(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151693
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】身長検知システム、空気調和機、身長検知方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20241018BHJP
F24F 11/70 20180101ALI20241018BHJP
A61B 5/107 20060101ALI20241018BHJP
F24F 120/10 20180101ALN20241018BHJP
【FI】
G01B11/02 H
F24F11/70
A61B5/107 400
F24F120:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065246
(22)【出願日】2023-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】上泉 悠
【テーマコード(参考)】
2F065
3L260
4C038
【Fターム(参考)】
2F065AA22
2F065CC16
2F065FF01
2F065FF42
2F065JJ03
2F065JJ08
2F065JJ26
2F065QQ01
2F065QQ21
2F065QQ24
3L260AB02
3L260BA01
3L260CA01
3L260CA02
3L260CA08
3L260CB63
3L260EA02
3L260EA03
3L260FA01
3L260HA01
4C038HH08
4C038HJ03
(57)【要約】
【課題】画像に写る人の身長を検知することができる身長検知システムを提供する。
【解決手段】身長検知システム10は、撮像部20により撮影された人の身長を検知するシステムであって、撮像部20による撮影により得られる画像に写る人の画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、画像に写る基準対象の画像上の位置および大きさを含む画像基準対象情報と、を取得する画像情報取得部11と、基準対象の実際の大きさを含む実基準対象情報を取得する基準対象情報取得部12と、撮像部20の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、撮像部20の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得部13と、画像頭部位置情報、画像基準対象情報、実基準対象情報、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータに基づいて、人の身長を算出する身長算出部14と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムであって、
前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る基準対象の前記画像上の位置および大きさを含む画像基準対象情報と、を取得する画像情報取得部と、
前記基準対象の実際の大きさを含む実基準対象情報を取得する基準対象情報取得部と、
前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得部と、
前記画像頭部位置情報、前記画像基準対象情報、前記実基準対象情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出部と、を備える、
身長検知システム。
【請求項2】
前記画像情報取得部は、
前記画像における前記人の頭部および前記基準対象を検出し、
前記画像頭部位置情報として、前記画像における基準点から前記人の頭部までの垂直方向の画素数を取得し、
前記画像基準対象情報として、前記画像における前記基準対象の垂直方向の画素数、および、前記画像における前記基準点から前記基準対象までの垂直方向の画素数を取得する、
請求項1に記載の身長検知システム。
【請求項3】
前記基準対象は、前記人の人体部位である、
請求項1に記載の身長検知システム。
【請求項4】
前記人体部位は、頭部であり、
前記画像情報取得部は、前記画像頭部位置情報に含まれる前記人の前記画像上の頭部の位置を、前記画像基準対象情報に含まれる前記基準対象の前記画像上の位置から取得する、
請求項3に記載の身長検知システム。
【請求項5】
前記基準対象は、前記撮像部からの距離が前記人と等しい位置に存在する物体である、
請求項1に記載の身長検知システム。
【請求項6】
撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムであって、
前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る前記人の前記画像上の全身の人体領域の大きさを含む画像全身情報と、を取得する画像情報取得部と、
前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得部と、
前記画像頭部位置情報、前記画像全身情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出部と、を備える、
身長検知システム。
【請求項7】
前記画像情報取得部は、
前記画像における前記人の頭部および前記人体領域を検出し、
前記画像頭部位置情報として、前記画像における基準点から前記人の頭部までの垂直方向の画素数を取得し、
前記画像全身情報として、前記画像における前記人体領域の垂直方向の画素数を取得する、
請求項6に記載の身長検知システム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の身長検知システムと接続され、
前記身長検知システムにより算出された前記人の身長に応じて、空気調和に関する運転制御を行う制御部を備える、
空気調和機。
【請求項9】
撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムにより実行される身長検知方法であって、
前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る基準対象の前記画像上の位置および大きさを含む画像基準対象情報と、を取得する画像情報取得ステップと、
前記基準対象の実際の大きさを含む実基準対象情報を取得する基準対象情報取得ステップと、
前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得ステップと、
前記画像頭部位置情報、前記画像基準対象情報、前記実基準対象情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出ステップと、を含む、
身長検知方法。
【請求項10】
前記画像情報取得ステップでは、
前記画像における前記人の頭部および前記基準対象を検出し、
前記画像頭部位置情報として、前記画像における基準点から前記人の頭部までの垂直方向の画素数を取得し、
前記画像基準対象情報として、前記画像における前記基準対象の垂直方向の画素数、および、前記画像における前記基準点から前記基準対象までの垂直方向の画素数を取得する、
請求項9に記載の身長検知方法。
【請求項11】
前記基準対象は、前記人の人体部位である、
請求項9に記載の身長検知方法。
【請求項12】
前記人体部位は、頭部であり、
前記画像情報取得ステップでは、前記画像頭部位置情報に含まれる前記人の前記画像上の頭部の位置を、前記画像基準対象情報に含まれる前記基準対象の前記画像上の位置から取得する、
請求項11に記載の身長検知方法。
【請求項13】
前記基準対象は、前記撮像部からの距離が前記人と等しい位置に存在する物体である、
請求項9に記載の身長検知方法。
【請求項14】
撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムにより実行される身長検知方法であって、
前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る前記人の前記画像上の全身の人体領域の大きさを含む画像全身情報と、を取得する画像情報取得ステップと、
前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得ステップと、
前記画像頭部位置情報、前記画像全身情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出ステップと、を含む、
身長検知方法。
【請求項15】
前記画像情報取得ステップでは、
前記画像における前記人の頭部および前記人体領域を検出し、
前記画像頭部位置情報として、前記画像における基準点から前記人の頭部までの垂直方向の画素数を取得し、
前記画像全身情報として、前記画像における前記人体領域の垂直方向の画素数を取得する、
請求項14に記載の身長検知方法。
【請求項16】
請求項9~15のいずれか1項に記載の身長検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、赤外線センサの熱画像を用いた人体位置決定手段と、人体位置の情報を用いた人体までの距離を算出する距離決定手段と、人体部の形状から姿勢を判別する姿勢判別手段と、距離、姿勢および人体部の画素数に対して大人か子供かを判別する属性決定手段と、属性に応じて空調を制御する動作制御手段と、を有する空気調和機の制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
空気調和機の制御をする際に、赤外線センサなどのカメラにより撮影された画像に写る人の温冷感を個人ごとに推定することが望まれている。しかしながら、特許文献1に開示された装置では、大人か子供かを判別することはできるが、大人か子供かを判別するだけでは、人の温冷感を個人ごとに推定することが難しい場合がある。一方で、人の身長が個人ごとにわかれば、人の産熱量および放熱量を個人ごとに推定することができ、ひいては、人の温冷感を個人ごとに推定することができる。
【0005】
そこで、本開示は、画像に写る人の身長を検知することができる身長検知システムなどを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る身長検知システムは、撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムであって、前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る基準対象の前記画像上の位置および大きさを含む画像基準対象情報と、を取得する画像情報取得部と、前記基準対象の実際の大きさを含む実基準対象情報を取得する基準対象情報取得部と、前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得部と、前記画像頭部位置情報、前記画像基準対象情報、前記実基準対象情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出部と、を備える。
【0007】
本開示に係る身長検知システムは、撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムであって、前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る前記人の前記画像上の全身の人体領域の大きさを含む画像全身情報と、を取得する画像情報取得部と、前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得部と、前記画像頭部位置情報、前記画像全身情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出部と、を備える。
【0008】
本開示に係る空気調和機は、上記の身長検知システムと接続され、前記身長検知システムにより算出された前記人の身長に応じて、空気調和に関する運転制御を行う制御部を備える。
【0009】
本開示に係る身長検知方法は、撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムにより実行される身長検知方法であって、前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る基準対象の前記画像上の位置および大きさを含む画像基準対象情報と、を取得する画像情報取得ステップと、前記基準対象の実際の大きさを含む実基準対象情報を取得する基準対象情報取得ステップと、前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得ステップと、前記画像頭部位置情報、前記画像基準対象情報、前記実基準対象情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出ステップと、を含む。
【0010】
本開示に係る身長検知方法は、撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムにより実行される身長検知方法であって、前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る前記人の前記画像上の全身の人体領域の大きさを含む画像全身情報と、を取得する画像情報取得ステップと、前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得ステップと、前記画像頭部位置情報、前記画像全身情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出ステップと、を含む。
【0011】
本開示に係るプログラムは、上記の身長検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0012】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示における身長検知システムなどによれば、画像に写る人の身長を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態1に係る身長検知システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施の形態1における身長検知方法の第1例を説明するための図である。
【
図3】実施の形態1における身長検知方法の第1例において用いられる画像の一例を示す図である。
【
図4】実施の形態1における身長検知方法の第2例を説明するための図である。
【
図5】実施の形態1における身長検知方法の第2例において用いられる画像の一例を示す図である。
【
図6】実施の形態2に係る身長検知システムの構成の一例を示す図である。
【
図7】実施の形態2における身長検知方法を説明するための図である。
【
図8】実施の形態2における身長検知方法において用いられる画像の一例を示す図である。
【
図9】その他の実施の形態に係る空気調和機の外観正面図である。
【
図10】その他の実施の形態に係る身長検知方法の一例を示すフローチャートである。
【
図11】その他の実施の形態に係る身長検知方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
【0016】
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0017】
(実施の形態1)
以下、
図1から
図5を用いて実施の形態1に係る身長検知システムを説明する。
【0018】
図1は、実施の形態1に係る身長検知システム10の構成の一例を示す図である。
図1には、身長検知システム10の他に撮像部20も示している。なお、身長検知システム10は、撮像部20を備えていてもよい。
【0019】
身長検知システム10は、撮像部20により撮影された人の身長を検知するためのシステムであり、例えば、空気調和機などに接続されたり空気調和機などに搭載されたりする。撮像部20は、例えば、空気調和機が設けられた空間に設置される。なお、撮像部20は、可視光画像を撮影するカメラであってもよいし、熱画像を撮影するサーモセンサであってもよいし、点群データを取得するLiDAR(Light Detection And Ranging)などであってもよい。例えば、身長検知システム10は、検知した人の身長を空気調和機へ出力する。これにより、空間にいる人の身長に適した空気調和に関する運転制御を行うことができる。
【0020】
身長検知システム10は、画像情報取得部11、基準対象情報取得部12、撮像部情報取得部13および身長算出部14を備える。身長検知システム10は、プロセッサ(マイクロプロセッサ)およびメモリなどを含むコンピュータである。メモリは、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などであり、プロセッサにより実行されるプログラムを記憶することができる。画像情報取得部11、基準対象情報取得部12、撮像部情報取得部13および身長算出部14は、メモリに格納されたプログラムを実行するプロセッサなどによって実現される。
【0021】
例えば、身長検知システム10は、1つの筐体のコンピュータ(装置)であってもよいし、複数のコンピュータからなるシステムであってもよい。また、例えば、身長検知システム10は、サーバであってもよい。なお、身長検知システム10が備える構成要素は、1つのサーバに配置されていてもよいし、複数のサーバに分散して配置されていてもよい。
【0022】
画像情報取得部11は、撮像部20による撮影により得られる画像に写る人の画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、画像に写る基準対象の画像上の位置および大きさを含む画像基準対象情報と、を取得する。基準対象は、画像に写る人の人体部位であってもよいし、撮像部20からの距離が画像に写る人と等しい位置に存在する物体であってもよい。なお、等しいとは、完全に等しい場合だけでなく、おおよそ等しい場合も含む。例えば、基準対象が人の周辺(例えば0.5m以内)に存在することを、基準対象が、撮像部20からの距離が画像に写る人と等しい位置に存在することとしてもよい。例えば、上記物体は、身長検知システム10が適用される空間が住宅内の場合には、人が所持するスマートフォン、または、人に装着されたマスクもしくは眼鏡などであってもよい。また、例えば、上記物体は、身長検知システム10が適用される空間が住宅ではない場合(例えばオフィス、工場または商業施設などの場合)には、スマートフォン、マスクまたは眼鏡などの他に、規定サイズの飲料の缶、デスクのディスプレイなどであってもよい。画像に写る人の画像上の頭部の位置、ならびに、画像に写る基準対象の画像上の位置および大きさの取得方法については後述する。
【0023】
基準対象情報取得部12は、基準対象の実際の大きさを含む実基準対象情報を取得する。例えば、身長検知システム10は、実基準対象情報を予め記憶する記憶部を備え、基準対象情報取得部12は、記憶部から実基準対象情報を取得する。
【0024】
例えば、基準対象が人の人体部位の場合、特定の人体部位の大きさが記憶部に記憶される。例えば、人の特定の人体部位は人によって大きさに差が生じにくいため、実際の大きさを仮定して予め決めることができ、記憶部に記憶しておくことができる。したがって、画像に写る人の人体部位の実際の大きさを容易に取得することができる。
【0025】
例えば、人体部位は、頭部であってもよい。例えば、人の頭部は、人によって大きさに差が生じにくい。例えば、身長が検知される対象が日本人の場合、人の頭部の実際の大きさを、日本人の平均の頭部のサイズ(例えば約22.5cm)と仮定して、記憶部に記憶しておくことができる。したがって、画像に写る人の頭部の実際の大きさを容易に取得することができる。また、基準対象が人の頭部であることから、基準対象の画像上の位置と人の頭部の画像上の位置とが同じとなるため、取得する情報を少なくすることができる。すなわち、人の頭部の画像上の位置を取得するだけで、基準対象の画像上の位置も取得することができる。
【0026】
例えば、基準対象が撮像部20からの距離が画像に写る人と等しい位置に存在する物体の場合、当該物体の大きさが記憶部に記憶される。例えば、スマートフォン、マスク、眼鏡、飲料の缶またはディスプレイなどの大きさが記憶部に記憶される。なお、画像に写るこれらの物体の形状または印字から、これらの物体の型番または規格などが画像認識などによりわかる場合には、これらの物体の型番または規格ごとに物体の大きさが記憶部に記憶されていてもよい。
【0027】
なお、基準対象情報取得部12は、基準対象の実際の大きさを記憶するサーバなどから、実基準対象情報を取得してもよい。
【0028】
撮像部情報取得部13は、撮像部20の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、撮像部20の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する。水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度は、例えば俯角であるが、仰角であってもよい。例えば、上記記憶部は、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータを予め記憶しており、撮像部情報取得部13は、記憶部から設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータを取得する。
【0029】
なお、仕様条件パラメータには、撮像部20の視野角に加えて、撮像部20により撮影される画像の垂直画素数が含まれている。これにより、画像における垂直方向の1画素あたりの視野角を算出することができる。
【0030】
なお、撮像部情報取得部13は、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータを記憶するサーバなどから、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータを取得してもよい。
【0031】
身長算出部14は、画像頭部位置情報、画像基準対象情報、実基準対象情報、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータに基づいて、画像に写る人の身長を算出する。
【0032】
身長検知方法の具体例について、第1例および第2例をあげて説明する。まず、身長検知方法の第1例について説明する。
【0033】
図2は、実施の形態1における身長検知方法の第1例を説明するための図である。例えば、第1例では、基準対象が人の頭部である例を説明する。
図2には、撮像部20が人100を斜め上方から撮影している空間の側面図が示されている。撮像部20から延びる2つの破線は、撮像部20の視野の範囲を示している。人100の足元がこの範囲からはみ出ていることから、撮像部20により撮影される画像には、人100の足元が写らない。
【0034】
図3は、実施の形態1における身長検知方法の第1例において用いられる画像の一例を示す図である。
図3に示されるように、画像に人100の足元が写っていないことがわかる。
【0035】
例えば、画像情報取得部11は、画像における人100の頭部および基準対象を検出する。画像における人100の頭部および基準対象の検出方法は特に限定されないが、物体を検出するためのAIモデルに画像を入力することで、画像における人100の頭部および基準対象を検出することができる。
【0036】
画像情報取得部11は、画像頭部位置情報として、画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数を取得する。例えば、基準点は、画像の上端の行における任意の点である。例えば、画像情報取得部11は、画像頭部位置情報として、
図3に示されるように、5ピクセルを取得する。なお、基準点は、画像上における位置がわかっている点であれば、特に限定されない。
【0037】
また、画像情報取得部11は、画像基準対象情報として、画像における基準対象の垂直方向の画素数、および、画像における基準点から基準対象までの垂直方向の画素数を取得する。ここでは、基準対象は、人100の頭部であるため、画像情報取得部11は、画像基準対象情報として、画像における人100の頭部の垂直方向の画素数、および、画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数を取得する。なお、基準対象が人100の頭部であることから、基準対象の画像上の位置と人100の頭部の画像上の位置とが同じとなる。このため、例えば、画像情報取得部11は、画像頭部位置情報に含まれる人100の画像上の頭部の位置を、画像基準対象情報に含まれる基準対象の画像上の位置から取得する。つまり、画像基準対象情報に含まれる基準対象の画像上の位置を取得することで、画像頭部位置情報に含まれる人100の画像上の頭部の位置も同時に取得することができる。例えば、画像情報取得部11は、画像基準対象情報として、
図3に示されるように、画像における人100の頭部の垂直方向の画素数19ピクセル、および、画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数5ピクセルを取得する。
【0038】
図2において、点Fは画像の上端に対応し、点Cは人100の頭部の先端に対応し、線分CBは、画像における人100の頭部(基準対象)の垂直方向の画素数に対応し、線分FCは画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数に対応する。
【0039】
人100の頭部(基準対象)の実際の大きさは、線分CBの大きさである。人100の頭部(基準対象)の実際の大きさを例えば22.5cmとする。
【0040】
撮像部20の設置位置の床面からの高さは、点Aの高さである。撮像部20の設置位置の床面からの高さを例えば200cmとする。
【0041】
水平方向は線分AEの方向であり、水平方向に対する撮像部20の光軸方向は線分AGの方向である。これに伴い、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度は角度EAGとなる。水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を例えば28.3°とする。
【0042】
撮像部20の視野角を例えば42°とする。また、撮像部20により撮影される画像の垂直画素数を例えば120ピクセルとする。これにより、1画素あたりの視野角は42°/120ピクセルから0.35°となる。
【0043】
以上の情報から、人100の身長を以下のように算出することができる。
【0044】
身長算出部14は、撮像部20の視野角(具体的には1画素あたりの視野角)、および、画像における人100の頭部(基準対象)の垂直方向の画素数に基づいて、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の上端とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の下端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度CABであり、角度CAB=0.35°×19ピクセル=6.65°と算出できる。
【0045】
身長算出部14は、撮像部20の視野角(具体的には1画素あたりの視野角)、および、画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数に基づいて、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度FACであり、角度FAC=0.35°×5ピクセル=1.75°と算出できる。
【0046】
身長算出部14は、撮像部20の視野角に基づいて、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20の光軸方向とのなす角度を算出する。当該角度は角度FAGであり、角度FAG=42°/2=21°と算出できる。
【0047】
身長算出部14は、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を取得する。当該角度は角度EAGであり、角度EAG=28.3°である。
【0048】
身長算出部14は、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度、および、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20の光軸方向とのなす角度を算出に基づいて、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度EAFであり、角度EAF=角度EAG-角度FAG=7.3°と算出できる。
【0049】
身長算出部14は、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100上の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分とのなす角度、および、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度EACであり、角度EAC=角度EAF+角度FAC=9.05°と算出できる。
【0050】
身長算出部14は、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の上端とを結ぶ線分とのなす角度、および、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の上端とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の下端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の下端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度EABであり、三角形の相似により角度DCBでもあり、角度EAB(角度DCB)=角度EAC+角度CAB=15.7°と算出できる。
【0051】
身長算出部14は、人100の頭部(基準対象)の実際の大きさ、および、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の下端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、人100の頭部(基準対象)の上端から、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の下端とを結ぶ線分への垂線の長さを算出する。当該長さは線分CDの長さであり、線分CD=人100の頭部の実際の大きさ×cos(角度DCB)=22.5×cos(15.7°)=21.66[cm]と算出できる。
【0052】
身長算出部14は、人100の頭部(基準対象)の上端から、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の下端とを結ぶ線分への垂線の長さ、および、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の上端とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部(基準対象)の下端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20から人100の頭部(基準対象)の上端までの長さを算出する。当該長さは線分ACの長さであり、線分AC=線分CD/sin(角度CAB)=21.66/sin(6.65°)=187.04[cm]と算出できる。
【0053】
身長算出部14は、撮像部20から人100の頭部の上端までの長さ、および、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置から人100の頭部の上端までの長さを算出する。当該長さは線分ECの長さであり、線分EC=線分AC×sin(角度EAC)=187.04×sin(9.05°)=29.42[cm]と算出できる。
【0054】
そして、身長算出部14は、撮像部20の設置位置の床面からの高さ、および、撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置から人100の頭部の上端までの長さに基づいて、人100の身長を算出する。身長=点Aの高さ-線分EC=200-29.42=170.58[cm]と算出できる。
【0055】
このように、身長算出部14は、画像頭部位置情報、画像基準対象情報(第1例では人100の頭部の画像上の位置および大きさ)、実基準対象情報(第1例では人100の頭部の実際の大きさ)、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータに基づいて、画像に写る人100の身長を算出することができる。
【0056】
なお、基準対象は、人によって大きさに差が生じにくい人体部位であれば、頭部に限らない。
【0057】
次に、身長検知方法の第2例について説明する。
【0058】
図4は、実施の形態1における身長検知方法の第2例を説明するための図である。例えば、第2例では、基準対象が、撮像部20からの距離が人と等しい位置に存在する物体である例を説明する。
図4には、撮像部20が人100を斜め上方から撮影している空間の側面図が示されている。撮像部20から延びる2つの破線は、撮像部20の視野の範囲を示している。人100の足元がこの範囲からはみ出ていることから、撮像部20により撮影される画像には、人100の足元が写らない。
【0059】
図5は、実施の形態1における身長検知方法の第2例において用いられる画像の一例を示す図である。
図5に示されるように、画像に人100の足元が写っていないことがわかる。また、
図5に示されるように、人100は、物体110を手に持っていることがわかる。物体110は、撮像部20からの距離が人100と等しい位置に存在する物体であり、例えばスマートフォンなどである。
【0060】
例えば、画像情報取得部11は、画像における人100の頭部および基準対象を検出する。画像における人100の頭部および基準対象の検出方法は特に限定されないが、物体を検出するためのAIモデルに画像を入力することで、画像における人100の頭部および基準対象を検出することができる。
【0061】
画像情報取得部11は、画像頭部位置情報として、画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数を取得する。例えば、基準点は、画像の上端の行における任意の点である。例えば、画像情報取得部11は、画像頭部位置情報として、
図5に示されるように、5ピクセルを取得する。なお、基準点は、画像上における位置がわかっている点であれば、特に限定されない。
【0062】
また、画像情報取得部11は、画像基準対象情報として、画像における基準対象の垂直方向の画素数、および、画像における基準点から基準対象までの垂直方向の画素数を取得する。ここでは、基準対象は、物体110であるため、画像情報取得部11は、画像基準対象情報として、画像における物体110の垂直方向の画素数、および、画像における基準点から物体110までの垂直方向の画素数を取得する。例えば、画像情報取得部11は、画像基準対象情報として、
図5に示されるように、画像における物体110の垂直方向の画素数9ピクセル、画像における基準点から物体110までの垂直方向の画素数75ピクセルを取得する。
【0063】
図4において、点Fは画像の上端に対応し、点Hは人100の頭部の先端に対応し、線分CBは、画像における物体110(基準対象)の垂直方向の画素数に対応し、線分FCは画像における基準点から物体110までの垂直方向の画素数に対応し、線分FHは画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数に対応する。
【0064】
物体110(基準対象)の実際の大きさは、線分CBの大きさである。物体110(基準対象)の実際の大きさを例えば10cmとする。
【0065】
撮像部20の設置位置の床面からの高さは、点Aの高さである。撮像部20の設置位置の床面からの高さを例えば200cmとする。
【0066】
水平方向は線分AEの方向であり、水平方向に対する撮像部20の光軸方向は線分AGの方向である。これに伴い、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度は角度EAGとなる。水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を例えば28.3°とする。
【0067】
撮像部20の視野角を例えば42°とする。また、撮像部20により撮影される画像の垂直画素数を例えば120ピクセルとする。これにより、1画素あたりの視野角は42°/120ピクセルから0.35°となる。
【0068】
以上の情報から、人100の身長を以下のように算出することができる。
【0069】
身長算出部14は、撮像部20の視野角(具体的には1画素あたりの視野角)、および、物体110(基準対象)の垂直方向の画素数に基づいて、撮像部20と物体110(基準対象)の上端とを結ぶ線分と、撮像部20と物体110の下端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度CABであり、角度CAB=0.35°×9ピクセル=3.15°と算出できる。
【0070】
身長算出部14は、撮像部20の視野角(具体的には1画素あたりの視野角)、および、画像における基準点から物体110(基準対象)までの垂直方向の画素数に基づいて、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20と物体110(基準対象)の上端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度FACであり、角度FAC=0.35°×75ピクセル=26.25°と算出できる。
【0071】
身長算出部14は、撮像部20の視野角に基づいて、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20の光軸方向とのなす角度を算出する。当該角度は角度FAGであり、角度FAG=42°/2=21°と算出できる。
【0072】
身長算出部14は、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を取得する。当該角度は角度EAGであり、角度EAG=28.3°である。
【0073】
身長算出部14は、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度、および、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20の光軸方向とのなす角度を算出に基づいて、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度EAFであり、角度EAF=角度EAG-角度FAG=7.3°と算出できる。
【0074】
身長算出部14は、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100上の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分とのなす角度、および、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20と物体110(基準対象)の上端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と物体110(基準対象)の上端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度EACであり、角度EAC=角度EAF+角度FAC=33.55°と算出できる。
【0075】
身長算出部14は、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と物体110(基準対象)の上端とを結ぶ線分とのなす角度、および、撮像部20と物体110(基準対象)の上端とを結ぶ線分と、撮像部20と物体110の下端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と物体110(基準対象)の下端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度EABであり、三角形の相似により角度DCBでもあり、角度EAB(三角形の相似により角度DCB)=角度EAC+角度CAB=36.7°と算出できる。
【0076】
身長算出部14は、物体110(基準対象)の実際の大きさ、および、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と物体110(基準対象)の下端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、物体110(基準対象)の上端から、撮像部20と物体110(基準対象)の下端とを結ぶ線分への垂線の長さを算出する。当該長さは線分CDの長さであり、線分CD=物体110の実際の大きさ×cos(角度DCB)=10×cos(36.7°)=8.02[cm]と算出できる。
【0077】
身長算出部14は、物体110(基準対象)の上端から、撮像部20と物体110(基準対象)の下端とを結ぶ線分への垂線の長さ、および、撮像部20と物体110(基準対象)の上端とを結ぶ線分と、撮像部20と物体110(基準対象)の下端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20から物体110(基準対象)の上端までの長さを算出する。当該長さは線分ACの長さであり、線分AC=線分CD/sin(角度CAB)=8.02/sin(3.15°)=145.95[cm]と算出できる。
【0078】
身長算出部14は、撮像部20から物体110(基準対象)の上端までの長さ、および、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と物体110(基準対象)の上端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20から撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置までの長さを算出する。当該長さは線分AEの長さであり、線分AE=線分AC×cos(角度EAC)=145.95×cos(33.55°)=121.64[cm]と算出できる。
【0079】
身長算出部14は、撮像部20の視野角(具体的には1画素あたりの視野角)、および、画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数に基づいて、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度FAHであり、角度FAH=0.35°×5ピクセル=1.75°と算出できる。
【0080】
身長算出部14は、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100上の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分とのなす角度、および、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度EAHであり、角度EAH=角度EAF+角度FAH=9.05°と算出できる。
【0081】
身長算出部14は、撮像部20から撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置までの長さ、および、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置から人100の頭部の上端までの長さを算出する。当該長さは線分EHの長さであり、線分EH=線分AE×tan(角度EAH)=121.64×tan(9.05°)=19.37[cm]と算出できる。
【0082】
そして、身長算出部14は、撮像部20の設置位置の床面からの高さ、および、撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置から人100の頭部の上端までの長さに基づいて、人100の身長を算出する。身長=点Aの高さ-線分EH=200-19.37=180.63[cm]と算出できる。
【0083】
このように、身長算出部14は、画像頭部位置情報、画像基準対象情報(第2例では物体110の画像上の位置および大きさ)、実基準対象情報(第2例では物体110の実際の大きさ)、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータに基づいて、画像に写る人100の身長を算出することができる。
【0084】
以上説明した通り、人100の画像上の頭部の位置、基準対象の画像上の位置および大きさ、基準対象の実際の大きさ、撮像部の設置条件および仕様がわかれば、画像に写る人100の身長を検知することができる。特に、画像に人100の足元が写っていなくても、人100の身長を検知することができる。そして、人100の身長から人100の放熱量を推定することができ、また、人100の身長から人100の体重および年齢を推定することができ、さらには、推定した人100の体重および年齢から人100の産熱量を推定することができる。ひいては、推定した人100の放熱量と産熱量とのバランスから人100の温冷感を推定することができる。よって、人100の身長を検知できることで、人100の温冷感を個人ごとに推定することができる。
【0085】
例えば、画像に写る人100が、物体110を所持している場合には、この物体110の実際の大きさから、画像に写る人100の身長を検知することができる。
【0086】
(実施の形態2)
以下、
図6から
図8を用いて実施の形態2に係る身長検知システムを説明する。
【0087】
図6は、実施の形態2に係る身長検知システム10aの構成の一例を示す図である。
【0088】
実施の形態2に係る身長検知システム10aは、基準対象情報取得部12を備えていない点が、実施の形態1に係る身長検知システム10と異なる。以下では、実施の形態1に係る身長検知システム10と異なる点を中心に説明し、同じ点については基本的には説明を省略する。なお、実施の形態2では、画像上に人の全身が写っているとする。
【0089】
画像情報取得部11は、撮像部20による撮影により得られる画像に写る人の画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、画像に写る人の画像上の全身の人体領域の大きさを含む画像全身情報と、を取得する。つまり、実施の形態2に係る画像情報取得部11は、実施の形態1における画像基準対象情報の代わりに画像全身情報を取得する。具体的には、画像上に人の全身が写っていれば、基準対象の画像上の位置および大きさを取得しなくてもよい。それに伴い、基準対象の実際の大きさを含む実基準対象情報を取得しなくてもよい。このため、実施の形態2では、身長検知システム10aは、基準対象情報取得部12を備えていない。
【0090】
撮像部情報取得部13は、撮像部20の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、撮像部20の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する。実施の形態2における設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータは、実施の形態1におけるものと同じであるため説明を省略する。
【0091】
身長算出部14は、画像頭部位置情報、画像全身情報、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータに基づいて、画像に写る人の身長を算出する。実施の形態2に係る身長算出部14は、実施の形態1における画像基準対象情報および実基準対象情報の代わりに画像全身情報を用いて画像に写る人の身長を算出する。
【0092】
次に、実施の形態2における身長検知方法の具体例について説明する。
【0093】
図7は、実施の形態2における身長検知方法を説明するための図である。
図7には、撮像部20が人100を斜め上方から撮影している空間の側面図が示されている。撮像部20から延びる2つの破線は、撮像部20の視野の範囲を示している。人100がこの範囲内に収まっていることから、撮像部20により撮影される画像には、人100の全身が写る。
【0094】
図8は、実施の形態2における身長検知方法において用いられる画像の一例を示す図である。
図8に示されるように、画像に人100の全身が写っていることがわかる。
【0095】
例えば、画像情報取得部11は、画像における人100の頭部および人体領域を検出する。画像における人100の頭部および人体領域の検出方法は特に限定されないが、物体を検出するためのAIモデルに画像を入力することで、画像における人100の頭部および人体領域を検出することができる。
【0096】
画像情報取得部11は、画像頭部位置情報として、画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数を取得する。例えば、基準点は、画像の上端の行における任意の点である。例えば、画像情報取得部11は、画像頭部位置情報として、
図8に示されるように、5ピクセルを取得する。なお、基準点は、画像上における位置がわかっている点であれば、特に限定されない。
【0097】
また、画像情報取得部11は、画像全身情報として、画像における人体領域の垂直方向の画素数を取得する。例えば、画像情報取得部11は、画像全身情報として、
図8に示されるように、人100の人体領域の垂直方向の画素数100ピクセルを取得する。
【0098】
図7において、点Bは画像の上端に対応し、点Cは人100の頭部の先端に対応し、点Dは人100の足の先端に対応し、線分CDは、画像における人100の人体領域の垂直方向の画素数に対応し、線分BCは画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数に対応する。
【0099】
撮像部20の設置位置の床面からの高さは、点Aの高さである。撮像部20の設置位置の床面からの高さを例えば200cmとする。
【0100】
水平方向は線分AEの方向であり、水平方向に対する撮像部20の光軸方向は線分AFの方向である。これに伴い、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度は角度EAFとなる。水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を例えば28.3°とする。
【0101】
撮像部20の視野角を例えば42°とする。また、撮像部20により撮影される画像の垂直画素数を例えば120ピクセルとする。これにより、1画素あたりの視野角は42°/120ピクセルから0.35°となる。
【0102】
以上の情報から、人100の身長を以下のように算出することができる。
【0103】
身長算出部14は、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を取得する。当該角度は角度EAFであり、角度EAF=28.3°である。
【0104】
身長算出部14は、撮像部20の視野角に基づいて、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20の光軸方向とのなす角度を算出する。当該角度は角度BAFであり、角度BAF=42°/2=21°と算出できる。
【0105】
身長算出部14は、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度、および、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20の光軸方向とのなす角度を算出に基づいて、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度EABであり、角度EAB=角度EAF-角度BAF=28.3°-21°=7.3°と算出できる。
【0106】
身長算出部14は、撮像部20の視野角(具体的には1画素あたりの視野角)、人100の人体領域の垂直方向の画素数、および、画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数に基づいて、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の下端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度BADであり、角度BAD=0.35×(100ピクセル+5ピクセル)=36.75°と算出できる。
【0107】
身長算出部14は、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分とのなす角度、および、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の下端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の下端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度EADであり、角度EAD=角度EAB+角度BAD=7.3°+36.75°=44.05°と算出できる。
【0108】
身長算出部14は、撮像部20の設置位置の床面からの高さ、および、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の下端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20から撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置までの長さを算出する。当該長さは線分AEの長さであり、線分AE=点Aの高さ/tan(角度EAD)=200/tan(44.05°)=206.74[cm]と算出できる。
【0109】
身長算出部14は、撮像部20の視野角(具体的には1画素あたりの視野角)、および、画像における基準点から人100の頭部までの垂直方向の画素数に基づいて、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度BACであり、角度BAC=0.35°×5ピクセル=1.75°と算出できる。
【0110】
身長算出部14は、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100上の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分とのなす角度、および、撮像部20と画像の上端に対応する位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度を算出する。当該角度は角度EACであり、角度EAC=角度EAB+角度BAC=7.3°+1.75°=9.05°と算出できる。
【0111】
身長算出部14は、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置までの長さ、および、撮像部20と撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置とを結ぶ線分と、撮像部20と人100の頭部の上端とを結ぶ線分とのなす角度に基づいて、撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置から人100の頭部の上端までの長さを算出する。当該長さは線分ECの長さであり、線分EC=線分AE×tan(角度EAC)=206.74×tan(9.05°)=32.93[cm]と算出できる。
【0112】
そして、身長算出部14は、撮像部20の設置位置の床面からの高さ、および、撮像部20の設置位置の床面からの高さに対応する人100の上方の位置から人100の頭部の上端までの長さに基づいて、人100の身長を算出する。身長=点Aの高さ-線分EC=200-32.93=167.07[cm]と算出できる。
【0113】
このように、身長算出部14は、画像頭部位置情報、画像全身情報、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータに基づいて、画像に写る人100の身長を算出することができる。
【0114】
以上説明した通り、人100の画像上の頭部の位置、人100の画像上の全身の大きさ、撮像部20の設置条件および仕様がわかれば、画像に写る人100の身長を検知することができる。特に、実際の大きさがわかっている基準対象が画像に写っていなくても、人100の全身が写っていれば、人100の身長を検知することができる。そして、人100の身長から人100の放熱量を推定することができ、また、人100の身長から人の体重および年齢を推定することができ、さらには、推定した人100の体重および年齢から人の産熱量を推定することができる。ひいては、推定した人100の放熱量と産熱量とのバランスから人100の温冷感を推定することができる。よって、人100の身長を検知できることで、人の温冷感を個人ごとに推定することができる。
【0115】
(その他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適応可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0116】
例えば、本開示は、身長検知システム10または10aとして実現できるだけでなく、空気調和機として実現できる。
【0117】
図9は、その他の実施の形態に係る空気調和機200の外観正面図である。
【0118】
空気調和機200は、身長検知システム10または10aと接続され、身長検知システム10または10aにより算出された人の身長に応じて、空気調和に関する運転制御を行う制御部(図示せず)を備える。空気調和機200は、個人ごとの温冷感に応じて空気調和に関する運転制御を行うことができる。
【0119】
例えば、空気調和機200は、身長検知システム10または10aを備えていてもよく、
図9に示されるように、身長検知システム10または10aは、空気調和機200に内蔵されていてもよい。なお、身長検知システム10または10aが空気調和機200に備えられる場合には、身長検知システム10または10aは、その構成要素が1つの筐体内に設けられた装置、または、空気調和機200内においてその構成要素が複数の筐体に分散して配置されたシステムとなる。
【0120】
例えば、本開示は、身長検知システム10または10aとして実現できるだけでなく、身長検知システム10または10aを構成する構成要素が行うステップ(処理)を含む身長検知方法として実現できる。
【0121】
図10および
図11は、その他の実施の形態に係る身長検知方法の一例を示すフローチャートである。
【0122】
身長検知方法は、撮像部20により撮影された人の身長を検知する身長検知システム10により実行される方法であって、
図10に示されるように、撮像部20による撮影により得られる画像に写る人の画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、画像に写る基準対象の画像上の位置および大きさを含む画像基準対象情報と、を取得する画像情報取得ステップ(ステップS11)と、基準対象の実際の大きさを含む実基準対象情報を取得する基準対象情報取得ステップ(ステップS12)と、撮像部20の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、撮像部20の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得ステップ(ステップS13)と、画像頭部位置情報、画像基準対象情報、実基準対象情報、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータに基づいて、人の身長を算出する身長算出ステップ(ステップS14)と、を含む。
【0123】
また、身長検知方法は、撮像部20により撮影された人の身長を検知する身長検知システム10aにより実行される方法であって、
図11に示されるように、撮像部20による撮影により得られる画像に写る人の画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、画像に写る人の画像上の全身の人体領域の大きさを含む画像全身情報と、を取得する画像情報取得ステップ(ステップS21)と、撮像部20の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する撮像部20の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、撮像部20の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得ステップ(ステップS22)と、画像頭部位置情報、画像全身情報、設置条件パラメータおよび仕様条件パラメータに基づいて、人の身長を算出する身長算出ステップ(ステップS23)と、を含む。
【0124】
なお、身長検知方法は、身長検知システム10または10aにより実行される方法であるため、上記実施の形態で説明した、画像情報取得部11により行われる処理は、画像情報取得ステップに対応し、基準対象情報取得部12により行われる処理は基準対象情報取得ステップに対応し、撮像部情報取得部13により行われる処理は撮像部情報取得ステップに対応し、身長算出部14により行われる処理は身長算出ステップに対応する。
【0125】
例えば、本開示は、身長検知方法に含まれるステップを、コンピュータ(プロセッサ)に実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD-ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
【0126】
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路などのハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路などから取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路などに出力したりすることによって、各ステップが実行される。
【0127】
なお、上記実施の形態において、身長検知システム10または10aに含まれる各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0128】
上記実施の形態に係る身長検知システム10または10aの機能の一部または全ては典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0129】
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、身長検知システム10または10aに含まれる各構成要素の集積回路化が行われてもよい。
【0130】
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【0131】
(付記)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0132】
(技術1)撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムであって、前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る基準対象の前記画像上の位置および大きさを含む画像基準対象情報と、を取得する画像情報取得部と、前記基準対象の実際の大きさを含む実基準対象情報を取得する基準対象情報取得部と、前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得部と、前記画像頭部位置情報、前記画像基準対象情報、前記実基準対象情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出部と、を備える、身長検知システム。
【0133】
これによれば、人の画像上の頭部の位置、基準対象の画像上の位置および大きさ、基準対象の実際の大きさ、撮像部の設置条件および仕様がわかれば、画像に写る人の身長を検知することができる。特に、画像に人の足元が写っていなくても、人の身長を検知することができる。そして、人の身長から人の放熱量を推定することができ、また、人の身長から人の体重および年齢を推定することができ、さらには、推定した人の体重および年齢から人の産熱量を推定することができる。ひいては、推定した人の放熱量と産熱量とのバランスから人の温冷感を推定することができる。よって、人の身長を検知できることで、人の温冷感を個人ごとに推定することができる。
【0134】
(技術2)前記画像情報取得部は、前記画像における前記人の頭部および前記基準対象を検出し、前記画像頭部位置情報として、前記画像における基準点から前記人の頭部までの垂直方向の画素数を取得し、前記画像基準対象情報として、前記画像における前記基準対象の垂直方向の画素数、および、前記画像における前記基準点から前記基準対象までの垂直方向の画素数を取得する、技術1に記載の身長検知システム。
【0135】
このようにして、人の頭部の画像上の位置ならびに基準対象の画像上の位置および大きさを取得することができる。
【0136】
(技術3)前記基準対象は、前記人の人体部位である、技術1または2に記載の身長検知システム。
【0137】
例えば、人の特定の人体部位は人によって大きさに差が生じにくいため、実際の大きさを仮定して予め決めることができる。したがって、画像に写る人の人体部位の実際の大きさを容易に取得することができる。
【0138】
(技術4)前記人体部位は、頭部であり、前記画像情報取得部は、前記画像頭部位置情報に含まれる前記人の前記画像上の頭部の位置を、前記画像基準対象情報に含まれる前記基準対象の前記画像上の位置から取得する、技術3に記載の身長検知システム。
【0139】
例えば、人の頭部は、人によって大きさに差が生じにくい。例えば、身長が検知される対象が日本人の場合、人の頭部の実際の大きさを、日本人の平均の頭部のサイズ(例えば約22.5cm)と仮定して予め決めることができる。したがって、画像に写る人の頭部の実際の大きさを容易に取得することができる。また、基準対象が人の頭部であることから、基準対象の画像上の位置と人の頭部の画像上の位置とが同じとなるため、取得する情報を少なくすることができる。
【0140】
(技術5)前記基準対象は、前記撮像部からの距離が前記人と等しい位置に存在する物体である、技術1または2に記載の身長検知システム。
【0141】
例えば、画像に写る人が物体を所持している場合には、この物体の実際の大きさから、画像に写る人の身長を検知することができる。
【0142】
(技術6)撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムであって、前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る前記人の前記画像上の全身の人体領域の大きさを含む画像全身情報と、を取得する画像情報取得部と、前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得部と、前記画像頭部位置情報、前記画像全身情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出部と、を備える、身長検知システム。
【0143】
これによれば、人の画像上の頭部の位置、人の画像上の全身の大きさ、撮像部の設置条件および仕様がわかれば、画像に写る人の身長を検知することができる。特に、実際の大きさがわかっている基準対象が画像に写っていなくても、人の全身が写っていれば、人の身長を検知することができる。そして、人の身長から人の放熱量を推定することができ、また、人の身長から人の体重および年齢を推定することができ、さらには、推定した人の体重および年齢から人の産熱量を推定することができる。ひいては、推定した人の放熱量と産熱量とのバランスから人の温冷感を推定することができる。よって、人の身長を検知できることで、人の温冷感を個人ごとに推定することができる。
【0144】
(技術7)前記画像情報取得部は、前記画像における前記人の頭部および前記人体領域を検出し、前記画像頭部位置情報として、前記画像における基準点から前記人の頭部までの垂直方向の画素数を取得し、前記画像全身情報として、前記画像における前記人体領域の垂直方向の画素数を取得する、技術6に記載の身長検知システム。
【0145】
このようにして、画像上の人の人体領域の位置および大きさを取得することができる。
【0146】
(技術8)技術1~7のいずれかに記載の身長検知システムと接続され、前記身長検知システムにより算出された前記人の身長に応じて、空気調和に関する運転制御を行う制御部を備える、空気調和機。
【0147】
これによれば、個人ごとの温冷感に応じて空気調和に関する運転制御を行うことができる空気調和機を提供することができる。
【0148】
(技術9)撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムにより実行される身長検知方法であって、前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る基準対象の前記画像上の位置および大きさを含む画像基準対象情報と、を取得する画像情報取得ステップと、前記基準対象の実際の大きさを含む実基準対象情報を取得する基準対象情報取得ステップと、前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得ステップと、前記画像頭部位置情報、前記画像基準対象情報、前記実基準対象情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出ステップと、を含む、身長検知方法。
【0149】
これによれば、人の画像上の頭部の位置、基準対象の画像上の位置および大きさ、基準対象の実際の大きさ、撮像部の設置条件および仕様がわかれば、画像に写る人の身長を検知することができる。特に、画像に人の足元が写っていなくても、人の身長を検知することができる。そして、人の身長から人の放熱量を推定することができ、また、人の身長から人の体重および年齢を推定することができ、さらには、推定した人の体重および年齢から人の産熱量を推定することができる。ひいては、推定した人の放熱量と産熱量とのバランスから人の温冷感を推定することができる。よって、人の身長を検知できることで、人の温冷感を個人ごとに推定することができる。
【0150】
(技術10)前記画像情報取得ステップでは、前記画像における前記人の頭部および前記基準対象を検出し、前記画像頭部位置情報として、前記画像における基準点から前記人の頭部までの垂直方向の画素数を取得し、前記画像基準対象情報として、前記画像における前記基準対象の垂直方向の画素数、および、前記画像における前記基準点から前記基準対象までの垂直方向の画素数を取得する、技術9に記載の身長検知方法。
【0151】
このようにして、人の頭部の画像上の位置ならびに基準対象の画像上の位置および大きさを取得することができる。
【0152】
(技術11)前記基準対象は、前記人の人体部位である、技術9または10に記載の身長検知方法。
【0153】
例えば、人の特定の人体部位は人によって大きさに差が生じにくいため、実際の大きさを仮定して予め決めることができる。したがって、画像に写る人の人体部位の実際の大きさを容易に取得することができる。
【0154】
(技術12)前記人体部位は、頭部であり、前記画像情報取得ステップでは、前記画像頭部位置情報に含まれる前記人の前記画像上の頭部の位置を、前記画像基準対象情報に含まれる前記基準対象の前記画像上の位置から取得する、技術11に記載の身長検知方法。
【0155】
例えば、人の頭部は、人によって大きさに差が生じにくい。例えば、身長が検知される対象が日本人の場合、人の頭部の実際の大きさを、日本人の平均の頭部のサイズ(例えば約22.5cm)と仮定して予め決めることができる。したがって、画像に写る人の頭部の実際の大きさを容易に取得することができる。また、基準対象が人の頭部であることから、基準対象の画像上の位置と人の頭部の画像上の位置とが同じとなるため、取得する情報を少なくすることができる。
【0156】
(技術13)前記基準対象は、前記撮像部からの距離が前記人と等しい位置に存在する物体である、技術9または10に記載の身長検知方法。
【0157】
例えば、画像に写る人が物体を所持している場合には、この物体の実際の大きさから、画像に写る人の身長を検知することができる。
【0158】
(技術14)撮像部により撮影された人の身長を検知する身長検知システムにより実行される身長検知方法であって、前記撮像部による撮影により得られる画像に写る前記人の前記画像上の頭部の位置を含む画像頭部位置情報と、前記画像に写る前記人の前記画像上の全身の人体領域の大きさを含む画像全身情報と、を取得する画像情報取得ステップと、前記撮像部の設置位置の床面からの高さ、および、水平方向に対する前記撮像部の光軸方向の角度を含む設置条件パラメータと、前記撮像部の視野角を含む仕様条件パラメータと、を取得する撮像部情報取得ステップと、前記画像頭部位置情報、前記画像全身情報、前記設置条件パラメータおよび前記仕様条件パラメータに基づいて、前記人の身長を算出する身長算出ステップと、を含む、身長検知方法。
【0159】
これによれば、人の画像上の頭部の位置、人の画像上の全身の大きさ、撮像部の設置条件および仕様がわかれば、画像に写る人の身長を検知することができる。特に、実際の大きさがわかっている基準対象が画像に写っていなくても、人の全身が写っていれば、人の身長を検知することができる。そして、人の身長から人の放熱量を推定することができ、人の身長から人の体重および年齢を推定することができ、さらには、推定した人の体重および年齢から人の産熱量を推定することができ、ひいては、人の放熱量と産熱量とのバランスから人の温冷感を推定することができる。よって、人の身長を検知できることで、人の温冷感を個人ごとに推定することができる。
【0160】
(技術15)前記画像情報取得ステップでは、前記画像における前記人の頭部および前記人体領域を検出し、前記画像頭部位置情報として、前記画像における基準点から前記人の頭部までの垂直方向の画素数を取得し、前記画像全身情報として、前記画像における前記人体領域の垂直方向の画素数を取得する、技術14に記載の身長検知方法。
【0161】
このようにして、画像上の人の人体領域の位置および大きさを取得することができる。
【0162】
(技術16)技術9~15のいずれかに記載の身長検知方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0163】
これによれば、画像に写る人の身長を検知することができるプログラムを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0164】
本開示は、画像を用いて身長を検知するシステムや空気調和機などに適用できる。
【符号の説明】
【0165】
10、10a 身長検知システム
11 画像情報取得部
12 基準対象情報取得部
13 撮像部情報取得部
14 身長算出部
20 撮像部
100 人
110 物体
200 空気調和機