特開 2024-151568 車両用灯具

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024151568

(43)【公開日】2024-10-25

(54)【発明の名称】車両用灯具

(51)【国際特許分類】

   F21S 43/31 20180101AFI20241018BHJP

   F21S 41/33 20180101ALI20241018BHJP

   F21S 45/37 20180101ALI20241018BHJP

   F21S 45/33 20180101ALI20241018BHJP

   F21W 103/10 20180101ALN20241018BHJP

   F21W 103/20 20180101ALN20241018BHJP

   F21W 103/40 20180101ALN20241018BHJP

   F21W 103/55 20180101ALN20241018BHJP

   F21W 103/35 20180101ALN20241018BHJP

   F21W 102/30 20180101ALN20241018BHJP

   F21W 103/45 20180101ALN20241018BHJP

   F21Y 101/00 20160101ALN20241018BHJP

   F21Y 115/10 20160101ALN20241018BHJP

   F21Y 115/30 20160101ALN20241018BHJP

   F21W 102/00 20180101ALN20241018BHJP

【ＦＩ】

F21S43/31

F21S41/33

F21S45/37

F21S45/33

F21W103:10

F21W103:20

F21W103:40

F21W103:55

F21W103:35

F21W102:30

F21W103:45

F21Y101:00 100

F21Y115:10

F21Y115:30

F21Y101:00 300

F21W102:00

【審査請求】未請求

【請求項の数】5

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023065022

(22)【出願日】2023-04-12

(71)【出願人】

【識別番号】000002303

【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100149548

【弁理士】

【氏名又は名称】松沼 泰史

(74)【代理人】

【識別番号】100179833

【弁理士】

【氏名又は名称】松本 将尚

(74)【代理人】

【識別番号】100175824

【弁理士】

【氏名又は名称】小林 淳一

(72)【発明者】

【氏名】▲高▼井 美穂

(72)【発明者】

【氏名】山本 知幸

(72)【発明者】

【氏名】吉原 知史

(72)【発明者】

【氏名】三浦 直樹

(57)【要約】

【課題】リフレクタに設けられた呼吸孔を目立たなくすることによって、リフレクタの反射面の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供する。
【解決手段】光源２と、光源２から出射された光を正面側に向けて反射する反射面３を含むリフレクタ３０とを備え、反射面３は、当該反射面３の面内において互いに交差する方向に並んで分割された複数の反射領域３ａを有し、複数の反射領域３ａの境界を区画する分割ラインＣＬの互いに交差する交点に位置して、リフレクタ３０を貫通する少なくとも１つの呼吸孔５が設けられている。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

光源と、
前記光源から出射された光を正面側に向けて反射する反射面を含むリフレクタとを備え、
前記反射面は、当該反射面の面内において互いに交差する方向に並んで分割された複数の反射領域を有し、
前記複数の反射領域の境界を区画する分割ラインの互いに交差する交点上に位置して、前記リフレクタを貫通する少なくとも１つの呼吸孔が設けられていることを特徴とする車両用灯具。

【請求項2】

前記反射面は、前記複数の反射領域の境界を区画する分割ラインの互いに交差する各交点上に位置して、前記反射領域よりも小さい複数のサブ反射領域を有し、
前記呼吸孔は、前記複数のサブ反射領域のうち、少なくとも１つのサブ反射領域を貫通して設けられていることを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。

【請求項3】

前記サブ反射領域は、前記交点の周囲に位置する４つの前記反射領域の角部を切り欠くように設けられていることを特徴とする請求項２に記載の車両用灯具。

【請求項4】

前記反射領域は、正面視で八角形を有し、
前記サブ反射領域及び前記呼吸孔は、正面視で菱形を有することを特徴とする請求項３に記載の車両用灯具。

【請求項5】

前記光源を含み、前記リフレクタに設けられた取付孔の周囲に着脱自在に取り付けられる光源ユニットを備えることを特徴とする請求項１に記載の車両用灯具。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、車両用灯具に関する。

【背景技術】

【0002】

例えば、光源と、光源から出射された光を正面側に向けて反射する反射面を含むリフレクタと、リフレクタの正面側を覆うことによって、リフレクタとの間で空間を形成するアウターレンズとを備える車両用灯具がある。

【0003】

このような車両用灯具では、リフレクタに呼吸孔を設けて、この呼吸孔を介して換気が行われることで、アウターレンズの内面に曇りが発生することを防止している。

【0004】

また、リフレクタに設けられた呼吸孔を目立たなくするため、反射面を複数の反射領域に分割する分割ラインに沿った位置に呼吸孔を設けることが行われている（例えば、下記特許文献１を参照。）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【特許文献1】特開２０００－１００２１７号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

しかしながら、上述した呼吸孔を分割ラインに沿った位置に設けた場合、この分割ラインが呼吸孔により分断されるため、分割ラインを挟んだ反射領域の間で呼吸孔がかえって目立ってしまうことがあった。特に、呼吸孔が大きくなるほど、この傾向が顕著となっている。

【0007】

本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、リフレクタに設けられた呼吸孔を目立たなくすることによって、リフレクタの反射面の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具を提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0008】

上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔１〕 光源と、
前記光源から出射された光を正面側に向けて反射する反射面を含むリフレクタとを備え、
前記反射面は、当該反射面の面内において互いに交差する方向に並んで分割された複数の反射領域を有し、
前記複数の反射領域の境界を区画する分割ラインの互いに交差する交点上に位置して、前記リフレクタを貫通する少なくとも１つの呼吸孔が設けられていることを特徴とする車両用灯具。
〔２〕 前記反射面は、前記複数の反射領域の境界を区画する分割ラインの互いに交差する各交点上に位置して、前記反射領域よりも小さい複数のサブ反射領域を有し、
前記呼吸孔は、前記複数のサブ反射領域のうち、少なくとも１つのサブ反射領域を貫通して設けられていることを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。
〔３〕 前記サブ反射領域は、前記交点の周囲に位置する４つの前記反射領域の角部を切り欠くように設けられていることを特徴とする前記〔２〕に記載の車両用灯具。
〔４〕 前記反射領域は、正面視で八角形を有し、
前記サブ反射領域及び前記呼吸孔は、正面視で菱形を有することを特徴とする前記〔３〕に記載の車両用灯具。
〔５〕 前記光源を含み、前記リフレクタに設けられた取付孔の周囲に着脱自在に取り付けられる光源ユニットを備えることを特徴とする前記〔１〕に記載の車両用灯具。

【発明の効果】

【0009】

以上のように、本発明によれば、リフレクタに設けられた呼吸孔を目立たなくすることによって、リフレクタの反射面の見栄えを良くすることを可能とした車両用灯具が提供される。

【図面の簡単な説明】

【0010】

【図1】本発明の一実施形態に係る車両用灯具の構成を示す正面図である。

【図2】図１に示す車両用灯具が備えるリフレクタの呼吸孔が設けられた位置を拡大した正面図である。

【図3】図１に示す車両用灯具の構成を示す背面図である。

【図4】図１中に示す線分Ａ－Ａによる車両用灯具の断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0011】

以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面においては、各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがあり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。

【0012】

本発明の一実施形態として、例えば図１～図４に示す車両用灯具１について説明する。
なお、図１は、車両用灯具１の構成を示す正面図である。図２は、車両用灯具１が備えるリフレクタの呼吸孔が設けられた位置を拡大した正面図である。図３は、車両用灯具１の構成を示す背面図である。図４は、図１中に示す線分Ａ－Ａによる車両用灯具１の断面図である。

【0013】

また、以下に示す図面では、ＸＹＺ直交座標系を設定し、Ｘ軸方向を車両用灯具１の前後方向（長さ方向）、Ｙ軸方向を車両用灯具１の左右方向（幅方向）、Ｚ軸方向を車両用灯具１の上下方向（高さ方向）として、それぞれ示すものとする。

【0014】

本実施形態の車両用灯具１は、例えば、車両（図示せず。）の後端側の両コーナー部（本実施形態では左後端側のコーナー部）に搭載されるリアコンビネーションランプのうち、ブレーキ時に赤色発光するブレーキランプ（ストップランプ）に本発明を適用したものである。

【0015】

なお、以下の説明において、「前」「後」「左」「右」「上」「下」との記載は、特に断りのない限り、車両用灯具１を正面（車両後方）から見たときのそれぞれの方向を意味するものとする。したがって、車両を正面（車両前方）から見たときのそれぞれの方向とは、前後左右を逆にした方向となっている。

【0016】

具体的に、この車両用灯具１は、図１～図４に示すように、光源２を含む光源ユニット２０と、光源２から出射された光を正面側（本実施形態では車両後方）に向けて反射する反射面３を含むリフレクタ３０と、リフレクタ３０の正面側を覆うことによって、リフレクタ３０との間で空間Ｋを形成するアウターレンズ４とを備えている。

【0017】

光源ユニット２０は、光源２となるＬＥＤランプ又は白熱ランプが取り付けられたハーネスソケットからなる。

【0018】

光源ユニット２０は、リフレクタ３０に設けられた取付孔３０ａを通してリフレクタ３０の背面側から光源２を内側に挿入した状態で、この取付孔３０ａの周囲に着脱自在に取り付けられている。

【0019】

リフレクタ３０は、図４に示す上下方向に沿った断面視において、光源２の中心（発光点）を焦点とする放物線を基調とした凹状の反射面３を有している。

【0020】

反射面３は、樹脂成形部材からなるリフレクタ３０の内面に、例えばアルミ蒸着膜などの反射膜が成膜されることによって形成されている。

【0021】

また、反射面３は、当該反射面３の面内において互いに交差する方向（本実施形態では上下方向及び左右方向）に並ぶ複数の反射領域３ａに分割された構造（いわゆるマルチリフレクタ構造）を有している。

【0022】

さらに、反射面３は、複数の反射領域３ａの境界を区画する分割ラインＣＬの互いに交差する各交点上に位置して、反射領域３ａよりも小さい複数のサブ反射領域３ｂを有している。

【0023】

サブ反射領域３ｂは、各交点の周囲に位置する４つの反射領域３ａの角部を切り欠くように設けられている。

【0024】

これにより、本実施形態では、反射領域３ａが正面視で八角形を有し、サブ反射領域３ｂが正面視で菱形を有している。

【0025】

なお、サブ反射領域３ｂについては、このような菱形を有する構成に必ずしも限定されるものではなく、例えば正面視で丸形を有する構成など、その形状について適宜変更することが可能である。

【0026】

また、反射領域３ａの形状についても、上述した八角形を有する構成に必ずしも限定されるものではなく、サブ反射領域３ｂの形状に合わせて適宜変更することが可能である。

【0027】

リフレクタ３０は、反射面３を構成する各反射領域３ａ及び各サブ反射領域３ｂに入射した光の反射方向を制御しながら、この反射面３により反射された光を正面側のアウターレンズ４に向けて照射する。

【0028】

アウターレンズ４は、例えばポリカーボネイトやアクリル等の透明樹脂やガラスなどの光透過性部材からなり、リフレクタ３０の反射面３により反射された光を車両後方に向けて透過させる。

【0029】

以上のような構成を有する本実施形態の車両用灯具１では、ブレーキ時に、ブレーキランプ（ストップランプ）として、リフレクタ３０の反射面３に対応した領域を赤色発光させることが可能である。

【0030】

ところで、本実施形態の車両用灯具１は、図１～図４に示すように、リフレクタ３０を貫通する少なくとも１つの呼吸孔５を有している。

【0031】

本実施形態の車両用灯具１では、この呼吸孔５を介して空間Ｋの換気が行われることで、アウターレンズ４の内面に曇りが発生することを防止できる。

【0032】

また、リフレクタ３０の背面には、この呼吸孔５を覆うフィルタ６が設けられている。フィルタ６には、不織布や紙、スポンジなどの通気性を有する部材を用いることができる。

【0033】

本実施形態の車両用灯具１において、呼吸孔５は、複数のサブ反射領域３ｂのうち、少なくとも１つ（本実施形態では１つ）のサブ反射領域３ｂを貫通して設けられている。また、呼吸孔５は、正面視でサブ反射領域３ｂと同じ菱形を有している。

【0034】

本実施形態の車両用灯具１では、上述した複数の反射領域３ａの境界を区画する分割ラインＣＬの互いに交差する交点に位置するサブ反射領域３ｂに呼吸孔５を設けることで、この呼吸孔５を従来よりも目立たなくすることが可能である。

【0035】

また、呼吸孔５をサブ反射領域３ｂと同じ形状とすることで、この呼吸孔５を更に目立たなくすることが可能である。

【0036】

したがって、本実施形態の車両用灯具１では、上述した呼吸孔５を目立たなくすることで、リフレクタ３０の反射面３の見栄えを良くすることが可能である。

【0037】

なお、本発明は、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。

【0038】

例えば、上記呼吸孔５については、リフレクタ３０とアウターレンズ４とにより構成される空間Ｋに合わせて、その配置や数を適宜変更して最適化することが可能である。

【0039】

なお、上記実施形態では、上述したリアコンビネーションランプを構成するブレーキランプ（ストップランプ）に本発明を適用した場合を例示したが、本発明が適用される車両用灯具については、上述したリア側の車両用灯具に限らず、フロント側の車両用灯具に本発明を適用することも可能である。

【0040】

すなわち、本発明が適用される車両用灯具については、上述したブレーキランプ（ストップランプ）に限らず、例えば、尾灯（テールランプ）や方向指示器（ターンランプ）、バックランプ、リッドランプ、車両用前照灯（ヘッドランプ）、車幅灯（ポジションランプ）、補助前照灯（サブヘッドランプ）、前部（後部）霧灯（フォグランプ）、昼間点灯用（デイタイム・ランニング）ランプなど、上述したリフレクタ３０とアウターレンズ４とにより空間Ｋを構成する車両用灯具に対して本発明を幅広く適用することが可能である。

【0041】

上記光源２については、上述したＬＥＤランプや白熱ランプ以外にも、例えばハロゲンランプやＨＩＤランプ、レーザーダイオード（ＬＤ）などを用いることができる。

【0042】

また、上記光源２が発する光の色については、上述した赤色光に限らず、白色光や橙色光など、その車両用灯具の用途に応じて適宜変更することが可能である。

【符号の説明】

【0043】

１…車両用灯具 ２…光源 ３…反射面 ３ａ…反射領域 ３ｂ…サブ反射領域 ４…アウターレンズ ５…呼吸孔 ２０…光源ユニット ３０…リフレクタ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】