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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151609
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】席予約システムおよび席予約方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20241018BHJP
   G06Q 10/06 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065087
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 拓也
(72)【発明者】
【氏名】小川 顕康
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA03
5L010AA06
5L049AA03
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】所望の空調の快適度の席を予約し得る席予約システムを提供する。
【解決手段】所定のフロアに設けられている複数の席のうちの何れかの席を利用する者から、席の予約を受け付ける席予約システムであって、フロアの席を利用した者に、フロアに設置されている空調機器による空調の快適度を問うアンケートを実施するアンケート部と、アンケート部により実施されたアンケートの結果をもとにフロアの席ごとに空調の快適度を集計し、集計した席ごとの空調の快適度を示すフロアのマップを生成する生成部と、を設けるようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のフロアに設けられている複数の席のうちの何れかの席を利用する者から、席の予約を受け付ける席予約システムであって、
前記フロアの席を利用した者に、前記フロアに設置されている空調機器による空調の快適度を問うアンケートを実施するアンケート部と、
前記アンケート部により実施されたアンケートの結果をもとに前記フロアの席ごとに空調の快適度を集計し、集計した席ごとの空調の快適度を示す前記フロアのマップを生成する生成部と、
を備える席予約システム。
【請求項2】
アンケートを実施するモードとして、第1のモードと前記第1のモードとは異なる第2のモードとが設けられ、
前記アンケート部は、
前記第1のモードが設定されている場合、前記フロアの席を利用した者にアンケートを実施し、
前記第2のモードが設定されている場合、前記フロアの席を利用した者のうち、席を移動した者にアンケートを実施する、
請求項1に記載の席予約システム。
【請求項3】
前記フロアの席の予約をする者が操作可能な所定の端末から前記席の予約を受け付ける予約部を備え、
前記生成部は、前記フロアの席が利用されたときの利用環境の情報として、前記フロアに設置されている空調機器の運転モードの情報と前記空調機器の設定温度の情報と季節を識別するための所定の期間を示す季節グループの情報との少なくとも1つを含む情報を前記フロアの空調機器から取得し、利用環境ごとに、前記フロアの席ごとの空調の快適度を集計し、利用環境ごとに集計した席ごとの空調の快適度を示す前記フロアのマップを生成し、
前記予約部は、前記フロアの席の予約を受け付ける際、前記生成部により生成されたマップの中から、前記予約の日の利用環境と利用環境が一致する前記フロアのマップを特定して前記端末に出力する、
請求項1に記載の席予約システム。
【請求項4】
前記フロアの席の予約をする者が操作可能な所定の端末から前記席の予約を受け付ける予約部を備え、
前記生成部は、前記フロアの席が利用されたときの利用環境の情報として、前記フロアに設置されている空調機器の運転モードの情報と前記空調機器の設定温度の情報と季節を識別するための所定の期間を示す季節グループの情報との少なくとも1つを含む情報を前記フロアの空調機器から取得し、取得した利用環境の情報と前記空調機器による空調の快適度を問うアンケートの結果と前記席の情報とを対応付けた利用実績情報を記憶装置に記憶し、
前記予約部は、前記フロアの席の予約を受け付ける際、前記記憶装置に記憶されている利用実績情報の中から、前記予約の日の利用環境と利用環境が一致する利用実績情報の席を特定し、特定した席を提案する情報を前記端末に出力する、
請求項1に記載の席予約システム。
【請求項5】
前記空調機器による空調の快適度を問うアンケートにおいて、前記空調機器による空調の快適度が閾値より低い席であると回答された場合に不快な因子を問う質問に対する回答をもとに、前記席の不快な因子を特定する分析部を備える、
請求項1に記載の席予約システム。
【請求項6】
所定のフロアに設けられている複数の席のうちの何れかの席を利用する者から、席の予約を受け付ける席予約方法であって、
アンケート部が、前記フロアの席を利用した者に、前記フロアに設置されている空調機器による空調の快適度を問うアンケートを実施することと、
生成部が、前記アンケート部により実施されたアンケートの結果をもとに前記フロアの席ごとに空調の快適度を集計し、集計した席ごとの空調の快適度を示す前記フロアのマップを生成することと、
を含む席予約方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、フロアに設けられている複数の席を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレワークの普及による出社率の低下、オフィスの複数拠点化等により、勤務形態が多様化している。これに伴い、個人の着席場所を固定しないフリーアドレスを導入しているオフィスが増加している。この点、特許文献1に記載のシステムのように、事前に席を予約するシステムの導入が進んでいる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-185798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された技術は、利用者の温度感の入力データに基づき、その利用者が快適に過ごせる席を案内するものである。しかしながら、特許文献1に記載された技術では、空調の効果が低下しているエリアの特定およびその原因の分析が行われていない。よって、空調効果に関する細やかな案内を実施することができないため、フロアにおける利用者の満足感が十分でないおそれがある。
【0005】
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、所望の空調の快適度の席を予約し得る席予約システム等を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、所定のフロアに設けられている複数の席のうちの何れかの席を利用する者から、席の予約を受け付ける席予約システムであって、前記フロアの席を利用した者に、前記フロアに設置されている空調機器による空調の快適度を問うアンケートを実施するアンケート部と、前記アンケート部により実施されたアンケートの結果をもとに前記フロアの席ごとに空調の快適度を集計し、集計した席ごとの空調の快適度を示す前記フロアのマップを生成する生成部と、を設けるようにした。
【0007】
上記構成では、席ごとの空調の快適度を示すマップが生成されるので、例えば、席を利用する者は、かかるマップを用いて、所望の空調の快適度の席を予約することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、利便性の高い席予約システムを実現することができる。上記以外の課題、構成、および効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態による席管理システムの一例を示す図である。
図2】第1の実施の形態による環境情報記録エリアの一例を示す図である。
図3】第1の実施の形態による認証情報記録エリアの一例を示す図である。
図4】第1の実施の形態による予約情報記録エリアの一例を示す図である。
図5】第1の実施の形態によるアンケート結果記録エリアの一例を示す図である。
図6】第1の実施の形態による快適度マップ情報記録エリアの一例を示す図である。
図7】第1の実施の形態による不快因子記録エリアの一例を示す図である。
図8】第1の実施の形態による快適度マップ生成処理の一例を示す図である。
図9】第1の実施の形態による空調効果分析処理の一例を示す図である。
図10】第1の実施の形態による席予約処理の一例を示す図である。
図11】第1の実施の形態によるアンケート処理の一例を示す図である。
図12】第1の実施の形態による快適度マップ画面の一例を示す図である。
図13】第1の実施の形態によるアンケート画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(I)第1の実施の形態
以下、本発明の一実施の形態を詳述する。ただし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。
【0011】
従来、フリーアドレス化したオフィスにおいて事前に席を予約するシステムは存在するが、自身がどこに座ったら快適に過ごせるのかの指標がない。これに加え、拠点が複数に分かれていて、通常利用しないオフィスを訪れる場合も同様に快適な環境を選択する指標がない。また、多くの空調機器は、設定温度を一定に保つ機能が備わっているが、窓およびドアの配置、遮蔽物等といったフロアのレイアウトによる空調効果の差が発生する場合がある。
【0012】
本実施の形態の席予約システムでは、各席には二次元コードが設置され、利用者は、席の利用開始時に二次元コードを読み込んでチェックインを実施し、利用終了時に二次元コードを読み込んでチェックアウトを実施する。席予約システムは、チェックアウト時には、席の快適性を問うアンケートフォームを利用者に送付し、席の快適性に関するデータを収集する。また、席予約システムは、アンケートの結果を分析し、空調機器の運転モードと空調機器の設定温度と季節グループとの少なくとも1つに応じた空調効果の実態を示す快適度マップをフロア毎に生成する。また、席予約システムは、利用者の選択実績を分析し、次回の予約時に利用者が快適と感じる空調効果の席を提案する。
【0013】
上記構成によれば、エリア毎の空調効果の実態を反映した快適度マップをもとに、利用者が快適であると感じる席を選択することが可能になる。また、空調効果が低いエリアの特定とその原因を分析した結果とを管理者に提示することでフロアの空調効果の改善を促すことが可能となる。
【0014】
本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」等の表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数または順序を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は、文脈毎に用いられ、1つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
【0015】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は、単数でも複数でも構わない。
【0016】
なお、以下の説明では、図面において同一要素については、同じ番号を付し、説明を適宜省略する。また、同種の要素を区別しないで説明する場合には、枝番を含む参照符号のうちの共通部分(枝番を除く部分)を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、枝番を含む参照符号を使用することがある。例えば、不快因子を特に区別しないで説明する場合には、「不快因子509」と記載し、個々の不快因子を区別して説明する場合には、「不快因子509-1」、「不快因子509-2」のように記載することがある。
【0017】
図1において、100は、全体として第1の実施の形態による席管理システムを示す。
【0018】
図1は、席管理システム100の一例を示す図である。席管理システム100は、席の利用者が入退室可能なフリーアドレスオフィスにおいて事前に席の予約を行ったり、現地で当日の空き状況を確認して席を決定し、予約した時間内で席の利用を行ったりするためのシステムである。より具体的には、席管理システム100は、ビル管理システム101と席予約システム102とを含んで構成される。ビル管理システム101および席予約システム102は、例えば、センタに設けられている。ビル管理システム101および席予約システム102には、現地ビル設備103と、管理者端末104と、利用者端末105とがネットワーク106を介して接続されている。
【0019】
ビル管理システム101は、例えば、サーバ装置であり、記憶装置111と、制御装置112と、通信装置113とを備える。
【0020】
記憶装置111は、プログラム、データ等を記憶する装置である。記憶装置111は、メモリ部とPDEV部とのうちの少なくとも1つ(典型的には少なくともメモリ部)である。「メモリ部」は、1以上のメモリであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリ部における少なくとも1つのメモリは、揮発性メモリであってもよいし不揮発性メモリであってもよい。「PDEV部」は、1以上のPDEVであり、典型的には補助記憶デバイスでよい。「PDEV」は、物理的な記憶デバイス(Physical storage DEVice)を意味し、典型的には、不揮発性の記憶デバイス、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)である。
【0021】
例えば、記憶装置111は、設備管理データベース121と、入退室管理データベース122と、を備える。
【0022】
設備管理データベース121は、環境情報記録エリア123を備える。環境情報記録エリア123は、図2に示す複数のデータ項目のデータが対応付けられて構成されている。入退室管理データベース122は、認証情報記録エリア124を備える。認証情報記録エリア124は、図3に示す複数のデータ項目のデータが対応付けられて構成されている。なお、ビル管理システム101の情報の一部は、ビル管理システム101と通信可能な他のコンピュータに記憶されていてもよい。例えば、環境情報記録エリア123は、席予約システム102に設けられていてもよい。
【0023】
制御装置112は、演算処理を行う装置である。制御装置112は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、AI(Artificial Intelligence)チップ等のプロセッサである。
【0024】
通信装置113は、ネットワーク106と接続を行い、他の装置と通信する通信インターフェースである。通信装置113は、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Bus)モジュール、シリアル通信モジュール等である。通信装置113は、通信可能に接続する他の装置から情報を受信する入力装置として機能することもできる。また、通信装置113は、通信可能に接続する他の装置に情報を送信する出力装置として機能することもできる。
【0025】
なお、ビル管理システム101は、上述の構成に限られるものではない。ビル管理システム101は、例えば、入力装置と通信装置との少なくとも1つを備えてもよい。入力装置は、ユーザから情報を受け付けるユーザインターフェースである。入力装置は、例えば、キーボード、マウス、カードリーダ、タッチパネル等である。出力装置は、各種の情報を出力(表示出力、音声出力、印字出力等)するユーザインターフェースである。出力装置は、例えば、各種情報を可視化する表示装置、音声出力装置(スピーカ)、印字装置等である。表示装置は、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等である。
【0026】
席予約システム102は、例えば、サーバ装置であり、記憶装置131と、制御装置132と、通信装置133とを備える。記憶装置131と制御装置132と通信装置133との各々は、記憶装置111と制御装置112と通信装置113との各々と同じ構成であってもよく、同じ構成については、その説明を省略する。また、席予約システム102は、入力装置および出力装置の少なくとも1つを備えてもよい。
【0027】
記憶装置131は、予約管理データベース140を備える。
【0028】
予約管理データベース140は、予約情報記録エリア141と、アンケート結果記録エリア142と、快適度マップ情報記録エリア143と、不快因子記録エリア144とを備える。予約情報記録エリア141は、図4に示す複数のデータ項目のデータが対応付けられて構成されている。アンケート結果記録エリア142は、図5に示す複数のデータ項目のデータが対応付けられて構成されている。快適度マップ情報記録エリア143は、図6に示す複数のデータ項目のデータが対応付けられて構成されている。不快因子記録エリア144は、図7に示す複数のデータ項目のデータが対応付けられて構成されている。
【0029】
席予約システム102の機能(予約部151、アンケート部152、生成部153、分析部154等)は、例えば、制御装置132が記憶装置131に格納されたプログラムを読み出して実行すること(ソフトウェア)により実現されてもよいし、専用の回路等のハードウェアにより実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとが組み合わされて実現されてもよい。なお、席予約システム102の1つの機能は、複数の機能に分けられていてもよいし、複数の機能は、1つの機能にまとめられていてもよい。また、席予約システム102の機能の一部は、別の機能として設けられてもよいし、他の機能に含められていてもよい。また、席予約システム102の機能の一部は、席予約システム102と通信可能な他のコンピュータにより実現されてもよい。また、席予約システム102の情報の一部は、席予約システム102と通信可能な他のコンピュータに記憶されていてもよい。
【0030】
予約部151は、利用者端末105によって要求された席の予約に係る処理を行う。予約部151は、席の予約に係る情報を予約管理データベース140の予約情報記録エリア141に格納する。
【0031】
アンケート部152は、席ごとの空調効果を分析可能なアンケートを実施する。アンケートを実施するモード(処理方式)として、全件調査モードまたは抽出調査モードが設定されている。全件調査モードは、全利用者にアンケートを実施するモードである。抽出調査モードは、当日に席を移動した利用者にアンケートを実施するモードである。アンケート部152は、利用者端末105より回答(送信)されるアンケート結果をアンケート結果記録エリア142に格納する。
【0032】
生成部153は、席の予約を受け付けた場合に、ビル管理システム101の設備管理データベース121の環境情報記録エリア123に格納されている環境データと席予約システム102の予約管理データベース140のアンケート結果記録エリア142に格納されている利用者の体感データとをもとに、フロアの席ごとの空調効果を示す快適度マップを生成し、生成した快適度マップの情報を予約管理データベース140の快適度マップ情報記録エリア143に格納する。
【0033】
分析部154は、アンケート結果をもとに、空調効果レベルが閾値より低い席を特定し、特定した席を予約する者に警告を通知する。また、分析部154は、アンケートにおいて不快因子として回答されたものの中で閾値以上の回答率の不快因子を抽出して管理者に通知する。
【0034】
現地ビル設備103は、通信装置161と、空調制御装置162と、入退制御装置163と、オフィス設備164とを含んで構成される。オフィス設備164は、空調機器171、制御対象扉172等を含んで構成される。なお、空調機器171には、温度センサが設けられていてもよい。
【0035】
管理者端末104は、管理者が使用する端末であり、タブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等である。利用者端末105は、席の予約者、席の利用者が使用する端末であり、タブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等である。
【0036】
図2は、環境情報記録エリア123の一例(環境情報記録テーブル200)を示す図である。
【0037】
環境情報記録テーブル200には、識別番号201(No.)、ビル名202と、ビルIPアドレス203と、フロアID204と、計測ポイントID205と、設定温度206と、運転モード207と、季節グループ208と、日時209との情報が記憶されている。当該情報の一部(識別番号201~運転モード208)は、現地ビル設備103の空調制御装置162より空調機器171によって取得された情報が通信装置161を経由してビル管理システム101の環境情報記録テーブル200に格納される。例えば、季節グループ208には、管理者端末104を介してユーザ設定された季節を識別するための所定の期間を示す情報が格納される。また、例えば、日時209には、管理者端末104を介してユーザ設定された環境が適用される日時を示す情報が格納される。
【0038】
なお、運転モード207には、暖房、冷房、除湿等の情報が格納される。日時209は、日時に限るものではなく、日付であってもよいし、時間帯であってもよい。
【0039】
図3は、認証情報記録エリア124の一例(認証情報記録エリアテーブル300)を示す図である。
【0040】
認証情報記録エリアテーブル300には、識別番号301と、認証ID302と、ビル名303と、ビルIPアドレス304と、入退許可フロアID305と、氏名306との情報が記憶されている。当該情報は、管理者端末104を介して、登録されたり、編集されたりする。
【0041】
図4は、予約情報記録エリア141の一例(予約情報記録テーブル400)を示す図である。
【0042】
予約情報記録テーブル400には、識別番号401と、認証ID402と、建物名403と、ビルIPアドレス404と、フロアID405と、席ID406と、利用開始日時407と、利用終了日時408との情報が記憶されている。当該情報は、利用者端末105から要求された席の予約が予約部151によって処理された場合に格納される。
【0043】
図5は、アンケート結果記録エリア142の一例(アンケート結果記録テーブル500)を示す図である。
【0044】
アンケート結果記録テーブル500には、識別番号501と、認証ID502と、利用開始日時503と、利用終了日時504と、ビルIPアドレス505と、フロアID506と、席ID507と、快適度508と、不快因子509との情報が記憶されている。当該情報は、利用者端末105によってアンケート結果が送信された場合に格納される。
【0045】
図6は、快適度マップ情報記録エリア143の一例(快適度マップ情報記録テーブル600)を示す図である。
【0046】
快適度マップ情報記録テーブル600には、識別番号601と、建物名602と、ビルIPアドレス603と、フロアID604と、席ID605と、季節グループ606と、空調効果レベル607と、不快因子608と、最終更新日時609との情報が記憶されている。当該情報の一部(識別番号601~空調効果レベル607)は、生成部153によって快適度マップが生成された場合に格納される。例えば、不快因子608には、分析部154により分析された不快因子が格納される。なお、快適度マップ情報記録テーブル600には、運転モード、設定温度等の情報が格納されていてもよい。
【0047】
図7は、不快因子記録エリア144の一例(不快因子記録テーブル700)を示す図である。
【0048】
不快因子記録テーブル700には、識別番号701と、不快因子番号702と、不快因子703との情報が記憶されている。当該情報は、管理者端末104を介して、登録されたり、編集されたりする。
【0049】
図8は、席予約システム102の生成部153における処理(快適度マップ生成処理)の一例を示す図である。
【0050】
席の予約を受け付けた場合(例えば、後述のステップS1002の処理が行われた後)、快適度マップ生成処理が開始する(ステップS801)。
【0051】
ステップS802では、生成部153は、予約日の現地の環境(予約する席が設けられているフロアにおける該当日の空調機器171の運転モード、該当日の空調機器171の設定温度、および該当日の季節グループのうちの少なくとも1つ)を、ビル管理システム101(ビル管理システム101を介して空調制御装置162)から取得する。
【0052】
ステップS803では、生成部153は、予約日の現地の環境と同様の環境(条件)に該当する環境情報記録テーブル200の過去のデータを索引(取得)する。
【0053】
ステップS804では、生成部153は、予約管理データベース140のアンケート結果記録エリア142から、予約する席が設けられているフロアについて、ステップS803で索引したデータ(例えば、日付)に対応したアンケート結果を取得し、取得したアンケート結果をもとに、席ごとの空調効果レベル(例えば、平均値)を算出する。つまり、空調効果レベルは、例えば、該当日の「空調機器の運転モード」、該当日の「空調機器の設定温度」、および該当日の「季節グループ」と同条件であった過去日において、該当の席を利用した人が空調の効き具合をどのように評価したかを記録したアンケート結果が収集され、その平均値が求められたものである。
【0054】
ステップS805では、生成部153は、あらかじめ席予約システム102に登録されているフロアのレイアウト図において、ステップS804で算出した各席の空調効果レベルを組み合わせ、快適度マップを生成する。快適度マップによれば、フロアの構造による席ごとの空調効果レベルを視覚化することができる。
【0055】
ステップS806では、生成部153は、予約管理データベース140の快適度マップ情報記録エリア143に快適度マップの情報を格納し、快適度マップ生成処理を終了する。
【0056】
ここで、快適度マップを生成する際、空調効果レベルについては、各席の温度状況を温度センサ等で測定するという方法も考えられる。しかしながら、席ごとの温度を測定する設備を追加するコストがかかり、導入のハードルが高い。本例のようにアンケートを用いて可視化する方法を取ることで、低コストでこの効果を得ることが可能となる。
【0057】
図9は、席予約システム102の分析部154における処理(空調効果分析処理)の一例を示す図である。
【0058】
ユーザ設定による一定期間が経過した場合、または、管理者が手動更新を実行した場合に、空調効果分析処理が開始する(ステップS901)。
【0059】
ステップS902では、分析部154は、過去の空調効果に関するアンケート結果を参照し、空調効果レベルが「1」または「2」に該当する席が存在するか否かを判定する。分析部154は、存在すると判定した場合、ステップS903に処理を移し、存在しないと判定した場合、空調効果分析処理を終了する。
【0060】
ステップS903では、分析部154は、空調効果レベルが「1」または「2」に該当する席を空調効果レベル低下エリアとして特定する。
【0061】
ステップS904では、分析部154は、空調効果レベル低下エリアに該当する席において、アンケート結果より不快因子が回答されたものの中で閾値(例えば、ユーザ設定されたXX%)以上の回答率の回答の不快因子を抽出する。
【0062】
ステップS905では、分析部154は、快適度マップ内で、空調効果低下エリアに該当する席に対して警告を表示するために、ステップS904において抽出した不快因子に対応する情報(不快因子記録テーブル700の不快因子番号702)を、快適度マップ情報記録テーブル600の不快因子608に格納する。
【0063】
ステップS906では、分析部154は、空調効果低下エリアに該当する席の情報と紐づく不快因子を管理者に通知する。なお、通知の有無は、ユーザ設定により決定されてよい。
【0064】
このように、何かの要因によって空調効果が低下しているエリアを特定して予約者への提示を行うことによって、予約者が意図せず空調効果の低いエリアを選択する事態を回避することができる。また、空調効果が低下しているエリアと、その予想される不快因子とを分析し、管理者に通知することによって、フロアのレイアウトの改善を促進し、フロアの空調効果の向上が可能となる。
【0065】
図10は、席予約システム102の予約部151における処理(席予約処理)の一例を示す図である。
【0066】
予約者が席を予約するために席予約システム102にログインして開始操作を行った場合、席予約処理が開始する(ステップS1001)。
【0067】
ステップS1002では、予約部151は、認証情報記録エリアテーブル300および予約情報記録テーブル400をもとに、ログイン時に入力された認証IDに対して入室が許可されている予約日のフロアの空き状況を提示し、予約を行うフロアの選択を受け付ける。
【0068】
ステップS1003では、予約部151は、予約情報記録テーブル400を参照し、選択されたフロアに予約者が過去に席を利用した実績があるか否かを判定する。予約部151は、実績があると判定した場合、ステップS1004に処理を移し、実績がないと判定した場合、ステップS1007に処理を移す。
【0069】
ステップS1004では、予約部151は、予約者が好む空調効果レベルに該当する空席があるか否かを判定する。予約部151は、該当する空席があると判定した場合、ステップS1005に処理を移し、該当する空席がないと判定した場合、ステップS1007に処理を移す。
【0070】
例えば、予約部151は、環境情報記録テーブル200と予約情報記録テーブル400とアンケート結果記録テーブル500と快適度マップ情報記録テーブル600とを参照し、予約日の現地の環境と同じ環境において、過去に利用者が快適(例えば、快適度が「5」)であると回答した席の空調効果レベルに該当する空席があるか否かを判定する。
【0071】
より具体的には、予約部151は、環境情報記録テーブル200を参照し、予約日の空調機器171の運転モード、設定温度、および季節グループと同じ運転モード、設定温度、および季節グループのレコード(日時およびフロアID)を特定する。次に、予約部151は、アンケート結果記録テーブル500を参照し、入力された認証ID、特定した日時およびフロアIDが一致するレコードから快適度が「5」であるレコード(席)を特定する。次に、予約部151は、快適度マップ情報記録テーブル600を参照し、特定した日時および席のレコード(空調効果レベル)を特定する。次に、予約部151は、快適度マップ情報記録テーブル600を参照し、ステップS1002において選択されたフロアであって、予約日の環境(例えば、季節グループ)と同じ環境(例えば、季節グループ)のフロアの席の中から、特定した空調効果レベルに該当する席を特定する。そして、予約部151は、予約情報記録テーブル400を参照し、特定した席が空席であるか否かを判定する。
【0072】
ステップS1005では、予約部151は、予約者が好む空調効果レベルに該当する空席の席情報を予約者に提示する。
【0073】
ステップS1006では、予約部151は、提示した席に関して予約内容を予約者に確認して承認が得られたか否かを判定する。予約部151は、承認が得られたと判定した場合、席予約処理を終了し、承認が得られなかったと判定した場合、ステップS1007に処理を移す。
【0074】
ステップS1007では、予約部151は、快適度マップ(例えば、快適度マップ画面)を予約者に提示し、席の選択を受け付ける。快適度マップ画面には、空席情報、空調効果レベル、空調効果低下エリアに該当する場合は警告、席に紐づく不快因子等が含まれ得る。なお、快適度マップ画面については、図12を用いて説明する。
【0075】
ステップS1008では、予約部151は、予約者により選択された席について予約内容を予約者に確認して承認が得られたか否かを判定する。予約部151は、承認が得られたと判定した場合、席予約処理を終了し、承認が得られなかったと判定した場合、ステップS1007に処理を移す。
【0076】
このように、予約者の利用実績から過去に快適であると回答した空調効果レベルを取得し、空席の中からその条件に一致する席を提示する、または、条件が一致する空席がない場合でも現在の空席状況と席ごとの空調効果レベルとを提示することで、予約者の好みに合わせた快適な環境の席を選択させることができる。
【0077】
図11は、席予約システム102のアンケート部152における処理(アンケート処理)の一例を示す図である。
【0078】
利用者が利用先のオフィスに入室し、利用者が席を利用するために席予約システム102にログインして開始操作を行った場合、アンケート処理が開始する(ステップS1101)。
【0079】
ステップS1102では、アンケート部152は、席予約システム102において事前に席が予約されているか否かを判定する。アンケート部152は、席が予約されていると判定した場合、ステップS1103に処理を移し、席が予約されていないと判定した場合、ステップS1104に処理を移す。
【0080】
ステップS1103では、アンケート部152は、席に設置されている二次元コードを読み込む利用者の操作に応じて、表示した確認画面において利用者の認証IDが入力された場合、チェックイン手続きを行う。
【0081】
ステップS1104では、アンケート部152は、席に設置されている二次元コードを読み込む利用者の操作に応じて、席の予約状況を確認し、予約が入っていない場合、そのまま必須項目の入力を受け付け、当日予約としてチェックイン手続きを行う。
【0082】
ステップS1105では、アンケート部152は、席の利用が終了した利用者の操作に応じて、再度二次元コードを読み込む。
【0083】
ステップS1106では、アンケート部152は、席予約システム102におけるアンケートのモードが全件調査モードであるか否かを判定する。アンケート部152は、全件調査モードであると判定した場合、ステップS1107に処理を移し、全件調査モードでないと判定した場合、ステップS1109に処理を移す。
【0084】
ステップS1107では、アンケート部152は、全利用者にアンケートを実施し、チェックアウト手続きを行う。アンケートは、例えば、アンケート画面を介して行われる。アンケート画面では、認証ID、快適度(本例では5段階)、不快因子(快適度の回答結果が「1」または「2」である場合)等が入力される。アンケート画面については、図13を用いて説明する。
【0085】
ステップS1108では、アンケート部152は、アンケート結果を予約管理データベース140のアンケート結果記録エリア142に格納し、アンケート処理を終了する。
【0086】
ステップS1109では、アンケート部152は、利用者が当日に席を移動したか否かを判定する。アンケート部152は、席を移動したと判定した場合、S1107に処理を移し、席を移動しなかったと判定した場合、ステップS1110に処理を移す。例えば、利用者が予約の席を利用後、引き続き二次元コードを読み込んで他の席を利用した場合に、アンケート部152は、席を移動したと判断する。
【0087】
ステップS1110では、アンケート部152は、認証IDが入力された場合、アンケートを行うことなく、チェックアウト手続きを行う。
【0088】
図12は、席の予約の際に利用者端末105に表示される快適度マップ画面の一例(快適度マップ画面1200)を示す図である。
【0089】
快適度マップ画面1200では、席予約システム102にあらかじめ登録されている席の配置図1210に、生成部153が算出した席ごとの空調効果レベルに対応した色付けが行われている。
【0090】
また、快適度マップ画面1200では、アンケート結果より季節を問わず空調効果レベルが低い席が集中しているエリアが存在した場合は、マップ内にその旨の警告表示1211が設けられる。
【0091】
なお、空調効果レベルの表示は、席の空調効果レベルに対応した色付けに限らず、空調効果レベルを席ごとに数値として表示する態様としてもよい。また、快適度マップ画面1200では、各席が空席であるか否かを示す情報が表示されてもよいし、予約されている席については選択不可に設定されてもよい。
【0092】
快適度マップ画面1200において、例えば、空調効果低下エリアに該当する席を選択し、予約ボタン1220を押下した場合、再度警告を表示するとともに、不快因子を予約者に提示し、予約内容の確認が行われる。
【0093】
図13は、席の利用後に利用者端末105に表示されるアンケート画面の一例(アンケート画面1300)を示す図である。
【0094】
アンケート画面1300は、席の利用後に、席に設置されている二次元コードが読み込まれたときに表示される。アンケートのモードが抽出調査モードであった場合、かつ、当日席の移動を行っていない場合は、利用者は、認証IDを入力し、送信ボタン1310を押下する。この場合、アンケートは実施されない(例えば、後述の回答欄1320が表示されない)。アンケートのモードが全件調査モードであった場合、または、アンケートのモードが抽出調査モードで当日席の移動を行った場合は、快適度に関する5段階の選択式のアンケートを実施するための回答欄1320が表示される。回答欄1320において快適度「1」または「2」が選択された場合は、不快因子に関するアンケートを実施するための回答欄1330が表示される。
【0095】
なお、本実施の形態では、チェックイン手続きおよびチェックアウト手続きにおいて、二次元コードを使用しているが、席を判別する方法はこれに限定するものではない。
【0096】
また、アンケートのモードは、席ごとの設定が可能である。席予約システム102の利用開始時は、全件調査モードとなっているが、フロアのレイアウトが変わらない、かつ、空調効果に関するデータが十分揃った場合といったように、十分なデータが揃っており、全利用者にアンケートを実施する必要がない場合は、抽出調査モードへとユーザ設定で切り替えることが可能となる。
【0097】
付言するならば、抽出調査モードは、当日何かしらの事情により席の移動(再予約)を行った利用者に対してのみアンケートを実施するモードであり、利用者の手間を省く効果と予約管理データベース140のアンケート結果記録エリア142の記憶領域を節約する効果を期待するものである。
【0098】
また、フロアのレイアウトがフロア全体で変化した場合は、全件調査モード、一部が変更となった場合は、変更されていない席の抽出調査モードを管理者(例えば、ビル管理者)に選択させる。
【0099】
なお、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するためにシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、本実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
【0100】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0101】
(II)付記
上述の実施の形態には、例えば、以下のような内容が含まれる。
【0102】
上述の実施の形態においては、本発明を席予約システムに適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のシステム、装置、方法、プログラムに広く適用することができる。
【0103】
また、上述の実施の形態において、プログラムの一部またはすべては、プログラムソースから、席予約システム102を実現するコンピュータのような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、ネットワークで接続されたプログラム配布サーバまたはコンピュータが読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。また、上述の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0104】
また、上述の実施の形態において、各テーブルの構成は一例であり、1つのテーブルは、2以上のテーブルに分割されてもよいし、2以上のテーブルの全部または一部が1つのテーブルであってもよい。
【0105】
また、上述の実施の形態において、説明の便宜上、席予約システムに係る情報を、テーブルを用いて説明したが、データ構造はテーブルに限定されるものではない。席予約システムに係る情報は、XML(Extensible Markup Language)、YAML(YAML Ain't a Markup Language)、ハッシュテーブル、木構造等、テーブル以外のデータ構造によって表現されてもよい。
【0106】
また、上述の実施の形態において、図示および説明した画面は、一例であり、受け付ける情報が同じであるならば、どのようなデザインであってもよい。
【0107】
また、上述の実施の形態において、図示および説明した画面は、一例であり、提示する情報が同じであるならば、どのようなデザインであってもよい。
【0108】
また、上述の実施の形態において、統計値として平均値を用いる場合について説明したが、統計値は、平均値に限るものではなく、最大値、最小値、最大値と最小値との差、最頻値、中央値、標準偏差等の他の統計値であってもよい。
【0109】
また、上述の実施の形態において、情報の出力は、ディスプレイへの表示に限るものではない。情報の出力は、スピーカによる音声出力であってもよいし、ファイルへの出力であってもよいし、印刷装置による紙媒体等への印刷であってもよいし、プロジェクタによるスクリーン等への投影であってもよいし、その他の態様であってもよい。
【0110】
また、上記の説明において、各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0111】
上述した実施の形態は、例えば、以下の特徴的な構成を備える。
【0112】
(1)
従来、席の空き状況および周りの在籍者に応じて最適な席を促すシステムはあったが、席に応じて空調の快適度が異なることまでは考慮されていない。
【0113】
この点、本実施の形態の席予約システムは、所定のフロアに設けられている複数の席のうちの何れかの席を利用する者から、席の予約を受け付ける席予約システム(例えば、席予約システム102)であって、上記フロアの席を利用した者に、上記フロアに設置されている空調機器(例えば、空調機器171)による空調の快適度を問うアンケートを実施するアンケート部(例えば、アンケート部152、制御装置132、制御装置132と通信可能なコンピュータ、回路等)と、上記アンケート部により実施されたアンケートの結果をもとに上記フロアの席ごとに空調の快適度を集計し、集計した席ごとの空調の快適度を示す上記フロアのマップ(例えば、快適度マップ、快適度マップ画面1200)を生成する生成部(例えば、生成部153、制御装置132、制御装置132と通信可能なコンピュータ、回路等)と、を備える。
【0114】
上記構成では、席ごとの空調の快適度を示すマップが生成されるので、例えば、席を利用する者は、かかるマップを用いて、所望の空調の快適度の席を予約することができる。
【0115】
(2)
利用者に快適な席の提示を行うために必要十分なデータが揃った場合、フロアの構成が変化しない限りは快適度を示すマップにも大きな変化はない可能性があり、利用者全員にアンケートを行う必要がない。その場合、席を移動した人は、温度環境が悪くて快適性が低いと感じて席を移動したのか、それとも業務上で必要だったので席を移動したのか等、席の移動の理由に関するアンケートを、当日席を移動した利用者に実施することが好適である。
【0116】
この点、上記席予約システムには、アンケートを実施するモードとして、第1のモード(例えば、全件調査モード)と上記第1のモードとは異なる第2のモード(例えば、抽出調査モード)とが設けられ、上記アンケート部は、上記第1のモードが設定されている場合、上記フロアの席を利用した者にアンケートを実施し、上記第2のモードが設定されている場合、上記フロアの席を利用した者のうち、席を移動した者にアンケートを実施する(例えば、図11参照)。
【0117】
上記構成によれば、例えば、管理者は、マップの生成に必要なデータが不足している場合は、第1のモードを設定し、マップの生成に必要なデータが十分である場合は、第2のモードを設定することで、席を利用する者へのアンケートの負担を低減することができる。
【0118】
(3)
空調機器の運転モード、空調機器の設定温度、季節グループ、フロアの構造によってエリア毎の空調効果レベルも異なる。また、各席に温度センサ等を設置する方法はコストがかかる。
【0119】
この点、上記席予約システムは、上記フロアの席の予約をする者が操作可能な所定の端末(例えば、利用者端末105)から上記席の予約を受け付ける予約部(例えば、予約部151、制御装置132、制御装置132と通信可能なコンピュータ、回路等)を備え、上記生成部は、上記フロアの席が利用されたときの利用環境の情報として、上記フロアに設置されている空調機器の運転モードの情報と上記空調機器の設定温度の情報と季節を識別するための所定の期間を示す季節グループの情報との少なくとも1つを含む情報を上記フロアの空調機器から取得し、利用環境ごとに、上記フロアの席ごとの空調の快適度を集計し、利用環境ごとに集計した席ごとの空調の快適度を示す上記フロアのマップを生成し(例えば、図8参照)、上記予約部は、上記フロアの席の予約を受け付ける際、上記生成部により生成されたマップの中から、上記予約の日の利用環境と利用環境が一致する上記フロアのマップを特定して上記端末に出力する。
【0120】
上記構成では、予約の日の利用環境に応じたマップが出力されるので、例えば、フロアの席を予約する者は、所望の空調快適度の席をより容易に予約することができる。
【0121】
(4)
上記席予約システムは、上記フロアの席の予約をする者が操作可能な所定の端末(例えば、利用者端末105)から上記席の予約を受け付ける予約部(例えば、予約部151、制御装置132、制御装置132と通信可能なコンピュータ、回路等)を備え、上記生成部は、上記フロアの席が利用されたときの利用環境の情報として、上記フロアに設置されている空調機器の運転モードの情報と上記空調機器の設定温度の情報と季節を識別するための所定の期間を示す季節グループの情報との少なくとも1つを含む情報を上記フロアの空調機器から取得し、取得した利用環境の情報と上記空調機器による空調の快適度を問うアンケートの結果と上記席の情報とを対応付けた利用実績情報(環境情報記録テーブル200、予約情報記録テーブル400、アンケート結果記録テーブル500、および快適度マップ情報記録テーブル600等)を記憶装置(例えば、記憶装置131)に記憶し、上記予約部は、上記フロアの席の予約を受け付ける際、上記記憶装置に記憶されている利用実績情報の中から、上記予約の日の利用環境と利用環境が一致する利用実績情報の席を特定し、特定した席を提案する情報を上記端末に出力する(例えば、図10参照)。
【0122】
上記構成では、利用実績をもとに席が提案されるので、例えば、フロアの席を予約する者は、自分に合った快適度の席を容易に予約することができる。
【0123】
(5)
上記席予約システムは、上記空調機器による空調の快適度を問うアンケートにおいて、上記空調機器による空調の快適度が閾値より低い席であると回答された場合に不快な因子を問う質問に対する回答をもとに、上記席の不快な因子を特定する分析部(例えば、分析部154、制御装置132、制御装置132と通信可能なコンピュータ、回路等)を備える(例えば、図9参照)。
【0124】
上記構成では、例えば、管理者は、各席の不快な因子に基づいてフロアのレイアウト等を改善することができる。また、例えば、利用者は、各席の不快な因子の見える化によって、席の予約を効率的に行うことができるようになる。
【0125】
また上述した構成については、本発明の要旨を超えない範囲において、適宜に、変更したり、組み替えたり、組み合わせたり、省略したりしてもよい。
【0126】
「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という形式におけるリストに含まれる項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができると理解されたい。同様に、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」の形式においてリストされた項目は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)または(A、B、およびC)を意味することができる。
【符号の説明】
【0127】
102……席予約システム、151……予約部、152……アンケート部、153……生成部、154……分析部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13