(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151878
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】利用管理システム、および、プログラム。
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241018BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20241018BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】36
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065646
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】521159252
【氏名又は名称】株式会社MOCHI
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】戸枝 良太
(72)【発明者】
【氏名】草間 豪雄
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB26
5L049BB26
5L049CC16
5L050CC16
(57)【要約】
【課題】ユーザが、心置きなく所有する電子コンテンツを処分できる、利用管理システム、および、プログラムを提供することである。
【解決手段】ユーザに対して電子コンテンツを利用可能とするコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、前記コンピュータを、電子コンテンツの利用権をユーザに関連付けるための利用権関連手段と、利用権が関連付けられている電子コンテンツに対するユーザからの返品操作を受け付けたことを条件として、当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除し当該電子コンテンツとは異なる代替情報を関連付けるための解除関連手段として機能させる。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ毎に利用可能な電子コンテンツを管理する管理装置と、前記管理装置と通信してユーザに対して電子コンテンツを利用可能とするユーザ端末とを含む利用管理システムであって、
前記ユーザ端末は、
電子コンテンツの利用権をユーザに関連付けるための処理として、利用を希望する電子コンテンツを指定するための利用指定操作に応じて、当該電子コンテンツを特定するための第1情報を前記管理装置に送信する利用権関連手段と、
利用権が関連付けられている電子コンテンツに対するユーザからの返品操作を受け付けたことを条件として当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理として、当該返品操作に応じた返品対象の電子コンテンツを特定するための第2情報を前記管理装置に送信する解除手段とを備え、
前記管理装置は、
前記第1情報を受信したときに当該第1情報から特定される電子コンテンツの利用権を当該第1情報送信元のユーザに関連付ける管理装置側利用権関連手段と、
前記第2情報を受信したことを条件として当該第2情報送信元のユーザに関連付けられている利用権のうち当該第2情報から特定される電子コンテンツの利用権の関連付けを解除する管理装置側解除手段と、
前記管理装置側解除手段によって利用権の関連付けが解除されたことを条件として、解除された電子コンテンツとは異なる代替情報をユーザに関連付ける代替情報関連手段とを備える、利用管理システム。
【請求項2】
ユーザに対して電子コンテンツを利用可能とするコンピュータにおいて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータを、
電子コンテンツの利用権をユーザに関連付けるための利用権関連手段と、
利用権が関連付けられている電子コンテンツに対するユーザからの返品操作を受け付けたことを条件として、当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除し当該電子コンテンツとは異なる代替情報を関連付けるための解除関連手段として機能させる、プログラム。
【請求項3】
前記代替情報は、利用権の関連付けを解除したユーザが特典を得るための情報を含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記代替情報は、利用権の関連付けを解除したユーザとは異なる他の者が特典を得るための情報を含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記特典は、前記利用権関連手段によって電子コンテンツの利用権が関連付けられるときに消費すれば、消費しないときよりも得する特典を含む、請求項3または請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記特典は、利用権の関連付けが解除された電子コンテンツの利用権を再び関連付けるときにのみ使用可能であって、当該電子コンテンツの定価よりも低価格で購入可能とする特典を含む、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記解除関連手段は、利用権の関連付けを解除した後において所定タイミングに到達することにより前記代替情報を関連付けるための処理を行う、請求項2に記載のプログラム。
【請求項8】
前記解除関連手段は、利用権の関連付けの解除に応じて所定条件が成立することにより前記代替情報を関連付けるための処理を行う、請求項2に記載のプログラム。
【請求項9】
前記解除関連手段は、前記返品操作を受け付けてから特定タイミングに到達することにより、当該返品操作に応じた電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理を行う、請求項2に記載のプログラム。
【請求項10】
前記解除関連手段は、前記返品操作を受け付けた後に特定条件が成立することにより、当該返品操作に応じた電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理を行う、請求項2に記載のプログラム。
【請求項11】
前記コンピュータを、
前記返品操作を受け付けてから当該返品操作に応じた電子コンテンツの利用権の関連付けが解除されるまでの間において、返品キャンセル操作に応じて当該電子コンテンツの返品をキャンセルするための返品キャンセル手段として機能させる、請求項9または請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記コンピュータを、
管理装置と通信することにより利用権が関連付けられている電子コンテンツを利用可能とする手段と、
前記管理装置と通信していないときであっても前記利用権が関連付けられている電子コンテンツを利用可能とするための電子コンテンツ情報をダウンロードして記憶部に記憶する電子コンテンツ情報記憶手段として機能させ、
前記解除関連手段は、前記記憶部に記憶された電子コンテンツ情報のうち前記返品操作に応じた返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報を不能化するための手段を含む、請求項2に記載のプログラム。
【請求項13】
前記電子コンテンツ情報記憶手段は、ユーザが所有する他のコンピュータの記憶部に記憶している電子コンテンツの電子コンテンツ情報であっても、当該コンピュータの記憶部において記憶可能であり、
前記解除関連手段は、前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が前記他のコンピュータの記憶部に記憶されているか否かにかかわらず、当該返品対象の電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理を行う、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータを、
前記返品操作を受け付けるときに、返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が、ユーザが所有するいずれかのコンピュータの記憶部に記憶されている場合には当該コンピュータと前記管理装置とが通信可能となることにより当該電子コンテンツ情報が不能化される旨を報知するための手段として機能させる、請求項12に記載のプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータを、
ユーザ毎に利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定するユーザ情報を管理する管理装置に対して、当該コンピュータを所有するユーザを識別する情報を含む要求情報を送信する要求送信手段と、
前記要求情報を受信することにより前記管理装置から送信される情報であって、前記ユーザに利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定するための関連済電子コンテンツ情報を受信する受信手段と、
前記関連済電子コンテンツ情報から特定される電子コンテンツに関する情報を表示する表示手段として機能させ、
前記不能化するための手段は、前記関連済電子コンテンツ情報から特定される電子コンテンツに含まれていない電子コンテンツの電子コンテンツ情報が、前記記憶部に記憶されていることを条件として、当該電子コンテンツ情報を不能化する、請求項12に記載のプログラム。
【請求項16】
前記管理装置は、ユーザ毎に、利用権が関連付けられている電子コンテンツと、当該電子コンテンツの電子コンテンツ情報をダウンロードして記憶しているコンピュータとを特定するためのユーザ情報を管理し、
前記解除関連手段は、
前記ユーザ情報に基づいてユーザが所有する他のコンピュータの記憶部において前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されているか否かを判定するための判定手段を含み、
前記判定手段により他のコンピュータの記憶部において前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されていると判定されたときには当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除しない一方、前記判定手段により他のコンピュータの記憶部において前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されていないと判定されたときには当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除する、請求項12に記載のプログラム。
【請求項17】
前記解除関連手段は、前記返品操作に応じて、前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が前記記憶部に記憶されているときには当該電子コンテンツ情報を不能化し、前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が前記記憶部に記憶されているか否かにかかわらず返品対象の電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理を行う、請求項12に記載のプログラム。
【請求項18】
前記電子コンテンツ情報には、電子コンテンツのコンテンツ情報と、電子コンテンツにアクセスするためのアクセス情報とが含まれ、
前記解除関連手段は、前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報を不能化するために、前記記憶部に記憶された電子コンテンツ情報のうち少なくとも当該返品対象の電子コンテンツにアクセスするためのアクセス情報を不能化する、請求項12に記載のプログラム。
【請求項19】
前記コンピュータを、
前記返品操作を受け付けるときに、返品すると電子コンテンツが利用できなくなる旨を報知するための手段として機能させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項20】
前記利用権関連手段は、電子コンテンツに対するユーザからの購入操作に応じて当該電子コンテンツの利用権をユーザに関連付けるための処理を行い、
前記コンピュータを、
前記返品操作を受け付けるときに、返品すると当該電子コンテンツを利用するために再び前記購入操作を要する旨を報知するための手段として機能させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項21】
前記返品操作は、前記利用権が関連付けられている電子コンテンツを返品対象の候補として指定するための候補指定操作と、前記候補指定操作により返品対象の候補として指定された電子コンテンツの返品を実行するための返品実行操作とを含み、
前記解除関連手段は、
前記候補指定操作に応じて返品対象の候補となる電子コンテンツを特定し、複数の電子コンテンツを返品対象の候補として指定されたときには当該複数の電子コンテンツを返品対象の候補として特定し、
前記返品実行操作に応じて、返品対象の候補として特定されている電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理を行い、返品対象の候補として複数の電子コンテンツが特定されているときには当該複数の電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理を行う、請求項2に記載のプログラム。
【請求項22】
前記返品操作は、前記利用権が関連付けられている電子コンテンツを返品対象の候補として指定するための候補指定操作と、前記候補指定操作により返品対象の候補として指定された電子コンテンツの返品を実行するための返品実行操作とを含み、
前記コンピュータを、
前記候補指定操作により返品対象の候補として指定された電子コンテンツを特定するための候補コンテンツ情報を管理装置において管理させるために、当該管理装置に送信する候補情報送信手段と、
前記管理装置において管理されている返品対象の候補として指定された電子コンテンツを特定するための候補コンテンツ情報を要求するユーザからの要求操作に応じて、当該管理装置から当該候補コンテンツ情報を受信して、返品対象の候補として指定された電子コンテンツに関する候補コンテンツ情報を表示するための候補コンテンツ表示手段として機能させ、
前記候補コンテンツ表示手段は、受信した候補コンテンツ情報から返品対象の候補として複数の電子コンテンツが指定されている場合には当該複数の電子コンテンツに関する候補コンテンツ情報を表示し、
前記候補指定操作は、前記候補コンテンツ情報を表示しているときに返品対象の候補となる電子コンテンツを編集するための編集操作を含み、
前記候補情報送信手段は、前記候補コンテンツ情報を表示しているときに受け付けた編集操作に応じて、返品対象の候補として新たに指定された電子コンテンツを特定するための候補追加コンテンツ情報、および、返品対象の候補から除外された電子コンテンツを特定するための除外コンテンツ情報を前記管理装置に送信する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項23】
前記コンピュータを、
利用権が関連付けられている電子コンテンツに関する情報を表示する画面において、当該電子コンテンツを利用するための利用操作を受け付ける利用アイコンと、当該電子コンテンツを返品するための返品操作アイコンとを表示するための手段として機能させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項24】
前記表示するための手段は、前記返品操作アイコンを、利用権が関連付けられている電子コンテンツに関する情報であって、当該電子コンテンツの詳細情報を表示する画面において表示する、請求項23に記載のプログラム。
【請求項25】
前記表示するための手段は、前記返品操作アイコンを、利用権が関連付けられている電子コンテンツに関する情報を表示する画面に含まれる所定のアイコンへの操作が受け付けられたときに表示する、請求項23に記載のプログラム。
【請求項26】
前記解除関連手段は、ユーザ毎に利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定するユーザ情報を管理する管理装置に対して、前記返品操作に応じた返品対象の電子コンテンツとユーザとを特定する解除情報を送信することにより、当該管理装置において当該ユーザに対する当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項27】
前記コンピュータを、
ユーザ毎に利用権が関連付けられている電子コンテンツをユーザ端末において利用可能とするために前記ユーザ端末にダウンロード可能な電子コンテンツ情報を管理する手段として機能させ、
前記解除関連手段は、ユーザ端末より前記返品操作に応じた返品対象の電子コンテンツとユーザとを特定する解除情報を受信することにより、前記電子コンテンツ情報を管理する手段により管理されており当該解除情報から特定されるユーザに関連付けられている電子コンテンツの電子コンテンツ情報のうち、前記解除情報から返品対象として特定される電子コンテンツの電子コンテンツ情報を不能化する、請求項2に記載のプログラム。
【請求項28】
前記コンピュータを、
所定の履歴情報に基づいて返品対象として推薦する電子コンテンツを報知するための報知手段として機能させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項29】
前記所定の履歴情報は、ユーザが返品した電子コンテンツから特定される返品傾向を特定するための情報を含む、請求項28に記載のプログラム。
【請求項30】
前記所定の履歴情報は、他のユーザを含むすべてのユーザから返品された電子コンテンツから特定される返品傾向を特定するための情報を含む、請求項28に記載のプログラム。
【請求項31】
前記所定の履歴情報は、電子コンテンツと関連性を有する他の電子コンテンツを特定するための情報を含み、
前記報知手段は、前記返品操作に応じた電子コンテンツと関連性を有する他の電子コンテンツを、返品対象として推薦する電子コンテンツとして報知する、請求項28に記載のプログラム。
【請求項32】
前記コンピュータを、
前記返品操作を受け付けるときに当該電子コンテンツを返品すると関連付けられる代替情報の内容を報知するための手段として機能させる、請求項2に記載のプログラム。
【請求項33】
前記利用権関連手段は、前記解除関連手段により利用権の関連付けが解除された電子コンテンツに対するユーザからのキャンセル操作に応じて、特別条件を満たす場合に当該電子コンテンツの利用権を再びユーザに関連付けるための処理を行う、請求項2に記載のプログラム。
【請求項34】
前記特別条件は、前記キャンセル操作の対象となる電子コンテンツの利用権の関連付けの解除に応じて関連付けられた代替情報が使用されていないことを含み、
前記解除関連手段は、前記キャンセル操作に応じて前記利用権関連手段によってユーザに利用権が関連付けられた際に、当該利用権の関連付けの解除に応じて関連付けられた代替情報の関連付けを解除するための処理を行う、請求項33に記載のプログラム。
【請求項35】
前記コンピュータを、
前記解除関連手段により電子コンテンツの利用権の関連付けが解除されたときに、キャンセルを促す旨のメッセージ画像とともに前記キャンセル操作を受け付けるキャンセルアイコンを表示するための手段として機能させる、請求項33に記載のプログラム。
【請求項36】
前記利用権関連手段は、電子コンテンツに対するユーザからの購入操作に応じて当該電子コンテンツの利用権をユーザに関連付けるための処理を行い、
前記コンピュータを、
購入可能な電子コンテンツに関する情報を表示する表示手段として機能させ、
前記購入可能な電子コンテンツに関する情報のうち、前記解除関連手段により利用権の関連付けが解除された電子コンテンツに関する情報には、返品した電子コンテンツである旨を報知するための情報を含む、請求項2に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用管理システム、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子コンテンツを利用できるサービス(ウェブサービスやアプリ)として、電子コンテンツの管理画面などにおいて、ユーザが所有する電子コンテンツを一覧表示させて利用する電子コンテンツを選択させるものがあった。このようなサービスでは、例えばユーザが所有する電子コンテンツ数が多くなると、所望の電子コンテンツを見つけ出しにくくなる。また、所有する電子コンテンツの中には、例えば既に利用したことなどにより、二度と利用(再利用)することがなく実質的に不要な電子コンテンツも含まれ得る。そのため、所有する電子コンテンツを整理するために、例えば電子コンテンツをフォルダ分けすることができる機能や、不要な電子コンテンツを削除する機能(例えば、非特許文献1)などを搭載したサービスが知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】“Kindle 購入した本を整理してライブラリをキレイにする方法”、[online]、[令和5年3月16日検索]、インターネット<https://buralog.jp/kindle-remove-books-from-library/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フォルダ分け機能では、所有する電子コンテンツ数自体は減らすことができず増える一方である。例えば、作成当初は整理されていたフォルダ内にも、いずれは大量の電子コンテンツが保存されるか、あるいは、大量のフォルダが作成されることとなってしまう。また、所有端末内のアプリ内ではデータの一部(例えば文書ファイルなど)を削除できたとしても、表紙などは残ったままである。このため、所有する電子コンテンツ数自体を減らすためには、結局元の電子コンテンツを削除(処分)することが必要となる。しかし、処分は、一旦購入等して獲得した電子コンテンツを単に破棄することとなってしまうため、ユーザが躊躇して二の足を踏む傾向にある。このため、従来の削除機能では、ユーザが所有する電子コンテンツの処分を促すことができず、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、ユーザが、心置きなく所有する電子コンテンツを処分できる、利用管理システム、および、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) ユーザ毎に利用可能な電子コンテンツを管理する管理装置(例えば、サーバ100、電子コンテンツを管理するコンピュータ)と、前記管理装置と通信してユーザに対して電子コンテンツを利用可能とするユーザ端末(例えば、ユーザ端末300、ユーザが所有するコンピュータ)とを含む利用管理システム(例えば、利用管理システム1)であって、
前記ユーザ端末は、
電子コンテンツの利用権をユーザに関連付けるための処理として、利用を希望する電子コンテンツを指定するための利用指定操作(例えば、
図19のステップS706)に応じて、当該電子コンテンツを特定するための第1情報(例えば、購入要求情報)を前記管理装置に送信する利用権関連手段(例えば、
図19のステップS707)と、
利用権が関連付けられている電子コンテンツに対するユーザからの返品操作を受け付けたこと(例えば、
図9のステップS312、ステップS313、
図11のステップS402)を条件として当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理として、当該返品操作に応じた返品対象の電子コンテンツを特定するための第2情報(例えば、返品要求情報)を前記管理装置に送信する解除手段(例えば、
図11のステップS407)とを備え、
前記管理装置は、
前記第1情報を受信したときに当該第1情報から特定される電子コンテンツの利用権を当該第1情報送信元のユーザに関連付ける管理装置側利用権関連手段(例えば、
図19のステップS710)と、
前記第2情報を受信したこと(例えば、
図11のステップS408)を条件として当該第2情報送信元のユーザに関連付けられている利用権のうち当該第2情報から特定される電子コンテンツの利用権の関連付けを解除する管理装置側解除手段(例えば、
図11のステップS409)と、
前記管理装置側解除手段によって利用権の関連付けが解除されたことを条件として、解除された電子コンテンツとは異なる代替情報をユーザに関連付ける代替情報関連手段(例えば、
図11のステップS412)とを備える。
【0007】
このような構成によれば、返品操作によって利用権の関連付けが解除されたとしても、ユーザに代替情報が関連付けられる。これにより、ユーザは心置きなく所有する電子コンテンツを処分できるため、利便性を向上させることができる。
【0008】
(2) ユーザに対して電子コンテンツを利用可能とするコンピュータ(例えば、サーバ100、ユーザ端末300)において実行されるプログラムであって、
前記コンピュータを、
電子コンテンツの利用権をユーザに関連付けるための利用権関連手段(例えば、
図19のステップS701~ステップS710、
図14のステップS501~ステップS505)と、
利用権が関連付けられている電子コンテンツに対するユーザからの返品操作を受け付けたこと(
図11のステップS402、ステップS408)を条件として、当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除し当該電子コンテンツとは異なる代替情報(例えば、
図24)を関連付けるための解除関連手段(例えば、
図11のステップS402~ステップS412、
図16のステップS601~ステップS611)として機能させる、プログラム。
【0009】
このような構成によれば、返品操作によって利用権の関連付けが解除されたとしても、ユーザに代替情報が関連付けられる。これにより、ユーザは心置きなく所有する電子コンテンツを処分できるため、利便性を向上させることができる。
【0010】
(3) (2)において、前記代替情報は、利用権の関連付けを解除したユーザが特典を得るための情報(例えば、
図24の特典A~I)を含む。
【0011】
このような構成によれば、返品操作によって利用権の関連付けが解除されたとしても、利用権の関連付けを解除したユーザが特典を得るための情報が関連付けられるため、ユーザに返品操作を促すことができる。
【0012】
(4) (2)において、前記代替情報は、利用権の関連付けを解除したユーザとは異なる他の者が特典を得るための情報を含む(例えば、
図24の特典J)。
【0013】
このような構成によれば、利用権の関連付けを解除したユーザに対して、当該ユーザとは異なる他の者に特典を与えることができるようにすることができる。
【0014】
(5) (3)または(4)において、前記特典は、前記利用権関連手段によって電子コンテンツの利用権が関連付けられるときに消費すれば、消費しないときよりも得する特典(例えば、クーポン、ポイント)を含む。
【0015】
このような構成によれば、ユーザは得する特典を得ることができるため、ユーザに対して返品操作のみならず、新たな利用権の関連付けを促すことができる。
【0016】
(6) (5)において、前記特典は、利用権の関連付けが解除された電子コンテンツの利用権を再び関連付けるとき(例えば、返品をした電子コンテンツと同一の電子コンテンツの購入、
図24の特典F)にのみ使用可能であって、当該電子コンテンツの定価よりも低価格で購入可能とする特典(例えば、クーポン、割引)を含む。
【0017】
このような構成によれば、返品をした電子コンテンツの再購入をユーザが希望する場合に、低価格で購入させることができる。これにより、ユーザはより一層心置きなく返品操作を行うことができる。
【0018】
(7) (2)において、前記解除関連手段は、利用権の関連付けを解除した後において所定タイミング(例えば、
図25(B)の(a)の後における(b)のいずれかのタイミング(例えば、月末、翌月末など))に到達することにより前記代替情報を関連付けるための処理を行う。
【0019】
このような構成によれば、所定タイミングに応じて代替情報を関連付けることができるため、ユーザあるいは運営者の意図せぬタイミングで代替情報が関連付けられてしまうことを防止することができる。
【0020】
(8) (2)において、前記解除関連手段は、利用権の関連付けの解除に応じて所定条件(例えば、
図25(B)の(a)の後における(b)のいずれかの条件(例えばユーザからのリクエスト受付、返品蓄積量所定値達成など))が成立することにより前記代替情報を関連付けるための処理を行う。
【0021】
このような構成によれば、所定条件が成立することにより代替情報を関連付けることができるため、ユーザあるいは運営者の意図せぬ状況で代替情報が関連付けられてしまうことを防止することができる。
【0022】
(9) (2)において、前記解除関連手段は、前記返品操作を受け付けてから特定タイミング(例えば、
図25(A)の(a)の後における(b)のいずれかのタイミング(例えば月末、予約日など))に到達することにより、当該返品操作に応じた電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理を行う。
【0023】
このような構成によれば、特定タイミングに到達することにより利用権の関連付けを解除することができるため、ユーザあるいは運営者の意図せぬタイミングで利用権の関連付けが解除されてしまうことを防止することができる。
【0024】
(10) (2)において、前記解除関連手段は、前記返品操作を受け付けた後に特定条件(例えば、
図25の(A)(a)の後における(b)のいずれかの条件(例えばユーザからの実行リクエスト受付、運営操作受付など))が成立することにより、当該返品操作に応じた電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理を行う。
【0025】
このような構成によれば、特定条件が成立することに応じて利用権の関連付けを解除することができるため、ユーザあるいは運営者の意図せぬ状況で利用権の関連付けが解除されてしまうことを防止することができる。
【0026】
(11) (9)または(10)において、前記コンピュータを、
前記返品操作を受け付けてから当該返品操作に応じた電子コンテンツの利用権の関連付けが解除されるまでの間(例えば、
図25(A)の(a)の受付がされてから(b)のいずれかのタイミングまでの間)において、返品キャンセル操作に応じて当該電子コンテンツの返品をキャンセルするための返品キャンセル手段として機能させる。
【0027】
このような構成によれば、返品操作をキャンセルしたい場合にはキャンセルをすることができるため、ユーザは安心して返品を行うことができる。
【0028】
(12) (2)において、前記コンピュータ(例えば、ユーザ端末300)を、
管理装置(例えば、サーバ100)と通信することにより利用権が関連付けられている電子コンテンツを利用可能とする手段(例えば、
図4のステップS103、ステップS106)と、
前記管理装置と通信していないときであっても前記利用権が関連付けられている電子コンテンツを利用可能とするための電子コンテンツ情報(例えば、EPUBファイル)をダウンロードして記憶部(例えば、
図3の記憶部320)に記憶する電子コンテンツ情報記憶手段(例えば、
図8のステップS204、ステップS205、
図9のステップS308)として機能させ、
前記解除関連手段は、前記記憶部に記憶された電子コンテンツ情報のうち前記返品操作に応じた返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報を不能化するための手段(例えば、
図11のステップS405)を含む。
【0029】
このような構成によれば、返品によって利用権が解除された電子コンテンツが利用されてしまうことを防ぐことができる。
【0030】
(13) (12)において、前記電子コンテンツ情報記憶手段は、ユーザが所有する他のコンピュータの記憶部に記憶している電子コンテンツの電子コンテンツ情報(例えば、
図5のユーザID「001」の端末1の他のコンピュータである端末2、端末3において記憶されているコンテンツID「BBB」のEPUBファイル)であっても、当該コンピュータの記憶部において記憶可能であり、
前記解除関連手段は、前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が前記他のコンピュータの記憶部に記憶されているか否かにかかわらず(例えば、
図5のユーザID「001」の端末2、端末3においてコンテンツID「BBB」のEPUBファイルが記憶されているか否かにかかわらず、端末1で利用権の関連付けを解除)、当該返品対象の電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理を行う。
【0031】
このような構成によれば、他のコンピュータに電子コンテンツ情報が記憶されていたとしても、利用権の関連付けの解除をすることができる。これにより、ユーザにとっての返品操作に対する利便性が向上する。
【0032】
(14) (12)において、前記コンピュータ(例えば、ユーザ端末300)を、
前記返品操作を受け付けるときに、返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が、ユーザが所有するいずれかのコンピュータの記憶部に記憶されている場合(例えば、
図5のユーザID「001」の端末2、端末3においてコンテンツID「BBB」のEPUBファイルが記憶されている場合)には当該コンピュータと前記管理装置とが通信可能となることにより当該電子コンテンツ情報が不能化される旨(
図4のステップS107、ステップS108、端末2において
図15(A)を受信することによって、
図15(B)から「BBB」が削除される旨)を報知(
図12(A)の返品注意事項424)するための手段として機能させる。
【0033】
このような構成によれば、ユーザが所有するいずれかのコンピュータに電子コンテンツ情報が記憶されていた場合に、当該いずれかのコンピュータにより通信したときに当該電子コンテンツ情報も不能化されることをユーザは事前に認識することができる。
【0034】
(15) (12)において、前記コンピュータ(例えば、ユーザ端末300)を、
ユーザ毎に利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定するユーザ情報(例えば、
図5のユーザ毎のデータテーブル)を管理する管理装置(例えば、サーバ100)に対して、当該コンピュータを所有するユーザを識別する情報を含む要求情報を送信する要求送信手段(例えば、
図4のステップS103)と、
前記要求情報を受信(例えば、
図4のステップS104)することにより前記管理装置から送信(例えば、
図4のステップS105)される情報であって、前記ユーザに利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定するための関連済電子コンテンツ情報を受信する(例えば、
図4のステップS106)受信手段と、
前記関連済電子コンテンツ情報から特定される電子コンテンツに関する情報を表示する(例えば、
図4のステップS112、
図7)表示手段として機能させ、
前記不能化するための手段は、前記関連済電子コンテンツ情報から特定される電子コンテンツに含まれていない電子コンテンツ(例えば利用権が解除された電子コンテンツ、閲覧期限の延長の承認がされなかった電子コンテンツ)の電子コンテンツ情報(例えば、EPUBファイル)が、前記記憶部に記憶されていることを条件(例えば、記憶されているEPUBファイルの利用権が解除されていること、あるいは、利用権解除後に閲覧期限が切れているEPUBファイルが記憶されていること)として、当該電子コンテンツ情報を不能化する(例えば、
図4のステップS107、ステップS108、閲覧期限の延長要求不可など)。
【0035】
このような構成によれば、管理装置と通信を行った場合に、関連済電子コンテンツ情報から特定される電子コンテンツに含まれていない電子コンテンツの電子コンテンツ情報が、コンピュータに記憶されていれば、電子コンテンツを不能化する。これにより、関連済電子コンテンツ情報から特定される電子コンテンツに含まれていない電子コンテンツが利用されてしまうことを防ぐことができる。
【0036】
(16) (12)において、前記管理装置(例えば、サーバ100)は、ユーザ毎(例えば、
図5のユーザID「001」~「006」毎など)に、利用権が関連付けられている電子コンテンツ(例えば、
図5の購入済みコンテンツID)と、当該電子コンテンツの電子コンテンツ情報をダウンロードして記憶しているコンピュータ(例えば、
図5の端末別ダウンロード状況)とを特定するためのユーザ情報を管理し、
前記解除関連手段は、
前記ユーザ情報に基づいてユーザが所有する他のコンピュータの記憶部において前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されているか否かを判定するための判定手段(例えば、
図26のステップS420)を含み、
前記判定手段により他のコンピュータの記憶部において前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されていると判定されたとき(例えば、
図26のステップS420 YES)には当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除しない一方、前記判定手段により他のコンピュータの記憶部において前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されていないと判定されたとき(例えば、
図26のステップS420 NO)には当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除する(例えば、
図26のステップS409)。
【0037】
このような構成によれば、ユーザが所有する他のコンピュータにおいて、利用権が解除された電子コンテンツが利用されることを防ぐことができる。
【0038】
(17) (12)において、前記解除関連手段は、前記返品操作に応じて、前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が前記記憶部に記憶されているときには当該電子コンテンツ情報を不能化し(例えば、
図5のユーザID「001」が、端末1で「BBB」を返品操作したときに、端末1における「BBB」のEPUBファイルを削除)、前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が前記記憶部に記憶されているか否かにかかわらず返品対象の電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理(例えば、
図5のユーザID「001」が、端末1で「DDD」を返品操作したときに、端末1に「DDD」のEPUBファイルが記憶されているか否かにかかわらず、「DDD」の利用権の関連付けを解除)を行う。
【0039】
このような構成によれば、ユーザが操作する端末内に電子コンテンツ情報が記憶されているか否かにかかわらず、利用権が関連付けられている電子コンテンツを返品することができるため、ユーザにとっての返品操作に対する利便性が向上する。
【0040】
(18) (12)において、前記電子コンテンツ情報には、電子コンテンツのコンテンツ情報(例えば、EPUBファイルなどの文書ファイル)と、電子コンテンツにアクセスするためのアクセス情報(例えば、暗号鍵など)とが含まれ、
前記解除関連手段は、前記返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報を不能化するために、前記記憶部に記憶された電子コンテンツ情報のうち少なくとも当該返品対象の電子コンテンツにアクセスするためのアクセス情報を不能化(例えば、暗号鍵の削除)する。
【0041】
このような構成によれば、コンピュータに電子コンテンツのコンテンツ情報が記憶されていたとしても、返品された電子コンテンツは利用できなくなる。
【0042】
(19) (2)において、前記コンピュータを、
前記返品操作を受け付けるときに、返品すると電子コンテンツが利用できなくなる旨を報知するための手段(例えば、
図11のステップS401、
図12(A)の返品注意事項424)として機能させる。
【0043】
このような構成によれば、返品操作を受け付けるときに注意喚起が行われるため誤操作を防止できる。
【0044】
(20) (2)において、前記利用権関連手段は、電子コンテンツに対するユーザからの購入操作に応じて当該電子コンテンツの利用権をユーザに関連付けるための処理(例えば、
図19のステップS701~ステップS710)を行い、
前記コンピュータを、
前記返品操作を受け付けるときに、返品すると当該電子コンテンツを利用するために再び前記購入操作を要する旨を報知するための手段(例えば、
図11のステップS401、
図12(A)の返品注意事項424)として機能させる。
【0045】
このような構成によれば、返品をした電子コンテンツを再び利用するためには、再購入を要することをユーザに認識させることができる。これにより、ユーザは慎重に返品操作を行うことができる。
【0046】
(21) (2)において、前記返品操作は、前記利用権が関連付けられている電子コンテンツを返品対象の候補として指定するための候補指定操作(例えば、
図8のステップS206、
図9のステップS315、
図16のステップS606)と、前記候補指定操作により返品対象の候補として指定された電子コンテンツの返品を実行するための返品実行操作(例えば、
図11のステップS402、
図16のステップS610、ステップS611)とを含み、
前記解除関連手段は、
前記候補指定操作に応じて返品対象の候補となる電子コンテンツを特定し(例えば、
図9のステップS317、
図16のステップS604、ステップS608)、複数の電子コンテンツを返品対象の候補として指定されたとき(例えば、
図7の一括チェックボックス410で選択され返品操作、
図18(A)の返品候補リスト一覧445において複数のコンテンツが表示されている状態でのリスト返品アイコン448に対する操作)には当該複数の電子コンテンツを返品対象の候補として特定し、
前記返品実行操作に応じて、返品対象の候補として特定されている電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理を行い、返品対象の候補として複数の電子コンテンツが特定されているときには当該複数の電子コンテンツの利用権の関連付けを解除するための処理(例えば、
図9のステップS312、ステップS313、
図11のステップS401~ステップS409、
図16のステップS601~S611)を行う。
【0047】
このような構成によれば、返品実行操作の前に返品対象の候補を指定でき、返品対象の候補として複数の電子コンテンツを選択可能であるため、返品操作の利便性を向上できるとともに簡便化を図ることができる。
【0048】
(22) (2)において、前記返品操作は、前記利用権が関連付けられている電子コンテンツを返品対象の候補として指定するための候補指定操作(例えば、
図8のステップS206、
図9のステップS315、
図16のステップS606)と、前記候補指定操作により返品対象の候補として指定された電子コンテンツの返品を実行するための返品実行操作(例えば、
図11のステップS402、
図16のステップS610、ステップS611)とを含み、
前記コンピュータ(例えば、ユーザ端末300)を、
前記候補指定操作により返品対象の候補として指定された電子コンテンツを特定するための候補コンテンツ情報を管理装置(例えば、サーバ100)において管理させるために、当該管理装置に送信する候補情報送信手段(例えば、
図9のステップS316、
図16のステップS607)と、
前記管理装置において管理されている返品対象の候補として指定された電子コンテンツを特定するための候補コンテンツ情報(例えば、
図17の返品候補コンテンツ情報のデータテーブル)を要求するユーザからの要求操作(例えば、
図16のステップS601)に応じて、当該管理装置から当該候補コンテンツ情報を受信して、返品対象の候補として指定された電子コンテンツに関する候補コンテンツ情報を表示するための候補コンテンツ表示手段(例えば、
図16のステップS604、ステップS605)として機能させ、
前記候補コンテンツ表示手段は、受信した候補コンテンツ情報から返品対象の候補として複数の電子コンテンツが指定されている場合(例えば、
図17におけるユーザID「001」の返品候補コンテンツID「BBB」~)には当該複数の電子コンテンツに関する候補コンテンツ情報を表示し(例えば、
図18(A)の返品候補リスト一覧445において「bbbbb」~を表示)、
前記候補指定操作は、前記候補コンテンツ情報を表示しているときに返品対象の候補となる電子コンテンツを編集するための編集操作(例えば、
図16のステップS606、ステップS607)を含み、
前記候補情報送信手段は、前記候補コンテンツ情報を表示しているとき(例えば、
図16のステップS605)に受け付けた編集操作(例えば、
図16のステップS606)に応じて、返品対象の候補として新たに指定された電子コンテンツを特定するための候補追加コンテンツ情報、および、返品対象の候補から除外された電子コンテンツを特定するための除外コンテンツ情報を前記管理装置に送信する(例えば、
図16のステップS607)。
【0049】
このような構成によれば、返品対象の候補となる電子コンテンツを都度指定しておくことができる。これにより、ユーザは返品対象とする電子コンテンツを慎重に検討することが可能となり、かつ、返品操作の利便性を向上できるとともに簡便化を図ることができる。
【0050】
(23) (2)において、前記コンピュータを、
利用権が関連付けられている電子コンテンツに関する情報を表示する画面(例えば、
図7の電子コンテンツ関連画面、
図10の電子コンテンツの詳細画面)において、当該電子コンテンツを利用するための利用操作を受け付ける利用アイコン(例えば、
図7の電子コンテンツ詳細アイコン408、
図10の閲覧アイコン416)と、当該電子コンテンツを返品するための返品操作アイコン(例えば、
図7のその他アイコン404、返品候補リストアイコン413、
図10の返品候補リスト追加アイコン418、返品アイコン419)とを表示するための手段(例えば、
図4のステップS103~ステップS106、
図8のステップS202、ステップS203)として機能させる。
【0051】
このような構成によれば、電子コンテンツを利用するためのアイコンと、返品するためのアイコンとを表示させることができるため、直感的な操作が可能となり、ユーザの利便性・操作性が向上する。
【0052】
(24) (23)において、前記表示するための手段は、前記返品操作アイコン(例えば、
図7のその他アイコン404、返品候補リストアイコン413、
図10の返品候補リスト追加アイコン418、返品アイコン419)を、利用権が関連付けられている電子コンテンツに関する情報であって、当該電子コンテンツの詳細情報を表示する画面(例えば、
図10の電子コンテンツの詳細画面)において表示する。
【0053】
このような構成によれば、ユーザは、電子コンテンツの詳細情報を踏まえた上で返品するか否かの検討をすることができる。
【0054】
(25) (23)において、前記表示するための手段は、前記返品操作アイコンを、利用権が関連付けられている電子コンテンツに関する情報を表示する画面(例えば、
図7の電子コンテンツ関連画面)に含まれる所定のアイコン(例えば、
図7のその他アイコン404、コンテンツ画像406、詳細アイコン408、返品候補リストアイコン413)への操作が受け付けられたときに表示する。
【0055】
このような構成によれば、返品操作アイコンは、所定のアイコンへの操作が受け付けられたときに表示される。これにより、電子コンテンツに関する情報を表示する画面をより整理された状態とすることができるため、ユーザの操作性が向上する。
【0056】
(26) (2)において、前記解除関連手段は、ユーザ毎に利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定するユーザ情報(例えば、
図5のユーザ毎のデータテーブル)を管理する管理装置(例えば、サーバ100)に対して、前記返品操作に応じた返品対象の電子コンテンツとユーザとを特定する解除情報(例えば、
図11のステップS407)を送信することにより、当該管理装置において当該ユーザに対する当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除させる。
【0057】
このような構成によれば、ユーザが所有するコンピュータにおいて返品操作を行うことができる。
【0058】
(27) (2)において、前記コンピュータ(例えば、サーバ100)を、
ユーザ毎に利用権が関連付けられている電子コンテンツをユーザ端末(例えば、ユーザ端末300)において利用可能とするために前記ユーザ端末にダウンロード可能な電子コンテンツ情報(例えば、EPUBファイル)を管理する手段として機能させ、
前記解除関連手段は、ユーザ端末より前記返品操作に応じた返品対象の電子コンテンツとユーザとを特定する解除情報を受信することにより(例えば、
図11のステップS408)、前記電子コンテンツ情報を管理する手段により管理されており当該解除情報から特定されるユーザに関連付けられている電子コンテンツの電子コンテンツ情報(例えば、
図5のユーザ毎のデータテーブル例)のうち、前記解除情報から返品対象として特定される電子コンテンツの電子コンテンツ情報を不能化する(例えば、サーバ100においてユーザ毎に管理される返品対象の電子コンテンツのEPUBファイルを削除)。
【0059】
このような構成によれば、管理装置において管理される電子コンテンツ情報が不能化されるため、返品対象として特定された電子コンテンツの電子コンテンツ情報をユーザ端末にダウンロードをさせないようにすることができる。
【0060】
(28) (2)において、前記コンピュータを、
所定の履歴情報(例えば、
図23の所定の履歴情報例)に基づいて返品対象として推薦する電子コンテンツを報知するための報知手段(例えば、
図22のおすすめ返品リスト474cへの操作により表示)として機能させる。
【0061】
このような構成によれば、ユーザは、返品対象とする電子コンテンツの選択を、推薦された電子コンテンツに基づいて容易に行うことができるようになる。
【0062】
(29) (28)において、前記所定の履歴情報は、ユーザが返品した電子コンテンツから特定される返品傾向を特定するための情報(例えば、
図23のグループ1のユーザの過去の返品傾向)を含む。
【0063】
このような構成によれば、ユーザがこれまで返品した電子コンテンツから特定される返品傾向に基づいて返品対象となる電子コンテンツが推薦されるため、ユーザは返品対象とする電子コンテンツの選択を容易に行うことができるようになる。
【0064】
(30) (28)において、前記所定の履歴情報は、他のユーザを含むすべてのユーザから返品された電子コンテンツから特定される返品傾向を特定するための情報(例えば、
図23のグループ2の返品コンテンツと同一コンテンツを返品したユーザの返品傾向)を含む。
【0065】
このような構成によれば、他のユーザを含むすべてのユーザから返品された電子コンテンツから特定される返品傾向に基づいて返品対象となる電子コンテンツが推薦されるため、ユーザは返品対象とする電子コンテンツの選択を容易に行うことができるようになる。
【0066】
(31) (28)において、前記所定の履歴情報は、電子コンテンツと関連性を有する他の電子コンテンツを特定するための情報(例えば、電子コンテンツのジャンル、続編など)を含み、
前記報知手段は、前記返品操作に応じた電子コンテンツと関連性を有する他の電子コンテンツ(例えば、
図23のグループ3の返品コンテンツと関連性を有するコンテンツ)を、返品対象として推薦する電子コンテンツとして報知する。
【0067】
このような構成によれば、返品操作に応じた電子コンテンツと関連性を有する他の電子コンテンツが返品対象となる電子コンテンツとして推薦されるため、ユーザは返品対象とする電子コンテンツの選択を容易に行うことができるようになる。
【0068】
(32) (2)において、前記コンピュータを、
前記返品操作を受け付けるときに当該電子コンテンツを返品すると関連付けられる代替情報の内容を報知する(例えば、
図11のステップS401、
図12(A)の代替情報関連情報423)ための手段として機能させる。
【0069】
このような構成によれば、ユーザは代替情報の内容によって返品するか否かの検討をすることができるようになる。
【0070】
(33) (2)において、前記利用権関連手段は、前記解除関連手段により利用権の関連付けが解除された電子コンテンツに対するユーザからのキャンセル操作(例えば、
図11のステップS416、ステップS418、
図12(D)のキャンセルアイコン432への操作、
図14のステップS502、
図22の返品キャンセルアイコン474bへの操作)に応じて、特別条件を満たす場合に当該電子コンテンツの利用権を再びユーザに関連付けるための処理(例えば、
図14のステップS504、ステップS505)を行う。
【0071】
このような構成によれば、例えば、誤操作によって返品を実行してしまった場合などに、返品をキャンセルすることが可能となる。これにより、返品操作のハードルを低下させることができる。
【0072】
(34) (33)において、前記特別条件は、前記キャンセル操作の対象となる電子コンテンツの利用権の関連付けの解除に応じて関連付けられた代替情報が使用されていないこと(例えば、
図13のコンテンツID「BBB」の特典利用状況「未使用」であること)を含み、
前記解除関連手段は、前記キャンセル操作に応じて前記利用権関連手段によってユーザに利用権が関連付けられた際(例えば、
図14のステップS505)に、当該利用権の関連付けの解除に応じて関連付けられた代替情報の関連付けを解除する(例えば、
図14のステップS508)ための処理を行う。
【0073】
このような構成によれば、代替情報が使用されているにもかかわらず、電子コンテンツの利用権の関連付けの解除がキャンセルされてしまうことを防止することができる。
【0074】
(35) (33)において、前記コンピュータを、
前記解除関連手段により電子コンテンツの利用権の関連付けが解除されたとき(例えば、
図11のステップS409)に、キャンセルを促す旨のメッセージ画像とともに前記キャンセル操作を受け付けるキャンセルアイコンを表示(例えば、
図11のステップS415、
図12(D)の返品完了画面431、キャンセルアイコン432)するための手段として機能させる。
【0075】
このような構成によれば、例えば誤操作によって利用権の関連付けが解除されてしまった後であっても、ユーザは返品をキャンセルすることができることを認識できる。これにより、ユーザは安心して返品機能を利用することができる。
【0076】
(36) (2)において、前記利用権関連手段は、電子コンテンツに対するユーザからの購入操作(例えば、
図19のステップS706)に応じて当該電子コンテンツの利用権をユーザに関連付けるための処理(例えば、
図19のステップS707~ステップS710)を行い、
前記コンピュータを、
購入可能な電子コンテンツに関する情報を表示する表示手段(例えば、
図19のステップS701~ステップS705、
図20)として機能させ、
前記購入可能な電子コンテンツに関する情報のうち、前記解除関連手段により利用権の関連付けが解除された電子コンテンツに関する情報(例えば、
図20の購入可能コンテンツ情報一覧485のコンテンツ名「bbbbb」の情報)には、返品した電子コンテンツである旨を報知するための情報(例えば、
図20の返品済みラベル489)を含む。
【0077】
このような構成によれば、過去に返品した電子コンテンツを、ユーザが誤って再購入してしまうことなどを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【
図1】利用管理システムのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】ユーザ端末の構成を説明するための図である。
【
図4】電子コンテンツ関連処理を説明するためのフローチャートである。
【
図5】サーバにおいて管理されるユーザ毎のデータテーブル例である。
【
図6】ユーザ端末が受信する関連済電子コンテンツ情報例およびユーザ端末内で記憶するデータ例である。
【
図8】電子コンテンツ関連画面表示処理を説明するためのフローチャートである。
【
図9】詳細画面表示処理を説明するためのフローチャートである。
【
図11】返品処理を説明するためのフローチャートである。
【
図13】返品処理後のサーバにおいて管理されるユーザ毎のデータ例である。
【
図14】返品キャンセル処理を説明するためのフローチャートである。
【
図15】返品処理後のユーザ端末が受信する関連済電子コンテンツ情報例および返品処理を行ったユーザ端末とは異なるユーザ端末内で記憶するデータテーブル例である。
【
図16】返品候補リスト画面処理を説明するためのフローチャートである。
【
図17】返品候補コンテンツ情報のデータテーブル例である。
【
図18】返品候補リストの画面例である。(A)は返品候補リスト一覧画面例であり、(B)は返品候補追加画面例である。
【
図19】購入処理を説明するためのフローチャートである。
【
図21】購入処理後のサーバにおいて管理されるユーザ毎のデータテーブル例である。
【
図23】返品対象となる電子コンテンツを推薦するための所定の履歴情報例である。
【
図25】利用権解除処理および代替情報の関連付け処理のタイミング例である。(A)は利用権解除タイミングのタイムチャート例であり、(B)は代替情報関連付けタイミングのタイムチャート例である。
【
図26】返品処理の他の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0079】
本開示に係る利用管理システムは、ユーザ毎に利用可能な電子コンテンツを管理する管理装置(以下では、一例としてサーバと称する)と、サーバと通信してユーザに対して電子コンテンツを利用可能とするユーザ端末とを含むシステムである。以下、図面を参照しつつ本発明に係る利用管理システムについての実施の形態について説明する。なお、本発明は以下の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が本発明に含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を繰り返さない。
【0080】
本実施形態における電子コンテンツとは、例えば、電子書籍、ゲームコンテンツ、映画やドラマ、ミュージックビデオ、講座などの動画を視聴可能とする映像コンテンツ、音楽データ、あるいは、音声データなどが含まれる。利用とは、電子書籍の閲覧、動画の視聴、ゲームコンテンツをプレイすることなどである。また、本実施形態においては、例えばユーザが電子コンテンツを購入することなどにより、利用する権利(電子コンテンツの利用権、電子コンテンツの閲覧資格・ダウンロード資格など)がユーザに関連付けられた電子コンテンツを返品(処分)することができる。本開示に係る利用管理システムは、ユーザが電子コンテンツを返品することにより、返品対象の電子コンテンツの利用権の関連付けを解除して、ユーザが返品した電子コンテンツを利用不能とする一方で、ユーザに代替情報(例えば、特典、クーポンなど)を関連付ける。
【0081】
本実施形態におけるプログラムは、ユーザへの電子コンテンツの提供、および、ユーザへ提供可能な電子コンテンツの管理をサーバ100とユーザ端末300とによって実現可能とするプログラムを含む。
【0082】
<利用管理システム1のハードウェア構成例>
図1は、利用管理システム1のハードウェア構成例を示す図である。利用管理システム1は、サーバ100と、複数のユーザ端末300a、300b、300c…とを含む。複数のユーザ端末300a、300b、300c…は、複数のユーザ各々が所有する端末であって、以下ではまとめてユーザ端末300ともいう。ユーザは、複数の端末を所有することも可能であり、いずれの端末からでも当該ユーザのユーザID等を用いて利用管理システム1にアクセス可能となる。
【0083】
サーバ100、およびユーザ端末300は、各々、ネットワーク2を介して通信接続可能であり、双方向に情報(データ)を送受信できる。ネットワーク2は、例えばインターネットであり、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、移動通信網(例えば、5G、4Gなど)、有線電話網、FTTH(Fiber To The Home)、CATV(Cable Television)網等のアクセス網、および所定のアクセスポイントによってインターネットに接続可能な無線ネットワーク(例えばWi-Fi(登録商標)などで構成される。
【0084】
サーバ100は、例えば、通信機能を有するワークステーションまたはパーソナルコンピュータなどのコンピュータであり、ユーザ毎の電子コンテンツの利用権の管理などを行う。電子コンテンツには、後述する電子コンテンツ情報(例えば、電子書籍のEPUB(Electronic PUBlication)ファイルなど)が関連付けられており、電子コンテンツ情報が電子コンテンツ毎にサーバ100において管理されている。電子コンテンツは、サーバ100から電子コンテンツ情報をユーザ端末300にダウンロードすることにより、あるいは、ユーザ端末300からWEBブラウザなどを介してサーバ100にアクセスすることにより利用可能となる。
【0085】
なお、本実施の形態におけるサーバ100は、1台のコンピュータによって実現されていてもよいし、また、複数台のコンピュータ(例えば、複数台のサーバ)によって実現されているものであってもよい。また、いわゆるクラウドサーバであってもよい。
【0086】
ユーザ端末300(コンピュータ、情報処理装置)は、電子コンテンツを利用しようとするユーザによって使用される。ユーザ端末300は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の操作入力機能や通信機能を有するコンピュータであってもよい。また、ユーザ端末300には、電子コンテンツが利用可能となるアプリケーション(プログラム)がインストールされている。ユーザは、ユーザ端末300において当該アプリケーションを起動することにより、所望の電子コンテンツを利用可能となる。当該アプリケーションとは、例えば、スマートフォンやタブレット端末において操作される電子書籍アプリ(ビューアーアプリ)などのネイティブアプリケーションや、WEBブラウザアプリケーションなどである。なお、ユーザ端末300は、電子書籍を閲覧するための専用端末である電子書籍リーダーであってもよい。
【0087】
<サーバの構成>
次に、サーバ100の構成を説明する。
図2に示すように、サーバ100は、他のコンピュータと通信を行う通信部110と、各種データを記憶する記憶部120と、コンピュータ全体の制御を行う制御部130とを備える。通信部110、記憶部120、および、制御部130は、バスラインによって相互に接続される。
【0088】
通信部110は、有線通信又は無線通信を行うためのNIC(Network Interface Card controller)を備える通信インターフェースである。通信部110は、ネットワーク2を介して、他のコンピュータと通信を行う。
【0089】
記憶部120は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等から構成される。記憶部120は、各種制御処理を実行するためのプログラム(例えば、電子コンテンツを管理・提供するためのプログラムなど)、各種データ等を記憶する。記憶部120に記憶される各種データには、電子コンテンツに関する情報を管理するコンテンツデータベース121や、電子コンテンツ情報122、ユーザに関するユーザ情報123、利用権データベース124、返品候補リストデータベース125などが含まれる。
【0090】
コンテンツデータベース121には、各種電子コンテンツのコンテンツIDに関連付けられて、電子コンテンツに関する情報が記憶されている。電子コンテンツに関する情報には、例えば、書籍タイトル、著作者、出版社、販売日、価格、価額、ジャンルや、図書分類コードなどが含まれる。
【0091】
電子コンテンツ情報122には、利用管理システム1により提供可能な電子コンテンツの電子コンテンツ情報が格納されている。電子コンテンツ情報には、ユーザに電子コンテンツを利用させるために必要となる各種電子コンテンツのコンテンツ情報(例えば、電子書籍のEPUBファイルなど)と、電子コンテンツにアクセスするためのアクセス情報(例えば、EPUBファイルを開くための暗号鍵など)とが含まれる。
【0092】
コンテンツ情報とは、例えば、電子コンテンツが電子書籍であった場合には、EPUBファイルやPDFファイルなどの文書データであり、電子コンテンツが音楽データであった場合には、MP3、MP4などの音楽ファイルデータなどといったコンテンツデータである。ユーザは、コンテンツ情報が利用可能な状態となることで、電子コンテンツを利用することができる。例えば、電子書籍の場合には、WEBブラウザでEPUBファイルが開かれることにより、あるいは、ユーザ端末300にEPUBファイルの一部情報あるいは全ての情報がダウンロードされることにより、ユーザ端末300においてオフライン環境下においても電子書籍を閲覧可能となる。
【0093】
電子コンテンツにアクセスするためのアクセス情報には、コンテンツ情報(例えばEPUBファイル)の暗号化および復号化のための暗号鍵や、ユーザの電子コンテンツを利用する権利についてのライセンス認証情報、利用可能期限(例えば閲覧期限)の延長などが含まれる。
【0094】
本実施形態におけるコンテンツ情報は、サーバ100において、電子コンテンツ毎に暗号化された状態で管理されている。ユーザIDに対して、利用可能となるコンテンツのIDが関連付けられることにより、コンテンツIDに対応した電子コンテンツのコンテンツ情報がユーザ端末300にダウンロード可能となる。ユーザ端末300にダウンロードされたコンテンツ情報は、復号するための暗号鍵(復号鍵)によって復号される。これにより、ユーザ端末300において電子コンテンツが利用可能となる。なお、暗号鍵は、電子コンテンツを購入などにより獲得したときや、新たなユーザ端末でアクセスしたときなどに、当該ユーザのユーザ端末300にダウンロードされて記憶される。
【0095】
また、電子コンテンツ情報は、対応する電子コンテンツの返品操作に応じて不能化(処分)される。不能化とは、例えば、サーバ100あるいはユーザ端末300において、コンテンツ情報(EPUBファイル)を削除することなどにより、電子コンテンツをユーザが利用できない(閲覧できない)状態となるようにすることである。
【0096】
ユーザ情報123としては、ユーザを識別するためのユーザIDやパスワード、ユーザ名、決済情報などが記憶されている。
【0097】
利用権データベース124には、ユーザ毎の電子コンテンツに関する情報が記憶されている。例えば、ユーザ毎の電子コンテンツの利用権の有効性や、ユーザに関連付けられた代替情報の有効性などが記憶されている。利用権の有効性とは、利用権が関連付けられており有効な状態か、あるいは、利用権が解除されたことにより無効な状態となっているかによって有効か否かが判断される。また、ユーザ毎の電子コンテンツに関する情報には、ユーザに利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定するための「関連済電子コンテンツ情報」が含まれている。
【0098】
返品候補リストデータベース125には、ユーザが返品対象の候補として指定した電子コンテンツや、ユーザに対し返品対象として推薦する電子コンテンツなどに関する情報が記憶されている。
【0099】
制御部130は、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ100の全体の動作を制御する。
【0100】
以下、制御部130の機能的な構成を説明する。制御部130は、少なくとも、データ送受信部131、コンテンツ管理部132、利用権管理部133、返品情報管理部134、報知情報管理部135、代替情報管理部136、および、ユーザ管理部137として機能する。
【0101】
データ送受信部131は、ユーザ端末300から送信される各種情報の受信や、ユーザ端末300に対して各種情報の送信を行う。データ送受信部131は、記憶部120に格納されている各種管理テーブルを参照する。データ送受信部131が送受信を行う各種情報には、例えば、記憶部120において記憶されている電子コンテンツ情報(例えば、EPUBファイル、暗号鍵など)や、ユーザに利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定するための「関連済電子コンテンツ情報」などが含まれる。
【0102】
コンテンツ管理部132は、通信部110を介して、コンテンツデータベース121や電子コンテンツ情報122において記憶されている各電子コンテンツに関する情報を管理している。コンテンツ管理部132は、例えば、ユーザ毎の電子コンテンツに関する情報に基づいて、ユーザが利用可能となる電子コンテンツに関する情報を記憶部120において更新・記憶する。
【0103】
利用権管理部133は、ユーザ毎の電子コンテンツの利用権の関連あるいは解除に関する情報を管理する。例えば、ユーザからの購入操作などより、利用権データベース124のユーザ毎の情報のうち、購入操作によりユーザに利用権が関連付けられた電子コンテンツの情報を更新・記憶する。また、利用権管理部133は、ユーザによる電子コンテンツの返品操作によって利用権が解除されると、利用権が関連付けられていた電子コンテンツの利用権を解除し、利用権データベース124のユーザ毎の情報を、返品された電子コンテンツの利用権が解除された情報となるように更新・記憶する。
【0104】
返品情報管理部134は、返品された電子コンテンツに関する情報を管理する。返品された電子コンテンツに関する情報とは、各ユーザが返品した電子コンテンツを特定するための情報などである。
【0105】
報知情報管理部135は、ユーザに対して報知する電子コンテンツに関する各種報知情報を管理する。各種報知情報は、データ送受信部131によって、ユーザ端末300に送信され、ユーザに報知されるようになる。報知とは、ユーザ端末300の表示部への表示、あるいは、音声などによって、ユーザへ情報伝達を行うことである。
【0106】
代替情報管理部136は、返品操作に応じてユーザに関連付けられる代替情報を管理する。代替情報とは、例えば、ユーザに対する特典として、電子コンテンツを購入する際に使用できるクーポン、ポイントなどの消費情報や、電子コンテンツを割引価格にて購入できる権利などのユーザが得をする権利などが含まれる。
【0107】
ユーザ管理部133は、ユーザに関するユーザ情報123を記憶部120において記憶・更新する。
【0108】
<ユーザ端末の構成>
次に、ユーザ端末300の構成を詳細に説明する。
図3に示すように、ユーザ端末は、サーバ100を含む他のコンピュータと通信を行う通信部310と、各種データを記憶する記憶部320と、操作などを入力するための入力部330と、画像などを出力するための出力部340と、コンピュータ全体の制御を行う制御部350とを備える。通信部310、記憶部320、入力部330、出力部340、および、制御部350は、バスラインによって相互に接続される。
【0109】
通信部310は、有線通信又は無線通信を行うためのNICを備える通信インターフェースである。通信部310は、ネットワーク2を介して、サーバ100を含む他のコンピュータと通信を行う。記憶部320は、RAM、ROM等から構成される。記憶部320は、各種制御処理を実行するためのプログラム(例えば、電子コンテンツを管理・提供するためのプログラムなど)、各種データ等を記憶する。
【0110】
入力部330は、ユーザからの入力操作・音声を受け付けるための入力装置(例えば、タッチパネル、タッチパッド、マウス等のポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン等)を含む。本実施形態におけるユーザ操作とは、これらの入力部330に対するユーザからの操作をいう。例えば、タッチパネルに対するタッチ操作、スライド操作、フリック操作、あるいは、ボタン操作や、ドラッグ(スワイプ)操作、ユーザ端末300の表示部に表示されるアイコンに対する選択操作や、ポインティングデバイス、キーボードに対する操作、マイクロフォンに対する音声入力などが含まれる。なお、本実施形態における選択とは、ユーザからの入力部330に対する操作が行われることにより、選択する操作が行われたものとする。
【0111】
出力部340は、ユーザに対し情報(テキスト、画像、音声等)を提示(報知)し、ユーザ端末300において情報を出力するための出力装置(ディスプレイなどの表示部、スピーカ等)を含む。
【0112】
制御部350は、CPU等から構成される。制御部350は、記憶部320に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末300の全体の動作を制御する。以下、制御部350の機能的な構成を説明する。制御部350は、少なくとも、情報取得部351、入力情報送信部352、表示制御部353、コンテンツ管理部354、および、ユーザ管理部355として機能する。
【0113】
情報取得部351は、通信部310を介してサーバ100からの電子コンテンツに関するデータなどを取得し、取得したデータに基づいてユーザ端末300において表示する電子コンテンツに関する情報、および、電子コンテンツをユーザに利用させることを可能とするプログラムを記憶部320に記憶する。電子コンテンツに関する情報には、電子コンテンツ情報や、関連済電子コンテンツ情報、返品候補コンテンツ情報(候補情報)などが含まれる。
【0114】
入力情報送信部352は、入力部330において取得した操作入力情報や、音声入力情報などをサーバ100に送信する。操作入力情報には、ユーザによる電子コンテンツを利用するための閲覧操作や、購入操作、返品操作などが含まれる。返品操作とは、電子コンテンツを返品対象の候補として指定するための候補指定操作や、返品対象の候補として指定された電子コンテンツの返品を実行するための返品実行操作などの、返品処理が完了するまでの一連のユーザ操作を含む。候補指定操作には、電子コンテンツを返品対象として選択する操作や、返品候補リストへの追加操作などが含まれる。
【0115】
表示制御部353は、情報取得部351が取得した電子コンテンツに関するデータに基づき記憶部320に記憶されている電子コンテンツに関する情報に基づいて、電子コンテンツに関連する画面を表示する。表示制御部353は、例えば、ユーザが所有する電子書籍の一覧や、電子書籍の閲覧・返品などをするために操作可能な各種アイコン、電子書籍の内容が表示され閲覧をすることができる電子コンテンツの閲覧画面などを表示する。
【0116】
ユーザ管理部355は、ユーザに関するユーザ情報を記憶部320において記憶・更新する。ユーザに関するユーザ情報には、例えば、ユーザを識別するためのIDや、ユーザ名などを含む。
【0117】
<電子コンテンツ関連処理>
以下、本実施の形態においては、主に電子コンテンツとして、電子書籍を利用(閲覧)可能とする利用管理システムの処理の例について説明する。まず、
図4、
図5、および
図6を参照して、ユーザ端末300およびサーバ100によって実行される電子コンテンツ関連処理について説明する。本実施形態においては、ユーザ端末300にインストールされたアプリケーションが、オフライン環境下でも使用できるスマホアプリ(ネイティブアプリ)である例について説明する。電子コンテンツ関連処理とは、アプリ起動からアプリ終了までの処理の流れである。
【0118】
ステップS101でユーザ端末300においてアプリが起動されると、ステップS102において、ユーザ端末300においてインターネット接続(以下、単にネット接続ともいう)があるか否かが判定される。アプリとは、例えば電子書籍ビューアーアプリである。ネット接続があると判定されたときには、ステップS103に進む。
【0119】
ステップS103においては、ユーザ端末300からサーバ100に対しログイン情報が送信される。ログイン情報とは、電子コンテンツの利用を要求する情報であって、ユーザを識別する情報が含まれ、例えば、ユーザIDとともに、最新の閲覧可能である電子書籍の情報を要求する情報である。
【0120】
ステップS103において送信されたログイン情報は、ステップS104において、サーバ100が受信する。サーバ100は、ログイン情報を受信することにより、利用権データベース124および利用権管理部133によって記憶・管理されている、ユーザ毎の利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定するユーザ情報(ユーザ毎の電子コンテンツに関するデータ)を参照する。
【0121】
図5は、利用権データベース124において記憶されているユーザ毎の電子コンテンツに関するデータテーブルの一例である。
図5のユーザ毎のデータテーブルには、「ユーザID」、各ユーザの「購入済みコンテンツID」、コンテンツIDに対応する「コンテンツ名」、コンテンツ毎の「利用権」(関連済あるいは解除)、コンテンツ毎の「購入日」・「返品日」、各ユーザが所有する端末の「端末別ダウンロード状況」、コンテンツ毎の「特典付与状況」(付与済あるいは未付与)、各特典の「特典利用状況」(使用済あるいは未使用)などが各ユーザIDに関連付けられている。
【0122】
例えば、ユーザID「001」には、購入済みコンテンツID「AAA」について、コンテンツ名「aaaaa」、利用権は「関連済」、購入日は「2020/01/xx」が関連付けられている。返品日は存在していないものとして「n/a」と表されていることから、ユーザID「001」は、コンテンツID「AAA」について返品をしていないため、特典付与状況は「未付与」であって、特典利用状況は「未使用」となっている。なお、コンテンツIDは図書コード(例えば、IBSN、日本図書コード、書籍JANコードなど)によって管理されていてもよい。
【0123】
「端末別ダウンロード状況」とは、ユーザが所有する端末毎に「電子コンテンツ情報(例えばEPUBファイル)」がダウンロードされているか否かを示すものである。ダウンロードされている場合には、フラグの値「1」で記憶され、ダウンロードされていない場合には、フラグの値「0」で記憶されている。例えば、ユーザID「001」の所有する端末1および端末2では、コンテンツID「AAA」である電子書籍のEPUBファイルがダウンロードされているため、フラグの値は「1」である。一方、端末3では、コンテンツID「AAA」のEPUBファイルがダウンロードされていないため、フラグの値は「0」である。当該端末3でコンテンツID「AAA」である電子書籍を閲覧するためには、コンテンツID「AAA」のEPUBファイルをダウンロードする必要がある。なお、所有端末は、端末ごとにデバイスIDが付与され識別されているものとしてもよい。
【0124】
また、ダウンロードとは、EPUBファイルが100%(例えば全頁)ユーザ端末300にダウンロードされ記憶されているものに限らず、「電子コンテンツの一部情報」がダウンロードされていれば、フラグは「1」になるものであってもよい。「電子コンテンツの一部情報」とは、例えば100頁ある電子書籍のEPUBファイルのうち、未読部分からの所定頁分(例えば30頁分など)に相当する情報などである。以降、コンテンツID「AAA」を、電子書籍「AAA」あるいは「AAA」などと称して説明することもある。
【0125】
図4に戻り、サーバ100では、ステップS105において、
図5のユーザ毎の電子コンテンツに関するデータテーブルを参照して、ステップS104で受信したログイン情報から特定されたユーザに、利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定し、当該電子コンテンツを特定するための「関連済電子コンテンツ情報」を、ログイン情報送信元のユーザ端末300に送信する。「関連済電子コンテンツ情報」とは、例えば、ユーザID「001」のユーザ(以降、ユーザ「001」と称する。)がログイン情報を送信した場合であれば、
図5においてユーザ「001」に関連付けられた電子コンテンツのうち、利用権が「関連済」である電子コンテンツを特定するための情報である。
【0126】
例えば、
図6(A)は、ユーザID「001」が所有する端末で受信する「関連済電子コンテンツ情報」の一例である。
図6(A)には、
図5でユーザID「001」に利用権が「関連済」である電子コンテンツを特定するための「関連済コンテンツID」が含まれている。「関連済コンテンツID」には、例えば、後に詳述する返品処理によって利用権が「解除」されている「CCC」は含まれない。なお、
図6(A)では、「関連済電子コンテンツ情報」として、ユーザID、関連済コンテンツID、およびコンテンツ名が含まれる例について図示しているが、少なくとも利用権が関連済である電子コンテンツ(例えばコンテンツID)を特定する情報が含まれているものであればよい。
【0127】
図4に戻り、ステップS105においてサーバ100から送信された「関連済電子コンテンツ情報」が、ステップS106においてユーザ端末300で受信される。受信された「関連済電子コンテンツ情報」は、ユーザ端末300の記憶部320に格納される。また、ユーザ端末300の記憶部320で記憶する利用権が関連付けられた電子コンテンツに関する情報は、受信した「関連済電子コンテンツ情報」に対応するように更新・記憶される。
【0128】
ステップS107では、受信した「関連済電子コンテンツ情報」に含まれていない電子コンテンツの電子コンテンツ情報が、ユーザ端末300に記憶されているか否かが判定される。例えば、利用権が関連付けられていない電子書籍のEPUBファイルが、記憶部320に記憶されているか否かが判定される。
図6(A)で示した「関連済電子コンテンツ情報」を受信したときであって、例えば、ユーザ端末300にコンテンツID「CCC」が記憶されているときには「関連済電子コンテンツ情報」に含まれてない電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されていると判定される。受信した「関連済電子コンテンツ情報」に含まれてない電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されていると判定されたときにはステップS108に進む。一方、受信した「関連済電子コンテンツ情報」に含まれていない電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されていると判定されなかったときには、ステップS112で、
図7および
図8を参照して後述する電子コンテンツ関連画面表示処理が行われる。
【0129】
ステップS108では、受信した「関連済電子コンテンツ情報」に含まれていない電子コンテンツの電子コンテンツ情報の削除(例えば、EPUBファイルの削除)、および、削除された旨をユーザに報知する。すなわち、ユーザ端末300で記憶されている電子コンテンツに関する情報が最新の情報に更新される。ステップS109において、当該ユーザ端末300で「関連済電子コンテンツ情報」に含まれてない電子コンテンツの電子コンテンツ情報が削除されたことを特定するための削除情報をサーバ100に送信する。
【0130】
サーバ100では、ステップS110で削除情報を受信すると、ステップS111で、利用権データベース124で記憶されている
図5に示すユーザ毎の電子コンテンツに関する情報の、電子コンテンツ情報が削除された電子コンテンツについての端末別ダウンロード状況のうち、削除情報送信元の端末のフラグが「0」となるように更新・記憶する。ユーザ端末300では、ステップS109で削除情報を送信した後は、ステップS112で電子コンテンツ関連画面表示処理が行われる。
【0131】
例えば、
図6(B)は、ユーザID「001」の端末1で記憶する電子コンテンツに関する情報の例である。ユーザ端末300で記憶する電子コンテンツに関する情報には、ユーザID、関連済コンテンツID、コンテンツ名、コンテンツ毎の電子コンテンツ情報(例えばEPUBファイル)のダウンロード状況などが含まれる。例えば、当該ユーザ「001」の端末1では、「AAA」のEPUBファイルはダウンロードされているが、「DDD」のEPUBファイルはダウンロードされていないことが示されている。なお、端末内で記憶する電子コンテンツに関する情報は、少なくとも、関連済コンテンツIDと、電子コンテンツ毎の電子コンテンツ情報のダウンロード状況とが含まれていればよい。当該端末1で、
図6(A)の「関連済電子コンテンツ情報」を受信した場合、例えば、受信した「関連済電子コンテンツ情報」に含まれない電子コンテンツの電子コンテンツ情報(例えば「CCC」のEPUBファイルなど)は記憶されていないため、受信した「関連済電子コンテンツ情報」に含まれていない電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されていないと判定(ステップS107 NO)される。
【0132】
一方、例えば「CCC」のEPUBファイルがダウンロードされていれば(ステップS107 YES)、「CCC」のEPUBファイルを削除し、その旨をユーザに対して報知する。なお、ユーザ端末300が受信した
図6(A)の「関連済電子コンテンツ情報」と対応するように、記憶部320で記憶する電子コンテンツに関する情報が更新される。
図6において、ユーザ端末で受信する「関連済電子コンテンツ情報」の「関連済コンテンツID」と、記憶部320で記憶する電子コンテンツに関する情報の「関連済コンテンツID」とが対応(一致)している場合を例示したが、対応していなかった場合の例については後述する。以降、ユーザ端末300においては、オフライン時においても、前回受信した「関連済電子コンテンツ情報」に基づいて更新された情報に基づき、電子コンテンツ関連画面表示処理が行われる。
【0133】
ステップS102に戻り、アプリ起動後にネット接続があると判定されなかったときには、ステップS112に進み、前回受信した「関連済電子コンテンツ情報」に基づいて更新された情報に基づき、電子コンテンツ関連画面表示処理が行われる。例えば
図7に示す電子コンテンツ関連画面が、ユーザ端末300の表示部400に表示され、各アイコンに対するユーザ操作が行われることなどにより、電子コンテンツ関連画面表示処理が行われる。
【0134】
ステップS113では、アプリの終了選択がされたか否かが判定される。例えば、ユーザからのタッチパネルへの操作によって、アプリを終了する動作がされたか否かによって判定される。アプリの終了選択がされたと判定されたときには、電子コンテンツ関連処理を終了する。一方、アプリの終了選択がされたと判定されなかったときには、ステップS112に戻る。
【0135】
<電子コンテンツ関連画面表示処理>
図4のステップS112における電子コンテンツ関連画面表示処理の例について、
図7および
図8を参照して説明する。
図8のステップS201では、
図4のステップS106で受信した「関連済電子コンテンツ情報」に基づいて電子コンテンツ関連画面を表示する。例えば、ユーザ「001」が端末1で受信して記憶した
図6(B)の電子コンテンツに関する情報に基づいて、
図7に示すような電子コンテンツ関連画面が、ユーザ端末300の表示部400に表示される。なお、オフライン時には、前回ログイン時に
図4のステップS106で受信した「関連済電子コンテンツ情報」に基づいて電子コンテンツ関連画面表示処理が行われる。
【0136】
電子コンテンツ関連画面の画面上方には、検索窓402、フィルタ403、および、その他アイコン404などが表示される。画面中央には、所有コンテンツ一覧405が表示され、画面下方には、購入アイコン412、および、返品候補リストアイコン413などが表示される。
【0137】
検索窓402は、検索窓402へのユーザ操作により電子コンテンツの検索を可能とするものである。フィルタ403は、フィルタ403へのユーザ操作により、所有コンテンツ一覧405に表示される電子コンテンツの表示条件を変更することを可能とするものである。フィルタ403は、例えば所有書籍の表示について「全て」、「既読」、「未読」、「返品候補リストに追加済」などへの条件変更や、閲覧日や購入日に基づいて昇順/降順と並べ変えをすることを可能とする。その他アイコン404(ツールチップボタン)は、
図22を参照して後述するように、その他アイコン404へのユーザ操作により、設定やその他各種機能に関連する操作アイコンなどを表示可能とするものである。
【0138】
所有コンテンツ一覧405には、コンテンツ画像406、コンテンツ情報407、詳細アイコン408、ダウンロードアイコン409、および、一括チェックボックス410などが表示されている。コンテンツ画像406には、例えば書籍の表紙が表示され、コンテンツ情報407には、例えばタイトル、著作者名などが表示される。
【0139】
図8に戻り、ステップS202では、電子コンテンツ詳細選択(詳細アイコン408への選択操作)がされたか否かが判定される。電子コンテンツ詳細選択がされたときには、ステップS203で、
図9および
図10を参照して後述する電子コンテンツの詳細画面表示処理がされる。ステップS203で電子コンテンツ詳細画面表示処理がされたあとは、ステップS201に戻る。例えば、
図7のある電子コンテンツの詳細アイコン408が選択操作されると、当該電子コンテンツについての詳細画面表示処理がされる。
【0140】
一方、ステップS202において電子コンテンツ詳細選択がされたと判定されなかったときには、ステップS204に進み、ダウンロード選択(ダウンロードアイコン409bへの選択操作)がされたか否かが判定される。ダウンロード選択がされたと判定されたときには、ステップS205で、ダウンロード処理がされ、ステップS201に戻る。ダウンロードとは、ユーザ端末300に電子コンテンツの電子コンテンツ情報(例えば、EPUBファイル)をダウンロードすることである。
【0141】
例えば、
図6(B)に示すように「AAA」はダウンロード状況のフラグが「1」であるため、EPUBファイルは既にダウンロードができている。そのため、
図7における電子書籍「aaaaa」のダウンロードアイコン409は、ダウンロードが完了していることを示す態様で表示されている(ダウンロードアイコン409a)。一方、「DDD」はフラグ「0」であり、EPUBファイルがまだダウンロードされていない。そのため、電子書籍「ddddd」のダウンロードアイコン409は、ダウンロードが未完了であることを示す態様で表示されている(ダウンロードアイコン409b)。ダウンロードアイコン409dを選択することで、ダウンロード処理がされる。なお、
図6(B)でダウンロード状況のフラグが「1」であったとしても、EPUBファイルが100%ダウンロードされるまでは、ダウンロードアイコン409は、ダウンロードが完了していないことを表すダウンロードアイコン409bで表示される。また、ダウンロードについて完了、未完了を示す態様で表示されているものに限らず、例えば、ダウンロードアイコン409に替わり、コンテンツ画像406、あるいは、後述する
図10の閲覧アイコン416など他のアイコンに対するタップ操作などにより、ダウンロードが未完了であった場合にダウンロード処理がなされるものであってもよい。
【0142】
図8に戻り、ステップS204で、ダウンロード選択がされたと判定されなかったときには、ステップS206に進み、返品候補リスト選択(返品候補リストアイコン413への選択操作)がされたか否かが判定される。返品候補リスト選択がされたと判定されたときには、ステップS207に進み、
図16~
図18を参照して後述する返品候補リスト画面処理がされる。ステップS207で返品候補リスト画面表示処理がされたあとは、ステップS201に戻る。例えば、
図7の返品候補リストアイコン413が選択操作されると、返品候補リスト画面表示処理がされる。
【0143】
一方、ステップS206で返品候補リスト選択がされたと判定されなかったときには、ステップS208に進み、購入選択(購入アイコン412への選択操作)がされたか否かが判定される。購入選択がされたと判定されたときには、ステップS209に進み、
図19~
図21を参照して後述する購入処理がされる。ステップS209で購入処理がされたあとは、ステップS201に戻る。例えば、
図7の購入アイコン412への選択操作がされると、購入処理がされる。
【0144】
一方、ステップS208で、購入選択がされたと判定されなかったときには、ステップS210に進み、終了選択がされたか否かが判定される。終了選択がされたと判定されなかったときには、ステップS201に戻る。
【0145】
一方、終了選択がされたと判定されたときには、電子コンテンツ関連画面処理を終了する。終了選択とは、例えば、アプリを閉じる操作(この場合は、
図4のステップS113に相当する)、あるいは、アプリのホーム画面に戻るためのアイコンなどが選択操作されることにより別画面へ遷移することである。
【0146】
<詳細画面表示処理>
次に、
図8のステップS203において行われる電子コンテンツの詳細画面表示処理の例について、
図9および
図10を参照して説明する。
図9のステップS301では、詳細画面が表示される。例えば、
図7の詳細アイコン408への選択操作がされることにより、
図10に例示するような電子コンテンツの詳細画面が表示される。なお、
図10の詳細画面は、
図7のコンテンツ画像406へのタップ操作や長押し操作などにより表示されるものであってもよい。
【0147】
電子コンテンツ詳細画面には、戻るアイコン414、コンテンツ画像406、コンテンツ情報407、ダウンロードアイコン409、閲覧アイコン416、表示されている電子コンテンツの内容に関する説明が記載されたコンテンツ説明領域417、返品候補リスト追加アイコン418、および、返品アイコン419などが表示されている。以降、
図10においては、
図7の電子書籍「bbbbb」の詳細アイコン408が選択操作されたことにより、電子書籍「bbbbb」の詳細情報が表示される例について説明する。以降、電子書籍「bbbbb」などは、「書籍b」と省略して説明することもある。
【0148】
図9に戻り、ステップS302では、電子コンテンツの閲覧選択(閲覧アイコン416への選択操作)がされたか否かが判定される。電子コンテンツの閲覧選択がされたと判定されたときには、ステップS303に進む。例えば、
図10の閲覧アイコン416が選択操作されたことにより、「書籍b」を閲覧(利用)することができる。
【0149】
ステップS303では、閲覧操作がされた電子コンテンツの電子コンテンツ情報がダウンロード完了しているか否かが判定される。電子コンテンツ情報がダウンロード完了していると判定されたときには、ステップS309で電子コンテンツの閲覧画面が表示される。例えば、
図10のダウンロードアイコン409aに示すように「書籍b」のEPUBファイルはダウンロードが完了しているため、閲覧アイコン416が選択操作されることにより、「書籍b」を閲覧可能となる。なお、電子コンテンツの閲覧は、閲覧アイコン416への選択操作によるものに限らず、他のアイコンなどへの操作によって閲覧可能となるものであってもよい。例えば、
図7あるいは
図10のコンテンツ画像406へのタップ操作や長押し操作などにより閲覧可能となるものであってもよい。
【0150】
ステップS303で、閲覧操作がされた電子コンテンツの電子コンテンツ情報がダウンロード完了していると判定されなかったときには、ステップS304でネット接続があるか(オンラインか)否かの判定がされる。ネット接続があると判定されたときには、ステップS305で、ユーザ端末300からサーバ100に電子コンテンツのダウンロード要求情報が送信され、ステップS306で、サーバ100は電子コンテンツのダウンロード要求情報を受信する。
【0151】
ステップS307では、サーバ100は電子コンテンツの一部情報(未読部分から所定頁分など)をユーザ端末300に送信する。ステップS308で、ユーザ端末300は電子コンテンツの一部情報を受信することで、ステップS309で電子コンテンツの閲覧画面が表示されるようになる。ダウンロードされたEPUBファイルの一部情報は、随時記憶部320に記憶される。ユーザ端末300では、ダウンロード状況に応じて電子コンテンツが閲覧可能となる。EPUBファイルがすべてダウンロードされると、ステップS303においてダウンロード完了していると判定されるようになる(ステップS303 YES)。なお、一部情報のみでは電子コンテンツを利用することができず、電子コンテンツ情報をすべて受信(EPUBファイルをすべて受信)完了することで、電子コンテンツが利用可能となるものであってもよい。
【0152】
ステップS304に戻り、ネット接続があると判定されなかったとき(オフライン)には、ステップS310でネット接続がない旨が報知(例えば、表示部400にメッセージが表示)され、前回受信した電子コンテンツの一部情報に基づいて、ステップS309で電子コンテンツの閲覧画面を表示する。なお、電子コンテンツの一部情報も受信していないときには、ダウンロードされていないため閲覧不可である旨を報知してステップS301に戻るようにしてもよい。
【0153】
ステップS309で、電子コンテンツの閲覧画面が表示されたあとは、ステップS311で戻る選択がされたか否かが判定される。戻る選択がされたと判定されたときには、詳細画面表示処理を終了する。戻る選択がされたと判定されなかったときには、ステップS309に戻る。例えば
図10の戻るアイコン414が選択操作されると、詳細画面表示処理(電子コンテンツの閲覧画面)を終了し、例えば
図7の電子コンテンツ関連画面に戻る。
【0154】
ステップS302に戻り、電子コンテンツの閲覧選択がされたと判定されなかったときには、ステップS312で返品選択(返品アイコン419への選択操作)がされたか否かの判定がされる。返品選択がされたと判定されたときには、ステップS313で、
図11~
図13などを参照して後述する返品処理がされる。例えば、
図10の返品アイコン419に対する選択操作がされたことにより、返品処理が行われる。返品処理が行われた後は、ステップS314で返品されたか否かが判定される。返品されたと判定されたときには、
図8のステップS201に進み、
図7の電子コンテンツ関連画面が表示される。
【0155】
一方、ステップS314で返品されたと判定されなかったときには、ステップS301に進み、
図10の電子コンテンツの詳細画面が表示される。例えば、
図10の「書籍b」が返品された場合には、ユーザは「書籍b」を所有していない(関連付いていない)ものとなるため、「書籍b」のページがなくなり、
図12(E)に示すような、所有コンテンツ一覧405から「書籍b」が削除された電子コンテンツ関連画面が表示される。一方、「書籍b」の返品がされなかった場合(例えば、返品せずに返品処理画面が閉じられたとき)には、ユーザに「書籍b」は関連付いたままであるため、
図10の「書籍b」についての詳細画面が表示される。
【0156】
ステップS312に戻り、返品選択がされたと判定されなかったときには、ステップS315に進み、
図18などを参照して後述する返品候補リストに追加選択(返品候補リスト追加アイコン418への選択操作)がされたか否かの判定がされる。ステップS315で、返品候補リストに追加選択がされたと判定されたときには、ステップS316で、返品候補リストへの追加操作がされた電子コンテンツを特定する情報を、ユーザ端末300からサーバ100に送信してステップS301に戻る。なお、このときに、返品候補リスト追加アイコン418の表示態様を、返品候補リストに追加済を示す表示態様(例えば、グレー表示)に変化させるようにしてもよい。
【0157】
サーバ100では、ステップS317で、返品候補リストへの追加操作がされた電子コンテンツを特定する情報を受信し、ステップS318で返品候補リストデータベース125において管理されている返品候補リストに、追加操作がされた電子コンテンツを追加する。ステップS319では、返品候補リストデータベース125において記憶する返品候補リストを、ステップS318で追加された情報に更新して記憶する。
【0158】
例えば、
図10の返品候補リスト追加アイコン418が選択操作されたことにより、ユーザ端末300から「書籍b」を特定する情報(例えばコンテンツID「BBB」)を、サーバ100に送信する。サーバ100では、受信した情報に基づき、「書籍b」が返品対象の候補として指定されたものとして、
図17の返品候補コンテンツ情報のデータテーブルに「BBB」を追加し、追加したテーブルに更新・記憶する。これにより、
図18の返品候補リスト画面において、返品候補リスト一覧445に「書籍b」が追加されるようになる。
図17および
図18の詳細については後述する。なお、返品候補リスト追加アイコン418は、所有コンテンツ一覧405に表示されていてもよい。
【0159】
ステップS315に戻り、返品候補リストに追加選択がされたと判定されなかったときには、ステップS320に進み、戻る選択がされたか否かが判定される。戻る選択がされたと判定されなかったときには、ステップS301に戻る。戻る選択がされたと判定されたときには、詳細画面表示処理を終了する。例えば、
図10の「書籍b」の電子コンテンツ詳細画面において、戻るアイコン414への選択操作がされると、例えば
図7の電子コンテンツ関連画面に戻る。
【0160】
<返品処理>
次に、
図9のステップS313において行われる返品処理の例について、
図11~
図13、
図15を参照して説明する。
図11のステップS401では、返品前画面が表示される。例えば、
図10の返品アイコン419が選択操作されることにより、
図12(A)に例示するような返品前画面420が表示される。なお、返品アイコン419は、所有コンテンツ一覧405に表示されていてもよい。
【0161】
返品前画面420には、閉じるアイコン421、返品対象情報422、代替情報関連情報423、返品注意事項424、および、返品確定アイコン425などが表示される。例えば、
図12(A)では、返品対象情報422には「bbbbbを返品しますか?」と表示され、代替情報関連情報423には、「獲得できるクーポン」、「300円分」などと、返品によって獲得し得る代替情報の内容が表示される。例えば、代替情報の内容である「300円分」は、ユーザ端末300において、ユーザ端末300の記憶部320において記憶されている「書籍b」の定価の20%の額が計算されることで表示される。なお、ユーザ端末300においては、代替情報の内容は管理されず、代替情報の内容を表示する都度サーバ100に問い合わせることで、代替情報の内容が特定されてもよい。
【0162】
また、返品注意事項424には、「今開いているアプリで当書籍のファイルをダウンロードしている場合、ファイルは自動で削除されます。」と記憶部320に記憶されているEPUBファイルが削除される旨(すなわち、返品をすると電子コンテンツが利用できなくなる旨)、「返品が完了すると、再度購入するまでは当書籍を利用することができなくなります。」と返品後に再度閲覧するには再購入を要する旨、「他のデバイスのアプリで当書籍をダウンロードしている場合、コンテンツ同期のタイミングで当書籍のファイルは自動で削除されます。」と返品後に他端末から同期した場合(サーバ100と通信した場合)にEPUBファイルが削除されるとの旨などが表示される。なお、返品後に他端末から同期した場合にEPUBファイルが削除される旨は、ユーザが所有する他の端末にEPUBファイルが実際に記憶されているときだけ報知してもよく、実際に記憶されているか否かにかかわらず報知するものとしてもよい。
【0163】
ステップS402では、返品確定選択(返品確定アイコン425への選択操作)がされたか否かの判定がされる。例えば、
図12(A)の返品確定アイコン425が選択操作されたときには、返品確定選択がされたと判定される。返品確定選択がされたと判定されなかったときには、ステップS403で閉じる選択(閉じるアイコン421への選択操作)がされたか否かの判定がされる。閉じる選択がされたときには、返品処理を終了する。閉じる選択がされたと判定されなかったときには、ステップS402に戻り処理が繰り返される。例えば、
図12(A)の閉じるアイコン421への選択操作がされると、「書籍b」の返品を行わずに、返品前画面を閉じ、
図10の詳細画面に戻る(
図9のステップS314 YESで、ステップS301へ戻る)。
【0164】
ステップS402で、返品確定選択がされたと判定されたときには、ステップS404で、ユーザ端末300に返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されているか否かの判定がされる。ユーザ端末300に返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されていると判定されたときには、ステップS405で、ユーザ端末300内の返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報を削除し、ステップS406でユーザに削除された旨を報知する。例えば、
図12(A)の返品確定アイコン425が選択操作されたときに、操作するユーザ端末300内の記憶部320に返品対象となる「書籍b」のEPUBファイルが記憶されていれば、記憶されているEPUBファイルを削除する。削除された旨は、
図12(B)の返品処理画面430に示すように、「アプリ内のファイルを削除しました。」と表示されることなどにより、ユーザに報知される。
【0165】
ユーザ端末300内での電子コンテンツ情報が削除されたあとは、ステップS407でサーバ100へ返品要求情報が送信される。ステップS408で、サーバ100は返品要求情報を受信し、ステップS409で、返品対象の電子コンテンツの利用権の関連付けを解除する。ステップS410で、「関連済電子コンテンツ情報」および利用権解除完了情報をユーザ端末300に送信する。例えば、ユーザ端末300は、返品対象となる「書籍b」を特定する返品要求情報(例えばコンテンツID「BBB」を特定する情報)をサーバ100に送信する。サーバ100は、「書籍b」を特定する返品要求情報を受信すると、送信元のユーザ「001」に関連付けられている利用権(例えば、
図5のユーザ「001」の利用権が関連済である電子コンテンツ)のうち、受信した返品要求情報から特定される「BBB」の利用権の関連付けを解除する。解除されると、
図13に示すように、ユーザ「001」に関連付けられた電子コンテンツ情報のうち、「BBB」の利用権が「解除」となるように、ユーザ毎のデータテーブルを更新して記憶する。例えば、コンテンツID「BBB」には、「返品日」が関連付けられ、返品操作を行った端末1の「端末別ダウンロード状況」がフラグ「0」となる。
【0166】
利用権の関連付けが解除されたときには、例えば
図15(A)の「BBB」が削除された「関連済電子コンテンツ情報」、および利用権の解除が完了した情報が、ユーザ端末300へ送信される。なお、利用権の解除が完了した情報はユーザ端末300には送信されず、利用権解除後の「関連済電子コンテンツ情報」のみがユーザ端末300に送信されるものとしてもよい。
【0167】
サーバ100側において利用権の関連付けが解除されたあとは、ステップS412でユーザに代替情報を関連付ける。ステップS413では、代替情報が関連付けられた報知情報をメールでユーザに送信する。例えば、
図13に示すように「BBB」の特典付与状況を「付与済」として、ユーザ「001」に代替情報を関連付け、例えばクーポンの利用コードやクーポンを獲得するためのアクセスリンクがメールで送信される。
【0168】
ステップS414では、ユーザ端末300において、ステップS411でサーバ100から送信された「関連済電子コンテンツ情報」および利用権解除完了情報を受信する。なお、ステップS411およびステップS414における「関連済電子コンテンツ情報」がユーザ端末300に送信されないものとし、例えば利用権解除完了情報を受信することによりユーザ端末300の記憶部320に記憶されている最新の関連済みコンテンツIDが更新して記憶されるものとしてもよい。
【0169】
ステップS415では、ユーザ端末300の表示部400において返品完了画面を表示する。返品完了画面とは、例えば返品が完了して利用権が解除されたこと、代替情報が関連付けられたこと、返品処理が完了したことなどを報知する画面である。例えば、
図12(C)に示すように、「アプリ内のファイルを削除しました。書籍の利用権を返還しました。割引クーポンを発行しました。」との表示、
図12(D)に示すように「登録されているメールアドレス宛に割引クーポンを発行しました」と代替情報の付与に関する情報の表示や、「※間違えて返品をされた場合はキャンセルボタンを押してください」と返品のキャンセルを促すメッセージとともに、キャンセルアイコン432と、返品終了アイコン433とが表示される。
【0170】
ステップS416では、キャンセル選択(キャンセルアイコン432への選択操作)がされたか否かが判定される。ステップS416でキャンセル選択がされたと判定されなかったときには、ステップS417で終了選択(返品終了アイコン433への選択操作)がされたか否かが判定される。終了選択がされたと判定されなかったときには、ステップS416に戻る。一方、終了選択がされたと判定されたときには返品処理を終了する。例えば、
図12(D)の返品終了アイコン433への選択操作がされたことにより返品処理を終了する。返品処理が終了すると、
図12(E)に示すように、所有コンテンツ一覧405から「書籍b」が削除された電子コンテンツ関連画面が表示される(
図8のステップS201)。
【0171】
ステップS416に戻り、キャンセル選択がされたと判定されたときには、ステップS418で、
図14を参照して後述する返品キャンセル処理が行われる。例えば、
図12(D)のキャンセルアイコン432への選択操作がされることにより、「書籍b」の返品をキャンセルするための処理が行われる。
【0172】
ステップS418でキャンセル処理が行われたあとは、ステップS419で終了選択がされたか否かが判定される。終了選択がされたと判定されたときには返品処理を終了する。一方、終了選択がされたと判定されなかったときには、ステップS419で終了選択がされたと判定されるまで処理が繰り返される。例えば、返品キャンセル処理が完了した際の画面において、返品キャンセルを終了するアイコン(あるいは、画面を閉じるアイコンなど)を表示させ、ユーザから選択操作がされることなどにより返品処理を終了する。
【0173】
なお、
図12における返品前画面や返品完了画面は一例であり、すべての項目が表示されていなくてもよい。例えば、
図12(A)の返品前画面において返品確定アイコン425のみ表示されるようにしてもよく、
図12(C)の返品完了画面において、処理が完了したことのみが表示されていてもよい。
【0174】
<返品キャンセル処理>
次に、
図11のステップS418において行われる返品キャンセル処理の例について、
図14を参照して説明する。返品キャンセル処理では、
図11のステップS409によって、利用権の関連付けが解除されたあとであっても、特別条件を満たす場合には、利用権の関連付けが解除された電子コンテンツの利用権を再びユーザに関連付けること(復活させること)ができる。特別条件とは、例えば、
図11のステップS412で関連付けられた代替情報が未使用であることにより満たされる(成立する)。以下、
図11のステップS418における返品直後にキャンセル処理がなされる例について説明する。なお、返品直後のキャンセル処理の場合は、特別条件を満たしているものとみなされる。
【0175】
図14のステップS501では、ユーザ端末300の表示部400においてキャンセル要求画面が表示され、ステップS502で、返品をキャンセルする電子コンテンツを特定するための情報を含むキャンセル要求情報がサーバ100へ送信される。ステップS501におけるキャンセル要求画面では、例えば、表示部400に、「キャンセル処理を行います」、「キャンセル処理中」などのメッセージ画像を表示することなどにより、返品が完了した電子コンテンツの返品キャンセルが行われることをユーザに報知する。例えば、「書籍b」の返品をキャンセルする場合、返品キャンセル対象となる「書籍b」を特定する情報(例えばコンテンツID「BBB」)を、サーバ100に送信する。
【0176】
ステップS503で、サーバ100でキャンセル要求情報を受信すると、ステップS504で特別条件が成立しているか否かが判定される。特別条件が成立していると判定されたときには、ステップS505で、解除された電子コンテンツの利用権を再びユーザに関連付ける処理がされる。例えば、「書籍b」の返品直後に返品キャンセル要求がされると、
図13で、利用権が「解除」となっていた「BBB」の利用権を再び「関連済」となるようにする。これにより、ステップS506で、再び利用権が関連付けられた電子コンテンツの電子コンテンツ情報をユーザ端末300にダウンロード可能となる。すなわち、「BBB」のEPUBファイルがユーザ端末300にダウンロード可能となる。
【0177】
一方、ステップS504で特別条件が成立していると判定されなかったときには、ステップS512で、サーバ100からユーザ端末300に対し、キャンセル不可情報を送信する。ユーザ端末300では、ステップS513でサーバ100からのキャンセル不可情報を受信すると、ステップS514でユーザに対しキャンセル不可である旨を報知する。例えば、「書籍b」の返品キャンセル要求がされた際に、「書籍b」の返品によって付与された代替情報がすでに使用されていた場合には、特別条件が成立していると判定されず、ユーザ端末300の表示部400に「bbbbbの返品で付与されたクーポンが既に使用されているため、キャンセルできません」などの旨が表示される。
【0178】
ステップS507では、ステップS505において利用権が再び関連付けられた情報となるように、利用権データベース124を更新することで、「関連済電子コンテンツ情報」を更新・記憶する。
【0179】
ステップS508では、ステップS505で行われた利用権の関連付けの解除に応じてユーザに関連付けられた代替情報の関連付けを解除する。例えば、
図13で、ユーザ「001」の「BBB」の「付与済」となっていた特典付与状況を「未付与」とする。
【0180】
ステップS509では、ステップS507で更新・記憶された「関連済電子コンテンツ情報」および返品キャンセル完了情報が、ユーザ端末300へ送信される。ユーザ端末300では、ステップS510で、「関連済電子コンテンツ情報」および返品キャンセル完了情報を受信し、ステップS511で返品キャンセル完了画面を表示して返品キャンセル処理を終了する。例えば、返品キャンセルがされたことにより、「BBB」が含まれた「関連済電子コンテンツ情報」が、ユーザ端末300で受信され、ユーザ端末300内の記憶部320で記憶される電子コンテンツに関する情報が、関連済コンテンツIDに「BBB」が含まれた情報に更新して記憶される。また、ユーザ端末300の表示部400において、「返品キャンセルが完了しました」などのメッセージ画像が表示されることなどにより、返品キャンセル処理が無事完了したことを認識できるような返品キャンセル完了画面が表示される。
【0181】
<返品後の他の端末における同期処理>
次に、
図11を参照して上述した返品処理後の、返品操作を行った端末と同一ユーザが所有する他の端末(WEBブラウザで返品操作を行った場合には、返品処理を行った端末においてネイティブアプリでログインすることを含む)における同期処理の例について、
図4および
図15などを参照して説明する。
【0182】
例えば、
図5のユーザ「001」が、端末1で「BBB」を返品した場合、
図13に示すようにユーザ「001」の「BBB」は、端末1のダウンロード状況がフラグ「0」となり、EPUBファイルが削除されている状態となっている。一方、
図13や、
図15(B)に示すように、端末2および端末3においては、「BBB」についてフラグが「1」のままであり、「BBB」のEPUBファイルが記憶されている状態となっている。この場合、例えば、端末2でアプリを起動し(
図4のステップS101)、ネット接続がないオフライン状態であった場合(ステップS102 NO)、
図15(B)に示す、端末2の記憶部320に記憶される電子コンテンツに関する情報は、前回ログイン時に受信した「関連済電子コンテンツ情報」に基づいているため、「関連済コンテンツID」に「BBB」が含まれたままである。すなわち、端末2で「BBB」は閲覧可能である。
【0183】
一方、ネット接続があることによって、端末2でログインできた場合(
図4のステップS103~)、
図4のステップS106で、
図15(A)に示すように「BBB」が含まれない「関連済電子コンテンツ情報」を受信する。
図4のステップS107では、受信した「関連済電子コンテンツ情報(
図15(A))」に含まれていない電子コンテンツ「BBB」のEPUBファイルが記憶されていると判定され、ステップS108で、「BBB」のEPUBファイルを削除し、端末2の記憶部320で記憶する電子コンテンツに関する情報が
図15(C)に示すように「BBB」が削除されたものに更新され、「BBB」が削除された旨が報知される。ステップS109で、端末2から「BBB」を削除した削除情報がサーバ100へ送信されると、サーバ100では、ステップS110で受信した削除情報に基づいて、ステップS111において、ユーザ「001」の「BBB」についての端末別ダウンロード状況のうち、端末2のフラグを「0」に更新して記憶する。
【0184】
なお、本実施例においては、返品後のユーザが所有する他の端末における同期処理について、
図4のステップS109~ステップS111においてユーザ端末300から削除情報をサーバ100へ送信し、サーバ100で記憶・管理する「端末別ダウンロード状況」を更新・記憶する例について説明した。しかしこれに限らず、少なくとも「関連済電子コンテンツ情報」に含まれていない電子コンテンツの電子コンテンツ情報が、ユーザ端末300に記憶されていた場合に(ステップS107)、当該電子コンテンツ情報の削除がされるものであれば、ステップS109~ステップS111がないものであってもよい。また、ユーザ端末300に電子コンテンツ情報(例えばEPUBファイル)が記憶されているか否かの管理は、サーバ100では行われず、ユーザ端末300でのみ管理されていてもよい。あるいは、ネット接続中のサーバ100との通信を行うことで、随時最新のユーザ端末300で記憶される電子コンテンツに関する情報がサーバ100に送信されることで、サーバ100において「端末別ダウンロード状況」が更新・記憶されるようにしてもよい。
【0185】
<返品候補リスト画面表示処理>
次に、
図8のステップS207において行われる返品候補リスト画面表示処理の例について、
図16~
図18を参照して説明する。
図16のステップS601では、例えば
図7の返品候補リストアイコン413への選択操作がされることにより、ユーザ端末300からサーバ100へ、返品候補コンテンツ情報要求情報が送信される。サーバ100では、ステップS602で返品候補コンテンツ情報要求情報を受信すると、ステップS603で返品候補コンテンツ情報をユーザ端末300へ送信する。返品候補コンテンツ情報とは、サーバ100の返品候補リストデータベース125および返品情報管理部134において記憶・管理されている、例えば
図17に示すようなデータテーブルであって、ユーザ毎の返品対象として指定された電子コンテンツを特定する情報である。例えば、ユーザ「001」には、返品候補コンテンツIDとして「BBB」、「DDD」、「XXX」・・・などが関連付けられており、コンテンツ毎に「購入日」や、返品候補リストに追加操作がされた日である「返品候補リスト追加日」などが記憶されている。サーバ100は、ユーザ「001」のユーザ端末300から返品候補コンテンツ情報要求情報を受信すると、返品候補リストデータベース125を参照し、ユーザ「001」に関連付けられている返品候補コンテンツ情報(例えば、返品候補コンテンツID)をユーザ端末300に送信する。
【0186】
ステップS604で、ユーザ端末300でサーバ100から返品候補コンテンツ情報を受信すると、ステップS605で、受信した返品候補コンテンツ情報に基づいて、返品候補リスト画面を表示する。返品候補リスト画面とは、例えば
図18(A)に示すようにユーザ端末300の表示部400において、戻るアイコン414、返品候補リストの中から書籍名などで電子コンテンツの検索を可能とする検索窓402(402b)、返品候補リスト一覧445に表示される電子コンテンツの表示条件を変更することを可能とする(例えば最終追加日や購入日など)フィルタ403(403b)、その他アイコン404(404b)、返品候補リスト一覧445、リスト追加アイコン447、および、リスト返品アイコン448などが表示されている。
【0187】
ステップS606では、返品候補リストの追加・削除選択(編集操作)がされたか否かが判定される。追加・削除選択がされると、追加・削除された返品候補リスト情報(例えば追加・削除された返品候補のコンテンツID)を、ユーザ端末300からサーバ100に送信する。
【0188】
返品候補リストの追加とは、ユーザから、返品候補リストに新たな電子コンテンツを返品対象の候補として指定する操作がされることである。例えば、
図18(A)のリスト追加アイコン447へ選択操作がされると、
図18(B)に例示する返品候補追加画面が表示される。返品候補リスト追加画面は、戻るアイコン414、検索窓402(402c)、所有コンテンツ一覧405(405c)に表示される電子コンテンツの表示条件を変更することを可能とする(例えば電子書籍の全頁のうちの閲覧済みの頁の割合、最終閲覧日などでの並べ替えなど)フィルタ403(403c)、その他アイコン404(404c)、所有コンテンツ一覧405(405c)、および、一括追加アイコン457などが表示されている。所有コンテンツ一覧405(405c)には、ユーザが所有する電子コンテンツの一覧が表示されており、一括チェックボックス410および個別追加アイコン456への選択操作により、電子コンテンツ毎の追加/非追加の選択を可能とする。
【0189】
例えば、複数の電子コンテンツをまとめて一括で返品候補リストに追加する場合、一括チェックボックス410にチェックを入れる操作をし、一括追加アイコン457へ選択操作がされることで、チェックが入った電子コンテンツ(一括チェックボックス410bの電子コンテンツ)が追加され、
図18(A)の返品候補リスト一覧445に表示されるようになる。また、個別に追加する場合、個別追加アイコン456への選択操作がされることにより追加された電子コンテンツは、
図18(A)の返品候補リスト一覧445に表示されるようになる。また、個別追加アイコン456の表示態様を異ならせることで、追加されたか否かをユーザは認識することができる。例えば、追加されていない場合は白色であった個別追加アイコン456aがタップされることにより、追加されグレーがかった個別追加アイコン456bの表示態様となるようにする。なお、既に追加されているコンテンツは、予め一括チェックボックス410にチェックを入れ(一括チェックボックス410b)、予め個別追加アイコン456を追加されている表示態様(個別追加アイコン456a)にしておいてもよい。
【0190】
返品候補リストの削除とは、返品候補リストに含まれていた電子コンテンツを、返品対象の候補から除外する操作がされることである。例えば、
図18(A)の返品候補リスト一覧445の、コンテンツ毎に表示されたリスト削除アイコン446への選択操作がされることなどにより、対応する電子コンテンツが返品候補リスト一覧445から削除される。あるいは、
図18(B)の返品候補追加画面における、一括チェックボックス410や、個別追加アイコン456に対する追加/非追加の選択操作によって、追加対象から除外された場合なども、削除に含まれる。
【0191】
ステップS608では、サーバ100において、ユーザ端末300より送信された返品候補リスト情報を受信する。ステップS609では、ステップS608で受信した返品候補リスト情報に基づいて、返品候補コンテンツ情報を更新・記憶し、ステップS603に戻る。例えば、編集操作がされた最新の返品対象の候補の電子コンテンツを特定する情報(例えばコンテンツID)を、ユーザ端末300からサーバ100に送信することで、サーバ100において管理する
図17に例示する返品候補コンテンツ情報のデータテーブルを更新する。
【0192】
ステップS606に戻り、返品候補リストの追加・削除選択がされたと判定されなかったとき(編集操作がされなかったとき)には、ステップS610で返品選択(リスト返品アイコン448への選択操作)がされたか否かが判定される。返品選択がされたと判定されたときには、ステップS611で返品候補リストの電子コンテンツの返品処理がされる。例えば、
図18(A)のリスト返品アイコン448への選択操作がされることにより、返品候補リスト一覧445に表示される電子書籍「bbbbb」~「yyyyy」などが返品される。返品処理については、
図11などを参照して上述した返品処理と同様の処理が行われる。すなわち、「bbbbb」~「yyyyy」などの利用権の関連付けが解除される。
【0193】
ステップS610で返品選択がされたと判定されなかったとき、あるいは、ステップS611の返品処理が完了すると、ステップS612において、戻る選択がされたか否かが判定される。例えば返品処理が終了すると、
図18(A)の返品候補リスト一覧画面に戻り、戻るアイコン414への選択操作がされると、返品候補リスト画面処理を終了する。
【0194】
なお、返品候補リストに指定されている電子コンテンツを全て一括で返品する例について説明したがこれに限らず、返品候補リストの中から1つずつ返品できるものとしてもよい。
【0195】
また、返品対象の候補として指定された電子コンテンツは、
図18で例示したような返品候補リスト画面において確認できるものに限らず、これに替えてあるいは加えて、例えば
図7の電子コンテンツ関連画面などにおけるフィルタ403で返品候補のみのフラグを立てることなどにより条件を指定し、所有する電子コンテンツの中から返品候補のみフィルタして表示されるようにしてもよい。
【0196】
また、
図17に例示する返品候補コンテンツ情報のデータテーブルはユーザ端末300(ユーザ端末300毎など)で管理されていてもよい。
【0197】
<購入処理>
次に、
図8のステップS209において行われる購入処理の例について、
図19~
図21を参照して説明する。
図19のステップS701では、例えば
図7の購入アイコン412への選択操作がされることにより、ユーザ端末300からサーバ100へ、ストア情報要求情報が送信される。サーバ100では、ステップS702においてストア情報要求情報を受信すると、ステップS703で、ストア情報をユーザ端末300へ送信する。ステップS704では、ユーザ端末300においてサーバ100からストア情報を受信する。ストア情報とは、例えばユーザ端末300において電子コンテンツを購入可能とする画面情報や購入可能な電子コンテンツに関する情報などを含む。
【0198】
ステップS705では、ユーザ端末300においてステップS704で受信したストア情報に基づいて購入画面を表示部400に表示する。購入画面とは、例えば
図20に例示するような、電子コンテンツを購入可能とする画面である。例えば、戻るアイコン414、ストア内の電子コンテンツを検索可能な検索窓402(402d)、出版日などでフィルタをかけることができるフィルタ403(403d)、その他アイコン404(404d)、購入可能コンテンツ情報一覧485、カート追加アイコン491、および、カートアイコン492などが表示されている。
【0199】
購入可能コンテンツ情報一覧485には、一括チェックボックス410、コンテンツ画像406、コンテンツ情報407、および価格481などが、コンテンツ毎に表示されている。また、ユーザが過去に返品をしたことがある電子コンテンツには、過去に返品をしたことをユーザが認識できるようにするための表示として、返品済みラベル489が表示される。例えば、「書籍b」を返品したことがあるユーザには、ストア上で「bbbbb」に返品済みラベル489が表示される。また、一括チェックボックス410にチェックを入れることで、一括でカートに追加をすることが可能としてもよい。
【0200】
ステップS706では、電子コンテンツの購入希望選択がされたと判定されなかったときには、ステップS716で戻る選択がされたか否かが判定される。一方、ステップS706で、購入希望選択がされたと判定されると、ステップS707で、ユーザ端末300からサーバ100へ電子コンテンツ購入要求情報が送信される。例えば、カート追加アイコン492への操作によって購入希望の電子コンテンツがカートに入る。次にカートアイコン492への選択操作がされることにより、カートに入っている購入希望があった電子コンテンツを特定する情報(例えばコンテンツID)が、ユーザ端末300からサーバ100へ送信される。
【0201】
ステップS708では、サーバ100で、ユーザ端末300から送信された電子コンテンツ購入要求情報を受信すると、ステップS709で課金処理を行う。課金処理が完了すると、ステップS710で、購入された電子コンテンツの利用権をユーザに関連付ける。次にステップS711で、利用権が関連付けられた電子コンテンツの電子コンテンツ情報をユーザ端末300にダウンロード可能とする。
【0202】
ステップS712では、サーバ100において、ユーザ毎の電子コンテンツに関する情報を、ステップS710における購入された電子コンテンツの利用権が関連付けられた情報となるように、利用権データベース124を更新することで、「関連済電子コンテンツ情報」を更新・記憶する。例えば、ユーザ「001」によって電子書籍「ppppp」が購入された場合、
図21のユーザ毎のデータテーブル例に示すように、ユーザ「001」に関連付けられた電子コンテンツの中に、「PPP」が追加されるように更新して記憶される。このとき、ユーザ「001」の「PPP」の利用権は「関連済」となっており、まだいずれの所有端末でも「PPP」のEPUBファイルをダウンロードしていないため、端末別ダウンロード状況はいずれの端末でもフラグ「0」となっている。これにより、ユーザ「001」の「関連済電子コンテンツ情報」に「PPP」が含まれるようになる。
【0203】
ステップS713では、サーバ100からユーザ端末300へ「関連済電子コンテンツ情報」を送信する。ユーザ端末300では、ステップS714で、関連済電子コンテンツIDに「PPP」が含まれた「関連済電子コンテンツ情報」を受信する。
【0204】
ステップS715では、購入完了画面が表示され、ステップS716で戻る選択がされたか否かが判定される。例えば、「pppppの購入ができました!ダウンロードしてお楽しみください」といったメッセージが表示され、戻るアイコン414への選択操作がされると、購入処理を終了する。
【0205】
一方、ステップS716で戻る選択がされたと判定されなかったときには、ステップS706に戻り、上述した流れと同様の処理が行われる。
【0206】
なお、購入処理は、ネイティブアプリ内で購入画面(ストア画面)が表示されることにより電子コンテンツを購入可能とするものに限らない。例えば、購入アイコン412に対するユーザからの選択操作がされることにより、WEB上のストアページに遷移することで、WEBブラウザ上で購入可能とするものでもよい。あるいは、
図7の購入アイコン412は表示されないものとし、アプリからストアへ遷移することはできずWEBブラウザ上でのみ購入可能であり、ユーザ端末300においてはサーバ100と同期することにより購入情報が反映されるものとしてもよい。
【0207】
<その他アイコン操作例>
次に
図22を参照して、
図7などのその他アイコン404への選択操作がされた際に表示される画面例について説明する。ユーザがその他アイコン404を選択操作すると、その他アイコン画面474が表示される。その他アイコン画面474には、一括返品アイコン474a、返品キャンセルアイコン474b、おすすめ返品リストアイコン474c、特典獲得履歴アイコン474d、アプリの各種設定などを行う設定アイコン474eなどが表示されている。なお、これらのアイコンは、
図7に例示した電子コンテンツ関連画面に表示されるようにしてもよい。
【0208】
一括返品アイコン474aは、上述した電子コンテンツの詳細画面や返品候補リスト以外からでも、単一の電子コンテンツに限らず複数の電子コンテンツの返品を可能とするアイコンである。例えば、
図7の電子コンテンツ関連画面における一括チェックボックス410にチェック(一括チェックボックス410bの表示態様)がされた電子コンテンツを一括で返品することを可能とするアイコンである。
【0209】
返品キャンセルアイコン474bは、返品処理が完了して利用権が解除された電子コンテンツであっても、返品キャンセルをすることを可能とするアイコンである。例えば、返品キャンセルアイコンへの選択操作がされることにより、返品が完了した電子コンテンツの一覧などが表示され、特別条件を満たした場合に返品のキャンセルが可能となる。特別条件とは、例えば、キャンセル対象の電子コンテンツの利用権が解除されたことでユーザに関連付けられた代替情報が未使用であることや、あるいはこれに加えて特別期間中(例えば、返品完了から30分以内、1週間以内など)であることなどである。
【0210】
おすすめ返品リストアイコン474cは、
図23を参照して後述する所定の履歴情報に基づいて、ユーザに対し返品対象の電子コンテンツを推薦するためのアイコンである。おすすめ返品リストアイコン474cへの選択操作がされることにより、おすすめ返品リスト一覧が表示される。なお、おすすめ返品リスト一覧から返品操作が可能なものとしてもよい。
【0211】
特典獲得履歴アイコン474dは、返品操作によって獲得してきた代替情報に関する履歴を表示するためのアイコンである。特典獲得履歴アイコン474dに対する選択操作がされることにより、これまで獲得した代替情報の一覧が表示される。例えば、代替情報が関連付けられる要因となった電子コンテンツ、代替情報の内容、代替情報の有効期限、代替情報の利用状況などを表示可能とすることができる。また、その他アイコン画面474に返品済みの電子コンテンツリストを表示可能な返品済みリストアイコンなどを設け、返品済みの電子コンテンツのリストで、代替情報の獲得履歴を確認することができるようにしてもよい。
【0212】
<返品対象推薦のための所定の履歴情報例>
図23を参照して、ユーザが所有する電子コンテンツの中から、返品対象となる電子コンテンツをユーザに推薦するための所定の履歴情報の例について説明する。
図23に示すように、例えば、グループ1のユーザの過去の返品傾向、グループ2の返品した電子コンテンツと同一の電子コンテンツを返品したユーザ(操作するユーザと他のユーザを含むすべてのユーザ)の返品傾向、グループ3の返品電子コンテンツと関連性を有する電子コンテンツなどが含まれる。いずれも、大種別には電子コンテンツのジャンルや図書分類コードなどが含まる。また、小種別として、文芸書、ビジネス書、遂次刊行物・・・などのジャンルや、C000などのコードなどに分類されている。
【0213】
返品した電子コンテンツと同一の電子コンテンツを返品したユーザの返品傾向のユーザとは、他のユーザを含むすべてのユーザが含まれる。例えば、サーバ100が管理する電子書籍「AAA」を返品した他のユーザ全体の中の過去の返品傾向に基づいて、電子書籍「AAA」を返品した他のユーザのいずれかが返品した他の電子書籍(好ましくは、他のユーザが返品した返品数が多い電子書籍など)と同じ電子書籍を所有している場合に、当該電子書籍を返品対象となる電子コンテンツとして推薦することができる。また、例えば電子コンテンツが利用可能となるアプリケーションが他のユーザとの交流を可能とするSNS機能を搭載、あるいはSNSと連携している場合、ユーザのフォローユーザ/フォロワーや、ユーザと同コミュニティに所属する他のユーザの過去の返品傾向に基づいて、当該他のユーザのいずれかが返品した他の電子書籍(好ましくは、他のユーザが返品した返品数が多い電子書籍など)と同じ電子書籍を所有している場合に、当該電子書籍を返品対象となる電子コンテンツとして推薦することができる。
【0214】
返品電子コンテンツと関連性を有する電子コンテンツには、大種別として、続編なども含まれる。続編の小種別としては、例えば、雑誌などの遂次刊行物であった場合には、返品をした雑誌の号の前号まで(例えば4月号が返品されれば、3月号以前など)や、返品をした漫画の他の巻(例えば、15巻が返品されれば、15巻の前後10巻など)などが含まれる。返品対象の推薦は、これらの履歴情報を組み合わせることも可能である。
【0215】
なお、
図22のおすすめ返品リストアイコン474cが選択操作されることにより、返品対象の電子コンテンツが推薦される例について説明したが、これに限らず、例えば返品処理直後に、所定の履歴情報に基づいて(例えば、返品した電子コンテンツと関連性を有する電子コンテンツ)、次の返品対象の候補を表示することなどにより推薦するものとしてもよい。例えば、漫画の電子書籍を100巻所有するうち、1巻目を返品したとすると、返品完了画面に「漫画xの1巻の返品が完了しました。あなたは漫画xの2巻~100巻も所有しています。これらについても返品しますか?」などのメッセージや、2巻~100巻の返品処理を行えるアイコンなどを表示してもよい。
【0216】
また、返品対象の候補の推薦は、返品完了後に限らず、例えば、
図10の返品候補リスト追加アイコン418や返品アイコン419、あるいは、
図18のリスト追加アイコン447や一括リスト追加457などへの、返品対象の候補として電子コンテンツを指定する操作が行われたときに報知されるようにしてもよい。また、一定期間毎(例えば10日毎)に、アプリを開いた際にポップアップなどで表示されるようにしてもよい。この場合、当該ポップアップ画面に、返品アイコンや返品候補リスト追加アイコンなどを表示させることで、推薦された電子コンテンツの返品処理を実行する操作、あるいは、返品候補リストへ追加する操作などができるようにしてもよい。
【0217】
また、所定の履歴情報には、最終閲覧日、電子書籍の全頁のうちの閲覧済み頁の割合など、ユーザの所有する電子コンテンツの利用状況を含めてもよい。例えば、サーバ100でユーザ毎の所定の履歴情報を参照し、ユーザが所有する電子書籍のうちに最終閲覧から1年以上経過している電子書籍があった場合に「1年以上開いていない書籍が10冊あります。返品して割引クーポンを獲得し、新しい書籍を買いませんか?」などのポップアップ画面をユーザ端末300の表示部400で表示(報知)させるようにしてもよい。この場合、当該ポップアップ画面に返品アイコンなどを表示することで、推薦された1年以上開いていない電子書籍(全部あるいは一部)の返品処理を実行するか否かをユーザが選択できるようにしてもよい。返品処理を実行する選択がされれば、推薦された電子書籍の返品要求情報を、ユーザ端末300からサーバ100へ送信する。あるいは、推薦された電子書籍を返品候補リストに追加するか否かをユーザが選択できるようにしてもよい。推薦された電子書籍(全部あるいは一部)を返品候補リストに追加する選択がされると、当該推薦された電子書籍が追加された返品候補リスト情報がユーザ端末300からサーバ100へ送信される。なお、サーバ100では、ユーザの所有する電子コンテンツの利用状況について、ユーザ端末300との同期によりユーザ所有の全端末における利用状況を総合した履歴情報を記憶していてもよい。例えば、端末2で最終閲覧日が1年未満であって、端末3で1年以上経過していれば返品対象として推薦しないものとする。
【0218】
なお、所定の履歴情報は、ユーザからの返品操作に応じてサーバ100の例えば返品情報管理部134にて更新・管理される。おすすめ返品リストアイコン474cへの選択操作がされた情報を受信することにより、サーバ100において、ユーザに対し返品対象として推薦する電子コンテンツに関する情報(例えばコンテンツID)を抽出して、抽出結果を特定するための情報をユーザ端末300に送信し、ユーザ端末300の表示部400に抽出結果を出力して表示させる。これにより、抽出結果に基づいて返品対象の候補となる電子書籍を推薦することができる。なお、所定の履歴情報のうち、例えば、
図23のグループ1のユーザの過去の返品傾向や、最終閲覧日、あるいは、閲覧済み頁の割合など、ユーザ端末300でも判定可能なものについては、ユーザ端末300において判定し報知されるようにしてもよい。
【0219】
<代替情報例>
次に
図24を参照して、代替情報の例について説明する。代替情報には特典が含まれ、特典としては、例えば電子コンテンツを購入することなどにより、電子コンテンツの利用権が関連付けられるときに消費すれば、消費しないときよりもユーザが得する特典として、クーポン、ポイントなどを適用することができる。
【0220】
代替情報としては、例えば、特典A~Iの利用権の関連付けを解除したユーザが特典を得るための情報、特典Jの「他のユーザへのプレゼントクーポン」などの利用権の関連付けを解除したユーザとは異なる他のユーザに特典を付与するための情報、その他特典Kの所定団体などへの「寄付」など一般的な特典とは異なる社会貢献に還元することができる情報などが含まれ、これらを単独で、あるいは複数組み合わせて代替情報としてユーザに関連付けることができる。また、各々使用期限を設けることも可能であり、例えば3か月、60日、1年など代替情報の内容に応じて設定することもできる。なお、使用期限がないものとしてもよい。
【0221】
特典Aは「金額一律クーポン」であり、例えば200円、300円・・・など、一定の金額のクーポンの例である。
【0222】
特典Bは、返品をした電子コンテンツの「購入価格に応じたクーポン」であり、特典Cは、返品をした電子コンテンツの「定価に応じたクーポン」であり、特典Dは、返品をした電子コンテンツの「現在価格に応じたクーポン」であって、特典B~Dは、各々の価格(例えば税抜き価格)の10%、20%・・・などの金額に相当するクーポンの例である。例えば、特典Bの購入(購買)価格は、サーバ100のユーザ情報123などで記憶される購買情報のデータベースにおいて管理され、特典Cの定価は、コンテンツデータベース121などで記憶されるコンテンツの書誌情報のデータベースにおいて管理されている。特典Dの現在価格は、コンテンツの書誌情報のデータベースや、その他記憶部120の割引情報のデータベースにおいて管理されている。
【0223】
特典Eは、「キャンペーンポイント」であり、例えば、キャンペーン期間中に特別ボーナスとして通常の特典に上乗せをするポイントである。
【0224】
特典Fは、「再購入限定クーポン」であり、例えば、返品をした電子コンテンツと同一の電子コンテンツの再購入などによって、利用権の関連付けが解除された電子コンテンツの利用権を再び関連付けるときにのみ使用可能なクーポンである。また、例えば、買い戻しキャンペーンなどを行い、期間限定で返品をした電子コンテンツと同一の電子コンテンツの割引を行い、再購入を促す(例えば、アプリへのログイン時にポップアップ表示などを行う)ようにしてもよい。
【0225】
特典Gは、「関連コンテンツ限定クーポン」であり、例えば、返品をした電子コンテンツと同書籍の新版にのみ使用できるクーポン、返品をした書籍と同著作者の書籍にのみ使用できるクーポン、返品をした書籍と同一の出版社の書籍にのみ使用できるクーポン、返品をした書籍と同レーベルの書籍にのみ使用できるクーポン、返品をした雑誌(例えば漫画雑誌)で連載されている漫画の単行本や、その他ジャンルなど関連する書籍などに使用できるクーポンなどである。
【0226】
特典Hは、「他社ポイント」などであって、電子コンテンツ以外の販売物に使用可能な特典であり、例えば他のショッピングサイトにおいて使用できるポイントなどである。
【0227】
特典Iは、「返品状況に基づいた特典」であって、例えば、返品数が所定数(例えば10冊)に達することにより、1冊付与(例えば、好きな書籍、関連書籍限定、あるいは、所定金額までの書籍など)される権利や、返品書籍の合計定価が所定値(例えば6000円など)に達することにより付与される所定ポイント(例えば1200ptなど)である。
【0228】
また、特典は、消費するものに限らず、例えば、電子コンテンツを購入する際に当初から割引価格を表示させる権利を含む。例えば、
図20に例示するストアで、返品済みラベル489が表示されているコンテンツについては、価格481が割引価格で表示されているものとしてもよい。
【0229】
また、特典A~特典Fなどは、電子コンテンツに限らず、電子コンテンツに対応した現実の販売物などであってもよい。例えば、特典Eであれば、返品した電子書籍と同一の紙の書籍を購入する際に割引がされるものであってもよい。
【0230】
なお、
図11、
図12などを参照して説明した返品処理において、
図12(A)の代替情報関連情報423に表示される返品によって獲得し得る代替情報の内容として、
図24の特典C(定価に応じたクーポン)である例(ユーザ端末300の記憶部320で記憶する書籍の定価に基づいて算出される例)を説明した。しかし、
図24に例示する代替情報の内容は、例えば、定価などに基づいて算出されるパーセンテージ(種別)を、サーバ100に都度問い合わせるものでもよく、
図24に例示する代替情報がすべてサーバ100で記憶・管理されており、ユーザ端末300から都度問い合わせることで、代替情報の内容が返品前画面に表示されるものとしてもよい。
【0231】
<変形例>
以上説明した実施形態の変形例などを以下に列挙する。
【0232】
<利用権解除および代替情報の関連付けのタイミングの別例>
図25を参照して、利用権の解除タイミング、および、代替情報の関連付けのタイミングの別例について説明する。
図25(A)は、利用権の解除タイミングのタイムチャート例であり、(a)は返品操作のタイミングであって、(b)は利用権解除のタイミングの例である。
図11を参照して上述した実施例では、「返品操作」がされたときに利用権が解除される(ステップS409)例を説明した。しかしこれに限らず、例えば、返品操作を受け付けたあとに特定条件が成立したタイミングで、利用権の解除を行うものとしてもよい。特定条件とは、例えば、特定タイミングに到達することにより成立するもの、ユーザ操作によって「ユーザからの実行リクエスト」があったことにより成立するもの、「運営操作」があったことにより成立するものであってもよい。運営操作とは、例えばユーザからの返品のリクエストを受信することなどにより(例えば、
図11のステップS408の返品要求情報受信)、利用管理システム1を運営する運営者が、当該リクエストを承認することで利用権を解除することができるものである。
【0233】
特定タイミングとは、例えば、「月末」、「翌月末」、返品の予約を可能とし「予約日」に到達すること、あるいは、特定の時間(例えば翌日0時など)に到達することによって、特定タイミングに到達したものとしてもよい。また、これらを複数組み合わせ、組み合わせた条件の各々がすべて成立することにより、利用権が解除されるものとしてもよい。なお、ユーザ端末300側において特定タイミングを管理し、特定タイミングに到達するまで返品要求がされる電子コンテンツの情報を蓄積するものとしてもよい。この場合、特定タイミングに到達したときに、蓄積された返品対象となる電子コンテンツの返品要求情報をサーバ100にすべて送信するものとしてもよい。
【0234】
また、
図25(A)の(a)における返品操作の受付がされてから、(b)の利用権の関連付けが解除されるいずれかのタイミングまでの間において、返品キャンセル処理が可能とするものであってもよい。例えば、利用権の解除タイミングが月末であった場合に、月末までに
図22の返品キャンセルアイコン474bへの選択操作がされることにより、利用権が解除される予定であった電子コンテンツ(例えば「BBB」)の返品をキャンセルすることができる。これにより、月末が到来したとしても、返品対象となっていた電子コンテンツの利用権は解除されない。
【0235】
図25(B)は、代替情報の関連付けタイミングのタイムチャート例であり、(a)は利用権が解除されたタイミングであって、(b)は代替情報が関連付けられるタイミングの例である。
図11を参照して上述した実施例では、「利用権解除」があったときに、ユーザに代替情報が関連付けられる(ステップS412)例を説明した。しかしこれに限らず、たとえば、利用権の関連付けを解除したあとにおいて、所定条件が成立したタイミングで代替情報が関連付けられるものとしてもよい。
【0236】
所定条件とは、例えば、所定タイミングに到達することにより成立するもの、「ユーザからリクエスト」があったことにより成立するもの、「運営操作」があったことにより成立するもの、「返品蓄積量所定値達成(例えば返品した書籍数10冊達成)」したことにより成立するものなどが含まれる。運営操作とは、例えばユーザからの返品のリクエストを受信することなどにより(例えば、
図11のステップS408の返品要求情報受信)、利用管理システム1を運営する運営者が、当該リクエストを承認することで、代替情報がユーザに関連付けられるようにすることができるものである。
【0237】
所定タイミングとは、例えば、「月末」、「翌月末」、あるいは、所定の時間(例えば翌日0時)に到達することによって、所定タイミングに到達したものとしてもよい。例えば、当月の返品状況(返品数)に基づいて、翌月末にポイントを付与するようにしてもよい。また「ユーザからのリクエスト」とは、例えば、
図22の特典獲得履歴アイコン474dに対する選択操作により表示される獲得した特典の一覧に「クーポン発行アイコン」などを設け、「クーポン発行アイコン」の操作がされることであってもよい。あるいは、
図11のステップS413でユーザに送信されたメールに記載されたURLにアクセスすることであってもよい。また、クーポンなどの特典に使用期限を設ける場合には、使用期限の始期を、代替情報が関連付けられたタイミング(例えば、ユーザからのリクエストがあったときなど)からにしてもよい。これらの代替情報関連付けのタイミングを複数組み合わせ、組み合わせた条件の各々がすべて成立することにより、代替情報が関連付けられるものとしてもよい。また、代替情報の関連付けは、利用権の関連付けを解除したあとに限らず、
図25(A)の(a)の返品操作のタイミングであってもよい。
【0238】
なお、ユーザ端末300側において所定タイミングを管理し、所定タイミングに到達するまで代替情報が関連付けられる電子コンテンツの情報を蓄積するものとしてもよい。この場合、所定タイミングに到達したときに、蓄積された代替情報が関連付けられる電子コンテンツの、代替情報関連付けの要求情報をサーバ100にすべて送信することで、代替情報がユーザに関連付けられるものとしてもよい。
【0239】
<代替情報の関連付けの報知態様の別例>
上記実施の形態では、(1)代替情報が関連付けられた報知情報がメールで送信される例(
図11のステップS413)、および、(2)返品完了画面において代替情報が関連付けられたことが報知される例(
図11のステップS415、
図12(C)および(D))について説明した。しかし、代替情報が関連付けられたことをユーザに報知する例はこれに限らず、例えば、(1)のメール送信、あるいは、(2)の返品完了画面のいずれかでのみ報知されるものであってもよく、(3)返品処理の過程においては代替情報の内容や関連付けに関する報知を一切行わないものであってもよく、(4)
図22で例示した特典獲得履歴を表示するページなど所定の画面でのみ報知されるもの(さらにはWEBブラウザ上でのみ確認可能なページであってもよい)であってもよい。
【0240】
なお、上記実施の形態では、代替情報の内容の報知が返品完了前(
図11のステップS401、
図12(A))に報知される例について説明したが、これに替えてあるいは加えて、返品完了後において報知されるものであってもよい。
【0241】
<代替情報の関連付けられる方法の別例>
上記実施の形態では、ユーザからの返品操作に応じて、サーバ100においてユーザに代替情報が関連付けられる例(
図11のステップS412)について説明した。しかし、これに替えてあるいは加えて、代替情報はユーザ端末300において関連付けられるものとしてもよい。例えば、返品操作のうち、返品確定選択(
図11のステップS402)、返品要求情報の送信(ステップS407)、あるいは、利用権解除完了情報を受信(ステップS414)したことに応じて、ユーザ端末300において記憶されている代替情報をユーザに関連付け、サーバ100に対して代替情報が関連付けられた情報を送信すること(サーバ100と同期させることで)で、サーバ100において代替情報の付与・使用の有無などの管理がされていてもよい。あるいは、サーバ100において更新されたユーザ毎の電子コンテンツに関する情報と、ユーザ端末300で記憶する電子コンテンツに関する情報とを同期させることで、ユーザ端末300において代替情報がユーザに付与されるようにしてもよい。
【0242】
<利用権の解除の報知態様例>
上記実施の形態では、ユーザからの返品操作に応じて利用権が解除されると、(1)返品完了画面において利用権が解除された旨が報知される例(
図11のステップS415、
図12(C))について説明した。しかしこれに限らず、例えば(2)利用権の関連付けの解除に関する報知はせず、返品完了画面においては「ポイントが付与されました!」などのメッセージによる代替情報の関連付けに関する報知のみ行うものであってもよい。あるいは、(3)返品操作に応じて利用権の関連付けが解除されるかにかかわらず、例えば「利用権の解除を申請しました。解除が無効だった場合には通知をいたします。」など、解除が無効であった場合には解除無効の旨が報知されるが、解除ができた場合には報知されないものとしてもよい。また、(4)返品操作の過程では、返品の要求を行うのみであり、利用権の解除ができたか否かの確認(ユーザへの報知)は、返品処理の過程においては表示されない所定の画面(例えば、その他アイコン404などの選択操作により表示される画面)においてできるものとしてもよい。
【0243】
<返品処理の別例>
図26を参照して、
図11を参照して上述した返品処理の他の実施例について説明する。
図11とは、点線内のステップが追加されている点において相違している。
図26においては、ユーザが返品処理を行う端末とは異なる端末(当該ユーザが所有する)に、返品対象の電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されていなかった場合に、返品処理が実行可能となる。すなわち、ユーザが所有するいずれかの端末にEPUBファイルが記憶されているままでは返品処理を完了することができない。
【0244】
ステップS404~ステップS406によって、ユーザが操作するユーザ端末300内の電子コンテンツ情報が削除されると、ステップS420では、他のユーザ端末300に電子コンテンツ情報が記憶されているか否かが判定される。他のユーザ端末300に電子コンテンツ情報が記憶されているか否かの判定は、例えば、サーバ100から受信した「関連済電子コンテンツ情報」に、他のユーザ端末300において電子コンテンツ情報がダウンロード済であるか否かの情報が含まれるようにすることで、これに基づいて判定をすることが可能となる。他のユーザ端末300に電子コンテンツ情報が記憶されていると判定されなかったときには、ステップS407で、サーバ100に返品要求情報を送信する。
【0245】
一方、ステップS420で、他のユーザ端末300に電子コンテンツ情報が記憶されていると判定されたときには、ステップS421で、他のユーザ端末300に電子コンテンツ情報が記憶されているため返品できない旨を報知(例えばメッセージ表示)し、返品処理を終了する。例えば、
図5のユーザ「001」が端末1で「BBB」を返品する場合、端末2および端末3にEPUBファイルがダウンロードされたままであるため、端末2および端末3の「BBB」のEPUBファイルを削除しなければ、返品処理を完了させることができない。
【0246】
<ブラウザアプリにおける実施態様>
上記実施の形態においては、ユーザ端末300にインストールされたアプリケーションが、スマホアプリ(ネイティブアプリ)である例について説明した。しかしこれに限らず、ユーザ端末300にインストールされたオンライン環境下で使用できるアプリ(ブラウザアプリなど)においても、本発明を適用することができる。
【0247】
例えば、ブラウザアプリで電子書籍を閲覧する場合には、
図4において、ユーザ端末300からサーバ100にログイン情報を送信し(ステップS103)、サーバ100が管理する「関連済電子コンテンツ情報」に基づいて(ステップS106)、電子コンテンツ関連画面表示処理を行う(ステップS112)。
【0248】
また、ブラウザアプリを使用する場合、EPUBファイルをユーザ端末300にダウンロードさせずともWEBブラウザで閲覧可能である。したがって、ブラウザアプリで電子コンテンツの閲覧選択(
図9のステップS302)がされると、ステップS309に進み、電子コンテンツの閲覧画面が表示されるようになる。
【0249】
また、上述の返品処理をブラウザアプリで行った場合の、
図12(A)で例示した返品注意事項424において表示される注意事項例である「他のデバイスのアプリで当書籍をダウンロードしている場合、コンテンツ同期のタイミングで当書籍のファイルは自動で削除されます。」の「他のデバイス」には、返品処理を行っているユーザ端末300も含まれる。したがって、
図5のユーザ「001」の端末1で、ブラウザアプリから「BBB」の返品処理を行った場合、返品処理完了後においても、「BBB」の端末別ダウンロード状況は、端末1、端末2、および端末3のいずれにおいてもフラグ「1」である。各々の端末内のEPUBファイルは、各々の端末で再ログインしたときに削除される。
【0250】
<サーバ100におけるコンテンツ情報の管理態様例>
上記実施の形態におけるコンテンツ情報は、サーバ100において、(1)電子コンテンツ毎に管理されている例について説明した。しかしこれに限らず、(2)ユーザ毎に利用可能な電子コンテンツのファイルとして記憶されていてもよい。例えば、ユーザ「001」に対し電子書籍「AAA」の利用権を関連付けたときに、関連付けられた電子書籍「AAA」のEPUBファイルが、ユーザ「001」用に都度複製され、サーバ100で管理されるようにしてもよい。あるいは、(3)関連付けられた電子書籍「AAA」のEPUBファイルが、ユーザ「001」の所有する端末毎に複製され、サーバ100で管理されるものとしてもよい。
【0251】
また、上記実施の形態におけるサーバ100において管理されるコンテンツ情報は、暗号化されている例について説明した。しかしこれに限らず、サーバ100において暗号化されていない状態で記憶され、アクセス情報の有無にかかわらずユーザに利用可能であってもよい。また、暗号化されていない状態でサーバ100に記憶されている場合、ユーザ端末300にダウンロードさせるときに暗号化を行うようにしてもよい。
【0252】
<暗号化されたコンテンツ情報の復号例>
上記実施の形態においては、ユーザ端末300にダウンロードされたコンテンツ情報は、ユーザ端末300で記憶する復号するための暗号鍵によって復号される例について説明した。暗号鍵は、例えば、復号するための鍵をサーバ100からユーザ端末300にダウンロードさせてもよく、ユーザ端末300で生成した暗号化のための暗号鍵をサーバ100に送信するようにしてもよい。また、復号はユーザ端末300で行うものに限らず、サーバ100からユーザ端末300のコンテンツ情報を復号するようにしてもよい。
【0253】
また、利用権が関連済みであるか否かに応じた電子コンテンツのライセンス認証情報に応じて電子コンテンツの暗号鍵が生成されてもよい。あるいは、ユーザ端末300において記憶されている暗号鍵が、サーバ100から受信したライセンス認証情報に基づき復号に制限がかかるものとしてもよい。
【0254】
<電子コンテンツ情報の不能化例>
上記実施の形態において、返品操作に応じた電子コンテンツ情報は、サーバ100あるいはユーザ端末300においてコンテンツ情報が削除されることにより不能化される例について説明した。しかしこれに限らず、不能化には、例えば、コンテンツ情報を復号するための暗号鍵の削除、ライセンス認証情報に基づいて復号するための暗号鍵を新たに生成すること(古い鍵を使用不可にする)、あるいは、ユーザ端末300に記憶される暗号鍵を復号に使用できないものとするライセンス認証情報をサーバ100からユーザ端末300へ送信することなどが含まれる。これらは、コンテンツ情報の削除に替えてあるいは加えてもよく、各々を組み合わせることなどにより電子コンテンツ情報の不能化を行い、電子コンテンツをユーザが利用できない状態としてもよい。例えば、ユーザ端末300に記憶されているEPUBファイルが、利用権の解除によっては削除されず、暗号鍵が復号に使用できないものとなることで不能化されるものであってもよい。また、例えば、電子コンテンツの閲覧画面(ビューアー)を開く際に、当該電子コンテンツの電子コンテンツ情報を開くライセンスをユーザが所有しているか否か(開こうとしている当該電子コンテンツの利用権が関連付けられているか否か)を、サーバ100に確認し、ライセンスを所有していた場合に閲覧画面を開くことが許可されるようにしてもよい。
【0255】
<閲覧期限による電子コンテンツ情報の不能化例>
また、電子コンテンツには、アクセス情報として利用可能期限(閲覧期限)が設けられていてもよい。この場合、ユーザ端末から同期を行った際に(
図4のステップS103~ステップS106)サーバ100から受信する「関連済電子コンテンツ情報」には、利用可能期限の延長要求が承認された電子コンテンツに関する情報が含まれる。ユーザ端末300では、利用可能期限の延長情報が承認されず、かつ、利用可能期限が切れている電子コンテンツ情報が記憶部320に記憶されていることを条件として、電子コンテンツ情報を不能化する。
【0256】
例えば、ユーザ端末300において電子コンテンツ毎の閲覧期限(例えば1週間)を記憶させ、閲覧期限が経過した電子書籍のEPUBファイルを開けないものとしてもよい。閲覧期限が経過していた場合は、サーバ100に対し閲覧期限の延長要求情報を送信し、サーバ100において閲覧期限の延長が要求された電子コンテンツの利用権がユーザに関連付けられていれば、閲覧期限の延長期限の承認情報をユーザ端末300に対し送信する。これにより、返品後にすぐに電子書籍を閲覧できなくなるものとせず、ユーザ端末300において閲覧期限の期間内においてはEPUBファイルを開くことが可能となる。一方、利用権が解除されていれば、閲覧期限の延長は承認されない。したがって、ユーザ端末300内にEPUBファイルが記憶されていたとしても、EPUBファイルは開くことができず不能化される。なお、利用権が解除されていたとしても、閲覧期限の期間内はEPUBファイルを開くことが可能なものとしてもよい。また、期間内であったとしても、利用権が解除されていれば開くことができないものとしてもよい。
【0257】
また、閲覧期限が切れ、利用権が解除されている電子コンテンツの電子コンテンツ情報は利用することができなくなる(閲覧不可)となるものに限らず、ユーザ端末300から削除されてもよい。また、閲覧期限の期間内であったとしても、利用権が解除されていれば削除されるものとしてもよい。
【0258】
<電子コンテンツ情報の再ダウンロード禁止による不能化例>
上記実施の形態においては、電子コンテンツ情報が返品処理に応じて不能化される例について説明した。しかしこれに限らず、返品処理に応じて電子コンテンツの利用権が解除されると、電子コンテンツ情報(例えばEPUBファイル、暗号鍵)の再ダウンロードができないものとなってもよい。例えば、返品処理がされても、EPUBファイルがユーザ端末300の記憶部320に記憶されていれば、EPUBファイルを開くことが可能であるが、削除してしまうと再ダウンロードをするには再購入が必要になる。この場合、例えば、ユーザ端末300で利用権が解除されている電子書籍のEPUBファイルを削除する場合には、「返品しているため、以降再ダウンロードができなくなります」等の報知を行ってもよい。または、これに替えてあるいは加えて、
図7の所有コンテンツ一覧405などの中に、記憶部320にEPUBファイルが記憶されているか否かにかかわらず、利用権が解除されている電子書籍には、返品済みであることをユーザに認識させることが可能なUI(アイコンなど)を割り当てるようにしてもよい。
【0259】
<サーバ100において記憶・管理される電子コンテンツ情報の不能化例>
上記実施の形態では、返品処理に応じてユーザ端末300の記憶部320に記憶される電子コンテンツ情報が不能化される例について説明したが、サーバ100において記憶・管理されている電子コンテンツ情報が不能化されるものとしてもよい。例えば、ユーザ端末300の記憶部320に記憶されるEPUBファイルは削除されないが、サーバ100の電子コンテンツ情報122内の利用権が解除された電子書籍のEPUBファイルを削除するものとしてもよい。これにより、ユーザ端末300からEPUBファイルのダウンロード要求があったとしても、利用権が解除されたEPUBファイルをダウンロードさせないようにすることができる。なお、ユーザ端末300とサーバ100とのいずれにおいても、利用権が解除された電子コンテンツの電子コンテンツ情報が削除されるものとしてもよい。
【0260】
<電子コンテンツ情報のダウンロード例>
上記実施の形態では、電子コンテンツ情報のコンテンツ情報のダウンロードについて、
図7、
図9などを参照して、ダウンロードアイコン409bが選択操作されることにより電子コンテンツ情報がダウンロードされる例を説明した。すなわち、
図19~
図21などを参照して説明した購入処理を行ったとしても、購入処理が行われたことに伴って購入した電子書籍のEPUBファイルはユーザ端末300にダウンロードされない例について説明した。しかし、これに限らず、ダウンロードアイコン409bが選択操作されずとも、購入処理がされたときに、購入処理に伴って自動的にユーザ端末300へのEPUBファイルのダウンロードが開始されるものであってもよい。
【0261】
<ユーザ毎の電子コンテンツに関するデータテーブル>
上記実施の形態では、
図5、
図13、
図21などで例示したユーザ毎の電子コンテンツに関するデータテーブル例において、ユーザ毎に、「購入済みコンテンツID」と、「コンテンツ名」とが同じテーブルに表されている例について説明した。しかしこれに限らず、各ユーザIDに関連付けられているコンテンツID毎の利用権の有無が導き出せるものであれば、例えば、「コンテンツ名」がコンテンツIDに関連づいて別テーブルで管理されているものであってもよい。また、
図5で例示した項目(列)は、各々ユーザIDとコンテンツIDとに関連づいていれば、別テーブルで管理されていてもよく、他の項目が含まれていてもよい。また、ユーザ毎に複数端末を所有することが可能である例について説明したが、所有できる端末は1つであってもよい(例えば、1ユーザ(1アカウント)につき1端末でしか利用できない制限があるものや、複数端末を所有していてもよいが、別端末でログインする場合は他端末のログアウトが必要となるものなど)。また「端末別ダウンロード状況」は、サーバ100におけるユーザ毎の電子コンテンツに関するテーブルにおいて管理されていなくてもよい(例えば、所有できる端末が1つである場合など)。
【0262】
また、
図17に例示した返品候補コンテンツ情報のデータテーブル例についても、ユーザID毎に返品対象の候補であるコンテンツIDが導き出せるものであれば、
図17で例示した項目(列)は、別テーブルで管理されていてもよく、他の項目が含まれていてもよい。
【0263】
<返品キャンセル可否について>
上記実施の形態においては、返品のキャンセルができる例について説明したが、これに限らず、返品のキャンセルが一切できないものであってもよい。また、電子コンテンツ毎(例えば、電子コンテンツの種類、ジャンルなどに応じて)にキャンセルが可能なものと不可能なものがあってもよい。
【0264】
<返品可否について>
上記実施の形態における返品処理は、ユーザが所有するすべての電子コンテンツについて実行可能であるものに限らず、一部の電子コンテンツは返品できないものであってもよい。例えば、返品できない情報をサーバ100からユーザ端末300へ送信し、ユーザ端末300で返品できない旨が報知されるようにしてもよい。また、返品を実行可能な電子コンテンツの量に上限を設けるようにしてもよい。例えば、1月につき10冊まで返品可能としてもよい。
【0265】
上記実施の形態における返品処理に応じて、返品処理がされた書籍については出版社へ支払うロイヤリティの金額を減らす場合があってもよい。
【0266】
<ユーザ端末300での処理の別例>
上記実施の形態で説明したサーバ100における処理は、ユーザ端末300において実現されるものがあってもよい。例えば、上記実施の形態では、
図11を参照して説明した返品処理におけるステップS409の利用権の解除、および、ステップS412のユーザへの代替情報の関連付けの処理を、サーバ100で行う例について説明した。しかし、ステップS409および、ステップS412での処理のいずれか一方あるいは両方をユーザ端末300において行い、処理結果をサーバ100に対して送信し、サーバ100では受信した処理結果に基づいて、利用権データベース124において記憶されているユーザ毎の電子コンテンツに関する情報(「関連済電子コンテンツ情報」を含む)が更新・記憶されるようにしてもよい。すなわち、少なくともユーザから電子書籍を返品する操作があったことにより、返品対象となった電子書籍の利用権の関連付けの解除、および、ユーザに対する特典などの関連付けが行われるようにすればよい。
【0267】
また、上記実施の形態では、
図14を参照して説明した返品キャンセル処理におけるステップS505の利用権の再関連付け、および、ステップS508の代替情報の関連付けの解除を、サーバ100で行う例について説明した。しかし、これに限らず、ステップS505およびステップS508の処理のいずれか一方あるいは両方をユーザ端末300にて行い、処理結果をサーバ100に対して送信することで、サーバ100において管理されるユーザ毎の電子コンテンツに関する情報(「関連済電子コンテンツ情報」を含む)が更新・記憶されるようにしてもよい。
【0268】
<不能化される電子コンテンツ情報がユーザ端末に記憶されているか否の判断主体例>
上記実施の形態では、利用権が解除されている電子コンテンツの電子コンテンツ情報を不能化させる際に、ユーザ端末300内に利用権が解除された電子コンテンツの電子コンテンツ情報が記憶されているか否かの判定を(
図4のステップS107など)、ユーザ端末300において行う例について説明した。しかしこれに限らず、ユーザ端末300内に不能化させるべき電子コンテンツ情報が記憶されているか否かの判定は、サーバ100で行われるようにしてもよい。例えば、ユーザ「001」が、端末1で電子書籍「BBB」を返品して、ユーザ「001」から「BBB」利用権の関連付けが解除されたあとで、「BBB」のEPUBファイルが記憶されたままである端末2からログインがされると、ユーザ端末300で記憶されている電子コンテンツに関する情報(EPUBファイルのダウンロード状況を含む)がサーバ100に送信される。サーバ100では、受信した電子コンテンツに関する情報に、サーバ100において記憶している利用権が関連付けられていない電子書籍のEPUBファイルがダウンロードされているか否かを判定する。利用権が関連付けられていない「BBB」のEPUBファイルがダウンロードされていると判定されれば、ユーザ端末300に削除情報を送信する。ユーザ端末300では、削除情報を受信することで、「BBB」のEPUBファイルを削除する。
【0269】
<具体例および効果の例>
【0270】
(1)上述した実施の形態では、ユーザ端末300では、
図9のステップS312や、
図11のステップS402における、利用権が関連付けられている電子書籍に対するユーザからの返品操作を受け付けると、
図11のステップS407で、返品操作があった電子書籍を特定するための返品要求情報をサーバ100に送信する。また、サーバ100では、
図11のステップS408で返品要求情報を受信することで返品操作を受け付けると、ステップS409で送信元のユーザに関連付けられている利用権のうち、返品要求情報から特定される電子書籍の利用権を解除する。例えば、ユーザ「001」の所有するユーザ端末300から、返品操作がされた「BBB」を特定するための情報がサーバ100に送信され、サーバ100の利用権データベース124において記憶されている
図5のユーザ「001」の利用権が「関連済」であるコンテンツのうち、「BBB」の利用権を「解除」とする。
【0271】
また、サーバ100では、ステップS409で利用権の関連付けが解除されると、ステップS412で、解除された電子コンテンツとは異なる代替情報をユーザに関連付ける。例えば、「BBB」が返品されると、
図24に示すような「BBB」とは異なる特典などの情報がユーザに付与される。このように、上述した実施の形態では、返品操作によって電子書籍の利用権の関連付けが解除されたとしても、ユーザに代替情報が関連付けられる。これにより、ユーザは心置きなく所有する電子書籍を処分でき、その結果、利便性を向上させることができる。
【0272】
(2)上述した実施の形態では、ユーザ端末300およびサーバ100は、電子コンテンツの利用権をユーザに関連付けるための、
図19のステップS701~ステップS710、
図14のステップS501~ステップS505の利用権関連手段として機能する。また、ユーザ端末300およびサーバ100は、
図11のステップS402、ステップS408において、利用権が関連付けられている電子コンテンツに対するユーザからの返品操作を受け付けたことを条件として、当該電子コンテンツの利用権の関連付けを解除し当該電子コンテンツとは異なる代替情報を関連付けるための、
図11のステップS402~ステップS412、
図16のステップS601~ステップS611における解除関連手段として機能する。ユーザ端末300およびサーバ100がこのように機能することにより、ユーザによる返品操作によって利用権の関連付けが解除されたとしても、ユーザに代替情報が関連付けられる。これにより、ユーザは心置きなく所有する電子コンテンツを処分でき、その結果、利便性を向上させることができる。
【0273】
(3)上述した実施の形態では、ユーザからの返品操作があったことによりユーザに関連付けられる代替情報には、例えば、
図24の特典A~Hに例示するような、利用権の関連付けを解除したユーザが特典を得るための情報が含まれる。これにより、返品操作によって利用権の電子書籍の利用権の関連付けが解除されたとしても、利用権の関連付けを解除したユーザが特典を得るための情報が関連付けられるため、ユーザに返品操作を促すことができる。
【0274】
(4)上述した実施の形態では、ユーザからの返品操作があったことによりユーザに関連付けられる代替情報には、例えば、
図24の特典Jに例示するような、利用権の関連付けを解除したユーザとは異なる他の者が特典を得るための情報を含む。これにより、利用権の関連付けを解除したユーザに対して、当該ユーザとは異なる他の者に特典を与えることができるようにすることができる。すなわち、ユーザは電子書籍を返品することで、他人にプレゼントをすることができるようになる。
【0275】
(5)上述した実施の形態では、ユーザからの返品操作があったことによりユーザに関連付けられる代替情報の特典には、電子書籍の購入時など物やサービスなどに対する代金の支払いに換算できるクーポンやポイントなどが含まれる。これにより、ユーザは得する特典を得ることができるため、ユーザに対して返品操作のみならず、新たな利用権の関連付けを促すことができる。
【0276】
(6)上述した実施の形態では、ユーザからの返品操作があったことによりユーザに関連付けられる代替情報の特典には、利用権の関連付けが解除された電子書籍の利用権をユーザに再び関連付けるときにのみ使用可能な特典であって、当該電子書籍の定価よりも低価格で購入可能となるクーポンや、割引サービスなどが含まれる。これにより、返品をした電子書籍の再購入をユーザが希望する場合に、低価格で購入させることができる。これにより、ユーザはより一層心置きなく返品操作を行うことができる。
【0277】
(7)上述した実施の形態では、
図11のステップS409における利用権の関連付けが解除された後において、例えば、
図25(B)(b)に示すような月末、翌月末などの所定タイミングに到達することにより、
図11のステップS412などにおける代替情報を関連付けるための処理が行われる。これにより、所定タイミングに応じて代替情報を関連付けることができるため、ユーザあるいは運営者の意図せぬタイミングで代替情報が関連付けられてしまうことを防止することができる。
【0278】
(8)上述した実施の形態では、
図11のステップS409における利用権の関連付けの解除に応じて、例えば、
図25(B)(b)に示すようなユーザからのリクエスト受付、返品蓄積量所定値達成などの所定条件が成立することにより、
図11のステップS412などにおける代替情報を関連付けるための処理が行われる。これにより、所定条件が成立することに応じて代替情報を関連付けることができるため、ユーザあるいは運営者の意図せぬ状況で代替情報が関連付けられてしまうことを防止することができる。
【0279】
(9)上述した実施の形態では、
図11のステップS402あるいはステップ408での返品操作を受け付けてから、例えば、
図25(A)(b)に示すような月末、予約日などの特定タイミングに到達することにより、
図11のステップS409における返品操作がされた電子書籍の利用権の関連付けを解除するための処理が行われる。これにより、特定タイミングに到達することで利用権の関連付けを解除することができるため、ユーザあるいは運営者の意図せぬタイミングで利用権の関連付けが解除されてしまうことを防止することができる。
【0280】
(10)上述した実施の形態では、
図11のステップS402あるいはステップS408での前記返品操作を受け付けた後に、例えば、
図25の(A)(b)に示すような、ユーザからの実行リクエスト受付、運営操作受付などの特定条件が成立することにより、
図11のステップS409において返品操作がされた電子書籍の利用権の関連付けを解除するための処理を行う。これにより、特定条件が成立することに応じて、利用権の関連付けを解除することができるため、ユーザあるいは運営者の意図せぬ状況で利用権の関連付けが解除されてしまうことを防止することができる。
【0281】
(11)上述した実施の形態では、サーバ100あるいはユーザ端末300では、返品操作を受け付けてから当該返品操作に応じた電子書籍の利用権の関連付けが解除されるまでの、例えば、
図25(A)(a)の受付がされてから(b)のいずれかのタイミングまでの間において、ユーザからの返品キャンセル操作によって、当該電子書籍の返品をキャンセルすることを可能とする。これにより、誤操作や再検討などによって返品操作をキャンセルしたい場合にはキャンセルをすることができるため、ユーザは安心して返品を行うことができる。
【0282】
(12)上述した実施の形態では、ユーザ端末300において、サーバ100と通信していないときであっても利用権が関連付けられている電子書籍を閲覧可能とするためのEPUBファイルを、
図8のステップS205や、
図9のステップS308などでダウンロードして記憶部320に記憶し、
図11のステップS405で、記憶した電子書籍のEPUBファイルのうち、返品操作に応じた返品対象の電子書籍のEPUBファイルを削除することができる。これにより、返品によって利用権が解除された電子書籍が閲覧されてしまうことを防ぐことができる。
【0283】
(13)上述した実施の形態では、ユーザ端末300において、返品対象の電子書籍のEPUBファイルが、ユーザが所有する他のコンピュータの記憶部320に記憶されているか否かにかかわらず、
図11のステップS401~ステップS407などの返品対象の電子書籍の利用権の関連付けを解除するための処理を行うことができる。例えば、
図5のユーザ「001」の端末1で「BBB」の返品操作を行う場合、ユーザ「001」が所有する端末2または端末3において「BBB」のEPUBファイルが記憶されているか否かにかかわらず、「BBB」の返品処理を実行する。これにより、他の端末にEPUBファイルが記憶されていたとしても、利用権の関連付けの解除をすることができる。これにより、ユーザにとっての返品操作に対する利便性が向上する。
【0284】
(14)上述した実施の形態では、ユーザ端末300において、電子書籍の返品操作を受け付けるときに、返品対象の電子書籍のEPUBファイルが、ユーザが所有するいずれかの端末の記憶部320に記憶されている場合には、同期によって電子書籍が削除(EPUBファイルごと削除)される旨を報知することができる。例えば、
図5のユーザ「001」の端末1で「BBB」の返品操作を行うときに、所有する端末2、端末3において「BBB」のEPUBファイルが記憶されている場合には、“
図4のステップS107、ステップS108などにより端末2において「BBB」が返品されたあとの
図15(A)に示す「関連済電子コンテンツ情報」を受信することによって、
図15(B)に示す端末2の記憶部320で記憶される電子コンテンツに関する情報において、関連済コンテンツIDから「BBB」が削除され、「BBB」のEPUBファイルが削除される”ことになる。これらの同期によって所有する端末で「BBB」を閲覧できなくなる旨が、
図12(A)の返品注意事項424で例示するように、ユーザに報知される。これにより、ユーザが所有するいずれかのユーザ端末300にEPUBファイルが記憶されていた場合に、記憶されているEPUBファイルが、返品後においては当該いずれかのユーザ端末300によりサーバ100と通信して同期したときに削除されることをユーザは事前に認識することができる。
【0285】
(15)上述した実施の形態では、ユーザ端末300において、サーバ100から、ユーザに利用権が関連付けられている電子書籍を特定するための「関連済電子コンテンツ情報」を受信することができる。また、「関連済電子コンテンツ情報」から特定される電子書籍に含まれていない電子書籍のEPUBファイルや暗号鍵が、ユーザ端末300の記憶部320に記憶されていることを条件として、当該EPUBファイルや暗号鍵を削除することなどによって不能化する。例えば、利用権が関連付いていた電子書籍は、利用権の解除や、閲覧期限の延長の承認がされなかったことにより、「関連済電子コンテンツ情報」から利用権が関連付けられている電子書籍(関連済コンテンツID)として特定される電子書籍ではなくなる。これにより、利用権が関連付けられていない電子書籍が閲覧されてしまうことを防ぐことができる。
【0286】
(16)上述した実施の形態では、サーバ100において、
図26のステップS420でユーザが所有する他のユーザ端末300の記憶部320に返品対象の電子書籍のEPUBファイルが記憶されているときには、電子書籍の利用権の関連付けの解除を行わない一方、他のユーザ端末300の記憶部320に返品対象の電子書籍のEPUBファイルが記憶されていなかったときには、
図26のステップS409において電子書籍の利用権の関連付けを解除することができる。例えば、ユーザ「001」が所有する端末1で「BBB」の返品操作を行う場合、ユーザ「001」の所有する端末2または端末3の記憶部320に「BBB」のEPUBファイルが記憶されていれば、「BBB」の返品は実行されない。これにより、ユーザが所有する他の端末で、利用権が解除された電子書籍が閲覧されてしまうことを防ぐことができる。
【0287】
(17)上述した実施の形態では、
図11のステップS404 NO~ステップS407で示すように、ユーザが返品操作を行うユーザ端末300内にEPUBファイルが記憶されているか否かにかかわらず、電子書籍を返品することができる。例えば、
図5のユーザ「001」が所有する端末1で「DDD」の返品操作をしたときに、端末1で「DDD」のEPUBファイルが記憶されていれば、「DDD」のEPUBファイルを削除する。一方、端末1で「DDD」のEPUBファイルが記憶されていなくても、「DDD」の返品を行うことができ利用権の関連付けが解除される。これにより、ユーザにとっての返品操作に対する利便性が向上する。
【0288】
(18)上述した実施の形態では、電子コンテンツ情報には、例えばEPUBファイルなどの文書ファイルなどの電子コンテンツのコンテンツ情報と、例えば暗号鍵などの電子コンテンツにアクセスするため(電子書籍を閲覧するため、EPUBファイルを開くためなど)のアクセス情報とが含まれる。また、返品操作に応じて、少なくとも暗号鍵を削除することなどによりアクセス情報を不能化させることができる。これにより、EPUBファイルを開くことができなくなるため、利用権が解除された電子書籍が閲覧されてしまうことを防ぐことができる。
【0289】
(19)上述した実施の形態では、
図11のステップS401において表示される返品前画面において、
図12(A)の返品注意事項424で例示するように、返品をすると電子書籍を閲覧できなくなる旨を報知することができる。このように返品操作を受け付けるときに注意喚起が行われるため、誤操作を防止することができる。
【0290】
(20)上述した実施の形態では、
図11のステップS401において表示される返品前画面において、
図12(A)の返品注意事項424で例示するように、返品した電子書籍を閲覧するためには、再び購入操作を要する旨を報知することができる。これにより、返品をした電子書籍を再び閲覧するためには、再購入を要することをユーザに認識させることができる。これにより、ユーザは慎重に返品操作を行うことができる。
【0291】
(21)上述した実施の形態では、
図8のステップS206、
図9のステップS315、
図16のステップS606などにおける利用権が関連付けられている電子書籍を返品対象の候補として指定するための候補指定操作を行うことができる。また、例えば、
図7の一括チェックボックス410で複数選択されることによる返品操作や、
図18(A)の返品候補リスト一覧445において複数の電子書籍が表示されている状態でのリスト返品アイコン448に対する操作などにより、複数の電子書籍が返品対象の候補として指定されたときには、複数の電子書籍を返品対象の候補として特定する。特定された複数の電子書籍は、
図9のステップS312、ステップS313、
図11のステップS401~ステップS409、
図16のステップS601~S611などによってまとめて返品することができる。このように返品実行操作の前に返品対象の候補を指定することができ、返品対象の候補として複数の電子書籍を選択可能であるため、返品操作の利便性を向上できるとともに簡便化を図ることができる。
【0292】
(22)上述した実施の形態では、
図8のステップS206、
図9のステップS315、
図16のステップS606などによって利用権が関連付けられている電子書籍を返品対象の候補として指定し、
図17、
図18で例示するように返品候補リストとして管理することができる。また、
図18(A)で例示するような返品候補リストは、
図16のステップS606、ステップS607、
図10の返品候補リスト追加アイコン418、
図18のリスト削除アイコン446、リスト追加アイコン447、個別追加アイコン456、一括追加アイコン457などへの操作による編集操作を行うことができる。これにより、返品対象の候補となる電子書籍をあらかじめ指定しておくことができる。その結果、ユーザは返品対象とする電子書籍を慎重に検討することが可能となり、かつ、返品操作の利便性を向上できるとともに簡便化を図ることができる。
【0293】
(23)上述した実施の形態では、
図7の電子コンテンツ関連画面や、
図10の電子コンテンツの詳細画面などで例示する利用権が関連付けられている電子書籍に関する情報を表示する画面において、電子書籍を閲覧するためのアイコンとして
図7の電子コンテンツ詳細アイコン408、
図10の閲覧アイコン416など、および、当該電子書籍を返品するための返品操作アイコンとして、
図7のその他アイコン404、返品候補リストアイコン413、
図10の返品候補リスト追加アイコン418、返品アイコン419などを表示することができる。これにより、電子書籍を閲覧するためのアイコンと、返品するためのアイコンとを表示させることができるため、直感的な操作が可能となり、ユーザの利便性・操作性が向上する。
【0294】
(24)上述した実施の形態では、電子書籍を返品するための返品操作アイコンである、
図7のその他アイコン404、返品候補リストアイコン413、
図10の返品候補リスト追加アイコン418、返品アイコン419などを、
図10で例示する電子コンテンツの詳細画面において表示することができる。これにより、ユーザは、電子書籍の詳細情報を踏まえた上で返品するか否かの検討をすることができる。
【0295】
(25)上述した実施の形態では、電子書籍を返品するための返品操作アイコンである
図7のその他アイコン404、返品候補リストアイコン413、
図10の返品候補リスト追加アイコン418、返品アイコン419などを、
図7で例示する利用権が関連付けられている電子コンテンツに関する情報を表示する電子コンテンツ関連画面などに含まれるその他アイコン404、コンテンツ画像406、電子コンテンツ詳細アイコン408、返品候補リストアイコン413などの所定のアイコンへの操作が受け付けられたときに表示されるようにすることができる。これにより、電子書籍に関する情報を表示する画面を、より整理された状態とすることができるため、ユーザの操作性が向上する。
【0296】
(26)上述した実施の形態では、ユーザ端末300では、
図5で例示するユーザ毎に利用権が関連付けられている電子コンテンツを特定するユーザ情報を管理するサーバ100に対して、返品操作に応じた返品対象の電子書籍を特定する情報を、
図11のステップS407で送信することができる。これにより、サーバ100において電子書籍の利用権を解除させることができる。
【0297】
(27)上述した実施の形態では、ユーザ端末300にダウンロードさせることが可能なEPUBファイルをサーバ100で管理することができる。サーバ100では、ユーザからの返品操作に応じて、返品対象として指定された電子書籍の、サーバ100で記憶するEPUBファイルを削除する。これにより、返品対象として特定された電子書籍のEPUBファイルをユーザ端末300にダウンロードをさせないようにすることができる。
【0298】
(28)上述した実施の形態では、
図23で例示するような所定の履歴情報に基づいて、
図22のおすすめ返品リスト474cへのタップ操作があることなどによって、返品対象として推薦する電子コンテンツをユーザに報知することができる。これにより、ユーザは、返品対象とする電子書籍の選択を、推薦された電子書籍に基づいて容易に行うことができるようになる。
【0299】
(29)上述した実施の形態では、所定の履歴情報には、
図23のグループ1で例示するようなユーザの過去の返品傾向が含まれる。これにより、ユーザがこれまで返品した電子書籍から特定される返品傾向に基づいて返品対象となる電子書籍が推薦されるため、ユーザは返品対象とする電子書籍の選択を容易に行うことができるようになる。
【0300】
(30)上述した実施の形態では、所定の履歴情報には、
図23のグループ2で例示するような返品コンテンツと同一コンテンツを返品したユーザの返品傾向が含まれる。これにより、他のユーザを含むすべてのユーザから返品された電子書籍から特定される返品傾向に基づいて返品対象となる電子書籍が推薦されるため、ユーザは返品対象とする電子書籍の選択を容易に行うことができるようになる。
【0301】
(31)上述した実施の形態では、所定の履歴情報には、電子コンテンツのジャンル、続編などの電子コンテンツと関連性を有する他の電子コンテンツを特定するための情報が含まれ、
図23のグループ3で例示するような返品コンテンツと関連性を有するコンテンツが返品対象の候補として推薦される。これにより、返品操作に応じた電子書籍と関連性を有する他の電子書籍が返品対象となる電子書籍として推薦されるため、ユーザは返品対象とする電子書籍の選択を容易に行うことができるようになる。
【0302】
(32)上述した実施の形態では、
図11のステップS401において表示される返品前画面などで、
図12(A)の代替情報関連情報423で例示するように、返品すると関連付けられる代替情報の内容を報知することができる。これにより、ユーザは代替情報の内容によって電子書籍を返品するか否かの検討をすることができるようになる。
【0303】
(33)上述した実施の形態では、
図11のステップS416、ステップS418、
図12(D)のキャンセルアイコン432への操作、
図14のステップS502、
図22の返品キャンセルアイコン474bへの操作などによって、利用権の関連付けが解除された電子書籍に対するユーザからのキャンセル操作に応じて、特別条件を満たす場合に
図14のステップS504、ステップS505で、当該電子書籍の利用権を再びユーザに関連付けるための処理を行うことができる。これにより、例えば、誤操作によって返品を実行してしまった場合などに、返品をキャンセルすることが可能となる。これにより、返品操作のハードルを低下させることができる。
【0304】
(34)上述した実施の形態では、返品をキャンセルするための特別条件には、キャンセル操作の対象となる電子書籍の利用権の関連付けの解除に応じて関連付けられた代替情報が使用されていないことが含まれている。例えば、キャンセル操作の対象となる利用権が解除された「BBB」に関連付けられた代替情報が未使用であれば、
図14のステップS505で、キャンセル操作に応じてユーザに再び「BBB」の利用権が関連付けられ、
図14のステップS508において、代替情報の関連付けも解除される。これにより、一度付与された代替情報が返品キャンセル操作によって無効化されるため、代替情報が使用されているにもかかわらず、電子書籍の利用権の関連付けの解除がキャンセルされてしまうことを防止することができる。
【0305】
(35)上述した実施の形態では、
図11のステップS409における、返品操作によって電子書籍の利用権の関連付けが解除されたときに、
図11のステップS415、
図12(D)の返品完了画面431などで例示するように、キャンセルを促す旨のメッセージ画像とともに前記キャンセル操作を受け付けるキャンセルアイコン432などのキャンセルアイコンを表示することができる。これにより、例えば、誤操作によって利用権の関連付けが解除されてしまった後であっても、ユーザは返品をキャンセルすることができることを認識できる。これにより、ユーザは安心して返品機能を利用することができる。
【0306】
(36)上述した実施の形態では、
図20で例示するような電子書籍を購入するためのストア画面などにおいて、返品した電子書籍を報知するための情報として、
図20の返品済みラベル489などを表示させることができる。これにより、過去に返品した電子書籍を、ユーザが誤って再購入してしまうことなどを防ぐことができる。また、返品した電子書籍の再購入をする場合に目印になる。
【0307】
〔ソフトウェアによる実現例〕
前述した実施の形態におけるサーバ、端末などのコンピュータが備える制御部の各種の制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。CPUを用いてソフトウェアによって実現している場合、制御部を備えたコンピュータは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0308】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものでないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0309】
1 利用管理システム、2 ネットワーク、100 サーバ、110 通信部、120 記憶部、121 コンテンツデータベース、122 電子コンテンツ情報、123 ユーザ情報、124 利用権データベース、125 返品候補リストデータベース、130 制御部、131 送受信部、132 コンテンツ管理部、133 利用権管理部、134 返品情報管理部、135 報知情報管理部、136 代替情報管理部、137 ユーザ管理部、300 ユーザ端末、310 通信部、320 記憶部、330 入力部、340 出力部、350 制御部、351 情報取得部、352 入力情報送信部、352 表示制御部、353 コンテンツ管理部、355 ユーザ管理部、400 表示部、402 検索窓、403 フィルタ、404 その他アイコン、405 所有コンテンツ一覧、406 コンテンツ画像、407 コンテンツ情報、408 詳細アイコン、409 ダウンロードアイコン、410 一括チェックボックス、412 購入アイコン、413 返品候補リストアイコン、414 戻るアイコン、416 閲覧アイコン、417 コンテンツ説明領域、418 返品候補リスト追加アイコン、419 返品アイコン、420 返品前画面、421 閉じるアイコン、422 返品対象情報、423 代替情報関連情報、424 返品注意事項、425 返品確定アイコン、430 返品処理画面、431 返品完了画面、432 キャンセルアイコン、433 返品終了アイコン、445 返品候補リスト一覧、446 リスト削除アイコン、447 リスト追加アイコン、448 リスト返品アイコン、456 個別追加アイコン、457 一括追加アイコン、474 その他アイコン画面、474a 一覧一括返品アイコン、474b 返品キャンセルアイコン、474c おすすめ返品リストアイコン、474d 特典獲得履歴アイコン、474e 設定アイコン、481 価格、485 購入可能コンテンツ情報一覧、 489 返品済みラベル、491 カート追加アイコン、492 カートアイコン