(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151708
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】生成プログラム、及び生成方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065281
(22)【出願日】2023-04-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】399104844
【氏名又は名称】SCSK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】三ッ石 利彦
(72)【発明者】
【氏名】梶川 泰成
(72)【発明者】
【氏名】辻 位知子
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC41
5L050CC41
(57)【要約】
【課題】対象車両を代替する場合に参考とされる有用な情報を生成することが可能となる生成プログラム、及び生成方法を提供すること。
【解決手段】
対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる代替関連参考情報を生成する生成プログラムであって、サーバ装置2を、対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得部231と、複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、複数の車両の利用に関する利用関連情報と、取得部231が取得した対象車両特定情報とに基づいて、代替関連参考情報を生成する生成部232と、として機能させ、生成部232は、少なくとも利用関連情報に基づいて、複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、特徴関連情報に基づいて複数の車両の中から近似車両を特定する第2処理と、第2処理で特定した近似車両と、整備関連情報に基づいて、代替関連参考情報を生成する第3処理と、を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる代替関連参考情報を生成する生成プログラムであって、
コンピュータを、
前記対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得手段と、
複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、前記複数の車両の利用に関する利用関連情報と、前記取得手段が取得した前記対象車両特定情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する生成手段と、として機能させ、
前記生成手段は、
少なくとも前記利用関連情報に基づいて、所定の基準項目を基準とした前記複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、
前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記対象車両に近似する近似車両を特定する第2処理と、
前記第2処理で特定した前記近似車両と、前記整備関連情報又は前記利用関連情報に基づいて、前記代替関連参考情報を生成する第3処理と、を行う、
生成プログラム。
【請求項2】
前記生成手段は、前記第2処理において、
前記取得手段が取得した前記対象車両特定情報と、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から前記近似車両を特定する、
請求項1に記載の生成プログラム。
【請求項3】
前記整備関連情報には、前記複数の車両の整備費用を示す整備費用情報が含まれており、
前記生成手段は、前記第3処理において、
前記整備費用情報が示す整備費用を基準として、前記第2処理で特定した近似車両の中から車両を選択し、選択した車両への代替を推奨する情報を前記代替関連参考情報として生成する、
請求項1に記載の生成プログラム。
【請求項4】
前記整備関連情報には、前記複数の車両の過去の経時的な整備費用を示す整備費用情報が含まれており、
前記生成手段は、前記第3処理において、
前記整備費用情報に基づいて、前記対象車両の未来の整備費用を推定し、推定した整備費用を示す情報を前記代替関連参考情報として生成する、
請求項1に記載の生成プログラム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記対象運送事業者が前記対象車両を代替する場合の基準である代替用基準を示す代替用基準情報、を更に取得し、
前記生成手段は、前記第2処理において、
前記第1処理で特定した前記特徴関連情報と、前記取得手段が取得した前記代替用基準情報とに基づいて、前記近似車両を特定する、
請求項1に記載の生成プログラム。
【請求項6】
前記複数の車両には、前記対象車両と前記対象車両以外の他の車両とが含まれており、
前記所定の基準項目は、複数設けられており、
前記特徴関連情報は、複数の前記所定の基準項目各々を基準とした複数の情報であり、
前記生成手段は、前記第2処理において、
前記取得手段が取得した前記代替用基準情報に基づいて、複数の前記所定の基準項目に対応する前記特徴関連情報に対して重み付けを行う重み付け処理と、
前記対象車両に関する複数の前記特徴関連情報であって前記重み付け処理にて重み付けされた前記特徴関連情報と、前記他の車両に関する複数の前記特徴関連情報であって前記重み付け処理にて重み付けされた前記特徴関連情報とを比較する比較処理と、
前記比較処理の処理結果に基づいて、前記他の車両の中から前記近似車両を特定する特定処理と、を行う、
請求項5に記載の生成プログラム。
【請求項7】
前記生成手段が生成した前記代替関連参考情報を出力する出力手段、を更に備える、
請求項1に記載の生成プログラム。
【請求項8】
対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる代替関連参考情報を生成する生成方法であって、
前記対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得ステップと、
複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、前記複数の車両の利用に関する利用関連情報と、前記取得ステップが取得した前記対象車両特定情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する生成ステップと、を含み、
前記生成ステップでは、
少なくとも前記利用関連情報に基づいて、所定の基準項目を基準とした前記複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、
前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記対象車両に近似する近似車両を特定する第2処理と、
前記第2処理で特定した前記近似車両と、前記整備関連情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する第3処理と、が行われる、
生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成プログラム、及び生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に関する各種情報を出力する技術が知られていた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両を利用している運送事業者においては、例えば、車両の老朽化等の任意の理由に基づいて、利用中の車両を代替する場合があり、この代替に関する判断を行うために、車両の代替の判断の参考となる情報を参照したいという要望があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、対象車両を代替する場合に参考とされる有用な情報を生成することが可能となる生成プログラム、及び生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の生成プログラムは、対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる代替関連参考情報を生成する生成プログラムであって、コンピュータを、前記対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得手段と、複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、前記複数の車両の利用に関する利用関連情報と、前記取得手段が取得した前記対象車両特定情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する生成手段と、として機能させ、前記生成手段は、少なくとも前記利用関連情報に基づいて、所定の基準項目を基準とした前記複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記対象車両に近似する近似車両を特定する第2処理と、前記第2処理で特定した前記近似車両と、前記整備関連情報又は前記利用関連情報に基づいて、前記代替関連参考情報を生成する第3処理と、を行う。
【0007】
請求項2に記載の生成プログラムは、請求項1に記載の生成プログラムにおいて、前記生成手段は、前記第2処理において、前記取得手段が取得した前記対象車両特定情報と、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から前記近似車両を特定する。
【0008】
請求項3に記載の生成プログラムは、請求項1に記載の生成プログラムにおいて、前記整備関連情報には、前記複数の車両の整備費用を示す整備費用情報が含まれており、前記生成手段は、前記第3処理において、前記整備費用情報が示す整備費用を基準として、前記第2処理で特定した近似車両の中から車両を選択し、選択した車両への代替を推奨する情報を前記代替関連参考情報として生成する。
【0009】
請求項4に記載の生成プログラムは、請求項1に記載の生成プログラムにおいて、前記整備関連情報には、前記複数の車両の過去の経時的な整備費用を示す整備費用情報が含まれており、前記生成手段は、前記第3処理において、前記整備費用情報に基づいて、前記対象車両の未来の整備費用を推定し、推定した整備費用を示す情報を前記代替関連参考情報として生成する。
【0010】
請求項5に記載の生成プログラムは、請求項1に記載の生成プログラムにおいて、前記取得手段は、前記対象運送事業者が前記対象車両を代替する場合の基準である代替用基準を示す代替用基準情報、を更に取得し、前記生成手段は、前記第2処理において、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報と、前記取得手段が取得した前記代替用基準情報とに基づいて、前記近似車両を特定する。
【0011】
請求項6に記載の生成プログラムは、請求項5に記載の生成プログラムにおいて、前記複数の車両には、前記対象車両と前記対象車両以外の他の車両とが含まれており、前記所定の基準項目は、複数設けられており、前記特徴関連情報は、複数の前記所定の基準項目各々を基準とした複数の情報であり、前記生成手段は、前記第2処理において、前記取得手段が取得した前記代替用基準情報に基づいて、複数の前記所定の基準項目に対応する前記特徴関連情報に対して重み付けを行う重み付け処理と、前記対象車両に関する複数の前記特徴関連情報であって前記重み付け処理にて重み付けされた前記特徴関連情報と、前記他の車両に関する複数の前記特徴関連情報であって前記重み付け処理にて重み付けされた前記特徴関連情報とを比較する比較処理と、前記比較処理の処理結果に基づいて、前記他の車両の中から前記近似車両を特定する特定処理と、を行う。
【0012】
請求項7に記載の生成プログラムは、請求項1に記載の生成プログラムにおいて、前記生成手段が生成した前記代替関連参考情報を出力する出力手段、を更に備える。
【0013】
請求項8に記載の生成方法は、対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる代替関連参考情報を生成する生成方法であって、前記対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得ステップと、複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、前記複数の車両の利用に関する利用関連情報と、前記取得ステップが取得した前記対象車両特定情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する生成ステップと、を含み、前記生成ステップでは、少なくとも前記利用関連情報に基づいて、所定の基準項目を基準とした前記複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記対象車両に近似する近似車両を特定する第2処理と、前記第2処理で特定した前記近似車両と、前記整備関連情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する第3処理と、が行われる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の生成プログラム、及び請求項8に記載の生成方法によれば、対象車両に近似する近似車両と、整備関連情報又は利用関連情報に基づいて、代替関連参考情報を生成することにより、例えば、近似車両と、整備関連情報又は利用関連情報とを考慮して代替関連参考情報を生成することができるので、対象車両を代替する場合に参考とされる有用な情報を生成することが可能となる。
【0015】
請求項2に記載の生成プログラムによれば、対象車両特定情報と特徴関連情報に基づいて近似車両を特定することにより、例えば、近似車両を適切に特定することができるので、有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0016】
請求項3に記載の生成プログラムによれば、近似車両の中から車両を選択し、選択した車両への代替を推奨する情報を代替関連参考情報として生成することにより、例えば、代替先の車両の判断のために有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0017】
請求項4に記載の生成プログラムによれば、対象車両の未来の整備費用を推定し、推定した整備費用を示す情報を代替関連参考情報とすることにより、例えば、代替時期の判断のために有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0018】
請求項5に記載の生成プログラムによれば、対象運送事業者が対象車両を代替する場合の基準である代替用基準を示す代替用基準情報に基づいて近似車両を特定することにより、例えば、対象運送事業者が代替のために重要視する観点等を反映して近似車両を特定することができるので、有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0019】
請求項6に記載の生成プログラムによれば、代替用基準情報に基づいて重み付けされた特徴関連情報に関する比較結果に基づいて近似車両を特定することにより、例えば、対象運送事業者が代替のために重要視する観点等を適切に反映して近似車両を特定することができるので、有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0020】
請求項7に記載の生成プログラムによれば、代替関連参考情報を出力することにより、例えば、代替関連参考情報を利用させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施の形態が情報処理システムの場合のブロック図である。
【
図6】推奨車両関連情報出力処理のフローチャートである。
【
図9】予測整備費用関連情報出力処理のフローチャートである。
【
図11】予測整備費用関連情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る生成プログラム、及び生成方法の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。ここでは、基本的概念、及び用語を説明した後に、具体的な実施の形態について説明する。
【0023】
(基本的概念)
まず、基本的概念について説明する。本発明に係る生成プログラムは、代替関連参考情報を生成するためのプログラムであり、例えば、コンピュータを、取得手段、及び生成手段として機能させるためのプログラムである。
【0024】
「コンピュータ」とは、1個のみのコンピュータ、又は、複数個のコンピュータ等を含む概念であり、例えば、汎用コンピュータ、サーバコンピュータ、あるいは、ネットワーク上に分散配置された複数のコンピュータ(つまり、いわゆるクラウドコンピュータ)等を含む概念である。
【0025】
「代替関連参考情報」とは、対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる情報であり、例えば、対象車両を代替することを検討する場合に有用な情報等を含む概念であり、一例としては、代替を推奨する車両(代替先の車両)を示す推奨車両関連情報、及び、対象車両の未来の整備費用を示す予測整備費用関連情報等を含む概念である。
【0026】
「対象運送事業者」とは、対象車両を利用している運送事業者であり、例えば、車両の代替を検討している運送事業者等を示す概念である。「運送事業者」とは、例えば、旅客又は貨物である運送対象物の運送に関する事業を営む者を示す概念であり、一例としては、車両を利用して行う運送に関する事業を営む者等を含む概念である。
【0027】
「対象車両」とは、例えば、代替の対象となる車両等を示す概念である。「代替」とは、例えば、他のもので代える(又は、他のものに代える)ことを示す概念である。
【0028】
そして、以下に示す実施の形態では、例えば、代替を推奨する車両を示す情報を代替関連参考情報として生成する場合と、対象車両の未来の整備費用を示す情報を代替関連参考情報として生成する場合とについて説明する。
【0029】
(構成)
まず、本実施の形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態が情報処理システムの場合のブロック図である。
【0030】
なお、情報処理システム100に設けられている端末装置1の個数は任意であり、例えば、運送事業者の個数に対応する個数分だけ設けられるが、ここでは、例えば、
図1に図示されている端末装置11~13に着目して説明する。
【0031】
図1の情報処理システム100は、生成プログラムを実行するコンピュータを含むシステムであり、例えば、端末装置1、及びサーバ装置2を備える。
【0032】
(構成-端末装置)
図1の端末装置1は、各運送事業者によって用いられる端末装置であり、例えば、ネットワークを介してサーバ装置2と通信可能となっている装置であり、一例としては、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、又はスマートフォン等である。この端末装置1の構成としては、公知の構成を含む任意の構成を適用することができるので、詳細の説明は省略する。
【0033】
なお、本実施の形態では、例えば、
図1の運送事業者である「X社」、「Y社」、又は「Z社」の内の、「X社」が自社で利用している車両の代替を検討する場合について説明する。すなわち、例えば、「X社」が対象運送事業者である場合について例示して説明する。
【0034】
また、「X社」、「Y社」、及び「Z社」にて用いられる端末装置1が、端末装置11、端末装置12、及び端末装置13であることとする。そして、各端末装置11~13を相互に区別する必要がない場合は、端末装置1と総称して説明する。
【0035】
(構成-サーバ装置)
図1のサーバ装置2は、生成プログラムを実行するコンピュータであり、例えば、通信部21、記録部22、及び制御部23を備える。
【0036】
(構成-サーバ装置-通信部)
図1の通信部21は、外部装置(例えば、端末装置1等)との間で通信するための通信手段である。この通信部21の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の通信回路等を用いて構成することができる。
【0037】
(構成-サーバ装置-記録部)
図1の記録部22は、サーバ装置2の動作に必要なプログラム(生成プログラム等)及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、SSD、フラッシュメモリ、DVD、又はブルーレイディスク等を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0038】
この記録部22には、
図1に示すように例えば、整備関連情報、第1利用関連情報、及び第2利用関連情報が格納されている。
【0039】
(構成-サーバ装置-記録部-整備関連情報)
図2は、整理関連情報を例示した図である。なお、
図2において具体的に記載されている情報(文字又は数値等)は、説明の便宜上の記載であり、また、大部分の情報は具体的な文字又は数値等の記載を省略して「…」と図示されている(後述する
図3の第1利用関連情報及び
図4の第2利用関連情報の図示についても同様である)。
図1の「整備関連情報」とは、複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する情報である。
【0040】
「複数の運送事業者」とは、対象運送事業者を含む複数の運送事業者を示すものと解釈してもよいし、対象運送事業者を含まない複数の運送事業者を示すものと解釈してもよく、限定されるものではないが、本実施の形態では、例えば、対象運送事業者を含む複数の運送事業者を示す場合について説明する。すなわち、本実施の形態では、「複数の運送事業者」とは、例えば、
図1の「X社」、「Y社」、及び「Z社」等を含む概念である。「複数の車両」とは、例えば、複数の運送事業者における1個以上の運送事業者によって利用されている複数の車両であり、一例としては、前述の対象車両、及び対象車両以外の車両である他の車両が含まれている。つまり、
図1の整備関連情報には、対象車両及び他の車両に関する情報が含まれている(
図1の第1利用関連情報及び第2利用関連情報も同様)。
【0041】
図1の整備関連情報の内容は任意であるが、例えば、
図2に示す各項目の情報が相互に関連付けられた情報である。
【0042】
=整備事業者特定情報=
図2の項目「整備事業者特定情報」に対応する情報は、車両の整備を行った整備事業者を特定する整備事業者特定情報である。この整備事業者特定情報としては、例えば、整備事業者(つまり、車両の整備を行った事業者)の社名と、当該整備事業者の所在地とを示す情報が格納されている。
図2では、例えば、社名が「A社」であり、当該A社の所在地が「兵庫県…」であることを示す「社名:A社 所在地:兵庫県…」等が格納されている。
【0043】
=車両情報=
図2の項目「車両情報」に対応する情報は、車両に関する車両情報である。この車両情報としては、例えば、自動車登録番号、登録日、車型、及び総走行距離を示す情報が格納されている。
【0044】
「自動車登録番号」とは、各車両を一意に識別するための情報であり、例えば、ナンバープレートに記載された情報等を示す概念である(
図2では、「神戸101ねAAAA」等)。「登録日」とは、例えば、所定の組織(一例としては、陸運局)に申請して自動車登録番号を取得した日を示す概念である(
図2では、「2XXX/〇/〇」等)。「車型」とは、車両の種類(モデル)を示す概念であり(
図2では、「FRR901」等)、例えば、当該車型により、車両のメーカー、車名、車種、グレード、車体の形状、及び排気量等を特定可能となる。「総走行距離」とは、例えば、車両が製造されてから現時点までに走行した距離の合計を示す概念である(
図2では、「AAAAAkm」等)。
【0045】
=整備内容関連情報=
図2の項目「整備内容関連情報」に対応する情報は、車両情報の自動車登録番号によって特定される車両に対して、整備事業者特定情報が示す整備事業者によって過去に行われた整備の内容に関する整備内容関連情報である。この整備内容関連情報としては、例えば、いわゆる過去に行った整備に関する整備請求明細書に記載されている情報に対応する情報を用いてもよく、一例としては、整備開始日、整備終了日、整備技術料、整備発生項目、及び部品単価等を示す情報が格納されている。
【0046】
「整備開始日」とは、例えば、整備事業者側で整備を開始した日(つまり、整備事業者が運送事業者から車両を預かった日)を示す概念である(
図2では、令和2年4月1日を示す「R2/4/1」等)。「整備終了日」とは、例えば、整備事業者側で整備を終了した日(つまり、整備事業者が運送事業者に対して車両を返却した日)を示す概念である(
図2では、令和2年4月20日を示す「R2/4/20」等)。「整備技術料」とは、例えば、整備を行うために発生したサービス費用の金額を示す概念である(
図2では、「70,000円」等)。「整備発生項目」とは、例えば、行われた整備の項目(つまり、発生した整備項目)を示す概念である(
図2では、「エンジンオイル交換」等)。「部品単価」とは、例えば、整備のために用いた部品(又は整備の際に交換された部品)の名称及び単価を示す概念である(
図2では、カートリッジの単価が500円であることを示す「カートリッジ(500円)」等)。
【0047】
そして、
図2の最上段の情報については例えば、「神戸101ねAAAA」が示す車両に関する情報が車両情報として例示されている情報であること、及び、当該車両に関して、整備事業者である「A社」によって、整備内容関連情報が示す整備が行われたこと等が示されている。
【0048】
なお、この
図2の車両関連情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、各整備事業者側に、当該整備事業者によって行われた整備に関する情報(整備請求明細書に記載の情報も含む情報)が格納されているデータベースが設けられていることとし、サーバ装置2が、各整備事業者のデータベースから定期的に情報を取得して格納することとしてもよい。又は、例えば、各運送事業者が、自社が利用する車両の整備に関する情報(整備請求明細書に記載されている情報を含む情報)等をサーバ装置2に入力することにより、格納されることとしてもよい。
【0049】
なお、本実施の形態では、限定されるものではないが、例えば、
図2の整備内容関連情報の内の「整備技術料」を示す情報が、車両の整備費用を示す整備費用情報に対応するものとして説明する。
【0050】
また、
図2では、詳細は不図示であるが、車両情報が示す各車両については、定期的(例えば、1年間に1回~2回程度以上の頻度等)に繰り返し整備が行われており、この繰り返し行われた整備に関する整備関連情報が蓄積されているので、各時点の整備における「整備技術料」を示す情報等も蓄積されていることとする。つまり、例えば、「神戸101ねAAAA」が示す車両に関しては、令和2年の前年(令和1年)に行った整備における整備技術料、令和2年の前々年(平成30年)に行った整備における整備技術料を示す情報等が格納されていることとし、すなわち、「神戸101ねAAAA」が示す車両の過去の経時的な整備費用(整備技術料)を示す整備費用情報が、
図2の整備関連情報に含まれていることになる。なお、「神戸101ねAAAA」が示す車両以外の車両についても同様である。
【0051】
(構成-サーバ装置-記録部-第1利用関連情報)
図3は、第1利用関連情報を例示した図である。
図1の「第1利用関連情報」とは、複数の車両の利用に関する利用関連情報であり、例えば、前述の整備関連情報が格納されている複数の車両に関する、各日付における利用履歴に関する情報である。
【0052】
===第1利用関連情報の内容===
図1の第1利用関連情報の内容は任意であるが、例えば、
図3に示す各項目の情報が相互に関連付けられた情報である。
【0053】
=運送事業者特定情報=
図3の項目「運送事業者特定情報」に対応する情報は、車両を利用している運送事業者を特定する運送事業者特定情報である。この運送事業者特定情報としては、例えば、運送事業者の社名と、当該運送事業者の所在地とを示す情報が格納されている。
図2では、例えば、社名が
図1の「X社」であり、当該X社の所在地が「兵庫県…」であることを示す「社名:X社,所在地:兵庫県…」等が格納されている。
【0054】
=日付情報=
図3の項目「日付情報」に対応する情報は、運送事業者が車両を利用した日付を示す日付情報である(
図3では、2023年1月24日を示す「2023/1/24」等)。
【0055】
=車両特定情報=
図3の項目「車両特定情報」に対応する情報は、車両を特定する車両特定情報である(
図3では、自動車登録番号であり、「神戸101ねAAAA」等)。
【0056】
=案件情報=
図3の項目「案件情報」に対応する情報は、運送に関する各案件を示す案件情報である。この案件情報としては、例えば、出発地、目的地、金額、貨物内容、貨物重量、貨物容量、依頼料、及び荷主を示す情報が格納されている。
【0057】
「出発地」とは、例えば、運送対象物を運送する車両の出発地を示す概念である(
図3では不図示であるが、「兵庫県…」等の出発地の住所等)。「目的地」とは、例えば、運送対象物を運送する車両の目的地を示す概念である(
図3では不図示であるが、「大阪府…」等の目的地の住所等)。「金額」とは、例えば、運送対象物の金額を示す概念である(
図3では不図示であるが、「900,000円」等)。「貨物内容」とは、例えば、運送対象物を示す概念である(
図3では不図示であるが、「精密機械」等)。「貨物重量」とは、例えば、運送対象物の重量を示す概念である(
図3では不図示であるが、「800kg」等)。「貨物容量」とは、例えば、運送対象物の容量(大きさ)を示す概念である(
図3では不図示であるが、「8立法メートル等」等)。「依頼料」とは、例えば、運送のために荷主等の運送依頼者から支払われるサービス料金の金額を示す概念である(
図3では不図示であるが、「80,000円」等)。「荷主」とは、例えば、運送依頼を行った者を示す概念である(
図3では不図示であるが、「ABCD株式会社」等)。
【0058】
=走行履歴情報=
図3の項目「走行履歴情報」に対応する情報は、各車両による各案件の実行のための走行(つまり、運送のための走行)に関する履歴を示す走行履歴情報である。走行履歴情報とは、より詳細には例えば、
図3の日付情報が示す日付における、車両特定情報が示す車両による、案件情報が示す案件についての走行に関する履歴を示す情報である。この走行履歴情報としては、例えば、走行距離、走行時間、走行座標履歴、ドライバー属性情報、走行開始/終了時刻、走行車両、燃料消費量、高速料金、及びCO2排出量を情報が格納されている。
【0059】
<走行距離>
「走行距離」とは、例えば、
図3の日付情報が示す日付において、案件情報が示す案件を実行するために、車両特定情報が示す車両が走行した距離を示す概念である(
図3では不図示であるが、「300km」等)。
【0060】
<走行時間>
「走行時間」とは、例えば、
図3の日付情報が示す日付において、案件情報が示す案件を実行するために、車両特定情報が示す車両が走行した時間を示す概念である(
図3では不図示であるが、「5時間」等)。
【0061】
<走行座標履歴>
「走行座標履歴」とは、例えば、
図3の日付情報が示す日付において、案件情報が示す案件を実行するために、車両特定情報が示す車両が走行した地点を示す座標の履歴を示す概念である。なお、この「走行座標履歴」の具体的な内容は任意であるが、例えば、所定時間間隔(例えば、1秒~30秒間隔等)の車両の位置を示す座標と車両が前述の座標に対応する位置に存在した際の時刻とが相互に関連付けられている情報に対応する概念である。すなわち、この「走行座標履歴」からは、車両が通った位置及び当該位置を通った時刻を把握することが可能となる。
【0062】
「走行座標履歴」は
図3では不図示であるが、例えば、座標である「(X1,Y1)」と時刻である9時1分1秒とが関連付けられ、座標である「(X2,Y2)」と時刻である9時1分2秒とが関連付けられた「(X1,Y1)-090101,(X2,Y2)-090102」等を用いてもよい。
【0063】
<ドライバー属性情報>
「ドライバー属性情報」とは、例えば、
図3の日付情報が示す日付において、案件情報が示す案件を実行するために、車両特定情報が示す車両を運転した運転手(つまり、ドライバー)の属性を示す概念である(
図3では不図示であるが、運転手の年齢、性別、運転歴等)。
【0064】
<走行開始/終了時刻>
「走行開始/終了時刻」とは、例えば、
図3の日付情報が示す日付において、案件情報が示す案件を実行するために、車両特定情報が示す車両が走行を開始した時刻及び走行を終了した時刻を示す概念である。この「走行開始/終了時刻」の具体的な内容は任意であるが、例えば、車両が交通規則に従って一時停止する場合が想定されるが、この一時停止のために走行を終了した時刻、及び、一時停止を終了して走行を再開(開始)した時刻等を示す概念である。すなわち、この「走行開始/終了時刻」からは、一時停止を含む停止の回数も把握することが可能となる。
【0065】
「走行開始/終了時刻」は
図3では不図示であるが、例えば、走行を開始した時刻である8時30分と走行を終了した時刻である10時00分との組み合わせを示す「(開始)0830/(終了)1000」等を用いてもよい。
【0066】
<走行車両>
「走行車両」とは、例えば、
図3の車両特定情報が示す車両を示す概念である(
図3では、不図示であるが、運送会社各々において定められている車両の名称である「1号車」等)。
【0067】
<燃料消費量>
「燃料消費量」とは、例えば、
図3の日付情報が示す日付において、案件情報が示す案件を実行するために、車両特定情報が示す車両が走行した際に、当該車両が消費した燃料の量を示す概念である(
図3では不図示であるが、「60リットル」等)。
【0068】
<高速料金>
「高速料金」とは、例えば、
図3の日付情報が示す日付において、案件情報が示す案件を実行するために、車両特定情報が示す車両が走行した有料道路(一例としては高速道路)を走行した場合の、当該有料道路を走行するために支払った料金を示す概念である(
図3では不図示であるが、「7000円」等)。
【0069】
<CO2排出量>
「CO2排出量」とは、例えば、
図3の日付情報が示す日付において、案件情報が示す案件を実行するために、車両特定情報が示す車両が走行した際に、当該車両から排出された二酸化炭素の量を示す概念である(
図3では不図示であるが、「123」等)。
【0070】
===第1利用関連情報による例示===
そして、
図3の最上段の情報については例えば、「神戸101ねAAAA」が示す車両が、運送事業者である「X社」が利用していること(つまり、「X社」によって管理されている車両であること)、当該車両が「2023/1/24」に、
図3の最上段に示す案件情報が示す案件で利用され、その際の走行に関する履歴が、
図3の最上段の走行履歴情報が示す履歴であったこと等が示されている。なお、この「神戸101ねAAAA」が示す車両については、
図3の4段目に示すように、「2023/1/23」にも利用されていることが図示されている。
【0071】
===第1利用関連情報の格納手法===
なお、この第1利用関連情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、各運送事業者側に、当該運送事業者による運送に関する情報が格納されているデータベースが設けられていることとし、サーバ装置2が、各整運送事業者のデータベースから定期的に情報を取得して格納することとしてもよい。又は、例えば、各運送事業者が、自社の運送に関する情報等を、
図1の端末装置1を介してサーバ装置2に送信して入力することにより、格納されることしてもよい。なお、ここでの「運送に関する情報」とは、例えば、
図3の運送事業者情報、日付情報、車両特定情報、案件情報、及び走行履歴情報に対応する情報であり、
図3の各情報を格納可能な情報であることとする。
【0072】
なお、
図3の各情報の内の案件情報及び走行履歴情報としては、例えば、以下に示す情報を用いてもよい。
【0073】
=案件情報=
図3の案件情報としては、例えば、各運送事業者の担当者が、出発地、目的地等の各情報を各運送事業者のデータベースに入力して格納し、サーバ装置2が、この入力されて格納された情報を取得して格納することとしてもよい。
【0074】
=走行履歴情報=
図3の走行履歴情報の各情報については、例えば、各車両の車載装置が自己の格納部(メモリ)に対して、対応する情報を格納するように構成されていることとして、各車載装置が、1日の業務終了時間後に当該格納されている情報を、各運送事業者のデータベースに送信して格納し、サーバ装置2が、この送信されて格納された情報を取得して格納することとしてもよい。
【0075】
<走行座標履歴>
特に、
図3の走行履歴情報の内の走行座標履歴を示す情報については、例えば、各車両の車載装置に、地図を示す地図情報が格納されていることとする。そして、当該車載装置が、所定時間間隔毎に自己の現在位置を任意の手法(例えばGPS信号を用いる手法等)で繰り返し検出して、検出した現在位置に対応する前述の地図情報が示す地図における座標と現在位置を検出した時刻とを関連付けた状態で、格納部に格納して蓄積するように構成されていることとする。この蓄積されている情報を、「走行座標履歴」を示す情報として用いることとしてもよい。なお、ここで説明した地図情報については、サーバ装置2の記録部22にも記録されていることとし、サーバ装置2側においても、地図情報が示す地図の座標に基づいて、地図上の位置を特定可能になっていることとする。
【0076】
<走行座標履歴以外>
また、
図3の走行履歴情報の内の走行座標履歴を示す情報以外の情報については、前述した通り、車載装置が自己の格納部に格納されていることとし、この格納されている情報を用いることとする。なお、「ドライバー」及び「走行車両」を示す情報については、例えば、各運送事業者の担当者が、各運送事業者のデータベースに入力して格納し、サーバ装置2が、この入力されて格納された情報を取得して格納することとしてもよい。
【0077】
(構成-サーバ装置-記録部-第2利用関連情報)
図4は、第2利用関連情報を例示した図である。
図1の「第2利用関連情報」とは、複数の車両の利用に関する利用関連情報であり、例えば、前述の整備関連情報が格納されている複数の車両(つまり、第1利用関連情報が格納されている複数の車両)についての事故に関する情報である。「第2利用関連情報」とは、詳細には例えば、事故を起こした車両、及び、当該事故に関する内容等を示す情報である。
【0078】
図1の第2利用関連情報の内容は任意であるが、例えば、
図4に示す各項目の情報が相互に関連付けられた情報である。
【0079】
=運送事業者特定情報=
図4の項目「運送事業者特定情報」に対応する情報は、車両を利用している運送事業者を特定する運送事業者特定情報であり、例えば、事故を起こした車両を利用している運送事業者を特定する情報である。この運送事業者特定情報としては、例えば、
図3の同一名称の情報と同様な情報が格納されている。
【0080】
=車両特定情報=
図4の項目「車両特定情報」に対応する情報は、車両を特定する車両特定情報であり、例えば、事故を起こした車両を特定する情報である。この車両特定情報としては、例えば、
図3の同一名称の情報と同様な情報が格納されている。
【0081】
=事故情報=
図4の項目「事故情報」に対応する情報は、起こした事故に関する情報であり、例えば、ドライバー、事故日時、事故発生場所、事故内容、対象走行履歴、及び対象案件を示す情報が格納されている。
【0082】
「ドライバー」とは、例えば、事故を起こした車両の運転手の属性を示す概念である(
図4では不図示であるが、運転手の年齢、性別、運転歴等である)。「事故日時」とは、例えば、事故が発生した日時を示す概念である(
図4では不図示であるが、「2021/3/5」等)。「事故発生場所」とは、例えば、事故が発生した場所を示す概念である(
図4では不図示であるが、前述の地図情報における座標である「X33,Y31」等)。「事故内容」とは、例えば、事故の内容を示す概念である(
図4では不図示であるが、「右折時の事故」等)。「対象走行履歴」とは、例えば、事故発生時(一例としては、事故を起こした日付等)における車両が走行した地点を示す座標の履歴を示す概念である(
図3の走行履歴情報における走行座標履歴と同様な情報である「(X91,Y91)-090101,…」等)。「対象案件」とは、例えば事故発生時の運送の案件を示す概念である。この「対象案件」の具体的な内容は任意であるが、例えば、
図3の案件情報と同様な情報が格納されていることとしてもよいし、あるいは、
図3の案件情報が示す各案件に関して、案件ID(案件を一意に識別するための情報)が設定されていることとし、この案件IDが対象案件を示す情報として格納されていることとしてもよい。
【0083】
そして、
図4の最上段の情報については例えば、「X社」が利用している「神戸101ねAAAA」が示す車両が、過去に、事故情報が示す事故を起こしたことが示されている。
【0084】
なお、この第2利用関連情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、各運送事業者側に、当該運送事業者が起こした事故に関する情報が格納されているデータベースが設けられていることとし、サーバ装置2が、各整運送事業者のデータベースから定期的に情報を取得して格納することとしてもよい。又は、例えば、各運送事業者が、自社の事故に関する情報等を、
図1の端末装置1を介してサーバ装置2に送信して入力することにより、格納されることとしてもよい。なお、ここでの「事故に関する情報」とは、例えば、
図4の運送事業者情報、車両特定情報、及び走行事故情報に対応する情報であり、
図4の各情報を格納可能な情報であることとする。
【0085】
(構成-サーバ装置-制御部)
図1の制御部23は、サーバ装置2を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラム(生成プログラム)や各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係るプログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介してサーバ装置2にインストールされることで、制御部23の各部を実質的に構成する。
【0086】
制御部23は、機能概念的には、
図1に示すように例えば、取得部231、生成部232、及び出力部233を備える。
【0087】
===取得部===
取得部231は、対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得手段である。取得部231は、例えば、対象運送事業者が対象車両を代替する場合の基準である代替用基準を示す代替用基準情報を更に取得する手段である。なお、代替用基準情報については、後述する。
【0088】
===生成部===
生成部232は、複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、当該複数の車両の利用に関する利用関連情報と、取得手段が取得した対象車両特定情報とに基づいて、代替関連参考情報を生成する生成手段である。生成部232は、例えば、少なくとも利用関連情報に基づいて、所定の基準項目を基準とした複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、第1処理で特定した特徴関連情報とに基づいて、複数の車両の中から、対象車両に近似する近似車両を特定する第2処理と、第2処理で特定した近似車両と、整備関連情報又は利用関連情報に基づいて、代替関連参考情報を生成する第3処理と、を行う。なお、特徴関連情報については後述する。
【0089】
生成部232は、例えば、第2処理において、取得手段が取得した対象車両特定情報と、第1処理で特定した特徴関連情報とに基づいて、複数の車両の中から近似車両を特定する。また、生成部232は、例えば、第3処理において、整備費用情報が示す整備費用を基準として、第2処理で特定した近似車両の中から車両を選択し、選択した車両への代替を推奨する情報を代替関連参考情報として生成する。また、生成部232は、第3処理において、整備費用情報に基づいて、対象車両の未来の整備費用を推定し、推定した整備費用を示す情報を代替関連参考情報として生成する。
【0090】
生成部232は、例えば、第2処理において、第1処理で特定した特徴関連情報と、取得手段が取得した代替用基準情報とに基づいて、近似車両を特定する。また、生成部232は、例えば、第2処理において、取得手段が取得した代替用基準情報に基づいて、複数の所定の基準項目に対応する特徴関連情報に対して重み付けを行う重み付け処理と、対象車両に関する複数の特徴関連情報であって重み付け処理にて重み付けされた特徴関連情報と、他の車両に関する複数の特徴関連情報であって重み付け処理にて重み付けされた特徴関連情報とを比較する比較処理と、比較処理の処理結果に基づいて、他の車両の中から近似車両を特定する特定処理と、を行う。
【0091】
===出力部===
出力部233は、生成手段が生成した代替関連参考情報を出力する出力手段である。なお、この制御部23の各手段によって実行される処理については、後述する。
【0092】
(代替用基準情報及び特徴関連情報)
次に、前述の代替用基準情報及び特徴関連情報について説明する。
【0093】
===代替用基準情報===
「代替用基準情報」とは、対象運送事業者が対象車両を代替する場合の基準である代替用基準を示す情報であり、具体的には、対象運送事業者が対象車両を代替する場合に重要視する観点に対応する基準を示す情報である。
【0094】
代替用基準情報の具体的な内容な任意であるが、例えば、運送の際に車両が海沿いを比較的多く走行する案件を実行することが比較的多い運送事業者が、海沿いでの利用に適していることを重要視することが想定されるが、この場合、「海沿いでの利用」を代替用基準情報として用いてもよい。また、例えば、運送の際に車両が寒冷地(地図上で予め定められた、気温が比較的低いことが想定される地点又は地域)を比較的多く走行する案件を実行することが比較的多い運送事業者が、寒冷地での利用に適していることを重要視することが想定されるが、この場合、「寒冷地での利用」を代替用基準情報として用いてもよい。また、例えば、特定の業種の荷主に関する案件を実行することが比較的多い運送事業者が、当該業種の荷主の案件を継続的に実行することを重要視することが想定されるが、この場合、「荷主の業種」を代替用基準情報として用いてもよい。
【0095】
===特徴関連情報===
図5は、特徴関連情報の説明図である。「特徴関連情報」とは、所定の基準項目を基準とした複数の車両に関する特徴を示す情報であり、具体的には、複数の所定の基準項目を基準とした複数の車両に関する特徴を示す情報である。この「特徴関連情報」は、例えば、利用関連情報、又は、利用関連情報と他の情報(例えば、整備関連情報等)に基づいて特定可能な情報であり、一例としては、これらの各情報に関する統計的な演算により特定される統計情報である。
【0096】
「所定の基準項目」とは、複数の特徴関連情報をグループ化する基準となる項目であり、具体的には、複数の車両に関する特徴の基準となる項目であり、例えば、
図5の「基準項目」の欄に示すように、位置、天候、貨物、荷主、走行頻度、負荷のかかる運転、優良ドライバー、及び累積整備期間等に対応する項目である。なお、
図5で図示した基準項目は例示であり、一部の項目を省略したり、あるいは、他の項目を追加したりしてもよい(
図5の「特徴関連情報」の欄に例示した情報を同様とする)。
【0097】
また、この所定の基準項目(
図5の「基準項目」の欄に示す位置、天候等の項目)としては、例えば、代替用基準情報に関連する項目を用いてもよいし、あるいは、代替用基準情報には関連せず無関係な項目を用いてもよい。本実施の形態では、代替用基準情報に関連する項目を用いる場合について説明する。また、説明の便宜上、所定の基準項目を単に「基準項目」とも称する。
【0098】
また、
図5の「特徴関連情報」の欄に示すように、本実施の形態では複数の特徴関連情報を用いることになるが、以下では、「基準項目」及び「番号」を用いて、各特徴関連情報を適宜参照して説明する。また、特徴関連情報の詳細については、後述する。
【0099】
(処理)
次に、このように構成される情報処理システム100によって行われる推奨車両関連情報出力処理及び予測整備費用関連情報出力処理について説明する。
【0100】
(処理-推奨車両関連情報出力処理)
まず、推奨車両関連情報出力処理について説明する。
図6は、推奨車両関連情報出力処理のフローチャートである(以下では、各ステップを「S」と称する)。推奨車両関連情報出力処理は、サーバ装置2で行われる処理であり、概略的には、推奨車両関連情報を出力する処理である。「推奨車両関連情報」とは、代替関連参考情報であり、具体的には、代替を推奨する車両(代替先の車両)を示す情報である。この推奨車両関連情報出力処理を実行するタイミングは任意であるが、例えば、対象運送事業者が自社の端末装置1を介して所定操作(処理を起動するための操作)を行った場合に起動することとし、この推奨車両関連情報出力処理が起動したところから説明する(後述の予測整備費用関連情報出力処理も同様とする)。
【0101】
===SA1===
図6のSA1において生成部232は、
図2の整備関連情報、
図3の第1利用関連情報、及び
図4の第2利用関連情報に基づいて、複数の車両(つまり、対象車両及び他の車両を含む記録部22に情報が記録されている全ての車両)各々に関する特徴関連情報を特定する。
【0102】
具体的には任意であるが、例えば、
図5に示す各基準項目各々に属する特徴関連情報の定義又は当該定義に対応する演算式等が記録部22に記録されていることとし、この記録されている定義又は演算式等に対して各車両に関する各情報を適用して演算等することにより特定してもよい。
【0103】
==処理例==
ここでは、例えば、「神戸101ねAAAA」の車両に関する特徴関連情報を特定する場合の処理例について説明する。
【0104】
<
図5の「基準項目」=「位置」の「番号」=「1」に対応する特徴関連情報>
図5の「基準項目」=「位置」の「番号」=「1」に対応する特徴関連情報(つまり、「総走行距離当たり、高い標高を走行した距離の割合」)については、
図3の走行履歴情報の走行距離及び走行座標履歴に基づいて特定する。具体的には第1ステップ~第4ステップを実行する。
【0105】
まず、第1ステップでは、
図3の第1利用関連情報において、「車両特定情報」=「神戸101ねAAAA」に関連付けられている走行履歴情報を全て特定することにより、過去の全ての日付における「神戸101ねAAAA」が示す車両の走行履歴情報を特定する。ここでは、例えば、「2023/1/24」に関連付けられている走行履歴情報、「2023/1/23」に関連付けられている走行履歴情報、及び
図3では不図示であるが他の日付情報に関連付けられている走行履歴情報も特定する。
【0106】
次に、第2ステップでは、第1ステップで特定した全ての走行履歴情報(
図3)において、走行距離を取得し、取得した走行距離の合計値を総走行距離として特定する。ここでは、例えば、第1ステップで特定した走行履歴情報において、走行距離として「300km」、「400km」等が格納されている場合、これらの合計値を求める演算(「300km+400km+…」の演算)を行った演算結果が「200,000km」となった場合、総走行距離として「200,000km」を特定する。
【0107】
次に、第3ステップでは、第1ステップで特定した全ての走行履歴情報(
図3)において、走行座標履歴を取得し、取得した走行座標履歴に基づいて、高い標高を走行した距離を特定する。具体的な特定手法は任意であるが、例えば、サーバ装置2の記録部22に記録されている地図情報(不図示)については、地図上の各地点における標高を示す標高情報が含まれていることとする。そして、地図情報及び前述の取得した走行座標履歴に基づいて、「神戸101ねAAAA」が示す車両が走行した地点を道路に沿って結ぶことにより、当該車両の走行ルートを特定し、特定した走行ルートの中で所定の標高値(例えば、300m~500m等の予め定められた閾値)以上となる標高の走行ルートを特定し、当該特定した走行ルートの距離の合計値を高い標高を走行した距離として特定する。
【0108】
次に、第4ステップでは、第3ステップで特定した距離を被除数とし、第2ステップで特定した距離を除数とした除算(つまり、
図5の「演算式等」の欄に記載の「高い標高を走行した距離」÷「総走行距離」の演算)を行い、演算結果を、「神戸101ねAAAA」の車両に関する基準項目」=「位置」の「番号」=「1」に対応する特徴関連情報として特定する。
【0109】
<
図5の「基準項目」=「位置」の「番号」=「2」に対応する特徴関連情報>
図5の「基準項目」=「位置」の「番号」=「2」に対応する特徴関連情報(つまり、「総走行距離当たり、海岸近くを走行した距離の割合」)については、
図3の走行履歴情報の走行距離及び走行座標履歴に基づいて特定する。概略的には、前述の
図5の「基準項目」=「位置」の「番号」=「1」に対応する特徴関連情報に関する処理と同様な処理を行うが、特に、海岸近くを走行した距離については、前述の第3ステップにおいて、車両の走行ルートを特定し、特定した走行ルートの中で海岸からの距離が所定距離(例えば、50m~100m等)以内となる位置の走行ルートを特定し、当該特定した走行ルートの距離の合計値を、海岸近くを走行した距離として特定した上で、
図5の「演算式等」の欄に例示されている演算を行い、演算結果を、「神戸101ねAAAA」の車両に関する基準項目」=「位置」の「番号」=「2」に対応する特徴関連情報として特定する。
【0110】
そして、
図5に例示されている他の特徴関連情報についても、記録部22に記録されている各情報に基づいて、上述の処理と同様な処理を含む任意の処理を行うことにより、特定する。ここでの処理例としては、任意の処理例を適用できるので、以下では、各特徴関連情報各々における特徴的な内容のみ説明する。
【0111】
<
図5の「基準項目」=「位置」の「番号」=「3」に対応する特徴関連情報>
【0112】
図5の「基準項目」=「位置」の「番号」=「3」に対応する特徴関連情報(つまり、「登録日からの総所有日数に対応する時間当たり、海岸近くに停車した時間の割合」)については、
図2の車両情報における登録日が示す日付から現在の日付までに対応する時間を「登録日からの総所有日数に対応する時間」とし、また、
図3の走行履歴情報における走行座標履歴、走行開始/終了時刻、及び不図示の地図情報に基づいて「海岸近くに停車した時間」を特定し、
図5の「演算式等」の欄に例示されている演算を行うことにより、特徴関連情報として特定する。なお、「海岸近く」であるか否かについては、海岸からの距離が所定距離(例えば、50m~100m等)以内であるか否に基づいて特定してもよい。
【0113】
<
図5の「基準項目」=「天候」の特徴関連情報>
図5の「基準項目」=「天候」の特徴関連情報に対応する「番号」=「1」~「4」の特徴関連情報については、概略的には、以下の処理を行う。
【0114】
「番号」=「1」の特徴関連情報については、前述の場合と同様にして総走行距離を特定し、また、
図3の走行履歴情報における走行座標履歴、及び不図示の地図情報に基づいて、「寒冷地を走行した距離」を特定し、
図5の「演算式等」の欄に例示されている演算を行うことにより、特徴関連情報として特定する。なお、「寒冷地」であるか否かについては、地図上の予め寒冷地と定められた地域であるか否かに基づいて特定してもよい。なお、総走行距離を特定する処理は、以下でも同様の処理を適用できるので、その説明は省略する。また、以下の処理では、
図5の対応する「演算式等」の欄に例示されている演算を行うことにより、演算結果を特徴関連情報として特定することになるので、この説明は簡略化して説明する。
【0115】
「番号」=「2」の特徴関連情報については、
図3の走行履歴情報における走行座標履歴、不図示の地図情報、及び天候情報に基づいて、「気温の高い位置を走行した距離」を特定することにより、特徴関連情報を特定する。なお、「気温の高い」か否かについては、所定の基準温度との比較結果に基づいて特定してもよい。また、「天候情報」とは、地図情報が示す地図上の各地点の各時刻における気温、風速、及び降雨量(雨が降っているか否かを含む)を示す情報であり、例えば、サーバ装置2の記録部22に記録されていることとしてもよいし、処理中にサーバ装置2が外部(例えば、気象庁側の装置等)から取得して利用することとしてもよい。
【0116】
「番号」=「3」の特徴関連情報については、「番号」=「2」の場合と同様にして、「強風の中を走行した距離」を特定することにより、特徴関連情報を特定する。なお、「強風」か否かについては、所定の基準風速との比較結果に基づいて特定してもよい。
【0117】
「番号」=「4」の特徴関連情報については、「番号」=「2」の場合と同様にして、「雨の中を走行した距離」を特定することにより、特徴関連情報を特定する。なお、「雨の中」か否かについては、所定の基準降雨量との比較結果に基づいて特定してもよい。
【0118】
<
図5の「基準項目」=「貨物」の特徴関連情報>
図5の「基準項目」=「貨物」の特徴関連情報に対応する「番号」=「1」~「6」の特徴関連情報については、概略的には、以下の処理を行う。
【0119】
「番号」=「1」の特徴関連情報については、
図3の案件情報における貨物重量、及び走行履歴情報の走行距離に基づいて、「貨物重量が重い場合に走行した距離」を特定することにより、特徴関連情報を特定する。なお、「重い」か否かについては、所定の基準値との比較結果に基づいて特定してもよい。なお、以下の「番号」=「2」~「6」の「軽い」、「大きい」、「小さい」、「多い」、「少ない」についても、同様に所定の基準値との比較結果に基づいて特定してもよい。
【0120】
「番号」=「2」の特徴関連情報については、
図3の案件情報における貨物重量、及び走行履歴情報の走行距離に基づいて、「貨物重量が軽い場合に走行した距離」を特定することにより、特徴関連情報を特定する。
【0121】
「番号」=「3」及び「4」の特徴関連情報については、
図3の案件情報における貨物容量、及び走行履歴情報の走行距離に基づいて、「貨物容量が大きい場合に走行した距離」及び「貨物容量が小さい場合に走行した距離」を特定することにより、特徴関連情報を特定する。
【0122】
「番号」=「5」及び「6」の特徴関連情報については、
図3の案件情報における貨物重量、貨物容量、及び走行履歴情報の走行距離に基づいて、「貨物密度(つまり、「貨物重量÷貨物容量」の演算結果)が多い場合に走行した距離」及び「貨物密度(つまり、「貨物重量÷貨物容量」の演算結果)が少ない場合に走行した距離」を特定することにより、特徴関連情報を特定する。
【0123】
<
図5の「基準項目」=「荷主」の特徴関連情報>
図5の「基準項目」=「荷主」の特徴関連情報に対応する「番号」=「1」の特徴関連情報については、例えば、以下の前提のもとで処理を行うこととする。
【0124】
前提については例えば、荷主に関する各種情報(例えば、荷主が行っている業務の業種(一例としては、食品業、精密機械業、畜産業等)を示す業種情報等)を特定するための荷主関連情報が、サーバ装置2の記録部22に記録されており、この荷主関連情報を参照することにより、各荷主の業種を把握可能となっていることとする。
【0125】
処理については例えば、不図示の荷主関連情報に基づいて、
図3の案件情報における荷主の業種を特定し、
図3の走行履歴情報における走行距離を参照して、前述の特定した業種の案件に関して走行した距離を「特定の荷主の業種の場合に走行した距離」として特定することにより、特徴関連情報を特定する。
【0126】
なお、ここでは、例えば、各車両が、過去において、様々な業種の荷主の案件に関する運送のために利用されたことが想定されるので、ここでの「特定の荷主の業種の場合に走行した距離」としては、例えば、「荷主の業種が食品業である場合に走行した距離」、「荷主の業種が精密機械業である場合に走行した距離」、及び「荷主の業種が畜産業である場合に走行した距離」等の各業種に関する走行距離を特定して、当該各業種に関する特徴関連情報として、以下の情報を特定してもよい。例えば、各車両に関して、「総走行距離当たり、荷主の業種が食品業である場合に走行した距離」(「荷主の業種が食品業である場合に走行した距離」÷「総走行距離」の演算値)、「総走行距離当たり、荷主の業種が精密機械業である場合に走行した距離」(「荷主の業種が精密機械業である場合に走行した距離」÷「総走行距離」の演算値)、「総走行距離当たり、荷主の業種が畜産業である場合に走行した距離」(「荷主の業種が畜産業である場合に走行した距離」÷「総走行距離」の演算値)等を特徴関連情報として特定するように構成してもよい。
【0127】
=バリエーション=
バリエーションとしては、以下に示す通りに構成してもよい。前提として例えば、推奨車両関連情報出力処理の起動時に、対象運送事業者である
図1の「X社」が、端末装置11を介して、特定の荷主の業種を示す業種入力情報をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2が当該情報を受信済であることとする。ここでは、例えば、「X社」が、今後重要視する荷主の業種を示す業種情報として「精密機械業」を示す情報を送信し、サーバ装置2が当該情報を受信済であることとする。
【0128】
処理については例えば、
図3の案件情報における荷主、走行履歴情報の走行距離、不図示の荷主関連情報、及び端末装置11から受信した業種入力情報に基づいて、受信した業種入力情報が示す業種を特定の荷主の業種として、「特定の荷主の業種の場合に走行した距離」を特定することにより、特徴関連情報を特定するように構成してもよい。
【0129】
<
図5の「基準項目」=「走行頻度」の特徴関連情報>
図5の「基準項目」=「走行頻度」の特徴関連情報に対応する「番号」=「1」の特徴関連情報については、
図3の走行履歴情報の走行開始/終了時刻に基づいて、記録されている走行開始/終了時刻の個数に着目して、走行の開始及び停止の組み合わせの個数を、走行及び停止を繰り返した回数として特定した上で、特定した走行及び停止を繰り返した回数の合計値を「走行履歴の回数の合計」として特定することにより、特徴関連情報を特定する。
【0130】
<
図5の「基準項目」=「負荷のかかる運転」の特徴関連情報>
図5の「基準項目」=「負荷のかかる運転」の特徴関連情報に対応する「番号」=「1」~「4」の特徴関連情報については、例えば、以下の前提のもとで処理を行うこととする。
【0131】
前提については例えば、各車両の車載装置に、急ブレーキが行われた回数、急加速が行われた回数、車両の平均速度、急なギアチェンジが行われた回数を示す情報が格納されていることとし、この格納されている情報と同じ情報(以下、「運転関連情報」)が、任意の手法で、サーバ装置2の記録部22に記録されていることとする。なお、この運転関連情報としては、例えば、
図3の走行履歴情報に含まれる情報として記録されていることとしてもよい。
【0132】
「番号」=「1」~「4」の特徴関連情報については、前述の運転関連情報(不図示)に基づいて、急ブレーキが行われた回数、急加速が行われた回数、車両の平均速度、及び急なギアチェンジが行われた回数各々を、「急ブレーキの回数」、「急加速の回数」、「平均速度」、及び「急なギアチェンジの回数」として特定することにより、特徴関連情報を特定する。
【0133】
<
図5の「基準項目」=「優良ドライバー」の特徴関連情報>
図5の「基準項目」=「優良ドライバー」の特徴関連情報に対応する「番号」=「1」の特徴関連情報については、まず、
図3の走行履歴情報におけるドライバーに関して、優良ドライバーであるか否かを特定する。この特定手法は任意であるが、例えば、前述の運転関連情報(不図示)が示す情報(各運転手が行った急ブレーキの回数等)と基準値との比較結果に基づいて特定してもよいし、
図4の事故情報として記録されているドライバーに該当しない場合に、優良ドライバーであるものと特定してもよい。次に、前述の
図3の走行履歴情報におけるドライバー及び走行距離、及び前述の優良ドライバーに関する特定結果に基づいて、「優良ドライバーが運転し場合に走行した距離」を特定することにより、特徴関連情報を特定する。
【0134】
<
図5の「基準項目」=「累積整備期間」の特徴関連情報>
図5の「基準項目」=「累積整備期間」の特徴関連情報に対応する「番号」=「1」の特徴関連情報については、
図2の車両情報における登録日が示す日付から現在の日付までに対応する日数を「登録日からの総所有日数」とし、また、
図2の整備内容関連情報における整備開始日及び整備終了日に基づいて、「整備開始日から整備終了日までの期間に対応する日数」を特定することにより、特徴関連情報を特定する。
【0135】
<他の車両に関する特徴関連情報>
そして、上記の各処理と同様な処理を行うことにより、「神戸101ねAAAA」の車両以外の車両も含む、記録部22に情報が記録されている全ての車両各々に関して、
図5に示す特徴関連情報を特定する。
【0136】
なお、このSA1が「第1処理」に対応するものと解釈してもよい。
【0137】
===SA2===
図6のSA2において取得部231は、対象車両特定情報及び代替用基準情報を取得する。具体的には任意であるが、例えば、以下の前提のもとで処理を行うこととする。
【0138】
=前提=
前提については例えば、推奨車両関連情報出力処理の起動時に、対象運送事業者である「X社」(
図1)が、端末装置11を介して、自社の代替の対象となる対象車両を特定する対象車両特定情報として、当該車両の自動車登録番号である「神戸101ねAAAA」をサーバ装置2に送信し、また、自社が代替において重要視する観点に対応する「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」を示す情報を、代替用基準情報としてサーバ装置2に送信し、サーバ装置2がこれらの情報を受信済であることとする。
【0139】
=処理=
処理については例えば、取得部231は、対象運送事業者によって入力されてサーバ装置2が受信した対象車両特定情報及び代替用基準情報を取得する。
【0140】
ここでは、例えば、対象車両特定情報として「神戸101ねAAAA」を取得し、また、代替用基準情報として「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」の3個の情報を特定する。
【0141】
===SA3===
図6のSA3において生成部232は、SA1及びSA2の処理結果に基づいて、近似車両を特定する。「近似車両」とは、対象車両と近似して似ている他の車両であり、すなわち、代替の対象となる車両に近似している他の車両を示す概念である。なお、「近似している」ことの判断手法は任意であるが、例えば、SA1で特定した特徴関連情報に基づいて判断する場合について説明する。
【0142】
このSA3については、SA2で取得した代替用基準情報各々を個別に考慮した場合の近似車両(つまり、例えば、「海沿いでの利用」を考慮した近似車両、「寒冷地での利用」を考慮した近似車両、及び「荷主の業種」を考慮した近似車両)を特定するように構成してもよいし、あるいは、SA2で取得した代替用基準情報全てをまとめて考慮した場合の近似車両(つまり、例えば、「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」をまとめて考慮した近似車両)を特定するように構成してもよいが、ここでは、例えば、代替用基準情報各々を個別に考慮した場合の近似車両を特定する場合について説明する。
【0143】
例えば、SA2で取得した代替用基準情報各々に関して、以下に示す第1ステップ~第4ステップを行う。以下では、主に、SA2で取得した代替用基準情報である「海沿いでの利用」に関する処理を例示して説明する。
【0144】
=第1ステップ=
第1ステップでは、SA2で取得した代替用基準情報に基づいて、SA1で特定した特徴関連情報に関する複数の基準項目の中から、SA2で取得した代替用基準情報に関連する基準項目を選択する。例えば、以下の前提のもとで処理を行うこととする。
【0145】
<前提>
前提については例えば、代替用基準情報については、
図5に示す複数の基準項目の内の1個以上の基準項目に関連する情報が入力されてSA2で取得されように構成されていることとする。詳細には、代替用基準情報として入力される候補である代替用基準候補情報(
図5に示す複数の基準項目の内の1個以上の基準項目に関連する情報)が複数定められており、運送事業者は、この複数の代替用基準候補情報の中から1個以上を選択して代替用基準情報として入力することにより、
図5に示す複数の基準項目の内の1個以上の基準項目に関連する情報が入力されてSA2で取得されように構成されていることとする。
【0146】
また、例えば、各代替用基準候補情報と当該各代替用基準候補情報に関連付けられている基準項目を示す情報とを含む基準項目特定用情報(つまり、各代替用基準情報に関連する基準項目を特定するための情報)が、サーバ装置2の記録部22に格納されていることとする。ここでは、例えば、基準項目特定用情報においては、代替用基準情報である「海沿いでの利用」に対して
図5の「基準項目」=「位置」が関連しており、代替用基準情報である「寒冷地での利用」に対して
図5の「基準項目」=「天候」が関連しており、代替用基準情報である「荷主の業種」に対して
図5の「基準項目」=「荷主」が関連していることが特定されていることとする。
【0147】
<処理>
処理については例えば、記録部22の基準項目特定用情報(不図示)を参照して、SA1で特定した各特徴関連情報に関する複数の基準項目の中から、SA2で取得した代替用基準情報に関連する基準項目を特定して選択する。
【0148】
ここでは、例えば、記録部22の基準項目特定用情報(不図示)を参照して、
図5の「基準項目」の欄に示す基準項目の中から、SA2で取得した代替用基準情報である「海沿いでの利用」に関連する基準項目として、「基準項目」=「位置」を特定して選択する。
【0149】
<バリエーション>
バリエーションとしては、例えば、代替用基準候補情報は用いずに、例えば、代替用基準情報を入力した場合に、入力された代替用基準情報に関連する基準項目を示す情報を出力するモデルを、機械学習等により生成して記録部22に記録し、当該モデルを用いて、SA2で取得した代替用基準情報に関連する基準項目を特定して選択するように構成してもよい。
【0150】
=第2ステップ=
第2ステップでは、第1ステップの処理結果に基づいて、SA1で特定した特徴関連情報に対して、重み付けを行う(つまり、「重み付け処理」を行う)。
【0151】
なお、ここでの重み付けに関する処理は任意であるが、例えば、近似車両を特定する当該SA3の処理において、SA1で特定した特定関連情報の中で、SA2で取得した代替用基準情報に関連する基準項目として第1ステップで選択した基準項目(以下、「関連基準項目」とも称する)に関する特徴関連情報が、最終処理結果に対して比較的大きな度合いで影響を及ぼすように処理を行うこととする。詳細には、本実施の形態では、前述したように特徴関連情報が、
図5の「演算式等」の欄に示す演算を行うことにより算出される数値情報であることを考慮して、各特徴関連情報(つまり、数値情報)に対して、所定の数値の係数を乗じる(つまり、「特徴関連情報」×「係数」の演算を行う)ことにより、各特徴関連情報に対して重み付けを行うこととする。
【0152】
各特徴関連情報に乗じる係数の数値は任意であるが、例えば、「関連基準項目」(つまり、第1ステップで選択した代替用基準候補情報に関連する基準項目)に対応する特徴関連情報に対しては、乗じることにより演算値が大きくなる係数(一例としては、「1」より大きな値の定数である「1.5」等)を乗じることとし、「関連基準項目」以外の基準項目(つまり、第1ステップで選択した代替用基準候補情報に関連する基準項目以外の基準項目)に対応する特徴関連情報に対しては、乗じたとしても演算値が変化しない係数(つまり、「1」)を乗じることとしてもよい。
【0153】
ここでは、例えば、第1ステップにおいて「関連基準項目」として「位置」を選択したので、
図5の「基準項目」=「位置」の「番号」=「1」~「3」に対応する特徴関連情報(つまり、
図5の1段目~3段目に図示されている情報)に対して、係数として「1.5」を掛け合わせる演算を行う。また、上記以外の特徴関連情報(つまり、「基準項目」=「天候」、「貨物」、「荷主」、「走行頻度」、「負荷のかかる運転」、「優良ドライバー」、及び「累積整備期間」に対応する特徴関連情報であって、
図5の4段目以降に図示されている情報)に対して、係数として「1」を掛け合わせる演算を行う。このようにして、各特徴関連情報に対して重み付けを行う。
【0154】
なお、SA1において、複数の車両各々に関する特徴関連情報が特定されているので、この第2ステップでは、全ての車両に関する特徴関連情報に対して、重み付けを行うことになる。すなわち、例えば、
図3の「神戸101ねAAAA」が示す車両に関する複数の特徴関連情報、「神戸202はZZZZ」が示す車両に関する複数の特徴関連情報、及び「尾張小牧300まBBBB」が示す車両に関する複数の特徴関連情報等に対して、重み付けを行うことになる。
【0155】
=第3ステップ=
第3ステップでは、第2ステップで重み付けされた対象車両に関する複数の特徴関連情報と、第2ステップで重み付けされた他の車両(複数の車両の内の対象車両以外の車両)各々に関する複数の特徴関連情報とを比較する(つまり、「比較処理」を行う)。なお、ここでは、各車両に対して
図5に例示した複数の特徴関連情報が特定されており、各特徴関連情報に関して第2ステップで重み付けされているが、重み付けされた特徴関連情報を「重み付け済特徴関連情報」と称し、また、重み付けされた複数の特徴関連情報(
図5に例示の各車両に関して特定された特徴関連情報)をまとめて「重み付け済特徴関連情報群」と称して説明する。
【0156】
処理について具体的には、例えば、複数の車両の中で、SA2で取得した対象車両特定情報に特定される車両を対象車両とみなし(他の処理でも同様)、当該対象車両以外の車両を他の車両とみなして(他の処理でも同様)、対象車両に関する「重み付け済特徴関連情報群」と、他の車両各々に関する「重み付け済特徴関連情報群」とを比較することにより、対象車両の「重み付け済特徴関連情報群」と他の車両の「重み付け済特徴関連情報群」との差分各々を特定する。
【0157】
また、ここでの差分の特定手法は任意であるが、例えば、「重み付け済特徴関連情報群」に含まれる各「重み付け済特徴関連情報」が数値情報であることに着目して、対象車両の「重み付け済特徴関連情報群」と他の車両の「重み付け済特徴関連情報群」との間の、数値群同士のいわゆる距離を差分として特定してもよく、一例としては、
図5の同じ種類の「重み付け済特徴関連情報」同士の差分値(つまり、
図5の基準項目及び番号が同じ「重み付け済特徴関連情報」同士の差分値)を、全ての種類の「重み付け済特徴関連情報」に関して算出し、算出した差分値の合計を、対象車両の「重み付け済特徴関連情報群」と他の車両の「重み付け済特徴関連情報群」との差分として特定する。
【0158】
ここでは、例えば、SA2で対象車両特定情報として「神戸101ねAAAA」を取得したので、「神戸101ねAAAA」が示す車両を対象車両とみなし、一方、当該車両以外の車両(つまり、例えば、
図3で例示の「神戸202はZZZZ」が示す車両、「尾張小牧300まBBBB」が示す車両等)を他の車両とみなして以下の処理を行う。
【0159】
図7は、処理の説明図である。
図7においては、対象車両(例えば「神戸101ねAAAA」が示す車両)と第1の他の車両(例えば「神戸202はZZZZ」が示す車両)に関する、
図5の各特徴関連情報の一部の特徴関連情報についての重み付け済特徴関連情報が例示されている。「重み付け済特徴関連情報(対象車両)」の欄には、対象車両に関する重み付け済特徴関連情報の数値情報が例示されており、また、「重み付け済特徴関連情報(第1の他の車両)」の欄には、第1の他の車両に関する重み付け済特徴関連情報の数値情報が例示されており、「差分値」の欄には、同一種類の重み付け済特徴関連情報同士の差分値が例示されている(なお、図示されている数値は説明の便宜上の値である)。
【0160】
なお、本実施の形態では、例えば、一方から他方を差し引いた結果の絶対値を差分値として用いる場合について説明するが、これに限らず、一方から他方を差し引いた結果自体(つまり、絶対値でなく、正負の値を含む値)を差分値として用いてもよい。
【0161】
処理については例えば、
図7に示すように、対象車両の「重み付け済特徴関連情報」と第1の他の車両の「重み付け済特徴関連情報」との間の同じ種類の「重み付け済特徴関連情報」同士の差分値として、
図7の「差分値」の欄に示すように、例えば、「1.2」と「1.1」との差分値である「0.1」、「1.3」と「1.4」との差分値である「0.1」等を算出した上で、当該算出した各差分値の合計を求める演算(つまり、「0.1+0.1+0+0.5+…」の演算)を行い、演算結果を、対象車両の「重み付け済特徴関連情報群」と第1の他の車両の「重み付け済特徴関連情報群」との差分として特定する。
【0162】
また、例えば、同様な処理を行うことにより、対象車両(例えば「神戸101ねAAAA」が示す車両)の「重み付け済特徴関連情報群」と第2の他の車両(例えば「尾張小牧300まBBBB」が示す車両)の「重み付け済特徴関連情報群」との差分を特定する。そして、他の車両全てに関して同様な処理を行うことにより、対象車両の「重み付け済特徴関連情報群」と全ての他の車両各々の「重み付け済特徴関連情報群」との差分を特定する。
【0163】
=第4ステップ=
第4ステップでは、第3ステップの処理結果に基づいて、他の車両の中から近似車両を特定する(つまり、「特定処理」を行う)。具体的には任意であるが、例えば、第3ステップにおいて、他の車両の個数分の差分(対象車両の「重み付け済特徴関連情報群」と各他の車両の「重み付け済特徴関連情報群」との差分)が特定されることになるが、この差分の値が小さい程車両の特徴が相互に近似していることに着目して、特徴が近似している他の車両を近似車両として特定する。
【0164】
なお、ここでの近似車両の特定手法は任意であるが、例えば、第3ステップで特定した差分の中から所定の閾値(差分と比較される予め定められた値)よりも小さな値の差分を特定し、当該特定した差分に対応する他の車両を近似車両として特定するように構成してもよい。
【0165】
ここでは、例えば、他の車両が多数存在しており、第3ステップでは、当該他の車両の個数分だけ差分が特定されるが、多数の差分の中で、対象車両の「重み付け済特徴関連情報群」と第1の他の車両の「重み付け済特徴関連情報群」との差分、及び対象車両の「重み付け済特徴関連情報群」と第2の他の車両の「重み付け済特徴関連情報群」との差分が、所定の閾値よりも小さな値となっている場合、当該各差分に対応する他の車両である第1の他の車両(例えば「神戸202はZZZZ」が示す車両)及び第2の他の車両(例えば「尾張小牧300まBBBB」が示す車両)等を、近似車両として特定する。
【0166】
特に、ここで特定される近似車両については、第2ステップにおいて、SA2で取得した代替用基準情報である「海沿いでの利用」に関連する「基準項目」=「位置」(
図5及び
図7)に対応する特徴関連情報に対して係数である「1.5」が掛け合わされているので、「基準項目」=「位置」に対応する「重み付け済特徴関連情報」の差分値が、係数である「1.5」を掛け合わせない場合に比べて、大きな値になるために、「位置」に関する特徴を重要視して近似車両が特定され、すなわち、「海沿いでの利用」を考慮した近似車両が特定されることになる。
【0167】
また、バリエーションとしては、第3ステップで特定した差分の中から、値が最も小さい差分から、差分の値が小さい順に、所定個数(予め定められた個数であり、一例としては、5個~10個等)分の差分を特定し、当該特定した所定個数分に差分に対応する所定個数分の他の車両を近似車両として特定するように構成してもよい。
【0168】
そして、SA2で取得した代替用基準情報各々に関して第1ステップ~第4ステップを実行することにより、SA2で取得した代替用基準情報各々を個別に考慮した近似車両を特定することが可能となる。ここで、例えば、前述の「海沿いでの利用」を考慮した近似車両、「寒冷地での利用」を考慮した近似車両、及び「荷主の業種」を考慮した近似車両が特定されることになる。
【0169】
なお、このSA3が「第2処理」に対応するものと解釈してもよい。
【0170】
===SA4===
図6のSA4において制御部23は、SA3の処理結果に基づいて、推奨車両関連情報を生成して出力する。具体的な手法は任意であるが、概略的には、例えば、SA3で特定した近似車両の中から、代替先として推奨する車両である代替推奨車両を特定し、特定した代替推奨車両に基づいて推奨車両関連情報を生成し、生成した推奨車両関連情報を出力する。
【0171】
このSA4については、SA2で取得した代替用基準情報各々を個別に考慮した場合の代替推奨車両(つまり、例えば、「海沿いでの利用」を考慮した代替推奨車両、「寒冷地での利用」を考慮した代替推奨車両、及び「荷主の業種」を考慮した代替推奨車両)を特定するように構成してもよいし、あるいは、SA2で取得した代替用基準情報全てをまとめて考慮した場合の代替推奨車両(つまり、例えば、「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」をまとめて考慮した代替推奨車両)を特定するように構成してもよい、ここでは、例えば、代替用基準情報各々を個別に考慮した場合の代替推奨車両を特定する場合について説明する。
【0172】
代替推奨車両の特定手法は任意であるが、例えば、運送事業者側の運用コストを低減させる観点等から、車両の整備費用(つまり、
図2の整備内容関連情報における整備技術料)が最も安く最低価格となっている車両を代替推奨車両として特定する場合について説明する。
【0173】
処理について詳細には例えば、SA2で取得した代替用基準情報各々についてのSA3で特定した近似車両各々に関して、以下に示す第1ステップ~第2ステップを行うことにより、代替用基準情報各々についての代替推奨車両を特定した後に、以下に示す第3ステップを行うことにより、推奨車両関連情報を生成して出力する。
【0174】
=第1ステップ=
第1ステップでは、生成部232は、
図2の整備関連情報における整備内容関連情報を参照して、1個の代替用基準情報に関するSA3で特定した近似車両各々の整備技術料を特定する。なお、各近似車両については、例えば、定期的(例えば、1年間に1回~2回程度以上の頻度等)に繰り返し整備されており、
図2の整備関連情報として、この繰り返し行われた各回の整備に対応する整備に関する情報が格納されており、すなわち、整備技術料として複数の情報(つまり、例えば、令和元年6月の整備での整備技術料である「AA円」、令和元年12月の整備での整備技術料である「BB円」等)が格納されていることも想定される。
【0175】
このように1個の近似車両において、複数の整備技術料の情報が格納されている場合、例えば、複数の整備技術料の平均値(バリエーションとしては、中央値等でもよい)に対応する整備技術料を、近似車両の整備技術料として特定してもよい。また、例えば、複数の整備技術料の内の直近の1年間における整備での整備技術料(つまり、整備開始日及び整備終了日が直近の1年間となっているの整備技術料)の合計を、近似車両の整備技術料として特定してもよい。
【0176】
ここでは、例えば、
図2の整備関連情報に基づいて、「海沿いでの利用」についての近似車両としてSA3で特定した第1の他の車両(例えば「神戸202はZZZZ」が示す車両(
図2では不図示))の整備技術料として例えば「800,000円」を特定し、第2の他の車両(例えば「尾張小牧300まBBBB」が示す車両)の整備技術料として例えば「700,000円」を特定し、また更に他の車両の整備技術料を特定する。
【0177】
=第2ステップ=
第2ステップでは、生成部232は、1個の代替用基準情報に関する第1ステップで特定した各近似車両の整備技術料の中で、最も安い整備技術を特定し、当該特定した整備技術料の整備が行われた1個の近似車両を代替推奨車両として特定する。
【0178】
ここでは、例えば、第1ステップで特定した「700,000円」が最も安い場合について説明する。この場合、「海沿いでの利用」に関する第1ステップで特定した各近似車両の整備技術料の中で、最も安い整備技術として「700,000円」を特定し、当該特定した整備技術料である「700,000円」の整備が行われた1個の近似車両である「尾張小牧300まBBBB」が示す車両を、「海沿いでの利用」を考慮した代替推奨車両として特定する。
【0179】
そして、SA2で取得した代替用基準情報各々についてのSA3で特定した近似車両各々に関して第1ステップ~第2ステップを実行することにより、SA2で取得した代替用基準情報各々を個別に考慮した代替推奨車両を特定することが可能となる。ここで、例えば、前述の「海沿いでの利用」を考慮した代替推奨車両、「寒冷地での利用」を考慮した代替推奨車両、及び「荷主の業種」を考慮した代替推奨車両が特定されることになる。
【0180】
=第3ステップ=
第3ステップでは、概略的には、生成部232は、
図2の整備関連情報を参照して、SA2で取得した代替用基準情報各々を個別に考慮した場合の代替推奨車両に対応する車両情報を取得し、取得した車両情報の内の任意の情報(本実施の形態では、例えば、車型を示す情報)を示す推奨車両関連情報を生成し、出力部233は、生成部232が生成した推奨車両関連情報を対象運送事業者の端末装置1に送信して、当該端末装置1のディスプレイに表示して出力する。
【0181】
図8は、推奨車両関連情報の表示例を示す図である。
図8の推奨車両関連情報において、「ポイント」の欄には、車両を推奨する基準を示す推奨基準情報(代替する場合に重要視する観点に対応する基準を示す情報)であって、SA2で取得した代替用基準情報各々に関連する推奨基準情報が表示されており、「おすすめ車両」の欄には、各推奨基準情報が示す基準に基づいて推奨される代替推奨車両を示す情報が表示されている。
【0182】
処理について具体的には、
図2の整備関連情報を参照して、SA2で取得した代替用基準情報各々を個別に考慮した場合の代替推奨車両に対応する車両情報を取得し、取得した車両情報の内の車型を示す情報を特定し、特定した情報が示す車型の車両を製造するメーカーを任意の手法(例えば、車型とメーカーとが相互に関連付けられている情報が格納されており、当該情報に基づいて特定する手法等)で特定する。次に、SA2で取得した代替用基準情報に関連する推奨基準情報を任意の手法(例えば、代替用基準情報と推奨基準情報とが相互に関連付けられている情報が格納されており、当該情報に基づいて特定する手法等)で特定する。次に、この特定した推奨基準情報を「ポイント」の欄に表示し、各推奨基準情報に関連する代替用基準情報を考慮した代替推奨車両を示す車型及び当該車型の車両を製造するメーカーを「おすすめ車両」の欄に表示する推奨車両関連情報を生成して、生成した推奨車両関連情報を送信することにより、推奨車両関連情報を表示する。
【0183】
ここでは、例えば、SA2で取得した代替用基準情報である「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」各々を個別に考慮した場合の代替推奨車両に対応する車両情報を取得し、取得した車両情報の内の車型を示す情報(例えば、「海沿いでの利用」に関する代替推奨車両の車型である「ABA801」等)を特定し、特定した情報が示す車型の車両を製造するメーカー(例えば「YYYY」等)を特定する。次に、SA2で取得した代替用基準情報である「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」に関連する推奨基準情報として「海沿いを走る車両で整備費用が安かった車両」、「寒冷地を走る車両で整備費用が安かった車両」、及び「同じ業種の荷主で整備費用が安かった車両」を特定する。次に、これらの特定結果に基づいて、
図8に例示の推奨車両関連情報を生成して、生成した推奨車両関連情報を、対象運送事業者である「X社」(
図1)の端末装置11に送信することにより、当該端末装置11のディスプレイに推奨車両関連情報を表示して出力する。なお、
図8の例では、整備費用に着目して推奨車両関連情報を作成しているが、整備費用以外の情報に着目して作成してもよい。
【0184】
なお、このSA4が「第3処理」に対応するものと解釈してもよい。これにて、推奨車両関連情報出力処理を終了する。
【0185】
(処理-予測整備費用関連情報出力処理)
次に、予測整備費用関連情報出力処理について説明する。
図9は、予測整備費用関連情報出力処理のフローチャートである。予測整備費用関連情報出力処理は、サーバ装置2で行われる処理であり、概略的には、予測整備費用関連情報を出力する処理である。「予測整備費用関連情報」とは、代替関連参考情報であり、具体的には、対象車両の未来の推定される整備費用を示す情報である。
【0186】
===SB1~SB3===
図9のSB1~SB3において、
図6のSA1~SA3と同様な処理を行うことにより、SB1において、複数の車両に関する特徴関連情報を特定し、SB2において、対象車両特定情報及び代替用基準情報を取得し、SB3において、近似車両を特定する。
【0187】
===SB4===
図9のSB4において、制御部23は、SB3の処理結果に基づいて、予測整備費用関連情報を生成して出力する。
【0188】
具体的には任意であるが、概略的には、例えば、SB2で取得した代替用基準情報各々についてのSB3で特定した近似車両各々に関して、
図2の整備関連情報に基づいて、車齢(登録日から経過した年数)に対する年間の整備費用(つまり、各年における整備技術料の合計)を特定し、特定した車齢に対する年間の整備費用に基づいて、対象車両の未来の整備費用を推定し、推定した整備費用に基づいて予測整備費用関連情報を生成し、生成した予測整備費用関連情報を出力する。
【0189】
詳細には例えば、SB2で取得した代替用基準情報各々についてのSB3で特定した近似車両各々に関して、以下に示す第1ステップ~第3ステップを行うことにより、各近似車両についての車齢に対する年間の整備費用を特定し、以下に示す第4ステップを行うことにより、対象車両の未来の整備費用を推定した後に、以下に示す第5ステップを行うことにより、予測整備費用関連情報を生成して出力する。
【0190】
=第1ステップ=
第1ステップでは、生成部232は、
図2の車両情報に基づいて、SB3で特定した各近似車両の車齢を特定する。具体的には、
図2の車両情報における登録日を基準として、この登録日から当該登録日の1年後に対応する日付までの期間を「車齢」=「0」年とし、当該1年後に対応する日付から登録日の2年後に対応する日付までの期間を「車齢」=「1」年とし、以降の日付まで、同様にして、各近似車両の車齢を特定する。
【0191】
ここでは、例えば、登録日が2015年4月10日である場合、2015年4月10日から2016年4月9日までの期間を「車齢」=「0」年とし、2016年4月10日から2017年4月9日までの期間を「車齢」=「1」年とする。
【0192】
=第2ステップ=
第2ステップでは、生成部232は、
図2の整備内容関連情報(詳細には整備開始日及び整備終了日を示す情報)に基づいて、各近似車両の各整備が第1ステップで特定した何れの車齢中に行われたかを特定する。具体的には、整備期間(整備開始日から整備終了日までの期間)が1個の車齢期間(各社車齢の最初の日から最後の日までの期間であり、例えば、登録日から当該登録日の1年後の日付までの期間等)内のみに属する場合、当該属する車齢期間に対応する車齢を特定する。なお、整備期間(整備開始日から整備終了までの期間)が、2個の車齢期間にわたる場合も想定されるが、この場合、整備開始日が属する1個の車齢期間に対応する車齢を特定してもよい。
【0193】
ここでは、例えば、整備開始日が2015年6月1日であり、整備終了日が2015年6月20日である場合、整備期間(2015年6月1日から2015年6月20日までの期間)が、前述の「車齢」=「0」年の期間に属しているので、整備は「車齢」=「0」年中に行われたことを特定する。
【0194】
=第3ステップ=
第3ステップでは、生成部232は、第2ステップの処理結果(つまり、各近似車両の各整備が、前述の特定した各車齢の内の何れの車齢中に行われたかを示す情報)と、
図2の整備内容関連情報(詳細には整備技術料を示す情報)とに基づいて、各近似車両に関して、車齢に対する年間の整備技術料の合計を年間の整備費用として特定する。
【0195】
ここでは、例えば、1個の近似車両に関しては、「車齢」=「0」年~「10」年の年間の整備費用が、「200,000円」、「200,000円」、「250,000円」、「400,000円」等であったことを特定する。そして、全ての近似車両に関して、車齢に対する年間の整備費用として特定する。
【0196】
=第4ステップ=
図10は、処理の説明図である。なお、
図10においては、第3ステップの処理結果の例として、例えば「海沿いでの利用」を考慮した6個の近似車両(「第1近似車両」~「第6近似車両」と称する)各々に関する車齢に対する年間の整備費用が例示されている。「…」については、実際には整備費用が特定されているものの、説明の便宜上、具体的な数値の記載が省略されていることを示しており、「無」については、
図2の整備関連情報において対応する情報が存在しないために、第3ステップで年間の整備費用が特定されていないことが示されている。すなわち、「無」については、例えば、近似車両が対応する車齢に達していないために、当該車齢に対する年間の整備費用を特定できないこと等も示されている。そして、この
図10においては、例えば、第1近似車両の「車齢」=「0」年の年間の整備費用が「300,000円」であり、第1近似車両の「車齢」=「1」年の年間の整備費用も「300,000円」であること等が示されており、また、当該第1近似車両の「車齢」=「11」年以降の年間の整備費用は第3ステップでは特定されていないことも示されている。
【0197】
第4ステップでは、生成部232は、第3ステップの処理結果(つまり、全ての近似車両に関して、車齢に対する年間の整備費用を示す情報)に基づいて、対象車両の未来における年間の整備費用を推定する。具体的には任意であるが、例えば、第3ステップの処理結果に基づいて、各近似車両の車齢に対する年間の整備費用の平均値(バリエーションとしては、中央値等でもよい)に対応する整備費用を、車齢に対する近似車両群の年間の整備費用として特定し、特定結果に基づいて、対象車両の未来における年間の整備費用を推定する。
【0198】
ここでは、例えば、「海沿いでの利用」を考慮した近似車両に関して、第3ステップで
図10に示す整備費用を特定した場合について説明する。この場合、第4ステップでは、第1近似車両~第6近似車両の「車齢」=「0」年の年間の整備費用の平均値(つまり、第1近似車両の「300,000円」、第2近似車両の「200,000円」等を用いて算出した平均値)を算出し、算出した平均値を、「車齢」=「0」年に対する近似車両群の年間の整備費用として特定し、同様にして、第1近似車両~第6近似車両の「車齢」=「1」年~「10」年各々における、年間の整備費用の平均値を算出し、算出した各平均値を「車齢」=「1」年~「10」年に対する近似車両群の年間の整備費用として特定する。
【0199】
なお、実際には、「1」年~「5」年については、第1近似車両~第6近似車両全てに関して年間の整備費用が特定されているので、これら全てを用いて算出した平均値を特定することになるが、「6」年については、第4近似車両~第6近似車両が「無」となっており、年間の整備費用が特定されていないので、第1近似車両~第3近似車両に関する年間の整備費用の平均値を特定することになる。また、「7」年から「10」年についても、同様な理由から、一部の近似車両に関する年間の整備費用の平均値を特定することになる。そして、「11」年以降については、全ての近似車両が「無」となっており、年間の整備費用が特定されていないので、前述の手法では、年間の整備費用の平均値を特定不可能となっており、すなわち、「車齢」=「11」年以降に対する近似車両群の年間の整備費用を特定不可能となっている。
【0200】
この「車齢」=「11」年以降に対する近似車両群の年間整備費用については、例えば、前述の特定した「車齢」=「1」年~「10」年に対する近似車両群の年間の整備費用に基づいて推定することにより、「車齢」=「30」年等の予め定められた十分長い車齢まで、車齢に対する近似車両群の年間の整備費用を特定する。具体的な特定手法は任意であるが、例えば、特定済の「1」年~「10」年に対する近似車両群の年間の整備費用の増加率に基づいて、一例としては、各年の増加率の平均に対応する増加率で整備費用が増加することとして、「車齢」=「11」年~「30」年に対する近似車両群の年間の整備費用を推定し、推定した整備費用を、「車齢」=「11」年~「30」年に対する近似車両群の年間の整備費用として特定してもよい。又は、特定済の「1」年~「10」年に対する近似車両群の年間の整備費用の増加率に基づいて、増加率が1年毎に所定値分ずつ増加することして推定及び特定してもよいし、あるいは、増加率が指数関数的に増加するものとして推定及び特定してもよい。
【0201】
次に、
図2の整備関連情報における車両情報(詳細には、登録日を示す情報)を参照して、対象車両の現在の車齢を特定し、前述の処理で特定した各車齢に対する近似車両群の年間の整備費用の内の、前述の特定した車齢(つまり、対象車両の現在の車齢)よりも後の車齢に対応する近似車両群の年間の整備費用を選択し、選択した近似車両群の年間の整備費用を、対象車両の未来における年間の整備費用として推定する。
【0202】
ここでは、例えば、対象車両の現在の車齢として「12」年を特定した場合、前述の処理で特定した「1」年~「30」年に対する近似車両群の年間の整備費用の内の、「13」年~「30」年に対する近似車両群の年間の整備費用を選択し、選択したこれらの近似車両群の年間の整備費用を、対象車両の未来(つまり、「車齢」=「13」年~「30」年)における年間の整備費用として推定して特定する。一例としては、例えば、前述の処理で「車齢」=「15」年及び「20年」等に対する近似車両群の年間の整備費用として「750,000円」及び「1,500,000円」等を特定した場合、対象車両の「車齢」=「15」年及び「20年」等における年間の整備費用として「750,000円」及び「1,500,000円」等を推定することになる。
【0203】
そして、「海沿いでの利用」を考慮した近似車両、「寒冷地での利用」を考慮した近似車両、及び「荷主の業種」を考慮した近似車両についても前述の処理を行うことにより、各代替用基準情報を考慮した場合の、対象車両の未来における年間の整備費用を推定する。
【0204】
=第5ステップ=
第5ステップでは、概略的には、生成部232は、第4ステップの処理結果(つまり、推定された対象車両の未来における年間の整備費用を示す情報)に基づいて、予測整備費用関連情報を生成し、出力部233は、生成部232が生成した予測整備費用関連情報を対象運送事業者の端末装置1に送信して、当該端末装置1のディスプレイに表示して出力する。
【0205】
図11は、予測整備費用関連情報の表示例を示す図である。
図11の予測整備費用関連情報において、「ポイント」の欄には、予測年間整備費用を参照するための基準を示す参照基準情報(代替する場合に重要視する観点に対応する基準を示す情報)であって、SB2(
図6のSA2で説明)で取得した代替用基準情報各々に関連する参照基準情報が記載されており、「車齢」の欄には、対象車両の未来の車齢を示す情報が表示されており、「予測年間整備費用」の欄には、「車齢」の欄に表示される未来の車齢において推定される対象車両の年間の整備費用(つまり、対象車両の未来における年間の整備費用)が表示されている。
【0206】
処理について具体的には、SB2(
図6のSA2で説明)で取得した代替用基準情報に関連する参照基準情報を任意の手法(例えば、
図6のSA4で説明した手法と同様な手法等)で特定する。次に、この特定した参照基準情報を「ポイント」の欄に表示し、第4ステップでの推定結果に対応する情報を「車齢」の欄及び「予想年間整備費用」の欄に表示する予測整備費用関連情報を生成して、生成した予測整備費用関連情報を送信することにより、予測整備費用関連情報を表示する。
【0207】
ここでは、例えば、SB2(
図6のSA2で説明)で取得した代替用基準情報である「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」に関連する参照基準情報として、「海沿いを走ることが気になる事業者様向け」、「寒冷地を多く走る事業者様向け」、及び「同じ業種の荷主と継続的に取引する事業者様向け」を特定する。次に、この特定結果及び第4ステップでの推定結果に対応する情報を、「車齢」の欄及び「予想年間整備費用」の欄に表示する予測整備費用関連情報を生成して、生成した予測整備費用関連情報を、対象運送事業者である「X社」(
図1)の端末装置11に送信することにより、当該端末装置11のディスプレイに表示して出力する。なお、
図11の「車齢」の欄及び「予想年間整備費用」の欄に表示される情報については、
図11では不図示であるが、対象車両の未来における各年の車齢に関する情報(つまり、「13」年の予測年間整備費用、「14」年の予測年間整備費用等)も表示するように構成してもよい。
【0208】
なお、このSB4が「第3処理」に対応するものと解釈してもよい。これにて、予測整備費用関連情報出力処理を終了する。
【0209】
(情報の利用例)
次に、
図8の推奨車両関連情報及び
図11の予測整備費用関連情報の利用例について説明する。対象運送事業者の担当者は、例えば、
図8の推奨車両関連情報を参照して、「海沿いでの利用」を考慮した場合、対象車両について、「メーカーYYYY,車型ABA801」に対応する車両に代替するのが好ましいものと認識することが可能となる。また、当該担当者は、例えば、
図11の予測整備費用関連情報を参照して、「海沿いでの利用」を考慮した場合、対象車両については、今後車齢が15年、20年となった際に、年間の整備費用が「750,000円」、「1,500,000円」と比較的高額になっていくので、車齢が15年程度となるまでには、他の車両に代替することが好ましいものと認識することが可能となる。
【0210】
(実施の形態の効果)
このように本実施の形態によれば、対象車両に近似する近似車両と、整備関連情報に基づいて、代替関連参考情報(推奨車両関連情報、予測整備費用関連情報)を生成することにより、例えば、近似車両と、整備関連情報とを考慮して代替関連参考情報を生成することができるので、対象車両を代替する場合に参考とされる有用な情報を生成することが可能となる。
【0211】
また、対象車両特定情報と特徴関連情報に基づいて近似車両を特定することにより、例えば、近似車両を適切に特定することができるので、有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0212】
また、近似車両の中から車両を選択し、選択した車両への代替を推奨する情報を代替関連参考情報として生成することにより、例えば、代替先の車両の判断のために有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0213】
また、対象車両の未来の整備費用を推定し、推定した整備費用を示す情報を代替関連参考情報とすることにより、例えば、代替時期の判断のために有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0214】
また、対象運送事業者が対象車両を代替する場合の基準である代替用基準を示す代替用基準情報に基づいて近似車両を特定することにより、例えば、対象運送事業者が代替のために重要視する観点等を反映して近似車両を特定することができるので、有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0215】
また、代替用基準情報に基づいて重み付けされた特徴関連情報に関する比較結果に基づいて近似車両を特定することにより、例えば、対象運送事業者が代替のために重要視する観点等を適切に反映して近似車両を特定することができるので、有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0216】
また、代替関連参考情報を出力することにより、例えば、代替関連参考情報を利用させることが可能となる。
【0217】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0218】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
【0219】
(分散や統合について)
また、上述した各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
【0220】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0221】
(処理について)
また、上記実施の形態で説明した
図6の推奨車両関連情報出力処理及び
図9の予測整備費用関連情報出力処理に関して、一部の処理を省略、追加、又は統合してもよい。例えば、
図6のSA1~SA3と
図9のSB1~SB3の処理が相互に同様であるので、SA1~SA3を実行した後に、SA4及びSB4を実行するように構成してもよい。
【0222】
(近似車両について)
また、上記実施の形態では、
図6のSA3において、SA2で取得した代替用基準情報各々を個別に考慮した場合の近似車両を特定する場合について説明したが、これに限らず、例えば、SA2で取得した代替用基準情報(例えば、「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」)全てをまとめて考慮した場合の近似車両を特定するように構成してもよい。
【0223】
この場合、SA3において、例えば、「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」に関連する基準項目である
図5の「位置」、「天候」、及び「荷主」に対応する特徴関連情報に係数として「1.5」(乗じることにより演算値が大きくなる係数)を掛け合わせて、他の基準項目に対して「1」(乗じたとしても演算値が変化しない係数)を掛け合わせることにより、SA1で特定した特徴関連情報に対して重み付けを行い、当該重み付けされた特徴関連情報に基づいて、実施の形態で説明した場合と同様な処理を行うように構成してもよい。このように構成した場合、「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」をまとめて考慮した場合の近似車両を特定することができ、最終的に、SA4において、「海沿いでの利用」、「寒冷地での利用」、及び「荷主の業種」をまとめて考慮した場合の代替推奨車両を示す推奨車両関連情報が出力されることになる。なお、
図9の予測整備費用関連情報出力処理についても、同様にしてもよい。
【0224】
(重み付けについて(その1))
また、上記実施の形態では、代替用基準情報(「海沿いでの利用」等)と特徴関連情報(
図5)とが基準項目を介して間接的に関連付けられている場合について説明したが、これに限らず、例えば、代替用基準情報と特徴関連情報とを相互に直接的に関連付けた上で、重み付けを行うように構成してもよい。例えば、「海沿いでの利用」と
図5の2段目の特徴関連情報(「総走行距離当たり、海岸近くを走行した距離の割合」)とが相互に関連付けられていることとし、「海沿いでの利用」を取得した場合に、この直接関連付けられている特徴関連情報に対して「1.5」を掛け合わせて、他の特徴関連情報に対して「1」を掛け合わせることにより、特徴関連情報に対して重み付けを行うように構成してもよい。
【0225】
(重み付けについて(その2))
また、上記実施の形態では、代替用基準情報に関連する基準項目に対応する特徴関連情報に対して「1.5」を掛け合わせ、一方で、他の特徴関連情報に対して「1」を掛け合わせることにより重み付けを行う場合について説明したが、これに限らない。例えば、代替用基準情報に関連する基準項目に対応する特徴関連情報に対して「1」を掛け合わせ、一方で、他の特徴関連情報に対して「0.5」等(乗じた場合に演算値が小さくなる係数)を掛け合わせることにより重み付けを行うように構成してもよい。
【0226】
(重み付けについて(その3))
また、上記実施の形態では、特徴関連情報に対して重み付けを行って処理する場合について説明したが、これに限らず、重み付けを行う処理を省略することにより、特徴関連情報に対して重み付けを行わずに処理するように構成してもよい。なお、この場合、
図6のSA3における代替用基準情報を取得する処理が不要となるので、当該処理を省略してもよい。
【0227】
(重み付けについて(その4))
また、上記実施の形態では、代替用基準情報に関連する基準項目に対応する特徴関連情報に対して例えば「1.5」を掛け合わせ、一方で、「関連基準項目」以外の基準項目に対応する特徴関連情報に対しては、例えば「1」を掛け合わせる場合について説明したが、重み付けの概念の解釈次第では、掛け合わせる係数を逆にして処理するように構成してもよい。すなわち、例えば、代替用基準情報に関連する基準項目に対応する特徴関連情報に対して例えば「1」(乗じたとしても演算値が変化しない係数)を掛け合わせ、一方で、「関連基準項目」以外の基準項目に対応する特徴関連情報に対しては、例えば「1.5」(乗じることにより演算値が大きくなる係数)を掛け合わせて処理するように構成してもよい。なお、この場合も、上述の「(重み付けについて(その2))」で説明の概念等を適用して係数の値自体は、本願発明の意図に沿う限りにおいて、任意の値を用いてもよい。
【0228】
(1個のみの近似車両を特定した場合について)
また、上記実施の形態の
図6のSA4においては、SA3で近似車両を複数特定する場合を主に説明したが、SA3で近似車両を1個のみ特定した場合、この1個のみの近似車両を代替推奨車両であると特定して、実施の形態で説明した場合と同様な処理を行うように構成してもよい。
【0229】
(利用関連情報の利用について(その1))
また、上記実施の形態の
図6のSA4においては、車両の整備費用に基づいて代替推奨車両を特定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、車両の整備費用と共に又は当該整備費用の代わりに、
図2の整備関連情報における他の情報(つまり、整備技術料以外の情報)、
図3の第1利用関連情報又は
図4の第2利用関連情報に基づいて、代替推奨車両を特定するように構成してもよい。例えば、SA3で特定した複数の近似車両の内の、過去の走行距離又は過去の走行座標履歴等が、対象車両のものに対して最も近似している1個の近似車両を代替推奨車両であると特定して、実施の形態で説明した場合と同様な処理を行うように構成してもよい。
【0230】
(利用関連情報の利用について(その2))
また、上記実施の形態の
図9のSB4においては、
図10に例示のように、SB3(
図6のSA2で説明)で特定した全ての近似車両に関する情報に基づいて処理する場合について説明したが、これに限らない。例えば、
図3の第1利用関連情報又は
図4の第2利用関連情報に基づいて、
図9のSB3で特定した複数の近似車両の中から一部の近似車両を選択し、選択した一部の近似車両に関する情報に基づいて処理するように構成してもよい。すなわち、この選択した一部の近似車両についての、車齢に対する年間の整備費用の平均値を特定し、実施の形態で説明した場合と同様な処理を行うように構成してもよい。
【0231】
なお、複数の近似車両の中から一部の近似車両を選択する手法は任意であるが、例えば、複数の近似車両の内の、過去の走行距離又は過去の走行座標履歴等が、対象車両のものに近似している順に、所定個数分の近似車両を選択する手法を用いてもよい。
【0232】
(情報の出力)
また、上記実施の形態の
図6のSA4及び
図9のSB4においては、情報を表示出力する場合について説明したが、これに限らず、例えば、各情報を音声出力するように構成してもよいし、又は、紙等の任意の媒体に印刷して出力するように構成してもよい。
【0233】
(車両について)
また、上記実施の形態では、「車両」が主に四輪自動車である場合について説明したが、これに限らず、他の任意の車両(例えば、二輪自動車、三輪自動車、自転車、電動キックボード、電車等のその他の公知の構成要素)に適用してもよい。
【0234】
(組み合わせ)
また、上記実施の形態及び変形例の特徴を任意に組み合わせてもよい。
【0235】
(付記)
付記1の生成プログラムは、対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる代替関連参考情報を生成する生成プログラムであって、コンピュータを、前記対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得手段と、複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、前記複数の車両の利用に関する利用関連情報と、前記取得手段が取得した前記対象車両特定情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する生成手段と、として機能させ、前記生成手段は、少なくとも前記利用関連情報に基づいて、所定の基準項目を基準とした前記複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記対象車両に近似する近似車両を特定する第2処理と、前記第2処理で特定した前記近似車両と、前記整備関連情報又は前記利用関連情報に基づいて、前記代替関連参考情報を生成する第3処理と、を行う。
【0236】
付記2の生成プログラムは、付記1に記載の生成プログラムにおいて、前記生成手段は、前記第2処理において、前記取得手段が取得した前記対象車両特定情報と、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から前記近似車両を特定する。
【0237】
付記3の生成プログラムは、付記1に記載の生成プログラムにおいて、前記整備関連情報には、前記複数の車両の整備費用を示す整備費用情報が含まれており、前記生成手段は、前記第3処理において、前記整備費用情報が示す整備費用を基準として、前記第2処理で特定した近似車両の中から車両を選択し、選択した車両への代替を推奨する情報を前記代替関連参考情報として生成する。
【0238】
付記4の生成プログラムは、付記1に記載の生成プログラムにおいて、前記整備関連情報には、前記複数の車両の過去の経時的な整備費用を示す整備費用情報が含まれており、前記生成手段は、前記第3処理において、前記整備費用情報に基づいて、前記対象車両の未来の整備費用を推定し、推定した整備費用を示す情報を前記代替関連参考情報として生成する。
【0239】
付記5の生成プログラムは、付記1に記載の生成プログラムにおいて、前記取得手段は、前記対象運送事業者が前記対象車両を代替する場合の基準である代替用基準を示す代替用基準情報、を更に取得し、前記生成手段は、前記第2処理において、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報と、前記取得手段が取得した前記代替用基準情報とに基づいて、前記近似車両を特定する。
【0240】
付記6の生成プログラムは、付記5の生成プログラムにおいて、前記複数の車両には、前記対象車両と前記対象車両以外の他の車両とが含まれており、前記所定の基準項目は、複数設けられており、前記特徴関連情報は、複数の前記所定の基準項目各々を基準とした複数の情報であり、前記生成手段は、前記第2処理において、前記取得手段が取得した前記代替用基準情報に基づいて、複数の前記所定の基準項目に対応する前記特徴関連情報に対して重み付けを行う重み付け処理と、前記対象車両に関する複数の前記特徴関連情報であって前記重み付け処理にて重み付けされた前記特徴関連情報と、前記他の車両に関する複数の前記特徴関連情報であって前記重み付け処理にて重み付けされた前記特徴関連情報とを比較する比較処理と、前記比較処理の処理結果に基づいて、前記他の車両の中から前記近似車両を特定する特定処理と、を行う。
【0241】
付記7の生成プログラムは、付記1に記載の生成プログラムにおいて、前記生成手段が生成した前記代替関連参考情報を出力する出力手段、を更に備える。
【0242】
付記8の生成方法は、対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる代替関連参考情報を生成する生成方法であって、前記対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得ステップと、複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、前記複数の車両の利用に関する利用関連情報と、前記取得ステップが取得した前記対象車両特定情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する生成ステップと、を含み、前記生成ステップでは、少なくとも前記利用関連情報に基づいて、所定の基準項目を基準とした前記複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記対象車両に近似する近似車両を特定する第2処理と、前記第2処理で特定した前記近似車両と、前記整備関連情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する第3処理と、が行われる。
【0243】
(付記の効果)
付記1に記載の生成プログラム、及び付記8の生成方法によれば、対象車両に近似する近似車両と、整備関連情報又は利用関連情報に基づいて、代替関連参考情報を生成することにより、例えば、近似車両と、整備関連情報又は利用関連情報とを考慮して代替関連参考情報を生成することができるので、対象車両を代替する場合に参考とされる有用な情報を生成することが可能となる。
【0244】
付記2に記載の生成プログラムによれば、対象車両特定情報と特徴関連情報に基づいて近似車両を特定することにより、例えば、近似車両を適切に特定することができるので、有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0245】
付記3に記載の生成プログラムによれば、近似車両の中から車両を選択し、選択した車両への代替を推奨する情報を代替関連参考情報として生成することにより、例えば、代替先の車両の判断のために有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0246】
付記4に記載の生成プログラムによれば、対象車両の未来の整備費用を推定し、推定した整備費用を示す情報を代替関連参考情報とすることにより、例えば、代替時期の判断のために有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0247】
付記5に記載の生成プログラムによれば、対象運送事業者が対象車両を代替する場合の基準である代替用基準を示す代替用基準情報に基づいて近似車両を特定することにより、例えば、対象運送事業者が代替のために重要視する観点等を反映して近似車両を特定することができるので、有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0248】
付記6に記載の生成プログラムによれば、代替用基準情報に基づいて重み付けされた特徴関連情報に関する比較結果に基づいて近似車両を特定することにより、例えば、対象運送事業者が代替のために重要視する観点等を適切に反映して近似車両を特定することができるので、有用な代替関連参考情報を生成することが可能となる。
【0249】
付記7に記載の生成プログラムによれば、代替関連参考情報を出力することにより、例えば、代替関連参考情報を利用させることが可能となる。
【符号の説明】
【0250】
1 端末装置
2 サーバ装置
11 端末装置
12 端末装置
13 端末装置
21 通信部
22 記録部
23 制御部
100 情報処理システム
231 取得部
232 生成部
233 出力部
【手続補正書】
【提出日】2024-07-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる代替関連参考情報を生成する生成プログラムであって、
コンピュータを、
前記対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得手段と、
複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、前記複数の車両の利用に関する利用関連情報と、前記取得手段が取得した前記対象車両特定情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する生成手段と、として機能させ、
前記生成手段は、
少なくとも前記利用関連情報に基づいて、所定の基準項目を基準とした前記複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、
前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記対象車両に近似する近似車両を特定する第2処理と、
前記第2処理で特定した前記近似車両と、前記整備関連情報又は前記利用関連情報に基づいて、前記代替関連参考情報を生成する第3処理と、を行う、
生成プログラム。
【請求項2】
前記生成手段は、前記第2処理において、
前記取得手段が取得した前記対象車両特定情報と、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から前記近似車両を特定する、
請求項1に記載の生成プログラム。
【請求項3】
前記整備関連情報には、前記複数の車両の整備費用を示す整備費用情報が含まれており、
前記生成手段は、前記第3処理において、
前記整備費用情報が示す整備費用を基準として、前記第2処理で特定した近似車両の中から車両を選択し、選択した車両への代替を推奨する情報を前記代替関連参考情報として生成する、
請求項1に記載の生成プログラム。
【請求項4】
前記整備関連情報には、前記複数の車両の過去の経時的な整備費用を示す整備費用情報が含まれており、
前記生成手段は、前記第3処理において、
前記整備費用情報に基づいて、前記対象車両の未来の整備費用を推定し、推定した整備費用を示す情報を前記代替関連参考情報として生成する、
請求項1に記載の生成プログラム。
【請求項5】
前記取得手段は、前記対象運送事業者が前記対象車両を代替する場合の基準である代替用基準を示す代替用基準情報、を更に取得し、
前記生成手段は、前記第2処理において、
前記第1処理で特定した前記特徴関連情報と、前記取得手段が取得した前記代替用基準情報とに基づいて、前記近似車両を特定する、
請求項1に記載の生成プログラム。
【請求項6】
前記複数の車両には、前記対象車両と前記対象車両以外の他の車両とが含まれており、
前記所定の基準項目は、複数設けられており、
前記特徴関連情報は、複数の前記所定の基準項目各々を基準とした複数の情報であり、
前記生成手段は、前記第2処理において、
前記取得手段が取得した前記代替用基準情報に基づいて、複数の前記所定の基準項目に対応する前記特徴関連情報に対して重み付けを行う重み付け処理と、
前記対象車両に関する複数の前記特徴関連情報であって前記重み付け処理にて重み付けされた前記特徴関連情報と、前記他の車両に関する複数の前記特徴関連情報であって前記重み付け処理にて重み付けされた前記特徴関連情報とを比較する比較処理と、
前記比較処理の処理結果に基づいて、前記他の車両の中から前記近似車両を特定する特定処理と、を行う、
請求項5に記載の生成プログラム。
【請求項7】
前記生成手段が生成した前記代替関連参考情報を出力する出力手段、を更に備える、
請求項1に記載の生成プログラム。
【請求項8】
対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる代替関連参考情報を生成する生成方法であって、
コンピュータを、
前記対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得ステップと、
複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、前記複数の車両の利用に関する利用関連情報と、前記取得ステップが取得した前記対象車両特定情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する生成ステップと、として機能させ、
前記生成ステップでは、
少なくとも前記利用関連情報に基づいて、所定の基準項目を基準とした前記複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、
前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記対象車両に近似する近似車両を特定する第2処理と、
前記第2処理で特定した前記近似車両と、前記整備関連情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する第3処理と、が行われる、
生成方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
請求項8に記載の生成方法は、対象運送事業者が利用している対象車両を代替する場合に参考とされる代替関連参考情報を生成する生成方法であって、コンピュータを、前記対象車両を特定する対象車両特定情報を取得する取得ステップと、複数の運送事業者が利用している複数の車両の整備に関する整備関連情報と、前記複数の車両の利用に関する利用関連情報と、前記取得ステップが取得した前記対象車両特定情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する生成ステップと、として機能させ、前記生成ステップでは、少なくとも前記利用関連情報に基づいて、所定の基準項目を基準とした前記複数の車両に関する特徴を示す特徴関連情報を特定する第1処理と、前記第1処理で特定した前記特徴関連情報に基づいて、前記複数の車両の中から、前記対象車両に近似する近似車両を特定する第2処理と、前記第2処理で特定した前記近似車両と、前記整備関連情報とに基づいて、前記代替関連参考情報を生成する第3処理と、が行われる。