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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151734
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】シート搬送制御方法、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/42 20060101AFI20241018BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20241018BHJP
   B65H 29/20 20060101ALI20241018BHJP
   B65H 37/00 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B41J11/42
G03G15/00 460
B65H29/20
B65H37/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065368
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】深澤 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】田口 雅則
(72)【発明者】
【氏名】菊池 亮太
【テーマコード(参考)】
2C058
2H072
3F049
3F108
【Fターム(参考)】
2C058AB08
2C058AC08
2C058AE02
2C058AE08
2C058AF25
2C058GA05
2H072AA25
2H072AA29
2H072CA01
2H072JA02
3F049DA12
3F049EA23
3F049EA24
3F049LA01
3F049LB01
3F049LB07
3F108GB01
3F108GB03
3F108HA02
3F108HA32
(57)【要約】
【課題】記録シートおよび差込シートを状況に応じて効率的に搬送すること。
【解決手段】プロセッサー80は、当初差込シートの枚数が1枚以上である場合に、前記当初差込シートの搬送において、前記当初差込シートの枚数と当初シート数との大小関係に応じて差込搬送部22および引継搬送部31を最初の記録シートに対応するプリント搬送速度と同じ搬送速度および基準搬送速度のいずれかで動作させる(S102~S105)。さらに前記プロセッサー80は、前記当初差込シートの枚数に関わらず、前記記録シートの搬送において、本体搬送部13および前記引継搬送部31を対応する前記プリント搬送速度で動作させる(S103,S107,S110,S111)。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置において記録シートおよび差込シートの搬送を制御するシート搬送制御方法であって、
前記画像形成装置が、本体ユニットと、差込ユニットと、前記本体ユニットおよび前記差込ユニットに連結された後処理ユニットと、を備え、
前記本体ユニットが、前記記録シートに画像を形成するプリント部および前記記録シートを前記プリント部から前記後処理ユニットへ搬送する本体搬送部を有し、
前記差込ユニットが、前記差込シートを前記後処理ユニットへ搬送する差込搬送部を有し、
前記後処理ユニットが、前記本体搬送部および前記差込搬送部の各々から前記記録シートおよび前記差込シートの各々の搬送を引き継ぐ引継搬送部を有する場合に、
プロセッサーが、プリントジョブの情報に基づいて、最初の前記記録シートが前記本体搬送部によって搬送される前に前記差込搬送部によって搬送される前記差込シートである当初差込シートの枚数を判定することと、
前記プロセッサーが、前記プリントジョブの情報を含む入力情報に基づいて前記本体搬送部の搬送速度であるプリント搬送速度を設定することと、
前記プロセッサーが、前記当初差込シートの枚数が1枚以上である場合に、前記当初差込シートの搬送において、前記当初差込シートの枚数と予め設定された当初シート数との大小関係に応じて前記差込搬送部および前記引継搬送部を最初の前記記録シートに対応する前記プリント搬送速度と同じ搬送速度および予め設定された基準搬送速度のいずれかで動作させることと、
前記プロセッサーが、前記当初差込シートの枚数に関わらず、前記記録シートの搬送において、前記本体搬送部および前記引継搬送部を対応する前記プリント搬送速度で動作させることと、を含む、シート搬送制御方法。
【請求項2】
前記プロセッサーが、設定操作に従って前記当初シート数を設定することをさらに含む、請求項1に記載のシート搬送制御方法。
【請求項3】
前記プロセッサーが、前記記録シートの搬送に続いて搬送される1枚以上の前記差込シートの搬送において、前記差込搬送部および前記引継搬送部を直前に搬送される前記記録シートに対応する前記プリント搬送速度と同じ搬送速度で動作させること、をさらに含む、請求項1または請求項2に記載のシート搬送制御方法。
【請求項4】
前記プロセッサーが、前記プリントジョブの情報に基づいて、前記記録シートの搬送に続いて搬送される前記差込シートである後続差込シートの枚数を判定することと、
前記プロセッサーが、前記後続差込シートの搬送の直前に搬送される前記記録シートに対応する前記プリント搬送速度である前回プリント搬送速度と前記後続差込シートの枚数とに応じて、前記後続差込シートの搬送において前記差込搬送部および前記引継搬送部を前記前回プリント搬送速度および前記基準搬送速度のいずれかで動作させることと、をさらに含む、請求項1または請求項2に記載のシート搬送制御方法。
【請求項5】
本体ユニットと、
差込ユニットと、
前記本体ユニットおよび前記差込ユニットに連結された後処理ユニットと、
請求項1または請求項2に記載のシート搬送制御方法を実現するプロセッサーと、を備え、
前記本体ユニットは、記録シートに画像を形成するプリント部および前記記録シートを前記プリント部から前記後処理ユニットへ搬送する本体搬送部を有し、
前記差込ユニットは、差込シートを前記後処理ユニットへ搬送する差込搬送部を有し、
前記後処理ユニットは、前記本体搬送部および前記差込搬送部の各々から前記記録シートおよび前記差込シートの各々の搬送を引き継ぐ引継搬送部を有する、画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録シートおよび差込シートを効率的に搬送するためのシート搬送制御方法、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置が、本体ユニットと差込ユニットと後処理ユニットとを備える場合がある。前記本体ユニットは、記録シートに画像を形成するプリント部を有する。画像が形成された前記記録シートは、前記後処理ユニットへ搬送される。
【0003】
前記差込ユニットは、差込シートを前記後処理ユニットへ搬送する。前記後処理ユニットは、前記記録シートおよび前記差込シートに孔開け処理またはステープル処理などの後処理を施す。
【0004】
前記プリント部が電子写真方式で前記シートに画像を形成する場合、前記プリント部は、前記シートにトナー像を定着させる定着装置を備える。前記記録シートの種類および前記記録シートが前記定着装置を通過する速度は、前記トナー像の定着性に影響する。
【0005】
前記トナー像の良好な定着性を確保するため、前記本体ユニットにおける前記記録シートの搬送速度が、前記記録シートの種類に応じて変更される場合がある。
【0006】
一方、前記本体ユニットの後段のユニットにおいて、所定の後段搬送部が、前記記録シートおよび前記差込シートそれぞれの搬送を引き継ぐ。前記後段搬送部は、前記記録シートおよび前記差込シートをそれぞれの搬入速度と同じ速度で搬送を引き継ぐ。
【0007】
また、前記差込シートを下流装置へ搬送する速度が、直前または直後の前記記録シートを前記下流装置へ搬送する速度と同じ速度に設定されることが知られている(例えば、特許文献1参照)。これにより、搬送速度の切り替えの頻度が低減する。その結果、搬送速度の切り替えに要する時間が短縮される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010-26506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、前記記録シートの搬送速度は、プリントジョブの情報およびシート収容部に収容された前記記録シートの種類の情報に基づいて1枚分のプリント処理ごとに順次設定される。
【0010】
ここで、前記プリントジョブにおいて最初の前記記録シートが搬送される前に搬送される前記差込シートのことを当初差込シートと称する。前記当初差込シートの搬送速度が、最初の前記記録シートの搬送速度と同じ速度に設定されることが考えられる。
【0011】
上記の場合、最初の前記記録シートの搬送速度が低速度であるときに、前記当初差込シートの搬送速度も低速度に設定される。最初の前記記録シートの搬送速度が遅く、前記当初差込シートの枚数が多い場合に、前記当初差込シートの全てを搬送するために要する時間が長くなる。
【0012】
従って、前記差込シートが連続する枚数によっては、前記差込シートの搬送速度を直前または直後の前記記録シートの搬送速度と同じ速度に設定することが、返ってシートの搬送効率の悪化を招くおそれがある。
【0013】
本発明の目的は、記録シートおよび差込シートを状況に応じて効率的に搬送できるシート搬送制御方法および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一の局面に係るシート搬送制御方法は、画像形成装置において記録シートおよび差込シートの搬送を制御する方法である。前記画像形成装置は、本体ユニットと、差込ユニットと、前記本体ユニットおよび前記差込ユニットに連結された後処理ユニットと、を備える。前記本体ユニットは、前記記録シートに画像を形成するプリント部および前記記録シートを前記プリント部から前記後処理ユニットへ搬送する本体搬送部を有する。前記差込ユニットは、前記差込シートを前記後処理ユニットへ搬送する差込搬送部を有する。前記後処理ユニットは、前記本体搬送部および前記差込搬送部の各々から前記記録シートおよび前記差込シートの各々の搬送を引き継ぐ引継搬送部を有する。前記シート搬送制御方法は、プロセッサーが、プリントジョブの情報に基づいて、最初の前記記録シートが前記本体搬送部によって搬送される前に前記差込搬送部によって搬送される前記差込シートである当初差込シートの枚数を判定することを含む。さらに前記シート搬送制御方法は、前記プロセッサーが、前記プリントジョブの情報を含む入力情報に基づいて前記本体搬送部の搬送速度であるプリント搬送速度を設定することを含む。さらに前記シート搬送制御方法は、前記プロセッサーが、前記当初差込シートの枚数が1枚以上である場合に、前記当初差込シートの搬送において、前記当初差込シートの枚数と予め設定された当初シート数との大小関係に応じて前記差込搬送部および前記引継搬送部を最初の前記記録シートに対応する前記プリント搬送速度と同じ搬送速度および予め設定された基準搬送速度のいずれかで動作させることを含む。さらに前記シート搬送制御方法は、前記プロセッサーが、前記当初差込シートの枚数に関わらず、前記記録シートの搬送において、前記本体搬送部および前記引継搬送部を対応する前記プリント搬送速度で動作させることを含む。
【0015】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、前記本体ユニットと、前記差込ユニットと、前記後処理ユニットと、前記シート搬送制御方法を実現する前記プロセッサーと、を備える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、記録シートおよび差込シートを状況に応じて効率的に搬送できるシート搬送制御方法および画像形成装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
図2図2は、実施形態に係る画像形成装置における制御装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係る画像形成装置におけるシート搬送制御の手順の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、実施形態に係る画像形成装置における後続差込制御の手順の第1例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施形態に係る画像形成装置における後続差込制御の手順の第2例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
[画像形成装置10の構成]
実施形態に係る画像形成装置10は、記録シート9aおよび差込シート9bの両方を搬送可能である。
【0020】
記録シート9aおよび差込シート9bは、それぞれ用紙または樹脂シートなどのシート状の部材である。記録シート9aは、画像が形成される媒体である。差込シート9bは、画像が形成された記録シート9aの前、間または後に差し込まれるシートである。
【0021】
画像形成装置10は、本体ユニット1、差込ユニット2および後処理ユニット3を備える。後処理ユニット3は、本体ユニット1および差込ユニット2に連結されている。図1に示される例では、後処理ユニット3は、本体ユニット1の側面に連結されている。差込ユニット2は、後処理ユニット3の上面に連結されている。
【0022】
[本体ユニット1]
本体ユニット1は、複数の記録シート収容部11、シート給送装置12、本体搬送装置13およびプリント装置14を備える。本体搬送装置13は、本体搬送部の一例である。プリント装置14は、プリント部の一例である。
【0023】
記録シート収容部11各々は、画像が形成される前の記録シート9aを収容する。シート給送装置12は、複数の記録シート収容部11に対応する複数のシート送出機構12aと、複数組の搬送ローラー対12bとを含む。
【0024】
シート送出機構12a各々は、対応する記録シート収容部11各々から記録シート9aを送り出す。複数組の搬送ローラー対12bは、記録シート収容部11各々から送り出された記録シート9aをプリント装置14へ搬送する。
【0025】
本体搬送装置13は、複数組の搬送ローラー対13aを含む。複数組の搬送ローラー対13aが回転することにより、本体搬送装置13は、プリント装置14によって画像が形成された記録シート9aを後処理ユニット3へ搬送する。
【0026】
プリント装置14は、記録シート9aに画像を形成するプリント処理を実行する。本実施形態において、プリント装置14は、電子写真方式で前記プリント処理を実行する。
【0027】
プリント装置14は、露光装置140と1つ以上の画像形成部14xと転写装置144と定着装置145とを備える。図1に示されるプリント装置14は、タンデム式のカラープリント装置である。この場合、プリント装置14は、複数の現像色に対応する複数の画像形成部14xを備える。
【0028】
図1に示される例では、プリント装置14は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックに対応する4つの画像形成部14xを備える。
【0029】
画像形成部14x各々は、感光体141、帯電装置142および現像装置143を備える。感光体141が回転し、帯電装置142が感光体141の表面を帯電させる。
【0030】
露光装置140は、帯電した感光体141の表面にレーザー光を走査することにより、感光体141の表面に静電潜像を書き込む。現像装置143は、感光体141の表面にトナーを供給することにより前記静電潜像をトナー像へ現像する。
【0031】
転写装置144は、記録シート9aを搬送しつつ、感光体141の表面の前記トナー像を記録シート9aに転写する。
【0032】
タンデム式のプリント装置14において、転写装置144は、中間転写ベルト144a、4つの一次転写装置144bおよび二次転写装置144cを備える。4つの一次転写装置144bは、4つの画像形成部14xに対応して設けられている。
【0033】
中間転写ベルト144aは、その一部が複数の画像形成部14xに沿う状態で回転する。複数の一次転写装置144bは、複数の画像形成部14xの感光体141の表面の前記トナー像を中間転写ベルト144aの表面へ転写する。これにより、複数の色の前記トナー像が合成されたカラートナー像が中間転写ベルト144aの表面に形成される。
【0034】
二次転写装置144cは、中間転写ベルト144aの表面の前記カラートナー像を記録シート9aへ転写する。定着装置145は、記録シート9a上の前記カラートナー像を加熱および加圧することにより前記カラートナー像を記録シート9aに定着させる。
【0035】
[差込ユニット2]
差込ユニット2は、1つ以上の差込シートトレイ21および差込搬送装置22を備える。差込シート9bは、差込シートトレイ21に載置される。差込搬送装置22は、差込搬送部の一例である。
【0036】
差込搬送装置22は、差込シートトレイ21に対応する1つ以上のシート送出機構22aおよび複数組の搬送ローラー対22bを含む。図1に示される例では、差込ユニット2は、複数の差込シートトレイ21と複数のシート送出機構22aとを備える。
【0037】
シート送出機構22a各々は、差込シートトレイ21各々から差込シート9bを送り出す。複数組の搬送ローラー対22bは、差込シートトレイ21各々から送り出された差込シート9bを後処理ユニット3へ搬送する。
【0038】
[後処理ユニット3]
後処理ユニット3は、引継搬送装置31、後搬送装置32、1つ以上のシート処理装置33および1つ以上の排出トレイ34を備える。引継搬送装置31は、引継搬送部の一例である。
【0039】
1に示される例では、後処理ユニット3は、3つのシート処理装置33を備える。3つのシート処理装置33は、穿孔装置331、シート綴じ装置332およびシート折り装置333を含む。
【0040】
引継搬送装置31は、複数組の搬送ローラー対31aを備える。複数組の搬送ローラー対31aが回転することにより、引継搬送装置31は、本体搬送装置13および差込搬送装置22の各々から記録シート9aおよび差込シート9bの各々の搬送を引き継ぐ。
【0041】
引継搬送装置31は、記録シート9aおよび差込シート9bをシート処理装置33へ搬送する。本実施形態において、引継搬送装置31は、記録シート9aおよび差込シート9bを穿孔装置331へ搬送する。
【0042】
さらに引継搬送装置31は、穿孔装置331を通過した記録シート9aおよび差込シート9bを、シート綴じ装置332または後搬送装置32へ搬送する。引継搬送装置31は、穿孔装置331を通過した記録シート9aおよび差込シート9bを排出トレイ34の1つへ排出することもできる。
【0043】
穿孔装置331は、記録シート9aおよび差込シート9bへパンチ孔を開ける孔開け処理を実行する。
【0044】
シート綴じ装置332は、記録シート9aおよび差込シート9bを積載し、積載した記録シート9aおよび差込シート9bを綴じる。例えば、シート綴じ装置332は、ステープル処理によって記録シート9aおよび差込シート9bを綴じる。
【0045】
シート折り装置333は、折り畳まれた記録シート9aおよび差込シート9bを排出トレイ34の1つへ排出する。
【0046】
後搬送装置32は、複数組の搬送ローラー対32aを備える。複数組の搬送ローラー対32aが回転することにより、後搬送装置32は、記録シート9aおよび差込シート9bをシート折り装置333へ搬送する。
【0047】
シート折り装置333は、記録シート9aおよび差込シート9bを折り畳む。シート折り装置333は、折り畳まれた記録シート9aおよび差込シート9bを排出トレイ34の1つへ排出する。
【0048】
画像形成装置10は、操作装置801、表示装置802および主制御装置8をさらに備える。操作装置801、表示装置802および主制御装置8は、本体ユニット1に設けられている。
【0049】
操作装置801は、人の操作を受け付ける装置である。例えば、操作装置801は、タッチパネルおよび操作ボタンのうちの一方または両方を含む。
【0050】
表示装置802は、各種の情報を表示可能である。例えば、表示装置802は、液晶表示装置などのパネル表示装置である。主制御装置8は、画像形成装置10が備える各種の電気機器を制御する。
【0051】
図2に示されるように、主制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)80、RAM(Random Access Memory)81、二次記憶装置82、信号インターフェイス83、機器通信装置84および外部通信装置85などを備える。
【0052】
CPU80は、コンピュータープログラムを実行することにより各種の制御およびデータ処理を実行する。RAM81は、CPU80により実行される前記コンピュータープログラムおよび各種のデータを一時記憶する。
【0053】
二次記憶装置82は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶装置である。二次記憶装置82は、CPU80により実行される前記コンピュータープログラムおよび各種のデータを記憶する。例えば、フラッシュメモリーまたはハードディスクドライブの一方または両方が、二次記憶装置82として採用される。
【0054】
信号インターフェイス83は、各種のセンサーの検出信号をデジタルの検出データへ変換する。前記検出データは、CPU80へ伝送される。
【0055】
機器通信装置84は、CPU80と画像形成装置10内の他の機器との間で行われる機器通信のインターフェイスである。
【0056】
本実施形態において、差込ユニット2は、第1ローカル制御装置20を備え、後処理ユニット3は第2ローカル制御装置30を備える(図1参照)。
【0057】
CPU80は、機器通信装置84を通じて第1ローカル制御装置20および第2ローカル制御装置30と前記機器通信を行う。なお、CPU80が、機器通信装置84および第2ローカル制御装置30を介して第1ローカル制御装置20と前記機器通信を行う場合もある。
【0058】
CPU80は、第1ローカル制御装置20および第2ローカル制御装置30へ制御司令を出力する。第1ローカル制御装置20は、前記制御司令に従って差込搬送装置22を制御する。第2ローカル制御装置30は、前記制御司令に従って引継搬送装置31、後搬送装置32およびシート処理装置33を制御する。
【0059】
換言すれば、CPU80は、第1ローカル制御装置20を通じて差込搬送装置22を制御する。さらにCPU80は、第2ローカル制御装置30を通じて引継搬送装置31、後搬送装置32およびシート処理装置33を制御する。
【0060】
外部通信装置85は、ネットワークを通じて外部装置との通信を実行する。CPU80は、外部通信装置85を通じて前記外部装置とのデータの送受信を実行する。前記外部装置は、画像形成装置10に前記プリント処理を要求するホスト装置を含む。前記ホスト装置は、情報処理装置の一例である。
【0061】
CPU80は、前記コンピュータープログラムを実行することにより実現される複数の処理モジュールを含む。前記複数の処理モジュールは、主制御部8a、プリント制御部8b、搬送制御部8cおよび後処理制御部8dなどを含む(図2参照)。
【0062】
主制御部8aは、各種の要求を受け付ける処理、および、要求に応じた処理を他の処理モジュールに実行させる制御を実行する。例えば、主制御部8aは、操作装置801または外部通信装置85を通じてプリント要求を受け付ける。さらに主制御部8aは、前記プリント要求に応じた処理をプリント制御部8b、搬送制御部8cおよび後処理制御部8dに実行させる。
【0063】
搬送制御部8cは、本体ユニット1のシート給送装置12および本体搬送装置13を制御する。さらに搬送制御部8cは、差込ユニット2の差込搬送装置22と、後処理ユニット3の引継搬送装置31および後搬送装置32を制御する。
【0064】
後処理制御部8dは、後処理ユニット3のシート処理装置33を制御する。
【0065】
引継搬送装置31は、記録シート9aおよび差込シート9bをそれぞれの搬入速度と同じ速度で搬送を引き継ぐ。
【0066】
即ち、引継搬送装置31は、本体搬送装置13と同じ搬送速度で記録シート9aの搬送を引き継ぐ。さらに引継搬送装置31は、差込搬送装置22と同じ搬送速度で差込シート9bの搬送を引き継ぐ。なお、搬送速度が同じということは、比較対象となる複数組の搬送ローラー対の周速度が同じであることを意味する。
【0067】
従って、本体搬送装置13の搬送速度と差込搬送装置22の搬送速度とが異なる場合、引継搬送装置31において搬送速度の切り替えが行われる。引継搬送装置31において搬送速度の切り替えが行われるときに、シート搬送間隔の調整が必要である。
【0068】
例えば、差込シート9bを後処理ユニット3へ搬送する速度が、直前または直後の記録シート9aを後処理ユニット3へ搬送する速度と同じ速度に設定されることが考えられる。この場合、引継搬送装置31における搬送速度の切り替えの頻度が低減する。その結果、搬送速度の切り替えに要する時間が短縮される。
【0069】
ところで、記録シート9aの搬送速度は、プリントジョブの情報および記録シート収容部11に収容された記録シート9aの種類を表すシート情報を含む入力情報に基づいて1枚分の前記プリント処理ごとに順次設定される。
【0070】
以下の説明において、本体搬送装置13による記録シート9aの搬送速度のことをプリント搬送速度と称する。
【0071】
また、前記プリントジョブにおいて最初の記録シート9aが搬送される前に搬送される差込シート9bのことを当初差込シートと称する。
【0072】
画像形成装置10において、前記当初差込シートは、最初の記録シート9aが本体搬送装置13によって搬送される前に差込搬送装置22によって搬送される差込シート9bである。前記当初差込シートの搬送速度が、最初の記録シート9aについての前記プリント搬送速度と同じ速度に設定されることが考えられる。
【0073】
上記の場合、最初の記録シート9aについての前記プリント搬送速度が低速度であるときに、前記当初差込シートの搬送速度も低速度に設定される。最初の記録シート9aについての前記プリント搬送速度が遅く、前記当初差込シートの枚数が多い場合に、前記当初差込シートの全てを搬送するために要する時間が長くなる。
【0074】
従って、差込シート9bが連続する枚数によっては、差込シート9bの搬送速度を直前または直後の記録シート9aについての前記プリント搬送速度と同じ速度に設定することが、返ってシートの搬送効率の悪化を招くおそれがある。
【0075】
本実施形態において、搬送制御部8cは、後述するシート搬送制御を実行する。これにより、記録シート9aおよび差込シート9bを状況に応じて効率的に搬送することが可能である。
【0076】
[シート搬送制御]
以下、図3に示されるフローチャートを参照しつつ、前記シート搬送制御の手順の一例について説明する。
【0077】
搬送制御部8cは、新たな前記プリントジョブが外部通信装置85を通じて受信されるごとに、前記シート搬送制御を実行する。
【0078】
前記シート搬送制御は、記録シート9aおよび差込シート9bの搬送を制御するシート搬送制御方法を実現する処理の一例である。搬送制御部8cを含むCPU80は、画像形成装置10において前記シート搬送制御方法を実現するプロセッサーの一例である。
【0079】
図3に示されるフローチャートにおいて、シート給送装置12および後搬送装置32の制御の手順については省略されている。
【0080】
搬送制御部8cは、前記プリントジョブの情報に基づいて搬送対象を順次特定する。前記搬送対象は、記録シート9aまたは差込シート9bである。
【0081】
さらに搬送制御部8cは、前記搬送対象が記録シート9aである場合に、前記プリントジョブの情報に基づいて複数の記録シート収容部11から記録シート9aの供給元を選択する。
【0082】
さらに搬送制御部8cは、選択された前記供給元からプリント装置14へ記録シート9aを搬送する処理をシート給送装置12に実行させる。
【0083】
さらに搬送制御部8cは、前記プリントジョブの情報に基づいて前記搬送対象がシート折り装置333による処理の対象であるか否かを判定する。搬送制御部8cは、前記搬送対象がシート折り装置333による処理の対象である場合に、前記搬送対象を後搬送装置32に搬送させる。
【0084】
以下の説明において、S101,S102,…は、前記シート搬送制御における複数の工程の識別符号を表す。前記シート搬送制御において、まずは工程S101の処理が実行される。
【0085】
<工程S101>
工程S101において、搬送制御部8cは、前記プリントジョブの情報に基づいて前記当初差込シートの枚数である当初差込枚数N1を判定する。
【0086】
搬送制御部8cは、当初差込枚数N1が予め設定された設定当初シート数SN1以上である場合に工程S102の処理を実行する。
【0087】
搬送制御部8cは、当初差込枚数N1が0より大きく設定当初シート数SN1未満である場合に工程S103の処理を実行する。
【0088】
設定当初シート数SN1は、1以上の整数である。本実施形態において、主制御部8aは、操作装置801に対する設定操作に従って任意の設定当初シート数SN1を設定する処理を実行可能である。
【0089】
搬送制御部8cは、当初差込枚数N1が0である場合に工程S106の処理を実行する。
【0090】
<工程S102>
工程S102において、搬送制御部8cは、差込シート9bの搬送速度である差込搬送速度を最大搬送速度MV1に設定する。
【0091】
最大搬送速度MV1は、予め設定された基準搬送速度の一例である。なお、主制御部8aが、操作装置801に対する操作に従って前記基準搬送速度を設定する処理を実行してもよい。
【0092】
搬送制御部8cは、工程S102の処理を実行した後、工程S105の処理を実行する。
【0093】
<工程S103>
工程S103において、搬送制御部8cは、前記入力情報に基づいて最初のプリント搬送速度PV1を設定する。前述したように、前記入力情報は、前記プリントジョブの情報および前記シート情報を含む。最初のプリント搬送速度PV1は、前記プリントジョブにおける最初の記録シート9aについての前記プリント搬送速度である。
【0094】
前記シート情報は、複数の記録シート収容部11それぞれに収容されている記録シート9aの材質および重さなどに関する情報を含む。
【0095】
搬送制御部8cは、前記プリントジョブの情報における最初の記録シート9aの情報に基づいて、複数の記録シート収容部11から記録シート9aの供給元を選択する。さらに搬送制御部8cは、前記シート情報における前記供給元に対応する情報に基づいて最初のプリント搬送速度PV1を設定する。
【0096】
例えば、搬送制御部8cは、前記シート情報における前記供給元に対応する情報に基づいて、複数の候補速度の中から最初のプリント搬送速度PV1を選択する。前記複数の候補速度は最大搬送速度MV1を含む。前記速度候補の数は3つまたは4つ程度であることが考えられる。
【0097】
搬送制御部8cは、最初のプリント搬送速度PV1を設定した後、工程S104の処理を実行する。
【0098】
<工程S104>
工程S104において、搬送制御部8cは、前記差込搬送速度を最初のプリント搬送速度PV1と同じ速度に設定する。その後、搬送制御部8cは、工程S105の処理を実行する。
【0099】
<工程S105>
工程S105において、搬送制御部8cは、差込搬送装置22および引継搬送装置31に前記当初差込シートを搬送させる。
【0100】
工程S105において、搬送制御部8cは、差込搬送装置22を工程S102または工程S104で設定された前記差込搬送速度で動作させる。さらに、搬送制御部8cは、引継搬送装置31を前記差込搬送速度と同じ搬送速度で動作させる。
【0101】
当初差込枚数N1が複数枚である場合、工程S105において、搬送制御部8cは、前記当初差込シートの全てについて同じ搬送速度で差込搬送装置22および引継搬送装置31を動作させる。
【0102】
搬送制御部8cは、工程S105の処理を実行した後、工程S107の処理を実行する。
【0103】
<工程S106>
工程S106において、搬送制御部8cは、工程S103と同様に最初のプリント搬送速度PV1を設定する。その後、搬送制御部8cは、工程S107の処理を実行する。
【0104】
<工程S107>
工程S107において、搬送制御部8cは、本体搬送装置13および引継搬送装置31に最初の記録シート9aを搬送させる。
【0105】
工程S107において、搬送制御部8cは、本体搬送装置13を工程S103または工程S106で設定された最初のプリント搬送速度PV1で動作させる。さらに搬送制御部8cは、引継搬送装置31を最初のプリント搬送速度PV1と同じ搬送速度で動作させる。
【0106】
搬送制御部8cは、工程S107の処理を実行した後、工程S108の処理を実行する。
【0107】
<工程S108>
工程S108において、搬送制御部8cは、前記プリントジョブにおける最後のシートが搬送済みであるか否かを判別する。前記最後のシートは、前記プリントジョブにおいて最後に搬送される記録シート9aまたは差込シート9bである。
【0108】
搬送制御部8cは、前記最後のシートが搬送済みであると判別する場合、前記シート搬送制御を終了する。
【0109】
搬送制御部8cは、前記最後のシートが未だ搬送されていないと判別する場合、工程S109の処理を実行する。
【0110】
<工程S109>
工程S109において、搬送制御部8cは、前記プリントジョブの情報に基づいて、次シートが記録シート9aおよび差込シート9bのいずれであるかを判別する。前記次シートは、前記プリントジョブにおける次の前記搬送対象である。
【0111】
搬送制御部8cは、前記次シートが記録シート9aである場合に工程S110の処理を実行する。一方、搬送制御部8cは、前記次シートが差込シート9bである場合に工程S112の処理を実行する。
【0112】
<工程S110>
工程S110において、搬送制御部8cは、工程S103と同様に、前記入力情報に基づいて次のプリント搬送速度PV2を設定する。次のプリント搬送速度PV2は、次に搬送される記録シート9aについての前記プリント搬送速度である。
【0113】
搬送制御部8cは、工程S110の処理を実行した後、工程S111の処理を実行する。
【0114】
<工程S111>
工程S111において、搬送制御部8cは、本体搬送装置13および引継搬送装置31に次の記録シート9aを搬送させる。
【0115】
工程S111において、搬送制御部8cは、本体搬送装置13を工程S110で設定された次のプリント搬送速度PV2で動作させる。さらに搬送制御部8cは、引継搬送装置31を次のプリント搬送速度PV2と同じ搬送速度で動作させる。
【0116】
搬送制御部8cは、工程S111の処理を実行した後、工程S108の処理を実行する。これにより、前記最後のシートが搬送済みであると判別されるまで、工程S108以降の処理が繰り返される。
【0117】
<工程S112>
工程S112において、搬送制御部8cは、後続差込制御を実行する。前記後続差込制御は、後続差込シートの搬送のための差込搬送装置22および引継搬送装置31の制御である。前記後続差込シートは、記録シート9aの搬送に続いて搬送される差込シート9bである。
【0118】
前記後続差込制御の具体例については後述する。搬送制御部8cは、工程S112の処理を実行した後、工程S108の処理を実行する。これにより、前記最後のシートが搬送済みであると判別されるまで、工程S108以降の処理が繰り返される。
【0119】
[後続差込制御の第1例]
次に、図4に示されるフローチャートを参照しつつ、工程S112において実行される前記後続差込制御の手順の第1例について説明する。
【0120】
以下の説明において、S201およびS202は、前記後続差込制御の第1例における複数の工程の識別符号を表す。前記後続差込制御の第1例において、まずは工程S201の処理が実行される。
【0121】
<工程S201>
工程S201において、搬送制御部8cは、前記差込搬送速度を前回プリント搬送速度PV3と同じ搬送速度に設定する。
【0122】
前回プリント搬送速度PV3は、前記後続差込シートの搬送の直前に搬送された記録シート9aについての前記プリント搬送速度である。
【0123】
搬送制御部8cは、工程S201の処理を実行した後に、工程S202の処理を実行する。
【0124】
<工程S202>
工程S202において、搬送制御部8cは、差込搬送装置22および引継搬送装置31に前記後続差込シートを搬送させる。
【0125】
工程S202において、搬送制御部8cは、差込搬送装置22を工程S201で設定された前記差込搬送速度で動作させる。さらに、搬送制御部8cは、引継搬送装置31を前記差込搬送速度と同じ搬送速度で動作させる。
【0126】
前記後続差込シートが複数枚である場合、工程S202において、搬送制御部8cは、前記後続差込シートの全てについて同じ搬送速度で差込搬送装置22および引継搬送装置31を動作させる。
【0127】
搬送制御部8cは、工程S202の処理を実行した後、前記後続差込制御を終了する。
【0128】
以上に示されるように、搬送制御部8cは、当初差込枚数N1が1枚以上である場合に、前記当初差込シートの搬送において工程S102~S105の制御を実行する。
【0129】
工程S102~S105において、搬送制御部8cは、当初差込枚数N1と設定当初シート数SN1との大小関係に応じて差込搬送装置22および引継搬送装置31を2種類の搬送速度のいずれかで動作させる。
【0130】
前記2種類の搬送速度は、最初のプリント搬送速度PV1および予め設定された最大搬送速度MV1である。
【0131】
一方、搬送制御部8cは、当初差込枚数N1に関わらず、記録シート9aの搬送において、本体搬送装置13および引継搬送装置31を対応する前記プリント搬送速度で動作させる(工程S103,S107,S110,S111参照)。
【0132】
前記シート搬送制御が実行されることにより、差込搬送装置22および引継搬送装置31は、標準動作として、直前または直後の記録シート9aについての前記プリント搬送速度と同じ搬送速度で動作する(工程S103~S105,S201,S202)。これにより、引継搬送装置31における搬送速度の切り替えの頻度が低減され、記録シート9aおよび差込シート9bが効率的に搬送される。
【0133】
一方、差込搬送装置22および引継搬送装置31は、例外動作として、最大搬送速度MV1で動作する場合もある(工程S102,S105参照)。
【0134】
具体的には、前記当初差込シートの枚数が多い場合に、前記差込搬送速度が最大搬送速度MV1に設定される(工程S102参照)。これにより、最初のプリント搬送速度PV1が低速度であることに起因して、前記当初差込シートの全てを搬送するために要する時間が無駄に長くなることが回避される。
【0135】
従って、前記シート搬送制御が採用されることにより、記録シート9aおよび差込シート9bを状況に応じて効率的に搬送することができる。
【0136】
[後続差込制御の第2例]
次に、図5に示されるフローチャートを参照しつつ、工程S112において実行される前記後続差込制御の手順の第2例について説明する。
【0137】
以下の説明において、S301,S302・・・は、前記後続差込制御の第2例における複数の工程の識別符号を表す。前記後続差込制御の第2例において、まずは工程S301の処理が実行される。
【0138】
<工程S301>
工程S301において、搬送制御部8cは、前回プリント搬送速度PV3に応じて次に実行する処理を判別する。
【0139】
搬送制御部8cは、前回プリント搬送速度PV3が予め設定された設定搬送速度MV2未満である場合に工程S302の処理を実行する。一方、搬送制御部8cは、前回プリント搬送速度PV3が設定搬送速度MV2以上である場合に工程S304の処理を実行する。
【0140】
設定搬送速度MV2は、2以上の整数である。本実施形態において、主制御部8aは、操作装置801に対する設定操作に従って任意の設定搬送速度MV2を設定する処理を実行可能である。
【0141】
<工程S302>
工程S302において、搬送制御部8cは、前記プリントジョブの情報に基づいて前記後続差込シートの枚数である後続差込枚数N2を判定する。前述したように、前記後続差込シートは、記録シート9aの搬送に続いて搬送される差込シート9bである。
【0142】
搬送制御部8cは、後続差込枚数N2が予め設定された設定後続シート数SN2以上である場合に工程S303の処理を実行する。一方、搬送制御部8cは、後続差込枚数N2が設定後続シート数SN2未満である場合に工程S304の処理を実行する。
【0143】
<工程S303>
工程S303において、搬送制御部8cは、前記差込搬送速度を最大搬送速度MV1に設定する。その後、搬送制御部8cは、工程S305の処理を実行する。
【0144】
<工程S304>
工程S304において、搬送制御部8cは、第1例の工程S201と同様に、前記差込搬送速度を前回プリント搬送速度PV3と同じ搬送速度に設定する。その後、搬送制御部8cは、工程S305の処理を実行する。
【0145】
<工程S305>
工程S305において、搬送制御部8cは、差込搬送装置22および引継搬送装置31に前記後続差込シートを搬送させる。
【0146】
工程S305において、搬送制御部8cは、差込搬送装置22を工程S303または工程S304で設定された前記差込搬送速度で動作させる。さらに、搬送制御部8cは、引継搬送装置31を前記差込搬送速度と同じ搬送速度で動作させる。
【0147】
前記後続差込シートが複数枚である場合、工程S305において、搬送制御部8cは、前記後続差込シートの全てについて同じ搬送速度で差込搬送装置22および引継搬送装置31を動作させる。
【0148】
搬送制御部8cは、工程S305の処理を実行した後、前記後続差込制御を終了する。
【0149】
工程S301~S305において、搬送制御部8cは、前回プリント搬送速度PV3と前記後続差込シートの枚数とに応じて、前記後続差込シートの搬送において差込搬送装置22および引継搬送装置31を2種類の搬送速度のいずれかで動作させる。
【0150】
前記2種類の搬送速度は、前回プリント搬送速度PV3および最大搬送速度MV1である。
【0151】
前記第2例が採用されることにより、前記後続差込シートの枚数が多い場合に、前記後続搬送速度が最大搬送速度MV1に設定される(工程S303参照)。これにより、前回プリント搬送速度PV3が低速度であることに起因して、前記当初差込シートの全てを搬送するために要する時間が無駄に長くなることが回避される。
【0152】
従って、前記第2例が採用される場合も、前記第1例が採用される場合と同様に、記録シート9aおよび差込シート9bを状況に応じて効率的に搬送することができる。
【符号の説明】
【0153】
1 :本体ユニット
2 :差込ユニット
3 :後処理ユニット
8 :主制御装置
9a :記録シート
9b :差込シート
10 :画像形成装置
13 :本体搬送装置
13a :搬送ローラー対
14 :プリント装置
14x :画像形成部
22 :差込搬送装置
31 :引継搬送装置
32 :後搬送装置
33 :シート処理装置
図1
図2
図3
図4
図5