(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151830
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】飲料製造装置
(51)【国際特許分類】
A47J 43/044 20060101AFI20241018BHJP
A47J 43/07 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A47J43/044
A47J43/07
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065564
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100172362
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達哉
(72)【発明者】
【氏名】田之上 健太
【テーマコード(参考)】
4B053
【Fターム(参考)】
4B053AA01
4B053BA14
4B053BB01
4B053BE05
4B053BE12
4B053BL12
4B053BL20
(57)【要約】
【課題】容器の開口に配置された蓋の有無の誤検知を抑制することが可能な飲料製造装置を提供する。
【解決手段】この飲料製造装置100は、容器Cが載置される容器載置部1と、容器載置部1に載置された容器C内の飲料原料を撹拌するか、または、容器載置部1に載置された容器C内に飲料を供給する飲料製造部80と、容器載置部1に載置された容器Cの開口を塞ぐための蓋90の有無を検知するための接触式の検知部10と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器が載置される容器載置部と、
前記容器載置部に載置された前記容器内の飲料原料を撹拌するか、または、前記容器載置部に載置された前記容器内に飲料を供給する飲料製造部と、
前記容器載置部に載置された前記容器の開口を塞ぐための蓋の有無を検知するための接触式の検知部と、を備える、飲料製造装置。
【請求項2】
前記検知部を上下方向に移動させる移動機構と、
前記移動機構を制御する制御部と、をさらに備え、
前記検知部は、前記移動機構により前記容器載置部に載置された前記容器に向かって下降されて、前記容器の前記開口に配置された前記蓋の有無を接触式により検知する、請求項1に記載の飲料製造装置。
【請求項3】
前記検知部は、押圧される押圧スイッチ部を含み、前記移動機構により下降されながら前記容器の前記開口に配置された前記蓋により前記押圧スイッチ部が押圧されることにより、前記蓋を検知するように構成されている、請求項2に記載の飲料製造装置。
【請求項4】
前記容器の前記開口に前記蓋が配置されている場合、前記制御部は、前記検知部により前記蓋との接触が検知されたことに基づいて、前記移動機構による前記検知部の下降を停止するとともに、前記飲料製造部による製造動作の開始を中止する、請求項2に記載の飲料製造装置。
【請求項5】
前記移動機構は、前記検知部を上下方向に移動させる駆動部を含み、
前記制御部は、前記検知部による検知結果と、前記検知部において接触が検知された時点の前記移動機構の前記駆動部における駆動量とに基づいて、蓋の有無を検出する制御を行う、請求項2に記載の飲料製造装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記駆動部における駆動量として予め設定された設定駆動量に達する前に前記検知部による前記検知結果を取得した場合に、前記移動機構による前記検知部の下降を停止するとともに、前記飲料製造部による製造動作の開始を中止する、請求項5に記載の飲料製造装置。
【請求項7】
前記検知部は、回動軸周りに回動可能に設けられ、
前記容器の前記開口に前記蓋が配置されていない場合、前記押圧スイッチ部は、前記移動機構により下降されながら、前記容器の開口面の内側から前記容器の開口面の外側まで回動されるとともに、前記制御部により前記飲料製造部による製造動作が開始される、請求項3に記載の飲料製造装置。
【請求項8】
前記容器の前記開口に前記蓋が配置されていない場合、前記押圧スイッチ部は、前記移動機構により下降されながら上方に回動されるとともに前記容器の側面を接触により検知する、請求項7に記載の飲料製造装置。
【請求項9】
前記容器の開口面の内側から前記容器の開口面の外側への回動方向と逆方向に前記押圧スイッチ部を回動させるように付勢する付勢部をさらに備える、請求項7に記載の飲料製造装置。
【請求項10】
前記飲料製造部は、前記容器内の前記飲料原料を撹拌する撹拌部と、前記検知部が設けられるとともに、前記撹拌部によって前記飲料原料を撹拌する際に前記容器の前記開口を覆うカバー部とを含み、
前記移動機構は、前記検知部が設けられた前記カバー部と、前記撹拌部とを上下方向に移動させるように構成されている、請求項3に記載の飲料製造装置。
【請求項11】
前記移動機構により前記カバー部が前記容器載置部に載置された前記容器に向かって下降される前の状態において、前記押圧スイッチ部は、平面視において、前記カバー部と重なる位置に配置されている、請求項10に記載の飲料製造装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記蓋が前記容器の前記開口にある場合に、前記移動機構による前記カバー部および前記撹拌部の下降を停止させる制御を行うように構成されている、請求項10に記載の飲料製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料製造装置に関し、特に、容器が載置される容器載置部と、容器の開口を塞ぐための蓋の有無を検知するための検知部とを備える飲料製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器が載置される容器載置部と、容器の開口を塞ぐための蓋の有無を検知するための検知部とを備える飲料製造装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、容器載置部と、包装検知部(検知部)とを備える飲料製造装置が開示されている。上記特許文献1には、容器載置部は、容器を保持することが開示されている。容器には、上部を覆う包装材(蓋)が設けられている。包装材を開封することにより、容器の上部が開放される。利用者は、容器内に飲料用原料が収容された状態で、包装材を取り外した容器を容器載置部に設置する。また、上記特許文献1には、包装検知部は、飲料用原料が撹拌される調理空間内に配置された容器の上部を覆う包装材を検知することが開示されている。上記特許文献1には、包装検知部は光学式のセンサであることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には開示されていないが、容器の上部を覆う包装材(蓋)を非接触式の光学式センサにより検知する場合、光学式センサが太陽光や室内蛍光灯などの外乱光を検知することに起因して、包装材の有無を誤検知する可能性がある。また、上記特許文献1には開示されていないが、容器の上部を覆う包装材(蓋)を非接触式の光学式センサや超音波式センサにより検知する場合、包装材の弛みや膨らみなどに起因して包装材の上面において反射した光や超音波を検知できないことにより、包装材の有無を誤検知する可能性がある。そのため、容器の開口に配置された蓋の有無の誤検知を抑制することが可能な飲料製造装置が望まれている。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、容器の開口に配置された蓋の有無の誤検知を抑制することが可能な飲料製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による飲料製造装置は、容器が載置される容器載置部と、容器載置部に載置された容器内の飲料原料を撹拌するか、または、容器載置部に載置された容器内に飲料を供給する飲料製造部と、容器載置部に載置された容器の開口を塞ぐための蓋の有無を検知するための接触式の検知部と、を備える。
【0008】
この発明の一の局面による飲料製造装置では、上記のように、容器載置部に載置された容器の開口を塞ぐための蓋の有無を検知するための接触式の検知部を備える。ここで、蓋の有無を非接触式の検知部により検知する場合、非接触式の検知部が外乱光を検知することや、包装材の弛みや膨らみなどに起因して包装材の上面において反射した光や超音波を検知できないことなどにより、包装材の有無を誤検知する可能性がある。本発明の一の局面による飲料製造装置では、蓋の有無を検知するための接触式の検知部を備えることにより、蓋の有無が、接触式の検知部により検知される。そのため、非接触式の検知部により蓋の有無を検知する場合と比べて、容器の開口に配置された蓋の有無の誤検知を抑制することができる。
【0009】
上記一の局面による飲料製造装置において、好ましくは、検知部を上下方向に移動させる移動機構と、移動機構を制御する制御部と、をさらに備え、検知部は、移動機構により容器載置部に載置された容器に向かって下降されて、容器の開口に配置された蓋の有無を接触式により検知する。このように構成すれば、移動機構により容器載置部に載置された容器に向かって検知部が下降されることにより、蓋の有無が接触式により検知される。そのため、容器を移動させることなく容器の開口に配置された蓋の有無を検知することができるとともに、検知部が外乱光の影響や蓋の弛みなどの影響を受けることなく容器の開口に配置された蓋を確実に検知することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、検知部は、押圧される押圧スイッチ部を含み、移動機構により下降されながら容器の開口に配置された蓋により押圧スイッチ部が押圧されることにより、蓋を検知するように構成されている。このように構成すれば、容器の開口に蓋が配置されている場合、蓋により押圧スイッチ部が押圧される。そのため、容器の開口に配置された蓋をより確実に検知することができる。
【0011】
上記検知部が移動機構により容器載置部に載置された容器に向かって下降されて蓋の有無を検知する構成において、好ましくは、容器の開口に蓋が配置されている場合、制御部は、検知部により蓋との接触が検知されたことに基づいて、移動機構による検知部の下降を停止するとともに、飲料製造部による製造動作の開始を中止する。このように構成すれば、容器の開口に蓋が配置されている場合に、移動機構による検知部の下降を速やかに停止させることができるとともに、飲料製造部による製造動作の開始を速やかに中止させることができる。そのため、検知部が蓋を突き抜けることに起因する検知部の破損、および、蓋を突き抜けた検知部が容器内にある状態において飲料製造部による製造動作が開始されることに起因する検知部の破損を抑制することができる。
【0012】
上記検知部が移動機構により容器載置部に載置された容器に向かって下降されて蓋の有無を検知する構成において、好ましくは、移動機構は、検知部を上下方向に移動させる駆動部を含み、制御部は、検知部による検知結果と、検知部において接触が検知された時点の移動機構の駆動部における駆動量とに基づいて、蓋の有無を検出する制御を行う。このように構成すれば、検知部による検知結果と、検知部において接触が検知された時点の移動機構の駆動部における駆動量とに基づいて蓋の有無の検出が行われるため、駆動部の駆動量に基づいて蓋の有無の検知を精度良く行うことができる。そのため、容器の開口に配置された蓋の有無の誤検知をより抑制することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、制御部は、駆動部における駆動量として予め設定された設定駆動量に達する前に検知部による検知結果を取得した場合に、移動機構による検知部の下降を停止するとともに、飲料製造部による製造動作の開始を中止する。このように構成すれば、容器の開口に蓋が配置されている場合に、設定駆動量に達する前に検知部により検知された検知物を蓋として検出することができる。そのため、容器の開口に配置された蓋をより確実に検知することができる。
【0014】
上記検知部が押圧される押圧スイッチ部を含み、蓋により押圧スイッチ部が押圧されることにより蓋を検知する構成において、好ましくは、検知部は、回動軸周りに回動可能に設けられ、容器の開口に蓋が配置されていない場合、検知部は、移動機構により下降されながら、容器の開口面の内側から容器の開口面の外側まで回動されるとともに、飲料製造部による製造動作が開始される。このように構成すれば、容器の開口に蓋が配置されていない場合に、検知部を容器の開口面の外側まで退避させることができる。そのため、飲料製造時において、たとえば、検知部と、飲料原料を撹拌する飲料製造部との干渉を防止することができる。
【0015】
この場合、好ましくは、容器の開口に蓋が配置されていない場合、押圧スイッチ部は、移動機構により下降されながら上方に回動されるとともに容器の側面を接触により検知する。このように構成すれば、押圧スイッチ部による容器の側面の検知に基づいて、制御部は、飲料製造部による製造動作を開始することができる。そのため、制御部は、検出部が容器内部に配置されていない状態において、飲料製造部による製造動作を開始することができる。
【0016】
上記押圧スイッチ部が移動機構により下降されながら容器の開口面の内側から容器の開口面の外側まで回動される構成において、好ましくは、容器の開口面の内側から容器の開口面の外側への回動方向と逆方向に押圧スイッチ部を回動させるように付勢する付勢部をさらに備える。このように構成すれば、飲料製造部による製造動作の終了後に、押圧スイッチ部を移動機構による下降前の位置に配置させるために上記回動方向と逆方向に回動させる駆動源を別途設けなくて良いため、部品点数の増加を抑制することができるとともに構造の複雑化を抑制することができる。
【0017】
上記検知部が押圧される押圧スイッチ部を含み、蓋により押圧スイッチ部が押圧されることにより蓋を検知する構成において、好ましくは、飲料製造部は、容器内の飲料原料を撹拌する撹拌部と、検知部が設けられるとともに、撹拌部によって飲料原料を撹拌する際に容器の開口を覆うカバー部とを含み、移動機構は、検知部が設けられたカバー部と、撹拌部とを上下方向に移動させるように構成されている。このように構成すれば、移動機構により検出部をカバー部および撹拌部と一体的に上下方向に移動させることができる。そのため、検出部を移動させる移動機構と、カバー部を移動させる移動機構と、撹拌部を移動させる移動機構とを各々設ける場合と比べて、部品点数の増加を抑制することができるとともに構造の複雑化を抑制することができる。
【0018】
この場合、好ましくは、移動機構によりカバー部が容器載置部に載置された容器に向かって下降される前の状態において、押圧スイッチ部は、平面視において、カバー部と重なる位置に配置されている。このように構成すれば、平面視において、容器の開口に配置された蓋と重なる位置に押圧スイッチ部を配置することができる。そのため、容器の開口に配置された蓋をより確実に検知することができる。
【0019】
上記移動機構が、検知部が設けられたカバー部と撹拌部とを上下方向に移動させる構成において、好ましくは、制御部は、蓋が容器の開口にある場合に、移動機構によるカバー部および撹拌部の下降を停止させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、撹拌部による蓋粉砕に起因する容器への異物混入を防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、容器の開口に配置された蓋の有無の誤検知を抑制することが可能な飲料製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態による飲料製造装置を正面側から見た斜視図である。
【
図3】一実施形態による飲料製造装置の制御的な構成を示すブロック図である。
【
図4】一実施形態による飲料製造装置の表示部による通知の例を示した図である。
【
図5】一実施形態による検知部および支持部の正面図である。
【
図6】一実施形態による検知部および支持部の斜視図である。
【
図7】一実施形態による検知部および支持部の分解斜視図である。
【
図8】容器に蓋が配置されている場合の検知部の動作を説明するための模式図である。
【
図9】容器に蓋が配置されていない場合の検知部の動作を説明するための模式図である。
【
図10】容器に蓋が配置されている場合の検知部の検知に基づく制御部による処理を説明するための模式図である。
【
図11】容器に蓋が配置されていない場合の検知部の検知に基づく制御部による処理を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1~
図11を参照して、本発明の一実施形態による飲料製造装置100の構成について説明する。
【0024】
(飲料製造装置の構成)
図1に示すように、飲料製造装置100は、容器C内の飲料原料(たとえば、野菜や果物など)を撹拌して飲料(スムージなど)を製造する装置である。
【0025】
飲料製造装置100は、たとえば、コンビニエンスストアなどの店舗に設置され、店舗の顧客などの利用者により利用される。飲料原料は、冷凍されており、飲料原料を収容した容器Cは、冷凍庫内に保存される。また、容器Cは、容器Cの上部に形成された開口を塞ぐための蓋90(
図8参照)が設けられている。蓋90を開封することにより、容器Cの上部が開放される。利用者は、容器C内に飲料原料が収容された状態で、蓋90を取り外した容器Cを飲料製造装置100に設置し、飲料製造開始操作を行う。飲料製造開始操作が行われると、飲料製造装置100は、容器C内の飲料原料を撹拌し、粉砕して飲料を製造する。ここで、飲料製造装置100において、利用者が位置する側を前側(Y1側)とし、その反対側を後側(Y2側)とし、前後方向をY方向とする。また、水平方向において前後方向と直交する方向を左右方向(X方向)とし、前後方向および左右方向に直交する方向を上下方向(Z方向)とする。
【0026】
図2に示すように、飲料製造装置100は、容器載置部1と、飲料製造部80と、蓋検知部10と、移動機構7と、表示パネル5と、扉部6と、制御部4(
図3参照)とを備えている。飲料製造部80は、撹拌部2と、カバー部3とを含んでいる。また、飲料製造装置100の筐体100a内には、飲料を製造(調理)するための空間である調理空間Sが設けられている。調理空間Sは、
図2において破線で示すように、筐体100aのうち、撹拌部2が移動する方向(Z方向)に沿った領域である。なお、蓋検知部10は、特許請求の範囲の「検知部」の一例である。
【0027】
容器載置部1は、飲料原料が入った容器Cが載置されるように構成されている。容器載置部1は、容器Cを保持する。容器Cは、容器載置部に形成されたホルダ9により保持される。容器載置部1は、トレイ8に設けられている。トレイ8は、Y方向に移動可能に構成されている。トレイ8は、容器Cを保持して容器Cを撹拌位置M(作業位置W)に移動させる。具体的には、飲料製造装置100は、トレイ8を前後方向(Y方向)に移動させるトレイ駆動部8aを備えている。トレイ駆動部8aは、作業位置W(後方位置)と載置取出位置R(前方位置)とに容器載置部1を移動可能に構成されている。作業位置Wは、調理空間S内で撹拌部2の刃部22の直下に容器載置部1が配置された位置である。載置取出位置Rは、容器載置部1が扉部6の内側に配置された位置である。
【0028】
撹拌部2は、調理空間S内において、容器載置部1に載置された容器C内の飲料原料を撹拌するように構成されている。具体的には、撹拌部2は、回転軸部21と、刃部22と、撹拌部回転駆動部23とを含んでいる。
【0029】
回転軸部21は、上下方向(Z方向)に沿って延びる回転軸線Rc周りに回転される。具体的には、回転軸部21は、制御部4が撹拌部回転駆動部23を制御することにより、回転軸線Rc回りに回転される。
【0030】
刃部22は、回転軸部21の下部の先端(Z2方向側の端部)に設けられる。刃部22は、回転軸部21の回転に伴って回転する。刃部22は、撹拌部回転駆動部23によって回転駆動されることにより、回転軸線Rc回りに回転されるように構成されている。
【0031】
撹拌部回転駆動部23は、制御部4によって制御させることにより、刃部22を回転させるように構成されている。撹拌部回転駆動部23は、たとえば、モータである。制御部4は、容器C内の飲料原料を刃部22によって撹拌することにより飲料原料を調理し飲料を製造する。
【0032】
カバー部3は、撹拌部2によって飲料原料を撹拌する際に、容器Cの上部開口を覆うように構成されている。また、カバー部3は、開口部を含み、筒状形状を有している。カバー部3は、樹脂材料によって形成されている。カバー部3には、蓋検知部10が設けられている。
【0033】
蓋検知部10は、容器載置部1に載置された容器Cの開口を塞ぐための蓋90の有無を接触式により検知するように構成されている。蓋検知部10は、移動機構7により、カバー部3とともに容器載置部1に載置された容器Cに向かって下降されて、容器Cの開口に配置された蓋90の有無を接触式により検知する。蓋検知部10は、押圧される押圧スイッチ部12を含む。蓋検知部10は、容器Cの開口に配置された蓋90により押圧スイッチ部12が押圧されることにより、蓋90を検知する。蓋検知部10は、蓋検知部10を支持する支持部30を介してカバー部3に設けられている。蓋検知部10は、利用者から見てカバー部3の右方向(X2方向(
図5参照))に設けられている。蓋検知部10の詳細は、後述する。
【0034】
移動機構7は、撹拌部2と、蓋検知部10が設けられたカバー部3とを、上下方向(Z方向)に移動可能なように構成されている。移動機構7は、制御部4の制御により、撹拌部2の刃部22を、容器C内まで下降された撹拌位置M(下降位置)と、容器C外まで上昇された退避位置E(上昇位置)との間において上下方向に移動させるように構成されている。また、移動機構7は、制御部4の制御により、カバー部3を、容器Cの開口まで下降されたカバー位置N(下降位置)と、容器C外まで上昇された退避位置F(上昇位置)との間において上下方向に移動させるように構成されている。
【0035】
移動機構7は、上下移動駆動部71と、駆動量検出部72とを含む。上下移動駆動部71は、撹拌部2と、蓋検知部10が設けられたカバー部3とを、上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。上下移動駆動部71は、たとえば、モータやアクチュエータなどを含んで構成されている。駆動量検出部72は、伝達部材の回転に基づいて上下移動駆動部71の駆動量を検出する。駆動量検出部72は、たとえばエンコーダである。制御部4は、駆動量検出部72により検出された上下移動駆動部71の駆動量に基づいて、カバー部3および撹拌部2の上下方向における移動量を取得するように構成されている。なお、上下移動駆動部71は、特許請求の範囲の「駆動部」の一例である。
【0036】
表示パネル5は、利用者が操作を行うため、および、飲料製造装置100の状態を示すためのタッチパネルである。表示パネル5は、
図3に示すように、表示部50と、入力受付部51とを含む。
【0037】
表示部50は、利用者に対して報知を行うように構成されている。また、表示部50は、飲料製造に関する情報を表示するように構成されている。また、表示部50は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどの薄型ディスプレイを含んでいる。
【0038】
入力受付部51は、利用者によるタッチ操作を受け付け可能に構成されている。入力受付部51は、表示部50のディスプレイに設けられている。入力受付部51は、表示部50において表示されるメニューボタン(図示せず)に対するタッチ操作を受け付ける。入力受付部51は、利用者により行われたタッチ操作に基づく信号を制御部4に出力する。メニューボタンは、利用者が飲料のメニューを選択し、飲料製造開始操作を行うためのボタンである。
【0039】
図2に示すように、扉部6は、調理空間Sと外部とを区画する扉であり、飲料製造装置100の前面側(Y1方向側)に設けられている。また、扉部6は、調理空間S内を視認可能な材質により構成されている。なお、
図2では、扉部6が閉位置に位置した状態を図示している。
【0040】
飲料製造装置100は、扉部6が閉位置に位置することを検知するための扉閉検知センサ61を備えている。扉閉検知センサ61は、たとえば、光学式のセンサである。扉閉検知センサ61によって扉部6が検知される位置が、閉位置である。
【0041】
飲料製造装置100は、扉部6を閉状態に維持する扉部ロック機構62を備えている。扉部ロック機構62は、たとえば、電磁ロックである。扉部ロック機構62は、扉部6をロックする状態と、扉部6のロックを解除する状態とを切り替え可能に構成されている。制御部4は、扉部ロック機構62を制御することにより、扉部6を閉状態に維持する状態と、扉部6を開放可能な状態とに切り替える。
【0042】
飲料製造装置100は、トレイ8が載置取出位置Rに位置することを検知するための載置取出位置検知センサRSと、トレイ8が作業位置Wに位置することを検知するための作業位置検知センサWSとを備えている。載置取出位置検知センサRSおよび作業位置検知センサWSは、たとえば、マイクロスイッチである。トレイ8は、載置取出位置検知センサRSが検知する位置(載置取出位置R)まで、トレイ駆動部8aにより前方向(Y1方向)に移動される。また、トレイ8は、作業位置検知センサWSが検知する位置(作業位置W)まで、トレイ駆動部8aにより後方向(Y2方向)に移動される。
【0043】
飲料製造装置100は、容器載置部1に容器Cが載置されているか否かを検知するための容器C検知センサMSを備えている。容器C検知センサMSによって容器載置部1に容器Cが載置されたことが検知された場合、容器載置部1が作業位置Wに移動される。容器Cが容器載置部1に載置されていない場合は、容器載置部1の作業位置Wへの移動は行われない。容器C検知センサMSは、たとえば、光学式のセンサである。
【0044】
図3に示すように、制御部4は、各センサの検知結果や、各ボタンの操作結果などに基づいて、飲料製造装置100の各部を制御するように構成されている。制御部4は、飲料製造装置100の作業を制御する制御回路として機能する。
【0045】
制御部4は、CPU41(Central Processing Unit)と、メモリ42とを含んでいる。メモリ42には、容器Cの開口に配置された蓋90の有無を検知する蓋90検知処理を行うプログラムや、容器C内の飲料原料を撹拌(調理)し、調理した後に撹拌部2を洗浄するための処理である調理・洗浄処理を行うプログラムなどの各種プログラムが記憶されている。
【0046】
制御部4は、移動機構7による、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2の上下方向への移動を制御するように構成されている。
【0047】
また、制御部4は、容器Cの開口に蓋90が配置されている場合において、蓋検知部10により蓋90との接触が検知されたことに基づいて、移動機構7による蓋検知部10の下降を停止するとともに、飲料製造部80による製造動作の開始を中止する。すなわち、制御部4は、蓋90が容器Cの開口にある場合に、移動機構7によるカバー部3および撹拌部2の下降を停止するとともに、撹拌部2による撹拌動作の開始を中止する制御を行う。また、制御部4は、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合、飲料製造部80による製造動作を開始させる。すなわち、制御部4は、蓋90が容器Cの開口にない場合に、撹拌部2による撹拌動作を開始する制御を行う。
【0048】
また、制御部4は、蓋検知部10による検知結果と、蓋検知部10において接触が検知された時点の移動機構7の上下移動駆動部71における駆動量とに基づいて、蓋90の有無を検出する制御を行う。具体的には、制御部4は、上下移動駆動部71における駆動量として予め設定された第1設定駆動量A1(
図10参照)に達する前に蓋検知部10による検知結果を取得した場合に、移動機構7による蓋検知部10の下降を停止するとともに、撹拌部2による撹拌動作の開始を中止する。なお、第1設定駆動量A1は、特許請求の範囲の「設定駆動量」の一例である。
【0049】
また、制御部4は、蓋検知部10により蓋90との接触が検知されたことに基づいて、容器Cから蓋90を取り外すことを促す通知を行う制御をするように構成されている。たとえば、
図4に示すように、制御部4は、表示部50に「商品を取り出して開封してください」という通知を表示する制御を行う。
【0050】
(蓋検知部および支持部の構成)
図5~
図7を参照して、蓋検知部10および支持部30の構成を説明する。
【0051】
図5に示すように、カバー部3には、支持部30が設けられている。支持部30には、蓋検知部10が支持されている。
【0052】
支持部30は、第1支持部材31と、第2支持部材32と、第3支持部材33と、第1付勢部34(
図7参照)と、第2付勢部35(
図7参照)とを含む。なお、第2付勢部35は、特許請求の範囲の「付勢部」の一例である。
【0053】
第1支持部材31は、
図6に示すように、一端がカバー部3にねじ留めされて取り付けられている。
図5に示すように、第1支持部材31は、カバー部3から略水平方向に延びるように形成されている。第1支持部材31は、他端側において第1回動軸36が設けられている。第1支持部材31の他端は、第2支持部材32の一端に接続されている。
【0054】
第2支持部材32の一端は、第1支持部材31の他端に接続されている。第2支持部材32は、第1支持部材31の他端から略鉛直方向に延びるように第1支持部材31に形成されている。第2支持部材32は、第1回動軸36周りに回動可能である。これにより、第3支持部材33に取り付けられた蓋検知部10が、容器Cの開口面の内側から容器Cの開口面の外側へ回動(移動)することを補助することができる。また、第2支持部材32と第1支持部材31の接続部分には、第1付勢部34が設けられている。第1付勢部34は、カバー部3から離れる方向に回動した第2支持部材32をカバー部3に近づく方向に回動させるように付勢する。第1付勢部34は、たとえば、トーションばねである。第2支持部材32の他端は、第3支持部材33の一端に接続されている。
【0055】
第3支持部材33の一端は、第2支持部材32の他端に接続されている。移動機構7によりカバー部3が容器載置部1に載置された容器Cに向かって下降される前の下降前状態において、第3支持部材33は、第2支持部材32の他端から略水平方向に延びるように第2支持部材32に形成されている。第3支持部材33は、一端側において第2回動軸37が設けられている。第3支持部材33は、第2回動軸37周りに回動可能である。これにより、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合、
図9(d)に示すように、蓋検知部10に設けられた押圧スイッチ部12は、移動機構7により下降されながら、容器Cの開口面の内側から容器Cの開口面の外側まで回動される。また、第3支持部材33と第2支持部材32の接続部分には、第2付勢部35が設けられている。第2付勢部35は、
図9(g)に示すように、容器Cの開口面の内側から容器Cの開口面の外側への回動方向と逆方向に向かって押圧スイッチ部12を回動させるように付勢する。第2付勢部35は、たとえば、トーションばねである。なお、第2回動軸37は、特許請求の範囲の「回動軸」の一例である。
【0056】
図5に示すように、移動機構7によるカバー部3の下降前状態における第3支持部材33の下面には、蓋検知部10が取り付けられている。なお、第3支持部材33の下降前状態における水平方向の長さLは、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合において、押圧スイッチ部12が移動機構7により下降されながら上方に回動される際に第3支持部材33がカバー部3に接触しない長さを有する。
【0057】
蓋検知部10は、本体部11と、押圧スイッチ部12とを含む。蓋検知部10は、第2回動軸37周りに回動可能に設けられている。
【0058】
本体部11は、一方面側において第3支持部材33に取り付けられている。本体部11には、押圧スイッチ部12が他方面側に突出するように設けられている。
【0059】
押圧スイッチ部12は、本体部11において、第3支持部材33の他端側に設けられている。移動機構7によるカバー部3の下降前状態において、押圧スイッチ部12は、平面視において、カバー部3と重なる位置に配置されている。
【0060】
押圧スイッチ部12は、容器Cの開口に蓋90が配置されている場合、容器Cの開口に配置された蓋90により押圧されることにより、蓋90を検知する。また、押圧スイッチ部12は、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合、容器Cの側面を接触により検知する。具体的には、押圧スイッチ部12は、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合、移動機構7により下降されながら上方に回動されるとともに容器Cの側面より押圧されることにより、容器Cの側面を検知する。押圧スイッチ部12を動作させるために必要な第1トルクD1(
図9(d)参照)は、押圧スイッチ部12を容器Cの開口面の内側から容器Cの開口面の外側へ回動させる第2トルクD2(
図9(d)参照)よりも小さい。これにより、容器Cの開口に配置された蓋90に押圧スイッチ部12が接触した場合に、蓋90により押圧スイッチ部12を確実に押圧することができる。押圧スイッチ部12は、たとえば、マイクロスイッチである。押圧スイッチ部12は、制御部4に電気的に接続されている。
【0061】
(蓋検知部の動作)
図8および
図9を参照して、蓋検知部10の動作を説明する。
図8(a)~
図8(d)を参照して、容器Cの開口に蓋90が配置されている場合の蓋検知部10の動作を説明する。
【0062】
図8(a)は、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2が移動機構7により下降される前の下降前状態である。このとき、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2は初期位置にある。容器Cの開口には、蓋90が配置されている。その後、利用者による飲料製造開始操作に基づいて、
図8(b)に示すように、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2が移動機構7により下降される。
【0063】
図8(c)に示すように、移動機構7により下降されながら容器Cの開口に配置された蓋90により押圧スイッチ部12が押圧される。詳細は後述するが、このとき、制御部4は、第1設定駆動量A1(
図10参照)に達する前に蓋検知部10の押圧スイッチ部12による検知結果を取得する。制御部4は、蓋検知部10による検知結果と、蓋検知部10において接触が検知された時点の移動機構7の駆動部における駆動量とに基づいて、容器Cの開口に蓋90があることを検出する。そして、制御部4は、移動機構7による、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2の下降を停止するとともに、撹拌部2による撹拌動作の開始を中止する。
【0064】
そして、
図8(d)に示すように、制御部4は、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2を、
図8(a)の初期位置まで移動機構7により上昇させる。そして、制御部4は、トレイ駆動部8aにより載置取出位置R(前方位置)に容器載置部1を移動させるとともに、扉部ロック機構62により扉部6のロックを解除させる。また、制御部4は、
図4に示すように、表示部50に「商品を取り出して開封してください」という通知を表示させる。これにより、容器Cが利用者により取り出されるとともに、包装材が利用者により取り外されて、再び、飲料製造装置100にセットされる。
【0065】
図9(a)~
図9(g)を参照して、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合の蓋検知部10の動作を説明する。
図9(a)は、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2は、下降前状態であり、初期位置にある。容器Cの開口には、蓋90が配置されていない。その後、利用者による飲料製造開始操作に基づいて、
図9(b)に示すように、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2が移動機構7により下降される。
【0066】
図9(c)に示すように、移動機構7により下降されながら、押圧スイッチ部12は押圧されることなく、容器Cの側面に蓋検知部10の本体部11が接触する。そして、
図9(d)に示すように、カバー部3および撹拌部2は移動機構7によりさらに下降されながら、押圧スイッチ部12は、容器Cの開口面の内側から上方に回動される。このとき、第2支持部材32は第1回動軸36周りに回動することにより、蓋検知部10における容器Cの開口面の内側から容器Cの開口面の外側への回動を補助する。そして、
図9(e)に示すように、押圧スイッチ部12は容器Cの開口面の外側まで回動されるとともに、蓋検知部10は容器Cの外側に配置される。そして、移動機構7により下降された押圧スイッチ部12は、第2付勢部35により容器Cの側面の方向に回動させるように付勢されるとともに、容器Cの側面により押圧される。詳細は後述するが、このとき、制御部4は、第1設定駆動量A1(
図11参照)に達した後において蓋検知部10の押圧スイッチ部12による検知結果を取得する。制御部4は、蓋検知部10による検知結果と、蓋検知部10において接触が検知された時点の移動機構7の上下移動駆動部71における駆動量とに基づいて、蓋90がないことを検出する。そして、制御部4は、撹拌部2による撹拌動作を開始する。そして、
図9(f)に示すように、撹拌部2が予め設定された所望の高さ位置となる第2設定駆動量A2(
図11参照)に達するまで撹拌部2を下降させる。
【0067】
そして、撹拌部2による撹拌が完了すると、
図9(g)に示すように、制御部4は、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2を、
図9(a)の初期位置まで移動機構7により上昇させる。
【0068】
(蓋検知部の検知に基づく制御部による処理)
図10および
図11を参照して、蓋検知部10の検知に基づく制御部4による処理を説明する。ここで、第1設定駆動量A1と第2設定駆動量A2との間は、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合に、移動機構7により下降されながら上方に回動された押圧スイッチ部12が容器Cの側面に接触する駆動量として予め設定された範囲である。これに対して、第1設定駆動量A1より前は、容器Cの開口に蓋90が配置されている場合に、移動機構7により下降された押圧スイッチ部12が容器Cの蓋90に接触する駆動量として予め設定された範囲である。なお、容器Cに蓋90が配置されていない場合、制御部4は、第2設定駆動量A2に達するまで、上下移動駆動部71により、撹拌部2を下降させるように構成されている。
【0069】
図10を参照して、容器Cの開口に蓋90が配置されている場合の制御部4による処理を説明する。時間t1において、制御部4は、上下移動駆動部71により、撹拌部2と、蓋検知部10が設けられたカバー部3とを、下降させる。すなわち、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2が移動機構7により下降される。なお、時間t1において、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2は、
図8(a)の初期位置にある。
【0070】
そして、時間t2において、押圧スイッチ部12は、検知信号を出力する。すなわち、移動機構7により下降されながら容器Cの開口に配置された蓋90により押圧スイッチ部12が押圧される。時間t3において、制御部4は、押圧スイッチ部12から出力された検知信号に基づいて、上下移動駆動部71による、撹拌部2と、蓋検知部10が設けられたカバー部3との下降を停止させる。なお、制御部4は、撹拌部回転駆動部23により、刃部22を回転駆動させない。すなわち、撹拌部2による撹拌動作の開始を中止する。そして、制御部4は、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2を、
図8(a)の初期位置まで移動機構7により上昇させるとともに、表示部50に「商品を取り出して開封してください」という通知(
図4参照)を表示させる。
【0071】
ここで、容器Cの開口に蓋90が配置されているため、制御部4は、駆動量検出部72により検出された駆動量が第1設定駆動量A1に達する前に押圧スイッチ部12による検知結果を取得している。そのため、制御部4は、第1設定駆動量A1に達する前に蓋検知部10により検知された検知物を蓋90として検出する。
【0072】
図11を参照して、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合の制御部4による処理を説明する。時間t11において、制御部4は、上下移動駆動部71により、撹拌部2と、蓋検知部10が設けられたカバー部3とを、下降させる。すなわち、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2が移動機構7により下降される。なお、時間t11において、蓋検知部10が設けられたカバー部3および撹拌部2は、
図9(a)の初期位置にある。
【0073】
そして、時間t12において、押圧スイッチ部12は、検知信号を出力する。すなわち、押圧スイッチ部12は、移動機構7により下降されながら容器Cの開口面の内側から上方に回動されるとともに、容器Cの開口面の外側まで回動されて、容器Cの側面により押圧される。時間t13において、制御部4は、押圧スイッチ部12から出力された検知信号に基づいて、撹拌部回転駆動部23により、刃部22を回転駆動させる。すなわち、撹拌部2による撹拌動作を開始する。時間t14において、制御部4は、駆動量検出部72により第2設定駆動量A2に達したとの検出結果に基づいて、上下移動駆動部71による、撹拌部2と、蓋検知部10が設けられたカバー部3との下降を一旦停止させる。
【0074】
ここで、容器Cの開口に蓋90が配置されている場合と異なり、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合には、制御部4は、駆動量検出部72により検出された駆動量が第1設定駆動量A1に達した後であって、第2設定駆動量A2に達する前に、押圧スイッチ部12による検知結果を取得する。そのため、制御部4は、第1設定駆動量A1に達した後に蓋検知部10により検知された検知物を容器Cの側面として検出する。この場合、制御部4は、撹拌部2による撹拌動作を開始する。
【0075】
(本実施形態の効果)
次に、本実施形態の効果について説明する。
【0076】
本実施形態では、上記のように、容器載置部1に載置された容器Cの開口を塞ぐための蓋90の有無を検知するための接触式の蓋検知部10を備える。ここで、蓋90の有無を非接触式の蓋検知部10により検知する場合、非接触式の蓋検知部10が外乱光を検知することや、包装材の弛みや膨らみなどに起因して包装材の上面において反射した光や超音波を検知できないことなどにより、包装材の有無を誤検知する可能性がある。蓋90の有無を検知するための接触式の蓋検知部10を備えることにより、蓋90の有無が、接触式の蓋検知部10により検知される。そのため、非接触式の蓋検知部10により蓋90の有無を検知する場合と比べて、容器Cの開口に配置された蓋90の有無の誤検知を抑制することができる。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、蓋検知部10を上下方向に移動させる移動機構7と、移動機構7を制御する制御部4と、をさらに備え、蓋検知部10は、移動機構7により容器載置部1に載置された容器Cに向かって下降されて、容器Cの開口に配置された蓋90の有無を接触式により検知する。これにより、移動機構7により容器載置部1に載置された容器Cに向かって蓋検知部10が下降されることにより、蓋90の有無が接触式により検知される。そのため、容器Cを移動させることなく容器Cの開口に配置された蓋90の有無を検知することができるとともに、蓋検知部10が外乱光の影響や蓋90の弛みなどの影響を受けることなく容器Cの開口に配置された蓋90を確実に検知することができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、蓋検知部10は、押圧される押圧スイッチ部12を含み、移動機構7により下降されながら容器Cの開口に配置された蓋90により押圧スイッチ部12が押圧されることにより、蓋90を検知するように構成されている。これにより、容器Cの開口に蓋90が配置されている場合、蓋90により押圧スイッチ部12が押圧される。そのため、容器Cの開口に配置された蓋90をより確実に検知することができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、容器Cの開口に蓋90が配置されている場合、制御部4は、蓋検知部10により蓋90との接触が検知されたことに基づいて、移動機構7による蓋検知部10の下降を停止するとともに、飲料製造部80による製造動作の開始を中止する。これにより、容器Cの開口に蓋90が配置されている場合に、移動機構7による蓋検知部10の下降を速やかに停止させることができるとともに、撹拌部2による撹拌動作の開始を速やかに中止させることができる。そのため、蓋検知部10が蓋90を突き抜けることに起因する蓋検知部10の破損、および、蓋90を突き抜けた蓋検知部10が容器C内にある状態において撹拌部2による撹拌動作が開始されることに起因する蓋検知部10の破損を抑制することができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、移動機構7は、蓋検知部10を上下方向に移動させる上下移動駆動部71を含み、制御部4は、蓋検知部10による検知結果と、蓋検知部10において接触が検知された時点の移動機構7の上下移動駆動部71における駆動量とに基づいて、蓋90の有無を検出する制御を行う。これにより、蓋検知部10による検知結果と、蓋検知部10において接触が検知された時点の移動機構7の上下移動駆動部71における駆動量とに基づいて蓋90の有無の検出が行われるため、上下移動駆動部71の駆動量に基づいて蓋90の有無の検知を精度良く行うことができる。そのため、容器Cの開口に配置された蓋90の有無の誤検知をより抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、制御部4は、上下移動駆動部71における駆動量として予め設定された第1設定駆動量A1に達する前に蓋検知部10による検知結果を取得した場合に、移動機構7による蓋検知部10の下降を停止するとともに、飲料製造部80による製造動作の開始を中止する。これにより、容器Cの開口に蓋90が配置されている場合に、第1設定駆動量A1に達する前に蓋検知部10により検知された検知物を蓋90として検出することができる。そのため、容器Cの開口に配置された蓋90をより一層確実に検知することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、蓋検知部10は、第2回動軸37周りに回動可能に設けられ、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合、蓋検知部10は、移動機構7により下降されながら、容器Cの開口面の内側から容器Cの開口面の外側まで回動されるとともに、飲料製造部80による製造動作が開始される。これにより、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合に、蓋検知部10を容器Cの開口面の外側まで退避させることができる。そのため、飲料製造時において、蓋検知部10と、飲料原料を撹拌する撹拌部2との干渉を防止することができる。
【0083】
また、本実施形態では、上記のように、容器Cの開口に蓋90が配置されていない場合、押圧スイッチ部12は、移動機構7により下降されながら上方に回動されるとともに容器Cの側面を接触により検知する。これにより、押圧スイッチ部12による容器Cの側面の検知に基づいて、制御部4は、撹拌部2による撹拌動作を開始することができる。そのため、制御部4は、検出部が容器C内部に配置されていない状態において、撹拌部2による撹拌動作を開始することができる。
【0084】
また、本実施形態では、上記のように、容器Cの開口面の内側から容器Cの開口面の外側への回動方向と逆方向に押圧スイッチ部12を回動させるように付勢する第2付勢部35をさらに備える。これにより、飲料製造部80による製造動作の終了後に、押圧スイッチ部12を移動機構7による下降前の位置に配置させるために上記回動方向と逆方向に回動させる駆動源を別途設けなくて良いため、部品点数の増加を抑制することができるとともに構造の複雑化を抑制することができる。
【0085】
また、本実施形態では、上記のように、飲料製造部80は、容器C内の飲料原料を撹拌する撹拌部2と、蓋検知部10が設けられるとともに、撹拌部2によって飲料原料を撹拌する際に容器Cの開口を覆うカバー部3とを含み、移動機構7は、蓋検知部10が設けられたカバー部3と、撹拌部2とを上下方向に移動させるように構成されている。これにより、移動機構7により検出部をカバー部3および撹拌部2と一体的に上下方向に移動させることができる。そのため、検出部を移動させる移動機構と、カバー部3を移動させる移動機構と、撹拌部2を移動させる移動機構とを各々設ける場合と比べて、部品点数の増加を抑制することができるとともに構造の複雑化を抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態では、上記のように、移動機構7によりカバー部3が容器載置部1に載置された容器Cに向かって下降される前の状態において、押圧スイッチ部12は、平面視において、カバー部3と重なる位置に配置されている。これにより、平面視において、容器Cの開口に配置された蓋90と重なる位置に押圧スイッチ部12を配置することができる。そのため、容器Cの開口に配置された蓋90をより一層確実に検知することができる。
【0087】
また、本実施形態では、上記のように、制御部4は、蓋90が容器Cの開口にある場合に、移動機構7によるカバー部3および撹拌部2の下降を停止させる制御を行うように構成されている。これにより、撹拌部2による蓋粉砕に起因する容器Cへの異物混入を防止することができる。
【0088】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0089】
たとえば、上記実施形態では、飲料製造部は、容器載置部に載置された容器内の飲料原料を撹拌するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、蓋が設けられ、氷が収容された容器について、利用者により蓋が開封されて容器載置部に載置されるとともに、飲料製造部は、飲料原料から飲料を製造し、製造した飲料を容器内に供給するように構成されていても良い。すなわち、飲料製造装置は、飲料製造装置内の飲料原料(コーヒー豆など)から飲料(アイスコーヒーなど)を製造して、製造した飲料を容器内に供給する装置であっても良い。
【0090】
この場合、変形例による飲料製造装置には、撹拌部およびカバー部は設けられていない。移動機構は、蓋検知部を、上下方向(Z方向)に移動可能なように構成されていれば良い。移動機構の構成および蓋検知部の上下移動方法は、特に限定されない。
【0091】
また、上記実施形態では、蓋検知部は、移動機構により容器載置部に載置された容器に向かって下降されて容器の開口に配置された蓋の有無を接触式により検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、蓋検知部は固定されて設置されているとともに、容器が上下方向に移動されるように構成されていても良い。この場合、移動機構により蓋検知部に向かって移動された容器に対して、蓋検知部は、容器の開口に配置された蓋の有無を接触式により検知しても良い。
【0092】
また、上記実施形態では、蓋検知部はカバー部に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、蓋検知部は、カバー部を上下移動させる移動機構とは別個の移動機構に設けられるとともに、この移動機構により、蓋検知部は上下方向に移動可能なように構成されていても良い。
【0093】
また、上記実施形態では、蓋検知部はカバー部にねじ留めされた支持部を介して設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、蓋検知部は、一端に環状のリング部を有する支持部の他端に取り付けられるとともに、上記環状のリング部がカバー部に嵌め込まれているように構成されていても良い。
【0094】
また、上記実施形態では、蓋検知部は押圧スイッチ部を含み、蓋により押圧スイッチ部が押圧されることにより蓋を検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、蓋検知部は、押圧スイッチ以外の接触式のスイッチや接触式のセンサを含んでいても良い。
【0095】
また、上記実施形態では、駆動量検出部はエンコーダであり、制御部は駆動量検出部により検出された上下移動駆動部の駆動量に基づいてカバー部および撹拌部の上下方向における移動量を取得する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、駆動量検出部は、公知のセンサにより構成されるとともに、カバー部および撹拌部の上下方向における移動量を取得するように構成されていても良い。この場合、制御部は、蓋検知部による検知結果と、蓋検知部において接触が検知された時点において取得された移動量とに基づいて、蓋の有無を検出する制御を行うように構成されていても良い。
【0096】
また、上記実施形態では、蓋検知部により蓋との接触が検知された場合に、制御部は、表示部に「商品を取り出して開封してください」という通知を表示する制御を行う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、飲料製造装置は、さらに報知部を備え、蓋検知部により蓋との接触が検知された場合に、制御部は、報知部に「商品を取り出して開封してください」と音声により報知する制御を行うように構成されていても良い。
【0097】
また、上記実施形態では、支持部は、第1付勢部、第1回動軸および第2付勢部を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、支持部は、第1付勢部、第1回動軸および第2付勢部を含まなくても良い。
【0098】
また、上記実施形態では、蓋検知部は回動軸周りに回動可能に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、蓋検知部は、回動軸周りに回動せずに、容器の開口に蓋が配置されていない場合に、容器の内部に侵入するように構成されていても良い。
【0099】
また、上記実施形態では、蓋検知部はカバー部のX2方向に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、蓋検知部は、カバー部のX1方向に設けられていても良いし、カバー部の前側(Y1側)に設けられていても良いし、後側(Y2側)に設けられていても良い。
【0100】
また、上記実施形態では、蓋検知部は、容器の開口を塞ぐとともに飲料製造前に開封される蓋の有無を検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、蓋検知部は、飲料製造後に利用者により容器の開口に取り付けられる蓋が、飲料製造前に利用者により誤って容器の開口に取り付けられている場合に、上記蓋を検知するように構成されていても良い。
【符号の説明】
【0101】
1 容器載置部
2 撹拌部
3 カバー部
4 制御部
7 移動機構
10 蓋検知部(検知部)
12 押圧スイッチ部
35 第2付勢部(付勢部)
37 第2回動軸(回動軸)
71 上下移動駆動部(駆動部)
80 飲料製造部
90 蓋
100 飲料製造装置
C 容器
A1 第1設定駆動量(設定駆動量)