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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151764
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】電池アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20241018BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20241018BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20241018BHJP
   H01M 50/242 20210101ALI20241018BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20241018BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20241018BHJP
【FI】
B60K1/04 Z ZHV
B62D25/20 F
H01M50/249
H01M50/242
H01M50/244 A
H01M50/262 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065423
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】大坂 隆馬
(72)【発明者】
【氏名】谷 直樹
(72)【発明者】
【氏名】向川 優貴
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 峻吾
(72)【発明者】
【氏名】小寺 将徳
(72)【発明者】
【氏名】宮岡 恭平
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
5H040
【Fターム(参考)】
3D203AA01
3D203BB12
3D203CA25
3D203CA32
3D235AA01
3D235BB07
3D235BB19
3D235CC12
3D235CC32
3D235FF09
3D235HH26
5H040AA14
5H040AS07
5H040AY06
5H040AY08
5H040NN03
(57)【要約】
【課題】電池パックの電池モジュールへの荷重の伝達を低減することができる電池アセンブリを実現する。
【解決手段】本開示の一態様に係る電池アセンブリ(1)は、電池モジュール(5)を収容するケース(6)を含む電池パック(2)と、電池パック(2)の外側に配置され、電池パック(2)と車両(4)の車体(17)とを接続する接続部材(3)と、を備える電池アセンブリである。ケース(6)は、ロアープレート(13)と、サイドフレーム(12)と、を備える。接続部材(3)は、衝撃吸収部(18)と、衝撃吸収部(18)とロアープレート(13)とを接続する接続部(19)と、を備える。接続部材(3)の接続部(19)は、ロアープレート(13)の側に向かって傾斜する傾斜部を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池モジュールを収容するケースを含む電池パックと、前記電池パックの外側に配置され、前記電池パックと車両の車体とを接続する接続部材と、を備える電池アセンブリであって、
前記ケースは、当該ケースの底部を形成するロアープレートと、前記ケースの側壁部を形成し、前記電池モジュールの側面を覆うサイドフレームと、を備え、
前記接続部材は、空洞部が形成された衝撃吸収部と、前記衝撃吸収部から前記ロアープレートに荷重を伝達可能に、前記衝撃吸収部と前記ロアープレートとを接続する接続部と、を備え、
前記接続部材の接続部は、前記ロアープレートの側に向かって傾斜する傾斜部を有する、電池アセンブリ。
【請求項2】
前記サイドフレームには、前記接続部材が接続されており、
前記サイドフレームは、前記車両の左右方向に間隔を開けて配置される第1のプレート部及び第2のプレート部と、前記第1のプレート部と前記第2のプレート部との間に形成された空洞部と、前記第1のプレート部と前記第2のプレート部とを接続し、前記車両の左右方向に延在する第1の接続部と、前記第1のプレート部と前記第2のプレート部とを接続し、前記車両の左右方向に対して斜めの方向に延在する第2の接続部と、を備える、請求項1に記載の電池アセンブリ。
【請求項3】
前記サイドフレームと前記接続部材の接続部とが接続されている、請求項2に記載の電池アセンブリ。
【請求項4】
前記サイドフレームの第1の接続部は、前記サイドフレームにおける前記接続部材の接続部と接続される部分の高さ位置に配置されていない、請求項3に記載の電池アセンブリ。
【請求項5】
前記サイドフレームは、前記電池パックのエンドプレートである、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電池アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電池アセンブリに関し、例えば、電池モジュールを収容するケースを含む電池パックと、電池パックの外側に配置され、電池パックと車両の車体とを接続する接続部材と、を備える電池アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電池パックを車両に搭載する場合、電池パックへの車両の側面衝突などによる荷重の伝達が抑制可能な構造とされることが好ましい。そのため、特許文献1に開示されているように、電池パックは、EA(Energy Absorption)材として機能する接続部材を介して車両の車体に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-121916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願人は、以下の課題を見出した。特許文献1の電池パックの搭載構造は、電池パックの電池モジュールに接続部材が隣接して配置されているため、車両の側面衝突などによる荷重が電池モジュールに伝達され易い課題を有する。
【0005】
本開示は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、電池パックの電池モジュールへの荷重の伝達を低減することができる電池アセンブリを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電池アセンブリは、電池モジュールを収容するケースを含む電池パックと、前記電池パックの外側に配置され、前記電池パックと車両の車体とを接続する接続部材と、を備える電池アセンブリであって、
前記ケースは、当該ケースの底部を形成するロアープレートと、前記ケースの側壁部を形成し、前記電池モジュールの側面を覆うサイドフレームと、を備え、
前記接続部材は、空洞部が形成された衝撃吸収部と、前記衝撃吸収部から前記ロアープレートに荷重を伝達可能に、前記衝撃吸収部と前記ロアープレートとを接続する接続部と、を備え、
前記接続部材の接続部は、前記ロアープレートの側に向かって傾斜する傾斜部を有する。
【0007】
上述の電池アセンブリにおいて、前記サイドフレームには、前記接続部材が接続されており、
前記サイドフレームは、前記車両の左右方向に間隔を開けて配置される第1のプレート部及び第2のプレート部と、前記第1のプレート部と前記第2のプレート部との間に形成された空洞部と、前記第1のプレート部と前記第2のプレート部とを接続し、前記車両の左右方向に延在する第1の接続部と、前記第1のプレート部と前記第2のプレート部とを接続し、前記車両の左右方向に対して斜めの方向に延在する第2の接続部と、を備えることが好ましい。
【0008】
上述の電池アセンブリにおいて、前記サイドフレームと前記接続部材の接続部とが接続されていることが好ましい。
【0009】
上述の電池アセンブリにおいて、前記サイドフレームの第1の接続部は、前記サイドフレームにおける前記接続部材の接続部と接続される部分の高さ位置に配置されていないことが好ましい。
【0010】
上述の電池アセンブリにおいて、前記サイドフレームは、前記電池パックのエンドプレートであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、電池パックの電池モジュールへの荷重の伝達を低減することができる電池アセンブリを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施の形態の電池アセンブリが車両の車体に取り付けられた状態を下側から見た斜視図である。
図2】実施の形態の電池アセンブリが車両の車体に取り付けられた状態を説明するための部分断面図である。
図3】実施の形態の電池アセンブリを上側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本開示が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0014】
図1は、本実施の形態の電池アセンブリが車両の車体に取り付けられた状態を下側から見た斜視図である。図2は、本実施の形態の電池アセンブリが車両の車体に取り付けられた状態を説明するための部分断面図である。図3は、本実施の形態の電池アセンブリを上側から見た斜視図である。なお、図1から図3では、図を簡略化して示している。
【0015】
ここで、以下の説明では、説明を明確にするために、三次元(XYZ)座標系を用いて説明する。ここで、X軸+側が車両の右側であり、X軸-側が車両の左側である。Y軸+側が車両の前側であり、Y軸-側が車両の後側である。Z軸+側は車両の上側であり、Z軸-側が車両の下側である。
【0016】
本実施の形態の電池アセンブリ1は、図1及び図2に示すように、電池パック2及び接続部材3を備えている。電池パック2は、例えば、ハイブリッド車両や電動車両などの車両4に搭載される。電池パック2は、電池モジュール5及びケース6を備えている。電池モジュール5は、例えば、複数の電池セル7が電気的に接続された構成である。
【0017】
ケース6は、図1及び図2に示すように、電池モジュール5を収容する。ケース6は、図1から図3に示すように、アッパーケース8及びロアーケース9を備えている。アッパーケース8は、ロアーケース9をZ軸+側から覆う蓋部材である。ロアーケース9は、フロントフレーム10、リアフレーム11、サイドフレーム12及びロアープレート13を備えている。
【0018】
フロントフレーム10は、図1に示すように、ロアーケース9におけるY軸+側の側壁部を構成する。リアフレーム11は、図3に示すように、ロアーケース9におけるY軸-側の側壁部を構成する。サイドフレーム12は、図2及び図3に示すように、ロアーケース9におけるX軸+側及びX軸-側の側壁部を構成する。
【0019】
これらのフロントフレーム10と、リアフレーム11と、X軸+側及びX軸-側のサイドフレーム12と、はZ軸方向から見て電池モジュール5を囲むように配置されている。つまり、ロアーケース9の側壁部は、電池モジュール5の側面を覆う。
【0020】
このとき、例えば、サイドフレーム12が電池モジュール5のエンドプレートとして機能するように、サイドフレーム12における電池モジュール5の側の側面が当該電池モジュール5に略接触しているとよい。
【0021】
ロアープレート13は、図3に示すように、ロアーケース9の底部を構成する。ロアープレート13は、フロントフレーム10と、リアフレーム11と、X軸+側及びX軸-側のサイドフレーム12と、で形成するロアーケース9の側壁部の内側空間のZ軸-側の端部を覆う。
【0022】
このとき、ロアープレート13が電池モジュール5の熱を放熱するためのクーリングプレートとして機能するように、ロアープレート13と電池モジュール5とが熱伝導可能に接続されているとよい。
【0023】
ここで、フロントフレーム10及びリアフレーム11は、本開示の本質的部分ではないため、詳細な説明は省略する。そして、X軸+側のサイドフレーム12とX軸-側のサイドフレーム12とは、Y軸方向から見て、車両4におけるX軸方向の中央を通るZ軸を対称軸とする線対称の構成であるため、X軸+側のサイドフレーム12の構成を代表して説明する。
【0024】
サイドフレーム12は、図2に示すように、本体部14、第1の締結部15及び第2の締結部16を備えている。本体部14は、第1のプレート部14a、第2のプレート部14b、第1の接続部14c及び第2の接続部14dを備えている。
【0025】
第1のプレート部14aは、例えば、図2に示すように、YZ平面と略平行な板体であり、Y軸方向に延在している。第2のプレート部14bは、第1のプレート部14aとY軸方向に間隔を開けて配置されている。第2のプレート部14bは、例えば、YZ平面と略平行な板体であり、Y軸方向に延在している。
【0026】
第1の接続部14cは、図2に示すように、第1のプレート部14aと第2のプレート部14bとを接続する。第1の接続部14cは、例えば、XY平面と略平行な板体であり、Y軸方向に延在している。第1の接続部14cは、Z軸方向に間隔を開けて配置されている。
【0027】
第2の接続部14dは、図2に示すように、第1のプレート部14aと第2のプレート部14bとを接続する。第2の接続部14dは、例えば、平坦な板体であり、Y軸方向に延在している。
【0028】
第2の接続部14dは、図2に示すように、XY平面に対して傾いて配置されており、Y軸方向から見て、Z軸方向に並べられている。このとき、第1のプレート部14aと、第2のプレート部14bと、第1の接続部14cと、第2の接続部14dと、の組み合わせによって所謂トラス構造を形成する。
【0029】
第1の締結部15は、図2に示すように、本体部14からX軸+側に突出している。第1の締結部15は、例えば、Y軸方向から見て略矩形の筒状体であり、Y軸方向に延在している。そして、例えば、第1の締結部15のZ軸-側の端部は、本体部14のZ軸-側の端部と略面一に配置されており、ボルトなどの締結部材が締結可能な構成とされている。
【0030】
第2の締結部16は、図2及び図3に示すように、Y軸方向に間隔を開けて第1の締結部15のZ軸+側の部分からX軸+側に突出している。第2の締結部16は、例えば、Y軸方向から見て略直角台形状であり、ボルトなどの締結部材が締結可能な構成とされている。
【0031】
このとき、詳細な機能は後述するが、サイドフレーム12における本体部14の第1の接続部14cは、第2の締結部16が配置されたZ軸方向の高さ位置に配置されていないことが好ましい。
【0032】
ロアープレート13は、XY平面と略平行な板体であり、例えば、フロントフレーム10、リアフレーム11、及びX軸+側並びにX軸-側のサイドフレーム12のZ軸-側の端部に固定されている。
【0033】
このとき、ロアープレート13におけるサイドフレーム12の側の端部は、当該サイドフレーム12の本体部14のZ軸-側の端部に固定されている。そのため、ロアープレート13とサイドフレーム12の第1の締結部15との間には、段差部Sが形成されている。
【0034】
接続部材3は、図1及び図3に示すように、電池パック2を車両4の車体17に接続する。このとき、Z軸方向から見て電池パック2を挟んで接続部材3がX軸+側及びX軸-側に配置される。
【0035】
つまり、電池パック2のX軸+側の端部がX軸+側の接続部材3を介して車両4の車体17に接続され、電池パック2のX軸-側の端部がX軸-側の接続部材3を介して車両4の車体17に接続される。
【0036】
ここで、X軸+側の接続部材3とX軸-側の接続部材3とは、Y軸方向から見て、車両4におけるX軸方向の中央を通るZ軸を対称軸とする線対称の構成であるため、X軸+側の接続部材3の構成を代表して説明する。接続部材3は、図2に示すように、衝撃吸収部18及び接続部19を備えている。
【0037】
衝撃吸収部18は、図2及び図3に示すように、第1のプレート部18a、第2のプレート部18b、第1の接続部18c及び第2の接続部18dを備えている。第1のプレート部18aは、例えば、XY平面と略平行な板体であり、Y軸方向に延在している。
【0038】
第2のプレート部18bは、図2及び図3に示すように、第1のプレート部18aとZ軸方向に間隔を開けて配置されている。第2のプレート部18bは、例えば、XY平面と略平行な板体であり、Y軸方向に延在している。
【0039】
第1の接続部18cは、図2及び図3に示すように、第1のプレート部18aと第2のプレート部18bとを接続する。第1の接続部18cは、例えば、YZ平面と略平行な板体であり、Y軸方向に延在している。
【0040】
第2の接続部18dは、図2及び図3に示すように、第1のプレート部18aと第2のプレート部18bとを接続する。第2の接続部18dは、例えば、平坦な板体であり、Y軸方向に延在している。
【0041】
第2の接続部18dは、図2及び図3に示すように、XY平面に対して傾いて配置されており、例えば、X軸+側に向かうのに従ってZ軸-側に向かって傾斜する。第2の接続部18dは、例えば、第1の接続部18cの間に配置されている。これにより、第1のプレート部18aと、第2のプレート部18bと、第1の接続部18cと、第2の接続部18dと、の組み合わせによって所謂トラス構造を形成する。
【0042】
このとき、衝撃吸収部18には、図2及び図3に示すように、第1のプレート部18aと第2のプレート部18bと第1の接続部18cと第2の接続部18dとの組み合わせによって囲まれた空間が空洞部18eとして形成されている。そして、衝撃吸収部18のX軸+側の部分には、衝撃吸収部18をZ軸方向に貫通する筒形状のカラー20が固定されている。
【0043】
接続部19は、例えば、図2に示すように、本体部19a、第1のプレート部19b及び第2のプレート部19cを備えている。本体部19aは、例えば、XY平面と略平行な板体であり、Y軸方向に延在している。
【0044】
本体部19aのX軸方向の幅寸法は、電池パック2におけるロアーケース9の段差部SのX軸方向の幅寸法に対して広い。ここで、本体部19aのZ軸方向の厚さは、例えば、電池パック2におけるロアーケース9の段差部SのZ軸方向の高さと略等しいことが好ましい。
【0045】
第1のプレート部19bは、例えば、図2に示すように、平坦な板体であり、Y軸方向に延在している。第1のプレート部19bは、XY平面に対して傾いて配置されており、例えば、X軸-側に向かうのに従ってZ軸-側に向かって傾斜する。つまり、第1のプレート部19bは、接続部19の傾斜部を構成する。
【0046】
第1のプレート部19bのX軸+側の端部は、例えば、図2に示すように、衝撃吸収部18の第1のプレート部18aのX軸-側の端部に接続されている。また、第1のプレート部19bのX軸-側の端部は、接続部19の本体部19aのX軸+側の端部に接続されている。
【0047】
第2のプレート部19cは、例えば、図2に示すように、XY平面と略平行な板体であり、Y軸方向に延在している。第2のプレート部19cのX軸+側の端部は、衝撃吸収部18の第2のプレート部18bのX軸-側の端部に接続されている。また、第2のプレート部19cのX軸-側の端部は、接続部19の本体部19aのX軸+側の端部に接続されている。
【0048】
このとき、衝撃吸収部18のX軸-側の第1の接続部18cと、接続部19の第1のプレート部19bと、接続部19の第2のプレート部19cと、で所謂トラス構造を形成する。そして、接続部19の本体部19aには、ボルトなどの締結部材を挿入するための貫通孔が形成されている。また、接続部19には、第1のプレート部19b及び第2のプレート部19cをZ軸方向に貫通する筒形状のカラー21が固定されている。
【0049】
このような接続部材3において、接続部19の本体部19aが電池パック2におけるロアーケース9の段差部Sに配置された状態で、接続部19のカラー21に通されたボルト22が当該ロアーケース9のサイドフレーム12の第2の締結部16に締結されている。また、接続部19における本体部19aの貫通孔に通されたボルト23が電池パック2におけるロアーケース9のサイドフレーム12の第1の締結部15に締結されている。
【0050】
これにより、電池パック2と接続部材3とが接続された電池アセンブリ1が構成されている。このとき、接続部19における本体部19aのX軸-側の端部は、図2に示すように、電池パック2におけるロアーケース9の段差部SのX軸-側の端部、即ち、ロアープレート13のX軸+側の側面に接触している。
【0051】
そのため、接続部19は、衝撃吸収部18から電池パック2におけるロアーケース9のロアープレート13に荷重を伝達可能に、衝撃吸収部18と当該ロアープレート13とを接続している。
【0052】
このような電池アセンブリ1は、図2に示すように、接続部材3における衝撃吸収部18のカラー20に通されたボルト24が車両4における車体17のロッカー17aに締結されることで、車両4の車体17に接続される。つまり、電池パック2は、接続部材3を介して車両4の車体17に接続される。
【0053】
次に、本実施の形態の電池アセンブリ1でのX軸方向からの荷重の伝達について説明する。ここで、例えば、図2に示すように、X軸-側に向かって電池アセンブリ1に荷重が入力する場合を代表例として説明する。なお、図2では、矢印によって荷重の伝達を示している。
【0054】
例えば、車両4の側面衝突などによって、図2に示すように、電池アセンブリ1にX軸-側に向かって荷重が入力した場合、接続部材3の衝撃吸収部18が空洞部18eを備えているため、当該衝撃吸収部18がX軸方向に変形して荷重を吸収する。そのため、接続部材3の衝撃吸収部18は、EA材として機能する。
【0055】
それと共に、接続部材3の衝撃吸収部18を介して荷重がX軸-側に向かって接続部19に伝達される。このとき、接続部材3における接続部19の第1のプレート部19bは、電池パック2の側に向かうのに従ってZ軸-側に向かって、即ち、ロアーケース9のロアープレート13の側に向かって傾斜している。そして、接続部材3における接続部19は、電池パック2におけるロアーケース9のロアープレート13に接触している。
【0056】
これにより、荷重は、図2に示すように、接続部材3の接続部19を介して電池パック2におけるロアーケース9のロアープレート13に伝達される。そのため、電池パック2におけるロアーケース9のサイドフレーム12に伝達される荷重を低減することができる。しかも、電池パック2におけるロアーケース9のサイドフレーム12は、電池モジュール5の側面を覆っている。よって、電池モジュール5への荷重の伝達を低減することができる。
【0057】
また、電池パック2におけるサイドフレーム12の第2の締結部16が配置されたZ軸方向の高さ位置に本体部14の第1の接続部14cが配置されていない場合、X軸方向の荷重が直接に電池モジュール5に伝達されないように、荷重を第1の接続部14c及び第2の接続部14dに迂回させつつ分散させることができる。しかも、電池パック2におけるサイドフレーム12の本体部14の第2の接続部14dは、XY平面に対して傾いて配置されている場合、X軸方向の荷重を減少させることができる。これにより、電池モジュール5に荷重が集中して伝達されることを抑制できる。
【0058】
このとき、電池パック2におけるロアーケース9のサイドフレーム12を電池モジュール5のエンドプレートとして機能させる場合、電池モジュール5の膨張などを抑制することができる。しかも、別途、エンドプレートを設ける必要がなく、電池パック2の簡略化を実現することができる。
【0059】
このように本実施の形態の電池アセンブリ1は、車両4の側面衝突などによるX軸方向の荷重を接続部材3の接続部19を介して電池パック2におけるロアーケース9のロアープレート13に逃がすことができる。そのため、電池パック2におけるロアーケース9のサイドフレーム12に伝達される荷重を低減することができる。しかも、電池パック2におけるロアーケース9のサイドフレーム12は、電池モジュール5の側面を覆っている。これにより、電池モジュール5への荷重の伝達を低減することができる。
【0060】
本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
上記実施の形態の接続部材3の衝撃吸収部18の形状は、例示であり、空洞部を有する一般的なEA材の形状であればよい。また、接続部材3の接続部19の形状も、例示であり、少なくとも電池パック2におけるロアーケース9のロアープレート13に向かって傾斜する傾斜部を備えていればよい。
【符号の説明】
【0061】
1 電池アセンブリ
2 電池パック
3 接続部材
18 衝撃吸収部、18a 第1のプレート部、18b 第2のプレート部、18c 第1の接続部、18d 第2の接続部、18e 空洞部
19 接続部、19a 本体部、19b 第1のプレート部、19c 第2のプレート部
4 車両
17 車体、17a ロッカー
5 電池モジュール
7 電池セル
6 ケース
8 アッパーケース
9 ロアーケース
10 フロントフレーム
11 リアフレーム
12 サイドフレーム
14 本体部、14a 第1のプレート部、14b 第2のプレート部、14c 第1の接続部、14d 第2の接続部
15 第1の締結部
16 第2の締結部
13 ロアープレート
20、21 カラー
22、23、24 ボルト
S 段差部
図1
図2
図3