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特開2024-151803半導体装置および半導体装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151803
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/29 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
H01L23/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065524
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】沖 和史
(72)【発明者】
【氏名】横山 脩平
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BB18
5F136DA04
5F136EA03
(57)【要約】
【課題】半導体装置の小型化を実現することが可能な技術を提供することを目的とする。
【解決手段】半導体装置100は、ダイパッド12,13,14およびダイパッド12,13,14と電気的に接続された端子11,15を含むリードフレーム10と、ダイパッド12,13,14上に搭載された半導体素子1~4と、ダイパッド12,13,14に対して半導体素子1~4とは反対側に表面を向けた状態で配置されたヒートシンク50と、端子11,15およびヒートシンク50における表面とは反対側の底面を露出させた状態で、リードフレーム10、半導体素子1~4、およびヒートシンク50を封止する封止樹脂40とを備えている。ヒートシンク50は、上面視において、ヒートシンク50の全体が封止樹脂40と重なるように、封止樹脂40の内側に配置され、ヒートシンク50には、放熱フィン60を取り付けるためのねじ穴51が設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱フィンが取り付けられる半導体装置であって、
ダイパッドおよび前記ダイパッドと電気的に接続された端子を含むリードフレームと、
前記ダイパッド上に搭載された半導体素子と、
前記ダイパッドに対して前記半導体素子とは反対側に第1主面を向けた状態で配置されたヒートシンクと、
前記端子および前記ヒートシンクにおける前記第1主面とは反対側の第2主面を露出させた状態で、前記リードフレーム、前記半導体素子、および前記ヒートシンクを封止する封止樹脂と、を備え、
前記ヒートシンクは、上面視において、前記ヒートシンクの全体が前記封止樹脂と重なるように、前記封止樹脂の内側に配置され、
前記ヒートシンクには、前記放熱フィンを取り付けるためのねじ穴が設けられた、半導体装置。
【請求項2】
前記ヒートシンクの前記第2主面は、前記封止樹脂における前記放熱フィンと対向する面から突出し、かつ、前記封止樹脂における前記放熱フィンと対向する前記面よりも面積が小さい、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体素子の材料は、ワイドバンドギャップ半導体を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記ねじ穴は、前記ヒートシンクの前記第2主面側に設けられた、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
放熱フィンが取り付けられる半導体装置の製造方法であって、
ダイパッドおよび前記ダイパッドと電気的に接続された端子を含むリードフレーム、半導体素子、およびヒートシンクを準備する工程と、
前記ダイパッド上に前記半導体素子を搭載し組み立て体を製作する工程と、
金型内に、前記組み立て体、および前記ダイパッドに対して前記半導体素子とは反対側に第1主面を向けた状態で前記ヒートシンクを配置する工程と、
前記金型内において、前記端子および前記ヒートシンクにおける前記第1主面とは反対側の第2主面を露出させた状態で、前記組み立て体および前記ヒートシンクを封止樹脂により封止する工程と、を備え、
前記ヒートシンクは、上面視において、前記ヒートシンクの全体が前記封止樹脂と重なるように、前記封止樹脂の内側に配置され、
前記ヒートシンクには、前記放熱フィンを取り付けるためのねじ穴が設けられた、半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置では、パッケージ(封止樹脂に相当する)の底面全体に放熱板(ヒートシンクに相当する)が固定され、放熱板と放熱フィンとをねじ固定することで、半導体装置に放熱フィンが取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-274383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、放熱板がパッケージの底面全体と同じ面積を有しており、かつ、放熱板の全体がパッケージの底面から突出しているため、半導体装置の小型化を実現することは難しかった。
【0005】
そこで、本開示は、半導体装置の小型化を実現することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る半導体装置は、放熱フィンが取り付けられる半導体装置であって、ダイパッドおよび前記ダイパッドと電気的に接続された端子を含むリードフレームと、前記ダイパッド上に搭載された半導体素子と、前記ダイパッドに対して前記半導体素子とは反対側に第1主面を向けた状態で配置されたヒートシンクと、前記端子および前記ヒートシンクにおける前記第1主面とは反対側の第2主面を露出させた状態で、前記リードフレーム、前記半導体素子、および前記ヒートシンクを封止する封止樹脂とを備え、前記ヒートシンクは、上面視において、前記ヒートシンクの全体が前記封止樹脂と重なるように、前記封止樹脂の内側に配置され、前記ヒートシンクには、前記放熱フィンを取り付けるためのねじ穴が設けられた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ヒートシンクは封止樹脂内に収容されているため、上面視において、ヒートシンクが封止樹脂から突出しない。その結果、半導体装置の小型化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態に係る半導体装置の内部配線図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1のB-B線断面図である。
図4】実施の形態に係る半導体装置の上面図である。
図5】実施の形態に係る半導体装置の底面図である。
図6】実施の形態に係る半導体装置に放熱フィンを取り付けた状態を示す正面図である。
図7】実施の形態に係る半導体装置に放熱フィンを取り付けた状態を示す側面図である。
図8】実施の形態に係る半導体装置の製造方法を示すフローチャートである。
図9】実施の形態の変形例に係る半導体装置に放熱フィンを取り付けた状態を示す正面図である。
図10】実施の形態の変形例に係る半導体装置に放熱フィンを取り付けた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施の形態>
<半導体装置の構成>
実施の形態について、図面を用いて以下に説明する。図1は、実施の形態に係る半導体装置100の内部配線図である。図2は、図1のA-A線断面図である。図3は、図1のB-B線断面図である。
【0010】
図1に示すように、半導体装置100は、リードフレーム10と、半導体素子1~4と、ヒートシンク50(図2参照)と、封止樹脂40とを備えている。
【0011】
リードフレーム10は、ダイパッド12,13,14と、端子11,15とを含んでいる。ダイパッド12,13,14は板状に形成され、かつ、上面視において矩形状に形成されている。また、ダイパッド12,13,14は、図1において左側からダイパッド12,13,14の順に配置されている。
【0012】
ダイパッド12は3つ設けられ、端子11は16本設けられている。16本の端子11のうちの3本の端子11は、3つのダイパッド12とそれぞれ接続されている。ダイパッド14は4つ設けられ、端子15は7本設けられている。7本の端子15のうちの4本の端子15は、4つのダイパッド14とそれぞれ接続されている。リードフレーム10の材料として、例えば、銅(Cu)が採用される。
【0013】
3つのダイパッド12の表面には、半導体素子1が1つずつ搭載されている。ダイパッド13の表面には、2つの半導体素子2が搭載されている。4つのダイパッド14のうちの1つのダイパッド14は、残りの3つのダイパッド14よりも面積が大きく形成されている。大きな面積を有する1つのダイパッド14の表面には、半導体素子3と半導体素子4が3組搭載されている。残りの3つのダイパッド14の表面には、半導体素子3と半導体素子4が1組ずつ搭載されている。
【0014】
半導体素子1,2と端子11、半導体素子2と半導体素子3、半導体素子3と半導体素子4、および半導体素子4と端子15は、ワイヤ20により電気的に接続されている。ワイヤ20を構成する材料は、電気伝導率の高い銅(Cu)またはアルミニウム(Al)である。
【0015】
半導体素子1~4は、例えばスイッチング素子または整流素子として機能する素子である。スイッチング素子は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、またはMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等である。整流素子は、ダイオード素子である。
【0016】
半導体素子1~4を構成する材料は、例えばシリコン(Si)である。なお、半導体素子1~4を構成する材料は、シリコンに限定されず、例えば、炭化珪素(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、またはダイヤモンド(C)等のワイドバンドギャップ半導体材料であってもよい。ワイドバンドギャップ半導体材料は、シリコンのバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する材料である。ワイドバンドギャップ半導体材料で構成される半導体素子1~4は、大電流を使用した動作、および高温環境下における動作等を行うことが可能になる。そのため、半導体素子1~4を構成する材料は、ワイドバンドギャップ半導体材料であることが好ましい。
【0017】
図2図3に示すように、ヒートシンク50は、ダイパッド12,13,14に対して半導体素子1~4とは反対側に第1主面である表面を向けた状態で配置されている。具体的には、ヒートシンク50はダイパッド12,13,14の下側に配置され、ヒートシンク50とダイパッド12,13,14との間には封止樹脂40が存在している。
【0018】
封止樹脂40は、端子11,15およびヒートシンク50における表面とは反対側の第2主面である裏面を露出させた状態で、リードフレーム10、半導体素子1~4、およびヒートシンク50を封止している。これにより、封止樹脂40は、半導体装置100のパッケージを構成している。
【0019】
封止樹脂40は、複合材であってもよい。複合材は、例えば主成分として、フィラー等の充填材と樹脂とを含む材料である。充填材は、封止樹脂40の熱膨張率または機械的性質を調整するために使用される。複合材に含まれる樹脂は、例えば電気抵抗率の高い熱硬化性の樹脂であり、例えばエポキシ樹脂である。封止樹脂40は、高い絶縁性、良好な成型性、および信頼性を有していることが好ましい。
【0020】
次に、ヒートシンク50の詳細について説明する。図4は、実施の形態に係る半導体装置100の上面図である。図5は、実施の形態に係る半導体装置100の底面図である。図6は、実施の形態に係る半導体装置100に放熱フィン60を取り付けた状態を示す正面図である。図7は、実施の形態に係る半導体装置100に放熱フィン60を取り付けた状態を示す側面図である。
【0021】
図4図5に示すように、端子11,15は、封止樹脂40の側面から突出している。図5図7に示すように、ヒートシンク50は、上面視において、矩形状に形成された厚みのある板状部材である。また、ヒートシンク50は、上面視において、ヒートシンク50の全体が封止樹脂40と重なるように、封止樹脂40の内側に配置されている。具体的には、ヒートシンク50の裏面は、封止樹脂40における放熱フィン60と対向する底面よりも面積が小さく形成されており、ヒートシンク50の全体は、封止樹脂40から突出することなく、封止樹脂40内に収容されている。これにより、半導体装置100の小型化を実現することが可能となる。また、ヒートシンク50の裏面は封止樹脂40から露出しているため、ヒートシンク50の裏面に放熱フィン60を取り付けることが可能となる。
【0022】
また、ヒートシンク50の裏面における長手方向の両端部には、放熱フィン60を取り付けるためのねじ穴51が1つずつ設けられている。2つのねじ穴51は、ヒートシンク50の裏面側に設けられている。具体的には、2つのねじ穴51は、ヒートシンク50を貫通することなく、ヒートシンク50の裏面から厚み方向の途中部まで設けられている。
【0023】
放熱フィン60におけるヒートシンク50のねじ穴51に対向する箇所には、ねじ穴62が設けられている。放熱フィン60を封止樹脂40の底面に配置した状態で、放熱フィン60側からねじ61をねじ穴62とねじ穴51に螺合させることで、放熱フィン60が半導体装置100に取り付けられる。
【0024】
ヒートシンク50を構成する材料は、例えば合金である。合金は、例えばアルミニウム(Al)に、金属としてのマグネシウム(Mg)およびマンガン(Mn)の少なくともいずれかの金属が添加されたものである。
【0025】
なお、ヒートシンク50を構成する材料は、例えば合金に限定されず、合金と異なる金属であってもよい。ヒートシンク50を構成する材料は、例えば銅(Cu)であってもよい。また、ヒートシンク50は、アルミニウム(Al)で構成された板状部材であってもよい。
【0026】
また、ヒートシンク50を構成する材料は、金属以外の材料であってもよい。ヒートシンク50を構成する材料は、例えば、熱伝導率が高い無機物または有機物であってもよい。
【0027】
<半導体装置の製造方法>
次に、図8を用いて、半導体装置100の製造方法について簡単に説明する。図8は、実施の形態に係る半導体装置100の製造方法を示すフローチャートである。
【0028】
まず、リードフレーム10、半導体素子1~4、およびヒートシンク50を準備する(ステップS1)。このとき、ヒートシンク50には、放熱フィン60を取り付けるためのねじ穴51が設けられている。
【0029】
次に、リードフレーム10のダイパッド12,13,14上に半導体素子1~4を搭載し、組み立て体(図示しない)を製作する(ステップS2)。
【0030】
次に、金型(図示しない)内に、組み立て体、およびダイパッド12,13,14に対して半導体素子1~4とは反対側に表面を向けた状態でヒートシンク50を配置する(ステップS3)。具体的には、金型内にヒートシンク50を配置した後、その上から例えば高熱伝導率を有する顆粒樹脂(図示しない)を配置し、その上に組み立て体を配置する。さらにその上から顆粒樹脂を配置する。
【0031】
最後に、金型の型締め動作を実行し金型を加熱することで、溶融した顆粒樹脂により封止樹脂40が形成され、組み立て体およびヒートシンク50が封止樹脂40により封止される。
【0032】
<効果>
以上のように、実施の形態に係る半導体装置100は、ダイパッド12,13,14およびダイパッド12,13,14と電気的に接続された端子11,15を含むリードフレーム10と、ダイパッド12,13,14上に搭載された半導体素子1~4と、ダイパッド12,13,14に対して半導体素子1~4とは反対側に表面を向けた状態で配置されたヒートシンク50と、端子11,15およびヒートシンク50における表面とは反対側の裏面を露出させた状態で、リードフレーム10、半導体素子1~4、およびヒートシンク50を封止する封止樹脂40とを備えている。ヒートシンク50は、上面視において、ヒートシンク50の全体が封止樹脂40と重なるように、封止樹脂40の内側に配置され、ヒートシンク50には、放熱フィン60を取り付けるためのねじ穴51が設けられている。
【0033】
したがって、ヒートシンク50は封止樹脂40内に収容されているため、上面視において、ヒートシンク50が封止樹脂40から突出しない。その結果、半導体装置100の小型化を実現することができる。
【0034】
また、ねじ穴51は、ヒートシンク50の裏面側に設けられており、ヒートシンク50を貫通していないため、ねじ締め時にねじ61が封止樹脂40に接触しない。これにより、封止樹脂40にクラックが発生することを抑制できる。
【0035】
また、ねじ穴51をヒートシンク50の中央部、つまり、半導体装置100の底面の中央部に設けることが可能となる。このようにねじ締め箇所の自由度が増すことから、放熱フィン60の取り付けに必要なねじ61の本数を削減することが可能となる。
【0036】
また、半導体素子1~4の材料は、ワイドバンドギャップ半導体を含んでいる。したがって、半導体素子1~4は、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、半導体素子1~4の小型化が可能であり、小型化された半導体素子1~4が組み込まれた半導体装置100の小型化も可能となる。また、半導体素子1~4の耐熱性が高いため、半導体装置100に取り付けられる放熱フィン60の小型化が可能になる。さらに半導体素子1~4の電力損失が低いため、半導体素子1~4の高効率化が可能であり、ひいては半導体装置100の高効率化が可能となる。
【0037】
なお、半導体素子3,4の両方がワイドバンドギャップ半導体によって形成されていることが望ましいが、いずれか一方がワイドバンドギャップ半導体よって形成されていてもよく、この場合にも上記の効果を得ることができる。
【0038】
<実施の形態の変形例>
次に、実施の形態の変形例について説明する。図9は、実施の形態の変形例に係る半導体装置100に放熱フィン60を取り付けた状態を示す正面図である。図10は、実施の形態の変形例に係る半導体装置100に放熱フィン60を取り付けた状態を示す側面図である。
【0039】
図9図10に示すように、実施の形態の変形例では、ヒートシンク50の厚みが実施の形態のヒートシンク50よりも厚く形成されている。実施の形態の変形例におけるそれ以外の構成は、実施の形態の場合と同様である。
【0040】
ヒートシンク50の裏面は、封止樹脂40における放熱フィン60と対向する面である封止樹脂40の底面から突出している。具体的には、ヒートシンク50の裏面側の部分は、封止樹脂40の底面から突出している。また、実施の形態の場合と同様に、ヒートシンク50の裏面は、封止樹脂40の底面よりも面積が小さく形成されている。その結果、上面視において、ヒートシンク50は封止樹脂40から突出しないため、実施の形態の場合と同様に、半導体装置100の小型化を実現することができる。
【0041】
2つのねじ穴51は、ヒートシンク50を貫通することなく、ヒートシンク50の裏面から厚み方向の途中部まで設けられている。実施の形態の場合よりもヒートシンク50の厚みが厚いため、実施の形態の場合よりも2つのねじ穴51の深さも深くなる。これにより、実施の形態の場合よりも半導体装置100と放熱フィン60とを強固に接続することが可能となる。
【0042】
また、端子11,15には高電圧が印加されるため、端子11,15と放熱フィン60との間には一定の絶縁距離が必要となるが、ヒートシンク50の厚みを厚くすることで、絶縁距離を長くすることが可能となる。このとき、ヒートシンク50の裏面を、封止樹脂40の底面よりも面積を小さくすることで、絶縁距離をさらに長くすることが可能となる。
【0043】
なお、実施の形態を適宜、変形することが可能である。
【0044】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0045】
(付記1)
放熱フィンが取り付けられる半導体装置であって、
ダイパッドおよび前記ダイパッドと電気的に接続された端子を含むリードフレームと、
前記ダイパッド上に搭載された半導体素子と、
前記ダイパッドに対して前記半導体素子とは反対側に第1主面を向けた状態で配置されたヒートシンクと、
前記端子および前記ヒートシンクにおける前記第1主面とは反対側の第2主面を露出させた状態で、前記リードフレーム、前記半導体素子、および前記ヒートシンクを封止する封止樹脂と、を備え、
前記ヒートシンクは、上面視において、前記ヒートシンクの全体が前記封止樹脂と重なるように、前記封止樹脂の内側に配置され、
前記ヒートシンクには、前記放熱フィンを取り付けるためのねじ穴が設けられた、半導体装置。
【0046】
(付記2)
前記ヒートシンクの前記第2主面は、前記封止樹脂における前記放熱フィンと対向する面から突出し、かつ、前記封止樹脂における前記放熱フィンと対向する前記面よりも面積が小さい、付記1に記載の半導体装置。
【0047】
(付記3)
前記半導体素子の材料は、ワイドバンドギャップ半導体を含む、付記1または付記2に記載の半導体装置。
【0048】
(付記4)
前記ねじ穴は、前記ヒートシンクの前記第2主面側に設けられた、付記1から付記3のいずれかに記載の半導体装置。
【0049】
(付記5)
放熱フィンが取り付けられる半導体装置の製造方法であって、
ダイパッドおよび前記ダイパッドと電気的に接続された端子を含むリードフレーム、半導体素子、およびヒートシンクを準備する工程と、
前記ダイパッド上に前記半導体素子を搭載し組み立て体を製作する工程と、
金型内に、前記組み立て体、および前記ダイパッドに対して前記半導体素子とは反対側に第1主面を向けた状態で前記ヒートシンクを配置する工程と、
前記金型内において、前記端子および前記ヒートシンクにおける前記第1主面とは反対側の第2主面を露出させた状態で、前記組み立て体および前記ヒートシンクを前記封止樹脂により封止する工程と、を備え、
前記ヒートシンクは、上面視において、前記ヒートシンクの全体が前記封止樹脂と重なるように、前記封止樹脂の内側に配置され、
前記ヒートシンクには、前記放熱フィンを取り付けるためのねじ穴が設けられた、半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0050】
1,2,3,4 半導体素子、10 リードフレーム、11,15 端子、12,13,14 ダイパッド、40 封止樹脂、50 ヒートシンク、51 ねじ穴、60 放熱フィン、100 半導体装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10