(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151889
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】表示装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20241018BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20241018BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241018BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20241018BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/00 338
G09F9/30 338
H01L33/62
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065679
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今関 佳克
(72)【発明者】
【氏名】上條 陽一
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 光一
(72)【発明者】
【氏名】大澤 修一
(72)【発明者】
【氏名】亀井 義史
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA10
5C094AA25
5C094AA43
5C094BA25
5C094DA13
5C094DB01
5C094DB04
5F142CA11
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD43
5F142CD49
5F142DB24
5F142GA02
5G435BB04
5G435KK05
(57)【要約】
【課題】表示装置の性能を向上させる。
【解決手段】表示装置DSP1は、LED素子20とダイオード素子40とを有している。ダイオード素子40のアノード電極40EAは、端子パターンTP2およびバンプ電極31を介してLED素子20のカソード電極20ECに接続されている。ダイオード素子40のカソード電極40ECは、端子パターンTP1およびバンプ電極30を介してLED素子20のアノード電極20EAに接続されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1アノード電極、および第1カソード電極を備え、無機発光ダイオード素子である第1ダイオード素子と、
前記第1ダイオード素子が搭載された基板構造体と、
を有し、
前記基板構造体は、
前記第1アノード電極に接続されている第1端子と、
前記第1カソード電極に接続されている第2端子と、
前記第1端子および前記第2端子のそれぞれと電気的に接続されている第2ダイオード素子と、
前記第1端子上に形成され、前記第1端子と前記第1アノード電極のそれぞれに接合されている第1バンプ電極と、
前記第2端子上に形成され、前記第2端子と前記第1カソード電極のそれぞれに接合されている第2バンプ電極と、
を有し、
前記第2ダイオード素子は、
前記第1端子に接続されている第2カソード電極と、
前記第2端子に接続されている第2アノード電極と、
を有している、表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1バンプ電極および前記第2バンプ電極のそれぞれは、複数の金属膜の積層膜から成る、表示装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記基板構造体は、第1配線層を含む複数の配線層、および第1絶縁層を含む複数の絶縁層を有し、
前記第1端子および前記第2端子は、前記第1絶縁層上に配置されている第1配線層に形成され、
前記第2ダイオード素子は、前記第1配線層とは異なる配線層に形成されている、表示装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記基板構造体の厚さ方向において、前記第2ダイオード素子は、前記第1ダイオード素子と重なる位置に配置されている、表示装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記第1端子および前記第2端子は、第1絶縁層上に配置され、
前記第2ダイオード素子は、前記第1絶縁層上に形成されている、表示装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記第2ダイオード素子は、
前記第2カソード電極である第1金属層と、
前記第1金属層を覆う金属酸化物層と、
前記第2アノード電極であり、前記金属酸化物層を介して前記第1金属層を覆う第2金属層と、
を有する積層膜である、表示装置。
【請求項7】
請求項1において、
前記第2ダイオード素子は、半導体層を有している、表示装置。
【請求項8】
(a)第1端子および第2端子を有する基板構造体を準備する工程、
(b)前記第1端子上に第1バンプ電極を形成し、かつ前記第2端子上に第2バンプ電極を形成する工程、
(c)第1アノード電極、および第1カソード電極を備え、無機発光ダイオード素子である第1ダイオード素子を準備して、前記第1アノード電極と第1バンプ電極とを接続し、かつ、前記第1カソード電極と第2バンプ電極とを接続する工程、
を有し、
前記基板構造体は、前記第1端子および前記第2端子のそれぞれと電気的に接続されている第2ダイオード素子、
を有し、
前記第2ダイオード素子は、
前記第1端子に接続されている第2カソード電極と、
前記第2端子に接続されている第2アノード電極と、
を有し、
前記(b)工程は、電気メッキ法により前記第1バンプ電極および前記第2バンプ電極を形成する工程を含んでいる、表示装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8において、
前記(b)工程は、
(b1)前記第1端子上および前記第2端子上に第1金属膜を電気メッキ法により選択的に形成する工程と、
(b2)前記第1金属膜上に電気メッキ法により第2金属膜を形成する工程と、
を含んでいる、表示装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8において、
前記(c)工程では、
前記第1ダイオード素子は、前記基板構造体の厚さ方向において、前記第2ダイオード素子と重なる位置に搭載される、表示装置の製造方法。
【請求項11】
請求項8において、
前記第2ダイオード素子は、
前記第2カソード電極である第1金属層と、
前記第1金属層を覆う金属酸化物層と、
前記第2アノード電極であり、前記金属酸化物層を介して前記第1金属層を覆う第2金属層と、
を有する積層膜である、表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置として、基板上に、自発光素子である発光ダイオード素子が行列上に配列されたLED(Light Emitting Diode)表示装置がある。例えば、特開2020-67626号公報(特許文献1)には、複数のマイクロLEDが基板上に配列された表示装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LED表示装置は、基板上に実装された多数のLED素子の動作を、スイッチング素子を用いて制御することにより表示画像を形成する。スイッチング素子としては、薄膜トランジスタが用いられるが、LED素子から出射された光がスイッチング素子に照射されると、スイッチング素子においてリーク電流が発生し、輝度低下の原因になる場合がある。一方、設計の自由度を考慮すると、平面視におけるスイッチング素子およびLED素子の位置に関しては阻害要因が少ない方が好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施態様である表示装置は、第1アノード電極、および第1カソード電極を備え、無機発光ダイオード素子である第1ダイオード素子と、前記第1ダイオード素子が搭載された基板構造体と、を有している。前記基板構造体は、前記第1アノード電極に接続されている第1端子と、前記第1カソード電極に接続されている第2端子と、前記第1端子および前記第2端子のそれぞれと電気的に接続されている第2ダイオード素子と、前記第1端子上に形成され、前記第1端子と前記第1アノード電極のそれぞれに接合されている第1バンプ電極と、前記第2端子上に形成され、前記第2端子と前記第1カソード電極のそれぞれに接合されている第2バンプ電極と、を有している。前記第2ダイオード素子は、前記第1端子に接続されている第2カソード電極と、前記第2端子に接続されている第2アノード電極と、を有している。
【0006】
他の実施態様である表示装置の製造方法は、(a)第1端子および第2端子を有する基板構造体を準備する工程と、(b)前記第1端子上に第1バンプ電極を形成し、かつ前記第2端子上に第2バンプ電極を形成する工程と、(c)第1アノード電極、および第1カソード電極を備え、無機発光ダイオード素子である第1ダイオード素子を準備して、前記第1アノード電極と第1バンプ電極とを接続し、かつ、前記第1カソード電極と第2バンプ電極とを接続する工程と、を有している。前記基板構造体は、前記第1端子および前記第2端子のそれぞれと電気的に接続されている第2ダイオード素子を有している。前記第2ダイオード素子は、前記第1端子に接続されている第2カソード電極と、前記第2端子に接続されている第2アノード電極と、を有している。前記(b)工程は、電気メッキ法により前記第1バンプ電極および前記第2バンプ電極を形成する工程を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態である表示装置の構成例を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す画素周辺の回路の構成例を示す回路図である。
【
図3】
図1に示す表示装置の複数の画素のそれぞれに配置されるLED素子の周辺構造の一例を示す透過拡大平面図である。
【
図5】
図4に示すバンプ電極の詳細な構造例を示す拡大断面図である。
【
図6】
図5に示す端子パターン上に第1層目の金属膜を形成する工程を示す拡大断面図である。
【
図7】
図5に示す端子パターン上に第2層目の金属膜を形成する工程を示す拡大断面図である。
【
図8】
図5に示す端子パターン上に第3層目の金属膜を形成する工程を示す拡大断面図である。
【
図9】
図3に対する変形例である表示装置が有する一つの画素を示す透過平面図である。
【
図10】
図9のB-B線に沿った拡大断面図である。
【
図11】
図9に示すダイオード素子に対する変形例を示す透過平面図である。
【
図13】表示装置の製造方法の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一または関連する符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
以下の実施の形態では、複数の無機発光素子を用いた表示装置の例として、複数のマイクロLED素子を備えるマイクロLED表示装置を取り上げて説明する。マイクロLED素子は、一般的なLED素子と比較して素子のサイズ(外径寸法)が小さいので、高精細な画像を表示できるというメリットがある。
【0010】
なお、自発光素子である発光ダイオード素子として、有機発光ダイオード素子(OLED:Organic Light-Emitting Diode)がある。以下の実施の形態で説明する無機発光ダイオード素子(マイクロLED素子)は、有機発光ダイオード素子とは区別される。無機発光ダイオード素子を用いた表示装置の場合、有機発光ダイオード素子を用いた表示装置と比較してLED素子の信頼性が高いので、高輝度化が要求される用途での利用が期待されている。
【0011】
<表示装置>
まず、本実施の形態の表示装置であるマイクロLED表示装置の構成例について説明する。
図1は、一実施形態である表示装置の構成例を示す平面図である。
図1では、表示領域DAと周辺領域PFAとの境界、制御回路5、駆動回路6、および複数の画素PIXのそれぞれを二点鎖線で示している。
図2は、
図1に示す画素周辺の回路の構成例を示す回路図である。なお、
図2に示す画素回路PCは、
図1に示す一つの画素PIXに対応する等価回路の一例を示している。
【0012】
図1には、X方向およびY方向が示されている。X方向およびY方向は、互いに交差している。以下で説明する例においては、X方向はY方向に直交する。以下では、X方向およびY方向を含むX-Y平面を表示装置の表示面に対して平行な面として説明する。以下の説明において、特に異なる意味で解釈すべきことを明示した場合を除き、「平面視」とは、X-Y平面に平行な面を視た場合を意味する。また、後述するように、X-Y平面に対する法線方向のことを「Z方向」または厚さ方向として説明する。X方向、Y方向およびZ方向は、互いに交差する方向であり、より特定的には互いに直交する方向である。
【0013】
本明細書の説明において、「A」が「B」に「覆われている」と記載する場合がある。「AがBに覆われている」とは、上記したX-Y平面を視た平面視においてAの全体がBと重なっていることを意味する。また、「AがBに覆われている」とは、上記した「厚さ方向(Z方向)において、Aの全体がBと重なっている」と言い換えることもできる。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態の表示装置DSP1は、表示領域DAと、表示領域DAの周囲を枠状に囲む周辺領域PFAと、表示領域DA内に行列上に配列された複数の画素PIXと、を有している。また、表示装置DSP1は、基板10と、基板10上に形成された制御回路5と、基板10上に形成された駆動回路6と、を有している。
【0015】
制御回路5は、表示装置DSP1の表示機能の駆動を制御する制御回路である。例えば、制御回路5は、基板10上に実装されたドライバIC(Integrated Circuit)である。
図1に示す例では、制御回路5は、基板10が備える4辺のうち、一つの短辺に沿って配置されている。また、本実施の形態の例では、制御回路5は、複数の画素PIXに接続される映像信号線VL(
図2参照)を駆動する信号線駆動回路(映像ドライバ)を含んでいる。ただし、制御回路5の位置および構成例は、
図1に示す例には限定されず、種々の変形例がある。例えば、
図1において、制御回路5として示す位置に、フレキシブル基板などの回路基板が接続され、上記したドライバICは、回路基板上に搭載されている場合がある。また例えば、映像信号線VLを駆動する信号線駆動回路は、制御回路5とは別に形成されている場合がある。
【0016】
駆動回路(走査ドライバ)6は、複数の画素PIXのうち、走査信号線GLB,GLR,GLS(
図2参照)を駆動する回路である。駆動回路6は、制御回路5からの制御信号に基づいて、複数の走査信号線GLを駆動する。
図1に示す例では、駆動回路6は、基板10が備える4辺のうち、二つの長辺のそれぞれに沿って配置されている。
図1に示す例では、平面視において、表示領域DAは、二つの駆動回路6の間に配置されている。ただし、駆動回路6の位置および構成例は、
図1に示す例には限定されず、種々の変形例がある。例えば、
図1において、制御回路5として示す位置に、フレキシブル基板などの回路基板が接続され、上記した駆動回路6が回路基板上に搭載されている場合がある。
【0017】
次に、
図2を用いて
図1に示す画素PIXを駆動する画素回路PCの構成例について説明する。なお、
図2では、一つの画素を駆動する一つの画素回路PCを代表的に取り上げて図示している。
図1に示す複数の画素PIXのそれぞれが、
図2に示す画素回路PCと同様の回路を備えている。画素回路PCは、制御回路5(
図1参照)から供給される映像信号Vsgに応じてLED素子(無機発光ダイオード素子、ダイオード素子)20の発光状態を制御する電圧信号方式の回路である。
【0018】
図2に示すように、画素PIXは、LED素子20を備えている。LED素子20は、上記したマイクロ発光ダイオードである。LED素子20はアノード電極20EA(後述する
図3参照)およびカソード電極20EC(後述する
図3参照)を有している。
【0019】
表示装置DSP1は、表示領域DAにおいて複数種類の配線を備えている。これら配線は、複数の走査信号線GLS,GLR,GLBと、複数の映像信号線VLと、複数の電源線PL1と、複数の電源線PL2と、複数のリセット配線RSLとを含む。
【0020】
走査信号線GLS,GLR,GLBは、X方向に延びており、駆動回路6に接続されている。例えば、
図1に示すように、Y方向に並ぶ画素PIXのうち、偶数番目の画素PIXを駆動するための走査信号線GLS,GLR,GLBが一方の駆動回路6に接続され、奇数番目の画素PIXを駆動するための走査信号線GLS,GLR,GLBが他方の駆動回路6に接続されている。他の例として、例えば走査信号線GLS,GLRが全て一方の駆動回路6に接続されるとともに走査信号線GLBが全て他方の駆動回路6に接続されるなど、走査信号線GLS,GLR,GLBのいずれかが一方の駆動回路6に接続され、残りが他方の駆動回路6に接続されている場合もある。
【0021】
映像信号線VL、電源線PL1,PL2およびリセット配線RSLは、Y方向に延びている。映像信号線VLは、制御回路5(
図1参照)に接続されている。映像信号線VLには、制御回路5から映像信号Vsgと初期化信号が供給される。電源線PL1には、制御回路5から高電位Pvddが供給される。電源線PL2には、制御回路5から高電位Pvddよりも低い低電位Pvssが供給される。リセット配線RSLには、制御回路5からリセット信号Vrsが供給される。
【0022】
制御回路5は、駆動回路6に図示しないスタートパルス信号やクロック信号を出力する。駆動回路6は複数のシフトレジスタ回路を含んでおり、クロック信号に応じてスタートパルス信号を次段のシフトレジスタ回路に順次転送し、各走査信号線GLS,GLR,GLBに走査信号を順次供給する。
【0023】
画素回路PCは、映像信号線VLに供給される映像信号Vsgに応じてLED素子20を制御する。このような制御を実現するために、本実施形態における画素回路PCは、リセットトランジスタ(スイッチング素子)RST、画素選択トランジスタ(スイッチング素子)SST、出力トランジスタ(スイッチング素子)BCT、駆動トランジスタ(スイッチング素子)DRT、保持容量Csおよび補助容量Cadを有している。補助容量Cadは発光電流量を調整するために設けられる素子であり、場合によっては不要となることもある。
【0024】
リセットトランジスタRST、画素選択トランジスタSST、出力トランジスタBCTおよび駆動トランジスタDRTは、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)から成るスイッチング素子である。薄膜トランジスタの導電型は特に限定されず、例えば、全てのトランジスタがNチャネル型のTFTにより構成されている場合もあるし、これらの少なくとも1つがPチャネル型のTFTにより構成されている場合もある。
【0025】
本実施形態において、リセットトランジスタRST、画素選択トランジスタSST、出力トランジスタBCTおよび駆動トランジスタDRTは、同一工程かつ同一層構造で形成され、半導体層に多結晶シリコンを用いたボトムゲート構造を有している。他の例として、リセットトランジスタRST、画素選択トランジスタSST、出力トランジスタBCTおよび駆動トランジスタDRTは、トップゲート構造を有してもよい。なお、半導体層としては、酸化物半導体や多結晶GaN半導体などを用いる場合がある。
【0026】
リセットトランジスタRST、画素選択トランジスタSST、出力トランジスタBCTおよび駆動トランジスタDRTは、ソース電極、ドレイン電極、およびゲート電極を有している。各トランジスタが備えているゲート電極は制御電極と言い換えることができる。また、各トランジスタが備えているソース電極およびドレイン電極は、単に電極と言い換えることができる。
【0027】
駆動トランジスタDRTおよび出力トランジスタBCTは、電源線PL1と電源線PL2の間でLED素子20と直列に接続されている。電源線PL1に供給される高電位Pvddは例えば10Vに設定され、電源線PL2に供給される低電位Pvssは例えば1.5Vに設定されている。
【0028】
出力トランジスタBCTのドレイン電極は、電源線PL1に接続されている。出力トランジスタBCTのソース電極は、駆動トランジスタDRTのドレイン電極に接続されている。出力トランジスタBCTのゲート電極は、走査信号線GLBに接続されている。出力トランジスタBCTは、走査信号線GLBに与えられる制御信号Gsbによりオン、オフされる。ここで、オンは導通状態を表し、オフは非導通状態を表す。出力トランジスタBCTは、制御信号Gsbに基づきLED素子20の発光時間を制御する。
【0029】
駆動トランジスタDRTのソース電極は、LED素子20の一方の電極(ここではアノード電極20EA)に接続されている。LED素子20の他方の電極(ここではカソード電極20EC)は、電源線PL2に接続されている。駆動トランジスタDRTは、映像信号Vsgに応じた駆動電流をLED素子20に出力する。
【0030】
画素選択トランジスタSSTのソース電極は、映像信号線VLに接続されている。画素選択トランジスタSSTのドレイン電極は、駆動トランジスタDRTのゲート電極に接続されている。画素選択トランジスタSSTのゲート電極は、信号書き込み制御用のゲート配線として機能する走査信号線GLSに接続されている。画素選択トランジスタSSTは、走査信号線GLSから供給される制御信号Gssによりオン、オフされ、画素回路PCと映像信号線VLの接続および非接続を切り替える。すなわち、画素選択トランジスタSSTがオンされることにより、映像信号線VLの映像信号Vsgまたは初期化信号が駆動トランジスタDRTのゲート電極に供給される。
【0031】
リセットトランジスタRSTのソース電極は、リセット配線RSLに接続されている。リセットトランジスタRSTのドレイン電極は、駆動トランジスタDRTのソース電極およびLED素子20の陽極に接続されている。リセットトランジスタRSTのゲート電極は、リセット制御用ゲート配線として機能する走査信号線GLRに接続されている。リセットトランジスタRSTは、走査信号線GLRから供給される制御信号Grsによりオン、オフされる。リセットトランジスタRSTがオンに切り替えられることにより、駆動トランジスタDRTのソース電極およびLED素子20の陽極の電位をリセット配線RSLのリセット信号Vrsによりリセットすることができる。すなわち、リセット配線RSLは、LED素子20の電圧をリセットするための配線である。
【0032】
保持容量Csは、駆動トランジスタDRTのゲート電極とソース電極の間に接続されている。補助容量Cadは、駆動トランジスタDRTのソース電極と電源線PL2の間に接続されている。
【0033】
制御信号Gss,Grs,Gsbは、駆動回路6が上述のスタートパルス信号およびクロック信号に基づいて、各ライン(X方向に並ぶ一連の画素PIX)の走査信号線GLS,GLR,GLBに対し順次供給される。また、
図2に示した制御回路5から供給される信号に基づいて、制御回路5が各映像信号線VLに映像信号Vsgおよび初期化信号を順次供給する。映像信号Vsgの供給に伴い保持容量Csに保持された電荷は、初期化信号の供給に伴い初期化される。
【0034】
以上のような構成においては、走査信号線GLS,GLR,GLBに供給される制御信号Gss,Grs,Gsbによって画素回路PCが駆動され、映像信号線VLの映像信号Vsgに応じた輝度でLED素子20が発光する。
【0035】
ところで、本実施の形態の場合、LED素子20の他に、ダイオード素子40を備えている。ダイオード素子40は、順方向に電圧が印加された時に、逆方向に電圧が印加された時と比較して電流が流れやすくなる整流素子である。ダイオード素子40は、発光素子ではない。ダイオード素子40の詳細な構造例や特性は後述する。
【0036】
<LED素子の周辺構造>
次に、
図1に示す画素PIXに配置されるLED素子の周辺構造について説明する。
図3は、
図1に示す表示装置の複数の画素のそれぞれに配置されるLED素子の周辺構造の一例を示す透過拡大平面図である。
図4は、
図3のA-A線に沿った拡大断面図である。
【0037】
図3では、
図4に示す配線層WL4に配置された導体パターンを実線で示し、配線層WL3に配置されたダイオード素子40およびダイオード素子40に接続されている導体パターンを点線で示し、LED素子20およびLED素子20が備えている電極の輪郭を二点鎖線で示している。また、
図3に示す画素PIXA、画素PIXB、および画素PIXCのそれぞれは同じ構造を有している。このため、
図4では、代表例として画素PIXA(
図3参照)の構造を示しているが、
図3に示す、画素PIXB、および画素PIXCも同様の断面構造を備えている。
【0038】
以下の説明において、端子パターンTP1、端子パターンTP2という用語を用いて説明するが、「端子パターン」は、外部機器を電気的に接続するための端子部を含む導体パターンの意味であり、「端子」と読みかえて適用することができる。
【0039】
また、
図2に示す画素回路PCは、
図3に示す画素PIXA、画素PIXB、および画素PIXCのそれぞれに対応した回路である。したがって、
図3に示す画素PIXA、画素PIXB、および画素PIXCのそれぞれは、
図2を用いて説明したリセットトランジスタRST、画素選択トランジスタSST、出力トランジスタBCTおよび駆動トランジスタDRTを備えている。同様に、
図3に示す画素PIXA、画素PIXB、および画素PIXCのそれぞれは、
図2を用いて説明した保持容量Csおよび補助容量Cadを有している。
【0040】
図4に示すように、表示装置DSP1は、基板構造体SUB1と、基板構造体SUB1の上に搭載されたLED素子(無機発光ダイオード素子)20と、を有している。表示装置DSP1の基板構造体SUB1は、複数の配線層の間に配置された複数の絶縁層を有している。LED素子20は、複数の配線層のうち、最上層に配置されている配線層WL4の上に搭載されている。また、表示装置DSP1の基板構造体SUB1は、スイッチング素子としてのトランジスタを有している。
図4では、基板10の上に配置されたスイッチング素子の例として、駆動トランジスタDRTを図示している。ただし、基板10の上(詳しくは絶縁層11の上)には、
図2を用いて説明したリセットトランジスタRST、画素選択トランジスタSST、出力トランジスタBCT、および駆動トランジスタDRTのそれぞれが配置されている。
図2に示す、リセットトランジスタRST、画素選択トランジスタSST、出力トランジスタBCT、および駆動トランジスタDRTのそれぞれは、後述する
図4に示す駆動トランジスタDRTと同様な構造になっている。
【0041】
図3に示すように表示装置DSP1は複数のLED素子20を有している。
図3では、表示装置が有する複数のLED素子20のうち、LED素子20Aと、LED素子20Aの隣に配置されているLED素子20Bと、LED素子20Bの隣に配置されているLED素子20Cと、を図示している。
【0042】
図4に示すように、LED素子20は、面20fおよび面20fの反対側の面20bを備える。また、LED素子20は、面20fに配列された複数の(
図3では2個の)電極を備えている。複数の電極は、アノード電極20EAおよびカソード電極20ECを含む。アノード電極20EAは、バンプ電極30を介して端子パターンTP1と電気的に接続されている。カソード電極20ECは、バンプ電極31を介して端子パターンTP2と電気的に接続されている。
【0043】
端子パターンTP1および端子パターンTP2は、基板構造体SUB1が備える導体パターンのうち、LED素子20と基板構造体SUB1とを電気的に接続するための「端子」として機能する部分を含む導体パターンである。
【0044】
表示装置DSP1は、基板構造体SUB1上に搭載された複数のLED素子20のそれぞれを駆動することにより、画像を表示する。LED素子20から出射される光は、面20f、面20b、および4つの側面から全方向に出射される。
【0045】
基板10は、面10fおよび面10fの反対側の面10bを有する。複数の配線層および複数の絶縁層は、基板10の面10f上に積層されている。基板10は、例えばガラスから成るガラス基板である。ただし、基板10を構成する材料には種々の変形例があり、例えば、樹脂からなる樹脂基板を用いる場合もある。
【0046】
図4に示す例の場合、表示装置DSP1が備えている複数の配線層は、配線層WL4から基板10に向かって順に積層された、配線層WL4、配線層WL3、配線層WL2、および配線層WL1を有している。また、表示装置DSP1が備えている複数の絶縁層は、基板10の面10f上から順に積層された絶縁層11,12,13,14,15,16を有している。
【0047】
絶縁層11は薄膜トランジスタの下地層であり、無機材料から成る無機絶縁層である。配線層WL1は、絶縁層11上に配置され、絶縁層12に覆われている。配線層WL1に形成された導体パターンは、
図4に示すゲート電極EGや、
図2を用いて説明した走査信号線GLB,GLS,GLRなどを含んでいる。絶縁層12も無機材料から成る無機絶縁層である。絶縁層12のうち、トランジスタのゲート電極EGと半導体層50との間に配置されている部分は、ゲート絶縁膜として機能する。
【0048】
ゲート電極EGを含む駆動トランジスタDRTは、半導体層50、ゲート電極EG、ソース電極ES、およびドレイン電極EDを有している。
図4に示す例では、ボトムゲート構造の薄膜トランジスタを一例として示しているが、上記したようにトップゲート構造とする場合もある。ゲート電極EGは、絶縁層11上に配置されている。半導体層50は、絶縁層12上に配置されている。半導体層50の一部分はソース領域に相当し、ソース領域にはソース電極ESが接続されている。半導体層50の他の一部分はドレイン領域に相当し、ドレイン領域にはドレイン電極EDが接続されている。ソース領域とドレイン領域との間の領域は、チャネル領域として機能する。
【0049】
配線層WL2は、駆動トランジスタDRTを覆う絶縁層13上に配置されている。絶縁層13は無機材料から成る無機絶縁層である。配線層WL2に形成された導体パターンは、複数のトランジスタのそれぞれに接続された配線を含んでいる。例えば、
図4に示すように、駆動トランジスタDRTのソース電極ESに接続された配線パターンMW1は、配線層WL2に含まれる。また、配線層WL2に形成された導体パターンは、
図2に示す映像信号線VLと、電源線PL1と、電源線PL2と、リセット配線RSLとを含んでいる。
【0050】
配線層WL2は、絶縁層14に形成されたコンタクトホールCH3を介して導体パターンMP1と電気的に接続され、かつ、駆動トランジスタDRTの電極(ソース電極ES)と電気的に接続された配線パターンMW1を含んでいる。
【0051】
配線層WL2を覆う絶縁層14、および絶縁層14上に積層されている絶縁層15のそれぞれは、有機材料から成る有機絶縁膜である。絶縁層14は配線層WL2と配線層WL3との間に配置された絶縁層である。絶縁層15は、配線層WL3と配線層WL4との間に配置された絶縁層である。
図4に示すように配線層WL2と配線層WL3との電気的な接続、および配線層WL3と配線層WL4との電気的な接続には、コンタクトホールが用いられる。有機絶縁層は、無機絶縁層と比較した開口部(例えばコンタクトホール)に対する埋め込み特性が優れている。言い換えれば、有機絶縁層の場合、下地に開口部があった場合でも、上面を平坦化し易い。このため、多数のコンタクトホールが形成されている絶縁層14および絶縁層15のそれぞれは有機材料から成る。
【0052】
図4では、基板構造体SUB1が備えている多数のコンタクトホールのうち、コンタクトホールCH1,CH2,CH3を示している。コンタクトホールCH1は、端子パターンTP1と配線層WL3の導体パターンMP1とを接続する開口部である。コンタクトホールCH2は端子パターンTP2と配線層WL3の導体パターンMP2とを接続する開口部である。コンタクトホールCH3は、配線層WL3の導体パターンMP1と配線層WL2の配線パターンMW1とを接続するための開口部である。
【0053】
配線層WL3は、絶縁層15に形成されたコンタクトホールCH1を介して端子パターンTP1と電気的に接続された導体パターンMP1と、導体パターンMP1と同じ金属から成り、絶縁層15に形成されたコンタクトホールCH2を介して端子パターンTP2と電気的に接続された導体パターンMP2と、を含んでいる。
【0054】
導体パターンMP1は、コンタクトホールCH1の底面において、端子パターンTP1に接続されている平坦部分と、コンタクトホールCH3に埋め込まれ、配線層WL2に接続されたコンタクト部分と、を有している。
図3に示すように、導体パターンMP2は、複数の画素PIXに跨って広がる大面積パターンである。
【0055】
図4に示す配線パターンMW1、導体パターンMP1、導体パターンMP2、端子パターンTP1、および端子パターンTP2のそれぞれは、例えば同じ金属材料から成る。一例として、チタンから成るチタン層、アルミニウムから成るアルミニウム層、およびチタンから成るチタン層の積層膜であるTAT構造を例示することができる。ただし、配線パターンMW1、導体パターンMP1、導体パターンMP2、端子パターンTP1、および端子パターンTP2を構成する金属材料には種々の変形例がある。例えば、チタン層とアルミニウム層との積層膜とする場合もある。
【0056】
また、本実施の形態の場合、配線層WL3は、ダイオード素子40を構成する金属層41と、金属層41を覆う金属酸化物層42と、金属酸化物層42を介して金属層41を覆う金属層43と、を含んでいる。ダイオード素子40は、カソード電極40ECである金属層41と、金属層41を覆う金属酸化物層42と、アノード電極40EAであり、金属酸化物層42を介して金属層41を覆う金属層43と、を有する積層膜である。
ダイオード素子40は、金属層41および金属層43の間に金属酸化物層42が挟まれたMIM(Metal-Insulator-Metal)構造のダイオードである。MIM構造のダイオードは、金属層41を構成する金属材料と、金属層43を構成する金属材料が互いに異なっている。本実施の形態の場合、例えば、金属層41はタンタル(Ta)から成り、金属層43は、クロム(Cr)から成る。また金属酸化物層42は、金属酸化膜(例えば酸化タンタル)であり、金属層41の表面を陽極酸化させることにより形成することができる。
【0057】
MIM構造のダイオードであるダイオード素子40は、金属層41を構成する金属の仕事関数と、金属層43を構成する金属の仕事関数の差を利用する。金属層41と金属層43との間にバイアスを加えるとトンネル効果によって電子が移動する。金属層41を構成する金属と金属層43を構成する金属の仕事関数に差があるため、トンネル障壁の形状が非対称となり、順バイアスと逆バイアスでトンネル障壁に差が生じる。すなわち、ダイオード素子40は、トンネルダイオードとしてふるまう。
【0058】
MIM構造のダイオードの場合、相対的に高い仕事関数の金属から成る金属層がアノードとして機能する。例えば、本実施の形態の例では、金属層43を構成するクロムの仕事関数は、金属層41を構成するタンタルの仕事関数よりも高いので、金属層43がアノード電極40EAに相当し、金属層41が、カソード電極40ECに相当する。
【0059】
MIM構造のダイオード素子40は、変形例として後述する半導体層を備えたダイオード素子と比較して、製造工程を簡略化することができる。
【0060】
図4に示すように、ダイオード素子40のアノード電極40EAである金属層43は、導体パターンMP2を介して端子パターンTP2に接続されている。言い換えれば、ダイオード素子40のアノード電極40EAと、LED素子20のカソード電極20ECとは、導体パターンMP2および端子パターンTP2を介して電気的に接続されている。
【0061】
また、ダイオード素子40のカソード電極40ECである金属層41は、導体パターンMP1を介して端子パターンTP1に接続されている。言い換えれば、ダイオード素子40のカソード電極40ECと、LED素子20のアノード電極20EAとは、導体パターンMP1および端子パターンTP1を介して電気的に接続されている。
【0062】
なお、
図4は
図3に示すA-A線に沿った拡大断面なので、導体パターンMP1と金属層41とが接触する部分が図示されていない。ただし、
図3に示すように、導体パターンMP1の一部分は金属層41の一部分と重なるように形成されている。
図4では、導体パターンMP1と金属層41とが電気的に接続されていることを明示的に示すため、導体パターンMP1と金属層41とを接続する二点鎖線を模式的に示している。
【0063】
詳細は後述するが、ダイオード素子40は、
図4に示すバンプ電極30およびバンプ電極31を形成する工程において、電気メッキ法を利用する際に機能を発揮する。なお、表示装置DSP1を使用する際には、ダイオード素子40の順バイアスの方向に電圧が印加されない限りは、駆動回路として機能しない。したがって、表示装置DSP1を使用する際に、ダイオード素子40が存在した場合でも、ダイオード素子40の存在により駆動回路が誤作動することはない。
【0064】
配線層WL4は、複数の配線層のうち、最上層に配置された配線層である。配線層WL4は、無機材料から成る無機絶縁層である絶縁層16に覆われている。ただし、絶縁層16には部分的に開口部が形成されており、配線層WL4は絶縁層16に形成された開口部において、バンプ電極30またはバンプ電極31と電気的に接続されている。配線層WL4は、LED素子20Aのアノード電極20EAと電気的に接続された端子パターン(端子、導体パターン)TP1と、LED素子20Aのカソード電極20ECと電気的に接続された端子パターン(端子、導体パターン)TP2と、を含んでいる。
【0065】
端子パターンTP1は、絶縁層16の開口部においてバンプ電極30に接続されている端子部分(平坦部分とも言える)と、コンタクトホールCH1に埋め込まれ、配線層WL3に接続されたコンタクト部分と、を有している。コンタクト部分は、絶縁層16に覆われている。同様に、端子パターンTP2は、絶縁層16の開口部においてバンプ電極31に接続されている端子部分と、コンタクトホールCH2に埋め込まれ、配線層WL3に接続されたコンタクト部分と、を有している。コンタクト部分は、絶縁層16に覆われている。端子パターンTP1,TP2のそれぞれは、基板構造体SUB1の外部端子である。
【0066】
<バンプ電極について>
図5は、
図4に示すバンプ電極の詳細な構造例を示す拡大断面図である。
図6は、
図5に示す端子パターン上に第1層目の金属膜を形成する工程を示す拡大断面図である。
図7は、
図5に示す端子パターン上に第2層目の金属膜を形成する工程を示す拡大断面図である。
図8は、
図5に示す端子パターン上に第3層目の金属膜を形成する工程を示す拡大断面図である。
【0067】
なお、
図5では、
図4に示すバンプ電極30および31に、LED素子20が搭載される前の状態を示している。
図5に示すように、バンプ電極30およびバンプ電極31のそれぞれは、例えば複数の金属膜の積層膜から成る。
図5に示す例では、端子パターンTP1側から順に金属膜MF1、金属膜MF2、および金属膜MF3が積層された3層構造の積層膜である。金属膜MF1は例えば銅膜、金属膜MF2は例えばニッケル膜、および金属膜MF3は例えば錫膜である。
【0068】
表示装置DSP1(
図4参照)の製造工程において、金属膜MF1、金属膜MF2、および金属膜MF3のそれぞれは、電気メッキ法により形成される。電気メッキ法を利用するバンプ電極の形成工程では、例えば以下のように複数の金属膜を形成する。
【0069】
まず、後述する
図13に示す第1金属膜形成工程では。
図6に示すように、端子パターンTP1および端子パターンTP2のそれぞれに電位を供給した状態で、金属膜MF1(
図5参照)を構成する金属イオン(例えば銅イオン)を含むメッキ液PS1に、端子パターンTP1および端子パターンTP2のそれぞれを接触させる。詳しくは、端子パターンTP1および端子パターンTP2のうち、絶縁層16に形成された開口部16H1,16H2において絶縁層16から露出している部分とメッキ液PS1とを接触させる。
【0070】
メッキ液PS1には、陰極部材CE1が浸漬されており、陽極として機能する端子パターンTP1および端子パターンTP2と、陰極部材CE1との間に電流が流れる。これにより、端子パターンTP1および端子パターンTP2のそれぞれの表面に金属(銅)が析出し、金属膜MF1(
図7参照)が形成される。
【0071】
次に、金属膜MF2を形成する工程(後述する
図13に示す第2金属膜形成工程)では、
図7に示すように、端子パターンTP1および端子パターンTP2のそれぞれに電位を供給した状態で、金属膜MF2(
図5参照)を構成する金属イオン(例えばニッケルイオン)を含むメッキ液PS2に、端子パターンTP1上の金属膜MF1および端子パターンTP2上の金属膜MF1のそれぞれを接触させる。
【0072】
メッキ液PS2には、陰極部材CE2が浸漬されており、陽極として機能する端子パターンTP1上の金属膜MF1および端子パターンTP2上の金属膜MF1と、陰極部材CE2との間に電流が流れる。これにより、端子パターンTP1上の金属膜MF1および端子パターンTP2上の金属膜MF1のそれぞれの表面に金属(ニッケル)が析出し、金属膜MF2(
図8参照)が形成される。
【0073】
次に、金属膜MF3を形成する工程(後述する
図13に示す第3金属膜形成工程)では、
図8に示すように、端子パターンTP1および端子パターンTP2のそれぞれに電位を供給した状態で、金属膜MF3(
図5参照)を構成する金属イオン(例えば錫イオン)を含むメッキ液PS3に、端子パターンTP1上の金属膜MF2および端子パターンTP2上の金属膜MF2のそれぞれを接触させる。
【0074】
メッキ液PS3には、陰極部材CE3が浸漬されており、陽極として機能する端子パターンTP1上の金属膜MF2および端子パターンTP2上の金属膜MF2と、陰極部材とCE3の間に電流が流れる。これにより、端子パターンTP1上の金属膜MF2および端子パターンTP2上の金属膜MF2のそれぞれの表面に金属(錫)が析出し、金属膜MF3(
図5参照)が形成される。
【0075】
このように、電気メッキ法によりバンプ電極30およびバンプ電極31を形成する場合、端子パターンTP1および端子パターンTP2のそれぞれに電位を供給する必要がある。ここで、
図5に示すように、端子パターンTP1と端子パターンTP2とがダイオード素子40を介して電気的に接続されている場合、アノード電極40EAに接続されている端子パターンTP2に電位を供給すれば、カソード電極40ECに接続されている端子パターンTP1にも同じ電位が供給される。なお、厳密には、ダイオード素子40のインピーダンス成分により、端子パターンTP1に供給される電位は端子パターンTP2に供給される電位よりも小さくなるが、その差は電気メッキを実施する上では実質的には同電位と見なせる程度に小さい。
【0076】
このように、本実施の形態によれば、端子パターンTP1と端子パターンTP2とがダイオード素子40を介して電気的に接続されているので、バンプ電極30およびバンプ電極31を電気メッキ法により形成する工程において、端子パターンTP1および端子パターンTP2のそれぞれに容易に電位を供給することができる。
【0077】
また、上記したように、端子パターンTP1および端子パターンTP2を電気的に接続する経路にはダイオード素子40が介在している。
図2を用いて説明したように、ダイオード素子40のアノード電極40EAは、LED素子20のカソード電極20ECに接続され、ダイオード素子40のカソード電極40ECは、LED素子20のアノード電極20EAに接続されている。したがって、バンプ電極30およびバンプ電極31を形成した後、ダイオード素子40を除去しない場合でも、表示装置DSP1の駆動には影響を及ぼさない。
【0078】
図5~
図8では、バンプ電極30およびバンプ電極31のそれぞれが、3層構造の金属膜から成る実施態様について説明した。バンプ電極30およびバンプ電極31のそれぞれが、ニッケルや錫と比較して電気伝導度が高い銅から成る金属膜MF1を有している場合、バンプ電極30およびバンプ電極31の電気的特性を向上させることができる。
【0079】
また、バンプ電極30およびバンプ電極31のそれぞれの金属膜MF1がニッケルから成る金属膜MF2に覆われていることにより、金属膜MF1の表面の酸化を抑制することができる。
【0080】
また、バンプ電極30およびバンプ電極31のそれぞれが、錫から成る金属膜MF3を有している場合、バンプ電極30およびバンプ電極31のそれぞれは、半田バンプとしての特性を得る。このため、
図4に示すバンプ電極30とLED素子20のアノード電極20EAとの接続部分、およびバンプ電極31とLED素子20のカソード電極20ECとの接続部分、の接続を容易に行うことができる。
【0081】
ただし、バンプ電極30およびバンプ電極31の構造には種々の変形例が適用可能である。例えば、バンプ電極30およびバンプ電極31のそれぞれは、錫から成る金属膜MF3のみの単一層構造である場合がある。
【0082】
あるいは、バンプ電極30およびバンプ電極31のそれぞれは、銅から成る金属膜MF1と、金属膜MF1を覆うように形成された金属膜MF3との2層構造から成る場合がある。
【0083】
図4に示すように、基板構造体SUB1は、配線層WL4を含む複数の配線層、および絶縁層15を含む複数の絶縁層を有している。端子パターンTP1および端子パターンTP2は、絶縁層15上に配置されている配線層WL4に形成されている。ダイオード素子40は、配線層WL4とは異なる配線層(
図4に示す例では配線層WL3)に形成されている。
【0084】
基板構造体SUB1の最上層に位置する配線層WL4とは異なる配線層にダイオード素子40が形成されている場合、ダイオード素子40が形成されることに伴う基板構造体SUB1の表面の平坦度を向上させることができる。
【0085】
また、
図4に示すように、基板構造体SUB1の厚さ方向(Z方向)において、ダイオード素子40は、LED素子20と重なる位置に配置されている。言い換えれば、
図3に示すように、透過平面視において、ダイオード素子40は、LED素子20と重なっている。
【0086】
LED素子20と重なる位置にダイオード素子40が配置されている場合、平面視においてダイオード素子40を設けることによるスペースのロスを低減することができる。
【0087】
<変形例>
次に、変形例について説明する。
図9は、
図3に対する変形例である表示装置が有する一つの画素を示す透過平面図である。
図10は、
図9のB-B線に沿った拡大断面図である。
図9では、
図3と同様に、
図10に示す配線層WL4に配置された導体パターンを実線で示し、配線層WL3に配置された導体パターンMP1を点線で示し、LED素子20およびLED素子20が備えている電極の輪郭を二点鎖線で示している。ただし、配線層WL4に配置された金属層41のうち、金属酸化物層42または端子パターンTP1に覆われている部分、金属酸化物層42のうち、金属層43に覆われている部分、および金属層43のうち、端子パターンTP2に覆われている部分は点線で図示している。また、
図9では、
図3に示す画素PIXA、画素PIXB、および画素PIXCのうち、画素PIXAに対応する部分のみを代表的に示している。
【0088】
図9および
図10に示す表示装置DSP2は、ダイオード素子40が、端子パターンTP1,TP2と同層の配線層WL4に形成されている点で
図3および
図4に示す表示装置DSP1と相違する。
【0089】
表示装置DSP2の構造は以下のように表現することができる。端子パターンTP1および端子パターンTP2は、絶縁層15上に配置されている。ダイオード素子40は、絶縁層15上に形成されている。
【0090】
本変形例のように、端子パターンTP1,TP2と同層にダイオード素子40が配置されている場合、
図4に示す表示装置DSP1とは異なり、配線層WL3にダイオード素子40が形成されていない。このため、絶縁層15の厚さを表示装置DSP1と比較して薄くすることができる。
【0091】
一方、表示装置DSP2の場合、表示装置DSP1のようにLED素子20とダイオード素子40とが厚さ方向において重なるように配置することができない。したがって、一つの画素PIXのサイズは、表示装置DSP1の方が小さくすることができる。
【0092】
図9および
図10に示す表示装置DSP2は、上記した相違点を除き、
図3および
図4に示す表示装置DSP1と同様である。このため、表示装置DSP2に関し、表示装置DSP1と重複する説明は省略する。
【0093】
図11は、
図9に示すダイオード素子に対する変形例を示す透過平面図である。
図12は、
図11のC-C線に沿った拡大断面図である。
図11では、
図9と同様に、
図12に示す配線層WL4に配置された導体パターンを実線で示し、配線層WL3に配置された導体パターンMP1を点線で示し、LED素子20およびLED素子20が備えている電極の輪郭を二点鎖線で示している。ただし、配線層WL4に配置された半導体層44の全部と、端子パターンTP1および端子パターンTP2のうち、金属層46に覆われている部分と、は点線で図示している。また、
図11では、
図3に示す画素PIXA、画素PIXB、および画素PIXCのうち、画素PIXAに対応する部分のみを代表的に示している。
【0094】
図11および
図12に示す表示装置DSP3は、ダイオード素子40Aの構造が、
図9および
図10に示す表示装置DSP2が有するダイオード素子40と相違する。ダイオード素子40Aは、半導体層44を有している点で、MIM構造のダイオード素子40と相違する。
【0095】
上記したダイオード素子40と同様に、ダイオード素子40Aは、バンプ電極30,31(
図4参照)を形成する工程において、電気メッキを容易に実施するために設けられた素子である。したがって、ダイオード素子40Aは、端子パターンTP1に接続されているカソード電極40ECと、端子パターンTP2に接続されているアノード電極40EAと、を有している。この条件を満たしていれば、ダイオード素子40は、MIM構造には限定されず、本変形例のように、半導体層44を利用したダイオード素子40Aを用いることができる。
【0096】
半導体層44を形成する場合、半導体層44の下地には、酸化珪素や窒化珪素などの無機絶縁膜であることが好ましい。本変形例の場合、有機絶縁層である絶縁層15上に無機絶縁層である絶縁層17が配置され、半導体層44、端子パターンTP1、および端子パターンTP2のそれぞれは、絶縁層17上に形成されている。
【0097】
半導体層44のうち、端子パターンTP1に接続されている領域は、カソード電極40ECとして機能する。半導体層44のうち、端子パターンTP2に接続されている領域は、アノード電極40EAとして機能する。なお、
図12では、端子パターンTP1および端子パターンTP2のそれぞれが、直接的に半導体層44に接続されている例を示している。本変形例に対する更なる変形例として、端子パターンTP1および端子パターンTP2のそれぞれと半導体層44との間に電極として機能する金属膜が介在している場合がある。
【0098】
半導体層44は、絶縁膜45に覆われている。絶縁膜45上には金属層46が形成されている。ダイオード素子40Aは、TFT(Thin Film Transistor)に似た構造を持っている。金属層46は、TFTのゲート電極に対応し、絶縁膜45は、TFTのゲート絶縁膜に対応する。半導体層44のうち、端子パターンTP1および端子パターンTP2から露出している部分であり、かつ、絶縁膜45を介して金属層46と対向している部分は、順バイアスが印加された時にチャネルとして動作する。
【0099】
ダイオード素子40Aの場合、ゲート電極に相当する金属層46が、端子パターンTP2と電気的に接続されている。この点で、ダイオード素子40AはTFTとは異なっている。
【0100】
ダイオード素子40Aに順バイアスが印加された場合、言い換えれば、ダイオード素子40Aの端子パターンTP2に電位が供給された場合、端子パターンTP2を介して金属層46にも電位が供給される。これにより、半導体層44にチャネルが形成され、キャリア(電子またはホール)がアノード電極40EAからカソード電極40ECに向かって移動する。
【0101】
ダイオード素子40Aに逆バイアスが印加された場合、言い換えれば、ダイオード素子40Aの端子パターンTP1に電位が供給された場合、金属層46には電位が供給されず、半導体層44にチャネルが形成されない。このため、端子パターンTP2には電位が供給され難い。上記の通り、ダイオード素子40Aは、整流機能を備えたダイオードとして動作する。
【0102】
半導体層44を備えたダイオード素子40Aは、
図10に示すMIM構造のダイオード素子40と比較して応答速度が速い。
【0103】
一方、MIM構造のダイオード素子40は、ダイオード素子40Aよりも簡単に製造することができる。例えば、下地層として無機絶縁層である絶縁層17(
図12参照)を設ける必要がないので、有機絶縁膜である絶縁層15上あるいは絶縁層14上に形成することができる。
【0104】
ダイオード素子40Aは例えば以下のように、形成される。なお、以下でまず、下地層となる絶縁層17上に半導体層44を形成する。半導体層44は例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により成膜することができる。次に、端子パターンTP1,TP2を例えばCVD法により成膜した後、エッチングによりパターニングする。次に、端子パターンTP1,TP2および半導体層44を覆うように、絶縁膜45を形成する。絶縁膜45として例えば酸化珪素を用いる場合には、CVD法によりシリコン膜を形成した後、熱酸化法により酸化させる方法が利用できる。次に、絶縁膜45の一部に開口部を形成し、端子パターンTP2の一部分を絶縁膜45から露出させる。この開口部は、金属層46と端子パターンTP2とを電気的に接続するためのコンタクトホールとなる。次に、絶縁膜45上に金属層46を例えばCVD法により成膜する。
【0105】
図示は省略するが、ダイオード素子40Aは、
図4に示すダイオード素子40と同様に、配線層WL3(言い換えれば絶縁層14上)に形成される場合がある。この場合、基板構造体SUB1の厚さ方向において、LED素子20とダイオード素子40Aとが重なるように形成することができる。ただし、絶縁層14上にダイオード素子40Aを形成する場合には、絶縁層14上に
図12に示す無機絶縁層である絶縁層17が形成され、ダイオード素子40Aは絶縁層17上に形成されていることが好ましい。
【0106】
また、スペース的な制約はあるが、
図4に示す駆動トランジスタDRTと同層にダイオード素子40Aが形成される場合がある。この場合、半導体層44は無機絶縁層である絶縁層12上に形成されるので、
図12に示す絶縁層17は不要である。
図4に示す例では、駆動トランジスタDRTは、半導体層50の下層にゲート電極EGが配置されたボトムゲート方式になっている。このため、駆動トランジスタDRTと同層にダイオード素子40Aを形成する場合、
図12に示す金属層46は、
図4に示すゲート電極EGと同様に配線層WL1に形成される。あるいは、ゲート電極EGおよび金属層46のそれぞれが、半導体層50,44よりも上層に形成された、トップゲート構造が適用される場合がある。
【0107】
図11および
図12に示す表示装置DSP3は、上記した相違点を除き、
図9および
図10に示す表示装置DSP2と同様である。このため、表示装置DSP3に関し、表示装置DSP1または表示装置DSP2と重複する説明は省略する。
【0108】
<表示装置の製造方法>
次に、既に説明したバンプ電極形成工程を含め、上記した表示装置の製造方法について説明する。
図13は、表示装置の製造方法の一例を示すフロー図である。
図13に示す表示装置の製造方法は、基板構造体準備工程、バンプ電極形成工程、およびLED素子実装工程を含んでいる。
【0109】
図13に示す基板構造体準備工程では、
図4,
図10,または
図12に示す基板構造体SUB1を準備する。基板構造体準備工程は、基板10の面10f上に複数の配線層(配線層WL1,WL2,WL3,WL4)および複数の絶縁層(絶縁層11,12,13,14,15)を積層する工程を有している。
【0110】
また、基板構造体準備工程は、
図4、または
図10に示すダイオード素子40、あるいは
図12に示すダイオード素子40Aを形成するダイオード素子形成工程を含んでいる。ダイオード素子形成工程は、例えば、絶縁層14を形成した後、絶縁層15を形成した後、あるいは、駆動トランジスタDRT(
図4参照)を形成する工程と同時に実施される。ダイオード素子40を形成する方法およびダイオード素子40Aを形成する方法は、既に説明したので重複する説明は省略する。
【0111】
また、基板構造体準備工程は、
図3、
図9、または
図11に示す端子パターンTP1および端子パターンTP2を形成する、端子パターン形成工程を含んでいる。
【0112】
次に、
図13に示すバンプ電極形成工程は、第1金属膜形成工程、第2金属膜形成工程、および第3金属膜形成工程を含んでいる。ただし、上記したように、
図13に対する変形例として、第1金属膜形成工程および第2金属膜形成工程のいずれかまたは両方が省略される場合がある。
【0113】
図5~
図8のそれぞれを用いて説明したように
図13に示す金属膜形成工程では、電気メッキ法を利用して、端子パターンTP1および端子パターンTP2の両方に電流を流しながらメッキ処理を施すことにより、端子パターンTP1および端子パターンTP2に金属膜を成膜する。本工程で成膜される金属膜のうち、端子パターンTP1上に成膜される金属膜は、
図5に示すバンプ電極30となり、端子パターンTP2上に成膜される金属膜は、
図5に示すバンプ電極31となる。
【0114】
また、
図5に示すように、バンプ電極30は、端子パターンTP1の一部に選択的に形成され、バンプ電極31は、端子パターンTP2の一部に選択的に形成される。端子パターンTP1および端子パターンTP2のそれぞれの一部分は、絶縁層16の一部に設けられた開口部16H1(
図6参照)または開口部16H2において、絶縁層16から露出している。本工程では、絶縁層16をマスクとしてバンプ電極30,31を選択的に形成する。
【0115】
図13に示す第1金属膜形成工程では、端子パターンTP1上および端子パターンTP2上に金属膜MF1(
図7参照)を電気メッキ法により選択的に形成する。第1金属膜形成工程の詳細は、
図6を用いて既に説明したので重複する説明は省略する。
【0116】
第2金属膜形成工程では、金属膜MF1(
図7参照)上に電気メッキ法により金属膜MF2(
図8参照)を形成する。第2金属膜形成工程の詳細は、
図7を用いて既に説明したので重複する説明は省略する。
【0117】
第3金属膜形成工程では、金属膜MF2(
図8参照)上に電気メッキ法により金属膜MF3(
図5参照)を形成する。第3金属膜形成工程の詳細は、
図8を用いて既に説明したので重複する説明は省略する。
【0118】
次に、
図13に示すLED素子搭載工程では、
図4に示すLED素子20を準備して、アノード電極20EAとバンプ電極30とを接続し、かつ、カソード電極20ECとバンプ電極31とを接続する。本工程では、例えば図示しないレーザを照射することにより、バンプ電極30とアノード電極20EAとの接触界面、およびバンプ電極31とカソード電極20ECとの接触界面を加熱する。これにより、アノード電極20EAとバンプ電極30とは電気的に接続され、かつ、カソード電極20ECとバンプ電極31とは電気的に接続される。
【0119】
上記
図3および
図4を用いて説明した表示装置DSP1の場合、LED素子搭載工程において、LED素子20は基板構造体SUB1の厚さ方向において、ダイオード素子40と重なる位置に搭載される。
【0120】
以上、実施の形態および代表的な変形例について説明したが、上記した技術は、例示した変形例以外の種々の変形例に適用可能である。例えば、上記した変形例同士を組み合わせてもよい。
【0121】
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、または、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、表示装置や表示装置が組み込まれた電子機器に利用可能である。
【符号の説明】
【0123】
5 制御回路
6 駆動回路(走査ドライバ)
10 基板
10b,10f,20b,20f 面
11,12,13,14,15,16,17 絶縁層
16H1,16H2 開口部
20,20A,20B,20C LED素子(無機発光ダイオード素子、ダイオード素子)
20EA,40EA アノード電極
20EC,40EC カソード電極
30,31 バンプ電極
40,40A ダイオード素子
41,43,46 金属層
42 金属酸化物層
44,50 半導体層
45 絶縁膜
BCT 出力トランジスタ(スイッチング素子)
Cad 補助容量
CE1,CE2,CE3 陰極部材
CH1,CH2,CH3 コンタクトホール
Cs 保持容量
DA 表示領域
DRT 駆動トランジスタ(スイッチング素子)
DSP1,DSP2,DSP3 表示装置
ED ドレイン電極
EG ゲート電極
ES ソース電極
GL,GLB,GLR,GLS 走査信号線
Grs,Gsb,Gss 制御信号
MF1,MF2,MF3 金属膜
MP1,MP2 導体パターン
MW1,MW2 配線パターン
PC 画素回路
PFA 周辺領域
PIX,PIXA,PIXB,PIXC 画素
PL1,PL2 電源線
PS1,PS2,PS3 メッキ液
Pvdd 高電位
Pvss 低電位
RSL リセット配線
RST リセットトランジスタ(スイッチング素子)
SST 画素選択トランジスタ(スイッチング素子)
SUB1 基板構造体
TP1,TP2 端子パターン(端子、導体パターン)
VL 映像信号線
Vrs リセット信号
Vsg 映像信号
WL1,WL2,WL3,WL4 配線層