(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151792
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20241018BHJP
G06F 30/13 20200101ALI20241018BHJP
G06F 30/27 20200101ALI20241018BHJP
G06F 111/02 20200101ALN20241018BHJP
G06F 119/20 20200101ALN20241018BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06F30/13
G06F30/27
G06F111:02
G06F119:20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065507
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】523139386
【氏名又は名称】桂 竜馬
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】桂 竜馬
【テーマコード(参考)】
5B146
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5B146AA04
5B146BA01
5B146DC03
5B146DL04
5L049CC07
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】設計図面データの共有に対してインセンティブを与える新たな仕組みを提供すること。
【解決手段】プロセッサを含む情報処理装置が実行する情報処理方法であって、プロセッサが、各設計士又は設計会社が利用する各情報処理装置から、各設計図面データを取得すること、取得された各設計図面データに対し、利用者からのアクションを可能にするプラットフォームを提供すること、プラットフォームを介して、任意の設計図面データに対するアクションを受け付けること、アクションに応じて設計図面データに対する処理を行うこと、アクションが行われた設計図面データの提供者に対するインセンティブに関する情報を、利用者が利用する他の情報処理装置から受け付けること、インセンティブに関する情報を、提供者を示す情報に対応付けること、を実行する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを含む情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記プロセッサが、
各設計士又は設計会社が利用する各情報処理装置から、各設計図面データを取得すること、
取得された前記各設計図面データに対し、閲覧、ダウンロード、コメント付与、評価、格納場所の保存、属性情報の付与、修正、及び修正案の提示の少なくとも1つを含む利用者からのアクションを可能にするプラットフォームを提供すること、
前記プラットフォームを介して、任意の設計図面データに対する前記アクションを受け付けること、
前記アクションに応じて前記設計図面データに対する処理を行うこと、
前記アクションが行われた前記設計図面データの提供者に対するインセンティブに関する情報を、前記利用者が利用する他の情報処理装置から受け付けること、
前記インセンティブに関する情報を、前記提供者を示す情報に対応付けること、
を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記インセンティブは、複数の異なるインセンティブを含み、
前記アクションの内容に応じてインセンティブを特定すること、
特定された前記インセンティブを前記提供者に付与するか否かを前記他の情報処理装置に問い合わせることをさらに実行し、
前記インセンティブに関する情報を受け付けることは、
前記他の情報処理装置から前記インセンティブの付与が指示された場合に、前記インセンティブに関する情報を受け付けることを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記インセンティブに関する情報を受け付けることは、
前記設計図面データの任意の位置にコメントが付与されるアクションの場合、前記提供者からのコメントバックの後に、前記インセンティブに関する情報を受け付けることを含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記インセンティブは、前記利用者からの前記コメント付与を介して前記提供者の回答数が増えるにつれて大きくなる、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記アクションに含まれる閲覧の数に応じて前記提供者にインセンティブを付与することをさらに実行する請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記プラットフォームを介して、第1設計図面データと類似検索要求とを前記他の情報処理装置から受け付けること、
前記各設計図面データの特徴データを機械学習した学習モデルに、前記第1設計図面データの一部又は全部を入力し、当該第1設計図面データに類似する第2設計図面データを取得すること、
前記第2設計図面データを前記他の情報処理装置に出力すること、をさらに実行する請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記類似検索要求を受け付けることは、
前記利用者により入力された建築に関する入力情報を取得することを含み、
前記第2設計図面データを取得することは、
前記入力情報と前記一部の図面データとを前記学習モデルに入力することを含む、請求項6に記載の情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置に、
各設計士又は設計会社が利用する各情報処理装置から、各設計図面データを取得すること、
取得された前記各設計図面データに対し、閲覧、ダウンロード、コメント付与、評価、格納場所の保存、属性情報の付与、修正、及び修正案の提示の少なくとも1つを含む利用者からのアクションを可能にするプラットフォームを提供すること、
前記プラットフォームを介して、任意の設計図面データに対する前記アクションを受け付けること、
前記アクションに応じて前記設計図面データに対する処理を行うこと、
前記アクションが行われた前記設計図面データの提供者に対するインセンティブに関する情報を、前記利用者が利用する他の情報処理装置から受け付けること、
前記インセンティブに関する情報を、前記提供者を示す情報に対応付けること、
を実行させるプログラム。
【請求項9】
プロセッサを含む情報処理装置であって、
前記プロセッサが、
各設計士又は設計会社が利用する各情報処理装置から、各設計図面データを取得すること、
取得された前記各設計図面データに対し、閲覧、ダウンロード、コメント付与、評価、格納場所の保存、属性情報の付与、修正、及び修正案の提示の少なくとも1つを含む利用者からのアクションを可能にするプラットフォームを提供すること、
前記プラットフォームを介して、任意の設計図面データに対する前記アクションを受け付けること、
前記アクションに応じて前記設計図面データに対する処理を行うこと、
前記アクションが行われた前記設計図面データの提供者に対するインセンティブに関する情報を、前記利用者が利用する他の情報処理装置から受け付けること、
前記インセンティブに関する情報を、前記提供者を示す情報に対応付けること、
を実行する情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CADデータを物件ごとに保管するサーバと、サーバへ物件ごとのCADデータをアップロードするための第1のプログラムと、CADデータを参照するコンピュータにダウンロードするための第2のプログラムとを含むCAD共有システムが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術のように、他社の設計図面を参考にしたり、修正したりすることができると、設計事務所や設計士の作業効率が向上するのはわかっているが、実際のところ、建築に関する設計図面データの共有が進んでいないのが現状である。これは、設計図面に対して、設計した会社の企業秘密であるという先入観や業界通念が残っており、自ら設計した設計図面を積極的に公開するという慣習がないことが一因であると考えられる。
【0005】
そこで、本開示の技術は、設計図面データの共有に対してインセンティブを与える新たな仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、プロセッサを含む情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記プロセッサが、各設計士又は設計会社が利用する各情報処理装置から、各設計図面データを取得すること、取得された前記各設計図面データに対し、閲覧、ダウンロード、コメント付与、評価、格納場所の保存、属性情報の付与、修正、及び修正案の提示の少なくとも1つを含む利用者からのアクションを可能にするプラットフォームを提供すること、前記プラットフォームを介して、任意の設計図面データに対する前記アクションを受け付けること、前記アクションに応じて前記設計図面データに対する処理を行うこと、前記アクションが行われた前記設計図面データの提供者に対するインセンティブに関する情報を、前記利用者が利用する他の情報処理装置から受け付けること、前記インセンティブに関する情報を、前記提供者を示す情報に対応付けること、を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、設計図面データの共有に対してインセンティブを与える新たな仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】開示の一実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】開示の一実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図3】開示の一実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】開示におけるユーザ関連情報の一例を示す図である。
【
図5】開示における設計図面情報の一例を示す図である。
【
図6】開示の情報処理システムにおいて表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】開示の一実施形態に係るインセンティブ付与に関する処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、開示技術の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
[実施形態]
<システム>
図1は、開示の一実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示す図である。
図1に示すとおり、情報処理システム1は、情報処理装置(例、サーバ又はサーバ装置)10と、設計事務所、設計士、又は建築家等が利用する各情報処理装置20A、20B、20C、20D(以下、「各情報処理装置20」とも表記する。)と、を含む。
【0011】
各情報処理装置10及び20は、ネットワークNを介して相互にデータの送受信が可能である。なお、設計図面データをプラットフォームにアップロードするユーザは第1ユーザとも称し、プラットフォームから設計図面データを検索したり、ダウンロードしたりするユーザは第2ユーザとも称す。なお、第1ユーザと第2ユーザとは、同一ユーザであってもよい。
【0012】
上述した各情報処理装置10及び20は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等の携帯端末、タブレット端末、サーバ装置などであり、それぞれ第nの情報処理装置(1≦n≦2)と表記し、それぞれを区別してもよい。
【0013】
ここで、
図1に示す情報処理システム1により実現される、第1ユーザが設計図面データをアップロードし、この設計図面データの共有により設計図面データの提供者がインセンティブを受けることが可能なプラットフォームの概要について説明する。例えば、このプラットフォームを提供する提供者(運営者)が主に利用する情報処理装置10は、各設計士又は設計会社の情報、共有される設計図面データ、及び設計図面データに関するデータ等を取得し、管理する。設計士は、設計をする人、又は設計にかかわる人を含み、設計会社は、社内に設計部署を有する企業、例えば設計事務所、建設会社、デベロッパーなどを含む。図面データは、CADデータ、BIMデータなどの図面データを保存可能な形式のデータを含む。なお、運営者は、企業などの組織でもよい。
【0014】
提供者の第1ユーザ又は利用者の第2ユーザが利用する情報処理装置20は、情報処理装置10が提供するプラットフォームにより提供される、設計図面データをアップロードする画面や、設計図面データの検索に関する画面等を表示する。例えば、情報処理装置20は、第1ユーザの操作を受け付けて、自装置等に管理されている設計図面データを情報処理装置10に送信したり、第2ユーザの操作を受け付けて、プラットフォームで共有される設計図面データに対して、検索したり、ダウンロードしたり、コメントしたり、インセンティブの付与を指示したりする。
【0015】
例えば、第1ユーザが設計図面データをアップロードする際に、プラットフォームを運営する運営者が第1ユーザにインセンティブを与えたり、共有された設計図面データに対して、第2ユーザからアクションが行われる際に、運営者又は第2ユーザがインセンティブを与えたりするプラットフォームが提供される。
【0016】
以上のシステムによれば、設計図面データの共有に対してインセンティブを与える新たな仕組みを提供することができる。これにより、インセンティブが付与されることで、設計図面データは共有されないものであるという観念をなくし、設計図面データの共有を促進することができる。また、共有した設計図面データを介して、人の役に立つ、他人から認められるという承認欲求を満たしたり、他人とコミュニケーションを図ったりすることが可能になる。
【0017】
<構成>
図2は、開示の一実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。
図3は、開示の一実施形態に係る情報処理装置20の構成の一例を示す図である。以下では、設計図面データのアップロード、設計図面データに対するアクション、インセンティブの付与、設計図面データの検索に関し、各装置の処理について説明する。
【0018】
情報処理装置10は、1つ又は複数のプロセッサ(CPU:Central Processing Unit)110、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース120、メモリ130、ユーザインタフェース150及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス170を含む。
【0019】
メモリ130は、例えば、DRAM、SRAM、他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ(主記憶装置)である。また、メモリ130は、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ(補助記憶装置)でもよい。また、メモリ130は、プログラム等を記憶した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。また、メモリ130は、主記憶装置(メモリ)又は補助記憶装置(ストレージ)のいずれかでもよく、あるいは両方を備えてもよい。
【0020】
メモリ130は、情報処理システム1により用いられるデータを記憶する。例えば、メモリ130は、建築家又は設計事務所などのユーザの情報、共有される設計図面データ、及び設計図面データに関するデータ等を少なくとも記憶する。
【0021】
また、メモリ130の他の例として、プロセッサ110から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置でもよい。ある実施形態において、メモリ130はプロセッサ110により実行されるプログラム、モジュール及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。
【0022】
ユーザインタフェース150は、ディスプレイ、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)を含むが、必ずしも情報処理装置10に設けられる必要はなく、外部装置として接続されてもよい。
【0023】
プロセッサ110は、メモリ130に記憶されるプログラムを実行することで、制御部112、提供部113、取得部114、第1処理部115、第2処理部116、及び検索部117を構成する。
【0024】
制御部112は、本開示のプラットフォームに関する処理を制御する。例えば、制御部112は、提供部113、取得部114、第1処理部115、第2処理部116、及び検索部117の各処理を制御する。
【0025】
提供部113は、設計図面データの共有に対するインセンティブを与えるプラットフォームを提供する。例えば、提供部113は、設計図面データを資産化し、設計図面データに対するアクションに応じてインセンティブを与えるプラットフォームを提供する。インセンティブは、例えば金銭的価値(例、現金、電子マネー等)等を含む。
【0026】
また、提供部113は、本開示のプラットフォームを利用する際に、ログイン等を行わせてもよい。提供部113は、ユーザが本開示のプラットフォームのURLにアクセスした際に、ログイン画面を表示させ、ユーザのIDやパスワードを取得し、認証処理を行ってもよい。
【0027】
取得部114は、各設計士又は設計会社などの第1ユーザが利用する情報処理装置20から、各設計図面データを取得する。例えば、提供部113が提供するプラットフォームのウェブページを用いて、各設計士又は設計会社が設計図面データをアップロードした場合に、取得部114は、情報処理装置20から設計図面データを取得する。
【0028】
また、設計図面データがアップロードされる場合、図面の特徴を示すタグが付与されてもよい。タグは、例えば、平面図や立面図等の図面の種類に関する情報、木造や鉄骨造等の構造情報、住宅やビル等の建築用途情報、面積、部屋の種類等を提供者により設定可能にしてもよい。なお、タグは、機械学習により、設計図面データを入力することで、自動でタグを提案できるようにするとよい。例えば、設計図面データと、タグとを含む学習データを用いて機械学習された学習モデルがメモリ130に記憶され、制御部112は、取得(アップロード)された設計図面データを学習モデルに入力し、タグを取得するようにしてもよい。
【0029】
後述する第2処理部116は、取得された設計図面データをアップロードしたユーザに対し、インセンティブを付与してもよい。例えば、第2処理部116は、本開示のプラットフォームの登録時に、設計図面データのアップロードを条件として、システムの登録料又は利用料を減額したり、無料にしたりしてもよい。また、第2処理部116は、設計図面データのアップロード数に応じて減額の値を大きくしたりしてもよい。
【0030】
提供部113は、各情報処理装置20から取得された各設計図面データに対し、閲覧、ダウンロード、コメント付与、評価、保存、属性情報の付与、修正、及び修正案の提示の少なくとも1つを含む利用者からのアクションを可能にするプラットフォームを提供する。例えば、提供部113は、アップロードされ、共有された各設計図面データの検索を行う検索画面を表示させたり、検索され、抽出された設計図面データの詳細を閲覧可能に表示させたり、特定の設計図面データに対して、質問やアドバイスなどのコメントを付与可能にさせたりする。また、提供部113は、図面データに対して、GoodやBadなどの評価、お気に入りやブックマークなどの格納場所(例、URL)の保存、閲覧者からのメタデータに関する属性情報の付与、図面データの修正又は修正案の提示を可能にする。
【0031】
第1処理部115は、上述のプラットフォームを介して、任意の設計図面データに対するアクションを受け付ける。例えば、第1処理部115は、利用者により選択された設計図面データに対して、閲覧要求、ダウンロード要求、コメント付与要求、インセンティブ付与要求、評価要求、格納場所の保存要求、属性情報の付与要求、修正要求、及び修正案の提示要求の少なくとも1つを、情報処理装置20から受け付ける。設計図面データは、例えば、図面一覧画面、又は検索結果画面の中からユーザにより選択された設計図面データである。
【0032】
第1処理部115は、上述の設計図面データに対するアクションに応じて、設計図面データに対する処理を行う。例えば、アクションが閲覧の場合は、第1処理部115は、閲覧要求された設計図面データの情報を、閲覧要求した情報処理装置20に送信する。また、アクションがダウンロードの場合は、第1処理部115は、ダウンロード要求された設計図面データを、ダウンロード要求した情報処理装置20に送信する。また、アクションがコメント付与、評価、格納場所の保存、属性情報の付与、修正、又は修正案の提示の場合は、第1処理部115は、これらの処理を可能にする入力画面情報を、処理を要求した情報処理装置20に送信する。
【0033】
第2処理部116は、アクションが行われた設計図面データの提供者(第1ユーザ)に対するインセンティブに関する情報を、利用者(第2ユーザ)が利用する他の情報処理装置から受け付ける。例えば、インセンティブは、現金や電子マネーなどの金銭的価値でもあり、予め設定されたユーザの口座(アカウント)を用いて、金銭的価値の取引を行う。
【0034】
例えば、提供部113は、所謂投げ銭と呼ばれるシステムを導入し、設計図面データの利用者(第2ユーザ)から提供者(第1ユーザ)へ金銭的価値を送金することを可能にする。
【0035】
第2処理部116は、インセンティブに関する情報を、提供者(第1ユーザ)を示す情報に対応付ける。インセンティブに関する情報は、例えば金銭的価値の額などを含む。具体的には、第2処理部116は、第2ユーザから付与されたインセンティブの情報を、第2ユーザが利用した設計図面データを提供した第1ユーザの情報に対応付ける。具体例として、第2処理部116は、インセンティブに対応する第2ユーザの金銭的価値の分を、第2ユーザのアカウントから減算し、第1ユーザのアカウントに加算する。
【0036】
以上の処理により、設計図面データの提供者は、インセンティブを受けることにより、さらに設計図面データを共有したいという意欲がわきやすくなる。また、インセンティブとして金銭的価値が付与されることで、設計図面データの提供者は、設計図面データを資産化し、報酬を受け取ることができる。また、設計図面データは、設計事務所や設計士などの作業効率を向上させることができるため、他人の役に立つ、自身の設計図が認められるなどの提供者の承認欲求を満たすことが可能になる。さらに、提供者は、設計図面データを介して、他の設計士や建築家とコミュニケーションを図ることで、具体的な設計図面を基に、改善点や新たなアイデア等を得ることが可能になる。
【0037】
設計図面データの提供者にインセンティブを付与するプラットフォームとすることで、設計図面データの提供者を増やすことができ、参考となる設計図面データの量が増えることにより、システムの利用促進を図ることができる。また、参考となる設計図面データの量が増え、類似する設計図面データが増えることは、これから設計を行う設計士や建築家などの作業効率を向上させることができる。
【0038】
また、インセンティブは、複数の異なるインセンティブを含んでもよい。例えば、インセンティブについては、金銭的価値、プラットフォームにおける利用特典などの異なる種類のインセンティブを含んでもよいし、金銭の額が異なることも異なるインセンティブとしてもよい。
【0039】
複数のインセンティブが含まれる場合、第2処理部116は、設計図面データに対するアクションの内容に応じてインセンティブを特定してもよい。例えば、第2処理部116は、アクションの内容ごとに各インセンティブが対応付けられた情報を参照し、要求されたアクションの内容に対応するインセンティブを特定する。具体例として、第2処理部116は、閲覧に対してインセンティブA、ダウンロードに対してインセンティブB、コメント付与に対してインセンティブCなどを特定してもよい。
【0040】
第2処理部116は、特定されたインセンティブを、設計図面データの提供者に付与するか否かを、設計図面データの利用者の他の情報処理装置に問い合わせることを含んでもよい。例えば、第2処理部116は、アクションに応じた金銭的価値を提供者に付与してよいか、利用者に問い合わせる。このとき、第2処理部116は、金銭的価値の値を含む確認画面を、利用者の情報処理装置20に表示させるようにする。
【0041】
第2処理部116は、利用者の他の情報処理装置からインセンティブの付与が指示された場合に、インセンティブに関する情報を受け付けることを含んでもよい。例えば、第2処理部116は、確認画面でインセンティブの付与が利用者に承認された場合、インセンティブの付与指示とインセンティブに関する情報とを、利用者の他の情報処理装置から受け付ける。
【0042】
以上の処理により、インセンティブが複数ある場合、それぞれのインセンティブを付与してよいか利用者に確認することができる。また、利用者は、インセンティブに応じて、取り得るアクションを選択することが可能になる。
【0043】
設計図面データの任意の位置にコメントが付与されるアクションの場合、第2処理部116は、提供者からのコメントバックの後に、インセンティブに関する情報を受け付けることを含んでもよい。例えば、第1処理部115は、特定の設計図面データが利用者の情報処理装置20に表示されている際に、任意の位置にフラグを立てて、その位置の設計図面に対して質問やアドバイス等のコメントを付与することを可能にする。第1処理部115により、提供者からコメントバックがあれば、第2処理部116は、利用者からのインセンティブの付与を可能にしてもよい。
【0044】
具体例としては、利用者は、画面上の設計図面データに対して、コメントを付与したい位置を指定し、フラグを立てる。利用者は、立てたフラグに関連付けてコメントを入力する。第1処理部115は、フラグの位置情報とコメント内容とを利用者の情報処理装置20から取得し、設計図面データに関連付けてフラグの位置情報とコメント内容とをメモリ130に記憶する。
【0045】
第1処理部115は、フラグとコメントとが記憶された場合、コメントが付与されたことを提供者が利用する情報処理装置20に通知する。提供者の情報処理装置20は、この通知に応じてコメント表示を受け付けると、情報処理装置10の第1処理部115から、設計図面データ、フラグの位置情報、コメントを取得し、設計図面データにフラグを立て、このフラグに関連付けてコメントを画面に表示する。
【0046】
提供者の情報処理装置20は、コメントに対する返信機能を用いて、提供者のコメント入力を受け付ける。コメントは、例えば利用者の問い合わせに対する回答を含む。提供者のコメントが入力された場合、第1処理部115は、提供者のコメントバックの内容を、利用者のコメントに関連付けて記憶する。
【0047】
第2処理部116は、提供者のコメントバックがあった場合、利用者に対してインセンティブの付与を問い合わせる。例えば、第2処理部116は、所定額の金銭的価値を提供者に送金することを問い合わせる画面を利用者の情報処理装置20に表示させる。
【0048】
以上の処理により、利用者は、設計図面データの特定の位置を指定して質問等ができるようになる。また、利用者は、問い合わせに対し、提供者からの回答があった場合にインセンティブを付与することが可能になる。提供者は、コメントバックをすることでインセンティブが付与される可能性があるため、積極的にコメントバックを行うような仕組みにすることで、システムの利用促進を図ることが可能になる。
【0049】
また、インセンティブは、利用者からのコメント付与を介して提供者の回答数が増えるにつれて大きくなってもよい。例えば、第2処理部116は、利用者から、設計図面データの質問が複数回行われた場合、提供者の回答の数に応じて送金される金銭的価値を高く設定してもよい。
【0050】
以上の処理により、例えば同じ利用者から複数回のコメントがあった場合でも、それぞれに回答するモチベーションを与えることができ、システムの利用促進を図ることが可能になる。
【0051】
また、第2処理部116は、アクションに含まれる閲覧の数に応じて提供者にインセンティブを付与することを含んでもよい。例えば、第2処理部116は、設計図面データのページビュー(PV)の数又はその他の利用量を示す指標により、インセンティブを付与してもよい。この場合のインセンティブの原資は、運営者等の資金であり、登録料又は使用料などから一定の金額をプールする。第2処理部116は、所定期間ごとに、以下の式により所定の設計図面データのPVに対するインセンティブを算出する。
所定期間のプール金額×(所定の設計図面データのPV数/全設計図面データに対する全PV数) ・・・式(1)
第2処理部116は、所定の設計図面データの提供者に対し、式(1)により算出されたインセンティブの金額を付与する。
【0052】
また、上述のインセンティブの原資は、運営者が所定期間ごとに各利用者に付与する所定数のポイントでもよい。例えば、システム利用料等に充当可能なポイントを、上述のアクションに応じて設計図面データの提供者に付与できるようにしてもよい。
【0053】
<検索処理>
次に、プラットフォームの主な処理の一つである検索について説明する。設計図面データの提供者にインセンティブを付与することにより、設計図面データが数多く管理されることが想定される。この場合、利用者にとって、設計図面データの検索を容易にする仕組みがあるとよい。
【0054】
そこで、検索部117は、設計図面データに対する検索機能を有する。検索部117は、上述のプラットフォームを介して、建築に関するキーワードの入力を受け付けたり、建築に関するタグ又はカテゴリ等の設定を受け付けたりして、設計図面データを検索する。例えば、検索部117は、入力されたキーワードや設定されたタグに対応するタグを有する設計図面データや、設定されたカテゴリに含まれる設計図面データを検索して抽出し、利用者の情報処理装置20に送信する。
【0055】
また、検索部117は、上述のプラットフォームを介して、利用者の設計図面データの一部または全部(「第1設計図面データ」と称してもよい。)と類似検索要求とを、利用者の他の情報処理装置から受け付けてもよい。例えば、利用者の他の情報処理装置20の画面に表示される検索画面から、第1設計図面データはアップロード可能であり、さらに、アップロード後に検索ボタンが利用者に押下されると、他の情報処理装置20は、第1設計図面データ及び類似検索要求を情報処理装置10に送信する。
【0056】
情報処理装置10の検索部117は、類似検索要求に応じて、利用者にアップロードされた第1設計図面データに基づき類似画像検索を行い、検索結果を情報処理装置20に出力する。
【0057】
また、検索部117は、プラットフォームに共有された各設計図面データの特徴データを機械学習した学習モデルに、第1設計図面データを入力し、第1設計図面データに類似する第2設計図面データを取得してもよい。例えば、共有される設計図面データが増えると、各設計図面データを機械学習し、各設計図面データの特徴を学習した学習モデルを生成することが可能になる。また、検索部117は、学習モデルを用いて特定された第2設計図面データを、類似検索を要求した他の情報処理装置20に出力する。
【0058】
以上の処理により、利用者は自身が保有している設計図面データや、入力キーワードや、設定タグ、設定カテゴリを用いて所望の画像を検索することが可能になり、所望の設計図面データを容易に特定することが可能になる。
【0059】
また、第1設計図面データは、上述のとおり設計図の一部の図面データを含み、例えば、利用者の手元にある設計図面の一部のスクリーンショットが類似検索要求とともにアップロードされてもよい。検索部117は、一部の設計図面を用いて検索する際、例えば、全体の設計図面データに対して、縦、横に所定位置ずつシフトさせて、それぞれの位置での類似度を求め、一番大きい類似度(「最大類似度」とも称する。)とその位置を記憶する。検索部117は、共有の設計図面データの中で、閾値以上の最大類似度を有する設計図面データを抽出し、類似検索を要求した他の情報処理装置20に出力する。
【0060】
また、検索部117は、利用者により入力された建築に関する入力情報を取得することを含んでもよい。入力情報は、例えば、上述した建築に関するキーワード、タグ、カテゴリなどを含む。この場合、検索部117は、入力情報に基づき設計図面データを抽出した後(絞り込んだ後)で、利用者にアップロードされた設計図面データ又はその一部と、抽出された設計図面データとの類似度に基づいて、類似の設計図面データを特定してもよい。
【0061】
また、建築に関する各タグを正解ラベルとする設計図面データを学習データとして、教師あり学習が行われた学習モデルが生成される場合、検索部117は、この学習モデルを利用して類似の設計図面データを特定してもよい。例えば、検索部117は、入力情報と一部の設計図面データとを学習モデルに入力することで、入力情報を正解ラベルとして有しており、一部の設計図面データに類似する設計図面データを特定する。
【0062】
また、一部の設計図面データは、各部材が接合される部分(各部材の取り付け部分)、いわゆる「納まり」を含むとよい。この場合、検索部117は、共有の設計図面データの中で、納まりの部分を検出し、納まりの部分を用いて類似度検索を行ってもよい。納まりの部分は建築家にとって興味が高い部分であり、この部分を自動で抽出して検索することで、納まり部分の検索精度を向上させることができる。納まりの部分の自動抽出について、検索部117は、例えば、納まり部分のデータと正解ラベルを含む学習データを教師あり学習させて生成した学習モデルを用いるとよい。
【0063】
図3は、開示の一実施形態に係る情報処理装置20の一例を示す図である。情報処理装置20は、1つ又は複数のプロセッサ(例、CPU)210、1つ又は複数のネットワーク通信インタフェース220、メモリ230、ユーザインタフェース250、及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス270を含む。
【0064】
メモリ230は、例えば、DRAM、SRAM、他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ(主記憶装置)である。また、メモリ230は、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ(補助記憶装置)でもよい。また、メモリ230は、プログラム等を記憶した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記録媒体でもよい。また、メモリ230は、主記憶装置(メモリ)又は補助記憶装置(ストレージ)のいずれかでもよく、あるいは両方を備えてもよい。
【0065】
メモリ230は、情報処理システム1により用いられるデータやプログラムを記憶する。例えば、メモリ230は、情報処理システム1における携帯端末などのアプリケーションプログラムなどを記憶する。
【0066】
ユーザインタフェース250は、ディスプレイ、及び入力装置(キーボード及び/又はマウス、又は他の何らかのポインティングデバイス等)を含む。
【0067】
プロセッサ210は、メモリ230に記憶されるプログラムを実行することで、上述のプラットフォームをユーザ側で制御する制御部212を構成する。例えば、制御部212は、ウェブブラウザ又はアプリケーションなどを含む。
【0068】
ウェブブラウザは、情報処理装置10により提供されるプラットフォームによるウェブページの閲覧を可能にする。ウェブブラウザは、適宜ウェブページの表示、遷移をし、情報の提供、データの送受信等を行う。例えば、ウェブブラウザは、ウェブページを用いて、ユーザにより設定又は入力された設計図面データに関する情報やインセンティブに関する情報やアクションに関する情報を情報処理装置10に送信する。
【0069】
また、制御部212は、アプリケーションの実行により、上述のプラットフォームが提供する機能の実行を可能にしてもよい。制御部212は、本開示の設計図面データのアップロード、検索、設計図面データに対するアクション、インセンティブ付与をユーザ側で実行するため、出力部213、表示制御部214、取得部215を有する。
【0070】
出力部213は、ユーザインタフェース250を用いてユーザにより設定又は入力されたデータ等を、ネットワーク通信インタフェース220を介して情報処理装置10に出力する。ユーザが図面の提供者である場合、出力部213は、共有される設計図面データ、アップロード要求、設計図面データに関するタグなどを情報処理装置10に出力する。また、ユーザが図面の利用者である場合、出力部213は、類似検索要求、検索のための入力情報、検索のための利用者の設計図面データ、アクション要求、インセンティブ付与要求などを情報処理装置10に出力する。
【0071】
表示制御部214は、情報処理装置10が提供するプラットフォームに関する各画面を表示制御する。例えば、各画面は、設計図面データのアップロート画面、共有された設計図面データの検索画面、アクション選択画面、インセンティブ付与の確認画面等を含む。
【0072】
取得部215は、出力部213により出力された各要求に応じて、情報処理装置10から、共有の設計図面データのアップロード結果情報、検索結果情報、インセンティブに関する問い合わせ情報などを取得する。
【0073】
制御部212は、出力部213により出力した各要求に応じて、取得部215により取得した各データを用いて、各処理を実行する。各処理は、上述したとおり、共有の設計図面データのアップロード処理、アクション処理、検索処理、インセンティブ付与処理などである。
【0074】
<データ例>
図4は、開示におけるユーザ関連情報の一例を示す図である。
図4に示すユーザ関連情報は、プラットフォームに登録されたユーザのユーザIDに関連付けて、ユーザ情報、事務所情報などを含む。ユーザ情報は、建築家、設計士、企業、又は建築事務所を示す情報を含む。事務所情報は、例えば、代表 社者、連絡先などを含み、従業員数、所属建築家数、過去に手がけた案件などの情報を含んでもよい。
【0075】
図5は、開示における設計図面情報の一例を示す図である。
図5に示す設計図面情報は、プラットフォームに共有する設計図面データのデータIDに関連付けて、提供者のユーザID、図面データ、写真データ、特徴データ(タグ)などを含む。
【0076】
ユーザIDは、
図4に示すユーザIDであり、設計図面データを提供した提供者のユーザIDを含む。図面データは、提供者によりプラットフォームにアップロードされた設計図面データを含む。設計図面データのデータ形式はPDF、DXFなどである。写真データは、設計図面データに対応する建築物の画像を含む。特徴データは、提供者又はプラットフォームによる人工知能により設定されたタグを含む。また、設計図面情報は、他にも閲覧数、付与されたコメント、付与されたインセンティブ、評価、URL保存件数、修正内容、提示された修正案、属性情報などを含む。
【0077】
なお、共有される設計図面データのデータ形式に応じて、付与されるインセンティブを変更してもよい。例えば、データ形式がDXFであれば、編集可能なのでインセンティブを大きくし、データ形式がPDFであれば、編集困難なのでインセンティブを小さくしてもよい。
【0078】
<画面情報>
図6は、開示の情報処理システム1において表示される画面の一例を示す図である。
図6に示す例では、共有の設計図面データを検索する際の画面遷移の一例を示す図である。
図6に示す画面D10は、検索画面の一例を示す図である。画面D10には、第1領域R10と、第2領域R12と、検索ボックスB10とが含まれる。
【0079】
第1領域R10は、設計図に関するタグの一覧を含み、タグは運営者によって予め設定されてもよいし、図面の提供者が新しく設定してもよい。利用者が第1領域R10内の任意のタグを選択することにより、第2領域R12に、選択されたタグを有する設計図面データの一覧が表示される。
図6に示す例では、第1領域R10に表示されるタグ一覧から内壁のタグが選択され、第2領域R12には、内壁の設計図面データの一覧が表示される。なお、利用者によりタグが選択されていない状態では、第2領域R12には、デフォルトとして、最近アップロードされた設計図面データや、閲覧数の多い順の設計図面データなどが表示されてもよい。
【0080】
例えば、利用者の情報処理装置20は、選択されたタグの情報を情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の検索部117は、選択されたタグに対応するタグを有する設計図面データを検索し、抽出する。検索部117は、検索結果として抽出された設計図面データの一覧情報を利用者の情報処理装置20に送信する。利用者の情報処理装置20は、設計図面データの一覧を取得すると、第2領域R12に、取得した設計図面データの一覧を表示する。
【0081】
検索ボックスB10は、利用者が自由にキーワードを入力する入力欄である。利用者は、設計図に関するキーワードを入力し、検索ボタンを押した場合、第2領域R12に、入力されたキーワードに関する設計図面データの一覧が表示される。
【0082】
例えば、利用者の情報処理装置20は、入力されたキーワードを情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の検索部117は、入力されたキーワードに対応(一致又は類似)するタグを有する設計図面データを検索し、抽出する。検索部117は、検索結果として抽出された設計図面データの一覧情報を利用者の情報処理装置20に送信する。利用者の情報処理装置20は、設計図面データの一覧を取得すると、第2領域R12に、取得した設計図面データの一覧を表示する。
【0083】
また、検索ボックスB10は、アップロードボタンを有してもよい。利用者は、アップロードボタンを押下することで、利用者の情報処理装置20に保存されている第1設計図面データをアップロードし、第1設計図面データに類似する第2設計図面データを検索することが可能になる。第1設計図面データは、設計図の一部のデータでもよいし、画面に表示された設計図のスクリーンショットなどの画像でもよい。
【0084】
例えば、利用者の情報処理装置20は、アップロードされる第1設計図面データを情報処理装置10に送信する。情報処理装置10の検索部117は、アップロードされた第1設計図面データに類似する設計図面データを検索し、抽出する。検索部117は、検索結果として抽出された設計図面データの一覧情報を利用者の情報処理装置20に送信する。利用者の情報処理装置20は、設計図面データの一覧を取得すると、第2領域R12に、取得した設計図面データの一覧を表示する。
【0085】
また、利用者は、検索ボックスB10にキーワードを入力し、アップロードボタンを押下して第1設計図面データをアップロードすることで、キーワード及び第1設計図面データとともに類似検索要求を行うことが可能になる。また、利用者は、第1領域R10からタグを選択して設計図面データを絞り込んだ後で、検索ボックスB10を利用してキーワードを入力したり、第1設計図面データをアップロードしたりして、精度よく所望の第2設計図面データを取得するようにしてもよい。
【0086】
また、利用者は、画面D10の第2領域R12に表示される設計図面データAを選択したとする。この場合、画面D10は画面D20に遷移する。画面D20には、設計図面データAの詳細を表示する領域R20、利用者からのアクションを受け付けるUI部品が表示される。UI部品は、例えば、コメントを付与するための第1UI部品B20、表示中の設計図面データをダウンロードするための第2UI部品B22、インセンティブ付与の一例である投げ銭するための第3UI部品B24を含む。
【0087】
利用者は、設計図面データAに対して、アクションを希望する場合、第1乃至第3UI部品の少なくとも1つを押下する、利用者の情報処理装置20Bは、選択されたアクションを情報処理装置10に要求する。情報処理装置10の第1処理部115は、選択されたアクションを実行し、第2処理部116は、アクションが実行された場合、設計図面データAの提供者にインセンティブを付与する。また、第2処理部116は、第3UI部品B24が選択された場合、固定又は任意の金額を、設計図面データAの提供者にインセンティブとして付与してもよい。以上の処理により、共有された設計図面データに対するアクションに応じて、提供者にインセンティブを付与することが可能になる。
【0088】
<動作説明>
次に、情報処理システム1のインセンティブ付与に関する各動作について説明する。
図7は、開示の一実施形態に係るインセンティブ付与に関する処理の一例を示すシーケンス図である。
図7に示す処理は、設計図面データの提供者が利用する情報処理装置20Aと、設計図面データの利用者が利用する情報処理装置20Bと、運営者が利用する情報処理装置10とがそれぞれネットワークを介してデータを送受信して実行される。
【0089】
ステップS102において、提供者の情報処理装置20Aは、プラットフォームにログインし、設計図面データを共有するため、設計図面データをアップロード(送信)する。
【0090】
ステップS104において、情報処理装置10の取得部114は、アップロードされた設計図面データを取得し、制御部112は、設計図面データにIDを付与し、提供者のIDやタグ等を関連付けてメモリ130に登録する(例えば
図5参照)。
【0091】
ステップS106において、利用者の情報処理装置20Bは、プラットフォームによりログインし、設計図面データを検索するため、検索画面を情報処理装置10に要求する。
【0092】
ステップS108において、情報処理装置10の検索部117は、利用者の情報処理装置20Bからの検索画面要求に応じて、検索画面データを利用者の情報処理装置20Bに送信する。
【0093】
ステップS110において、利用者の情報処理装置20Bの表示制御部214は、情報処理装置10から取得した検索画面データをディスプレイに表示する。利用者は、画面に表示される複数の設計図面データの中から、一つの設計図面データを選択する。なお、利用者は、
図6に示すように、タグやキーワードや設計図面データなどで、所定の設計図面データを絞り込んだ後で、特定の設計図面データを選択してもよい。
【0094】
ステップS112において、利用者の情報処理装置20Bの出力部213は、選択された設計図面データを識別する情報を情報処理装置10に送信する。
【0095】
ステップS114において、情報処理装置10の検索部117は、選択された設計図面データを識別する情報に基づいて設計図面データを特定し、特定した設計図面データを情報処理装置20Bに送信する。
【0096】
ステップS116において、情報処理装置20Bの取得部215は、表示されている設計図面データに対する利用者のアクションを受け付ける。
【0097】
ステップS118において、情報処理装置20Bの出力部213は、受け付けられたアクションの情報を情報処理装置10に送信する。
【0098】
ステップS120において、情報処理装置10の第1処理部115は、取得されたアクションの情報に基づいてアクションを特定し、特定したアクションの処理を実行する。
【0099】
ステップS122において、情報処理装置20Bの出力部213は、利用者からインセンティブの付与が指示された場合(例えば
図6の画面D20から投げ銭ボタンB24が押下された場合)、インセンティブの付与を情報処理装置10に要求する。
【0100】
ステップS124において、情報処理装置10の第2処理部116は、利用者に選択された設計図面データの提供者にインセンティブを付与する。例えば、第2処理部116は、アクションの内容に応じてインセンティブを付与してもよい。
【0101】
ステップS126において、情報処理装置10の第2処理部116は、選択された設計図面データの提供者が利用する情報処理装置20Aに、インセンティブが付与されたことを通知する。
【0102】
以上、本開示の一実施形態について詳述したが、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。例えば、本開示は、各情報処理装置10、20が実行する処理について、一部の処理を、他の情報処理装置に移行したり、複数の情報処理装置を適宜統合したりしてもよい。
【0103】
本開示のプラットフォームに共有されている設計図面データではなく、公開されている設計図面データをユーザが気に入った場合、その設計図面データを公開している他人が本開示のプラットフォームに登録しているか否かを検索できるようにしてもよい。その他人が本開示のプラットフォームに登録しているユーザの場合、その他人に代わって、設計図面データをアップロードすることが可能である。この場合、アップロードした設計図面データにインセンティブが付与される場合は、アップロードしたユーザと、その設計図面データを作成した他人とにインセンティブが付与されるようにしてもよい。また、他人の設計図面データをアップロードする場合には、他人に対して、アップロードに対して問い合わせを行い、承認してもらった場合にアップロードできるようにしてもよい。
【0104】
また、運営者は、所定期間ごとに、所定の金銭的価値(例えば電子マネーに対応するポイント)を各ユーザに付与してもよい。この場合、各ユーザは、所定期間内に、他のユーザに投げ銭するなどして金銭的価値を消費してもよい。
【0105】
また、共有の設計図面データがダウンロードされる場合、第2処理部116は、ダウンロードされる設計図面データの提供者にインセンティブが付与されるようにしてもよい。また、ダウンロードされる設計図面データのデータ形式に応じてインセンティブが変更されてもよい。例えば、編集可能なデータ形式(例、DXF)の場合はインセンティブが高く(例、金銭的価値が高く)、編集不可なデータ形式(例、PDF)の場合はインセンティブが低く(例、金銭的価値が低い)てもよい。
【符号の説明】
【0106】
1…情報処理システム、10、20…情報処理装置、110…プロセッサ、112…制御部、113…提供部、114…取得部、115…第1処理部、116…第2処理部、130…メモリ、210…プロセッサ、230…メモリ、212…制御部、213…出力部、214…表示制御部、215…取得部