(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151687
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065234
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】516285984
【氏名又は名称】株式会社アンドパッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】前島 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】穀田 あずさ
(72)【発明者】
【氏名】四倉 昇平
(72)【発明者】
【氏名】金近 望
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】資材管理の利便性を向上できる情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理方法は、複数の工程又は工種のうち少なくとも1つの工程又は工種で使用する資材の納品情報を情報処理装置の記憶部又はデータベースに保存するように管理システムから情報処理装置に対して送信された依頼に応じて資材の納品情報を保存するステップと、資材を使用する工程別又は工種別に前記資材の納品情報を表示するステップとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が複数の工程又は工種を含む工事に関する情報を処理する情報処理方法であって、
前記複数の工程又は工種のうち少なくとも1つの工程又は工種で使用する資材の納品情報を前記情報処理装置の記憶部又はデータベースに保存するように管理システムから前記情報処理装置に対して送信された依頼に応じて前記資材の納品情報を保存するステップと、
前記資材を使用する工程別又は工種別に前記資材の納品情報を表示するステップと
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記資材の納品情報を表示するステップにおいて、前記資材の納品情報のうち前記資材の名称、納品予定日、及び納品数量を表示する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記資材の納品情報を表示するステップにおいて、前記少なくとも1つの工程又は工種の中から前記資材の納品情報を表示する工程又は工種の選択を入力可能なインタフェースを表示し、前記インタフェースへの入力によって選択された工程又は工種で使用する資材の納品情報を表示する、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの工程又は工種の工程情報と前記少なくとも1つの工程又は工種で使用する資材の納品情報とに基づいて、前記資材の納品スケジュールに関するアラートを表示するステップを更に含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載の情報処理方法を情報処理装置に実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築工事現場において必要とされる各種資材の発注又は納品等の履歴を一覧的に確認できるシステムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工事の元請けが協力業者に作業を委託する場合において、協力業者が作業の現場で使用する資材は、元請けによって発注される。元請けは、特許文献1に記載されているシステムを用いて資材の発注及び納品を管理する場合、システムを閲覧できない協力業者に対して別の手段で資材の情報を共有する必要がある。この場合、協力業者が資材の情報を適時に把握できないことがある。また、元請けから協力業者に対して資材の情報を共有する作業は、元請けの作業負荷を増大させる。その結果、元請け及び協力業者にとって資材管理の利便性が低下する。
【0005】
本開示の目的は、資材管理の利便性を向上できる情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が複数の工程又は工種を含む工事に関する情報を処理する方法である。前記情報処理方法は、前記複数の工程又は工種のうち少なくとも1つの工程又は工種で使用する資材の納品情報を前記情報処理装置の記憶部又はデータベースに保存するように管理システムから前記情報処理装置に対して送信された依頼に応じて前記資材の納品情報を保存するステップと、前記資材を使用する工程別又は工種別に前記資材の納品情報を表示するステップとを含む。
【0007】
(2)上記(1)に記載の情報処理方法の前記資材の納品情報を表示するステップにおいて、前記資材の納品情報のうち前記資材の名称、納品予定日、及び納品数量を表示してよい。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理方法の前記資材の納品情報を表示するステップにおいて、前記少なくとも1つの工程又は工種の中から前記資材の納品情報を表示する工程又は工種の選択を入力可能なインタフェースを表示し、前記インタフェースへの入力によって選択された工程又は工種で使用する資材の納品情報を表示してよい。
【0009】
(4)上記(1)から(3)までのいずれか1つに記載の情報処理方法は、前記少なくとも1つの工程又は工種の工程情報と前記少なくとも1つの工程又は工種で使用する資材の納品情報とに基づいて、前記資材の納品スケジュールに関するアラートを表示するステップを更に含んでよい。
【0010】
(5)本開示の一実施形態に係る情報処理プログラムは、上記(1)から(4)までのいずれか1つに記載の情報処理方法を情報処理装置に実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法及び情報処理プログラムによれば、資材管理の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図4A】納品情報を表示する工程又は工種の選択画面の一例を示す図である。
【
図4B】納品情報を表示する納品予定日の指定画面の一例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る情報処理方法の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
工事で用いる資材について、工事を受注した元請けと工事を実施する協力業者とが異なる場合、元請けが工事で用いる資材を手配することがある。資材の手配は、資材の発注を含んでよい。資材の手配は、資材の納品スケジュールの管理を含んでよい。元請けが手配した資材は、工事の現場又は所定の資材置き場等に納品されてよいし、元請け又は協力業者の倉庫等に納品されてもよい。納品された資材は、協力業者が工事の進捗に合わせて使用できるように協力業者又は元請けによって管理される。
【0014】
元請けは、資材の発注先の資材管理システムにログインし、資材管理システムにおいて資材を発注したり資材の納品スケジュールを確認したりできる。一方で、元請けは、協力業者に対して資材管理システムへのログインの権限を付与しないことがある。協力業者に資材管理システムへのログインの権限が付与されない場合、協力業者は、資材管理システムにログインして資材の納品スケジュールを確認できない。例えば協力業者が元請けに対して資材の納品スケジュールの確認を要求した場合、元請けを経由した確認に時間がかかることによって、協力業者が資材の納品スケジュールを適時に確認できない。また、元請けが協力業者に対して資材の納品スケジュールを伝える作業は、元請けの作業負荷を増大させる。その結果、元請け及び協力業者にとって資材管理の利便性が低下する。資材管理の利便性の向上が求められる。
【0015】
以下、資材管理の利便性を向上できる情報処理システム1(
図1参照)、並びに、情報処理方法及び情報処理プログラムが説明される。
【0016】
(情報処理システム1の概要)
図1に示されるように、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置10を備える。情報処理システム1は、必須ではないがデータベース20を更に備える。情報処理装置10とデータベース20とは、ネットワーク80を介して通信可能に接続される。情報処理装置10とデータベース20とは、ネットワーク80を介さずにP2P(Peer to Peer)で通信可能に接続されてもよい。情報処理システム1は、ネットワーク80を介して管理システム30と通信可能に接続される。情報処理システム1は、ネットワーク80を介さずに管理システム30と通信可能に接続されてもよい。
【0017】
管理システム30は、工事の元請けが発注した資材の納品スケジュールを管理する。管理システム30は、工事の元請けから資材の発注を受け付けてもよい。工事の元請けは、管理システム30にアカウントを有し、管理システム30にログインして資材の管理情報を確認できるとする。一方で、工事の協力業者は、管理システム30にアカウントを有さず、管理システム30によって資材の管理情報を確認できないとする。
【0018】
情報処理システム1は、API(Application Programming Interface)連携によって、管理システム30からデータを取得できるように構成される。具体的に、管理システム30は、API連携先の情報処理システム1に対してデータの保存を依頼する。情報処理システム1は、管理システム30から受信した依頼に基づいて、情報処理装置10又はデータベース20にデータを保存する。
【0019】
ここで、工事の協力業者は、情報処理システム1にアカウントを有し、情報処理システム1にログインして情報処理システム1に保存されているデータを閲覧できるとする。情報処理システム1は、保存したデータを、協力業者による閲覧に供する。
【0020】
比較例としてファイル連携によってデータを取得することが考えられる。ファイル連携は、例えばCSV(Comma Separated Value)形式等でデータをエクスポートしたファイルをインポートすることによってデータを共有する方式である。ファイル連携によるデータの共有は自動化され難い。また、データの更新の共有が自動化されないことによって、データの更新が適時に反映されない。
【0021】
比較例に対して、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1は、API連携によって管理システム30からデータを取得できることによって、適時にデータを取得できる。工事の協力業者は、情報処理システム1によって、資材の情報を適時に閲覧できる。また、工事の元請けが協力業者に対して資材の情報を共有する作業を行わなくてよい。その結果、元請け及び協力業者にとって資材管理の利便性が向上する。
【0022】
(情報処理システム1の構成例)
以下、情報処理システム1の具体的な構成例が説明される。
【0023】
<情報処理装置10>
図2に示されるように、情報処理装置10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、入力部14と、表示部15とを備える。
【0024】
制御部11は、情報処理装置10の各構成部を制御する。制御部11は、1つ以上のプロセッサを含んで構成されてよい。本実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等を含んでよいがこれらに限られない。制御部11は、1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよい。専用回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含んでよい。制御部11は、プロセッサの代わりに専用回路を含んで構成されてもよいし、プロセッサとともに専用回路を含んで構成されてもよい。
【0025】
記憶部12は、情報処理装置10の各構成部を動作させるための各種情報又はプログラム等を格納する。記憶部12は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してよい。記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよい。記憶部12は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてもよい。記憶部12は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んで構成されてもよい。記憶部12は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、制御部11のワークメモリとして機能してよい。記憶部12は、制御部11と一体に構成されてもよいし、制御部11と別体で構成されてもよい。
【0026】
通信部13は、データベース20又は管理システム30等の他の装置とネットワーク80を介して又はネットワーク80を介さずに通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応してよい。通信モジュールは、LAN(Local Area Network)等の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、有線又は無線の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、これらに限られず、種々の通信規格に対応してよい。ネットワーク80は、有線であっても無線であってもよい。ネットワーク80は、インターネット又はイントラネット等の種々の態様で構成されてよい。
【0027】
入力部14は、情報処理装置10のユーザによる操作入力、又は、情報若しくはデータ等の入力を受け付ける入力デバイスを含んでよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサ又はマウス等のポインティングデバイスを含んでよい。入力デバイスは、後述する表示部15の表示デバイスと一体化したタッチディスプレイとして構成されてもよい。入力デバイスは、物理キーを含んでもよい。入力デバイスは、マイク等の音声入力デバイスを含んでもよい。
【0028】
表示部15は、情報処理装置10のユーザに対して視覚情報を与えるように、文字若しくは記号、図形、又は画像等を表示する表示デバイスを含んでよい。表示デバイスは、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)若しくは無機ELディスプレイ、又はLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の種々のディスプレイを含んでよい。
【0029】
情報処理装置10は、例えば、ノートPC(Personal Computer)若しくはタブレットPC等のコンピュータ、又は、スマートフォン若しくはタブレット等の携帯端末として実現されてもよい。情報処理装置10は、これらの例に限られず、種々の機器を含んでよい。
【0030】
<データベース20>
データベース20は、少なくとも1台のサーバを含んで構成されてよい。データベース20は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよい。データベース20は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてもよい。データベース20は、情報処理装置10等の他の装置と通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。
【0031】
以上述べてきた情報処理システム1において、データベース20は、クラウドサービスを用いて実現されてよい。情報処理装置10は、クラウド上で実現されているデータベース20と通信可能に構成されてよい。データベース20は、オンプレミス環境で実現されてもよい。
【0032】
情報処理装置10は、記憶部12によってデータベース20の機能を実現してもよい。情報処理装置10がデータベース20の機能を実現する場合において、情報処理システム1は、データベース20に登録されている情報を閲覧できる端末装置を更に備えてよい。情報処理システム1は、端末装置として機能する情報処理装置10を、データベース20として機能する情報処理装置10と別の装置として備えてもよい。
【0033】
(管理システム30の構成例)
管理システム30は、資材の提供元に対する工事の元請けからの資材の発注、又は、発注した資材の納品スケジュールを管理する。管理システム30は、元請けからの資材の発注に関する情報を受け付けてよい。管理システム30は、元請けが発注した資材の情報を資材の提供元に送信してよい。管理システム30は、資材の納品スケジュールを資材の提供元から取得し、資材の発注から納品までを管理してよい。
【0034】
管理システム30は、少なくとも1台のサーバを含んで構成されてよい。管理システム30は、少なくとも1台の記憶装置を含んで構成されてよい。管理システム30は、クラウドサービスを用いて実現されてよいしオンプレミス環境で実現されてもよい。
【0035】
(情報処理システム1の動作例)
情報処理システム1において、情報処理装置10の制御部11は、工事に関する情報を処理する。工事に関する情報は、工事情報とも称される。工事は、複数の工程又は工種を含むとする。工程は、例えば、仮設若しくは仮囲、基礎工事、躯体工事、造作工事、又は仕上工事等を含んでよいがこれらに限られない。工種は、工事種別のことであり、例えば、付帯工事、外壁工事、タイル工事、住宅設備工事、雑工事、木工事、金属・樋工事、屋根工事、電気設備工事、鋼製建具工事又は内装工事等を含んでよいがこれらに限られない。
【0036】
<工事情報の例>
工事情報は、詳細情報を含んでよい。詳細情報は、例えば、工事の契約に関する情報を含んでよい。契約に関する情報は、契約情報とも称される。契約情報は、工事を請け負った法人又は店舗、つまり工事の元請けを特定する情報を含んでよい。契約情報は、工事の名称等の工事を特定する情報を含んでよい。契約情報は、工事を実施する土地の住所等の工事場所を特定する情報を含んでよい。契約情報は、契約に関する営業担当者の情報を含んでよい。契約情報は、工事を施工する法人又は担当者の情報を含んでよい。契約情報は、工事の設計を担当する法人又は担当者の情報を含んでよい。契約情報は、工事の着工予定日を含んでよい。契約情報は、工事の完成予定日を含んでよい。
【0037】
工事情報は、工事の工程表又はマイルストーンを含んでよい。工事情報は、工事に関する写真を含んでよい。工事に関する写真は、工事現場で撮影された写真を含んでよい。工事情報は、工事現場で写真を撮影するために現場に写り込ませる黒板を含んでよい。工事の工程表、マイルストーン、写真又は黒板等は、工程情報とも総称される。工程情報は、工事の元請けを特定する情報を含んでよい。工程情報は、工事に含まれる工程を特定する情報を含んでよい。工程情報は、各工程の着工日、検査日、完了日又は引渡日等を含んでよい。工程情報は、各工程で実行される工種を特定する情報を含んでよい。
【0038】
工事情報は、工事に関する資料又は図面を含んでよい。工事情報表示画面50は、工事担当者が工事の資料又は図面等を閲覧するための操作を入力する枠を表示してよい。
【0039】
工事情報は、工事で使用する資材の発注又は納品に関する情報を含んでよい。資材の発注又は納品に関する情報は、納品情報とも称される。
【0040】
納品情報は、資材の発注元の法人又は店舗を特定する情報を含んでよい。納品情報は、資材を使用する工事を特定する情報を含んでよい。納品情報は、資材の発注先を特定する情報を含んでよい。納品情報は、資材を特定する情報を含んでよい。資材を特定する情報は、例えば、資材のコード、品番、名称、仕様、又は寸法等を含んでよい。資材の仕様は、資材の色等を含んでよい。
【0041】
納品情報は、資材の発注元が希望する資材の納品日を含んでよい。発注元が希望する納品日は、納品希望日とも称される。納品情報は、発注先から回答された納品予定日を含んでよい。納品情報は、発注した資材の数量及び単位を含んでよい。納品情報は、発注した資材の単価を含んでよい。
【0042】
1種類の資材が2回以上に分けて納品されることがある。この場合、納品情報は、1つの資材について複数の納品希望日又は複数の納品予定日を含んでよい。また、納品情報は、各回に納品される予定の数量を含んでよい。
【0043】
納品情報は、資材が使用される工種を特定する情報を含んでよい。工種を特定する情報は、例えば、工種のコード又は名称等を含んでよい。工種を特定する情報は、工種の内訳の情報を含んでよい。納品情報は、資材が使用される工程を特定する情報を含んでよい。工程を特定する情報は、例えば、工程のコード又は名称等を含んでよい。工程を特定する情報は、工程の内訳の情報を含んでよい。
【0044】
<管理システム30で管理されている情報の受信及び保存>
資材は、管理システム30において元請けから発注先に対して発注される。資材の納品希望日は、管理システム30において元請けから発注先に対して伝えられる。資材の納品予定日は、管理システム30において発注先から元請けに対して伝えられる。つまり、納品情報は、管理システム30において管理される。本実施形態に係る情報処理システム1は、管理システム30から納品情報を受信して保存し、管理システム30にアカウントを有しない協力業者に納品情報を閲覧させる。
【0045】
情報処理システム1は、API連携によって管理システム30から納品情報を受信して保存する。具体的に、管理システム30は、資材の納品情報を保存する依頼を情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の制御部11は、管理システム30から送信された依頼に応じて資材の納品情報を保存する。制御部11は、資材の納品情報を、情報処理装置10の記憶部12又はデータベース20に保存する。
【0046】
管理システム30が情報処理装置10に対して資材の納品情報を保存する依頼を送信するタイミングは適宜定められる。管理システム30は、例えば、あらかじめ定められた周期で資材の納品情報を保存する依頼を送信してよい。管理システム30は、例えば、資材の納品情報が更新されたときに資材の納品情報を保存する依頼を送信してよい。管理システム30は、例えば、情報処理装置10からの要求を受けた場合に資材の納品情報を保存する依頼を送信してよい。
【0047】
管理システム30は、契約情報の少なくとも一部を管理してよい。情報処理システム1は、管理システム30から契約情報を受信して保存し、管理システム30にアカウントを有しない協力業者に契約情報を閲覧させてもよい。
【0048】
管理システム30は、工程情報の少なくとも一部を管理してよい。情報処理システム1は、管理システム30から工程情報を受信して保存し、管理システム30にアカウントを有しない協力業者に、管理システム30で管理されている工程情報を閲覧させてもよい。
【0049】
<工事情報の表示>
情報処理装置10の制御部11は、工事情報を閲覧するユーザの操作に応じて工事情報を表示する。工事情報のうち、ユーザは、協力業者の工事担当者又は管理者等を含む。制御部11は、
図2に例示されるように、工事情報をユーザが閲覧できるように工事情報表示画面50を表示部15に表示してよい。工事情報表示画面50は、工事情報の一覧を表示してもよいし、工事情報を閲覧するための操作を入力する枠を表示してもよい。工事情報表示画面50は、ユーザが詳細情報、工事の工程表、マイルストーン、写真又は黒板等を閲覧するための操作を入力する枠を表示してよい。工事情報表示画面50は、ユーザが納品情報を閲覧するための操作を入力する枠として、資材表示ボタン51を表示してよい。
【0050】
制御部11は、
図3に例示されるように、資材の納品情報を納品情報表示画面40として表示部15に表示してよい。制御部11は、工事情報表示画面50の資材表示ボタン51に対してユーザがクリック、タッチ又はタップ等の操作を入力した場合に、表示部15に表示する画面を、工事情報表示画面50から納品情報表示画面40に遷移させてよい。
【0051】
納品情報表示画面40は、検索操作部41を含んでよい。検索操作部41は、納品情報表示画面40に納品情報を表示する資材を絞り込むための検索キーワードの入力を受け付ける。制御部11は、検索操作部41に入力された検索キーワードに基づいて、納品情報表示画面40に納品情報を表示する資材を選択する。
【0052】
制御部11は、例えば工種別表示操作部43に操作入力された場合に、資材を使用する工程別又は工種別に資材の納品情報を表示してよい。制御部11は、例えば、資材を使用する工程別又は工種別のグループに資材を分類し、各グループに分類した資材の納品情報を一覧で表示してよい。制御部11は、各グループを表示する順番を適宜設定してよい。制御部11は、例えば、工程又は工種の実施日が早い順番に各グループを表示してよい。制御部11は、例えば、工程又は工種の重要度が高い順番に各グループを表示してよい。工程又は工種の重要度は、他の工程又は工種との関連によって定まる。例えば、ある工程又は工種が完了した後ではじめて着手できる工程又は工種の数が多いほど、その工程又は工種の重要度が高い。
【0053】
制御部11は、資材を使用する工程又は工種に基づいて資材を絞り込んで資材の納品情報を表示してよい。言い換えれば、制御部11は、資材を使用する工程別又は工種別に資材を分類したグループのうち、特定の工程又は工種のグループに絞り込んで資材の納品情報を表示してよい。制御部11は、例えば、検索操作部41に入力された工程又は工種の名称に基づいてグループを絞り込み、そのグループに分類される資材の納品情報を表示してよい。
【0054】
制御部11は、納品情報表示画面40において、資材の納品情報を表示する工程又は工種の選択を入力可能なインタフェースを表示してよい。制御部11は、検索操作部41を、資材の納品情報を表示する工程又は工種の選択を入力可能なインタフェースとして機能させてよい。制御部11は、資材の納品情報を表示する工程又は工種の選択を入力可能なインタフェースとして、
図4Aに例示されるように、工程又は工種を一覧から選択できる操作枠を表示してもよい。制御部11は、インタフェースへのユーザの入力によって選択された工程又は工種で使用する資材の納品情報を、納品情報表示画面40に表示してよい。
【0055】
制御部11は、資材の種類別に分類して資材の納品情報を表示してよい。制御部11は、資材の種類に基づいて資材を絞り込んで納品情報を表示してよい。資材の種類は、例えば、鉄鋼、骨材、木材、石材、ガラス、仮設材、接着剤、塗料、防水材、断熱材、床材、屋根材、建具、又はボード等の建築資材を含んでよい。資材の種類は、例えば、ケーブル、電線、ダクト、電気機器等の電気設備を含んでよい。資材の種類は、配管、計器、ポンプ、又は空調機器等の機械設備を含んでよい。資材の種類は、上述した例に限られない。
【0056】
納品情報表示画面40は、資材の基本情報を表示する基本情報表示枠46と、詳細情報表示枠47とを含む。基本情報表示枠46は、納品情報表示画面40に表示する全ての資材について表示される。詳細情報表示枠47は、ユーザによる詳細情報表示ボタン45の操作に応じて表示される。
図3において、詳細情報表示枠47は、基本情報表示枠46に表示されている資材の詳細情報を表示する。詳細情報表示枠47は、詳細情報表示ボタン45の操作に応じて展開されたり収納されたりしてよい。
【0057】
納品情報の項目は、基本情報として、例えば、資材の名称、資材を使用する工事、資材の納品希望日、資材の納品予定日、又は資材の納品数量等を含んでよい。基本情報は、協力業者が資材を判別するために必要な最小限の情報を含んで構成されてよい。基本情報は、協力業者が資材を管理するために必要な最小限の情報を含んで構成されてもよい。
【0058】
制御部11は、基本情報として、資材の名称、納品予定日及び納品数量を表示してよい。このようにすることで、協力業者は、納品情報表示画面40を開いたときに資材の名称、納品予定日及び納品数量をすぐに確認し、資材を使用する工程に間に合うようにその資材が納品されるかを迅速に認識できる。また、協力業者は、資材を使用する工程を実行する予定に対して早すぎるタイミングで資材が届く場合に、その資材の置き場所を確保する必要性を認識できる。制御部11は、納品予定日別表示操作部44に操作入力された場合に、納品予定日別に資材の納品情報を表示してもよい。このようにすることで、協力業者は、資材の納品予定日を認識しやすい。制御部11は、資材の納品情報を表示する納品予定日の選択を入力可能なインタフェースとして、
図4Bに例示される操作枠を表示してもよい。制御部11は、インタフェースへのユーザの入力によって選択された納品予定日の条件を満たす資材の納品情報を、納品情報表示画面40に表示してよい。
【0059】
納品情報の項目は、詳細情報として、例えば、資材の品番、資材を使用する工事場所、資材を使用する工種、資材の仕様、資材の寸法、又は資材に関する備考等を含んでよい。
【0060】
基本情報又は詳細情報の項目は、上述した例に限られない。基本情報として例示される項目が詳細情報に含まれてもよい。詳細情報として例示される項目が基本情報に含まれてもよい。基本情報及び納品情報の両方に重複して含まれる項目が存在してもよい。
【0061】
納品情報表示画面40は、設定操作部42を含んでよい。設定操作部42は、納品情報表示画面40に表示する納品情報の項目を設定するための設定画面を表示する。設定操作部42は、納品情報表示画面40に表示する項目をユーザが設定できるように構成されてよい。設定操作部42は、基本情報として表示する項目をユーザが設定できるように構成されてよい。設定操作部42は、詳細情報として表示する項目をユーザが設定できるように構成されてよい。設定操作部42は、工程別又は工種別に分類したグループを一覧で表示する場合に、各グループを表示する順番をユーザが設定できるように構成されてよい。
【0062】
設定操作部42は、納品情報表示画面40に表示する情報の書式をユーザが設定できるように構成されてよい。設定操作部42は、例えば、納品情報表示画面40に表示する各項目の順番又はレイアウトをユーザが設定できるように構成されてよい。設定操作部42は、例えば、納品情報表示画面40に表示する各項目の文字の大きさ、フォント又は色等をユーザが設定できるように構成されてよい。設定操作部42は、例えば、納品情報表示画面40に表示する各項目の背景の色又は画像等をユーザが設定できるように構成されてよい。
【0063】
<アラートの表示>
情報処理装置10の制御部11は、工程情報と納品情報とに基づいて、資材の納品スケジュールに関するアラートを表示してよい。制御部11は、少なくとも1つの工程又は工種の工程情報と、その工程又は工種で使用する資材の納品情報とに基づいて、資材の納品スケジュールに関するアラートを表示してよい。
【0064】
例えば、制御部11は、ある工程又は工種の工程情報としてその工程又は工種の着工予定日を取得してよい。また、制御部11は、その工程又は工種に着工した場合に使用する資材の納品予定日を取得してよい。制御部11は、ある工程又は工種の着工予定日よりもその工程又は工種で使用する資材の納品予定日が遅い場合に、資材の納品が間に合わないことを示すアラートを表示部15に表示してよい。
【0065】
例えば、制御部11は、ある工程又は工種の工程情報としてその工程又は工種における資材の使用数量を取得してよい。また、制御部11は、その工程又は工種において使用する資材の納品数量を取得してよい。制御部11は、ある工程又は工種における資材の使用数量に対して資材の納品数量が不足する場合に、資材の納品が間に合わないことを示すアラートを表示部15に表示してよい。
【0066】
例えば、制御部11は、ある工程又は工種の工程情報としてその工程又は工種における日別の資材の使用数量を取得してよい。また、制御部11は、その工程又は工種で使用する資材の納品予定日及び各納品予定日の納品数量を取得してよい。制御部11は、各日の資材の使用数量の積算に対して各日の資材の納品数量の積算が不足する日が発生する場合に、資材の納品が間に合わないことを示すアラートを表示部15に表示してよい。
【0067】
制御部11は、工程情報と納品情報とに基づいてアラート条件が満たされるか判定し、アラート条件が満たされる場合にアラートを表示してよい。制御部11は、資材の納品予定日又は納品数量が変更された場合にアラート条件が満たされるか判定してよい。アラート条件は、着工予定日に対する納品予定日の遅れが所定日数以上であることを含んでよい。所定日数は1日に設定されてもよいし、2日以上に設定されてもよい。アラート条件は、資材の使用数量に対する納品数量の不足が所定数以上であることを含んでよい。所定数は1に設定されてもよいし、2以上に設定されてもよい。
【0068】
制御部11は、納品情報表示画面40を表示している場合にアラートを表示してよい。制御部11は、納品情報表示画面40において、アラートの文言又は画像等を重畳して表示してよい。制御部11は、納品情報表示画面40において、資材の納品予定日が工程の着工日より遅れる場合に資材の納品予定日の表示の色、フォント又は大きさを変更することによって、アラートを表示してよい。制御部11は、納品情報表示画面40において、資材の納品数量が資材の使用数量に対して不足する場合に資材の納品数量の表示の色、フォント又は大きさを変更することによって、アラートを表示してよい。
【0069】
制御部11は、納品情報表示画面40以外の画面を表示している場合であっても、表示中の画面に重畳してアラートを表示してもよいし、表示中の画面に並べてアラートを表示してもよい。制御部11は、アラートをプッシュ通知として表示してもよい。納品情報表示画面40を表示していない場合にアラートを表示することによって、ユーザが資材の納品の遅延を迅速に認識できる。
【0070】
<情報処理方法の手順例>
以下、情報処理システム1において、情報処理装置10の制御部11が
図5に例示されるフローチャートの手順を含む情報処理方法を実行することによって、資材の納品情報を表示する動作が説明される。情報処理方法は、制御部11に実行させる情報処理プログラムとして実現されてもよい。情報処理プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0071】
制御部11は、管理システム30から納品情報を保存する依頼を受信する(ステップS1)。制御部11は、管理システム30から受信した依頼に基づいて納品情報を記憶部12又はデータベース20に保存する(ステップS2)。
【0072】
制御部11は、納品情報を表示する操作が有ったかを判定する(ステップS3)。具体的に、制御部11は、納品情報を表示する操作が入力部14に入力されたかを判定する。制御部11は、納品情報を表示する操作が有った場合(ステップS3:YES)、納品情報を表示する(ステップS4)。制御部11は、納品情報のうち基本情報を表示し、操作に応じて詳細情報を表示してよい。制御部11は、納品情報を表示する操作が無かった場合(ステップS3:NO)、ステップS4の納品情報の表示手順を実行せずにステップS5の手順に進む。
【0073】
制御部11は、アラート条件が満たされるか判定する(ステップS5)。制御部11は、アラート条件が満たされた場合(ステップS5:YES)、アラートを表示する(ステップS6)。制御部11は、ステップS6の手順の実行後、ステップS1の依頼の受信手順に戻る。制御部11は、アラート条件が満たされない場合(ステップS5:NO)、ステップS6のアラートの表示手順を実行せずにステップS1の受信手順に戻る。制御部11は、ステップS1の依頼の受信手順に戻る代わりに、ステップS3の操作の判定手順に戻ってもよい。
【0074】
<小括>
以上述べてきたように、本実施形態に係る情報処理システム1、情報処理方法及び情報処理プログラムによれば、管理システム30にアカウントを有しない協力業者が情報処理装置10を用いて納品情報を閲覧できる。このようにすることで、管理システム30にアカウントを有している元請けから協力業者に納品情報を共有する必要が無い。その結果、協力業者が納品情報を適時に把握しやすくなる。また、元請けが協力業者に納品情報を共有する作業の負荷が低減する。その結果、元請け及び協力業者にとって資材管理の利便性が向上する。
【0075】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態について装置を中心に説明してきたが、本開示に係る実施形態は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0076】
1 情報処理システム
10 情報処理装置(11:制御部、12:記憶部、13:通信部、14:入力部、15:表示部)
20 データベース
30 管理システム
40 納品情報表示画面(41:検索操作部、42:設定操作部、43:工種別表示操作部、44:納品予定日別表示操作部、45:詳細情報表示ボタン、46:基本情報表示枠、47:詳細情報表示枠)
50 工事情報表示画面(51:資材表示ボタン)
80 ネットワーク