(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151648
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】ロールスクリーン
(51)【国際特許分類】
E06B 9/02 20060101AFI20241018BHJP
E06B 9/40 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
E06B9/02 F
E06B9/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065164
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】723003188
【氏名又は名称】宮川 和久
(72)【発明者】
【氏名】宮川 和久
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロールスクリーンは断熱・省エネ性に優れているが、上下に開閉する構造の為、ほぼ全開しないと屋外への視界が確保出来ない。また、掃き出し窓など人の出入りを想定した箇所には適さないという問題が存在する。屋外への視界が確保でき、人の出入りに適したロールスクリーンを提供する。
【解決手段】この問題の改善策として水平方向に開閉する方式のロールスクリーンを考案した。チェーン式においてはチェーンによる開閉操作と水平方向へのガイドレール、スライド機構により開閉する。また、開閉方向へスクリーンを引っ張るワイヤー(紐)でも開閉可。
プルコード式の場合は開閉方向へスクリーンを引っ張るワイヤー(紐)を、ロールスクリーン本体とは反対側に設けた。応用技術として太陽電池対応とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き取られたスクリーンの長手を垂線方向として窓開口部枠の横に固定し、スクリーンの開閉を水平方向としたチェーン式ロールスクリーンにおいて、チェーンによる開閉操作のベクトルを水平から垂線方向とするローラーを設けると共に、スクリーンを保持、ガイドするガイドレールとスライド機構部を設け、スライド機構とスクリーンを連結固定したことを特徴とする。
【請求項2】
請求項1項において、スクリーンの開方向に張力を加えるワイヤー(紐)とベクトルを垂線方向に変えるローラーとバランサーを設けたことを特徴とする。
【請求項3】
巻き取られたスクリーンの長手を垂線方向として窓開口部枠の横に固定し、スクリーンの開閉を水平方向としたプルコード式ロールスクリーンにおいて、スクリーンを保持、ガイドするガイドレールとスライド機構部を設け、スライド機構とスクリーンを連結固定すると共に、スクリーンに開方向の張力を加えるワイヤー(紐)とベクトルを垂線方向に変えるローラーを設けたことを特徴とする。
【請求項4】
請求項3項において、スクリーンの開方向に張力を加えるワイヤー(紐)とバランサーを設けたことを特徴とする。
【請求項5】
請求項1,又は請求項2,又は請求項3,又は請求項4のロールスクリーンにおいて開閉を水平方向としたことを特徴とする開閉方法。
【請求項6】
請求項1,又は請求項2,又は請求項3,又は請求項4のスライド機構はガイドレールに接する複数のローラーで構成し、水平方向の角度を保持することを特徴とする。
【請求項7】
請求項1,又は請求項2,又は請求項3,又は請求項4、又は請求項5のロールスクリーンにおいてスクリーンに薄膜太陽電池を組み込み、発電された電力をスクリーン内に設置の可動側出力端から、開閉操作による位置に関わらず一定の固定側入力端に有線にて電送する手段を設けたことを特徴とする。
【請求項8】
請求項7項の可動側出力端から固定側入力端に有線にて電送する手段が片側引きの巻き取り式ケーブル、又はフレキシブルケーブルであることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平方向に開閉する方式のロールスクリーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロールスクリーンの役割と機能は装飾、調光・遮光、遮蔽・間仕切、断熱・省エネです。
一方、ロールスクリーンが使用される窓には光の取り込み、空気の入れ替え、屋外への視界の確保という、相反する役割と機能がある。
【0003】
近年、省エネ、居住性の観点から住宅の高密度、高断熱の重要性が強く認識されるようになってきたが、ロールスクリーンは窓が取り付けられている窓開口部枠をフラットに遮蔽出来ることから断熱・省エネ性に優れている。しかし、上下に開閉する構造の為、ほぼ全開しないと屋外への視界が確保出来ない。
また、掃き出し窓など人の出入りを想定した箇所には適さないという問題が存在する。
【0004】
スクリーンを単に広げ、巻き取るだけであれば、上下方向に開閉することに合理性は有るが、利便性は乏しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-211437(P2012-211437A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、人間の視線は窓の上部に位置するので、ロールスクリーンはほぼ全開しないと外部への視界は開けない。
また、雨戸の開け閉め、人の出入りにもほぼ全開を要す。
よって、ロールスクリーンは開閉や人の出入りが多い箇所には不適であり、常時閉める用途の箇所に多用されています。
スクリーンを単に広げ、巻き取るだけであれば、上下方向に開閉することに合理性は有ります。
しかし、用途を主体に考えれば水平方向の方が利便性は高く、利便性を優先するなら水平方向とする方が望ましい。
ロールスクリーンの開閉方向を水平方向とすることで屋外への視界が確保出来、掃き出し窓から人の出入りは容易となる。
【特許文献1】に記載の技術は、水平方向にスクリーンを開閉する方式だが、専用の収納ボックスに作り込む重厚な作りは、既存窓枠を対象とした従来技術に比べ、過剰、かつ高コスト。また、既存窓枠に簡単に取付け出来るという従来技術の持つ利便性、互換性、汎用性といった価値を大きく損なうことになり、既存技術の置き換えとはなり難い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はロールスクリーンの特性を維持しつつ、スクリーンの開閉を水平方向とし、水平方向の動きを支持するガイドレール4とスライド機構を設けたことを特徴とする。
スライド機構は水平方向とスクリーンの姿勢を保持する必要が有るため、 ガイドレール4上を回転しながら移動、かつ姿勢を維持出来るよう複数のレールローラー1で構成される。
複数のレールローラー1の形態としては実施例では4個x2=8個のレールローラー1としたが、ガイドレール4上で少なくとも2か所で垂線方向の位置を固定する支点となり、水平を維持出来れば良い。
従来技術に対しては、ガイドレール4、スライド機構が付加されるが、一般のカーテンレールではレール、ローラーは基本的、かつ簡便な手段。
ガイドレール4、スライド機構追加という手段の負荷は水平方向の開閉を実現するメリットに対しては許容範囲と評価しました。
ロールスクリーンにはチェーン式とプルコード式があるが、その方式に合わせた機能の選択が必要です。
チェーン式においてはチェーンによる開閉操作と水平方向へのガイドレール4、スライド機構により開閉する。
また、開閉操作のため、ロールスクリーンの軸に直結するスプロケット16を回転するボールチェーン18に加えるベクトルを垂線方向へ変換する1対の独立した丸溝ローラー17を設け、双方向に手元で操作出来るようにした。
窓が大きくスクリーンが水平方向に長尺の場合にはスクリーンの重量負荷が大きくなるので、スムーズな開閉操作にも支障が生じる。
そこで、前記を補助、補完するためロールスクリーン本体とは反対側に張力を加えられるワイヤー(紐)6とワイヤー(紐)6を人が操作出来る様、張力のベクトルを重力方向に変換するワイヤーローラー9を設けた。
同時に、適度な重量のバランサーを設け、任意の位置にワンタッチクリップ8等で固定することで、スクリーンに水平方向に一定の張力を加える手段を設けた。
プルコード式の場合は水平方向へスクリーンを引っ張るワイヤー(紐)6をロールスクリーン本体とは窓開口部枠を介して反対側に設けた。
スクリーンが長尺の場合にはチェーン式と同様に、適度の重量のバランサーを設けることでスムーズな開閉操作を可能となる。
本実施例では簡易的に適度の重量のバランサーとしたが、スプリングバランサーを用いても良い。
【0008】
近年、塗布や印刷が可能で薄く折り曲げ可能な太陽電池が開発され、実用化の域に達しつつあります。
ロールスクリーンのスクリーンに太陽電池を組み込むことで、発電された電力をスクリーン内に設置の可動側出力端から、開閉操作による位置に関わらず固定の一端に電送する手段を設ける事で太陽電池対応とした。
本発明はこの様な太陽電池の応用に関するものであり、スクリーンに組み込んだ太陽電池と発電された電力の電送手段で構成する。
太陽電池は可動側に位置するため、発電された電力はケーブルを介して固定側に引き込む必要があります。
実施例では固定側に引き込む方法として片側引き巻き取り式ケーブルを使用した場合とフレキシブルケーブル15を使用した場合を例示した。
片側引き巻取り式ケーブルとはコンベックス等コイル式板バネを応用した製品であり、ケーブル両端の一方のみ巻取り張力を加えることで伸縮可能とした従来技術。
【発明の効果】
【0009】
本発明により屋外を見る時はロールスクリーンを少なくとも人間の頭の幅まで開けば広い視界を確保出来ます。
従来の機能を確保しながら、屋外への視界の広いロールスクリーンの提供が可能となります。
掃き出し窓など人の出入りを想定した箇所にも適した形態となる。
本発明はロールスクリーンを水平方向に開閉する方式とすることで、住環境に断熱性と機能性に優れた手段を提供することを目的とする。
応用機能として、ロールスクリーンのスクリーンに太陽電池を組み込み、発電機能も兼ねることが可能。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1はチェーン式ロールスクリーンの使用形態を示す説明図である。(実施例1)
【
図2】
図2はチェーン式ロールスクリーンの構成を示す説明図である。
【
図3】
図3はチェーン式ロールスクリーンのスライド機構、ガイドレール4の詳細を示す説明図である。
【
図4】
図4はチェーン式ロールスクリーンの スプロケット16とチェーン用丸溝ローラー17、ボールチェーン18の構成の説明図である。
【
図5】
図5はスクリーンに開方向の張力を加えるためのワイヤー(紐)6に適度の重量のバランサーを通しワンタッチクリップ8等で固定したチェーン式ロールスクリーンの説明図である。(実施例2)
【
図6】
図6はワイヤー(紐)6、重量バランサー7、ワンタッチクリップ8の詳細説明図である。
【
図7】
図7ワイヤー(紐)6の作用方向を重力方向に変換するワイヤーローラー9とワイヤー(紐)6の終端のワイヤー(紐)6固定部の説明図である。
【
図8】
図8はプルコード式ロールスクリーンの実施方法を示した説明図である。(実施例3)
【
図9】
図9は重量バランサー7を使用の場合のプルコード式ロールスクリーンの説明図である。(実施例4)
【
図10】
図10はロールスクリーンのスクリーンに太陽電池を組み込み、発電された電力をスクリーン内に設置の可動側出力端から、開閉操作による位置に関わらず固定の一端に電送する手段を具備した実施例の説明図である。太陽電池は可動側に位置するため、発電された電力はケーブルを介して固定側に伝わります。固定側に発電された電力を引き込む方法として片側引き巻き取り式ケーブルを使用した場合とフレキシブルケーブル15を使用した場合がある。
【
図11】
図11は片側引き巻取り式ケーブルの場合の説明図である。(実施例5)
【
図12】
図12はフレキシブルケーブル15を使用した場合の説明図である。(実施例6)
【発明を実施するための形態】
【0011】
ロールスクリーンには主にチェーン式とプルコード式が有るので、それぞれについて実施形態を示す。
【実施例0012】
図2のように水平方向に開閉するにはガイドレール4とスライド機構の支持が必要となる。
詳細の仕組みを
図3に示す。
スライド機構は角度を保持するためガイドレール4に接する複数のレールローラー1を使っている。