(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151851
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】運搬車両用の荷台被覆シート
(51)【国際特許分類】
B60P 7/02 20060101AFI20241018BHJP
【FI】
B60P7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065596
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000201490
【氏名又は名称】前田工繊株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】515310951
【氏名又は名称】未来テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】井坂 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】丹澤 文秀
(72)【発明者】
【氏名】山口 曜士郎
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 亮
(72)【発明者】
【氏名】大森 健吾
(57)【要約】
【課題】高い密閉性が求められる積載物の収容に好適であり、かつ積載物の残留の恐れを軽減可能な運搬車両用の荷台被覆シートを提供する。
【解決手段】運搬車両の荷台上に構築する収容部の六面を構成する、底膜、右膜、左膜、前膜、後膜および天膜からなる略密閉の収容部を形成する。また、天膜に備えた重ね部と、収容部の側面側から前記荷台の内側へと折り返し可能な張出膜との外周縁同士を結合してから折り返すことで、結合機構への積載物の付着を防止する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運搬車両の荷台上に、積載物を収容可能な収容部を構築するための、被覆シートであって、
前記収容部の六面を構成する、底膜、右膜、左膜、前膜、後膜および天膜と、
前記収容部から伸びるように設け、前記収容部の側面側から前記荷台の内側へと折り返し可能な、張出膜と、
を少なくとも具備することを特徴とする、
運搬車両用の荷台被覆シート。
【請求項2】
前記天膜に、前記張出膜と重なり合い可能な、重ね部を設けたことを特徴とする、
請求項1に記載の運搬車両用の荷台被覆シート。
【請求項3】
前記重ね部の外周縁と、前記張出膜の外周縁とを結合可能に構成してあることを特徴とする、
請求項2に記載の運搬車両用の荷台被覆シート。
【請求項4】
前記前膜の外面側の上縁から下方に変位させた箇所と、前記天膜の前縁と、を結合可能に構成してあることを特徴とする、
請求項1に記載の運搬車両用の荷台被覆シート。
【請求項5】
前記前膜の外面側の上縁から下方に変位させた箇所と、前記天膜の前縁から後方に変位させた箇所と、を結合可能に構成してあることを特徴とする、
請求項1に記載の運搬車両用の荷台被覆シート。
【請求項6】
前記収容部から伸びるように設け、前記収容部の側面側から前記荷台の外側へと折り返して、前記荷台に固定可能な、固定膜と、
を更に具備することを特徴とする、
請求項1に記載の運搬車両用の荷台被覆シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台に設置して、荷台上の積載物を被覆可能な荷台被覆シートに関する。
【背景技術】
【0002】
ダンプトラックなどの運搬車両の荷台に積載した積載物の飛散やこぼれだしを防止する手段として、以下の特許文献1,2のように、積載物の上面を被覆するシートが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-6861号公報
【特許文献2】実用新案登録第3083828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、積載物が汚染土壌のような高い密閉性を要求するものである場合、上記特許文献に係るシートでは、十分な密閉性を得ることができないという問題があった。
また、収容部の形成時に各面の結合機構として線ファスナー、面ファスナー、バックルなどの公知の結合機構を用いた場合、この結合機構に内部の積載物が付着してしまい、収容部から積載物を降ろした後にも、積載物が残留してしまうという問題があった。
【0005】
よって、本発明は、高い密閉性が求められる積載物の収容に好適な運搬車両用の荷台被覆シートを提供することを目的の一つとする。
また、本発明は、収容部の構築に用いる結合機構に積載物が残留してしまう恐れを軽減することが可能な手段を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべくなされた本願発明は、運搬車両の荷台上に、積載物を収容可能な収容部を構築するための、被覆シートであって、前記収容部の六面を構成する、底膜、右膜、左膜、前膜、後膜および天膜と、前記収容部から伸びるように設け、前記収容部の側面側から前記荷台の内側へと折り返し可能な、張出膜と、を少なくとも具備することを特徴とする。
また、本願発明は、前記天膜に、前記張出膜と重なり合い可能な、重ね部を設けることができる。
また、本願発明は、前記重ね部の外周縁と、前記張出膜の外周縁とを結合可能に構成することができる。
また、本願発明は、前記前膜の外面側の上縁から下方に変位させた箇所と、前記天膜の前縁と、を結合可能に構成することができる。
また、本願発明は、前記前膜の外面側の上縁から下方に変位させた箇所と、前記天膜の前縁から後方に変位させた箇所と、を結合可能に構成することができる。
また、本願発明は、前記収容部から伸びるように設け、前記収容部の側面側から前記荷台の外側へと折り返して、前記荷台に固定可能な、固定膜と、を更に具備する構成とすることができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下に記載する効果のうち、少なくとも何れか1つの効果を奏する。
(1)箱状の収容部を構成することにより、収容する積載物の密閉性を向上させることができる。したがって、除染作業によって回収された汚染土壌などの運搬に好適である。
(2)張出膜を折り返して天膜と結合することにより、収容部の密閉状態を維持しやすくなる。また、収容部の上面の一部または全部を、二重構造(天膜、張出膜)以上にすることができ、収容部の密閉性を高めることができる。
(3)天膜に張出膜との重ね部を設け、この重ね部を前記収容部の上面側へと折り返すことで、収容部の上面の一部または全部を、三重構造(天膜、折り返した天膜、張出膜)以上にすることができ、収容部の密閉性を高めることができる。
(4)前記(3)に記載の重ね部を得つつ、天膜の外周縁と張出膜の外周縁とを結合することで、より収容部の密閉性を高めることができる。また、この結合箇所は、内部に収容した積載物と直接接触することも無いため、結合機構としてファスナーやバックルなどを用いた場合にも、これらに積載物が付着して残留してしまう恐れを軽減できる。また、運搬車両が事故等によって転倒しかけて、天膜側に積載物の荷重が生じる場合にも、直接、結合機構に荷重が生じないため、結合機構の破損による積載物のこぼれだしの恐れを軽減することができる。
(5)前膜の外面側の上縁から下方に変位させた箇所と、天膜の前縁とを結合可能に構成することにより、ダンプアップなどの荷台の持ち上げによって積載物を降ろす際に、前膜に設けた結合機構に積載物が接触することがないため、結合機構として面ファスナーやエレメントを用いた場合にも、これらに積載物が付着して残留してしまう恐れを軽減できる。
(6)前膜の外面側の上縁から下方に変位させた箇所と、天膜の前縁から後方に変位させた箇所とを結合可能に構成することにより、ダンプアップなどの荷台の持ち上げによって積載物を降ろす際に、前膜および天膜に設けた結合機構に積載物が接触することがないため、結合機構として面ファスナーやエレメントを用いた場合にも、これらに積載物が付着して残留してしまう恐れを軽減できる。
(7)別途設けた固定膜を運搬車両の荷台に固定することにより、収容部を荷台上に位置決めでき、荷台を持ち上げた際に、収容部が積載物とともに滑り落ちることがない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1に係る荷台被覆シートの構成を示す概略図(1)。
【
図2】実施例1に係る荷台被覆シートの構成を示す概略図(2)。
【
図9】荷台持ち上げ時の状態の前膜の状態を示す概略図。
【
図10】変形例1に係る荷台被覆シートの構成を示す概略図。
【
図11】変形例2に係る荷台被覆シートの構成を示す概略図。
【
図12】変形例3に係る荷台被覆シートの構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
なお、特段の明記が無い限り、荷台Bに設置するシートにおいて、運搬車両Aの後方側をシートの前側、運搬車両Aの前方側をシートの後側として説明する。
また、各図において、当図を参照しながら説明しない要素については図示を省略する場合がある。
【実施例0010】
<1>概要(
図1,
図2)
本発明に係るシートは、ダンプトラックなどの運搬車両Aに設けた荷台B上に設置しつつ、このシートを構成する各面を箱状に組み立てることで、内部に積載物を収容可能な収容部を構築するために使用される。
この収容部は、それ単体で使用しても良いし、さらに新たな被覆体を収容部の上に重ねて配置することで、さらに密閉性を高めた態様で使用してもよい。
【0011】
<1.1>各部構成(
図1,
図2)
本実施例に係るシートは、収容部の六面を構成する、底膜10、右膜20、左膜30、前膜40、後膜50および天膜60のほか、さらに固定膜70および張出膜80を具備している。
底膜10の四隅の外隅部には、底膜10の四辺に設けている右膜20、左膜30、前膜40および後膜50の組み立て後に、各膜の間からの積載物の漏れを防止するための、封膜90を設けている。
なお、
図1,
図2では図示していないが、本発明に係るシートでは、運搬車両Aのキャビン(運転席)部分を覆うための保護膜100をさらに具備しても良い。
【0012】
<1.2>各部位の素材について
本発明において、シートを構成する素材は特段限定しないが、例えば、耐久性と遮水性に優れたゴムシートなどの樹脂製シートや、ポリエステル製などの公知の防水シートなどを使用することができる。
【0013】
<1.3>各部位の一体性について
本発明において、シートを構成する各膜同士の一体性の有無は特段限定しない。より詳細には、構造に矛盾がない範囲で、一枚もののシート状物で構成するもの、別部材を溶着や縫合等によって着脱不能に取り付けて構成するもの、別部材をバックルやファスナー等の結合機構によって着脱自在に取り付けて構成するもの、またはこれらを任意の組合せで構成するもの、などを適宜選択することができる。
本実施例では、底膜10、右膜20、左膜30、前膜40、後膜50および固定膜70を一枚もののシート状物で構成し、当該シート状物の所定箇所に、別部材の天膜60および張出膜80を着脱自在に取り付けた構成を想定している。
以下、各要素の詳細について説明する。
【0014】
<2>底膜(
図1,
図2)
底膜10は、収容部の底面部分を構成する部位である。
底膜10のサイズ(幅長、奥行き長)は、荷台Bの広さ等に合わせて適宜設計すればよい。
本実施例では、底膜10は、平面視矩形状を呈しており、その四辺に、右膜20、左膜30、前膜40および後膜50が配置されている。
【0015】
<3>右膜・左膜(
図1,
図2)
右膜20は、収容部の右側面部分を構成する部位である。
左膜30は、収容部の左側面部分を構成する部位である。
右膜20および左膜30のサイズ(高さ長、奥行き長)は、荷台Bのサイズ(横あおりB1の高さなど)に合わせて適宜設計すればよい。
本実施例では、右膜20および左膜30は、底膜10とともに一枚もののシート状物で一体形成されている。
【0016】
<4>固定膜(
図1,
図2)
固定膜70は、荷台Bに固定するための部位である。
張出膜80は、収容部を構成する二つの側面のうち少なくとも何れかの側面から伸びるように設ければよいが、より荷台Bと安定して固定するには、両方の側面に設けておくことが好ましい。
本実施例では、固定膜70は、右膜20および左膜30において底膜10との対向側から延伸するように設けており、底膜10、右膜20および左膜30とともに一枚もののシート状物で一体形成されている。
【0017】
<4.1>荷台との固定機構(
図3)
固定膜70の解放縁側には、荷台Bとの固定機構を設ける。
本発明において、固定膜70と荷台Bとの間の固定機構の種類は特段限定するものではなく、ロープ式、ベルト式、バックル式、ファスナー式(点型、線型、面型など)などから任意の機構を採用することができる。
本実施例では、固定膜70の外側縁周辺に、荷台Bの横あおりB1との間でロープ結合するためのハトメ71を複数設けている。
【0018】
<5>張出膜(
図1,
図2)
張出膜80は、荷台Bの内側に折り返すことで、収容部の密閉性を高めるための部位である。
張出膜80は、収容部を構成する二つの側面のうち少なくとも何れかの側面から伸びるように設ければよい。
本実施例では、張出膜80を、右膜20の近傍および左膜30の近傍のそれぞれに縫合または溶着してなる、別部材で構成している。
張出膜80のサイズ(張出長、奥行き長)は、後述する折り返し作業や、天膜60との結合作業の効率性を考慮しながら適宜設計すればよい。なお、図示しないが本発明に係るシートにおいて、張出膜80の張出長を長く設計し、対向する張出膜80と重複するような構成を除外するものではない。
【0019】
<5.1>折り返し前における天膜との結合機構(
図4)
張出膜80には、折り返し前の張出膜80の外周縁を、天膜60の外周縁に結合するための結合機構を設けておくことができる。
本発明において、折り返し前の張出膜80と天膜60との間の結合機構の種類は特段限定するものではなく、ロープ式、ベルト式、バックル式、ファスナー式(点型、線型、面型など)などから任意の機構を採用することができる。
本実施例では、張出膜80の外周縁に、線ファスナーの一方を構成するエレメント(一方のエレメント81)を設けている。
【0020】
<5.2>折り返し後における天膜との結合機構(
図5)
張出膜80には、折り返し後の張出膜80を、天膜60に結合するための結合機構を設けておくことができる。
本発明において、折り返し後の張出膜80と天膜60との間の結合機構の種類は特段限定するものではなく、ロープ式、ベルト式、バックル式、ファスナー式(点型、線型、面型など)などから任意の機構を採用することができる。
本実施例では、張出膜80に雄バックル82を設けている。
【0021】
<6>前膜(
図1,
図2)
前膜40は、収容部の正面部分を構成する部位である。
本実施例では、前膜40は、底膜10等とともに一枚もののシート状物で一体形成されている。
前膜40のサイズ(高さ長、幅長)は、その他の膜のサイズに合わせて適宜設計すればよい。
【0022】
<6.1>天膜との結合機構(
図6)
前膜40には、天膜60と結合するための結合機構を設けておくことができる。
本発明において、前膜40と天膜60との間の結合機構の種類は特段限定するものではなく、ロープ式、ベルト式、バックル式、ファスナー式(点型、線型、面型など)などから任意の機構を採用することができる。
また、前膜40に設ける結合機構の配置箇所は、各膜の外表面側に設けるよう構成してもよい。
本実施例では、前膜40の外表面側において、前膜40の上縁から下方に、線ファスナーの一方を構成するエレメント(一方のエレメント41)を設けている。
【0023】
<7>後膜(
図1)
後膜50は、収容部の背面部分を構成する部位である。
本実施例では、後膜50は、底膜10等とともに一枚もののシート状物で一体形成されている。
後膜50のサイズ(高さ長、幅長)は、その他の膜のサイズに合わせて適宜設計すればよい。
【0024】
<7.1>保護膜との結合機構(
図7)
後膜50の外表面側には、運搬車両Aのキャビン部分(運転席部分)を覆うための保護膜100を取り付ける為の結合機構を設けても良い。
【0025】
<8>天膜
天膜60は、収容部の上面部分を構成する部位である。
本実施例では、天膜60を、後膜50に脱着自在な別部材で構成している。
天膜60のサイズ(幅長、奥行き長)は、底膜10のサイズ等に合わせて適宜設計することができる。
【0026】
<8.1>重ね部の形成(
図1,
図2)
なお、天膜60は、幅長を広くすることによって、右膜20または左膜30よりも外側で張出膜80と重なり合わせることが可能な重ね部61を設けておいてもよい。
本実施例では、天膜60のサイズ(幅長、奥行き長)を、重ね部61の外周縁と張出膜80の外周縁とが平面視して同位置となるように構成している。
【0027】
<8.2>張出膜との結合機構(1)(
図4)
重ね部61には、折り返し前の張出膜80との結合機構を設けておくことができる。
本実施例では、重ね部61の外周縁(三辺)に、前述した張出膜80の外周縁(三辺)に設けてある一方のエレメント81と係合可能な、他方のエレメント62を設けている。
なお、本実施例では、一方のエレメント81および他方のエレメント62の三辺を連続するように構成しているが、一辺毎にエレメントを独立させた構成であってもよい。
【0028】
<8.3>重ね部との結合機構(2)(
図5)
天膜60には、重ね部61および張出膜80からなる折り返し部Cを折り返した後に、この折り返し部Cとの結合機構を設けておくことができる。
本実施例では、天膜60の外表面に、折り返し部Cを構成する張出膜80に設けた雄バックル82と係合可能な雌バックル63を設けている。
【0029】
<8.4>前膜との結合機構(
図6)
天膜60には、前膜40との結合機構を設けておくことができる。
本実施例では、天膜60の前方の縁部の一部に、前膜40に設けてある一方のエレメントと係合可能な、他方のエレメント64を設けている。
【0030】
<9>組立手順(
図8)
次に、
図8を参照しながら、本発明に係るシートを組み立てて収容部を形成する際の手順について説明する。
なお、
図8に係る手順は、各部位の構造説明の便宜上、例示として記載したに過ぎず、本発明に係るシートの組立手順を限定解釈させるものではない。
また、
図8では、運搬車両Aおよび荷台Bの図示を省略している。
【0031】
(1)各部位の組立(
図8(a))
図8(a)に示す状態は、以下の作業を、手順に矛盾のない範囲で実施した状態である。
・
図2に示す展開状態のシートを、荷台Bに設置し、右膜20、左膜30、後膜50等を起立させて、荷台B上に空間を区画する。
・固定膜70を荷台Bの外側に折り返して、図示しない荷台Bの横あおりB1に固定する。
・積載物の収容後、天膜60を底膜10の上方に配置したのち、重ね部61と張出膜80との結合作業と、天膜60と前膜40との結合作業とを行う。
この状態で、収容部の内部は、略密閉された空間となる。
【0032】
(2)折り返し部Cの折り返しおよび結合(
図8(b))
次に、折り返し部Cを荷台Bの内側に折り返して、折り返し部Cの一部である張出膜80に設けてある雄バックル82を、天膜60に設けた雌バックル63と結合して結合する。
この状態では、重ね部61と張出膜80との結合箇所が、収容部内の積載物と接触することはない。
【0033】
<10>荷台の持ち上げ時(
図9)
運搬車両Aが、荷台Bを持ち上げ可能な車両の場合には、積載物を運搬車両Aから降ろす際に、前膜40と天膜60との結合を解いて前膜40を展開した状態としてから、荷台Bを持ち上げる。
このとき、積載物は前膜40側の開口部から滑り落ちることとなるが、前膜40に設けてある一方のエレメント41は、前膜40の外表面側に位置しているため、積載物と接触することはない。
【0034】
<11>まとめ
このように、本発明に係るシートによれば、積載物を収容する収容部を密閉空間とすることができるほか、積載物の収容作業や降ろし作業の際に、シートに設けた結合機構に、積載物が付着して残留する恐れを軽減することができる。