(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151665
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】回転センサ付きモータ及び産業用機器
(51)【国際特許分類】
H02K 3/26 20060101AFI20241018BHJP
G01D 5/20 20060101ALI20241018BHJP
H02K 11/225 20160101ALN20241018BHJP
【FI】
H02K3/26 E
G01D5/20 110B
H02K11/225
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065196
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平澤 貴久
(72)【発明者】
【氏名】古野 貴之
【テーマコード(参考)】
2F077
5H603
5H611
【Fターム(参考)】
2F077FF34
2F077PP26
5H603BB01
5H603CA01
5H603CA05
5H603CD26
5H611QQ01
5H611QQ02
5H611QQ03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】性能及び信頼性の高い回転センサ付きモータと、それにより動作される産業用機器を提供する。
【解決手段】実施形態の回転センサ付きモータは、モータとモータの回転を検出する回転センサを含む。モータは、第1軸心を中心として回転する回転子と、ヨークの内周面に接着されたモータ用コイル基板を有する。モータ用コイル基板は、第1面と第2面を有するフレキシブル基板と、第1面上及び第2面上に設けられる配線によって形成される複数個のコイルを有しており、フレキシブル基板の長手方向の第1端を起点として第2軸心を中心として周方向に巻かれることによって円筒状に形成される。回転センサは、回転子とともに回転する回転部材と、回転部材の位相を検出する検出部を有する。回転子の第1軸心とモータ用コイル基板の第2軸心は同一軸心であり、モータ用コイル基板の外周面の円筒度は、0.0mmより大きく0.3mm以下である。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと前記モータの回転を検出する回転センサを含む回転センサ付きモータであって、
前記モータは、
磁石を備え、第1軸心を中心として回転する回転子と、
ヨークを備えた固定子と、
前記ヨークの内周面に接着されたモータ用コイル基板、とを有しており、
前記モータ用コイル基板は、
第1面と前記第1面と反対側の第2面を有するフレキシブル基板と、
前記第1面上及び前記第2面上に設けられる配線によって形成される複数個のコイル、とを有しており、
前記フレキシブル基板の長手方向の第1端を起点として、前記長手方向と直交する直交方向に延びる第2軸心を中心として周方向に巻かれることによって円筒状に形成されており、
前記回転センサは、
前記回転子とともに回転する回転部材と、
前記回転部材の位相を検出する検出部と、を有しており、
前記回転子の第1軸心と前記モータ用コイル基板の第2軸心は同一軸心であり、
前記モータ用コイル基板の外周面の円筒度は、0.0mmより大きく0.3mm以下である。
【請求項2】
請求項1の回転センサ付きモータであって、前記モータ用コイル基板の外周面の直径は、50mm以下である。
【請求項3】
請求項1の回転センサ付きモータであって、前記モータ用コイル基板の巻き回数は、2回以上10回以下である。
【請求項4】
請求項1の回転センサ付きモータであって、前記モータ用コイル基板の断面における前記コイルの占積率は、50%以上99%以下である。
【請求項5】
請求項1の回転センサ付きモータであって、前記モータ用コイル基板の全重量に占める前記配線の比率は、80.0%以上99.9%以下である。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1の回転センサ付きモータと、前記回転センサ付きモータにより駆動される動作部材、とからなる産業用機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、回転センサ付きモータ及び産業用機器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ブラシレスモータを開示している。特許文献1のブラシレスモータは、複数相のステータ巻線を有するステータを備えたケースと、ケースに回転自在に設けられたロータ、とを有する。ケースにレゾルバが接続されており、レゾルバによって各ステータ巻線に対する相切換信号が得られる。
【0003】
特許文献2は、モータ用コイル基板を開示している。特許文献2のモータ用コイル基板は、フレキシブル基板とフレキシブル基板の両面に形成されたコイルを有するコイル基板が円筒状に巻かれている。モータ用コイル基板が円筒状のヨークの内側に配置され、モータ用コイル基板の内側に回転軸と磁石が配置されて、モータが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-152588号公報
【特許文献2】特開2022-43581号公報
【発明の概要】
【0005】
<特許文献1,2を組み合わせたときの課題>
特許文献2に開示のモータ用コイル基板を備えたモータにおいて、回転軸及び磁石の回転角度を正確に検出するために、特許文献1のレゾルバを適用することが考えられる。
【0006】
特許文献2のモータは、円筒状に巻かれたコイル基板からなるモータ用コイル基板が、ヨークの内側に接着されることで形成されている。モータ用コイル基板は、コイル基板を複数回巻くことで形成しているが、導体回路の厚みや絶縁膜の厚み等が工程によりバラついてしまうこともあり、モータ用コイル基板が所定の形状にならないことがある。そのため、モータ用コイル基板が所定の形状にならないことで、接着強度が低下し、モータ用コイル基板がヨークから剥がれてバラけたり、ふくらみ等が生じることが考えられる。その結果、磁石との相互作用によってモータが回転するときに、軸振れや振動等が生じ得ると考えられる。そのため、特許文献2の技術に特許文献1のレゾルバを組み合わせた場合、レゾルバにおける検出精度に影響が出ると考えられる。特許文献1,2の技術を組み合わせたモータでは、回転角度を正確に検出できないと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、モータと前記モータの回転を検出する回転センサを含む回転センサ付きモータであって、前記モータは、磁石を備え、第1軸心を中心として回転する回転子と、ヨークを備えた固定子と、前記ヨークの内周面に接着されたモータ用コイル基板、とを有しており、前記モータ用コイル基板は、第1面と前記第1面と反対側の第2面を有するフレキシブル基板と、前記第1面上及び前記第2面上に設けられる配線によって形成される複数個のコイル、とを有しており、前記フレキシブル基板の長手方向の第1端を起点として、前記長手方向と直交する直交方向に延びる第2軸心を中心として周方向に巻かれることによって円筒状に形成されており、前記回転センサは、前記回転子とともに回転する回転部材と、前記回転部材の位相を検出する検出部と、を有しており、前記回転子の第1軸心と前記モータ用コイル基板の第2軸心は同一軸心であり、前記モータ用コイル基板の外周面の円筒度は、0.0mmより大きく0.3mm以下である。
【0008】
本発明の回転センサ付きモータでは、モータ用コイル基板の外周面の円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下である。そのため、モータ用コイル基板の外周面の円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であると、接着状態のモータ用コイル基板の外周面とヨークの内周面が滑り難く、接着強度が高い。回転子の回転時にコイルと磁石との間に相互作用が働いても、コイル基板がヨークから剥がれ難い。その結果、回転時に回転子の軸振れや振動等が生じ難く、回転子の第1軸心とモータ用コイル基板の第2軸心との同軸性も維持される。そのため、回転センサにより回転子の回転角度を正確に検出できる。
【0009】
本発明の回転センサ付きモータでは、モータ用コイル基板の外周面の直径は、50mm以下である。直径50mm以下のモータ用コイル基板を用いて小型のモータを形成することで、モータ性能の低下を効果的に抑制することができる。なお、モータ用コイル基板の外周面OCの直径は、ノギス測長で行うのである。
【0010】
本発明の回転センサ付きモータでは、モータ用コイル基板の巻き回数は、2回以上10回以下である。巻き回数を2回以上10回以下とすることにより、形成されるモータ用コイル基板の外周面の円筒度が0.0mmより大きく0.3mm以下となる。そのため、モータ性能の低下を抑制することができる。
【0011】
本発明の回転センサ付きモータでは、モータ用コイル基板の断面における前記コイルの占積率は、50%以上99%以下である。コイルの占積率を50%~99%とすることで高いトルクが得られ、性能の高いモータが得られる。
【0012】
本発明の回転センサ付きモータでは、モータ用コイル基板の全重量に占める前記配線の比率は、80.0%以上99.9%以下である。モータ用コイル基板の全重量に占める配線の比率は、配線比率=(導体部全重量/コイル基板の重量)×100により定義される。比率80%~99.9%のモータ用コイル基板を用いることで、高トルクのモータが得られる。
【0013】
本発明の産業用機器は、本発明の回転センサ付きモータと、前記回転センサ付きモータにより駆動される動作部材、とからなる。高トルクで且つ回転角度を正確に検出できる回転センサ付きモータにより動作部材を駆動することで、小型で且つ信頼性の高い産業用機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図4】コイル基板のU相、V相、W相を対比した平面図である。
【
図5】
図1のコイル基板を簡略化して示す平面図である。
【
図6】実施形態のコイル基板を用いたモータ用コイル基板を模式的に示す斜視図である。
【
図7】モータ用コイル基板を軸方向に沿って見た場合の各端子の位置を模式的に示す断面図である。
【
図9】実施形態のモータ用コイル基板を用いたモータを模式的に示す断面図である。
【
図10】実施形態のモータ用コイル基板を用いたモータにレゾルバが設置され、回転センサ付きモータを模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施形態]
図1は実施形態のコイル基板2を示す平面図である。
図2は、
図1のII-II間の断面図である。
図3A~
図3Cは、それぞれ、U相コイル20U、V相コイル20V、W相コイル20Wを示す平面図である。
図4はコイル基板2のU相、V相、W相を対比した平面図である。
図5は
図1のコイル基板2を簡略化して示す平面図である。
【0016】
図1に示されるように、コイル基板2は、フレキシブル基板10と、U相コイル20Uと、V相コイル20Vと、W相コイル20Wと、U相端子40Uと、V相端子40Vと、W相端子40Wと、複数のコイル間接続線50U、50V、50Wと、複数の相間接続線60U、60Vと、戻り線70Wとを有する。
【0017】
フレキシブル基板10は、第1面10Fと、第1面10Fと反対側の第2面10Bとを有する樹脂基板である。フレキシブル基板10は、ポリイミド、ポリアミド等の絶縁性を有する樹脂を用いて形成される。フレキシブル基板10は可撓性を有する。フレキシブル基板10は第1辺E1~第4辺E4の四辺を有する矩形状に形成されている。第1辺E1はフレキシブル基板10の長手方向(
図1の矢印LD方向)の一端側の短辺である。第2辺E2は長手方向の他端側の短辺である。第1辺E1と第2辺E2はともに長手方向と直交する直交方向(
図1の矢印OD方向)に沿って延びる短辺である。第3辺E3と第4辺E4はともに長手方向に沿って延びる長辺である。後で詳しく説明されるように、コイル基板2が円筒状に巻かれてモータ用コイル基板550(
図6参照)が形成される場合、第1面10Fは内周側に配置され、第2面10Bは外周側に配置される。なお、第1面10Fは外周側に配置され、第2面10Bは内周側に配置されてもよい。
【0018】
フレキシブル基板10は、長手方向の一端側(第1辺E1側)の第1領域R1と、第1領域R1の隣の第2領域R2とを有する。第2領域R2は第2辺E2を含む。
【0019】
U相端子40U、V相端子40V、W相端子40Wは、いずれも、フレキシブル基板10の第3辺E3に形成されている。実施形態では、U相端子40UとW相端子40Wは第1領域R1内に配置されている。V相端子40Vは第2領域R2内に配置されている。
図1に示されるように、U相端子40UはU相コイル20Uの始端20USに接続されている。同時に、U相端子40Uは戻り線70Wを介してW相コイル20Wの終端20WEに接続されている。V相端子40VはV相コイル20Vの始端20VSに接続されている。同時に、V相端子40Vは相間接続線60Uを介してU相コイル20Uの終端20UEに接続されている。W相端子40WはW相コイル20Wの始端20WSに接続されている。同時に、W相端子40Wは相間接続線60Vを介してV相コイル20Vの終端20VEに接続されている。すなわち実施形態では、U相コイル20U、V相コイル20V、W相コイル20WはΔ結線されている(
図5参照)。なお、他の例では、U相コイル20U、V相コイル20V、W相コイル20WはY結線されていてもよいし、それ以外の結線がされていてもよい。
【0020】
U相コイル20U、V相コイル20V、W相コイル20Wは、それぞれ、三相モータのU相、V相、W相を構成する。
【0021】
図1と
図3Aと
図4に示されるように、U相コイル20Uの始端20USは第1領域R1内に配置されている。U相コイル20Uの終端20UEは第2領域R2内に配置されている。
図3Aに示されるように、U相コイル20Uは、6個のコイル31U、32U、33U、34U、35U、36Uを含んでいる。6個のコイル31U~36Uは、U相コイル20Uの始端20USから終端20UEに向かって(第1領域R1から第2領域R2に向かって)この順で並んでいる。6個のコイル31U~36Uはコイル間接続線50Uによって相互に接続されている。
【0022】
6個のコイル31U~36Uは、いずれも、1ターン中の半ターンを構成する第1配線が第1面10F側に形成され、残り半ターンを構成する第2配線が第2面10B側に形成され、隣接する各ターンがずらされながら配置されることによって形成されている。第1配線と第2配線は、フレキシブル基板10を貫通するビア導体を介して電気的に接続されている。
【0023】
U相コイル20Uの始端20USから1番目のコイル31Uと3番目のコイル33Uと5番目のコイル35Uの巻き始め位置(始端)は第1面10Fに配置され、巻き終わり位置(終端)は第2面10Bに配置されている。フレキシブル基板10を第1面10F側から見る場合に、コイル31U、33U、35Uは反時計回りに巻かれている。
【0024】
一方、U相コイル20Uの始端20USから2番目のコイル32Uと4番目のコイル34Uと6番目のコイル36Uの巻き始め位置(始端)は第2面10Bに配置され、巻き終わり位置(終端)は第1面10Fに配置されている。フレキシブル基板10を第1面10F側から見る場合に、コイル32U、34U、36Uは時計回りに巻かれている。
【0025】
図2と
図3Aと
図1に示されるように、コイル31Uの第2面10B側の配線(第2配線)の一部は隣のコイル32Uの第1面10F側の配線(第1配線)の一部とフレキシブル基板10を介して重なっている。同様に、コイル32Uの第2面10B側の配線(第2配線)の一部は隣のコイル33Uの第1面10F側の配線(第1配線)の一部と重なる。コイル33Uの第2面10B側の配線(第2配線)の一部は隣のコイル34Uの第1面10F側の配線(第1配線)の一部と重なる。コイル34Uの第2面10B側の配線(第2配線)の一部は隣のコイル35Uの第1面10F側の配線(第1配線)の一部と重なる。コイル35Uの第2面10B側の配線(第2配線)の一部は隣のコイル36Uの第1面10F側の配線(第1配線)の一部と重なる。
【0026】
図3Aと
図1に示されるように、コイル31Uとコイル32Uを接続するコイル間接続線50Uと、コイル33Uとコイル34Uを接続するコイル間接続線50Uと、コイル35Uとコイル36Uを接続するコイル間接続線50Uは第2面10Bに配置されている。一方、コイル32Uとコイル33Uを接続するコイル間接続線50Uと、コイル34Uとコイル35Uを接続するコイル間接続線50Uは第1面10Fに配置されている。U相端子40Uと相間接続線60Uは第1面10Fに配置されている。
【0027】
図1と
図3Bと
図4に示されるように、V相コイル20Vの始端20VSは第2領域R2内に配置されている。V相コイル20Vの終端20VEは第1領域R1内に配置されている。
図3Bに示されるように、V相コイル20Vは、6個のコイル31V、32V、33V、34V、35V、36Vを含んでいる。6個のコイル31V~36Vは、V相コイル20Vの始端20VSから終端20VEに向かって(第2領域R2から第1領域R1に向かって)この順で並んでいる。6個のコイル31V~36Vはコイル間接続線50Vによって相互に接続されている。
【0028】
6個のコイル31V~36Vは、いずれも、1ターン中の半ターンを構成する第1配線が第1面10F側に形成され、残り半ターンを構成する第2配線が第2面10B側に形成され、隣接する各ターンがずらされながら配置されることによって形成されている。第1配線と第2配線は、フレキシブル基板10を貫通するビア導体を介して電気的に接続されている。
【0029】
V相コイル20Vの始端20VSから1番目のコイル31Vと3番目のコイル33Vと5番目のコイル35Vの巻き始め位置(始端)は第1面10Fに配置され、巻き終わり位置(終端)は第2面10Bに配置されている。フレキシブル基板10を第1面10F側から見る場合に、コイル31V、33V、35Vは反時計回りに巻かれている。
【0030】
一方、V相コイル20Vの始端20VSから2番目のコイル32Vと4番目のコイル34Vと6番目のコイル36Vの巻き始め位置(始端)は第2面10Bに配置され、巻き終わり位置(終端)は第1面10Fに配置されている。フレキシブル基板10を第1面10F側から見る場合に、コイル32V、34V、36Vは時計回りに巻かれている。
【0031】
図2と
図3Bと
図1に示されるように、コイル31Vの第1面10F側の配線(第1配線)の一部は隣のコイル32Vの第2面10B側の配線(第2配線)の一部とフレキシブル基板10を介して重なっている。同様に、コイル32Vの第1面10F側の配線(第1配線)の一部は隣のコイル33Vの第2面10B側の配線(第2配線)の一部と重なる。コイル33Vの第1面10F側の配線(第1配線)の一部は隣のコイル34Vの第2面10B側の配線(第2配線)の一部と重なる。コイル34Vの第1面10F側の配線(第1配線)の一部は隣のコイル35Vの第2面10B側の配線(第2配線)の一部と重なる。コイル35Vの第1面10F側の配線(第1配線)の一部は隣のコイル36Vの第2面10B側の配線(第2配線)の一部と重なる。
【0032】
図3Bと
図1に示されるように、コイル31Vとコイル32Vを接続するコイル間接続線50Vと、コイル33Vとコイル34Vを接続するコイル間接続線50Vと、コイル35Vとコイル36Vを接続するコイル間接続線50Vは第2面10Bに配置されている。一方、コイル32Vとコイル33Vを接続するコイル間接続線50Vと、コイル34Vとコイル35Vを接続するコイル間接続線50Vは第1面10Fに配置されている。V相端子40Vと相間接続線60Vは第1面10Fに配置されている。
【0033】
図1と
図3Cと
図4に示されるように、W相コイル20Wの始端20WSは第1領域R1内に配置されている。W相コイル20Wの終端20WEは第2領域R2内に配置されている。
図3Cに示されるように、W相コイル20Wは、6個のコイル31W、32W、33W、34W、35W、36Wを含んでいる。6個のコイル31W~36Wは、W相コイル20Wの始端20WSから終端20WEに向かって(第1領域R1から第2領域R2に向かって)この順で並んでいる。6個のコイル31W~36Wはコイル間接続線50Wによって相互に接続されている。
【0034】
6個のコイル31W~36Wは、いずれも、1ターン中の半ターンを構成する第1配線が第1面10F側に形成され、残り半ターンを構成する第2配線が第2面10B側に形成され、隣接する各ターンがずらされながら配置されることによって形成されている。第1配線と第2配線は、フレキシブル基板10を貫通するビア導体を介して電気的に接続されている。
【0035】
W相コイル20Wの始端20WSから1番目のコイル31Wと3番目のコイル33Wと5番目のコイル35Wの巻き始め位置(始端)は第1面10Fに配置され、巻き終わり位置(終端)は第2面10Bに配置されている。フレキシブル基板10を第1面10F側から見る場合に、コイル31W、33W、35Wは反時計回りに巻かれている。
【0036】
一方、W相コイル20Wの始端20WSから2番目のコイル32Wと4番目のコイル34Wと6番目のコイル36Wの巻き始め位置(始端)は第2面10Bに配置され、巻き終わり位置(終端)は第1面10Fに配置されている。フレキシブル基板10を第1面10F側から見る場合に、コイル32W、34W、36Wは時計回りに巻かれている。
【0037】
図2と
図3Cと
図1に示されるように、コイル31Wの第2面10B側の配線(第2配線)の一部は隣のコイル32Wの第1面10F側の配線(第1配線)の一部とフレキシブル基板10を介して重なっている。同様に、コイル32Wの第2面10B側の配線(第2配線)の一部は隣のコイル33Wの第1面10F側の配線(第1配線)の一部と重なる。コイル33Wの第2面10B側の配線(第2配線)の一部は隣のコイル34Wの第1面10F側の配線(第1配線)の一部と重なる。コイル34Wの第2面10B側の配線(第2配線)の一部は隣のコイル35Wの第1面10F側の配線(第1配線)の一部と重なる。コイル35Wの第2面10B側の配線(第2配線)の一部は隣のコイル36Wの第1面10F側の配線(第1配線)の一部と重なる。
【0038】
図3Cと
図1に示されるように、コイル31Wとコイル32Wを接続するコイル間接続線50Wと、コイル33Wとコイル34Wを接続するコイル間接続線50Wと、コイル35Wとコイル36Wを接続するコイル間接続線50Wは第2面10Bに配置されている。一方、コイル32Wとコイル33Wを接続するコイル間接続線50Wと、コイル34Wとコイル35Wを接続するコイル間接続線50Wは第1面10Fに配置されている。W相端子40Wと戻り線70Wは第1面10Fに配置されている。
【0039】
図3Cと
図5と
図1に示されるように、戻り線70Wは、W相コイル20Wの終端20WEとU相端子40Uの間を接続している。戻り線70Wは、第2領域R2から第1領域R1に亘って伸びている。
【0040】
図8に示されるように、第1面10Fと第1面10F上に形成されている各コイル20U、20V、20Wの配線、コイル間接続線50U、50V、50W、相間接続線60U、60V、および戻り線70W上は絶縁膜102Fで覆われている。同様に、第2面10Bと第2面10B上に形成されている各コイル20U、20V、20Wの配線、コイル間接続線50U、50V、50W上は絶縁膜102Bで覆われている。なお、絶縁膜は、配線に追従して形成してもよいし、回路を被覆し、隣り合う配線間も絶縁膜で充填してもよい。
【0041】
図1、
図3A~
図3Cに示されるように、実施形態では各コイル20U、20V、20Wの配線は六角形状に配置されている。他の例では、各コイル20U、20V、20Wの配線は円形(真円形、楕円形)、三角形、四角形(正方形、長方形、ひし形)、五角形、七角形以上の多角形等、任意の形状に配置されていてもよい。また、すべてのコイルの配線の配置形状が同一であることに限られず、コイル間で配線の配置形状が異なっていてもよい。一つのコイル配線の巻き数は、1回以上であればよく、3回から7回であることが好ましい。コイル配線は、第1面で半ターンを配置し、第2面で半ターンを配置し、スルーホールにより接続することで形成させているのである。また、第2面で半ターンを配置し、第1面で半ターンを配置してもよい。このとき、半ターンとは、コイル配線の半分を指しているのである。また、第1面で1/4ターン、第2面で1/4ターンを配置し、スルーホールにより接続させて、第1面もしくは第2面の合計で半ターンを配置してもよい。さらにコイル配線は、第1面もしくは第2面で配置してもよい。このとき、第1面のコイル配線と第2面のコイル配線で重ねてもよいし、一部分を重ねてもよいし、重ねなくてもよい。
【0042】
実施形態のコイル基板2は任意の方法で製造される。例えば、コイル基板2は、導体層(金属箔)を有するフレキシブル基板を出発材料として、テンティング法によって形成されてもよい。他の例では、コイル基板2は、フレキシブル基板上に印刷やディスペンス法で金属層を形成することによって得られてもよい。さらに他の例では、コイル基板2は、3Dプリンタで可撓性材料と金属層を形成することによって得られてもよい。
【0043】
図6は、実施形態のコイル基板2(
図1~
図5)を用いたモータ用コイル基板550を模式的に示す斜視図である。
図6に示されるように、実施形態のコイル基板2(
図1~
図5)が円筒状に巻かれることによって、モータのためのモータ用コイル基板550が形成される。コイル基板2が円筒状に巻かれる場合、第1辺E1(
図1)を起点として、直交方向に延びる軸(第1辺E1と平行に延びる軸)を中心に複数回巻かれる。また、コイル基板の巻かれる回数は特に限定されない。コイル基板2が円筒状に巻かれる際、フレキシブル基板10の第1面10Fが内周側に配置され、第2面10Bが外周側に配置される。
【0044】
図7は、モータ用コイル基板550を軸方向に沿って見た場合の各端子の位置を模式的に示す。
図7に示されるように、U相端子40U、V相端子40V、W相端子40Wは、周方向に略120°間隔で配置されている。U相端子40UとW相端子40Wは内周面に配置される。V相端子40Vは外周面に配置される。
図7では、巻いた状態での導体層とその外側の導体層が重なっていることが示されているが、導体層とその外側の導体層が一部重なっている、あるいは導体層とその外側の導体層が重ならないようにしてもよい。
【0045】
図8は
図7中のVIII部分の拡大図であり、端子形態の一例を示す。
図8に示されるように、フレキシブル基板10の両面にコイル20U、20V、20Wの導体層100F、100Bが形成され、コイル20U、20V、20Wの導体層100F、100B上には、絶縁膜102F、102Bが形成されている。絶縁膜102F、102Bが形成されていることで、導体層100F、100Bが露出していないこととなり、フレキシブル基板10の長手方向に隣接する導体層100F、100Bあるいは、コイル基板2を巻いたときの断面における径方向に隣接する導体層100F、100Bとの間で接触されないので、絶縁が保たれるのである。絶縁膜102F、102Bは、液状の樹脂を印刷することで、形成することができる。樹脂の例は、ポリイミドである。
図8では、導体層100F、100Bに追従するように絶縁膜102F、102Bが形成されているが、導体層100F、100Bの上面を覆い、導体層100F、100B間を埋めた形態でもよい。絶縁膜102F、102Bの厚みは特に限定されないが、1μm以上30μm以下程度で形成することがよい。
図8では、導体層100F、100Bがフレキシブル基板10を挟んで対称に形成されているが、導体層100F、100Bがフレキシブル基板10を挟んで一部重なっている、あるいは、導体層100F、100Bがフレキシブル基板10を挟んで重ならないようにしてもよい。また、
図8では導体層100F、100Bの断面形状が台形であるが、導体層100F、100Bの断面形状は正方形、長方形の四角形であってもよい。各導体層100F、100Bの断面形状が共通であってもよいし、導体層100F、100Bごとの断面形状が異なっていてもよい。
【0046】
このとき、モータ用コイル基板550の断面は、フレキシブル基板10と各相の配線である導体層と導体層を被覆する絶縁層で構成される。このとき、モータ用コイル基板550の断面積における全導体層の断面積を算出した結果がコイルの占積率となる。このとき、モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が50%以上99%以下である。コイル導体の占積率が高いことが確保されている。そのため、実施形態のモータ用コイル基板550を用いてモータが形成される場合、高いトルクが得られる。性能の高いモータが得られる。このとき、コイルの占積率の算出方法は、占積率=(導体部の断面積の和/コイル断面積)×100である。
【0047】
図7には、モータ用コイル基板550の外周面OCと内周面ICが示されている。実施形態では、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下である。外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であると、モータ用コイル基板550は、平坦な場所で均等に転がることがない。外周面OCの円筒度が0.0mmより大きく0.3mm以下であることにより、モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなる。安定した性能のモータが得られる。また、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.2mm以下であることが好ましい。外周面OCの円筒度が0.0mmより大きく0.2mm以下であることにより、モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなり、安定できる。そのため、モータとして稼働させたときでも、モータ用コイル基板550の位置ずれがなく、安定した性能のモータが得られる。
【0048】
外周面OCの円筒度は、V字ブロックによる測定法で測定される。即ち、モータ用コイル基板550をV字ブロック上に載せ、一回転させて軸と直角方向の差を異なる5か所で測定し、その平均値を算出することにより、外周面OCの円筒度が測定される。
【0049】
モータ用コイル基板550の断面におけるコイル20U、20V、20Wを合わせたコイルの占積率は50%以上99%以下である。占積率が50%以上99%以下のモータ用コイル基板550を用いることで、高トルクのモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることができ、性能の高いモータが得られる。なお、本明細書における小型モータとは、外径の直径が50mm以下のモータである。
【0050】
また、モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率は55%以上90%以下であることが好ましい。コイルの占積率が55%以上90%以下のモータ用コイル基板550を用いることで、高トルクのモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることができ、性能の高いモータが得られる。
【0051】
さらにモータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が60%以上80%以下であることがより好ましい。コイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるのである。さらに、小型モータにおいてもコイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるし、トルクを向上させることができ、性能の高いモータが得られる。
【0052】
モータ用コイル基板550の全重量に占める配線(即ち各コイル20U、20V、20Wの配線)の比率は、80.0%以上99.9%以下である。全重量に占める配線の比率が80.0%以上99.9%以下のモータ用コイル基板550を用いることで、高トルクのモータが得られる。このとき、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率の算出方法は、配線比率=(導体部全重量/コイル基板の重量)×100である。
【0053】
また、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率は、85.0%以上96.0%以下であることが好ましい。配線比率が85.0%以上96.0%以下であることから、コイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるのである。さらに、小型モータにおいてもコイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるし、トルクを向上させることができ、性能の高いモータが得られる。
【0054】
モータ用コイル基板550の外周面OCは、フレキシブル基板10で形成されていて、コイル20U、20V、20Wの配線が露出していない。即ち、モータ用コイル基板550の最外周には、配線を被覆する絶縁層が形成されている。モータ用コイル基板550の外周面OCは外部と絶縁されている。
【0055】
モータ用コイル基板550を形成する際、コイル基板2の巻き回数は任意である。コイル基板2の巻き回数は2回以上10回以下であることが好ましい。巻き回数を2回以上10回以下とすることにより、形成されるモータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度が上記の通り0.0mmより大きく0.3mm以下となる。結果的にモータ性能の低下を抑制することができる。
【0056】
モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率は50%以上99%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下である。本発明の実施形態のモータ用コイル基板550において、コイルの占積率が50%以上99%以下であり、かつ、外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であるモータ用コイル基板550を用いてモータが形成される場合、モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなるし、高いトルクが得られる。性能の高いモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0057】
モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が55%以上90%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度が0.0mmより大きく0.3mm以下であることが好ましい。コイルの占積率が55%以上90%以下であり、かつ、外周面OCの円筒度が0.0mmより大きく0.3mm以下であるモータ用コイル基板550を用いることで、モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなるし、高トルクのモータが得られる。性能の高いモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0058】
さらにモータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が60%以上80%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度が0.0mmより大きく0.3mm以下であることが好ましい。モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が60%以上80%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であることから、コイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるのである。モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなり、高いトルクが得られる。性能の高いモータが得られる。さらに、小型モータにおいてもコイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるし、モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなり、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0059】
モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が60%以上80%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.2mm以下であることがより好ましい。モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が60%以上80%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.2mm以下であることから、コイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるのである。モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなり、高いトルクが得られる。性能の高いモータが得られる。さらに、小型モータにおいてもコイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるし、モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなり、安定させる。そのため、モータとして稼働させたときでも、モータ用コイル基板550の位置ずれがなく、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0060】
モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率は80.0%以上99.9%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下である。実施形態のモータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が80.0%以上99.9%以下であり、かつ、外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であるモータ用コイル基板550を用いてモータが形成される場合、コイルの占積率が高められ、高いトルクが得られる。性能の高いモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0061】
また、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下である。実施形態のモータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であり、かつ、外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であるモータ用コイル基板550を用いてモータが形成される場合、配線の比率が高められつつも、所定の円筒形状となるのである。その結果、モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなるし、コイルの占積率が高められ、高いトルクが得られる。性能の高いモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0062】
さらに、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.2mm以下である。実施形態のモータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であり、かつ、外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.2mm以下であるモータ用コイル基板550を用いてモータが形成される場合、配線の比率が高められ、コイルの占積率が高められつつも、所定の円筒形状となり、高いトルクが得られるのである。その結果、モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなり、安定させる。そのため、モータとして稼働させたときでも、モータ用コイル基板550の位置ずれがなく、安定した性能のモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0063】
モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率は50%以上99%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が80.0%以上99.9%以下である。実施形態のモータ用コイル基板550において、コイルの占積率が50%以上99%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が80.0%以上99.9%以下であるモータ用コイル基板を用いることで、コイルの占積率を高められ、高いトルクが得られる。性能の高いモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0064】
モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が55%以上90%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であることが好ましい。コイルの占積率が55%以上90%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であるモータ用コイル基板550を用いることで、コイルの占積率を高められ、高トルクのモータが得られる。性能の高いモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることができ、性能の高いモータが得られる。
【0065】
さらにモータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が60%以上80%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であることが好ましい。コイルの占積率が60%以上80%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率は、85.0%以上96.0%以下であることから、コイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるのである。高いトルクが得られる。性能の高いモータが得られる。さらに、小型モータにおいてもコイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるし、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0066】
モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率は50%以上99%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が80.0%以上99.9%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下である。実施形態のモータ用コイル基板550において、コイルの占積率が50%以上99%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が80.0%以上99.9%以下あり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であるモータ用コイル基板を用いてモータが形成される場合、コイルの占積率を高められ、高いトルクが得られる。モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなるし、高いトルクが得られる。性能の高いモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0067】
また、モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が55%以上90%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であることが好ましい。コイルの占積率が55%以上90%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であるモータ用コイル基板550を用いることで、コイルの占積率を高められ、所定の円筒形状となり、高トルクのモータが得られる。そのため、モータとして稼働させたときでも、安定した性能のモータが得られる。さらに、実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0068】
なお、モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が60%以上80%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であることが好ましい。コイルの占積率が60%以上80%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率は、85.0%以上96.0%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下であることから、コイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるのである。高いトルクが得られる。その結果、モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなる。そのため、モータとして稼働させたときでも、安定した性能のモータが得られる。実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0069】
なお、モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率が60%以上80%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率が85.0%以上96.0%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.2mm以下であることが好ましい。コイルの占積率が60%以上80%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率は、85.0%以上96.0%以下であり、かつ、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.2mm以下であることから、コイル導体の占積率が高いことが確保されているし、円筒状に巻いたときに、所定の円筒形状となるのである。高いトルクが得られる。その結果、モータ形成時にヨークとの接着強度が高くなり、安定させる。そのため、モータとして稼働させたときでも、モータ用コイル基板550の位置ずれがなく、安定した性能のモータが得られる。実施形態のモータ用コイル基板550が小型モータに適用される場合、トルクを向上させることでき、性能の高いモータが得られる。
【0070】
実施形態のモータ用コイル基板550はスロットレスモータに用いられる。他の例では、モータ用コイル基板550はスロットレスモータ以外のモータに用いられてもよい。
【0071】
モータ用コイル基板550の外周面OC(断面の外径)の直径は50mm以下である。モータ用コイル基板550の外周面OC(断面の外径)の直径は30mm以下であることが好ましい。直径は50mm以下のモータ用コイル基板550を用いて小型のモータを形成することで、モータ性能の低下を効果的に抑制することができる。モータ用コイル基板550の外周面OCの直径は、ノギス測長で行うのである。なお、
図1で示される実施形態では、モータ用コイル基板550の断面積におけるコイルの占積率は70%である。モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率は93%である。外周面OCの円筒度は、0.1mmである。モータ用コイル基板550の外周面OC(断面の外径)の直径は、16mmである。
【0072】
図9は、実施形態のモータ用コイル基板550(
図6~
図8)を用いたモータ600を模式的に示す断面図である。モータ600は、モータ用コイル基板550をヨーク560の内側に配置し、モータ用コイル基板550の内側に回転軸580と回転軸580に固定された磁石570とを配置することによって形成される。実施形態のモータ600はスロットレスモータである。モータ600のより詳細な構造については
図10に示す。
【0073】
図10は、実施形態のモータ用コイル基板550(
図6~
図8)を用いたモータ600にレゾルバ700(回転センサ)が設置され、回転センサ付きモータ800を模式的に示す断面図である。回転センサ付きモータ800は、モータ600と、モータ600の回転を検出するレゾルバ700とを有する。モータ600は、
図9に示したモータ用コイル基板550、ヨーク560、磁石570、回転軸580に加えてさらに、負荷側ブラケット510と、反負荷側ブラケット520と、負荷側軸受530と、反負荷側軸受540とを有する。磁石570と回転軸580とが回転子610を構成し、モータ用コイル基板550とヨーク560とが固定子620を構成する。
【0074】
モータ用コイル基板550は、円筒状のヨーク560の内側に配置されている。モータ用コイル基板550の外周面OCとヨーク560の内周面560aとは、接着により固定されている。モータ用コイル基板550の内周面ICと磁石570の外周面570aとは、所定の間隙をあけて径方向に対向するように配置されている。
【0075】
負荷側ブラケット510は、ヨーク560の負荷側(
図10における左側)に設けられ、反負荷側ブラケット520は、ヨーク560の反負荷側(
図10における右側)に設けられている。「負荷側」とはモータ600に対して負荷が取り付けられる方向、この例では回転軸580が突出する方向である。「反負荷側」とは負荷側の反対方向、この例ではモータ600に対してレゾルバ700が配置される方向である。負荷側ブラケット510と反負荷側ブラケット520は、ヨーク560と別部材として構成されてもよいし、それらの少なくとも一方はヨーク560と一体の部材として構成されてもよい。
【0076】
負荷側軸受530は負荷側ブラケット510に設けられ、反負荷側軸受540は反負荷側ブラケット520に設けられている。磁石570と回転軸580とを含む回転子610は、負荷側軸受530と反負荷側軸受540により、回転軸心AX(第1軸心)を中心として回転する。回転軸心AXと、モータ用コイル基板550を周方向に巻く際の中心となる軸心(第2軸心)は同一軸心である。なお、本実施形態において「軸方向」は回転軸心AXに平行な方向、「周方向」は回転軸心AXを中心とする円周方向、「径方向」は回転軸心AXを中心とする半径方向である。
【0077】
レゾルバ700は、モータ600の反負荷側(
図10における右側)に配置されている。レゾルバ700は、レゾルバ部710と、回転トランス720と、レゾルバカバー730とを有する。レゾルバ部710と回転トランス720は、軸方向に直列に配置されており、レゾルバカバー730の内部に収容されている。本実施形態では、レゾルバ部710が回転トランス720よりも反負荷側に配置されているが、反対に回転トランス720がレゾルバ部710よりも反負荷側に配置されてもよい。
【0078】
レゾルバ部710は、巻線を備えたレゾルバロータ740と、巻線を備えたレゾルバステータ750とを有する。レゾルバロータ740(回転部材、検出部)は、回転軸580の反負荷側の端部に設けられた延長軸580aの外周に設けられており、回転軸580と共に回転する。レゾルバステータ750(検出部)は、レゾルバロータ740と径方向に所定の間隙をあけて対向するように配置されている。回転トランス720は、巻線を備えたロータトランス760と、巻線を備えたステータトランス770とを有する。ロータトランス760は、延長軸580aの外周に設けられており、回転軸580と共に回転する。ステータトランス770は、ロータトランス760と径方向に所定の間隙をあけて対向するように配置されている。レゾルバ700は、レゾルバ部710により回転子610の回転角度(位相)を検出し、その検出信号を回転トランス720を介して外部に出力する。
【0079】
なお、レゾルバ700は、レゾルバステータ750に2相の励磁信号を入力し、レゾルバロータ740から1相の信号を出力する2相励磁1相出力型でもよいし、レゾルバロータ740に1相の励磁信号を入力し、レゾルバステータ750から2相の信号を出力する1相励磁2相出力型でもよい。他の例では、レゾルバロータ740の外周面を、レゾルバステータ750とのギャップが回転子610の回転角度に対して正弦波状に変化する形状とし、リラクタンスを回転子610の回転角度に応じて変化させるバリアブルリラクタンス型(VR型)としてもよい。この場合、レゾルバロータ740の巻線及び回転トランス720は不要となる。また、モータ600の回転角度を検出する回転センサはレゾルバに限るものではなく、例えば光学式又は磁気式のロータリーエンコーダを使用してもよい。
【0080】
図示は省略されるが、実施形態の回転センサ付きモータ800は、当該回転センサ付きモータ800により駆動される動作部材を備える産業用機器に用いられる。産業用機器は、モータを回転、停止、逆回転を様々に行うことで対象物を移動を行うことができる装置、機器等に用いられる。また、産業用機器に用いられる事例としては、例えば垂直多関節型ロボット、水平多関節型ロボット、パラレルリンクロボット、ロボットハンド等の各種の産業用ロボットに適用してもよい。この場合には、回転センサ付きモータ800により各ロボットの関節が駆動される。その他にも、実施形態の回転センサ付きモータ800は、例えば部品の加工、組立、搬送、溶接、塗装、計量、検査等、様々な用途に使用される産業用機器に用いることが可能である。
【0081】
以上の通り、実施形態のコイル基板2(
図1~
図5)、モータ用コイル基板550(
図6~
図8)、モータ600(
図9)、回転センサ付きモータ800(
図10)の構成が説明された。上記の通り、実施形態の回転センサ付きモータ800では、モータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度は0.0mmより大きく0.3mm以下である。そのため、外周面OCの円筒度が0.0mmである場合に比べ、接着状態のモータ用コイル基板550の外周面OCとヨーク560の内周面560aが滑り難く、接着強度が高い。回転子610の回転時にモータ用コイル基板550のコイル20U、20V、20Wと磁石570との間に相互作用が働いても、モータ用コイル基板550がヨーク560から剥がれ難い。回転時に回転子610の軸振れや振動等が生じ難く、回転子610の回転軸心AXとモータ用コイル基板550を周方向に巻く際の中心となる軸心との同軸性も維持される。その結果、実施形態の回転センサ付きモータ800では、レゾルバ700により回転子610の回転角度を正確に検出できる。性能及び信頼性の高い回転センサ付きモータ800が得られる。
【0082】
実施形態の回転センサ付きモータ800では、モータ用コイル基板550の外周面OCの直径は、50mm以下である。直径50mm以下のモータ用コイル基板550を用いて小型の回転センサ付きモータ800を形成することで、モータ性能の低下を効果的に抑制することができる。性能及び信頼性の高い回転センサ付きモータ800が得られる。
【0083】
実施形態の回転センサ付きモータ800では、モータ用コイル基板550の巻き回数は、2回以上10回以下である。巻き回数を2回以上10回以下とすることにより、形成されるモータ用コイル基板550の外周面OCの円筒度が0.0mmより大きく0.3mm以下となる。そのため、モータ性能の低下を抑制することができる。性能及び信頼性の高い回転センサ付きモータ800が得られる。
【0084】
実施形態の回転センサ付きモータ800では、モータ用コイル基板550の断面におけるコイルの占積率は、50%以上99%以下である。コイルの占積率を50%以上99%以下とすることで、高トルクのモータが得られる。性能及び信頼性の高い回転センサ付きモータ800が得られる。
【0085】
実施形態の回転センサ付きモータ800では、モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率は、80.0%以上99.9%以下である。配線の比率が80.0%以上99.9%以下のモータ用コイル基板550を用いることで、高トルクのモータが得られる。性能及び信頼性の高い回転センサ付きモータ800が得られる。
【0086】
実施形態の産業用機器では、高トルクで且つ回転角度を正確に検出できる回転センサ付きモータ800により動作部材を駆動することで、小型で且つ信頼性の高い産業用機器が得られる。
【0087】
[実施形態の改変例]
図11と
図12は、実施形態の改変例を示す。
図11は改変例のコイル基板102を示す平面図である。
図12は改変例のコイル基板102を示す底面図である。
図11、
図12に示されるように、改変例では、U相コイル20U、V相コイル20V、W相コイル20Wを構成するコイル31U、31V、31Wの配線の配置が実施形態と異なる。
【0088】
なお、
図11、
図12では、U相コイル20U、V相コイル20V、W相コイル20Wを構成するコイルとして、コイル31U、31V、31Wのみが示されているが、実際にはU相コイル20U、V相コイル20V、W相コイル20Wはコイル31U、31V、31Wを含む複数個のコイルによって形成されていてもよい。また、
図11、
図12では、U相端子40U、V相端子40V、W相端子40W、コイル間接続線50U、50V、50W、複数の相間接続線60U、60V、戻り線70W、の図示を省略している。
【0089】
U相コイル20Uを構成するコイル31Uは、第1面10F上に設けられるコイル形状の第1配線30UF(
図11)と第2面10B上に設けられるコイル形状の第2配線30UB(
図12)とからなる。第1配線30UFと第2配線30UBは、フレキシブル基板10を貫通するビア導体81Uを介して電気的に接続されている。同様に、V相を構成するコイル20Vは第1配線30VFと第2配線30VBとからなる。第1配線30VFと第2配線30VBはビア導体81Vを介して電気的に接続されている。W相を構成するコイル20Wは第1配線30WFと第2配線30WBとからなる。第1配線30WFと第2配線30WBはビア導体81Wを介して電気的に接続されている。
【0090】
図11に示されるように、第1配線30UFは、外周から内周に向かって右回りの渦巻状(六角形の渦巻状)に形成されている。ビア導体81Uは第1配線30UFの内周側端部に形成されている。
図12に示されるように、第2配線30UBは、外周から内周に向かって右回りの渦巻状(六角形の渦巻状)に形成されている。ビア導体81Uは第2配線30UBの内周側端部に形成されている。第1配線30UFと第2配線30UBは、同じ面から見て反対の巻き方向の渦巻状に形成されている。第1配線30UFと第2配線30UBはフレキシブル基板10を介して重なっている。第1配線30UFと第2配線30UBは電気的に直列に接続された1つのコイル31Uとして機能する。
【0091】
第1配線30VFと第2配線30VB、及び、第1配線30WFと第2配線30WBは、上記の第1配線30UFと第2配線30UBと同様の関係を有する。第1配線30VFと第2配線30VBは、同じ面から見て反対の巻き方向の渦巻状に形成されている。第1配線30VFと第2配線30VBはフレキシブル基板10を介して重なっている。第1配線30VFと第2配線30VBは電気的に直列に接続された1つのコイル31Vとして機能する。第1配線30WFと第2配線30WBは、同じ面から見て反対の巻き方向の渦巻状に形成されている。第1配線30WFと第2配線30WBはフレキシブル基板10を介して重なっている。第1配線30WFと第2配線30WBは電気的に直列に接続された1つのコイル31Wとして機能する。
【0092】
図示は省略されるが、第1面10Fと第1配線30UF、30VF、30WF上は樹脂絶縁層で覆われている。同様に第2面10Bと第2配線30UB、30VB、30WB上は樹脂絶縁層で覆われている。本明細書における小型モータとは、外径の直径が50mm以下のモータである。
【0093】
図11、
図12に示されるように、改変例では各コイル20U、20V、20Wの配線は六角形状に配置されている。他の例では、各コイル20U、20V、20Wの配線は円形(真円形、楕円形)、三角形、四角形(正方形、長方形、ひし形)、五角形、七角形以上の多角形等、任意の形状に配置されていてもよい。また、すべてのコイルの配線の配置形状が同一であることに限られず、コイル間で配線の配置形状が異なっていてもよい。
【0094】
改変例のコイル基板102は任意の方法で製造される。例えば、コイル基板2は、導体層(金属箔)を有するフレキシブル基板を出発材料として、テンティング法によって形成されてもよい。他の例では、コイル基板102は、フレキシブル基板上に印刷やディスペンス法で金属層を形成することによって得られてもよい。さらに他の例では、コイル基板102は、3Dプリンタで可撓性材料と金属層を形成することによって得られてもよい。
【0095】
改変例のコイル基板102が円筒状に巻かれることによって、モータのためのモータ用コイル基板550が形成される(
図6~
図8参照)。改変例のコイル基板102によって形成されるモータ用コイル基板550も、実施形態のモータ用コイル基板550と同様の特徴を有する。従って、改変例のモータ用コイル基板550も、実施形態のモータ用コイル基板550と同様の作用効果を発揮することができる。また、改変例のコイル基板102によって形成されるモータ用コイル基板550を用いた回転センサ付きモータ800も、実施形態の回転センサ付きモータ800と同様の特徴を有する。従って、改変例の回転センサ付きモータ800も、実施形態の回転センサ付きモータ800と同様の作用効果を発揮することができる。なお、
図11、
図12で示される改変例では、モータ用コイル基板550の断面積におけるコイルの占積率は65%である。モータ用コイル基板550の全重量に占める配線の比率は91%である。外周面OC(
図7参照)の円筒度は、0.1mmである。モータ用コイル基板550の外周面OC(断面の外径)の直径は、16mmである。
【符号の説明】
【0096】
2、102:コイル基板
10:フレキシブル基板
10B:第2面
10F:第1面
20U:U相コイル
20V:V相コイル
20W:W相コイル
550:モータ用コイル基板
560:ヨーク
560a:内周面
570:磁石
580:回転軸
600:モータ
610:回転子
620:固定子
700:レゾルバ
740:レゾルバロータ
750:レゾルバステータ
800:回転センサ付きモータ
AX:回転軸心
IC:内周面
OC:外周面