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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151580
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】動画制御システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/231 20110101AFI20241018BHJP
   G09B 7/00 20060101ALI20241018BHJP
   H04N 21/258 20110101ALI20241018BHJP
【FI】
H04N21/231
G09B7/00
H04N21/258
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065040
(22)【出願日】2023-04-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】523138013
【氏名又は名称】合同会社えんじに屋
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100185317
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 琢哉
(72)【発明者】
【氏名】足高 圭介
(72)【発明者】
【氏名】大泉 昇児
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 まどか
(72)【発明者】
【氏名】作田 浩美
【テーマコード(参考)】
2C028
5C164
【Fターム(参考)】
2C028BB01
2C028BC05
2C028BD02
2C028CB13
5C164FA06
5C164SB36P
5C164SC11P
5C164YA11
5C164YA21
(57)【要約】
【課題】動画の再生を制御することにより、動画を楽しみつつ、学習することもできるシステムを提供する。
【解決手段】ユーザが再生している動画について予め定められた条件にて、動画の再生を停止し、ユーザの情報や予め設定されている出題条件に基づく問題をユーザに提示し、ユーザの解答を取得し、取得したユーザの解答についての正誤を判定した結果に基づいて、停止している動画の再生を再開させることにより、動画再生を制御する動画制御システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
ユーザが再生している動画について予め定められた条件にて当該動画の再生を停止し、
複数の問題であって当該問題についての正解が関連付けられている問題の中から、少なくとも何れか一つの問題を前記ユーザに提示し、
前記何れか一つの問題についての前記ユーザの解答を取得し、
取得した前記ユーザの解答についての正誤を判定し、
前記正誤の判定に基づいて、停止している前記動画を再生させること、
を特徴とする動画制御システム。
【請求項2】
前記予め定められた条件は、前記問題の出題頻度であり、
前記1または複数のプロセッサは、
ユーザの年齢又は問題の難易度に基づいて問題を前記ユーザに提示する、
請求項1に記載の動画制御システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、
前記正誤の判定の結果、予め定められた回数の正解を解答できた場合、停止している前記動画を再生させる、
請求項1に記載の動画制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動画制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
子供が、ゲームや動画の視聴に長時間没頭してしまい、学習時間を確保できないことは、教育上問題となっている。子供が、ゲームや動画の視聴を適切な時間だけ楽しみつつ、学習意欲をもって学習することが期待されている。
特許文献1には、実行した学習状況を評価し、学習状況に基づいて、ゲームを行うためのパスワードを発行する学習プログラムが記載されている。学習プログラムは、学習状況のランクに応じて、ゲームのプレイの制限時間を変える設定とすることができるため、学習意欲が高まる。そして、ゲームのプレーヤはゲームばかりに熱中することなく、意欲をもって学習することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-170189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまで、動画サイトにある動画の視聴に関しては、再生が中断されて広告が表示されることはあっても、継続して視聴できるため、学習時間を割けないという課題があった。さらに、視聴行為は、受け身の動作であり、長時間の視聴継続は、子供の健康や脳の発達にも悪影響があると指摘する報告がある。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、動画の再生を制御することにより、動画を楽しみつつ、学習することもできるシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、ユーザが再生している動画について予め定められた条件にて当該動画の再生を停止し、複数の問題であって当該問題についての正解が関連付けられている問題の中から、少なくとも何れか一つの問題を前記ユーザに提示し、前記何れか一つの問題についての前記ユーザの解答を取得し、取得した前記ユーザの解答についての正誤を判定し、前記正誤の判定に基づいて、停止している前記動画を再生させること、を特徴とする動画制御システムである。
請求項2に記載された発明は、前記予め定められた条件は、前記問題の出題頻度であり、前記1または複数のプロセッサは、ユーザの年齢又は問題の難易度に基づいて問題を前記ユーザに提示する、請求項1に記載の動画制御システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記正誤の判定の結果、予め定められた回数の正解を解答できた場合、停止している前記動画を再生させる、請求項1に記載の動画制御システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、動画の再生を制御することにより、動画を楽しみつつ、学習することもできるシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される動画制御システムの全体構成を示す図である。
図2】端末装置の機能構成を示す図である。
図3】サーバの機能構成を示す図である。
図4】(A)は、端末装置側のユーザ情報登録画面を示す図であり、(B)は、端末装置側の出題条件の設定画面を示す図である。
図5】(A)は、端末装置側の問題を表示する画面の一例を示す図であり、(B)は、端末装置側の問題を表示する画面の(A)とは別の一例を示す図である。
図6】端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図7】サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔動画制御システムの全体構成〕
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される動画制御システムのハードウェア構成を示す図である。
動画制御システム1は、ユーザが動画を視聴するために使われる端末装置10とユーザに提示する問題を記録管理するサーバ30と、がネットワーク50を介して繋がったシステムである。ネットワーク50は、例えば、インターネットなどのネットワークであり、ユーザは、端末装置10からインターネット上の動画提供サイトにアクセスすることができる。本実施の形態にて例示している動画制御システム1は、例えば、ユーザが動画を視聴する途中で、動画を停止し問題を表示し、ユーザが正解ノルマに達すると動画の再生を再開するシステムである。その一例として、子供が動画サイトの動画を視聴する場合に、動画視聴を継続したい子供に学習問題を解かせて学習意欲を高めるシステムがある。
【0010】
端末装置10は、例えばスマートフォンやタブレットなどであるコンピュータ端末装置で構成される。端末装置10は、装置全体を制御するプロセッサ(CPU(Central Processing Unit))である制御部11と、演算に際して作業エリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)などのメモリ12と、プログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ等の記憶装置である記憶部13と、を有している。
また、端末装置10は、ネットワーク50を介してインターネット上の動画提供サイトの動画データの受信、動画の再生・停止の制御信号の送受信、学習用問題の受信、解答の送信等を行う通信部14を有している。更に、端末装置10側のユーザからの入力操作を受け付けるタッチパネル、キーボード、ポインティングデバイスなどの操作部15と、ユーザに対して画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイなどからなる表示部16と、表示部16を制御する表示制御部17とを有している。さらに、端末装置10は、ユーザを撮影できる撮像部18と、音声の入力や出力を行う音声入出力部22を有している。
【0011】
サーバ30は、例えばワークステーション、デスクトップPC、ノートPCなどであるコンピュータ装置で構成される。サーバ30は、装置全体を制御するプロセッサ(CPU(Central Processing Unit))である制御部31と、演算に際して作業エリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)などのメモリ32と、プログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)や半導体メモリ等の記憶装置である記憶部33と、を有している。また、ネットワーク50を介してデータの送受信を行う通信部34を有している。更に、サーバ30側のユーザからの入力操作を受け付けるキーボード、ポインティングデバイス、タッチパネルなどの操作部35と、サーバ利用者に対して画像やテキスト情報などを表示する液晶ディスプレイなどからなる表示部36と、表示部36を制御する表示制御部37とを有している。
【0012】
この端末装置10やサーバ30、端末装置10やサーバ30に接続される各種装置などに用いられるCPUによって、本件における「1または複数のプロセッサ」を構成し、本実施の形態における各種機能を実現している。
また、図1に示す端末装置10やサーバ30の各種構成は、必ずしも筐体を同じくする必要はなく、システムとして把握される態様がある。本体装置と筐体が異なる場合には、有線または無線で接続される。
【0013】
図2は、端末装置の機能構成を示す図である。端末装置10は、ユーザの入力を受け付ける受付部20と、入力された情報などを記憶する記憶部13と、データの送受信を行う通信部14と、動画や学習用問題などを表示する表示部16と、ユーザのアバター作成のためにユーザの顔などを撮像する撮像部18と、描画や機能制御を行う機能制御部19と、記憶された情報をデータや音声にて出力する出力部21と、を有している。
【0014】
機能制御部19は、端末装置の各種の機能を制御する。例えば、機能制御部19は、動画制御システムのアプリケーションを起動させたり、動画の再生や停止を制御する。ここで、動画制御システムのアプリケーションとは、例えば、インターネットを介して動画提供サイトの動画を表示させ、動画の再生、停止を制御することができるソフトウェアであり、端末装置10にインストールされるソフトウェアである。
機能制御部19は、例えば、予め定めた時間が経過した場合、動画の再生を停止し、学習用問題を表示部16に表示させる。ユーザが正解ノルマに達した場合、機能制御部19は、停止させていた動画の再生を再開する。動画の再生は、停止させていた動画の停止位置から再生を再開してもよく、わずかに時間的に遡ったコマから再生を再開させてもよい。
本実施形態において、「問題」は、ユーザへ解答の応答を促すための質問であり、予め正解が決められている。例えば、問題の例としては、複数の選択候補から正解と思われる候補を選ぶ選択形式の問題、正しい順序に並べ替える問題、間違いを探す問題などが挙げられる。好ましくはユーザの知力を向上させる効果の高い問題である。
本実施形態において、「解答」とは、ユーザの問題に対する応答であり、必ずしも問題の正解を意味するものではない。即ち、解答にはユーザの誤答も含む。
本実施形態において、問題の「正解」とは、問題に対する正しい答えであるが、必ずしも1つの問題に1つの正解があるとは限らない。選択候補には複数の正解が存在しても構わない。
【0015】
受付部20は、ユーザの情報を受け付ける機能を有し、タッチパネルからのユーザの入力操作やユーザの音声を受け付ける。例えば、出題された問題の解答をするに際し、ユーザが選択肢を端末装置のタッチパネルから解答を入力する際や、音声で解答する場合に受付部20がユーザからの入力を受け付けるように機能する。
【0016】
図3は、サーバの機能構成を示す図である。サーバ30は、データを記憶する記憶部33、データの送受信を行う通信部34、各種の入力データを受け付ける受付部38、問題制御部39を有する。
【0017】
記憶部33は、通信部34を介して端末装置10からユーザ情報を記憶するユーザ情報記憶部45、問題を出題する条件を記憶する出題条件記憶部46、問題に関連するデータを記憶する問題記憶部47を有する。
ユーザ情報記憶部45に記憶されるユーザ情報は、ユーザの性別、生年月日又は年齢、ニックネームなどである。ユーザ情報記憶部45は、ユーザが撮像部18で撮像したユーザの顔の撮像データから作成されたアバターアイコンを記憶してもよい。ユーザ情報は、初めて動画制御システムを利用する際に、ユーザ情報として登録するが、月日の経過とともにユーザの年齢は増加するので、ユーザの年齢はシステムの利用の都度、計算されるか、誕生日が訪れる度に年齢が更新されることが望ましい。
【0018】
出題条件記憶部46に記憶される出題条件は、問題の出題頻度、解答時間、問題の難易度、正答ノルマなどである。
本実施形態において、「問題の出題頻度」とは、動画を視聴の継続中に問題を出題する頻度であり、例えば、問題の出題頻度が30分と設定された場合は、動画の視聴が30分経過する度に問題を出題する。
本実施形態において、問題の「解答時間」とは、問題が表示部16に表示されてから解答を受け付けることができる時間である。
本実施形態において、「問題の難易度」とは、問題の難度を表す指標であり、ユーザが選択する態様であってもよく、ユーザの生年月日から算出された年齢に基づいて自動的に設定されるような態様であってもよい。
本実施形態において、問題の「正答ノルマ」とは、動画が停止する度に次に再生を再開させるために必要な正解の回数である。例えば、正答ノルマが3問である場合には、3つの問題に正解すると、動画の再生が再開する。また、正答ノルマ数に達した場合には、次の問題提示の際のために、正答した回数のカウントは一旦ゼロにリセットされる。
【0019】
図4(A)は、端末装置側のユーザ情報登録画面を示す図であり、(B)は、端末装置側の出題条件の設定画面を示す図である。
ユーザは、お子さま情報登録画面にて、性別を選択し、生年月日、ニックネームなどのユーザ情報を入力する。図4(A)の「アイコンを選択」をタッチすることにより、自分の好みのアバターを選択したり、自分の自画像の写真をアイコンにしたり、自画像の写真から作成されたアバターを選択することができる。年齢は、生年月日を入力することによって現在の日付に基づいて自動的に計算され表示される。図4(A)の「確定する」をタッチすることにより、入力されたユーザ情報は、ネットワーク50を介してサーバ30に送信され、ユーザ情報記憶部45に保存される。
【0020】
次に、図4(A)に示すお子さま情報登録画面上の「問題設定」のオブジェクトをユーザがタッチすることにより、図4(B)に示す問題設定画面に遷移する。問題設定画面では、問題出題頻度、解答時間、問題難易度、正答ノルマなどの出題条件を設定することができる。ユーザ情報である生年月日から自動的に年齢を計算される際に、年齢に応じた問題難易度が自動的に設定される。そして、問題設定画面では、年齢に基づいて自動的に設定された問題難易度が表示されるが、手動で問題難易度を上げたり下げたりする調整を行うことも可能である。例えば、年齢相応の問題よりも難しい問題に挑戦させる場合には、問題難易度を表す星マークを増やす等の操作で、問題難易度を変更できる。
本実施形態において、「ユーザ」とは、動画制御システムを利用する子供を指すこともあれば、子供の管理監督者である親を指すこともある。図4(A)及び(B)の設定は、子供の親が子供のために入力するようにしてもよい。正確な登録情報や出題条件を設定しておかないと、適切な動画制御や問題提示ができなくなるおそれがあるからである。
【0021】
図5(A)は、端末装置側の問題を表示する画面の一例を示す図であり、(B)は、端末装置側の問題を表示する画面の(A)とは別の一例を示す図である。
図5(A)に示す問題は、文字を並べ替えて、正しい意味のなす言葉を作る問題である。図5(A)の画面には、「のこり1もん」と記載されているので、この問題を正解すれば動画の再生が再開される状況であることがわかる。図5(A)の画面上で「OK」ボタンをタッチするとユーザの解答が確定し、解答データを端末装置10からサーバ30に送信し、正誤判定部41にて正誤判定された結果が、端末装置10に返信されてくる。問題が不正解であった場合や「スキップ」がユーザによりタッチされた場合、図5(B)に示すように、次の問題が表示される。ブロック形状を組み合わせて、問題の図形を構築するタイプの問題である。間違えた場合に「やりなおす」ボタンをタッチして再度ブロック形状を選択しなおすことが可能である。「OK」ボタンで解答が確定し、解答データを端末装置10からサーバ30に送信し、正誤判定部41にて正誤判定された結果が、端末装置10に返信されてくる。
【0022】
さらに、問題の解答に際し、ユーザは画面上の操作から解答を入力する必要はなく、音声で解答することもできる。例えば、読み合わせ問題の例として、画面上に文章が表示された時に、それをユーザが声を出して読み上げる。読み上げた音声は、受付部20で受け付けられた後にテキストに変換され、端末装置10からサーバ30に送信され、正解のテキストと一致するかを正誤判断するとしてもよい。
上記の読み上げ問題は、声に出して読むことが不慣れな幼児にとって、読み上げの能力を高めることができるという効果がある。この場合、問題と正解のテキスト情報は一致しており、正誤判定部41は、ユーザの読み上げの音声をテキストにした解答が正解のテキストと一致するか否かで正誤を判断する。また、問題文の言語や解答のための言語は、日本語である必要はなく、適宜外国語に変更できる態様であってもよい。
【0023】
さらに、問題の解答に際し、画面上からの入力や音声による解答だけでなく、端末装置を動かす動作で解答するということであってもよい。この場合、図示していない加速度計などを備える端末装置10の受付部20がユーザの動作情報を受け付け、正誤判定部41が問題の指示どおりにユーザが体や腕などを動かすことができたか否かで正誤判断するという形態であってもよい。
【0024】
〔動画制御システムの処理〕
次に、動画制御システム1の処理について説明する。
図6は、端末装置の処理の流れを示すフローチャートである。図7は、サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【0025】
〔サーバに動画像データを送信するまでの端末装置の処理〕
図6に示すように、図2に示す機能制御部19は、ユーザからの開始の指定を受けて動画制御システムのアプリケーションを開始させる(ステップ101)。次に、機能制御部19は図4(A)に示すユーザ情報の設定登録画面を表示させる(ステップ102)。次に、ユーザは、図4(A)に示すユーザ情報の設定登録画面に、性別、ニックネーム、生年月日などのユーザ情報を入力する。ユーザ情報記憶部45は、入力されたユーザ情報を記憶する(ステップ103)。次に、機能制御部19は、動画提供サイトの動画を表示させる(ステップ104)。ユーザが表示部16に表示された動画再生ボタンなどをタッチすることにより、機能制御部19は、動画を再生させる(ステップ105)。機能制御部19は、サーバ30から取得した問題出題頻度のデータに基づいて、所定時間経過後に動画の再生を停止する(ステップ106)。機能制御部19は、サーバ30から取得した問題を、表示部16に表示させる(ステップ107)。次に、ユーザから解答を受け付けると、機能制御部19は、解答のデータをサーバ30に送信する(ステップ108)。次に、端末装置10は、サーバ30から解答の正誤判定結果及び正答回数のデータを取得する(ステップ109)。そして、機能制御部19は、正答回数が正答ノルマに達したかを判定する(ステップ110)。正答ノルマに達していない場合は、上記ステップ107~109を繰り返す。そして、正答ノルマに達した場合は、機能制御部19は、問題表示画面を消し、動画の再生を再開する(ステップ111)ことにより、動画再生の再開までの処理が終了する。そして、ユーザが動画の視聴を止めるために動画制御システムのアプリケーションを終了させないかぎり、再度ステップ106に戻り、上記サイクルを繰り返す。
【0026】
〔サーバにおける解析処理〕
次に、サーバ30の処理について説明する。
図7はサーバ30の処理の流れを示すフローチャートである。サーバ30は、ユーザ情報を端末装置10から受信し、ユーザ情報記憶部45に受信したユーザ情報を記憶する(ステップ201)。次に、サーバ30は、問題設定情報を端末装置10から受信し、出題条件記憶部46に受信した問題設定情報を記憶する(ステップ202)。端末装置10から出題頻度として設定した時間の経過が通知されると、サーバ30の問題選定部40は、ユーザ情報記憶部45に記憶されたユーザ情報や出題条件記憶部46に記憶された出題条件(問題設定情報)に基づいて、問題を選定する(ステップ203)。通信部34は、選定された問題のデータは、端末装置10に送信する(ステップ204)。端末装置10にユーザからの解答が入力されると、解答のデータはサーバ30で受信され(ステップ205)、正誤判定部41が問題の解答の正誤を判定する(ステップ206)。そして、正誤判定部41は、正答ノルマに達したか否かについても判定する(ステップ207)。正答ノルマに達していなければ、ステップ203~ステップ206を繰り返す。正答ノルマに達している場合は、正答ノルマに達した信号を端末装置10に送信し、停止していた動画の再生を指示する(ステップ208)。
【0027】
以上のように、本実施の形態が適用される動画制御システム1は、ユーザが動画を視聴する環境において、所定時間経過後に動画の再生を中止して問題を出題し、ユーザに回答させることにより、ユーザの学習効果を促進することができる。また、出題頻度の時間間隔で、受動的な視聴行為から問題を解くという能動的な行為を行うため、脳の活性化や同じ動作を継続することに起因する健康上の問題を回避することができる。
【0028】
本実施の形態は、端末装置10とサーバ30を分けて、それぞれの機能を説明したが、本発明は、それぞれの機能が端末装置10とサーバ30のどちらにあるかに関して限定されて解釈されることはない。本発明の動画制御システムは、サーバ30で行う機能の一部又は全部を端末装置10に行わせる構成としてもよい。特に、インターネット接続が難しい環境に対応するために、サーバ30の処理をすべて端末装置10に統合したシステムであってもよい。さらに、ネットワーク50を介してクラウド上にデータが保管されていても問題ない。例えば、問題のデータは、サーバ30の問題記憶部47に記憶されている必要はなく、端末装置10側で記憶されても良く、端末装置10でもサーバ30でもないクラウド上で保管管理されていても構わない。
【0029】
また、サーバ30の記憶部33のユーザ情報記憶部45と出題条件記憶部46と問題記憶部47のデータは、動画制御システムのアプリケーションが起動した際に、端末装置10側に問題と正解等のデータがすべてコピーされて、端末装置10側で正誤判断をするとする構成であっても構わない。
【0030】
本実施の形態は、子供の教育を目的とした利用形態として説明したが、本発明の実施形態として、大人の長時間の視聴行為に基因する健康面での害を防ぐために、気分転換を促す脳トレーニングとして利用される形態であってもよい。
【符号の説明】
【0031】
1…動画制御システム、10…端末装置、11…制御部、12…メモリ、13…記憶部、
14…通信部、15…操作部、16…表示部、17…表示制御部、18…撮像部、19…機能制御部、20…受付部、21…出力部、22…音声入出力部、30…サーバ、31…制御部、32…メモリ、33…記憶部、34…通信部、35…操作部、36…表示部、37…表示制御部、38…受付部、39…問題制御部、40…問題選定部、41…正誤判定部、50…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
ユーザが視聴している動画について視聴継続途中の当該動画の再生を予め定めた時間が経過する度に停止し、
前記動画の内容とは関連のない複数の問題であって当該問題についての正解が関連付けられている問題の中から、少なくとも何れか一つの問題を前記ユーザに提示し、
前記何れか一つの問題についての前記ユーザの解答を取得し、
取得した前記ユーザの解答についての正誤を判定し、
前記正誤の判定に基づいて、停止している前記動画を再生させること、
を特徴とする動画制御システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、
ユーザの年齢又は問題の難易度に基づいて問題を前記ユーザに提示する、
請求項1に記載の動画制御システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、
前記正誤の判定の結果、予め定められた回数の正解を解答できた場合、停止している前記動画を再生させる、
請求項1に記載の動画制御システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、ユーザが視聴している動画について視聴継続途中の当該動画の再生を予め定めた時間が経過する度に停止し、前記動画の内容とは関連のない複数の問題であって当該問題についての正解が関連付けられている問題の中から、少なくとも何れか一つの問題を前記ユーザに提示し、前記何れか一つの問題についての前記ユーザの解答を取得し、取得した前記ユーザの解答についての正誤を判定し、前記正誤の判定に基づいて、停止している前記動画を再生させること、を特徴とする動画制御システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、ユーザの年齢又は問題の難易度に基づいて問題を前記ユーザに提示する、請求項1に記載の動画制御システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記正誤の判定の結果、予め定められた回数の正解を解答できた場合、停止している前記動画を再生させる、請求項1に記載の動画制御システムである。