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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151563
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】機器制御方法及び車載制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20241018BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20241018BHJP
【FI】
B60R16/02 630Z
G06F3/048
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065011
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 乘
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA09
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC07
5E555CA12
5E555CA17
5E555CA42
5E555CA47
5E555CB12
5E555DA22
5E555EA23
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】一つの入力部への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する場合に一部の制御を無効化できる機器制御方法及び車載制御装置を提供する。
【解決手段】一つの入力部40への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する場合に、車両のユーザの動作が、入力部40への操作に応じた機器への制御を無効化する所定動作であると判定したときは、複数の機器のうち所定動作に対応する機器について、入力部40への操作に応じた制御を無効化する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの入力部への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する車載制御装置により実行される機器制御方法において、
前記車載制御装置は、
車両のユーザの動作が、前記操作に応じた前記機器への制御を無効化する所定動作であるか否かを判定し、
前記ユーザの前記動作が前記所定動作であると判定した場合は、複数の前記機器のうち前記所定動作に対応する前記機器について、前記操作に応じた前記制御を無効化する、機器制御方法。
【請求項2】
前記車載制御装置は、
前記制御内容に従った前記制御を実行する実行条件を、前記制御内容と対応させて記憶し、
前記車両の状況が前記実行条件と一致するか否かを判定し、
前記車両の前記状況が前記実行条件と一致すると判定した場合は、前記制御内容に従った前記制御を実行する前に、前記ユーザに、前記実行条件に対応する前記制御内容を提示する、請求項1に記載の機器制御方法。
【請求項3】
前記車載制御装置は、
前記入力部が操作されたか否かを判定し、
前記入力部が操作されたと判定した場合は、制御対象となる対象機器を前記ユーザに提示する提示制御を実行し、
前記提示制御は、前記対象機器を所定時間だけ作動させる制御と、前記対象機器から効果音を出力する制御と、前記対象機器を発光させる制御とのうち少なくとも一つを含む、請求項1又は2に記載の機器制御方法。
【請求項4】
前記車載制御装置は、前記所定動作により前記操作に応じた前記制御が無効化された前記機器では前記提示制御を実行しない、請求項3に記載の機器制御方法。
【請求項5】
前記所定動作は、前記入力部が操作された場合に制御対象となる対象機器に指触することを含む、請求項1又は2に記載の機器制御方法。
【請求項6】
前記車載制御装置は、前記車両が停車中であるか走行中であるかに応じて、前記所定動作により前記操作に応じた前記制御を無効化するか否かを切り替える、請求項1又は2に記載の機器制御方法。
【請求項7】
前記車載制御装置は、前記ユーザの着座位置に応じて、前記所定動作により前記操作に応じた前記制御を無効化するか否かを切り替える、請求項1又は2に記載の機器制御方法。
【請求項8】
前記車両は、前記入力部が操作された場合に制御対象となる対象機器の近傍に配置された物理的な入力装置を備え、
前記車載制御装置は、
物理的な前記入力装置が操作されたか否かを判定し、
物理的な前記入力装置が操作されたと判定した場合は、前記ユーザが前記所定動作を行ったと認識する、請求項1又は2に記載の機器制御方法。
【請求項9】
前記車載制御装置は、前記車両の車室内に設置されたカメラの撮像画像から前記ユーザの前記動作を認識する、請求項1又は2に記載の機器制御方法。
【請求項10】
前記車載制御装置は、
前記車両の車室内に設置されたマイクロフォンから音声を取得し、
前記音声から、前記操作に応じた前記機器への前記制御を無効化する前記音声を検出し、
前記操作に応じた前記機器への前記制御を無効化する前記音声を検出した場合は、前記ユーザが前記所定動作を行ったと認識する、請求項1又は2に記載の機器制御方法。
【請求項11】
前記車載制御装置は、
前記所定動作により前記操作に応じた前記制御が無効化された前記機器に対して再度、前記所定動作が行われたか否かを判定し、
前記所定動作により前記操作に応じた前記制御が無効化された前記機器に対して再度、前記所定動作が行われたと判定した場合は、前記機器への前記制御を有効化する、請求項1又は2に記載の機器制御方法。
【請求項12】
前記車載制御装置は、
前記所定動作により前記操作に応じた前記制御が無効化された前記機器と、前記制御が無効化されたこととを対応させて無効化履歴として記憶し、
前記無効化履歴に基づいて前記制御内容を変更する又は前記制御内容と異なる新たな制御内容を生成する、請求項1又は2に記載の機器制御方法。
【請求項13】
一つの入力部への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する車載制御装置であって、
車両のユーザの動作が、前記操作に応じた前記機器への制御を無効化する所定動作であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部が、前記ユーザの前記動作が前記所定動作であると判定した場合は、複数の前記機器のうち前記所定動作に対応する前記機器について、前記操作に応じた前記制御を無効化する無効化部とを備える、車載制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御方法及び車載制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザの操作に応じて、複数の機器を制御対象とする複数の操作を規定したショートカットを記憶し、1回のショートカット実行指示に応じて、ショートカットに規定された複数の操作を実行するための複数のコマンドを複数の機器に送信する車載制御装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6094350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、ショートカット実行指示に応じて送信される複数のコマンドのうち一部を無効化することは開示されていない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、一つの入力部への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する場合に一部の制御を無効化できる機器制御方法及び車載制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一つの入力部への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する場合に、車両のユーザの動作が、入力部への操作に応じた機器への制御を無効化する所定動作であると判定したときは、複数の機器のうち所定動作に対応する機器について、入力部への操作に応じた制御を無効化することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一つの入力部への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する場合に、一部の制御を無効化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る機器制御システムの実施形態の一例を示すブロック図である。
図2図1の機器制御システムを構成する装置の配置の一例を示す正面図である。
図3】本実施形態の制御内容の一例を示す図である。
図4図1の入力部の一例を示す図である。
図5図1の機器制御システムにおける処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6図1の機器制御システムにおける処理手順の他の例を示すフローチャートである。
図7図1の機器制御システムにおける処理手順のまた他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
[機器制御システムの構成]
図1は、本発明に係る機器制御システムの実施形態の一例を示すブロック図である。機器制御システム10は、車載機器と車両に接続された機器とを制御する装置群である。車載機器とは、特に、車両のユーザが操作できる車載機器であり、例えば、空調装置、ナビゲーション装置、音響装置(例えばラジオ)、窓の開閉装置などの、車両の速度制御及び操舵制御に直接用いない車載機器である。つまり、車両の加減速及び転舵のための機構(ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダルなど)以外の車載機器である。また、車両に接続された機器とは、ユーザの通信端末(例えばスマートフォン、タブレット)、スピーカとマイクロフォンを備えるヘッドセットなどである。なお、ユーザは、車両を利用する者であれば特に限定されず、車両の乗員に加え、車両を介して提供されるサービスの利用者も含まれる。
【0011】
図1に示すように、機器制御システム10は、カメラ11、マイクロフォン12、センサ13、入力装置14、対象機器15、表示装置16及び車載制御装置20を備える。これらの装置は、車両に搭載され、CAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続されて互いに情報を授受できる。また、機器制御システム10は、車外の装置として、図示しないネットワークを介して車載制御装置20と接続したサーバ24を備える。ネットワークとは、インターネットやLAN(local area network)などの電気通信回線網のことをいい、車載制御装置20との間で情報を授受できれば特に限定されない。
【0012】
カメラ11は、対象物の画像を取得する装置であり、例えば、CCDなどの撮像素子を備えるカメラ、超音波カメラ、赤外線カメラなどである。カメラ11は、車両の周囲の対象物を撮像する車外カメラと、車室内の対象物を撮像する車内カメラとを含む。車外カメラは、車両のフロントグリル部、左右ドアミラーの下部、リアバンパ近傍などに搭載され、車内カメラは、ウィンドシールド上部のルームミラー(後写鏡)に設置される。
【0013】
対象物は、車外及び車室内の物体である。車外の物体としては、道路の車線境界線、中央線、路面標識、中央分離帯、ガードレール、縁石、道路標識、信号機、横断歩道などが挙げられる。また、対象物には、自車両以外の自動車(他車両)、自動二輪車、自転車、歩行者など、車両の走行に影響を与え得る障害物も含まれる。一方、車室内の物体としては、乗員、インストルメントパネル、スイッチ、ステアリングホイール、シフトレバーなどが挙げられる。
【0014】
マイクロフォン12は、車室内の音を音声データとして取得する装置であり、例えば、スタンドマイク、接話型マイク、ガンマイクなどである。マイクロフォン12で取得される音声は車両の車室内の音声であり、乗員が発する声、図示しないスピーカから出力される音声などが含まれる。マイクロフォン12は、車室内の音声を検出できる範囲内で適宜の位置に設置でき、その台数は、音声の検出範囲と車室の大きさに応じて適宜の台数とする。
【0015】
センサ13は、車両の走行状態と、車両の周囲の走行環境とを検出する装置である。センサ13としては、車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ、舵角センサ、温度センサなどが挙げられる。温度センサは、車室内の気温と車外の外気気温とを測定する。センサの種類、数及び位置は、検出対象を適切に検出できる範囲内で適宜に設定できる。
【0016】
入力装置14は、ユーザが車載制御装置20に指示を入力するための装置又は部位である。入力装置14としては、乗員の指触により入力されるタッチパネル、車両のステアリングホイールに取付けられたスイッチ、インストルメントパネル又はセンターコンソールに設けられたボタンなどが挙げられる。また、乗員の音声により指示を入力する場合は、マイクロフォン12が入力装置14となる。さらに、車外のユーザが車載制御装置20に指示を入力する場合は、ユーザの携帯端末などが入力装置14となる。
【0017】
対象機器15は、後述する入力部が操作された場合に車載制御装置20の制御対象となる、車載機器及び車両に接続された機器である。つまり、車載制御装置20は、入力部の操作に応じて対象機器15の動作を制御する。具体的には、対象機器15の作動、対象機器15の停止及び対象機器15の設定の変更のうち少なくとも一つを実行する。
【0018】
表示装置16は、車載制御装置20から出力された情報を取得し、車両のユーザに当該情報を表示する装置である。表示装置16は、例えば、インストルメントパネルに設けられた液晶ディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ(HUD)のようなプロジェクターなどである。また、表示装置16は、タッチスクリーンとしてタッチパネル(入力装置14)と一体となっていてもよく、タッチスクリーンには、入力装置14に対応するアイコンを表示してもよい。さらに、表示装置16は、出力装置としてスピーカを備えていてもよい。
【0019】
図2は、車両の運転席と助手席の間から前方を見た場合の正面図であり、機器制御システム10を構成する各装置の配置の一例を示す。図2に示す車両では、運転席は、進行方向に対して右側に設けられ、助手席は、進行方向に対して左側に設けられている。運転席の正面には、ステアリングホイール31とインストルメントパネル32とが設けられている。また、インストルメントパネル32の上方において、ルームミラー33がルーフに取付けられている。さらに、対象機器15である空調装置の吹出口34が、インストルメントパネル32に設けられている。
【0020】
図2に示す例では、機器制御システム10を構成する装置として、ルームミラー33に車内カメラ(カメラ11)が取付けられ、インストルメントパネル32の車幅方向の中央部分にマイクロフォン12が配置され、マイクロフォン12の下側にタッチスクリーン16a(表示装置16)が設置されている。また、タッチスクリーン16aの左側にスピーカ16bが配置されている。さらに、ステアリングホイール31に入力装置14aが配置され、空調装置の吹出口34の左側に入力装置14bが配置されている。
【0021】
図1に戻り、車載制御装置20は、機器制御システム10を構成する各装置を制御して協働させる装置である。車載制御装置20は、例えばコンピュータであり、プロセッサであるCPU(Central Processing Unit)と、プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とを備える。CPUは、ROMに格納されたプログラムを実行し、車載制御装置20が有する機能を実現するための動作回路である。
【0022】
[車載制御装置の機能]
車載制御装置20は、一つの入力部への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器(対象機器15)を制御する機器制御機能を有する。車載制御装置20のROMには機器制御機能を実現するためのプログラムが格納されており、CPUが当該プログラムを実行することで機器制御機能が実現される。なお、一つの入力部により制御内容に従って複数の機器を制御するとは、一つの入力部に複数の機器が対応していることを意味し、入力部が単一であることは意味しない。つまり、入力部は複数存在してもよい。
【0023】
制御内容とは、機器を制御する場合に目標となる機器の状態であり、機器ごとに予め設定されている。設定された制御内容の一例を図3に示す。図3に示す番号1は、車両のユーザが勤務先から帰宅する場面で実行される制御であり、運転席の窓の開度を50%に設定し、エアコンの設定温度を21℃に設定し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)用のアプリXを起動することが制御内容として設定されている。一方、番号2は、ユーザが車内で待機している場面で実行される制御であり、運転席の窓の開度を全開(100%)に設定し、ラジオを起動し、SNS用のアプリYを起動することが制御内容として設定されている。
【0024】
これらの制御内容は、ユーザにより機器ごとに設定され、サーバ24に記憶される。又はこれに代え、これらの制御内容は、車載制御装置20の生成部23の機能により生成され、サーバ24に記憶されてもよい。例えば、ユーザが車両に対して行った操作に関する操作情報を、ユーザが操作を行った状況と対応させてサーバ24に蓄積し、状況ごとに実行される頻度が高い操作(例えば、実行される頻度が上位1位~5位の操作)を抽出し、制御内容を生成する。
【0025】
操作は、ユーザが入力装置14に入力した操作であれば特に限定されず、車載機器のスイッチ、ステアリングホイール、シフトレバー、通信端末などに入力されたあらゆる操作が含まれる。例えば、タッチスクリーン16aへの指触による操作、ステアリングホイールに取付けられた入力装置14aへの操作などが挙げられる。操作を行った状況とは、例えば、車両の走行状態、車両の走行シーン、ユーザの状態などであり、操作時刻並びに操作時の天気、車室内の気温及び車両の走行位置などが含まれる。
【0026】
また、制御内容に従った制御を実行する場面を示す実行条件を、制御内容と対応させて記憶してもよい。例えば、番号1の制御は、ユーザが勤務先から帰宅する場面で実行されるため、番号1の制御には実行条件として「帰宅時」が対応付けられている。一方、番号2の制御は、ユーザが車内で待機している場面で実行されるため、番号2の制御には実行条件として「待機時」が対応付けられている。
【0027】
入力部とは、入力装置14のうち機器制御機能に用いる入力装置14のことを言う。つまり、一部又は全部の入力装置14に対し、操作に応じて複数の対象機器15を制御するための制御内容が予め設定されている。入力部の一例を図4に示す。図4に示す入力部40は、図2に示すタッチスクリーン16aに表示されたアイコンであり、図3の番号1の制御内容に対応している。図4に示すように、入力部40は、条件表示部41、切替部42、変更部43、項目表示部44及び項目追加部45を有する。
【0028】
条件表示部41は、入力部40が操作され、制御内容に従った制御が実行される場面を示す。図4に示す条件表示部41には、図3に示す番号1の実行条件が表示されている。切替部42は、入力部40の作動状態を切替える部位であり、トグルが右側にあれば作動中(ON)の状態を示し、左側にあれば停止中(OFF)の状態を示す。変更部43は、ユーザが制御内容を変更する場合に操作するボタンであり、ユーザが変更部43を操作した(押した)場合は、項目表示部44に表示された各制御項目を変更できるようになる。項目表示部44は、制御内容に対応する項目を示し、項目の右側に表示されたトグルスイッチにより、各項目の有効と無効とを切替える。図4に示す項目表示部44には、図3に示す制御内容に対応する項目が表示されている。ユーザが項目表示部44に新たな項目を追加する場合は、項目追加部45を操作する。ユーザが項目追加部45を操作した場合は、追加可能な項目がリスト形式で表示される。
【0029】
追加可能な項目とは、例えば、条件表示部41に表示された実行条件(場面)と同様の実行条件に関連付けられた項目である。車載制御装置20は、追加可能な項目として、条件表示部41に表示された実行条件(場面)と同様の実行条件に関連付けられた項目のみをユーザに提示してもよい。また、項目が設定されていない実行条件(場面)については、項目表示部44には項目追加部45のみが表示される。ユーザは、項目追加部45を操作して追加可能な項目を追加する。
【0030】
本実施形態の車載制御装置20は、機器制御機能により複数の機器を制御する場合に、一部の機器への制御を無効化する無効化機能を有する。車載制御装置20のROMには、機器制御機能と共に無効化機能を実現するためのプログラムが格納されている。図1に、無効化機能を実現する機能ブロックとして判定部21、無効化部22及び生成部23を便宜的に抽出して示す。以下、これらの機能ブロックが有する機能について説明する。
【0031】
車載制御装置20は、例えば、入力部への1回目の操作が行われた場合に予備的な制御を実行し、入力部への2回目の操作が行われた場合に対象機器15の制御を実行する。この場合、車載制御装置20は、判定部21の機能により、入力部40が操作されたか否かを判定する。例えば、図2に示す入力装置14aが、制御内容が予め設定された入力部である場合に、入力装置14aから出力された操作情報が取得されたときは、車載制御装置20は、入力部40が操作されたと判定する。また、車載制御装置20は、カメラ11及びマイクロフォン12の検出結果からユーザの動作を認識してもよい。例えば、図2に示すマイクロフォン12により取得した音声から、入力部40による機器制御を要望する音声が検出された場合は、車載制御装置20は、入力部40が操作されたと判定する。
【0032】
また、車載制御装置20は、入力部への1回目の操作が行われた場合に対象機器15の制御を実行してもよい。この場合、車載制御装置20は、判定部21の機能により、第1所定時間内に入力部40が操作される状況であるか否かを判定する。例えば、車載制御装置20は、車室内に設置されたカメラ11の撮像画像を取得し、撮像画像から、ユーザの手の位置を検出する。そして、タッチスクリーン16aに表示された入力部40にユーザの手が近づいているか否かを判定し、ユーザの手が入力部40に近づいており、第1所定時間内に入力部40が操作されると判定した場合は、車載制御装置20は、第1所定時間内に入力部40が操作される状況であると判定する。なお、第1所定時間は、ユーザが入力部40を操作するまでにユーザに制御内容を提示できる範囲内で適宜の時間を設定できる。
【0033】
車載制御装置20は、入力部40が操作されたと判定した場合及び第1所定時間内に入力部40が操作される状況であると判定した場合は、予備的な動作である、対象機器15をユーザに提示する提示制御を実行する。これに対し、入力部40が操作されなかったと判定した場合及び第1所定時間内に入力部40が操作される状況でないと判定した場合は、車載制御装置20は、提示制御を実行しない。提示制御は、ユーザに対象機器15を明示する制御であれば特に限定されない。
【0034】
対象機器15を他の機器より強調してユーザに明示する場合は、提示制御は、対象機器15を第2所定時間だけ作動させる制御と、対象機器15から効果音を出力する制御と、対象機器15を発光させる制御とのうち少なくとも一つを含む。例えば、図2に示す車両の空調装置が対象機器15である場合は、第2所定時間だけ吹出口34から空気を吹出す。また、ユーザの携帯端末が対象機器15である場合は、携帯端末のスピーカから効果音を出力すると共に、ディスプレイの明るさをより明るい設定に変更する。なお、第2所定時間は、ユーザが対象機器15を認識できる範囲内で適宜の時間を設定できる。
【0035】
なお、入力部40が操作されたか否かの判定と、第1所定時間内に入力部40が操作される状況であるか否かの判定と、提示制御の実行とは、本発明に必須の構成ではなく、必要に応じて省略してもよい。
【0036】
入力部40が操作されたと判定された場合及び第1所定時間内に入力部40が操作される状況であると判定された場合は、車載制御装置20は、判定部21の機能により、ユーザの動作を認識する。車載制御装置20は、例えば、車両の車室内に設置されたカメラ11の撮像画像からユーザの動作を認識する。一例として、図2に示すカメラ11により取得された画像から、運転者の身体の関節の位置を検出し、関節の位置関係から運転者の動作を認識する。
【0037】
車載制御装置20は、認識したユーザの動作が、入力部40への操作に応じた対象機器15への制御を無効化する所定動作であるか否かを判定する。所定動作とは、ユーザが、入力部40への操作に応じた制御が無効化される対象機器15を指定する動作であり、対象機器15ごとに予め設定されている。所定動作は、例えば、指定された対象機器15が直感的に認識できる動作であり、一例として、ユーザが、入力部40が操作された場合に制御対象となる対象機器15に指触することを含む。また、所定動作は、ステアリングホイール31を左右に回転させること、シフトレバー又は方向指示器レバーを把持すること、ブレーキペダルを操作することなどを含む。
【0038】
また、車載制御装置20は、車両の車室内に設置されたマイクロフォン12から音声を取得し、取得した音声から、入力部40への操作に応じた機器への制御を無効化する音声を検出した場合は、ユーザが所定動作を行ったと認識してもよい。例えば、図2に示すマイクロフォン12により取得した音声から、図示しないナビゲーション装置による案内が不要であることを示す音声が検出された場合は、車載制御装置20は、ユーザが、ナビゲーション装置のアプリを起動させる制御を無効化する動作を行ったと認識する。
【0039】
車載制御装置20は、判定部21の機能により、ユーザの動作が所定動作であると判定した場合は、無効化部22の機能により、複数の対象機器15のうち所定動作に対応する機器について、入力部40への操作に応じた制御を無効化する。つまり、所定動作により指定された対象機器15については、入力部40への操作に応じた制御を実行しない。これに対し、ユーザの動作が所定動作でないと判定した場合は、車載制御装置20は、所定動作による制御の無効化を行わない。
【0040】
例えば、図4に示す切替部42を操作した場合は、運転席の窓を上下に移動させる機構が作動し、窓の開度が50%となるように窓が上方向又は下方向に移動する。この場合に、ユーザが運転席の窓に触れる動作を行った場合は、車載制御装置20は、ユーザが、窓の開度を50%とする制御を無効化する動作を行ったと判定する。そして、車載制御装置20は、窓の開度を50%とする制御を無効化する。
【0041】
また、切替部42を操作した場合は、設定温度を21℃として車両の空調装置が作動する。この場合に、ユーザが、図2に示す吹出口34に触れた場合は、車載制御装置20は、ユーザが、空調装置を作動させる制御を無効化する動作を行ったと判定する。そして、車載制御装置20は、空調装置を作動させる制御を無効化する。
【0042】
さらに、切替部42を操作した場合は、アプリXが起動し、図2に示すタッチスクリーン16a又は車外のユーザの携帯端末(図示しない)にアプリXの画像が表示される。この場合に、車外のユーザが、携帯端末を左右方向に複数回(例えば5回以上)繰り返して移動させた場合は、車載制御装置20は、ユーザが、アプリXを起動させる制御を無効化する動作を行ったと判定する。そして、車載制御装置20は、アプリXを起動させる制御を無効化する。
【0043】
車載制御装置20は、所定動作により制御が無効化された対象機器15では、提示制御を実行しない。ただし、所定動作により制御が無効化された対象機器15に対して再度、所定動作が行われたか否かを判定し、再度、所定動作が行われたと判定した場合は、車載制御装置20は、制御が一度無効化された対象機器15について、入力部40への操作に応じた制御を有効化してもよい。例えば、図4に示す切替部42を操作した後に、ユーザが運転席の窓に触れる動作を行った場合は、車載制御装置20は、窓の開度を50%とする制御を無効化する。その後、ユーザが運転席の窓に触れる動作を再度行った場合は、車載制御装置20は、窓の開度を50%とする制御を有効化する。
【0044】
そして、車載制御装置20は、入力部への1回目の操作が行われて提示制御を実行した後に、入力部への2回目の操作が行われた場合は、入力部40への操作に応じた制御が無効化されていない対象機器15に対して、制御内容に従った制御を実行する。これに代え、車載制御装置20は、第1所定時間内に入力部40が操作される状況であると判定されて提示制御を実行した後に、入力部への1回目の操作が行われた場合は、入力部40への操作に応じた制御が無効化されていない対象機器15に対して、制御内容に従った制御を実行してもよい。
【0045】
また、車載制御装置20は、制御内容に従った制御を実行する実行条件を、制御内容と対応させて記憶している場合は、車両の状況が実行条件と一致するか否かを判定してもよい。車両の状況が実行条件と一致すると判定した場合は、制御内容に従った制御を実行する前に、ユーザに、実行条件に対応する制御内容を提示する。これに対し、車両の状況が実行条件と一致しないと判定した場合は、ユーザに、実行条件に対応する制御内容を提示しない。
【0046】
制御内容を提示することは、制御内容を表示装置16に表示することと、表示装置16のスピーカ16bから制御内容の音声を出力することとのうち少なくとも一方を含む。また、車両の状況が実行条件と一致するか否かの判定を行うタイミングは、入力部への1回目の操作により提示制御が実行され、入力部への2回目の操作により対象機器15の制御が実行される場合は、1回目の操作が行われた後から2回目の操作が行われるまでの間である。また、入力部への1回目の操作により対象機器15の制御が実行される場合は、第1所定時間内に入力部40が操作される状況であると判定された後から1回目の操作が行われるまでの間である。
【0047】
車両の状況が実行条件と一致するか否かの判定の例として、車載制御装置20は、センサ13から車両の現在位置の情報を取得する。次に、車両の現在位置の情報と、車載制御装置20内の現在時刻の情報とから車両の状況(走行シーン)を推定する。例えば、平日の夕方の時刻に車両の現在位置が勤務先である場合は、運転者が車両により帰宅する状況であると推定する。そして、予め設定された実行条件の中に、推定した状況と一致するものがあるか否かを判定する。実行条件の中に、推定した状況と一致するものがあると判定した場合は、一致する実行条件に対応する制御内容をユーザに提示する。これに対し、実行条件の中に、推定した状況と一致するものがないと判定した場合は、制御内容をユーザに提示しない。
【0048】
車載制御装置20は、車両が停車中であるか走行中であるかに応じて、入力部40への操作に応じた制御を所定動作で無効化するか否かを切り替えてもよい。例えば、車両が走行中である場合は、運転者がステアリングホイール31から手を離すことを抑制するため、車載制御装置20は吹出口34やタッチスクリーン16aに触れる所定動作を受け付けない。また、車載制御装置20は、ユーザの着座位置に応じて、入力部40への操作に応じた制御を所定動作で無効化するか否かを切り替えてもよい。例えば、図2に示す入力装置14bは運転席から離れているため、助手席に乗員が存在しない場合は、入力装置14bを操作しても空調装置への制御を無効化しない。
【0049】
また、入力部40が操作された場合に制御対象となる対象機器15の近傍に、物理的な入力装置14を配置してもよい。つまり、複数の入力装置14の一部は、スイッチ、ボタン、レバー、ダイヤルなど、機構の機械的な動作を介して電気的な信号を出力する物理的な入力装置14であり、対象機器15の近傍に配置されている。対象機器15の近傍とは、対象機器15に隣接する位置、対象機器15の周囲の位置など、ユーザが、物理的な入力装置14と対象機器15との関係を推定できる所定範囲内のことを言い、例えば、対象機器15から0.1cm~50cmの範囲内である。
【0050】
車載制御装置20は、上述の物理的な入力装置14が操作されたか否かを判定してもよい。物理的な入力装置14が操作されたと判定した場合は、車載制御装置20は、ユーザが所定動作を行ったと認識する。これに対し、物理的な入力装置14が操作されなかったと判定した場合は、車載制御装置20は、ユーザが所定動作を行っていないと認識する。例えば、図2に示す入力装置14bがボタンである場合に、助手席のユーザがボタンを操作したときは、車載制御装置20は、入力部40への操作により空調装置を作動させる制御を無効化する。
【0051】
車載制御装置20は、生成部23の機能により、所定動作により入力部40への操作に応じた制御が無効化された機器と、当該制御が無効化されたこととを対応させて無効化履歴として記憶し、無効化履歴に基づいて制御内容を変更する又は制御内容と異なる新たな制御内容を生成してもよい。例えば、図4に示す入力部40を操作した場合に、入力装置14bを操作することで空調装置を作動させる制御を無効化したときは、空調装置を無効化したことを無効化履歴としてサーバ24に記憶する。そして、無効化履歴に基づき、入力部40の制御内容から空調装置を作動させる制御を削除する。
【0052】
[車載制御装置における処理]
図5~7を参照して、車載制御装置20が情報を処理する際の手順を説明する。図5は、本実施形態の機器制御システム10において実行される情報の処理を示すフローチャートの一例である。以下に説明する処理は、車載制御装置20が備えるプロセッサ(CPU)により実行される。
【0053】
まず、ステップS1にて、判定部21の機能により、入力部40が操作されたか否かを判定する。入力部40が操作されなかったと判定した場合は、ステップS1を繰り返す。これに対し、入力部40が操作されたと判定した場合は、ステップS2に進む。
【0054】
ステップS2にて、判定部21の機能により、提示制御を実行し、続くステップS3にて、カメラ11などを用いてユーザの動作を検出する。ステップS4にて、ユーザの動作が所定動作であるか否かを判定する。ユーザの動作が所定動作でないと判定した場合は、ステップS9に進む。これに対し、ユーザの動作が所定動作であると判定した場合は、ステップS5に進む。
【0055】
ステップS5にて、無効化部22の機能により、所定動作に対応する対象機器15の制御を無効化し、続くステップS6にて、制御が無効化された対象機器15において提示制御の実行を停止する。ステップS7にて、無効化部22の機能により、制御が無効化された対象機器15に対して再度所定動作が行われたか否かを判定する。制御が無効化された対象機器15に対して再度所定動作が行われたと判定した場合は、ステップS8に進み、所定動作に対応する対象機器15の制御を有効化し、ステップS9に進む。これに対し、制御が無効化された対象機器15に対して再度所定動作が行われなかったと判定した場合は、ステップS9進む。
【0056】
ステップS9にて、無効化部22の機能により、入力部40が再度操作されたか否かを判定する。入力部40が再度操作されなかったと判定した場合は、ステップS9を繰り返す。これに対し、入力部40が再度操作されたと判定した場合は、ステップS10に進み、所定動作により無効化されていない制御を実行する。
【0057】
なお、図5に示すフローチャートのステップS1~S2及びステップS6~S10は本発明に必須のステップではなく、必要に応じて省略してもよい。また、ステップS1を、第1所定時間内に入力部40が操作される状況であるか否かを判定するステップに置き換え、ステップS9を、入力部40が操作されたか否かを判定するステップに置き換えてもよい。
【0058】
次に、図6は、本実施形態の機器制御システム10において実行される情報の処理を示すフローチャートの他の例である。以下に説明する処理は、対象機器15の制御が実行されるまでの任意のタイミングで、車載制御装置20が備えるプロセッサ(CPU)により実行される。
【0059】
まず、ステップS21にて、判定部21の機能により、制御内容と実行条件を対応させてサーバ24などに記憶し、続くステップS22にて、サーバ24などから実行条件を取得する。ステップS23にて、車両の現在の状況が、取得した実行条件を満たすものであるか否かを判定する。車両の現在の状況が、取得した実行条件を満たすものであると判定した場合は、ステップS24に進み、実行条件に対応する制御内容をユーザに提示する。これに対し、車両の現在の状況が、取得した実行条件を満たすものでないと判定した場合は、ルーチンの実行を終了する。
【0060】
次に、図7は、本実施形態の機器制御システム10において実行される情報の処理を示すフローチャートのまた他の例である。以下に説明する処理は、車載制御装置20が備えるプロセッサ(CPU)により実行される。
【0061】
まず、ステップS41にて、生成部23の機能により、入力部40への操作に応じた制御が無効化された機器と、制御を無効化したことを対応させて無効化履歴として記憶し、続くステップS42にて、サーバ24などから無効化履歴を取得する。続くステップS43にて、無効化履歴に基づいて制御内容を変更し又は新たな制御内容を生成し、続くステップS44にて、変更した又は新たな制御内容を、表示装置16などを用いてユーザに提示する。
【0062】
なお、図6及び7に示すフローチャートの処理は、本発明に必須の処理ではなく、必要に応じて省略してもよい。
【0063】
[本発明の実施態様]
以上のとおり、本実施形態によれば、一つの入力部40への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する車載制御装置20により実行される機器制御方法において、前記車載制御装置20は、車両のユーザの動作が、前記操作に応じた前記機器への制御を無効化する所定動作であるか否かを判定し、前記ユーザの前記動作が前記所定動作であると判定した場合は、複数の前記機器のうち前記所定動作に対応する前記機器について、前記操作に応じた前記制御を無効化する、機器制御方法が提供される。これにより、一つの入力部40への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する場合に、一部の制御を無効化できる。
【0064】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記車載制御装置20は、前記制御内容に従った前記制御を実行する実行条件を、前記制御内容と対応させて記憶し、前記車両の状況が前記実行条件と一致するか否かを判定し、前記車両の前記状況が前記実行条件と一致すると判定した場合は、前記制御内容に従った前記制御を実行する前に、前記ユーザに、前記実行条件に対応する前記制御内容を提示する。これにより、制御内容に従った制御が実行される前に、ユーザが制御内容を把握できる。
【0065】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記車載制御装置20は、前記入力部40が操作されたか否かを判定し、前記入力部40が操作されたと判定した場合は、制御対象となる対象機器15を前記ユーザに提示する提示制御を実行し、前記提示制御は、前記対象機器15を所定時間(第2所定時間)だけ作動させる制御と、前記対象機器15から効果音を出力する制御と、前記対象機器15を発光させる制御とのうち少なくとも一つを含む。これにより、ユーザが直感的に対象機器15を把握できる。
【0066】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記車載制御装置20は、前記所定動作により前記操作に応じた前記制御が無効化された前記機器では前記提示制御を実行しない。これにより、入力部40への操作に応じた制御が無効化された機器について、ユーザが、制御が無効化されていないと誤って認識することを抑制できる。
【0067】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記所定動作は、前記入力部40が操作された場合に制御対象となる対象機器15に指触することを含む。これにより、より正確に所定動作を検出できる。
【0068】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記車載制御装置20は、前記車両が停車中であるか走行中であるかに応じて、前記所定動作により前記操作に応じた前記制御を無効化するか否かを切り替える。これにより、運転者の運転操作を阻害することを抑制できる。
【0069】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記車載制御装置20は、前記ユーザの着座位置に応じて、前記所定動作により前記操作に応じた前記制御を無効化するか否かを切り替える。これにより、運転者の運転操作を阻害することを抑制できる。
【0070】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記車両は、前記入力部40が操作された場合に制御対象となる対象機器15の近傍に配置された物理的な入力装置14を備え、前記車載制御装置20は、物理的な前記入力装置14が操作されたか否かを判定し、物理的な前記入力装置14が操作されたと判定した場合は、前記ユーザが前記所定動作を行ったと認識する。これにより、より正確に所定動作を検出できる。
【0071】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記車載制御装置20は、前記車両の車室内に設置されたカメラ11の撮像画像から前記ユーザの前記動作を認識する。これにより、入力部40から出力された操作情報を用いずに、ユーザが所定動作を行ったか否かを判定できる。
【0072】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記車載制御装置20は、前記車両の車室内に設置されたマイクロフォン12から音声を取得し、前記音声から、前記操作に応じた前記機器への前記制御を無効化する前記音声を検出し、前記操作に応じた前記機器への前記制御を無効化する前記音声を検出した場合は、前記ユーザが前記所定動作を行ったと認識する。これにより、入力部40から出力された操作情報を用いずに、ユーザが所定動作を行ったか否かを判定できる。
【0073】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記車載制御装置20は、前記所定動作により前記操作に応じた前記制御が無効化された前記機器に対して再度、前記所定動作が行われたか否かを判定し、前記所定動作により前記操作に応じた前記制御が無効化された前記機器に対して再度、前記所定動作が行われたと判定した場合は、前記機器への前記制御を有効化する。これにより、誤って制御が無効化された機器について、制御を有効化できる。
【0074】
また、本実施形態の機器制御方法によれば、前記車載制御装置20は、前記所定動作により前記操作に応じた前記制御が無効化された前記機器と、前記制御が無効化されたこととを対応させて無効化履歴として記憶し、前記無効化履歴に基づいて前記制御内容を変更する又は前記制御内容と異なる新たな制御内容を生成する。これにより、入力部40に対して設定された制御内容をユーザの好みに合わせて自動的に変更できる。
【0075】
また、本実施形態によれば、一つの入力部40への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する車載制御装置20であって、車両のユーザの動作が、前記操作に応じた前記機器への制御を無効化する所定動作であるか否かを判定する判定部21と、前記判定部21が、前記ユーザの前記動作が前記所定動作であると判定した場合は、複数の前記機器のうち前記所定動作に対応する前記機器について、前記操作に応じた前記制御を無効化する無効化部22とを備える、車載制御装置20が提供される。これにより、一つの入力部40への操作に応じて、予め設定された制御内容に従って複数の機器を制御する場合に、一部の制御を無効化できる。
【符号の説明】
【0076】
10…機器制御システム
11…カメラ
12…マイクロフォン
13…センサ
14,14a、14b…入力装置
15…対象機器
16…表示装置
16a…タッチスクリーン
16b…スピーカ
20…車載制御装置
21…判定部
22…無効化部
23…生成部
24…サーバ
31…ステアリングホイール
32…インストルメントパネル
33…ルームミラー
34…吹出口
40…入力部
41…条件表示部
42…切替部
43…変更部
44…項目表示部
45…項目追加部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7