(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151859
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】エリア推奨システム、サーバ装置、エリア推奨方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241018BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065608
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】依田 柊
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】利用者が曝露された環境履歴や活動量の変動を考慮して、利用者に応じた適切な熱環境のエリアを推奨する。
【解決手段】エリア推奨システムは、利用者端末から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、前記利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、前記利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の前記利用者の前記生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における前記利用者の前記生理情報及び心理情報を予測する予測処理部と、前記所定の期間の経過後における前記利用者の前記生理情報及び前記心理情報と、リコメンド判定基準記憶部から取得した前記利用者に対応するリコメンド判定基準情報とに基づいて、前記利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出し、前記推奨エリア及び推奨滞在期間を前記利用者端末に出力するリコメンド処理部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者端末から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、前記利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、前記利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の前記利用者の前記生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における前記利用者の前記生理情報及び周囲環境に関する心理を示す心理情報を予測する予測処理部と、
前記予測処理部が予測した前記所定の期間の経過後における前記利用者の前記生理情報及び前記心理情報と、推奨するエリアの判定基準となる前記生理情報及び前記心理情報を含むリコメンド判定基準情報を前記利用者ごとに記憶するリコメンド判定基準記憶部から取得した前記利用者に対応する前記リコメンド判定基準情報とに基づいて、前記利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出し、抽出した前記推奨エリア及び前記所定の期間に基づく推奨滞在期間を前記利用者端末に出力するリコメンド処理部と
を備えるエリア推奨システム。
【請求項2】
前記リコメンド処理部は、
さらに、前記推奨エリアにおける前記温熱快適性に関するアンケートに対する前記利用者の回答に基づいて、前記リコメンド判定基準情報を更新し、更新した前記リコメンド判定基準情報を前記リコメンド判定基準記憶部に記憶させる
請求項1に記載のエリア推奨システム。
【請求項3】
前記エリアを識別するエリア識別情報と、前記エリアの種別を示すエリア種別情報と、前記エリア内の物理環境情報とを対応付けたエリア情報を記憶するエリア情報記憶部を備え、
前記リコメンド処理部は、
前記エリア情報記憶部が記憶する前記エリアのうちから、前記物理環境情報が前記リコメンド判定基準情報に合致する前記エリア識別情報を抽出し、抽出した前記エリア識別情報に対応する前記エリアのうち、前記物理環境情報に対応する前記利用者の前記生理情報及び前記心理情報になるまでの前記所定の期間が最も短い、もしくは前記生理情報の変動が最適になる前記エリアを、前記推奨エリアとして抽出する
請求項2に記載のエリア推奨システム。
【請求項4】
前記リコメンド要求には、前記利用者の利用目的を示す利用目的情報が含まれ、
前記リコメンド処理部は、
前記エリア情報記憶部が記憶する前記エリアのうちから、前記エリア種別情報が前記利用目的情報に合致し、且つ、前記物理環境情報が前記リコメンド判定基準情報に合致する前記エリア識別情報を抽出する
請求項3に記載のエリア推奨システム。
【請求項5】
前記リコメンド処理部は、
現在の前記利用者の前記生理情報と、前記リコメンド判定基準情報に含まれる前記生理情報である判定基準生理情報とに基づいて、前記利用者が暑いと感じている場合の身体冷却モードと、前記利用者が寒いと感じている身体加温モードと、前記利用者が適温に感じている体温維持モードのうちの1つのモードを選択し、選択したモードが、前記体温維持モードである場合に、前記推奨滞在期間を出力せずに、前記推奨エリアを出力する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のエリア推奨システム。
【請求項6】
座席を識別する座席識別情報と、前記座席の位置情報と、前記座席の空席情報とを対応付けた座席情報を記憶する座席情報記憶部を備え、
前記エリアには、前記座席が含まれ、
前記リコメンド処理部は、前記座席情報記憶部が記憶する前記座席情報に基づいて、空席の前記座席を、前記推奨エリアとして抽出する
請求項5に記載のエリア推奨システム。
【請求項7】
利用者端末から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、前記利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、前記利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の前記利用者の前記生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における前記利用者の前記生理情報及び周囲環境に関する心理を示す心理情報を予測する予測処理部と、
前記予測処理部が予測した前記所定の期間の経過後における前記利用者の前記生理情報及び前記心理情報と、推奨するエリアの判定基準となる前記生理情報及び前記心理情報を含むリコメンド判定基準情報を前記利用者ごとに記憶するリコメンド判定基準記憶部から取得した前記利用者に対応する前記リコメンド判定基準情報とに基づいて、前記利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出し、抽出した前記推奨エリア及び前記所定の期間に基づく推奨滞在期間を前記利用者端末に出力するリコメンド処理部と
を備えるサーバ装置。
【請求項8】
予測処理部が、利用者端末から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、前記利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、前記利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の前記利用者の前記生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における前記利用者の前記生理情報及び周囲環境に関する心理を示す心理情報を予測する予測処理ステップと、
リコメンド処理部が、前記予測処理ステップによって予測された前記所定の期間の経過後における前記利用者の前記生理情報及び前記心理情報と、推奨するエリアの判定基準となる前記生理情報及び前記心理情報を含むリコメンド判定基準情報を前記利用者ごとに記憶するリコメンド判定基準記憶部から取得した前記利用者に対応する前記リコメンド判定基準情報とに基づいて、前記利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出し、抽出した前記推奨エリア及び前記所定の期間に基づく推奨滞在期間を前記利用者端末に出力するリコメンド処理ステップと
を含むエリア推奨方法。
【請求項9】
コンピュータに、
利用者端末から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、前記利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、前記利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の前記利用者の前記生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における前記利用者の前記生理情報及び周囲環境に関する心理を示す心理情報を予測する予測処理ステップと、
前記予測処理ステップによって予測された前記所定の期間の経過後における前記利用者の前記生理情報及び前記心理情報と、推奨するエリアの判定基準となる前記生理情報及び前記心理情報を含むリコメンド判定基準情報を前記利用者ごとに記憶するリコメンド判定基準記憶部から取得した前記利用者に対応する前記リコメンド判定基準情報とに基づいて、前記利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出し、抽出した前記推奨エリア及び前記所定の期間に基づく推奨滞在期間を前記利用者端末に出力するリコメンド処理ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エリア推奨システム、サーバ装置、エリア推奨方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、空間環境が利用者の好みや温度感度に合った座席などのエリアを推奨するシステムが知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-022716号公報
【特許文献2】特開2013-185798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術のシステムでは、利用者が、同一の環境において長時間安静にしている状態である定常状態であることを前提としており、例えば、夏季屋外での歩行後の場合などの曝露された環境履歴や活動量の変動が、考慮されていなかった。そのため、上述した従来技術のシステムでは、曝露された環境履歴や活動量の変動によって、利用者に応じた適切な熱環境のエリアが、推奨されない可能性があった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、利用者が曝露された環境履歴や活動量の変動を考慮して、利用者に応じた適切な熱環境のエリアを推奨することができるエリア推奨システム、サーバ装置、エリア推奨方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、利用者端末から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の生理的に体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、前記利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、前記利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の前記利用者の前記生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における前記利用者の前記生理情報及び周囲環境に関する心理を示す心理情報を予測する予測処理部と、前記予測処理部が予測した前記所定の期間の経過後における前記利用者の前記生理情報及び前記心理情報と、推奨するエリアの判定基準となる前記生理情報及び前記心理情報を含むリコメンド判定基準情報を前記利用者ごとに記憶するリコメンド判定基準記憶部から取得した前記利用者に対応する前記リコメンド判定基準情報とに基づいて、前記利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出し、抽出した前記推奨エリア及び前記所定の期間に基づく推奨滞在期間を前記利用者端末に出力するリコメンド処理部とを備えるエリア推奨システムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、利用者端末から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の生理的に体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、前記利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、前記利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の前記利用者の前記生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における前記利用者の前記生理情報及び周囲環境に関する心理を示す心理情報を予測する予測処理部と、前記予測処理部が予測した前記所定の期間の経過後における前記利用者の前記生理情報及び前記心理情報と、推奨するエリアの判定基準となる前記生理情報及び前記心理情報を含むリコメンド判定基準情報を前記利用者ごとに記憶するリコメンド判定基準記憶部から取得した前記利用者に対応する前記リコメンド判定基準情報とに基づいて、前記利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出し、抽出した前記推奨エリア及び前記所定の期間に基づく推奨滞在期間を前記利用者端末に出力するリコメンド処理部とを備えるサーバ装置である。
【0008】
また、本発明の一態様は、予測処理部が、利用者端末から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の生理的に体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、前記利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、前記利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の前記利用者の前記生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における前記利用者の前記生理情報及び周囲環境に関する心理を示す心理情報を予測する予測処理ステップと、リコメンド処理部が、前記予測処理ステップによって予測された前記所定の期間の経過後における前記利用者の前記生理情報及び前記心理情報と、推奨するエリアの判定基準となる前記生理情報及び前記心理情報を含むリコメンド判定基準情報を前記利用者ごとに記憶するリコメンド判定基準記憶部から取得した前記利用者に対応する前記リコメンド判定基準情報とに基づいて、前記利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出し、抽出した前記推奨エリア及び前記所定の期間に基づく推奨滞在期間を前記利用者端末に出力するリコメンド処理ステップとを含むエリア推奨方法である。
【0009】
また、本発明の一態様は、コンピュータに、利用者端末から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の生理的に体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、前記利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、前記利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の前記利用者の前記生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における前記利用者の前記生理情報及び周囲環境に関する心理を示す心理情報を予測する予測処理ステップと、前記予測処理ステップによって予測された前記所定の期間の経過後における前記利用者の前記生理情報及び前記心理情報と、推奨するエリアの判定基準となる前記生理情報及び前記心理情報を含むリコメンド判定基準情報を前記利用者ごとに記憶するリコメンド判定基準記憶部から取得した前記利用者に対応する前記リコメンド判定基準情報とに基づいて、前記利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出し、抽出した前記推奨エリア及び前記所定の期間に基づく推奨滞在期間を前記利用者端末に出力するリコメンド処理ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用者が曝露された環境履歴や活動量の変動を考慮して、利用者に応じた適切な熱環境のエリアを推奨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態によるエリア推奨システムの一例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態におけるエリア情報記憶部のデータ例を示す図である。
【
図3】本実施形態における座席情報記憶部のデータ例を示す図である。
【
図4】本実施形態における利用者情報記憶部のデータ例を示す図である。
【
図5】本実施形態における生理・心理履歴記憶部のデータ例を示す図である。
【
図6】本実施形態における温熱履歴記憶部のデータ例を示す図である。
【
図7】本実施形態における学習用情報記憶部のデータ例を示す図である。
【
図8】本実施形態によるエリア推奨システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態における体温維持モードの場合のアンケート内容及び学習処理の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態における身体冷却モードの場合のアンケート内容及び学習処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態によるエリア推奨システム、サーバ装置、及びエリア推奨方法について、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態によるエリア推奨システム1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、エリア推奨システム1は、アプリケーションサーバ10と、環境センサ21と、位置情報センサ22と、座席センサ23と、着衣量センサ24と、ウェアラブルセンサ25と、建物管理サーバ30と、利用者端末40とを備える。
【0014】
アプリケーションサーバ10と、ウェアラブルセンサ25と、建物管理サーバ30と、利用者端末40とは、ネットワークNW1に接続可能であり、ネットワークNW1を介して通信可能である。
【0015】
なお、
図1において、環境センサ21、位置情報センサ22、座席センサ23、着衣量センサ24、ウェアラブルセンサ25、及び利用者端末40は、説明の都合上それぞれ1台を備えるように記載しているが、エリア推奨システム1は」、これらの構成を複数備えてもよい。
【0016】
環境センサ21は、建物などの対象空間内に設置され、物理環境に関する情報である物理環境情報を定期的に検出し、建物管理サーバ30に送信する。物理環境情報には、例えば、空気温度(室温)、湿度、気流速度、等が含まれる。また、物理環境情報には、照度、騒音、CO2(二酸化炭素)濃度、等が含まれてもよい。
【0017】
位置情報センサ22は、利用者である個人の位置情報を検出し、建物管理サーバ30に送信する。個人の位置情報は、利用者のエリア(例えば、座席)を特定する情報であり、例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)などの無線通信、カメラ画像、QRコード(登録商標)などの既往技術を用いて取得可能である。
【0018】
座席センサ23は、座席の空席情報を定期的に検出して、建物管理サーバ30に送信する。座席センサ23は、例えば、座席周辺に設置した各種センサであり、座席の利用状況である空席情報を検出する。座席センサ23は、なお、空席情報は、座席の予約システムがある場合は、座席の予約情報から検出されてもよい。
【0019】
着衣量センサ24は、着衣量を検出し、建物管理サーバ30に送信する。着衣量は、着衣の断熱・保温性を示す指標で、着ている服の種類や量のことを示す。着衣量センサ24は、例えば、サーモカメラの撮像画像により、着衣の熱抵抗値(clo値)を推定する既往技術を用いて検出する。
【0020】
ウェアラブルセンサ25は、利用者が所持しているウェアラブル装置であり、利用者周辺の物理環境情報や、利用者の生理情報を検出し、アプリケーションサーバ10に送信する。生理情報は、生理的に体温に関連する情報であり、例えば、皮膚温、深部温、発汗量、ぬれ率、受放熱量、心拍数、血流量、着衣量、等である。
【0021】
利用者端末40は、利用者が所持する端末装置であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、等である。利用者端末40は、利用者の操作による各種情報を受け付け、リコメンド要求をアプリケーションサーバ10に送信する。また、利用者端末40は、アプリケーションサーバ10から受信したリコメンド情報を表示する。また、利用者端末40は、アプリケーションサーバ10から受信したアンケートを表示するとともに、アンケートの回答を受け付けて、アプリケーションサーバ10に送信する。
利用者端末40は、端末制御部41と、入力部42と、表示部43とを備える。
【0022】
入力部42は、例えば、キーボード、タッチスクリーン、等の入力デバイスであり、各種情報を受け付ける。入力部42は、例えば、利用者の個人情報、利用目的情報、等の入力の際に、利用される。
【0023】
表示部43は、例えば、液晶ディスプレイ、等の表示装置であり、各種情報を表示する。表示部43は、例えば、アプリケーションサーバ10から受信したリコメンド情報や、アンケートを表示する。
【0024】
端末制御部41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサであり、利用者端末40を統括的に制御する。端末制御部41は、例えば、入力部42の操作に応じて、利用目的情報を含むリコメンド要求を、アプリケーションサーバ10に送信する。また、端末制御部41は、アプリケーションサーバ10から受信したリコメンド情報やアンケートを、表示部43に表示させる。また、端末制御部41は、入力部42の操作により受け付けた、アンケートの回答を、アプリケーションサーバ10に送信する。
【0025】
建物管理サーバ30は、例えば、サーバ装置であり、建物である対象空間内のエリアを管理するとともに、対象空間内に設置された各種センサの情報を取得し、アプリケーションサーバ10に送信する。なお、エリアには、座席が含まれる。
建物管理サーバ30は、サーバ記憶部31と、サーバ制御部32とを備える。
【0026】
サーバ記憶部31は、建物管理サーバ30が利用する各種情報を記憶する。
サーバ記憶部31は、エリア情報記憶部311と、座席情報記憶部312とを備える。
【0027】
エリア情報記憶部311は、エリアに関するエリア情報を記憶する。ここで、
図2を参照して、エリア情報記憶部311のデータ例について説明する。
図2は、本実施形態におけるエリア情報記憶部311のデータ例を示す図である。
【0028】
図2に示すように、エリア情報記憶部311は、エリアIDと、ゾーニング情報と、物理環境情報とを対応付けたエリア情報を記憶する。
ここで、エリアIDは、エリアを識別するエリア識別情報の一例である。また、ゾーニング情報は、例えば、集中エリア、リフレッシュエリア、コミュニケーションエリア、等のエリアの種別を示すエリア種別情報の一例である。また、物理環境情報は、上述した空気温度(室温)、湿度、気流速度、等である。
【0029】
このように、エリア情報記憶部311は、エリアを識別するエリア識別情報と、エリアの種別を示すエリア種別情報と、エリア内の物理環境情報とを対応付けたエリア情報を記憶する。
【0030】
図2に示す例では、エリアIDが“A001”のエリアでは、ゾーニング情報が、“リフレッシュエリア”であり、現在の物理環境情報が、“室温XX℃、湿度XX%、・・・”であることを示している。
【0031】
図1の説明に戻り、座席情報記憶部312は、エリア内に配置された座席に関する座席情報を記憶する。ここで、
図3を参照して、座席情報記憶部312のデータ例について説明する。
【0032】
図3は、本実施形態における座席情報記憶部312のデータ例を示す図である。
図3に示すように、座席情報記憶部312は、エリアIDと、座席情報と、空席情報とを対応付けた座席情報を記憶する。
【0033】
ここで、座席情報は、座席の位置情報(例えば、座席番号)を示し、空席情報は、座席の空席、又は使用中を示す情報である。
図3に示す例では、例えば、エリアIDが“A001”のエリアにおいて、座席情報が“A-1”の座席が“空席”であり、座席情報が“A-2”の座席が“使用中”であることを示している。
【0034】
再び、
図1の説明に戻り、サーバ制御部32は、例えば、CPUを含むプロセッサであり、建物管理サーバ30を統括的に制御する。サーバ制御部32は、情報収集部321を備える。
【0035】
情報収集部321は、例えば、サーバ制御部32のCPUに、サーバ記憶部31が記憶するプログラムを実行させることで実現される機能部である。情報収集部321は、各センサ(環境センサ21、位置情報センサ22、座席センサ23、着衣量センサ24、等)から、定期的に各種情報を取得し、エリア情報記憶部311及び座席情報記憶部312が記憶する各種情報を更新する。また、情報収集部321は、例えば、アプリケーションサーバ10からの要求に応じて、エリア情報記憶部311及び座席情報記憶部312が記憶する各種情報をアプリケーションサーバ10に送信する。
【0036】
アプリケーションサーバ10(サーバ装置の一例)は、利用者端末40から受信したリコメンド要求に応じて、リコメンド情報を生成し、生成したリコメンド情報を、利用者端末40に送信する。また、アプリケーションサーバ10は、リコメンド情報に応じて、アンケートを生成して、利用者端末40に送信し、アンケートの回答を利用者端末40から受信する。アプリケーションサーバ10は、アンケートの回答に応じて、リコメンド判定基準の更新(学習)を実行する。
アプリケーションサーバ10は、サーバ記憶部11と、サーバ制御部12とを備える。
【0037】
サーバ記憶部11は、アプリケーションサーバ10が利用する各種情報を記憶する。サーバ記憶部11は、利用者情報記憶部111と、生理・心理履歴記憶部112と、温熱履歴記憶部113と、予測関連情報記憶部114と、学習用情報記憶部115とを備える。
【0038】
利用者情報記憶部111は、エリア推奨システム1を利用する利用者に関する情報を記憶する。ここで、
図4を参照して、利用者情報記憶部111のデータ例について説明する。
【0039】
図4は、本実施形態における利用者情報記憶部111のデータ例を示す図である。
図4に示すように、利用者情報記憶部111は、利用者IDと、年齢と、性別と、身長と、体重と、温感傾向とを対応付けた利用者情報を記憶する。
【0040】
ここで、利用者IDは、利用者を識別する利用者識別情報の一例である。また、年齢と、性別と、身長と、体重と、温感傾向とは、個人基本情報であり、温感傾向は、利用者の温感に関する好み(例えば、暑がり、寒がり、等)を示す情報である。
【0041】
例えば、
図4に示す例では、利用者IDが“U001”の利用者は、年齢が“30歳”、性別が“男性”、身長が“XXXcm”、体重が“〇〇kg”、温感傾向が“寒がりであることを示している。
なお、利用者情報記憶部111が記憶する利用者情報は、例えば、利用者端末40から取得した情報である。
【0042】
再び、
図1の説明に戻り、生理・心理履歴記憶部112は、生理情報及び心理情報の履歴を利用者ごとに記憶する。ここで、
図5を参照して、生理・心理履歴記憶部112のデータ例について説明する。
【0043】
図5は、本実施形態における生理・心理履歴記憶部112のデータ例を示す図である。
図5に示すように、生理・心理履歴記憶部112は、利用者IDと、日時情報と、生理情報と、心理情報とを対応付けて記憶する。
【0044】
ここで、日時情報は、例えば、年月日及び時刻情報であり、当該情報を取得した日時を示す。また、生理情報は、例えば、皮膚温、深部温、発汗量、ぬれ率、受放熱量、心拍数、血流量、着衣量、等の検出値である。
また、心理情報は、周囲環境に関する心理を示す情報であり、利用者の心理が、例えば、寒い、暑い、丁度良い、等を示す情報である。
【0045】
例えば、
図5に示す例では、利用者IDが“U001”の利用者が、日時情報“2023/4/1 10:00”(2023年4月1日 10時10分)に、生理情報が“皮膚温XX℃、深部温XX℃、・・・”であり、心理情報が“寒い”であることを示している。
【0046】
再び、
図1の説明に戻り、温熱履歴記憶部113は、利用者に対応した温熱履歴情報を記憶する。温熱履歴情報は、例えば、利用者の周辺の物理環境情報や、利用者の活動情報、等である。ここで、
図6を参照して、温熱履歴記憶部113のデータ例について説明する。
【0047】
図6は、本実施形態における温熱履歴記憶部113のデータ例を示す図である。
図6に示すように、温熱履歴記憶部113は、利用者IDと、日時情報と、位置情報と、物理環境情報と、活動情報とを対応付けた温熱履歴情報を記憶する。
ここで、位置情報は、利用者の位置情報(建物のエリア内にいる場合)を示している。なお、温熱履歴情報には、対象者の着衣量、対象者の代謝量関連情報(代謝量、歩行速度、加速度データ等)などが含まれてもよい。
【0048】
例えば、
図6に示す例では、利用者IDが“U001”の利用者が、日時情報“2023/4/1 10:00”に、位置情報“XXX”において、物理環境情報が“周囲温度XX℃、・・・”で、活動情報が“速度XXで歩行”であったことを示している。
【0049】
再び、
図1の説明に戻り、予測関連情報記憶部114は、生理情報の予測値、及び心理情報の予測値を記憶する。生理情報の予測値、及び心理情報の予測値は、後述する予測処理部121が予測した予測値である。
【0050】
学習用情報記憶部115は、学習用情報を記憶する。学習用情報には、例えば、利用者情報(個人基本情報)、利用目的情報、生理情報、心理情報、温熱履歴情報、心理申告情報、リコメンド情報、及びリコメンド判定基準情報、等が含まれる。ここで、リコメンド判定基準情報は、非定常時(環境や体温の変動がある場合)において、リコメンドの判定基準となる情報であり、目標生理情報(例えば、目標皮膚温、目標深部温度、等)、目標心理情報、及び目標の物理環境情報などである。
【0051】
なお、リコメンド判定基準情報は、リコメンドモードごとに、設定されてもよい。
また、リコメンド情報は、利用者に推奨する情報であり、推奨エリア(推奨座席)、及び、推奨滞在期間である。
【0052】
ここで、
図7を参照して、学習用情報記憶部115のデータ例について説明する。
図7は、本実施形態における学習用情報記憶部115のデータ例を示す図である。
図7に示すように、学習用情報記憶部115は、日時情報と、利用者情報と、利用目的情報と、生理情報と、心理情報と、温熱履歴情報と、心理申告情報と、リコメンド情報と、リコメンド判定基準情報とを対応付けた学習用情報を記憶する。ここで、心理申告情報は、利用者から申告された心理情報である。
なお、学習用情報記憶部115は、リコメンド判定基準情報を利用者ごとに記憶するリコメンド判定基準記憶部の一例である。
【0053】
再び、
図1の説明に戻り、サーバ制御部12は、例えば、CPUを含むプロセッサであり、アプリケーションサーバ10を統括的に制御する。サーバ制御部12は、予測処理部121と、リコメンド処理部122と、アンケート生成部123とを備える。
【0054】
予測処理部121は、例えば、サーバ制御部12のCPUに、サーバ記憶部11が記憶するプログラムを実行させることで実現される機能部である。予測処理部121は、利用者端末40から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の生理履歴情報と、利用者の曝露環境履歴情報と、利用者の活動履歴情報と、現在の利用者の生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における利用者の生理情報及び心理情報を予測する。
【0055】
ここで、生理履歴情報は、利用者の生理的に体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含み、曝露環境履歴情報は、利用者の直近の曝露環境を含む。また、活動履歴情報は、利用者の直近の活動の履歴を含む。また、心理情報は、周囲環境に関する利用者の心理を示す情報である。
【0056】
予測処理部121は、建物管理サーバ30、ウェアラブルセンサ25及び利用者端末40から各種情報を取得し、各種情報を利用者情報記憶部111、生理・心理履歴記憶部112、及び温熱履歴記憶部113に記憶させる。
【0057】
また、予測処理部121は、現在の利用者の生理情報及び心理情報が取得できない場合に、既存の技術を用いて、利用者の生理履歴情報、利用者の曝露環境履歴情報、利用者の活動履歴情報などから、現在の利用者の生理情報及び心理情報の予測値を算出する。
【0058】
予測処理部121は、算出した現在の利用者の生理情報及び心理情報の予測値を、生理予測情報、及び心理予測情報として、予測関連情報記憶部114に記憶させる。予測処理部121は、生理予測情報、及び心理予測情報と、利用者IDと、入力条件とを対応付けて予測関連情報記憶部114に記憶させる。
【0059】
また、予測処理部121は、利用者情報記憶部111、生理・心理履歴記憶部112、温熱履歴記憶部113、及び予測関連情報記憶部114が記憶する各種情報に基づいて、既存の技術を用いて、所定の期間の経過後の利用者の生理情報及び心理情報を予測する。
【0060】
リコメンド処理部122は、例えば、サーバ制御部12のCPUに、サーバ記憶部11が記憶するプログラムを実行させることで実現される機能部である。リコメンド処理部122は、予測処理部121が予測した所定の期間の経過後における利用者の生理情報及び心理情報と、リコメンド判定基準情報とに基づいて、利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出する。
【0061】
リコメンド処理部122は、リコメンド判定基準情報を、学習用情報記憶部115(リコメンド判定基準記憶部)から取得して、予測した利用者の生理情報及び心理情報と、リコメンド判定基準情報とを比較して、推奨エリア及び推奨滞在期間を、リコメンド情報として抽出する。
【0062】
具体的に、リコメンド処理部122は、例えば、エリア情報記憶部311が記憶するエリアのうちから、物理環境情報がリコメンド判定基準情報(目標の物理環境情報)に合致するエリアIDを抽出する。リコメンド処理部122は、抽出したエリアIDに対応するエリアのうち、物理環境情報(リコメンド判定基準情報)に対応する利用者の生理情報及び心理情報になるまでの所定の期間が最も短い、もしくは生理情報(例えば、皮膚温,深部温、等)の変動が最適になるエリアを、推奨エリアとして抽出する。ここで、生理情報の変動が最適になるとは、生理情報がリコメンド判定基準情報に合致することであり、急激な体温変動を嫌う利用者(緩やかに身体冷却・加温したい利用者)がいることを想定し、リコメンド判定基準情報に時間当たりの皮膚温及び深部温の変動(変動の激しさの程度)を含める。
【0063】
なお、リコメンド要求には、利用者の利用目的を示す利用目的情報(例えば、ゾーニング情報)が含まれる。リコメンド処理部122は、エリア情報記憶部311が記憶するエリアのうちから、エリア種別情報が利用目的情報に合致し、且つ、物理環境情報がリコメンド判定基準情報に合致するエリア識別情報を抽出する
また、リコメンド処理部122は、座席情報記憶部312が記憶する座席情報に基づいて、空席の座席を、推奨エリアとして抽出してもよい。
【0064】
リコメンド処理部122は、推奨エリア及び所定の期間に基づく推奨滞在期間を、リコメンド情報として、学習用情報記憶部115に記憶させるとともに、リコメンド情報を、利用者端末40に送信し、利用者端末40の表示部43に表示させる。
【0065】
なお、リコメンド処理部122は、現在の利用者の生理情報と、リコメンド判定基準情報に含まれる生理情報である判定基準生理情報とに基づいて、リコメンドモードとして、身体冷却モードと、身体加温モードと、体温維持モードのうちの1つのモードを選択する。ここで、リコメンド処理部122は、利用者が暑いと感じている場合に、身体冷却モードを選択し、利用者が寒いと感じている場合に、身体加温モードを選択する。また、リコメンド処理部122は、利用者が適温に感じている場合に、体温維持モードを選択する。
【0066】
リコメンド処理部122は、選択したリコメンドモードが、体温維持モードである場合に、推奨滞在期間を出力せずに、推奨エリアを利用者端末40に出力する。
また、リコメンド処理部122は、さらに、推奨エリアにおける温熱快適性に関するアンケートに対する利用者の回答に基づいて、リコメンド判定基準情報を更新し、更新したリコメンド判定基準情報を学習用情報記憶部115に記憶させる。
【0067】
ここで、アンケートは、後述するアンケート生成部123が生成したものである。リコメンド処理部122は、アンケート生成部123によって、リコメンドモードごとに異なるアンケートであって、リコメンド情報に基づくアンケートの回答により、学習用情報記憶部115のリコメンド判定基準情報を更新(学習)させる。
【0068】
アンケート生成部123は、例えば、サーバ制御部12のCPUに、サーバ記憶部11が記憶するプログラムを実行させることで実現される機能部であり、リコメンド情報に基づくアンケートを生成する。アンケート生成部123は、リコメンドモードごとに異なるアンケートを生成する。アンケート生成部123は、生成したアンケートを、利用者端末40に送信し、利用者端末40の表示部43に表示させる。
【0069】
次に、図面を参照して、本実施形態によるエリア推奨システム1の動作について説明する。
図8は、本実施形態によるエリア推奨システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0070】
図8に示すように、エリア推奨システム1のアプリケーションサーバ10は、まず、リコメンド要求を受信したか否かを判定する(ステップS101)。アプリケーションサーバ10のサーバ制御部12は、利用者端末40からのリコメンド要求を受信したか否かを判定する。なお、リコメンド要求には、例えば、リフレッシュ、集中などの利用目的情報が含まれる。サーバ制御部12は、リコメンド要求を受信した場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、サーバ制御部12は、リコメンド要求を受信していない場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS101に戻す。
【0071】
なお、初回利用の場合に、サーバ制御部12は、利用者情報(個人基本情報)を利用者端末40から取得するとともに、利用者情報(個人基本情報)に基づいて,入力条件及びリコメンド判定基準情報のプリセット(初期値設定)を行う。
【0072】
ステップS102において、サーバ制御部12の予測処理部121は、エリア情報を取得する。予測処理部121は、建物管理サーバ30のエリア情報記憶部311が記憶するエリア情報を取得する。
【0073】
次に、予測処理部121は、利用者情報、生理履歴情報、曝露環境履歴情報、及び活動履歴情報を取得する(ステップS103)。予測処理部121は、建物管理サーバ30及びウェアラブルセンサ25から利用者情報、生理履歴情報、曝露環境履歴情報、及び活動履歴情報の各情報を取得する。
【0074】
次に、予測処理部121は、現在の生理情報及び心理情報を取得したか否かを判定する(ステップS104)。予測処理部121は、現在の生理情報及び心理情報を取得した場合(ステップS104:YES)に、処理をステップS106に進める。また、予測処理部121は、現在の生理情報又は心理情報を取得していない場合(ステップS104:NO)に、処理をステップS105に進める。
【0075】
ステップS105において、予測処理部121は、現在の生理情報及び心理情報を予測する。予測処理部121は、上述したステップS103の処理におより取得した各種情報、及び入力条件に基づいて、既存の技術を用いて、現在の生理情報及び心理情報を算出する。予測処理部121は、予測した現在の生理情報及び心理情報を、生理予測情報、及び心理予測情報として、予測関連情報記憶部114に記憶させる。
【0076】
次のステップS106において、予測処理部121は、利用目的及び空席情報により
エリアを絞り込む。予測処理部121は、取得したエリア情報のゾーニング情報と、リコメンド要求の利用目的情報とに基づいて、エリアを絞り込むとともに、建物管理サーバ30の座席情報記憶部312が記憶する空席情報により、さらに、エリアを絞り込む。
【0077】
次に、予測処理部121は、条件に合致したエリアがあるか否かを判定する(ステップS108)。予測処理部121は、条件に合致したエリアがある場合(ステップS108:YES)に、処理をステップS109に進める。また、予測処理部121は、条件に合致したエリアがある場合(ステップS108:NO)に、処理をステップS122に進める。
【0078】
ステップS109において、予測処理部121は、絞り込んだエリアの環境情報を取得する。予測処理部121は、エリア情報記憶部311から、絞り込んだエリアのエリアIDに対応する物理環境情報を取得する。
【0079】
次に、予測処理部121は、生理情報及び心理情報の予測処理を実行する(ステップS110)。予測処理部121は、取得した各種情報に基づいて、既存の技術を用いて、所定の期間後の生理情報及び心理情報を予測する。
【0080】
次に、サーバ制御部12のリコメンド処理部122は、現在の生理情報と、判定基準の生理情報とからリコメンドモードを選択し、リコメンドモードに応じたリコメンド処理を実行する(ステップS111)。リコメンド処理部122は、現在の生理情報が、リコメンド判定基準情報の生理情報よりも所定閾値以上大きい場合(暑いと感じている場合)に、リコメンドモードを身体冷却モードを選択する。また、リコメンド処理部122は、現在の生理情報が、リコメンド判定基準情報の生理情報よりも所定閾値以下小さい場合(寒いと感じている場合)に、リコメンドモードを身体加温モードを選択する。また、リコメンド処理部122は、現在の生理情報が、リコメンド判定基準情報の生理情報と同程度の場合に、リコメンドモードを体温維持モードを選択する。
【0081】
リコメンド処理部122は、抽出したエリアのうち、物理環境情報(リコメンド判定基準情報)に対応する利用者の生理情報及び心理情報になるまでの所定の期間が最も短い、もしくは生理情報(例えば、皮膚温,深部温、等)の変動が最適になるエリアを、推奨エリア(推奨座席の候補)として抽出する。また、リコメンド処理部122は、当該リコメンド判定基準情報の生理情報及び心理情報になるまでの所定の期間を、推奨滞在期間として生成する。
【0082】
次に、リコメンド処理部122は、座席候補を抽出したか否かを判定する(ステップS112)。リコメンド処理部122は、座席候補を抽出した場合(ステップS112:YES)に、処理をステップS113に進める。また、リコメンド処理部122は、座席候補を抽出していない場合(ステップS112:NO)に、処理をステップS123に進める。
【0083】
ステップS113において、リコメンド処理部122は、リコメンドモードに応じたリコメンド情報を出力する。リコメンド処理部122は、例えば、リコメンドモードが、身体冷却モード、又は身体加温モードである場合に、リコメンド情報として、推奨エリア(推奨座席)及び推奨滞在期間を、利用者端末40に送信する。また、リコメンド処理部122は、例えば、リコメンドモードが、体温維持モードである場合に、リコメンド情報として、推奨エリア(推奨座席)を利用者端末40に送信する(推奨滞在期間を送信しない)。リコメンド処理部122は、リコメンド情報を含む各種情報を学習用情報として、学習用情報記憶部115に記憶させる。
【0084】
次に、リコメンド処理部122は、利用者周辺の物理環境情報及び生理情報を取得する(ステップS114)。リコメンド処理部122は、利用者が推奨エリアに滞在したか否かに関わらず、利用者の位置情報を基に利用者周辺の物理環境情報及び生理情報を取得し,アプリケーションサーバ10内のサーバ記憶部11に記憶させる。
【0085】
次に、リコメンド処理部122は、利用者が離席したか否かを判定する(ステップS115)。リコメンド処理部122は、利用者の位置情報を基に、利用者が離席したか否かを判定する。リコメンド処理部122は、利用者が離席した場合(ステップS115:YES)に、処理をステップS116に進める。また、リコメンド処理部122は、利用者が離席していない場合(ステップS115:NO)に、処理をステップS114に戻す。
【0086】
ステップS116において、リコメンド処理部122は、アプリを起動したか否かを判定する。リコメンド処理部122は、利用者端末40からの情報に基づいて、利用者が利用者端末40において、当該システム用のアプリを起動したか否かを判定する。リコメンド処理部122は、アプリを起動した場合(ステップS116:YES)に、処理をステップS117に進める。また、リコメンド処理部122は、アプリを起動していない場合(ステップS116:NO)に、処理をステップS114に戻す。
【0087】
ステップS117において、リコメンド処理部122は、一定期間が経過したか否かを判定する。リコメンド処理部122は、例えば、推奨滞在期間である一定期間が経過したか否かを判定する。リコメンド処理部122は、一定期間が経過した場合(ステップS117:YES)に、処理をステップS118に進める。また、リコメンド処理部122は、一定期間が経過していない場合(ステップS117:NO)に、処理をステップS114に戻す。
【0088】
ステップS118において、サーバ制御部12のアンケート生成部123は、アンケートを出力し回答を取得する。アンケート生成部123は、リコメンドモードに応じたアンケートを生成し、生成したアンケートを、利用者端末40に送信する。また、アンケート生成部123は、利用者端末40からアンケートの回答を受信する。
【0089】
次に、リコメンド処理部122は、リコメンドモードに応じたリコメンド判定基準情報の更新処理を実行する(ステップS119)。リコメンド処理部122は、アンケートに回答に応じて、リコメンド判定基準情報を見直す処理(学習処理)を実行し、学習用情報記憶部115が記憶するリコメンド判定基準情報を更新する。
【0090】
次に、リコメンド処理部122は、利用者周辺の物理環境情報及び生理情報を取得する(ステップS120)。リコメンド処理部122は、利用者の位置情報を基に利用者周辺の物理環境情報及び生理情報を取得し,アプリケーションサーバ10内のサーバ記憶部11に記憶させる。
【0091】
次に、リコメンド処理部122は、対象建物を退館したか否かを判定する(ステップS121)。リコメンド処理部122は、利用者の位置情報を基に、対象建物を退館したか否かを判定する。リコメンド処理部122は、対象建物を退館した場合(ステップS121:YES)に、処理を終了する。また、リコメンド処理部122は、対象建物を退館していない場合(ステップS121:NO)に、処理をステップS120に戻す。
【0092】
また、ステップS122において、リコメンド処理部122は、エラーメッセージを出力する。リコメンド処理部122は、例えば、条件に合致したエリアがない旨を示すエラーメッセージを利用者端末40に送信する。ステップS122の処理後に、リコメンド処理部122は、処理をステップS101に戻す。
【0093】
また、ステップS123において、リコメンド処理部122は、抽出範囲を拡大する。リコメンド処理部122は、エリア(座席)を抽出する抽出範囲を拡大する。ステップS123の処理後に、リコメンド処理部122は、処理をステップS110に戻す。
【0094】
次に、
図9及び
図10を参照して、本実施形態によるエリア推奨システム1におけるリコメンド判定基準情報の更新(学習)処理について説明する。
図9は、本実施形態における体温維持モードの場合のアンケート内容及び学習処理の一例を示す図である。
【0095】
図9に示すように、アンケート生成部123は、快適感(2段階:不快又は快適)、気流の好み(3段階:強すぎる、ちょうどよい、又は弱すぎる)、及び温冷感(7段階:寒い、涼しい、やや涼しい、中立、やや暖かい、暖かい、又は暑い)を尋ねるアンケートを作成し,利用者端末40に送信する。
【0096】
リコメンド処理部122は、アンケートの回答を受信し、まず、定常時における快適環境のプリセットを実行する(ステップS201)。
次に、リコメンド処理部122は、アンケートの快適感の回答により、2段階に処理を分岐し(ステップS202)、気流の好みの回答により3段階に処理を分岐する(ステップS203)。
【0097】
次に、リコメンド処理部122は、温冷感の回答により7段階に処理を分岐する(ステップS204)。
次に、リコメンド処理部122は、各分岐に応じたリコメンド判定基準情報の更新処理を実行する(ステップS205)。
【0098】
このように、リコメンド処理部122は、利用者ごとに、リコメンド判定基準情報を更新する。リコメンド処理部122は、更新するリコメンド基準情報を学習用情報記憶部115に記憶させる。
【0099】
また、
図10は、本実施形態における身体冷却モードの場合のアンケート内容及び学習処理の一例を示す図である。
【0100】
図10に示すように、アンケート生成部123は、身体冷却モードである場合に、快適感(2段階:不快又は快適)、体の冷却/加熱感の好み(3段階:涼しい、寒い、又はちょうどよい)、及び温冷感(3段階:さらに緩やかに身体を冷やしたい、ちょうどよい、又はもっと急峻に身体を冷やしたい)を尋ねるアンケートを作成し,利用者端末40に送信する。なお、身体冷却モード又は身体加温モードでは、寒さ/暑さによる不快感の原因として、(A)体温が急激に変動したことと、(B)滞在時間が長すぎることとの2つが考えられる
【0101】
リコメンド処理部122は、身体冷却モードである場合に、アンケートの回答を受信し、まず、判定基準生理情報のプリセットを実行する(ステップS301)。
次に、リコメンド処理部122は、アンケートの快適感の回答により、2段階に処理を分岐する(ステップS302)。ここでは、リコメンド処理部122は、快適感が不快の場合に処理を続ける。
【0102】
次に、リコメンド処理部122は、体の冷却/加熱感の好みの回答により3段階に処理を分岐する(ステップS303)。ここでは、リコメンド処理部122は、寒い、又は涼しい場合に処理を続ける。
【0103】
次に、リコメンド処理部122は、温冷感の回答により3段階に処理を分岐する(ステップS304)。
次に、リコメンド処理部122は、各分岐に応じたリコメンド判定基準情報の更新処理を実行する(ステップS305)。
【0104】
以上説明したように、本実施形態によるエリア推奨システム1は、予測処理部121と、リコメンド処理部122とを備える。予測処理部121は、利用者端末40から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の生理的に体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の利用者の生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における利用者の生理情報及び周囲環境に関する心理を示す心理情報を予測する。リコメンド処理部122は、予測処理部121が予測した所定の期間の経過後における利用者の生理情報及び心理情報と、推奨するエリアの判定基準となる生理情報及び心理情報を含むリコメンド判定基準情報を利用者ごとに記憶する学習用情報記憶部115(リコメンド判定基準記憶部)から取得した利用者に対応するリコメンド判定基準情報とに基づいて、利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出する。リコメンド処理部122は、抽出した推奨エリア及び所定の期間に基づく推奨滞在期間を利用者端末40に出力する。
【0105】
これにより、本実施形態によるエリア推奨システム1は、利用者が曝露された環境履歴や活動履歴、生理情報履歴に基づいて、推奨エリア及び推奨滞在期間を抽出するため、利用者が曝露された環境履歴や活動量の変動によらずに、利用者に応じた適切な熱環境のエリアを推奨することができる。
【0106】
また、本実施形態では、リコメンド処理部122は、さらに、推奨エリアにおける温熱快適性に関するアンケートに対する利用者の回答に基づいて、リコメンド判定基準情報を更新し、更新したリコメンド判定基準情報を学習用情報記憶部115に記憶させる。
【0107】
これにより、本実施形態によるエリア推奨システム1は、アンケートに対する利用者の回答に基づいて、リコメンド判定基準情報を更新するため、利用者に応じて、さらに適切な熱環境のエリアを推奨することができる。
【0108】
なお、これまで、熱環境を分析する上で利用できるデータは、オフィスにおけるアンケートや被験者実験などに限られていた。そのため,個人や男女群、年代群といた属性群ごとの熱環境選好や、環境及び活動量の変動を伴う条件における熱環境選好を分析することが困難であった。これに対して、本実施形態によるエリア推奨システム1は、利用者の属性,及び曝露環境,活動量,生理情報,心理情報(生理情報,心理情報は、計算プログラムによる予測値を含む)の履歴データを取得し,学習させることにより,個人や属性群ごとに最適な熱環境を提案することが可能となる。
【0109】
また、従来の技術では,人の温冷感を予測するために体温(皮膚温及び深部温)のデータが必要であったが、現在普及しているウェアラブルデバイスでは、体温のデータを取得することは困難であった。これに対して、本実施形態によるエリア推奨システム1は、上述した各種履歴情報を記憶・学習させることで、比較的容易に取得できる対象者の周辺環境及び加速度等の活動履歴から,生理情報及び心理情報を予測することが可能となる。これにより、本実施形態によるエリア推奨システム1は、低コストで(高価なデバイスを要さずとも)利用者に合わせた快適な環境を提案することができる。
【0110】
また、本実施形態によるエリア推奨システム1は、温熱環境の分布をつくった空間において、最適な熱環境となるエリア(座席位置)を提案し、利用者が主体的に移動し快適を獲得するものである。そのため、本実施形態によるエリア推奨システム1は、大規模な空調設備改修を伴わずに、低コストで個々人の快適性を向上させることが可能である。
【0111】
また、本実施形態によるエリア推奨システム1は、エリアを識別するエリア識別情報と、エリアの種別を示すエリア種別情報と、エリア内の物理環境情報とを対応付けたエリア情報を記憶するエリア情報記憶部311を備える。リコメンド処理部122は、エリア情報記憶部311が記憶するエリアのうちから、物理環境情報がリコメンド判定基準情報に合致するエリア識別情報を抽出し、抽出したエリア識別情報に対応するエリアのうち、物理環境情報に対応する利用者の生理情報及び心理情報になるまでの所定の期間が最も短い、もしくは生理情報(例えば。皮膚温,深部温、等)の変動が最適になるエリアを、推奨エリアとして抽出する。
【0112】
これにより、本実施形態によるエリア推奨システム1は、利用者の生理情報及び心理情報になるまでの所定の期間が最も短い、もしくは生理情報(例えば。皮膚温,深部温、等)の変動が最適になるエリアを、推奨エリアとして抽出するため、利用者に応じて、さらに適切な熱環境のエリアを推奨することができる。
【0113】
また、本実施形態では、リコメンド要求には、利用者の利用目的を示す利用目的情報が含まれる。リコメンド処理部122は、エリア情報記憶部311が記憶するエリアのうちから、エリア種別情報が利用目的情報に合致し、且つ、物理環境情報がリコメンド判定基準情報に合致するエリア識別情報を抽出する。
【0114】
これにより、本実施形態によるエリア推奨システム1は、利用目的情報により、エリアを絞り込むことができるため、利用者に応じて、さらに適切な熱環境のエリアを推奨することができる。
【0115】
また、本実施形態では、リコメンド処理部122は、現在の利用者の生理情報と、リコメンド判定基準情報に含まれる生理情報である判定基準生理情報とに基づいて、利用者が暑いと感じている場合の身体冷却モードと、利用者が寒いと感じている身体加温モードと、利用者が適温に感じている体温維持モードのうちの1つのモードを選択し、選択したモードが、体温維持モードである場合に、推奨滞在期間を出力せずに、推奨エリアを出力する。
これにより、本実施形態によるエリア推奨システム1は、選択したリコメンドモードに応じて、適切な熱環境のエリアを推奨することができる。
【0116】
また、本実施形態によるエリア推奨システム1は、座席を識別する座席識別情報と、座席の位置情報と、座席の空席情報とを対応付けた座席情報を記憶する座席情報記憶部312を備える。また、エリアには、座席が含まれる。リコメンド処理部122は、座席情報記憶部312が記憶する座席情報に基づいて、空席の座席を、推奨エリアとして抽出する。
これにより、本実施形態によるエリア推奨システム1は、適切な熱環境の座席を推奨することができる。
【0117】
また、本実施形態によるアプリケーションサーバ10(サーバ装置)は、上述した予測処理部121と、リコメンド処理部122とを備える。
これにより、本実施形態によるアプリケーションサーバ10(サーバ装置)は、上述したエリア推奨システム1と同様の効果を奏し、利用者が曝露された環境履歴や活動量の変動によらずに、利用者に応じた適切な熱環境のエリアを推奨することができる。
【0118】
また、本実施形態によるエリア推奨方法は、予測処理ステップと、リコメンド処理ステップとを含む。予測処理ステップにおいて、予測処理部121が、利用者端末40から受信したリコメンド要求に応じて、利用者の生理的に体温に関連する情報である生理情報の直近の履歴を含む生理履歴情報と、利用者の直近の曝露環境を含む曝露環境履歴情報と、利用者の直近の活動の履歴を含む活動履歴情報と、現在の利用者の生理情報とに基づいて、所定の期間経過後における利用者の生理情報及び周囲環境に関する心理を示す心理情報を予測する。リコメンド処理ステップにおいて、リコメンド処理部122が、予測処理ステップによって予測された所定の期間の経過後における利用者の生理情報及び心理情報と、推奨するエリアの判定基準となる生理情報及び心理情報を含むリコメンド判定基準情報を利用者ごとに記憶する学習用情報記憶部115(リコメンド判定基準記憶部)から取得した利用者に対応するリコメンド判定基準情報とに基づいて、利用者が温熱快適性の確保に最適な推奨エリアを抽出し、抽出した推奨エリア及び所定の期間に基づく推奨滞在期間を利用者端末40に出力する。
【0119】
これにより、本実施形態によるエリア推奨方法は、上述したエリア推奨システム1と同様の効果を奏し、利用者が曝露された環境履歴や活動量の変動によらずに、利用者に応じた適切な熱環境のエリアを推奨することができる。
【0120】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、エリア推奨システム1は、アプリケーションサーバ10と、建物管理サーバ30とを備える例を説明したが、これに限定されるものではなく、建物管理サーバ30の構成の一部又は全部を、アプリケーションサーバ10が備えるようにしてもよい。すなわち、アプリケーションサーバ10と、建物管理サーバ30とは、1台のサーバ装置で構成されてもよい。
【0121】
また、上記の実施形態において、アプリケーションサーバ10と、建物管理サーバ30とは、それぞれが1台のサーバ装置で構成する例を説明したが、これに限定されるものではなく、複数のサーバ装置で構成してもよい。
【0122】
なお、上述したエリア推奨システム1が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したエリア推奨システム1が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述したエリア推奨システム1が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0123】
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線、仮想デスクトップの通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0124】
1…エリア推奨システム、10…アプリケーションサーバ、11、31…サーバ記憶部、12、32…サーバ制御部、21…環境センサ、22…位置情報センサ、23…座席センサ、24…着衣量センサ、25…ウェアラブルセンサ、30…建物管理サーバ、40…利用者端末、41…端末制御部、42…入力部、43…表示部、111…利用者情報記憶部、112…生理・心理履歴記憶部、113…温熱履歴記憶部、114…予測関連情報記憶部、115…学習用情報記憶部、121…予測処理部、122…リコメンド処理部、123…アンケート生成部、311…エリア情報記憶部、312…座席情報記憶部、321…情報収集部、NW1…ネットワーク