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特開2024-151866制御装置、現金処理装置、および入出金システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151866
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】制御装置、現金処理装置、および入出金システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20241018BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20241018BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
G07G1/01 301E
G07G1/00 331A
G07G1/12 321J
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065621
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100190942
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 竜司
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 隆人
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142DA07
3E142EA25
3E142FA23
3E142GA24
3E142JA01
(57)【要約】
【課題】釣銭機への釣銭出金作業の効率化を図ることを可能とする。
【解決手段】1以上の釣銭機に対応する釣銭出金の出金指示枚数データを記憶する記憶部と、前記出金指示枚数データに基づいて、前記釣銭機を釣銭出金対象とするか否かの判断を行い、判断結果を前記記憶部に記憶し、前記判断結果に応じて、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報を出力する制御を行う制御部と、を備える、制御装置。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の釣銭機に対応する釣銭出金の出金指示枚数データを記憶する記憶部と、
前記出金指示枚数データに基づいて、前記釣銭機を釣銭出金対象とするか否かの判断を行い、判断結果を前記記憶部に記憶し、前記判断結果に応じて、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報を出力する制御を行う制御部と、
を備える、制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記釣銭機に対応する出金指示枚数の合計が所定枚数以下の場合、出金対象外と判断する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記判断結果として、前記記憶部に記憶される出金指示枚数データにおいて、出金対象外と判断した釣銭機に出金不可フラグを付与する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記出金不可フラグが付与されていない釣銭機を出金対象とし、出金対象である前記釣銭機の釣銭出金に関する情報として、前記出金指示枚数データを出力する制御を行う、請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記出金不可フラグが付与されている釣銭機について、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報として、前記釣銭機の釣銭出金は不要である旨を出力する制御を行う、請求項3に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、出金対象外と判断されなかった釣銭機のうち、出金指示枚数の合計が上位の釣銭機を、優先出金対象と判断する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記優先出金対象と判断された釣銭機を出金対象とし、出金対象である前記釣銭機の釣銭出金に関する情報として、前記出金指示枚数データを出力する制御を行う、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、釣銭出金の回数が所定回数以上の釣銭機を、優先出金対象と判断する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記記憶部に記憶される出金指示枚数データにおいて、特例レジスタに設定された釣銭機に強制出金フラグを付与する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記強制出金フラグが付与された釣銭機を出金対象とし、出金対象である前記釣銭機の釣銭出金に関する情報として、前記出金指示枚数データを出力する制御を行う、請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記判断結果を参照し、全ての出金対象釣銭機の出金指示枚数データを出力する制御を行う、請求項1に記載の制御装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記判断結果を参照し、一の出金対象釣銭機の出金指示枚数データを順次出力する制御を行う、請求項1に記載の制御装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記釣銭出金を行う現金処理装置からの要求に応じて、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報を前記現金処理装置に出力する制御を行う、請求項1に記載の制御装置。
【請求項14】
前記1以上の釣銭機に対応する釣銭出金の出金指示枚数データは、前記1以上の釣銭機の在高データを管理する管理装置から取得される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項15】
前記制御装置は、
釣銭として使用される現金を収納する収納部と、
前記釣銭として使用される現金を出金する出金口と、
前記判断結果に応じた、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報に基づいて、前記釣銭として使用される現金の前記出金口からの出金制御を行う制御部と、
をさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項16】
通信部と、
釣銭として使用される現金を収納する収納部と、
前記釣銭として使用される現金を出金する出金口と、
前記釣銭として使用される現金の前記出金口からの出金制御を行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記通信部を介して、釣銭機の釣銭出金に関する情報を、釣銭出金の出金指示枚数データに基づいて前記釣銭機を釣銭出金対象とするか否かの判断を行う制御装置に要求し、
前記制御装置から受信した前記釣銭機の釣銭出金に関する情報に基づいて、前記釣銭として使用される現金の出金制御を行う、
現金処理装置。
【請求項17】
通信部と、
1以上の釣銭機に対応する釣銭出金の出金指示枚数データを記憶する記憶部と、
前記出金指示枚数データに基づいて、前記釣銭機を釣銭出金対象とするか否かの判断を行い、判断結果を前記記憶部に記憶し、前記判断結果に応じて、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報を出力する制御を行う制御部と、
を有する、制御装置と、
通信部と、
釣銭として使用される現金を収納する収納部と、
前記釣銭として使用される現金を出金する出金口と、
前記釣銭として使用される現金の前記出金口からの出金制御を行う制御部と、
を有する、現金処理装置と、
を備え、
前記現金処理装置の制御部は、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報を、前記通信部を介して前記制御装置に要求し、
前記制御装置から受信した前記釣銭機の釣銭出金に関する情報に基づいて、前記釣銭として使用される現金の出金制御を行う、
入出金システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、現金処理装置、および入出金システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デパートやスーパーマーケット等の流通店舗では、客が購入した商品の精算を行うために各売り場にレジスタを設置し、このレジスタを操作するレジ担当の店員を配置している。また、レジ担当の店員が操作してレジスタ毎に必要な現金(すなわち釣銭準備金)を払い出したり、店員がレジスタから回収した現金(具体的には、売上金)を計数して入金処理したりする現金処理装置が普及している。
【0003】
店員が操作するレジスタも近年ではコンピュータ化が進み、客からの預かり金の入金や釣銭の放出を自動的に行う釣銭機と接続するPOS(Point Of Sales)レジスタが導入され、レジ担当の店員の負担を軽減している。
【0004】
特許文献1では、このようなPOSレジスタ、釣銭機、および店舗サーバを有する管理システムが開示されている。かかるシステムでは、店舗サーバにより各釣銭機の在高を把握し、釣銭機における現金の在高を調整する保守の順番を店員に提示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-34024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、現金処理装置を用いた釣銭機への現金の補充では、店員が現金処理装置を操作して必要な釣銭準備金を払い出し、釣銭機まで持ち運んでいる。現金処理装置において、指定された釣銭機における現金の不足枚数に応じた出金枚数を提示した場合、店員は、釣銭機内の収納枚数を目視で確認することなく、現金を払い出す操作を行うことが可能となる。しかし、釣銭機における現金の収納枚数が逼迫していなければ釣銭機への現金補充を後回しにすることが作業効率上望ましいが、店員が判断することは困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、釣銭機への釣銭出金作業の効率化を図ることが可能な、新規かつ改良された制御装置、現金処理装置、および入出金システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、1以上の釣銭機に対応する釣銭出金の出金指示枚数データを記憶する記憶部と、前記出金指示枚数データに基づいて、前記釣銭機を釣銭出金対象とするか否かの判断を行い、判断結果を前記記憶部に記憶し、前記判断結果に応じて、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報を出力する制御を行う制御部と、を備える、制御装置が提供される。
【0009】
前記制御部は、前記釣銭機に対応する出金指示枚数の合計が所定枚数以下の場合、出金対象外と判断してもよい。
【0010】
前記制御部は、前記判断結果として、前記記憶部に記憶される出金指示枚数データにおいて、出金対象外と判断した釣銭機に出金不可フラグを付与してもよい。
【0011】
前記制御部は、前記出金不可フラグが付与されていない釣銭機を出金対象とし、出金対象である前記釣銭機の釣銭出金に関する情報として、前記出金指示枚数データを出力する制御を行ってもよい。
【0012】
前記制御部は、前記出金不可フラグが付与されている釣銭機について、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報として、前記釣銭機の釣銭出金は不要である旨を出力する制御を行ってもよい。
【0013】
前記制御部は、出金対象外と判断されなかった釣銭機のうち、出金指示枚数の合計が上位の釣銭機を、優先出金対象と判断してもよい。
【0014】
前記制御部は、前記優先出金対象と判断された釣銭機を出金対象とし、出金対象である前記釣銭機の釣銭出金に関する情報として、前記出金指示枚数データを出力する制御を行ってもよい。
【0015】
前記制御部は、釣銭出金の回数が所定回数以上の釣銭機を、優先出金対象と判断してもよい。
【0016】
前記制御部は、前記記憶部に記憶される出金指示枚数データにおいて、特例レジスタに設定された釣銭機に強制出金フラグを付与してもよい。
【0017】
前記制御部は、前記強制出金フラグが付与された釣銭機を出金対象とし、出金対象である前記釣銭機の釣銭出金に関する情報として、前記出金指示枚数データを出力する制御を行ってもよい。
【0018】
前記制御部は、前記判断結果を参照し、全ての出金対象釣銭機の出金指示枚数データを出力する制御を行ってもよい。
【0019】
前記制御部は、前記判断結果を参照し、一の出金対象釣銭機の出金指示枚数データを順次出力する制御を行ってもよい。
【0020】
前記制御部は、前記釣銭出金を行う現金処理装置からの要求に応じて、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報を前記現金処理装置に出力する制御を行ってもよい。
【0021】
前記1以上の釣銭機に対応する釣銭出金の出金指示枚数データは、前記1以上の釣銭機の在高データを管理する管理装置から取得されてもよい。
【0022】
前記制御装置は、釣銭として使用される現金を収納する収納部と、前記釣銭として使用される現金を出金する出金口と、前記判断結果に応じた、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報に基づいて、前記釣銭として使用される現金の前記出金口からの出金制御を行う制御部と、をさらに備えてもよい。
【0023】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、通信部と、釣銭として使用される現金を収納する収納部と、前記釣銭として使用される現金を出金する出金口と、前記釣銭として使用される現金の前記出金口からの出金制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記通信部を介して、釣銭機の釣銭出金に関する情報を、釣銭出金の出金指示枚数データに基づいて前記釣銭機を釣銭出金対象とするか否かの判断を行う制御装置に要求し、前記制御装置から受信した前記釣銭機の釣銭出金に関する情報に基づいて、前記釣銭として使用される現金の出金制御を行う、現金処理装置が提供される。
【0024】
また、上記課題を解決するために本発明の別の観点によれば、通信部と、1以上の釣銭機に対応する釣銭出金の出金指示枚数データを記憶する記憶部と、前記出金指示枚数データに基づいて、前記釣銭機を釣銭出金対象とするか否かの判断を行い、判断結果を前記記憶部に記憶し、前記判断結果に応じて、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報を出力する制御を行う制御部と、を有する、制御装置と、通信部と、釣銭として使用される現金を収納する収納部と、前記釣銭として使用される現金を出金する出金口と、前記釣銭として使用される現金の前記出金口からの出金制御を行う制御部と、を有する、現金処理装置と、を備え、前記現金処理装置の制御部は、前記釣銭機の釣銭出金に関する情報を、前記通信部を介して前記制御装置に要求し、前記制御装置から受信した前記釣銭機の釣銭出金に関する情報に基づいて、前記釣銭として使用される現金の出金制御を行う、入出金システムが提供される。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明によれば、釣銭機への釣銭出金作業の効率化を図ることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態による入出金システム1のシステム構成例を示す図である。
図2】本実施形態による入出金機10の構成の一例を示すブロック図である。
図3】本実施形態による現金データ管理装置20の構成の一例を示すブロック図である。
図4】本実施形態による出金対象判断処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図5】本実施形態による釣銭準備金の出金処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6】本実施形態による入出金機10における操作画面の遷移図である。
図7】本実施形態による釣銭出金画面の一例を示す図である。
図8】本実施形態の第1の変形例による出金処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図9】本実施形態の第1の変形例による操作画面の遷移図である。
図10】本実施形態の第1の変形例による出金対象釣銭機の表示例について説明するための図である。
図11】本実施形態の第1の変形例による出金対象釣銭機の表示の他の例について説明するための図である。
図12】本実施形態の第3の変形例による出金処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図13】本発明の他の実施形態による入出金システム1aのシステム構成例を示す図である。
図14】本発明の他の実施形態による入出金機10aの構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0028】
<1.システム構成>
本発明の実施形態は、主に、店頭に設置される各釣銭機に対する補充用現金(釣銭準備金)のデータを管理する現金データ管理装置と、釣銭準備金を出金する現金処理装置と、に関する。以下では、本システムおよび各装置の構成を説明した後に、本発明の実施形態による動作処理について詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態による入出金システム1のシステム構成例を示す図である。本実施形態による入出金システム1は、図1に示すように、店頭に設置される複数のPOSレジスタ(以下、単にレジスタと称す)2と、各レジスタに通信接続されている釣銭機3と、レジ管理装置4(管理装置の一例)と、現金データ管理装置20(制御装置の一例)と、入出金機10(現金処理装置の一例)と、を有する。
【0030】
レジスタ2とレジ管理装置4、また、レジ管理装置4と、現金データ管理装置20と、入出金機10とは、LAN(Local Area Network)5により接続される。
【0031】
各釣銭機3は、各レジスタ2の下部または周辺に設けられ、売上金の入金や釣銭の放出処理を行う。レジ管理装置4は、各レジスタ2と通信接続し、各レジスタ2の売上高、および釣銭機3の在高等を一括管理する。レジ管理装置4は、店舗に設置されたPC(Personal Computer)により実現されてもよい。また、レジ管理装置4は、釣銭機3の在高データに基づいて、釣銭機3で不足している現金(金種枚数)を算出し、出金指示枚数データ(釣銭準備金として出金すべき金種枚数)として現金データ管理装置20に出力する。
【0032】
現金データ管理装置20は、レジ管理装置4から取得した各釣銭機3の出金指示枚数データをデータベースに格納する。現金データ管理装置20は、店舗に設置されたPCにより実現されてもよい。また、現金データ管理装置20は、入出金機10からの要求に応じて、所定の釣銭機3の出金指示枚数データを入出金機10に送信する。入出金機10は、現金データ管理装置20から取得した出金指示枚数データに従って、釣銭準備金の出金処理を行う。
【0033】
(課題の整理)
入出金機を用いた釣銭機への現金の補充では、店員が入出金機を操作して必要な釣銭準備金を払い出し、釣銭機まで持ち運んでいる。入出金機において、指定された釣銭機における現金の不足枚数に応じた出金枚数を提示した場合、店員は、釣銭機内の収納枚数を目視で確認することなく、現金を払い出す操作を行うことが可能となる。しかし、釣銭機における現金の収納枚数が逼迫していなければ釣銭機への現金補充を後回しにすることが作業効率上望ましいが、店員が判断することは困難であった。
【0034】
そこで、本実施形態では、釣銭機が釣銭出金の対象であるか否かの判断を行うことで、釣銭機への釣銭出金作業の効率化を図ることを可能とする。
【0035】
以下、このような本実施形態による入出金システム1に含まれる各装置の構成について具体的に説明する。
【0036】
<2.入出金機10について>
図2は、本実施形態による入出金機10の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、入出金機10は、制御部100、操作表示部110、カードリーダ部120、通信部130、紙幣処理部140、硬貨処理部150、および記憶部160を有する。
【0037】
制御部100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を中心に構成されており、入出金機10の各機能部を制御して、各種の取引を実行する。
【0038】
例えば制御部100は、釣銭出金取引、売上入金取引、計数取引、および精算集計取引等を実行し得る。「釣銭出金取引」とは、釣銭準備金として収納している現金から釣銭の出金を行う取引である。「売上入金取引」は、釣銭および売上金を含む現金(例えば、釣銭機3に収納されていた現金)の入金を受付ける取引である。「計数取引」は、投入された現金の鑑別および計数を行いその結果を出力する取引である。「精算集計取引」は、取引履歴(釣銭出金取引および売上入金取引等)に基づいて売上金を集計し、売上金を、紙幣処理部140に含まれる回収カセット、または硬貨処理部150に含まれる硬貨回収庫に移動させる取引である。
【0039】
操作表示部110は、レジ担当の店員等の利用者による操作の誘導画面を表示する表示部および利用者が操作入力を行うための入力部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、入力部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。なお、図2においては表示部および入力部の機能が入出金機10において一体的に構成される例を示しているが、表示部および入力部の機能は分離して構成されてもよい。
【0040】
カードリーダ部120は、カード挿入排出口に挿入されたIDカードから、操作する権限を証明するためのID等のカード情報を読み取る。なお、本実施形態はカードリーダ部120を有する構成に限定されず、カードリーダ部120に代えて、または加えて、操作する権限を証明するための指紋を認識する指紋認識部や、暗証番号を入力する暗証番号入力部を有する構成であってもよい。
【0041】
通信部130は、例えば専用網(LAN5など)を介して、現金データ管理装置20またはレジスタ2と、データの送受信を行う。通信部130は、例えば現金データ管理装置20から釣銭機3に対する出金指示枚数データを取得する。
【0042】
紙幣処理部140は、紙幣入出金口から受け入れた紙幣の入金処理および紙幣入出金口への紙幣の払い出し処理を行う。硬貨処理部は、硬貨投入口から受け入れた硬貨の入金処理および硬貨出金箱等への硬貨の払い出し処理を行う。
【0043】
記憶部160は、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等から実現され、入出金機10の動作を制御するための制御プログラムや、入出金機10の取引時における入力データ、表示画面等を格納する。
【0044】
<3.現金データ管理装置20の構成>
図3は、本実施形態による現金データ管理装置20の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、現金データ管理装置20は、通信部210、制御部220、および記憶部230を有する。
【0045】
(通信部210)
通信部210は、他の装置との間で情報の送受信を行う送信部および受信部としての機能を有する。例えば、通信部210は、LAN5を介して、レジ管理装置4および入出金機10と、データの送受信を行う。
【0046】
(制御部220)
制御部220は、CPUおよびRAM等を中心に構成されており、現金データ管理装置20の動作を全般的に制御する。また、本実施形態による制御部220は、データ記憶制御部221および出金可否判断部222としても機能する。
【0047】
データ記憶制御部221は、レジ管理装置4から受信した各釣銭機3の出金指示枚数のデータを、出金データDB231に記憶する制御を行う。本実施形態で用いる出金指示枚数のデータの形式は、例えばCSVファイルの形式であってもよい。
【0048】
出金可否判断部222は、出金データDB231に記憶されている各釣銭機3に対応する釣銭出金の出金指示枚数データに基づいて、釣銭機を釣銭出金対象とするか否かの判断を行い、判断結果を出金データDB231に記憶する。
【0049】
判断基準は様々考えられる。例えば、出金可否判断部222は、釣銭機3に対する出金指示枚数の合計が所定枚数(例えば5枚)以下の場合は、その釣銭機3を出金対象外(釣銭出金不可)と判断する。また、出金可否判断部222は、出金対象外ではない釣銭機3のうち(すなわち、出金指示枚数の合計が所定枚数を越える釣銭機3のうち)、出金指示枚数の合計数が上位(例えば5位まで)の釣銭機3を、優先出金対象(釣銭出金可)と判断してもよい。
【0050】
なお、優先出金対象の判断方法は上記の例に限らない。例えば、出金可否判断部222は、出金指示枚数の合計が所定枚数以下であっても、釣銭機3に対する釣銭準備金の出金回数に基づいて、当日に所定回数(例えば3回)以上出金している釣銭機3を、優先出金対象と判断してもよい。釣銭機3に対する釣銭出金の実績データは、入出金機10から取得され、出金データDB231に記憶され得る。
【0051】
出金可否判断部222は、出金データDB231に記憶されている出金指示枚数データにおいて、出金対象外と判断した釣銭機3(出金対象と判断した釣銭機以外の釣銭機)に、出金不可フラグ(判断結果の一例)を付与する。さらに、出金可否判断部222は、出金データDB231に記憶している出金指示枚数のデータにおいて、優先出金対象と判断した釣銭機3に、優先出金フラグ(判断結果の一例)を付与してもよい。
【0052】
また、出金可否判断部222は、店頭に設置される多数の釣銭機3のうち、頻繁に利用されることが想定される場所(例えば中央)に位置する釣銭機3など、メインレジスタ(特例レジスタ)に設定されたレジスタ2の釣銭機3については、強制出金対象フラグ(判断結果の一例)を付与し、出金指示枚数の合計枚数に関わらず、常に出金対象としてもよい。メインレジスタの設定は、店舗の責任者等、所定の権限を有する者により行われ得る。
【0053】
以上、出金指示枚数データに基づく釣銭出金対象の可否判断について説明した。制御部220は、入出金機10からの要求に応じて、出金データDB231に記憶された判断結果(出金不可フラグや、優先出金フラグ等)を参照し、釣銭機3の釣銭出金に関する情報を出力(送信)する制御を行う。具体的には、制御部220は、対象の釣銭機3に出金不可フラグが付与されている場合、当該釣銭機3の釣銭出金に関する情報として、出金不要の旨を示す情報を出力する。また、制御部220は、対象の釣銭機3に出金不可フラグが付与されていない場合または優先出金フラグが付与されている場合、当該釣銭機3の釣銭出金に関する情報として、出金指示枚数データを出力する。
【0054】
このように、本実施形態では、出金可否判断部222により出金指示枚数データに基づいて釣銭出金の可否を判断するため、釣銭機3の出金作業の要否を店員自身に判断させることなく、収納枚数が逼迫していない釣銭機3の出金作業を後回しにすることができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0055】
(記憶部230)
記憶部230は、制御部220の処理に関するデータ、制御部220の動作プログラムファイルなどの各種データを一時的あるいは永続的に記憶する機能を有する。
【0056】
また、記憶部230は、出金データDB(データベース)231を格納する。出金データDB231には、各釣銭機3に対応する釣銭出金の出金指示枚数データが格納される。
【0057】
以上、本実施形態による現金データ管理装置20の構成の一例について説明した。なお、本実施形態による現金データ管理装置20の構成は、図3に示す例に限定されない。例えば、現金データ管理装置20は、複数の装置により構成されていてもよい。
【0058】
<4.動作処理>
続いて、本実施形態による制御システムの動作処理について、図面を参照して具体的に説明する。
【0059】
(4-1.出金対象判断処理)
図4は、本実施形態による出金対象判断処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0060】
図4に示すように、まず、各レジスタ2(2a~2c)は、各釣銭機3(3a~3c)の在高データをそれぞれレジ管理装置4に送信する(ステップS103)。在高データの送信タイミングは特に限定しない。例えば、各レジスタ2におけるタイマー起動により各レジスタ2から自動でレジ管理装置4に送信されてもよい。また、レジ担当によりレジスタ2の在高ボタンが選択されたタイミングで、レジスタ2が在高データをレジ管理装置4に送信してもよい。また、レジ管理装置4において、操作者により出金指示枚数データの作成ボタンが選択されたタイミングで、レジ管理装置4が各レジスタ2に対して在高データの送信を要求してもよい。
【0061】
次に、レジ管理装置4は、各釣銭機3の在高データに基づいて、出金指示枚数を算出する(ステップS106)。例えば、レジ管理装置4は、規定金種枚数(例えば収納可能金種枚数)から、在高データで示される金種枚数を減算することで、出金指示枚数(金種枚数)を算出する。
【0062】
次いで、レジ管理装置4は、各釣銭機3の出金指示枚数データを、現金データ管理装置20に送信する(ステップS109)。
【0063】
次に、現金データ管理装置20は、各釣銭機3の出金指示枚数データに基づいて、各釣銭機3を出金対象とするか否かを判断する(ステップS112)。また、現金データ管理装置20は、出金データDB231に格納する出金指示枚数データにおいて、出金対象外と判断した釣銭機3に不可フラグを付与する。
【0064】
(4-2.出金処理)
図5は、本実施形態による釣銭準備金の出金処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0065】
図5に示すように、まず、入出金機10は、本処理の対象とする釣銭機3を特定する(ステップS133)。対象の釣銭機3は、例えばカードリーダ部120で読み込んだ釣銭機毎のレジカードに応じて特定される。ここでは、店員が、例えば1番の釣銭機3のレジカードを入出金機10のカードリーダ部120に通し、1番の釣銭機3が対象の釣銭機3と特定されることを想定する。
【0066】
次に、入出金機10は、操作表示部110に表示した取引メニューからオンライン出金が選択されると(ステップS136)、対象の釣銭機3の出金指示枚数データを現金データ管理装置20に要求する(ステップS139)。出金指示枚数データの要求は、例えば問い合わせ電文の送信により行われ得る。ここで、図6を参照してステップS133~S136に示す処理に対応する画面表示例について説明する。
【0067】
図6は、本実施形態による入出金機10における操作画面の遷移図である。まず、図6上段に示す操作待機画面300が入出金機10の操作表示部110に表示され、店員は、レジカードをカードリーダ部120に通す。これにより、入出金機10は、対象の釣銭機3を特定し得る。次いで、操作表示部110には、図6中段に示す取引メニュー画面301が表示される。店員が釣銭出金ボタン401を選択すると、操作表示部110には、図6下段に示す釣銭出金メニュー画面302が表示される。
【0068】
釣銭出金メニュー画面302には、所定の金種枚数パターンで出金するパターン出金ボタン、指定の金種枚数を出金する金種枚数指定出金ボタン、および対象の釣銭機3の在高に応じて算出された出金指示枚数を出金するオンライン出金ボタン402が表示される。店員によりオンライン出金ボタン402が選択されると、入出金機10は、上記ステップS139に示す出金指示枚数データの要求処理を行う。
【0069】
次いで、図5に戻り、現金データ管理装置20は、出金データDB231に格納されている出金指示枚数データを参照し、対象の釣銭機3に出金不可フラグが付与されているか否かを確認する(ステップS142)。
【0070】
次に、出金不可フラグが付与されていない場合(ステップS142/No)、現金データ管理装置20は、対象の釣銭機3の出金指示枚数データ(例えばCSVファイル形式)を入出金機10に送信する(ステップS145)。対象の釣銭機3の出金指示枚数データは、応答電文として送信されてもよい。入出金機10に送信する出金指示枚数データは、出金可否判断部222による出金可否判断結果に応じた、釣銭機の釣銭出金に関する情報の一例である。現金データ管理装置20は、出金指示枚数データを入出金機10に出力(送信)する。
【0071】
一方、出金不可フラグが付与されている場合(ステップS142/Yes)、現金データ管理装置20は、出金不要の旨を送信する(ステップS148)。出金不要の旨は、応答電文を用いて送信されてもよい。なお、現金データ管理装置20は、対象の釣銭機3に優先出金フラグが付与されていない場合に、出金不要の旨を送信してもよい。
【0072】
そして、入出金機10は、出金指示枚数データを受信した場合は出金指示枚数を表示し、出金不要の旨を受信した場合は、出金不要と表示する(ステップS151)。ここで、図7を参照してステップS151で表示される画面表示例について説明する。
【0073】
図7は、本実施形態による釣銭出金画面の一例を示す図である。図7左には、出金指示枚数表示画面303を示す。出金指示枚数表示画面303には、出金金種枚数と、確認ボタンと、訂正ボタンと、取消ボタンが表示される。店員が出金金額を確認して確認ボタンを選択すると、入出金機10において釣銭出金処理が行われる。また、訂正したい場合、店員は訂正ボタンを選択して金種枚数を訂正する。また、取り消したい場合、店員は取消ボタンを選択する。図7右には、出金不要の旨を示す表示画面304を示す。対象の釣銭機3に対して出金不可フラグが付与されている場合、入出金機10ではこのように出金不要の旨を示す表示画面304が表示され、店員は、自身で出金の要不要を判断することなく、対象の釣銭機3に対する釣銭出金作業を取りやめることができる。
【0074】
以上説明したステップS133~S151に示す処理は、店員が例えば若いレジ番号順にレジカードを通す度に行われ得る。釣銭出金を行うか否かについて店員自身が判断することなく、少量の釣銭出金は不可と自動判断されるため、作業の効率化が図れる。なお、現金データ管理装置20は、上記ステップS142に替えて、対象の釣銭機3に優先出金フラグが付与されている場合に、入出金機10に出金指示枚数データを送信するようにしてもよい。この場合、入出金機10では、優先出金対象の釣銭機3についてのみ出金指示枚数データが表示されるため、さらに作業の効率化が図れる。
【0075】
また、現金データ管理装置20は、上記ステップS142に替えて、対象の釣銭機3に強制出金フラグが付与されている場合に入出金機10に出金指示枚数データを送信するようにしてもよい。上述したように、強制出金フラグはメインレジスタに設定され、出金指示枚数が少量であっても出金対象とされる。これにより、メインレジスタにおける突発的な釣銭不足を回避することができ、突発的な釣銭不足に応じた出金操作の作業が不要となる。なお、現金データ管理装置20は、対象の釣銭機3に出金不可フラグが付与されていない場合および強制出金フラグが付与されている場合のいずれにおいても、入出金機10に出金指示枚数データを送信するようにしてもよい。
【0076】
なお、上記ステップS148では、出金不可フラグが付与されている場合に出金不要の旨を入出金機10に送信すると説明したが、本実施形態はこれに限定されず、例えば、出金枚数0枚と送信してもよい。この場合も、入出金機10は、出金不要の旨を示す表示画面304を表示する。
【0077】
<5.変形例>
続いて、本実施形態の変形例について説明する。
【0078】
(5-1.第1の変形例)
上述した実施形態では、特定した一の釣銭機3を対象として、現金データ管理装置20に出金指示枚数データを要求しているが、本実施形態はこれに限定されず、全ての釣銭機3を対象として、現金データ管理装置20に出金指示枚数データを要求してもよい。以下、図面を参照して具体的に説明する。
【0079】
図8は、本実施形態の第1の変形例による出金処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0080】
図8に示すように、まず、入出金機10は、取引メニュー画面においてオンライン出金が選択されると(ステップS233)、全ての出金対象の釣銭機番号と各出金指示枚数データを現金データ管理装置20に要求する(ステップS236)。
【0081】
ここで、入出金機10においてオンライン出金が選択されるまでの表示画面例について図9を参照して説明する。図9は、本実施形態の第1の変形例による操作画面の遷移図である。まず、図9上段に示す操作待機画面310が入出金機10の操作表示部110に表示され、店員は、自身のID番号(例えば社員番号)を入力する。次いで、図9中段に示す暗証番号入力画面311が表示され、店員は、暗証番号を入力する。暗証番号の照合が行われると、次に、図9下段に示す取引メニュー画面312が表示される。取引メニュー画面312には、各取引メニューの一つとしてオンライン出金ボタン412が表示され、店員は、オンライン出金ボタン412を選択する。
【0082】
次に、図8に戻り、現金データ管理装置20は、出金データDB231に格納されている出金指示枚数データを参照し、出金不可フラグが付与されていない釣銭機の番号と、出金指示枚数データを抽出する(ステップS239)。現金データ管理装置20は、出金不可フラグが付与されていない釣銭機を、出金対象の釣銭機とする。
【0083】
次いで、現金データ管理装置20は、全ての出金対象の釣銭機番号と各出金指示枚数データを、入出金機10に送信する(ステップS242)。
【0084】
次に、入出金機10は、全ての出金対象の釣銭機番号と各出金指示枚数データを表示する(ステップS245)。具体的には、入出金機10の操作表示部110に出金対象の釣銭機番号が表示され、店員により釣銭機番号が選択されると、その出金指示枚数データが表示される。
【0085】
なお、出金対象の釣銭機番号の表示方法は、例えば以下の2通りが挙げられる。
【0086】
第1の例として、出金対象の全ての釣銭機番号を一画面で表示する方法が挙げられる。図10は、本実施形態の第1の変形例による出金対象釣銭機の表示例について説明するための図である。図10左に示すように、釣銭出金画面313において、出金対象の全ての釣銭機番号(ここでは、2番釣銭機、3番釣銭機、および6番釣銭機)が表示される。これにより、店員は、出金対象の全ての釣銭機番号を一画面で把握することが可能となる。
【0087】
店員が、任意の釣銭機番号(例えば、3番釣銭機ボタン413)を選択すると、図10右に示すように、選択された釣銭機番号の出金指示枚数データの表示画面314に画面が遷移する。店員が出金金額を確認して確認ボタンを選択すると、入出金機10において釣銭出金処理が行われる。
【0088】
第2の例として、出金対象の釣銭機番号を順次表示する方法が挙げられる。図11は、本実施形態の第1の変形例による出金対象釣銭機の表示の他の例について説明するための図である。図11左上に示すように、まず、釣銭出金画面315において、出金対象の釣銭機番号のうち一番若い番号(ここでは、2番釣銭機、3番釣銭機、および6番釣銭機のうち、2番釣銭機)が表示される。店員が、表示された釣銭機番号のボタンを選択すると、図11右上に示すように、選択された釣銭機番号の出金指示枚数データの表示画面316に画面が遷移する。店員が出金金額を確認して確認ボタンを選択すると、入出金機10において釣銭出金処理が行われる。
【0089】
出金終了後、図11左下に示すように、出金対象の釣銭機番号のうち次に若い番号(ここでは、2番釣銭機、3番釣銭機、および6番釣銭機のうち、3番釣銭機)が表示される釣銭出金画面317に画面が遷移する。次いで、店員が、表示された釣銭機番号のボタンを選択すると、図11右下に示すように、選択された釣銭機番号の出金指示枚数データの表示画面318に画面が遷移する。店員が出金金額を確認して確認ボタンを選択すると、入出金機10において釣銭出金処理が行われる。
【0090】
このように、出金対象の釣銭機番号が順に表示されてもよい。なお、一例として表示する釣銭機番号の順を若い番号順にしたが、本変形例はこれに限定されない。
【0091】
また、選択した釣銭機に対して釣銭出金処理を行わない場合(具体的には、出金指示枚数データの表示画面で取消ボタンを選択した場合)、表示画面には、次の釣銭機番号が表示され得る。
【0092】
(5-2.第2の変形例)
上述した第1の変形例では、オンライン出金が選択された際に、全ての出金対象の釣銭機番号と各出金指示枚数データを現金データ管理装置20に要求したが、本実施形態はこれに限定されない。入出金機10は、オンライン出金が選択された際に、まずは全ての出金対象の釣銭機番号を現金データ管理装置20に要求してもよい。
【0093】
この場合、現金データ管理装置20は、出金データDB231に格納されている出金指示枚数データを参照し、出金不可フラグが付与されていない釣銭機の番号を抽出し、出金対象の釣銭機番号として入出金機10に送信する。
【0094】
入出金機10は、受信した出金対象の釣銭機番号を表示する。出金対象の釣銭機番号の表示方法としては、全ての出金対象の釣銭機番号を一画面で表示する方法と、所定の順番(例えば若い番号順)で表示する方法が挙げられる。
【0095】
いずれの表示方法でも、釣銭機番号が選択されると、入出金機10は、選択された釣銭機番号の出金指示枚数データを現金データ管理装置20に要求する。そして、現金データ管理装置20から出金指示枚数データが送信されると、入出金機10は、出金指示枚数データを表示する。出金指示枚数の表示画面は、図10右に示す表示画面314と同様である。店員が出金金額を確認して確認ボタンを選択すると、入出金機10において釣銭出金処理が行われる。
【0096】
(5-3.第3の変形例)
上述した第1の変形例では、オンライン出金が選択された際に、全ての出金対象の釣銭機番号と各出金指示枚数データを現金データ管理装置20に要求したが、本実施形態はこれに限定されない。入出金機10は、オンライン出金が選択された際に、出金対象とする釣銭機を特定することなく、出金不可フラグが付与されていない出金対象の1つの釣銭機番号と出金指示枚数データを現金データ管理装置20に要求してもよい。以下、図面を参照して具体的に説明する。
【0097】
図12は、本実施形態の第3の変形例による出金処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0098】
図12に示すように、まず、入出金機10は、取引メニュー画面においてオンライン出金が選択されると(ステップS433)、出金対象の1つの釣銭機番号と出金指示枚数データを現金データ管理装置20に要求する(ステップS436)。
【0099】
次に、現金データ管理装置20は、出金データDB231に格納されている出金指示枚数データを参照し、出金不可フラグが付与されていない1つの釣銭機番号と、その出金指示枚数データを抽出する(ステップS439)。現金データ管理装置20は、出金不可フラグが付与されていない釣銭機を、出金対象の釣銭機とする。
【0100】
次いで、現金データ管理装置20は、出金対象の釣銭機がある場合(ステップS442/Yes)、出金対象の1つの釣銭機番号とその出金指示枚数データを、入出金機10に送信する(ステップS445)。
【0101】
次に、入出金機10は、出金対象の1つの釣銭機番号とその出金指示枚数データを表示する(ステップS448)。
【0102】
続いて、店員が出金金額を確認して確認ボタンを選択すると、入出金機10は、釣銭出金処理を行う(ステップS451)。
【0103】
次いで、入出金機10は、出金を実行したこと(若しくは取消操作により出金はキャンセルしたこと)と、次の出金対象の1つの釣銭機番号と出金指示枚数データを現金データ管理装置20に要求する(ステップS455)。
【0104】
次に、上記ステップS439からの処理が繰り返される。上記ステップS439~S455に示す処理は、出金対象の釣銭機が無くなるまで繰り返される(ステップS442)。
【0105】
そして、出金対象の釣銭機が無くなると(ステップS442/No)、現金データ管理装置20は、出金対象の釣銭機無しの旨を入出金機10に送信する(ステップS458)。
【0106】
<6.システム構成の他の例>
図1を参照して説明した入出金システム1では、現金データ管理装置20と入出金機10が別体の構成であるが、本実施形態はこれに限定されず、現金データ管理装置20の機能を入出金機10が有していてもよい。以下、図面を参照して説明する。
【0107】
図13は、本発明の他の実施形態による入出金システム1aのシステム構成例を示す図である。図13に示すように、入出金システム1aは、複数のレジスタ2と、各釣銭機3と、レジ管理装置4と、入出金機10a(制御装置の一例)とを有する。
【0108】
図14は、本発明の他の実施形態による入出金機10aの構成の一例を示すブロック図である。図14に示すように、入出金機10aは、制御部100a、操作表示部110、カードリーダ部120、通信部130、紙幣処理部140、硬貨処理部150、および記憶部160aを有する。ここでは、図2を参照して説明した入出金機10と異なる構成について主に説明する。
【0109】
制御部100aは、データ記憶制御部121、出金可否判断部122、および出金処理部123として機能する。
【0110】
データ記憶制御部121は、レジ管理装置4から受信した各釣銭機3の出金指示枚数のデータを、記憶部160aの出金データDB161に記憶する制御を行う。
【0111】
出金可否判断部122は、出金可否判断部222と同様に、収納枚数が逼迫していない釣銭機3の出金操作を店員(作業者)が行わないよう、各釣銭機3に対する出金指示枚数のデータに基づいて、釣銭機を出金対象にするか否かの判断を行う。判断基準の例は、上述した通りである。
【0112】
出金処理部123は、紙幣処理部140または硬貨処理部150を制御して所定現金の出金処理を行う。本実施形態による出金処理部123は、店員により取引メニュー画面からオンライン出金が選択されると、出金データDB161に格納されている出金指示枚数データを参照し、対象の釣銭機3に出金不可フラグが付与されているか否かを確認したり、出金不可フラグが付与されていない釣銭機3を出金対象釣銭機として認識したりする。
【0113】
また、出金処理部123は、出金不可フラグが付与されていない釣銭機3の出金指示枚数データを表示し、店員により確認ボタンが選択されると、出金指示枚数(釣銭準備金)の出金処理を行う。
【0114】
なお、出金処理部123による出金不可フラグの確認や、出金不可フラグが付与されていない釣銭機3の番号の表示方法等は、上述した実施形態、または第1~第3の変形例が適用され得る。
【0115】
<7.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0116】
例えば、上述した実施形態では、デパートやスーパーマーケット等の流通店舗の店頭に設置されるレジスタ2に接続された釣銭機3を用いたが、本実施形態による釣銭機はこれに限定されず、例えば金融機関、商業施設、高速道路の料金所、電車や飛行機、バス等の切符売り場で用いられる釣銭機であってもよい。
【0117】
また、入出金機10または現金データ管理装置20に内蔵されるCPU、ROM、およびRAM等のハードウェアに、入出金機10または現金データ管理装置20の機能を発揮させるための1以上のコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該1以上のコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0118】
1、1a 入出金システム
10、10a 入出金機
100、100a 制御部
110 操作表示部
120 カードリーダ部
130 通信部
140 紙幣処理部
150 硬貨処理部
160、160a 記憶部
2 レジスタ
3 釣銭機
4 レジ管理装置
5 LAN
20 現金データ管理装置
210 通信部
220 制御部
221 データ記憶制御部
222 出金可否判断部
230 記憶部
231 出金データDB

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14