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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151884
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】凍結対象物の収容器具
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/18 20060101AFI20241018BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20241018BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
B65D81/18 A
A61J3/00 301
B65D77/04 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065661
(22)【出願日】2023-04-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】500290710
【氏名又は名称】株式会社メディパルホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 均
(74)【代理人】
【識別番号】100149892
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 弥生
(74)【代理人】
【識別番号】100185672
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 雅人
(72)【発明者】
【氏名】大金 秀伍
【テーマコード(参考)】
3E067
4C047
【Fターム(参考)】
3E067AC03
3E067BA01B
3E067BA01C
3E067BB11B
3E067BB11C
3E067CA18
3E067EA32
3E067EB27
3E067EE28
4C047AA31
4C047CC03
(57)【要約】
【課題】凍結空間の格納空間に格納される凍結対象物の数量を増やす。
【解決手段】第1凍結対象物91を収容する第1収容部10は、シャフト部材80Aの一部が着脱自在に結合される第1雌ネジ部材16aを備えている。第2凍結対象物92を収容する第2収容部20は、シャフト部材80Aの一部が着脱自在に結合される第2雌ネジ部材26aを備えており、且つ凍結容器300内に格納された状態において第1収容部10の上方に配置される。第1の収容部10の上方に第2の収容部20が配置されている状態において、シャフト部材80Aを第1雌ネジ部材16aに結合して、第1の収容部10と第2の収容部20とを一括して取り出す。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結対象物を収容する収容部と、前記収容部に対して着脱自在に結合されるシャフト部材とを備え、凍結容器の内部に格納された前記収容部に前記シャフト部材を結合した状態で、前記シャフト部材を用いて前記凍結容器に対して前記収容部を出し入れする構成を備えた凍結対象物の収容器具であって、
前記収容部は、
第1の凍結対象物を収容し、前記シャフト部材の一部が着脱自在に結合される第1の被結合部を備えた第1の収容部と、
第2の凍結対象物を収容し、前記シャフト部材の一部が着脱自在に結合される第2の被結合部を備え、且つ前記凍結容器内に格納された状態において前記第1の収容部の上方に配置される第2の収容部と、を備え、
前記第1の収容部の上方に前記第2の収容部が配置されている状態において、前記シャフト部材を前記第1の被結合部に結合して、前記第1の収容部と前記第2の収容部とを一括して取り出す構成を備えたことを特徴とする凍結対象物の収容器具。
【請求項2】
前記第1の収容部の上方に前記第2の収容部が配置されている状態において、前記シャフト部材は、前記第1の被結合部、又は前記第2の被結合部に対して個別に、且つ選択的に結合自在な構成を備えていることを特徴とする請求項1に記載の凍結対象物の収容器具。
【請求項3】
前記第1の被結合部、及び前記第2の被結合部は、雌ネジを内周面に設けた雌ネジ部材、又は雄ネジを外周面に設けた雄ネジ部材であり、
前記シャフト部材は、雄ネジを外周面に形成した雄ネジ部、又は雌ネジを内周面に形成した雌ネジ部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の凍結対象物の収容器具。
【請求項4】
前記第1の収容部は、前記第1の被結合部が固定される第1の固定片を備え、
前記第2の収容部は、前記第2の被結合部が固定される第2の固定片を備え、
前記第1の被結合部、及び前記第2の被結合部は、雌ネジを内周面に設けた雌ネジ部材であり、
前記第1の被結合部、及び前記第2の被結合部は、前記第1の固定片、及び前記第2の固定片に対して、前記雌ネジの下端が開放された状態で固定されており、
前記シャフト部材には、雄ネジを外周面に設けた雄ネジ部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の凍結対象物の収容器具。
【請求項5】
前記第1の被結合部は、少なくとも上端に開口を有する第1の雌ネジを内周面に設けた第1の雌ネジ部材であり、
前記第2の被結合部は、軸方向に貫通する第2の雌ネジを内周面に設けた第2の雌ネジ部材であり、
前記第2の雌ネジ部材は、前記第1の収容部の上方に配置された前記第2の収容部を上から見て、前記第2の雌ネジが前記第1の雌ネジと整合する位置に設けられており、
前記シャフト部材は、前記第1の雌ネジ、及び前記第2の雌ネジと結合自在な雄ネジを外周面に形成した雄ネジ部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の凍結対象物の収容器具。
【請求項6】
凍結対象物を収容する収容部と、一部が前記収容部に結合されたシャフト部とを備え、前記シャフト部を用いて前記収容部を凍結容器の内部に対して出し入れする凍結対象物の収容器具であって、
前記収容部は、
第1の凍結対象物を収容する第1の収容部と、
第2の凍結対象物を収容し、前記凍結容器内に格納された状態において前記第1の収容部の上方に配置される第2の収容部と、
前記シャフト部は、
下部が前記第1の収容部に結合され、且つ上方に延びる第1のシャフト部と、
下部が前記第2の収容部に結合され、且つ上方に延びる第2のシャフト部と、を備え、
前記第1のシャフト部の上端部は、前記第1の収容部、及び前記第2の収容部が前記凍結容器内に格納された状態において前記第2の収容部よりも上方に突出し、
前記第1の収容部の上方に前記第2の収容部が配置されている状態において、前記第1のシャフト部を引き上げて、前記第1の収容部と前記第2の収容部とを一括して取り出す構成を備えたことを特徴とする凍結対象物の収容器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、凍結対象物の収容器具に関する。
【背景技術】
【0002】
薬品、検体、及び各種試料等には、凍結状態で保管されたり、運搬されるもの(以下、凍結対象物という)がある。凍結対象物の保管や運搬には例えば凍結容器が使用される。
凍結容器は、凍結対象物を格納するための格納空間、及び液体窒素等の冷媒を貯留する冷媒室を備えた断熱容器である。格納空間は、例えば凍結容器の上端に設けた口部から下方向に沿って延びており、冷媒室は、格納空間の周囲に設けられている。凍結容器では冷媒室の容積を十分に確保する必要があるため、格納空間の容積は凍結容器の見た目の大きさよりも小さくせざるを得ない。
このような事情から、限られた容積の格納空間に多くの凍結対象物を格納するための器具が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載された試料収納ラック(収容器具)は、試料等を収容する金属箱製の収容部と、下端部が収容部に接合された略L字形状の金属製シャフトによって構成され、且つ上端部にフックが設けられた吊り下げ部材(シャフト部材)とを備えている。
特許文献1では、吊り下げ部材の長さが異なる4種類の試料収納ラックが用意されている。4種類の試料収納ラックを用いることにより、4つの収容部を格納空間内に上下方向に沿って間隔を空けた状態で格納できる。また、4つの収容部の組を円周方向に沿って間隔を空けて複数組格納できる。さらに、格納空間に格納された複数の格納部の中から選択した格納部を、他の格納部を格納したまま取り出すことができる。
【0004】
特許文献2に記載された収容器具は、上端が開放された有底円筒形状の金属製キャニスタ(試料等を収容する収容部)と、下端部がキャニスタの外周面に接合された金属製シャフトによって構成され、且つ上端にフックが設けられたハンガーフック(シャフト部材)と、を備えている。
特許文献2では、ハンガーフックの長さが異なる2種類の収容器具が用意されている。2種類の収容器具を用いることにより、2つのキャニスタを格納空間内に上下方向に沿って間隔を空けた状態で格納できる。また、2つのキャニスタの組を円周方向に沿って間隔を空けて複数組格納できる。さらに、格納空間に格納された複数のキャニスタの中から選択したキャニスタを、他のキャニスタを格納したまま取り出すことができる。
【0005】
特許文献1、2に記載された収容器具では、格納空間において複数の収容部を上下方向に間隔を空けて格納できることから、格納空間内に多くの凍結対象物を格納できる。
しかしながら、複数の収容部の中から特定の収容部を取り出すためには、格納空間に残された他の収容部が特定の収容部の取り出しに際しての邪魔になることがないように、取り出しのための通路を確保する必要があった。
具体的には、下側の収容部を取り出すためには、一旦横方向へ位置をずらしてから引き上げているために、そのような移動のための通路(空間、デッドスペース)を予め確保しておく必要があった。この通路の分だけ、格納空間内にデッドスペースが形成されることとなり、凍結対象物の格納のための空間が少なくなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6951621号公報
【特許文献2】特開2018-88992公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、従来の収容器具では、凍結対象物の格納のための空間が少なくなるという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、容積が限られた格納空間内に格納できる凍結対象物の数量を可能な限り増やすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、凍結対象物を収容する収容部と、前記収容部に対して着脱自在に結合されるシャフト部材とを備え、凍結容器の内部に格納された前記収容部に前記シャフト部材を結合した状態で、前記シャフト部材を用いて前記凍結容器に対して前記収容部を出し入れする構成を備えた凍結対象物の収容器具であって、前記収容部は、第1の凍結対象物を収容し、前記シャフト部材の一部が着脱自在に結合される第1の被結合部を備えた第1の収容部と、第2の凍結対象物を収容し、前記シャフト部材の一部が着脱自在に結合される第2の被結合部を備え、且つ前記凍結容器内に格納された状態において前記第1の収容部の上方に配置される第2の収容部と、を備え、前記第1の収容部の上方に前記第2の収容部が配置されている状態において、前記シャフト部材を前記第1の被結合部に結合して、前記第1の収容部と前記第2の収容部とを一括して取り出す構成を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、格納空間内に格納できる凍結対象物の数量を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態に係る収容器具、及び凍結容器を正面側から見た部分断面図である。
図2】1段目(最下段)に位置する第1収容部の斜視図である。
図3】2段目(中段)に位置する第2収容部の斜視図である。
図4】3段目(中段)に位置する第3収容部の斜視図である。
図5】4段目(最上段)に位置する第4収容部の斜視図である。
図6】各収容部の積層状態を示す斜視図である。
図7】シャフト部材を説明する図である。
図8】(a)は台座の正面図、(b)は台座の左側面図、(c)は台座の平面図、(d)は台座の斜視図である。
図9】(a)はガイド部材の平面図、(b)はガイド部材の正面図である。
図10】ガイド部材を取り付けた凍結容器の平面図である。
図11】台座を凍結容器内の格納空間に格納する手順を説明する図である。
図12】凍結対象物を収容した収容器具を凍結容器内の格納空間に格納する手順を説明する図である。
図13】格納空間に格納された複数の凍結対象物の中から一部の凍結対象物を取り出す際の手順を説明する図である。
図14】格納空間に格納された複数の凍結対象物を全て取り出す際の手順を説明する図である。
図15】第2実施形態に係る収容器具を説明する図であり、(a)は1段目(最下段)の第1収容部の斜視図、(b)は2段目(中段)の第2収容部の斜視図、(c)は各雌ネジ部材の断面図、(d)シャフト部材の雄ネジ部を第2雌ネジ部材に螺合させた状態を説明する断面図である。
図16】第3実施形態に係る収容器具を説明する図であり、(a)は1段目(最下段)の収容部の斜視図、(b)は2、3段目(中段)の収容部の斜視図、(c)は4段目(最上段)の収容部の斜視図である。
図17】第3実施形態に係る収容器具の使用方法を説明する図である。
図18】第4実施形態に係る収容器具を説明する図である。
図19】第5実施形態に係る収容器具を説明する図である。
図20】第6実施形態に係る収容器具を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。但し、各実施の形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0012】
<第1実施形態の概要>
図1は、第1実施形態に係る収容器具100A、及び凍結容器300を正面側から見たである。最初に図1を参照し、第1実施形態に係る収容器具100Aの概要について説明する。
収容器具100Aは、凍結対象物群90を構成する凍結対象物91~94を取り出し自在に収容する収容部10~40からなる収容部群1を備えている。収容部群1は、例えば、台座200の上に載せられた第1収容部10と、第1収容部10の上方に配置された第2収容部20と、第2収容部20の上方に配置された第3収容部30と、第3収容部30の上方に配置された第4収容部40と、を備えている。ここで、「上方に配置」とは、複数の収容部10~40を一緒に引き上げることが可能な状態で配置されていることを意味する。従って、「上方に配置」とは、下側の収容部10~30の上に上側の収容部20~40が直接載置されている状態と、上下の収容部同士が上下方向に間隔を空けて配置されている状態(例えば、上下の収容部同士の間に緩衝部材等の別の部材が介在している状態)と、を含む。
各収容部10~40は、それぞれ凍結対象物91~94を収容しており、且つ凍結容器300の内部に設けられた格納空間SP323に格納されている。本実施形態において各凍結対象物91~94は、例えば箱に収納された複数のバイアル瓶であるが、これに限定されるものではない。
【0013】
収容器具100Aは、各収容部10~40に対して個別に、且つ着脱自在に結合される一本のシャフト部材80Aを備えている。各収容部10~40(本例では、正面下端部)には、シャフト部材80A(本例では、下端部)に設けた雄ネジ部82(結合部)が結合される雌ネジ部材(被結合部)16a~46aが設けられている。
具体的には、第1収容部10の正面下端部には第1雌ネジ部材16aが設けられており、第2収容部20の正面下端部には第2雌ネジ部材26aが設けられている。同様に、第3収容部30の正面下端部には第3雌ネジ部材36aが設けられており、第4収容部40の正面下端部には第4雌ネジ部材46aが設けられている。
各雌ネジ部材16a~46aは、上側から見ると左右方向(周方向)に沿って所定の間隔を空けて設けられている。
【0014】
各雌ネジ部材16a~46aは、左右方向位置や周方向位置が一致(干渉)しないように構成されている。このため、図1のように各収容部10~40が積層された状態においても、シャフト部材80Aの雄ネジ部82に対して、個別に且つ選択的に結合することができる。このため、各収容部10~40における各雌ネジ部材16a~46aの上方には、シャフト部材80Aが抜き差しされる挿通口(後述)が設けられている。
格納空間SP323に格納されている各収容部10~40(各凍結対象物91~94)を取り出そうとする場合には、シャフト部材80Aの雄ネジ部82を取り出そうとする収容部10~40の雌ネジ部材16a~46aに結合し、その後、シャフト部材80Aを上方に移動させる。シャフト部材80Aの上方への移動に伴って、対応する収容部10~40が上方へ移動し、格納空間SP323から取り出される。
【0015】
なお、各収容部10~40は重ねて配置されているため、最上部に位置する収容部40のみについては単独で取り出すことができるが、下方に位置する各収容部10,20,30については単独で取り出すことはできない。
例えば、図1に実線で示すように、シャフト部材80Aの雄ネジ部82を第1雌ネジ部材16aに結合してシャフト部材80Aを引き上げると、4つの収容部10~40を一括して取り出すことができる。図1に点線で示すように、雄ネジ部82を第2雌ネジ部材26aに結合してシャフト部材80Aを引き上げると、第1収容部10を格納空間SP323に残したまま3つの収容部20~40を一括して取り出すことができる。図1に一点鎖線で示すように、雄ネジ部82を第3雌ネジ部材36aに結合してシャフト部材80Aを引き上げると、2つの収容部10、20を格納空間SP323に残したまま2つの収容部30、40を取り出すことができる。図1に二点鎖線で示すように、雄ネジ部82を第4雌ネジ部材46aに結合してシャフト部材80Aを引き上げると、3つの収容部10から30を格納空間SP323に残したまま第4収容部40だけを取り出すことができる。
このように、シャフト部材80Aの雄ネジ部82を結合させる雌ネジ部材16a,26a,36a,46aを選択することによって、格納空間SP323から取り出す収容部10,20,30,40を選択できる。
【0016】
第1実施形態に係る収容器具100Aでは、選択した収容部10~30よりも上側の収容部20~40も一緒に引き上げられるため、選択した収容部10~30よりも上側には、選択した収容部10~30を通過させるための通路を確保しなくてもよい。その結果、格納空間SP323に格納される各収容部10~40の大きさを格納空間SP323等の大きさにあわせて最大化することができ、特許文献1,2に開示された従来の収容器具を使用した場合と比較して格納可能な凍結対象物91~94の数量を増やすことができる。
【0017】
<凍結容器300>
第1実施形態に係る収容器具100Aの説明に先立ち、収容器具100Aの収容部群1が収容される凍結容器300について説明する。
図1に示すように、凍結容器300は、内部に格納空間SP323を有する容器本体310を備えている。容器本体310は横断面が円形であって、上端部分の直径が他の部分の直径よりも小さいボトル形状である。容器本体310は、外周壁311と内周壁312を備えた二重壁構造を採っている。外周壁311と内周壁312との間は密閉されており、密閉空間SP321を形成している。
密閉空間SP321は減圧されており、外周壁311と内周壁312との間で熱が伝わり難い断熱構造を形成している。
【0018】
内周壁312よりも内側には内側空間が形成されている。内側空間における下側半部には、四角筒形状の隔壁313が設けられている。隔壁313によって、内側空間の下側半部は、隔壁313よりも外周側の冷媒室SP322と、隔壁313よりも内周側の格納空間SP323とに液密状態で仕切られている。
隔壁313は、伝熱性が高く、且つ極低温下においても使用可能な素材で作製されている。本実施形態において、隔壁313は、ステンレス鋼板で構成されているが、他の素材で構成してもよい。
【0019】
冷媒室SP322は液体窒素などの冷媒LQNが貯留される空間である。隔壁313の外周面には隔壁313の側方に延びる消波板314を設けている。消波板314は、凍結容器300の移動時における冷媒LQNの波打ちを抑制するための部材であり、上下方向に沿って間隔を空けた多段(例えば3段)に設けられている。
冷媒室SP322には、容器本体310の外部から冷媒LQNを供給するための冷媒供給管315が配置されている。冷媒供給管315の上側部分は側方に向けて屈曲されており、冷媒供給管315の先端部は容器本体310の上端部分に設けた口部316から外部に突出している。冷媒供給管315の突出部分には、冷媒LQNを冷媒室SP322へ供給する際に冷媒供給部(不図示)からの配管に連結される連結金具315aが設けられている。
また、冷媒室SP322には、冷媒室SP322内の冷媒LQNの液面高さ(冷媒LQNの貯留量)を検知する液面計317の検知部317aが配置されている。
【0020】
格納空間SP323は収容部群1が格納される空間であり、冷媒室SP322に貯留された冷媒LQNによって極低温に冷却される。なお、格納空間SP323と凍結容器300の口部316との間には上部空間SP324が設けられている。上部空間SP324は、凍結容器300が備える蓋体(不図示)が嵌合される空間である。
格納空間SP323には、収容部群1の他に台座200、及び液吸収材SPGも格納される。台座200は、各収容部10,20,30,40が液体空気LQAに触れないようにするための部材であり、第1収容部10が載置される座板201を備えている。なお、台座200については後述する。液吸収材SPGは、冷媒室SP322内の液体空気LQAを吸収する多孔質体によって作製されている。液吸収材SPGに液体空気LQAを吸収させることにより、収容部群1が液体空気LQAと接触され難くなる。
【0021】
<収容部群1>
次に、収容器具100Aが備える収容部群1(各収容部10,20,30,40)について説明する。図2は1段目(最下段)に位置する第1収容部10の斜視図、図3は2段目(中段)に位置する第2収容部20の斜視図、図4は3段目(中段)に位置する第3収容部30の斜視図、図5は4段目(最上段)に位置する第4収容部40の斜視図、図6は収容部群1の積層状態を示す斜視図である。
以下の実施形態において、第2収容部20は第1収容部10の上に載置され、第3収容部30は第2収容部20の上に載置され、第4収容部40は第3収容部30の上に載置されているが、この構成に限定されない。複数の収容部10~40を一緒に引き上げることが可能な状態で配置されていればよい。このため、上下に位置する収容部10~40同士の間にシート状の緩衝材のような別の部材が介在することにより、収容部10~40同士が上下方向に間隔を空けて配置されていてもよい。
【0022】
<第1収容部10>
図2に示す第1収容部10は、底板11、天板12、前板13、背板14、及び右側板15を備えた箱形部材であり、第1収容部10の内部空間は第1凍結対象物91(図1を参照)を収容する第1収容空所SP10である。また、左側面の開口は第1凍結対象物91の出入口OP1である。第1収容部10を構成する各板11、12、13、14、及び15は、極低温下における耐性を備えた素材、例えばステンレス鋼板が用いられている。
前板13は、底板11と天板12の間に跨がって設けられる前板本体13aと、前板本体13aの下端縁から前方に張り出した下端部分13bと、前板本体13aの上端縁から前方に張り出した上端部分13cと、を備えている。
底板11の前端部分11a、及び天板12の前端部分12aは、前板本体13aよりも前方に張り出している。そして、底板11の前端部分11a、及び前板13の下端部分13bが互いに接合されて下部突出片16を形成し、天板12の前端部分12a、及び前板13の上端部分13cが互いに接合されて上部突出片17を形成している。
【0023】
下部突出片16の上面であって、正面から見て右側の位置には、第1雌ネジ部材16aが設けられている。第1雌ネジ部材16aは、内周にシャフト部材80A(雄ネジ部82)の雄ネジと結合自在な雌ネジを形成した部材である。
本実施形態の第1雌ネジ部材16aはステンレス鋼製のナットであり、下部突出片16の上面に対して溶接によって固定されている。なお、第1雌ネジ部材16aの固定方法は、極低温下において固定状態を保つことができれば溶接に限定されない。
上部突出片17における第1雌ネジ部材16aの真上の位置には、第1上挿通口17aが設けられている。第1上挿通口17aは、シャフト部材80Aのシャフト本体81(雄ネジ部82)が挿通可能な大きさに設けられている。従って、シャフト本体81の雄ネジ部82は、第1上挿通口17aを通して第1雌ネジ部材16aに結合できる。
【0024】
上部突出片17の上面の左右両側には、一対の第1位置決め突部17bが設けられている。第1位置決め突部17bは、第2収容部20の位置を規制するために設けられている。後述するように、第2収容部20の下部突出片26には、一対の第1位置決め突部17bが嵌合する一対の第2位置決め空所26cが設けられている(図3を参照)。
第1位置決め突部17bは、例えばアーチ形状(逆U字形状)に湾曲させたステンレス鋼板によって作製されており、上部突出片17の上面に対して溶接によって固定されている。なお、上部突出片17の固定方法は、極低温下において固定状態を保つことができれば、溶接に限定されない。
【0025】
前板本体13aの左端部には前部切り欠き13dが設けられており、背板14の左端部には後部切り欠き14aが設けられている。これらの切り欠き13d,14aは、例えば第1凍結対象物91が第1収容空所SP10に収容されているか否かを外部から視認させたり、第1凍結対象物91の第1収容空所SP10からの取り出しを容易にする目的で設けられている。
底板11の左側縁(出入口OP1の下端縁)には、落下防止突起11bが設けられている。落下防止突起11bは、第1収容空所SP10に収容されている第1凍結対象物91の落下を防止する目的で設けられている。第1凍結対象物91は、第1収容部10の左側面が斜め下方に傾いたとしても、落下防止突起11bに係止されて第1収容空所SP10に留まる。
【0026】
<第2収容部20>
図3に示す第2収容部20は、基本的な構成が前述の第1収容部10と共通している。すなわち、第2収容部20も、底板21、天板22、前板23、背板24、及び右側板25を備えており、左側面に開口OP2を備えた箱形部材である。第2収容部20の内部空間は第2凍結対象物92(図1を参照)を収容する第2収容空所SP20である。そして、前板本体23aの左端部、及び背板24の左端部には、前部切り欠き23d、及び後部切り欠き24aが設けられており、底板21の左側縁には、落下防止突起21bが設けられている。第2収容部20の各部も極低温下においても損傷(例えば腐食)されない部材、例えばステンレス鋼材によって作製されている。
底板21の前端部分21a、及び前板23の下端部分23bが下部突出片26を形成し、天板22の前端部分22a、及び前板23の上端部分23cが上部突出片27を形成している。下部突出片26の左部及び右部には一対の第2位置決め空所26cが設けられている。第2位置決め空所26cは、例えば下部突出片26を四角形状に切り欠くことによって形成されており、第2収容部20を第1収容部10の上に載置する際に第1収容部10の第1位置決め突部17bが嵌合する。
【0027】
下部突出片26の右部であって、右側の第2位置決め空所26cの左側には、第2下挿通口26bが設けられている。第2下挿通口26bは、シャフト本体81が挿通可能な大きさの貫通口である。第2下挿通口26bは、第2収容部20が第1収容部10の上に載置された状態で、第1収容部10の第1上挿通口17aと位置が整合される。
下部突出片26の上面であって第2下挿通口26bの左隣には、第2雌ネジ部材26aが設けられている。第2雌ネジ部材26aは、内周にシャフト部材80Aの雄ネジと結合自在な雌ネジを形成した部材である。本実施形態の第2雌ネジ部材26aは、第1雌ネジ部材16aと同様にステンレス鋼製のナットであり、下部突出片26の上面に対して例えば溶接によって固定されている。
【0028】
上部突出片27の上面の左右両側には、一対の第2位置決め突部27bが設けられている。第2位置決め突部27bは、第3収容部30の位置を規制するために設けられている。後述するように、第3収容部30の下部突出片36には、一対の第2位置決め突部27bが嵌合する一対の第3位置決め空所36cが設けられている(図4を参照)。
第2位置決め突部27bは、第1位置決め突部17bと同様に、アーチ形状に湾曲させたステンレス鋼板によって作製されており、且つ上部突出片27に対して溶接等によって固定されている。
上部突出片27における第2下挿通口26bの真上の位置、及び第2雌ネジ部材26aの真上の位置には、2つの第2上挿通口27a1,27a2が設けられている。各第2上挿通口27a1,27a2は、シャフト本体81が挿通可能な大きさの貫通口である。
シャフト部材80Aは、第2雌ネジ部材26aの真上に設けた第2上挿通口27a2を通して第2雌ネジ部材26aに結合できる。また、シャフト部材80Aは、第2収容部20を第1収容部10の上に載置した状態において、他方の第2上挿通口27a1、第2下挿通口26b、及び第1上挿通口17aを通じて第1雌ネジ部材16aに結合できる。
【0029】
<第3収容部30>
図4に示す第3収容部30は、基本的な構成が前述の第1収容部10、及び第2収容部20と共通している。すなわち、第3収容部30も、底板31、天板32、前板33、背板34、及び右側板35を備えており、左側面に開口OP3を備えた箱形部材である。第3収容部30の内部空間は第3凍結対象物93(図1を参照)を収容する第3収容空所SP30である。そして、前板本体33aの左端部、及び背板34の左端部には、前部切り欠き33d、及び後部切り欠き34aが設けられており、底板31の左側縁には、落下防止突起31bが設けられている。第3収容部30の各部も極低温下においても損傷されない部材、例えばステンレス鋼材によって作製されている。
底板31の前端部分31a、及び前板33の下端部分33bが下部突出片36を形成し、天板32の前端部分32a、及び前板33の上端部分33cが上部突出片37を形成している。下部突出片36の左部及び右部には一対の第3位置決め空所36cが設けられている。第3位置決め空所36cは、例えば下部突出片36を四角形状に切り欠くことによって形成されており、第3収容部30を第2収容部20の上に載置する際に第2収容部20の第2位置決め突部27bが嵌合する。
【0030】
下部突出片36の右部であって、右側の第3位置決め空所36cの左側には、2つの第3下挿通口36b1,36b2が間隔を空けて設けられている。各第3下挿通口36b1,36b2は、シャフト本体81が挿通可能な貫通口である。各第3下挿通口36b1,36b2は、第3収容部30が第2収容部20の上に載置された状態で、第2収容部20の各第2上挿通口27a1,27a2と位置が整合される。
下部突出片36の上面であって左側に位置する第3下挿通口36b2の左隣には、第3雌ネジ部材36aが設けられている。第3雌ネジ部材36aは、内周にシャフト部材80Aの雄ネジと結合自在な雌ネジを形成した部材である。本実施形態の第3雌ネジ部材36aは、第1雌ネジ部材16a、及び第2雌ネジ部材26aと同様にステンレス鋼製のナットであり、下部突出片36の上面に対して溶接によって固定されている。
【0031】
上部突出片37の上面の左右両側には、一対の第3位置決め突部37bが設けられている。第3位置決め突部37bは、第4収容部40の位置を規制するために設けられている。後述するように、第4収容部40の下部突出片46には、一対の第3位置決め突部37bが嵌合する一対の第4位置決め空所46cが設けられている(図5を参照)。
第3位置決め突部37bは、第1位置決め突部17b、及び第2位置決め突部27bと同様に、アーチ形状に湾曲させたステンレス鋼板によって作製されており、且つ上部突出片37に対して溶接等によって固定されている。
上部突出片37における各第3下挿通口36b1,36b2の真上の位置、及び第3雌ネジ部材36aの真上の位置には、3つの第3上挿通口37a1,37a2,37a3が設けられている。各第3上挿通口37a1,37a2,37a3はシャフト本体81が挿通可能な大きさの貫通口である。
【0032】
シャフト部材80Aは、第3雌ネジ部材36aの真上に設けた第3上挿通口37a3を通して第3雌ネジ部材36aに結合できる。また、シャフト部材80Aは、第3収容部30を第2収容部20の上に載置した状態において、左右中央の第3上挿通口37a2、第3雌ネジ部材36aの右隣の第3下挿通口36b2、及び第2雌ネジ部材26aの真上に設けた第2上挿通口27a2を通して第2雌ネジ部材26aに結合できる。さらに、シャフト部材80Aは、第3収容部30を第2収容部20の上に載置し、且つ第2収容部20を第1収容部10の上に載置した状態において、右側の第3上挿通口37a1、右側の第3下挿通口36b1、右側の第2上挿通口27a1、第2下挿通口26b、及び第1上挿通口17aを通して第1雌ネジ部材16aに結合できる。
【0033】
<第4収容部40>
図5に示す第4収容部40は、基本的な構成が前述の各収容部10~30と共通している。すなわち、第4収容部40も、底板41、天板42、前板43、背板44、及び右側板45を備えており、左側面に開口OP4を備えた箱形部材である。第4収容部40の内部空間は第4凍結対象物94(図1を参照)を収容する第4収容空所SP40である。そして、前板本体43aの左端部、及び背板44の左端部には、前部切り欠き43d、及び後部切り欠き44aが設けられており、底板41の左側縁には、落下防止突起41bが設けられている。第4収容部40の各部も極低温下においても損傷されない部材、例えばステンレス鋼材によって作製されている。
底板41の前端部分41a、及び前板43の下端部分43bが下部突出片46を形成し、天板42の前端部分42a、及び前板43の上端部分43cが上部突出片47を形成している。下部突出片46の左部及び右部には一対の第4位置決め空所46cが設けられている。第4位置決め空所46cは、例えば下部突出片46を四角形状に切り欠くことによって形成されており、第4収容部40を第3収容部30の上に載置する際に第3収容部30の第3位置決め突部37bが嵌合する。
【0034】
下部突出片46の右部であって、右側の第4位置決め空所46cの左側には、3つの第4下挿通口46b1,46b2,46b3が間隔を空けて設けられている。各第4下挿通口46b1,46b2,46b3は、シャフト本体81が挿通可能な大きさの貫通口である。各第4下挿通口46b1,46b2,46b3は、第4収容部40が第3収容部30の上に載置された状態で、第3収容部30の各第3上挿通口37a1,37a2,37a3と位置が整合される。
下部突出片46の上面であって左側に位置する第4下挿通口46b3の左隣には、第4雌ネジ部材46aが設けられている。第4雌ネジ部材46aは、内周にシャフト部材80Aの雄ネジと結合自在な雌ネジを形成した部材である。本実施形態の第4雌ネジ部材46aは、前述の各雌ネジ部材と同様にステンレス鋼製のナットであり、下部突出片46の上面に対して溶接によって固定されている。
上部突出片47における各第4下挿通口46b1,46b2,46b3の真上の位置、及び第4雌ネジ部材46aの真上の位置には、4つの第4上挿通口47a1,47a2,47a3,47a4が設けられている。各第4上挿通口47a1,47a2,47a3,47a4はシャフト本体81が挿通可能な大きさの貫通口である。
【0035】
図6に示すように、収容部群1の各収容部10,20,30,40が積層された状態において、シャフト部材80Aは、第4雌ネジ部材46aの真上に設けた第4上挿通口47a4を通して第4雌ネジ部材46aに結合できる。そして、シャフト部材80Aは、左から2番目の第4上挿通口47a3、第4雌ネジ部材46aの右隣の第4下挿通口46b3、及び第3雌ネジ部材36aの真上に設けた第3上挿通口37a3を通して第3雌ネジ部材36aに結合できる。
同様に、シャフト部材80Aは、左から3番目の第4上挿通口47a2、左右中央の第4下挿通口46b2、左右中央の第3上挿通口37a2、第3雌ネジ部材36aの右隣の第3下挿通口36b2、及び第2雌ネジ部材26aの真上に設けた第2上挿通口27a2を通して第2雌ネジ部材26aに結合できる。さらに、シャフト部材80Aは、最も右側の第4上挿通口47a1、右側の第4下挿通口46b1、右側の第3上挿通口37a1、右側の第3下挿通口36b1、右側の第2上挿通口27a1、第2雌ネジ部材26aの右側の第2下挿通口26b、及び第1雌ネジ部材16aの真上に設けた第1上挿通口17aを通して第1雌ネジ部材16aに結合できる。
【0036】
<シャフト部材80A>
図7はシャフト部材80Aを説明する図である。図7に示すように、シャフト部材80Aは、棒状のシャフト本体81と、シャフト本体81の先端部に設けた雄ネジ部82と、シャフト本体81の基端に設けたハンドル83と、を備えている。
本実施形態において、シャフト本体81は、ステンレス鋼製の丸棒であって、それぞれが凍結対象物91,92,93,94を収容した4つの収容部10,20,30,40をまとめて持ち上げることができる剛性を備えた丸棒によって構成されている。雄ネジ部82の外周面には、前述した各雌ネジ部材16a,26a,36a,46aに結合可能な雄ネジが外周面に形成されている。ハンドル83は、シャフト本体81を軸中心に回転させたり、凍結対象物群90を収容した収容部群1を格納空間SP323に対して出し入れする際に把持される部分である。本実施形態のハンドル83は、いわゆるT字ハンドルであり、棒状部材をシャフト本体81の基端に対して、シャフト本体81の軸方向とは直交する向きに溶接等によって固定することで設けられている。
【0037】
<台座200>
図8(a)は台座200の正面図、図8(b)は台座200の左側面図、図8(c)は台座200の平面図、図8(d)は台座200の斜視図である。
液体窒素等の冷媒LQNによって凍結容器300の格納空間SP323が極低温に冷却されると、格納空間SP323の空気が液状化し、液体空気LQAになって格納空間SP323に溜まる。図8に示す台座200は、収容部群1(各収容部10,20,30,40)の液体空気LQAとの接触を抑制するための部材であり、収容部群1を格納空間SP323の底面よりも上方に配置する目的で使用される。
図8(a)~(d)に示すように、台座200は、平面視で四角形状の座板201と、座板201の一側縁(例えば図8(a)の左側縁)、及び一側縁とは反対側の他側縁(例えば図8の右側縁)のそれぞれから下方に向けて延びる一対の脚部202(第1脚部202a、第2脚部202b)と、座板201の他側縁から上方に向けて延びる案内部203と、を備えている。台座200は、極低温下における耐性を備えた素材、例えばステンレス鋼板によって作製されている。
【0038】
座板201は、収容部群1(図6の例では最下部に位置する第1収容部10)が載置される板状部材であり、中心部には円形の開口201aが設けられている。開口201aには、台座200の移動時に作業者の指や操作棒(不図示)の先端に設けたフックが挿入される。
座板201の一側縁に設けられた第1脚部202aは、四角形状の板状部材によって構成されている。本実施形態において、第1脚部202aは、一枚のステンレス鋼板を屈曲させることにより、座板201と一体に設けられている。座板201の他側縁に設けられた第2脚部202bは、前側縁と後側縁のそれぞれに右側に屈曲された屈曲片202b1を備えた板状部材によって構成されている。第1脚部202a、及び第2脚部202bは、台座200が格納空間SP323に差し入れられると、下端が格納空間SP323の底面に当接される。これにより、座板201は、第1脚部202a、及び第2脚部202bの高さ分だけ、格納空間SP323の底面から上方に配置される。
【0039】
案内部203は、収容部群1を格納空間SP323に対して出し入れする際に、各収容部10,20,30,40を案内するための部材であり、各収容部10,20,30,40の右側面が接触する案内面203aを備えている。
案内面203aは、座板201の他側縁(例えば図8(a)の右側縁)から上方に延びている。各収容部10,20,30,40の右側面を案内面203aに沿って摺動させると、収容部群1を格納空間SP323との間で円滑に出し入れすることができる。
また、案内部203の前側縁と後側縁のそれぞれには右側に屈曲された屈曲片203bが設けられている。本実施形態において、案内部203は、一枚のステンレス鋼板を屈曲させることにより、第2脚部202bと一体に設けられている。
【0040】
<ガイド部材>
図9(a)はガイド部材400の平面図、図9(b)はガイド部材400の正面図、図10はガイド部材400を取り付けた凍結容器300の平面図である。
凍結容器300の格納空間SP323は極低温に冷却されるため、凍結容器300の上部空間SP324では空気中の水分によって靄がかかり、格納空間SP323の視認が困難になる場合がある。ガイド部材400は格納空間SP323の視認が困難な状況になっても、シャフト部材80Aの先端(下端)を各収容部10,20,30,40が備える各雌ネジ部材16a,26a,36a,46aへ案内する部材である。
【0041】
図9(a)及び(b)に示すように、ガイド部材400は、平面視で略台形状のガイド本体401と、ガイド本体401の上面に設けられた左右一対の把手402と、を備えている。ガイド本体401の左右中央部には、後端縁から前方に向かって4本の案内溝411,412,413,414が設けられている。
各案内溝411~414の幅はシャフト本体81の幅に整合されており、各案内溝411~414の左右方向の間隔は上述した4つの第4上挿通口47a1~47a4のピッチに整合している(図10を参照)。また、各案内溝411~414の長さは揃えられている。
ガイド本体401の左右両端部には、一対の位置決め孔403が形成されている。図10に示すように、ガイド部材400は、凍結容器300の口部316に取り付けられる。例えば、口部316の上面に設けられている各固定ネジ318にガイド本体401の各位置決め孔403の位置を合わせ、位置決め孔403の内側に固定ネジ318を嵌め込むことにより、ガイド部材400が口部316の所定位置に取り付けられる。
【0042】
ガイド部材400が口部316に取り付けられると、4つの案内溝411~414の前端部はそれぞれ対応する第4上挿通口47a1~47a4の真上に位置付けられる。従って、シャフト本体81を所望の案内溝411~414に挿入して案内溝411~414の前端部まで移動させ、その後、シャフト本体81を下方に移動させることにより、シャフト本体81の先端部を対応する第4上挿通口47a1~47a4へ容易に挿入できる。
さらに、シャフト本体81が第4上挿通口47a1~47a4に挿入された状態でシャフト本体81を案内溝411~414の前端部に押し付けると、シャフト本体81の角度が固定される。シャフト本体81の角度が固定された状態でシャフト部材80Aを下方向に移動させると、雄ネジ部82を対応する雌ネジ部材16a~46aに案内できる。
なお、ガイド部材400は、雄ネジ部82が対応する雌ネジ部材16a~46aに結合されると口部316から取り外される。
【0043】
<収容器具100Aの使用方法>
次に第1実施形態の収容器具100Aの使用方法について説明する。
図11は台座200を凍結容器300の格納空間SP323に格納する手順を説明する図、図12は凍結対象物群90を収容した収容器具100Aを凍結容器300の格納空間SP323に格納する手順を説明する図、図13は格納空間SP323に格納された複数の凍結対象物91~94の中から一部の凍結対象物93,94を取り出す際の手順を説明する図、図14は格納空間SP323に格納された複数の凍結対象物91~94を全て取り出す際の手順を説明する図である。
以下の説明において、凍結対象物91~94は、例えば箱に収納された複数のバイアル瓶であり、図12図14ではバイアル瓶を収納した箱を描いている。
【0044】
図11に示すように、台座200を凍結容器300の格納空間SP323に格納する。台座200の格納は、例えば座板201に設けた開口201a(図8(c)を参照)に操作棒のフック(不図示)の先端部や作業者の指を引っ掛け、操作棒や作業者の腕を格納空間SP323に差し入れることで行う。なお、図示の例では、台座200を格納するよりも前に液吸収材SPGを格納空間SP323に格納している。
図12に示すように、台座200を格納した後、収容部群1(凍結対象物群90)を格納空間SP323に格納する。図示の例では、第1凍結対象物91を収容した第1収容部10の上に第2凍結対象物92を収容した第2収容部20を載置し、第2収容部20の上に第3凍結対象物93を収容した第3収容部30を載置し、第3収容部30の上に第4凍結対象物94を収容した第4収容部40を載置している。そして、第1収容部10が備える第1雌ネジ部材16aにシャフト部材80Aの雄ネジ部82を結合している。
【0045】
作業者は、シャフト部材80Aのハンドル83を把持して収容部群1を格納空間SP323に格納する。収容部群1を格納する際に、収容部群1の右側面を台座200の案内面203aに当接させた状態で収容部群1を下降させると、収容部群1を円滑に格納空間SP323へ格納できる。
収容部群1を座板201の上に載置した後、シャフト部材80Aを雄ネジ部82の逆進方向に回転させてシャフト部材80Aと第1雌ネジ部材16aの結合状態を解き、シャフト部材80Aを引き上げることによって収容部群1の格納空間SP323への格納が終了する。
【0046】
格納空間SP323に格納された各収容部10~40(各凍結対象物91~94)を取り出す場合には、図10で説明したように、シャフト部材80Aの結合に先立ってガイド部材400を凍結容器300の口部316に取り付ける。
この場合、取り出し対象の収容部10~40が備える雌ネジ部材16a~46aにシャフト部材80Aの雄ネジ部82を結合する。この場合において、シャフト本体81を所望の案内溝411~414(図10を参照)に挿入して案内溝411~414の前端部まで移動させ、その後、シャフト本体81を下方に移動させることにより、シャフト本体81の第4上挿通口47a1~47a4への挿入が容易になる。その結果、所望の雌ネジ部材16a~46aと雄ネジ部82との結合が容易に行える。
雄ネジ部82を対応する雌ネジ部材16a~46aに結合した後、ガイド部材400を口部316から取り外す。
【0047】
図13に実線で示すように、シャフト本体81を左から2番目の第4上挿通口47a3に挿入して雄ネジ部82の先端(下端)を第3雌ネジ部材36aに当接させ、且つシャフト本体81を雄ネジの前進方向に回転させると、雄ネジ部82と第3雌ネジ部材36aとが結合される。雄ネジ部82が第3雌ネジ部材36aに結合された状態でシャフト部材80Aを引き上げると、第1収容部10(第1凍結対象物91)、及び第2収容部20(第2凍結対象物92)を凍結容器300の格納空間SP323に残したまま、第3収容部30(第3凍結対象物93)、及び第4収容部40(第4凍結対象物94)を取り出すことができる。
図13に点線で示すように、シャフト本体81を左端の第4上挿通口47a4に挿入して雄ネジ部82と第4雌ネジ部材46aとを結合し、その後、シャフト部材80Aを引き上げると、第4収容部40(第4凍結対象物94)だけを凍結容器300の格納空間SP323から取り出すことができる。
図14に示すように、シャフト本体81を右端の第4上挿通口47a1に挿入して雄ネジ部82と第1雌ネジ部材16aとを結合し、その後、シャフト部材80Aを引き上げると、第1収容部10(第1凍結対象物91)~第4収容部40(第4凍結対象物94)を一括して凍結容器300の格納空間SP323から取り出すことができる。
【0048】
このように、第1実施形態の収容器具100Aを用いると、シャフト部材80Aを結合する雌ネジ部材16a~46aを選択することにより、取り出し対象ではない凍結対象物を格納空間SP323に残したまま取り出し対象の凍結対象物を取り出すことができる。
例えば、シャフト部材80Aを第2収容部20の第2雌ネジ部材26aに結合し、その後、シャフト部材80Aを引き上げると、第1収容部10(第1凍結対象物91)を格納空間SP323に残したまま、第2収容部20(第2凍結対象物92)、第3収容部30(第3凍結対象物93)、及び第4収容部40(第4凍結対象物94)を取り出すことができる。
本実施形態に係る収容器具100Aにおいて、選択した収容部よりも上方には、選択した収容部を通過させるための通路を確保しなくてもよい。このため、格納空間SP323に格納される各収容部10~40の大きさを格納空間SP323にあわせて最大化することができ、従来の収容器具を使用した場合と比較して凍結対象物の数量を増やすことができる。
【0049】
<第2実施形態>
図15(a)は第2実施形態に係る収容器具100Bが備える1段目(最下段)の第1収容部10Bの斜視図、図15(b)は2段目(中段)の第2収容部20Bの斜視図、図15(c)は各雌ネジ部材16B,26Bの断面図、図15(d)はシャフト部材80Aの雄ネジ部82を第2雌ネジ部材26Bに螺合させた状態を説明する断面図である。
前述した第1実施形態の収容器具100Aでは、各雌ネジ部材16a~46aをステンレス鋼製のナットで構成し、且つ下部突出片16~46の上面に対して溶接によって固定していた。このため、各雌ネジ部材16a~46aの下端は、下部突出片16~46によって塞がれていた。
ここで、シャフト部材80Aが備える雄ネジ部82の有効ネジ長さが各雌ネジ部材16a~46aの雌ネジの長さよりも長かった場合、シャフト部材80Aの雄ネジ部82を各雌ネジ部材16a~46aに対して締め込み過ぎてしまうと、シャフト部材80Aによって下部突出片16~46が押し下げられてしまう。その結果、各雌ネジ部材16a~46aが下部突出片16~46から外れてしまう恐れがあった。
このような事情に鑑み、第2実施形態に係る収容器具100Bでは、各雌ネジ部材(図15では第1雌ネジ部材16B,第2雌ネジ部材26Bを示す)として軸方向に貫通する雌ネジを内周面に形成したものを用いている。そして、各雌ネジ部材を、下部突出片に対して、雌ネジの下端を開放した状態で取り付けた構成が特徴的である。
以下、第2実施形態に係る収容器具100Bについて説明をするが、第1実施形態に係る収容器具100Aと同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0050】
図15(a)に示すように、第2実施形態に係る収容器具100Bの第1収容部10Bもまた、底板11、天板12、前板13、背板14、及び右側板15を備えており、左側面に第1凍結対象物91の出入口OP1が設けられている。
底板11の前端部分11a、及び前板13の下端部分13bが互いに接合されて下部突出片16を形成し、天板12の前端部分12a、及び前板13の上端部分13cが互いに接合されて上部突出片17を形成している。
下部突出片16には第1雌ネジ部材16Bが固定されている。
【0051】
図15(c)に示すように、第1雌ネジ部材16Bは、中空円筒形の雌ネジ本体161と、雌ネジ本体161の内周面に設けられた雌ネジ162と、雌ネジ本体161の下端から半径方向の外側に向けて延出されたフランジ部163と、を備えている。
雌ネジ本体161は下部突出片16に設けられた取り付け開口16dに下側から挿入されており、フランジ部163は下部突出片16の下面に当接されている。例えば、底板11の前端部分11aには、フランジ部163の外径よりも一回り大きな開口が設けられており、フランジ部163をこの開口内に配置している。
本実施形態において、第1雌ネジ部材16Bは、雌ネジ本体161と下部突出片14の上面を溶接し、且つフランジ部163と下部突出片46の下面を溶接することにより、下部突出片16に固定されている。図示は省略するが、本実施形態の台座200は、座板201における第1雌ネジ部材16Bの直下に、シャフト本体81の雄ネジ部82が挿通自在な座板側挿通口を備えている。
上部突出片17には、2つの第1上挿通口17a1,17a2が設けられている。一方の第1上挿通口17a1は第1雌ネジ部材16Bの真上の位置に設けられており、他方の第1上挿通口17a2は一方の第1上挿通口17a1の左隣に設けられている。
【0052】
図15(b)に示すように、第2実施形態に係る収容器具100Bの第2収容部20Bもまた、底板21、天板22、前板23、背板24、及び右側板25を備えており、左側面に第2凍結対象物92の出入口OP2が設けられている。
第2収容部20Bの下部突出片26には第2下挿通口26bが設けられており、第2下挿通口26bの左隣には第2雌ネジ部材26Bが固定されている。
図15(c)に示すように、第2雌ネジ部材26Bは、第1雌ネジ部材16Bと同じく、雌ネジ本体161、雌ネジ162、及びフランジ部163を備えている。雌ネジ本体161は取り付け開口26dに下側から挿入されており、溶接によって下部突出片26に固定されている。そして、第2雌ネジ部材26Bは、第2収容部20Bが第1収容部10Bの上に載置されると、第1収容部10Bの第1上挿通口17a2の直上に配置される。
上部突出片27には、3つの第2上挿通口27a1,27a2,27a3を左右方向に沿って等間隔に設けている。右側の第2上挿通口27a1は第2下挿通口26bの真上の位置に設けられており、中央の第2上挿通口27a2は第2雌ネジ部材26Bの真上の位置に設けられている。
【0053】
図15(d)に示すように、第2収容部20Bを第1収容部10Bの上に載置すると、第2雌ネジ部材26Bの下端開口は、第1収容部10Bの第1上挿通口17a2と位置が整合される。このため、シャフト部材80Aを第2雌ネジ部材26Bに締め込み過ぎたとしても、シャフト部材80Aの雄ネジ部82は第1上挿通口17a2を通過する。従って、第2雌ネジ部材26Bが第2収容部20Bの下部突出片26から外れてしまう不都合が抑制される。
同様に、第1収容部10Bを座板201の上に載置すると、第1雌ネジ部材16Bの下端開口は座板201に設けた座板側挿通口201b(図8(c)に点線で記載)と位置が整合される。このため、シャフト部材80Aを第1雌ネジ部材16Bに締め込み過ぎたとしても、シャフト部材80Aの下端部は座板側挿通口201bを通過する。従って、第1雌ネジ部材16Bが第1収容部10Bの下部突出片16から外れてしまう不都合が抑制される。
なお、図示は省略するが、第2実施形態に係る収容器具100Bにおいて、第3収容部、及び第4収容部についても、第1収容部10B、及び第2収容部20Bと同様に構成される。
【0054】
<第3実施形態>
図16(a)は第3実施形態に係る収容器具100Cが備える1段目(最下段)の収容部10Cの斜視図、図16(b)は2、3段目(中段)の収容部20C,30Cの斜視図、図16(c)は4段目(最上段)の収容部40Cの斜視図、図17は第3実施形態に係る収容器具100Cの使用方法を説明する図である。
前述した第1,2実施形態の収容器具100A,100Bでは、各収容部10~40,10B,20Bが備える各雌ネジ部材16a~46a,16B,26Bに関し、平面視において位置をずらして設けていたが、この構成に限定されない。
【0055】
第3実施形態に係る収容器具100Cでは、各収容部10C~40Cを積層した状態において、各雌ネジ部材16C~46Cの平面視における位置を整合させた構成が特徴的である。
以下、第3実施形態に係る収容器具100Cについて説明をするが、第1,2実施形態に係る収容器具100A,100Bと同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0056】
図16(a)に示すように、第3実施形態に係る収容器具100Cの第1収容部10Cもまた、底板11、天板12、前板13、背板14、及び右側板15を備えており、左側面に第1凍結対象物91の出入口OP1が設けられている。
底板11の前端部分11a、及び前板13の下端部分13bが互いに接合されて下部突出片16を形成し、天板12の前端部分12a、及び前板13の上端部分13cが互いに接合されて上部突出片17を形成している。
第1雌ネジ部材16Cは、下部突出片46と上部突出片47との間隔に相当する長さの円筒形部材であり、内周面にはシャフト部材80Cの雄ネジ部82C(図17を参照)に設けた雄ネジと結合自在な雌ネジが設けられている。第1雌ネジ部材16Cは、例えばステンレス鋼材によって構成されており、下部突出片16と上部突出片17のそれぞれに対して溶接等によって固定されている。第3実施形態において、第1雌ネジ部材16Cは、下部突出片16、及び上部突出片17における左右方向の略中間位置に固定されている。
【0057】
下部突出片16における第1雌ネジ部材16Cの直下(詳しくは第1雌ネジ部材16Cが備える雌ネジの直下)には、シャフト本体81が挿通自在な大きさの第1下挿通口(不図示)が設けられている。同様に、上部突出片47における第1雌ネジ部材16Cの直上(詳しくは第1雌ネジ部材16Cが備える雌ネジの直上)には、シャフト本体81が挿通自在な大きさの第1上挿通口17aが設けられている。従って、シャフト部材80Cの雄ネジ部82Cは、第1雌ネジ部材16Cとの結合時において、下端部を下部突出片16から突出させることができる。
【0058】
図16(b)に示すように、第2収容部20C、及び第3収容部30Cもまた、底板21,31、天板22,32、前板23,33、背板24,34、及び右側板25,35を備えており、左側面に第2凍結対象物92の出入口OP2、及び第3凍結対象物93の出入口OP3が設けられている。
底板21の前端部分21a、及び前板23の下端部分23bが互いに接合されて下部突出片26を形成し、天板22の前端部分22a、及び前板23の上端部分23cが互いに接合されて上部突出片27を形成している。同様に、底板31の前端部分31a、及び前板33の下端部分33bが互いに接合されて下部突出片36を形成し、天板32の前端部分32a、及び前板33の上端部分33cが互いに接合されて上部突出片37を形成している。
第2雌ネジ部材26C、及び第3雌ネジ部材36Cは、上述した第1雌ネジ部材16Cと同じ構成を備えており、例えば下部突出片26,36と上部突出片27,37のそれぞれに対して溶接等によって固定されている。そして、第2雌ネジ部材26C、及び第3雌ネジ部材36Cもまた、第1雌ネジ部材16Cと同様に、下部突出片26,36、及び上部突出片27,37における左右方向の略中間位置に固定されている。従って、第2収容部20Cを第1収容部10Cの上に載置し、且つ第3収容部30を第2収容部20Cの上に載置した状態で、各収容部10C,20C,30Cを上から見ると、第2雌ネジ部材26C、及び第3雌ネジ部材36Cは、第1雌ネジ部材16Cと位置が整合されている。
【0059】
下部突出片16における第2雌ネジ部材26Cの直下には第2下挿通口(不図示)が設けられており、上部突出片47における第2雌ネジ部材26Cの直上には第2上挿通口27aが設けられている。同様に、下部突出片16における第3雌ネジ部材36Cの直下には第3下挿通口(不図示)が設けられており、上部突出片47における第3雌ネジ部材36Cの直上には第3上挿通口37aが設けられている。
従って、シャフト部材80Cの雄ネジ部82Cは、第2雌ネジ部材26Cや第3雌ネジ部材36Cとの結合時において、下端部を下部突出片26,27から突出させることができる。
【0060】
図16(c)に示すように、第4収容部40Cもまた、底板41、天板42、前板43、背板44、及び右側板45を備えており、左側面に第4凍結対象物94の出入口OP4が設けられている。
底板41の前端部分41a、及び前板43の下端部分43bが互いに接合されて下部突出片46を形成し、天板42の前端部分42a、及び前板43の上端部分43cが互いに接合されて上部突出片47を形成している。
第4雌ネジ部材46Cもまた、上述した第1雌ネジ部材16Cと同じ構成を備えており、例えば下部突出片46と上部突出片47における左右方向の略中間位置に溶接等で固定されている。従って、積層された各収容部10C~40Cを上から見ると、各雌ネジ部材16C~46Cの位置は整合されている。
また、下部突出片46における第4雌ネジ部材46Cの直下には第4下挿通口(不図示)が設けられており、上部突出片47における第4雌ネジ部材46Cの直上には第4上挿通口47aが設けられている。従って、シャフト部材80Cの雄ネジ部82Cは、第4雌ネジ部材46Cとの結合時において、下端部を下部突出片46から突出させることができる。
【0061】
第3実施形態に係る収容器具100Cにおいて、各雌ネジ部材16C~46Cは、雌ネジの周方向位置をシャフト部材80Cの雄ネジ部82Cの雄ネジに整合させて、下部突出片16~46、及び上部突出片17~47に固定されている。
図17に示すように、各収容部10C~40Cの積層状態においてシャフト本体81を正方向に回転させると、雄ネジ部82Cの先端部分は、最初に第4雌ネジ部材46Cと結合し、次に第3雌ネジ部材36Cと結合する。さらに、シャフト本体81を正方向に回転させると、雄ネジ部82Cの先端部分は、第2雌ネジ部材26C、及び第1雌ネジ部材16Cへと順に結合する。
【0062】
シャフト部材80Cは、例えばステンレス鋼製の丸棒によって作製されており、棒状のシャフト本体81と、シャフト本体81の軸方向中間位置から先端側に設けた雄ネジ部82Cと、シャフト本体81の軸方向中間位置から基端側に設けた目盛り部84Cと、シャフト本体81の基端に設けられたハンドル83と、を備えている。
雄ネジ部82Cには、各雌ネジ部材16C~46Cの雌ネジと結合可能な雄ネジが設けられている。目盛り部84Cは、雄ネジ部82Cの各雌ネジ部材16C,26C,36C,46Cへの挿入深度を示すものであり、図17の例では周方向に沿って設けた目盛りを軸方向に沿って間隔を空けて4本備えている。
【0063】
4本の目盛りの中で最もハンドル83側に設けた第1目盛り84aは、第1収容部10Cに対応している。例えば、第1目盛り84aが凍結容器300の口部316の高さになるまでシャフト本体81を各雌ネジ部材16C~46Cの内部に進入させると、雄ネジ部82Cの先端部分は第1雌ネジ部材16Cに位置する。従って、第1目盛り84aを凍結容器300の口部316の高さまで進入させた状態でシャフト部材80Cを引き上げると、4つの収容部10C~40Cをまとめて凍結容器300から取り出すことができる。
ハンドル83側から2番目の第2目盛り84bは、第2収容部20Cに対応している。例えば、第2目盛り84bが凍結容器300の口部316の高さになるまでシャフト本体81を各雌ネジ部材26C~46Cの内部に進入させると、雄ネジ部82Cの先端部分は第2雌ネジ部材26Cに位置する。従って、第2目盛り84bを凍結容器300の口部316の高さまで進入させた状態でシャフト部材80Cを引き上げると、第1収容部10Cを凍結容器300に残したまま、第2収容部20C、第3収容部30C、及び第4収容部40Cをまとめて凍結容器300から取り出すことができる。
【0064】
ハンドル83側から3番目の第3目盛り84cは、第3収容部30Cに対応している。例えば、第3目盛り84cが凍結容器300の口部316の高さになるまでシャフト本体81を各雌ネジ部材36C,46Cの内部に進入させると、雄ネジ部82Cの先端部分は第3雌ネジ部材36Cに位置する。従って、第3目盛り84cを凍結容器300の口部316の高さまで進入させた状態でシャフト部材80Cを引き上げると、第1収容部10C、及び第2収容部20Cを凍結容器300に残したまま、第3収容部30C、及び第4収容部40Cをまとめて凍結容器300から取り出すことができる。
最も雄ネジ部82Cに近い第4目盛り84dは、第4収容部40Cに対応している。例えば、第4目盛り84dが凍結容器300の口部316の高さになるまでシャフト本体81を第4雌ネジ部材46Cの内部に進入させると、雄ネジ部82Cの先端部分は第3雌ネジ部材36Cには届かない。従って、第4目盛り84dを凍結容器300の口部316の高さまで進入させた状態でシャフト部材80Cを引き上げると、第1収容部10C、第2収容部20C、及び第3収容部30Cを凍結容器300に残したまま、第4収容部40Cだけを凍結容器300から取り出すことができる。
【0065】
なお、第3実施形態に係る収容器具100Cにおいて、第1雌ネジ部材16Cについては下端が塞がっている有底の雌ネジ部材を用いてもよい。また、下部突出片16には第1下挿通口を設けなくてもよい。
【0066】
<その他の実施形態>
第1実施形態に係る収容器具100Aにおいて、シャフト部材80Cに結合される被結合部は雌ネジ部材16a~46aによって構成されていたが、この構成に限定されない。
図18は第4実施形態に係る収容器具100Dを説明する図である。第4実施形態に係る収容器具100Dでは、収容部群1Dを構成する各収納部10D,20D,30D,40Dは、シャフト部材80Dに結合される被結合部として雄ネジ部材16D,26D,36D,46Dを備えている。各雄ネジ部材16D~46Dは、外周面に雄ネジを形成した雄ネジ部を備えており、例えば六角ボルトによって構成されている。そして、雄ネジ部を上方に向けて下端部を下部突出片16~46に固定している。これに伴い、シャフト部材80Dのシャフト本体81の下端には、各雄ネジ部材16D~46Dの雄ネジ部と結合自在な雌ネジ部82Dを設けている。雌ネジ部82Dは、内周面に雌ネジを形成した筒状部材である。
第4実施形態に係る収容器具100Dでも、第1実施形態に係る収容器具100Aと同様の作用効果を奏する。
【0067】
上述した各実施形態に係る収容器具100A,100B,100C,100Dでは、シャフト部材80A,80C,80Dが各収容部10~40等に対して着脱自在に構成されていたが、この構成に限定されない。図19は第5実施形態に係る収容器具100Eを説明する図である。
第5実施形態に係る収容器具100Eでは、第1実施形態の各雌ネジ部材(被結合部)16a~46aに替えてシャフト部80E1,80E2,80E3,80E4を一体に設けた点が特徴的である。従って、図19に記載されていない収容部群1E(各収容部10E,20E,30E,40E)の構成については、図2図5に記載されている第1実施形態の各収容部10~40と同じである。このため、詳細な説明は省略する。
【0068】
図19に示すように、第1収容部10Eに設けた第1シャフト部80E1は、第2収容部20Eの第2下挿通口26b、及び第2上挿通口27a1と、第3収容部30Eの第3下挿通口36b1、及び第3上挿通口37a1と、第4収容部40Eの第4下挿通口46b1、及び第4上挿通口47a1とを通じて、上端部が第4収容部40の天板42よりも上方に配置される。
第2収容部20Eに設けた第2シャフト部80E2は、第3収容部30Eの第3下挿通口36b2、及び第3上挿通口37a2と、第4収容部40の第4下挿通口46b2、及び第4上挿通口47a2とを通じて、上端部が第4収容部40の天板42よりも上方に配置される。同様に、第3収容部30Eに設けた第3シャフト部80E3は、第4収容部40の第4下挿通口46b3、及び第4上挿通口47a3を通じて、上端部が第4収容部40の天板42よりも上方に配置される。
また、第4収容部40に設けた第4シャフト部80E4は、上端部が第4収容部40の天板42よりも上方に配置される。
【0069】
第5実施形態に係る収容器具100Eでは、第4収容部40Eの天板42よりも上方に配置された各シャフト部80E1,80E2,80E3,80E4の上端部を選択的に把持して引き上げることにより、凍結容器300から所望の収容部10E,20E,30E,40E(凍結対象物91,92,93,94)を取り出すことができる。
例えば、第1シャフト部80E1の上端部を引き上げることにより、第1収容部10E~第4収容部40Eを取り出すことができる。そして、第2シャフト部80E2の上端部を引き上げることにより、第1収容部10Eを残したまま、第2収容部20E~第4収容部40Eを取り出すことができる。同様に、第3シャフト部80E3の上端部を引き上げることにより、第1収容部10E、及び第2収容部20Eを残したまま、第3収容部30E、及び第4収容部40Eを取り出すことができ、第4シャフト部80E4の上端部を引き上げることにより、第1収容部10E~第3収容部30Eを残したまま、第4収容部40Eのみを取り出すことができる。
【0070】
図20は第6実施形態に係る収容器具100Fを説明する図である。第6実施形態に係る収容器具100Fでも、第5実施形態に係る収容器具100Eと同様に、各収容部10F,20F,30F,40Fにシャフト部80F1,80F2,80F3,80F4を一体に結合した構成が特徴的である。
第6実施形態に係る収容器具100Fは、凍結対象物91,92,93,94を収容する各収容部10F,20F,30F,40Fと、一部が各収容部10F,20F,30F,40Fに結合されたシャフト部80F1,80F2,80F3,80F4と、を備えている。
収容部群1Fは、座板201の上に載置される第1収容部10Fと、第1収容部10Fの上に載置される第2収容部20Fと、第2収容部20Fの上に載置される第3収容部30Fと、第3収容部30Fの上に載置される第4収容部40Fと、を備えている。
シャフト部80F1,80F2,80F3,80F4は、第1収容部10Fに結合された第1シャフト部80F1と、第2収容部20Fに結合された第2シャフト部80F2と、第3収容部30Fに結合された第3シャフト部80F3と、第4収容部40Fに結合された第4シャフト部80F4と、を備えている。
本実施形態において、各シャフト部80F1,80F2,80F3,80F4の長さは異なっており、第1シャフト部80F1が最も長く、第2シャフト部80F2が2番目に長く、第3シャフト部80F3が3番目に長く、第4シャフト部80F4が最も短い。
【0071】
第1収容部10Fは、第1底板11Fと、第1底板11Fの上面に設けられた第1側壁12Fと、を備えている。第1側壁12Fは短尺の円筒形状をしており、下端部が第1底板11に溶接等によって固定されている。第1収容部10Fにおける第1側壁12Fの内周側の空間は、凍結対象物を収容する収容空所である。なお、第6実施形態に係る収容器具100Fにおいて、凍結対象物は第1側壁12Fの内周側の空間に収容されるものとされる。第1シャフト部80F1の下端は、第1底板11Fにおける第1側壁12Fよりも外周側の位置で固定されている。また、第1シャフト部80F1の上端部は逆U字形状に折り返されている。
第2収容部20F~第4収容部40Fは、第1収容部10Fと同様に構成されている。例えば、第2収容部20Fは第2底板21F、及び第2側壁22Fを備え、第3収容部30Fは第3底板31F、及び第3側壁32Fを備え、第4収容部40Fは第4底板41F、及び第4側壁42Fを備えている。そして、第2シャフト部80F2の下端は第2底板21Fに固定され、第3シャフト部80F3の下端は第3底板31Fに固定され、第4シャフト部80F4の下端は第4底板41Fに固定されている。
【0072】
収容部群1Fは、積層状態で格納空間SP323に格納される。例えば、格納空間SP323において、第1側壁12Fの上には第2底板21Fが載置され、第2側壁22Fの上には第3底板31Fが載置され、第3側壁32Fの上には第4底板41Fが載置される。
本実施形態における各シャフト部80F1,80F2,80F3,80F4の長さは、各収容部10F,20F,30F,40Fが積み重ねられた状態において、各シャフト部80F1,80F2,80F3,80F4の上端がほぼ同じ高さになる長さに定められている。
【0073】
第6実施形態に係る収容器具100Fでも、各シャフト部80F1,80F2,80F3,80F4の上端部を選択的に把持して引き上げることにより、凍結容器300から所望の収容部10F,20F,30F,40Fを取り出すことができる。
例えば、第1シャフト部80F1の上端部を引き上げることにより、第1収容部10F~第4収容部40Fを取り出すことができる。そして、第2シャフト部80F2の上端部を引き上げることにより、第1収容部10Fを残したまま、第2収容部20F~第4収容部40Fを取り出すことができる。同様に、第3シャフト部80F3の上端部を引き上げることにより、第1収容部10F、及び第2収容部20Fを残したまま、第3収容部30F、及び第4収容部40Fを取り出すことができ、第4シャフト部80F4の上端部を引き上げることにより、第1収容部10F~第3収容部30Fを残したまま、第4収容部40Fのみを取り出すことができる。
【0074】
凍結容器300に関し、上述した実施形態では冷媒室SP322に貯留された冷媒LQNによって格納空間SP323を冷却する構成を採っていたが、格納空間SP323を冷却できればこの構成に限定されない。例えば、格納空間SP323に供給した冷媒LQNを冷媒室SP322に設けた冷媒吸収材に吸収させることによって、格納空間SP323を冷却する凍結容器であってもよい。
【0075】
[本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ]
<第1の実施態様>
本態様は、複数の凍結対象物91~94をそれぞれ収容する複数の収容部10~40と、各収容部10~40に対して着脱自在に結合されるシャフト部材80Aとを備え、凍結容器300の格納空間SP323(凍結容器300の内部)に格納された各収容部10~40にシャフト部材80Aを結合した状態で、シャフト部材80Aを用いて凍結容器300に対して各収容部10~40を出し入れする構成を備えた凍結対象物の収容器具100Aであって、各収容部10~40は、第1凍結対象物91を収容し、シャフト部材80Aの一部(雄ネジ部82)が着脱自在に結合される第1雌ネジ部材16a(第1の被結合部)を備えた第1収容部10(第1の収容部)と、第2凍結対象物92を収容し、シャフト部材80Aの一部(雄ネジ部82)が着脱自在に結合される第2雌ネジ部材26a(第2の被結合部)を備え、且つ凍結容器300内に格納された状態において第1収容部10の上方に配置される第2収容部20(第2の収容部)と、を備え、第1収容部10の上方に第2収容部20が配置されている状態において、シャフト部材80Aを第1雌ネジ部材16aに結合して、第1収容部10と第2収容部20とを一括して取り出す構成を備えたことを特徴とする。
【0076】
本態様に係る収容器具100Aによれば、格納空間SP323において第1収容部10の上に第2収容部20が載置された状態で、第1雌ネジ部材16aにシャフト部材80Aを結合してシャフト部材80Aを引き上げると、第1収容部10(第1凍結対象物91)と第2収容部20(第2凍結対象物92)とをまとめて格納空間SP323から取り出すことができる。一方、第2雌ネジ部材26aにシャフト部材80Aを結合してシャフト部材80Aを引き上げると、第1収容部10を格納空間SP323に残したまま第2収容部20を格納空間SP323から取り出すことができる。
このように、本態様に係る収容器具100Aによれば、選択した収容部10よりも上側の収容部20が、選択した収容部10と一緒に引き上げられるため、格納空間SP323において、選択した収容部10よりも上側には、選択した収容部10を通過させるための通路を確保しなくてもよい。その結果、格納空間SP323に格納される各収容部10,20の大きさを格納空間SP323の大きさにあわせて最大化することができ、従来の収容器具を使用した場合と比較して格納可能な凍結対象物91、92の数量を増やすことができる。
【0077】
<第2の実施態様>
本態様に係る収容器具100Aは、第1収容部10の上方に第2収容部20が配置されている状態において、シャフト部材80Aは、第1雌ネジ部材16a、又は第2雌ネジ部材26aに対して個別に、且つ選択的に結合自在な構成を備えていることを特徴とする。
本態様に係る収容器具100Aによれば、シャフト部材80Aを雌ネジ部材16a、又は26aに対して個別に、且つ選択的に結合することにより、格納空間SP323から取り出す各収容部10,20(凍結対象物91,92)を容易に選択できる。
【0078】
<第3の実施態様>
本態様に係る収容器具100A,100Dにおいて、各収容部10乃至40、10D乃至40Dは、シャフト部材80A,80Dと結合する被結合部として、雌ネジを内周面に設けた雌ネジ部16a乃至46a、又は雄ネジを外周面に設けた雄ネジ部材16D乃至46Dを備えており、シャフト部材80A,80Dは、雄ネジを外周面に形成した雄ネジ部82、又は雌ネジを内周面に形成した雌ネジ部82Dを備えていることを特徴とする。
本態様に係る収容器具100A,100Dによれば、各収容部10乃至40、10D乃至40Dとシャフト部材80A,80Dとの結合を、雄ネジと雌ネジに組み合わせで行えるため、極低温下であっても各収容部10乃至40、10D乃至40Dとシャフト部材80A,80Dとを確実に結合できる。
【0079】
<第4の実施態様>
本態様に係る収容器具100Bにおいて、第1収容部10Bは、第1雌ネジ部材16Bが固定される下部突出片16(第1の固定片)を備え、第2収容部20Bは、第2雌ネジ部材26Bが固定される下部突出片26(第2の固定片)を備え、各雌ネジ部材16B,26B(被結合部)の内周面には雌ネジ162を設け、且つ各雌ネジ部材16B,26Bは雌ネジ162の下端が開放された状態で固定されており、シャフト部材80Aには雄ネジを外周面に設けた雄ネジ部82を設けたことを特徴とする。
本態様に係る収容器具100Bによれば、シャフト部材80Aの雄ネジ部82を各雌ネジ部材16B,26Bに強く締め込んでしまっても、雌ネジ162の下端が開放されているので雌ネジ部材16B,26Bが下部突出片16,26から外れてしまう不都合を抑制できる。
【0080】
<第5の実施態様>
本態様に係る収容器具100Cにおいて、第1収容部10Cに設けた第1雌ネジ部材16C(第1の被結合部)は、少なくとも上端に開口を有する第1の雌ネジを内周面に備えており、第2収容部20Cに設けた第2雌ネジ部材26C(第2の被結合部)は、軸方向に貫通する第2の雌ネジを内周面に備えており、第2雌ネジ部材26Cは、第1収容部10Cの上方に配置された第2収容部20Cを上から見て、第2の雌ネジが第1の雌ネジと整合する位置に設けられており、シャフト部材80Cは、第1の雌ネジ、及び第2の雌ネジと結合自在な雄ネジを外周面に形成した雄ネジ部82Cを備えていることを特徴とする。
本態様に係る収容器具100Cによれば、シャフト部材80Cが備える雄ネジ部82Cを第1雌ネジ部材16Cと第2雌ネジ部材26Cのそれぞれに結合させると、第1収容部10Cと第2収容部20Cの両方を格納空間SP323から取り出すことができる。
そして、雄ネジ部82Cを第2雌ネジ部材26Cに結合させ、第1雌ネジ部材16Cには結合させないようにすると、第1収容部10Cを格納空間SP323に残したまま第2収容部20Cを取り出すことができる。
【0081】
<第6の実施態様>
本態様は、凍結対象物群を収容する収容部群1Eと一部が各収容部10E乃至40Eに結合されたシャフト部80E1乃至80E4とを備え、シャフト部80E1乃至80E4を用いて各収容部10E乃至40Eを凍結容器300の内部に対して出し入れする凍結対象物の収容器具100Eであって、各収容部10E乃至40Eは、第1凍結対象物91を収容する第1収容部10E(第1の収容部)と、第2凍結対象物92を収容し、凍結容器300内に格納された状態において第1収容部10Eの上方に配置される第2収容部20E(第2の収容部)と、を備え、第1シャフト部80E1の上端部は、第1収容部10E、及び第2収容部20Eが凍結容器300内に格納された状態において第2収容部20Eよりも上方に突出し、第1収容部10Eの上方に第2収容部20Eが配置されている状態において、第1シャフト部80E1を引き上げて、第1収容部10Eと第2収容部20Eとを一括して取り出す構成を備えたことを特徴とする。
【0082】
本態様に係る収容器具100Eによれば、格納空間SP323において第1収容部10Eの上方に第2収容部20Eが配置された状態で、第1シャフト部80E1を引き上げることにより、第1収容部10Eと第2収容部20Eとをまとめて格納空間SP323から取り出すことができ、且つ第2シャフト部80E2を引き上げることにより、第1収容部10Eを格納空間SP323に残したまま第2収容部20Eを取り出すことができる。
このように、格納空間SP323において各収容部10E,20Eを上下に重ねた状態で格納できるため、格納空間SP323には選択した収容部10の通路を確保しなくてもよい。このため、格納空間SP323に格納される凍結対象物91,92の数量を増やすことができる。
【符号の説明】
【0083】
1,1C,1D,1E,1F…収容部群;10,10B,10C,10D,10E,10F…第1収容部;11…底板;11a…底板の前端部分;11b…落下防止突起;12…天板;12a…天板の前端部分;13…前板;13a…前板本体;13b…前板の下端部分;13c…上端部分;13d…前部切り欠き;14…背板;14a…後部切り欠き;15…右側板;16…下部突出片;16a,16B…第1雌ネジ部材;16D,26D,36D,46D…雄ネジ部材;17…上部突出片;17a…第1上挿通口;17b…第1位置決め突部;20,20B,20C,20D,20E,20F…第2収容部;21…底板;21a…底板の前端部分;21b…落下防止突起;22…天板;22a…天板の前端部分;23…前板;23a…前板本体;23b…前板の下端部分;23c…前板の上端部分;23d…前部切り欠き;24…背板;24a…後部切り欠き;25…右側板;26…下部突出片;26a,26B,26C…第2雌ネジ部材;26b…第2下挿通口;26c…第2位置決め空所;27…上部突出片;27a1,27a2,27a3…第2上挿通口;27b…第2位置決め突部;30,30C,30D,30E,30F…第3収容部;31…底板;31a…底板の前端部分;31b…落下防止突起;32…天板;32a…天板の前端部分;33…前板;33a…前板本体;33b…前板の下端部分;33c…前板の上端部分;33d…前部切り欠き;34…背板;34a…後部切り欠き;35…右側板;36…下部突出片;36a,36C…第3雌ネジ部材;36b1,36b2…第3下挿通口;36c…第3位置決め空所;37…上部突出片;37a1,37a2,37a3…第3上挿通口;37b…第3位置決め突部;40,40C,40D,40E,40F…第4収容部;41…底板;41a…底板の前端部分;41b…落下防止突起;42…天板;42a…天板の前端部分;43…前板;43a…前板本体;43b…前板の下端部分;43c…前板の上端部分;43d…前部切り欠き;44…背板;44a…後部切り欠き;45…右側板;46…下部突出片;46a,46C…第4雌ネジ部材;46b1,46b2,46b3…第4下挿通口;46c…第4位置決め空所;47…上部突出片;47a1,47a2,47a3,47a4…第4上挿通口;80A,80C,80D…シャフト部材;81…シャフト本体;82,82C…雄ネジ部;82D…雌ネジ部;83…ハンドル;90…凍結対象物群;91…第1凍結対象物;92…第2凍結対象物;93…第3凍結対象物;94…第4凍結対象物;100A…第1実施形態に係る収容器具;100B…第2実施形態に係る収容器具;100C…第3実施形態に係る収容器具;100D…第4実施形態に係る収容器具;100E…第5実施形態に係る収容器具;100F…第6実施形態に係る収容器具;200…台座;201…座板;201a…開口;201b…座板側挿通口;202…脚部;202a…第1脚部;202b…第2脚部;202b1…屈曲片;203…案内部;203a…案内面;203b…屈曲片;300…凍結容器;310…容器本体;311…外周壁;312…内周壁;313…隔壁;314…消波板;315…冷媒供給管;315a…連結金具;316…口部;317…液面計;317a…検知部;318…固定ネジ;400…ガイド部材;401…ガイド本体;402…把手;403…位置決め孔;411,412,413,414…案内溝;SP10…第1収容空所;SP20…第2収容空所;SP30…第3収容空所;SP40…第4収容空所;SP321…密閉空間;SP322…冷媒室;SP323…格納空間;SP324…上部空間;OP1…第1凍結対象物の出入口;OP2…第2凍結対象物の出入口;OP3…第3凍結対象物の出入口;OP4…第4凍結対象物の出入口;LQN…冷媒;LQA…液体空気
図1
図2
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図19
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【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結対象物を収容する収容部と、前記収容部に対して着脱自在に結合されるシャフト部材とを備え、凍結容器の内部に格納された前記収容部に前記シャフト部材を結合した状態で、前記シャフト部材を用いて前記凍結容器に対して前記収容部を出し入れする構成を備えた凍結対象物の収容器具であって、
前記収容部は、
第1の凍結対象物を収容し、前記シャフト部材の一部が着脱自在に結合される第1の被結合部を備えた第1の収容部と、
第2の凍結対象物を収容し、前記シャフト部材の一部が着脱自在に結合される第2の被結合部を備え、且つ前記凍結容器内に格納された状態において前記第1の収容部の上方に配置される第2の収容部と、を備え、
前記第1の収容部の上方に前記第2の収容部が配置されている状態において、前記シャフト部材を前記第1の被結合部に結合して、前記第1の収容部と前記第2の収容部とを一括して取り出す構成を備えたことを特徴とする凍結対象物の収容器具。
【請求項2】
前記第1の収容部の上方に前記第2の収容部が配置されている状態において、前記シャフト部材は、前記第1の被結合部、又は前記第2の被結合部に対して個別に、且つ選択的に結合自在な構成を備えていることを特徴とする請求項1に記載の凍結対象物の収容器具。
【請求項3】
前記第1の被結合部、及び前記第2の被結合部は、雌ネジを内周面に設けた雌ネジ部材、又は雄ネジを外周面に設けた雄ネジ部材であり、
前記シャフト部材は、雄ネジを外周面に形成した雄ネジ部、又は雌ネジを内周面に形成した雌ネジ部を備えていることを特徴とする請求項2に記載の凍結対象物の収容器具。
【請求項4】
前記第1の収容部は、前記第1の被結合部が固定される第1の固定片を備え、
前記第2の収容部は、前記第2の被結合部が固定される第2の固定片を備え、
前記第1の被結合部、及び前記第2の被結合部は、雌ネジを内周面に設けた雌ネジ部材であり、
前記第1の被結合部、及び前記第2の被結合部は、前記第1の固定片、及び前記第2の固定片に対して、前記雌ネジの下端が開放された状態で固定されており、
前記シャフト部材には、雄ネジを外周面に設けた雄ネジ部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の凍結対象物の収容器具。
【請求項5】
前記第1の被結合部は、少なくとも上端に開口を有する第1の雌ネジを内周面に設けた第1の雌ネジ部材であり、
前記第2の被結合部は、軸方向に貫通する第2の雌ネジを内周面に設けた第2の雌ネジ部材であり、
前記第2の雌ネジ部材は、前記第1の収容部の上方に配置された前記第2の収容部を上から見て、前記第2の雌ネジが前記第1の雌ネジと整合する位置に設けられており、
前記シャフト部材は、前記第1の雌ネジ、及び前記第2の雌ネジと結合自在な雄ネジを外周面に形成した雄ネジ部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の凍結対象物の収容器具。