(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024151954
(43)【公開日】2024-10-25
(54)【発明の名称】消防用水供給設備
(51)【国際特許分類】
A62C 35/58 20060101AFI20241018BHJP
A62C 27/00 20060101ALI20241018BHJP
A62C 37/08 20060101ALI20241018BHJP
A62C 31/02 20060101ALI20241018BHJP
E03B 9/02 20060101ALI20241018BHJP
【FI】
A62C35/58
A62C27/00 501
A62C37/08
A62C31/02
E03B9/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023065801
(22)【出願日】2023-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】591078712
【氏名又は名称】消防庁長官
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【弁理士】
【氏名又は名称】白石 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(72)【発明者】
【氏名】掛川(鈴木) 恵子
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189AA04
2E189CA04
2E189KB04
(57)【要約】
【課題】消火効率の向上を図るとともに、既存の設備に簡易に適応することができ、消火剤のメンテナンスや補給を不要に、あるいは軽減できる消防用水供給設備を提供する。
【解決手段】消防用水供給設備は、微細気泡を生成可能な微細気泡生成装置が備えられる。微細気泡生成装置は、消火用水の水源、消火用水の取水口以降の送水経路、散水口のヘッドやノズルのなかから選択した任意の箇所において、消火のために放水する消火用水に微細気泡を混入可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火のために放水する消火用水に微細気泡を混入可能な微細気泡生成装置が備えられることを特徴とする消防用水供給設備。
【請求項2】
前記消防用水供給設備は消火栓であり、
前記微細気泡生成装置は、前記消火栓に備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【請求項3】
前記消防用水供給設備は防火水槽・水嚢であり、
前記微細気泡生成装置は、前記防火水槽・水嚢に備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【請求項4】
前記消防用水供給設備は、消火用ホース・放水ノズルであり、
前記微細気泡生成装置は、前記消火用ホース・放水ノズルに備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【請求項5】
前記消防用水供給設備は動力消防ポンプ設備であり、
前記微細気泡生成装置は、前記動力消防ポンプ設備に備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【請求項6】
前記消防用水供給設備は消火水嚢であり、
前記微細気泡生成装置は、前記消火水嚢に備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【請求項7】
前記消防用水供給設備は消火器具であり、
前記微細気泡生成装置は、前記消火器具に備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【請求項8】
前記消防用水供給設備は消火設備であり、
前記微細気泡生成装置は、前記消火設備に備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【請求項9】
前記消防用水供給設備は消防活動上必要な設備であり、
前記微細気泡生成装置は、前記消防活動上必要な設備に備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【請求項10】
前記消防用水供給設備は加圧送水装置であり、
前記微細気泡生成装置は、前記加圧送水装置に備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【請求項11】
前記消防用水供給設備は水道連結型スプリンクラー設備であり、
前記微細気泡生成装置は、前記水道連結型スプリンクラー設備に備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【請求項12】
前記消防用水供給設備は泡消火システムであり、
前記微細気泡生成装置は、前記泡消火システムに備えられることを特徴とする請求項1に記載の消防用水供給設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消防用水供給設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、山間地域や離島、漁村地域等、国内には水道消火栓の給水量が十分でないために、消防隊や消防団により効率的に消火することが難しい場合がある。この課題を解消するアプローチとして、防火水槽の設置等による消火用水(消防用水)を確保する方法と、単位放水量あたりの消火効率を向上させる方法との2つが知られている。
また、消火栓等による消火用水の供給が十分な地域においても、水損の局限化を図るために消火効率の向上は求められている。
【0003】
ここで、単位放水量あたりの消火効率を向上させるために消火用水に消火薬剤(以下、消火剤ということがある)を添加する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。消火用水に消火剤を添加することによる消火剤の主な目的は、木材や紙等や、油火災や電気火災の一般火災に対して消火用水の付着性や浸透性を向上させることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、消火用水に消火剤を添加する場合、消火剤に適した装備や消火剤の管理、補充、使用技術の継承等の負担が新たに生じる。このため、消火用水が十分でない傾向にある小規模な消防本部においては特に導入負担が大きい。
【0006】
本発明は、消火効率の向上を図るとともに、既存の設備に簡易に適応することができ、消火剤のメンテナンスや補給を不要に、あるいは軽減できる消防用水供給設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明に係る消防用水供給設備は、消火のために放水する消火用水に微細気泡を混入可能な微細気泡生成装置が備えられる。
【0008】
この構成によれば、消防用水供給設備は、微細気泡生成装置により微細気泡を生成し、生成した微細気泡を消火のために放水する消火用水に混入させることができる。よって、消防用水供給設備は、消火用水にファインバブルを混入させることにより、「消火機構に対する効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「送水経路の摩擦力低減効果」、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」4つの効果を得ることができる。なお、4つの効果については、実施形態で詳しく説明する。
ここで、微細気泡は、いわゆるファインバブルである。ファインバブルとしては、マイクロバルブ、ウルトラファインバブル等が知られている。以下、微細気泡をファインバブルということもある。
【0009】
消防用水供給設備は、前記4つの効果を得ることにより、放水した消火用水を消火対象物等に対して好適に付着させることや、好適に浸透させることができる。すなわち、消防用水供給設備は、消火対象物等に対して消火用水の付着性や浸透性を高めることができる。したがって、消防用水供給設備によれば、放水した消火用水により消火対象物等を好適に消火でき、消火用水による消火効率の向上を図ることができる。この結果、消火用水による単位放水量に対する消火効果(効率)の向上を図ることができる。
【0010】
また、消防用水供給設備に微細気泡生成装置のみを備えるだけで、消火用水に微細気泡を混入させることができる。これにより、既存の消防用水供給設備に微細気泡生成装置を簡易に適応することができ、消火剤のメンテナンスや補給を不要に、あるいは軽減できる。
【0011】
(2)上記態様において、前記消防用水供給設備は消火栓であり、前記微細気泡生成装置は、前記消火栓に備えられてもよい。
【0012】
この構成によれば、消火栓の消火用水にファインバブルを混入することにより、消火用水の取水口以降にファインバブルを混入できる。これにより、消火栓は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0013】
(3)上記態様において、前記消防用水供給設備は防火水槽・水嚢であり、前記微細気泡生成装置は、前記防火水槽・水嚢に備えられてもよい。
【0014】
この構成によれば、防火水槽・水嚢における消火用水の水源にファインバブルを混入できる。これにより、防火水槽・水嚢は、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」を得ることができる。加えて、防火水槽・水嚢は、「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」も併せて得ることができる。
【0015】
(4)上記態様において、前記消防用水供給設備は、消火用水の取水口から消火用水を案内して放水する消火用ホース・放水ノズルであり、前記微細気泡生成装置は、前記消火用ホース・放水ノズルに備えられてもよい。
【0016】
この構成によれば、消火用ホース・放水ノズルのうち放水ノズルの吐出口や内部や放水ノズルの接続口を除いた消火用水の取水口以降の送水経路においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火用ホース・放水ノズルは、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
また、消火用ホース・放水ノズルのうち放水ノズルの吐出口や内部や放水ノズルの接続口(放水ノズルの直前)においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火用ホース・放水ノズルは、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0017】
(5)上記態様において、前記消防用水供給設備は動力消防ポンプ設備であり、前記微細気泡生成装置は、前記動力消防ポンプ設備に備えられてもよい。
【0018】
この構成によれば、動力消防ポンプ設備のうち消火用水の取水口以降において消火用水にファインバブルを混入できる。これにより、動力消防ポンプ設備は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0019】
ここで、微細気泡を混入した消火用水は送水経路の摩擦力低減効果を得た結果、送水先での圧損(圧力損失)が減少することが知られている。これにより、送水先において必要な一定の水圧を確保するために動力消防ポンプ設備に必要な加圧性能は小さくてもよい。
【0020】
(6)上記態様において、前記消防用水供給設備は消火水嚢であり、前記微細気泡生成装置は、前記消火水嚢に備えられてもよい。
【0021】
この構成によれば、消火水嚢のうちノズルの接続口を除いた消火用水の取水口以降の送水経路においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火水嚢は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
また、消火水嚢のうちノズルの接続口においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火水嚢は、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0022】
(7)上記態様において、前記消防用水供給設備は消火器具であり、前記微細気泡生成装置は、前記消火器具に備えられてもよい。
【0023】
この構成によれば、消火器具のうち「散水口のヘッドやノズル」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火器具は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
また、消火器具のうち「散水口のヘッドやノズル」においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火器具は、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0024】
(8)上記態様において、前記消防用水供給設備は消火設備であり、前記微細気泡生成装置は、前記消火設備に備えられてもよい。
【0025】
この構成によれば、消火用水の水源においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火設備は、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」を得ることができる。加えて、消火設備は、「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」も併せて得ることができる。
【0026】
また、消火設備のうち「散水口のヘッドやノズル」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路等においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火設備は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0027】
さらに、消火設備のうち「散水口のヘッドやノズル」においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火設備は、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0028】
(9)上記態様において、前記消防用水供給設備は消防活動上必要な設備であり、前記微細気泡生成装置は、前記消防活動上必要な設備に備えられてもよい。
【0029】
この構成によれば、消防活動上必要な設備のうち「散水ヘッドの接続口」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消防活動上必要な設備は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
また、消防活動上必要な設備のうち「散水ヘッドの接続口」においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消防活動上必要な設備は、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0030】
(10)上記態様において、前記消防用水供給設備は加圧送水装置であり、前記微細気泡生成装置は、前記加圧送水装置に備えられてもよい。
【0031】
この構成によれば、加圧送水装置の水源においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、加圧送水装置は、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」、「送水経路の摩擦力低減効果」を得ることができ、さらに「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0032】
また、加圧送水装置のうち取水口以降の送水経路等においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、加圧送水装置は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0033】
ここで、微細気泡を混入した消火用水は送水経路の摩擦力低減効果を得た結果、送水先での圧損(圧力損失)が減少することが知られている。これにより、送水先において必要な一定の水圧を確保するために加圧送水装置に必要な加圧性能は小さくてもよい。
【0034】
(11)上記態様において、前記消防用水供給設備は水道連結型スプリンクラー設備であり、前記微細気泡生成装置は、前記水道連結型スプリンクラー設備に備えられてもよい。
【0035】
この構成によれば、水道連結型スプリンクラー設備の水源においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、水道連結型スプリンクラー設備は、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」を得ることができる。加えて、水道連結型スプリンクラー設備は、「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」も併せて得ることができる。
【0036】
また、水道連結型スプリンクラー設備のうち取水口以降においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、水道連結型スプリンクラー設備は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0037】
さらに、水道連結型スプリンクラー設備のうち散水口のヘッドやノズルの直前においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、水道連結型スプリンクラー設備は、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0038】
(12)上記態様において、前記消防用水供給設備は泡消火システムであり、前記微細気泡生成装置は、前記泡消火システムに備えられてもよい。
【0039】
この構成によれば、泡消火システムにおいてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、泡消火システムは、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
また、泡消火システムによれば、混合液を発泡させることにより、「消火剤等に対する補強効果」において、消火用水の発泡を強化し、さらに消火用水の発泡に対する保持力を強化する効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、消火効率の向上を図るとともに、既存の設備に簡易に適応することができ、消火剤のメンテナンスや補給を不要に、あるいは軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明に係る実施形態の消防用水供給設備における一例を示す概念図である。
【
図2】実施形態の消火栓に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図3】実施形態の防火水槽・水嚢に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図4】実施形態の消火用ホース・放水ノズルに微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図5】実施形態の動力消防ポンプ設備に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図6】実施形態の消防ポンプ自動車を示す概略図である。
【
図7】実施形態の可搬消防ポンプを示す概略図である。
【
図8】実施形態の消火水嚢に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図9】実施形態の消火水嚢の使用例を説明する概略図である。
【
図10】実施形態の消火水嚢に備えた分岐給水装置を示す概略図である。
【
図11】実施形態の消火器具の消火器に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図12】実施形態の消火器具のパッケージ型自動消火設備に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図13】実施形態の消火器具の自動消火装置に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図14】実施形態の消火設備に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図15】実施形態の消防活動上必要な設備に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図16】実施形態の加圧送水装置の高架水槽に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図17】実施形態の加圧送水装置の圧力水槽に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図18】実施形態の水道連結型スプリンクラー設備において水道連結型スプリンクラー設備に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【
図19】実施形態の泡消火システムを説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施形態の消防用水供給設備を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す消防用水供給設備において、消火用水の流れる方向を「下流側」、下流側の反対側を「上流側」として説明する。また、上流側近傍を「直前」として説明する。
【0043】
<消防用水供給設備>
図1は、実施形態の消防用水供給設備における一例を示す概念図である。
図1に示すように、消防用水供給設備10としては、例えば、消防用水供給設備10Aや消防用水供給設備10Bが知られている。消防用水供給設備10Aは、防火水槽(すなわち、水源)11と、消防ポンプ自動車12と、消防用水の取水口以降の送水用ホース(消火用ホース)14と、放水ノズル17と、不図示の微細気泡生成装置と、を備える。また、消防用水供給設備10Bは、防火水槽11と、可搬消防ポンプ18と、消火用水の取水口以降の送水用配管15と、散水ヘッド19と、不図示の微細気泡生成装置と、を備える。
【0044】
以下、送水用ホース14及び送水用配管15をまとめて消火用水の取水口以降の送水経路13ということがある。また、消火用水の取水口以降の送水経路13を送水経路13と略記することがある。さらに、放水ノズル17及び散水ヘッド19をまとめて放水口16ということがある。
【0045】
<微細気泡生成装置>
微細気泡生成装置は、防火水槽11、送水経路13、及び放水口16の直前のなかから選択した任意の箇所において消火用水Wに微細気泡を混入する装置である。微細気泡生成装置は、例えば、一般に知られている技術を採用して微細気泡を生成し、生成した微細気泡を消火用水Wに混入可能な装置である。あるいは、微細気泡生成装置は、微細気泡を生成するものの他に、既成の微細気泡(例えば、高濃度の微細気泡)が含まれた微細気泡水を消火用水Wに混入可能な装置である。以下、微細気泡をファインバブルということもある。
【0046】
ここで、ファインバブルとして、マイクロバルブ、ウルトラファインバブル等が知られている。ファインバブルは、例えば、直径が100μmより小さな気泡である。ファインバブルは、例えば、マイクロバブルとウルトラファインバブルとに区別される。マイクロバブルは、例えば、1μm以上、100μm未満の気泡である。ウルトラファインバブルは、1μm未満の気泡である。
また、消火に使用する消火用水Wは、水のみのと、消火剤(消火薬剤)を添加した水と、を含むとする。
【0047】
以下、微細気泡生成装置により、防火水槽11に貯留された消火用水Wと、送水経路13における消火用水Wと、放水口16の直前における消火用水Wと、にファインバブルを混入することにより得られる効果について説明する。
まず、防火水槽11に貯留された消火用水Wにファインバブルを混入することにより得られる効果について説明する。
【0048】
防火水槽11に貯留された消火用水Wにファインバブルを混入することにより、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」を得ることができる。さらに、「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、及び「消火機構に対する効果」も併せて得ることができる。
以下、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」、「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」の4つの効果について具体的に説明する。
【0049】
<殺菌・消毒等の作用による水質保持効果>
「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」について説明する。
防火水槽11に貯えられた消火用水Wにファインバブルを混入することにより、防火水槽11に貯えられた消火用水Wに対して殺菌・消毒等の作用による水質保持効果を得ることができる。よって、防火水槽11に貯えられた消火用水Wの水質を長期間良好に維持できる。これにより、水質低下に起因する消火用水Wの入れ替えや補充の頻度を下げることができ、消火用水Wを管理する労力と水道費用との負担を軽減できる。
【0050】
<送水経路の摩擦力低減効果>
「送水経路の摩擦力低減効果」について説明する。
防火水槽11に貯えられた消火用水Wにファインバブルを混入することにより、消火用水Wの摩擦力を低減させることができる。よって、消火用水Wの摩擦力低減効果により送水経路13の摩擦抵抗を低減できる。これにより、消火用水Wを同一送水圧で送水する際において、消火用水Wの送水可能距離あるいは消火用水Wの送水可能高さを増すことができる。すなわち、消火用水Wを同一送水圧の条件で放水((注水)する際に、放水する消火用水Wに対して水圧の増加を図ることができる。
【0051】
<消火剤等に対する補強効果>
「消火剤等に対する補強効果」について説明する。「消火剤等に対する補強効果」は第1効果から第3効果を有する。
第1効果:防火水槽11に貯えられた消火用水Wに消火剤(例えば、界面活性剤あるいは石けん系消火剤)が添加されている場合、消火用水にファインバブルを混入することにより、消火剤とファインバブルとの相乗効果が得られる。よって、ファインバブルを混入しない場合に通常必要とする消火剤に比べて、少量の消火剤で通常必要とする消火剤と同等の濡れ水効果を得ることができる。これにより、消火剤の使用量を少なく抑えることができ、消防用水供給設備10のコスト低減を図るとともに消火剤による環境負荷の低減を図ることができる。
【0052】
第2効果:消火剤が添加された消火用水Wにファインバブルを混入することにより、消火剤の発泡率が向上するとともに発泡泡の保存力が向上する。これにより、消火用水Wによる燃焼領域(消火対象物等)に対する消火効率の向上を図ることができる。
第3効果:消火剤が添加された消火用水Wにファインバブルを混入することにより、水噴射装置あるいは水噴射ヘッド(すなわち、放水口16)から散水、放水された消火用水Wが、可燃性液体の表面で乳化作用を生じることを増強させることができる。これにより、消火用水Wによる可燃性液体に対する消火効率の向上を図ることができる。
【0053】
<消火機構に対する効果>
「消火機構に対する効果」について説明する。「消火機構に対する効果」は第1効果から第3効果を有する。
第1効果:ファインバブルが混入された消火用水Wは表面張力が低下している。よって、燃焼している燃焼領域や、今後燃焼する可能性のある可燃領域に放水した消火用水Wを、それぞれの表面により多く留めることや、それぞれの内部に浸透させることができる。これにより、消火用水Wをより多く蒸発させることができる。したがって、消火用水Wの蒸発潜熱により燃焼領域や可燃領域を冷却して消火に寄与する濡れ水効果を得ることができる。
【0054】
第2効果:ファインバブルのうちマイクロバブルを消火用水Wに混入させる。これにより、マイクロバブルが固体表面において衝突の衝撃や高温で崩壊する際に発生する衝撃波(周囲の圧力変化)が燃焼反応を阻害する。なお、この性質は、マイクロバブルに限定した性質で、ウルトラファインバブルでは生じない性質とされている。
【0055】
第3効果:ファインバブルの気泡中に窒素を含有する窒素ファインバブル(窒素ウルトラファインバブル)を消火用水Wに混入させる。この窒素ファインバブルが混入された消火用水Wを燃焼領域に放水する。これにより、燃焼領域において窒素濃度の上昇と酸素濃度の低下とが生じることにより燃焼領域の燃焼を抑制できる。
あるいは、消火性能を有する気体をファインバブルとして含む消火用水Wを放水(注水)する。これにより、消火性能を有する気体の効果と濃度の上昇と酸素濃度の低下とが生じることにより燃焼領域の燃焼を抑制できる。
【0056】
つぎに、送水経路13において消火用水Wにファインバブルを混入することにより得られる効果について説明する。
送水経路13において消火用水Wにファインバブルを混入することにより、「送水経路の摩擦力低減効果」を得ることができる。加えて、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」も併せて得ることができる。
【0057】
ついで、放水口16の直前において消火用水Wにファインバブルを混入することにより得られる効果について説明する。
放水口16の直前において消火用水Wにファインバブルを混入する。これにより、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0058】
<微細気泡生成装置を設ける箇所>
つぎに、消防用水供給設備において微細気泡生成装置を設ける(取り付ける)具体的な箇所を
図2から
図19に基づいて詳しく説明する。
図2から
図19において、微細気泡生成装置を設ける可能性が高い箇所を「黒丸」で示す。
以下に示すように、消防用水供給設備には、「消火栓」、「防火水槽・水嚢」、「消火用ホース・放水ノズル」、「動力消防ポンプ設備」、「消火水嚢」、「消火器具」、「消火設備」、「消防活動上必要な設備」、「加圧送水装置」、「水道連結型スプリンクラー設備」、「泡消火システム」等が含まれる。
【0059】
<消火栓>
図2は、実施形態の消火栓に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図2に示すように、消防用水供給設備30は、消火栓であり、消火栓30に微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。消火栓30は、上水道網に設置されて消火用水を取り出す設備である。消火栓30は、水道水圧を利用するためポンプが不要である。但し、水道水圧が低い場合にはポンプを使用する必要がある。消火栓30としては、地上式消火栓30A、地下式消火栓30Bが挙げられる。
【0060】
地上式消火栓30Aは、例えば図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、地上式消火栓30Aは、水道管31から地上式消火栓30Aへの分岐管30A1、地上式消火栓30Aの接続口30A2、地上式消火栓30Aの内部30A3、地上式消火栓30Aの放水口30A4のなかから選択した任意の箇所において微細気泡生成装置が設けられる。
【0061】
すなわち、地上式消火栓30Aは、分岐管30A1、接続口30A2、内部30A3、放水口30A4のなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。これにより、地上式消火栓30Aは、「送水経路の摩擦力低減効果」を得ることができ、さらに「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0062】
地下式消火栓30Bは、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、地下式消火栓30Bは、水道管31から地下式消火栓30Bへの分岐管30B1、地下式消火栓30Bの接続口30B2、地下式消火栓30Bの内部30B3、地下式消火栓30Bの放水口30B4、スタンドパイプ32の地下式消火栓30Bへの接続口30B5、スタンドパイプ32の内部30B6、スタンドパイプ32の放水口30B7のなかから選択した任意の箇所において微細気泡生成装置が設けられる。
【0063】
すなわち、地下式消火栓30Bは、分岐管30B1、接続口30B2、内部30B3、放水口30B4、接続口30B5、内部30B6、放水口30B7のなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。これにより、地下式消火栓30Bは、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0064】
<防火水槽・水嚢>
図3は、実施形態の防火水槽・水嚢に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図3に示すように、消防用水供給設備40は、防火水槽・水嚢であり、防火水槽・水嚢40に微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。防火水槽・水嚢40は、消火用水の水源として内部に水を貯える設備である。すなわち、防火水槽・水嚢40は、消火用水の水源として利用される。防火水槽・水嚢40としては、防火水槽41、水嚢42が挙げられる。なお、消火用水については、
図14でも説明する。
【0065】
水嚢42としては、ヘリコプター、航空機、飛行船等において設けられたものが知られている。水嚢42には、図中に「黒丸」で示すように、微細気泡生成装置が設けられる。
水嚢42に微細気泡生成装置が設けられることにより、水嚢42(すなわち、水源)において微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。これにより、水嚢42は、殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」を得ることができる。加えて、水嚢42は、「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」も併せて得ることができる。
【0066】
防火水槽41としては、消火に用いる耐震性貯水槽43、消防水利として使用するプール44、防火水そう45、タンク車の水槽46、可搬式水槽47、建物の消火設備の水槽48が挙げられる。耐震性貯水槽43は、消防防災施設整備費補助金交付要綱に定める耐震性貯水槽である。耐震性貯水槽43としては、例えば、自由水面式耐震性貯水槽43A、圧力式飲料水兼用耐震性貯水槽43B等が挙げられる。圧力式飲料水兼用耐震性貯水槽43Bは、水道管路の一部として設置された水槽内に水圧が加わる水槽である。
プール44及び防火水そう45は、消防法により消防水利として指定されている。タンク車の水槽46及び可搬式水槽47は、消防活動用の装備である。消火設備の水槽48としては、高架水槽、床上水槽、地下水槽等が挙げられる。
【0067】
耐震性貯水槽43(自由水面式耐震性貯水槽43A、圧力式飲料水兼用耐震性貯水槽43B)、プール44、防火水そう45、水槽46、可搬式水槽47、水槽48には、図中に「黒丸」で示すように、微細気泡生成装置が設けられる。また、圧力式飲料水兼用耐震性貯水槽43Bには、図中に「黒丸」で示すように、貯水槽への水道水の入口43B1にも微細気泡生成装置を設けることが可能である。
さらに、例えば、防火水そう45等には水(消火用水)を内部に供給する補給水管49が接続され、補給水管49の吐出口49Aにも図中に「黒丸」で示すように微細気泡生成装置を設けることが可能である。
【0068】
すなわち、防火水槽41は、水源としての耐震性貯水槽43(自由水面式耐震性貯水槽43A、圧力式飲料水兼用耐震性貯水槽43B)、プール44、防火水そう45、水槽46、可搬式水槽47、水槽48において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。また、防火水槽41は、補給水管49の吐出口49Aにおいて、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。
これにより、防火水槽41は、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」を得ることができる。加えて、防火水槽41は、「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」も併せて得ることができる。
【0069】
<消火用ホース・放水ノズル>
図4は、実施形態の消火用ホース・放水ノズルに微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図4に示すように、消防用水供給設備50は、消火用ホース・放水ノズルであり、消火用ホース・放水ノズル50に微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。消火用ホース・放水ノズル50は、例えば、第1結合金具51と、ホース(消火用ホース)52と、第2結合金具53と、管そう54と、スムースノズル(放水ノズル)55と、噴霧ノズル(放水ノズル)56と、媒介金具57と、を備える。
媒介金具57は、受け口又は差し口を2つ以上有し、呼称や連結方式(差込式又はねじ式)の異なる結合金具相互を媒介して連結する金具である。
【0070】
消火用ホース・放水ノズル50は、「ノズル」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路等において、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、消火用ホース・放水ノズル50は、第1結合金具51とホース52との接続口50A、ホース52の内部途中52A、ホース52と第2結合金具53との接続口50B、第2結合金具53と管そう54との接続口50C、管そう54の内部54A、媒介金具57の内部57A、結合金具と結合金具との間58のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。微細気泡生成装置を結合金具と結合金具との間58に設ける場合には、結合金具を両端に有する微細気泡生成装置を取り付ける。
【0071】
すなわち、接続口50A、ホース52の内部途中52A、接続口50B、接続口50C、管そう54の内部54A、媒介金具57の内部57A、結合金具と結合金具との間58のなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。よって、消火用ホース・放水ノズル50のうち「ノズル」を除いた送水経路等においてファインバブルを消火用水に混入できる。
これにより、消火用ホース・放水ノズル50は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0072】
また、消火用ホース・放水ノズル50は、「ノズル」において、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、消火用ホース・放水ノズル50は、管そう54とスムースノズル55との接続口50D、スムースノズル55の内部55A、スムースノズル55の吐出口55B、第2結合金具53と噴霧ノズル56との接続口50E、噴霧ノズル56の内部56A、噴霧ノズル56の吐出口56Bのなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。
【0073】
すなわち、消火用ホース・放水ノズル50は、スムースノズル55の直前の接続口50D、スムースノズル55の内部55A、スムースノズル55の吐出口55B、噴霧ノズル56の直前の接続口50E、噴霧ノズル56の内部56A、噴霧ノズル56の吐出口56Bのなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。よって、消火用ホース・放水ノズル50のうち「ノズル」においてファインバブルを消火用水に混入できる。
これにより、消火用ホース・放水ノズル50は、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0074】
<動力消防ポンプ設備>
図5は、実施形態の動力消防ポンプ設備に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図5において、矢印Aは消火用水が上流側から下流側に流れる方向を示す。
図6は、実施形態の消防ポンプ自動車を示す概略図である。
図7は、実施形態の可搬消防ポンプを示す概略図である。
【0075】
図5から
図7に示すように、消防用水供給設備60は、動力消防ポンプ設備であり、動力消防ポンプ設備60に微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。消防ポンプ設備60としては、例えば、消防ポンプ自動車60A、可搬消防ポンプ60B、不図示の大容量泡放水砲用システムの加圧ポンプ車、不図示の大容量泡放水砲システムの加圧ポンプ、不図示の圧縮空気消火システムの消防ポンプ自動車、不図示の圧縮空気消火システムの加圧ポンプ等が挙げられる。
【0076】
消防ポンプ自動車60Aは、例えば、ポンプ61と、ポンプ駆動用内燃機関62と、吸管63と、第1結合金具(給水口)64と、第2結合金具(放水口)65と、ホース(送水用ホース)66と、を備える。第1結合金具64には、例えば、ポンプ61に対して上流側の送水経路等が接続される。
大容量泡放水砲システムの加圧ポンプ車や圧縮空気消火システムの消防ポンプ自動車も、消防ポンプ自動車60Aと概ね同様に構成されている。
【0077】
消防ポンプ自動車60Aは、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、消防ポンプ自動車60Aは、吸管63と第1結合金具64との接続口60A1、第1結合金具64とポンプ61との接続口60A2、ポンプ61の内部、ポンプ61と第2結合金具65との接続口60A3、第2結合金具65とホース66との接続口60A4のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。
ている。
ここで、ポンプ61の内部に微細気泡生成装置を設ける場合には、例えば、ポンプ61のケーシング(すなわち、タービンポンプ自体)の内部またはポンプ内部の送水経路に微細気泡生成装置が設けられる。
【0078】
大容量泡放水システムの加圧ポンプ車や圧縮空気消火システムの消防ポンプ自動車は、消防ポンプ自動車60Aと概ね同様に構成されているので説明を省略する。なお、ポンプ61については、
図14の消火設備100、
図17の加圧送水設備130でも説明する。
【0079】
可搬消防ポンプ60Bは、例えば、ポンプ67と、ポンプ駆動用内燃機関68と、不図示の吸管と、第1結合金具(給水口)71と、第2結合金具(放水口)72と、不図示の送水用ホースと、を備える。第1結合金具71には、ポンプ67に対して上流側の送水経路等が接続される。
大容量泡放水砲システムの加圧ポンプ、圧縮空気消火システムの加圧ポンプも、可搬消防ポンプ60Bと概ね同様に構成されている。可搬消防ポンプ60Bを運ぶ場合には、例えば、使用者が2人で持ち上げて運んだり、台車に乗せて運んだりする。
【0080】
可搬消防ポンプ60Bは、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、可搬消防ポンプ60Bは、不図示の吸管と第1結合金具71との接続口60B1、第1結合金具71とポンプ67との接続口60B2、ポンプ67の内部、ポンプ67と第2結合金具72との接続口60B3、第2結合金具72と送水用ホース(不図示)との接続口60B4のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。
ここで、ポンプ67の内部に微細気泡生成装置を設ける場合には、例えば、ポンプ67のケーシング(すなわち、タービンポンプ自体)の内部またはポンプ内部の送水経路に微細気泡生成装置を設ける。
【0081】
大容量泡放水砲システムの加圧ポンプと圧縮空気消火システムの加圧ポンプは、可搬消防ポンプ60Bと概ね同様に構成されているので説明を省略する。なお、ポンプ67については、
図14の消火設備100、
図17の加圧送水設備130でも説明する。
【0082】
すなわち、動力消防ポンプ設備60は、消防ポンプ自動車60A及び大容量泡放水砲システムの加圧ポンプ車及び圧縮空気消火システムの消防ポンプ自動車によれば、接続口60A1、接続口60A2、ポンプ61の内部、接続口60A3、接続口60A4のなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。
また、動力消防ポンプ設備60は、可搬消防ポンプ60B及び大容量泡放水砲用可搬消防ポンプによれば、接続口60B1、接続口60B2、ポンプ67の内部、接続口60B3、接続口60B4のなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。
これにより、動力消防ポンプ設備60は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0083】
ここで、動力消防ポンプ設備において、微細気泡を混入した消火用水は送水経路の摩擦力低減効果を得た結果、送水先での圧損(圧力損失)が減少することが知られている。これにより、送水先において必要な一定の水圧を確保するために動力消防ポンプ設備に必要な加圧性能は小さくてもよい。
【0084】
<消火水嚢>
図8は、実施形態の消火水嚢に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図9は、実施形態の消火水嚢の使用例を説明する概略図である。
図10は、実施形態の消火水嚢に備えた分岐給水装置を示す概略図である。
図8から
図10に示すように、消防用水供給設備80は、消火水嚢であり、消火水嚢80に微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。消火水嚢80は、林野火災、残火処理等に用いられる。消火水嚢80は、例えば、水嚢本体(背負い式消火水嚢)81と、ホース82と、ハンドポンプ83と、ノズル84と、分岐給水装置85と、を備える。
【0085】
分岐給水装置85は、消火水嚢80を使用する際に、分岐給水装置本体85Aの給水口85Bに給水用ホース86が接続される。また、給水用ホース86は、ポンプ87を介して水源88に接続される。すなわち、分岐給水装置85は、給水用ホース86及びポンプ87を介して水源88に接続される。ここで、分岐給水装置85は、例えば、分岐給水装置本体85Aの複数の取水口85Cにそれぞれ取水用ホース85Dが設けられる。取水用ホース85Dは、水嚢本体81の給水口81Aに接続される。これにより、水嚢本体81を分岐給水装置85、給水用ホース86、及びポンプ87を介して水源88に接続できる。水嚢本体81は、放水口81Bがホース82に接続されている。
【0086】
また、分岐給水装置85は、消火水嚢80を利用する消火環境によって未使用とすることも可能である。すなわち、消火水嚢80は、利用する消火環境に応じて水嚢本体81の給水口81Aに給水用ホース86の取水口86Aを接続することも可能である。これにより、水嚢本体81を給水用ホース86及びポンプ87を介して水源88に接続できる。
消火水嚢80は、例えば、水嚢本体81を使用者89が背負い、ハンドポンプ83を操作することによりノズル84から放水することが可能である。
【0087】
消火水嚢80は、「ノズル」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路等において、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、消火水嚢80は、分岐給水装置85の給水口85B、分岐供給本体85Aの取水口85C、給水用ホース86の取水口86A、水嚢本体81の給水口81A、水嚢本体81の内部81C、水嚢本体81の放水口81B、ホース82の内部途中82A、ホース82とハンドポンプ83とのハンドポンプ接続口80A、ハンドポンプ83の内部83Aのなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。
【0088】
すなわち、消火水嚢80は、給水口85B、取水口85C、取水口86A、給水口81A、水嚢本体内部81C、放水口81B、ホース82の内部途中82A、ハンドポンプ接続口80A、ハンドポンプ83の内部83Aのなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。よって、消火水嚢80は、「ノズル」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路においてファインバブルを消火用水に混入できる。
これにより、消火水嚢80は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0089】
また、消火水嚢80は、「ノズル」において図中の「黒丸」で示すハンドポンプ83とノズル84とのノズル接続口80B、ノズル84の内部84A、ノズル84の吐出口84Bに微細気泡生成装置を設けることが可能である。すなわち、消火水嚢80は、「ノズル」において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。これにより、消火水嚢80は、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0090】
<消火器具>
図11は、実施形態の消火器具の消火器に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図12は、実施形態の消火器具のパッケージ型自動消火設備に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図13は、実施形態の消火器具の自動消火装置に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図11から
図13に示すように、消防用水供給設備90は、消火器具であり、消火器具90に微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。消火器具90としては、消火器90A、パッケージ型自動消火設備90B、不図示のパッケージ型消火設備、自動消火装置90Cが挙げられる。
【0091】
図11に示すように、消火器90Aは、例えば、屋内に設置され、容器90A1の内部に消火剤(消火薬剤)と加圧用ガスが貯えられている。また、消火器90Aは、容器90A1の内部にサイホン管90A2が収納され、容器90A1の頂部にレバー90A3が設けられる。
消火器90Aは、「ノズルの吐水口」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路等において、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、消火器90Aは、サイホン管90A2の先端(すなわち、消火用水の取水口)90A4、サイホン管90A2の内部途中90A5、ホース90A7の接続口90A6、ホース90A7の内部途中90A8、ホース90A7の先端90A9(すなわち、ノズル90A10の直前のノズル接続口)、不図示のノズル内部のなかから選択した任意の箇所において微細気泡生成装置が設けられる。
【0092】
すなわち、消火器90Aは、サイホン管90A2の先端90A4、サイホン管90A2の内部途中90A5、ホース90A7の接続口90A6、ホース90A7の内部途中90A8、ホース90A7の先端90A9(すなわち、ノズル90A10の直前のノズル接続口)、不図示のノズル内部のなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。よって、消火器90Aは、「ノズルの吐水口」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路においてファインバブルを消火用水に混入できる。
これにより、消火器90Aは、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0093】
また、消火器90Aは、「ノズルの吐水口」において、図中の「黒丸」で示すノズルの先端90A11に微細気泡生成装置を設けることが可能である。
消火器90Aは、「ノズルの吐水口」としてノズル90A10の先端90A11において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。よって、消火器90Aは、「ノズルの吐水口」においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火器90Aは、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0094】
図12に示すように、パッケージ型自動消火設備90Bは、移動が難しいように固定された大型の消火器である。パッケージ型自動消火設備90Bは、例えば、スプリンクラー設備の代替として設置可能な設備である。パッケージ型自動消火設備90Bは、容器90B1の内部に薬剤貯蔵容器90B2及び加圧用ガス容器90B3が個別に収納されている。よって、パッケージ型自動消火設備90Bは、水源から消火用水を案内する配管を不要にできる。パッケージ型自動消火設備90Bは、加圧用ガス容器90B3が薬剤貯蔵容器90B2の外側に配置されている以外は消火器90Aと略同じ構成である。
【0095】
パッケージ型自動消火設備90Bは、「ヘッドやノズル」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路等において、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、パッケージ型自動消火設備90Bは、薬剤貯蔵容器90B2の放出口90B4、配管90B5の内部途中90B6、スプリンクラーヘッド90B8(すなわち、散水ヘッド90B8)の上流側90B7のなかから選択した任意の箇所において微細気泡生成装置が設けられる。なお、90B10は作動装置、90B11は受信盤、90B12は感知器である。
【0096】
パッケージ型自動消火設備90Bは、放出口90B4、配管90B5の内部途中90B6、スプリンクラーヘッド90B8の上流側90B7のなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。よって、パッケージ型自動消火設備90Bは、「ヘッドやノズル」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路においてファインバブルを消火用水に混入できる。
これにより、パッケージ型自動消火設備90Bは、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0097】
また、パッケージ型自動消火設備90Bは、「ヘッドやノズル」において、図中の「黒丸」で示すスプリンクラーヘッド90B8(散水ヘッド90B8)の接続口(又は内部又は放出口)90B9に微細気泡生成装置を設けることが可能である。すなわち、パッケージ型自動消火設備90Bは、「ヘッドやノズル」として接続口(又は内部又は放出口)90B9において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。これにより、消火器90Aは、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0098】
不図示のパッケージ型消火設備は、パッケージ型自動消火設備90Bに備えている感知器90B12、受信盤90B11、作動装置90B10、配管90B5、散水ヘッド90B8を除去し、配管90B5に代えてホースが接続されている。パッケージ型消火設備によれば、ホースを人力で伸ばし、人力で作動させることにより放水する。
【0099】
図13に示すように、自動消火装置90Cは、天井等に取り付けられて温度を感知して自動的に放水する消火器である。自動消火装置90Cは、容器90C1に消火剤が貯えられ、ガスボンベ90C2にガスが貯えられている。また、自動消火装置90Cは、容器90C1に噴射ノズル(散水口のヘッドやノズル)90C3が接続されている。よって、自動消火装置90Cは、水源から消火用水を案内する配管を不要にでき、スプリンクラーの代替として設置可能な設備である。なお、90C4は火災感知器である。自動消火装置90Cとしては、例えば、不図示の住宅用下方放出型自動消火装置、不図示のフード等用簡易自動消火装置等が挙げられる。
【0100】
自動消火装置90Cは、「ヘッドやノズル」において、図中の「黒丸」で示す噴射ノズル90C3の接続口90C5(又は内部又は放出口)に微細気泡生成装置を設けることが可能である。すなわち、自動消火装置90Cは、噴射ノズル90C3の接続口90C5において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。これにより、自動消火装置90Cは、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0101】
<消火設備>
図14は、実施形態の消火設備に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図14において、矢印Bは消火用水が上流側から下流側に流れる方向を示す。
図14に示すように、消防用水供給設備100は、消火設備であり、消火設備100に微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。消火設備100は、例えば、消火用水101と、加圧送水装置102と、配管103と、屋外消火栓104と、屋内消火栓105と、スプリンクラーヘッド106と、水噴霧ヘッド107と、泡消火薬剤混合器108と、ドレンチャーヘッド109と、放水銃110と、散水設備111と、補助高架水槽112と、を備える。
【0102】
消火用水101は、防火水槽又は防火水槽に代わる水道水、貯水池その他の用水である。消火用水101としては、例えば、防火水槽、水嚢が挙げられる。防火水槽、水嚢は、
図3で説明した防火水槽・水嚢40(すなわち、防火水槽41、水嚢42)と同様に構成されている。
【0103】
消火設備100は、図中の「黒丸」で示す消火用水101(すなわち、消火用水の水源)に微細気泡生成装置を設けることが可能である。よって、消火設備100は、消火用水101において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。
これにより、消火設備100は、防火水槽41、水嚢42と同様に、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」を得ることができる。加えて、消火用水101は、「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」も併せて得ることができる。
【0104】
また、消火設備100は、「散水口のヘッドやノズル」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路等において、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、消火設備100は、加圧送水装置102の吐出口102A、配管103の内部途中103Aに微細気泡生成装置が設けられる。
【0105】
加圧送水装置102としては、高架水槽、圧力水槽、ポンプが挙げられる。高架水槽は、
図16で説明する高架水槽130Aと同様に構成されている。圧力水槽は、
図17で説明する圧力水槽130Bと同様に構成されている。ポンプは、
図5で説明した動力消防ポンプ設備60のポンプ61,67と同様に構成されている。
【0106】
さらに、消火設備100は、配管103から屋外消火栓104への接続口103B、配管103から屋内消火栓105への接続口103C、配管103から泡消火薬剤混合器108への接続口103D、配管103から放水銃110への取付口103E、配管103から散水設備111への取付口103Fに微細気泡生成装置が設けられる。
【0107】
屋外消火栓104は、建物に付随する敷地内設備としての屋外消火栓と、道路に整備されている公共の敷地内設備としての屋外消火栓と、が知られている。屋外消火栓104には、器具格納式消火栓104A、地下式消火栓104B、地上式消火栓104Cが含まれる。
器具格納式消火栓104Aは、
図4で説明した消火用ホース・放水ノズル50と同様に、ホース、管そう、ノズルにおいてそれぞれの接続口や内部に微細気泡生成装置が設けられる。地下式消火栓104Bは、
図2で説明した地下式消火栓30Bと同様に、微細気泡生成装置が設けられる。地上式消火栓104Cは、
図2で説明した地上式消火栓30Aと同様に、微細気泡生成装置が設けられる。
【0108】
屋内消火栓105は、消火用ホース・放水ノズル105Aを備える。消火用ホース・放水ノズル105Aは、
図4で説明した消火用ホース・放水ノズル50と同様に、ホースと、管そうと、ノズルと、を備える。屋内消火栓105は、消火用ホース・放水ノズル105Aのホースに接続する放水口105Bに微細気泡生成装置が設けられる。また、消火用ホース・放水ノズル105Aは、
図4で説明した消火用ホース・放水ノズル50と同様に、ホース、管そう、ノズルにおいてそれぞれの接続口や内部に微細気泡生成装置が設けられる。
【0109】
泡消火薬剤混合器108は、泡消火薬剤混合器108の内部、泡消火薬剤混合器108から配管114への接続口(泡消火薬剤混合器108の後)108Aに微細気泡生成装置が設けられる。また、配管114の内部途中114Aに微細気泡生成装置が設けられる。
放水銃110は内部110Aに微細気泡生成装置が設けられる。散水設備111は内部111Aに微細気泡生成装置が設けられる。
【0110】
加えて、消火設備100は、補助高架水槽112、補助高架水槽112から配管103への吐出口112Aに微細気泡生成装置が設けられる。補助高架水槽112は、
図16で説明する高架水槽130Aと同様である。
【0111】
よって、消火設備100は、加圧送水装置102、吐出口102A、配管103の内部途中103A、接続口103B、接続口103C、接続口103D、取付口103E、取付口103F、器具格納式消火栓104A、地下式消火栓104B、地上式消火栓104C、放水口105B、消火用ホース・放水ノズル105A、接続口108A、配管114の内部途中114A、放水銃110の内部110A、散水設備111の内部111A、補助高架水槽112、吐出口112A等のなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。
【0112】
すなわち、消火設備100は、「散水口のヘッドやノズル」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路等においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、消火設備100は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0113】
さらに、消火設備100は、「散水口のヘッドやノズル」等において、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、消火設備100は、配管103からスプリンクラーヘッド106への接続口103G(又は内部又は放出口)、配管103から水噴霧ヘッド107への接続口103H(又は内部又は放出口)、配管103からドレンチャーヘッド109への取付口103I(又は内部又は放出口)、配管114から泡放出口115への接続口114B(又は内部又は放出口)、放水銃110のノズル取付口(不図示)(又は内部又は放出口)、散水設備のヘッドやノズル等の不図示の取付口(又は内部又は放出口)に微細気泡生成装置が設けられる。
【0114】
よって、消火設備100は、接続口103G、接続口103H、取付口103I、接続口114B、放水銃110のノズル取付口(不図示)、散水設備のヘッドやノズル等の取付口(不図示)のなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。
すなわち、消火設備100は、「散水口のヘッドやノズル」等においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0115】
<消防活動上必要な設備>
図15は、実施形態の消防活動上必要な設備に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図15において、矢印Cは消火用水が上流側から下流側に流れる方向を示す。
図15に示すように、消防用水供給設備120は、消防活動上必要な設備であり、消防活動上必要な設備120に微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。消防活動上必要な設備120としては、連結散水設備120A、連結送水管設備120Bが挙げられる。
【0116】
連結散水設備120Aは、送水口(連結送水口)121と、配管122と、散水ヘッド123と、を備える。連結散水設備120Aは、例えば、送水口121の接続口121Aが消防ポンプ自動車127のホース(送水用ホース)128に接続される。
連結散水設備120Aは、「散水口のヘッド」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路等において、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、連結散水設備120Aは、送水口121の接続口121Aや配管122の内部途中122Aに微細気泡生成装置が設けられる。
【0117】
よって、連結散水設備120Aは、送水口121の接続口121A、配管122の内部途中122Aのなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。すなわち、連結散水設備120Aは、「散水口のヘッド」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、連結散水設備120Aは、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0118】
また、連結散水設備120Aは、「散水口のヘッド」において、図中の「黒丸」で示す散水ヘッド123の接続口122B(又は内部又は放出口)に微細気泡生成装置を設けることが可能である。すなわち、連結散水設備120Aは、「散水口のヘッド」として散水ヘッド123の接続口122B(又は内部又は放出口)において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。これにより、連結散水設備120Aは、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0119】
連結送水管設備120Bは、送水口(連結送水口)121と、配管122と、放水口124と、結合金具125と、を備える。連結送水管設備120Bは、例えば、送水口121の接続口121Aが消防ポンプ自動車127のホース(送水用ホース)128に接続される。また、連結送水管設備120Bは、例えば、結合金具125に放水用ホース(不図示)が接続される。
【0120】
連結送水管設備120Bは、消火用水の取水口以降の送水経路等において、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、連結送水管設備120Bは、送水口121の接続口121A、配管122の内部途中122A、放水口(連結送水管放水口)124から結合金具125への接続口124Aに微細気泡生成装置が設けられる。
【0121】
よって、連結送水管設備120Bは、送水口121の接続口121A、配管122の内部途中122A、放水口124の接続口124Aのなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。すなわち、連結送水管設備120Bは、消火用水の取水口以降の送水経路においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、連結送水管設備120Bは、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0122】
<加圧送水装置>
図16は、実施形態の加圧送水装置の高架水槽に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
図17は、実施形態の加圧送水装置の圧力水槽に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【0123】
図16、
図17に示すように、消防用水供給設備130は、加圧送水装置であり、加圧送水装置130に微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。加圧送水装置130は、
図14で説明した加圧送水装置102と同様に構成されている。加圧送水装置130としては、高架水槽130A、圧力水槽130B、不図示のポンプが挙げられる。ポンプは、
図5で説明した動力消防ポンプ設備60のポンプ61,67、
図14で説明した加圧送水装置102のポンプと同様に構成されている。
【0124】
図16に示すように、高架水槽130Aは、
図14で説明した補助高架水槽112と同様に構成されている。高架水槽130Aは、防火用水の水源として内部に水を貯えることができる。高架水槽130Aは、例えば、吐出口130A1から配管131が下方に向けて延びている。
高架水槽130Aは、図中の「黒丸」で示す水槽への補水口130A3、又は、内部130A2に微細気泡生成装置が設けられる。よって、高架水槽130Aは、内部130A2において微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。
すなわち、高架水槽130Aの水源においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、高架水槽130Aは、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」、「送水経路の摩擦力低減効果」を得ることができ、さらに「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0125】
また、高架水槽130Aは、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、高架水槽130Aは、高架水槽130Aから配管131に接続する吐出口130A1、配管131の内部途中131Aに微細気泡生成装置が設けられる。
【0126】
よって、高架水槽130Aは、高架水槽130Aの吐出口130A1、配管131の内部途中131Aのなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。すなわち、高架水槽130Aは、消火用水の取水口以降の送水経路等においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、高架水槽130Aは、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0127】
ここで、高架水槽130Aから延びる配管131の内部途中131Aにおいてファインバブルを生成する理由は次の通りである。すなわち、高架水槽130Aの配管131の内部途中131Aにおいて消火用水の圧力が高まる。このため、高架水槽130Aの配管131の内部途中131Aにおいて消火用水の圧力を利用してファインバブルを好適に生成できる。
【0128】
図17に示すように、圧力水槽130Bは、防火用水の水源として内部に水を貯えることができる。圧力水槽130Bは、加圧装置133が接続され、消火用水を補給する補水口130B3に補水管135が接続され、吐出口130B1から配管134が延びている。
圧力水槽130Bは、図中の「黒丸」で示す補水口130B3、又は、内部130B2に微細気泡生成装置が設けられる。よって、圧力水槽130Bは、内部130B2において微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。
すなわち、圧力水槽130Bの水源においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、圧力水槽130Bは、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」、「送水経路の摩擦力低減効果」を得ることができ、さらに「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0129】
また、圧力水槽130Bは、図中の「黒丸」で示す圧力水槽130Bから配管134に接続する吐出口130B1に微細気泡生成装置が設けられる。よって、圧力水槽130Bは、圧力水槽130Bの吐出口130B1において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。
すなわち、圧力水槽130Bは、消火用水の取水口以降の送水経路等においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、圧力水槽130Bは、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0130】
ここで、加圧送水装置130において、微細気泡を混入した消火用水は送水経路の摩擦力低減効果を得た結果、送水先での圧損(圧力損失)が減少することが知られている。これにより、送水先において必要な一定の水圧を確保するために加圧送水装置130に必要な加圧性能は小さくてもよい。
【0131】
<水道連結型スプリンクラー設備>
図18は、実施形態の水道連結型スプリンクラー設備において水道連結型スプリンクラー設備に微細気泡生成装置を設ける具体的な箇所を説明する概念図である。
【0132】
図18に示すように、消防用水供給設備140は、水道連結型スプリンクラー設備であり、水道連結型スプリンクラー設備140に微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。水道連結型スプリンクラー設備140としては、受水槽式スプリンクラー設備140A、不図示の水道直結直圧方式スプリンクラー設備、不図示の水道直結増圧方式スプリンクラー設備が挙げられる。
【0133】
水道連結型スプリンクラー設備140Aは、配水管141と、給水配管142と、止水栓143と、水道メータ144と、受水槽153と、加圧ポンプ154と、高架水槽への配管155と、高架水槽156と、スプリンクラー配管147と、水道連結型ヘッド148(以下、スプリンクラーヘッド148ということもある)と、を備える。
【0134】
水道連結型スプリンクラー設備140Aは、配水管141から給水配管142を経て受水槽153に水を貯え、水を加圧ポンプ154で送水してもよく、予め高架水槽156に消火用水を送水して貯えておき、高架水槽式による加圧送水を行うことも可能である。すなわち、受水槽153と高架水槽156は、消火用水の水源としての役割を果たす。
【0135】
水道連結型スプリンクラー設備140Aは、「散水口のヘッド」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路等において、図中に示す「黒丸」のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、水道連結型スプリンクラー設備140Aは、水道メータ144の出口142A1、受水槽の受水口153A、受水槽の内部153B、加圧ポンプ154、高架水槽156への配水管155の途中155A、高架水槽の受水口156A、高架水槽の内部156B、高架水槽の配水口156C、スプリンクラー配管147の内部途中147Aに微細気泡生成装置が設けられる。
加圧ポンプ154は、例えば、
図5に示す動力消防ポンプ設備60のポンプ61と概ね同様に構成されている。
高架水槽156は、例えば、
図16に示す加圧送水装置130の高架水槽130Aと概ね同様に構成されている。
【0136】
水道連結型スプリンクラー設備140Aは、図中の「黒丸」で示す受水槽153及び高架水槽156(すなわち、消火用水の水源)、又は消火用水の取水口以降の受水槽153又は高架水槽156までの送水経路等に微細気泡生成装置を設けることが可能である。よって、水道連結型スプリンクラー設備140Aは、水源としての受水槽153において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。
これにより、水道連結型スプリンクラー設備140Aは、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」を得ることができる。加えて、ポンプ方式(湿式)スプリンクラー設備140Bは、「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」も併せて得ることができる。
【0137】
よって、水道連結型スプリンクラー設備140Aは、水道メータ144の出口142A1、受水槽の受水口153A、受水槽の内部153B、加圧ポンプ154、高架水槽への配水管155の途中155A、高架水槽の受水口156A、高架水槽の内部156B、高架水槽の配水口156C、スプリンクラー配管147の内部途中147Aのなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。すなわち、水道連結型スプリンクラー設備140Aは、「散水口のヘッド」を除いた消火用水の取水口以降の送水経路においてファインバブルを消火用水に混入できる。これにより、水道連結型スプリンクラー設備140Aは、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0138】
また、水道連結型スプリンクラー設備140Aは、「散水口のヘッド」において、図中の「黒丸」で示すスプリンクラーヘッド148の接続口148Aに微細気泡生成装置を設けることが可能である。すなわち、水道連結型スプリンクラー設備140Aは、「散水口のヘッド」としてスプリンクラーヘッド148の接続口148A(又は内部又は散水口)において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。これにより、水道連結型スプリンクラー設備140Aは、特に「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。
【0139】
また、水道連結型スプリンクラー設備140Aは、受水槽153、加圧ポンプ154、及び高架水槽156のすべて、又は受水槽153、加圧ポンプ154、及び高架水槽156のいずれかを未使用とすることも可能である。受水槽153、加圧ポンプ154、及び高架水槽156のすべてを未使用とする場合、不図示の水道直結直圧式スプリンクラー設備となる。また、受水槽135及び高架水槽156を未使用とする場合、水道直結増圧方式スプリンクラー設備となる。
【0140】
<泡消火システム>
図19は、実施形態の泡消火システムを説明する概念図である。
図19に示すように、泡消火システム170は、消火用水に消火剤を混ぜて、水を泡状にして放水するシステムであり、消防活動上必要なシステムに微細気泡生成装置(不図示)が備えられる。泡消火システム170としては、圧縮空気泡消火装置170A、泡消火装置170Bが挙げられる。
【0141】
圧縮空気泡消火装置170Aは、ポンプ171と、混合器172と、コンプレッサー173と、ノズル174と、不図示の微細気泡生成装置と、を備える。圧縮空気泡消火装置170Aは、ポンプ171から送水経路176を経て混合器172に消火用水を送水し、混合器172において消火用水に消火剤を混合する。消火剤としては、例えば界面活性剤等が使用される。消火剤を混合した混合液にコンプレッサー173から圧縮空気を送り込み、混合液を発泡させる。発泡させた混合液をノズル174までホース177内を経て送水し、泡状の混合液(すなわち、消火用水)をノズル174から放水する。
【0142】
不図示の微細気泡生成装置は、混合液を発泡させる上流側に設置される。すなわち、微細気泡生成装置は、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、微細気泡生成装置は、混合器172の直前172A1、混合器172の内部172A2、混合器172の吐出口172A3、送水経路178の途中178Aに設けられる。
【0143】
泡消火装置170Bは、ポンプ171と、混合器172と、泡ノズル182と、不図示の微細気泡生成装置と、を備える。泡消火装置170Bは、ポンプ171から送水経路176を経て混合器172に消火用水を送水し、混合器172において消火用水に消火剤を混合する。消火剤を混合した混合液を泡ノズル182までホース183内を経て送水する。泡ノズル182は、混合液に空気を取り込むことにより混合液を発泡させ、泡状の混合液(すなわち、消火用水)を放水する。
【0144】
不図示の微細気泡生成装置は、混合液を発泡させる上流側に設置される。すなわち、微細気泡生成装置は、図中に示す「黒丸」等のなかから選択した任意の箇所に微細気泡生成装置を設けることが可能である。具体的には、微細気泡生成装置は、混合器172の直前172A1、混合器172の内部172A2、混合器172の吐出口172A4、送水経路183の途中183A1、泡ノズル182の接続部183A2、泡ノズル182の内部182Aに設けられる。
【0145】
すなわち、泡消火システム170は、圧縮空気泡消火装置170A及び泡消火装置170Bによれば、「黒丸」等の箇所のなかから選択した任意の箇所において、微細気泡生成装置から消火用水にファインバブルが混入される。これにより、泡消火システム170は、特に「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」を得ることができる。加えて、圧縮空気泡消火装置170Aによれば、混合液を発泡させることにより、「消火剤等に対する補強効果」において、消火用水の発泡を強化し、さらに消火用水の発泡に対する保持力を強化する効果を得ることができる。
【0146】
泡消火システム170は、例えば大容量泡放水砲システム、化学消防車、圧縮空気泡消火システム消防車への適用が可能である。大容量泡放水砲システムは、コンビナートにおける石油タンクの火災等を消火する大型のシステムである。大容量泡放水砲システムは、例えば専用大型ポンプ(車両の場合もある)、消火剤タンク(運搬車)、泡原液混合装置(車)、放水砲(車)等に分かれて一体として機能するように構成される。化学消防車及び圧縮空気泡消火システム消防車は、単体の消防車としても存在するが、動力消防ポンプ、混合器、コンプレッサーの集合体として構成されることも可能である。
【0147】
以上説明したように、実施形態の消防用水供給設備10,30,40,50,60,80,90,100,120,130,140,170によればつぎの作用、効果を得ることができる。以下、消防用水供給設備10,30,40,50,60,80,90,100,120,130,140,170を「消防用水供給設備10~170」と略記することもある。
【0148】
消防用水供給設備10~170は、微細気泡生成装置を備えることにより、消火のために放水する消火用水にファインバブルを混入させることができる。よって、消防用水供給設備10~170は、消火用水にファインバブルを混入させることにより、「殺菌・消毒等の作用による水質保持効果」、「送水経路の摩擦力低減効果」、「消火剤等に対する補強効果」、「消火機構に対する効果」、の4つの効果を得ることができる。
【0149】
これにより、消防用水供給設備10~170は、放水した消火用水を消火対象物等に対して好適に付着させることや、好適に浸透させることができる。すなわち、消防用水供給設備10~170は、消火対象物等に対して消火用水の付着性や浸透性を高めることができる。
したがって、消防用水供給設備10~170によれば、放水した消火用水により消火対象物等を好適に消火でき、消火用水による消火効率の向上を図ることができる。この結果、消火用水による単位放水量に対する消火効果(効率)の向上を図ることができる。
【0150】
また、消防用水供給設備10~170に微細気泡生成装置のみを備えるだけで、消火用水に微細気泡を混入させることができる。これにより、既存の消防用水供給設備に微細気泡生成装置を簡易に適応することができ、消火剤のメンテナンスや補給を不要に、あるいは軽減できる。
【0151】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0152】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0153】
10,30~60,80~100,120~140,170 消防用水供給設備
30 消火栓(消防用水供給設備)
40 防火水槽・水嚢(消防用水供給設備)
50 消火用ホース・放水ノズル(消防用水供給設備)
60 動力消防ポンプ設備(消防用水供給設備)
80 消火水嚢(消防用水供給設備)
90 消火器具(消防用水供給設備)
100 消火設備(消防用水供給設備)
120 消防活動上必要な設備(消防用水供給設備)
130 加圧送水装置(消防用水供給設備)
140 水道連結型スプリンクラー設備(消防用水供給設備)
170 泡消火システム(消防用水供給設備)