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特開2024-151804プログラム、コンピュータおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151804
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】プログラム、コンピュータおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q40/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065525
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】514035947
【氏名又は名称】株式会社TOKIUM
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【弁理士】
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【弁理士】
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】黒▲崎▼ 賢一
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB64
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】自然な対話形式でAIが回答するチャットサービスを活用した新たなプログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】プログラムは、コンピュータを受付手段22と、区分規定手段26と、送信手段28と、情報保存手段30として機能させる。受付手段22は、経費または購買のデータを外部装置から受け付ける。区分規定手段26は、経費または購買の分類分けの区分を規定する。送信手段28は、受付手段22が受け付けた経費または購買のデータを、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けすることを求める旨の質問情報を言語モデルサーバ60に送信する。情報保存手段30は、言語モデルサーバ60から送信された、質問情報に対する回答情報に基づいて、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを記憶部36に保存させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを受付手段と、区分規定手段と、送信手段と、情報保存手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、経費または購買のデータを外部装置から受け付け、
前記区分規定手段は、経費または購買の分類分けの区分を規定し、
前記送信手段は、前記受付手段が受け付けた経費または購買のデータを、前記区分規定手段により規定された区分毎に分類分けすることを求める旨の質問情報を言語モデルサーバに送信し、
前記情報保存手段は、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報に基づいて、前記区分規定手段により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを記憶部に保存させる、プログラム。
【請求項2】
前記区分規定手段は、経費または購買の分類分けの区分を規定する際に、区分に稟議情報を関連付け、
前記情報保存手段は、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報に基づいて、前記区分規定手段により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを稟議情報に関連付けした状態で記憶部に保存させる、請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記受付手段は、経費または購買の分類分けの区分に関する情報を外部装置から受け付け、
前記区分規定手段は、前記受付手段が受け付けた経費または購買の区分に関する情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を規定する、請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを抽出手段として更に機能させ、
前記抽出手段は、前記受付手段が経費または購買のデータの情報を受け付けると、前記受付手段が受け付けた経費または購買のデータから経費または購買の分類分けの区分の情報を抽出し、
前記区分規定手段は、前記抽出手段により抽出された経費または購買の分類分けの区分に関する情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を規定する、請求項1記載のプログラム。
【請求項5】
前記送信手段は、前記受付手段が経費または購買のデータの情報を受け付けると、前記受付手段が受け付けた経費または購買のデータを分類分けすべき経費または購買の区分の情報を求める旨の質問情報を前記言語モデルサーバに送信し、
前記区分規定手段は、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を規定する、請求項1記載のプログラム。
【請求項6】
前記送信手段は、前記受付手段が経費または購買のデータの情報を受け付けると、前記受付手段が受け付けた経費または購買のデータを分類分けすべき経費または購買の区分の情報を入力する旨の指令をオペレータ端末に送信し、
前記区分規定手段は、前記オペレータ端末から送信された入力情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を規定する、請求項1記載のプログラム。
【請求項7】
経費の分類分けの区分は、経費の種類、経費の申請を行う担当者の識別情報、経費に関連するプロジェクトの識別情報、経費に関連する日付のうち少なくともいずれかのものを含む、請求項1記載のプログラム。
【請求項8】
経費が交通費の経費である場合は、経費の分類分けの区分は、訪問場所の情報、出張者の識別情報、出張に関連するプロジェクトの識別情報、出張に関連する日付のうち少なくともいずれかのものを含む、請求項1記載のプログラム。
【請求項9】
購買の分類分けの区分は、購買される物品またはサービスの種類、購買を行う担当者の識別情報、購買に関連するプロジェクトの識別情報、購買に関連する日付のうち少なくともいずれかのものを含む、請求項1記載のプログラム。
【請求項10】
前記コンピュータを報知手段として更に機能させ、
前記報知手段は、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報において経費または購買のどの区分にも分類分けすることができない経費または購買のデータが存在する旨の情報が含まれる場合には、経費または購買のデータの情報の送信元の端末に、経費または購買のどの区分にも分類分けすることができない経費または購買のデータが存在する旨の情報を送信する、請求項1記載のプログラム。
【請求項11】
プログラムを実行することにより受付手段と、区分規定手段と、送信手段と、情報保存手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、経費または購買のデータを外部装置から受け付け、
前記区分規定手段は、経費または購買の分類分けの区分を規定し、
前記送信手段は、前記受付手段が受け付けた経費または購買のデータを、前記区分規定手段により規定された区分毎に分類分けすることを求める旨の質問情報を言語モデルサーバに送信し、
前記情報保存手段は、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報に基づいて、前記区分規定手段により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを記憶部に保存させる、コンピュータ。
【請求項12】
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、経費または購買のデータを外部装置から受け付ける工程と、
前記制御部が、経費または購買の分類分けの区分を規定する工程と、
前記制御部が、受け付けた経費または購買のデータを、規定された区分毎に分類分けすることを求める旨の質問情報を言語モデルサーバに送信する工程と、
前記制御部が、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報に基づいて、規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを記憶部に保存させる工程と、
を備えた、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、コンピュータおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザがブラウザ等の入力フォームに入力した質問に対して、自然な対話形式でAIが回答するチャットサービスとして様々なものが提供されている。ユーザが質問に関するチャットメッセージを送信した際に、ユーザが期待する回答メッセージをAIにより効率よく得るシステムとして、例えば特許文献1に開示されるものが知られている。また、従来の人工知能技術では、会話において自然な応答を生成することが困難であった。しかしながら、OpenAIが開発したChatGPTは、大量のテキストデータを学習して、人間と同様の自然な応答を生成することが可能となった。ChatGPTは、自然言語処理技術を使用することで、高度な応答生成機能を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-128737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザがブラウザ等の入力フォームに入力した質問に対して、自然な対話形式でAIが回答するチャットサービスを活用して書類の処理を効率よく行うシステムが求められている。
【0005】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、自然な対話形式でAIが回答するチャットサービスを活用した新たなプログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のプログラムは、
コンピュータを受付手段と、区分規定手段と、送信手段と、情報保存手段として機能させるプログラムであって、
前記受付手段は、経費または購買のデータを外部装置から受け付け、
前記区分規定手段は、経費または購買の分類分けの区分を規定し、
前記送信手段は、前記受付手段が受け付けた経費または購買のデータを、前記区分規定手段により規定された区分毎に分類分けすることを求める旨の質問情報を言語モデルサーバに送信し、
前記情報保存手段は、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報に基づいて、前記区分規定手段により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを記憶部に保存させることを特徴とする。
【0007】
本発明のプログラムにおいては、
前記区分規定手段は、経費または購買の分類分けの区分を規定する際に、区分に稟議情報を関連付け、
前記情報保存手段は、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報に基づいて、前記区分規定手段により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを稟議情報に関連付けした状態で記憶部に保存させてもよい。
【0008】
本発明のプログラムにおいては、
前記受付手段は、経費または購買の分類分けの区分に関する情報を外部装置から受け付け、
前記区分規定手段は、前記受付手段が受け付けた経費または購買の区分に関する情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を規定してもよい。
【0009】
本発明のプログラムは、
前記コンピュータを抽出手段として更に機能させ、
前記抽出手段は、前記受付手段が経費または購買のデータの情報を受け付けると、前記受付手段が受け付けた経費または購買のデータから経費または購買の分類分けの区分の情報を抽出し、
前記区分規定手段は、前記抽出手段により抽出された経費または購買の分類分けの区分に関する情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を規定してもよい。
【0010】
本発明のプログラムにおいては、
前記送信手段は、前記受付手段が経費または購買のデータの情報を受け付けると、前記受付手段が受け付けた経費または購買のデータを分類分けすべき経費または購買の区分の情報を求める旨の質問情報を前記言語モデルサーバに送信し、
前記区分規定手段は、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を規定してもよい。
【0011】
本発明のプログラムにおいては、
前記送信手段は、前記受付手段が経費または購買のデータの情報を受け付けると、前記受付手段が受け付けた経費または購買のデータを分類分けすべき経費または購買の区分の情報を入力する旨の指令をオペレータ端末に送信し、
前記区分規定手段は、前記オペレータ端末から送信された入力情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を規定してもよい。
【0012】
本発明のプログラムにおいては、
経費の分類分けの区分は、経費の種類、経費の申請を行う担当者の識別情報、経費に関連するプロジェクトの識別情報、経費に関連する日付のうち少なくともいずれかのものを含んでてもよい。
【0013】
本発明のプログラムにおいては、
経費が交通費の経費である場合は、経費の分類分けの区分は、訪問場所の情報、出張者の識別情報、出張に関連するプロジェクトの識別情報、出張に関連する日付のうち少なくともいずれかのものを含んでもよい。
【0014】
本発明のプログラムにおいては、
購買の分類分けの区分は、購買される物品またはサービスの種類、購買を行う担当者の識別情報、購買に関連するプロジェクトの識別情報、購買に関連する日付のうち少なくともいずれかのものを含んでもよい。
【0015】
本発明のプログラムは、
前記コンピュータを報知手段として更に機能させ、
前記報知手段は、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報において経費または購買のどの区分にも分類分けすることができない経費または購買のデータが存在する旨の情報が含まれる場合には、経費または購買のデータの情報の送信元の端末に、経費または購買のどの区分にも分類分けすることができない経費または購買のデータが存在する旨の情報を送信してもよい。
【0016】
本発明のコンピュータは、
プログラムを実行することにより受付手段と、区分規定手段と、送信手段と、情報保存手段として機能するコンピュータであって、
前記受付手段は、経費または購買のデータを外部装置から受け付け、
前記区分規定手段は、経費または購買の分類分けの区分を規定し、
前記送信手段は、前記受付手段が受け付けた経費または購買のデータを、前記区分規定手段により規定された区分毎に分類分けすることを求める旨の質問情報を言語モデルサーバに送信し、
前記情報保存手段は、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報に基づいて、前記区分規定手段により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを記憶部に保存させることを特徴とする。
【0017】
本発明の情報処理方法は、
制御部を有するコンピュータにより行われる情報処理方法であって、
前記制御部が、経費または購買のデータを外部装置から受け付ける工程と、
前記制御部が、経費または購買の分類分けの区分を規定する工程と、
前記制御部が、受け付けた経費または購買のデータを、規定された区分毎に分類分けすることを求める旨の質問情報を言語モデルサーバに送信する工程と、
前記制御部が、前記言語モデルサーバから送信された、前記質問情報に対する回答情報に基づいて、規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを記憶部に保存させる工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、自然な対話形式でAIが回答するチャットサービスを活用した新たなプログラム、コンピュータおよび情報処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態による情報処理システムの構成を概略的に示す図である。
図2図1に示す情報処理システムにおいて所定の情報処理が行われるときの各構成要素間での情報の流れを示すチャートである。
図3図1に示す情報処理システムにおいて所定の情報処理が行われるときの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は、本実施の形態に係る情報処理システム1および当該情報処理システム1による情報処理方法を示す図である。実施の形態に係る情報処理システム1および情報処理方法によれば、経費または購買のデータを受け付けると、この経費または購買のデータを所定の区分毎に分類分けする処理を言語モデルサーバにより行わせ、言語モデルサーバによって所定の区分毎に分類分けされた経費または購買のデータを記憶部に保存させるものである。このような情報処理を行うことにより、経費または購買のデータを効率よく所定の区分毎に分類分けして保存することができるようになる。
【0021】
本実施の形態による情報処理システム1は、管理サーバ10と、オペレータ端末40と、ユーザ端末50と、言語モデルサーバ60を備えている。管理サーバ10は、インターネット回線等のネットワークを通じて利用できるサーバである。管理サーバ10には、インターネット回線等のネットワークを介してオペレータ端末40、ユーザ端末50および言語モデルサーバ60がそれぞれ通信可能に接続されている。このような情報処理システム1の各構成要素について以下に説明する。
【0022】
オペレータ端末40は、管理サーバ10の管理を行う管理会社のオフィス等に設置されているパーソナルコンピュータ等を含み、この管理会社の社員であるオペレータがオペレータ端末40を操作することにより管理サーバ10に対して情報の送受信を行うようになっている。具体的には、オペレータがオペレータ端末40を操作することにより書類の各項目の情報(例えば、請求書の請求日、明細、金額、支払期限日等の情報)を入力するようになっている。
【0023】
ユーザ端末50は、本実施の形態に係るサービスを享受したい企業に設置されているパーソナルコンピュータ等を含み、この企業の社員が操作するようになっている。ここで、本実施の形態に係るサービスとして、例えば、ユーザ端末50が設置されている企業における国税関係帳簿書類等の業務に関する書類の処理を、管理サーバ10の管理を行う管理会社に代行させる処理が含まれるが、このような処理に限定されることはない。
【0024】
言語モデルサーバ60は、複数のクライアント(本実施の形態では管理サーバ10)からのリクエストに対して、例えばOpenAIにより高速で返答を生成することができるように設計されたサーバである。言語モデルサーバ60は、大規模な自然言語処理タスクに対して使用され、例えば、機械翻訳、文章生成、文書分類、質問応答等を自動で行う。
【0025】
言語モデルサーバ60は、概して、ニューラルネットワークをベースとしたモデルを使用している。このモデルは、膨大な量のデータを学習し、その後、新しい入力に対して予測を行う。言語モデルサーバ60は、モデルをホストし、リクエストに応じてモデルを呼び出し、結果を返す。言語モデルサーバ60は、分散処理を行うことができるため、複数のリクエストに同時に応答することができる。これにより、高いスループットと低いレイテンシーを実現することができる。また、一度学習したモデルを再利用することができるようになっている。本実施の形態の言語モデルサーバ60は、管理サーバ10から書類のテキストについて質問テキストに回答することを求める旨の質問情報を受け付けると、演算処理を行うことにより質問情報に対する回答情報を取得する。そして、取得された回答情報は言語モデルサーバ60から管理サーバ10に送信されるようになっている。
【0026】
また、言語モデルサーバ60として、OpenAIにより高速で返答を生成することができるように設計されたサーバ以外にも、大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)等、様々な言語モデルを利用することができる。
【0027】
管理サーバ10は、制御部20と、記憶部36と、通信部38とを備えている。制御部20は、例えばCPU(中央演算処理装置)等であり、記憶部36に記憶されているプログラムを実行することにより受付手段22、抽出手段24、区分規定手段26、送信手段28、情報保存手段30および報知手段32として機能する。
【0028】
受付手段22は、経費または購買のデータを外部装置(具体的には、ユーザ端末50)から受け付ける。抽出手段24は、受付手段22が経費または購買のデータの情報を受け付けると、受付手段22が受け付けた経費または購買のデータから経費または購買の分類分けの区分の情報を抽出する。区分規定手段26は、経費または購買の分類分けの区分を規定する。この場合、区分規定手段26は、経費または購買の分類分けの区分を規定する際に、区分に稟議情報を関連付けてもよい。
【0029】
送信手段28は、受付手段22が受け付けた経費または購買のデータを、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けすることを求める旨の質問情報を言語モデルサーバ60に送信する。また、送信手段28は、受付手段22が経費または購買のデータの情報を受け付けると、受付手段22が受け付けた経費または購買のデータを分類分けすべき経費または購買の区分の情報を入力する旨の指令をオペレータ端末40に送信する。情報保存手段30は、言語モデルサーバ60から送信された、質問情報に対する回答情報に基づいて、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを記憶部36に保存させる。報知手段32は、言語モデルサーバ60から送信された、質問情報に対する回答情報において経費または購買のどの区分にも分類分けすることができない経費または購買のデータが存在する旨の情報が含まれる場合には、経費または購買のデータの情報の送信元の端末(具体的には、ユーザ端末50)に、経費または購買のどの区分にも分類分けすることができない経費または購買のデータが存在する旨の情報を送信する。各手段22、24、26、28、30、32の機能の詳細については後述する。
【0030】
ここで、経費の分類分けの区分は、経費の種類、経費の申請を行う担当者の識別情報、経費に関連するプロジェクトの識別情報、経費に関連する日付のうち少なくともいずれかのものを含む。また、経費が交通費の経費である場合は、経費の分類分けの区分は、訪問場所の情報、出張者の識別情報、出張に関連するプロジェクトの識別情報、出張に関連する日付のうち少なくともいずれかのものを含む。また、購買の分類分けの区分は、購買される物品またはサービスの種類、購買を行う担当者の識別情報、購買に関連するプロジェクトの識別情報、購買に関連する日付のうち少なくともいずれかのものを含む。
【0031】
なお、制御部20により実行されるプログラムは記憶部36に記憶されたものであることに限定されることはない。制御部20により実行されるプログラムとして、外部装置から通信部38を介して制御部20に送信されるものや、管理サーバ10に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に記憶されているもの、管理サーバ10とは別のサーバ(例えば、クラウドサーバ)等に記憶されているもの等が用いられてもよい。
【0032】
記憶部36は例えばHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびSSD(Solid State Drive)などで構成され、様々な情報が記憶部36に記憶されるようになっている。
【0033】
通信部38は、制御部20を外部装置(例えば、オペレータ端末40、ユーザ端末50、言語モデルサーバ60等)と通信可能に接続するものである。制御部20は通信部38を介して外部装置に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。
【0034】
次に、このような情報処理システム1による情報処理方法について図2および図3を用いて説明する。図2は、図1に示す情報処理システム1において所定の情報処理が行われるときの各構成要素間での情報の流れを示すチャートであり、図3は、図1に示す情報処理システム1において所定の情報処理が行われるときの動作を示すフローチャートである。なお、以下に示す情報処理は制御部20が記憶部36に記憶されているプログラムを実行することにより行われる。
【0035】
最初に、ユーザ端末50を操作する企業の社員等は、ユーザ端末50により経費または購買のデータを入力する。ユーザ端末50により入力された経費または購買のデータは、ユーザ端末50から管理サーバ10に送信される。このことにより、受付手段22は、経費または購買のデータを受け付ける(図3のステップS1)。この際に、ユーザ端末50を操作する企業の社員等は、ユーザ端末50により経費または購買の分類分けの区分に関する情報も入力してもよい。この場合、ユーザ端末50により入力された経費または購買の分類分けの区分に関する情報は、ユーザ端末50から管理サーバ10に送信される。このことにより、受付手段22は、経費または購買の分類分けの区分に関する情報を受け付ける。
【0036】
次に、区分規定手段26は、経費または購買の分類分けの区分を規定する(図3のステップS2)。この際に、区分規定手段26は、経費または購買の分類分けの区分を規定する際に、区分に稟議情報を関連付ける。
【0037】
具体的には、受付手段22が経費または購買の分類分けの区分に関する情報を受け付けている場合は、区分規定手段26は、受付手段22が受け付けた情報に基づいて経費または購買の分類分けの区分を規定する。
【0038】
また、他の態様として、受付手段22が経費または購買のデータの情報を受け付けると、抽出手段24は、受付手段22が受け付けた経費または購買のデータから経費または購買の分類分けの区分の情報を抽出してもよい。例えば、ユーザ端末50により、以下の情報が入力された場合は、抽出手段24は、経費の分類分けの区分として「出張イベント」を抽出する。
「申請済の出張申請は以下の通りです。
タイトル:大阪出張、期間:1/20~1/25
タイトル:金沢出張、期間:1/29~1/30
経費は以下の通りです。
日付:1/20、支払先:東京タワー入場
日付:1/20、支払先:東京~大阪 新幹線
日付:1/20、支払先:ホテル
日付:1/30、支払先:ホテル」
この場合、区分規定手段26は、抽出手段24により抽出された経費または購買の分類分けの区分に関する情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を「出張イベント」として規定する。
【0039】
なお、経費または購買の分類分けの区分は、「出張イベント」に限定されることはなく、「出張場所」「出張日付」等であってもよい。複数の分類分けの区分が抽出手段24により抽出された場合は、抽出手段24により抽出された複数の分類分けの区分の候補がユーザ端末50に送信され、ユーザ端末50により複数の分類分けの区分の中から1つの分類分けの区分を選択することができるようになっていてもよい。
【0040】
また、更に他の態様として、送信手段28は、受付手段22が経費または購買のデータの情報を受け付けると、受付手段22が受け付けた経費または購買のデータを分類分けすべき経費または購買の区分の情報を求める旨の質問情報を言語モデルサーバ60に送信する。具体的には、例えば、ユーザ端末50により、以下の情報が入力された場合は、送信手段28は、経費のデータを分類分けすべき区分の情報を求める旨の第1質問情報を言語モデルサーバ60に送信する。
「申請済の出張申請は以下の通りです。
タイトル:大阪出張、期間:1/20~1/25
タイトル:金沢出張、期間:1/29~1/30
経費は以下の通りです。
日付:1/20、支払先:東京タワー入場
日付:1/20、支払先:東京~大阪 新幹線
日付:1/20、支払先:ホテル
日付:1/30、支払先:ホテル」
この場合、言語モデルサーバ60により、経費のデータを分類分けすべき区分として「出張イベント」が演算され、この演算された情報が第1回答情報として言語モデルサーバ60から管理サーバ10に送信される。区分規定手段26は、言語モデルサーバ60から送信された、第1質問情報に対する第1回答情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を「出張イベント」として規定する。なお、言語モデルサーバ60により複数の分類分けの区分が出力された場合は、言語モデルサーバ60により出力された複数の分類分けの区分の候補がユーザ端末50に送信され、ユーザ端末50により複数の分類分けの区分の中から1つの分類分けの区分を選択することができるようになっていてもよい。
【0041】
また、更に他の態様として、送信手段28は、受付手段22が経費または購買のデータの情報を受け付けると、受付手段22が受け付けた経費または購買のデータを分類分けすべき経費または購買の区分の情報を入力する旨の指令をオペレータ端末40に送信する。具体的には、例えば、ユーザ端末50により、以下の情報が入力された場合は、送信手段28は、経費のデータを分類分けすべき区分の情報を入力する旨の指令をオペレータ端末40に送信する。
「申請済の出張申請は以下の通りです。
タイトル:大阪出張、期間:1/20~1/25
タイトル:金沢出張、期間:1/29~1/30
経費は以下の通りです。
日付:1/20、支払先:東京タワー入場
日付:1/20、支払先:東京~大阪 新幹線
日付:1/20、支払先:ホテル
日付:1/30、支払先:ホテル」
この場合、オペレータ端末40により、経費のデータを分類分けすべき区分として「出張イベント」が入力されると、この入力された情報がオペレータ端末40から管理サーバ10に送信される。区分規定手段26は、オペレータ端末40から送信された入力情報に基づいて、経費または購買の分類分けの区分を「出張イベント」として規定する。
【0042】
また、区分規定手段26は、経費または購買の分類分けの区分を規定する際に、区分に稟議情報を関連付けてもよい。この場合は、経費または購買のデータが稟議情報に関連された状態で記憶部36に保存されるようになる。
【0043】
次に、送信手段28は、受付手段22が受け付けた経費または購買のデータを、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けすることを求める旨の第2質問情報を言語モデルサーバ60に送信する(図3のステップS3)。具体的には、区分規定手段26により、経費または購買の分類分けの区分として「出張イベント」が規定された場合は、以下のような第2質問情報が管理サーバ10から言語モデルサーバ60に送信される。
「申請済の出張申請は以下の通りです。
タイトル:大阪出張、期間:1/20~1/25
タイトル:金沢出張、期間:1/29~1/30
経費は以下の通りです。
日付:1/20、支払先:東京タワー入場
日付:1/20、支払先:東京~大阪 新幹線
日付:1/20、支払先:ホテル
日付:1/30、支払先:ホテル
出張イベント毎に経費を分類してください。」
【0044】
言語モデルサーバ60は、管理サーバ10から送信された第2質問情報に対応する第2回答情報の演算処理を行う。言語モデルサーバ60により取得された第2回答情報は言語モデルサーバ60から管理サーバ10に送信される。具体的には、上述した第2質問情報が言語モデルサーバ60に送信された場合は、言語モデルサーバ60は下記の第2回答情報を演算する。
「以下に、出張毎に経費を分類しました。
大阪出張(1/20~1/25)
・日付:1/20、支払先:東京~大阪 新幹線
・日付:1/20、支払先:ホテル
金沢出張(1/29~1/30)
・日付:1/30、支払先:ホテル
注意:「日付:1/20、支払先:東京タワー入場」はどちらの出張にも関連しないため、分類していません。もし出張関連の経費であれば、詳細をお知らせください。」
【0045】
情報保存手段30は、言語モデルサーバ60から送信された、質問情報に対する回答情報に基づいて、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを記憶部36に保存させる(図3のステップS4)。具体的には、受付手段22が上記の第2回答情報を受け付けた場合は、情報保存手段30は、出張イベントとして大阪出張、金沢出張に分類分けされた状態で、経費のデータを記憶部36に記憶させる。また、情報保存手段30は、言語モデルサーバ60から送信された、質問情報に対する回答情報に基づいて、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを稟議情報に関連付けした状態で記憶部36に保存させる。
【0046】
言語モデルサーバ60から送信された、第2質問情報に対する第2回答情報において経費または購買のどの区分にも分類分けすることができない経費または購買のデータが存在する旨の情報が含まれる場合には、報知手段32は、経費または購買のデータの情報の送信元の端末であるユーザ端末50に、経費または購買のどの区分にも分類分けすることができない経費または購買のデータが存在する旨の情報を送信する(図3のステップS5)。具体的には、受付手段22が上記の第2回等情報を受け付けた場合は、:「日付:1/20、支払先:東京タワー入場」の経費のデータは、経費のどの区分(出張イベント)にも分類分けすることができないため、報知手段32は、この経費のデータをどの区分にも分類分けすることができない旨の情報を送信する。
【0047】
以上のような構成からなる本実施の形態のプログラム、コンピュータ(管理サーバ10)および情報処理方法によれば、経費または購買のデータを、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けすることを求める旨の質問情報を言語モデルサーバ60に送信し、情報保存手段30は、言語モデルサーバ60から送信された、質問情報に対する回答情報に基づいて、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータを記憶部36に保存させる。このような情報処理を行うことにより、経費または購買のデータを効率よく所定の区分毎に分類分けして保存することができるようになる。
【0048】
なお、本実施の形態はこのような態様に限定されることはない。例えば、経費または購買の分類分けの区分を規定する方法として、上述した方法以外の方法が用いられてもよい。例えば、同じ業務または取引と、およそ識別できる情報とを元に経費または購買の分類分けの区分を規定してもよい。また、区分規定手段26により分類分けの区分が規定された後、規定された分類分けの区分の情報がユーザ端末50に送信されることにより、ユーザ端末50によって承認が行われた場合にのみ区分規定手段26により分類分けの区分が言語モデルサーバ60に送信されるようになっていてもよい。
【0049】
また、出張が行われた後に、ユーザ端末50によって経費の情報が事後的に入力された場合でも、経費側をベースに出張申請が作成されるようになっていてもよい。
【0050】
また、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータが記憶部36に保存される際に、支出データに紐付けられるようになっていてもよい。この際に、請求書払いだったものも関連付けられるようになっていてもよい。また、区分規定手段26により規定された区分毎に分類分けされた状態で経費または購買のデータが記憶部36に保存される際に、関連付けられる複数の稟議の候補がユーザ端末50に表示され、ユーザ端末50により複数の稟議の候補の中からある一つの稟議が選択されると、選択された稟議が関連付けられるようになっていてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 情報処理システム
10 管理サーバ
20 制御部
22 受付手段
24 抽出手段
26 区分規定手段
28 送信手段
30 情報保存手段
32 報知手段
36 記憶部
38 通信部
40 オペレータ端末
50 ユーザ端末
60 言語モデルサーバ
図1
図2
図3