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特開2024-151953制御システム、画像形成装置、端末装置及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151953
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】制御システム、画像形成装置、端末装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/65 20180101AFI20241018BHJP
【FI】
G06F8/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065799
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112335
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英介
(74)【代理人】
【識別番号】100101144
【弁理士】
【氏名又は名称】神田 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100101694
【弁理士】
【氏名又は名称】宮尾 明茂
(74)【代理人】
【識別番号】100124774
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 信幸
(72)【発明者】
【氏名】一宇 里香
(72)【発明者】
【氏名】富田 央子
【テーマコード(参考)】
5B376
【Fターム(参考)】
5B376CA19
5B376CA48
5B376CA57
5B376GA01
(57)【要約】
【課題】ユーザに対して、適切にファームアップを実施させることが可能な制御システム等を提供すること。
【解決手段】画像形成装置と、端末装置とを含む制御システムにおいて、前記画像形成装置は、管理者権限を有するユーザが使用する前記端末装置からの接続要求に対して、セキュリティ要件に適合した状態であるか否かを判定し、セキュリティ要件に適合した状態である場合は、前記画像形成装置のファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目を含み、当該ファームウェアのアップデートを行う第1の表示画面の表示情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置は、前記第1の表示画面の表示情報に基づいて、前記ファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目が含まれる前記第1の表示画面を表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、端末装置とを含む制御システムにおいて、
前記画像形成装置は、
管理者権限を有するユーザが使用する前記端末装置からの接続要求に対して、セキュリティ要件に適合した状態であるか否かを判定し、
セキュリティ要件に適合した状態である場合は、前記画像形成装置のファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目を含み、当該ファームウェアのアップデートを行う第1の表示画面の表示情報を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は、
前記第1の表示画面の表示情報に基づいて、前記ファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目が含まれる前記第1の表示画面を表示する、
制御システム。
【請求項2】
前記画像形成装置は、前記管理者権限を有するユーザが使用する前記端末装置からの接続要求に対して、セキュリティ要件に適合した状態ではない場合、前記端末装置への前記第1の表示画面の表示情報の送信を制限する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記端末装置は、前記第1の表示画面の表示情報に基づいて、前記ファームウェアのアップデートに関する注意文言を表示する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項4】
前記画像形成装置は、
サービス権限を有するユーザが使用する前記端末装置からの接続要求に対して、セキュリティ要件に適合した状態であるか否かを判定し、
セキュリティ要件に適合した状態ではない場合は、前記画像形成装置の前記ファームウェアのアップデートを行う第2の表示画面の表示情報を送信し、
セキュリティ要件に適合した状態である場合は、前記第2の表示画面の表示情報の送信を制限し、
前記端末装置は、
前記第2の表示画面の表示情報を受信した場合、当該表示情報に基づいて、前記第2の表示画面を表示する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記画像形成装置に対してファームアップに用いられるファイルのアップロードを開始した後、当該ファイルのアップロード中にネットワークが切断された場合、当該ファイルに関するエラーを表示する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項6】
制御部と、端末装置と通信可能な通信部とを備え、
前記制御部は、
管理者権限を有するユーザが使用する前記端末装置からの接続要求に対して、セキュリティ要件に適合した状態であるか否かを判定し、
セキュリティ要件に適合した状態である場合は、ファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目を含み、当該ファームウェアのアップデートを行う表示画面の表示情報を、前記通信部を介して前記端末装置に送信する、
画像形成装置。
【請求項7】
制御部と、画像形成装置と通信可能な通信部とを備え、
前記制御部は、
前記画像形成装置が、セキュリティ要件に適合した状態であるときに、前記画像形成装置に対するファームウェアのアップデート要求を行うことが可能な表示画面の表示情報を前記通信部を介して受信して、当該表示画面を表示し、
前記表示画面には、前記ファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目が表示される、
端末装置。
【請求項8】
画像形成装置と、端末装置とを含む制御システムの制御方法であって、
前記画像形成装置が、管理者権限を有するユーザが使用する前記端末装置からの接続要求に対して、セキュリティ要件に適合した状態であるか否かを判定するステップと、
前記画像形成装置が、セキュリティ要件に適合した状態である場合は、前記画像形成装置のファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目を含み、当該ファームウェアのアップデートを行う表示画面の表示情報を前記端末装置に送信するステップと、
前記端末装置が、前記表示情報に基づいて、前記ファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目が含まれる前記表示画面を表示するステップと、
を含む制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル複合機(MFP、Multi-Function Peripheral/Printer)等の画像形成装置におけるファームウェアをアップデートするための技術が提案されている。例えば、セキュリティ仕様構成の画像形成装置については、管理者権限を有するユーザによる指示があった場合に限って、ファームウェアのアップデートを実行する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-052996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザに対して、適切にファームアップを実施させることが可能な制御システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示に係る制御システムは、画像形成装置と、端末装置とを含む制御システムにおいて、前記画像形成装置は、管理者権限を有するユーザが使用する前記端末装置からの接続要求に対して、セキュリティ要件に適合した状態であるか否かを判定し、セキュリティ要件に適合した状態である場合は、前記画像形成装置のファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目を含み、当該ファームウェアのアップデートを行う第1の表示画面の表示情報を前記端末装置に送信し、前記端末装置は、前記第1の表示画面の表示情報に基づいて、前記ファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目が含まれる前記第1の表示画面を表示することを特徴とする。
【0006】
本開示の画像形成装置は、制御部と、端末装置と通信可能な通信部とを備え、前記制御部は、管理者権限を有するユーザが使用する前記端末装置からの接続要求に対して、セキュリティ要件に適合した状態であるか否かを判定し、セキュリティ要件に適合した状態である場合は、ファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目を含み、当該ファームウェアのアップデートを行う表示画面の表示情報を、前記通信部を介して前記端末装置に送信することを特徴とする。
【0007】
本開示の端末装置は、制御部と、画像形成装置と通信可能な通信部とを備え、前記制御部は、前記画像形成装置が、セキュリティ要件に適合した状態であるときに、前記画像形成装置のファームウェアのアップデートを行う要求を行うことが可能な表示画面の表示情報を前記通信部を介して受信して、当該表示画面を表示し、前記表示画面には、前記ファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目が表示されることを特徴とする。
【0008】
本開示に係る制御方法は、画像形成装置と、端末装置とを含む制御システムの制御方法であって、前記画像形成装置が、管理者権限を有するユーザが使用する前記端末装置からの接続要求に対して、セキュリティ要件に適合した状態であるか否かを判定するステップと、前記画像形成装置が、セキュリティ要件に適合した状態である場合は、前記画像形成装置のファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目を含み、当該ファームウェアのアップデートを行う表示画面の表示情報を前記端末装置に送信するステップと、前記端末装置が、前記表示情報に基づいて、前記ファームウェアのアップデートの状況を表示するか否かを選択可能な選択項目が含まれる前記表示画面を表示するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ユーザに対して、適切にファームアップを実施させることが可能な制御システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1実施形態における全体構成を示す図である。
図2】第1実施形態における画像形成装置の機能構成を示す図である。
図3】第1実施形態におけるユーザ情報のデータ構成の例を示す図である。
図4】第1実施形態における端末装置の機能構成を示す図である。
図5】第1実施形態における画像形成装置のメイン処理のフロー図である。
図6】第1実施形態におけるファームアップ処理のフロー図である。
図7】第1実施形態における端末装置のメイン処理のフロー図である。
図8】第1実施形態における権限とファームアップページの表示可否との対応を示す表である。
図9】第1実施形態における動作例を示す図である。
図10】第1実施形態における動作例を示す図である。
図11】第1実施形態における動作例を示す図である。
図12】第1実施形態における動作例を示す図である。
図13】第1実施形態における動作例を示す図である。
図14】第2実施形態における画像形成装置のメイン処理のフロー図である。
図15】第2実施形態における端末装置のメイン処理のフロー図である。
図16】第2実施形態におけるファームアップ可否及び自動更新の有無の条件を示す図である。
図17】第2実施形態における動作例を示す図である。
図18】第3実施形態における動作例を示す図である。
図19】第4実施形態における画像形成装置のメイン処理のフロー図である。
図20】第4実施形態における端末装置のメイン処理のフロー図である。
図21】第4実施形態における動作例を示す図である。
図22】第4実施形態における動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を説明するための一例であり、特許請求の範囲に記載した説明の技術的内容は、以下の記載に限定されるものではない。
【0012】
一般的に、デジタル複合機のファームアップ(ファームウェアのアップデート)の手段として、以下の2つの手段が用いられている。
(1)管理者権限を有するユーザが、USB(Universal Serial Bus)メモリを用いて、ファームアップに用いられるファイルをデジタル複合機に転送することで、ファームウェアをアップデートする手段。
(2)サービスマンが、デジタル複合機により提供されるWebページであるデバイスWebページを介して、ファームアップに用いられるファイルをデジタル複合機にアップロードすることで、ファームウェアをアップデートする手段。
【0013】
一方、デジタル複合機の政府調達要件の1つとして、所定のセキュリティ要件を満たしていることが必要である。セキュリティ要件の一例として「ハードコピーデバイスプロテクションプロファイル(HCD PP、Hardcopy Devices Protection Profile)」がある。また、HCD cPP(collaborative PP)は、政府調達要件の第三世代の要件であり、セキュアなファームアップ(ファームウェアのアップデート)が必須機能と義務付けられている。
【0014】
セキュリティ要件を満たす状態においては、デジタル複合機が保護資産を扱うことから、サービスマンによる、デバイスWebページを用いたファームアップが封印されてしまう。そのため、デジタル複合機のファームアップの手段としては、管理者権限を有するユーザによる、USBメモリを用いたファームアップしか選択の余地がなくなる。
【0015】
しかしながら、セキュリティ要件を満たす状態において、USBメモリを使用したファームアップが不可能となる可能性がある。そのため、デジタル複合機をセキュリティ要件に適合させるためには、USBメモリを用いたファームアップの機能を封印しておくことが望ましい。
【0016】
このように、デジタル複合機をセキュリティ要件に適合した状態にすると、一般的に用いられているファームアップ手段がいずれも封印され、ファームアップの手段がなくなってしまうことが懸念される。
【0017】
このような課題に鑑み、以下の実施形態では、画像形成装置がセキュリティ適合要件を満たしている状態であっても、適切にファームウェアをアップデートする方法の一例について説明する。
【0018】
[1.第1実施形態]
[1.1 全体構成]
図1は、本実施形態に係るシステム1の全体構成を示す図である。システム1は、画像形成装置10と端末装置20とが、ネットワークNWを介して接続されて構成される。ネットワークNWは、例えば、LANである。
【0019】
画像形成装置10は、例えば、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、ファクス機能等を有する情報処理装置である。画像形成装置10は、複合機、デジタル複合機、MFP(Multi-Function Printer/Peripheral)とも呼ばれる。
【0020】
端末装置20は、画像形成装置10と通信が可能な情報処理装置であり、例えば、PCやサーバ装置によって構成される。
【0021】
画像形成装置10と端末装置20との間の通信には、TLS(Transport Layer Security)プロトコルを用いた通信が可能であるとする。例えば、画像形成装置10と端末装置20との間の通信においては、アプリケーションプロトコルとして、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)や、FTPS(File Transfer Protocol over SSL/TLS)が利用可能であるとする。
【0022】
また、画像形成装置10は、予め定められたセキュリティ要件に適合する状態に動作モードを設定することが可能である。ここで、セキュリティ要件とは、所定の団体や、国等の間で定められた、セキュリティに関する要件である。セキュリティ要件としては、例えば、以下のようなものが知られている。
・ISO/IEC1508
・IEEE2600
・FASEC
・HCD PP(Hardcopy devices Protection Profile)
・HCD cPP(Hardcopy devices collaborative Protection Profile)
【0023】
画像形成装置10は、セキュリティ要件に適合するためには、所定の機能を制限したり、所定の機能を禁止したりする必要がある。以下、本実施形態においては、セキュリティ要件としてセキュアなファームウェアのアップデートを必須機能として義務づけている要件である。画像形成装置10が、セキュリティ要件に適合している状態のときは、例えば、所定のインタフェース(例えば、USBインタフェース)が原則として無効化されたり、所定のインタフェースの利用が禁止されたりする要件である。セキュリティ要件の一例としては、例えば、HCD cPPが考えられる。以下、セキュリティ要件として、HCD cPPの場合を例に説明する。
【0024】
[1.2 機能構成]
[1.2.1 画像形成装置]
図2は、画像形成装置10の機能構成を示す図である。図2に示すように、画像形成装置10は、制御部100、外部インタフェース部110、画像入力部120、画像形成部130、操作パネル140、ストレージ160、RAM(Random Access Memory)170、ROM(Read Only Memory)180、通信部190を備えて構成される。
【0025】
制御部100は、画像形成装置10の全体を制御する。制御部100は、ストレージ160やROM180に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。制御部100は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU(Central Processing Unit))等により構成されてもよい。また、制御部100は、以下に説明する機能のうち、複数の機能を有するSoC(System on a Chip)として構成されてもよい。
【0026】
制御部100は、ストレージ160に記憶されたプログラムを実行することで、ログイン処理部102及びファームアップ処理部104として機能する。
【0027】
ログイン処理部102は、画像形成装置10を使用するユーザのログインに関する処理を実行する。例えば、ログイン処理部102は、操作パネル140を介して入力されるログイン情報や、通信部190を介して端末装置20から画像形成装置10への接続要求が行われるときに当該端末装置20から送信されるログイン情報を、取得する。ログイン情報とは、ログインに用いられる情報である。さらに、ログイン処理部102は、取得したログイン情報と、後述するユーザ情報に予め記憶されたログイン情報とを比較する。ログイン処理部102は、取得したログイン情報と、予め記憶されたログイン情報とが一致した場合、当該ログイン情報に対応するユーザを、画像形成装置10にログインさせる。
【0028】
ファームアップ処理部104は、後述する外部インタフェース部110に接続された記憶装置に記憶されたファイルに基づき、画像形成装置10のファームウェアをアップデートする処理であるファームアップ処理を行う。ファームアップ処理については後述する。
【0029】
外部インタフェース部110は、USBメモリ等の外部の記憶装置と接続する。外部インタフェース部110は、例えば、外部インタフェース端子として構成される。
【0030】
画像入力部120は、画像を画像形成装置10に入力する。画像入力部120は、例えば、原稿台に載置された原稿を読み取るスキャナ装置により構成されてもよい。スキャナ装置は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(Contact Image Sensor)等のイメージセンサによって画像を電気信号に変換し、電気信号を量子化及び符号化する装置である。
【0031】
画像形成部130は、記録用紙等の記録媒体に対して画像を形成(印刷)する。画像形成部130は、例えば、電子写真方式を利用したレーザプリンタ等の印刷装置により構成されてもよい。画像形成部130は、例えば、画像形成装置10に備えられた給紙トレイから記録用紙を給紙し、記録用紙の表面に画像を形成し、記録用紙を画像形成装置10に備えられた排紙トレイから排紙する。
【0032】
操作パネル140は、画像形成装置10に対する操作を入力したり、各種情報を表示したりする。操作パネル140は、表示部142及び操作部144を備えて構成される。
【0033】
表示部142は、各種情報を表示する。表示部142は、例えば、LCD(Liquid crystal display)、有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示装置により構成されてもよい。
【0034】
操作部144は、画像形成装置10を使用するユーザによる操作指示を受け付ける。操作部144は、キースイッチ(ハードキー)やタッチセンサ等の入力装置により構成されてもよい。タッチセンサにおいて接触(タッチ)による入力を検出する方式は、例えば、抵抗膜方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式といった、一般的な検出方式であればよい。なお、操作パネル140は、表示部142と、操作部144とが一体に形成されたタッチパネルであってもよい。
【0035】
ストレージ160は、プログラムや、データを記憶可能な不揮発性の記憶装置である。ストレージ160は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)といった記憶装置で構成されてもよい。
【0036】
ストレージ160は、記憶領域として、ユーザ情報記憶領域162及び表示情報記憶領域164とを確保する。
【0037】
ユーザ情報記憶領域162は、画像形成装置10を使用するユーザに関する情報として、ユーザ情報を記憶する。ユーザ情報は、例えば、図3に示すように、ユーザを識別する識別情報であるユーザID(例えば、「service」)と、当該ユーザの認証に用いる認証情報であるパスワード(例えば、「abc123」)と、当該ユーザのユーザ名(例えば、「サービスマンA」)と、当該ユーザの権限(例えば、「サービス」)とを含む。
【0038】
本実施形態では、ユーザID及びパスワードは、ログイン情報であるとする。また、権限には、「サービス」又は「管理者」の何れか一方が記憶される場合と、何れも記憶されない場合とがあることとする。
【0039】
権限に「サービス」が記憶されているユーザは、画像形成装置10の修理やメンテナンスを行うために必要な機能を使用する権限であるサービス権限を有するユーザであることを示す。権限に「サービス」が記憶されているユーザは、例えば、サービスマンである。
【0040】
権限が「管理者」であるユーザは、画像形成装置10を管理する権限である管理者権限を有するユーザであることを示す。権限が「管理者」であるユーザは、例えば、画像形成装置10のユーザのうち、画像形成装置10の管理を行う立場のユーザである。
【0041】
権限に「サービス」及び「管理者」の何れも記憶されていないユーザは、画像形成装置10の使用を行うユーザであり、サービス権限も管理者権限も有しないユーザである。
【0042】
表示情報記憶領域164は、デバイスWebページの表示情報を記憶する。デバイスWebページは、画像形成装置10の情報の表示や設定変更を行うためのユーザインタフェースであるWebページである。なお、以下の説明では、デバイスWebページを、単にページとも記載する。また、表示情報は、デバイスWebページを表示させるための情報(データ)である。表示情報には、例えば、HTML(HyperText Markup Language)等のマークアップ言語により記述されたデータ、CSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述されたデータ、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語により記述されたデータ等が含まれる。
【0043】
また、本実施形態では、デバイスWebページには、以下のページが含まれる。
・ファームアップに用いられるファイルの指定及びファームアップの実行を指示することが可能なファームアップページ
・ファームアップページの表示が不可能であることを示す表示不可ページ
・ファームアップの進捗状況を示す状況情報を表示する状況ページ
・ファームアップが完了したことを示すファームアップ完了ページ
【0044】
すなわち、ファームアップページは、ファームアップを行うページである。また、状況ページに表示される状況情報は、例えば、ファームアップに係る処理の進捗率やファームアップの残り時間等を含む情報である。つまり、状況ページは、ファームウェアのアップデート状況を表示するページである。
【0045】
また、本実施形態では、管理者権限を有するユーザによって使用される端末装置20に表示されるデバイスWebページを管理者Webページと記載する。また、サービス権限を有するユーザによって使用される端末装置20に表示されるデバイスWebページをサービスWebページと記載する。管理者WebページとサービスWebページとでは、例えば、アクセス可能なページや、表示可能な情報が異なってもよい。
【0046】
RAM170は、主に各装置の制御部100が処理を実行時に利用するメインメモリである。RAM170は、各装置のストレージや、各装置のROM180から読み出したプログラムや、実行時の結果を含むデータを一時的に保持する書換え可能なメモリである。
【0047】
ROM180は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することが可能な不揮発性のメモリである。ROM180は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等により構成される。ROM180は、ファームウェア182を記憶する。
【0048】
通信部190は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して、端末装置20等の他の装置や機器と通信を行う。通信部190は、例えば、有線/無線LANで利用されるNIC(Network Interface Card)等の通信装置や通信モジュールにより構成されてもよい。なお、通信部190は、ネットワークに接続可能なインタフェース(ネットワークI/F)を有してもよい。
【0049】
[1.2.2 端末装置]
図4は、端末装置20の機能構成を示す図である。図4に示すように、端末装置20は、制御部200、表示部240、操作部250、記憶部260、通信部290を備えて構成される。
【0050】
制御部200は、端末装置20の全体を制御する。制御部200は、記憶部260に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより各種機能を実現する。制御部200は、例えば、1又は複数の演算装置(CPU)等により構成されてもよい。また、制御部200は、以下に説明する機能のうち、複数の機能を有するSoCとして構成されてもよい。
【0051】
表示部240は、各種情報を表示する。表示部240は、例えば、LCD(Liquid crystal display)、有機EL(electro-luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示装置により構成されてもよい。
【0052】
操作部250は、端末装置20を使用するユーザによる操作指示を受け付ける。操作部250は、キースイッチ(ハードキー)やタッチセンサ等の入力装置により構成されてもよい。タッチセンサにおいて接触(タッチ)による入力を検出する方式は、一般的な検出方式であればよい。なお、端末装置20には、表示部240と、操作部250とが一体に形成されたタッチパネルが搭載されてもよい。また、操作部250は、キーボードやマウス等の入力装置と接続可能なインタフェースとして構成されてもよい。
【0053】
記憶部260は、端末装置20の動作に必要な各種プログラムや、各種データを記憶する。記憶部260は、例えば、ROM、RAM、SSDやHDD等の記憶装置により構成されてもよい。
【0054】
通信部290は、LANやWANを介して、画像形成装置10等の外部の装置と通信を行う。通信部290は、例えば、有線/無線LANで利用されるNIC等の通信装置や通信モジュールにより構成されてもよい。
【0055】
[1.3 処理の流れ]
図5から図7までを参照して、画像形成装置10及び端末装置20が実行する処理について説明する。なお、ユーザ情報及び表示情報は、予め記憶されていることとする。また、画像形成装置10と端末装置20とは、TLSプロトコルを用いた通信を行うこととする。
【0056】
[1.3.1 画像形成装置]
[1.3.1.1 メイン処理]
図5を参照して、画像形成装置10の制御部100が実行する主な処理(メイン処理)の流れを説明する。
【0057】
はじめに、制御部100は、ログイン処理部102によって、端末装置20から接続要求がされ、当該端末装置20から受信したログイン情報(認証情報ともいう)に基づきログインが行われたか否かを判定する(ステップS100)。
【0058】
制御部100は、ログインが行われた場合、ログイン後に表示するページの表示情報を表示情報記憶領域164から読み出し、当該表示情報を認証情報を送信した端末装置20に送信する(ステップS100;Yes→ステップS102)。なお、制御部100は、ユーザ認証がされていないと判定した場合、ステップS102の処理を省略する(ステップS100;No)。
【0059】
つづいて、制御部100は、端末装置20から、ファームアップページへのアクセスが要求されたか否かを判定する(ステップS104)。ファームアップページへのアクセスは、例えば、ユーザによって、端末装置20に対して、ファームアップページの表示指示がされた場合に行われる。
【0060】
制御部100は、端末装置20を介して、ファームアップページ以外のページへのアクセスが要求された場合は、アクセスが要求されたページの表示情報を当該端末装置20に送信し、ステップS100に戻る(ステップS104;No→ステップS106→ステップS100)。
【0061】
一方、制御部100は、ファームアップページへのアクセスが要求された場合、画像形成装置10が、セキュリティ要件の一例であるHCD cPP要件に適合した状態であるHCD cPP適合状態であるか否かを判定する(ステップS104;Yes→ステップS108)。なお、HCD cPP適合状態であることを、CPP_CONF(CONFはconformantの略)であるともいう。
【0062】
例えば、制御部100は、ファームウェアのバージョンや、画像形成装置10の状態や設定内容から、画像形成装置10がHCD cPP適合状態であるか否かを判定する。
【0063】
なお、画像形成装置10がHCD cPP適合状態である場合、所定の機能が制限されたり、所定の機能に関する設定が有効状態又は無効状態に固定されて変更不可となったりする。例えば、画像形成装置10がHCD cPP適合状態である場合、画像形成装置10は、以下のように動作する。
・「画像形成装置10のユーザは、文書処理や管理機能を実行する前に識別され認証されなければならない」という要件により、ユーザ認証機能に関する設定が有効状態に固定される。
・「画像形成装置10のユーザは、文書処理や管理機能を実行する前に識別され認証されなければならない」という要件により、ユーザの識別情報及びユーザの認証情報の両方を用いないユーザ認証機能に関する設定は無効状態に固定される。
・「セキュリティ関連のアクティビティは監視されなければならず、そのようなアクションのログは保護されなければならない」という要件により、監視ログ機能に関する設定は有効状態に固定される。
【0064】
制御部100は、HCD cPP適合状態である場合、ファームアップページへのアクセスを要求した端末装置20を使用するユーザが、管理者権限を有するか否かを判定する(ステップS108;Yes→ステップS110)。
【0065】
制御部100は、ユーザが管理者権限を有する場合、管理者Webページとして表示される第1のファームアップページ(第1の表示画面)の表示情報を、当該ユーザが使用する端末装置20に送信する(ステップS110;Yes→ステップS112)。
【0066】
つづいて、制御部100は、端末装置20から、ファームアップの実行指示を受信したか否かを判定する(ステップS114)。
【0067】
制御部100は、ファームアップの実行指示を受信した場合、ファームアップの実行指示を送信した端末装置20に対して、状況ページの表示情報を送信する(ステップS114;Yes→ステップS116)。なお、制御部100は、端末装置20を使用するユーザの権限に応じて、管理者Webページとして表示される状況ページの表示情報又はサービスWebページとして表示される状況ページの表示情報の何れかを、当該端末装置20に送信する。
【0068】
また、制御部100は、ファームウェアのアップデートを行う(ステップS118)。例えば、制御部100は、端末装置20からファームアップに用いられるファイルを受信し、当該ファイルを変換、解析、検証したり、当該ファイルに基づき取得したファームウェアをROM180にファームウェア182として記憶したりする。
【0069】
また、制御部100は、ファームアップの実行指示を送信した端末装置20に対して、状況情報を送信する(ステップS120)。
【0070】
つづいて、制御部100は、ファームアップが完了したか否かを判定する(ステップS122)。制御部100は、ファームアップが完了していない場合は、ステップS118に戻る(ステップS122;No→ステップS118)。
【0071】
一方、制御部100は、ファームアップが完了した場合は、ファームアップの実行指示を送信した端末装置20に対して、ファームアップ完了ページの表示情報を送信する(ステップS122;Yes→ステップS124)。なお、制御部100は、ステップS116と同様に、端末装置20を使用するユーザの権限に応じた表示情報を、当該端末装置20に送信する。
【0072】
なお、制御部100は、ステップS110において、ファームアップページへのアクセスを要求した端末装置20を使用するユーザが、管理者権限を有しない場合は、表示不可ページの表示情報を、当該端末装置20に送信する(ステップS110;No→ステップS126)。すなわち、制御部100は、画像形成装置10がHCD cPP適合状態である場合において、管理者権限を有するユーザ以外のユーザが使用する端末装置20に対して、第1のファームアップページの表示情報の送信を制限する。これにより、サービス権限を有するユーザが使用する端末装置20及び管理者権限もサービス権限も有さないユーザが使用する端末装置20には、管理者Webページとして表示される第1のファームアップページは表示されない。
【0073】
また、制御部100は、ステップS110において、画像形成装置10がHCD cPP適合状態ではない場合、ファームアップページのアクセスを要求した端末装置20を使用するユーザが、サービス権限を有するか否かを判定する(ステップS108;No→ステップS128)。
【0074】
制御部100は、ユーザがサービス権限を有する場合、サービスWebページとして表示される第2のファームアップページ(第2の表示画面)の表示情報を、当該ユーザが使用する端末装置20に送信する(ステップS128;Yes→ステップS130)。また、制御部100は、ステップS130の処理を実行した後、ステップS114からステップS124までの処理を実行する。
【0075】
一方、制御部100は、ユーザがサービス権限を有しない場合、表示不可ページの表示情報を、当該ユーザが使用する端末装置20に送信する(ステップS128;No→ステップS132)。すなわち、制御部100は、画像形成装置10がHCD cPP適合状態ではない場合において、サービス権限を有するユーザ以外のユーザが使用する端末装置20に対して、第2のファームアップページの表示情報の送信を制限する。これにより、管理者権限を有するユーザが使用する端末装置20及び管理者権限もサービス権限も有さないユーザが使用する端末装置20には、サービスWebページとして表示される第2のファームアップページは表示されない。
【0076】
[1.3.1.2 ファームアップ処理]
図6を参照して、ファームアップ処理の流れについて説明する。ファームアップ処理は、図5に示したメイン処理と並行して実行される。
【0077】
はじめに、ファームアップ処理部104は、ログイン処理部102によって、操作パネル140から取得したログイン情報に基づきログインが行われたか否かを判定する(ステップS150)。なお、ファームアップ処理部104は、ログインが行われていない場合は、ステップS150の処理を繰り返す(ステップS150;No)。
【0078】
つづいて、ファームアップ処理部104は、ログインが行われた場合、画像形成装置10が、HCD cPP適合状態であるか否を判定する(ステップS150;Yes→ステップS152)。
【0079】
ファームアップ処理部104は、画像形成装置10が、HCD cPP適合状態である場合、記憶装置を用いたファームアップを封印する(ステップS152;Yes→ステップS154)。例えば、ファームアップ処理部104は、外部インタフェース部110に記憶装置が接続された場合であっても、当該記憶装置に記憶されたデータを読み出す等の処理が実行されないように、画像形成装置10の動作を制限する。
【0080】
一方、ファームアップ処理部104は、画像形成装置10が、HCD cPP適合状態ではない場合、ステップS150においてログインが行われたユーザが、管理者権限を有するか否かを判定する(ステップS152;No→ステップS156)。
【0081】
ファームアップ処理部104は、ユーザが管理者権限を有する場合、外部インタフェース部110にファームアップに用いられるファイルが記憶された記憶装置と接続されたか否かを判定する(ステップS156;Yes→ステップS158)。
【0082】
ファームアップ処理部104は、ファームアップに用いられるファイルが記憶された記憶装置と接続された場合、当該ファイルを用いたファームウェアのアップデートを行う(ステップS158;Yes→ステップS160)。ステップS160の処理は、ステップS118の処理と同様の処理である。
【0083】
つづいて、ファームアップ処理部104は、ステップS150において認証されたユーザがログアウトをしたか否かを判定する(ステップS162)。ファームアップ処理部104は、ユーザがログアウトした場合、図6に示す処理を終了する(ステップS162;Yes)。一方、ファームアップ処理部104は、ユーザがログアウトしていない場合は、ステップS158に戻る(ステップS162;No→ステップS158)。
【0084】
なお、ファームアップ処理部104は、ステップS156において、ユーザが管理者権限を有さないと判定した場合、ステップS158からステップS162までの処理を省略する(ステップS156;No)。
【0085】
上述した処理が実行されることにより、HCD cPP適合状態ではない場合において、管理者権限を有するユーザは、USBメモリ等の記憶装置を用いたファームアップが可能となる。
【0086】
[1.3.2 端末装置]
図7を参照して、端末装置20の制御部200が実行する主な処理(メイン処理)の流れを説明する。
【0087】
はじめに、制御部200は、ユーザの操作に応じて、画像形成装置10への接続要求及びログイン情報を画像形成装置10に送信する(ステップS180)。例えば、制御部200は、ログイン情報を入力する画面を表示部240に表示し、当該画面を介してユーザにログイン情報を入力させ、入力されたログイン情報を、画像形成装置10への接続要求とともに画像形成装置10に送信する。
【0088】
つづいて、制御部200は、画像形成装置10から表示情報を受信した場合は、当該表示情報に基づき、デバイスWebページを表示部240に表示する(ステップS182;Yes→ステップS184)。例えば、制御部200は、画像形成装置10から、第1のファームアップページの表示情報を受信した場合、当該第1のファームアップページを表示することができる。同様に、制御部200は、画像形成装置10から、第2のファームアップページの表示情報を受信した場合、当該第2のファームアップページを表示することができる。また、制御部200は、画像形成装置10から処理ページやファームアップ完了ページの表示情報を受信した場合は、受信した表示情報に基づき、処理ページやファームアップ完了ページを表示する。なお、制御部200は、ファームアップページ等のデバイスWebページを、Webブラウザ等に表示する。一方、制御部200は、画像形成装置10から表示情報を受信しない場合は、ステップS184の処理を省略する(ステップS182;No)。
【0089】
つづいて、制御部200は、ユーザによってファームアップを実行する操作がされたか否かを判定する(ステップS186)。制御部200は、ファームアップを実行する操作がされた場合は、画像形成装置10に、ファームアップの実行指示を送信する(ステップS186;Yes→ステップS188)。また、制御部200は、画像形成装置10に対して、ファームアップに用いられるファイルのアップロードを開始する(ステップS190)。一方、制御部200は、ファームアップを実行する操作がされていない場合は、ステップS188及びステップS190の処理を省略する(ステップS186;No)。
【0090】
つづいて、制御部200は、状況情報を受信したか否かを判定する(ステップS192)。制御部200は、画像形成装置10から状況情報を受信した場合、当該状況情報を表示することで、ファームアップの状況を表示する(ステップS192;Yes→ステップS194)。例えば、制御部200は、状況ページを表示しているときに状況情報を受信した場合、以下の何れかの処理を実行する。
(1)状況ページに含まれる状況情報を、受信した状況情報に基づき自動更新する(状況ページの一部分だけを更新する)。
(2)表示している状況ページを、受信した状況情報が反映された新たな状況ページに自動更新する(状況ページ自体を更新する)。
【0091】
つづいて、制御部200は、終了操作がされたか否かを判定する(ステップS196)。終了操作は、例えば、画像形成装置10からログアウトする操作や、端末装置20の使用を終了する操作等である。制御部200は、終了操作がされた場合、図7に示した処理を終了する(ステップS196;Yes)。一方、制御部200は、終了操作がされなかった場合、ステップS182に戻る(ステップS196;No→ステップS182)。
【0092】
なお、制御部200は、上述した処理以外の処理として、ユーザによってファームアップを実行する操作以外の操作が行われた場合、ユーザによって行われた操作に応じた処理を実行する。例えば、制御部200は、ユーザによって他のデバイスWebページにアクセスする操作がされた場合、画像形成装置10に対して、当該デバイスWebページへのアクセスを要求する。
【0093】
[1.4 動作例]
図8は、画像形成装置10がHCD cPP適合状態であるか否か及びユーザの権限と、ファームアップページの表示可否との対応を示す表である。図8に示すように、HCD cPP適合状態である場合は、ユーザが管理者権限を有するときは、ファームアップページは表示されるが、ユーザが管理者権限を有しないときは、ファームアップページは表示されない。同様にして、HCD cPP適合状態ではない場合は、ユーザがサービス権限を有するときは、ファームアップページは表示されるが、ユーザがサービス権限を有しないときは、ファームアップページは表示されない。
【0094】
なお、画像形成装置10は、デバイスWebページを操作パネル140に表示する機能を有する場合であっても、ファームアップページについては、画像形成装置10に表示しないようにしてもよい。これにより、操作パネル140を用いたファームアップが制限され、LAN上の端末装置20からのファームアップのみが可能となる。
【0095】
図9(a)は、第2のファームアップページW100の表示例を示す図である。第2のファームアップページW100は、例えば、メニューを表示する領域E100と、メニューから選ばれた項目に対応するコンテンツを表示する領域E102とが含まれる。メニューには、ファームアップページへのアクセスを要求するための項目M100が含まれる。項目M100が非選択状態であるときに選択された場合、端末装置20から画像形成装置10に対して、ファームアップページへのアクセスが要求され、端末装置20に第2のファームアップページW100が表示される。
【0096】
第2のファームアップページW100には、コンテンツとして、領域E102に示すように、ファームアップに用いられるファイルを選択する領域E104と、ファームアップの実行の操作を受け付けるボタンB100とが含まれる。ユーザは、ファイルを選択し、ボタンB100を選択することで、ファームアップの実行指示を画像形成装置10に送信することができる。
【0097】
図9(b)は、ファームアップが実行されている場合に、画像形成装置10の操作パネル140に表示される画面W110の画面例を示す図である。画面W110には、例えば、処理の進捗状況を示すグラフが表示される領域E110や、ユーザに対するメッセージが表示される領域E112が含まれる。
【0098】
図10(a)は、表示不可ページW120の表示例を示す図である。特に、表示不可ページW120は、画像形成装置10が、HCD cPP適合状態ではない場合に、サービス権限を有していないユーザが使用する端末装置20に表示される。表示不可ページW120には、例えば、ファームアップが行えないことを示すメッセージが表示される領域E120が含まれる。
【0099】
なお、画像形成装置10がHCD cPP適合状態ではない場合、サービス権限を有していないユーザが使用する端末装置20に表示されるデバイスWebページのメニューからは、ファームアップページへのアクセスを要求するための項目が選択不可能であってもよい。例えば、図10(b)は、ファームアップページへのアクセスを要求するための項目M130が選択不可能である場合のデバイスWebページW130を示す図である。項目M130は、例えば、図10(b)に示すように、グレーアウトされて選択ができない。これにより、サービス権限を有さないユーザは、ファームアップページにアクセスすることができず、ファームアップを行えない。なお、項目M130は、非表示にされることで、選択不可能であってもよい。また、ユーザによって項目M130が選択されたときに、ファームアップページにアクセスできないことを示すメッセージが表示され、ファームアップページへの遷移が制限されることにより、項目M130が実質的に選択不可能であってもよい。
【0100】
図11は、第1のファームアップページW140の表示例を示す図である。第1のファームアップページW140は、図9(a)に示した第2のファームアップページW100と同様に、メニューを表示する領域E140と、メニューから選ばれた項目に対応するコンテンツを表示する領域E142とが含まれる。メニューには、第1のファームアップページへのアクセスを要求するための項目M140が含まれる。
【0101】
第1のファームアップページW140には、コンテンツとして、領域E142に示すように、ファームアップに用いられるファイルを選択する領域E144と、ファームアップの実行の操作を受け付けるボタンB140とが含まれる。ユーザは、ファイルを選択し、ボタンB140を選択することで、ファームアップの実行指示を画像形成装置10に送信することができる。
【0102】
なお、第2のファームアップページW100と第1のファームアップページW140とでは、メニューに表示される項目等が異なっていてもよい。
【0103】
図12(a)は、表示不可ページW120の表示例を示す図である。特に、表示不可ページW150は、画像形成装置10が、HCD cPP適合状態である場合に、管理者権限を有していないユーザが使用する端末装置20に表示される。表示不可ページW150には、例えば、ファームアップが行えないことを示すメッセージが表示される領域E150が含まれる。
【0104】
なお、画像形成装置10がHCD cPP適合状態である場合、管理者権限を有していないユーザが使用する端末装置20に表示されるデバイスWebページのメニューからは、ファームアップページへのアクセスを要求するための項目が選択不可能であってもよい。例えば、図12(b)は、ファームアップページへのアクセスを要求するための項目M160が選択不可能である場合のデバイスWebページW160を示す図である。項目M160は、例えば、図12(b)に示すように、グレーアウトされて選択ができない。これにより、管理者権限を有さないユーザは、ファームアップページにアクセスすることができず、ファームアップを行えない。なお、項目M160は、非表示にされることで、選択不可能であってもよい。また、ユーザによって項目M160が選択されたときに、ファームアップページにアクセスできないことを示すメッセージが表示され、ファームアップページへの遷移が制限されることにより、項目M160が実質的に選択不可能であってもよい。
【0105】
図13(a)は、状況ページW170の例を示す図である。状況ページW170には、状況情報を表示する領域E170が含まれる。例えば、領域E170には、状況情報としてファームアップの進捗率が含まれ、当該進捗率は自動更新される。
【0106】
図13(b)は、ファームアップ完了ページW180の表示例を示す図である。ファームアップ完了ページW180には、ファームアップが完了したことを示すメッセージを表示する領域E180や、画像形成装置10を再起動する指示を行うためのボタンB180が含まれる。
【0107】
また、ファームアップ完了ページW180に含まれるボタンB180が選択されることにより画像形成装置10の再起動の指示がされた後、ユーザに対する指示が表示されてもよい。例えば、ボタンB180が選択された後、図13(c)に示すように、ブラウザを閉じることを促すメッセージや、ファームウェアのバージョンを確認することを促すメッセージを表示する領域E190を含むデバイスWebページW190が表示されてもよい。
【0108】
なお、管理者権限はユーザ単位で設定されなくてもよく、例えば、管理者権限グループが設定され、管理者権限グループに所属するユーザは、どのユーザも管理者権限を有することとしてもよい。また、画像形成装置10がHCD cPP適合状態である場合、管理者権限を有するユーザのログインが必須となるが、パスワードの誤入力がされた場合、誤入力された通算の回数が所定の回数以上となった場合、当該ユーザのログインがロックされてもよい。
【0109】
また、制御部100は、LAN上以外の機器(ファイアウォール外のクラウド上の機器)が用いられた場合は、ファームアップを不可にしてもよい。
【0110】
このように、本実施形態によれば、画像形成装置がHCD cPPに適合した状態であっても、管理者権限を有するユーザは、端末装置を操作し、画像形成装置とTLSプロトコルを用いた通信を行い、管理者Webページからファームアップを行うことが可能となる。すなわち、本実施形態の画像形成装置は、HCD cPP適合状態において、TLSプロトコルを用いたセキュアな通信を行い、管理者権限を有するユーザのログインを必須とし、LAN上の機器が用いられる場合に、ファームアップを可能とする。これにより、本実施形態の画像形成装置は、管理者権限を有するユーザに対して、サービスマンが使用可能なファームアップ機能と同等の機能を提供することができる。一方で、本実施形態では、画像形成装置がHCD cPPに適合した状態である場合、サービスマン等のサービス権限を有するユーザによるファームアップや、USBメモリを用いたファームアップが封印される。これにより、本実施形態の画像形成装置は、HCD cPP要件を満たしながら、適切にファームアップを実施させることが可能となる。
【0111】
一方で、本実施形態では、画像形成装置がHCD cPPに適合していない状態であれば、サービスマン等のサービス権限を有するユーザによるファームアップや、管理者権限を有するユーザによるUSBメモリを用いたファームアップが可能である。一方で、画像形成装置がHCD cPPに適合していない状態のときは、管理者権限を有するユーザは、管理者Webページからのファームアップは不可能となる。このように、本実施形態の画像形成装置は、HCD cPPに適合しているか否かに応じてファームアップ手段を切り替えることが可能であり、ユーザに対して複数のファームアップ手段を提供することによりユーザを混乱させることを防ぐことができる。
【0112】
[2.第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態において説明した処理において、管理者権限を有するユーザが使用する端末装置にファームウェアのアップデート状況を表示するか否かを選択可能にさせる実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の図5図14に、第1実施形態の図7図15にそれぞれ置き換えた実施形態である。なお、同一の処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0113】
[2.1 処理の流れ]
[2.1.1 画像形成装置]
図14は、本実施形態の画像形成装置10の制御部100が実行する主な処理(メイン処理)の流れを示す図である。本実施形態では、制御部100は、ステップS110においてユーザが管理者権限を有すると判定した場合、管理者Webページとして表示される第1のファームアップページの表示情報を、当該ユーザが使用する端末装置20に送信する(ステップS200)。ここで、本実施形態における第1のファームアップページには、ファームウェアのアップデート状況を表示するか否かを選択可能な選択項目が含まれる。選択項目は、例えば、チェックボックス等のUI(User Interface)により表示される。
【0114】
つづいて、制御部100は、端末装置20から、ファームアップの実行指示を受信したか否かを判定する(ステップS202)。このとき、制御部100は、ファームウェアのアップデート状況を表示するか否かを判定する(ステップS204)。例えば、制御部100は、端末装置20から、ファームアップの実行指示とともに、ファームウェアのアップデート状況を表示するか否かを示す情報を受信し、当該情報に基づき、ファームウェアのアップデート状況を表示するか否かを判定する。
【0115】
制御部100は、ファームウェアのアップデート状況を表示する場合、ステップS116からステップS124までの処理を実行する(ステップS204;Yes)。これにより、制御部100は、端末装置20に対して状況ページを表示させ、当該状況ページを自動更新させることができる。
【0116】
一方、制御部100は、ファームウェアのアップデート状況を表示しない場合、ファームアップの実行指示を送信した端末装置20に対して、処理受付ページの表示情報を送信する(ステップS204;No→ステップS206)。処理受付ページは、デバイスWebページの1つであり、ファームアップ処理の受付がされたことを示すページである。処理受付ページは、処理ページとは異なり、ファームアップの状況は表示されず、自動更新されることはない。また、制御部100は、ファームウェアのアップデートを行う(ステップS208)。ステップS208の処理は、ステップS118の処理と同様の処理である。
【0117】
一方、制御部100は、ステップS128においてユーザがサービス権限を有すると判定した場合、サービスWebページとして表示される第2のファームアップページの表示情報を、当該ユーザが使用する端末装置20に送信する(ステップS210)。ここで、本実施形態における第2のファームアップページには、状況ページの自動更新を行うか否かを切り替える項目は含まれない。
【0118】
また、制御部100は、ステップS210の処理の後、第1実施形態と同様に、ステップS114からステップS124までの処理を実行する。
【0119】
[2.1.2 端末装置]
図15は、本実施形態の端末装置20の制御部200が実行する主な処理(メイン処理)の流れを示す図である。
【0120】
本実施形態では、制御部200は、ユーザによってファームアップを実行する操作がされた場合、表示部240に表示しているファームアップページにおいて、ファームウェアのアップデート状況を表示するか否かの切り替えが可能であるか否かを判定する(ステップS280)。
【0121】
制御部200は、ファームウェアのアップデート状況の表示の切り替えが可能である場合、すなわち、第1のファームアップページを表示している場合、ファームウェアのアップデート状況の表示を行うか否かを判定する(ステップS280;Yes→ステップS282)。
【0122】
制御部200は、ファームウェアのアップデート状況の表示を行う場合、画像形成装置10に、ファームウェアのアップデート状況の表示を行うことを示す情報とともに、ファームアップの実行指示を送信する(ステップS282;Yes→ステップS284)。
【0123】
一方、制御部200は、ファームウェアのアップデート状況の表示を行わない場合、画像形成装置10に、ファームウェアのアップデート状況の表示を行わないことを示す情報とともに、ファームアップの実行指示を送信する(ステップS282;No→ステップS286)。
【0124】
また、制御部200は、ステップS280において、ファームウェアのアップデート状況を表示するか否かの切り替えが可能ではないと判定した場合、すなわち、第2のファームアップページを表示している場合、画像形成装置10に、ファームアップの実行指示を送信する(ステップS280;No→ステップS188)。
【0125】
[2.2 動作例]
図16は、本実施形態におけるファームアップ可否及び自動更新の有無の条件を示す図である。図16に示すように、ログインを実行した後に、画像形成装置10がHCD cPP適合状態か否か、ユーザの権限、ファームウェアのアップデート状況の表示がONであるかOFFであるかに応じて、下記の5つの何れかの状況となる。
(1)画像形成装置10がHCD cPP適合状態で、ユーザが管理者権限を有するときで、アップデート状況表示がONである場合、デバイスWebページを介したファームアップが可能で、デバイスWebページは自動更新される(ファームのアップデート状況が表示される)。
(2)画像形成装置10がHCD cPP適合状態で、ユーザが管理者権限を有するときで、アップデート状況表示がOFFである場合、デバイスWebページを介したファームアップが可能で、デバイスWebページは自動更新されない(ファームのアップデート状況が表示されない)。
(3)画像形成装置10がHCD cPP適合状態で、ユーザが管理者権限を有しないときは、ファームアップは不可能となる。
(4)画像形成装置10がHCD cPP適合状態以外の状態で、ユーザがサービス権限を有するとき、デバイスWebページを介したファームアップが可能で、デバイスWebページは自動更新される(ファームのアップデート状況が表示される)。
(5)画像形成装置10がHCD cPP適合状態以外の状態で、ユーザがサービス権限を有しないときは、ファームアップは不可能となる。
【0126】
図17(a)は、本実施形態における第1のファームアップページW200の表示例を示す。第1のファームアップページW200には、ファームウェアのアップデート状況を表示するか否かを切り替える選択項目として、チェックボックスC200が含まれる。チェックボックスC200がONであれば、ファームウェアのアップデート状況(状況ページ)が表示され、アップデート状況が自動更新されることを示す。一方、チェックボックスC200がOFFであれば、ファームウェアのアップデート状況(状況ページ)が表示されないことを示す。
【0127】
また、第1のファームアップページW200には、ファームアップを実行する指示を行うボタンB200が含まれる。ユーザは、チェックボックスC200の選択状態を切り替えた上で、ファームアップを実行する指示を行うボタンB200を選択することで、ファームウェアのアップデート状況を端末装置20に表示させるか否かを選択した上で、画像形成装置10のファームアップを行うことができる。
【0128】
第1のファームアップページW200において、チェックボックスC200がOFFの場合にボタンB200が選択された場合、端末装置20には、図17(b)に示した、処理受付ページW210が表示される。
【0129】
処理受付ページW210には、ファームアップの処理を受け付けたことを示すメッセージを表示する領域E210が含まれる。領域E210に表示されるメッセージは固定であり、自動更新されることはない。また、領域E210には、例えば、操作パネル140の確認を促すメッセージが含まれてもよい。これにより、ユーザは、操作パネル140に表示される画面(例えば、図9(b)に示した画面W110)を確認することで、ファームアップの進捗状況を確認することができる。
【0130】
なお、第1のファームアップページW200において、チェックボックスC200がONの場合にボタンB200が選択された場合は、第1実施形態の図13(a)に示した状況ページW170が表示される。なお、チェックボックスC200は、デフォルトでONであってもよいし、ユーザと対応付けてデフォルトの選択状態が決定されてもよい。
【0131】
また、端末装置20を使用するユーザがサービス権限を有するユーザである場合、第1実施形態の図9(a)に示した第2のファームアップページW100が表示される。第2のファームアップページW100には、状況ページの自動更新の有無を切り替える項目が含まない。また、ファームアップ実行後には、図13(a)に示したような、状況ページW170が表示され、ファームアップの進捗率が自動更新される。
【0132】
このように、本実施形態では、管理者権限を有するユーザが使用する端末装置において表示されるファームアップページにおいて、ファームウェアのアップデート状況を表示するか否かを切替可能とする。これにより、本実施形態の画像形成装置は、端末装置に自動更新される状況ページが表示されることを抑制し、自動更新されない処理受付ページが表示させることで、アクセシビリティを考慮したデバイスWebページを表示させることが可能となる。このように、本実施形態では、アクセシビリティ対策としても従来から劣ることがないデバイスWebページを提供可能となる。
【0133】
この結果、本実施形態では、管理者権限を有するユーザに対して、例えば、VPAT(Voluntary Product Accessibility Template)等のアクセシビリティの基準を満たし、ユーザビリティが確保されたデバイスWebページを表示させることが可能となる。
【0134】
[3.第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態において説明した第1のファームアップページにおいて、ファームアップに関する注意文言が表示される実施形態である。
【0135】
本実施形態では、制御部100は、図5のステップS112において、ファームアップに関する注意文言(例えば、ファームアップ実行時の注意文言)を含む第1のファームアップページの表示情報を端末装置20に送信する。一方、制御部200は、注意文言を含む第1のファームアップページの表示情報を受信することにより、図7のステップS184において、当該注意文言を含む第1のファームアップページを表示する。
【0136】
一方で、制御部100は、図5のステップS130において、ファームアップに関する注意文言を含まない第2のファームアップページの表示情報を端末装置20に送信する。
【0137】
なお、制御部100は、状況ページやファームアップ完了ページを管理者Webページとして表示する場合は、当該状況ページや当該ファームアップ完了ページに、ファームアップに関する注意文言を含めてもよい。この場合、制御部100は、図5のステップS116やステップS124において、注意文言を含む表示情報を端末装置20に送信すればよい。一方、制御部100は、状況ページやファームアップ完了ページを、サービスWebページとして表示する場合は、当該状況ページや当該ファームアップ完了ページに、ファームアップに関する注意文言を含めないようにしてもよい。
【0138】
図18(a)は、第1のファームアップページW300の表示例を示す。第1のファームアップページW300には、ファームアップに関する注意文言を表示する領域E300が含まれる。ファームアップに関する注意文言としては、例えば、ファームアップ実行中に画像形成装置10の電源を切らないことや、ファームアップ中には画像形成装置10が使用できないことや、ファームアップが完了した後は元のファームウェアに戻せないことなどが含まれる。
【0139】
図18(b)は、管理者Webページとして表示される状況ページW310の表示例を示す。図18(b)に示すように、状況ページW310に、ファームアップに関する注意文言を表示する領域E310が含まれてもよい。なお、管理者Webページとして表示されるファームアップ完了ページにおいても、ファームアップに関する注意文言を表示する領域が含まれてもよい。
【0140】
本実施形態によれば、管理者権限を有するユーザが使用する端末装置においてファームアップに関する注意文言を含むデバイスWebページが表示される。これにより、本実施形態の画像形成装置は、管理者権限を有するユーザが画像形成装置の操作に慣れていないユーザであったとしても、注意文言を含むデバイスWebページを表示することで、当該注意文言を確認させ、ファームアップを適切に実行させることができる。一方、本実施形態の画像形成装置は、サービスマンに対しては、注意文言を含まないデバイスWebページを表示することで、デバイスWebページのコンテンツを即座に把握させることが可能となる。
【0141】
[4.第4実施形態]
第4実施形態は、第1実施形態において説明した処理に加え、画像形成装置と端末装置間のネットワークが切断された場合に、状況に応じた処理が実行される実施形態である。本実施形態は、第1実施形態の図5図19に、第1実施形態の図7図20にそれぞれ置き換えた実施形態である。なお、同一の処理には同一の符号を付し、説明については省略する。
【0142】
[4.1 処理の流れ]
[4.1.1 画像形成装置]
図19は、本実施形態の画像形成装置10の制御部100が実行する主な処理(メイン処理)の流れを示す図である。本実施形態では、制御部100は、ステップS118の処理の実行後、ファームアップの実行が指示されたWebブラウザ以外のWebブラウザから、デバイスWebページへのアクセスが要求されたか否かを判定する(ステップS400)。
【0143】
制御部100は、ファームアップの実行が指示されたWebブラウザ以外のWebブラウザからデバイスWebページへのアクセスが要求された場合、当該Webブラウザが表示されている端末装置20に対して、エラー画面の表示情報を送信する(ステップS400;Yes→ステップS402)。エラー画面は、例えば、デバイスWebページのアクセスが拒否されたことを示す画面である。なお、制御部100は、ファームアップの実行が指示されたWebブラウザ以外のWebブラウザからデバイスWebページへのアクセスが要求されていない場合は、ステップS402の処理を省略する(ステップS400;No)。
【0144】
[4.1.2 端末装置]
図20は、本実施形態の端末装置20の制御部200が実行する主な処理(メイン処理)の流れを示す図である。本実施形態では、制御部200は、ステップS190において、画像形成装置10に対して、ファームアップに用いられるファイルのアップロードを開始した後、当該ファイルのアップロードが完了したか否かを判定する(ステップS480)。
【0145】
制御部200は、ファームアップに用いられるファイルのアップロードが完了していない場合、すなわち、当該ファイルのアップロード中である場合、ネットワークから切断されたか否かを判定する(ステップS480;No→ステップS482)。
【0146】
制御部200は、ファームアップに用いられるファイルのアップロード中においてネットワークが切断された場合、ファームアップに用いられるファイルに関するエラーを表示部240に表示する(ステップS482;Yes→ステップS484)。一方、制御部200は、画像形成装置10とのネットワークが切断されていない場合は、ステップS480に戻る(ステップS482;No→ステップS480)。これにより、ファームアップに用いられるファイルのアップロード中にネットワークが切断された場合、端末装置20に、当該ファイルに関するエラー画面が表示される。
【0147】
制御部200は、ステップS480において、ファームアップに用いられるファイルのアップロードが完了したと判定した場合は、ステップS192の処理を実行する(ステップS480;Yes→ステップS192)。
【0148】
また、制御部200は、ファームアップに用いられるファイルのアップロードがされていない場合において、ネットワークから切断された場合は、接続エラーを表示部240に表示する(ステップS486;Yes→ステップS488)。この場合、制御部200は、接続エラーを表示部240に表示した後、図20に記載した処理を終了する。
【0149】
[4.2 動作例]
図21は、ファームアップに用いられるファイルのアップロード中に端末装置20がネットワークから切断された場合に表示されるエラー画面W400の表示例を示す図である。エラー画面W400には、ファームアップに用いられるファイルに関するエラーのメッセージを表示する領域E400が含まれる。ファイルに関するエラーのメッセージとして、例えば、ファイルの読み込みに失敗したことや、指定されたファイルが見つからないことや、ファイルが不正であることを示すメッセージが表示される。
【0150】
図22(a)は、ファームアップに用いられるファイルのアップロードがされていない場合において、端末装置20がネットワークから切断された場合に表示される画面W410の画面例を示す図である。画面W410には、接続エラーを示すメッセージを表示する領域E410が含まれる。
【0151】
図22(b)は、ファームアップ指示を行った端末装置20とは異なる端末装置20が、デバイスWebページを表示するために画像形成装置10にアクセスした場合に表示するエラー画面W420の表示例を示す図である。エラー画面W420には、デバイスWebページへのアクセスが拒否されたことを示すメッセージを表示する領域E420が含まれる。なお、一方で、ファームアップ指示を行った端末装置20には、画像形成装置10から状況情報が送信される。そのため、ファームアップ中は、ファームアップを指示したWebブラウザのみにファームアップの進捗やファームアップ完了ページ(ファームアップの結果画面)が表示される。この結果、ファームアップを指示したWebブラウザを操作するユーザは、ファームアップに関する操作を行うことができる。一方、ファームアップを指示したWebブラウザ以外のWebブラウザには、エラー画面が表示される。この結果、ファームアップを指示したWebブラウザ以外のWebブラウザを使用するユーザは、ファームアップに関する操作を行うことができない。
【0152】
このように、本実施形態によれば、端末装置がネットワークから切断された場合であっても、端末装置は、ユーザやサービスマンに対して、状況を把握させることができる。また、画像形成装置は、ファームアップが指示されたブラウザ以外のブラウザに対してエラー画面を表示させることで、デバイスWebページのアクセスが拒否されたことをユーザやサービスマンに把握させることができる。
【0153】
[5.変形例]
本開示は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。すなわち、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0154】
また、上述した実施形態は、説明の都合上、それぞれ別に説明している部分があるが、技術的に可能な範囲で組み合わせて実行してもよいことは勿論である。例えば、第2実施形態と第3実施形態とを組み合わせて実行されてもよい。この場合、第1のファームアップページとして、状況ページの自動更新の有無が選択可能で、注意文言が含まれるページが表示される。
【0155】
また、上述した実施形態では、当該画像処理装置は、サーバ装置や、スマートフォン等の端末装置であってもよい。例えば、本開示を、上述した実施形態で説明した処理と同様の処理を実行するアプリとして実現し、当該アプリを端末装置で実行してもよい。
【0156】
上述した各装置で動作するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な非一時的記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)に記録され、提供されてもよい。また、実施形態において各装置で動作するプログラムは、上述した実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的に一時記憶装置(例えば、RAM)に蓄積され、その後、各種ROM(Read Only Memory)やHDD等の記憶装置に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。
【0157】
プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROMや、不揮発性のメモリカード等)、光記録媒体・光磁気記録媒体(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、MD(Mini Disc)、CD(Compact Disc)、BD (Blu-ray(登録商標) Disc) 等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本開示の機能が実現される場合もある。
【0158】
また、市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本開示に含まれるのは勿論である。
【0159】
また、上述した実施形態に用いた装置の各機能ブロック、又は諸特徴は、電気回路、例えば、集積回路あるいは複数の集積回路で実装又は実行され得る。本明細書で述べられた機能を実行するように設計された電気回路は、汎用用途プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又はこれらを組み合わせたものを含んでよい。汎用用途プロセッサは、マイクロプロセッサでもよいし、従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又はステートマシンであってもよい。前述した電気回路は、デジタル回路で構成されていてもよいし、アナログ回路で構成されていてもよい。また、半導体技術の進歩により現在の集積回路に代替する集積回路化の技術が出現した場合、本開示の一以上の態様は当該技術による新たな集積回路を用いることも可能である。例えば、本開示における、画像形成装置10であれば、制御部100に含まれる一部又は全部の処理部が電気回路で構成されてもよい。
【符号の説明】
【0160】
1 システム
10 画像形成装置
102 ログイン処理部
104 ファームアップ処理部
110 外部インタフェース部
120 画像入力部
130 画像形成部
140 操作パネル
142 表示部
144 操作部
160 ストレージ
170 RAM
180 ROM
182 ファームウェア
190 通信部
20 端末装置
200 制御部
240 表示部
250 操作部
260 記憶部
290 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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