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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151594
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】選果装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
G01N21/85 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065058
(22)【出願日】2023-04-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.集会名:IMEC2022(知能メカトロニクスワークショップ2022) プログラムの掲載アドレス:https://imec.itlab.org/2022/program プログラムの公開日:2022年8月31日 2.集会名:IMEC2022(知能メカトロニクスワークショップ2022) 公開日:2022年9月5日 3.集会名:アグリビジネス創出フェア2022 公開日:2022年10月26日~2022年10月28日 4.刊行物:山梨日日新聞 第11面 発行日:2022年11月22日 5.集会名:2022年度 山梨大学 工学部 メカトロニクス工学科 卒業論文発表会 予稿集の公開日:2023年2月20日 6.集会名:2022年度 山梨大学 工学部 メカトロニクス工学科 卒業論文発表会 開催日:2023年2月20日 7.集会名:DIA2023(Dynamic Image processing for real Application workshop 2023) 予稿集の掲載アドレス:http://www.tc-iaip.org/dia/2023/information/1939.html 予稿集の公開日:2023年2月27日 8.集会名:DIA2023(Dynamic Image processing for real Application workshop 2023) 公開日:2023年3月3日
(71)【出願人】
【識別番号】304023994
【氏名又は名称】国立大学法人山梨大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】小谷 信司
(72)【発明者】
【氏名】長谷 季樹
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA05
2G051AB20
2G051BA20
2G051BB02
2G051CA04
2G051CA08
2G051CB01
2G051DA06
2G051DA13
2G051EA17
2G051ED01
2G051ED07
2G051ED23
(57)【要約】
【課題】果物をより精度よく選別することができる、選果装置及び情報処理方法を提供することを目的としている。
【解決手段】情報処理部を備えた選果装置であって、前記情報処理部は、画像取得部と、果物情報取得部とを有し、前記画像取得部は、果物画像を取得するように構成され、前記果物情報取得部は、領域取得部と、判定部とを有し、前記領域取得部は、前記果物画像に基づいて、果物の果柄領域を取得するように構成され、前記判定部は、前記果柄領域に基づいて、前記果物の果柄の有無を判定する、選果装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理部を備えた選果装置であって、
前記情報処理部は、画像取得部と、果物情報取得部とを有し、
前記画像取得部は、果物画像を取得するように構成され、
前記果物情報取得部は、領域取得部と、判定部とを有し、
前記領域取得部は、前記果物画像に基づいて、果物の果柄領域を取得するように構成され、
前記判定部は、前記果柄領域に基づいて、前記果物の果柄の有無を判定する、選果装置。
【請求項2】
請求項1に記載の選果装置であって、
前記領域取得部は、前記果物画像に対してRGB色空間からHLS色空間へ変換することで変換果物画像を取得し、且つ、HLS色空間において前記変換果物画像の画素のうち、第1色相範囲に含まれ且つ第1明度範囲に含まれ且つ第1彩度範囲に含まれる画素を前記果柄領域としている、選果装置。
【請求項3】
請求項1に記載の選果装置であって、
前記判定部は、前記果柄領域の面積に基づいて、前記果物の果柄の有無を判定する、選果装置。
【請求項4】
請求項1に記載の選果装置であって、
前記領域取得部は、前記果物画像に基づいて、前記果物の果実領域を取得するように構成され、
前記果物情報取得部は、赤道径取得部を更に有し、
前記赤道径取得部は、前記果柄領域及び前記果実領域に基づいて接続位置を取得すると共に前記果実領域に基づいて重心位置を取得し、且つ、前記接続位置及び前記重心位置に基づいて前記果物の赤道径を取得し、
前記接続位置は、前記果柄領域と前記果実領域とが接続する画素の位置に対応し、
前記重心位置は、前記果実領域の重心となる画素の位置に対応している、選果装置。
【請求項5】
請求項4に記載の選果装置であって、
前記果物画像は、前記果物を上部から撮影した上部果物画像と、前記果物を横から撮影した側部果物画像とを含み、
前記赤道径取得部は、前記上部果物画像の前記果物画像の前記果柄領域及び前記果実領域に基づいて、前記接続位置と前記重心位置との間の距離を取得し、
前記距離が予め定められた距離以上である場合には、前記赤道径取得部は、前記上部果物画像の前記果物画像に基づいて、前記果物の前記赤道径を取得し、
前記距離が予め定められた距離より小さい場合には、前記赤道径取得部は、前記側部果物画像で取得した前記果物画像に基づいて、前記果物の前記赤道径を取得する、選果装置。
【請求項6】
請求項5に記載の選果装置であって、
前記赤道径の方向は、前記接続位置と前記重心位置とを結ぶ直線に対して直交している、選果装置。
【請求項7】
請求項1に記載の選果装置であって、
前記領域取得部は、前記果物画像に基づいて、前記果物の果実領域を取得するように構成され、
前記果物情報取得部は、着色率取得部を更に有し、
前記着色率取得部は、前記果実領域内に含まれる着色画素を取得し、且つ、前記果実領域の面積に対する前記着色画素の数の割合に基づいて着色率を取得し、
前記着色画素は、HLS色空間において第2色相範囲に含まれ且つ第2彩度範囲に含まれ且つ第2明度範囲に含まれる画素である、選果装置。
【請求項8】
請求項1に記載の選果装置であって、
撮影機構と、照明機構を更に備え、
前記撮影機構は、カメラと光拡散部材とを有し、
前記照明機構は、光源を有し、
前記カメラは、前記光拡散部材内において前記果物に臨むように設けられおり、
前記光拡散部材は、前記果物を取り囲むように設けられ、
前記光源は、前記光拡散部材内に設けられ、且つ、前記光源の光軸が前記光拡散部材に向けられている、選果装置。
【請求項9】
請求項1に記載の選果装置であって、
選別機構を更に備え、
前記選別機構は、複数の格納箱と、エアー吹出部とを有し、
前記エアー吹出部は、エアーを吹き出すことで、前記果物を各前記格納箱に移動させる、選果装置。
【請求項10】
請求項9に記載の選果装置であって、
前記選別機構は、格納量検出センサと、報知部とを更に有し、
前記格納量検出センサは、前記格納箱内の前記果物の量を検出可能に構成され、
前記報知部は、前記果物の量に応じて、その旨を報知するように構成されている、選果装置。
【請求項11】
情報処理部を備えた選果装置であって、
前記情報処理部は、画像取得部と、果物情報取得部とを有し、
前記画像取得部は、果物画像を取得するように構成され、
前記果物情報取得部は、領域取得部と、赤道径取得部とを有し、
前記領域取得部は、前記果物画像に基づいて、果物の果柄領域及び前記果物の果実領域を取得するように構成され、
前記赤道径取得部は、前記果柄領域及び前記果実領域に基づいて接続位置を取得すると共に前記果実領域に基づいて重心位置を取得し、且つ、前記接続位置及び前記重心位置に基づいて前記果物の赤道径を取得し、
前記接続位置は、前記果柄領域と前記果実領域とが接続する画素の位置に対応し、
前記重心位置は、前記果実領域の重心となる画素の位置に対応している、選果装置。
【請求項12】
コンピュータが実行する、果物を選果するための情報処理方法であって、
果物画像取得ステップと、領域取得ステップと、判定ステップとを備え、
前記果物画像取得ステップでは、果物画像を取得し、
前記領域取得ステップでは、前記果物画像に基づいて、前記果物の果柄領域を取得し、
前記判定ステップでは、前記果柄領域に基づいて、前記果物の果柄の有無を判定する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選果装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、青果物をコンベアで搬送しているときにおいて、カメラで青果物を撮像することで、青果物の外観(キズ等)を検査可能に構成された選別装置が開示されている。そして、特許文献1では、カメラで青果物を撮像して取得した画像データを、予め記憶されている検査項目に関する画像データと比較する外観検査が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-3284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
青果物の中には、サクランボやリンゴといったように果柄を有する果物がある。これらの果柄を有する果物は、例えば贈り物として用いられる等から理解されるように、外観に対する要求基準が野菜等よりも高いと考えることができ、より精度の高い選別が必要である。特許文献1では、画像データ同士を比較することで検査がなされるが、比較している部位が同様であるかが不明であり、適切な選別ができなくなる可能性が高くなる、という課題がある。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、果物をより精度よく選別することができる、選果装置及び情報処理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、[1]情報処理部を備えた選果装置であって、前記情報処理部は、画像取得部と、果物情報取得部とを有し、前記画像取得部は、果物画像を取得するように構成され、前記果物情報取得部は、領域取得部と、判定部とを有し、前記領域取得部は、前記果物画像に基づいて、果物の果柄領域を取得するように構成され、前記判定部は、前記果柄領域に基づいて、前記果物の果柄の有無を判定する、選果装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、領域取得部が果物画像に基づいて果物の果柄領域を取得するため、検査対象の部位を果柄として特定することが可能であり、そして、判定部が、検査対象の部位として特定された果柄領域に基づいて果物の果柄の有無を判定するため、果物(果物の果柄の有無)をより精度よく選別することができる。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
[2][1]に記載の選果装置であって、前記領域取得部は、前記果物画像に対してRGB色空間からHLS色空間へ変換することで変換果物画像を取得し、且つ、HLS色空間において前記変換果物画像の画素のうち、第1色相範囲に含まれ且つ第1明度範囲に含まれ且つ第1彩度範囲に含まれる画素を前記果柄領域としている、選果装置。
[3][1]又は[2]に記載の選果装置であって、前記判定部は、前記果柄領域の面積に基づいて、前記果物の果柄の有無を判定する、選果装置。
[4][1]~[3]の何れか1つに記載の選果装置であって、前記領域取得部は、前記果物画像に基づいて、前記果物の果実領域を取得するように構成され、前記果物情報取得部は、赤道径取得部を更に有し、前記赤道径取得部は、前記果柄領域及び前記果実領域に基づいて接続位置を取得すると共に前記果実領域に基づいて重心位置を取得し、且つ、前記接続位置及び前記重心位置に基づいて前記果物の赤道径を取得し、前記接続位置は、前記果柄領域と前記果実領域とが接続する画素の位置に対応し、前記重心位置は、前記果実領域の重心となる画素の位置に対応している、選果装置。
[5][4]に記載の選果装置であって、前記果物画像は、前記果物を上部から撮影した上部果物画像と、前記果物を横から撮影した側部果物画像とを含み、前記赤道径取得部は、前記上部果物画像の前記果物画像の前記果柄領域及び前記果実領域に基づいて、前記接続位置と前記重心位置との間の距離を取得し、前記距離が予め定められた距離以上である場合には、前記赤道径取得部は、前記上部果物画像の前記果物画像に基づいて、前記果物の前記赤道径を取得し、前記距離が予め定められた距離より小さい場合には、前記赤道径取得部は、前記側部果物画像で取得した前記果物画像に基づいて、前記果物の前記赤道径を取得する、選果装置。
[6][5]に記載の選果装置であって、前記赤道径の方向は、前記接続位置と前記重心位置とを結ぶ直線に対して直交している、選果装置。
[7][1]~[6]の何れか1つに記載の選果装置であって、前記領域取得部は、前記果物画像に基づいて、前記果物の果実領域を取得するように構成され、前記果物情報取得部は、着色率取得部を更に有し、前記着色率取得部は、前記果実領域内に含まれる着色画素を取得し、且つ、前記果実領域の面積に対する前記着色画素の数の割合に基づいて着色率を取得し、前記着色画素は、HLS色空間において第2色相範囲に含まれ且つ第2彩度範囲に含まれ且つ第2明度範囲に含まれる画素である、選果装置。
[8][1]~[7]の何れか1つに記載の選果装置であって、撮影機構と、照明機構を更に備え、前記撮影機構は、カメラと光拡散部材とを有し、前記照明機構は、光源を有し、前記カメラは、前記光拡散部材内において前記果物に臨むように設けられおり、前記光拡散部材は、前記果物を取り囲むように設けられ、前記光源は、前記光拡散部材内に設けられ、且つ、前記光源の光軸が前記光拡散部材に向けられている、選果装置。
[9][1]~[8]の何れか1つに記載の選果装置であって、選別機構を更に備え、前記選別機構は、複数の格納箱と、エアー吹出部とを有し、前記エアー吹出部は、エアーを吹き出すことで、前記果物を各前記格納箱に移動させる、選果装置。
[10][9]に記載の選果装置であって、前記選別機構は、格納量検出センサと、報知部とを更に有し、前記格納量検出センサは、前記格納箱内の前記果物の量を検出可能に構成され、前記報知部は、前記果物の量に応じて、その旨を報知するように構成されている、選果装置。
[11]情報処理部を備えた選果装置であって、前記情報処理部は、画像取得部と、果物情報取得部とを有し、前記画像取得部は、果物画像を取得するように構成され、前記果物情報取得部は、領域取得部と、赤道径取得部とを有し、前記領域取得部は、前記果物画像に基づいて、果物の果柄領域及び前記果物の果実領域を取得するように構成され、前記赤道径取得部は、前記果柄領域及び前記果実領域に基づいて接続位置を取得すると共に前記果実領域に基づいて重心位置を取得し、且つ、前記接続位置及び前記重心位置に基づいて前記果物の赤道径を取得し、前記接続位置は、前記果柄領域と前記果実領域とが接続する画素の位置に対応し、前記重心位置は、前記果実領域の重心となる画素の位置に対応している、選果装置。
[12]コンピュータが実行する、果物を選果するための情報処理方法であって、果物画像取得ステップと、領域取得ステップと、判定ステップとを備え、前記果物画像取得ステップでは、果物画像を取得し、前記領域取得ステップでは、前記果物画像に基づいて、果物の果柄領域を取得し、前記判定ステップでは、前記果柄領域に基づいて、前記果物の果柄の有無を判定する、情報処理方法。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る選果装置100の全体構成を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す撮影機構2に形成された3つの開口部Opを通る仮想平面で、撮影機構2と照明機構3を切断した状態を示した斜視図である。なお、図2において、矢印Laは、光源3Cの光軸の方向を模式的に示している。
図3図3Aは、図1に示す選果装置100のうち選別機構4を取り除いた状態を示す正面図である。図3Bは、上述の図2に係る仮想平面を通るベルトコンベア1A及び撮影機構2の端面図である。なお、図3Aにおいて、矢印Laは、光源3Cの光軸の方向を模式的に示している。また、図3Bでは、図3Aに示す照明機構3(支持部3A及び基板部3B)については図示省略している。
図4図4は、図1に示す選別機構4の詳細構成を説明するための斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係る選果装置100の機能ブロック図である。
図6図6Aは、ベルトコンベア1Aで倒れた状態の果物(サクランボ)を撮像する様子を模式的に示している。図6Bは、ベルトコンベア1Aで直立状態の果物(サクランボ)を撮像する様子を模式的に示している。図6A及び図6Bにおいて、矢印Ar1は図2に示す上部カメラ2A1の撮像方向を模式的に表しており、矢印Ar2は図2に示す右側部カメラ2A2の撮像方向を模式的に表しており、矢印Ar3は図2に示す左側部カメラ2A3の撮像方向を模式的に表している。
図7図7は、果物(サクランボ)の各部位等を説明するための模式図である。
図8図8は、果物(サクランボ)が撮像された果物画像d1の各画素を模式的に示した説明図である。
図9図9は、図8に示す果物画像d1のうちの果柄領域Rg1が二値化処理されて黒で示された様子を模式的に示している。
図10図10は、図8に示す果物画像d1のうちの果実領域Rg2が二値化処理されて黒で示された様子を模式的に示している。
図11図11は、カメラ2Aが倒れた状態の果物を撮像する場合において、領域取得部5B1が取得する4つの領域(上部カメラ2A1に基づく果柄領域Rg1及び果実領域Rg2と、右側部カメラ2A2に基づく果実領域Rg2と、左側部カメラ2A3に基づく果実領域Rg2)により、赤道径や着色率が取得される様子を模式的に示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0011】
1 第1実施形態
1-1 全体構成説明
図1に示すように、選果装置100は、搬送部1と、撮影機構2と、照明機構3と、選別機構4と、情報処理部5(図5参照)とを備えている。選果装置100は果物を選別可能に構成されており、実施形態では、果物がサクランボであるものとして説明する。なお、選果装置100が選別する果物は、サクランボに限定されるものではなく、実施形態は、果柄があるその他の果物に対しても好適であり、例えば、リンゴ等の果物に対しても適用可能である。
【0012】
なお、図1では、情報処理部5の図示を省略しているが、例えば、情報処理部5は、撮影機構2に付設されていてもよいし、又は、情報処理部5は、搬送部1、撮影機構2及び選別機構4とは別の空間に配置され、これらと遠隔でデータのやり取り等をする構成であってもよい。
【0013】
図1及び図2に示すように、搬送部1は、果物を搬送可能に構成されたベルトコンベア1A等を有し、ベルトコンベア1Aには、上流側から順番に撮影機構2及び照明機構3が配置されている。図2に示すように、撮影機構2は、カメラ2A等を有し、カメラ2Aで撮像された果物画像(果物画像データ)は情報処理部5で処理される。照明機構3は、撮影機構2内に配置された果物を撮像できるように、撮影機構2内において光を照射するように構成されている。図1及び図4に示すように、選別機構4は、複数の格納箱4Aと複数のエアー吹出部4B等を有し、情報処理部5の指令に基づいて、対応するエアー吹出部4Bが駆動し、果物は、エアー吹出部4Bから放出されたエアーにより、格納箱4Aへ移動させられる。
【0014】
図5に示すように、情報処理部5は、画像取得部5Aと、果物情報取得部5Bとを有する。また、果物情報取得部5Bは、領域取得部5B1と、赤道径取得部5B2と、着色率取得部5B3と、判定部5B4とを有する。また、搬送部1は駆動モータ1B等を制御する制御部1Cを有し、選別機構4は、エアー吹出部4B等を制御する制御部4Eを有する。これらの構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、CPUがコンピュータプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。プログラムは、内蔵の記憶部に格納してもよく、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶部に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。ハードウェアによって実現する場合、ASIC、FPGA、又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。第1実施形態においては、様々な情報やこれを包含する概念を取り扱うが、これらは、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、上記のソフトウェア又はハードウェアの態様によって通信や演算が実行され得るものである。
【0015】
1-2 選果装置100の構成要素の詳細説明
1-2-1 搬送部1
搬送部1は、図1及び図2に示すベルトコンベア1Aと、図5に示す駆動モータ1Bと、図5に示す制御部1Cとを有する。
【0016】
ベルトコンベア1Aは、撮影機構2及び選別機構4を通るように延びるように設けられている。ベルトコンベア1Aは、果物が載置される載置面1A1を有しており、果物を搬送可能となっている。ベルトコンベア1Aは、後述する撮影機構2のカメラ2Aによって果物とともに撮影されるが、情報処理部5がベルトコンベア1A自体を果物と誤認識することがないように、ベルトコンベア1Aの色は、果物の色とは別の色にすることが好ましい。第1実施形態では、ベルトコンベア1Aの色は白色である。また、ベルトコンベア1Aのうち撮影機構2よりも上流側の部分には、図2に示すように、果物をベルトコンベア1Aへ配置するためのエリア1aが設けられている。エリア1aには、例えば、図示省略のフィーダーやロボットアーム等を付設することができ、ベルトコンベア1A上に果物を載置することができる。なお、第1実施形態では、果物がベルトコンベア1A上に1列に並べられる。
【0017】
駆動モータ1Bは、ベルトコンベア1Aに付設されており、ベルトコンベア1Aを駆動するように構成されている。
制御部1Cは、駆動モータ1Bの動作を制御するように構成されている。制御部1Cは、情報処理部5(後述の駆動制御部5C)と通信可能に構成されており、制御部1Cは、情報処理部5から送信される制御指令に基づいて駆動モータ1Bを動作させることが可能である。
【0018】
1-2-2 撮影機構2
図2図3Bに示すように、撮影機構2は、カメラ2Aと、外側部材2Bと、内側部材2C(光拡散部材の一例)とを有する。
【0019】
カメラ2Aは、図2に示すように、上部カメラ2A1と、側部カメラ(右側部カメラ2A2及び左側部カメラ2A3)とを有する。カメラ2Aは、外側部材2Bの内側に配置されている。具体的には、上部カメラ2A1、右側部カメラ2A2及び左側部カメラ2A3は、外側部材2Bと内側部材2Cとの間に形成される空間Spに配置されている。また、上部カメラ2A1、右側部カメラ2A2及び左側部カメラ2A3は、x方向(果物の進行方向)において、同じ位置に配置されている。なお、上部カメラ2A1、右側部カメラ2A2及び左側部カメラ2A3の配置はこれに限定されるものではなく、x方向において、位置がずれていてもよい。
【0020】
なお、以下の説明において、左右方向は、果物の搬送方向を正面として定義している。
また、図中のx方向は、果物の搬送方向に平行であり、y方向は、後述するベルトコンベア1Aの幅方向に平行であり、z方向は、重力方向に平行である。x方向とy方向とz方向とは、互いに直交する。
【0021】
上部カメラ2A1は、例えば、レンズの中心(光軸)の位置がベルトコンベア1Aの横幅方向(y方向)における中央に位置するように配置されている。上部カメラ2A1は、内側部材2Cのうちの上壁部の直上に配置されている。
右側部カメラ2A2及び左側部カメラ2A3は、例えば、レンズの中心(光軸)の位置がベルトコンベア1Aの載置面より上側に位置するように配置されている。
【0022】
図2及び図3Bに示すように、外側部材2B及び内側部材2Cには、ベルトコンベア1Aが通過するトンネル状の構成が採用されている。具体的には、外側部材2Bは、例えば、筒状に構成された部材であり、カメラ2A及び内側部材2Cを収容している。また、内側部材2Cは、例えば、筒状に構成された部材であり、ベルトコンベア1Aで搬送される果物を取り囲むように設けられている。内側部材2Cの外側面にはカメラ2Aが付設されている。つまり、カメラ2Aは、内側部材2C内において果物に臨むように設けられている。内側部材2Cには、カメラ2Aが臨む複数(第1実施形態では3つ)の開口部Opが形成されている。開口部Opは、例えば、ベルトコンベア1Aの載置面1A1よりも上側に形成することができる。
【0023】
また、内側部材2Cの内面は、カメラ2Aによって果物とともに撮影されるため、情報処理部5が内側部材2Cの内面自体を果物と誤認識することがないように、内側部材2Cの内面の色は、果物の色とは別の色にすることが好ましい。第1実施形態では、内側部材2Cの内面の色は、白色である。
【0024】
なお、上述の外側部材2Bは、撮影機構2において必須の構成ではないが、撮影機構2が外側部材2Bを備えることで、外光の影響を低減することができ、より適切にカメラ2Aで果物を撮影することが可能である。また、内側部材2Cについても、撮影機構2において必須の構成ではないが、撮影機構2が内側部材2Cを備えることで、果物以外の不要な対象が映り込むことを回避することができ、情報処理部5による果物画像d1の誤認識を回避しやすい。また、撮影機構2が内側部材2Cを備えることで、後述するように、間接照明を実現することができる。
【0025】
1-2-3 照明機構3
図2及び図3Aに示すように、照明機構3は、支持部3Aと、基板部3Bと、光源3Cとを有する。
【0026】
図3Aに示す支持部3Aは、実施形態において内側部材2Cに連結しており、基板部3Bを支持する機能を有する。具体的には、支持部3Aは、内側部材2Cの上壁部及び側壁部にそれぞれ連結している。また、照明機構3は、複数(実施形態では4つ)の支持部3Aを有し、支持部3Aは、内側部材2Cの入口側に2つ配置され、内側部材2Cの出口側に2つ配置されている。なお、支持部3Aは、内側部材2C以外の構成(例えば、外側部材2B等)に連結されていてもよい。
【0027】
図2及び図3Aに示す基板部3Bは、x方向(果物の搬送方向)に延びるように設けられている。基板部3Bは、光源3Cが実装された基板とベース板とを有する。第1実施形態では、基板部3Bの基板は、薄いテープ状に構成されており、この基板は、例えば金属製のベース板に取り付けられている。基板部3Bは、内側部材2Cに収容されるように設けられているが、一部が内側部材2Cから突き出ていてもよい。照明機構3は、複数(実施形態では2つ)の基板部3Bを有し、これらの基板部3Bは、ベルトコンベア1Aの横幅方向(y方向)の中央の位置を通る垂直面に対して対称に設けられている。基板部3Bのうち内側部材2Cの入口側及び出口側に位置する端部は、内側部材2Cの入口側及び出口側に位置する支持部3Aにそれぞれ連結し、支持されている。
【0028】
光源3Cは、光を照射するように構成されており、実施形態では、LEDである。つまり、基板部3Bの基板がテープ状であるため、第1実施形態では、照明機構3は照明としてテープ型LEDを採用している。第1実施形態では、複数の光源3Cが、果物の搬送方向(x方向)に並ぶように基板部3Bに配置されている。光源3Cは、内側部材2C内に設けられており、且つ、光源3Cの光軸が、内側部材2Cに向けられている。この構成により、光源3Cから照射された光が、内側部材2Cの内面で反射して拡散する。つまり、この構成により、果物を間接照明で撮影することが可能となる。間接照明は、光源3Cの光軸が果物に向かう直接照明とは異なり、より均一な照明が可能である。サクランボのような果物は、表面に光沢があるため、直接照明でサクランボを撮影すると、情報処理部5で適切な画像処理ができなくなる可能性がある。つまり、情報処理部5が、画像領域のうちのどこがサクランボであるかについて誤認識する可能性がある。それに対し、間接照明では、画像領域を適切に認識することが可能であり、果物の領域の誤認識を抑制しやすい。
【0029】
1-2-4 選別機構4
図1及び図4に示すように、選別機構4は、格納箱4Aと、回動機構4aと、エアー吹出部4Bと、格納量検出センサ4Cと、報知部4D(図5参照)と、制御部4E(図5参照)とを有する。
【0030】
図4に示すように、格納箱4Aは、ベルトコンベア1Aに併設されている。格納箱4Aは、撮影機構2を通過する過程で、情報処理部5において画像処理された果物が格納される。選別機構4は、複数(第1実施形態では9つ)の格納箱4Aを有する。つまり、実施形態では、選果装置100は、果物のサイズが3通り、果物の着色特性(等級)が3通りで、合計9つのパターンに果物を選別可能となっており、対応して9つの格納箱4Aを備えている。なお、図示は省略しているが、ベルトコンベア1Aの終点位置に格納箱4Aを配置し、規格に沿わない果物を貯留するようにしてもよい。
【0031】
格納箱4Aの底面には、矩形状の開口4A1が形成されている。格納箱4Aは、開口4A1が回動機構4aによって閉塞されているため、果物が貯留可能となっている。そして、回動機構4aは、図4に示す矢印Rのように回動可能となっており、回動機構4aが回動することで開口4A1が開放されて、格納箱4A内の果物を格納箱4Aから取り出すことが可能となっている。
【0032】
エアー吹出部4Bは、対応する格納箱4Aと対をなす構成である。つまり、対をなすエアー吹出部4B及び格納箱4Aは、果物のサイズ及び着色特性(等級)に応じて、第1実施形態では9つ配置されている。エアー吹出部4Bは、対応する格納箱4Aに対して、y方向に対向するように設けられている。エアー吹出部4Bは、図4に示すエアーの流れFLに示す方向に、エアーを吹き出すことが可能となっている。果物の移動にあたって果物に直接触れる必要がなく、エアー吹出部4Bがエアーで果物を移動させるため、果物が傷ついてしまうことを抑制することが可能である。
【0033】
格納量検出センサ4Cは、格納箱4A内の果物の量を検出するように構成されており、例えば、測距センサで構成することができる。測距センサとしては、発光部及び受光部を有する光学式のセンサを採用することができる。
【0034】
報知部4Dは、格納量検出センサ4Cの検出結果(格納箱4A内における果物の格納量)に基づいて、予め定められた報知方法でユーザー等にその旨を報知するように構成されている。
報知部4Dは、例えば、LED等の発光部、ディスプレイ及びスピーカ等で構成することが可能である。つまり、報知部4Dの報知方法は、特に限定されるものではないが、例えば、LED等の発光部を点灯させることでその旨を伝達するようにしてもよいし、ディスプレイにその旨の表示をしてもよいし、また、音声でその旨を伝達するようにしてもよい。また、報知部4Dが伝達するその旨の内容についても、特に限定されるものではないが、例えば、果物の格納量が格納箱4Aに予め定められる格納量を超えたこととすることができる。
【0035】
制御部4Eは、情報処理部5から送信されるデータ(後述する判定データd2)に基づいて、エアー吹出部4Bのエアー吹き出し動作を制御するように構成されている。また、制御部4Eは、格納量検出センサ4Cの検出結果に基づいて、報知部4Dの動作を制御するように構成されている。なお、制御部4Eも、制御部1Cと同様、情報処理部5(後述の駆動制御部5C)と通信可能に構成されている。
【0036】
1-2-5 情報処理部5
1-2-5-1 画像取得部5A
図5に示す画像取得部5Aは、撮影機構2のカメラ2Aで撮像した画像データとしての果物画像d1を取得可能に構成されている。画像取得部5Aで取得された果物画像d1は、果物情報取得部5Bへ送信される。
【0037】
1-2-5-2 果物情報取得部5B
果物情報取得部5Bは、果物画像d1に基づいて、果物の領域を取得する機能と、果物の赤道径を取得する機能と、果物の着色率を取得する機能とを有する。また、果物情報取得部5Bは、取得した果物の領域に基づいて、果柄の有無を判定する機能を有する。
以下に、果物情報取得部5Bの詳細構成を説明する。
【0038】
<領域取得部5B1>
領域取得部5B1は、画像取得部5Aから取得した果物画像d1に基づいて、果柄領域Rg1(図9参照)及び果実領域Rg2(図10参照)を取得する。なお、図7に示すように、サクランボは、果柄と果実を有する。サクランボの品種によっても異なるが、サクランボの果柄は、一般的に緑色又は緑がかった色であり、果実は、一般的に赤色又は赤みを帯びた色である。このため、情報処理部5は、画像データ(果物画像d1)の色の情報に基づいて、果柄の部位と果実の部位をそれぞれ区別して特定する。例えば、果柄領域Rg1は、図7の果柄の部位に対応し、果実領域Rg2は、図7の果実の部位に対応する。
【0039】
・取得する領域について
第1実施形態では、領域取得部5B1は、上部カメラ2A1で取得した果物画像d1又は側部カメラで取得した果物画像d1に基づいて、果柄領域Rg1を取得する。例えば、上部カメラ2A1で取得した果物画像d1により、適切な果柄領域Rg1を取得することが可能であれば、領域取得部5B1は、この果柄領域Rg1を用いる。適切な果柄領域Rg1を取得することができるか否かは、果物の状態(倒れている状態及び直立状態)に応じて変わってくる。
具体的には、サクランボがベルトコンベア1Aで搬送されているときにおいて、サクランボが図6Aに示すように、倒れた状態となっていることもあれば、図6Bに示すように、直立状態となっていることもある。倒れている状態である場合に、側部カメラ(右側部カメラ2A2及び左側部カメラ2A3)で取得した果物画像d1を用いて果柄領域Rg1を取得しようとすると、果物の姿勢や果柄の形状によっては、果柄がかなり狭い領域になってしまい、果柄領域Rg1を適切に特定できない可能性がある。逆に、直立状態となっている場合では、上部カメラ2A1で取得した果物画像d1を用いて果柄領域Rg1を取得しようとすると、同様に、果柄がかなり狭い領域になってしまい、果柄領域Rg1を適切に特定できない可能性がある。このため、果柄領域Rg1を適切に取得するには、いずれのカメラの果物画像d1を使用するかを決定する必要がある。
【0040】
ここで、一般的には、サクランボはベルトコンベア1A上において直立状態ではなく、倒れてしまうケースが多い。サクランボが倒れた状態では、上部カメラ2A1でサクランボを撮像すれば、後述する赤道径取得部5B2が適切にサイズ(赤道径)を取得することが可能となり、その結果、側部カメラの果物画像d1を用いて果柄領域Rg1を取得する処理をしなくてもよいことになる。
そこで、領域取得部5B1は、最初に、上部カメラ2A1の取得した果物画像d1(上部果物画像の一例)に基づいて、果柄領域Rg1の取得を試みる。引き続いて、後述する赤道径取得部5B2が、この取得した果柄領域Rg1と果実領域Rg2との接続位置(図8の接続位置対応画素px1参照)と、果実領域Rg2における重心位置(図8の重心位置対応画素px2参照)との間の距離を算出する。
接続位置と重心位置との間の距離が予め定められた距離以上である場合には、果物が倒れた状態であることが見込まれる。このため、領域取得部5B1は、上部カメラ2A1の果物画像d1に基づいて果柄領域Rg1を取得する。
逆に、接続位置と重心位置との間の距離が予め定められた距離より小さい場合には、果実が直立状態であることが見込まれる。このため、領域取得部5B1は、側部カメラの取得した果物画像d1(側部果物画像の一例)に基づいて果柄領域Rg1を取得する。この場合、右側部カメラ2A2の果物画像d1を用いてもよいし、左側部カメラ2A3の果物画像d1を用いてもよい。
【0041】
果実領域Rg2については、果柄領域Rg1とは異なり、各カメラで取得した果物画像d1に対して、取得されることになる。つまり、領域取得部5B1は、図11に示すように、上部カメラ2A1で取得した果物画像d1、側部カメラ(右側部カメラ2A2及び左側部カメラ2A3)で取得した果物画像d1のそれぞれに対して、果実領域Rg2を取得する。後述する赤道径取得部5B2が着色率を算出するにあたって、果物の広範囲の画素情報が必要となるためである。
【0042】
・各領域の画素を特定する方法について
領域取得部5B1は、果物画像d1に対してRGB色空間からHLS色空間へ変換することで変換果物画像を取得する。つまり、領域取得部5B1は、RGB色空間ではなく、HLS色空間を用いて、果柄領域Rg1及び果実領域Rg2を特定する。HLS色空間は、色相H(Hue)と、明度L(Lightness)と、彩度S(Saturation)との3つの要素で色を表現する色空間である。なお、第1実施形態において、HLS色空間は、双円錐モデルを採用している。
【0043】
第1実施形態で処理する画像の対象は、サクランボであるが、サクランボは、赤みを有するほど基本的には品質が高く、色相Hではこのような赤みを適切に評価することが可能である。また、サクランボは光沢があるほど基本的には品質が高く、明度Lでは光沢のような品質を加味した評価をしやすい。更に、サクランボは皺がないほど基本的には品質が高く、彩度Sではこのような表面の皺といった品質を加味した評価をしやすい。なお、RGB色空間とHLS色空間とは、相互に変換可能であるため、領域取得部5B1はRGB色空間を採用することもできる。しかし、上述の通り、サクランボの品質評価にあたっては、HLS色空間を用いる方が、赤み、皺及び光沢といった観点を直接的に評価しやすいため、選果装置100のユーザー(例えば、サクランボ農家)にとって評価方法に納得感を得やすく、選果装置100はユーザーフレンドリーな設計となっている。
【0044】
領域取得部5B1は、HLS色空間において変換果物画像の画素のうち、色相範囲H1に含まれ、且つ、明度範囲L1に含まれ、且つ、彩度範囲S1に含まれる画素を果柄領域Rg1に含まれる画素(図8の果柄の画素pt1,pt2参照)と決定する。換言すると、果柄領域Rg1は、果柄の画素の集合から構成されており、各果柄の画素は、上述の色相範囲H1に含まれ、且つ、明度範囲L1に含まれ、且つ、彩度範囲S1に含まれる。なお、色相範囲H1が第1色相範囲の一例であり、明度範囲L1が第1明度範囲の一例であり、彩度範囲S1が第1彩度範囲の一例である。
果物がサクランボの場合において、色相範囲H1は、例えば、30~70の範囲に設定することができ、明度範囲L1は、例えば、100~160の範囲に設定することができ、彩度範囲S1は、60~120の範囲に設定することができる。
【0045】
また、領域取得部5B1は、HLS色空間において変換果物画像の画素のうち、色相範囲H2に含まれ、且つ、明度範囲L2に含まれ、且つ、彩度範囲S2に含まれる画素を果実領域Rg2に含まれる画素(図8の果実の画素ps1,ps2参照)と決定とする。換言すると、果実領域Rg2は、果実の画素の集合から構成されており、各果実の画素は、上述の色相範囲H2に含まれ、且つ、明度範囲L2に含まれ、且つ、彩度範囲S2に含まれる。
果物がサクランボの場合において、色相範囲H2は、例えば、0~30及び160~179の範囲に設定することができ、明度範囲L2は、例えば、10~255の範囲に設定することができ、彩度範囲S2は、80~255の範囲に設定することができる。
なお、色相範囲H1と色相範囲H2とは一部が重複してもよく、明度範囲L1と明度範囲L2とは一部が重複してもよく、彩度範囲S1と彩度範囲S2とは一部が重複してもよい。
【0046】
第1実施形態において、情報処理部5は、サクランボの種類や産地に応じて、上述の色相範囲H1,H2、明度範囲L1,L2、及び彩度範囲S1,S2を変更可能である。
【0047】
領域取得部5B1は、果柄の画素を特定すると、その画素を二値化処理し、図9に示すような果柄画像を生成する。これにより、領域取得部5B1は、果柄領域Rg1を特定(取得)することができる。果柄画像には、果柄画素が黒として、その他が白として模式的に示されている。果柄画素の集合が果柄領域Rg1に対応する。
また、領域取得部5B1は、果実の画素を特定すると、その画素を二値化処理し、図10に示すような果実画像を生成する。これにより、領域取得部5B1は、果実領域Rg2を特定(取得)することができる。果実画像には、果実画素が黒として、その他が白として模式的に示されている。果実画素の集合が果実領域Rg2に対応する。
なお、果物画像には、果柄の画素や果実の画素以外のノイズとなる画素が混入する場合がある。そこで、領域取得部5B1は、ノイズを除去する機能を有していてもよい。
【0048】
<赤道径取得部5B2>
赤道径取得部5B2は、果柄領域Rg1及び果実領域Rg2に基づいて接続位置(図8及び図10に示す接続位置対応画素px1に対応)を取得し、また、果実領域Rg2に基づいて重心位置(図8及び図10に示す重心位置対応画素px2)を取得する。そして、赤道径取得部5B2は、接続位置(接続位置対応画素px1)及び重心位置(重心位置対応画素px2)に基づいて果物のサイズに対応する赤道径を取得する。
【0049】
図8及び図10に示す接続位置対応画素px1は、果柄領域Rg1と果実領域Rg2とが接続する画素であり、その位置座標は、図7に示す接続位置P1の位置に対応している。
図8及び図10に示す重心位置対応画素px2は、果実領域Rg2の重心となる画素であり、その位置座標は、図7に示す重心位置P2の位置に対応している。
【0050】
赤道径は、接続位置P1(接続位置対応画素px1)と重心位置P2(重心位置対応画素px2)とを結ぶ直線L1に対して直交しており、また、重心位置P2を通る。そして、赤道径は、直線L1に直交する直線L2において、輪郭画素pn1と輪郭画素pn2との間の距離に対応している。
輪郭画素pn1は、果実領域Rg2に含まれる画素のうち直線L2上の一方側の端部に位置する画素であり、輪郭画素pn2は、果実領域Rg2に含まれる画素のうち直線L2上の他方側の端部に位置する画素である。
【0051】
ここでは、一例として、果物(サクランボ)が倒れた状態であるものとして、赤道径取得部5B2の構成を説明する。
上述した領域取得部5B1は上部カメラ2A1から取得した果物画像d1に基づいて果柄領域Rg1及び果実領域Rg2をそれぞれ取得している。赤道径取得部5B2は、これら果柄領域Rg1及び果実領域Rg2に基づいて、図8図10に示す接続位置(接続位置対応画素px1)を取得する。
次に、赤道径取得部5B2は、果実領域Rg2の重心位置(重心位置対応画素px2)を取得する。ここで、赤道径取得部5B2における重心とは、画像解析における重心であり、重さ(重力)の概念は含めていない。つまり、赤道径取得部5B2における重心は、厚さが一定であり且つ比重が一定の一様な2次元形状の重心に対応している。果実領域Rg2の重心位置は、果実領域Rg2を構成する各座標が分かっていれば、その算出方法は限定されるものではなく、各種の公知の方法を用いることができる。
【0052】
赤道径取得部5B2は、接続位置(接続位置対応画素px1)及び重心位置(重心位置対応画素px2)を取得すると、図8図10に示すように、これらの位置を通る直線L1を取得する。加えて、赤道径取得部5B2は、直線L1に直交し、重力位置(重心位置対応画素px2)を通る直線L2を取得する。更に、赤道径取得部5B2は、直線L2及び果実領域Rg2に基づいて輪郭画素pn1,pn2を取得し、輪郭画素pn1と輪郭画素pn2との間の距離である赤道径を取得する。
【0053】
このように、果物が倒れた状態である場合において、赤道径取得部5B2は、赤道径の取得にあたって、上部カメラ2A1の果物画像d1を用いる必要がある状況にある。この状況は、接続位置と重心位置との間の距離が予め定められた距離以上であることに対応している。この状況において、赤道径取得部5B2は、上部カメラ2A1の果物画像d1(上部果物画像の一例)に基づいて、果物の赤道径を取得する。
逆に、果物が直立状態である場合において、赤道径取得部5B2は、赤道径の取得にあたって、側部カメラの果物画像d1を用いる必要がある状況にある。この状況は、接続位置と重心位置との間の距離が予め定められた距離より小さいことに対応している。この状況において、赤道径取得部5B2は、側部カメラの果物画像d1(側部果物画像の一例)に基づいて、果物の赤道径を取得する。
【0054】
<着色率取得部5B3>
着色率取得部5B3は、果実領域Rg2内に含まれる着色画素を取得し、また、果実領域Rg2の面積に対する着色画素の数の割合に基づいて着色率を取得する。ここで、着色画素とは、HLS色空間において変換果物画像の画素のうち、色相範囲H3に含まれ、且つ、明度範囲L3に含まれ、且つ、彩度範囲S3に含まれる画素である。着色画素におけるこれらの範囲は、果実領域Rg2を取得するために用いられた各範囲(色相範囲H2、明度範囲L2及び彩度範囲S2)よりも更に狭い範囲である。なお、色相範囲H3が第2色相範囲の一例であり、明度範囲L3が第2明度範囲の一例であり、彩度範囲S3が第2彩度範囲の一例である。
【0055】
なお、第1実施形態において、情報処理部5は、サクランボの種類や産地に応じて、上述の色相範囲H3、明度範囲L3、及び彩度範囲S3を変更可能である。
【0056】
なお、第1実施形態では、着色率取得部5B3は、3つの果実領域Rg2(上部カメラ2A1に基づく果実領域Rg2及び側部カメラに基づく果実領域Rg2)内に含まれる全ての画素に対して、着色画素であるか否かを判定しなくてもよい。というのも、果物の表面は曲面状に形成されているので、上部カメラ2A1に基づく果実領域Rg2と、側部カメラに基づく果実領域Rg2とは、少なくとも一部が重複するためである。このため、第1実施形態では、着色率取得部5B3が、重複する部分を除外する処理を行うこととしている。
例えば、上部カメラ2A1に基づく果実領域Rg2が、重複画素領域(t1)と、重複画素領域(t2)と、非重複画素領域(t3)とを有し、右側部カメラ2A2に基づく果実領域Rg2が、重複画素領域(t1)と、非重複画素領域(s1)とを有し、左側部カメラ2A3に基づく果実領域Rg2が、重複画素領域(t2)と、非重複画素領域(u1)とを有するとする。この場合には、全体の果実領域Rg2は、t1+t2+t3+s1+u1で表され、重複領域であるt1,t2を二重に計算に入れないようにするとよい。
【0057】
重複画素領域は、各種の方法で取得することができる。例えば、色相範囲、明度範囲及び彩度範囲が一致する箇所を判定することでその重複画素領域を特定してもよい。また、例えば、上部カメラ2A1に基づく果実領域Rg2のうち、左右の予め定められた幅の領域を重複画素領域として除外することにし、大まかに重複画素領域を設定してもよい。
【0058】
着色率取得部5B3は、3つの果実領域Rg2の面積(上記の例では、t1+t2+t3+s1+u1の領域)と、3つの果実領域Rg2内に含まれる着色画素の数とに基づいて、着色率を取得する。第1実施形態では、着色率は、着色画素の数を3つの果実領域Rg2の面積で割った値である。
【0059】
なお、第1実施形態では、果物の底部側(果物の載置面側)に基づく果実領域Rg2は取得していない。果物の底部側(果物の載置面側)に基づく果実領域Rg2は比較的狭く、着色率の算出精度にそこまで影響を与えないためである。もちろん、果物の底部側(果物の載置面側)に基づく果実領域Rg2を取得して、着色率の算出精度を向上させてもよい。
【0060】
なお、サクランボの形状や姿勢によっては、果実領域Rg2内に果柄領域Rg1が入り込んでしまう場合がある。これは、果柄によって果実の一部が隠れてしまい、その一部がカメラ2Aで撮像されないためである。例えば、果物が直立状態となっている場合、上部カメラ2A1で取得された果物画像d1における果実の一部は果柄によって隠れてしまうことになる。また、果物が倒れた状態であっても、側部カメラで取得された果物画像d1における果実の一部は果柄によって隠れる可能性がある。
しかし、果柄は細く、この隠れてしまう領域は果実領域Rg2の全体と比較すると小さいため、第1実施形態では、隠れてしまう領域は、果実領域ではないものとして扱う。
【0061】
<判定部5B4>
判定部5B4は、果柄領域Rg1に基づいて、果物の果柄の有無を判定する。ここで、判定部5B4は、果柄領域Rg1の面積に基づいて、果物の果柄の有無を判定する。例えば、判定部5B4は、果柄領域Rg1の面積が予め定められた閾値以上であれば、果物に果柄があると判定し、予め定められた閾値未満であれば、果物に果柄がないと判定する。
【0062】
また、判定部5B4は、赤道径取得部5B2の取得した赤道径の値に応じて、サイズにおける3つのグループ(大・中・小)のうちのいずれに該当するかを判定する。更に、判定部5B4は、着色率取得部5B3の取得した着色率の値に応じて、着色率における3つのグループ(多い・中程度・少ない)のうちのいずれに該当するかを判定する。
【0063】
判定部5B4は、果物の果柄の有無の判定結果、果物のサイズの判定結果、及び果物の着色率の判定結果を含む判定データd2を駆動制御部5Cに送信するように構成されている。
【0064】
1-2-5-3 駆動制御部5C
駆動制御部5Cは、搬送部1の制御部1Cや選別機構4の制御部4Eと通信可能に構成されており、搬送部1や選別機構4を統括制御可能である。駆動制御部5Cは、判定部5B4で生成された判定データd2を制御部4Eに送信するように構成されている。これにより、制御部4Eが、判定データd2に基づいて、エアー吹出部4Bを制御し、果物が対応する格納箱4Aに選別される。なお、果物に果柄がない場合には、エアー吹出部4Bを駆動させないで、ベルトコンベア1Aの終点へ搬送されて、回収される。
【0065】
1-2 効果の説明
果物は見た目によって商品価値が決まることがある。特に、果柄のないサクランボは商品価値がない、又は、大幅に低下する可能性があるため、果柄の有無を精度よく判定することが望ましい。第1実施形態に係る選果装置100は、領域取得部5B1が果物画像d1に基づいて果物の果柄領域Rg1を取得するため、検査対象の部位を果柄として特定することが可能である。そして、判定部5B4が、検査対象の部位として特定された果柄領域Rg1に基づいて果物の果柄の有無を判定するため、果物(果物の果柄の有無)をより精度よく選別することができる。
【0066】
ここで、例えば山形県では、2000年から2020年までの20年間で、サクランボ農家数は半減している。一方で、サクランボの耕作面積は変わっておらず、これは1戸当たりの経営面積が倍増していることを示し、現在では、農家の多忙化が顕著になっているということができる。農家の作業の中には、サクランボの選果がある。サクランボの果実は小さく傷みやすいため、熟練農家が手作業で選果を行っている状況が一般的である。なお、選果にあたっては、第1実施形態で説明したように、サイズ(赤道径)と等級に関する少なくとも2つ項目がある。例えば、サイズの測定では、サクランボの果実を通す開口が形成された治具が用いた手作業で行われ、また、等級の最終的な判断は、熟練農家が目視で行う方法がとられている。このように、サクランボ農家の作業は、上述の選果の作業等を含めて多忙化しているが、それに伴い、サクランボの出荷が遅れてしまうと、サクランボの過熟が進行し、サクランボの商品価値が落ちてしまう可能性がある。特に、サクランボは、追熟しないことから、すみやかに出荷する必要性が高い果物ということができる(収穫した直後が最も美味しい)。このため、サクランボ農家の作業負担を抑制して出荷をすみやかに進めることには、農家の所得向上に繋がる。
第1実施形態に係る選果装置100は、果柄の有無の選別が機械で自動化されており、精度よく、且つ、素早く、果物の選果が可能である。このため、農家の作業負担を抑制することができるとともに、果物の過熟の進行を抑制し、ひいては、農家の所得向上を期待することができる。
【0067】
2 その他実施形態
第1実施形態では、ベルトコンベア1Aの色が白色であるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ベルトコンベア1Aは半透明又は透明であってもよい。これにより、ベルトコンベア1Aの直下にカメラを追加することができる。具体的には、カメラ2Aが底部カメラを更に有し、この底部カメラがベルトコンベア1Aの下に配置される。これにより、ベルトコンベア1Aに載置された果物の底面を撮像することができ、果物の表面積をより高精度に算出する効果を期待することができる。
【0068】
第1実施形態では、情報処理部5が、赤道径(サイズ)で果物を選別するとともに、着色率(特級)で果物を選別するように構成されていたが、これに限定されるものではなく、赤道径及び着色率のうちの少なくとも一方で選別する構成であってもよい。
例えば、選果装置100が赤道径で果物を選別し、着色率では選別しない場合には、情報処理部5は、着色率取得部5B3を備えない。そして、この場合には、領域取得部5B1は、必ずしも、全てのカメラの果物画像d1に基づいて、果柄領域Rg1及び果実領域Rg2を取得する必要がなくなる。果物が倒れた状態であれば、領域取得部5B1は、最初に用いられる、上部カメラ2A1の取得した果物画像d1に基づいて、果柄領域Rg1及び果実領域Rg2を取得することができるためである。
【0069】
果柄領域Rg1等の領域や赤道径等の値といったデータの取得方法は、第1実施形態の内容に限定されるものではなく、例えば、学習モデル(機械学習モデル)を用いてもよい。なお、学習モデルとは、多数の教師データ(既知の入力データと正解データの組)を用いてモデルを訓練し、将来の出力を予測可能にするモデルである。
学習モデルにおいて入力データは、例えば、カメラ2Aの果物画像d1である。出力としては、例えば、果柄領域Rg1の範囲や果実領域Rg2の範囲とすることができる。その他に、出力としては、果柄の有無の判定結果、接続位置、重心位置、赤道径の値、着色画素の特定、着色率の値としてもよい。出力をどのようにするかは、例えば、学習モデルの内容や出力精度等に応じて、適宜、決定することができる。
【0070】
例えば、果実のサイズが小さい、着色率(等級)が低い、及び不良品(例えば、果柄が無い)と判定されて選別された果物の中には、果物の形状や姿勢に起因して誤判定されたものが存在する可能性がある。例えば、果柄によって果実の一部が隠れてしまった結果、誤判定を招いた果物が存在する可能性がある。そこで、果柄によって果実の一部が隠れていると判定された果物や、果実のサイズが小さい等の誤判定を受けた可能性がある果物については、再度、ベルトコンベア1Aの入口(載置面1A1)へ戻して再判定を実施してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 :搬送部
1A :ベルトコンベア
1A1 :載置面
1a :エリア
1B :駆動モータ
1C :制御部
1E :制御部
2 :撮影機構
2A :カメラ
2A1 :上部カメラ
2A2 :右側部カメラ
2A3 :左側部カメラ
2B :外側部材
2C :内側部材
3 :照明機構
3A :支持部
3B :基板部
3C :光源
4 :選別機構
4A :格納箱
4a :回動機構
4A1 :開口
4B :エアー吹出部
4C :格納量検出センサ
4D :報知部
4E :制御部
5 :情報処理部
5A :画像取得部
5B :果物情報取得部
5B1 :領域取得部
5B2 :赤道径取得部
5B3 :着色率取得部
5B4 :判定部
5C :駆動制御部
100 :選果装置
Op :開口部
Sp :空間
Rg1 :果柄領域
Rg2 :果実領域
図1
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