の設定であることを連想させる「現在の水硬度」なるテキスト表示体D126と、水硬度表示体D116を含む水硬度数値設定ボタン表示体B116と、が左右に並べて表示され、これらの表示体の下に、「水硬度は最大120mg/Lまで設定できます。 水硬度の幅設定は本体機能のみとなります。」なるテキスト表示体D127が表示される。
【0110】
「数値入力」のタブ表示体B122と、「都道府県」のタブ表示体B123は、アプリ用水硬度選択画面G9またはアプリ用地方区分選択画面G11のどちらが現在表示手段71に表示されているかを表示するものであり、現在選択されているタブ表示体、例えば
図16の場合は「数値入力」のタブ表示体B31が彩色表示され、選択されていないタブ表示体、例えば
図16の場合は「都道府県」のタブ表示体B123が色を薄くして表示する、いわゆるグレーアウト表示で表示されている。また「数値入力」のタブ表示体B122をタッチ操作することにより表示手段71の表示がアプリ用水硬度選択画面G9に切り替わり、「都道府県」のタブ表示体B123をタッチ操作することにより表示手段71の表示がアプリ用地方区分選択画面G11に切り替わるため、アプリ水硬度画面表示領域A13は、アプリ用水硬度選択画面G9と、アプリ用地方区分選択画面G11とを変更する画面変更手段としての機能を有している。
【0111】
水硬度説明ボタン表示体B126は、水硬度に関する説明を表示するのに操作されるもので、水硬度説明ボタン表示体B126をタッチ操作すると、表示制御部79が、水硬度説明画面(図示せず)に表示を切替えるように表示手段71を制御する。
【0112】
水硬度数値設定ボタン表示体B116は、数値を直接選択して水硬度を設定するのに操作されるもので、水硬度数値設定ボタン表示体B116をタッチ操作すると、表示制御部79が、アプリ用水硬度数値選択画面G10に表示を切替えるように表示手段71を制御する。
【0113】
図17は、アプリ用水硬度選択画面G9で水硬度数値設定ボタン表示体B116をタッチ操作したときに移行するアプリ用水硬度数値選択画面G10を示している。同図を参照してアプリ用水硬度数値選択画面G10を説明すると、水硬度の数値を選択可能な水硬度数値選択ポップアップ表示体PU1が表示され、水硬度数値選択ポップアップ表示体PU1以外の場所がグレーアウト表示されている。
【0114】
水硬度数値選択ポップアップ表示体PU1は、その上部に、「水硬度変更」なるテキスト表示体D131と、「×」なるテキスト表示体D132を含むボタン表示体B132とが、が左右に並べて表示される。また「水硬度変更」のテキスト表示体D131および「×」のボタン表示体B132の下には、「水硬度を選択してください 最大120mg/Lまで設定できます」なるテキスト表示体D133が表示される。そしてテキスト表示体D133の下には、数字「0」および「1」の表示体を含み、100桁の数字の設定を連想させるドラム表示領域A14と、数字「0」~「9」の表示体を含み、10桁の数字の設定を連想させるドラム表示領域A15と、数字「0」~「9」の表示体を含み、1桁の数字の設定を連想させるドラム表示領域A16と、が左右に並べて表示され、ドラム表示領域A14~A16に亘ってカーソル表示体C11が線状に形成されて、カーソル表示体C11の位置にある数字が、ドラム表示領域A14~A16において選択された数字であることをユーザに連想させている。
【0115】
また水硬度数値選択ポップアップ表示体PU1の下部には、「キャンセル」なるテキスト表示体D134を含むボタン表示体B134と、「送信」なるテキスト表示体D135を含むボタン表示体B135と、が左右に並べて表示される。
【0116】
「×」のボタン表示体B132は、現在の画面、例えばアプリ用水硬度数値選択画面G10における設定を破棄して一つ前の画面であるアプリ用水硬度選択画面G9に戻る際に操作されるもので、「×」のボタン表示体B132をタッチ操作すると、スマートフォン6-1の表示制御部79が、現在、表示手段71に表示された設定を破棄して、アプリ用水硬度選択画面G9に戻るように表示手段71を制御する。
【0117】
ドラム表示領域A14~A16は水硬度を選択するのに操作されるものであり、ドラム表示領域A14~A16のそれぞれを上下にフリック操作やスワイプ操作すると、表示制御部79が、フリック操作やスワイプ操作された方向に回転させるように数字を変更するように表示手段71を制御する。このように構成することにより、炊飯器1の水硬度数値入力画面G3を情報端末6でシンプルにして使用することができる。なお本実施形態では、ドラム表示領域A14~A16はそれぞれ下側の数字が小さく、上に行くに従い数字が大きくなるように表示されており、そのため上方向にフリック操作やスワイプ操作されると数字が小さくなるように表示が変更するが、これは一例である。また本実施形態では、一番下の数字である「0」より下には回転表示できず、また一番上の数字である、例えばドラム表示領域A15およびA16は「9」より上、ドラム表示領域A14は「1」より上には回転表示できないように構成されているが、これは一例である。そして本実施形態では、最高値である「120」より上の数値は選択できず、また最低値である「0」より下の数値は選択できないように構成されているが、これは一例である。
【0118】
「キャンセル」のボタン表示体B134は、現在の画面における設定を破棄して一つ前の画面に戻る際に操作されるもので、例えば
図17で「キャンセル」のボタン表示体B134をタッチ操作すると、表示制御部79が、現在、表示手段71に表示された設定を破棄して、一つ前の画面であるアプリ用水硬度選択画面G9に戻るように表示手段71を制御する。
【0119】
「送信」のボタン表示体B135は、カーソル表示体C11の位置にあるドラム表示領域A14~A16の数字を水硬度の設定として炊飯器1に送信する際に操作されるもので、「送信」のボタン表示体B135をタッチ操作すると、通信制御部78が、表示手段71に表示されたカーソル表示体C11の位置にあるドラム表示領域A14~A16の数字、例えば
図17の場合は「50」を選択された水硬度の数値の情報としてサーバ5に送信するように通信モジュール73を制御する。
【0120】
図18は、アプリ用水硬度選択画面G9で「都道府県」のタブ表示体B123をタッチ操作したときに移行するアプリ用地方区分選択画面G11を示している。同図を参照してアプリ用水硬度選択画面G9を説明すると、その上部には、戻るボタン表示体B101と、「水硬度設定」なるテキスト表示体D121と、サポート用ボタン表示部B105と、が左右に並べて表示されこれらの表示体の下には、アプリ水硬度画面表示領域A13が形成される。そしてアプリ水硬度画面表示領域A13の下には、「水硬度について」なるテキスト表示体D125と、「i」なるテキスト表示体D126を含む水硬度説明ボタン表示体B126と、が左右に並べて表示される。
【0121】
また「水硬度について」のテキスト表示体D125および水硬度説明ボタン表示体B126の下には、6つの地区表示領域A21~A26を上下に並べて表示したアプリ用地方区分選択表示領域A27が形成されている。ここで「北海道・東北」の地区表示領域A21は、「北海道・東北」なるテキスト表示体D142と、「>」なるテキスト表示体D143を含む進むボタン表示体B143とを左右に並べて表示して形成される。また「関東・甲信越」の地区表示領域A22は、「関東・甲信越」なるテキスト表示体D144と、「>」なるテキスト表示体D1145を含む進むボタン表示体B145とを左右に並べて表示して形成される。そして「北陸・東海」の地区表示領域A23は、「北陸・東海」なるテキスト表示体D146と、「>」なるテキスト表示体D147を含む進むボタン表示体B147とを左右に並べて表示して形成される。また「近畿」の地区表示領域A24は、「関東 甲信越」なるテキスト表示体D148と、「>」なるテキスト表示体D149を含む進むボタン表示体B149とを左右に並べて表示して形成される。そして「中国・四国」の地区表示領域A25は、「中国・四国」なるテキスト表示体D150と、「>」なるテキスト表示体D151を含む進むボタン表示体B151とを左右に並べて表示して形成される。また「九州・沖縄」の地区表示領域A26は、「九州・沖縄」なるテキスト表示体D152と、「>」なるテキスト表示体D153を含む進むボタン表示体B153とを左右に並べて表示して形成される。なお本実施形態では、炊飯器1の地方区分選択画面G5の地区区分と、スマートフォン6-1のアプリ用地方区分選択画面G11の地区区分とを同一にしているが、これは一例であり、異なる地区区分で構成してもよい。
【0122】
アプリ用地方区分選択表示領域A27内の6つの地区表示領域A21~A26に配置された進むボタン表示体B143~B153は、水硬度の選択で都道府県から選択しようとする際に、当該都道府県がある地方区分を選択するのに操作されるものであり、進むボタン表示体B143~B153のいずれかをタッチ操作すると、選択された進むボタン表示体が配置された地区表示領域A21~A26に対応した都道府県の水道水の平均硬度などの水硬度の情報の要求信号を送信し、サーバ5がこの水硬度の情報の要求信号を受け取ると、水硬度情報提供部90は、水硬度情報記憶部95から地区表示領域A21~A26に対応した都道府県の水硬度の情報を抽出し、当該抽出した水硬度の情報をスマートフォン6-1に送信するように通信モジュール83を制御する。その後、スマートフォン6-1がこの水硬度の情報を受け取ると、表示制御部79が、アプリ用都道府県選択画面G12に表示を切替え、水硬度情報記憶部95の水硬度の情報が反映された都道府県表示領域A31~A38を表示するように表示手段71を制御する。
【0123】
図19は、アプリ用地方区分選択画面G11で、例えば「九州・沖縄」の表示領域A26の進むボタン表示体B153をタッチ操作したときに移行するアプリ用都道府県選択画面G12を示している。同図を参照してアプリ用都道府県選択画面G6を説明すると、その上部には、戻るボタン表示体B101と、「水硬度設定」なるテキスト表示体D121と、サポート用ボタン表示部B105と、が左右に並べて表示されこれらの表示体の下には、アプリ水硬度画面表示領域A13が形成される。そしてアプリ水硬度画面表示領域A13の下には、アプリ用地方区分選択画面G11で選択された地区を表示する選択地区表示体D161が表示され、
図19では「九州・沖縄」が表示されている。
【0124】
また選択地区表示体D161の下には、8つの都道府県表示領域A31~A38を前後左右に並べて表示した都道府県選択表示領域A39が形成されている。なお
図19の都道府県選択表示領域A39では、「鹿児島」の都道府県表示領域A37および「沖縄」の都道府県表示領域A38が表示されていないが、アプリ用都道府県選択画面G12をスクロールさせることにより、「鹿児島」の都道府県表示領域A37や「沖縄」の都道府県表示領域A38が表示される。
【0125】
そしてアプリ用都道府県選択画面G12の下部には、「キャンセル」のボタン表示体B134と、「送信」のボタン表示体B135と、が左右に並べて表示される。ここで
図19では、都道府県選択表示領域A39の「〇」のボタン表示体B162~B176のいずれも「●」になっておらず、8つの都道府県表示領域A31~A38のいずれも選択されていない状態であるため、「送信」のボタン表示体B135がグレーアウト表示されており、「送信」のボタン表示体B135をタッチ操作しても、表示制御部79はアプリ用都道府県選択画面G12から移行しないように表示手段6を制御し、また通信制御部78は通信モジュール73を動作させないようにしている。
【0126】
都道府県選択表示領域A39内の都道府県表示領域A31~A38は、都道府県の水道水の平均硬度から水硬度を選択するのに操作されるものであり、本実施形態では、都道府県表示領域A31~A38の数や都道府県表示領域A31~A38に含まれるテキスト表示体D163~D177の表示は、アプリ用地方区分選択表示領域A27で選択された地方区分に対応したものが表示される。そのためアプリ用都道府県選択画面G12は、地区表示領域A21~A26に対応する6つの画面があり、例えば
図19に示されるように、「九州・沖縄」の表示領域A26の進むボタン表示体B153をタッチ操作したときに移行するアプリ用都道府県選択画面G12では、都道府県選択表示領域A39内に都道府県表示領域A31~A38の数が8つ表示される。
【0127】
ここで「福岡県」の都道府県表示領域A31は、「〇」なるテキスト表示体D162を含む進むボタン表示体B162と、「福岡県 52mg/L」なるテキスト表示体D163とを左右に並べて表示して形成される。また「佐賀県」の都道府県表示領域A32は、「〇」なるテキスト表示体D164を含む進むボタン表示体B164と、「佐賀県 44mg/L」なるテキスト表示体D165とを左右に並べて表示して形成される。そして「長崎県」の都道府県表示領域A33は、「〇」なるテキスト表示体D166を含む進むボタン表示体B166と、「長崎県 45mg/L」なるテキスト表示体D167とを左右に並べて表示して形成される。また「熊本県」の都道府県表示領域A34は、「〇」なるテキスト表示体D168を含む進むボタン表示体B168と、「熊本県 69mg/L」なるテキスト表示体D169とを左右に並べて表示して形成される。そして「大分県」の都道府県表示領域A35は、「〇」なるテキスト表示体D170を含む進むボタン表示体B170と、「大分県 52mg/L」なるテキスト表示体D171とを左右に並べて表示して形成される。また「宮崎県」の都道府県表示領域A36は、「〇」なるテキスト表示体D172を含む進むボタン表示体B172と、「宮崎県 40mg/L」なるテキスト表示体D173とを左右に並べて表示して形成される。なお
図19には示していないが、「鹿児島県」の都道府県表示領域A37や「沖縄県」の都道府県表示領域A8も、それぞれ「〇」なるテキスト表示体D174,D176を含む進むボタン表示体B174,B176と、「鹿児島県 49mg/L」「沖縄県 84mg/L」なるテキスト表示体D175,D177とが左右に並べて表示されて形成される。
【0128】
ここで都道府県表示領域A31~A38に含まれるテキスト表示体D163~D177の水硬度の数値の表示は、サーバ5の水硬度情報記憶部95に記憶されている水硬度に関する情報に対応している。そのため都道府県表示領域A31~A38を選択することにより、水硬度情報記憶部95に記憶され、最新の都道府県の水道水の平均硬度の数値に更新された水硬度の数値を使用することが可能になる。
【0129】
ここで、都道府県表示領域A31~A38の「〇」のボタン表示部B162~B177のいずれか、例えば「熊本県」の都道府県表示領域A34の「〇」のボタン表示体B169をタッチ操作すると、表示制御部79は、「〇」のテキスト表示体D169の表示を「〇」から「●」に変更し、「送信」のボタン表示体B135をグレーアウト表示から彩色表示に変更するように表示手段71を制御する。そのためユーザは、アプリ用都道府県選択画面G12で、「●」になり印がついた「熊本県」の都道府県表示領域A34が選択されて、水硬度の情報を送信可能になったことを認識することが可能になる。このときに「送信」のボタン表示体B135をタッチ操作すると、通信制御部78は、選択された「熊本県」の都道府県表示領域A34のテキスト表示体D169に表示された水硬度の数値、例えば
図19の場合は「69mg/L」を選択された水硬度の数値の情報としてサーバ5に送信するように通信モジュール73を制御する。このように構成することにより、炊飯器1の都道府県選択画面G4を情報端末6でシンプルにして使用することができる。またユーザは、炊飯に使用する水道水硬度の情報を知らなくても、使用する水道水の地域区分や都道府県を選択することで最新の水硬度を選択することができ、水道水硬度の検査や調査をする必要がないため、利便性が向上する。
【0130】
アプリ用水硬度数値選択画面G10やアプリ用都道府県選択画面G12で「送信」のボタン表示体B135をタッチ操作して、選択された水硬度の数値の情報や、選択された都道府県表示領域に表示された水硬度の数値の情報をサーバ5に送信し、サーバ5がこの水硬度の数値の情報を受け取ると、水硬度情報提供部90は、この水硬度の数値の情報を水硬度情報記憶部95に記憶させ、また炊飯器1にこの水硬度の数値の情報を送信する。
【0131】
サーバ5からの水硬度の数値の情報を受け取ると、炊飯器1の表示制御手段63は、Wi-Fiマークの工程LED表示部を点灯させるようにLED表示部27を制御し、また炊飯情報受信画面G13を表示するようにLCD26を制御する。
図20(A)を参照して炊飯情報受信画面G7を説明すると、その上部に、「「IoLIFEアプリ」からの情報を受信しました」なるテキスト表示体D91が表示される。そしてテキスト表示体D91の下には、「キャンセル」なるテキスト表示体D92を含むボタン表示体B92と、「OK」なるテキスト表示体D93を含むボタン表示体B93と、が左右に並べて表示される。
【0132】
「キャンセル」のボタン表示体B92は、サーバ5から送信された水硬度の数値の情報をトップ画面G1に反映させずに、一つ前の画面であるトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「キャンセル」のボタン表示体B92をタッチ操作すると、例えば
図4に示されるように、表示制御部79が、サーバ5から送信された炊飯コース情報を破棄して、現在、記憶手段58に記憶された炊飯コースの設定を表示したトップ画面G1に戻るように表示手段71を制御する。
【0133】
「OK」のボタン表示体B93は、サーバ5から送信された水硬度の数値の情報をトップ画面G1に反映させて、一つ前の画面であるトップ画面G1に戻る際に操作されるもので、「OK」のボタン表示体B93をタッチ操作すると、表示制御部79が、サーバ5から送信された水硬度の数値の情報の設定、すなわちスマートフォン6-1から送信された水硬度の数値の情報を「水硬度」の設定表示体D14に表示したトップ画面G1に移行するように表示手段71を制御し、例えば
図13(B)に示されるように、アプリ用水硬度数値選択画面G10で選択された水硬度の数値である「50」を「水硬度」の設定表示体D14に表示したトップ画面G1に移行するように表示手段71を制御する。
【0134】
ここでトップ画面G1の「炊飯スタート」のボタン表示体B17をタッチ操作すると、条件設定手段64が、現在、炊飯情報表示領域A2に表示されたお米の設定、炊き方の設定、かたさの設定、および水硬度の設定、すなわちスマートフォン6-1から送信された水硬度の数値の情報を今回の炊飯コースの水硬度の設定として記憶手段58に記憶して、加熱制御手段51にこの炊飯コースの設定を送信する。この炊飯コースの設定を受け取ると、加熱制御手段51の炊飯制御手段61は、その設定した炊飯コースの加熱パターンに沿って、鍋14内の被炊飯物Sに対する炊飯工程である、ひたし炊き工程、沸騰加熱工程、沸騰継続工程、むらし工程の各炊飯動作を行なう。このようにしてスマートフォン6-1においてアプリ用水硬度数値選択画面G10やアプリ用都道府県選択画面G12から選択された水硬度の数値の情報を炊飯器1に送信して、今回の炊飯コースの設定として使用することができる。
【0135】
以上のように本実施形態の炊飯システム100では、炊飯器1と、当該炊飯器1と通信可能な情報端末6と、を備え、炊飯器1は、水を含む被炊飯物Sの炊飯において、水質情報としての水硬度に応じて炊飯を制御する制御手段としての炊飯制御手段61を有し、情報端末6は、サーバ5を介して炊飯器1と通信して水硬度を設定可能である構成としている。
【0136】
このように構成することにより、外部の機器である情報端末6から炊飯器1に通信して、炊飯コース情報の水硬度を設定することができる。また情報端末6により最新の水硬度の情報を炊飯器1に送信することにより、炊飯制御手段61は最新の水硬度の情報を使用して炊飯制御することができる。
【0137】
また本実施形態では、水硬度の情報は第1の水硬度情報としての地域の名称により水硬度を分類した都道府県表示領域A31~A38と、第2の水硬度情報としての数値により水硬度を分類したドラム表示領域A14~A16およびカーソル表示体C11と、を有し、情報端末6は、水硬度の情報を表示する表示手段71と、水硬度を設定する操作手段75と、を有し、操作手段75は、一回の操作により都道府県表示領域A31~A38が表示された画面としてのアプリ用都道府県選択画面G12と、ドラム表示領域A14~A16およびカーソル表示体C11が表示された画面としてのアプリ用水硬度数値選択画面G10で数値選択するアプリ用水硬度選択画面G9とを変更可能である構成としている。そのため、ユーザの用途に合わせて水硬度の選択を行なうことができ、また容易に水硬度の選択方法を変更することができる。
【0138】
また本実施形態では、都道府県表示領域A31~A38が、地域の名称により水質情報を分類したものである構成としており、ユーザが、炊飯に使用する水道水硬度を知らなくても、使用する水道水の都道府県を選択することにより水硬度を選択でき、利便性が向上する。
【0139】
また本実施形態では、ドラム表示領域A14~A16およびカーソル表示体C11が、数値により水質情報を分類したものである構成としており、ユーザが、使用する水道水硬度の数値を直接選択でき、利便性が向上する。
【0140】
また本実施形態の情報端末6では炊飯器1と通信し、炊飯器1において記憶手段58に記憶されており設定されている水硬度の設定の情報を取得できた場合には、設定されている水硬度の情報を表示手段71に表示し、炊飯器1において設定されている水硬度の設定の情報を取得できない場合には、表示手段71に、水硬度の設定の情報とは他の表示である、例えば「―――mg/L」という表示をする構成としている。そのため、現在の炊飯器1の水硬度の設定を情報端末6で知ることができ、利便性が向上する。また水硬度表示体D116の表示が「―――mg/L」の場合は、現在の炊飯器1の状態が「オフライン」であり、情報端末6により炊飯器1の水硬度の設定ができないことを知ることができる。
【0141】
また本実施形態の炊飯器1は、炊飯設定選択画面や、炊飯履歴選択画面や、お気に入り選択画面で選択操作することにより、情報端末6で炊飯設定情報を選択して設定することにより炊飯可能であり、炊飯設定選択画面や、炊飯履歴選択画面や、お気に入り選択画面における選択した炊飯設定情報の送信は、アプリ用都道府県選択画面G12やアプリ用水硬度数値選択画面G10における選択した水硬度の情報の送信と別個に行うことができる構成としている。
【0142】
このように構成することにより、例えば炊飯器1において水硬度の設定は頻繁に変更するものではないので、通常は水硬度以外の炊飯の設定である炊飯設定を炊飯器1に送信して炊飯器1の炊飯の設定を行ない、水質検査が行われて水硬度が更新されたときに水硬度の設定を炊飯器1に送信して炊飯器1の炊飯の設定を行なうなど、ユーザの用途に合わせて炊飯器1に送信する情報を選択することができる。
【0143】
また本実施形態の情報端末6は、水硬度の情報を更新する水質情報更新データとしての、水硬度情報提供部90からの水硬度の情報を送受信可能である構成としており、炊飯器1の記憶手段58に記憶された水硬度の情報が更新されていないときでも、炊飯器1で最新の水硬度の情報を使用して炊飯を行なうことができる。
【0144】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。例えば実施形態中で例示した数値などはあくまでも一例にすぎず、炊飯器1の仕様などに応じて適宜変更してかまわない。
【符号の説明】
【0145】
1 炊飯器
6 情報端末
61 炊飯制御手段(制御手段)
71 表示手段
75 操作手段
100 炊飯システム
A14~A16 ドラム表示領域(第2の水質情報)
A31~A38 都道府県表示領域(第1の水質情報)
C11 カーソル表示体(第2の水質情報)
G9 アプリ用水硬度選択画面(第2の水質情報が表示された画面)
G12 アプリ用都道府県選択画面(第1の水質情報が表示された画面)