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  • -切削機械用の作業用踏台 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151843
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】切削機械用の作業用踏台
(51)【国際特許分類】
   B25H 5/00 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
B25H5/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065583
(22)【出願日】2023-04-13
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】523133616
【氏名又は名称】株式会社マウンテック
(71)【出願人】
【識別番号】523139560
【氏名又は名称】株式会社ウィルコネクト
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】山田 剛士
(72)【発明者】
【氏名】服部 吉孝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 猛
【テーマコード(参考)】
3C012
【Fターム(参考)】
3C012BK02
(57)【要約】
【課題】切削機械を用いて切削作用をする場合に、切削屑による床面の汚損を防止でき、かつ、切削屑を容易に掃除可能な作業用踏台を提供する。
【解決手段】本開示の作業用踏台1は、切削機械を用いて切削作業する作業者が乗る踏台であって、切削屑を通過させる開口部21を備えた蓋2と、切削屑を収容する箱体3とを備える。箱体3は、蓋2を受ける蓋受部31を有する。また、箱体3の短辺の側面3bと蓋受部31の端部31aとの間に、蓋2を略起立状態に保持する隙間11を有する。箱体3の側面3bに、指を差し入れるための切欠部32を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削機械を用いて切削作業する作業者が乗る踏台であって、
切削屑を通過させる開口部を備えた蓋と、前記切削屑を収容する箱体と、を備え、
前記箱体が、前記蓋を受ける蓋受部を含み、
前記箱体と、前記蓋受部の端部との間に、前記蓋を略起立状態に保持する隙間を設けたことを特徴とする作業用踏台。
【請求項2】
前記蓋受部は、前記箱体の側面の一部を折り曲げて形成された、請求項1に記載の作業用踏台。
【請求項3】
前記箱体の側面に、指を差し入れるための切欠部を設けた、請求項1に記載の作業用踏台。
【請求項4】
前記箱体を支持する脚部を備え、
前記箱体が、該脚部の長さを調整する調整部材を含む、請求項1に記載の作業用踏台。
【請求項5】
前記箱体の側面に、前記作業用踏台同士を連結するための連結孔を設けた、請求項1に記載の作業用踏台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切削機械を用いた切削作業に従事する作業者が乗るための作業用踏台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場内で製造作業に従事する作業者が乗るための「作業用踏台」が知られている。例えば、特許文献1では、工作物に付着した液体を回収し、床面の濡れを防止する作業用踏台が提案されている。また、特許文献2では、組み立てラインの側部に設けられ、製品の背の高さに応じて引き出したり、格納したりすることのできる「組立ラインの作業用踏み台装置」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6-31975号公報
【特許文献2】特開平9-47984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、切削機械を用いた切削作業では、ダライ粉や切子等と呼ばれる切削屑が飛び散り、工場の床面や作業者の靴が汚れたり、作業者の靴底についた切削屑によって工場全体の床面が傷ついたりするという問題があった。また、切削屑には油が付着しているため、床面に付着すると清掃に手間がかかるだけでなく、歩行者がスリップして転倒する等の事故が発生するおそれもあった。
【0005】
そこで、本開示の目的は、切削屑による床面の汚損を防止でき、かつ、切削屑を容易に回収可能な作業用踏台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の作業用踏台は、以下の特徴を備える。
【0007】
(1)切削機械を用いて切削作業する作業者が乗る踏台であって、切削屑を通過させる開口部を備えた蓋と、切削屑を収容する箱体と、を備え、箱体が、蓋を受ける蓋受部を含み、箱体と、蓋受部の端部との間に、蓋を略起立状態に保持する隙間を設けたこと。
【0008】
(2)(1)の場合に、蓋受部は、箱体の側面の一部を折り曲げて形成されたこと。
【0009】
(3)(1)又は(2)の場合に、箱体の側面に、指を差し入れるための切欠部を設けたこと。
【0010】
(4)(1)~(3)の何れか一つの場合に、箱体を支持する脚部を備え、箱体が、該脚部の長さを調整する調整部材を含むこと。
【0011】
(5)(1)~(4)の何れか一つの場合に、箱体の側面に、作業用踏台同士を連結するための連結孔を設けたこと。
【発明の効果】
【0012】
本開示の作業用踏台によれば、切削作業中に生じた切削屑が、蓋を通過して箱体に収容されるため、切削屑による床面の汚損を防止できる。また、箱体に収容された切削屑を掃除する際には、蓋を略起立状態に保持できるため、切削屑を容易に回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態を示す作業用踏台の概要図である。
図2】作業用踏台の斜視図である。
図3】作業用踏台の分解斜視図である。
図4】作業用踏台の(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
図5】箱体の(a)B-B線断面図、(b)A-A線断面図、(c)C-C線断面図である。
図6】蓋の開け方を説明する説明図である。
図7】作業用踏台の連結方法を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示を、切削機械用の作業用踏台に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。図1~5に示す作業用踏台1は、切削屑を通過させる開口部21を備えた蓋2と、切削屑を収容する箱体3と、箱体3を支持する脚部4とを備える。箱体3は、厚み1.6~3.2mm程度の溶融亜鉛めっき鋼板等の金属板を、側面3a,3b及び底面3cを有する箱状に組み立てたものであり、蓋2は、長辺の側面3aと短辺の3bとの内側に嵌め込まれる落し蓋である。
【0015】
蓋2は、格子状に設けられ、格子の内側は切削屑を通過させる開口部21として機能する。また、蓋2の上面2aには、滑り止め用の凹凸形状(図2(a)参照)が形成されている。凹凸形状は、作業者の靴裏の切削屑を取り除くことも可能であり、取り除かれた切削屑は、開口部21を通過して自動的に箱体3に収容される。
【0016】
箱体3は、蓋2を受ける蓋受部31と、蓋2を持ち上げる際に指を差し入れるための切欠部32と、脚部4を取り付けるための取付孔33と、脚部4の長さを調整する調整部材としての調整用ナット35と、作業用踏台1同士を連結するための連結孔34とを備える。取付孔33は、箱体3の底面3c四隅付近に設けられ、調整用ナット35は、箱体3の外部に取付孔33と同軸に溶着されている。連結孔34は、箱体3の各々の側面3a,3bに設けられている。連結孔34の個数は、作業用踏台1の大きさに応じて適宜変更可能である。
【0017】
蓋受部31は、箱体3の長辺の側面3aの一部を箱体3の内側方向に向けて折り曲げ、さらに、底面3cに向けて折り返し、断面コ字形状に形成したものである。蓋受部31の上面2aに蓋2を配置すると、蓋2の上面2aは箱体3の側面3a,3bの上端と略等しい高さに配置される。なお、蓋受部31は、箱体3の長辺の側面3aの一部を箱体3の内側方向に向けて折り曲げ、断面逆L字形状に形成することもできる。
【0018】
また、蓋受部31は、箱体3の長辺の側面3a内側に沿って形成され、蓋受部31の端部31aと箱体3の短辺の側面3bとの間には、蓋2の厚みよりも少し大きい隙間11が設けられている。持ち上げた蓋2を隙間11に厚み方向に差し込むことにより、隙間11に蓋2を略起立状態に保持することができる。
【0019】
切欠部32は、箱体3の短辺の側面3bの一部を切り欠いて形成したものである。蓋受部31に蓋2を配置すると、切欠部32と蓋2の下面2bとの間に、手指を差し入れ可能な手指用孔12(図6(a)参照)が形成される。
【0020】
脚部4は、箱体3の取付孔33に挿通される脚部用ボルト41と、脚部を固定するための固定用ナット42とを備える。脚部用ボルト41を箱体3の調整用ナット35に向けて締結又は解除することにより、脚部4の長さを調整できる。脚部4の長さを調整し、箱体3の内側から固定用ナット42を締結することにより、脚部4の抜けを防止することができる。脚部用ボルト41の頭部には、作業用踏台1を載置する床面を保護する保護キャップ43が取り付けられている。保護キャップ43は、作業用踏台1に乗っている作業者の足を保護するクッション材としても機能する。
【0021】
次に、上記のように構成された作業用踏台1において、蓋2を開く操作を図6に基づいて説明する。図6(a)に示すように、蓋2と切欠部32との間には、手指用孔12が形成されている。図6(b)に示すように、手指用孔12に手指を差し入れ、蓋2の一方の短辺を持ち上げ、隙間11に他方の短辺を挿入すると、蓋2を略起立状態に保持することができる。
【0022】
続いて、作業用踏台1同士の連結方法を図7に基づいて説明する。図7に示すように、一の作業用踏台1の連結穴34と他の作業用踏台1’の連結穴34’とに連結用ボルト13を挿通し、連結用ナット14を螺合することにより、作業用踏台1と作業用踏台1’とを連結することができる。複数の作業用踏台1を連結することにより、切削機械の大きさや配置に応じて、適宜、作業用踏台1の領域を拡大又は縮小することができる。
【0023】
従って、本開示の作業用踏台1によれば、蓋2を通過した切削屑を箱体3に収容するため、切削屑による床面の汚損を防止できる。同時に、切削屑が床面に散乱しないため、作業者が転倒した際に、切削屑により手足を怪我する事態を防止できる。また、箱体3に蓋受部31を設け、蓋受部31と箱体3の短辺の側面3bとの間に略起立状態の蓋2を挿入可能な隙間11を設けたため、切削屑を片付ける際に、開いた蓋2の置き場所に困らない。特に、複数の作業用踏台1を連結した場合には、複数の蓋2が邪魔とならない利点がある。
【0024】
さらに、側面3aの一部を用いて蓋受部31を形成し、側面3bの一部に切欠部32を形成して手指用孔12を設け、蓋受部31と側面3bとの間に蓋2を略起立状態に保持する隙間11を設けたため、部品点数を削減でき、作業用踏台1を製造する際の手間とコストを削減できる。また、蓋受部31又は切欠部32を切り取った後の側面3a,3b、即ち、箱体3のコーナー部分により、蓋2の横ズレを防止することができる。
【0025】
その他、脚部4の長さを調整できるため、作業用踏台1の高さを、切削機械を使用する作業者の所望の高さに調整できる。また、床面に傾きや凹凸がある場合であっても、脚部4の長さを適宜調整し、作業用踏台1の上面(蓋2の上面2a)を水平にすることができる。
【0026】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状や構成を適宜に変更して実施することも可能である。例えば、長辺と短辺とを入れ替え、短辺の側面に蓋受部31を設け、長辺の側面3aに切欠部32を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 作業用踏台
2 蓋(a:上面、b:下面)
3 箱体(a:長辺の側面、b:短辺の側面、c:底面)
4 脚部
11 隙間
12 手指用孔
13 連結用ボルト
14 連結用ナット
21 開口部
31 蓋受部(a:端部)
32 切欠部
33 取付孔
34 連結孔
35 調整用ナット
41 脚部用ボルト
42 固定用ナット
43 保護キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7