(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151649
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
B65G 47/68 20060101AFI20241018BHJP
B65G 47/53 20060101ALI20241018BHJP
B65G 47/30 20060101ALI20241018BHJP
B65G 47/244 20060101ALI20241018BHJP
B65G 43/10 20060101ALI20241018BHJP
B65G 39/00 20060101ALI20241018BHJP
B65G 13/04 20060101ALI20241018BHJP
B65G 13/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B65G47/68 E
B65G47/53 D
B65G47/30 C
B65G47/244
B65G43/10
B65G39/00 A
B65G13/04
B65G13/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065165
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003355
【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
(74)【代理人】
【識別番号】100153497
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 信男
(74)【代理人】
【識別番号】100138254
【弁理士】
【氏名又は名称】澤井 容子
(72)【発明者】
【氏名】栩山 大輝
(72)【発明者】
【氏名】稲毛 康浩
(72)【発明者】
【氏名】林田 伸一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 博紀
(72)【発明者】
【氏名】堀川 省吾
【テーマコード(参考)】
3F016
3F027
3F033
3F070
3F081
【Fターム(参考)】
3F016AA01
3F016BA07
3F027AA03
3F027CA01
3F027DA09
3F027DA12
3F027DA15
3F027EA01
3F027FA12
3F033BB16
3F033BC03
3F033BC07
3F033BC08
3F033BC09
3F033GA06
3F033GB08
3F070AA06
3F070BA07
3F070BA10
3F070BB02
3F070BB07
3F070BD05
3F070BE01
3F070BE03
3F070BE08
3F070EA03
3F070EA21
3F070EA24
3F070EC06
3F070EC12
3F081AA01
3F081BC04
3F081BD17
3F081BD24
3F081CA05
3F081CC08
3F081CC12
3F081CC20
3F081EA09
3F081EA10
3F081FB01
(57)【要約】
【課題】合流時の被搬送物の姿勢の乱れを抑制しつつ、少ない動力で作動し、搬送速度の高速化が可能で、被搬送物の間隔を詰めることが可能な搬送システムを提供すること。
【解決手段】被搬送物の搬送経路内に設けられた合流機構と、被搬送物を搬送経路に対して略直交する方向に搬送して投入可能な投入機構とを有し、合流機構は外周面が合流搬送面を形成する複数の搬送ローラを有する搬送方向変更ユニットと、搬送方向変更ユニットの搬送方向を制御する制御ユニットと、投入される被搬送物を検出する検出ユニットとを有し、搬送ローラは合流搬送面と平行な軸周りに回転可能、かつ、合流搬送面と垂直な軸周りに方向転換可能に構成されること。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路に対し略直交方向から被搬送物を合流させる投入経路を有し、搬送経路内と投入経路の重複部に設けられた合流機構と、投入経路に沿って前記合流機構に被搬送物を投入可能な投入機構とを有する搬送システムであって、
前記合流機構は、外周面が合流搬送面を形成する複数の搬送ローラを有する搬送方向変更ユニットと、前記搬送方向変更ユニットの搬送方向を制御する制御ユニットと、投入される被搬送物を検出する検出ユニットとを有し、
前記搬送ローラは、前記合流搬送面と平行な軸周りに回転可能、かつ、前記合流搬送面と垂直な軸周りに方向転換可能に構成されることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記投入機構から投入される被搬送物が前記合流搬送面に接触する前に前記搬送ローラによる搬送方向を搬送経路の方向に対し所定の角度だけ前記投入機構と反対側に向くように設定し、被搬送物が前記合流搬送面に接触した後に前記搬送ローラによる搬送方向を搬送経路の方向に設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記搬送方向変更ユニットは、複数の前記搬送ローラを搬送経路方向に沿って異なるタイミングで方向転換可能に構成され、
前記制御ユニットは、複数の前記搬送ローラを搬送経路方向に沿って異なるタイミングで方向転換させることが可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記投入機構は、少なくとも合流機構の直前の区間の投入搬送面の延長線が前記搬送方向変更ユニット上で前記合流搬送面より高い位置となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記投入搬送面は、前記合流搬送面に向かって上方に傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記投入機構は、前記投入機構の投入搬送面が前記搬送方向変更ユニット上で合流搬送面より高い位置となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記検出ユニットは、前記投入機構近傍に配置され、投入される被搬送物の少なくとも投入搬送面上での搬送方向の始端および終端を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送経路に対し略直交方向から被搬送物を合流させる投入経路を有し、搬送経路と投入経路の重複部に設けられた合流機構と、投入経路に沿って前記合流機構に被搬送物を投入可能な投入機構とを有する搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送経路に対して略直交する投入経路から被搬送物を投入して合流させる搬送システムは公知である。
搬送経路と投入経路の重複部である合流部分においては、被搬送物の搬送方向が略直角方向に変更される必要があるが、投入された被搬送物が搬送経路の幅で十分に搬送方向が変更されずに搬送経路の側壁に衝突したり、投入された被搬送物の姿勢の大きな乱れ、場合によっては転倒等が生じる虞がある。
そこで、合流部分にそれらを抑制するための機構を設けた搬送システムが知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で公知の搬送システムの合流機構は、被搬送物を搬送経路に対して略直交する方向に投入する際、搬送経路を構成する搬送ローラの間からベルトユニットを突出可能に構成するものである。
この公知のシステムでは、被搬送物の姿勢の乱れは抑制されるものの、ベルトユニットを昇降させるための大きな動力が必要であった。
また、投入される被搬送物に対する搬送駆動方向がベルトユニットの下降で略直角方向にダイレクトに切り替わるため、被搬送物の姿勢の大きな乱れを抑制するために搬送速度の高速化には限界があった。
また、被搬送物を搬送経路に対して略直交する方向に投入する際、ベルトユニットが突出する合流部分に他の被搬送物が存在してはならないことから搬送経路上の被搬送物の間隔や投入される被搬送物の間隔を十分に確保する必要があり、搬送効率が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、合流時の被搬送物の姿勢の乱れを抑制しつつ、少ない動力で作動し、搬送速度の高速化が可能で、被搬送物の間隔を詰めることが可能な搬送システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る搬送システムは、搬送経路に対し略直交方向から被搬送物を合流させる投入経路を有し、搬送経路と投入経路の重複部に設けられた合流機構と、投入経路に沿って前記合流機構に被搬送物を投入可能な投入機構とを有する搬送システムであって、前記合流機構は、外周面が合流搬送面を形成する複数の搬送ローラを有する搬送方向変更ユニットと、前記搬送方向変更ユニットの搬送方向を制御する制御ユニットと、投入される被搬送物を検出する検出ユニットとを有し、前記搬送ローラは、前記合流搬送面と平行な軸周りに回転可能、かつ、前記合流搬送面と垂直な軸周りに方向転換可能に構成されるにより前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0007】
本請求項1に係る搬送システムによれば、合流搬送面の被搬送物の搬送方向を、搬送経路の搬送方向及びその略直角の投入方向以外の方向に変更でき、検出ユニットの検出信号に基づいたタイミングで変更可能となることから、搬送速度が高速化しても合流時の被搬送物の姿勢の乱れを最低限に抑制することが可能となる。
また、搬送ローラの垂直軸周りの回転で合流搬送面の被搬送物の搬送方向を変更できることから、小さな動力で動作可能であり、かつ、高速に動作可能で搬送速度の高速化が可能で被搬送物の間隔が小さくても確実に動作可能となる。
【0008】
本請求項2に記載の構成によれば、被搬送物が合流搬送面に最初に接触した際の搬送駆動方向の変化を略直角以下とし、その後に略直角の搬送経路の方向に角度変更されることで、合流搬送面と被搬送物の底面との間の不均一な接触に伴って発生する被搬送物の垂直軸周りの回転モーメントの極大値を小さくすることが可能となり、さらに合流時の被搬送物の姿勢の乱れを抑制することができる。
本請求項3に記載の構成によれば、合流搬送面上に複数の被搬送物が存在しても、それぞれに応じた制御が可能となることから、搬送経路上の被搬送物の間隔や投入される被搬送物の間隔がさらに小さくても確実に動作可能となる。
【0009】
本請求項4及び本請求項5に記載の構成によれば、投入される被搬送物の前端部分が搬送方向の異なる搬送ローラに接触するタイミングを遅らせ、被搬送物の底面全体が搬送ローラに接触するまでの時間を短くすることができ、被搬送物の垂直軸周りの回転モーメントの持続時間を短くでき、被搬送物の姿勢の乱れを抑制することができる。
本請求項6に記載の構成によれば、投入される被搬送物の被搬送物の底面全体をほぼ同時に搬送ローラに接触するように設定可能となり、さらに、被搬送物の姿勢の乱れを抑制することができる。
本請求項7に記載の構成によれば、投入される被搬送物に応じて、搬送方向変更ユニットの動作を制御可能となり、さらに最適な動作が可能となるとともに、合流後の搬送経路上の被搬送物の幅方向の位置を制御することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態である搬送システム100の平面図。
【
図5】本発明の一実施形態である搬送システム100による、合流搬送の手順1を示す拡大図。
【
図6】本発明の一実施形態である搬送システム100による、合流搬送の手順2を示す拡大図。
【
図7】本発明の一実施形態である搬送システム100による、合流搬送の手順3を示す拡大図。
【
図8】本発明の一実施形態である搬送システム100による、合流搬送の手順4を示す拡大図。
【
図9】本発明の一実施形態である搬送システム100による、合流搬送の手順5を示す拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態である搬送システム100を
図1乃至
図4に示す。
搬送システム100は、主搬送コンベア101からなる主たる搬送経路を有し、その主たる搬送経路の途中の投入経路との重複部に設けられた合流機構110と、合流機構110に対して主たる搬送経路の搬送方向に対して略直角方向の投入経路から被搬送物Wを投入する投入機構120を有している。
合流機構110は、外周面が合流搬送面114を形成する複数の搬送ローラ112を有する搬送方向変更ユニット111(クイックソート:登録商標)と、搬送方向変更ユニット111の搬送方向を制御する制御ユニット(図示せず)と、投入される被搬送物を検出する検出ユニット113とを有している。
また、投入機構120は投入コンベア121を有している。
搬送方向変更ユニット111の搬送ローラ112は、合流搬送面114と平行な軸周りに回転して搬送駆動力を発生し、合流搬送面114と垂直な軸周りに方向転換して搬送方向を変更可能に構成されている。
合流機構110の、投入機構120と対向する面の後方には、主搬送コンベア101の搬送方向に沿って形成された壁部材115が設けられている。
【0012】
本実施形態では、搬送方向変更ユニット111には、主たる搬送経路の幅方向に7個の搬送ローラ112を有する列と、8個の搬送ローラ112を有する列が搬送方向に交互に並ぶように配置されている。
また、本実施形態では、搬送方向に2列ずつの搬送ローラ112がそれぞれ1セットとなり、各セット内の搬送ローラ112(112a、112b、112c、112d、112e)は同時に垂直軸周りに方向変換するように構成され、搬送方向に5セット配置されて各セットが独立して方向変換が可能に構成されている。
また、本実施形態では、搬送ローラ112の垂直軸周りの方向変換は、搬送駆動方向が主たる搬送経路の搬送方向となる通常ポジションと、搬送駆動方向が主たる搬送経路の搬送方向から投入機構120の反対側に35°向いた方向となる合流ポジションの、2つのポジションを切り替える動作で構成されている。
【0013】
投入機構120の投入コンベア121の投入搬送面122は、
図3および
図4に示すように、その延長線が搬送方向変更ユニット111上で、搬送ローラ112により形成される合流搬送面114より高い位置となるように配置されている。
本実施形態では、投入搬送面122は、投入コンベア121の搬送方向変更ユニット111側の末端と、合流搬送面114との高さの差d1は4mmに設定されるとともに、合流搬送面114と投入搬送面122とがなす角度rが3.2°傾斜するように構成されていることで、投入搬送面122の延長線と合流搬送面114の投入コンベア121側の末端の高さの差d2は2.9mmになるように設定されている。
なお、投入搬送面122と合流搬送面114との関係は上記の数値に限定されず、投入搬送面122の延長線が合流搬送面114より高い位置となるように配置されていれば、適宜変更可能である。
【0014】
以上のように構成された本発明の一実施形態である搬送システム100の、被搬送物W2が合流する際の動作について、
図5乃至
図9を用いて説明する。
【0015】
まず、投入コンベア121上に載置された被搬送物W2は、合流機構110側へ近づくように搬送され、やがて投入搬送面122の末端付近に到達する。
このとき、投入搬送面122上を監視している検出ユニット113は、被搬送物W2の接近を検知し、制御ユニット(図示せず)へ被搬送物W2の位置等の情報を伝達する。
なお、検出ユニット113による被搬送物W2の検出方法は特に限定されないが、例えば、
図5に示すように、被搬送物W2に照射したレーザ光Lの反射光を受光したタイミングで被搬送物W2の位置や大きさを検知してもよく、画像認識によって検知してもよい。
【0016】
搬送方向変更ユニット111は、制御ユニット(図示せず)によって搬送ローラ112の各セットごとに向きを変更する。
具体的には、
図6に示すように、被搬送物W1を搬送中の搬送ローラのセット112eを除いて、検出ユニット113が検出した情報を基に、制御ユニット(図示せず)が搬送ローラのセット112a、112b、112c、112d、112eのうち向きの変更が必要な搬送ローラのセットを選択して、通常ポジションから合流ポジションに変更する。
【0017】
投入搬送面122に到達した被搬送物W2は、投入コンベア121による搬送の勢いで、合流機構110側に乗り移る。
このとき、投入搬送面122は、その延長線が搬送方向変更ユニット111上で、搬送ローラ112により形成される合流搬送面114より高い位置となるように配置され、投入搬送面122の延長線と合流搬送面114の投入コンベア121側の末端の高さの差d2は2.9mmになるように設定されているため、被搬送物W2が合流搬送面114側へ進出し始めても、しばらくは被搬送物W2の底面と合流搬送面114とが接触することがない。
被搬送物W2が所定の長さ合流搬送面114側へ進出し終えると、被搬送物W2は自重によって投入搬送面122の末端を支点として合流搬送面114側に傾き、合流搬送面114上の予め合流ポジションに向きを変えた複数の搬送ローラ112(搬送ローラのセット112a、112b)と被搬送物W2の底面が広範囲にわたって接触する。
このように投入コンベア121から合流搬送面114へ乗り移ることによって、被搬送物W2の垂直軸周りの回転モーメントの持続時間を短くでき、被搬送物W2の端部のみが合流ポジションに向いた搬送ローラ112に接触する状態の発生を防ぎ、被搬送物W2の合流搬送面114上での回転を抑制し、被搬送物W2の姿勢の乱れを抑制できる。
【0018】
なお、合流搬送面114側へ移動した被搬送物W2は、搬送ローラのセット112a、112bの回転によって、合流ポジションの回転方向(以下、誘導方向とする)へ進出する力を伝達されるが、投入搬送面122から合流搬送面114へ進出する際の勢いを徐々に解消しながら搬送方向変更ユニット110上を移動するため、投入コンベア121の搬送方向から誘導方向に徐々に移動方向が転換されていく。
【0019】
被搬送物W2の進行に従って、被搬送物W2との接触を解除した搬送ローラのセット112aは、
図7に示すように、合流ポジションから通常ポジションへ切り替え、主搬送コンベア101の上流側から進行する被搬送物W3を受け入れる。
これによって、合流搬送面114側から乗り移った被搬送物W2が搬送方向変更ユニット111からの完全な離脱を待つことなく、合流ポジションから通常ポジションに順次切り替わった搬送ローラ112に被搬送物W3を受け入れることができるため、被搬送物の搬送間隔を詰めて搬送効率を向上することができる。
【0020】
被搬送物W2は、
図8に示すように、合流ポジションで回転する搬送ローラのセット112b、112c、112d、112eと乗り移って移動するうちに誘導方向に沿って移動するようになる。
このとき、搬送ローラのセット112d、112eの回転方向を、被搬送物W2が搬送ローラのセット112d、112eと接触した状態で合流ポジションから通常ポジションに切り替えることで、被搬送物W2の移動方向を、誘導方向から主搬送コンベアの搬送方向へ徐々に転換することができ、
図9に示すように、被搬送物W2の姿勢が乱れることなく主搬送コンベアの搬送方向へ移動方向を転換して搬送することができる。
本実施例形態では、
図8に示すように被搬送物W2が搬送ローラのセット112d、112eまで到達した後に、
図9に示すように、被搬送物W2が載っている搬送ローラのセット112d、112eを合流ポジションから通常ポジションに切り替えるものとして説明したが、被搬送物の大きさ、重量等の条件に応じて、合流ポジションから通常ポジションに切り替えるタイミングを変更してもよく、被搬送物W2の主搬送コンベア幅方向の投入位置を変更するために合流ポジションから通常ポジションに切り替えるタイミングを変更してもよい。
すなわち、合流ポジションで搬送する時間は適宜変更可能である。
なお、被搬送物W2の合流搬送面114へ移動した際の勢いが強い場合であっても、搬送ローラのセット112a、112b、112c、112d、112eによって被搬送物W2が搬送方向を徐々に転換しながら壁部材115に当接することで、被搬送物W2に大きな衝撃を与えることなく安全且つ確実に被搬送物W2の移動方向を主搬送コンベアの搬送方向へ転換することもできる。
【0021】
このように、投入コンベアから合流機構へ高速で被搬送物を投入した場合でも、搬送路―ラ112を合流ポジションと通常ポジションの2段階に切り替えることによって、徐々に被搬送物の進行方向を主搬送コンベアの搬送方向へ転換することができ、被搬送物の搬送方向変更時における姿勢の乱れを最低限に抑制できる。
また、搬送ローラ112の垂直軸周りの回転で合流搬送面の被搬送物の搬送方向を変更できるため、小さな動力で動作可能であり、かつ、高速に動作可能で搬送速度の高速化が可能で被搬送物の間隔が小さくても確実に動作可能となる。
さらに、検出ユニット113を被搬送物W2の形状や位置を詳細に特定可能な構成であれば、投入される被搬送物W2のサイズや投入搬送面122上での位置に応じて、搬送方向変更ユニット111の動作を制御可能となり、さらに最適な動作が可能となるとともに、合流後の搬送経路上の被搬送物W2の幅方向の位置を制御することも可能となる。
【0022】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【0023】
なお、上述した実施形態では、搬送ローラは合流ポジションと通常ポジションとの2つのポジションに向きを変更可能なものとして説明したが、搬送ローラの構成はこれに限定されず、例えば、3つ以上のポジションに変更可能に構成してもよく、無段階で向きを調整可能に構成してもよい。
また、上述した実施形態では、搬送ローラは搬送方向に2列ずつの搬送ローラがそれぞれ1セットとなり、各セット内の搬送ローラは同時に垂直軸周りに方向変換するように構成され、搬送方向に5セット配置されて各セットが独立して方向変換が可能に構成されているものとして説明したが、搬送ローラの構成はこれに限定されず、搬送方向に1列ずつの搬送ローラを1セットとしてもよく、搬送ローラのセットが4セット以下でもよく、6セット以上あってもよい。
【0024】
また、上述した実施形態では、合流機構の、投入機構と対向する面の後方には、主搬送コンベアの搬送方向に沿って形成された壁部材が設けられているものとして説明したが、合流機構の構成はこれに限定されず、例えば、壁部材がなくてもよい。
また、検出ユニットの位置は実施形態のものに特定されず、被搬送物が検出できれば他の側方や上方、下方であってもよい。
【符号の説明】
【0025】
100 ・・・ 搬送システム
101 ・・・ 主搬送コンベア
110 ・・・ 合流機構
111 ・・・ 搬送方向変更ユニット(クイックソート)
112 ・・・ 搬送ローラ
112a、112b、112c、112d ・・・ 連動する搬送ローラのセット
113 ・・・ 検出ユニット
114 ・・・ 合流搬送面
115 ・・・ 壁部材
120 ・・・ 投入機構
121 ・・・ 投入コンベア
122 ・・・ 投入搬送面
W(W1、W2、W3) ・・・ 被搬送物
d ・・・ 投入搬送面の搬送方向変更ユニット側の末端と合流搬送面との高さの差
r ・・・ 投入搬送面と合流搬送面とがなす角度
L ・・・ 検出ユニットから照射されたレーザ光
【手続補正書】
【提出日】2023-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路に対し略直交方向から被搬送物を合流させる投入経路を有し、搬送経路内と投入経路の重複部に設けられた合流機構と、投入経路に沿って前記合流機構に被搬送物を投入可能な投入機構とを有する搬送システムであって、
前記合流機構は、外周面が合流搬送面を形成する複数の搬送ローラを有する搬送方向変更ユニットと、前記搬送方向変更ユニットの搬送方向を制御する制御ユニットと、投入される被搬送物を検出する検出ユニットとを有し、
前記搬送ローラは、前記合流搬送面と平行な軸周りに回転可能、かつ、前記合流搬送面と垂直な軸周りに方向転換可能に構成されることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記制御ユニットは、前記投入機構から投入される被搬送物が前記合流搬送面に接触する前に前記搬送ローラによる搬送方向を搬送経路の方向に対し所定の角度だけ前記投入機構と反対側に向くように設定し、被搬送物が前記合流搬送面に接触した後に前記搬送ローラによる搬送方向を搬送経路の方向に設定するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記搬送方向変更ユニットは、複数の前記搬送ローラを搬送経路方向に沿って異なるタイミングで方向転換可能に構成され、
前記制御ユニットは、複数の前記搬送ローラを搬送経路方向に沿って異なるタイミングで方向転換させることが可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記投入機構は、少なくとも合流機構の直前の区間の投入搬送面の延長線が前記搬送方向変更ユニット上で前記合流搬送面より高い位置となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記投入搬送面は、前記合流搬送面に向かって上方に傾斜していることを特徴とする請求項4に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記投入機構は、前記投入搬送面の前記合流搬送面側の端部が前記合流搬送面の前記投入搬送面側の端部より低い位置となるように配置されていることを特徴とする請求項5に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記検出ユニットは、前記投入機構近傍に配置され、投入される被搬送物の少なくとも投入搬送面上での搬送方向の始端および終端を検出可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。