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特開2024-151630遮光羽根材料、遮光羽根および歪み修正方法
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  • 特開-遮光羽根材料、遮光羽根および歪み修正方法 図1
  • 特開-遮光羽根材料、遮光羽根および歪み修正方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151630
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】遮光羽根材料、遮光羽根および歪み修正方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 9/08 20210101AFI20241018BHJP
   B32B 5/28 20060101ALI20241018BHJP
   G03B 9/36 20210101ALI20241018BHJP
【FI】
G03B9/08 Z
B32B5/28 A
G03B9/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065127
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】篠木 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】迎 和俊
【テーマコード(参考)】
2H081
4F100
【Fターム(参考)】
2H081AA19
2H081AA26
4F100AA37B
4F100AA37C
4F100AA37D
4F100AB01B
4F100AB01C
4F100AB01D
4F100AD11B
4F100AD11C
4F100AD11D
4F100AG00B
4F100AG00C
4F100AG00D
4F100AK01A
4F100AK01B
4F100AK01C
4F100AK01D
4F100AK01E
4F100BA05
4F100DG01B
4F100DG01C
4F100DG01D
4F100DH01B
4F100DH01C
4F100DH01D
4F100JA05A
4F100JA05B
4F100JA05C
4F100JA05D
4F100JA05E
4F100JA12B
4F100JA12C
4F100JA20B
4F100JA20C
4F100JA20D
4F100JB13A
4F100JB13E
4F100JB16B
4F100JB16C
4F100JB16D
4F100JK12A
4F100JK12E
(57)【要約】      (修正有)
【課題】歪みの修正が可能であって、その修正操作が容易な遮光羽根材料および遮光羽根を提供する。
【解決手段】一実施形態の遮光羽根材料10は、一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚(プリプレグ11a,11b)を積層した積層体11と、積層体11の表面に設けられた樹脂製の保護膜12と、を有する遮光羽根材料であって、プリプレグの複数枚は、平面視したときに、強化繊維の方向が交差するように積層されており、熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、保護膜12の樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚を積層した積層体と、前記積層体の表面に設けられた樹脂製の保護膜と、を有する遮光羽根材料であって、
前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記強化繊維の方向が交差するように積層されており、
前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、前記保護膜における前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低い、遮光羽根材料。
【請求項2】
前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記プリプレグの前記強化繊維の方向が実質的に直交するように積層されている、請求項1に記載の遮光羽根材料。
【請求項3】
前記プリプレグは、前記熱可塑性樹脂中に充填剤を含有する、請求項1に記載の遮光羽根材料。
【請求項4】
前記充填剤がカーボンブラックである、請求項3に記載の遮光羽根材料。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂は、非晶性樹脂であり、かつ、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)が40℃以上である、請求項1に記載の遮光羽根材料。
【請求項6】
前記強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、化学繊維および天然繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、請求項1に記載の遮光羽根材料。
【請求項7】
前記強化繊維が炭素繊維である、請求項6に記載の遮光羽根材料。
【請求項8】
前記保護膜は、熱硬化性樹脂製である、請求項1に記載の遮光羽根材料。
【請求項9】
一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚を積層した積層体と、前記積層体の表面に設けられた樹脂製の保護膜と、を有し、
前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記強化繊維の方向が交差するように積層されており、
前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、前記保護膜における前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低い、遮光羽根材料からなる、遮光羽根。
【請求項10】
前記強化繊維の繊維方向が、前記遮光羽根の長手方向に沿って配置されている、請求項9に記載の遮光羽根。
【請求項11】
荷重の均一性を得るためのクッション材を用いて遮光羽根材料または遮光羽根を一対の平面度を有する治具で挟持し、
荷重を加えた状態で熱処理を行う、歪み修正方法であって、
前記遮光羽根材料または前記遮光羽根が、一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚を積層した積層体と、前記積層体の表面に設けられた樹脂製の保護膜と、を有し、前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記強化繊維の方向が交差するように積層されており、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、前記保護膜における前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低く、
前記熱処理は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)以上前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低い温度で行う、歪み修正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮光羽根材料、遮光羽根および歪み修正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラの撮像系などにおいては、高速動作に耐え得る剛性を維持しながら、耐久性、軽量性、低発塵性、高潤滑性などの特性を併せ持つシャッタ羽根が望まれている。このシャッタ羽根の基本構成は、軽量化の観点からプラスチックフィルムを基材に用いる材料が主流となっている。ここで、フィルム基材に剛性を付与するため、近年、炭素繊維などの連続繊維で強化された樹脂シート(プリプレグシート)を積層した複合材料が使われている。
【0003】
このような遮光羽根材料としては、例えば、熱硬化性樹脂製のフィルム状基材と、その片面又は両面に遮光膜および保護膜を形成し、該保護膜は導電性、潤滑性および耐擦傷性のうち一つ以上の特性を満たした薄膜からなる遮光羽根材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、剛性では熱硬化性樹脂に劣るものの、熱可塑性樹脂製のプリプレグからなる繊維強化材料も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-138974号公報
【特許文献2】特開平6-15756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、このような遮光羽根材料を用いたシャッタ羽根は、複数枚のシャッタ羽根を組み合わせてフォーカルプレーンシャッタやレンズシャッタなどとする。カメラ撮影の際に、このフォーカルプレーンシャッタやレンズシャッタが駆動されるが、その際、シャッタ同士が擦れ合いながら開閉動作を繰り返し行う。そのため、その開閉動作により反りなどが生じシャッタ形状が変形する場合がある。
【0007】
上記した熱硬化性樹脂製のプリプレグからなる遮光羽根は、非常に剛性が高く、変形に対する高い耐性を有しているものの、一旦変形してしまうと、その形状を元に戻すことが困難である。そのため、変形してしまった場合には、一般に、廃棄されることとなる。
【0008】
一方、熱可塑性樹脂製のプリプレグからなる遮光羽根は、遮光羽根の変形に対して、加熱しながら圧力をかけてその歪みを修正することが可能である。このように修正を行うことで、遮光羽根として再度利用することができる。
【0009】
本発明の目的は、歪みの修正が可能であって、その修正操作が容易な遮光羽根およびその遮光羽根を形成するための遮光羽根材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施の形態の遮光羽根材料は、一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚を積層した積層体と、前記積層体の表面に設けられた樹脂製の保護膜と、を有する遮光羽根材料であって、前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記強化繊維の方向が交差するように積層されており、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、前記保護膜における前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低い。
【0011】
本実施の形態の遮光羽根は、一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚を積層した積層体と、前記積層体の表面に設けられた樹脂製の保護膜と、を有し、前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記強化繊維の方向が交差するように積層されており、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、前記保護膜における前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低い、遮光羽根材料からなる。
【0012】
本実施の形態の歪み修正方法は、荷重の均一性を得るためのクッション材を用いて遮光羽根材料または遮光羽根を一対の平面度を有する治具で挟持し、荷重を加えた状態で熱処理を行う歪み修正方法であって、前記遮光羽根材料または前記遮光羽根が、一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚を積層した積層体と、前記積層体の表面に設けられた樹脂製の保護膜と、を有し、前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記強化繊維の方向が交差するように積層されており、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、前記保護膜における前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低く、前記熱処理は、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)以上前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低い温度で行う。
【発明の効果】
【0013】
本願において開示される遮光羽根材料および遮光羽根によれば、歪みの修正が可能であって、その修正操作が容易な遮光羽根材料および遮光羽根を提供できる。
【0014】
また、本願において開示される歪み修正方法によれば、遮光羽根材料または遮光羽根が変形してしまった場合にも、容易に修正して、再利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本実施の形態に係る遮光羽根材料の概略構成を示す断面図である。
図2図2は、本実施の形態に係る遮光羽根の一例と、その積層構造の一例を示す斜視図である。
図3図3は、本実施の形態に係る歪み修正方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態を実施例や図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一または関連の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面では、説明の便宜上、構成やハッチングを省略または簡略化している場合もある。
【0017】
<遮光羽根材料>
本発明の一実施形態である遮光羽根材料は、例えば、図1に示したように、一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚を積層した積層体11と、積層体11の表面に設けられた樹脂製の保護膜12と、を有する遮光羽根材料10である。
【0018】
[積層体]
積層体11は、複数枚のプリプレグ11a,11bを積層して構成される部材であり、遮光羽根材料の形状を形作っている主要な要素である。
【0019】
この積層体11を構成するプリプレグ11a,11bは、強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸して形成された複合材料であり、このとき、強化繊維は一方向に揃えて配置されている。図1に示したプリプレグ11aとプリプレグ11bは、それぞれ同一のプリプレグではあるが、その積層の際に強化繊維の繊維方向(延在方向)が異なるように配置されている場合を例示している。なお、プリプレグ11aとプリプレグ11bは、強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸したものであれば、用いる強化繊維および熱可塑性樹脂はそれぞれ同一のものでも異なるものでもよく、また、互いに厚みが異なるものであってもよい。以下、プリプレグを構成する強化繊維および熱可塑性樹脂について説明する。
【0020】
ここで用いられる強化繊維は、連続繊維(長繊維)であって、プリプレグの剛性を向上させるための材料である。この強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、化学繊維、天然繊維などが挙げられる。強化繊維としては、上記した繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つの繊維を含有していればよく、2つ以上の繊維を組み合わせて使用することもできる。その強度やシャッタ羽根としての使用実績などから炭素繊維が好ましい。
【0021】
この強化繊維は、一方向に揃えて熱可塑性樹脂に含浸させてプリプレグとして形成される。このように強化繊維の繊維方向(延在方向)を揃えているため、その繊維方向において、プリプレグの強度を良好に向上できる。
【0022】
ここで用いられる熱可塑性樹脂は、強化繊維を含浸し、プリプレグを形成する材料である。この熱可塑性樹脂を用いて得られるプリプレグは、遮光羽根材料の主要な構成要素となる。ここで用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)などが挙げられる。
【0023】
熱可塑性樹脂としては、非晶性樹脂であることが好ましい。非晶性樹脂であると、後述する歪みの修正の際に、その熱可塑性樹脂のガラス転移点よりも高い温度に加熱することで十分に歪みの修正を行うことができる。一方、結晶性樹脂であると、結晶化度によってはガラス転移点よりも高い温度に加熱しても十分に修正できない場合がある。その場合、修正するために、熱可塑性樹脂の融点付近の温度にまで加熱する必要がある。
【0024】
なお、融点付近の温度にまで加熱すると、その後急冷した際に結晶化度が変わり、遮光羽根材料の特性が変化したり、また、保護膜12における樹脂のガラス転移点がその熱可塑性樹脂の融点よりも低い場合には、保護膜12が劣化したりするおそれがあるため、加熱温度に注意を要する。
【0025】
この熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、適用する製品の使用環境に応じて、その使用環境温度よりも高い温度とすることが好ましい。例えば、カメラの遮光羽根として用いる場合には、そのカメラの動作保証温度以上とすることが好ましい。動作保証温度は、カメラが想定する使用環境によって異なるが、例えば、ガラス転移点(Tg1)としては、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。
【0026】
上記説明した材料から構成されるプリプレグ11a,11bは、平面視したときに、その繊維方向を交差させるように(繊維の延在方向が異なるように)積層して積層体11とする。このように繊維方向を交差させることで、強化繊維が特定の一方向に揃っている場合に比べ、方向による強度差を小さくすることができる。
【0027】
この繊維方向は、互いに交差するようにすればよいが、方向による強度差を小さくするために、平面視したときの互いの強化繊維のなす角が、45度以上であることが好ましく、60度以上であることがより好ましい。典型的には、平面視したときの互いの強化繊維のなす角が実質的に90度である場合も例示できる。積層体11において、この繊維方向は実質的に直交していることが特に好ましい。なお、実質的に直交しているとは、互いの強化繊維のなす角が90度の他、90度から若干角度がずれている場合も含み、例えば、±5度の範囲を含む。本実施形態において、このズレは、その他の角度における説明でも同様に含むことができる。
【0028】
積層体11において、積層方向に互いに隣接するプリプレグ同士の強化繊維の繊維方向を上記関係とすることが好ましいが、一部に、同一の繊維方向のプリプレグを積層した部分を有していてもよい。さらに、積層体の最外層となる2つのプリプレグの強化繊維の繊維方向が実質的に同一となる(一致させる)ようにすることが好ましい。
【0029】
図1には、2枚のプリプレグ11aおよび1枚のプリプレグ11bを所定の順番に積層し、3層構造とした積層体11を例示している。この場合、方向による強度差を小さくするには、例えば、プリプレグ11aの強化繊維とプリプレグ11bの強化繊維とのそれぞれの繊維方向のなす角が、実質的に直交するように積層することが好ましい。以下の説明では、基準となるプリプレグの強化繊維の繊維方向を0度とし、それに積層する他のプリプレグの強化繊維の繊維方向を、その基準のプリプレグの強化繊維に対する角度(なす角)として方向を表している。
【0030】
この場合、積層するプリプレグが、1層目から順に、0度/90度/180度(0度)となるように積層されており、これにより、縦横のいずれの方向にも強化繊維による強度の改善ができる。このような3層構造とすることで、積層枚数も少ないものとでき、遮光羽根のような軽量化や薄膜化を要求される部材には特に好ましい。
【0031】
この積層体11は、プリプレグを4枚以上積層して形成することもできる。この場合、上記のように強化繊維のそれぞれの繊維方向のなす角を90度として積層してもよいが、次のように角度を変えて積層することもできる。
【0032】
プリプレグを4層積層する場合、1層目から順に、0度/60度/120度/180度(0度)となるように積層する積層体が例示できる。この場合、方向による強度差をより小さくして均一化した積層体11が得られる。また、0度/45度/135度/180(0度)となるように積層してもよい。
【0033】
プリプレグを5層積層する場合、1層目から順に、0度/45度/90度/135度/180度(0度)となるように積層する積層体が例示できる。この場合、方向による強度差をより小さくして均一化した積層体11が得られる。
【0034】
積層体11では、その最外層となるプリプレグをプリプレグ11aとし、強化繊維の繊維方向を同じものとしているが、このようにすることで、積層体11の強度を良好なものとできる。特に、遮光羽根のうち、長手方向となる方向と、このプリプレグ11aの繊維の繊維方向とを合わせることが好ましい。
【0035】
このプリプレグ11a,11bにおける強化繊維と熱可塑性樹脂との割合としては、プリプレグ中に含まれる強化繊維を40~70体積%有するようにすることが好ましい。この強化繊維の割合を低くすると、その分、熱可塑性樹脂の割合が多くなり、歪みの修正が容易になる。一方、強化繊維の割合を高くすると、その分、プリプレグの強度が向上することになる。シャッタ羽根のように比較的薄い材料の場合には、強度と修正の容易性のバランスを考慮すると、プリプレグ中に含まれる強化繊維を50~70体積%とすることが好ましく、55~65体積%とすることがより好ましい。
【0036】
ここで用いる熱可塑性樹脂には、充填剤(フィラー)を配合してもよい。ここで用いる充填剤(フィラー)としては、この種の材料に配合できるものであれば特に限定されずに使用できる。
【0037】
この熱可塑性樹脂に、充填剤(フィラー)を配合することで、プリプレグを構成する熱可塑性樹脂に増粘性を付与することができる。後述するように、熱可塑性樹脂は遮光羽根の歪みの修正をする際に、加熱により低粘度化される。これにより樹脂流動を生じさせることで歪みを修正できるが、このとき過度に樹脂流動が生じると、遮光羽根の形状が保てない場合がある。そこで、熱可塑性樹脂に充填剤(フィラー)を配合して増粘性を付与しておくことで、加熱したときに樹脂流動が過度に生じることを抑制でき、遮光羽根の形状を保ちながら歪みの修正を良好に行うことができる。
【0038】
ここで、遮光羽根材料に遮光性を付与するために、充填剤として、カーボンブラックやアニリンブラックなどの黒色の顔料、染料を配合することが好ましい。遮光性の付与には、カーボンブラックが特に好ましい。なお、後で詳述する保護膜12によって遮光性を付与することもでき、ここで用いる熱可塑性樹脂に黒色の顔料、染料を配合することは必須ではない。
【0039】
この充填剤としては、その平均粒径が0.01~1μmの範囲とすることが好ましく、0.1μm以下のものがより好ましい。なお、本明細書において、平均粒子径は、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(D50)を意味する。
【0040】
また、熱可塑性樹脂に充填剤(フィラー)を配合する場合、その配合量は、プリプレグ11a,11bのマトリックス樹脂(固形分)100質量%中に0.5~3質量%が好ましく、1.0~2.0質量%がより好ましい。このような配合量で充填剤(フィラー)を配合することにより、上記作用を奏することができる。
【0041】
[保護膜]
本実施形態に係る遮光羽根材料に用いられる保護膜は、積層体11の表面に設けられた保護膜12である。この保護膜12は、樹脂を主成分として積層体11の表面を覆うように設けられる。
【0042】
この保護膜12は、上記のように樹脂を主成分としているが、ここで用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。遮光羽根の使用時における変形を抑制するため、保護膜12には熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。この保護膜12に用いる樹脂としては、積層体11を形成するプリプレグ11a,11bの熱可塑性樹脂よりもガラス転移点を高いものとする。この関係については後述する。
【0043】
ここで用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル-ウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられ、熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂は、安定性、機械的強度、耐熱性などが高く、また、潤滑性、遮光性、導電性などを付与しやすいことから、本実施の形態に係る遮光羽根材料に用いられる保護膜として好ましい樹脂である。
【0044】
保護膜12を設けることにより、遮光羽根材料やこれを加工して得られる遮光羽根の形状を安定させることができ、また、シャッタ羽根に適用した際に表面が擦れて削れることを抑制できる。さらに、保護膜12により、遮光羽根などの歪みの修正を行う際に、熱可塑性樹脂製のプリプレグ11a,11bがクッション材や治具と直接接触しないため、それら部材と密着しないようにすることができる。これにより、上記先行文献2(特開平6-15756号公報)に記載の、歪みの修正の際に用いられる第二クッション材を省略でき、歪み修正を容易に行うことができる。
【0045】
ここで保護膜12に用いる樹脂には、充填剤(フィラー)を配合してもよい。充填剤(フィラー)としては、この種の材料に配合できるものであれば特に限定されずに使用できる。
【0046】
この保護膜12に用いる樹脂に、充填剤(フィラー)を配合することで、その充填剤(フィラー)の種類に応じて、所定の特性を付与することができる。
【0047】
ここで、遮光羽根材料に遮光性を付与するために、この熱可塑性樹脂にカーボンブラックやアニリンブラックなどの黒色の顔料、染料を配合することもできる。遮光性の付与には、カーボンブラックが特に好ましい。
【0048】
なお、上記したように、プリプレグ11a,11bに用いる熱可塑性樹脂に遮光性を付与することもでき、保護膜12に用いる樹脂に黒色の顔料、染料を配合することは必須ではない。遮光性を付与する場合、プリプレグ11a,11bを形成する熱可塑性樹脂および保護膜を形成する樹脂の少なくとも一方に、黒色の顔料、染料を配合することが好ましい。
【0049】
ここで、保護膜12に用いる樹脂に充填剤(フィラー)を配合する場合、その配合量は、保護膜12の固形分100質量%中に15~40質量%が好ましい。例えば、充填剤(フィラー)としてはカーボンブラックを配合した場合、遮光性を好適に向上できる。
【0050】
[積層体と保護膜との関係]
本実施の形態では、積層体11を形成するプリプレグ11a,11bで用いられる熱可塑性樹脂と、保護膜12で用いられる樹脂との関係を特定の関係とする。すなわち、以下の数式(A)で示すように、プリプレグ11a,11bで用いられる熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)を、保護膜12で用いられる樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低いものとする。
Tg1 < Tg2 …(A)
【0051】
本実施の形態では、このような関係を満たすようにすることで、外表面は平滑で、歪み修正の容易な遮光羽根材料とすることができる。すなわち、プリプレグ11a,11bに熱可塑性樹脂を用い、保護膜12の樹脂とのガラス転移点とが上記関係を満たすようにすることで、プリプレグの歪みの修正を可能としながら、保護膜12は歪み修正時の加熱によって変形、変性させることのない遮光羽根材料とできる。
【0052】
ここで、ガラス転移点(Tg1)と、ガラス転移点(Tg2)との関係は、その温度差が10~50℃の範囲が好ましく、20~45℃の範囲がより好ましく、30~40℃の範囲がさらに好ましい。このような温度差を有することで、修正時の加熱温度に対して、保護膜12が影響を受けることが抑制され、歪みの修正を十分に行うことができる遮光羽根材料となる。
【0053】
また、上記のような関係とすることで、ガラス転移点(Tg1)が比較的低めとなり、歪み修正時に加熱し、修正後に冷却するときの温度変化の差が小さくなるため、熱損失を少なくすることができる。
【0054】
上記の特性を満たす樹脂の組合せとしては、プリプレグに使用する熱可塑性樹脂をフェノキシ樹脂、ポリスチレン樹脂またはアクリル樹脂(いずれも、ガラス転移点:約90~100℃)とし、保護膜の樹脂をエポキシ樹脂(ガラス転移点:約120~140℃)またはアクリル-ウレタン樹脂(ガラス転移点:約130~140℃)とすることが好ましいものとして例示できる。
【0055】
この遮光羽根材料10としては、その厚さは特に限定されるものではなく、適宜各構成の厚さを設定すればよい。この遮光羽根材料10を、カメラのシャッタ羽根の材料として用いる場合、その厚さは、例えば、0.08~0.13mmとすることが好ましい。
【0056】
このとき、プリプレグ11a,11bの厚さを0.01~0.05mmとし、保護膜12の厚さを0.005~0.01mmとすることが好ましい。さらに、プリプレグ11a,11bの厚さは、0.02~0.04mmがより好ましく、0.02~0.03mmがさらに好ましい。
【0057】
このような厚さの遮光羽根材料とすることで、従来にない薄型、軽量でありながら、十分な剛性を確保するととともに、変形が生じてしまった場合にもその歪みの修正をすることができる優れた遮光羽根材料を提供できる。
【0058】
<遮光羽根材料の製造方法>
次に、上記説明した遮光羽根材料の製造方法について説明する。
【0059】
図1に示した遮光羽根材料10は、例えば、次のように製造することができる。まず、プリプレグ11a,11bを用意する。これは、従来公知の方法により作製できる。
【0060】
すなわち、強化繊維の繊維方向を一方向に揃えて配置し、この配置された強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸させ、所定の厚さのシート状に成形した後、熱可塑性樹脂を冷却して固化させればよい。このようにして、一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるシート状のプリプレグが得られる。
【0061】
得られたシート状のプリプレグを複数枚用意し、その強化繊維の繊維方向が交差するようにして、その複数枚のプリプレグ(プリプレグ11a,11b)を積層し、その後、所定の温度に加熱して圧着することにより積層体11が得られる。このときの加熱温度は、プリプレグを構成する熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)よりも高い温度とすることが好ましい。
【0062】
積層体11が得られたら、保護膜12を形成するための樹脂組成物を含有する塗工液を用意する。この塗工液は、溶剤に保護膜12となる樹脂組成物を溶解させたものとすればよく、上記説明した樹脂、充填剤(フィラー)などを含有させればよい。この樹脂組成物には、本実施の形態の効果を阻害しない範囲で、その他の添加剤を配合することもできる。
【0063】
塗工液とするための溶剤としては、上記樹脂を溶解するものであればよく、使用する樹脂に応じて選択すればよい。溶剤としては、例えば、水、トルエン、メチルエチルケトン、エタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどの公知の溶剤が挙げられる。
【0064】
このようにして得られた塗工液を、積層体11の両主面に公知の塗工方法により塗布し、加熱などにより乾燥させて溶剤を揮発させる。溶剤を揮発させることで、上記樹脂組成物からなる保護膜12が形成される。このようにして、積層体11の表面に保護膜12が積層された遮光羽根材料10が製造できる。
【0065】
<遮光羽根>
次に、本実施の形態に係る遮光羽根について説明する。
【0066】
本実施の形態に係る遮光羽根は、上記説明した遮光羽根材料を所望の形状に加工すること、例えば、打ち抜き加工、レーザー加工、超音波カッター加工、ウォータージェット加工など、により作成できる。
【0067】
図2には、遮光羽根20の形状と、その積層構造の斜視図について、それぞれ一例を示している。遮光羽根は、当分野で周知のように様々な形状の遮光羽根を組み合わせて所定の動作を行うことで、その開閉を行うようにするものである。したがって、この遮光羽根20は、他の遮光羽根と連結して使用され、各遮光羽根が所定の配置関係となるように固定される。この遮光羽根20には、固定用の連結孔21を2つ有している場合を例示している。
【0068】
図2では、この遮光羽根20の積層構造も例示しており、この積層構造は上記説明したように、積層体11(プリプレグ11a,11bの3層)と保護膜12(両表面2層)との5層構造となっている。図2では、さらに、積層体11を構成するプリプレグ11a,11bについて、その含有する強化繊維110の繊維方向(延在方向)も例示している。ここでは、積層体11の最外層を構成するプリプレグ11aとして、強化繊維110が遮光羽根20の長手方向に沿うように配置するようにしている。ここで、長手方向とは、遮光羽根20の羽根が延びている長軸方向をいう。
【0069】
以下、このプリプレグ11aの強化繊維110の繊維方向を基準(0度)とし、他の強化繊維110の繊維方向を、平面視したときに、基準とした強化繊維110の繊維方向と交差する角度を用いて説明する。
【0070】
図2では、プリプレグ11bは、その強化繊維110の繊維方向が異なる以外は、プリプレグ11aと同一の樹脂および強化繊維110で形成されている。ここでは、プリプレグ11bの強化繊維110の繊維方向は、90度の例を示している。すなわち、プリプレグ11aとプリプレグ11bの強化繊維110の繊維方向は、平面視したときに直交している。
【0071】
積層体11として、3枚のプリプレグを積層する場合、強化繊維110の繊維方向を図2で説明したものとすることが好ましい。これにより、縦横のいずれの方向にも強度が高いものとなり、特に、遮光羽根20の長手方向と積層体11の最外層を構成するプリプレグの強化繊維110の繊維方向とが同一となるため、遮光羽根20の強度も好ましいものとなる。
【0072】
この図2の強化繊維110の繊維方向は、上記説明した遮光羽根材料10における強化繊維が1層目から順に、0度/90度/180度(0度)となるように積層された3層構造の例と同一である。これは一例であり、上記説明した遮光羽根材料10と同様に、この強化繊維の繊維方向は、互いに交差するようにすればよい。
【0073】
(歪み修正方法)
本実施の形態に係る歪み修正方法は、上記説明した遮光羽根材料または遮光羽根の歪みを修正する方法である。
【0074】
この歪み修正方法は、例えば、図3に示したように、荷重の均一性を得るためのクッション材50と、歪みの修正対象となる遮光羽根材料10と、を一対の平面度を有する治具51で挟持する。
【0075】
次いで、遮光羽根材料10を挟持して荷重を加えた状態で加熱処理を行い、遮光羽根材料10の歪みを修正する。このときの加熱処理は、プリプレグ11a,11bを形成する熱可塑性樹脂のガラス転移点Tg1以上の温度であって、かつ、保護膜12における樹脂のガラス転移点Tg2よりも低い温度とする。
【0076】
このように所定の温度に加熱しながら歪みの修正を行うことで、簡便な操作で、効果的に所望の形状とし、歪みを修正できる。このとき、加熱温度は、ガラス転移点Tg1よりも10~20℃高い温度が好ましい。このような温度に加熱することで、遮光羽根材料10の歪みを効果的に修正できる。
【0077】
このとき、遮光羽根材料10は、その最外層に保護膜12を有するため、熱可塑性樹脂製のプリプレグ11a,11bがクッション材50や治具51と直接接触することがなく、それら部材と遮光羽根材料10とが密着しないようにすることができる。これにより、上記先行文献2(特開平6-15756号公報)に記載の、歪みの修正の際に用いられる第二クッション材を省略でき、歪み修正を容易に行うことができる。
【0078】
上記では、遮光羽根材料10の歪みを修正する場合を例に説明したが、当然ながら、遮光羽根材料10から形成される遮光羽根20についても、同様の操作により歪みの修正を行うことができる。
【0079】
すなわち、使用により遮光羽根20が変形してしまった場合でも、その遮光羽根を上記歪み修正方法により、歪みを修正して変形前の形状に戻し、再度遮光羽根として利用することができる。これにより、遮光羽根が変形しても廃棄せずに再利用でき、遮光羽根の寿命を延ばすことができる。この再利用により、カメラなどのランニングコストを低減できる。
【0080】
以上、本発明について、実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれら実施の形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【0081】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
【0082】
(1)一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚を積層した積層体と、前記積層体の表面に設けられた樹脂製の保護膜と、を有する遮光羽根材料であって、
前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記強化繊維の方向が交差するように積層されており、
前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、前記保護膜における前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低い、遮光羽根材料。
【0083】
(2)前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記プリプレグの前記強化繊維の方向が実質的に直交するように積層されている、(1)に記載の遮光羽根材料。
【0084】
(3)前記プリプレグは、前記熱可塑性樹脂中に充填剤を含有する、(1)または(2)に記載の遮光羽根材料。
【0085】
(4)前記充填剤がカーボンブラックである、(3)に記載の遮光羽根材料。
【0086】
(5)前記熱可塑性樹脂は、非晶性樹脂であり、かつ、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)が40℃以上である、(1)~(4)のいずれかに記載の遮光羽根材料。
【0087】
(6)前記強化繊維が、炭素繊維、ガラス繊維、金属繊維、化学繊維および天然繊維からなる群から選ばれる少なくとも1つを含む、(1)~(5)のいずれかに記載の遮光羽根材料。
【0088】
(7)前記強化繊維が炭素繊維である、(1)~(6)のいずれかに記載の遮光羽根材料。
【0089】
(8)前記保護膜は、熱硬化性樹脂製である、(1)~(7)のいずれかに記載の遮光羽根材料。
【0090】
(9)一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚を積層した積層体と、前記積層体の表面に設けられた樹脂製の保護膜と、を有し、
前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記強化繊維の方向が交差するように積層されており、
前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、前記保護膜における前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低い、遮光羽根材料からなる、遮光羽根。
【0091】
(10)前記強化繊維の繊維方向が、前記遮光羽根の長手方向に沿って配置されている、(9)に記載の遮光羽根。
【0092】
(11)荷重の均一性を得るためのクッション材を用いて遮光羽根材料または遮光羽根を一対の平面度を有する治具で挟持し、
荷重を加えた状態で熱処理を行う歪み修正方法であって、
前記遮光羽根材料または前記遮光羽根が、一方向に揃えた強化繊維に熱可塑性樹脂を含浸してなるプリプレグの複数枚を積層した積層体と、前記積層体の表面に設けられた樹脂製の保護膜と、を有し、前記プリプレグの複数枚は、平面視したときに、前記強化繊維の方向が交差するように積層されており、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)は、前記保護膜における前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低く、
前記熱処理が、前記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg1)以上前記樹脂のガラス転移点(Tg2)よりも低い温度で行う、歪み修正方法。
【符号の説明】
【0093】
10…遮光羽根材料、11…積層体、11a,11b…プリプレグ、12…保護膜、20…遮光羽根、21…連結孔、50…クッション材、51…治具、110…強化繊維
図1
図2
図3