(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151656
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】商品データ処理装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20241018BHJP
B65B 57/00 20060101ALI20241018BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20241018BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G06F3/0482
B65B57/00 C
G09G5/00 550C
G09G5/37 600
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065176
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀直
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C182AA03
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA72
5C182BC41
5C182CA32
5C182CB13
5C182CB44
5C182CB54
5C182FA68
5E555AA26
5E555BA09
5E555BB02
5E555BC11
5E555CA42
5E555CC03
5E555DB53
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】 プリセットボタン等に表示する画像を簡便に設定できる商品データ処理装置を得る。
【解決手段】 商品の指定を受け付ける商品指定手段22と、商品データ処理装置の状態を撮像する撮像手段12と、撮像手段で撮像した商品の撮像画像に基づいて、商品指定手段において指定を受け付けた商品選択用画像を設定する設定手段23と、を備える、商品データ処理装置1。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の指定を受け付ける商品指定手段と、
商品データ処理装置の状態を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像した前記商品の撮像画像に基づいて、前記商品指定手段において指定を受け付けた商品選択用画像を設定する設定手段と、
を備える、商品データ処理装置。
【請求項2】
前記撮像手段は、前記商品データ処理装置に搬入される前記商品を撮影可能な位置に配設される第1撮像手段と、前記商品データ処理装置から搬出される前記商品を撮影可能な位置に配設される第2撮像手段と、のいずれかを備える、
請求項1記載の商品データ処理装置。
【請求項3】
前記設定手段は、前記撮像手段で撮像した前記撮像画像に基づいて、商品確認用画像を設定し、
前記商品確認用画像は、前記商品の盛付状態の確認に用いられる盛付状態確認用画像と、前記商品の値付状態の確認に用いられる値付状態確認用画像と、を含み、
前記撮像手段は、前記第1撮像手段および前記第2撮像手段を備え、
前記第2撮像手段で撮像された前記撮像画像を前記盛付状態確認用画像に設定することを不許可とする制限手段をさらに備える、
請求項2記載の商品データ処理装置。
【請求項4】
前記商品指定手段で指定された商品を包装する包装手段と、
運転モードとして、包装モードと、値付モードと、包装値付モードとを切り替えるモード切替手段と、
をさらに備え、
前記制限手段は、前記包装モードで運転している場合には、前記撮像手段で撮像した前記撮像画像を前記値付状態確認用画像に設定することを不許可とする、
請求項3記載の商品データ処理装置。
【請求項5】
前記制限手段は、前記第1撮像手段で撮像した前記撮像画像を前記値付状態確認用画像に設定することを不許可とする、
請求項3記載の商品データ処理装置。
【請求項6】
商品の指定を受け付ける商品指定手段と、
商品データ処理装置の状態を撮像する撮像手段と、
前記商品に関連付けて画像を設定する設定手段と、
前記設定手段は、前記商品指定手段において指定を受け付けた商品が該商品に関連づけて画像を設定する必要がある場合、かつ、前記商品に該商品に関連付けた画像が設定されていない場合において、前記撮像手段で撮像した撮像画像を自動で前記商品に関連付けた前記画像として設定する、
商品データ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にも見られるように、プリセットボタンを用いて商品選択を行う装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この点、プリセットボタン等に表示する写真等の商品イメージを別途撮影する必要があり煩雑であった。
【0005】
そこで本発明は、プリセットボタン等に表示する画像を簡便に設定できる商品データ処理装置を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品データ処理装置は、商品の指定を受け付ける商品指定手段と、商品データ処理装置の状態を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した前記撮像画像に基づいて、前記商品指定手段において指定を受け付けた商品選択用画像を設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置の概略斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置が備えるハードウェア構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置が備えるソフトウェア構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置が備える情報記憶部に格納されるテーブルの1例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置上に表示される画面の第1例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置上に表示される画面の第2例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置上に表示される画面の第3例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置上に表示される画面の第4例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置上に表示される画面の第5例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置上に表示される画面の第6例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る商品データ処理装置の別の例を示す概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る商品データ処理装置について、図を参照して説明する。
●商品データ処理装置(1)
図1に示されるように、商品データ処理装置1は例えば、商品を搬送し、商品を包装等するとともに、ラベルを発行し、商品に貼付する装置である。また、商品データ処理装置1は、例えば商品を計量し、計量した重量や、計量した重量に基づけ販売金額等をラベルに印字する。
【0009】
ここで、商品は、例えば上方が開口するトレー上に精肉や鮮魚、総菜や青果、果物といった食品が盛付けられてなる商品である。ただし、商品の態様はこれに限られない。
【0010】
図1に示すように、商品データ処理装置1は、正面を向いて開口する搬入部110を備え、当該搬入部110の内側底面は、搬入路131となっており、かつ商品を計量する計量領域140となっている。搬入部110に案内された商品は、計量領域140において計量され、計量データが安定し取得された後に、商品データ処理装置1内部で適宜の昇降装置により上方に持ち上げられ、搬入部110上方において正面を向いて開口する搬出部111から、搬出路132を経て搬出される。搬入路131は、例えば複数のベルトコンベアにより構成されている。また、搬出路132は、例えば傾斜面や受動ローラであってもよい。なお、搬入路131および搬出路132の各構成は、上述には限られず任意である。搬入路131および搬出路132は、総称して搬送路130ともいう。
【0011】
商品データ処理装置1は、商品を計量領域140にて計量するとともに、商品の幅、奥行き又は高さ方向の大きさに基づいて、包装に用いるフィルム等の量、折込量および張力を調整する。そして、商品データ処理装置1は、商品データ処理装置1の内部であって、昇降装置の上方設けられている包装機構により、昇降装置により持ち上げられる商品をフィルム等で包装する。また、商品データ処理装置1は商品に関する情報(例えば計量された商品の質量情報、商品名、値段、消費・賞味期限など)を印字したラベルを発行するラベル発行装置160を備える。さらに、商品データ処理装置1は、発行したラベルを、包装された商品の上面等に貼付する。この商品データ処理装置1の一連の動作は自動的に行われる。なお、値段は商品の質量に応じて算出されてよい。
【0012】
商品データ処理装置1は、商品データ処理装置1の装置内、外観、搬入される商品等の状態を撮像する撮像装置120を備える。撮像装置120は、商品を略平面視で撮影可能な位置に配設される。撮像装置120は、搬送路130上を撮像するように配設されている。より具体的には、撮像装置120は、複数配設され、搬入路131および搬出路132をそれぞれ撮像する。第1撮像装置121は例えば、搬入路131の上方であって、搬入部110の天面に下方を向いて配設される。また、第1撮像装置121は、搬入部110を経て商品データ処理装置1の装置内に搬入された商品を撮像してもよい。すなわち、第1撮像装置121は、計量領域140に至り昇降装置により持ち上げられる経路上であって、包装される前の商品を撮像するように配設されていてもよい。この場合、例えば、第1撮像装置121は、昇降装置の上方に、下方を向いて配設されていてもよい。
【0013】
第2撮像装置122は例えば、搬出路132の上方であって、搬出部111の天面に下方を向いて配設される。その結果、第1撮像装置121が撮像する画像には、商品データ処理装置1の装置内に搬入される前の商品が含まれている。また、第2撮像装置122が撮像する画像には、商品データ処理装置1から搬出される搬出後の商品が含まれている。なお、撮像装置120は、第1撮像装置121および第2撮像装置122のいずれかのみであってもよい。
【0014】
また、商品データ処理装置1は、包装された商品を、商品データ処理装置1側に設けられた排出コンベヤ133により、搬送方向下流側に設けられたラベル下貼り装置(不図示)に搬送してもよい。ラベル下貼り装置は例えば、複数の駆動ローラを備え、可動ローラにより搬送される商品の底面に、商品上面側に貼付されたラベルに表示しきれない項目を印字した下貼り用ラベルを貼付し、商品搬送方向の下流側に配置された別途の装置に搬送する。別途の装置は、例えばフリーローラと商品の滞留領域により構成されている。
【0015】
また、本実施形態にかかわらず、本発明に係る商品データ処理装置1は、店舗内の各部門で必要とされる機能に応じて適宜の仕様を備えたものとして構成でき、計量値付け装置(計量ラベルプリンタ)、計量機能を有さないラベルプリンタや可搬型のモバイルプリンタなどによって実現される場合もある。また、商品データ処理装置1がPOS端末の機能の一部又は全てを備えていてもよい。
さらに、本発明に係る商品データ処理装置1は、在庫管理や発注管理等の基幹業務を担うストアコントローラ、商品の登録から会計を実行するPOS端末、被包装物を包装する包装機、ラベルを発行するプリンタなど、相互に通信可能に構成された複数の端末や装置に、機能実行に必要な機能部を分散保持させたシステムとして実現することもできる。
【0016】
<ハードウェア構成>
商品データ処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶装置を有しており、インターフェース回路を介して、表示・操作部11、撮像部12、搬送部13、計量部14、包装部15、印字部16、貼付部17に接続している。
【0017】
CPUは、中央演算処理装置であり、ROMに記憶されている各種プログラムを読み出して実行することにより、商品データ処理装置1の動作を制御する。
ROMは、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPUが利用する各種の情報を記憶する。
RAMは、読み出しや書き込みが可能なメモリであり、各種の登録された情報や、当該登録された情報に基づく処理において生成した情報を記憶する。
【0018】
表示・操作部11は、各種の情報を表示したり、ユーザの操作を受け付けたりする手段である。本実施形態では例えばタッチパネル式ディスプレイで構成される。
店員等の操作者は、この表示・操作部11に印字データ等を表示させて情報の編集、確認を行ったり、商品の指定入力やラベルの発行操作を行ったりすることができる。
【0019】
なお、この表示・操作部11は、店員側に情報を表示する店員側表示部と顧客側に情報を表示する顧客側表示部によって構成されていてもよい。このような構成は、例えば商品データ処理装置1が客と店員が対面にて商品の処理(包装・包装値付け・値付け)する場合に好適である。
また、表示・操作部11は物理的なメカキーやスイッチといった入力手段を兼ね備えていてもよいし、物理的なメカキーと液晶ディスプレイといったように、入力手段と出力手段が別々に構成されていてもよい。
【0020】
撮像部12は、商品データ処理装置1の装置内の状態を撮像するための機能部であって、従来は障害発生時の所定時間の動画等を記憶されるものであり、CCDカメラ等によって実現される。カメラは、CCDカメラの他適宜の光学式カメラが採用できる。撮像部12で取得された動画は、画像記憶部203に所定時間ずつ記憶し、異常が検出されない場合には動画データを逐次上書きされて記憶される。モータ過負荷又はフィルムフィードエラー等のエラーが発生した場合には、エラー発生時に応じて、動画の所定の範囲、例えばエラー発生時の数秒前からエラー発生後の数秒間の動画データを、エラーログとして、エラーコードを紐付けて別途記憶する。なお、エラーログとして動画データが記録されるエラーは、装置の停止を伴わないエラーであってもよい。また、本発明においては、撮像部12は、画像取得指令に基づいて、エラーの発生時点とは異なるタイミングで撮像される撮像データの少なくとも一部を、上書きされない記憶領域に、商品画像として記録する。すなわち、本発明では、撮像部12は、商品データ処理装置1に搬入される商品の画像、および商品データ処理装置1から搬出される商品の画像の少なくともいずれかを取得する。
【0021】
搬送部13は、商品データ処理装置1において商品を搬送する搬送路130を制御する機能部である。搬送部13は、搬入路131を制御することで、商品を商品データ処理装置1の装置内に搬入する。また、搬送部13は、搬出路132を制御することで、商品を商品データ処理装置1の装置内から装置外に搬出する。なお、搬送部13が傾斜面や受動ローラ等により構成され、電気的な機構を有さない場合には、搬送部13はなくてもよい。
【0022】
計量部14は、商品(量り売り商品)や容器など、計量領域140に載置された被計量物の重量を計量する。
この計量部14は、載置面に載せられた被計量物を例えばロードセルによる重量検出方式で計量する。詳細には、計量部14は重量検出部とA/D変換器によって構成され、A/D変換器が重量検出部から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。これにより、トレーに載せられた被包装物について、風袋重量の参照値を参照して計量結果から風袋引き処理を行い、表示・操作部11に被包装物の重量を表示することができる。
【0023】
包装部15は、商品を包装するための機能部である。包装部15は、商品指定部22で指定された商品を包装する。包装部15は、例えば包装に用いるフィルム等の量、折込量および張力を調整する調整機構、商品をフィルムに対して押し上げる搬送機構、およびフィルムを所定の長さで切断する切断機構、フィルムを商品底面に折り込む折込機構、商品を商品データ処理装置1の外へ搬出する押出機構等を制御する。より具体的には、包装部15は、撮像部12で取得した商品の幅、奥行および高さに応じてフィルムを切断し、フィルムを供給、すなわちフィードする。このフィルムは、フィード時に引っ張られ、伸長させられる場合もある。また、包装部15の搬送機構は、先述した昇降装置により実現され、この搬送機構により商品がフィルムに向かって押し上げられる。次いで、包装部15が有する、商品の左右側方に対をなして配設される第1板により左右のフィルムを商品の底面に折り込む。次いで、包装部15が有する、商品の前後側方に対をなして配設される第2板により前後のフィルムを商品の底面に折りこむ。さらに、包装部15は、第1板および第2板により包装が完了した商品を、適宜の押出機構により商品データ処理装置1の外へ搬出する。
【0024】
印字部16は、商品等に貼付するラベルを発行する。即ち、印字部16は、紙やシールなどの記録媒体に所定の印字内容を印字してラベルを作成し、所定の発行口から当該ラベルを排出する。ラベルは、例えば商品の値段が印字されている値付けラベルである。
【0025】
貼付部17は、発行したラベルを包装された商品の所定の箇所に貼付する。貼付部17は、例えば、ラベルを剥離紙から剥離する機構や、ラベルを商品に押圧する機構等を制御する。
【0026】
<ソフトウェア構成>
商品データ処理装置1はソフトウェア資源として、主として、情報記憶部20、画像取得部21、商品指定部22、設定部23、モード切替部24、表示制御部25、制限部26を備える。
なお、これらの機能部の機能実行のためのコンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
【0027】
情報記憶部20は、特許請求の範囲における記憶手段の例であり、定期的に取得される撮像画像の一部又は全部を格納する。
【0028】
情報記憶部20は、各種の情報を記憶する記憶部であり、各種の情報には例えば、商品マスタ201、印字マスタ202および画像記憶部203が含まれる。
なお、これらの情報記憶部20に記憶されるデータは、インターネット等を介して通信可能に構成されたクラウドサーバに登録されていてもよい。
【0029】
商品マスタ201は、商品に関する情報によって構成される。この商品マスタ201に記憶されるデータ項目には例えば、JANコード等で構成される商品コード、商品名、計量区分、単価、単位重量が含まれる。商品コードは、商品の識別情報の1例である。
【0030】
計量区分は、計量に関する区分であり、不定貫、定貫、定額といった区分がある。
不定貫の計量区分に分類される商品は、予め設定した単位重量(例えば「100g」)当りの単価と、販売する重量(計量値)とに基づいて販売価格が決定される。
定貫の計量区分に分類される商品は、予め設定された所定の重量(所定の上下限に収まる一定量は許容される)のパックごとに販売価格が決定されている。
定額の計量区分に分類される商品は、予め設定した単位数量(例えば「1個」)当りの単価と、置数入力される販売数量とに基づいて販売価格が決定される。計量区分が定額の商品については、重量とは無関係に置数により販売数量が決定されるため、計量は不要である。
【0031】
また、商品マスタ201には、商品の商品選択用画像、および商品確認用画像が、商品の識別情報と関連付けて記憶されている。
【0032】
印字マスタ202は、ラベルに印字するデータ、具体的には印字を行う印字項目とその内容によって構成される。印字項目には例えば、品番(商品番号)、単価/値段、日時、広告文、産地名称(原産地等)、イメージ、内容量・内容量単位、上下限重量、コメント、保存温度、個体識別番号/ロット番号、添加物、バーコード、店名、製造者、風袋、品名、加工日時、賞味期限(消費期限)等がある。
なお、印字マスタ202には、印字項目に限らず、ラベルフォーマットなどの印字内容に関するもののほか、包装条件や包装の設定に関する情報などが含まれていてもよい。
【0033】
画像記憶部203は、後述する画像取得部21により取得される、撮像部12の撮像画像を格納する記憶領域である。画像記憶部203は、保守用に取得され、逐次上書きされるデータと、エラー発生時に取得されるエラーログとしてのデータと、商品選択用画像又は商品確認用画像に用いられるデータと、をそれぞれ異なる記憶領域に記憶する。画像記憶部203は、保守用に記憶されたデータから商品選択用画像又は商品確認用画像に用いられるデータを抽出して記憶してもよい。また、画像記憶部203は、保守用で撮影される時間帯とは異なる時間帯で撮像されたデータを、商品選択用画像又は商品確認用画像に用いられるデータとして記憶してもよい。例えば、画像記憶部203は、保守用には計量領域140における商品の計量安定後に撮像が開始される態様において、計量領域140での計量安定前の画像を取得し、商品選択用画像又は商品確認用画像に用いられるデータとして記憶してもよい。画像記憶部203は例えば、撮像画像と、当該撮像画像を撮像した撮像装置120の種別、すなわち第1撮像装置121と第2撮像装置122のいずれで撮像されたかの情報とを、対応付けて記憶する。また、画像記憶部203は、撮像画像と、撮像時刻を対応付けて記憶してもよい。さらに、画像記憶部203は、撮像画像と、当該撮像画像が撮影された際に設定されていた運転モードと、を対応付けて記憶してもよい。
【0034】
画像取得部21は、撮像部12により撮像した撮像画像を取得し、情報記憶部20に格納する機能部である。画像取得部21は、画像を商品データ処理装置1の保守のために取得し、特に商品データ処理装置1にエラーが生じた場合に、当該エラーが生じた時点前後の所定時間内における撮像画像を、情報記憶部20に格納する。
【0035】
商品指定部22は、表示・操作部11を介して商品の指定を受け付ける機能部である。操作者は、表示・操作部11を介して、商品データ処理装置1により包装、ラベル発行および貼付等を行う商品の指定を入力する。商品データ処理装置1は、商品指定部22において指定を受け付けた商品の設定を参照して、包装、ラベル発行および貼付等の制御を行う。
【0036】
商品指定部22は、表示・操作部11において設定可能な複数の商品を選択可能に表示させる。より具体的には、商品指定部22は、プリセットキーG231、G232、G233(
図6参照)を表示させる。また、商品指定部22は、別途の設定によりあらかじめ設定される商品については、商品に紐づけられている画像を、商品の指定を受け付ける商品選択用画像として表示・操作部11に表示させる。このような構成によれば、操作者は、画像を見て商品を指定することができるので、指定が容易である。
【0037】
設定部23は、情報記憶部20で記憶した撮像画像に基づいて、商品指定部22において指定を受け付ける商品選択用画像を設定する機能部である。設定部23は、撮像画像を所定の形式にて商品選択用画像として設定してよい。例えば、設定部23は、撮像画像を商品選択用画像に設定するにあたり、撮像画像に適宜の画像処理を実行し、商品選択用画像の要件に合う画像を生成してもよい。このような構成によれば、操作者の作業により画像を読み込ませるといった処理を行うことなく、保守用に取得した撮像画像を、画像付きプリセットキーG231の商品イメージとして表示させることができる。この結果、画像付きプリセットキーG231の設定が容易であり、操作者の利便性が向上する。また、プリセットキーG231において商品イメージが確認できるので、押し間違い等の操作ミスが軽減できる。
【0038】
設定部23は、商品マスタ201において商品の識別情報に紐づけられた画像イメージが格納されているか判定し、画像イメージが格納されていない場合に、撮像画像を商品選択用画像に設定してもよい。このような構成によれば、装置の処理負担が軽減される。
【0039】
設定部23は、商品選択用画像を更新してもよい。設定部23は、例えば所定期間ごとに商品選択用画像を最新の撮像画像に変更してもよい。
【0040】
また、設定部23は、情報記憶部20で記憶した撮像画像に基づいて、商品確認用画像を設定してもよい。この場合、設定部23は、商品確認用画像に対して、商品選択用画像と同様の処理、すなわち例えば画像処理および更新処理等を行うことができる。商品確認用画像は例えば、商品の盛付状態の確認に用いられる盛付状態確認用画像と、商品の値付状態の確認に用いられる値付状態確認用画像と、を含む。盛付状態確認用画像および値付状態確認用画像は、例えば表示・操作部11や、ネットワーク等を介して通信可能に接続される適宜の外部機器に表示され、操作者又は適宜の管理者により視認可能となっている。また、盛付状態確認用画像および値付状態確認用画像は、商品データ処理装置1又は適宜の外部機器において、画像解析において合否の判定に用いられる画像であってもよい。
【0041】
モード切替部24は、商品データ処理装置1の運転モードを切り替える機能部である。運転モードとしては包装のみを行う「包装モード」、値付けのみを行う「値付モード」、包装と値付けを一連で行う「包装値付モード」、などの設定がある。画像取得部21は、撮像画像と、当該撮像画像が撮像された際に実行されていた運転モードと、を対応付けて取得し、情報記憶部20に記憶してもよい。このような構成によれば、包装前の状態、包装されているものの値付ラベルが貼付されていない状態、および包装かつ値付ラベルが貼付されている状態のそれぞれの撮像画像をデータとして区別可能に格納することができる。
【0042】
設定部23は、所定の第1運転モードで運転されている際に撮影された撮像画像を、商品選択用画像に設定するものとしてもよい。また、設定部23は、第1運転モードとは異なる第2運転モードで運転されている際に撮影された撮像画像を、商品確認用画像に設定するものとしてもよい。第1運転モードは、例えば包装モードである。第2運転モードは値付モード又は包装値付モードである。
図4は、運転モードと、画像種別と、設定可能な撮像画像を撮像する撮像装置の種別と、の対応関係を示すテーブルの1例である。設定部23は、
図4に示すテーブルを参照し、取得した撮像画像を設定する画像種別を決定してよい。
【0043】
設定部23は、いずれの運転モードで撮像された撮像画像を採用するか、操作者の選択を受け付けるよう構成されていてもよい。このような構成によれば、包装前の状態、包装されているものの値付ラベルが貼付されていない状態、および包装かつ値付ラベルが貼付されている状態、のいずれをプリセットキーG231として表示させるか、商品データ処理装置1が稼働する現場の状況に則した設定が可能である。例えば、デフォルトで第2撮像装置122からの取得画像を商品選択画像に採用する設定になってる場合であっても、操作者の選択に応じて、第1撮像装置121からの取得画像を採用することが可能である。この場合、プリセットキー設定画面において、複数の画像を表示させ、選択を受け付ける構成となっていてよい。なお、設定部23は、いずれの運転モードで撮像された撮像画像を採用するかを、商品ごとに、商品マスタ201に紐づけて格納してもよい。また、設定部23は、所定期間や所定の動作中における画像の取得を停止する命令を受け付けてもよい。
【0044】
表示制御部25は、各種画面(
図5~
図10参照)および商品確認用画像を表示・操作部11に表示させる機能部である。また、表示制御部25は、プリセットキー表示画面G20において、プリセットキーG231上に商品選択用画像を表示させる。
【0045】
表示制御部25は、商品データ処理装置1が包装、値付又は包装値付といった本処理を行っている際に、表示・操作部11に商品確認用画像を表示する。表示制御部25は、運転モードに応じて異なる撮像画像を、表示・操作部11に表示してもよい。例えば、表示制御部25は、包装モードの場合は、第1撮像装置121で撮像された搬入時の撮像画像を表示し、包装値付モード又は値付モードの場合には、第2撮像装置122で撮像された搬出時の撮像画像を表示させてもよい。この場合、設定部23は、1個の商品に紐づけられる1個のプリセットキーG231(
図6参照)に、複数の撮像画像が設定可能となっていて、設定された運転モードに応じて、異なる撮像装置120で撮像された撮像画像がプリセットキーG231に表示されるようになっていてもよい。また、この場合、設定部23は、運転モードごとに、格納されている商品確認用画像を更新するとよい。
【0046】
また、表示制御部25は、商品選択用画像において、同様の商品コードであっても内容が異なる可能性のある箇所を、内容が同一の箇所とは異なる表示態様で表示してもよい。内容が異なる可能性のある箇所は、例えばラベル上の所定箇所であって、広告文や産地が表示されている箇所である。表示制御部25は例えば、当該箇所に重畳して特殊なマークを表示させてもよい。また、表示制御部25は、当該箇所の表示に対応する項目名を表示してよい。例えば、表示制御部25は、産地として「清水港」と印字されている箇所に、重畳して「産地印字」との文字を表示させてもよい。なお、情報記憶部20によりラベルの内容と撮像画像データとを対応付けて記憶している場合には、表示制御部25は、同一のラベル内容となっている撮像画像データを商品選択用画像として表示してもよい。
【0047】
制限部26は、複数の撮像装置120で撮像された各画像の設定可否を判定し、一部の画像については商品選択用画像又は商品確認用画像への設定を制限する機能部である。制限部26は、
図4に示すテーブルを参照し、撮像装置120で撮像された各画像の設定可否を判定してもよい。例えば、制限部26は、第2撮像装置122で撮像された撮像画像を盛付状態確認用画像に設定することを不許可とする。盛付状態確認用画像においてラベル貼付後の商品画像を採用するものとすると、ラベルに遮られて商品が適切に視認できない。この点、上述の構成によれば、盛付状態確認用画像において商品の盛付状態を確実に確認させることができる。
【0048】
制限部26は、設定される運転モードごとに、複数の撮像装置120で撮像された各画像の設定可否を判定してもよい。例えば、制限部26は、包装値付モードで運転されている際の画像は、第1撮像装置121で撮像された撮像画像を商品選択用画像に設定することを不許可としてもよい。商品選択用画像にラベル貼付後の商品画像を採用することで、実際に販売される状態の商品の画像を操作者に視認させることができる。また、制限部26は、値付モード又は包装値付モードで運転されている際の画像は、第2撮像装置122で撮像された撮像画像を盛付状態確認用画像に設定することを不許可とする一方、包装モードで運転されている際の画像は、第2撮像装置122で撮像された撮像画像を盛付状態確認用画像に設定することを制限しないものとしてもよい。包装モードで運転されている際においては、第2撮像装置122で撮像された画像であってもラベルが貼付されていないため、盛付状態の確認が可能である。
【0049】
また、制限部26は、第1撮像装置121で撮像した撮像画像を値付状態確認用画像に設定することを不許可としてもよい。すなわち、値付状態確認用画像には、値付後、すなわちラベル貼付後の商品画像が採用される。第1撮像装置121で撮像した搬入時の画像にはラベルが貼付されていないため、値付状態の確認をすることができないためである。このような構成によれば、撮像装置120からラベル貼付後の画像を確実に取得し、値付状態の確認に用いることができる。
【0050】
また、制限部26は、盛付状態確認用画像には、包装後又は包装および値付後の商品画像を採用するものとしてもよい。このような構成によれば、操作者は、包装された画像により確実に盛付状態を確認できる。また、制限部26は、包装モードで稼働中に取得された画像については、盛付状態確認用画像としてのみ使用を許可してもよい。
【0051】
上述の各構成によれば、撮像装置120から取得した画像を適切に抽出し、商品選択又は商品確認に適した画像を操作者に提示することができる。
【0052】
図5は、商品マスタ201を参照して表示される操作画面G10の1例を示す図である。
操作画面G10には、例えば、商品コード/商品名表示領域G11、内容量や値段等を表示する計量表示領域G12、商品に関連付けられる商品画像およびラベルの内容等が表示されるステータス領域G13、ステータス領域G13に表示される情報を切り替えるページ切替ボタンG14、操作者に対するメッセージを表示するメッセージ領域G15、各種アイコンの表示領域G16、ラベルの残量を表示する残量表示領域G17、および操作画面を終了する終了ボタンG18等が表示されている。ステータス領域G13に示すように、商品に紐づけられる撮像画像が記憶されている場合には、当該撮像画像が操作画面G10にて確認可能になっている。
【0053】
図6は、商品の指定を受け付けるプリセットキーを表示するプリセットキー表示画面G20の1例を示す図である。商品データ処理装置1においては、商品の商品コードを、文字列または数字列で入力する態様の他、プリセットキーを選択することで、包装や値付といった処理を行う商品の識別情報を特定することができる。
プリセットキー表示画面G20には、例えば、設定済みのプリセットキーが設定された態様で表示されるプリセットキー表示領域G23が設けられている。同図の例においては、プリセットキー表示領域G23には、商品の名称および画像が表示される画像付きプリセットキーG231と、商品コードおよび商品名が表示される中型プリセットキーG232と、商品名のみが中型プリセットキーG232より小さい領域に表示される小型プリセットキーG233と、が表示されている。画像付きプリセットキーG231に表示される画像は、商品選択用画像である。
【0054】
プリセットキー表示領域G23の下方には、プリセットキーの設定画面に遷移する設定ボタンG24が表示されている。設定ボタンG24が選択されると、
図6に示すプリセットキー設定画面G30に遷移する。
【0055】
図7は、プリセットキーの設定操作を受け付けるプリセットキー設定画面G30の1例を示す図である。
プリセットキー設定画面G30には、例えば、プリセットキー表示領域G23に対応する位置に、プリセットキー位置設定領域G33が設けられている。プリセットキー位置設定領域G33には、プリセットキーの最小表示単位を示すブロックG331が複数表示されている。操作者によりブロックG331のいずれかが選択されると、
図8に示す詳細設定画面G40に遷移する。
なお、
図7のような編集可能な画面における計量表示領域G12の背景色は、
図5の表示画面における計量表示領域G12の背景色とは異なっている。このような構成によれば、操作者は、計量表示領域G12の色に基づいて、表示のみの画面であるか編集可能な画面であるかを判断することができる。
【0056】
図8は、プリセットキーの詳細設定を受け付ける詳細設定画面G40の1例を示す図である。
詳細設定画面G40には、設定するプリセットキーの種類を選択する種類選択領域G41と、設定するプリセットキーの色を選択する色選択領域G42と、選択した内容を決定し、プリセットキーを生成する確定ボタンG43等が設けられている。種類選択領域G41では、プリセットキーの形状および大きさを選択できる他、プリセットキーに表示する情報を選択できる。ここでは、プリセットキーの形状および大きさは、ブロックG331の1個分、ブロックG331を横に並べた2個分又はブロックG331を縦横に2個ずつ配置した4個分から選択可能である。なお、
図8により設定されたプリセットキーは、プリセットキー表示画面G20において、
図7のプリセットキー設定画面G30において指定を受け付けたブロックG331の位置に表示される。指定を受け付けたブロックG331が画面端部であって、ブロック2個分又は4個分のプリセットキーが設定できない場合には、その旨が報知されてもよい。報知の態様は任意であり、ポップアップ画面の表示や、警告文の表示、又は設定できない大きさの選択肢をグレーアウトして表示し選択できないようにすることであってもよい。プリセットキーに表示する情報は例えば、商品コード(品番)、名称、および商品画像(イメージ)のうちのいずれかである。色選択領域G42では、例えば所定の16色から、プリセットキーの背景色又は文字色を選択できる。
【0057】
プリセットキーに表示する情報として商品画像が含まれている態様が選択され、商品マスタ201に商品画像が紐づけられていない場合には、プリセットキー設定画面G30又は包装値付の指示画面等に商品画像取込ボタン等が表示され、このボタンの選択を受け付けた場合に、撮像画像の少なくとも一部を抽出する。また、プリセットキー設定画面G30において、以降の装置稼働時に取得する撮像画像を商品イメージに使用する旨の画像取得指令が入力可能になっていてもよい。この場合、画像取得指令を契機に、画像取得指令が入力された後の稼働において、エラーのタイミングとは別に撮像画像を記憶する。また、商品マスタ201に紐づけられる商品画像は、商品コードによる呼出時により商品データ処理装置1が稼働した際に撮像画像から抽出することで取得してもよい。設定部23が撮像画像を所定の形式に変更し、商品イメージとして設定する。
【0058】
なお、商品マスタ201に商品画像が商品選択用画像として紐づけられている場合には、プリセットキー表示画面G20において、当該商品画像が商品イメージとして画像付きプリセットキーG231に表示される。この場合、撮像部12は、画像取得指令の受付有無に関わらず、商品データ処理装置1の稼働時に、エラーの時点とは異なるタイミングで、画像データを画像記憶部203に記憶する。また、商品マスタ201に商品選択用画像が紐付けられていない場合には、特別な操作を要せずに自動で保守用又は専用に撮像したデータから撮像データを抽出し設定してもよい。この場合、操作者に対し、プリセットキーに割り当てる商品コードを指定した場合に、当該商品コードに紐づけられている撮像画像をプリセットキーG231に設定してよいか、確認画像を含む確認画面を表示させてもよい。
【0059】
確認画面は、例えば商品データ処理装置1による包装等の本処理の終了後、詳細設定画面G40からの遷移時、別の商品コードに紐づく商品マスタ201の表示時、又はその他の所定の操作子に対する操作時に表示されてよい。また、画像の設定日から所定時間経過した場合や、所定の日付又は曜日において更新のために確認させるようにしてもよい。また、商品マスタ201に紐づけられる商品画像が自動で更新可能な構成においては、当該自動更新の有無や頻度、更新タイミング等を詳細設定画面G40にて設定可能になっていてもよい。
【0060】
図9は、商品マスタ201に含まれる情報を設定する商品マスタ設定画面G50の1例を示す図である。
商品マスタ設定画面G50には、設定中の商品コードおよび商品名を表示する商品コード表示領域G51、各種設定項目を表示する設定項目表示領域G52、他の画面に遷移するボタンが表示される遷移操作領域G53、および、操作画面G10を終了する終了ボタンG54等が設けられている。遷移操作領域G53で適宜の操作を受け付けると、当該商品マスタ201において商品に紐づけられる商品イメージを設定する商品イメージ設定画面G60に遷移する。
【0061】
図10は、商品イメージ設定画面G60の1例を示す図である。
商品イメージ設定画面G60には、設定中の商品コードを表示する商品コード表示領域G61、商品コードに紐づけられる画像を表示する画像表示領域G62、画像表示領域G62に表示されている画像を使用する画像種別を切り替える画像種別選択領域G63、および画像の編集を行うための複数の操作子が表示される操作領域G64等が設けられている。
【0062】
画像種別選択領域G63で選択可能な画像種別は、例えば、商品選択用画像、盛付状態確認用画像、および値付状態確認用画像である。画像種別選択領域G63は、選択された画像種別ごとに、異なる画像を画像表示領域G62に表示させてもよい。また、画像種別選択領域G63は、選択された画像種別ごとに、異なる画像処理を施された互いに同一の画像を画像表示領域G62に表示させてもよい。異なる画像種別に紐づけられている画像は、例えば、ファイルサイズや解像度を変更した画像であってもよいし、拡大比率を異ならせた画像、又は同一画像の異なる部分をトリミングした画像であってもよい。また、盛付状態確認用画像、および値付状態確認用画像の画像取得指令は、商品イメージ設定画面G60において商品ごとに設定できる構成に代えて、又は加えて、商品データ処理装置1のセットアップ画面にてON又はOFFの設定が可能になっていてもよい。このような構成においては、画像取得指令がONとなっている場合に商品コードが呼び出され、商品データ処理装置1が稼働すると、撮像装置120で撮像された画像データが、画像記憶部203に格納される。このような構成によれば、商品画像の取得のために別途の稼働をしなくても、商品画像を簡便に取得することができる。
【0063】
なお、稼働中において商品選択用画像、盛付状態確認用画像、又は値付状態確認用画像として使用する画像の取得タイミングは任意である。例えば、稼働において処理する商品数を入力し、包装・値付けに処理数がカウントダウンされて、処理数がゼロになった時点で撮像画像を取得又は設定してもよい。また、処理数の入力がなされないで稼働した場合には、商品が所定時間搬送されない場合に撮像画像を取得してもよい。さらに、商品データ処理装置1を停止させる停止ボタンが押下された時点で撮像画像を取得してもよい。また、処理する商品の商品コードの切替が入力された時点であってもよい。商品画像は、商品選択用画像、盛付状態確認用画像、又は値付状態確認用画像に自動設定されてもよいし、撮像画像を表示した確認画面を表示し、確認入力を受け付けてもよい。自動設定とするか、確認入力を経て設定するものとするかは、商品ごとに選択できるようになっていてもよい。
【0064】
以上の本実施形態に係る商品データ処理装置によれば、プリセットボタン等に表示する画像を簡便に設定できる商品データ処理装置を得ることができる。
【0065】
●商品データ処理装置(2)
図11は、本願発明に係る商品データ処理装置の別の例である計量値付機100の様子を示す正面図である。計量値付機100は、主として、表示・操作部101と、表示部102と、撮像部103と、計量部104と、印字部105と、を備えている。撮像部103は、計量部104に載置された商品等を撮像する。商品をプリセットキーにより呼び出す際に、画像取得指令の受付に基づいて、計量操作が完了したタイミングで、当該画像を商品選択用画像又は商品確認用画像に設定してもよい。この撮像部103は、例えばトレーの種類を特定するためのカメラや、商品の種類を特定するオブジェクトスキャンのためのカメラであってよい。このような構成によっても、トレー又は商品の特定用に配設されているカメラで取得した画像を、商品選択用画像又は商品確認用画像に使用することができる。
【0066】
●商品データ処理装置(3)
本発明に係る商品データ処理装置は、会計機能を備えるPOS端末として構成することもできる。POS端末としての商品データ処理装置が備える撮像装3置は、商品を読み取る、いわゆるオブジェクトスキャンのためのスキャンカメラや、商品の読取および精算を行うPOS端末において商品を入れるかごの中を撮像する防犯カメラが採用できる。このような構成によっても、オブジェクトスキャンや防犯用に配設された撮像装置による取得データに基づいて、商品選択用画像又は商品確認用画像を設定することができる。また、POS端末としての商品データ処理装置においては、表示・操作部は、店員側に情報を表示する店員側表示部と顧客側に情報を表示する顧客側表示部によって構成されると好適である。この場合、会計処理の一連の処理において、登録処理にて店員は店員側表示部により買上対象商品の登録状況を確認したり、買上対象商品の登録操作を実行したりできる。また、顧客は顧客側表示部により登録された商品を確認したり、会計処理により算出された購入金額の確認や、必要に応じて買上対象商品に対する承認操作等を実行したりできる。
【0067】
●実施形態総括
本発明は、商品データ処理装置に関する。
【0068】
特許第4549030号公報にも見られるように、プリセットボタンを用いて商品選択を行う装置が知られている。
【0069】
この点、プリセットボタン等に表示する写真等の商品イメージを別途撮影する必要があり煩雑であった。
【0070】
そこで本発明は、プリセットボタン等に表示する画像を簡便に設定できる商品データ処理装置を得ることを目的の一つとする。
【0071】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品データ処理装置は、商品の指定を受け付ける商品指定手段と、商品データ処理装置の状態を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した前記撮像画像に基づいて、前記商品指定手段において指定を受け付けた商品選択用画像を設定する設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0072】
前記撮像手段は、前記商品データ処理装置に搬入される前記商品を撮影可能な位置に配設される第1撮像手段と、前記商品データ処理装置から搬出される前記商品を撮影可能な位置に配設される第2撮像手段と、のいずれかを備えるものとしてもよい。
【0073】
前記設定手段は、前記撮像手段で撮像した前記撮像画像に基づいて、商品確認用画像を設定し、前記商品確認用画像は、前記商品の盛付状態の確認に用いられる盛付状態確認用画像と、前記商品の値付状態の確認に用いられる値付状態確認用画像と、を含み、前記撮像手段は、前記第1撮像手段および前記第2撮像手段を備え、前記第2撮像手段で撮像された前記撮像画像を前記盛付状態確認用画像に設定することを不許可とする制限手段をさらに備えるものとしてもよい。
【0074】
前記商品指定手段で指定された商品を包装する包装手段と、運転モードとして、包装モードと、値付モードと、包装値付モードとを切り替えるモード切替手段と、をさらに備え、前記制限手段は、前記包装モードで運転している場合には、前記撮像手段で撮像した前記撮像画像を前記値付状態確認用画像に設定することを不許可とするものとしてもよい。
【0075】
前記制限手段は、前記第1撮像手段で撮像した前記撮像画像を前記値付状態確認用画像に設定することを不許可とするものとしてもよい。
【0076】
また、上記目的を達成するため、本発明の別の観点に係る商品データ処理装置は、商品の指定を受け付ける商品指定手段と、商品データ処理装置の状態を撮像する撮像手段と、前記商品に関連付けて画像を設定する設定手段と、前記設定手段は、前記商品指定手段において指定を受け付けた商品が該商品に関連づけて画像を設定する必要がある場合、かつ、前記商品に該商品に関連付けた画像が設定されていない場合において、前記撮像手段で撮像した前記撮像画像を自動で前記商品に関連付けた前記画像として設定する。
【0077】
本発明によれば、プリセットボタン等に表示する画像を簡便に設定できる商品データ処理装置を得ることができる。
【0078】
すなわち、本発明は、包装計量値付け機や計量値付け機などの商品データ処理機能を備えた商品データ処理装置に関するものである。従来、商品データ処理装置において、処理対象の商品データを呼び出す操作として、プリセットキーがあり、該プリセットキーに商品イメージ画像や実際に撮像した画像を設定する機能がある。また、商品をなんらかの処理を行う操作画面においては、当該商品が呼び出した商品と同一のものかを視認して確認するために、盛付後の盛付状態確認用画像又は値付けラベル貼付後の値付確認用画像を画面に表示する機能を有する装置もある。いずれの場合も、プリセットキー設定画面や商品マスタ等に盛付や値付用確認用の画像を事前に設定する必要があるが、実際に、画像データの準備や更新は非常に工数を要していた。
【0079】
そこで、本発明は、装置内、または装置外観を撮像する保守用のカメラや、商品や容器を撮像により基準画像と撮像画像の類似度を二値化等の処理により算出し、商品や容器を特定したり、選択候補の抽出をしたりする、いわゆるオブジェクトスキャンに用いるカメラにより撮像された画像から、当該カメラで本来の目的とは異なる撮像処理により、画像データを用途に適した態様に加工し、プリセットキーや操作画面に表示する画像として採用、設定する発明である。
【0080】
また、本発明は、本来設定されるべき画像データが設定されていない場合に、自動で画像を設定するものである。換言すると、画像表示のプリセットキーが設定されている商品や、商品マスタ等に盛付、値付確認用画像設定ありと設定されている商品に対して、画像データが存在しない場合であっても、本発明によれば自動で画像を設定することができる。また、本発明に係る商品データ処理装置は、撮像、採用、設定の各処理において、それぞれ撮像を宣言する操作を受け付ける機能、および、採用又は設定に関しポップアップ等を介して確認操作を受け付ける機能を備えることができる。本発明に係る商品データ処理装置は、このような機能を備えることで、操作支援に寄与する画像データを、容易に取得し設定できるので、従来の装置に比較して格段の効果を発揮することができる。
【符号の説明】
【0081】
1 :商品データ処理装置
120 :撮像装置
121 :第1撮像装置
122 :第2撮像装置
11 :操作部
12 :撮像部
13 :搬送部
14 :計量部
15 :包装部
16 :印字部
17 :貼付部
20 :情報記憶部
21 :画像取得部
22 :商品指定部
23 :設定部
24 :モード切替部
25 :表示制御部
26 :制限部
G10 :操作画面
G20 :プリセットキー表示画面
G23 :プリセットキー表示領域
G231 :画像付きプリセットキー
G40 :詳細設定画面
G50 :商品マスタ設定画面
G60 :商品イメージ設定画面