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特開2024-151895装着型通知装置、通知方法、及び通知プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151895
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】装着型通知装置、通知方法、及び通知プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/349 20210101AFI20241018BHJP
   A61B 5/366 20210101ALI20241018BHJP
   A61B 5/358 20210101ALI20241018BHJP
   A61B 5/355 20210101ALI20241018BHJP
   A61B 5/256 20210101ALI20241018BHJP
【FI】
A61B5/349
A61B5/366
A61B5/358
A61B5/355
A61B5/256 220
A61B5/256 230
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065688
(22)【出願日】2023-04-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】523139696
【氏名又は名称】平野 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】平野 智彦
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127GG01
4C127GG02
4C127GG05
4C127GG07
4C127GG16
4C127JJ03
(57)【要約】
【課題】使用者の心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる装着型通知装置、通知方法、及び通知プログラムを提供する。
【解決手段】装着型通知装置1は、使用者の体表面に装着され、連続的に計測した使用者の生体電気信号を送信する送信機21、22と、使用者の体表面に装着され、無線接続された送信機21、22から送信される生体電気信号を受信するとともに、使用者の生体電気信号を連続的に計測する受信機10と、を備える。受信機10は、送信機21、22から受信した生体電気信号と計測した生体電気信号とを時系列的に順次取得する信号取得部11と、複数の生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成部12と、生成された心電図波形が、使用者の心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定部13と、判定の結果を使用者に通知する通知部14と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の体表面に装着され、連続的に計測した前記使用者の生体電気信号を送信する送信機と、
前記使用者の体表面のうち前記送信機とは別箇所に装着され、無線接続された前記送信機から送信される前記生体電気信号を受信するとともに、前記使用者の生体電気信号を連続的に計測する受信機と、を備え、
前記受信機は、
前記送信機から送信された前記生体電気信号と、計測した前記生体電気信号とを、時系列的に順次取得する信号取得部と、
前記信号取得部により取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成部と、
前記心電図波形生成部により生成された前記心電図波形が、前記使用者の心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定部と、
前記異常波形判定部による判定の結果を前記使用者に通知する通知部と、
を有すること
を特徴とする装着型通知装置。
【請求項2】
前記受信機は、
前記心電図波形生成部により生成された前記心電図波形を前記受信機内に記憶する記憶部と、
前記異常波形判定部により前記第1異常波形を含むと判定されたとき、前記記憶部により記憶された前記心電図波形を、前記受信機に予め設定された外部端末に送信する送信部と、
をさらに有すること
を特徴とする請求項1に記載の装着型通知装置。
【請求項3】
前記受信機は、近距離無線通信により無線接続された前記送信機から、前記生体電気信号を受信すること
を特徴とする請求項1に記載の装着型通知装置。
【請求項4】
前記受信機は、前記信号取得部により複数の前記生体電気信号を取得された後に新たに入力される入力情報に基づき、当該入力情報の時点よりも前の前記心電図波形を第2異常波形として設定する設定部をさらに有し、前記異常波形判定部は、前記心電図波形生成部により生成された前記心電図波形が、前記設定部に設定された前記第2異常波形を含むか否かを順次判定すること
を特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の装着型通知装置。
【請求項5】
使用者の体表面に装着されて前記使用者の生体電気信号を連続的に計測する送信機から送信された前記生体電気信号と、前記使用者の体表面に装着されて前記送信機と無線接続された受信機により計測された生体電気信号とを、前記受信機において時系列的に順次取得する信号取得ステップと、
前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、
前記心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形が、前記使用者の心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを、前記受信機において順次判定する異常波形判定ステップと、
前記異常波形判定ステップによる判定の結果を、前記受信機を介して前記使用者に通知する通知ステップと、
を有すること
を特徴とする通知方法。
【請求項6】
使用者の体表面に装着されて前記使用者の生体電気信号を連続的に計測する送信機から送信された前記生体電気信号と、前記使用者の体表面に装着されて前記送信機と無線接続された受信機により計測された生体電気信号とを、前記受信機において時系列的に順次取得する信号取得ステップと、
前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、
前記心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形が、前記使用者の心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを、前記受信機において順次判定する異常波形判定ステップと、
前記異常波形判定ステップによる判定の結果を、前記受信機を介して前記使用者に通知する通知ステップと、
をコンピュータに実行させること、
を特徴とする通知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、使用者の心電図波形が致死性等の異常な波形を含むことを使用者に通知するための装着型通知装置、通知方法、及び通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の身体に装着したまま連続的に心電図データを取得する装着型の心電計が研究されている。心電図データを連続的に取得することで、異常を自覚したときや医療機関受診時等の限定された時間にのみ心電図データを取得する場合と比べて、自覚されない心臓の異常を発見し、診断をより正確に行うことができる利点がある。装着型の心電計としては、ホルター心電計が知られている。使用者は、ホルター心電計を用いて自覚症状のない心疾患を発見するために、24時間装着して心電図データを取得し、当該心電図データが記録されたホルター心電計を医療機関経由検査機関に返却し、検査機関が当該心電図データを解析した後に、医師が解析結果をもとに被験者の診断を行うといったプロセスを踏む必要がある。また、心電計は、体表の複数地点で測定した電位情報を集約して心電図を作成するために、有線接続された複数の体表に接する電極を使用者の手足等に装着する必要があった。また、腕時計型の装置で心電図を取得することが実用化されているが、心電図を取得するためには腕時計型装置にもう片方の手の指を接触させなければならない。その他、携帯型の心電計も実用化されているが、両手で装置を握る等、体表の二か所から電位データを取得するために不自然な態勢を取っている間しか心電図を作成することができないという欠点がある。このため、従来の装着型ないしは携帯型心電計は、装着時に使用者の日常生活の支障となり、また常時連続した心電図の取得が不可能であるため、測定時間外での使用者の心電図波形が異常であるか否かを判断できず異常の発見が困難である点と、使用者が心電図の異常発生の度に直ちに知覚することができない点とにおいて、問題があった。
【0003】
特許文献1には、無線接続された複数の端末と、各端末で取得したデータの時刻同期を行うコーディネータと、を備える生体電気信号計測システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再表2014/033942公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された生体電気信号計測システムによれば、各端末は独立に体に取り付けられ、端末間のデータ通信が無線接続されており、有線接続する場合と比べて、使用者が日常生活を続ける際の行動に制限がかかりにくい。また、無線接続による取得データの同期の課題について、コーディネータが生成する同期番号を用いてシーケンス番号をリセットすることで解決している。しかしながら、特許文献1に開示された生体電気信号計測システムは、データを解析した結果として脈波伝搬速度の状態や心拍数を表示できるとされているが、その解析結果が異常であるか否かを使用者が直ちに知覚することができない。その結果、使用者の心疾患等の重症化リスクを低減できない問題がある。
【0006】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、使用者の心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる装着型通知装置、通知方法、及び通知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明における装着型通知装置は、使用者の体表面に装着され、連続的に計測した前記使用者の生体電気信号を送信する送信機と、前記使用者の体表面のうち前記送信機とは別箇所に装着され、無線接続された前記送信機から送信される前記生体電気信号を受信するとともに、前記使用者の生体電気信号を連続的に計測する受信機と、を備え、前記受信機は、前記送信機から送信された前記生体電気信号と、計測した前記生体電気信号とを、時系列的に順次取得する信号取得部と、前記信号取得部により取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成部と、前記心電図波形生成部により生成された前記心電図波形が、前記使用者の心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定部と、前記異常波形判定部による判定の結果を前記使用者に通知する通知部と、を有することを特徴とする。
【0008】
第2発明における装着型通知装置は、第1発明において、前記受信機は、前記心電図波形生成部により生成された前記心電図波形を前記受信機内に記憶する記憶部と、前記異常波形判定部により前記第1異常波形を含むと判定されたとき、前記記憶部により記憶された前記心電図波形を、前記受信機に予め設定された外部端末に送信する送信部と、をさらに有することを特徴とする。
【0009】
第3発明における装着型通知装置は、第1発明において、前記受信機は、近距離無線通信により無線接続された前記送信機から、前記生体電気信号を受信することを特徴とする。
【0010】
第4発明における装着型通知装置は、第1発明~第3発明の何れか一つにおいて、前記受信機は、前記信号取得部により複数の前記生体電気信号を取得された後に新たに入力される入力情報に基づき、当該入力情報の時点よりも前の前記心電図波形を第2異常波形として設定する設定部をさらに有し、前記異常波形判定部は、前記心電図波形生成部により生成された前記心電図波形が、前記設定部に設定された前記第2異常波形を含むか否かを順次判定することを特徴とする。
【0011】
第5発明における通知方法は、使用者の体表面に装着されて前記使用者の生体電気信号を連続的に計測する送信機から送信された前記生体電気信号と、前記使用者の体表面に装着されて前記送信機と無線接続された受信機により計測された生体電気信号とを、前記受信機において時系列的に順次取得する信号取得ステップと、前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、前記心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形が、前記使用者の心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを、前記受信機において順次判定する異常波形判定ステップと、前記異常波形判定ステップによる判定の結果を、前記受信機を介して前記使用者に通知する通知ステップと、を有することを特徴とする。
【0012】
第6発明における通知プログラムは、使用者の体表面に装着されて前記使用者の生体電気信号を連続的に計測する送信機から送信された前記生体電気信号と、前記使用者の体表面に装着されて前記送信機と無線接続された受信機により計測された生体電気信号とを、前記受信機において時系列的に順次取得する信号取得ステップと、前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、前記心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形が、前記使用者の心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを、前記受信機において順次判定する異常波形判定ステップと、前記異常波形判定ステップによる判定の結果を、前記受信機を介して前記使用者に通知する通知ステップと、をコンピュータに実行させること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1発明~第4発明によれば、信号取得部により取得された生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成部と、心電図波形生成部で生成された心電図波形が、使用者の心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定部と、異常波形判定部による判定の結果を使用者に通知する通知部と、を備える。このため、使用者は、生成された心電図波形に含まれる異常波形の発生を、他の装置を介さずに直ちに知ることができる。これにより、医療機関の速やかな受診等により心臓の異常を早期に発見でき、ひいては使用者の心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。
【0014】
特に、第2発明によれば、受信機は、心電図波形生成部により生成された心電図波形を受信機内に記憶する記憶部と、異常波形判定部により第1異常波形を含むと判定されたとき、記憶部により記憶された心電図波形を、受信機に予め設定された外部端末に送信する送信部と、をさらに有する。このため、より速やかに医療機関等の受診を調整することができる。これにより、使用者の心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。
【0015】
特に、第3発明によれば、受信機は、近距離無線通信により無線接続された送信機から、生体電気信号を取得する。すなわち、公衆通信網等の外部通信インフラに依存せずに生体電気信号を取得する。このため、外部通信インフラによる通信範囲の圏外である領域においても生体電気信号を取得し、生成された心電図波形の判定結果を使用者に通知することができる。これにより、使用者の心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。また、外部通信インフラの通信コストや事業者ごとの通信エリア及び通信強度の影響を受けずに生体電気信号を取得できるため、使用者は生体電気信号を取得しながら移動することができ、日常生活の支障を受けにくい。これにより、装着型通知装置1の操作性の向上を図ることができる。
【0016】
特に、第4発明によれば、前記信号取得部により複数の前記生体電気信号を取得された後に新たに入力される入力情報に基づき、当該入力情報の時点よりも前の心電図波形を第2異常波形として設定する設定部をさらに備え、異常波形判定部は、生成された心電図波形が第2異常波形を含むか否かを順次判定する。このため、使用者は、使用者個人特有の異常波形の発生を、他の装置を介さずに直ちに知ることができる。これにより、使用者の心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。
【0017】
第5発明によれば、信号取得ステップにおいて取得された生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、心電図波形生成ステップにおいて生成された心電図波形が、使用者の心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定ステップと、異常波形判定ステップにおける判定の結果を使用者に通知する通知ステップと、を有する。このため、使用者は、生成された心電図波形に含まれる異常波形の発生を、他の装置を介さずに直ちに知ることができる。これにより、医療機関の速やかな受診等により心臓の異常を早期に発見でき、ひいては使用者の心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。
【0018】
第6発明によれば、信号取得ステップにおいて取得された生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、心電図波形生成ステップにおいて生成された心電図波形が、使用者の心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定ステップと、異常波形判定ステップにおける判定の結果を使用者に通知する通知ステップと、をコンピュータに実行させる。このため、使用者は、生成された心電図波形に含まれる異常波形の発生を、他の装置を介さずに直ちに知ることができる。これにより、医療機関の速やかな受診等により心臓の異常を早期に発見でき、ひいては使用者の心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1(a)~図1(b)は、第1実施形態における装着型通知装置の構成を示す模式図である。
図2図2は、第1実施形態における装着型通知装置の詳細な構成を示す模式図である。
図3図3は、第1実施形態における装着型通知装置の動作方法の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態における装着型通知装置の装着状態の一例を示す模式図である。
図5図5は、第2実施形態における装着型通知装置の構成を示す模式図である。
図6図6は、第2実施形態における装着型通知装置の動作方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態としての装着型通知装置1の一例について、図面を参照しながら詳細に説明をする。なお、各図における構成は、説明のため模式的に記載されており、例えば各構成の大きさや、構成毎における大きさの対比等については、図とは異なってもよい。
【0021】
(第1実施形態:装着型通知装置1)
図1図2を参照して、本実施形態における装着型通知装置1の一例を説明する。
【0022】
装着型通知装置1は、使用者が日常生活を送りながら、常に使用者の心電図波形の異常を判定することで心疾患を早期発見し、症状が重症化する前に医師の診察にかかることを支援する。従来の心電計は、特定時間の測定のみを対象としていたため、測定時間外に突発的に発生する症状に対して有効ではなかった。装着型通知装置1は、医師の診察を代理するような高い精度の症状の判定を行うのではなく、心電図波形の異常を示す異常波形の取りこぼしを低減し、心電図波形の異常から心疾患の疑いを使用者に対して示すことにある。これにより、使用者は心疾患等が重症化する前に医師の診察にかかる機会を得られ、重症化するリスクの低減を図ることができる。
【0023】
装着型通知装置1は、例えば図1(a)~図1(b)に示すように、受信機10と無線接続された一つ以上の送信機を備える。図1(b)に示した装着型通知装置1は、受信機10と、体表面のうち異なる二箇所に装着される送信機21、22を使用する形態を例示している。本実施形態においては、体表電位値を取得するための関電極21a、22aと、取得した電位値データを受信機10に送信するための送信部21b、22bと、を有する2つの送信機21、22と、受信機10とを備える装着型通知装置1を説明するが、これに限定されない。装着型通知装置1は、一の送信機を備えてもよく、3以上の送信機を備えてもよい。また、本実施形態では、装着型通知装置1が使用者の左手首、右手首、左足首の3カ所に装着される例を説明するが、これに限定されず、使用者の心電図波形を生成するための体表電位を取得できる任意の部位に装着されてもよく、例えば右足首、胸部、腹部等に装着されてもよい。
【0024】
<受信機10>
受信機10は、無線接続された各送信機21、22から送信される生体電気信号を受信するとともに、使用者の生体電気信号を連続的に計測する。ここで、連続的な信号の計測とは、例えば後述のRTC(リアルタイムクロック)の時刻情報の単位ごとに時系列的に信号を計測することを指す。受信機10は、例えば図1(a)に示すように、信号取得部11と、心電図波形生成部12と、異常波形判定部13と、通知部14と、を備える。受信機10は、例えば記憶部15と、送信部16と、をさらに備えてもよい。受信機10は、例えば図1(b)に示すように、受信機10を装着する使用者の生体電気信号を取得するための関電極10aと、使用者の生体電気信号を取得した各送信機21、22から無線通信により生体電気信号を受信するための受信部10bと、を有する。ここで、生体電気信号とは、使用者の心臓の電気的な活動を示す体表電位値を指すが、当該体表電位値以外のノイズを含む状態で取得され、受信機10内の信号処理により体表電位値が抽出されてもよい。
【0025】
関電極10aとしては、使用者に装着可能な皮膚に接触する電極が用いられ、例えばディスポーザブル電極が用いられる。ディスポーザブル電極のセンサの材質としては、例えば銀/塩化銀センサ等、公知の腕時計型心電計用もしくは携帯型心電計用の電極を用いることができる。
【0026】
受信機10は、例えば図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、保存部104と、I/F105~107とを備える。各構成101~107は、内部バス110により接続される。保存部104として、例えばHDD(Hard Disk Drive)のほか、SSD(Solid State Drive)等のデータ保存装置が用いられる。なお、受信機10は、CPU101が、RAM103を作業領域として、保存部104等に記憶されたプログラムを実行することにより、信号取得部11、心電図波形生成部12、異常波形判定部13、通知部14、記憶部15、及び送信部16の機能を実現する。
【0027】
I/F105は、無線通信を介して各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。I/F106は、入力部108との情報の送受信を行うためのインターフェースである。入力部108として、例えばキーボードが用いられ、使用者は、入力部108を介して、各種情報、又は受信機10の制御コマンド等を入力する。I/F107は、表示部109との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。表示部109は、保存部104に保存された各種情報、異常波形判定部13の判定結果、又は通知部14の通知内容等を表示する。表示部109として、ディスプレイが用いられ、例えばタッチパネル式の場合、入力部108と一体に設けられる。
【0028】
受信機10は、計測する生体電気信号と時刻情報との連携、及び取得した生体電気信号の波形を解析するための計時等を実行するための、図示しないRTCモジュールを備えてもよい。RTCは、例えば時刻情報を0.01秒単位で生成することができる。受信機10は、記憶部15を介して、取得した生体電気信号又は生成した心電図波形等を保存部104に記憶させ、保存部104に記憶させた生体電気信号又は心電図波形等を取り出す。受信機10は、送信部16を介して、保存部104に記憶された生体電気信号又は心電図波形を、装着型通知装置1以外の外部端末に送信させてもよい。
【0029】
受信機10の形状としては、関電極10aの貼着面が露出したリング型、バンド型、パッチ型等を適用できる。受信機10は、形状を薄く、材質に樹脂等を用いて軽量にすることで、使用者が常時装着しても日常生活に支障を来さない。また、受信機10は、腕時計、腕輪、アンクレット等のアクセサリー形態を取ることでファッション性を持たせ、使用者が装着することによる違和感を周囲の第三者に与えないようにすることができる。
【0030】
受信機10は、例えば図示しないバッテリーが搭載される。受信機10は、搭載されたバッテリーから各機能の動作に必要な電力を供給する。この場合、使用者は日常生活を送りながら装着型通知装置1を使用し、連続的な心電図波形を生成することができる。
【0031】
受信機10は、CPU101とROM102とRAM103とが集積された、図示しない公知のマイクロコントローラが搭載されてもよい。この場合、受信機10は、CPU101が、RAM103を作業領域として、ROM102に記憶されたプログラムを実行することにより、信号取得部11、心電図波形生成部12、異常波形判定部13、及び通知部14の機能を実現する。また、マイクロコントローラの代わりにデジタル信号の処理に優れるDSP(Digital Signal Processor)を用いてもよい。
【0032】
<信号取得部11>
信号取得部11は、装着型通知装置1を装着した使用者の生体電気信号を取得する。信号取得部11は、各送信機21、22から送信された生体電気信号と、受信機10が計測した生体電気信号とを、時系列的に順次取得する。ここで、受信機10と各送信機21、22とは、異なる部位の体表面に装着されて計測されるため、各送信機21、22から送信された生体電気信号と、受信機10が計測した生体電気信号とは、異なる生体電気信号を示す。本実施形態において、信号取得部11は、例えば図1(b)に示すように、受信機10に搭載された関電極10aと装置内で有線接続され、無線接続された各送信機21、22から生体電気信号を受信するために受信機10に搭載された受信部10bと装置内で有線接続される。信号取得部11、関電極10a、及び受信部10bは、信号取得部11が取得した各種信号は、例えばRAM103に記憶される。
【0033】
信号取得部11は、例えば各関電極10a、21a、22aが計測した電位を、心電図波形の生成に用いる信号として、右手首近傍の単極誘導による心電図(aVR)と、左手首近傍の単極誘導による心電図(aVL)と、左足首近傍の単極誘導による心電図(aVF)と、を取得する(単極誘導法)。信号取得部11は、例えば各関電極10a、21a、22aが計測した電位の差分である差動電位信号を、心電図波形の生成に用いる信号として取得する(双極誘導法)。差動電位信号としては、右手首近傍の電位と左手首近傍の電位との差分である1誘導心電図と、右手首近傍の電位と左足首近傍の電位との差分である2誘導心電図と、左足首近傍の電位と左手首近傍の電位との差分である3誘導心電図と、を取得してもよい。また、取得した各種心電図を、図示しない差動増幅器を用いて増幅処理してノイズ成分を除去してもよい。
【0034】
なお、差動電位信号を算出する場合、同様の時刻情報で紐づけられた各関電極10a、21a、22aが計測した電位の差分により算出する。同様の時刻情報とは、例えば0.01秒単位で同じ時刻を示す情報でもよく、デジタル処理の誤差を考慮して、例えば0.1秒単位~0.01秒単位の間で調整してもよい。
【0035】
信号取得部11は、使用者の生体電気信号を時系列的に順次取得する。ここで、取得の間隔は、RTCの時刻情報の単位に合わせて設定され、例えば0.01秒単位で時系列的に順次取得される。
【0036】
<心電図波形生成部12>
心電図波形生成部12は、信号取得部11により取得された生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する。ここで、心電図波形生成部12は、信号取得部11により取得され、記憶部15により時刻情報と紐づけられた生体電気信号について、時系列の順に並べることにより、心電図波形を示すデータを生成する。
【0037】
<異常波形判定部13>
異常波形判定部13は、心電図波形生成部12により生成された心電図波形が、使用者の心電信号の異常を示す異常波形を含むか否かを順次判定する。異常波形は、例えば予め保存部104に記憶された波形のうち、判定対象とする波形が設定される。なお、異常波形判定部13は、公知のアルゴリズムを用いて、異常波形の有無を自動的に判定しても良い。
【0038】
<通知部14>
通知部14は、異常波形判定部13による判定の結果を使用者に通知する。通知部14は、例えば使用者の心電図波形に異常波形が含まれると判定したとき、使用者に対してその旨を通知する。通知の手段としては、振動モータ等の振動素子による振動、LED等の発光素子による発光、スピーカーによる音の出力、発熱体による熱の出力、表示部109による文字表示等が用いられる。受信機10は、これらの通知手段に必要な素子等を備えてもよい。ただし、通知部14は、使用者に通知する目的で刺激を出力するが、ICD(埋め込み式除細動器)のように使用者の治療を目的とした刺激を出力しない。
【0039】
<記憶部15>
記憶部15は、例えば信号取得部11が取得した生体電気信号又は心電図波形生成部12が生成した心電図波形等を保存部104に記憶させ、保存部104に記憶させた生体電気信号又は心電図波形等を取り出す。記憶部15は、例えば信号取得部11が取得した生体電気信号又は心電図波形生成部12が生成した心電図波形等を、時刻情報と紐づけた上で保存部104に記憶させる。
【0040】
<送信部16>
送信部16は、例えば保存部104に予め記憶された生体電気信号又は心電図波形を、装着型通知装置1以外の外部端末に送信する。送信部16は、例えば記憶部15が保存部104に記憶させた生体電気信号又は心電図波形を、装着型通知装置1以外の外部端末に送信する。
【0041】
送信部16は、必要に応じて、保存部104等に予め設定された識別情報(電話番号、メールアドレス等)に基づき特定される外部端末を送信先として、保存部104に記憶された生体電気信号又は心電図波形を送信させてもよい。このとき、送信部16は、記憶部15により保存部104に記憶された心電図波形のうち、異常波形判定部13により異常と判定された心電図波形を、予め設定された外部端末に送信してもよい。この場合、使用者はより速やかに医療機関等の受診を調整することができる。これにより、使用者の心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。
【0042】
<第1送信機21、第2送信機22>
第1送信機21及び第2送信機22は、使用者の体表面に装着され、連続的に計測した使用者の生体電気信号を、無線接続された受信機10に送信する。ここで、連続的な信号の計測とは、RTCの時刻情報の単位ごとに時系列的に信号を計測することを指す。
【0043】
第1送信機21及び第2送信機22は、公知の無線通信技術により、受信機10と無線接続される。なお、第1送信機21及び第2送信機22は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)等の近距離無線通信により無線接続されてもよい。この場合、公衆通信網が圏外である領域においても生体電気信号を取得し、生成された心電図波形の判定結果を使用者に通知することができる。これにより、使用者の心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。また、外部通信インフラの通信コストや事業者ごとの通信エリア及び通信強度の影響を受けずに生体電気信号を取得できるため、使用者は生体電気信号を取得しながら移動することができ、日常生活の支障を受けにくい。これにより、装着型通知装置1の操作性の向上を図ることができる。
【0044】
第1送信機21は、例えば図1(b)に示すように、関電極21aと、送信部21bと、を有する。第1送信機21は、関電極21aが計測した使用者の生体電気信号を、送信部21bにより、無線通信を介して受信機10に送信する。第2送信機22は、例えば関電極22aと、送信部22bと、を有する。第2送信機22は、関電極22aが計測した使用者の生体電気信号を、送信部22bにより、無線通信を介して受信機10に送信する。
【0045】
関電極21a、22aとしては、関電極10aと同様の電極が用いられ、例えばディスポーザブル電極が用いられる。
【0046】
第1送信機21及び第2送信機22は、例えば受信機10と同様に、CPUとROMとRAMとが集積された、図示しない公知のマイクロコントローラがそれぞれ搭載されてもよく、当該マイクロコントローラを各送信部21b、22bとして機能させてもよい。このとき、CPUがROMに記憶されているプログラムを読み出して、RAMを作業領域として実行することにより各送信部21b、22bの機能を実現する。
【0047】
第1送信機21及び第2送信機22の形状としては、関電極21a、22aの貼着面が露出したリング型、バンド型、パッチ型等を適用できる。
【0048】
第1送信機21及び第2送信機22は、例えば図示しないバッテリーが搭載される。第1送信機21及び第2送信機22は、搭載されたバッテリーから各機能の動作に必要な電力を供給する。
【0049】
(第1実施形態:装着型通知装置1の動作の一例)
図3図4を参照して、本実施形態における装着型通知装置1の動作の一例を説明する。装着型通知装置1は、使用者Uの体表面に装着された状態で動作する。
【0050】
装着型通知装置1は、例えば装着型通知装置1内に予めインストールされた通知プログラムを介して実行する。
【0051】
装着型通知装置1の動作としては、例えば図3に示すように、信号取得ステップS11と、心電図波形生成ステップS12と、異常波形判定ステップS13と、通知ステップS14と、を有する。装着型通知装置1は、各ステップS11~S14を繰り返し実施することで、使用者Uの生体電気信号を時系列的に順次取得し、使用者Uの心電図波形を時系列的に順次生成し、使用者Uの心電図波形に異常波形が含まれるか否かを時系列的に順次判定し、その判定結果を使用者Uに対してリアルタイム(例えば異常波形判定部13による判定完了から0.001秒~0.01秒程度)に通知することができる。また、装着型通知装置1の動作は、記憶ステップS15と、送信ステップS16と、をさらに有してもよい。
【0052】
<信号取得ステップS11の事前準備>
信号取得ステップS11を実行するための事前準備として、例えば図4に示すように、受信機10と、各送信機21、22とを、使用者Uの体表面に装着する。図3の例では、受信機10を使用者Uの左手首に、第1送信機21を使用者Uの左足首に、第2送信機22を使用者Uの右足首に装着している。また、受信機10は、例えば異常波形判定部13が異常波形を含むか否かを判定するための異常波形が、予め保存部104に記憶されている。
【0053】
<第1異常波形>
第1異常波形は、異常波形判定部13が異常波形を含むか否かを判定するための波形である。第1異常波形は、例えば心電図波形のうち所定の周期分の波形を指し、P波、QRS波、T波を一ずつ含む波形を指す。第1異常波形は、例えば予め保存部104に記憶されている。なお、予め記憶される第1異常波形の所定の周期分とは、1周期以上である。第1異常波形は、例えば複数周期分の波形を含んでもよい。これにより、使用者Uの心拍のゆらぎ等の時系列的な変化の分析に有用な情報を取得したり、使用者Uの1分当たり心拍数、1秒当たり心拍回数、心拍の間隔等の分析に有用な情報を取得したりすることができる。
【0054】
第1異常波形は、例えば「異常Q波」である。これは、QRS波のうちQ波が著しく大きくなる波形を指し、心筋梗塞や心筋症などの心筋障害が疑われる人に見られる傾向にある。異常Q波の基準としては、Q波の幅が0.04秒以上、又はQ波の電位の深さがR波の電位の高さの25%以上、である。
【0055】
第1異常波形は、例えば「1度房室ブロック」である。房室ブロックとは、電気が心房から心室に届くまでの時間、すなわちPQ間隔が通常より長い状態を指す。1度房室ブロックの基準としては、PQ間隔が0.12秒以上0.20秒以下である。1度房室ブロックは、通常治療を要しない波形であるが、2以上P波が伝導する間にQRS波が一度欠落する2度房室ブロックや、P波とQRS波とに規則性がない3度房室ブロック(完全房室ブロック)に悪化するおそれがある。特に、3度房室ブロックは、失神や突然死の原因となり得る危険な状態とされるため、房室ブロックが新たに生じたときや、極端な電気伝導時間の延長等の自覚症状がある場合に備える必要がある。
【0056】
第1異常波形は、例えば、「ST低下」である。これは、心電図波形のうちST部(QRS波のSからT波までの接続部分)が基線よりも下がった状態を指す。ST低下は、心筋虚血や心肥大などの症状が疑われる人に見られる傾向にある。
【0057】
第1異常波形は、例えば、「陰性T」である。これは、心電図波形のうち通常山形で現れるT波が谷型で現れる状態を指す。陰性Tは、心筋梗塞、高血圧や心筋症による心肥大などの症状が疑われる人に見られる傾向にある。
【0058】
上述の異常波形の例の他、第1異常波形は、一定の条件を満たす複数の波形を示してもよい。例えば、P波・Q波・R波・S波の電位の高さ又は深さ、PP間隔(P波から次のP波までの時間)、PQ間隔(P波から次のQ波までの時間)、RR波(R波から次のR波までの時間)、一のQRS波の時間等が、予め設定した設定条件を満たす波形を、第1異常波形としてもよい。例えば、異常Q波の特徴に基づき、設定条件「Q波の幅が0.04秒以上、又はQ波の電位の深さがR波の電位の高さの25%以上」を満たす波形を第1異常波形としてもよい。
【0059】
<信号取得ステップS11>
信号取得ステップS11において、信号取得部11は、各送信機21、22から送信された生体電気信号と、受信機10により計測された生体電気信号とを、受信機10において時系列的に順次取得する。信号取得ステップS11において、信号取得部11は、受信機10が有する関電極10aと、第1送信機21が有する関電極21aと、第2送信機22が有する関電極22aとが計測した生体電気信号を取得する。なお、各送信機21、22は、各関電極21a、22aが生体電気信号を取得したあと、例えば0.01秒~1秒の間に受信機10へ送信するが、無線接続の不良等に備えて各送信機21、22内のRAMにバックアップを記憶し、無線接続の不良が解消した後に送信してもよい。
【0060】
信号取得部11は、例えば取得した各種信号を、受信機10が有する図示しない増幅処理部による増幅処理、図示しないフィルタ処理部によるフィルタ処理、図示しないデジタル変換部によるデジタル変換処理を実施した各種信号を取得してもよい。
【0061】
<心電図波形生成ステップS12>
心電図波形生成ステップS12は、信号取得ステップS11の後に実施される。心電図波形生成ステップS12において、心電図波形生成部12は、信号取得部11により取得された使用者Uの複数の生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する。生成された心電図波形は、例えば保存部104に順次記憶される。生成された心電図波形は、例えば表示部109に順次表示されてもよい。
【0062】
<異常波形判定ステップS13>
異常波形判定ステップS13は、心電図波形生成ステップS12の後に実施される。異常波形判定ステップS13において、異常波形判定部13は、心電図波形生成部12により生成された心電図波形が、予め設定された第1異常波形を含むか否かを順次判定する。生成された心電図波形の各種波形の検出及び解析については、例えば受信機10に予めインストールされた公知のアルゴリズム(システム)を用いてもよい。異常波形判定部13は、例えば受信機10に予めインストールされた「Pan-Tompkins(PT)アルゴリズム」等のリアルタイムQRS検出システムにより検出した波形について、第1異常波形を含むか否かを順次判定してもよい。
【0063】
<通知ステップS14>
通知ステップS14は、異常波形判定ステップS13の後に実施される。通知ステップS14において、通知部14は、異常波形判定部13による判定の結果を使用者Uに通知する。この場合、生成された心電図波形が異常波形を含むという判定結果を、他の装置を介さずに使用者Uに通知することができる。これにより、使用者Uの心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。
【0064】
<記憶ステップS15>
記憶ステップS15は、信号取得ステップS11、心電図波形生成ステップS12、異常波形判定ステップS13のうち少なくとも何れかの後に実施される。記憶ステップS15において、記憶部15は、信号取得ステップS11において信号取得部11が取得した生体電気信号、又は心電図波形生成ステップS12において心電図波形生成部12が生成した心電図波形等を保存部104に記憶させ、保存部104に記憶させた生体電気信号又は心電図波形等を取り出す。記憶部15は、異常波形判定ステップS13において異常波形判定部13が実施する第1異常波形を含むか否かの判定結果を保存部104に記憶させ、保存部104に記憶させた当該判定結果を取り出してもよい。
【0065】
<送信ステップS16>
送信ステップS16は、記憶ステップS15の後に実施される。送信ステップS16において、送信部16は、例えば異常波形判定ステップS13において異常波形判定部13が第1異常波形を含むと判定したとき、記憶ステップS15において記憶部15が記憶した、信号取得部11が取得した生体電気信号、又は心電図波形生成部12が生成した心電図波形を、予め設定された外部端末に送信する。
【0066】
上述した各ステップを実行し、本実施形態における装着型通知装置1の動作は終了する。なお、装着型通知装置1は、例えば上述した各ステップを繰り返し実行してもよい。
【0067】
本実施形態によれば、信号取得部11により取得された生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成部12と、心電図波形生成部12で生成された心電図波形が、使用者Uの心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定部13と、異常波形判定部13による判定の結果を使用者Uに通知する通知部14と、を備える。このため、生成された心電図波形が異常波形を含むか否かを判定し、その判定結果を他の装置を介さずに使用者Uに通知することができる。これにより、使用者Uの心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、受信機10は、心電図波形生成部12により生成された心電図波形を受信機10内に記憶する記憶部15と、異常波形判定部13により第1異常波形を含むと判定されたとき、記憶部15により記憶された心電図波形を、受信機10に予め設定された外部端末に送信する送信部16と、をさらに有する。このため、より速やかに医療機関等の受診を調整することができる。これにより、使用者の心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、受信機10は、近距離無線通信により無線接続された送信機21、22から、生体電気信号を取得する。このため、公衆通信網が圏外である領域においても生体電気信号を取得し、生成された心電図波形の判定結果を使用者Uに通知することができる。これにより、使用者Uの心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。また、外部通信インフラの通信コストや事業者ごとの通信エリア及び通信強度の影響を受けずに生体電気信号を取得できるため、使用者Uは生体電気信号を取得しながら移動することができ、日常生活の支障を受けにくい。これにより、装着型通知装置1の操作性の向上を図ることができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、信号取得ステップS11において取得された生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップS12と、心電図波形生成ステップS12において生成された心電図波形が、使用者Uの心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定ステップS13と、異常波形判定ステップS13における判定の結果を使用者Uに通知する通知ステップS14と、を有する。このため、生成された心電図波形が異常波形を含むか否かを判定し、その判定結果を他の装置を介さずに使用者Uに通知することができる。これにより、使用者Uの心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、通知プログラムは、信号取得ステップS11において取得された生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップS12と、心電図波形生成ステップS12において生成された心電図波形が、使用者Uの心電信号の異常を示す予め設定された第1異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定ステップS13と、異常波形判定ステップS13における判定の結果を使用者Uに通知する通知ステップS14と、をコンピュータに実行させる。このため、生成された心電図波形が異常波形を含むか否かを判定し、その判定結果を他の装置を介さずに使用者Uに通知することができる。これにより、使用者Uの心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。
【0072】
(第2実施形態:装着型通知装置1)
図5を参照して、本実施形態における装着型通知装置1の動作の一例を説明する。本実施形態は、装着型通知装置1が設定部17をさらに備える点で、第1実施形態とは異なる。なお、上述の内容と同様の構成については、説明を省略する。
【0073】
<受信機10>
受信機10は、第1異常波形とは異なる異常波形を設定するための設定部17をさらに備える。
【0074】
受信機10は、設定部17が異常波形を設定するために必要な入力を行うための、図示しない加速度センサやジャイロセンサを有してもよい。加速度センサ及びジャイロセンサを用いることで、受信機10を装着した使用者の転倒を検知することができる。
【0075】
<設定部17>
設定部17は、信号取得部11により複数の生体電気信号が取得された後に新たに入力される入力情報に基づき、当該入力情報の時点よりも前の心電図波形を異常波形として設定する。この異常波形の設定方法は、新たに入力される入力情報の時点よりも前から生体電気信号を連続的に取得することで実現することができ、新たに入力される入力情報をトリガーとして生体電気信号の取得を開始する従来技術では実現できない。なお、この方法により特定された異常波形が、受信機10に予め設定された異常波形と同様である場合、設定部17は当該異常波形を設定しなくてもよい。
【0076】
新たに入力される入力情報としては、例えば上述のセンサによる転倒検知情報である。設定部17は、転倒検知情報を異常波形設定のトリガーとして、当該センサからの転倒検知情報を、時刻情報と紐づけて取得する。その後、取得した当該時刻情報と対応する生体電気信号の時刻情報を基準として、その時刻情報が示す時刻よりも前の一周期分の波形を異常波形として設定する。このとき、設定部17は、当該時刻よりも前の、最新の一周期分の波形を異常波形として設定してもよく、時間変化を考慮するために、当該時刻よりも前の、最新の一周期分の波形を異常波形として、複数設定してもよい。
【0077】
設定部17は、例えば使用者又は使用者の近くにいる第三者の入力部108を介しての入力情報を異常波形設定のトリガーとしてもよい。設定部17は、入力部108を介しての入力情報を異常波形設定のトリガーとして、入力部108からの入力情報を、時刻情報と紐づけて取得する。その後、取得した当該時刻情報と対応する生体電気信号の時刻情報を基準として、その前から位置周期分の波形を異常波形として設定する。
【0078】
設定部17は、例えば予め受信機10にインストールされた、AI(人工知能)を搭載した公知の心電図解析ソフトウェアが異常として検出した波形を、異常波形として設定してもよい。
【0079】
<異常波形判定部13>
異常波形判定部13は、心電図波形生成部12により生成された心電図波形が、設定部17に設定された異常波形を含むか否かを順次判定する。設定部17に設定された異常波形は、例えば保存部104に記憶される。
【0080】
(第2実施形態:装着型通知装置1の動作の一例)
図6を参照して、本実施形態における装着型通知装置1の動作の一例を説明する。
【0081】
装着型通知装置1の動作としては、例えば図6に示すように、信号取得ステップS11の前に、設定ステップS17をさらに有する。
【0082】
<設定ステップS17>
設定ステップS17において、設定部17は、信号取得部11により複数の生体電気信号が取得された後に新たに入力される入力情報に基づき、当該入力情報の時点よりも前の心電図波形を第2異常波形として設定する。
【0083】
<第2異常波形>
第2異常波形は、異常波形判定部13が異常波形を含むか否かを判定するための波形である。第2異常波形は、例えば心電図波形のうち所定の周期分の波形を指し、P波、QRS波、T波を少なくとも一ずつ含む波形を指す。
【0084】
第2異常波形は、例えば使用者Uが入力部108を介して入力する、第1異常波形との差分に関する入力情報に基づき設定されてもよい。
【0085】
使用者Uは、例えば自身の不調を自覚した際に、ボタン式の入力部108を介して、受信機10に自身が不調である旨の入力情報を入力する。また、使用者Uの近くにいる第三者は、例えば使用者Uの不調を視認した際に、ボタン式の入力部108を介して、受信機10に使用者Uが不調である旨の入力情報を入力する。入力情報を受けた受信機10は、記憶部15を介して、入力情報と、入力情報の入力があった時刻情報とを紐づけて、保存部104に記憶させる。また、設定部17は、入力情報に紐づけられた時刻情報を基準として、当該時刻情報よりも前の、所定の周期分の波形を第2異常波形として設定する。なお、受信機10によるこれら一連の処理は、使用者Uによる入力部108を介した入力に限定されず、例えば受信機10が使用者Uの転倒や、受信機10が自身の胸部を押さえるなどの動作等による受信機10への外圧を検知した際に、自動的に実行されてもよい。また、入力部108がマイク等の音声入力機能を有する場合、使用者Uの特定の発話等を検知した際も同様に、当該時刻情報よりも前の所定の周期分の波形を第2異常波形として設定してもよい。なお、設定部17が設定する所定の周期分とは、1周期以上である。設定部17は、例えば当該時刻情報よりも前の複数周期分を第2異常波形として設定してもよい。これにより、第2異常波形に含まれる心拍のゆらぎ等の時系列的な変化の分析に有用な情報を取得したり、第2異常波形の周期によらず第2異常波形に基づく1分当たり心拍数、1秒当たり心拍回数、心拍の間隔等の分析に有用な情報を取得したりすることができる。
【0086】
第2異常波形は、例えば予め受信機10にインストールされた、AI(人工知能)を搭載した公知の心電図解析ソフトウェアが異常として検出した波形が設定されてもよい。この場合、使用者Uに不調の自覚のない波形についても、ソフトウェアによる異常検出に基づき第2異常波形として設定される。これにより、使用者Uの心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。
【0087】
上述の異常波形の例の他、第2異常波形は、上述の受信機10による処理により特定された所定の周期分の波形について、PP間隔、PQ間隔、RR間隔、一のQRS波の時間等の数値情報を、第2異常波形として設定してもよい。
【0088】
<異常波形判定ステップS13>
異常波形判定ステップS13において、異常波形判定部13は、心電図波形生成ステップS12において心電図波形生成部12により生成された心電図波形が、設定ステップS17において設定部17に設定された第2異常波形を含むか否かを順次判定する。異常波形判定部13は、例えば「Pan-Tompkins(PT)アルゴリズム」等のリアルタイムQRS検出システムを用いられ検出した波形について、第2異常波形を含むか否かを順次判定してもよい。
【0089】
<通知ステップS14>
通知ステップS14において、通知部14は、異常波形判定部13による判定の結果を使用者Uに通知する。この場合、使用者U個人の特有の異常波形を含むか否かを判定し、その判定結果を使用者Uに通知することができる。これにより、使用者Uの心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。
【0090】
通知部14は、第1異常波形を含むことを判定した場合と、第2異常波形を含むことを判定した場合とで、使用者Uに通知する方法を分けてもよい。第1異常波形よりも正常波形に近い第2異常波形を設定した場合は、例えば第2異常波形判定時に発光のみ、第1異常波形判定時に発光とともに振動や音を出力してもよい。第1異常波形よりも正常波形から遠い第2異常波形を設定した場合は、例えば第1異常波形判定時に発光のみ、第2異常波形判定時に発光とともに振動や音を出力してもよい。
【0091】
本実施形態によれば、使用者Uによる入力に基づき、当該入力情報の時点よりも前の心電図波形を第2異常波形として設定する設定部17をさらに備え、異常波形判定部13は、生成された心電図波形が第2異常波形を含むか否かを順次判定する。このため、使用者U個人の特有の異常波形を含むか否かを判定し、その判定結果を使用者Uに通知することができる。これにより、使用者Uの心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1 装着型通知装置
10 受信機
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 保存部
105~107 I/F
108 入力部
109 表示部
110 内部バス
11 信号取得部
12 心電図波形生成部
13 異常波形判定部
14 通知部
15 記憶部
16 送信部
17 設定部
21 第1送信機
22 第2送信機
U 使用者
S11 信号取得ステップ
S12 心電図波形生成ステップ
S13 異常波形判定ステップ
S14 通知ステップ
S15 記憶ステップ
S16 送信ステップ
S17 設定ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の体表面に装着され、連続的に計測した前記使用者の生体電気信号を送信するリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの送信機と、
前記使用者の体表面のうち前記送信機とは別箇所に装着され、無線接続された前記送信機から送信される前記生体電気信号を受信するとともに、前記使用者の生体電気信号を連続的に計測するリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの受信機と、を備え、
前記受信機は、
前記送信機から送信された前記生体電気信号と、計測した前記生体電気信号とを、時刻情報と紐づけて時系列的に順次取得する信号取得部と、
前記信号取得部により取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を時刻情報と紐づけて時系列的に順次生成する心電図波形生成部と、
前記信号取得部により複数の前記生体電気信号を取得された後に新たに入力される入力情報を時刻情報と紐づけて取得した上で、当該時刻情報と対応する生体電気信号の時刻情報を基準として、その時刻情報が示す時刻よりも前の最新の前記心電図波形を異常波形として設定する設定部と、
前記心電図波形生成部により生成された前記心電図波形が、前記設定部により設定された前記異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定部と、
前記異常波形判定部による判定の結果を前記使用者に通知する通知部と、
を有すること
を特徴とする装着型通知装置。
【請求項2】
前記受信機は、
前記心電図波形生成部により生成された前記心電図波形を前記受信機内に記憶する記憶部と、
前記異常波形判定部により前記異常波形を含むと判定されたとき、前記記憶部により記憶された前記心電図波形を、前記受信機に予め設定された外部端末に送信する送信部と、
をさらに有すること
を特徴とする請求項1に記載の装着型通知装置。
【請求項3】
前記受信機は、近距離無線通信により無線接続された前記送信機から、前記生体電気信号を受信すること
を特徴とする請求項1に記載の装着型通知装置。
【請求項4】
使用者の体表面に装着され、前記使用者の生体電気信号を連続的に計測するリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの送信機から送信された前記生体電気信号と、前記使用者の体表面に前記送信機と無線接続されたリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの受信機により計測された生体電気信号とを、前記受信機において時刻情報と紐づけて時系列的に順次取得する信号取得ステップと、
前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時刻情報と紐づけて時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、
前記信号取得ステップにより複数の前記生体電気信号を取得された後に新たに入力される入力情報を時刻情報と紐づけて取得した上で、当該時刻情報と対応する前記生体電気信号の時刻情報を基準として、前記心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形のうちその時刻情報が示す時刻よりも前の最新の前記心電図波形を異常波形として設定する設定ステップと、
前記設定ステップのあと、再度実施する前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時系列的に順次生成する第2の心電図波形生成ステップと、
前記第2の心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形が、前記設定ステップにより設定された前記異常波形を含むか否かを、前記受信機において順次判定する異常波形判定ステップと、
前記異常波形判定ステップによる判定の結果を、前記受信機を介して前記使用者に通知する通知ステップと、
を有すること
を特徴とする通知方法。
【請求項5】
使用者の体表面に装着され、前記使用者の生体電気信号を連続的に計測するリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの送信機から送信された前記生体電気信号と、前記使用者の体表面に前記送信機と無線接続されたリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの受信機により計測された生体電気信号とを、前記受信機において時刻情報と紐づけて時系列的に順次取得する信号取得ステップと、
前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時刻情報と紐づけて時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、
前記信号取得ステップにより複数の前記生体電気信号を取得された後に新たに入力される入力情報を時刻情報と紐づけて取得した上で、当該時刻情報と対応する前記生体電気信号の時刻情報を基準として、前記心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形のうちその時刻情報が示す時刻よりも前の最新の前記心電図波形を異常波形として設定する設定ステップと、
前記設定ステップのあと、再度実施する前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時系列的に順次生成する第2の心電図波形生成ステップと、
前記第2の心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形が、前記設定ステップにより設定された前記異常波形を含むか否かを、前記受信機において順次判定する異常波形判定ステップと、
前記異常波形判定ステップによる判定の結果を、前記受信機を介して前記使用者に通知する通知ステップと、
をコンピュータに実行させること、
を特徴とする通知プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
第1発明における装着型通知装置は、使用者の体表面に装着され、連続的に計測した前記使用者の生体電気信号を送信するリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの送信機と、前記使用者の体表面のうち前記送信機とは別箇所に装着され、無線接続された前記送信機から送信される前記生体電気信号を受信するとともに、前記使用者の生体電気信号を連続的に計測するリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの受信機と、を備え、前記受信機は、前記送信機から送信された前記生体電気信号と、計測した前記生体電気信号とを、時刻情報と紐づけて時系列的に順次取得する信号取得部と、前記信号取得部により取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を時刻情報と紐づけて時系列的に順次生成する心電図波形生成部と、前記信号取得部により複数の前記生体電気信号を取得された後に新たに入力される入力情報を時刻情報と紐づけて取得した上で、当該時刻情報と対応する生体電気信号の時刻情報を基準として、その時刻情報が示す時刻よりも前の最新の前記心電図波形を異常波形として設定する設定部と、前記心電図波形生成部により生成された前記心電図波形が、前記設定部により設定された前記異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定部と、前記異常波形判定部による判定の結果を前記使用者に通知する通知部と、を有することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
第2発明における装着型通知装置は、第1発明において、前記受信機は、前記心電図波形生成部により生成された前記心電図波形を前記受信機内に記憶する記憶部と、前記異常波形判定部により前記異常波形を含むと判定されたとき、前記記憶部により記憶された前記心電図波形を、前記受信機に予め設定された外部端末に送信する送信部と、をさらに有することを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
発明における通知方法は、使用者の体表面に装着され、前記使用者の生体電気信号を連続的に計測するリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの送信機から送信された前記生体電気信号と、前記使用者の体表面に前記送信機と無線接続されたリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの受信機により計測された生体電気信号とを、前記受信機において時刻情報と紐づけて時系列的に順次取得する信号取得ステップと、前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時刻情報と紐づけて時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、前記信号取得ステップにより複数の前記生体電気信号を取得された後に新たに入力される入力情報を時刻情報と紐づけて取得した上で、当該時刻情報と対応する前記生体電気信号の時刻情報を基準として、前記心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形のうちその時刻情報が示す時刻よりも前の最新の前記心電図波形を異常波形として設定する設定ステップと、前記設定ステップのあと、再度実施する前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時系列的に順次生成する第2の心電図波形生成ステップと、前記第2の心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形が、前記設定ステップにより設定された前記異常波形を含むか否かを、前記受信機において順次判定する異常波形判定ステップと、前記異常波形判定ステップによる判定の結果を、前記受信機を介して前記使用者に通知する通知ステップと、を有することを特徴とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
発明における通知プログラムは、使用者の体表面に装着され、前記使用者の生体電気信号を連続的に計測するリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの送信機から送信された前記生体電気信号と、前記使用者の体表面に前記送信機と無線接続されたリング型、バンド型、又はパッチ型のうち何れかの受信機により計測された生体電気信号とを、前記受信機において時刻情報と紐づけて時系列的に順次取得する信号取得ステップと、前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時刻情報と紐づけて時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、前記信号取得ステップにより複数の前記生体電気信号を取得された後に新たに入力される入力情報を時刻情報と紐づけて取得した上で、当該時刻情報と対応する前記生体電気信号の時刻情報を基準として、前記心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形のうちその時刻情報が示す時刻よりも前の最新の前記心電図波形を異常波形として設定する設定ステップと、前記設定ステップのあと、再度実施する前記信号取得ステップにより取得された複数の前記生体電気信号に基づく心電図波形を、前記受信機において時系列的に順次生成する第2の心電図波形生成ステップと、前記第2の心電図波形生成ステップにより生成された前記心電図波形が、前記設定ステップにより設定された前記異常波形を含むか否かを、前記受信機において順次判定する異常波形判定ステップと、前記異常波形判定ステップによる判定の結果を、前記受信機を介して前記使用者に通知する通知ステップと、をコンピュータに実行させること、を特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
第1発明~第発明によれば、信号取得部により取得された生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成部と、心電図波形生成部で生成された心電図波形が、設定部により設定された異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定部と、異常波形判定部による判定の結果を使用者に通知する通知部と、を備える。このため、使用者は、生成された心電図波形に含まれる異常波形の発生を、他の装置を介さずに直ちに知ることができる。これにより、医療機関の速やかな受診等により心臓の異常を早期に発見でき、ひいては使用者の心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。
また、第1発明~第3発明によれば、信号取得部により複数の生体電気信号を取得された後に新たに入力される入力情報を時刻情報と紐づけて取得した上で、当該時刻情報と対応する生体電気信号の時刻情報を基準として、その時刻情報が示す時刻よりも前の最新の心電図波形を異常波形として設定する設定部をさらに備え、異常波形判定部は、生成された心電図波形が異常波形を含むか否かを順次判定する。このため、使用者個人の特有の異常波形を含むか否かの判定をより取りこぼしを低減して実施し、その判定結果を使用者に通知することができる。これにより、使用者の心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
特に、第2発明によれば、受信機は、心電図波形生成部により生成された心電図波形を受信機内に記憶する記憶部と、異常波形判定部により異常波形を含むと判定されたとき、記憶部により記憶された心電図波形を、受信機に予め設定された外部端末に送信する送信部と、をさらに有する。このため、より速やかに医療機関等の受診を調整することができる。これにより、使用者の心疾患等が重症化するリスクのさらなる低減を図ることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
発明によれば、信号取得ステップにおいて取得された生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、心電図波形生成ステップにおいて生成された心電図波形が、設定ステップにより設定された異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定ステップと、異常波形判定ステップにおける判定の結果を使用者に通知する通知ステップと、を有する。このため、使用者は、生成された心電図波形に含まれる異常波形の発生を、他の装置を介さずに直ちに知ることができる。これにより、医療機関の速やかな受診等により心臓の異常を早期に発見でき、ひいては使用者の心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
発明によれば、信号取得ステップにおいて取得された生体電気信号に基づく心電図波形を時系列的に順次生成する心電図波形生成ステップと、心電図波形生成ステップにおいて生成された心電図波形が、設定ステップにより設定された異常波形を含むか否かを順次判定する異常波形判定ステップと、異常波形判定ステップにおける判定の結果を使用者に通知する通知ステップと、をコンピュータに実行させる。このため、使用者は、生成された心電図波形に含まれる異常波形の発生を、他の装置を介さずに直ちに知ることができる。これにより、医療機関の速やかな受診等により心臓の異常を早期に発見でき、ひいては使用者の心疾患等が重症化するリスクの低減を図ることができる。