(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151599
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】自動販売機用通信装置
(51)【国際特許分類】
H04L 65/1033 20220101AFI20241018BHJP
【FI】
H04L65/1033
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065066
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】518332929
【氏名又は名称】アイルジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻野 真利
(72)【発明者】
【氏名】小澤 経一
(57)【要約】
【課題】自動販売機が複数の通信を同時に行うことができ、かつ、パフォーマンスの低下が発生することなく、さらには、自動販売機との通信が必要な装置やアプリケーションの開発が容易となり、開発コストも削減することが可能となる自動販売機用通信装置を提供する。
【解決手段】自動販売機の制御装置をネットワークに接続するための自動販売機用通信装置であって、ネットワークに対して常時通信により接続可能な通信部と、自動販売機の制御装置に対して任意の通信規則に基づいて接続可能な制御部とを備え、通信部と制御部とは、イーサネットによるデータ通信が行われるように構成され、制御部は、自動販売機の制御装置からの接続要求に対して、制御部と制御装置とを任意の通信規則に基づいて接続するように構成するとともに、通信部を介してネットワーク側からのデータ受信に対して、制御部と制御装置とを任意の通信規則に基づいて接続するように構成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機の制御装置をネットワークに接続するための自動販売機用通信装置であって、
前記ネットワークに対して常時通信により接続可能な通信部と、
前記自動販売機の制御装置に対して任意の通信規則に基づいて接続可能な制御部と、
を備え、
前記通信部と前記制御部とは、イーサネットによるデータ通信が行われるように構成され、
前記制御部は、
前記自動販売機の制御装置からの接続要求に対して、前記制御部と前記制御装置とを前記任意の通信規則に基づいて接続するように構成されるとともに、
前記通信部を介して前記ネットワーク側からのデータ受信に対して、前記制御部と前記制御装置とを前記任意の通信規則に基づいて接続するように構成される、自動販売機用通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機がネットワークを介してサーバーとの通信を行うための通信装置に関し、より具体的には、自動販売機内に組み込まれ、自動販売機の制御装置をネットワークに接続するための通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動販売機における売上や商品在庫などの販売関連データをサーバーによって一元的に管理したり、電子マネーなどを利用した電子決済を行うため、例えば、特許文献1に開示される様に、自動販売機には通信装置が組み込まれている。自動販売機に組み込まれた通信装置は、自動販売機の制御装置とサーバーとの間のデータ通信を中継する役割を担っている。
【0003】
このような通信装置では、例えば、インターネットやローカルエリアネットワーク(LAN)などに接続するために、有線通信若しくは無線通信が用いられるが、屋外に置かれることも多い自動販売機では、特に、無線通信が利用されることが多い。
【0004】
無線通信では、従来、3G(3rd Generation)規格が採用されていた。3G規格では、データ通信を開始する際に、一方の端末から他方の端末に対して、通信リンクの確立を要求するための「接続要求」が行われる。「接続要求」を受けた端末は、自身が通信を行う準備が出来ている場合、「準備完了」している旨の通信を、「接続要求」を行ってきた端末に返すことにより、通信が開始される。
【0005】
すなわち、3G規格の無線通信では、データ通信を開始するタイミングで「接続要求」のやり取りが行われる。自動販売機に組み込まれた通信装置では、例えば、サーバーから通信装置に対して「接続要求」が送信されてきた場合、これをトリガとして、自動販売機の制御装置と通信装置との間のデータ通信を開始するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2011-525265号公報
【特許文献2】特開2019-186892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、近年、無線通信では、3G規格に代わり、4G(4th Generation)規格や5G(5th Generation)規格が一般的に用いられている。4G規格や5G規格では、端末間において常時通信が行えるように、常時通信リンクが確立されるように設計されている。
【0008】
このため、自動販売機の制御装置と通信装置との間のデータ通信を開始するためのトリガとして利用されてきた「接続要求」が行われずに、いきなりデータが送られてくるため、自動販売機の制御装置と通信装置との間のデータ通信を開始することができず、サーバーと自動販売機の制御装置との間のデータ通信を行うことができない。
【0009】
このような問題について、自動販売機の制御装置と通信装置との間のデータ通信のプロトコルを変更すれば解決することも可能であるが、自動販売機の制御装置と通信装置との間の通信プロトコルは、自動販売機のメーカーなどによって定められたものであり、簡単に変更することができるものではない。
【0010】
このため、例えば、特許文献2では、通信装置(通信モジュール)と自動販売機の制御装置との間に介在する中継装置が提案されている。
【0011】
特許文献2に開示された中継装置では、通信モジュールとの間でPPP通信リンクを確立し、中継装置と通信モジュールとの間でPPP(Point to Point Protocol)通信リンクを利用したデータパケット通信が可能な状態を継続することで、例えば、サーバーから通信モジュールに対してデータパケットが送信されてきた場合、通信モジュールを介して中継装置がデータパケットを受信し、中継装置は、受信したデータパケットをトリガとして、自動販売機の制御装置との間にPPP通信リンクを確立して、データ通信を開始するように構成している。
【0012】
しかしながら、このようなPPP通信リンクを用いたデータ通信の場合、PPPは、OSI参照モデルの第2層において2点間を繋ぐ1:1の通信のためのプロトコルであるため、1つの端末が複数の端末と同時に通信を行うことはできず、例えば、自動販売機とサーバーとの間で、販売関連データの送受信が行われている間は、電子決済のためのデータ通信が行えなくなってしまうなどの問題がある。
【0013】
PPPを用いて1:Nの通信を行うためには、OSI参照モデルの第3層でのパケット交換が必要となってくるが、この場合、第2層での通信と比べて必要となるデータ量が膨らんでしまうため、パフォーマンスが低下するという問題が生じる。
【0014】
本発明では、このような現状に鑑み、自動販売機が複数の通信を同時に行うことができ、かつ、パフォーマンスの低下が発生することなく、さらには、自動販売機との通信が必要な装置やアプリケーションの開発が容易となり、開発コストも削減することが可能となる自動販売機用通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、上述するような従来技術における課題を解決するために発明されたものであって、本発明は、 自動販売機の制御装置をネットワークに接続するための自動販売機用通信装置であって、
前記ネットワークに対して常時通信により接続可能な通信部と、
前記自動販売機の制御装置に対して任意の通信規則に基づいて接続可能な制御部と、
を備え、
前記通信部と前記制御部とは、イーサネットによるデータ通信が行われるように構成され、
前記制御部は、
前記自動販売機の制御装置からの接続要求に対して、前記制御部と前記制御装置とを前記任意の通信規則に基づいて接続するように構成されるとともに、
前記通信部を介して前記ネットワーク側からのデータ受信に対して、前記制御部と前記制御装置とを前記任意の通信規則に基づいて接続するように構成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、自動販売機の制御装置とは、自動販売機のメーカーなどによって定められた任意の通信(例えば、PPPによるのデータ通信)を行う一方、通信モジュールとの通信はイーサネットにより行うことで、自動販売機の制御装置は、複数の端末と同時に通信を行うことができる。
【0017】
また、OSI参照モデルの第2層におけるイーサネットフレームパケットでの通信であるため、第3層でのパケット交換を行う場合と比べて、大幅にデータ量を削減することができるため、パフォーマンスが向上する。
【0018】
さらには、イーサネットでの通信とすることで、PPPでの通信と比べて制御が簡単となり、プログラミングの工数なども削減されるため、例えば、自動販売機との通信が必要な装置やアプリケーションの開発が容易となり、開発コストも削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本実施形態における自動販売機用通信装置を用いた通信システムの構成を説明する概略図である。
【
図2】
図2は、自動販売機主導のデータ通信における流れを示すシーケンス図である。
【
図3】
図3は、サーバー主導のデータ通信における流れを示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、IPリンク確立前のデータ通信があった場合の流れを示すシーケンス図である。
【
図5】
図5は、リンク異常が発生した場合の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいて、より詳細に説明する。
図1は、本実施形態における自動販売機用通信装置を用いた通信システムの構成を説明する概略図である。
【0021】
本実施形態の通信システム100は、自動販売機40の制御装置50と、自動販売機用通信装置10と、サーバー60とが、ネットワーク70を介して接続された構成を有する。
【0022】
制御装置50は、既存の自動販売機40に組み込まれた制御装置であり、自動販売機40の動作を制御する。具体的には、制御装置50は、自動販売機40において商品の販売に関する動作制御(電子決済の処理を含む)、商品の販売データの管理などを行っている。
【0023】
本実施形態の自動販売機用通信装置10は、制御部12と、通信部14とを備える。
制御部12は、自動販売機40の制御装置50と接続されており、制御部12と自動販売機の制御装置50との間では、例えば、PPP(Point to Point Protocol)によるデータ通信など、自動販売機のメーカーなどによって定められた任意の通信規則に基づく通信が行われるように構成される。
【0024】
通信部14は、移動体通信事業者が提供する通信サービスを利用して、移動体通信事業者によって設置される無線局30(基地局)と無線通信が可能なように構成されており、この無線局30を介してネットワーク70に接続される。なお、通信部14と無線局30との間の通信は、常時通信リンクが確立され、常時通信が行えるようになっていれば、特に限定されるものではなく、例えば、4G規格や5G規格の無線通信を用いることができる。
【0025】
制御部12と通信部14とは、イーサネットによるデータ通信が行われるように構成される。具体的には、制御部12と通信部14との間でIPリンクを確立させることにより、制御部12と通信部14との間のデータ通信が行われるように構成される。
【0026】
サーバー60は、例えば、自動販売機40における売上や商品在庫などの販売関連データを管理するための販売事業者サーバー60aや、電子マネーなどを利用した電子決済を行うための電子決済事業者サーバー60bなどを含む。自動販売機用通信装置10と通信を行うサーバー60は、1つだけに限定されていてもよいが、商品の販売を行う販売事業者と電子決済を行う電子決済事業者とが異なる場合、一般的には、異なるサーバーによって管理されているため、
図1に示すように、複数のサーバー60a,60bと通信を行うように構成することが好ましい。
【0027】
ネットワーク70は、一般的には、インターネットであるが、例えば、専用線を用いたネットワークなどインターネットを介さないネットワークとすることもできる。
【0028】
このように構成される本実施形態の通信システム100では、以下のようにして、の制御装置50とサーバー60との間でデータ通信が行われる。
【0029】
<1> 自動販売機主導のデータ通信におけるシーケンス
図2は、自動販売機主導のデータ通信における流れを示すシーケンス図である。
図2に示すように、本実施形態の自動販売機用通信装置10の電源が入り起動(S10)すると、まず、通信部14が無線局30との間で常時通信リンクを確立させる(S11)。これにより、通信部14と無線局30との間で常時通信を行うことが可能となり、ひいては、通信部14とサーバー60との間でデータ通信を行うことが可能となる。
【0030】
次いで、制御部12から通信部14に対して接続要求コマンド(例えば、ATDコマンド)が送信される(S12)。通信部14は、接続要求コマンドを受信すると、これに対応して、制御部12との接続が可能な状態であれば、制御部12に対して接続完了コード(例えば、CONNECTリザルトコード)を送信する(S13)。これにより、制御部12と通信部14とはIPリンクが確立(S14)し、データ通信が可能な状態となる。
【0031】
この状態において、制御装置50から制御部12に対して接続要求コマンドが送信された場合(S15)、これに対応して、制御部12は、制御装置50に対して接続完了コードを送信する(S16)。これにより、制御装置50と制御部12とはPPP通信リンクが確立(S17)し、データ通信が可能な状態となる。なお、本実施形態においては、制御装置50と制御部12との間でPPP通信リンクを確立させているが、これに限定されず、上述するように、自動販売機のメーカーなどによって定められた任意の通信規則に基づいて通信を行うようにすることができる。
【0032】
これにより、制御装置50とサーバー60との間でデータ通信が可能となり、例えば、制御装置50と電子決済事業者サーバー60bとの間で電子決済に関するデータの送受信(S18)を行うことができる。
【0033】
このように構成することにより、制御装置50と制御部12との間の通信は、自動販売機のメーカーなどによって定められた任意の通信規則に基づいて通信を行えるため、既存の自動販売機を利用することができる。
【0034】
また、制御部12と通信部14との間でIPリンクを確立させ、イーサネットによるデータ通信を行えるようにしているため、通信部14は、制御部12から送られてきたデータパケットをそのまま無線局30及びネットワーク70を介してサーバー60に送信することができ、通信のパフォーマンスを向上させることができる。
【0035】
さらには、制御部12と通信部14との間でIPリンクを確立させ、イーサネットによるデータ通信を行えるようにしているため、制御部12は、複数のサーバー60a,60bと同時に通信を行うことができる。このため、例えば、制御端末50から販売事業者サーバー60aに、販売関連データの送信を行いながら、電子決済事業者サーバー60bと電子決済のためのデータ通信を行うことなども可能となる。
【0036】
なお、制御装置50とサーバー60との間のデータ通信が終了し、制御装置50と制御部12との間での通信が行われていない場合、所定時間が経過すると、制御部12はPPP通信リンクを切断する(S19)。続いて、制御部12は制御装置50に対して回線切断コード(例えば、NO CARRIERリザルトコード)を送信する(S20)。
【0037】
<2> サーバー主導のデータ通信におけるシーケンス
図3は、サーバー主導のデータ通信における流れを示すシーケンス図である。
図3に示すように、本実施形態の自動販売機用通信装置10の電源が入り起動(S30)すると、まず、通信部14が無線局30との間で常時通信リンクを確立させる(S31)。これにより、通信部14と無線局30との間で常時通信を行うことが可能となり、ひいては、通信部14とサーバー60との間でデータ通信を行うことが可能となる。
【0038】
次いで、制御部12から通信部14に対して接続要求コマンド(例えば、ATDコマンド)が送信される(S32)。通信部14は、接続要求コマンドを受信すると、これに対応して、制御部12との接続が可能な状態であれば、制御部12に対して接続完了コード(例えば、CONNECTリザルトコード)を送信する(S33)。これにより、制御部12と通信部14とはIPリンクが確立(S34)し、データ通信が可能な状態となる。
【0039】
この状態において、サーバー60から制御装置50に向けて、販売関連データの送信をリクエストするために、リクエストデータが送信された場合(S35)、このリクエストデータはネットワーク70及び無線局30を介して通信部14に送られる(S36)。
【0040】
通信部14は、リクエストデータを受信すると、制御部12との間で確立しているIPリンクを用いて、リクエストデータを制御部12に送信する(S37)。
【0041】
制御部12は、リクエストデータ(データパケット)を受信すると、これをトリガーとして、制御装置50に対して呼び出し検出コード(例えば、RINGリザルトコード)を送信する(S38)。続いて、制御部12は、制御装置50に対して接続完了コード(例えば、CONNECTリザルトコード)を送信する(S39)。これにより、制御装置50と制御部12とはPPP通信リンクが確立(S40)し、データ通信が可能な状態となる。なお、本実施形態においては、制御装置50と制御部12との間でPPP通信リンクを確立させているが、これに限定されず、上述するように、自動販売機のメーカーなどによって定められた任意の通信規則に基づいて通信を行うようにすることができる。
【0042】
次いで、制御部12は、制御装置50に対して、リクエストデータを送信する(S41)。制御装置50は、リクエストデータを受信することで、販売関連データをサーバー60に送信する。
【0043】
このとき、制御装置50と制御部12とはPPP通信リンクが確立しており、また、制御部12と通信部14とはIPリンクが確立しており、また、通信部14と無線局30とは常時通信リンクが確立している。したがって、制御装置50からサーバー60までデータ通信が可能な状態となっており、制御装置50から送信された販売関連データは、サーバー60にそのまま送られることになる。
【0044】
<3> IPリンク確立前のデータ通信があった場合のシーケンス
図4は、IPリンク確立前のデータ通信があった場合の流れを示すシーケンス図である。
図4に示すように、本実施形態の自動販売機用通信装置10の電源が入り起動(S50)すると、まず、通信部14が無線局30との間で常時通信リンクを確立させる(S51)。これにより、通信部14と無線局30との間で常時通信を行うことが可能となり、ひいては、通信部14とサーバー60との間でデータ通信を行うことが可能となる。
【0045】
この状態において、制御装置50から制御部12に対して接続要求コマンド(例えば、ATDコマンド)が送信(S52)された場合、制御部12は話中音検出コード(例えば、BUSYリザルトコード)を制御装置50に対して送信する(S53)。これにより、制御装置50は、自動販売機用通信装置10の準備が完了していないと判断し、所定時間待機する。
【0046】
このように構成することにより、制御部12と通信部14との間でIPリンクを確立させる前に、制御部12と制御装置50との間でPPP通信リンクを確立させてしまって、例えば、制御装置50から販売関連データや電子決済に関するデータが無駄に送信されてきてしまうことを防止できる。
【0047】
その後は、上述する「自動販売機主導のデータ通信におけるシーケンス」におけるS12~S18と同様に、制御部12と通信部14との間でIPリンクを確立させるとともに、制御部12と制御装置50との間でPPP通信リンクを確立させて、制御装置50とサーバー60との間でデータ通信を行うことができる(S54~S60)。
【0048】
<4> リンク異常が発生した場合のシーケンス
図5は、リンク異常が発生した場合の流れを示すシーケンス図である。
図5に示すように、本実施形態の自動販売機用通信装置10の電源が入り起動(S70)すると、まず、通信部14が無線局30との間で常時通信リンクを確立させる(S71)。これにより、通信部14と無線局30との間で常時通信を行うことが可能となり、ひいては、通信部14とサーバー60との間でデータ通信を行うことが可能となる。
【0049】
次いで、制御部12から通信部14に対して接続要求コマンド(例えば、ATDコマンド)が送信される(S72)。通信部14は、接続要求コマンドを受信すると、これに対応して、制御部12との接続が可能な状態であれば、制御部12に対して接続完了コード(例えば、CONNECTリザルトコード)を送信する(S73)。これにより、制御部12と通信部14とはIPリンクが確立(S74)し、データ通信が可能な状態となる。
【0050】
ここで、何かしらの異常が発生し(S75)、制御部12と通信部14との間のIPリンクが切断(S76)されてしまった場合、制御部12は改めて接続要求コマンドを送信する(S77)。通信部14は、接続要求コマンドを受信すると、これに対応して、制御部12との接続が可能な状態であれば、制御部12に対して接続完了コードを送信する(S78)。これにより、制御部12と通信部14とはIPリンクが確立(S79)し、改めてデータ通信が可能な状態となる。
【0051】
このように、制御部12と通信部14との間のIPリンクが確立した状態を維持するよう、制御部12が必要に応じて自動復帰するように構成することで、例えば、サーバー60から送られてくるリクエストデータが制御部12に届かないというようなことを防止できる。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0053】
10 自動販売機用通信装置
12 制御部
14 通信部
30 無線局
40 自動販売機
50 制御装置
60 サーバー
60a 販売事業者サーバー
60b 電子決済事業者サーバー
70 ネットワーク