(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151659
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】画像読取装置、及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/04 20060101AFI20241018BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H04N1/12 Z
H04N1/00 567M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065182
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 泰史
【テーマコード(参考)】
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB30
5C062AB31
5C062AB32
5C062AB33
5C062AB35
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC10
5C062AC11
5C062AC15
5C062AC67
5C062AF10
5C072AA01
5C072BA05
5C072CA02
5C072DA02
5C072DA04
5C072DA25
5C072EA04
5C072EA07
5C072NA01
5C072NA04
5C072WA02
5C072XA01
(57)【要約】
【課題】原稿の斜行を原因とする湾曲搬送路でのジャム又は原稿の損傷を未然に防止する。
【解決手段】画像読取装置20において、制御部29は、原稿Mを直線搬送路45及び湾曲搬送路46を通じて搬送する第1読取りモードが選択され、原稿Mの幅が指定されると、各側端カーソル61の離間距離とその指定された原稿Mの幅の差分Hが閾値SH以上になるか否かを判定し、原稿Mの幅の差分Hが閾値SH以上になる場合に、各側端カーソル61により原稿Mがガイドされず、原稿Mが斜行する旨を表示部24に表示し、原稿Mを直線搬送路45のみを通じて搬送する第2読取りモードを実行し、更に直線搬送路45を通じての原稿Mの搬送速度を低下させる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が載置される原稿トレイと、
前記原稿トレイから引き出された原稿を搬送する直線搬送路と、
前記直線搬送路から分岐された湾曲搬送路と、
前記原稿トレイから原稿を引き出して前記直線搬送路又は前記湾曲搬送路に原稿を搬送する搬送機構と、
前記原稿トレイ上では上向きとなる原稿の面の画像を、該原稿が前記湾曲搬送路を通じて搬送されているときに読み取る第1撮像素子と、
前記直線搬送路と前記湾曲搬送路の分岐位置よりも原稿搬送方向の上流側に設けられて、前記原稿トレイ上では下向きとなる原稿の面の画像を、該原稿が前記直線搬送路を通じて搬送されているときに読み取る第2撮像素子と、
前記直線搬送路と前記湾曲搬送路の分岐位置よりも原稿搬送方向の下流側に設けられて、前記原稿トレイ上では上向きとなる原稿の面の画像を、該原稿が前記直線搬送路を通じて搬送されているときに読み取る第3撮像素子と、
前記原稿トレイ上に載置されている原稿の両側端を規制する一対の側端カーソルと、
前記各側端カーソルの離間距離を検出する検出部と、
ユーザーにより操作され、前記原稿トレイから引き出された原稿を前記直線搬送路及び前記湾曲搬送路を通じて搬送させ、前記第2撮像素子又は前記第1撮像素子により原稿の面の画像を読取らせる第1読取りモード、又は前記原稿トレイから引き出された原稿を前記直線搬送路を通じて搬送させ、前記第2撮像素子又は前記第3撮像素子により原稿の面の画像を読取らせる第2読取りモードを選択する指示と、前記原稿トレイ上に載置された原稿の幅を指定する幅指定指示が入力される操作部と、
前記操作部に前記第1読取りモードを選択する指示が入力されているとき、前記検出部により検出された前記各側端カーソルの離間距離と、前記操作部に入力された幅指定指示が示す前記原稿トレイ上の原稿の幅を比較し、前記比較に基づき前記第1読取りモードを実行するかしないかを判断する制御部と、を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記比較として、前記検出部により検出された前記各側端カーソルの離間距離と、前記幅指定指示が示す前記原稿トレイ上の原稿の幅との差分を算出し、当該差分が予め設定された閾値以上になるか否かを判定し、当該差分が予め設定された閾値以上であると判定した場合に、前記第1読取りモードを実行せず、当該差分が予め設定された閾値以上ではないと判定した場合に、前記第1読取りモードを実行する、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記比較に基づいて前記第1読取りモードを実行しないと判断した場合、前記第1読取りモードに代えて前記第2読取りモードを実行する請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記比較に基づいて前記第1読取りモードを実行しないと判断した場合、前記搬送機構による前記直線搬送路を通じての前記原稿の搬送速度を低下させた上で、前記第1読取りモードに代えて前記第2読取りモードを実行する、請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項5】
表示部を備え、
前記制御部は、前記比較に基づいて前記第1読取りモードを実行しないと判断した場合、前記原稿の両側端がガイドされない旨を示すメッセージを前記表示部に表示させる請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記操作部に前記第1読取りモードを選択する指示が入力されると共に、前記操作部に前記原稿トレイ上に互いに異なる幅の複数の原稿が載置されていることを示す異幅原稿指示が入力されたとき、前記第1読取りモードを実行しない請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記操作部に前記第1読取りモードを選択する指示が入力されると共に、前記操作部に前記原稿トレイ上に互いに異なる幅の複数の原稿が載置されていることを示す異幅原稿指示が入力されたとき、前記第1読取りモードに代えて前記第2読取りモードを実行する請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記操作部に前記第1読取りモードを選択する指示が入力されると共に、前記操作部に前記原稿トレイ上に互いに異なる幅の複数の原稿が載置されていることを示す異幅原稿指示が入力されたとき、前記搬送機構による前記直線搬送路を通じての前記原稿の搬送速度を低下させた上で、前記第1読取りモードに代えて前記第2読取りモードを実行する請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置により読取られた原稿の画像を記録紙に形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を複数の搬送路のいずれかを通じて搬送しつつ、原稿の画像を読み取る画像読取装置及びそれを備える画像形成装置に関し、特に湾曲した搬送路でのジャム又は原稿の損傷を防止するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置としては、原稿を原稿トレイから引き出して直線状搬送路を通じて排紙トレイへと搬送するか、又は原稿を直線搬送路から分岐された湾曲搬送路へと導いて別の排紙トレイへと搬送し、原稿を直線搬送路又は湾曲搬送路を通じて搬送しているときに、それぞれの撮像素子により原稿の片面又は両面を読取らせるようにしたものがある。
【0003】
特許文献1に記載の原稿読取装置では、原稿載置トレイからプラテンガラスまでの直接状の共通搬送路と、共通搬送路からL字状に屈曲して側方原稿排出トレイに至る分岐搬送路と、共通搬送路から略U字状に上方へ湾曲して上方原稿排出トレイに至る別の分岐搬送路と、共通搬送路で搬送されている原稿の画像を読み取る撮像素子と、各分岐搬送路の分岐位置で原稿の画像をプラテンガラスを通じて読み取る別の撮像素子とを備え、原稿を原稿載置トレイ→共通搬送路→分岐搬送路→側方原稿排出トレイという経路で搬送するか、又は原稿の画像を原稿載置トレイ→共通搬送路→別の分岐搬送路→上方原稿排出トレイという経路で搬送している。また、共通搬送路の撮像素子による原稿の読取位置からプラテンガラス手前までの距離を、搬送可能な小サイズ原稿の長さよりも長くして、小サイズ原稿がプラテンガラスに接触する前に、共通搬送路の撮像素子による原稿の読取りが終了するようにして、小サイズ原稿の読取りぶれを防止している。
【0004】
また、特許文献2に記載の自動原稿搬送装置では、両面原稿の搬送モード時に原稿が大サイズである場合に、第1切換爪をホームポジションに位置決めして、原稿をコンタクトガラスから第1切換爪を介して第1排紙トレイへと排出させ、また原稿が小サイズである場合に、第1切換爪の位置を切換えると共に、第2切換爪をホームポジションに位置決めして、原稿をコンタクトガラスから第1切換爪及び第2切換爪を介して第2排紙トレイへと排出させている。これにより、大サイズの両面原稿の搬送モード時に、原稿のスタック不良やジャム等が生じるのを防止し、原稿が傷付けられるのを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-86988号公報
【特許文献2】特開平10-26847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記のように原稿を原稿トレイから引き出して直線状搬送路を通じて排紙トレイへと搬送するか、又は原稿を直線搬送路から分岐された湾曲搬送路へと導いて別の排紙トレイへと搬送する構成では、原稿を、直線搬送路のみを通じて排紙トレイへと搬送するときの方が、原稿を直線的に搬送するため、原稿を直線搬送路から湾曲搬送路を通じて別の排紙トレイへと搬送するときよりも、ジャムの発生頻度が低く、また原稿の損傷程度も小さい。このため、ジャムや原稿の損傷の原因となる原稿の斜行が生じた場合には、原稿を、直線搬送路のみを通じて搬送するのが好ましい。
【0007】
原稿の斜行は、原稿トレイにおいて原稿の両側端に当接される2つの側端カーソルの位置が適確に調整されず、原稿の両側端より各側端カーソルが離間して、原稿が搬送時に当該カーソルによる案内を受けない状態で、原稿が原稿トレイから引き出されるときに生じやすい。
【0008】
上記特許文献1では、原稿を原稿載置トレイ→共通搬送路→分岐搬送路→側方原稿排出トレイという経路で搬送するか、又は原稿の画像を原稿載置トレイ→共通搬送路→別の分岐搬送路→上方原稿排出トレイという経路で搬送しているが、原稿の斜行が生じるときにジャムや原稿の損傷を防止していはいない。
【0009】
また、上記特許文献2では、原稿をコンタクトガラスから第1切換爪を介して第1排紙トレイへと排出させるか、又は原稿をコンタクトガラスから第1切換爪及び第2切換爪を介して第2排紙トレイへと排出させているが、原稿の斜行が生じたときにジャムや原稿の損傷を防止してはいない。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、原稿の斜行を原因とする湾曲搬送路でのジャム又は原稿の損傷を未然に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面に係る画像読取装置は、原稿が載置される原稿トレイと、前記原稿トレイから引き出された原稿を搬送する直線搬送路と、前記直線搬送路から分岐された湾曲搬送路と、前記原稿トレイから原稿を引き出して前記直線搬送路又は前記湾曲搬送路に原稿を搬送する搬送機構と、前記原稿トレイ上では上向きとなる原稿の面の画像を、該原稿が前記湾曲搬送路を通じて搬送されているときに読み取る第1撮像素子と、前記直線搬送路と前記湾曲搬送路の分岐位置よりも原稿搬送方向の上流側に設けられて、前記原稿トレイ上では下向きとなる原稿の面の画像を、該原稿が前記直線搬送路を通じて搬送されているときに読み取る第2撮像素子と、前記直線搬送路と前記湾曲搬送路の分岐位置よりも原稿搬送方向の下流側に設けられて、前記原稿トレイ上では上向きとなる原稿の面の画像を、該原稿が前記直線搬送路を通じて搬送されているときに読み取る第3撮像素子と、前記原稿トレイ上に載置されている原稿の両側端を規制する一対の側端カーソルと、前記各側端カーソルの離間距離を検出する検出部と、ユーザーにより操作され、前記原稿トレイから引き出された原稿を前記直線搬送路及び前記湾曲搬送路を通じて搬送させ、前記第2撮像素子又は前記第1撮像素子により原稿の面の画像を読取らせる第1読取りモード、又は前記原稿トレイから引き出された原稿を前記直線搬送路を通じて搬送させ、前記第2撮像素子又は前記第3撮像素子により原稿の面の画像を読取らせる第2読取りモードを選択する指示と、前記原稿トレイ上に載置された原稿の幅を指定する幅指定指示が入力される操作部と、前記操作部に前記第1読取りモードを選択する指示が入力されているとき、前記検出部により検出された前記各側端カーソルの離間距離と、前記操作部に入力された幅指定指示が示す前記原稿トレイ上の原稿の幅を比較し、前記比較に基づき前記第1読取りモードを実行するかしないかを判断する制御部と、を備えるものである。
【0012】
また、本発明の一局面に係る画像形成装置は、上記本発明の画像読取装置と、前記画像読取装置により読取られた原稿の画像を記録紙に形成する画像形成部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、原稿の斜行を原因とする湾曲搬送路でのジャム又は原稿の損傷を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明にかかる一実施形態の画像読取装置が適用された画像形成装置を示す断面図である。
【
図4】画像読取装置における各側端カーソルを互いに接離する方向に移動させる機構を示す平面図である。
【
図5】画像読取装置における原稿の搬送経路を拡大して示す図である。
【
図6】画像読取装置における原稿の別の搬送経路を拡大して示す図である。
【
図7】画像形成装置の主要内部構成を示すブロック図である。
【
図8】各側端カーソルが原稿の両側端から離間して、原稿が斜行している状態を示す平面図である。
【
図9】原稿が湾曲搬送路を通じて搬送される第1搬送原稿片面読取りモード又は第1搬送原稿両面読取りモードが選択されたときには、原稿トレイ上の原稿の幅及びサイズ混載に応じて原稿が搬送される搬送路を湾曲搬送路から直線搬送路に変更するための制御手順を示すフローチャートである。
【
図10】表示部に表示されたメッセージなどを示す図である。
【
図11】表示部に表示された別のメッセージなどを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明にかかる一実施形態の画像読取装置が適用された画像形成装置を示す断面図である。
図1に示すように画像形成装置10は、本実施形態の画像読取装置20及び画像形成部21を備えている。
【0016】
画像読取装置20は、原稿の画像を光学的に読み取る撮像素子(CCDセンサー、コンタクトイメージセンサー)を有しており、この撮像素子のアナログ出力がデジタル信号に変換されて、原稿の画像を示す画像データが生成される。
【0017】
画像形成部21は、上記画像データによって示される画像を記録紙に印刷するものであり、マゼンタ用の画像形成ユニット3M、シアン用の画像形成ユニット3C、イエロー用の画像形成ユニット3Y、及びブラック用の画像形成ユニット3Bkを備えている。各画像形成ユニット3M、3C、3Y、及び3Bkのいずれにおいても、感光体ドラム4の表面を均一帯電させ、感光体ドラム4の表面を露光して、感光体ドラム4の表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム4の表面の静電潜像をトナー像に現像して、感光体ドラム4の表面のトナー像を、中間転写ベルト5に転写する。これにより、カラーのトナー像が中間転写ベルト5上に形成される。このカラーのトナー像は、中間転写ベルト5と2次転写ローラー6の間のニップ域Nにおいて給紙部14から主搬送路8を通じて搬送されてきた記録紙Pに2次転写される。
【0018】
この後、定着装置15で記録紙Pを加熱及び加圧させて、記録紙P上のトナー像を熱圧着により定着させ、更に記録紙Pを排出ローラー16を通じて排紙トレイ17に排出させる。
【0019】
また、記録紙Pの裏面にも原稿Mの画像を記録する場合、記録紙Pを排紙トレイ17手前の排出ローラー16へと搬送し、排出ローラー16を一旦停止させてから逆回転させるというスイッチバック搬送を行い、記録紙Pを搬送ローラー18から反転搬送路9を通じて主搬送路8に戻して、記録紙Pの表裏を反転させ、画像形成部21により記録紙Pの裏面に原稿Mの画像を形成させ、記録紙Pを、排出ローラー16を通じて排紙トレイ17に排出させる。
【0020】
次に、本実施形態の画像読取装置20について説明する。
図2は、本実施形態の画像読取装置20を示す断面図である。また、
図3は、画像読取装置20の外観を示す斜視図であり、原稿搬送部31が開かれた状態を示している。
【0021】
図2及び
図3に示すように、画像読取装置20は、原稿搬送部31及び読取部32を備えている。原稿搬送部31は、原稿トレイ33、給紙ローラー34、搬送ベルト35、リタードローラー36、レジストローラー37、複数の搬送ローラー38、第1排出ローラー39、第1排紙トレイ40、2つのコンタクトイメージセンサー(CIS)42、43、第2排出ローラー48、及び第2排紙トレイ49等を備えている。給紙ローラー34、搬送ベルト35、リタードローラー36、レジストローラー37、複数の搬送ローラー38、第1排出ローラー39、第1排紙トレイ40、及び第2排出ローラー48等が、特許請求の範囲における搬送機構の一例となる。
【0022】
コンタクトイメージセンサー42は、特許請求の範囲における第2撮像素子に対応する。以降、コンタクトイメージセンサー42を第2撮像素子42と称する。また、コンタクトイメージセンサー43は、特許請求の範囲における第3撮像素子に対応する。以降、コンタクトイメージセンサー43を第3撮像素子43と称する。
【0023】
原稿搬送部31においては、原稿Mが原稿トレイ33に載置されると、給紙ローラー34により原稿Mが原稿トレイ33から引き出され、原稿Mが搬送ベルト35とリタードローラー36の間を介して直線搬送路45へと導かれて搬送される。
【0024】
直線搬送路45の途中の分岐位置BPに湾曲搬送路46が接続されている。分岐位置BPには、切換え爪44が設けられている。切換え爪44の左端の軸がアクチュエータ(図示せず)により一定回転の範囲で往復回転されて、切換え爪44の先端が
図2においては斜め上向き又は水平方向に向けられる。切換え爪44の先端が斜め上向きにされると、原稿Mが直線搬送路45から湾曲搬送路46へと導かれて搬送され、また切換え爪44の先端が水平方向に向けられると、直線搬送路45の全体を通じて原稿Mが搬送される。
【0025】
直線搬送路45における分岐位置BPよりも原稿Mの搬送方向上流側では、原稿Mがレジストローラー37から第2撮像素子42とシェーディングローラー41の間を通じて搬送されて切換え爪44に至る。第2撮像素子42は、該第2撮像素子42とシェーディングローラー41の間を通過する原稿Mの下向きの面の画像を読み取る。
【0026】
また、直線搬送路45における分岐位置BPよりも原稿Mの搬送方向下流側では、切換え爪44により水平方向に導かれた原稿Mが第3撮像素子43とシェーディングローラー41の間を通じて搬送され、原稿Mが第2排出ローラー48を通じて第2排紙トレイ49へと排出される。第3撮像素子43は、該第3撮像素子43とシェーディングローラー41の間を通過する原稿Mの上向きの面の画像を読み取る。
【0027】
湾曲搬送路46では、切換え爪44により下方に導かれた原稿Mが第1プラテンガラス51へと搬送され、原稿Mが第1プラテンガラス51上を通過して第1排出ローラー39により第1排紙トレイ40へと排出される。
【0028】
読取部32は、第1プラテンガラス51、第2プラテンガラス52、キャリッジ54、光学系ユニット55、集光レンズ56、及びCCDセンサー11等を備えている。
【0029】
CCDセンサー11は、特許請求の範囲における第1撮像素子に対応する。以降、CCDセンサー11を第1撮像素子11と称する。
【0030】
読取部32において、キャリッジ54は、原稿に光を照射する光源54Aと、原稿Mで反射された光を反射するミラー54Bとを備えている。また、光学系ユニット55は、ミラー55Aと、ミラー55Bとを備えている。ミラー55Aは、キャリッジ54のミラー54Bで反射された光を受けて、略垂直下方に方向転換させる。ミラー55Bは、ミラー55Aで反射された光を、略水平に方向転換させて、集光レンズ56を通じて第1撮像素子11へと導く。
【0031】
キャリッジ54及び光学系ユニット55は、レールに沿って主走査方向Yと直交する副走査方向Xに往復移動可能に設けられ、ステッピングモーター(図示せず)を動力源とする既知の駆動機構により所定の速度関係を維持しつつ副走査方向Xに移動される。
【0032】
読取部32の上面32aの一端部には、2つのヒンジ58が離間して設けられており、これらのヒンジ58により原稿搬送部31が開閉可能に支持されて、ユーザーによる原稿搬送部31の開閉操作が可能にされている。
【0033】
原稿トレイ33には、一対の側端カーソル61が設けられている。各側端カーソル61は、記録紙Pの幅方向に向き合って、互いに接離する方向に移動され、記録紙Pの両側端に接して、記録紙Pの両側端を規制する。各側端カーソル61を互いに接離する方向に移動させる機構は、例えば
図4に示すようにそれぞれのラックギア63を各側端カーソル61に連結して該各側端カーソル61の内側に突出させ、これらのラックギア63を平行に配置して移動自在に支持し、各ラックギア63の間にピニオンギア62を配置して、ピニオンギア62を各ラックギア63に歯合させ、各ラックギア63の互いにすれ違う方向の移動をピニオンギア62の往復回転により連動させるという機構である。各側端カーソル61の少なくとも一方が手動で移動されると、各ラックギア63が互いにすれ違う方向に移動され、各側端カーソル61も互いに接離する方向に移動される。
【0034】
ここで、画像読取装置20では、後述する制御部29(
図7)による制御の下、原稿Mの画像を読み取る動作の種類として、静止原稿読取りモード、第1搬送原稿片面読取りモード、第2搬送原稿片面読取りモード、第1搬送原稿両面読取りモード、及び第2搬送原稿両面読取りモードという5種類の読取りモードで動作する。これらの読取りモードのいずれかが操作部23(
図6)への選択指示の入力でユーザーにより選択されたとき、制御部29による制御で、選択された読取りモードで原稿Mの画像が読取られる。
【0035】
静止原稿読取りモードは、第2プラテンガラス52上に載置された原稿Mの下向きの面を読取対象面としてその画像を読み取る動作であり、読取部32の第1撮像素子11が第2プラテンガラス52を介して原稿Mの表面の画像を読み取る。
【0036】
静止原稿読取りモードでは、原稿搬送部31が開かれて、読取部32の第2プラテンガラス52が開放された状態で、第2プラテンガラス52上に原稿Mが載置され、原稿搬送部31が閉じられて、原稿搬送部31により第2プラテンガラス52上に載置された原稿Mが押さえられる。読取部32では、キャリッジ54及び光学系ユニット55を所定の速度関係を維持して副走査方向Xに移動させつつ、キャリッジ54の光源54Aの光を、第2プラテンガラス52を介して原稿Mの第2プラテンガラス52側の読取対象面に照射し、原稿Mの読取対象面で反射された光をキャリッジ54のミラー54Bで反射する。更に、この光は、光学系ユニット55のミラー55A及びミラー55Bで反射されて、集光レンズ56を通じて第1撮像素子11に入射する。第1撮像素子11は、原稿Mの読取対象面の画像を主走査方向Y(副走査方向Xと直交する方向)に繰り返し読み取る。
【0037】
第1搬送原稿片面読取りモード(第1読取りモードの一例)は、原稿トレイ33上に載置された原稿Mの上向きの面を読取対象面としてその画像を、該原稿Mを搬送しつつ読み取る動作であり、原稿Mが原稿トレイ33→直線搬送路45→湾曲搬送路46→第1排紙トレイ40という経路で搬送され、読取部32の第1撮像素子11が第1プラテンガラス51を介して原稿Mの読取対象面の画像を読み取る。
【0038】
第1搬送原稿片面読取りモードでは、
図5に示すように原稿搬送部31が閉じられた状態で、原稿トレイ33上に原稿Mが読取対象面を上向きにして載置され、給紙ローラー34により原稿Mが原稿トレイ33から引出され、原稿Mが直線搬送路45を通じて搬送され、原稿Mが切換え爪44により直線搬送路45から湾曲搬送路46へと導かれて搬送され、原稿Mが第1プラテンガラス51上を通過して第1排紙トレイ40へと排出される。読取部32では、キャリッジ54及び光学系ユニット55を第1プラテンガラス51下方のそれぞれの所定位置に位置決めし、キャリッジ54の光源54Aの光を、第1プラテンガラス51を介して原稿Mの読取対象面に照射し、原稿Mの表面で反射された光を、各ミラー54B、55A、55Bで反射させて集光レンズ56を通じて第1撮像素子11に入射させ、第1撮像素子11により原稿Mの読取対象面の画像を主走査方向Yに繰り返し読取らせる。
【0039】
第2搬送原稿片面読取りモード(第2読取りモードの一例)では、原稿トレイ33上に載置された原稿Mの下向き面を読取対象面としてその画像を、該原稿Mを搬送しつつ読み取る動作であり、原稿Mが原稿トレイ33→直線搬送路45→第2排紙トレイ49という経路で搬送され、第2撮像素子42が原稿Mの下向きの読取対象面の画像を読み取る。
【0040】
第2搬送原稿片面読取りモードでは、
図6に示すように原稿搬送部31が閉じられた状態で、原稿トレイ33上に原稿Mがその読取対象面を下向きにして載置され、給紙ローラー34により原稿Mが原稿トレイ33から引出され、原稿Mが直線搬送路45を通じて搬送されて、原稿Mが第2撮像素子42上を通過し、切換え爪44により直線搬送路45の全体を通じての原稿Mの搬送が維持され、原稿Mが第2排紙トレイ49へと排出される。第2撮像素子42は、該第2撮像素子42とシェーディングローラー41の間を通過する原稿Mの下向きの読取対象面の画像を主走査方向Yに繰り返し読み取る。
【0041】
第1搬送原稿両面読取りモード(第1読取りモードの一例)は、原稿トレイ33上に載置された原稿Mの両面の画像を、該原稿Mを搬送しつつ読み取る動作であり、原稿Mが原稿トレイ33→直線搬送路45→湾曲搬送路46→第1排紙トレイ40という経路で搬送され、第2撮像素子42が直線搬送路45を通じて搬送されている原稿Mの下向きの裏面の画像を読取り、読取部32の第1撮像素子11が第1プラテンガラス51を介して原稿Mの表面(おもて面。以下、原稿について同じ)の画像を読み取る。
【0042】
第1搬送原稿両面読取りモードでは、
図5に示すように原稿搬送部31が閉じられた状態で、原稿トレイ33上に原稿Mがその表面を上向きにして載置され、給紙ローラー34により原稿Mが原稿トレイ33から引出され、原稿Mが直線搬送路45を通じて搬送されて、原稿Mが第2撮像素子42上を通過し、原稿Mが切換え爪44により直線搬送路45から湾曲搬送路46へと導かれて搬送され、原稿Mが第1プラテンガラス51上を通過して第1排紙トレイ40へと排出される。第2撮像素子42は、該第2撮像素子42とシェーディングローラー41の間を通過する原稿Mの下向きの裏面の画像を読み取る。また、読取部32では、キャリッジ54の光源54Aの光を、第1プラテンガラス51を介して原稿Mの表面に照射し、原稿Mの表面で反射された光を各ミラー54B、55A、55Bで反射させて、集光レンズ56を通じて第1撮像素子11に入射させ、第1撮像素子11により原稿Mの表面の画像を読取らせる。
【0043】
第2搬送原稿両面読取りモード(第2読取モードの一例)では、原稿トレイ33上に載置された原稿Mの両面の画像を、該原稿Mを搬送しつつ読み取る動作を行い、原稿Mが原稿トレイ33→直線搬送路45→第2排紙トレイ49という経路で搬送され、第2撮像素子42が直線搬送路45の上流側を通じて搬送されている原稿Mの下向きの裏面の画像を読取り、第3撮像素子43が直線搬送路45の下流側を通じて搬送されている原稿Mの上向きの表面の画像を読み取る。
【0044】
第2搬送原稿両面読取りモードでは、
図6に示すように原稿搬送部31が閉じられた状態で、原稿トレイ33上に原稿Mがその表面を上向きにして載置され、給紙ローラー34により原稿Mが原稿トレイ33から引出され、原稿Mが切換え爪44により直線搬送路45の上流側から下流側へと導かれて第2撮像素子42上及び第3撮像素子43下を順次通過し、原稿Mが第2排紙トレイ49へと排出される。第2撮像素子42は、該第2撮像素子42とシェーディングローラー41の間を通過する原稿Mの下向きの裏面の画像を読み取る。また、第3撮像素子43は、該第3撮像素子43とシェーディングローラー41の間を通過する原稿Mの上向きの表面の画像を読み取る。
【0045】
図7は、画像形成装置10の内部構成を示すブロック図である。
図7に示すように画像形成装置10は、画像読取装置20と、画像形成部21と、カーソル位置検出部22と、操作部23と、表示部24と、タッチパネル25と、画像メモリー26と、記憶部27と、制御ユニット28とを備えている。これらの構成要素は、互いにバスを通じてデータ又は信号の送受信が可能とされている。
【0046】
カーソル位置検出部22は、原稿トレイ33に設けられた一対の側端カーソル61の位置を検出する。各側端カーソル61を互いに接離する方向に移動させる機構は、
図4に示すように各側端カーソル61に連結されたそれぞれのラックギア63の互いにすれ違う方向の移動をピニオンギア62の往復回転により連動させるという機構である。カーソル位置検出部22は、ピニオンギア62の回転方向及び回転角度を検出するポテンショメーターであり、このピニオンギア62の回転方向及び回転角度が各ラックギア63並びに各側端カーソル61の位置を示す。
【0047】
操作部23は、テンキー、決定キー、スタートキーなどの物理キーを備えている。操作部23は、は、当該各キーの操作に基づいて各種の指示が入力される。表示部24は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機EL(OLED:Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイなどから構成される。
【0048】
表示部24の画面には、タッチパネル25が配置されている。タッチパネル25は、所謂抵抗膜方式や静電容量方式などのタッチパネルであって、タッチパネル25に対するユーザーの指などの接触(タッチ)をその接触位置とともに検知して、その接触位置の座標を示す検知信号を制御ユニット28の後述する制御部29に出力する。このタッチパネル25は、表示部24の画面に対するユーザー操作を入力する操作部としての役割を果たす。
【0049】
画像メモリー26は、画像読取装置20の第1撮像素子11及び第2撮像素子42により読取られた原稿Mの画像を示す画像データを一時的に記憶する。
【0050】
記憶部27は、SSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disk Drive)などの大容量の記憶装置であって、各種のアプリケーションプログラムや種々のデータを記憶している。
【0051】
制御ユニット28は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)などから構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット28は、上記のROM又は記憶部27に記憶されている制御プログラムが上記のプロセッサーで実行されることにより、制御部29として機能する。
【0052】
制御部29は、画像形成装置10を統括的に制御する。制御ユニット28は、画像読取装置20、画像形成部21、カーソル位置検出部22、操作部23、表示部24、タッチパネル25、画像メモリー26、及び記憶部27などと接続されている。制御部29は、これらの構成要素の動作制御や、該各構成要素との間での信号またはデータの送受信を行う。
【0053】
制御部29は、画像形成装置10による画像形成に必要な各種の処理などを実行する処理部としての役割を果たす。また、制御部29は、タッチパネル25から出力される検知信号あるいは操作部23の物理キーの操作に基づき、ユーザーにより入力された操作指示を受け付ける。例えば、制御部29は、タッチパネル25を通じて表示部24の画面に表示されているGUI(Graphical User Interface)などに対するタッチ操作を受け付ける。更に、制御部29は、表示部24の表示動作を制御する機能を有する。
【0054】
また、制御部29は、画像読取装置20の原稿搬送部31における給紙ローラー34、搬送ベルト35、レジストローラー37、各搬送ローラー38、シェーディングローラー41、第1排出ローラー39、第2排出ローラー48、切換え爪44などを作動させるためのモーター、アクチュエーター、クラッチなどを制御して、これらを動作させ、原稿Mを原稿トレイ33から引き出して直線搬送路45又は湾曲搬送路46を通じて搬送させる。
【0055】
また、制御部29は、カーソル位置検出部22(ポテンショメーター)から、ピニオンギア62の回転方向及び回転角度を示す検出出力を受け取り、この検出出力に基づき各側端カーソル61(各ラックギア63)の位置を判定し、各側端カーソル61の位置から各側端カーソル61の離間距離を算出する。各側端カーソル61が原稿トレイ33上の原稿Mの両側端に当接された状態では、各側端カーソル61の離間距離が原稿Mの幅に一致する。
【0056】
このような構成の画像形成装置10において、例えば、ユーザーは、表示部24に表示されているGUI(操作部23として機能)を操作して、静止原稿読取りモード、第1搬送原稿片面読取りモード、第2搬送原稿片面読取りモード、第1搬送原稿両面読取りモード、及び第2搬送原稿両面読取りモードのいずれかを選択する選択指示を操作部23に入力し、原稿Mを第2プラテンガラス52又は原稿トレイ33に載置して、操作部23のスタートキーを操作して原稿読取指示を操作部23に入力する。
【0057】
このとき、ユーザーは、静止原稿読取りモードを選択した場合に、第2プラテンガラス52上に原稿Mをその表面を下向きにして載置し、また第1搬送原稿片面読取りモード、第2搬送原稿片面読取モード、第1搬送原稿両面読取モード、又は第2搬送原稿両面読取モードを選択した場合に、原稿トレイ33上に原稿Mをその表面を上向きにして載置する。
【0058】
制御部29は、静止原稿読取りモードが選択された場合に、読取部32を制御して、上記のように読取部32の第1撮像素子11により第2プラテンガラス52上の原稿Mの第2プラテンガラス52側に向く面の画像を読取らせて、原稿Mの読取対象面の画像を示す画像データを画像メモリー26に記憶させ、原稿Mの読取対象面の画像を示す画像データを画像メモリー26から画像形成部21に出力し、この画像データによって示される原稿Mの表面の画像を画像形成部21により記録紙に形成させる。
【0059】
また、制御部29は、第1搬送原稿片面読取りモードが選択された場合に、原稿搬送部31を制御して、上記のように原稿Mを原稿トレイ33→直線搬送路45→湾曲搬送路46→第1排紙トレイ40という経路で搬送させ(
図5を参照)、読取部32の第1撮像素子11により第1プラテンガラス51を介して原稿Mの読取対象面の画像を読取らせて、原稿Mの表面の画像を示す画像データを画像メモリー26に記憶させ、原稿Mの読取対象面の画像を示す画像データを画像メモリー26から画像形成部21に出力し、この画像データによって示される原稿Mの読取対象面の画像を画像形成部21により記録紙に形成させる。
【0060】
また、制御部29は、第2搬送原稿片面読取りモードが選択された場合に、原稿搬送部31を制御して、上記のように原稿Mを原稿トレイ33→直線搬送路45→第2排紙トレイ49という経路で搬送させ(
図6を参照)、第3撮像素子43により原稿Mの上向きの面を読取対象面としてその画像を読取らせて、原稿Mの読取対象面の画像を示す画像データを画像メモリー26に記憶させ、この画像データによって示される原稿Mの読取対象面の画像を画像形成部21により記録紙に形成させる。
【0061】
また、制御部29は、第1搬送原稿両面読取りモードが選択された場合に、原稿搬送部31を制御して、上記のように原稿Mを原稿トレイ33→直線搬送路45→湾曲搬送路46→第1排紙トレイ40という経路で搬送させ(
図5を参照)、第2撮像素子42により原稿Mの下向きの裏面の画像を読取らせて、読取部32の第1撮像素子11により第1プラテンガラス51を介して原稿Mの表面の画像を読取らせ、原稿Mの表面の画像及び裏面の画像を示すそれぞれの画像データを画像メモリー26に記憶させ、原稿Mの表面の画像及び裏面の画像を示すそれぞれの画像データを画像メモリー26から画像形成部21に出力し、これらの画像データによって示される原稿Mの表面の画像及び裏面の画像を画像形成部21により記録紙の表裏に形成させる。
【0062】
また、制御部29は、第2搬送原稿両面読取りモードが選択された場合に、原稿搬送部31を制御して、上記のように原稿Mを原稿トレイ33→直線搬送路45→第2排紙トレイ49という経路で搬送させ(
図6を参照)、第2撮像素子42により原稿Mの下向きの面(裏面)の画像を読取らせて、第3撮像素子43により原稿Mの上向きの面(表面)の画像を読取らせ、原稿Mの表面の画像及び裏面の画像を示すそれぞれの画像データを画像メモリー26に記憶させ、原稿Mの表面の画像及び裏面の画像を示すそれぞれの画像データを画像メモリー26から画像形成部21に出力し、これらの画像データによって示される原稿Mの表面の画像及び裏面の画像を画像形成部21により記録紙の表裏に形成させる。
【0063】
ここで、上記のように構成された画像読取装置20においては、原稿Mを、直線搬送路45を通じて第2排紙トレイ49へと搬送するときの方が、原稿Mを直線搬送路45及び湾曲搬送路46を通じて第1排紙トレイ40へと搬送するときよりも、ジャムの発生頻度が低く、また原稿Mの損傷程度も小さい。これは、直線搬送路45の方が、湾曲搬送路46よりも原稿を直線的に搬送するためである。
【0064】
また、原稿Mが斜行しているときには、原稿搬送時の案内が不安定になるため、ジャムや原稿Mの損傷がより生じ易い。このため、原稿Mが斜行する状況では、原稿Mを、湾曲搬送路46を避けて直線搬送路45を通じて搬送するのが好ましい。
【0065】
原稿Mの斜行は、各側端カーソル61により原稿Mの両側端がガイドされていないとき、各側端カーソル61による原稿の案内が原稿搬送時に不安定になるために発生する。例えば、
図8に示すように原稿トレイ33において、各側端カーソル61の位置が適確に調整されず、各側端カーソル61が原稿Mの両側端から離れている状態では、各側端カーソル61により原稿Mの両側端がガイドされず、各側端カーソル61と平行な矢印で示す搬送方向に対して原稿Mが斜めに搬送されるという斜行が発生する。
【0066】
また、それぞれの幅(搬送方向に直交する方向における原稿長さ)が互いに異なる複数種の原稿Mが原稿トレイ33上に載置された場合は(以降サイズ混載とも称する)、各側端カーソル61が最大幅の原稿Mの両側端に当接されても、各側端カーソル61は、これよりも狭い幅の原稿Mの両側端から離れるので、当該狭い幅の原稿Mについては斜行が生じやすい。
【0067】
そこで、本実施形態では、ユーザーは、上記のように表示部24に表示されているGUIを操作して、静止原稿読取りモード、第1搬送原稿片面読取りモード、第2搬送原稿片面読取りモード、第1搬送原稿両面読取りモード、及び第2搬送原稿両面読取りモードのいずれかを選択する指示を操作部23に入力するだけではなく、サイズ混載であるか否かを指定する指示と、更にサイズ混載でない場合に原稿Mの幅を指定する幅指定指示とを操作部23に入力する。
【0068】
制御部29は、操作部23に入力された各指示に基づき、原稿Mを直線搬送路45及び湾曲搬送路46を通じて搬送する第1搬送原稿片面読取りモード又は第1搬送原稿両面読取りモード(いずれのモードも特許請求の範囲における第1読取りモードに対応する)が選択され、サイズ混載が指定されず、原稿Mの幅が指定されると、カーソル位置検出部22の検出出力に基づき各側端カーソル61の位置を判定し、各側端カーソル61の位置から各側端カーソル61の離間距離を算出する。更に、制御部29は、各側端カーソル61の離間距離とユーザーにより指定された原稿Mのサイズ(幅)の差分Hを算出し、この差分Hが予め設定された閾値SH以上になる場合に、各側端カーソル61が原稿Mの側端から離間していることから、原稿Mがガイドされずに斜行する旨を表示部24に表示させて、第1搬送原稿片面読取りモードに代えて、原稿Mを直線搬送路45のみを通じて搬送する第2搬送原稿片面読取りモードとし、或いは、第1搬送原稿両面読取りモードに代えて、第2搬送原稿両面読取りモード(第2搬送原稿片面読取りモード及び第2搬送原稿両面読取りモードのいずれも特許請求の範囲における第2読取りモードに対応する)として動作を実行させ、原稿Mを、直線搬送路45を通じて搬送させ、このとき、更に直線搬送路45を通じての原稿Mの搬送速度を低下させておく。これにより、原稿トレイ33上に載置された原稿Mの斜行が発生しても、ジャムの発生頻度及び原稿Mの損傷程度を効果的に防止する。
【0069】
また、制御部29は、操作部23に入力された各指示に基づき、原稿Mを直線搬送路45及び湾曲搬送路46を通じて搬送する第1搬送原稿片面読取りモード又は第1搬送原稿両面読取りモードが選択され、サイズ混載が指定された場合に、第1搬送原稿片面読取りモードに代えて、原稿Mを直線搬送路45のみを通じて搬送する第2搬送原稿片面読取りモードとし、或いは、第1搬送原稿両面読取りモードに代えて、第2搬送原稿両面読取りモードとして動作を実行させ、原稿Mを、直線搬送路45を通じて搬送させ、更に直線搬送路45を通じての原稿Mの搬送速度を低下させる。これにより、原稿トレイ33上に載置された狭い幅の原稿Mの斜行が発生しても、ジャムの発生頻度及び原稿Mの損傷程度を効果的に防止することができる。
【0070】
すなわち、制御部29は、第1読取りモードが選択されているとき、カーソル位置検出部22により検出された各側端カーソル61の離間距離と、ユーザーにより指定された原稿Mのサイズ(幅)の差分Hとを比較し、当該前記比較に基づき第1読取りモードを実行するかしないかを判断する。
【0071】
次に、画像形成装置10において、原稿読取時における原稿トレイ33上の原稿Mの幅及びサイズ混載に応じて、原稿Mが搬送される搬送路を湾曲搬送路46から直線搬送路45に変更する制御手順を、
図9に示すフローチャートなどを参照して説明する。
【0072】
ユーザーは、表示部24に表示されているGUIを操作して、静止原稿読取りモード、第1搬送原稿両面読取りモード、第1搬送原稿片面読取りモード、第2搬送原稿片面読取りモード、及び第2搬送原稿両面読取りモードのいずれかを選択する選択指示を操作部23に入力する。
【0073】
制御部29は、操作部23に入力された選択指示に基づいて、静止原稿読取りモード、第1搬送原稿両面読取りモード、第1搬送原稿片面読取りモード、第2搬送原稿片面読取りモード、及び第2搬送原稿両面読取りモードのいずれが選択されたのかを判定する(S101)。
【0074】
制御部29は、静止原稿読取りモードが選択されたと判定した場合(S101「静止」)、第2プラテンガラス52上に原稿Mの読取対象面を下向きにして載置して、操作部23のスタートキーを操作することを促すメッセージを表示部24に表示させる。ユーザーは、そのメッセージを見て、第2プラテンガラス52上に原稿Mの読取対象面を下向きに(第2プラテンガラス52側に向けて)載置して、スタートキーを操作し、操作部23に原稿読取指示を入力する。制御部29は、原稿読取指示に従って、読取部32の第1撮像素子11により第2プラテンガラス52上の原稿Mの読取対象面の画像を読取らせて、原稿Mの読取対象面の画像を示す画像データを画像メモリー26に記憶させ(S102)、この画像データによって示される原稿Mの読取対象面の画像を画像形成部21により記録紙に形成させる(S103)。
【0075】
また、制御部29は、上記選択指示に基づいて、第1搬送原稿片面読取りモード又は第1搬送原稿両面読取りモードが選択されたと判定した場合に(S101「第1」)、
図10に例を示すような選択画面G1を表示部24に表示させる(S104)。
図10に示す選択画面G1には、それぞれの幅が互いに異なる複数種の原稿Mが原稿トレイ33上に載置されてサイズ混載となっているサイズ混載を指定する混載指示を入力するためのサイズ混載キーK11、及び原稿トレイ33上に載置されている原稿Mのサイズを選択するサイズ選択指示を入力するための原稿サイズキーTX、サイズ混載の混載指示又は原稿Mのサイズを選択するサイズ選択指示の入力を促す旨のメッセージE1が表示されている。
【0076】
例えば、ユーザーは、メッセージE1を見て、サイズ混載となっている場合にサイズ混載キーK11を操作して操作部23に混載指示を入力し、またサイズ混載となっていなければ、原稿サイズキーTXを操作して、複数種の原稿の定型サイズのプルダウン表示に基づいて、プルダウン表示された各種の原稿の定型サイズのいずれかを選択することで、原稿Mのサイズを選択するサイズ選択指示を操作部23に入力する。
【0077】
このとき、制御部29は、タッチパネル25を通じて、テキストボックスTXに対する操作を検出すると、サイズ混載となっていないと判定し(S105「No」)、入力されたサイズ選択指示が示す原稿サイズに基づいて、選択された定型サイズの幅を判定する(S106)。例えば、各種の原稿の定型サイズ毎に、定型サイズとその幅を対応付けたデータテーブルを記憶部27に予め記憶させておき、制御部29が、そのデータテーブルを参照して、入力されたサイズ選択指示が示す原稿サイズ(定型サイズ)の幅を判定する。
【0078】
ユーザーは、原稿トレイ33上に複数の原稿Mを載置し、各側端カーソル61を移動させて、各側端カーソル61を各原稿Mの側端に当接させ、スタートキーを操作して操作部23に原稿読取指示を入力したものとする。
【0079】
制御部29は、入力された原稿読取指示に従って、カーソル位置検出部22の検出出力に基づき各側端カーソル61の離間距離を算出し(S107)、各側端カーソル61の当該離間距離と、S106で判定された原稿Mの幅との差分Hを算出し(S108)、この差分Hが予め設定された閾値SH(例えば、1.5cm)以上になるか否かを判定する(S109)。
【0080】
例えば、制御部29は、S108で算出された差分Hが閾値SH以上でないと判定したとき(S109「No」)、S101で第1搬送原稿片面読取モードが選択されている場合は、原稿搬送部31を制御して、各原稿Mを原稿トレイ33→直線搬送路45→湾曲搬送路46→第1排紙トレイ40という経路で順次搬送させ(
図5を参照)、読取部32の第1撮像素子11により第1プラテンガラス51を介して各原稿Mの表面の画像を逐次読取らせ、各原稿Mの表面の画像を示すそれぞれの画像データを画像メモリー26に記憶させ(S111)、これらの画像データによって示される各原稿Mの表面の画像を画像形成部21によりそれぞれの記録紙に形成させる(S112)。制御部29は、原稿トレイ33上の原稿Mの有無を検出するセンサー(図示せず)の検出出力に基づき原稿トレイ33上の原稿Mの無を判定すると、S111、S112を終了する。
【0081】
また、制御部29は、S108で算出された差分Hが閾値SH以上でないと判定したとき(S109「No」)、S101で第1搬送原稿両面読取モードが選択されている場合は、原稿搬送部31を制御して、各原稿Mを原稿トレイ33→直線搬送路45→湾曲搬送路46→第1排紙トレイ40という経路で順次搬送させ(
図5を参照)、第2撮像素子42により各原稿Mの下向きの裏面の画像を逐次読取らせ、読取部32の第1撮像素子11により第1プラテンガラス51を介して各原稿Mの表面の画像を逐次読取らせ、各原稿Mの表面の画像を示すそれぞれの画像データ及び裏面の画像を示すそれぞれの画像データを画像メモリー26に記憶させ(S111)、各原稿Mの表面の画像及び裏面の画像を画像形成部21によりそれぞれの記録紙の表裏に形成させる(S112)。制御部29は、原稿トレイ33上の原稿Mの有無を検出するセンサー(図示せず)の検出出力に基づき原稿トレイ33上の原稿Mの無を判定すると、S111、S112を終了する。
【0082】
S108で算出された差分Hが閾値SH以上でないときは、各側端カーソル61の離間距離が原稿Mの幅に一致するか又は近似するため、各側端カーソル61が各原稿Mの側端に当接されているか又は略当接されており、各側端カーソル61により各原稿Mの両側端がガイドされているこの場合は、各原稿Mが斜行することはない。従って、原稿Mは予定通り湾曲搬送路46に搬送される。
【0083】
このように、各側端カーソル61が各原稿Mの両側端に当接されているか又は略当接されて、各側端カーソル61により各原稿Mの両側端がガイドされ、各原稿Mが斜行しない場合は、S101で選択された第1搬送原稿片面読取モード又は第1搬送原稿両面読取モードが、ユーザーによる指示に従って予定通りに行われる。
【0084】
また、制御部29が、S107で算出された差分Hが閾値SH以上であると判定した場合(S109「Yes」)、各側端カーソル61が各原稿Mの側端から離れていることから、各側端カーソル61により各原稿Mの両側端がガイドされない。
【0085】
このように各側端カーソル61が各原稿Mの両側端から離れている状態では、
図8に示すように各側端カーソル61により原稿Mの両側端がガイドされず、原稿Mの斜行が発生して、ジャムや原稿Mの損傷が発生しやすい。このため、制御部29は、例えば
図11に示すように、原稿Mを直線搬送路45から湾曲搬送路46を通じて搬送せず原稿Mを直線搬送路45のみを通じて搬送する旨を示すメッセージE2を表示部24に表示させる(S114)。
【0086】
そして、制御部29は、S101で第1搬送原稿片面読取モードが選択されている場合は、原稿搬送部31を制御して、原稿Mの搬送速度Vを基準の搬送速度Vbよりも遅く設定した上で(S115)、第1搬送原稿片面読取モードの代わりに第2搬送原稿片面読取モードを実行して、各原稿Mを原稿トレイ33→直線搬送路45→第2排紙トレイ49という経路で順次搬送させ、その遅く設定された原稿Mの搬送速度Vに合わせて、第3撮像素子43に原稿Mの読取を行わせ、第3撮像素子43により各原稿Mの上向きの表面の画像を逐次読取らせ、各原稿Mの表面の画像を示す画像データを画像メモリー26に記憶させる(S116)。そして、制御部29は、各原稿Mの表面の画像を画像形成部21によりそれぞれの記録紙に形成させる(S117)。制御部29は、原稿トレイ33上の原稿Mの有無を検出するセンサーの検出出力に基づき原稿トレイ33上の原稿Mの無を判定すると、S115~S117を終了する。
【0087】
また、制御部29は、S101で第1搬送原稿両面読取モードが選択されている場合には、原稿搬送部31を制御して、原稿Mの搬送速度Vを基準の搬送速度Vbよりも遅く設定した上で(S115)、第1搬送原稿両面読取モードの代わりに第2搬送原稿両面読取モードを実行して、各原稿Mを原稿トレイ33→直線搬送路45→第2排紙トレイ49という経路で順次搬送させ、その遅く設定された原稿Mの搬送速度Vに合わせて、第2撮像素子42及び第3撮像素子43による原稿Mの読取速度を低下させ、第2撮像素子42により各原稿Mの下向きの裏面の画像を逐次読取らせ、第3撮像素子43により各原稿Mの上向きの表面の画像を逐次読取らせ、各原稿Mの表面の画像を示すそれぞれの画像データ及び裏面の画像を示すそれぞれの画像データを画像メモリー26に記憶させる(S116)。そして、制御部29は、各原稿Mの表面の画像及び裏面の画像を画像形成部21によりそれぞれの記録紙の表裏に形成させる(S117)。制御部29は、原稿トレイ33上の原稿Mの有無を検出するセンサーの検出出力に基づき原稿トレイ33上の原稿Mの無を判定すると、S115~S117を終了する。
【0088】
ここで、第1搬送原稿片面読取モード又は第1搬送原稿両面読取モードでの原稿Mの基準搬送速度は、搬送速度Vbに設定されている。原稿Mの搬送速度Vは、第1搬送原稿片面読取モードの代わりに第2搬送原稿片面読取モードを実行するときにだけ制御部29により、基準搬送速度である搬送速度Vbよりも遅い予め定められた低速搬送速度Vaに設定される。例えば、低速搬送速度Vaは、搬送速度Vbより速度を50%低減させた速度とされる。
【0089】
このように各側端カーソル61が各原稿Mの両側端から離間して、各側端カーソル61により各原稿Mの両側端がガイドされず、各原稿Mが斜行する場合は、原稿Mの搬送速度Vが基準の搬送速度Vbよりも遅い低速搬送速度Vaに設定され、かつS101で選択された第1搬送原稿片面読取モード又は第1搬送原稿両面読取モードの代わりに、第2搬送原稿片面読取モード又は第2搬送原稿両面読取モードが実行されて、各原稿Mが直線搬送路45を通じて搬送される。これにより、ジャムや原稿Mの損傷が未然に防止される。
【0090】
尚、ユーザーは、原稿トレイ33上の各原稿Mの搬送方向長さが異なっているか否かにかかわらず、各原稿Mの幅が同一であれば、サイズ混載ではないものとし、表示部24に表示された選択画面G1における原稿サイズキーTXを操作して、原稿トレイ33上の各原稿Mと同一幅の定型サイズを選択する原稿サイズ指示を入力する。あるいは、制御部29は、原稿サイズキーTXだけではなく、原稿の任意の幅を入力する記入欄(図示せず)を選択画面G1に表示させ、その記入欄の操作時に、操作部23のテンキーを介して原稿の任意の幅を示す値が入力されたときに、入力された値を原稿の幅として判定するようにしてもよい。この場合、制御部29は、原稿サイズキーTX又はその記入欄に対する操作を検出したときにサイズ混載となっていないと判定し(S105「No」)、上述のように各種の原稿の定型サイズのうちの選択された定型サイズの幅を判定するか、又は記入欄の操作時に操作部23に入力された値に基づいて原稿Mの任意の幅を判定する(S106)。
【0091】
また、ユーザーが、
図10に示す選択画面G1のメッセージE1を見て、それぞれの幅が互いに異なる複数種の原稿Mが原稿トレイ33上に載置されていれば、サイズ混載キーK11を操作して、操作部23にサイズ混載指示が入力されたときは、制御部29は、当該サイズ混載指示に基づいて、サイズ混載になっていると判定し(S105「Yes」)、処理はS114~S117に移る。
【0092】
サイズ混載となっている場合は、各側端カーソル61が原稿トレイ33上の最大幅の原稿Mの両側端に当接される場合があるが、各側端カーソル61がより小さな原稿Mの両側端は、各側端カーソル61からは離間するので、最大幅の原稿Mよりも幅が狭い原稿Mは斜行するおそれがある。このため、制御部29は、サイズ混載になっていると判定した場合に(S105「Yes」)、S114~S117の処理を実行する。
【0093】
また、制御部29は、S101で第2搬送原稿片面読取モード又は第2搬送原稿両面読取モードが選択されたと判定した場合に(S101「第2」)、原稿トレイ33上に各原稿Mをその読取対象面を上向きにして載置して、操作部23のスタートキーを操作することを促すメッセージを表示部24に表示させる。ユーザーは、そのメッセージを見て、原稿トレイ33上に各原稿Mを上向きに載置して、スタートキーを操作して原稿読取指示を操作部23に入力する。
【0094】
制御部29は、当該原稿読取指示に従って、S101で第2搬送原稿片面読取モードが選択されている場合に、原稿搬送部31を制御して、原稿Mの搬送速度Vを基準の搬送速度Vbに設定した上で、各原稿Mを原稿トレイ33→直線搬送路45→第2排紙トレイ49という経路で搬送させ、基準の搬送速度Vbに合わせて、第3撮像素子43による原稿Mの読取速度を設定し、第3撮像素子43により各原稿Mの上向きの表面の画像を逐次読取らせ、各原稿Mの表面の画像を示す画像データを画像メモリー26に記憶させ(S118)、各原稿Mの表面の画像を画像形成部21によりそれぞれの記録紙に形成させる(S119)。制御部29は、原稿トレイ33上の原稿Mの有無を検出するセンサーの検出出力に基づき原稿トレイ33上の原稿Mの無を判定すると、S118~S119を終了する。
【0095】
また、制御部29は、S101で第2搬送原稿両面読取モードが選択されている場合に、原稿搬送部31を制御して、原稿搬送部31を制御して、原稿Mの搬送速度Vを基準の搬送速度Vbに設定した上で、各原稿Mを原稿トレイ33→直線搬送路45→第2排紙トレイ49という経路で順次搬送させ、基準の搬送速度Vbに合わせて、第2撮像素子42及び第3撮像素子43による原稿Mの読取速度を設定し、第2撮像素子42により各原稿Mの下向きの裏面の画像を逐次読取らせ、第3撮像素子43により各原稿Mの上向きの表面の画像を逐次読取らせ、各原稿Mの表面の画像を示すそれぞれの画像データ及び裏面の画像を示すそれぞれの画像データを画像メモリー26に記憶させ(S118)、各原稿Mの表面の画像及び裏面の画像を画像形成部21によりそれぞれの記録紙の表裏に形成させる(S119)。制御部29は、原稿トレイ33上の原稿Mの有無を検出するセンサーの検出出力に基づき原稿トレイ33上の原稿Mの無を判定すると、S118~S119を終了する。
【0096】
従って、S101で第2搬送原稿片面読取モード又は第2搬送原稿両面読取モードが選択された場合は、原稿Mの搬送速度Vが基準の搬送速度Vbに設定され、原稿Mの表面の画像又は両面の画像が読取られる。
【0097】
このように本実施形態では、原稿Mを直線搬送路45及び湾曲搬送路46を通じて搬送する第1搬送原稿片面読取りモード又は第1搬送原稿両面読取りモードが選択され、原稿Mの幅が指定されると、各側端カーソル61の離間距離とその指定された原稿Mの幅の差分Hが閾値SH以上になるか否かが判定され、原稿Mの幅の差分Hが閾値SH以上になる場合に、各側端カーソル61が原稿Mの側端から離間していることから、原稿Mがガイドされずに斜行する旨が表示部24に表示されて、第1搬送原稿片面読取りモード又は第1搬送原稿両面読取りモードの代わりに、原稿Mを直線搬送路45のみを通じて搬送する第2搬送原稿片面読取りモード又は第2搬送原稿両面読取りモードが実行され、更に直線搬送路45を通じての原稿Mの搬送速度が低下される。これにより、原稿トレイ33上に載置された原稿Mの斜行が発生しても、ジャムの発生頻度及び原稿Mの損傷程度を効果的に防止することができる。
【0098】
また、原稿Mを直線搬送路45及び湾曲搬送路46を通じて搬送する第1搬送原稿片面読取りモード又は第1搬送原稿両面読取りモードが選択され、サイズ混載が指定された場合に、第1搬送原稿片面読取りモード又は第1搬送原稿両面読取りモードの代わりに、原稿Mを直線搬送路45のみを通じて搬送する第2搬送原稿片面読取りモード又は第2搬送原稿両面読取りモードが実行され、更に直線搬送路45を通じての原稿Mの搬送速度が低下される。これにより、原稿トレイ33上に載置された狭い幅の原稿Mの斜行が発生しても、ジャムの発生頻度及び原稿Mの損傷程度を効果的に防止することができる。
【0099】
尚、上記実施形態では、各側端カーソル61が各原稿Mの側端から離れていることから、各側端カーソル61により各原稿Mの両側端がガイドされないと判定した場合に(S109で「YES」)、
図11に示すように各側端カーソル61により原稿Mの両側端がガイドされないことから、原稿Mを直線搬送路45及び湾曲搬送路46を通じて搬送せず、原稿Mを直線搬送路45のみを通じて搬送するという旨を示すメッセージE2を表示部24に表示しているが(S114)、このS114を省略して、S109からS115へと移ってもよい。
【0100】
また、上記実施形態では、制御部29が、S107で算出された差分Hが閾値SH以上であると判定した場合(S109「Yes」)、S115において原稿Mの搬送速度を低下させた上で、第1搬送原稿片面読取モードの代わりに第2搬送原稿片面読取モードを実行し、或いは、第1搬送原稿両面読取モードの代わりに第2搬送原稿両面読取モードを実行するが、このとき、S115において原稿Mの搬送速度を低下させる処理を行わずに、第1搬送原稿片面読取モードの代わりに第2搬送原稿片面読取モードを実行し、或いは、第1搬送原稿両面読取モードの代わりに第2搬送原稿両面読取モードを実行するようにしてもよい。この場合、搬送速度低下による効果はないが、直線的に原稿Mを搬送する搬送路への切換によることによるジャムの発生頻度及び原稿Mの損傷程度を防止する効果は得られる。
【0101】
また、
図1乃至
図11を用いて説明した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一例に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0102】
10 画像形成装置
20 画像読取装置
21 画像形成部
22 カーソル位置検出部
23 操作部
24 表示部
25 タッチパネル
26 画像メモリー
27 記憶部
28 制御ユニット
29 制御部
31 原稿搬送部
32 読取部
11 CCDセンサー(第1撮像素子)
40 第1排紙トレイ
42 CIS(第2撮像素子)
43 CIS(第3撮像素子)
45 直線搬送路
46 湾曲搬送路
49 第2排紙トレイ