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特開2024-151716ケーブル移動防止体の設置方法及びケーブル移動防止体
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  • 特開-ケーブル移動防止体の設置方法及びケーブル移動防止体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151716
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】ケーブル移動防止体の設置方法及びケーブル移動防止体
(51)【国際特許分類】
   H02G 9/02 20060101AFI20241018BHJP
   E02B 3/06 20060101ALI20241018BHJP
   H02G 1/10 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
H02G9/02 050
E02B3/06 301
H02G1/10
H02G9/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065303
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】591224766
【氏名又は名称】ナカダ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】関 谷 勇 太
(72)【発明者】
【氏名】田 代 洋 一
(72)【発明者】
【氏名】大 江 浩 之
【テーマコード(参考)】
2D118
5G352
5G369
【Fターム(参考)】
2D118AA01
2D118BA01
2D118CA04
2D118GA51
5G352EA07
5G369AA10
5G369BB02
5G369CB12
5G369DA01
5G369DA02
5G369DA04
(57)【要約】
【課題】
本発明の目的は、設置が容易なケーブル移動防止体の設置方法及びケーブル移動防止体を提供するものである。
【解決手段】
ケーブル移動防止体の設置方法は、中詰材を内在した透水性の扁平状部材1で海底2又は水底に敷設されたケーブル3を覆うものである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中詰材を内在した透水性の扁平状部材で海底又は水底に敷設されたケーブルを覆う
ことを特徴とするケーブル移動防止体の設置方法。
【請求項2】
透水性の扁平状部材は、網目状の袋体又は鋼製の箱で、前記透水性の扁平状部材の底面積は、20m2 以上であり、
中詰材が粒径が5mm~80mmの石材である
ことを特徴とする請求項1記載のケーブル移動防止体の設置方法。
【請求項3】
中詰材を内在した透水性の扁平状部材で海底又は水底に敷設されたケーブルを覆う
ことを特徴とするケーブル移動防止体。
【請求項4】
透水性の扁平状部材は、網目状の袋体又は鋼製の箱で、前記透水性の扁平状部材の底面積は、20m2 以上であり、
中詰材が粒径が5mm~80mmの石材である
ことを特徴とする請求項3記載のケーブル移動防止体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル移動防止体の設置方法及びケーブル移動防止体に係り、特に、設置が容易なケーブル移動防止体の設置方法及びケーブル移動防止体に関する。
【背景技術】
【0002】
洋上の発電所と陸、海で隔たれた陸同士のような送電を行う場合、海底に送電線を整備する必要がある。
しかし、海底(特に水深の浅い箇所)では流れにより送電線が移動し、擦れて損傷するおそれがある。
また海中の漂流物や船舶の錨、漁具、転石の衝突からケーブルを守る必要がある。先行技術には特許文献1、2がある。
即ち、特許文献1では袋材を用いたケーブル被覆を提案している。
また、特許文献2ではシートと袋材を用いたケーブル被覆を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-139629号公報
【特許文献2】特開2022-40874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
即ち、特許文献1記載のものにあっては、中詰材を内在した網目状の袋体を並設してケーブルを覆ったり(特許文献1の図11)、中詰材を内在した網目状の袋体を積層してケーブルを覆ったりしている(特許文献1の図13)。
また、特許文献2記載のものにあっては、シート材と根固め材を一体とする作業を行い、その後、シート材と根固め材を一体とした保護構造体を吊りロープを介して海底のケーブルの上に設置している。
【0005】
しかし、特許文献1記載のものにあっては、複数の袋体を作業船のクレーンで袋体毎に海底に設置しなければならず、設置が面倒であるという問題点があった。
また、特許文献2記載のものにあっては、複数の根固め材をシート材に個々に一体化する作業をしなければならず、設置が面倒であるという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたケーブル移動防止体の設置方法及びケーブル移動防止体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載のケーブル移動防止体の設置方法は、中詰材を内在した透水性の扁平状部材で海底又は水底に敷設されたケーブルを覆うものである。
【0008】
また、請求項2記載のケーブル移動防止体の設置方法は、請求項1記載のケーブル移動防止体の設置方法において、透水性の扁平状部材は、網目状の袋体又は鋼製の箱で、前記透水性の扁平状部材の底面積は、20m2以上であり、中詰材が粒径が5mm~80mmの石材である。
【0009】
また、請求項3記載のケーブル移動防止体は、中詰材を内在した透水性の扁平状部材で海底又は水底に敷設されたケーブルを覆うものである。
【0010】
また、請求項4記載のケーブル移動防止体は、請求項3記載のケーブル移動防止体において、透水性の扁平状部材は、網目状の袋体又は鋼製の箱で、前記透水性の扁平状部材の底面積は、20m2以上であり、中詰材が粒径が5mm~80mmの石材である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載のケーブル移動防止体の設置方法によれば、中詰材を内在した透水性の扁平状部材で海底又は水底に敷設されたケーブルを覆うため、特許文献1記載のように「中詰材を内在した網目状の袋体を並設」せず、また、特許文献2記載のように「複数の根固め材をシート材に個々に一体化する作業」をしないため、設置が容易となる。
【0012】
また、請求項2記載のケーブル移動防止体の設置方法によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、透水性の扁平状部材は、網目状の袋体又は鋼製の箱で、中詰材が粒径が5mm~80mmの石材であるため、ケーブルと透水性の扁平状部材の擦れによる損傷を防止することができる。
【0013】
また、請求項3記載のケーブル移動防止体によれば、中詰材を内在した透水性の扁平状部材で海底又は水底に敷設されたケーブルを覆うため、特許文献1記載のように「中詰材を内在した網目状の袋体を並設」せず、また、特許文献2記載のように「複数の根固め材をシート材に個々に一体化する作業」をしないため、設置が容易となる。
【0014】
また、請求項4記載のケーブル移動防止体によれば、上述した請求項3記載の発明の効果に加え、透水性の扁平状部材は、網目状の袋体又は鋼製の箱で、中詰材が粒径が5mm~80mmの石材であるため、ケーブルと透水性の扁平状部材の擦れによる損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施例のケーブル移動防止体の概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施例のケーブル移動防止体の設置方法及びケーブル移動防止体を図1を参照して説明する。
【0017】
図1に示すSはケーブル移動防止体で、ケーブル移動防止体Sは、中詰材を内在した透水性の扁平状部材1で、海底2(又は水底)に敷設されたケーブル3を覆うものである。
透水性の扁平状部材1は、具体的には、例えば、網目状の袋体、鋼製の箱等で、縦2m、横10m、高さ0.25mの略直方体である。なお、透水性の扁平状部材1の底面積は、20m2 以上が望ましい。
また、中詰材を内在した透水性の扁平状部材1でも良いが、透水性の扁平状部材1の内部を図1に示すように、セル (小部屋)に区画し、セル (小部屋)内に図示しない中詰材を内在させるのが望ましい。
【0018】
また、中詰材(図示せず)は、例えば、粒径が5mm~80mmの石材である。石材の粒径が5mm未満であると、ケーブル移動防止体Sの透水性の効果が減少し、また、石材の粒径が80mmを超えると、透水性の扁平状部材1から突出した石材(図示せず)が、海流により動き、ケーブル3を損傷する危険性が大となる。
【0019】
ケーブル移動防止体Sの設置は、図示しない作業船のクレーンで、中詰材を内在した透水性の扁平状部材1を吊り上げ、海底2(又は水底)に敷設されたケーブル3を覆うように設置することができる。
【0020】
そのため、本実施例のケーブル移動防止体の設置方法(ケーブル移動防止体)によれば、特許文献1記載のように「中詰材を内在した網目状の袋体を並設」せず、また、特許文献2記載のように「複数の根固め材をシート材に個々に一体化する作業」をしないため、設置が容易となる。
【0021】
また、上述のケーブル移動防止体S(ケーブル移動防止体の設置方法)によれば、粒径が5mm~80mmの石材(図示せず)を内在した透水性の扁平状部材1で、海底2(又は水底)に敷設されたケーブル3を覆うため、石材(図示せず)の粒径が5mm~80mmと小さい分、ケーブル3と透水性の扁平状部材1の擦れによる損傷を防止するとともに、粒径が5mm~80mmの石材(図示せず)を透水性の扁平状部材1に内在して外部に流出するのを防いで、石材の海流(又は水流)に対して安定性を確保でき、更に、粒径が5mm~80mmの石材(図示せず)を内在した透水性の扁平状部材1の自重により従来必要とされた押え部材を不要とすることができる。
【0022】
なお、透水性の扁平状部材1は、網目状の袋体は、例えば、繊維ネットで形成されている。
即ち、透水性の扁平状部材1は、柔軟性を有するネットで形成されているため、ケーブル3の周囲を密に被覆し、ケーブル3の移動をより防止するとともに、海底2(又は水底)周辺地盤へも追随して密に周辺地盤に当接して海流又は水流に対する安定性を確保することができる。
【符号の説明】
【0023】
S ケーブル移動防止体
1 マット状部材
2 海底又は水底
3 ケーブル
図1