IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社デンソーの特許一覧

<>
  • 特開-フィルムヒータ 図1
  • 特開-フィルムヒータ 図2
  • 特開-フィルムヒータ 図3
  • 特開-フィルムヒータ 図4
  • 特開-フィルムヒータ 図5
  • 特開-フィルムヒータ 図6
  • 特開-フィルムヒータ 図7
  • 特開-フィルムヒータ 図8
  • 特開-フィルムヒータ 図9
  • 特開-フィルムヒータ 図10
  • 特開-フィルムヒータ 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151579
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】フィルムヒータ
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/84 20060101AFI20241018BHJP
   H05B 3/03 20060101ALI20241018BHJP
   B60S 1/02 20060101ALI20241018BHJP
   B60J 1/20 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H05B3/84
H05B3/03
B60S1/02 400A
B60J1/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065039
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三神 文宣
(72)【発明者】
【氏名】太田 浩司
【テーマコード(参考)】
3D225
3K034
3K092
【Fターム(参考)】
3D225AA02
3D225AC10
3D225AD02
3D225AD08
3K034AA03
3K034AA06
3K034AA15
3K034AA18
3K034AA22
3K034BA08
3K034BA13
3K034BB08
3K034BB13
3K034CA02
3K034CA03
3K034CA17
3K092PP15
3K092QA06
3K092QB04
3K092QB45
3K092QC02
3K092QC03
3K092QC05
3K092QC07
3K092QC25
3K092VV22
(57)【要約】
【課題】透明導電膜の局所発熱を抑制するフィルムヒータを提供する。
【解決手段】フィルムヒータ10は、一方向に延びている上底部301と、一方向における長さが上底部長さLuよりも大きい下底部302と、上底部と接続されているとともに一方向と交差する方向に延びている第1斜辺部311と、上底部のうち第1斜辺部とは反対側と接続されているとともに一方向と交差する方向に延びている第2斜辺部312と、を有する透明導電膜30と、第1斜辺部に接続されている第1接続部411を有する第1電極41と、第2斜辺部に接続されている第2接続部412を有する第2電極42と、を備え、透明導電膜は、電磁波を透過するとともに、第1接続部および第2接続部の間における透明導電膜内を一方向に電流が流れることにより発熱し、上底部長さLuは、下底部から第1接続部および第2接続部までの最短距離Lmin1、Lmin2よりも大きくなっている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムヒータであって、
一方向に延びている第1底部(301)と、前記一方向および前記フィルムヒータの厚み方向(DT)と直交する方向に前記第1底部と対向しているとともに前記一方向における長さ(Ld)が前記一方向における前記第1底部の長さ(Lu)よりも大きい第2底部(302)と、前記第1底部と接続されているとともに前記一方向と交差する方向に延びている第1斜辺部(311)と、前記第1底部のうち前記第1斜辺部とは反対側と接続されているとともに前記一方向と交差する方向に延びている第2斜辺部(312)と、を有する透明導電膜(30)と、
前記第1斜辺部に接続されている第1接続部(411)を有する第1電極(41)と、
前記第2斜辺部に接続されている第2接続部(412)を有する第2電極(42)と、
を備え、
前記透明導電膜は、電磁波を透過するとともに、前記第1接続部および前記第2接続部の間における前記透明導電膜内を前記一方向に電流が流れることにより発熱し、
前記一方向における前記第1底部の長さ(Lu)は、前記第2底部から前記第1接続部および前記第2接続部までの最短距離(Lmin1、Lmin2)よりも大きくなっているフィルムヒータ。
【請求項2】
前記フィルムヒータは、電磁波を透過する透明体(3)に貼り付けられ、
前記透明体は、電磁波を遮蔽する第1遮蔽部(7)および第2遮蔽部(9)を有し、
前記第1接続部は、前記厚み方向に前記第1遮蔽部を投影したとき、投影した前記第1遮蔽部と重なり、
前記第2接続部は、前記厚み方向に前記第2遮蔽部を投影したとき、投影した前記第2遮蔽部と重なる請求項1に記載のフィルムヒータ。
【請求項3】
前記第1電極は、
前記第1接続部に接続されている第1リード部(421)と、
前記第1リード部に接続されているとともに、電源と接続される第1端子部(431)と、
を有し、
前記第2電極は、
前記第2接続部に接続されている第2リード部(422)と、
前記第2リード部に接続されているとともに、前記電源と接続される第2端子部(432)と、
を有し、
前記一方向および前記厚み方向と直交する方向における前記第1端子部および前記第2端子部から前記第1底部までの長さ(L1、L2)は、前記一方向における前記第1底部までの長さ(Lu)よりも大きくなっている請求項1または2に記載のフィルムヒータ。
【請求項4】
前記第1接続部のうち前記第1底部側の端部(461)の電気抵抗は、前記第1接続部のうち前記第2底部側の端部(462)の電気抵抗よりも大きくなっている請求項1または2に記載のフィルムヒータ。
【請求項5】
前記第2接続部のうち前記第1底部側の端部(463)の電気抵抗は、前記第2接続部のうち前記第2底部側の端部(464)の電気抵抗よりも大きくなっている請求項1または2に記載のフィルムヒータ。
【請求項6】
前記第1接続部は、互いに接続されて並んでいる複数の波状部(441)を有し、
前記波状部は、
前記透明導電膜の面が延びている方向に延びている第1延長部(451)と、
前記第1延長部と接続されているとともに、前記第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(452)と、
前記第2延長部と接続されているとともに、前記第2延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第3延長部(453)と、
前記第3延長部と接続されて前記第3延長部が延びている方向と交差する方向に延びていることにより、前記第2延長部と前記第1延長部が延びている方向に対向している第4延長部(454)と、
を含み、
前記第4延長部の前記第3延長部とは反対側の端(4540)が、隣りの前記波状部における前記第1延長部の前記第2延長部とは反対側の端(4510)と接続されていることにより、互いに隣り合う前記波状部が接続されて並んでいる請求項1または2に記載のフィルムヒータ。
【請求項7】
前記波状部は、第1波状部であって、
前記第2接続部は、互いに接続されて並んでいる複数の第2波状部(442)を有し、
前記第2波状部は、
前記透明導電膜の面が延びている方向に延びている第5延長部(455)と、
前記第5延長部と接続されているとともに、前記第5延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第6延長部(456)と、
前記第6延長部と接続されているとともに、前記第6延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第7延長部(457)と、
前記第7延長部と接続されて前記第7延長部が延びている方向と交差する方向に延びていることにより、前記第6延長部と前記第5延長部が延びている方向に対向している第8延長部(458)と、
を含み、
前記第8延長部の前記第7延長部とは反対側の端(4580)が、隣りの前記第2波状部における前記第5延長部の前記第6延長部とは反対側の端(4550)と接続されていることにより、互いに隣り合う前記第2波状部が接続されて並んでいる請求項6に記載のフィルムヒータ。
【請求項8】
前記フィルムヒータは、電磁波を透過する透明体(3)に貼り付けられ、
前記透明体は、電磁波を遮蔽する第1遮蔽部(7)および第2遮蔽部(9)を有し、
前記第1電極は、
前記第1接続部に接続されている第1リード部(421)と、
前記第1リード部に接続されているとともに、電源と接続される第1端子部(431)と、
を有し、
前記第2電極は、
前記第2接続部に接続されている第2リード部(422)と、
前記第2リード部に接続されているとともに、前記電源と接続される第2端子部(432)と、
を有し、
前記第1リード部は、前記厚み方向に前記第1遮蔽部を投影したとき、投影した前記第1遮蔽部と重なり、
前記第2リード部は、前記厚み方向に前記第2遮蔽部を投影したとき、投影した前記第2遮蔽部と重なる請求項1に記載のフィルムヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルムヒータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、略六角形や略台形の透明導電膜と、透明導電膜の斜辺部に接続されている第1接続部と、透明導電膜の下底部に接続されている第2接続部と、を有するフィルムヒータが知られている。このフィルムヒータでは、第1接続部および第2接続部の間における透明導電膜内を電流が流れることにより、透明導電膜が発熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-86712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、透明導電膜に印加される電圧および透明導電膜の単位面積当たりの電気抵抗が固定されている場合、透明導電膜の単位面積当たりの電力である電力密度は、第1接続部および第2接続部の間の距離が小さくなることに伴って、大きくなる。また、特許文献1に記載されたフィルムヒータでは、第1接続部が透明導電膜の斜辺部に接続されているとともに、第2接続部が透明導電膜の下底部に接続されている。このため、下底部側の第1接続部および第2接続部の間の距離は、上底部側の第1接続部および第2接続部の間の距離よりも小さい。したがって、この場合、特許文献1に記載されたフィルムヒータでは、下底部側の第1接続部および第2接続部の間における電力密度は、上底部側の第1接続部および第2接続部の間における電力密度よりも大きくなる。よって、下底部側の第1接続部および第2接続部の間における透明導電膜内にて、局所発熱が生じやすい。
【0005】
本開示は、透明導電膜の局所発熱を抑制するフィルムヒータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、フィルムヒータであって、一方向に延びている第1底部(301)と、一方向およびフィルムヒータの厚み方向(DT)と直交する方向に第1底部と対向しているとともに一方向における長さ(Ld)が一方向における第1底部の長さ(Lu)よりも大きい第2底部(302)と、第1底部と接続されているとともに一方向と交差する方向に延びている第1斜辺部(311)と、第1底部のうち第1斜辺部とは反対側と接続されているとともに一方向と交差する方向に延びている第2斜辺部(312)と、を有する透明導電膜(30)と、第1斜辺部に接続されている第1接続部(411)を有する第1電極(41)と、第2斜辺部に接続されている第2接続部(412)を有する第2電極(42)と、を備え、透明導電膜は、電磁波を透過するとともに、第1接続部および第2接続部の間における透明導電膜内を一方向に電流が流れることにより発熱し、一方向における第1底部の長さ(Lu)は、第2底部から第1接続部および第2接続部までの最短距離(Lmin1、Lmin2)よりも大きくなっているフィルムヒータである。
【0007】
これにより、第1底部の長さが比較的大きくなっていることから、第1接続部および第2接続部の間の距離が比較的小さくなることが抑制されている。このため、第1接続部および第2接続部の間における透明導電膜内の電力密度が局所的に大きくなることが抑制される。したがって、透明導電膜の局所発熱が抑制される。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態のフィルムヒータが用いられる車両の構成図。
図2図1のIIから見た矢視拡大図。
図3】フィルムヒータの正面図。
図4図3のIV-IV線拡大断面図。
図5図3のV部拡大図。
図6図5のVI部拡大図。
図7図5のVII部拡大図。
図8図5のVIII部拡大図。
図9図5のIX部拡大図。
図10】比較例のフィルムヒータの正面図。
図11】第2実施形態のフィルムヒータの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態のフィルムヒータでは、透明導電膜の局所発熱が抑制される。具体的には、フィルムヒータは、例えば、車両に用いられる。まず、この車両について説明する。
【0012】
図1に示すように、車両1は、ウィンドシールド3、カメラ5およびフィルムヒータ10を備える。
【0013】
ウィンドシールド3は、電波や光等の電磁波を透過する透明体に相当しており、車両1の運転者の前方の視界を確保する。また、ウィンドシールド3は、図2に示すように、第1遮蔽部7および第2遮蔽部9を有する。第1遮蔽部7および第2遮蔽部9は、黒色のセラミックス等で形成されていることにより、電磁波を遮蔽する。さらに、第1遮蔽部7および第2遮蔽部9は、ウィンドシールド3のうち車両1の車室内側に形成されている。なお、図2において、第1遮蔽部7および第2遮蔽部9の所在をわかりやすくするため、第1遮蔽部7および第2遮蔽部9がドット柄で示されている。また、ここでは、第1遮蔽部7および第2遮蔽部9は、ウィンドシールド3のうち車両1の車室内側に形成されているところ、これに限定されないで、ウィンドシールド3のうち車両1の車室外側に形成されてもよい。
【0014】
図1に戻って、カメラ5は、車両1の車室内のうち車両1の上側に配置されている。さらに、カメラ5は、車両1の前方を撮像する。
【0015】
フィルムヒータ10は、ウィンドシールド3のうち車室側においてウィンドシールド3の傾斜に沿って貼り付けられているとともに、カメラ5と車両前後方向に対向している。また、フィルムヒータ10は、発熱することにより、ウィンドシールド3のうちカメラ5と車両前後方向に対向している部位の解氷、融雪および防曇を行う。これにより、カメラ5の視野が明瞭になる。
【0016】
以上のように、車両1は、構成されている。次に、フィルムヒータ10の詳細について説明する。
【0017】
フィルムヒータ10は、図3図9に示すように、粘着層15、第1透明絶縁体21、第2透明絶縁体22、透明導電膜30、第1電極41および第2電極42を備える。なお、ここで、フィルムヒータ10の構成の説明をわかりやすくするため、図3の紙面上側を単に上側と記載する。図3の紙面下側を単に下側と記載する。図3の紙面左側を単に左側と記載する。図3の紙面右側を単に右側と記載する。
【0018】
粘着層15は、例えば、OCA等で形成されている。さらに、粘着層15は、図4に示すように、ウィンドシールド3のうち車室側に貼り付けられている。なお、OCAは、Optically Clear Adhesiveの略である。
【0019】
第1透明絶縁体21および第2透明絶縁体22は、ポリカーボネート等の樹脂で形成されていることにより、電気絶縁性を有する。また、第1透明絶縁体21は、粘着層15のうちウィンドシールド3とは反対側と接続されている。
【0020】
透明導電膜30は、ITOまたはカーボンナノチューブ等で形成されていることにより、電磁波を透過するとともに導電性を有する。なお、ITOは、酸化インジウムスズの略称である。
【0021】
さらに、透明導電膜30は、第1透明絶縁体21および第2透明絶縁体22に覆われている。また、透明導電膜30は、面状に形成されている。さらに、透明導電膜30は、ここでは、六角形状に形成されている。また、透明導電膜30は、図3および図5に示すように、上底部301、下底部302、第1斜辺部311、第2斜辺部312、第1中間部321および第2中間部322を有する。
【0022】
上底部301は、第1底部に相当しており、一方向、ここでは、左右方向に延びている。下底部302は、第2底部に相当しており、一方向、ここでは、左右方向に延びている。さらに、下底部302は、一方向および透明導電膜30の厚み方向DTと直交する方向、ここでは、上下方向に対向している。なお、透明導電膜30の厚み方向DTは、フィルムヒータ10の厚み方向DTに相当する。
【0023】
ここで、左右方向における上底部301の長さを上底部長さLuとする。また、左右方向における下底部302の長さを下底部長さLdとする。そして、下底部長さLdは、上底部長さLuよりも大きくなっている、すなわち、Ld>Luとされている。
【0024】
第1斜辺部311は、上底部301と接続されている。さらに、第1斜辺部311は、上底部301との境界部から一方向と交差する方向、ここでは、左下方向に延びている。
【0025】
第2斜辺部312は、上底部301のうち第1斜辺部311とは反対側と接続されている。また、第2斜辺部312は、上底部301との境界部から一方向と交差する方向、ここでは、右下方向に延びている。
【0026】
第1中間部321は、第1斜辺部311のうち上底部301とは反対側と接続されている。さらに、第1中間部321は、第1斜辺部311との境界部から第1斜辺部311が延びている方向と交差する方向、ここでは、下方向に延びている。また、第1中間部321は、下底部302と接続されている。
【0027】
第2中間部322は、第2斜辺部312のうち上底部301とは反対側と接続されている。さらに、第2中間部322は、第2斜辺部312との境界部から第2斜辺部312が延びている方向と交差する方向、ここでは、下方向に延びている。また、第2中間部322は、下底部302のうち第1中間部321とは反対側に接続されている。
【0028】
第1電極41は、金、白金、銀、銅、アルミ等の金属で形成されている。さらに、第1電極41は、ここでは、正極である。また、第1電極41は、第1接続部411、第1リード部421および第1端子部431を有する。
【0029】
第1接続部411は、上底部301と第1斜辺部311との境界部および第1斜辺部311に接続されている。さらに、第1接続部411は、第1透明絶縁体21および第2透明絶縁体22に覆われている。また、ここでは、第1中間部321により、第1接続部411から下底部302までの第1最短距離Lmin1は、ゼロよりも大きくなっている。さらに、第1最短距離Lmin1は、上底部長さLuよりも小さくなっている、すなわち、Lmin1<Luとされている。
【0030】
また、第1接続部411は、図4に示すように、厚み方向DTに第1遮蔽部7を投影したとき、投影した第1遮蔽部7と重なる。なお、図4において、第1遮蔽部7の所在をわかりやすくするため、第1遮蔽部7は、ドット柄で示されている。
【0031】
さらに、第1接続部411は、図6および図7に示すように、複数の第1波状部441を有する。第1波状部441は、互いに接続されて並んでいる。また、第1波状部441は、第1延長部451、第2延長部452、第3延長部453および第4延長部454を含む。
【0032】
第1延長部451は、透明導電膜30の面が延びている方向、ここでは、上底部301から左下に向かう方向に延びている。第2延長部452は、第1延長部451と接続されている。さらに、第2延長部452は、第1延長部451との境界部から第1延長部451が延びている方向と交差する方向、ここでは、左上方向に延びている。第3延長部453は、第2延長部452と接続されている。また、第3延長部453は、第2延長部452との境界部から第2延長部452が延びている方向と交差する方向、ここでは、左下方向に延びている。第4延長部454は、第3延長部453と接続されている。さらに、第4延長部454は、第3延長部453との境界部から第3延長部453が延びている方向と交差する方向、ここでは、右下方向に延びている。これにより、第2延長部452は、第4延長部454と第1延長部451が延びている方向、ここでは、左下方向に対向している。なお、第1延長部451、第2延長部452、第3延長部453および第4延長部454は、直線状に延びているところ、これに限定されない。第1延長部451、第2延長部452、第3延長部453および第4延長部454は、曲線状に延びていてもよい。
【0033】
また、第4延長部454の第3延長部453とは反対側の端4540が、隣りの第1波状部441における第1延長部451の第2延長部452とは反対側の端4510と接続されている。これにより、互いに隣り合う第1波状部441が接続されて並んでいる。したがって、第1接続部411は、蛇行形状になっている。
【0034】
さらに、ここで、図3図5および図6に示すように、最も上底部301側の第1波状部441を第1端部461とする。また、図3図5および図7に示すように、最も下底部302側の第1波状部441を第2端部462とする。そして、例えば、第1端部461の導電率は、第2端部462の導電率よりも小さくなっている。さらに、第1端部461を流れる電流の経路の長さは、第2端部462を流れる電流の経路の長さよりも大きくなっている。また、第1端部461を流れる電流の方向と直交する方向に第1端部461を切断したときの第1端部461の断面積は、第2端部462を流れる電流の方向と直交する方向に第2端部462を切断したときの第2端部462の断面積よりも小さくなっている。これらにより、第1端部461の電気抵抗は、第2端部462の電気抵抗よりも大きくなっている。
【0035】
第1リード部421は、図3および図5に示すように、下底部302および第1中間部321と接続されている。さらに、第1リード部421は、第1接続部411のうち下底部302側と接続されている。なお、第1リード部421は、下底部302と、第1中間部321と、第1接続部411のうち下底部302側とに接続されていることに限定されないで、第1接続部411のうち上底部301側と接続されてもよい。
【0036】
また、第1リード部421は、第1透明絶縁体21および第2透明絶縁体22に覆われている。さらに、第1リード部421は、図4に示すように、厚み方向DTに第1遮蔽部7を投影したとき、投影した第1遮蔽部7と重なる。また、図3および図5に戻って、第1リード部421は、後述の第2リード部422とともに透明導電膜30、第1接続部411および第2接続部412を囲うように延びている。これにより、第1リード部421は、第1接続部411と左右方向に対向しているとともに、上底部301と上下方向に対向している。
【0037】
第1端子部431は、図3に示すように、第1リード部421と接続されている。また、第1端子部431は、図示しない電源と接続される。
【0038】
ここで、一方向および厚み方向DTと直交する方向、ここでは、上下方向における第1端子部431から上底部301までの長さを第1リード長さL1とする。そして、第1リード長さL1は、上底部長さLuよりも大きくなっている、すなわち、L1>Luとされている。
【0039】
第2電極42は、金、白金、銀、銅、アルミ等の金属で形成されている。さらに、第2電極42は、ここでは、負極である。また、第2電極42は、第2接続部412、第2リード部422および第2端子部432を有する。
【0040】
第2接続部412は、上底部301と第2斜辺部312との境界部および第2斜辺部312に接続されている。さらに、第2接続部412は、第1透明絶縁体21および第2透明絶縁体22に覆われている。また、ここでは、第2中間部322により、第2接続部412から下底部302までの第2最短距離Lmin2は、ゼロよりも大きくなっている。さらに、第2最短距離Lmin2は、第1最短距離Lmin1と同じとされており、上底部長さLuよりも小さくなっている、すなわち、Lmin1=Lmin2<Luとされている。なお、第2最短距離Lmin2は、第1最短距離Lmin1と同じであることに限定されないで、第1最短距離Lmin1と異なっていてもよい。
【0041】
また、第2接続部412は、図4に示すように、厚み方向DTに第2遮蔽部9を投影したとき、投影した第2遮蔽部9と重なる。なお、図4において、第2遮蔽部9の所在をわかりやすくするため、第2遮蔽部9は、ドット柄で示されている。
【0042】
さらに、第2接続部412は、図8および図9に示すように、複数の第2波状部442を有する。第2波状部442は、互いに接続されて並んでいる。また、第2波状部442は、第5延長部455、第6延長部456、第7延長部457および第8延長部458を含む。
【0043】
第5延長部455は、透明導電膜30の面が延びている方向、ここでは、上底部301から右下に向かう方向に延びている。第6延長部456は、第5延長部455と接続されている。さらに、第6延長部456は、第5延長部455との境界部から第5延長部455が延びている方向と交差する方向、ここでは、右上方向に延びている。第7延長部457は、第6延長部456と接続されている。また、第7延長部457は、第6延長部456との境界部から第6延長部456が延びている方向と交差する方向、ここでは、右下方向に延びている。第8延長部458は、第7延長部457と接続されている。さらに、第8延長部458は、第7延長部457との境界部から第7延長部457が延びている方向と交差する方向、ここでは、左下方向に延びている。これにより、第6延長部456は、第8延長部458と第5延長部455が延びている方向、ここでは、右下方向に対向している。なお、第5延長部455、第6延長部456、第7延長部457および第8延長部458は、直線状に延びているところ、これに限定されない。第5延長部455、第6延長部456、第7延長部457および第8延長部458は、曲線状に延びていてもよい。
【0044】
また、第8延長部458の第7延長部457とは反対側の端4580が、隣りの第2波状部442における第5延長部455の第6延長部456とは反対側の端4550と接続されている。これにより、互いに隣り合う第2波状部442が接続されて並んでいる。したがって、第2接続部412は、蛇行形状になっている。
【0045】
さらに、ここで、図3図5および図8に示すように、最も上底部301側の第2波状部442を第3端部463とする。また、図3図5および図9に示すように、最も下底部302側の第2波状部442を第4端部464とする。そして、例えば、第3端部463の導電率は、第4端部464の導電率よりも小さくなっている。さらに、第3端部463を流れる電流の経路の長さは、第4端部464を流れる電流の経路の長さよりも大きくなっている。また、第3端部463を流れる電流の方向と直交する方向に第3端部463を切断したときの第3端部463の断面積は、第4端部464を流れる電流の方向と直交する方向に第4端部464を切断したときの第4端部464の断面積よりも小さくなっている。これらにより、第3端部463の電気抵抗は、第4端部464の電気抵抗よりも大きくなっている。
【0046】
第2リード部422は、図3および図5に示すように、下底部302および第2中間部322と接続されている。さらに、第2リード部422は、第2接続部412のうち下底部302側と接続されている。なお、第2リード部422は、下底部302と、第2中間部322と、第2接続部412のうち下底部302側とに接続されていることに限定されないで、第2接続部412のうち上底部301側と接続されてもよい。
【0047】
また、第2リード部422は、第1透明絶縁体21および第2透明絶縁体22に覆われている。さらに、第2リード部422は、図4に示すように、厚み方向DTに第2遮蔽部9を投影したとき、投影した第2遮蔽部9と重なる。また、図3および図5に戻って、第2リード部422は、第1リード部421とともに透明導電膜30、第1接続部411および第2接続部412を囲うように延びている。これにより、第2リード部422は、第2接続部412と左右方向に対向している。
【0048】
第2端子部432は、図3に示すように、第2リード部422と接続されている。また、第2端子部432は、図示しない電源と接続される。
【0049】
ここで、一方向および厚み方向DTと直交する方向、ここでは、上下方向における第2端子部432から上底部301までの長さを第2リード長さL2とする。そして、第2リード長さL2は、第1リード長さL1と同じとされており、上底部長さLuよりも大きくなっている、すなわち、L1=L2>Luとされている。なお、第2リード長さL2は、第1リード長さL1と同じであることに限定されないで、第1リード長さL1と異なっていてもよい。
【0050】
以上のように、第1実施形態のフィルムヒータ10は、構成されている。次に、フィルムヒータ10による発熱について説明する。
【0051】
ここでは、第1電極41は、正極であって、第2電極42が負極である。このため、図示しない電源がフィルムヒータ10に電力を供給すると、図示しない電源から第1端子部431および第1リード部421を経由して、第1接続部411に電流が流れる。さらに、第1接続部411から透明導電膜30を経由して第2接続部412に電流が流れる。このとき、透明導電膜30内を、一方向、ここでは、右方向に電流が流れる。これにより、透明導電膜30は、発熱する。
【0052】
以上のように、フィルムヒータ10は、発熱する。次に、透明導電膜30の局所発熱が抑制されることについて説明する。
【0053】
ここで、比較例のフィルムヒータとして、図10に示すように、第1接続部411が第1斜辺部311および第2斜辺部312に接続されているとする。また、第1リード部421が上底部301および第1接続部411に接続されているとする。さらに、第2接続部412が、下底部302の一部に接続されているとする。また、第2リード部422が下底部302および第2接続部412に接続されているとする。この場合、図示しない電源がフィルムヒータ10に電力を供給すると、第1接続部411および第2接続部412の間における透明導電膜30内を電流が下方向に流れることにより、透明導電膜30は、発熱する。しかし、この場合、上下方向において、下底部302側の第1接続部411および第2接続部412の間の距離は、上底部301側の第1接続部411および第2接続部412の間の距離よりも小さくなる。
【0054】
さらに、ここで、単位面積当たりの電力である電力密度Wρは、下記関係式(1)のように表される。よって、透明導電膜30に印加される電圧および透明導電膜30のシート抵抗が固定されている場合、電力密度Wρは、第1接続部411および第2接続部412の間の距離が小さくなることに伴って、大きくなる。なお、Vは、透明導電膜30に印加される電圧である。Rsは、透明導電膜30のシート抵抗である。シート抵抗は、単位面積当たりの電気抵抗である。Hは、第1接続部411および第2接続部412の間の距離である。
【0055】
【数1】
【0056】
したがって、図10の比較例のフィルムヒータでは、上記したように、下底部302側の第1接続部411および第2接続部412の間の距離が、上底部301側の第1接続部411および第2接続部412の間の距離よりも小さい。また、透明導電膜30に印加される電圧および透明導電膜30のシート抵抗が固定されているとする。よって、この場合、比較例のフィルムヒータでは、下底部302側の第1接続部411および第2接続部412の間における電力密度Wρは、上底部301側の第1接続部411および第2接続部412の間における電力密度Wρよりも大きくなる。したがって、下底部302側の第1接続部411および第2接続部412の間における透明導電膜30内にて、局所発熱が生じやすい。
【0057】
これに対して、本実施形態のフィルムヒータ10では、図3および図5に示すように、下底部長さLdは、上底部長さLuよりも大きくなっている、すなわち、上底部長さLuが下底部長さLdよりも小さくなっている。また、第1接続部411が第1斜辺部311に接続されている。さらに、第2接続部412が第2斜辺部312に接続されている。また、透明導電膜30は、第1接続部411および第2接続部412の間にて、一方向、ここでは、右方向に電流が流れることにより発熱する。さらに、上底部長さLuは、第1最短距離Lmin1および第2最短距離Lmin2よりも大きくなっている。なお、上底部長さLuは、一方向における第1底部の長さに相当する。また、下底部長さLdは、一方向における第2底部の長さに相当する。さらに、第1最短距離Lmin1および第2最短距離Lmin2は、第2底部から第1接続部411および第2接続部412までの最短距離に相当する。
【0058】
これにより、上底部長さLuが比較的大きくなっていることから、第1接続部411および第2接続部412の間の距離が比較的小さくなることが抑制されている。このため、第1接続部411および第2接続部412の間における透明導電膜30内の電力密度Wρが局所的に大きくなることが抑制される。したがって、透明導電膜30の局所発熱が抑制される。
【0059】
また、第1実施形態のフィルムヒータ10では、以下に記載する効果も奏する。
【0060】
[1]ここで、フィルムヒータ10を外部から見ると、第1接続部411、第2接続部412、第1リード部421および第2リード部422は、金、白金、銀、銅、アルミ等の金属で形成されているため、透明導電膜30よりも外観上きわだつ。
【0061】
これに対して、本実施形態のフィルムヒータ10では、図4に示すように、第1接続部411は、厚み方向DTに第1遮蔽部7を投影したとき、投影した第1遮蔽部7と重なる。また、第2接続部412は、厚み方向DTに第2遮蔽部9を投影したとき、投影した第2遮蔽部9と重なる。さらに、第1リード部421は、厚み方向DTに第1遮蔽部7を投影したとき、投影した第1遮蔽部7と重なる。また、第2リード部422は、厚み方向DTに第2遮蔽部9を投影したとき、投影した第2遮蔽部9と重なる。
【0062】
これにより、フィルムヒータ10を外部から見るとき、第1接続部411、第2接続部412、第1リード部421および第2リード部422は、第1遮蔽部7および第2遮蔽部9によって隠れることから、視認されにくくなる。このため、第1接続部411、第2接続部412、第1リード部421および第2リード部422が外観上きわだつことが抑制される。したがって、フィルムヒータ10の意匠性低下が抑制される。
【0063】
[2]第1リード長さL1および第2リード長さL2は、上底部長さLuよりも大きくなっている。なお、第1リード長さL1および第2リード長さL2は、一方向および厚み方向DTと直交する方向における第1端子部431および第2端子部432から第1底部までの長さに相当する。
【0064】
これにより、上底部301と、第1端子部431および第2端子部432との間の空間を比較的大きくすることができる。このため、上底部301と、第1端子部431および第2端子部432との間に、例えば、カメラ5に関する周辺部品や周辺機器等が配置されやすくなる。したがって、周辺部品や周辺機器の搭載性が向上する。
【0065】
[3]第1端部461の電気抵抗は、第2端部462の電気抵抗よりも大きくなっている。また、第3端部463の電気抵抗は、第4端部464の電気抵抗よりも大きくなっている。なお、第1端部461は、第1接続部411のうち第1底部側の端部に相当する。第2端部462は、第1接続部411のうち第2底部側の端部に相当する。第3端部463は、第2接続部412のうち第1底部側の端部に相当する。第4端部464は、第2接続部412のうち第2底部側の端部に相当する。
【0066】
これにより、上底部301側の第1接続部411および第2接続部412の間の電気抵抗が、下底部302側の第1接続部411および第2接続部412の間の電気抵抗よりも大きくなる。このため、上底部301側の第1接続部411および第2接続部412の間では、下底部302側の第1接続部411および第2接続部412の間よりも、電流が流れにくくなる。したがって、上底部301側の第1接続部411および第2接続部412の間の発熱量は、下底部302側の第1接続部411および第2接続部412の間の発熱量よりも小さくなる。また、上底部長さLuが下底部長さLdよりも小さい。よって、透明導電膜30内の単位長さあたりの発熱量のバラつきが小さくなる。これにより、透明導電膜30内の温度が均一になりやすい。このため、透明導電膜30内の温度バラつきが小さくなる。
【0067】
[4]第1接続部411は、互いに接続されて並んでいる複数の第1波状部441を有する。また、第2接続部412は、互いに接続されて並んでいる複数の第2波状部442を有する。
【0068】
これにより、第1斜辺部311の長さが固定されている場合に、第1接続部411が第1斜辺部311に沿う方向に延びる一様な平面状である場合と比較して、第1接続部411を流れる電流の経路の長さを長くすることができる。さらに、第2斜辺部312の長さが固定されている場合に、第2接続部412が第2斜辺部312に沿う方向に延びる一様な平面状である場合と比較して、第2接続部412を流れる電流の経路の長さを長くすることができる。このため、第1接続部411および第2接続部412を流れる電流の経路の長さ調整がしやすくなる。したがって、第1接続部411および第2接続部412の電気抵抗の調整がしやすくなる。
【0069】
(第2実施形態)
第2実施形態では、図11に示すように、透明導電膜30は、第1中間部321および第2中間部322を有しておらず、下底部302が第1斜辺部311および第2斜辺部312に接続されている。このため、透明導電膜30は、台形形状に形成されている。また、第1接続部411は、上底部301と第1斜辺部311との境界部および第1斜辺部311に接続されていることに加えて、第1斜辺部311と下底部302との境界部に接続されている。さらに、第2接続部412は、上底部301と第2斜辺部312との境界部および第2斜辺部312に接続されていることに加えて、第2斜辺部312と下底部302との境界部に接続されている。よって、第1最短距離Lmin1および第2最短距離Lmin2は、ゼロとされている。
【0070】
以上のように、第2実施形態のフィルムヒータ10は、構成されている。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0071】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0072】
上記各実施形態では、フィルムヒータ10は、ウィンドシールド3の解氷、融雪および防曇を行うところ、これに限定されない。フィルムヒータ10は、車両1に搭載される図示しないレーダ装置、Lidarおよびヘッドライト等の氷、融雪および防曇を行ってもよい。なお、Lidarは、Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Rangingの略である。
【0073】
また、フィルムヒータ10は、車両1に用いられることに限定されないで、例えば、図示しない設備等に用いられてもよい。
【0074】
上記各実施形態では、上底部301は、第1斜辺部311に接続されている。これに対して、上底部301および第1斜辺部311の間には、上底部301および第1斜辺部311と接続されているとともに、上底部301および第1斜辺部311が延びている方向と交差する方向に延びている中間部が形成されてもよい。
【0075】
さらに、上底部301および第2斜辺部312が接続されている。これに対して、上底部301および第2斜辺部312の間には、上底部301および第2斜辺部312と接続されているとともに、上底部301および第2斜辺部312が延びている方向と交差する方向に延びている中間部が形成されてもよい。
【0076】
上記各実施形態では、第1電極41は、正極であって、第2電極42が負極である。これに対して、第1電極41は、負極であって、第2電極42が正極であってもよい。
【0077】
上記各実施形態では、第1接続部411および第2接続部412は、第1波状部441および第2波状部442をそれぞれ有することにより、蛇行形状に形成されている。これに対して、第1接続部411および第2接続部412は、蛇行形状に形成されていることに限定されない。第1接続部411は、第1斜辺部311に沿う方向に延びる一様な平面状等に形成されてもよい。また、第2接続部412は、第2斜辺部312に沿う方向に延びる一様な平面状等に形成されてもよい。さらに、第1波状部441および第2波状部442の角には、C面取りやR面取りが施されてもよい。
【0078】
上記各実施形態は、適宜組み合わされてもよい。
【0079】
(本開示の観点)
[観点1]
フィルムヒータであって、
一方向に延びている第1底部(301)と、前記一方向および前記フィルムヒータの厚み方向(DT)と直交する方向に前記第1底部と対向しているとともに前記一方向における長さ(Ld)が前記一方向における前記第1底部の長さ(Lu)よりも大きい第2底部(302)と、前記第1底部と接続されているとともに前記一方向と交差する方向に延びている第1斜辺部(311)と、前記第1底部のうち前記第1斜辺部とは反対側と接続されているとともに前記一方向と交差する方向に延びている第2斜辺部(312)と、を有する透明導電膜(30)と、
前記第1斜辺部に接続されている第1接続部(411)を有する第1電極(41)と、
前記第2斜辺部に接続されている第2接続部(412)を有する第2電極(42)と、
を備え、
前記透明導電膜は、電磁波を透過するとともに、前記第1接続部および前記第2接続部の間における前記透明導電膜内を前記一方向に電流が流れることにより発熱し、
前記一方向における前記第1底部の長さ(Lu)は、前記第2底部から前記第1接続部および前記第2接続部までの最短距離(Lmin1、Lmin2)よりも大きくなっているフィルムヒータ。
[観点2]
前記フィルムヒータは、電磁波を透過する透明体(3)に貼り付けられ、
前記透明体は、電磁波を遮蔽する第1遮蔽部(7)および第2遮蔽部(9)を有し、
前記第1接続部は、前記厚み方向に前記第1遮蔽部を投影したとき、投影した前記第1遮蔽部と重なり、
前記第2接続部は、前記厚み方向に前記第2遮蔽部を投影したとき、投影した前記第2遮蔽部と重なる観点1に記載のフィルムヒータ。
[観点3]
前記第1電極は、
前記第1接続部に接続されている第1リード部(421)と、
前記第1リード部に接続されているとともに、電源と接続される第1端子部(431)と、
を有し、
前記第2電極は、
前記第2接続部に接続されている第2リード部(422)と、
前記第2リード部に接続されているとともに、前記電源と接続される第2端子部(432)と、
を有し、
前記一方向および前記厚み方向と直交する方向における前記第1端子部および前記第2端子部から前記第1底部までの長さ(L1、L2)は、前記一方向における前記第1底部までの長さ(Lu)よりも大きくなっている観点1または2に記載のフィルムヒータ。
[観点4]
前記第1接続部のうち前記第1底部側の端部(461)の電気抵抗は、前記第1接続部のうち前記第2底部側の端部(462)の電気抵抗よりも大きくなっている観点1ないし3のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
[観点5]
前記第2接続部のうち前記第1底部側の端部(463)の電気抵抗は、前記第2接続部のうち前記第2底部側の端部(464)の電気抵抗よりも大きくなっている観点1ないし4のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
[観点6]
前記第1接続部は、互いに接続されて並んでいる複数の波状部(441)を有し、
前記波状部は、
前記透明導電膜の面が延びている方向に延びている第1延長部(451)と、
前記第1延長部と接続されているとともに、前記第1延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第2延長部(452)と、
前記第2延長部と接続されているとともに、前記第2延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第3延長部(453)と、
前記第3延長部と接続されて前記第3延長部が延びている方向と交差する方向に延びていることにより、前記第2延長部と前記第1延長部が延びている方向に対向している第4延長部(454)と、
を含み、
前記第4延長部の前記第3延長部とは反対側の端(4540)が、隣りの前記波状部における前記第1延長部の前記第2延長部とは反対側の端(4510)と接続されていることにより、互いに隣り合う前記波状部が接続されて並んでいる観点1ないし5のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
[観点7]
前記波状部は、第1波状部であって、
前記第2接続部は、互いに接続されて並んでいる複数の第2波状部(442)を有し、
前記第2波状部は、
前記透明導電膜の面が延びている方向に延びている第5延長部(455)と、
前記第5延長部と接続されているとともに、前記第5延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第6延長部(456)と、
前記第6延長部と接続されているとともに、前記第6延長部が延びている方向と交差する方向に延びている第7延長部(457)と、
前記第7延長部と接続されて前記第7延長部が延びている方向と交差する方向に延びていることにより、前記第6延長部と前記第5延長部が延びている方向に対向している第8延長部(458)と、
を含み、
前記第8延長部の前記第7延長部とは反対側の端(4580)が、隣りの前記第2波状部における前記第5延長部の前記第6延長部とは反対側の端(4550)と接続されていることにより、互いに隣り合う前記第2波状部が接続されて並んでいる観点6に記載のフィルムヒータ。
[観点8]
前記フィルムヒータは、電磁波を透過する透明体(3)に貼り付けられ、
前記透明体は、電磁波を遮蔽する第1遮蔽部(7)および第2遮蔽部(9)を有し、
前記第1電極は、
前記第1接続部に接続されている第1リード部(421)と、
前記第1リード部に接続されているとともに、電源と接続される第1端子部(431)と、
を有し、
前記第2電極は、
前記第2接続部に接続されている第2リード部(422)と、
前記第2リード部に接続されているとともに、前記電源と接続される第2端子部(432)と、
を有し、
前記第1リード部は、前記厚み方向に前記第1遮蔽部を投影したとき、投影した前記第1遮蔽部と重なり、
前記第2リード部は、前記厚み方向に前記第2遮蔽部を投影したとき、投影した前記第2遮蔽部と重なる観点1、4~7のいずれか1つに記載のフィルムヒータ。
【符号の説明】
【0080】
10 フィルムヒータ
30 透明導電膜
301 上底部
302 下底部
311 第1斜辺部
312 第2斜辺部
41 第1電極
411 第1接続部
42 第2電極
412 第2接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11