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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151757
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】表示装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/02 20060101AFI20241018BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20241018BHJP
   H04N 9/73 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
G09G5/02 B
G09G5/00 550C
H04N9/73 B
G09G5/02 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065403
(22)【出願日】2023-04-13
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(72)【発明者】
【氏名】下田 裕紀
【テーマコード(参考)】
5C066
5C182
【Fターム(参考)】
5C066AA03
5C066CA05
5C066CA13
5C066EA15
5C066FA02
5C066HA03
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB01
5C182AC03
5C182AC43
5C182BA03
5C182BA14
5C182BA25
5C182BA26
5C182BA44
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC26
5C182CA22
5C182DA52
(57)【要約】
【課題】 周囲環境と映像内容の両方を考慮した色温度調整を行う表示装置及び制御方法等の提供。
【解決手段】 表示装置は、映像を表示する表示部と、映像データを含むコンテンツ情報を取得するデータ取得部と、表示装置の周囲の色温度を表す周囲色温度情報を取得する周囲色温度取得部と、前記周囲色温度情報、及び、前記コンテンツ情報に基づいて、前記映像データの色温度を調整する処理を行う色温度処理部と、前記色温度が調整された前記映像データを前記表示部に表示させる制御を行う表示制御部と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示する表示部と、
映像データを含むコンテンツ情報を取得するデータ取得部と、
表示装置の周囲の色温度を表す周囲色温度情報を取得する周囲色温度取得部と、
前記周囲色温度情報、及び、前記コンテンツ情報に基づいて、前記映像データの色温度を調整する処理を行う色温度処理部と、
前記色温度が調整された前記映像データを前記表示部に表示させる制御を行う表示制御部と、
を含む表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記色温度処理部は、
前記コンテンツ情報に基づいて、前記映像データに適した前記色温度であるコンテンツ色温度を決定し、
前記周囲色温度情報と前記コンテンツ色温度に基づいて、前記色温度を調整する処理を行う、
表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記色温度処理部は、
(1)前記データ取得部が、前記映像データ及び前記映像データのジャンルを表すジャンル情報を含む前記コンテンツ情報を取得した場合に、前記データ取得部から取得した前記ジャンル情報に基づいて、前記コンテンツ色温度として、前記ジャンルに適した色温度であるジャンル色温度を決定する、
または、
(2)前記映像データに対する画像解析処理の結果に基づいて、前記コンテンツ色温度を決定する、
表示装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記色温度処理部は、
前記コンテンツ色温度に基づいて、前記色温度の調整範囲を決定し、
前記周囲色温度情報によって表される前記色温度が高くなるほど調整後の前記色温度が高くなるように、前記調整範囲内において、前記映像データの前記色温度を調整する処理を行う、
表示装置。
【請求項5】
請求項3において、
前記色温度処理部は、
前記コンテンツ情報が前記ジャンル情報を含む場合であって、前記ジャンルが映画であると判定された場合、前記ジャンルがスポーツであると判定された場合に比べて、前記ジャンル色温度を低くする表示装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項において、
前記色温度処理部は、
前記周囲色温度情報及び前記コンテンツ情報に基づいて、目標となる前記色温度である目標色温度を表す目標色温度情報を決定し、
現在の表示制御に用いられている前記色温度である現在色温度を表す現在色温度情報と前記目標色温度情報との比較処理に基づいて、前記現在色温度と前記目標色温度の中間的な前記色温度を表す中間色温度情報を決定し、
前記表示制御部は、
前記中間色温度情報に基づく表示制御を行う表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記色温度処理部は、
前記中間色温度情報として、第1~第n(nは2以上の整数)中間色温度情報を決定し、
前記表示制御部は、
第i(iは1以上n未満の整数)中間色温度情報によって表される第i色温度が、第i+1中間色温度情報によって表される第i+1色温度に比べて前記現在色温度に近い場合に、前記第1~第n中間色温度情報をこの順に用いた表示制御を行う表示装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記色温度処理部は、
前記現在色温度情報及び前記目標色温度情報に基づいて、前記中間色温度情報の数である前記nの値を決定する処理を行う表示装置。
【請求項9】
表示部を有する表示装置の制御方法であって、
映像データを含むコンテンツ情報を取得し、
前記表示装置の周囲の色温度を表す周囲色温度情報を取得し、
前記周囲色温度情報、及び、前記コンテンツ情報に基づいて、前記映像データの色温度を調整する処理を行い、
前記色温度が調整された前記映像データを前記表示部に表示させる制御を行う、
制御方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び制御方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示装置周辺の光に関する情報に基づいて、当該表示装置で表示される映像の色温度を調整する手法が知られている。例えば特許文献1には、外光検出部にて検出された周囲光の照度と色合いに応じて、表示する映像の色温度を調整するテレビジョン装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-124197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の手法では、色温度の調整処理において、表示対象となる映像の内容が考慮されていない。そのため、例えば映像の作成側が意図する映像を表示できない(ディレクターズインテンションが反映されない)可能性がある。
【0005】
本開示のいくつかの態様によれば、周囲環境と映像内容の両方を考慮した色温度調整を行う表示装置及び制御方法を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、映像を表示する表示部と、映像データを含むコンテンツ情報を取得するデータ取得部と、表示装置の周囲の色温度を表す周囲色温度情報を取得する周囲色温度取得部と、前記周囲色温度情報、及び、前記コンテンツ情報に基づいて、前記映像データの色温度を調整する処理を行う色温度処理部と、前記色温度が調整された前記映像データを前記表示部に表示させる制御を行う表示制御部と、を含む表示装置に関係する。
【0007】
本開示の他の態様は、表示部を有する表示装置の制御方法であって、映像データを含むコンテンツ情報を取得し、前記表示装置の周囲の色温度を表す周囲色温度情報を取得し、前記周囲色温度情報、及び、前記コンテンツ情報に基づいて、前記映像データの色温度を調整する処理を行い、前記色温度が調整された前記映像データを前記表示部に表示させる制御を行う、制御方法に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】表示装置の外観例を示す図である。
図2】表示装置の構成例を示す図である。
図3】色温度処理部の構成例を示す図である。
図4】表示装置における処理を説明するフローチャートである。
図5】映像データのジャンルとコンテンツ色温度(ジャンル色温度)の関係例を示す図である。
図6】ジャンル、コンテンツ色温度、周囲色温度及び目標色温度の関係例を示す図である。
図7】コンテンツ色温度、周囲色温度、目標色温度の関係例を示す図である。
図8A】現在色温度に対応する色温度カーブの例である。
図8B】目標色温度に対応する色温度カーブの例である。
図8C】中間色温度に対応する色温度カーブの例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について図面を参照しつつ説明する。図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
1.システム構成例
図1は、本実施形態に係る表示装置100の一例であるテレビ受信装置の構成例を示す図である。テレビ受信装置は、例えばテレビジョン放送の放送波を受信し、受信した放送波に基づく映像を表示パネル(表示部150)に表示する装置である。なお図1は表示装置100の外観構成の一例であり、具体的な形状については種々の変形実施が可能である。
【0011】
図2は、表示装置100の構成例を示す図である。表示装置100は、データ取得部110、周囲色温度取得部120、色温度処理部130、表示制御部140及び表示部150を含む。ただし表示装置100の構成は図2に限定されず、一部の構成を省略する、他の構成を追加する等の変形実施が可能である。
【0012】
データ取得部110は、映像データ(入力信号)を含むコンテンツ情報を受信する。ここでの映像データは、表示部150での表示対象となる映像を表す情報である。データ取得部110は、例えばアンテナからテレビジョン放送の放送波に対応する信号を受信し、当該信号に基づく入力信号を出力するチューナーであってもよい。チューナーは、特定の周波数のテレビジョン放送の放送波を受信するインターフェイス及び、受信した放送波に対する処理を実行する回路等を含む。この場合の入力信号は、高精細度テレビジョン放送における符号化等に関する規格であるRec.709(BT.709)に従った信号であってもよい。Rec.709では、例えばRGB色空間パラメータが規定されている。
【0013】
またコンテンツ情報とは、映像データに加えて、音声データ及びメタデータを含んでもよい。音声データは、例えばMPEG2-AAC(Moving Picture Experts Group 2-Advanced Audio Coding)を用いて圧縮されたデータであるがこれには限定されない。メタデータは、例えば映像データのジャンルを表すジャンル情報を含んでもよい。またメタデータは、放送日時、曜日、放送エリア、放送局、番組名等、ジャンル情報以外の情報を含んでもよい。
【0014】
データ取得部110は、チューナー以外の通信インターフェイスにより実現されてもよい。例えば通信インターフェイスは、BD(Blu-ray Disc、登録商標)プレイヤーやレコーダー等から映像信号を取得するインターフェイスであり、具体的にはHDMI(High-Definition Multimedia Interface)ケーブルを接続可能なポートであってもよい。この場合の入力信号は、BD等の光学式記憶媒体に記憶されたデータに対応する信号であってもよいし、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体に記憶されたデータに対応する信号であってもよい。また通信インターフェイスは、IEEE802.3やIEEE802.11等に規定されたインターフェイスであってもよい。この場合の入力信号は、通信インターフェイスがインターネット等の公衆通信網を介してコンテンツサーバーから取得した信号であってもよい。
【0015】
周囲色温度取得部120は、表示装置100の周囲の光に関する情報を取得する。特に周囲色温度取得部120は、表示装置100の周囲の色温度を表す周囲色温度情報を取得する。例えば周囲色温度取得部120は、色度センサーのセンサー値に基づいて周囲色温度を取得してもよい。ここでの色度センサーは、例えばRGBの各色の信号を数値化する色彩計(色差計)であるが、色に関する情報を検出可能な他のセンサーが用いられてもよい。例えば色度センサーは、CMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等を用いたイメージセンサーであってもよい。また色度センサーは、色度だけでなく、照度を検出可能であってもよい。本実施形態の色度センサーは、例えば表示装置100の前面側(表示部150が閲覧可能な側)に設けられる。ただし、色度センサーは表示装置100の他の位置に設けられてもよい。また色度センサーが表示装置100の外部に設けられ、周囲色温度取得部120は当該色度センサーと通信を行うことによってセンサー値を取得してもよい。
【0016】
色温度処理部130は、データ取得部110が取得したコンテンツ情報、及び、周囲色温度取得部120が取得した周囲色温度情報に基づいて、映像データの色温度を調整する処理を実行する。
【0017】
図3は、色温度処理部130の構成例を示す図である。色温度処理部130は、コンテンツ色温度決定部131、目標色温度決定部132及びスムージング処理部133を含む。ただし色温度処理部130の構成は図3に限定されず、一部の構成を省略する、他の構成を追加する等の変形実施が可能である。
【0018】
コンテンツ色温度決定部131は、映像データのコンテンツ情報に基づいて、当該映像データの表示に適した色温度であるコンテンツ色温度を決定する。例えば色温度処理部130は、周囲色温度情報、及び、映像データのジャンルを表すジャンル情報に基づいて、映像データの色温度を調整してもよい。ジャンル情報は、例えば上述したように、コンテンツ情報に含まれてもよい。この場合、データ取得部110が、映像データ、及び当該映像データのジャンル情報を含むコンテンツ情報を取得する。例えばデータ取得部110がHDMI端子を介して映像データを含むコンテンツ情報を取得する場合、当該コンテンツ情報はEDID(Extended Display Identification Data)のインフォフレームを含んでもよい。EDIDのインフォフレームは、映像データのジャンルを表すため、本実施形態におけるジャンル情報に対応する。
【0019】
目標色温度決定部132は、コンテンツ色温度と、周囲色温度とに基づいて、映像データの表示制御に用いられる望ましい色温度を表す目標色温度を決定する。目標色温度の決定処理の例については後述する。
【0020】
スムージング処理部133は、現在の色温度から目標色温度への変更をなめらかに実行するための処理を行う。例えばスムージング処理部133は、現在色温度と目標色温度の中間の色温度である中間色温度を決定し、当該中間色温度に従った表示制御を表示制御部140に指示する処理を行ってもよい。換言すれば、スムージング処理部133は、現在色温度から目標色温度への変更を段階的に実行する処理を行ってもよい。
【0021】
本実施形態の色温度処理部130は、プロセッサーにより実現されてもよい。ここでのプロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサーは、ASIC(application specific integrated circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んでもよい。
【0022】
図2に戻って説明を続ける。表示制御部140は、色温度処理部130によって色温度が調整された後の映像データを、表示部150に表示させる制御を行う。ここでの表示制御部140は、例えば表示部150の駆動制御を行う回路であってもよく、例えば液晶パネル等の表示パネルの駆動に広く用いられるデータ線駆動回路や走査線駆動回路等を含んでもよい。また表示制御部140は、色温度処理部130と同様に、CPU等の種々のプロセッサーにより実現されてもよい。
【0023】
表示部150は、映像を表示するディスプレイである。表示部150は、例えば液晶ディスプレイであってもよいし、有機ELディスプレイであってもよいし、他の方式のディスプレイであってもよい。
【0024】
また表示装置100は、図2には不図示のメモリーを含んでもよい。メモリーは、プロセッサーのワーク領域であって、種々の情報を記憶する。例えばメモリーは、後述するように映像データのジャンルと色温度(コンテンツ色温度)を対応付ける情報、色温度と色温度カーブを対応付ける情報等を記憶してもよい。なおメモリーは、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーであってもよいし、レジスタであってもよいし、HDD等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。
【0025】
また表示装置100は、図2には不図示の操作インターフェイスを含んでもよい。操作インターフェイスは、ユーザーが表示装置100を操作する際に用いられるインターフェイスであり、表示装置100の筐体に設けられるボタンであってもよいし、リモコンとの通信に用いられるインターフェイス(例えば赤外線の受信装置)であってもよい。
【0026】
上述したように、本実施形態の手法では、色温度処理部130は、周囲色温度情報、及び、映像データを含むコンテンツ情報に基づいて、映像データの色温度を調整する処理を行う。本実施形態の手法によれば、周囲色温度だけでなく、映像データの内容を考慮した色温度の調整が可能になる。
【0027】
例えば、映像データが映画である場合、当該映画の制作者は相対的に低い色温度を用いて表示されることを意図していると考えられる。一方、スポーツ等であれば、相対的に高い色温度を用いて表示されることを意図して当該スポーツの映像が撮影されると考えられる。このようなコンテンツ作成者の意図した映像をディレクターズインテンションとも言う。またディレクターズインテンションとは、作成者の意図した印象が映像にどれだけ反映されているかを表すものと考えてもよい。その点、本実施形態の手法では色温度の決定にコンテンツ情報が用いられるため、ディレクターズインテンションに応じた色温度で映像データを表示することが可能になる。例えば本実施形態の表示装置100は、周囲の色温度にあわせて表示に用いる色温度を変更しつつも、映像データのコンテンツ(ジャンル)に応じて色温度の上限値や下限値を設定することによって、ディレクターズインテンションからの乖離を抑制できる。具体的には、映画を極端に高い色温度で表示してしまうことや、スポーツを極端に低い色温度で表示してしまうこと等を抑制できる。
【0028】
また、本実施形態の表示装置100が行う処理の一部又は全部は、プログラムによって実現されてもよい。表示装置100が行う処理とは、例えば表示装置100のプロセッサーが行う処理であり、狭義には色温度処理部130が行う処理であってもよい。
【0029】
本実施形態に係るプログラムは、例えばコンピューターによって読み取り可能な媒体である非一時的な情報記憶媒体(情報記憶装置)に格納できる。情報記憶媒体は、例えば光ディスク、メモリーカード、HDD、或いは半導体メモリーなどによって実現できる。半導体メモリーは例えばROMである。表示装置100は、情報記憶媒体に格納されるプログラムに基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体は、表示装置100の各部としてコンピューターを機能させるためのプログラムを記憶する。コンピューターは、入力装置、処理部、記憶部、出力部を備える装置である。具体的には本実施形態に係るプログラムは、図4等を用いて後述する各ステップを、コンピューターに実行させるためのプログラムである。
【0030】
また本実施形態の手法は、表示部150を有する表示装置100の制御方法であって、以下の各ステップを含む制御方法に適用されてもよい。本実施形態に係る制御方法は、映像データを含むコンテンツ情報を取得するステップと、表示装置の周囲の色温度を表す周囲色温度情報を取得するステップと、周囲色温度情報、及び、コンテンツ情報に基づいて、映像データの色温度を調整する処理を行うステップと、色温度が調整された映像データを表示部150に表示させる制御を行うステップと、を含む。
【0031】
2.処理の詳細
図4は、表示装置100における処理を説明するフローチャートである。例えば表示装置100は、図4に示す処理を所定間隔で繰り返し実行することによって、映像データの色温度の調整処理を定期的に実行する。
【0032】
まずステップS101において、データ取得部110は、表示対象となる映像データを取得する。例えばデータ取得部110は、テレビジョン放送の放送波を受信し、当該放送波に基づいて映像データを含むコンテンツ情報を取得する。
【0033】
ステップS102において、色温度処理部130(コンテンツ色温度決定部131)は、映像データに応じた色温度であるコンテンツ色温度を決定する処理を行う。換言すれば、コンテンツ色温度とは、映像データの作成者の意図に近いと推定される表示態様を実現可能な色温度である。このようにすれば、映像データの内容を考慮したコンテンツ色温度が処理に用いられるため、ディレクターズインテンションを考慮した表示制御を実現できる。
【0034】
具体的には色温度処理部130(コンテンツ色温度決定部131)は、映像データのジャンル(種類)に基づいて、コンテンツ色温度として、映像データのジャンルに適したジャンル色温度を決定してもよい。ここでのジャンルには、スポーツ、映画、ドラマ、ニュース等、映像データの種類を表す種々の情報が含まれる。このようにすれば、映像データのジャンルに基づいて、ディレクターズインテンションを推定することが可能になる。
【0035】
ここでのジャンル情報とは、具体的にはコンテンツ情報に含まれる映像データのメタデータであってもよい。例えばデータ取得部110は、ステップS101において、映像データと、当該映像データのジャンルを表すメタデータであるジャンル情報とを含むコンテンツ情報を取得してもよい。そしてステップS102において、コンテンツ色温度決定部131は、当該ジャンル情報に基づいて映像データのジャンルを決定する。このようにすれば、放送波に含まれるメタデータに基づいて、映像データのジャンルを容易に特定することが可能である。例えば上述したようにEDIDのインフォフレームを用いてジャンル情報が取得されてもよい。
【0036】
図5は、ジャンルとコンテンツ色温度(ジャンル色温度)の関係例を示す図である。例えば表示装置100のメモリーは、図5に示すテーブルデータを記憶してもよい。図5の例であれば、例えばコンテンツ色温度決定部131は、ジャンルがスポーツであると判定した場合、ジャンル色温度を相対的に高い12000Kと決定し、ジャンルが映画であると判定した場合、ジャンル色温度を相対的に低い6500Kと決定する。なおここでは色温度の単位としてK(ケルビン)を用いている。
【0037】
図5の例にあるように、色温度処理部130(コンテンツ色温度決定部131)は、ジャンルが映画であると判定された場合、ジャンルがスポーツであると判定された場合に比べて、ジャンル色温度を低くしてもよい。このようにすれば、スポーツ及び映画のそれぞれに適した色温度がジャンル色温度として決定され、その後の色温度調整に用いられる。そのため、スポーツに関する映像を活動的な印象を与える色温度で表現することや、映画に関する映像を落ち着いた印象を与える色温度で表現すること等が可能になる。
【0038】
これ以外のジャンルであると判定された場合も同様であり、例えばコンテンツ色温度決定部131は、決定されたジャンルと、図5に示す対応関係を比較することによって、ジャンルに適したジャンル色温度を決定する。ただし図5は対応関係の一例であり、対象となるジャンルの数、ジャンルの種類、及びジャンル色温度の数値等については種々の変形実施が可能である。
【0039】
ステップS103において、色温度処理部130は、周囲色温度取得部120から周囲色温度を取得する。例えば周囲色温度取得部120は、色度センサーの出力値(例えばRGBそれぞれに対応する信号値)を色温度処理部130に出力し、色温度処理部130が当該出力値に基づいて周囲色温度を算出してもよい。あるいは周囲色温度取得部120において色温度への変換処理が行われ、色温度処理部130は処理結果である周囲色温度を周囲色温度取得部120から取得してもよい。即ち本実施形態における周囲色温度情報とは、色度センサーの出力値であってもよいし、当該出力値から求められる情報であってもよい。
【0040】
ステップS101-S103の処理により、色温度処理部130は、周囲色温度情報とコンテンツ色温度を取得できるため、これらに基づいて、色温度を調整する処理を行う。これにより、周囲環境とディレクターズインテンションの両方を考慮した色温度調整が可能になる。
【0041】
具体的にはステップS104において、色温度処理部130(目標色温度決定部132)は、周囲色温度情報とジャンル色温度に基づいて、調整処理の目標となる色温度(目標色温度)を表す目標色温度情報を決定する。なお目標色温度情報は、目標色温度の数値そのものであってもよいし、目標色温度を特定可能な他の情報であってもよい。
【0042】
図6は、目標色温度の決定処理を説明する図である。図6に示す図のジャンル及びコンテンツ色温度(ジャンル色温度)については図5と同様である。例えばここでは、処理対象となる色温度の下限を6500Kとし、上限を12000Kとする。ただし下限値及び上限値は一例であり、これ以外の範囲を用いて色温度に関する処理が行われてもよい。
【0043】
例えば目標色温度決定部132は、ジャンル色温度から乖離しすぎないようにしつつ、周囲色温度が高いほど調整後の色温度が高くなるように、映像データの色温度を調整してもよい。
【0044】
図6において、ジャンルがスポーツである例を考える。スポーツに対応するジャンル色温度は12000Kである。そして周囲色温度は、表示装置100の周辺環境に応じて例えば6500K-12000Kの範囲で変動する。目標色温度決定部132は、周囲色温度が下限の6500Kである場合、目標色温度を相対的に低い値とする。ただし目標色温度決定部132は、ジャンル色温度が12000Kと高いため、過剰に低い値を用いずに、ジャンル色温度との差が1000Kである11000Kを目標色温度とする。また、目標色温度決定部132は、周囲色温度が上限の12000Kである場合、目標色温度を相対的に高い値とする。ここでは色温度の上限値を12000Kとしているため、周囲色温度が12000Kの場合の目標色温度は、コンテンツ色温度と同じ12000Kに決定される。
【0045】
周囲色温度が6500Kよりも高く、12000Kよりも低い場合には、目標色温度として、11000Kと12000Kの間の値が用いられる。例えば目標色温度決定部132は、11000Kと12000Kの間を一次関数により補間することによって、目標色温度を決定してもよい。また補間に用いる関数は一次関数に限定されず、二次関数等の非線形関数が用いられてもよい。
【0046】
ジャンルが映画の場合も同様である。この場合、ジャンル色温度が6500Kであるため、目標色温度の最大値が7500Kに抑制される。換言すれば、周囲色温度が最大の12000Kであっても、目標色温度は周囲色温度と同程度には高くならず、(ジャンル色温度+1000K)の7500Kとなる。周囲色温度が下限の6500Kである場合、目標色温度も低くなるが、ここでは色温度の下限値を6500Kとしているため、目標色温度は周囲色温度と同じ6500Kとなる。
【0047】
ジャンルがドラマの場合、図6の例では、ジャンル色温度は9300Kである。この場合、周囲色温度が最大の12000Kであっても、目標色温度は周囲色温度と同程度には高くならず、(ジャンル色温度+1000K)の10300Kに抑制される。同様に、周囲色温度が下限の6500Kである場合、目標色温度は周囲色温度と同程度には低くならず、(ジャンル色温度-1000K)の8300Kに抑制される。
【0048】
ジャンルがニュースの場合も同様であり、ジャンル色温度が11000Kであるため、目標色温度は-1000Kである10000Kから、+1000Kである12000Kの間で調整される。
【0049】
以上のように、色温度処理部130は、コンテンツ色温度に基づいて、色温度の調整範囲を決定してもよい。そして色温度処理部130は、周囲色温度情報によって表される色温度が高くなるほど調整後の色温度が高くなるように、調整範囲内において、映像データの色温度を調整する処理を行ってもよい。このようにすれば、周囲色温度に合わせて色温度を調整しつつ、調整後の色温度がコンテンツ色温度から大きく乖離してしまうこと(ディレクターズインテンションが無視されてしまうこと)を抑制できる。
【0050】
図7は、周囲色温度、コンテンツ色温度(例えばジャンル色温度)、調整範囲、目標色温度の関係例を示す図である。図7の横軸は周囲色温度を表し、縦軸は目標色温度を表す。例えば調整範囲とは、コンテンツ色温度を含む所定範囲であってもよい。図6の例では、ジャンル色温度±1000Kが調整範囲として設定される。
【0051】
ただし、処理対象となる色温度の上限及び下限が決まっている場合、当該範囲を超えないように調整範囲が設定されてもよい。例えば、スポーツではジャンル色温度が12000Kであるため、±1000Kの範囲は11000Kから13000Kとなるが、色温度の上限値として12000Kを用いているため、調整範囲の上限も12000Kにクリップされる。
【0052】
また、調整範囲は(コンテンツ色温度±1000K)の範囲に限定されない。例えばコンテンツ色温度を中心として±1000Kよりも広い範囲が設定されてもよいし、狭い範囲が設定されてもよい。またコンテンツ色温度の大小に応じて、調整範囲の幅が変更されてもよい。また調整範囲の中心がコンテンツ色温度となることは必須ではなく、コンテンツ色温度を基準として、高温側と低温側の幅が非対称である調整範囲が設定されてもよい。
【0053】
目標色温度決定部132は、周囲色温度が下限値である場合に、目標色温度を調整範囲の下限値に決定し(点P)、周囲色温度が上限値である場合に、目標色温度を調整範囲の上限値に決定する(点Q)。目標色温度決定部132は、点Pと点Qを結ぶ関数を決定し、当該関数を用いて目標色温度を決定する。図7では一次関数を示したが、他の関数を用いてもよいことは上述したとおりである。
【0054】
なお、目標色温度決定部132は、図7に示す関数を逐一求めてもよいが、これには限定されない。例えば表示装置100のメモリーは、ジャンル毎に、周囲色温度と目標色温度を対応付ける関数やテーブルデータ等を記憶してもよい。当該関数やテーブルデータは、上記の通り、ジャンル毎のジャンル色温度を反映した情報である。そして目標色温度決定部132は、ジャンル情報に基づいてジャンルが決定されたら(ステップS102)、当該ジャンルに対応する関数等をメモリーから読み出し、当該関数にステップS103で取得した周囲色温度を入力することによって、目標色温度を決定してもよい(ステップS104)。
【0055】
ステップS105において、色温度処理部130は、目標色温度に対応する色温度カーブを求める。ここでの色温度カーブとは、RGBのそれぞれの入力信号値と出力信号値の対応関係を決定する情報である。例えば目標色温度が決定されれば、当該目標色温度を実現するための色温度カーブが一意に決定される。これにより、映像データの各画素の画素値をどのように変更すれば、当該映像データの色温度を目標色温度に変換できるかが決定される。例えば色温度処理部130は、色温度カーブを用いて映像データの画素値を調整し、調整後の画素値に従った表示制御を表示制御部140に指示する。
【0056】
ただし、現在の表示制御に用いている色温度と、目標色温度の差が大きい場合、相対的に短いフレーム(例えば1フレーム)の間で目標色温度への切り替えが行われることによって映像の色味が急激に変化してしまい、視聴しているユーザーに違和感を与える可能性がある。
【0057】
従って色温度処理部130(スムージング処理部133)は、現在の色温度から目標色温度への変化を段階的に実行するスムージング処理を行ってもよい。例えば色温度処理部130は、周囲色温度情報及びコンテンツ情報に基づいて、目標色温度を表す目標色温度情報を決定した後、現在の表示制御に用いられている色温度(現在色温度)を表す現在色温度情報と目標色温度情報との比較処理に基づいて、現在色温度と目標色温度の中間的な色温度である中間色温度を表す中間色温度情報を決定してもよい。そして表示制御部140は、中間色温度情報を用いた表示制御を行う。このようにすれば、現在色温度から目標色温度までの変化が、中間色温度を経由することで段階的に実行されるため、ユーザーに与える違和感を軽減することが可能になる。
【0058】
例えばステップS106において、色温度処理部130(スムージング処理部133)は、現在の色温度に対応する色温度カーブを取得してもよい。なお現在色温度情報は表示装置100の設定情報として管理されていてもよく、色温度処理部130は当該設定情報に基づいてステップS106の処理を行ってもよい。
【0059】
ステップS107において、スムージング処理部133は、現在色温度カーブと、目標色温度カーブに基づく具体的なスムージング処理を行う。図8Aは現在色温度カーブの一例であり、図8Bは目標色温度カーブの一例である。上述したように、各色温度カーブは、RGBのそれぞれについて入力信号値と出力信号値を対応付けた情報である。
【0060】
スムージング処理部133は、現在色温度カーブと目標色温度カーブとの比較処理に基づいて、当該2つの色温度カーブの中間的な色温度カーブである中間色温度カーブを決定してもよい。即ち、現在色温度情報と目標色温度情報との比較処理に基づいて中間色温度情報を決定する処理とは、具体的にはそれぞれの色温度カーブを用いた処理であってもよい。換言すれば、現在色温度情報、目標色温度情報及び中間色温度情報は、それぞれ色温度カーブの情報を含んでもよい。
【0061】
図8Cは、中間色温度カーブの一例である。中間色温度カーブを求める処理は種々考えられるが、例えばある入力信号値について、現在色温度カーブでの出力信号値と、目標色温度カーブでの出力信号値との間の値を中間出力信号値として求める処理が行われてもよい。スムージング処理部133は、各入力信号値について中間出力信号値をそれぞれ求めることによって、中間色温度カーブを決定する。
【0062】
ステップS108において、色温度処理部130は、求めた色温度カーブに基づいて映像データのRGBの画素値を補正し、補正後の画素値を用いた表示制御を表示制御部140に指示する。なお、画素値の補正処理は表示制御部140において実行されてもよい。表示制御部140は、色温度処理部130の出力に基づいて、色温度調整後の映像データを表示部150に表示させる。ステップS108の処理は、例えばまず中間色温度カーブに基づく表示制御を行い、その後のフレームにおいて目標色温度カーブに基づく表示制御を行うものであってもよい。
【0063】
なお以上では、現在色温度カーブと目標色温度カーブに基づいて、中間色温度カーブを求める例を説明したが、スムージング処理はこれに限定されない。例えば現在色温度と目標色温度がK(ケルビン)等を単位とする数値で決定されている場合に、当該数値に基づいて中間色温度がK等を単位とする数値で決定されてもよい。そしてスムージング処理部133は、色温度と色温度カーブを対応付ける情報をメモリーから読み出し、当該情報と中間色温度に基づいて、中間色温度カーブを決定してもよい。中間色温度カーブ決定後の処理は上述した例と同様である。以上のように、本実施形態におけるスムージング処理は、K等を単位とする数値として中間色温度を求めてから色温度カーブへの変換を行うことで実行されてもよいし、現在色温度カーブ及び目標色温度カーブを用いて、直接的に中間色温度カーブを決定することで実行されてもよく、具体的な処理内容は種々の変形実施が可能である。
【0064】
またスムージング処理で用いられる中間色温度情報(中間色温度カーブ)は1つに限定されない。色温度処理部130は、中間色温度情報として、第1~第n(nは2以上の整数)中間色温度情報を決定してもよい。ここで、第i(iは1以上n未満の整数)中間色温度情報によって表される第i中間色温度が、第i+1中間色温度情報によって表される第i+1中間色温度に比べて現在色温度に近いものとする。例えば色温度の大小関係は、(現在色温度<第1中間色温度<第2中間色温度<・・・<第n中間色温度<目標色温度)、または、(現在色温度>第1中間色温度>第2中間色温度>・・・>第n中間色温度>目標色温度)のいずれかである。
【0065】
このような場合に、表示制御部140は、第1~第n中間色温度情報をこの順に用いた表示制御を行ってもよい。具体的には、表示制御部140は、まず第1中間色温度情報に従った表示制御を行い、次に第2中間色温度情報に従った制御を行うといったように、第n中間色温度情報まで順次表示制御を行い、最後に目標色温度情報に従った表示制御を行う。
【0066】
このようにすれば、中間色温度(中間色温度カーブ)をn個用いることが可能であるため、現在色温度から目標色温度への変更をより細かい段階を用いて実行することが可能になる。従って、映像データを視聴するユーザーへ与える違和感をさらに低減することが可能になる。
【0067】
ここで色温度処理部130(スムージング処理部133)は、スムージング処理における分割数を動的に変更してもよい。具体的には、スムージング処理部133は、現在色温度情報及び目標色温度情報に基づいて、中間色温度情報の数であるnの値を決定する処理を行ってもよい。例えばスムージング処理部133は、現在色温度と目標色温度の差分が小さい場合、nとして相対的に小さい値を設定し、現在色温度と目標色温度の差分が大きい場合、nとして相対的に大きい値を設定する。このようにすれば、現在色温度から目標色温度への変更によって色味がどの程度変化するかの度合いを考慮して、分割数nを決定することが可能になる。
【0068】
例えば、色温度の上限値(例えば12000K)と下限値(例えば6500K)の間で色温度が変化する場合、30秒程度の時間を掛けて目標色温度への変更が行われてもよい。例えば放送波が30fpsである場合、30×30=900フレーム分の中間色温度カーブが求められてもよい。1フレーム毎に中間色温度カーブを更新する処理を行う場合、n=900となる。なお、以上では中間色温度が1つまたは複数である例を考えているが、現在色温度と目標色温度の差分が所定閾値以下である場合等には、中間色温度が設定されないこと、即ちスムージング処理が省略されることも妨げられない。
【0069】
3.コンテンツ色温度を決定する処理の変形例
以上では、コンテンツ情報がジャンル情報を含み、色温度処理部130(コンテンツ色温度決定部131)は、当該ジャンル情報に基づいて、コンテンツ色温度としてジャンル色温度を求める例について説明した。ただし、コンテンツ色温度を決定する処理はこれに限定されない。
【0070】
例えばコンテンツ色温度決定部131は、映像データに対する画像解析処理を行い、当該画像解析処理の結果に基づいて、コンテンツ色温度を決定してもよい。例えばコンテンツ色温度決定部131は、色温度調整前の映像データ(狭義には動画像である映像データに含まれる1または複数の静止画像)に対するシーン検出処理を行ってもよい。シーン検出処理とは、具体的には、予め設定された複数の候補シーンのそれぞれについて、入力された静止画像が当該候補シーンに該当する確からしさを判定する処理である。シーン検出処理については、機械学習を用いた手法等、種々の手法が知られており、本実施形態ではそれらを広く適用できる。ここでの候補シーンは、人物、人工物、自然物、アニメーション等を含む。人物は、具体的な人数や、人の動き等に応じてさらに細分化されてもよい。また人工物は、建物等であり、当該建物の種類等に応じて細分化されてもよい。自然物は、山、草木、海や川、青空等に細分化されてもよい。
【0071】
コンテンツ色温度決定部131は、例えば映像データに含まれる複数の静止画像を入力としてシーン検出処理を行い、検出されたシーンの種類や頻度等に基づいてジャンルを判定してもよい。例えば激しく動いている人物が検出される頻度が高い映像データはスポーツと判定され、同じ人物が一定の画角で検出される頻度が高い映像データはニュースと判定される。この場合、画像解析処理の結果として、映像データのジャンルを表すジャンル情報が取得される。ジャンル情報が取得された後の処理は、上述した例と同様である。
【0072】
またコンテンツ色温度決定部131による画像解析処理の結果は、映像データのジャンルを特定するジャンル情報に限定されない。例えば表示装置100のメモリーは、シーン(上述した人物、人工物、自然物、アニメーション等)と、当該シーンの表示に適した色温度であるシーン色温度を対応付ける情報を記憶してもよい。そしてコンテンツ色温度決定部131は、当該情報と、映像データのシーン検出結果とに基づいて、コンテンツ色温度としてシーン色温度を決定してもよい。この場合、映像データに含まれるシーンを考慮した色温度の調整が行われるため、ディレクターズインテンションを表示に反映させることが可能になる。
【0073】
またコンテンツ色温度決定部131は、画像解析処理によって、映像データの明度、彩度、色相等の特徴量を求め、当該特徴量に基づいてコンテンツ色温度を決定してもよい。その他、画像解析処理に基づいてコンテンツ色温度を決定する処理については、種々の変形実施が可能である。
【0074】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また表示装置等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0075】
100…表示装置、110…データ取得部、120…周囲色温度取得部、130…色温度処理部、131…コンテンツ色温度決定部、132…目標色温度決定部、133…スムージング処理部、140…表示制御部、150…表示部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C